来期はEC事業の売上を倍増させろ。人は増やさんが――社長の“むちゃぶり”に負けない統合型ECソリューション「SNAPEC-EX」
「ECサイトをつくる」だけでなく、「ECの売上をリアル店舗も含めて全体で向上させる」ことが、われわれのミッションなのです。
そのために、「スマートフォンやソーシャルメディアなど、あらゆる経路から集客する」「リアル店舗のPOSと連携したりO2Oで送客したりする」といった販促・マーケティングの機能や、ビッグデータ分析もできるコンサルティング、さらにはフルフィルメントサービスも包括したサービスとして提供しています。
いつでもどこでもネットに接続できるスマートフォンの普及に伴い、「リアル」と「ネット」を区別せずに商品を購入する消費者が増えている。顧客の購買行動が大きく変化するなか、ECビジネスの売上アップに貢献するECソリューションの特長とは?
富士通は、今年の6月に、急成長するデジタルマーケティング領域における拡販部門を新設し、お客様の課題解決につながるオファリング強化に取り組んでいる。特にEC市場が拡大する流れのなかで、富士通システムズ・ウエストと連携したECソリューションの提案活動に注力している。今回は、ECサイトの売上年商1億円以上の顧客を中心に「SNAPEC-EX(スナップイーシー・イーエックス)」を提供する富士通システムズ・ウエストのデジタルマーケティング部 矢頭史朗部長にうかがった。
「ECサイトをつくる」から「結果を出すサイトに」へと変化する課題
リアル店舗のビジネスをメインに取り組んでいる流通・小売業の場合、ECサイトの担当チームは数名程度で構成されていることが多い。売上規模によってはわずか1名で、他の業務と兼務しながら担当しているケースもあるかもしれない。
また、流通・小売業に限らず、あらゆる業種のEC事業においても、「とにかく日々の運営だけで手一杯だ」というのが、ECサイト担当者の実感ではないだろうか。
にもかかわらず、ある日突然、社長から、
来期からEC事業の売上をもっと上げろ(※ただし人は増やさない)
などと“むちゃぶり”されるケースが多くなっているのだという。
もちろんその背景にあるのは、ECという新しいチャネルに対する期待の高まりだ。スマートフォンの普及などに伴い、顧客の購買行動の変化が大きく変わりつつあるのは、誰もが感じていることだろう。
こうした環境の変化をチャンスと捉えた経営者が「ネット戦略の拡大」といった経営目標を掲げるわけだが、困るのはむちゃぶりされるECサイト担当者だ。
事実、売上拡大を目的として新規ECサイトを開設しても、思うような成果を上げられないケースが目立っているのだという。ECソリューション「SNAPEC-EX(スナップイーシー・イーエックス)」を提供し、流通・小売業を中心に150サイトの導入実績のある富士通システムズ・ウエストの矢頭史朗デジタルマーケティング部長は、顧客が抱えるECサイトの課題を次のように説明する。
「1年ほど前は、弊社のお客様から一番多く聞かれた課題は、“とにかくECサイトを立ち上げたい、売り場をつくりたい”というものでした。
しかし当然ですが、ECサイトを開設しただけでたくさんの顧客を獲得して売上をあげられるとは限りません。多くの場合は、“ECサイトを作ったはいいけれども、成果につながらない”という問題に突き当たってしまうのです。
そのため、今現在、お客様の課題は、“いかに集客し、優良客に育成し、成果を向上させていくか”に変化しています
」
このような課題の解決にいち早く対応し、マーケティング面の支援に強みを持たせたECソリューションが、富士通の「SNAPEC-EX」だ。
- 顧客セグメントに応じたレコメンド機能
- O2Oによる実店舗への送客機能
- スマートフォン対応(マルチデバイス対応)
- ソーシャルメディア連携
――SNAPEC-EXが備えているこのような販促/マーケティング機能は、他のECソリューションにも実装されているが、一方で活用されていないケースもある。問題は、日々の業務に追われるECサイト担当者が、マーケティング機能を使いこなすことができるかどうかだ。いかに優れた機能であっても、使われなければ成果は上がらない。
そこでSNAPEC-EXでは、顧客データ分析を専門とする富士通内の他部署とも連携を取りながら、導入企業に対してさまざまな施策の改善案を提案する。
「たとえばメルマガであれば、導入企業の顧客データを分析し、どのセグメントにメールを配信するのが効果的なのかをご提案しています。
企業内に散在する、リアルとネットの購買チャネルごとのデータを融合し、精度の高い顧客分析とそれに基づく施策のアドバイスを行っているのが特長です。将来的には導入企業の企業内データと外部データを融合し、DMPの形でさらに高度な顧客分析に基づく提案を行うことも視野に入れています
」
売上規模にもよるが、通常は膨大なデータを分析するための専任の人材が社内にいるということは、滅多にないだろう。しかしSNAPEC-EXであれば、そのようなデータ・アナリストが社内にいなくても、富士通のアナリストが行ったデータ分析に基づく改善の方向性を、コンサルタントがEC側に示してくれるわけだ。
「実際に導入前は月商約3,000万円だった売上が、弊社のコンサルタントがお手伝いをしたことで現在は月商約1億円と飛躍的に成長しているお客様もいらっしゃいます。このお客様は独自のサイトを運営されているのですが、そうした方に提供しているコンサルティングと同様のサービスを、SNAPEC-EXのお客様に提供しています。
富士通というとハードウェアやソフトウェアの会社だと思われるかもしれませんが、実は、われわれはコンサルティングや実践的なマーケティング施策にも強いのです。
それこそ、Web担当者Forumで解説されているアクセス解析やソーシャルメディアマーケティングやO2Oや広告施策の最適化といった記事を多忙な担当者さんが読まなくても、コンサルタントが必要なデータを分析して次のアクションを提示します
」
SNAPEC-EXでは、顧客のニーズに合わせて、社内外のサービスを最適に組み合わせて提供・提案しているのだという。
業務とシステムの幅広いノウハウをもとに、
ネットとリアルのビジネス成長を両立
ECサイトが軌道に乗り、売上が増加してくると、人的リソースがさらに足りなくなるという別の課題が生じてくる。実は、こうした課題に悩まされている企業は、マーケティング面に問題を抱える企業と同じくらい多いのだという。
「少人数のEC運営チームは、マーケティング、サイトの運営、顧客対応はもちろん、商品の発送まで担当していることが珍しくありません。そのため、人手が足りないという課題を解決しなければ、お客様のビジネス成長は実現できません。
ですからECソリューションは、単にマーケティングを支援するだけでなく、現場の方々の負荷の軽減、業務の効率化も、同時に実現する必要があります
」
SNAPEC-EXの強みは、前述のマーケティング機能だけでなく、注文・在庫・決済・物流管理などの豊富な機能を持つ、フルフィルメントを実現できるECソリューションであるという点だ。
SNAPEC-EXは下図の通り、プロモーション、マーケティング、ECサイト運用のあらゆるシステムを統合しており、O2OやSNSなども含めた広範囲なチャネル連携、顧客とのリレーション強化を実現するさまざまなサービスを提供している。
従来はそれぞれ個別に管理せざるを得なかった、各チャネルでの顧客データ、売上、在庫、決済、倉庫、配送といった情報を、1つの管理画面で一元管理できるようになる。ECサイト担当者はいくつものツールにログインを繰り返してデータを取り、エクセルで集計するといった煩雑な業務から解放され、ECサイトの売上を上げるという本来の業務に集中できるようになる。
「従来のECソリューションでは、一元管理といっても、たとえばリアルの顧客データとネットの顧客データは別々に存在していました。しかしSNAPEC-EXを導入すれば、リアルとネットの顧客データを統合し、リアル/ネットともに相乗効果をあげられる施策を考えていくことができます
」
さらに言えば富士通は、小売業向けに多くのPOSシステムの納入実績がある。そのため、バックヤードや物流も含めた業務全体にノウハウや知見があることも、大きな強みだ。
「われわれのミッションは、お客様に売上をアップしていただくことです。決して、弊社のECソリューションを導入してもらうことがゴールだとは考えていません
」
矢頭氏の言うまさにこの点こそが、ECソリューション「SNAPEC-EX」の一番の特長なのだ。
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