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ヤフーが「PayPayモール」「Yahoo!ショッピング」を一本化する理由とその背景 | 大手ECモールの業績&取り組み&戦略まとめ

4 years 2ヶ月 ago
ヤフーは10月中に「PayPayモール」「Yahoo!ショッピング」を統合し、ECモール運営を新生「Yahoo!ショッピング」に一本化すると公表した

ヤフーは結局、「PayPayモール」と「Yahoo!ショッピング」を一本化するらしい――。

EC業界でこんな声が広まったのは6月後半のこと。出店者の間では、「消費者から見ると、買い物の場が『Yahoo!ショッピング』『PayPayモール』の2つにわかれていたため、わかりにくかったのではないのか」「集客も2分してしまったのでは」「ヤフー側のリソースも分散してしていたのだろう」といった一本化の理由を探る声があがっていた。

こうしたなか、ヤフーは10月中に「PayPayモール」「Yahoo!ショッピング」を統合すると7月6日に公表。ECモール運営を新生「Yahoo!ショッピング」に一本化するとした。

ヤフーが「PayPayモール」「Yahoo!ショッピング」を一本化
両モールの強みを新正「Yahoo!ショッピング」に統合する

複数の「PayPayモール」出店者によると、6月後半にヤフーのECコンサルタントから一本化に関する電話案内があり、「優良ストア」の新たな基準を設けて優遇する旨の説明を受けたという。

「PayPayモール」は、「Yahoo!ショッピング」上位の優良店、上場企業や一定の年商規模がある大企業が出店できるといった基準を設けていた。一本化後の「Yahoo!ショッピング」で新たに設ける基準では、「優良ストア」を優遇する措置を設ける。

ヤフーによると、「優良ストア」を検索結果の一覧にアイコンで掲出・訴求。新生「Yahoo!ショッピング」のトップページなどからも誘導を強化するとしている。

一方、ヤフーのEC担当者から説明を受けた「PayPayモール」出店者は、「『PayPayモール』出店者は新たな基準を設けた『優良ストア』に移行するのではないか」「『PayPayモール』出店料としてプラス3%かかっていたPRオプション料率をなくす、もしくは優遇措置を得たい場合は3%を選ぶことができるようになるのではないか」と話している。

ヤフーによると、一部のユーザーからデザインや機能、キャンペーンやコンセプトの違いがわかりにくいといった意見があったという。また、Zホールディングスグループ各サービスからの送客が分散してしまうといった課題もあり、一本化に踏み切ることにした。

ヤフーが「PayPayモール」「Yahoo!ショッピング」を一本化
グループのアセットを「Yahoo!ショッピング」に集約する

なお、一本化後の新生モールの名称を、Zホールディングスグループで力を入れる「PayPay」を冠しない「Yahoo!ショッピング」にしたのは、認知度の高さ、日本における「Yahoo! JAPAN」ブランドの商標権を取得して柔軟なブランド展開ができるようになったことをあげている。

新生「Yahoo!ショッピング」は、既存の「Yahoo!ショッピング」と同様、初期費用、月額利用料、売上ロイヤルティは無料。

また、注文の当日から翌々日までに商品を配送する「優良配送」も強化する。8月下旬から、「Yahoo!ショッピング」「PayPayモール」の検索結果画面、レコメンド枠で「優良配送」対応商品を優先的に表示する取り組みをスタート。この取り組みは新生「Yahoo!ショッピング」でも展開していくとみられる。

瀧川 正実
瀧川 正実

コンバージョンを促進する10の要素とカゴ落ちの理由。無料、在庫、スピード、信頼性、モバイルファーストなど重要施策まとめ | 海外のEC事情・戦略・マーケティング情報ウォッチ

4 years 2ヶ月 ago
コンバージョンを促進するために必要な10の施策「無料」「在庫がある」「速い」「信頼できる」「情報量が多い」「利便性」「顧客中心主義」「モバイル志向」「マーケティング主導型」「パーソナライゼーション」を解説

消費者にとってオンラインショップで商品を購入する際に最も重要なことは何か、一方、ECサイトを運営する事業者はコンバージョンを促進するために必要なことは何か? 詳細な消費者インサイトを紹介します。

調査データに学ぶコンバージョンを促進する10の要素。無料、在庫、スピード、信頼性、モバイルファーストなど重要施策まとめ

コンバージョンに関して、基本的な要素が多くの優位性を持ち続けていることに驚かされます。米国のEC専門誌『Digital Commerce 360』はBizrate Insightsと共同で、オンラインショッパー1108人を対象に調査を実施(2022年1月)。Webサイト、モバイル端末、アプリを通じて商品購入する要因、購入を妨げる可能性の要因などを聞きました。

調査データに学ぶコンバージョンを促進する10の要素。無料、在庫、スピード、信頼性、モバイルファーストなど重要施策まとめ 購入する可能性が高まるWebサイトの特徴や条件
購入する可能性が高まるWebサイトの特徴や条件(出典: 『Digital Commerce 360』とBizrate Insightsが、2022年1月に実施した調査)
調査データに学ぶコンバージョンを促進する10の要素。無料、在庫、スピード、信頼性、モバイルファーストなど重要施策まとめ オンライン注文をするきっかけになりそうな施策や取り組み
オンライン注文をするきっかけになりそうな施策や取り組み(出典: 『Digital Commerce 360』とBizrate Insightsが、2022年1月に実施した調査)
調査データに学ぶコンバージョンを促進する10の要素。無料、在庫、スピード、信頼性、モバイルファーストなど重要施策まとめ カゴ落ちする理由
カゴ落ちする理由(出典: 『Digital Commerce 360』とBizrate Insightsが、2022年1月に実施した調査)

その調査結果を10のキーワードで解説します。各質問のさまざまな要素を取り上げ、コンバージョンに関して何が重要かを考察します。

  • 無料
  • 在庫がある
  • 速い
  • 信頼できる
  • 情報量が多い
  • 利便性
  • 顧客中心主義
  • モバイル志向
  • マーケティング主導型
  • パーソナライゼーション

1. 無料

コンバージョンを促進するためには、さまざまな「お金に関する」条件が整っている必要があります。通販・EC利用者が評価し、小売事業者にとって不可欠な重要な戦術は、送料無料(76%)と適正価格(73%)です。

送料無料以外では、プロモーションがコンバージョンの鍵と答えた割合は45%で、インパクトは足りないと言えるでしょう。一方、魅力的なキャンペーンを紹介したメールは34%が有効と考えており、消費者の注目を集めています。

購入金額が高い、もしくは予想外のコストがかかると、消費者はすぐにカゴ落ちしてしまいます。その理由の上位では、通販・EC利用者の47%が、送料を含んだ注文の合計金額が予想以上に高くなったことがあがっています。

また、送料無料が対象外の場合は41%が購入を断念。消費者の25%は予想外の追加費用(税金、手数料など)が発生した場合に、プロモーションコードが受け入れられなかったり、見つけにくかったりした時は24%の消費者がカゴ落ちしています。また、回答者の21%が価格を比較するためにカートに商品を追加しており、消費者が価格に敏感であることがわかります。

無料が重要なのは、注文時だけではありません。通販・ECの利用者が、返送料を無料にすることを希望するケースが増えており、60%が返送料無料をあげています。

小売事業者の選択を促す新たな要因として、回答者の13%が分割払いによる注文方法を求めています。また、カゴ落ちの15%は、希望する支払い方法が利用できない場合に発生しています。

2. 在庫状況

調査対象者の53%が、購買活動の最初のステップである商品セレクションに注目しています。在庫の重要性に関し、消費者の54%が小売事業者を選択する際に在庫があることが重要であると回答しています。

在庫がない場合は購入しないと回答した割合は30%。消費者は通常、商品の在庫がないときや納期が不明なときは待ちたくないのです。

3. 速い

ユーザーエクスペリエンスは進化しています。小売店選びでは、45%が全体的な体験に関心を寄せています。

通販・EC利用者は、時間節約を重視する傾向があるため、「スピード」が重要になります。それを証明するために、「オンラインで買い物をする際、どのような特徴や条件があるWebサイトで注文する可能性が最も高いか」という質問をしてみました。

多くの回答の根底にあるのは効率性でした。回答者の29%は読み込みの速いサイトを、25%は関連性のある結果を表示するECサイト内検索をあげました。特に複雑な検索をする場合、消費者は時間の節約を求めるのです。

また、顧客プロフィールがあらかじめ入力された迅速なチェックアウトも、調査対象者の20%にとって重要な要素になっています。チェックアウトのプロセスが長すぎたり、わかりにくかったりすると、14%のオンラインショップ利用者が購入をあきらめるという結果も出ています。

もちろん、配送に関しても「速い」ことは重要です。オンラインショッピング利用者は、迅速な配送を期待し、配送時間の保証を望んでいます。アンケート回答者の66%が、小売事業者の迅速な配送能力は商品を選択する上で最も重要な要素であると回答。43%が配送時間の保証を希望しており、サプライチェーンの混乱のなかでも確実性がより重要視されています。

スピードの観点では、納期がニーズに合わなかった場合に、24%がカゴ落ちしています。15%は納期が保証されていないことに気づき、購入を断念しています。

4. 信頼できる

消費者にとって小売事業者との過去の買い物体験は重要で、58%がその体験を基に小売事業者を選択しています。また、通販・EC利用者の53%が、ブランドへの信頼感から小売事業者を選んでいます。

41%がオムニチャネルを利用する際、過去の経験を考慮に選択。さらに、小売事業者がより積極的に政治的・社会的な立場を取るようになると、消費者にとって重要な活動を支援する気持ちが高まるようです。一方、販売者が信頼できない場合、10%がカゴ落ちしています。

5. 情報提供

消費者は、興味のある商品に関する情報や画像に注目しています。また、商品レビューの質と量の両方も評価。ほとんどの回答者(51%)が、この2つを小売事業者の選択において重要であると答えています。

同時に、小売事業者が十分な商品情報と画像を提供してくれることを期待していると回答した割合は39%。商品のデモンストレーションを含むビデオを重視する回答者は14%で、ホーム、ビューティー、玩具などのカテゴリーでは不可欠としています

6. 顧客中心主義

顧客中心主義には多くの意味がありますが、最も注目すべきはカスタマーサービスでしょう。具体的には、消費者とのインタラクションです。

消費者の46%が小売店の選択基準にあげている「わかりやすい/簡単な返品ルール」もその1つです。また、カスタマーサービス担当に簡単にアクセスできることは、当然のことですが、それをあげたのは25%にとどまりました。

消費者とのインタラクションの質がその後のコンバージョンに影響することは、調査対象者の27%が認めています。

コンバージョンに至る可能性は、Eメールが49%と最も高く、電話によるコンバージョンが33%で続いています。

テキストによる新しいタッチポイントのコンバージョン率は20%。カスタマーサービスにツイート可能かどうかは、コンバージョンにほとんど影響を与えず4%でした。

ライブチャットに関しては、対人のインタラクションがコンバージョンに影響を与えると答えた割合は43%、ボット関連のインタラクションは14%しかコンバージョンに関連性がないようです。

店舗でのインタラクションは、コンバージョンを推進する重要な役割を持っており、消費者の30%がコンバージョンにつながると回答。アポイントメントについては、店頭でのアポイントメントが8%、バーチャルアポイントメントが5%と限定的な結果となりました。

調査データに学ぶコンバージョンを促進する10の要素。無料、在庫、スピード、信頼性、モバイルファーストなど重要施策まとめ 小売店で受けたカスタマーサービスで、オンライン購入をする可能性が最も高いやり取りについて
小売店で受けたカスタマーサービスで、オンライン購入をする可能性が最も高いやり取りについて(出典: 『Digital Commerce 360』とBizrate Insightsが、2022年1月に実施した調査)

7. 利便性

利便性の影響力は強大です。注文につながる可能性が最も高いオムニチャネルの柔軟な取り組みは、店舗で受け取るという選択肢から始まっています。

消費者の25%はオンラインで購入し、店舗で受け取る(BOPIS)をあげ、17%はカーブサイドピックアップ(車中受け取り)を受け入れています。さらに19%は地元の小売事業者から購入することを希望しています。

一方、カゴ落ちした人の15%が、代わりに店舗で購入することを決めています。

オムニチャネル購買を促進する要因について詳しく見てみましょう。コンバージョン要素のトップは「商品の入手可能性」で66%。そのほかは、「場所」に起因しています。コンバージョン要素の第2位は、「店舗への近さ」で60%。受け取り場所の種類を重要視したのは27%でした。さらに、16%が天候、店舗の広さ、指定された駐車場の数をあげています。

物流と利便性もオムニチャネル購買の推進力となっています。「注文した商品を受け取れるようになるまでの時間」を重要視したのは54%で、小売事業者の注文の迅速な処理能力が重要であるとしています。

在庫のある店舗数はそれほど重要ではありませんが、それでも消費者の24%は選択肢の1つとしています。また、店に向かうことを通知するオプションがあると便利であり、これらはすべて来店を効率化するのに役立つと24%が答えています。

また、ジオロケーションもオムニチャネルの消費者にスピードアップをもたらすことができると12%が回答しました。

最後に、利便性のもう1つの要素は、消費者のカートの使い方に関連しています。44%が「後で確認するために保存」し、25%が「忘れてしまった」と回答しています。

調査データに学ぶコンバージョンを促進する10の要素。無料、在庫、スピード、信頼性、モバイルファーストなど重要施策まとめ 店舗受け取り(店頭・カーブサイドピックアップ)を注文をする際、購入の可能性を左右する要因
店舗受け取り(店頭・カーブサイドピックアップ)を注文をする際、購入の可能性を左右する要因(出典: 『Digital Commerce 360』とBizrate Insightsが、2022年1月に実施した調査)

8. モバイル志向

リサーチや購入にモバイルを利用する消費者が増えています。「Adobe Analytics」によると、2021年のホリデーシーズンのオンライン売上の43%はスマートフォン経由で、全体で880億ドル(約9兆円)にのぼります。しかし、成長のチャンスはもっとあるのです。

モバイル利用の阻害要因は、ロード時間の遅さ(33%)、スクロールの多さ(32%)、購入までのステップ数の多さ(26%)。一方、ユーザー31%はデスクトップの方がまだまだ簡単にまたは速く購入できると感じています。

スマートフォンユーザーは、コンバージョンに必要なデバイスのユーザーエクスペリエンス(UX)ニーズを考慮した効率的なショッピング体験を求めているのです。

消費者のコンバージョンを妨げる課題は以下の通りです。

  • 煩雑なナビゲーション 31%
  • わかりづらいチェックアウト 26%
  • わかりづらい情報のレイアウト: 25%
  • モバイルサイトが最適化されていない: 24%
  • 画像がうまく表示されない、または小さすぎる:23%
  • コンテンツが正しく表示されない: 21%
  • ナビゲーションボタンのサイズ: 16%

すべての消費者がスマートフォンで買い物を済ませたいと考えているわけではないので、上記の課題が小売事業者選定の基準にはならなかったかもしれません。また、「その他」の回答として「スマートフォンを持っていない/使っていない」が4%ありました。

アプリは、通販・EC利用者にとって魅力的なツールになり得ます。調査結果では、19%が質の高いモバイルアプリを、小売事業者を選択する理由に挙げています。また、オムニチャネルの観点から、小売事業者のアプリの完成度が購入に影響したのは8%でした。

調査データに学ぶコンバージョンを促進する10の要素。無料、在庫、スピード、信頼性、モバイルファーストなど重要施策まとめ スマートフォンを使ってオンラインショッピングをする際に、購入を妨げる問題点
スマートフォンを使ってオンラインショッピングをする際に、購入を妨げる問題点(出典: 『Digital Commerce 360』とBizrate Insightsが、2022年1月に実施した調査)

9. マーケティング主導型

カゴ落ちしたユーザーへのメール、リターゲティング、ソーシャルメディアなどのマーケティング施策について、消費者の回答によるとコンバージョンにつながる施策としては限定的な効果しかないようです。

その数値は以下の通りでした。

  • かご落ちした人へのメール:15%
  • リターゲティング:11%
  • ソーシャルメディア広告:10%

広告をクリックして注文につなげるという点ではAmazonが強いですが(45%)、スポンサー広告はそれほど影響力がありません(10%)。コンバージョンにつながるソーシャルメディア広告のトップはFacebookで(33%)、Instagram(19%)、YouTube(16%)、TikTok(9%)がそれに続いています。回答者の39%によると、Eメールは注目を集めており、コンバージョンにつながっているようです。また、テレビ広告は19%で影響力を維持しています。

調査データに学ぶコンバージョンを促進する10の要素。無料、在庫、スピード、信頼性、モバイルファーストなど重要施策まとめ 購入につながる最も効果的な広告媒体について
購入につながる最も効果的な広告媒体について(出典: 『Digital Commerce 360』とBizrate Insightsが、2022年1月に実施した調査)

10. パーソナライゼーション

ECサイトにおけるパーソナライゼーションは、コンバージョンを促進する可能性が高いことから、優先的に取り組むべき事項です。

トップページの見せ方で、消費者の44%がコンバージョンする可能性があると回答。過去の購買行動に基づくレコメンデーションが41%で続いています。一方、閲覧履歴に基づくレコメンデーションは39%。この3つの要素に着手するだけで、コンバージョンを促進することができるはずです。

消費者に過去の閲覧を思い出してもらうためにも、カゴ落ちしたユーザーへのメールは活性化されるべきでしょう。回答者の29%がカゴ落ちメールによって、小売事業者のECサイトで購入する可能性が高くなると答えています。

さらに、過去の行動に基づく購入後のコミュニケーション・メール(18%)やリターゲティング広告(16%)にもチャンスがあります。

調査データに学ぶコンバージョンを促進する10の要素。無料、在庫、スピード、信頼性、モバイルファーストなど重要施策まとめ 購入の可能性を高めるパーソナライズ体験の要素
購入の可能性を高めるパーソナライズ体験の要素(出典: 『Digital Commerce 360』とBizrate Insightsが、2022年1月に実施した調査)

この記事は今西由加さんが翻訳。世界最大級のEC専門メディア『Digital Commerce 360』(旧『Internet RETAILER』)の記事をネットショップ担当者フォーラムが、天井秀和さん、白川久美さん、中島郁さんの協力を得て、日本向けに編集したものです。

Digital Commerce 360
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【景品表示法検討会まとめ】ステマ対応の専門部会設置検討、「確約手続き」導入を検討、悪質業者への対応強化 | 通販新聞ダイジェスト

4 years 2ヶ月 ago
消費者庁の「景品表示法検討会」は、第4回の会合において、違反行為を繰り返す悪質業者への制裁を強化、ステマ対応は専門部会の設置検討などを示した

消費者庁の「景品表示法検討会」は、法改正を念頭に、年内をめどに取りまとめを行う。6月23日の第4回会合で、不当表示の自主的な早期是正を目的に、新たに確約手続きを導入する方向で検討を進める方針を示した。違反行為を繰り返す悪質事業者に対する制裁効果は強化。課徴金額の引き上げなど算定基準を見直す。ステルスマーケティングへの対応は検討会傘下に専門部会を設置し検討する。

ステマ対応、専門部会を設置し検討

ステマは、IT関連の専門的知見を持つ委員を新たに選任し、「景表法検討会」と並行して議論する。ステマが消費者心理に与える影響などを整理。年内の結論をめざし、検討会報告書に盛り込む。

通販新聞 アフィリエイト広告とステルスマーケティングの関係について 景品表示法
アフィリエイト広告とステルスマーケティングの関係について
(画像は消費者庁の「第4回 景品表示法検討会」資料から編集部がキャプチャし追加)

景表法改正は、独占禁止法の確約手続きや、課徴金算定基準を参考に検討する。

確約手続きは、独禁法違反の疑いがある行為について、公正取引委員会と事業者が協調的に解決する仕組み。公取委の通知を受けて、事業者が確約計画を申請。公取委が計画の認定の可否を判断する。行政処分にあたり内容や社名も公表されるが、違反認定を含む措置命令は行わない。課徴金納付命令も課されない。

景表法では不当表示の早期是正を目的に検討する。また、消費者利益の回復策に活かせるとみる。

悪質事業者への制裁強化を検討

現行法も、課徴金制度において消費者への自主返金で課徴金額が減額される措置がある。ただ、活用は進んでいない。独禁法の確約手続きでは、大規模事業者の優越的地位の乱用行為に対し、納入業者への金銭回復措置で確約計画を認定した実績がある。事業者が策定した確約計画の認定要件などは今後詰める。また、返金にあたっては、電子マネーなどの活用により円滑な返金を促す仕組みも検討する。

違反行為を繰り返す悪質事業者には、課徴金算定率の引き上げによる制裁強化で厳正に対処する方向で検討する。景表法は、あくまで表示是正が目的になる。このため、消費者契約の類型で違反行為を規定する特商法と連携。法人の業務停止や個人に対する業務禁止命令の活用により、消費者利益の回復にもつなげる。

執行体制の強化では、都道府県や特定適格消費者団体との連携も模索する。

景表法の規制対象の範囲の解釈をめぐる「供給主体性」の議論は、中長期的な検討課題として報告書に記載する方針。消費者を不利な決定に誘導する表記やサイト設計、僅少な在庫の強調など「ダークパターン」と呼ばれる行為も将来的な検討課題とする考え。

確約手続き導入の場合は「適切な運用」求める

5月に行われた第3回会合で、中川丈久座長は、「少なくとも独禁法に追いつく必要がある」と言及していた。

今会合の冒頭、若宮健嗣消費者担当大臣は、挨拶のなかで「メリハリのある執行の実現」を要請。確約手続き導入による柔軟な行政措置、悪質業者への制裁強化を念頭に置いた発言とみられる。ステマへの対応、問題の整理も改めて要請した。

月1~2回のペースで検討する。7~9月にかけて、事業者団体や弁護士会など関係者からヒアリングを実施。10月以降、論点整理、報告書案の検討を進める。

通販新聞 今後の景品表示法検討会における検討事項について
今後の検討の方向性案(画像は消費者庁の「第4回 景品表示法検討会」資料から編集部がキャプチャし追加)

今会合で委員から、確約手続き、課徴金算定基準の見直しに反対意見はなかった。確約手続きを導入した場合、命令相当の事案に適用しないよう、適切な運用を求める要望があった。消費者サイドの委員は、適格消費者団体に事業者への合理的根拠の要求権限の付与を求める意見があった。また、行政との連携では、処分に関する資料提供を求めた。

※記事内容は紙面掲載時の情報です。
※画像、サイトURLなどをネットショップ担当者フォーラム編集部が追加している場合もあります。
※見出しはネットショップ担当者フォーラム編集部が編集している場合もあります。

「通販新聞」について

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通販新聞

YouTubeのCM人気ランキングベスト10<2022年7月版>

4 years 2ヶ月 ago

「YouTubeで気になる動画を見るはずが、気づいたらコマーシャル動画をしっかり見てしまった。」

そんな経験はありませんか?そんな魅力あふれるYouTube動画広告を再生回数順に、ランキング形式で紹介していきます。動画制作・映像制作を検討中の方は、ネタのひとつとしてもぜひ参考にしてみてはいかがでしょうか。(2022年6月1日時点)

第10位 「サーティーワンアイスクリーム TVCM 「Happy To Go」」サーティーワンアイスクリーム

出典:サーティーワンアイスクリーム

アイドルの山田涼介さんが出演するCMです。お持ち帰りでもサーティーワンが楽しめることや、数が多くなるにつれておトクに楽しめることもわかりやすく表現されています。

第9位「メンズメイク「面接好印象テクニック」篇 30秒」uno

出典:uno

俳優の窪田正孝さんが出演する、unoのCMです。リモート面接する直前の男性に「面接の印象はメイクでグッと上げられるぞ」と勧めるところから始まります。肌と眉を整えるだけで印象がかる様子が描かれ、最後には#やってやろうぜ良い肌で と締めくくられています。

第8位「α7C×アーティスト adieu/上白石萌歌 web CM new」sony

出典:sony

上白石萌歌さんが出演する、sonyのCMです。該当商品を使って写真を撮るシーンや、撮った写真を使い、最後には「もっと自由に、もっと」というシンプルながらもカメラの良さを活かしたCMです。

第7位「「メンズメイクの王道」篇 15秒」uno

出典:uno

俳優の窪田正孝さんと竹野内豊さんが出演するunoのCMです。黒を基調にしているセットとスタイルで清潔感があります。2人が出演している部分の映像は、2021年3月放送の、オンラインから、オフライン編の映像を使っていると思われます。

第6位「今夜、私が頂くのは… 帽子篇 15″」Uber Eats

出典:Uber Eats

俳優の安達祐実さんと芦田愛菜さんが出演するUber EatsのCMです。「さて、今夜私が頂くのはごろごろ野菜のカレーです」と登場した女優の安達祐実さんが、幼稚園に通う息子の帽子を間違えて被ってしまい、意外と似合っていて、芦田愛菜さんに「ありだと思います」と言われる、ユーモアあるCMです。

第5位「22SS LifeとWear/LifeColors篇30秒」UNIQLO

出典:UNIQLO

俳優の綾瀬はるかさんと松下洸平さんが出演しているCM。桑田佳祐さんのCM曲に乗せて、カラフルなユニクロのTシャツを着た人々が映し出され、それをモニターで見た白いTシャツを着ている松下さんが「イロチェンか、、、」とつぶやいています。さまざまなカラーを身近な自然にある色に例えているのが印象的です。

第4位「3Q訪問活動「お節介」篇30秒」JA共済

出典:JA共済公式チャンネル

俳優の有村架純さんと音声のみ浜辺美波さんが出演するJA共済のCMです。「お姉ちゃんのお節介は仕事では役に立つらしい」という浜辺美波さんのアナウンスを始まりに、有村架純さんが仕事や、困ってるたちへの手助けをしているシーンが映し出されます。

第3位「爽 TVCM「休憩しよう爽しよう」篇 15秒 森七菜」ロッテ

出典:ロッテ

OL役の森七菜さんが「あ、今日休憩してない」と気づき、「休憩しよう、そうしよう♪ 休憩しよう、爽しよう♪」とコンビニでアイスの爽を買って来て公園で食べ、PCの仕事を再開する、 ロッテ アイス 爽のCMです。

第2位「今夜、私が頂くのは… 読書篇 15″」Uber Eats

出典:Uber Eats

芦田愛菜さんがの安達祐実さんに背中の物が何かを聞かれ「本棚です。かわいくないですか?」と答え、「どこで買ったの?」と聞かれると、「DIYです」と答えるウーバーイーツのCMです。

第1位「始めるも使うもクイックに篇 15秒」QUICPay

出典:QUICPay【公式】

最初は無機質な部屋にいる俳優の波瑠さんが、「クイックペイ、スマホ決済か。簡単」と言った瞬間に花屋さんの場面に切り替わります。早速スマホでクイックペイを利用し、クイックペイの始め方、利用のしやすさがわかるCMです。最後には全額キャッシュバックのキャンペーンの告知をしています。

今月の一言

7月のYouTube CM人気ランキングベスト10いかがでしたでしょうか?気になるCMはありましたか?先月に比べて夏らしい顔ぶれになりました。

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※CM総合サイトCMbb-naviの2022年7月6日CMランキングの情報を参考に制作しています。

crevoAdmin

金麦AR花火特等席

4 years 2ヶ月 ago

サントリービール「金麦」は、消費者を花火大会へ招待するキャンペーンを毎年実施していたが、2020年以降は新型コロナウイルスの影響で実施できず、オンラインでの映像配信に変更している。2022年は、拡張現実で花火大会を体験できるように進化させた。

金麦AR花火特等席
https://www.suntory.co.jp/beer/kinmugi/hanabi/
https://hanabi.walkerplus.com/cp/
https://kinmugi-ar-hanabi.jp/

「北欧、暮らしの道具店」は何がスゴイ?東証グロースに新規上場するクラシコムのビジネスモデルや強みなどまとめ

4 years 2ヶ月 ago
「北欧、暮らしの道具店」を運営するクラシコムが公表した「新規上場申請のための有価証券報告書」「株式売出届け目論見書」から、ビジネスモデルや優位性などをまとめた

8月5日に東証グロース市場へ株式を上場する、北欧雑貨のECサイト「北欧、暮らしの道具店」を運営するクラシコム。現経営陣とその親族の個人出資による自己資金をもとに堅実な黒字運営を続ける。2021年7月期の売上高は45億3200万円で前期比30.5%増、経常利益は7億9700万円で同42.1%増。売上高経常利益率は17.6%にのぼる。「2021年経済産業省企業活動基本調査」によると、調査対象企業の売上高経常利益率は3.1%で、クラシコムは高い収益率を誇る。

北欧雑貨のECサイト「北欧、暮らしの道具店」
北欧雑貨のECサイト「北欧、暮らしの道具店」(画像はECサイトからキャプチャ)

2021年7月期における当期純利益は5億7099万円。3億7460万円の純利益だった2020年7月期比で52.4%増。堅実な黒字運営を続け、積み上げてきた利益の合計を指す繰越利益剰余金は2021年7月期で17億円を超える。

北欧雑貨のECサイト「北欧、暮らしの道具店」を運営するクラシコムが、8月5日に東証グロース市場へ株式を上場 売上高の推移
売上高の推移(画像は目論見書から編集部がキャプチャ)
北欧雑貨のECサイト「北欧、暮らしの道具店」を運営するクラシコムが、8月5日に東証グロース市場へ株式を上場 当期純利益の推移
当期純利益の推移(画像は目論見書から編集部がキャプチャ)

「北欧、暮らしの道具店」は2007年にヴィンテージの北欧食器などを扱うECサイトとしてスタート。現在はアパレル、キッチン、インテリア雑貨が主力商材で、自社企画のオリジナル商品「KURASHI&Trips PUBLISHING」が売上高の約50%を占める。

北欧雑貨のECサイト「北欧、暮らしの道具店」を運営するクラシコムが、8月5日に東証グロース市場へ株式を上場 事業系統図
事業系統図(画像は目論見書から編集部がキャプチャ)

オリジナル商品、ブランド力などで2021年7月期の定価消化率は99.5%。ほぼすべての注文において送料を受領するビジネスモデルを築いており、こうした点も高い利益率の源泉となっている。

クラシコムでは、自社ECサイトを通じて直接商品を消費者に提供していることから、ECに関する事業ドメインを「D2C(Direct to Customer)」と表現している。

ユーザーとのダイレクトなつながりを大切にしてきたクラシコム。「北欧、暮らしの道具店」サイトを中心に、Web記事、オリジナルドラマ、ドキュメンタリー、ラジオ番組、音楽プレイリスト、全国劇場公開されたオリジナルの映画など、さまざまなコンテンツを発信し続けることで、ブランド力の向上、ファンを獲得してきた。

北欧雑貨のECサイト「北欧、暮らしの道具店」を運営するクラシコムが、8月5日に東証グロース市場へ株式を上場 経営戦略
経営戦略(画像は目論見書から編集部がキャプチャ)

顧客とのエンゲージメントチャンネルは、SNS、アプリ、Webサイト、メールマガジンといった自社チャネル。新規顧客獲得のために広告媒体に支払う広告費、顧客育成のために支払う販促費を低く抑え、自社チャネルの「北欧、暮らしの道具店」、SNSなどで発信する各種コンテンツの提供を通じ、効率的に顧客を獲得している。

北欧雑貨のECサイト「北欧、暮らしの道具店」を運営するクラシコムが、8月5日に東証グロース市場へ株式を上場 累積会員数(うち新規会員数)の推移(退会済みユーザーを除いた累積会員数)
累積会員数(うち新規会員数)の推移(退会済みユーザーを除いた累積会員数、画像は目論見書から編集部がキャプチャ)

クラシコムはさまざまな媒体、エンゲージメントチャンネルでコミュニケーションを長期的な関係性を構築。たとえば、読み物や動画を楽しむためにWebサイトを訪問するといった動機の提供につながり、ユーザーが長期にわたって継続的に買い物をする環境を整えたという。

北欧雑貨のECサイト「北欧、暮らしの道具店」を運営するクラシコムが、8月5日に東証グロース市場へ株式を上場 エンゲージメントアカウント数の推移
エンゲージメントアカウント数の推移(画像は目論見書から編集部がキャプチャ)

平均LTV(ある会計年度に初購入したユーザー全員について、特定期間の購入金額の平均値を算出した数値)は長期にわたって伸長。初購入年度が2017年7月期のユーザーについて、「3年LTV」は「1年LTV」の約2倍という。

マーチャンダイジング(MD)、バックヤードではEC運営を通じて獲得したデータを活用し、精度の高い商品企画、適正な発注、在庫コントロールを実現。1年間の商品回転率は14.1回と、効率性の高いECサイト運営を行っている。

北欧雑貨のECサイト「北欧、暮らしの道具店」を運営するクラシコムが、8月5日に東証グロース市場へ株式を上場 年間購入者数の推移
年間購入者数の推移(画像は目論見書から編集部がキャプチャ)

従業員数は2022年5月31日現在で77人、平均年齢は34.2歳。平均年間給与は647万円。

企業理念は「フィットする暮らし、つくろう。」。経営方針は「自由・平和・希望」。

北欧雑貨のECサイト「北欧、暮らしの道具店」を運営するクラシコムが、8月5日に東証グロース市場へ株式を上場 企業理念と経営方針
企業理念と経営方針(画像は目論見書から編集部がキャプチャ)

2022年7月期の業績予想は、売上高が51億4900万円(前期比13.6%増)、営業利益は8億2900万円(同6.4%増)、経常利益は8億3400万円(同4.7%増)、当期純利益は5億5000万円(同3.6%減)。

瀧川 正実

BtoB-ECの「基礎」「成功ポイント」「失敗あるある」「将来の方向性」をキープレイヤー4社が解説 | 鵜飼智史のBtoB-EC早わかり講座

4 years 2ヶ月 ago
Dai、アイル、ネットショップ支援室、ジェーエムエーシステムズが、BtoB-ECの動向と今後についてパネルディスカションを実施

リモートワークやネット通販が浸透し、働き方や人々の意識が変わるなか、対面での営業や商談が難しくなったBtoB(法人向け)の取引でも、デジタル化が急速に進んでいる。ただ、多くの成功事例がある一方、失敗事例も少なくない。普段は競合関係にあるDai、アイル、ネットショップ支援室、ジェーエムエーシステムズのキーパーソン4人が、BtoB-ECの基礎から、成功のポイント、失敗の要因、今後の方向性について事例を含めて語り合った。

Dai、アイル、ネットショップ支援室、ジェーエムエーシステムズが、BtoB-ECの動向と今後についてパネルディスカションを実施

コロナ禍でBtoBのデジタル化が一気に加速

Dai取締役・鵜飼智史氏(以下、鵜飼氏):BtoB-ECの市場についてお話しをします。経済産業省が公表したデータによると、BtoB-ECの市場規模は334兆円、EC化率は33.5%に達しています。

BtoB-ECの市場規模とEC化率
BtoB-ECの市場規模とEC化率

EDI(電子データ交換)なども含まれていますが、まず認識していただきたいのはBtoBの取引はECと非常に相性が良いということです。BtoB-ECのサービス、システムの導入実績やBtoBのモールの出店企業は増加し、流通額も伸びています。

Dai取締役 B2BソリューションDiv.マネージャーの鵜飼智史氏。BtoBの受発注業務をEC化するクラウドサービス「Bカート」を提供している
Dai取締役 B2BソリューションDiv.マネージャーの鵜飼智史氏。BtoBの受発注業務をEC化するクラウドサービス「Bカート」を提供している

BtoB-ECの効果は、業務効率化、売り上げアップ、+α

鵜飼氏:BtoB-ECには、1st-Wave、2nd-Wave、3rd-Waveという3つの波があります。1st-Waveでは「ASKUL」「モノタロウ」などがサービスをスタート。2000年代に入ると2nd-Waveに移り、「SUPER DELIVERY」「NETSEA」など、ネット上で小売業者に卸売りするモールサービスが出てきました。そして現在、3rd-Waveを迎えていると言えます。3rd-Waveの特徴は、自社の業務フローにECを組み込んでいくことで、業務改善も同時に行っているという傾向があります。

BtoB-ECの変遷
BtoB-ECの変遷

BtoBはアナログな体制で業務フローを構築していたのですが、コロナの影響でデジタル化が進んでいます。BtoB-ECは、取引先との接点を強化し、社内の業務を効率化することができます。

オフラインとオンラインの業務フロー比較
オフラインとオンラインの業務フロー比較

ネットショップ支援室 執行役員営業統括部長 三宅晋平氏(以下、三宅氏):Webで商品を見たい、比較したいというお客さまが増えており、売り買いするためのサイトだけでなく、情報をきちんと伝えることが昨今は求められています。私たちがBtoB-ECの支援サービスを立ち上げた時は、アナログの受注をどうにかしたいという要望が大半を占めていました。しかし、最近は8割ほどが業務の効率化の問い合わせです。売り上げを伸ばしたいというニーズも増えていますね。

ネットショップ支援室 執行役員営業統括部長・三宅晋平氏。BtoBのWeb受発注システム「楽楽B2B」を提供している
ネットショップ支援室 執行役員営業統括部長・三宅晋平氏。BtoBのWeb受発注システム「楽楽B2B」を提供している

アイル BtoB-EC推進統括本部・江原智規氏(以下江原氏):お得意先から、「御社は電話やファックスだけなのか、ネットで注文できるところが増えてきているよ」と指摘され、重い腰をあげるという企業も増えましたよね。

アイルのBtoB-EC推進統括本部・江原智規氏。BtoB-EC、WEB受発注システム「AladdinEC(アラジンEC)」を担当している。アイル30年にわたって販売管理・在庫管理などの業務管理システム「AladdinOffice(アラジンオフィス)」を提供(2022年2月時点)
アイルのBtoB-EC推進統括本部・江原智規氏。BtoB-EC、WEB受発注システム「AladdinEC(アラジンEC)」を担当している。アイル30年にわたって販売管理・在庫管理などの業務管理システム「AladdinOffice(アラジンオフィス)」を提供(2022年2月時点)

鵜飼氏:さらに+αで増えてきたのが、新規事業を立ち上げる際にBtoB-ECを組み込みながら、ニューノーマルな働き方を取り入れてオペレーションコストを抑えたいというニーズ。これまでのお話をまとめると、BtoB-ECの効果は、業務効率化、売上アップ、+αの3つが大きいと言えるでしょう。

BtoB業務のEC化で期待される効果
BtoB業務のEC化で期待される効果

営業スタイルや働き方などを大きく変えたコロナ禍、BtoB-ECの導入のきっかけに

鵜飼氏:コロナ禍とBtoB-ECについて、事例を踏まえて見ていきましょう。地方の服飾雑貨系の会社のケースですが、営業マンが営業先の店舗に直接商品を納品し、次の注文を取り、月末に集金するというルート営業を行っていました。1回目の緊急事態宣言下で、お客さまから「ご来社を遠慮していただきたい……。」と言われ、訪問できないことには事業が立ち行かない、ということでEC化を決断。BtoB-ECサイトで受注や請求業務を行い、配送は物流業者にアウトソーシングするスタイルに変えました。

コロナ禍でルート営業ができない状況に
コロナ禍でルート営業ができない状況に

三宅氏:コーヒー豆などを扱っているクライアントの事例ですが、そこでは営業マン自身が契約してきたお客さまの発注を、手作業で打ち込んでいました。直営店15店舗と卸先600店舗を抱えているので、ピーク時は月に3000件の受注処理が生じ、入力工程は毎月132時間に達しました。そこで、既存の販売管理ソフトを変えずに、「楽楽B2B」を導入したことで、手入力がゼロに。現地に行って営業マンに話しを聞いたところ、「これを待っていました」「ありがとうございました」と言っていただけました。

BtoB-ECで業務が効率化
BtoB-ECで業務が効率化

ジェーエムエーシステムズ 営業部 統括マネージャー 岸直之氏(以下、岸氏):工場向け機械の製造販売をする企業様のケースを紹介します。

ジェーエムエーシステムズ 営業部 統括マネージャー 岸直之氏。流通業、製造業を中心に、サプライチェーンの最適化、受注業務のデジタル化を支援している
ジェーエムエーシステムズ 営業部 統括マネージャー 岸直之氏。流通業、製造業を中心に、サプライチェーンの最適化、受注業務のデジタル化を支援している

営業マンがパンフレットを持参して対面で営業していたのですが、コロナ禍でそれが思うようにできなくなりました。そこで、リモートワーク環境を整備し、Web会議とWeb商品紹介サイトを組み合わせて、サイトでリアルタイムに商品を見せてリモート営業できる体制を構築。リアルタイムで在庫照会もできるようにしました。さらに、Web上で個別のカスタマイズに対応できる見積もりシミュレーションが作成できる機能も搭載しました。

リモート営業できる環境を整備した
リモート営業できる環境を整備した

江原氏:コロナ禍より以前にBtoB-ECを導入していた事例です。食器やグラスを扱うクライアントで、商品詳細に対する電話での問い合わせが多く、FAXの注文、カタログ配布など、手間がかかる業務も多かったため、「アラジンEC」を導入していただきました。導入後、電話での問い合わせが年間8000件削減、手作業も大幅に減りました。コロナ禍では、テレワークや非対面営業へとすんなり移行できたそうです。

BtoB-ECシステム導入済みのためテレワーク・非対面営業へスムーズに移行できたという
BtoB-ECシステム導入済みのためテレワーク・非対面営業へスムーズに移行できたという

しがらみ、過剰な要求、後出しじゃんけん……BtoB-EC失敗あるある

鵜飼氏:ここまでは成功例を紹介してきましたが、もちろん失敗してしまうパターンもあります。そこで、普段はあまりすることの無い「失敗あるある話」を皆さんにお聞きしてみたいのですが……。いかがですか?

岸氏:失敗するケースは、お客さまが意気込み過ぎて“あれもこれも”と120点をめざすことが多い印象ですね。お金も時間もかけてBtoB-ECを導入したのに、本当にやりたかったことがぼやけてしまい、その結果50点になってしまう。最初の段階では80点をめざし、運用スタート後に段階的に加点していって、最終的に120点にたどり着くという考えの方がうまくいくように感じます。

江原氏:失敗する企業は後出しじゃんけんも多いですよね。担当者と打ち合わせを重ね、契約した後に、営業や物流の部門が契約外のことを言い出したり、あれやこれやと要望を出してきたり……。こうなるとうまくいきません。

鵜飼氏:社内でしっかりコンセンサスを取っておけば後出しジャンケンは起きないんですよね。

三宅氏:BtoBの場合、会社の業務やシステムの根幹に関わってくるので、組織全体を動かさないといけない。それなのに、上に話しが通っていないというケースはよくありますよね。

鵜飼氏:確かに、しがらみが多いのも問題ですね。社内もそうですが、メーカー、卸、小売、消費者が関わるなかで今までのやり方を変える側面もあるので、うまくまとめていかないと失敗してしまう可能性は大きいです。

これからのBtoB-EC

江原氏:Adobe社が実施した調査に興味深いデータがあります。今、就職活動をしている若者が、企業選びで重視するのが、「デジタル化が進んでいるかどうか」です。データによると、デジタル化が進んでいる企業は社員満足度も高いそうです。業務のデジタル化が、人材採用にも影響を及ぼす時代になっているんですね。

採用にもデジタル化が重視される
採用にもデジタル化が重視される

鵜飼氏:僕も採用に携わることがありますが、就職活動でデジタル化が非常に重要な要素になっていることを実感しています。

江原氏:社員の満足度という要素で言えば、1つエピソードがあります。アイルが支援した食品卸会社は、仕入れ先との発注、支払い業務で購買部門の方の負担が非常に大きかったのですが、「アラジンEC」を導入した結果、業務の50%、時間にして年3000時間を削減でき、担当者の方に「定時に帰れるようになり、ライフワークが変わりました」とお礼を言われました。システムを導入することによって、その会社で働いている方が元気になる、幸せになるというのは、我々にとってもやはり嬉しいことです。

BtoB-ECは顧客満足度にも直結する
BtoB-ECは顧客満足度にも直結する

鵜飼氏:「Bカート」を導入している BtoCとBtoBのEコマースに取り組んでいる企業では、クラウドサービスを組み合わせて受注、決済、在庫の一元管理から物流の出荷業務までを自動化されました。業務を自動化することで捻出された時間を付加価値の高い商品開発や、顧客接点の強化に集中させて業績を向上しているそうです。

BtoBとBtoCのバックヤード業務を完全自動化した
BtoBとBtoCのバックヤード業務を完全自動化した

三宅氏:これからは、業務効率化という守りの話しだけではなく、売り上げを増やすための攻めの姿勢が大事になるでしょう。営業が直接出向いて交渉し、受発注はFAXというスタイルの化粧品関係の会社の例ですが、アポが取れなくなり営業ができず、顧客がゼロに近い状態で月商は150万円程度まで落ち込みました。2020年7月に「楽楽B2B」を導入して、それを機にオンラインマーケティングに集中。多くのサンプルを送付し、届いた頃にオンラインで「どうでしたか」と確認、良かったという返答を得た企業に「買いませんか」とプッシュするという攻めのスタイルに転換しました。合わせてメルマガも配信することで、約3か月で売り上げは8倍になり、2021年2月には15倍の2000万円を達成したそうです。

売り上げを伸ばす攻めのBtoB-ECも重要という
売り上げを伸ばす攻めのBtoB-ECも重要という

鵜飼氏:BtoB-ECで業務の効率化を図り、販路を拡大して売り上げを伸ばしていく。これからはそういう時代ですね。

岸氏:海外進出に成功した事例を紹介します。その企業では、国内需要が頭打ちになり、海外進出を図ったが成果が出ていませんでした。そこで海外向けBtoB-ECを開設したところ、海外企業からの引き合いが増え、売り上げも増えていったのです。リアルで展開する場合、海外拠点を設けて人を採用、顧客を開拓するといったことに多大なコストと時間が掛かります。ECなら、24時間365日注文を受けることができます。そして、販路を一気に拡大できるのです。

BtoB-ECで海外需要も開拓できる
BtoB-ECで海外需要も開拓できる

鵜飼氏:海外進出を比較的容易に取り組めることもBtoB-ECの大きなメリット。今後は国内市場がシュリンクしていくので、海外への進出も視野に入れる必要がありますね。

◆鵜飼さんが監修・執筆したBtoB-ECの専門書『BtoB-EC市場の現状と将来展望2022』のご案内

『BtoB-EC市場の現状と将来展望2022』

『BtoB-EC市場の現状と将来展望2022』

  • 監修:鵜飼 智史
  • 著者:鵜飼 智史/森田 秀一/朝比 美帆/インプレス総合研究所
  • 発行所:株式会社インプレス
  • 発売日 :2022年1月25日(火)
  • 価格 :CD(PDF)+冊子版 110,000円(本体100,000円+税10%)
    CD(PDF)版・電子版 99,000円(本体 90,000円+税10%)
  • 判型 :A4判 カラー
  • ページ数 :250ページ
小林 真由美
小林 真由美

ECに特化したプロ人材1000人以上が複業登録するマッチングサービス「ECのプロ」とは

4 years 2ヶ月 ago

プロ人材に特化した招待制のジョブ型マッチングサービスを提供するWUUZY(ウージー)は、EC領域に特化した1000人以上のプロ人材が複業として登録するマッチングサービス「ECのプロ」をリリースした。

「ECのプロ」は日本中から優秀なEC人材を複業で集め、「売上拡大に課題を持つEC事業主」とプロ人材をプラットフォーム上でマッチングするサービス。2022年2月からベータ版として展開。現在、EC事業者、広告代理店、EC支援会社など50社超の企業が利用している。

「ECのプロ」には、アパレル、化粧品、専門性が必要なニッチ商材まで幅広い実績を持つプロ人材が登録。登録者の得意な商材や領域をマッチングサービス上で可視化している。ECの専門家を、初期費用0円、最短2日でマッチングできるという。

プロ人材に特化した招待制のジョブ型マッチングサービスを提供するWUUZY(ウージー)は、EC領域に特化した1000人以上のプロ人材が複業として登録するマッチングサービス「ECのプロ」をリリース
登録者の属性

WUUZYが約300社のEC事業者にヒアリングを行ったところ、売上拡大に向けたECの知識・知見を持った人材の採用に課題を感じている事業者が多いことを把握。①経験者にノウハウを聞きたい②何から取り組むべきかわからない③開発会社に頼りっぱなしになっている――といった声があがったという。

ただ、大手人材サービスの調査によると、登録者100万人を超える転職データベースのうちEC担当者はわずか0.6%程度しか登録していない。新たに採用しようとしても良い人材を獲得しにくい状況という。

プロ人材に特化した招待制のジョブ型マッチングサービスを提供するWUUZY(ウージー)は、EC領域に特化した1000人以上のプロ人材が複業として登録するマッチングサービス「ECのプロ」をリリース
人材DBにはEC担当者の登録が少ないという

WUUZYは「ECのプロ」を通して、人材・ノウハウ不足の課題を持つEC事業者に、事業成長や売上拡大に貢献していくとしている。

石居 岳
石居 岳

楽天の「Rakuten Fashion」が「STAFF START」のコーディネート機能と連携

4 years 2ヶ月 ago

楽天グループはファッション通販サイト「Rakuten Fashion」において、バニッシュ・スタンダードが提供するスタッフDXのアプリケーションサービス「STAFF START」のコーディネート投稿機能との連携を開始した。

自社ECサイトに投稿したコーディネートを「Rakuten Fashion」でも表示

「STAFF START」を導入済みで「Rakuten Fashion」との連携に許諾しているブランドは、自社ECサイトに投稿したコーディネート画像を「Rakuten Fashion」でも表示できるようになる。

今後は、ブランドショップがコーディネート機能を通じてコーディネート画像を投稿すると、「Rakuten Fashion」の商品ページに自動で表示されるようになり、より効率的に商品の魅力をユーザーに発信できるという。

連携開始時は200ブランド以上が参加。9600件のスタッフコーディネートが「Rakuten Fashion」に展開されているという。

スタッフの活躍の場を広げ、最適な接客を提供

楽天グループは2019年9月から「Rakuten Fashion」構想を掲げている。2020年6月には専用アプリをリリースし、2年間で累計1000万ダウンロードを達成。取扱ブランドの幅を拡大し、2022年3月には化粧品を扱う「COSMETICS」を新設した。

「Rakuten Fashion」を軸に、ブランドの実店舗へ送客するO2Oサービスを展開。実店舗で得られるオフラインデータと楽天グループが保有するビッグデータを活用し、より精度の高い潜在的なユーザーの発掘、送客を実現する。

また、複数販路の商品在庫、顧客情報、商品購買情報を一元管理するデジタルソリューション「Rakuten Fashion Omni-channel Platform」を提供している。

今回の連携により、楽天グループの松村亮氏(上級執行役員 コマースカンパニー ヴァイスプレジデント)は「限られていた販売チャネルをよりクロスで展開する」と言う。

バニッシュ・スタンダードと連携することで、ブランドの販売員と「Rakuten Fashion」、楽天グループのユーザーを直接つなげて、ECへ活躍の場を広げていきたい。データを活用することで、より感度の高い潜在的なブランドのファンに届けていきたい。(松村氏)

楽天グループ 上級執行役員 コマースカンパニー ヴァイスプレジデントの松村亮氏
楽天グループ 上級執行役員 コマースカンパニー ヴァイスプレジデントの松村亮氏

バニッシュ・スタンダード 代表取締役の小野里寧晃氏は、「楽天グループの膨大なデータを活用して、ユーザーと相性の良いスタッフやコーディネートをレコメンドできるようアルゴリズム化できれば、最適な接客を提供できる」と話す。

楽天からもスタッフへの評価が得られるようになったら嬉しい。将来的には「Rakuten Fashion」だけでなく、「楽天市場」との取り組みもできたら良いと考えている。(小野里氏)

バニッシュ・スタンダード 代表取締役の小野里寧晃氏
バニッシュ・スタンダード 代表取締役の小野里寧晃氏

ユナイテッドアローズは「Rakuten Fashion」に出店しており、2022年3月に行った自社ECサイトリニューアル時に「STAFF START」を導入している。

ユナイテッドアローズ 執行役員の藤原義昭氏は「『Rakuten Fashion』は戦略的パートナーとして重要なチャネルの1つ。昨年度からぐんぐん伸びている」と話す。

スタッフの店頭接客は1対1で深い経験を提供して商品を購入していただくことだが、デジタル化で1体Nの接客ができる。2社の力を借りながらユーザーに良い商品、良い体験を提供していきたい。今回の連携で、自社ECサイト以外の場所でも、スタッフがユーザーに承認される世界が作れたら嬉しい。(藤原氏)

ユナイテッドアローズ 執行役員の藤原義昭氏
ユナイテッドアローズ 執行役員の藤原義昭氏
藤田遥
藤田遥

物価高騰を感じている人は約8割、家計の見直しを検討もしくはしているは約7割

4 years 2ヶ月 ago

エイチームのグループのエイチームライフデザインが実施した「物価の高騰」に関する調査によると、1年前と比べて物価が上昇していると感じている割合は約8割に達し、約7割が家計の見直しを検討、もしくは見直しを進めている。

「1年前と比べて物価が上昇していると感じるか」と聞いたところ、78.1%が物価の上昇を感じていると回答。値上げを感じる商品として、1位は「食料品」で81.6%、「灯油・ガソリン」が62.5%、「電気料金」が49.6%で続いた。

エイチームのグループのエイチームライフデザインが実施した「物価の高騰」に関する調査
値上げしたと感じる商品

「食料品」で特に値上げをしたと感じるモノの第1位は「小麦粉」で20.5%。第2位は「食パン・菓子パン」、第3位が「食用油」だった。

エイチームのグループのエイチームライフデザインが実施した「物価の高騰」に関する調査
食品で値上げしたと感じる食料品

物価上昇を受けて、家計の見直しの検討、もしくは見直しを行ったか聞いたところ、「検討している」が54.2%、「見直した」が20%、「見直す予定はない」が25.7%で、全体の74.2%が検討している・見直したと回答した。

エイチームのグループのエイチームライフデザインが実施した「物価の高騰」に関する調査
家計の見直しについて

家計の見直しを検討もしくは行った項目の第1位「食費」で70.3%。「電気代」が41.2%、「通信費」が39.7%で続いた。

エイチームのグループのエイチームライフデザインが実施した「物価の高騰」に関する調査
見直しを検討もしくはする項目

実際に最も節約できた項目を聞いたところ、第1位は「食費」、第2位が「通信費」、第3位が「被服費」だった。

エイチームのグループのエイチームライフデザインが実施した「物価の高騰」に関する調査
節約できた項目

調査概要

  • 調査方法:引越し比較・予約サイト「引越し侍」の利用者
  • 調査人数:1650人
  • 調査期間:2022年5月12日~6月8日
  • 調査エリア:全国
瀧川 正実
瀧川 正実

消費者庁、アフィリエイト広告に指針

4 years 2ヶ月 ago

消費者庁が、アフィリエイト広告についての指針を公表。アフィリエイト広告の表示は広告主が責任を負うべきと整理した。広告であることを明示する方法について、望ましい例も図で示されている。

「事業者が講ずべき景品類の提供及び表示の管理上の措置についての指針」の一部改正案及び「インターネット消費者取引に係る広告表示に関する景品表示法上の問題点及び留意事項」の一部改定案に関する意見募集の結果の公示について
https://www.caa.go.jp/notice/entry/029287/

https://www.advertimes.com/20220629/article388615/

綿半パートナーズが「PayTouch」に「ZETA SEARCH」を採用。サイト内検索機能の充実化でユーザービリティ向上をめざす

4 years 2ヶ月 ago

綿半パートナーズは、ネットショップの出店・運営に必要な機能をワンパッケージで提供するサービス「PayTouch」に、ZETAが提供するEC商品検索・サイト内検索エンジン「ZETA SEARCH」を採用した。

ネットショップのユーザービリティ向上につなげる

「PayTouch」はネットショップ運営をサポートするサービスで、デザイン、商品登録、注文処理、会員メルマガ、クーポン、決済などECサイトに必要な機能をワンストップで提供。現在「PCボンバー」「わたネット」など6つのショップが出店している。

綿半パートナーズ PayTouchが提供する機能
「PayTouch」の機能(画像は「PayTouch」サイトからキャプチャ)

綿半パートナーズは、ネットショップの更なるユーザービリティ向上に向けて「ZETA SEARCH」を採用した。それにより、「PayTouch」を利用するネットショップは、「ZETA SEARCH」のサイト内検索機能を利用可能になる。

詳細なカテゴリ分け、該当商品件数表示を利用できる

綿半パートナーズ PayTouch ZETA SEARCH 詳細なカテゴリ分けで商品検索をサポート
詳細なカテゴリ分けで商品検索をサポート

キーワード入力をしなくても、階層化したカテゴリ一覧から該当の商品分類をクリックするだけで、あらかじめ検索範囲を絞り込むことができ、ユーザーの効率・利便性を高められる。

また、サイトの上部と下部にカテゴリ選択欄を設置することで、よりスムーズなネットショッピングをサポートする。

綿半パートナーズ PayTouch ZETA SEARCH ファセットカウントにより、最小アクションで目的の商品にたどり着ける
ファセットカウントにより、最小アクションで目的の商品にたどり着ける

ドリルダウン前に該当商品が何件あるかを表示し、次に絞り込む軸を決める判断材料を提供することで、ユーザーの不要なアクション減らし、最短ルートで目的の商品にたどり着くことができる。

「ZETA SEARCH」とは

ECサイト内の検索における「絞り込み」「並び替え」の設定の自由度・柔軟性を追求したEC商品検索・サイト内検索エンジン。

キーワード入力時のサジェスト機能や、もしかして検索、ドリルダウン式の絞り込み、事前に検索結果の該当数を表示するファセットカウントなど、多数の検索機能を有している。

JRE MALL ZETA SEARCH サイト内検索 EC商品検索
「ZETA SEARCH」の基本機能(画像は「ZETA CX」サイトからキャプチャ)
藤田遥
藤田遥

ネットショップのアクセス解析をするすべての人に読んでほしい。ちょっとした改善で売上を伸ばした事例 | ネットショップ担当者が 知っておくべきニュースのまとめ

4 years 2ヶ月 ago
ネットショップ担当者が読んでおくべき2022年6月20日〜26日のニュース

データを分析して改善案が浮かんだとしても、改修に費用や時間がかかり過ぎてはうまくいきません。「安くて・早くて・結果が出る施策」を見つけることがデータ分析には求められます。

アクセス数が多い場所を重点的にみると改善効果が高いです。

商品詳細画面の改善から売上アップ 高単価アパレルの事例から見る購買アクションを増やすプチ改修とは (1/3) | ECzine(イーシージン)
https://eczine.jp/article/detail/11448

高単価のアパレル商品を取り扱っており、「商品詳細」画面は当社が分析・改善に携わる2018年以前からしっかりと作り込まれていました。画像のカルーセル実装やカラー/サイズ選択時の直感的なUI(User Interface:ユーザーインターフェイス)、また当時としては未導入のECサイトも多かった複数軸の商品レコメンドの実装など、しっかり考えて作り込まれたECサイトで、初見ではそこまで改善点がないように思われる案件でした。

紹介する記事の前提を説明します。「商品ページを作り込む時は丁寧に説明する」「使いやすくする」「見やすくする」といったことが中心になりますよね。ここはここでやることはたくさんあるものの、すでに完成されたものになっていたのです。そうなると「やり尽くした」となるか、説明や画像が増えたり動画が入ったりとコンテンツ面に目が向くわけです。

さまざまな角度から分析していく中で、画面内の各要素のクリック率と、要素をクリックした後のCVR(Conversion Rate:コンバージョンレート)を調査したところ、複数あるレコメンドのブロックのうち、最下部のCVRがもっとも高いことが判明しました。

ここまで分析しているネットショップって少ないのでは? レコメンドのクリック率は見るけど、そこからのCVRは見ないことが多いのではないでしょうか。レコメンドのクリック率ってそんなに高くないですし、さらにそこからのCVRとなるともっと小さくなりますから。でも、全商品ページで改善したら……? 母数が増えるのでじわっと底上げされる可能性がありますよね。

「ユーザーは自分が気になって閲覧したものをこの場所からチェックし、何度か見直した上で商品の購入に進むのではないか?」というものです。前出のように同サイトは高単価のアパレル商品を扱っているため、即決できない値段の商品が多く、何度も閲覧し検討した上で購入する流れは自然と言えます。

さらにこんな仮説を立てます。実店舗でいろんな商品を手に取って見比べるイメージですね。店員さんにこれをキープしておいて下さいというやつ。納得感があります。

出典:商品詳細画面の改善から売上アップ 高単価アパレルの事例から見る購買アクションを増やすプチ改修とは | ECzine(イーシージン)
出典:商品詳細画面の改善から売上アップ 高単価アパレルの事例から見る購買アクションを増やすプチ改修とは | ECzine(イーシージン)

やったことはたったこれだけ。「最近チェックした商品」をレコメンドの一番上に持っていっただけです。改善のコストなんて微々たるものでしょう。かかっているのは分析のコストだけなのでショップのスタッフには負担はかかりません。私は常々「安くて・早くて・結果が出る施策を行おう」と言っていますが、まさにこれです。素晴らしい。

出典:商品詳細画面の改善から売上アップ 高単価アパレルの事例から見る購買アクションを増やすプチ改修とは | ECzine(イーシージン)

結果はこちら。売り上げなどがジワッと底上げされて、訪問者がページ内を行ったり来たりしなくてよくなったのでPVが減っています。やったことに対して効果のほうが上回ってますよね。

データを見るということは漠然と数字を見ることではありません。その数字はなぜそうなっているのか? それを考え抜いてユーザーの意図を見抜くことにあります。そのクリックはなぜ発生したのか?ここだけを考える時間があってもいいですよね。

今週の要チェック記事

行動変化が影響「2022年、上半期売れたものランキング」 | 市場調査ならインテージ
https://www.intage.co.jp/news_events/news/2022/20220628.html

健康に関するもの、旅行は伸びて、お菓子作りなどの趣味系は鈍化といった傾向です。

【ヨナーイ佐々木のEC奮闘記】スーパーSALEでサーチ登録を減らしたら売上も粗利も増えた話 | コマースピック
https://www.commercepick.com/archives/19779

「自分たちの売るものは自分たちの責任できちんと仕入れましょう」。本当にこれ。メーカー在庫は他人の在庫です。

欲しい!に出会い続けて8年。データで見るROOM | ROOM
https://room.rakuten.co.jp/feature/special_anniversary_8th/

30代女性が主なユーザーというデータが出ています。

物流業界の「2024年問題」で「自社も取引先も影響を受ける」は5割、卸売・小売業の課題は「サービス・商品の値上げ」 | ネットショップ担当者フォーラム
https://netshop.impress.co.jp/node/9933

いろいろと値上げされる時代。送料も値上がりが始まるかも。

Twitter、Shopifyとの新たなパートナーシップ ソーシャルコマースを手軽に実現するShopifyアプリを米国で提供 | TECH+
https://news.mynavi.jp/techplus/article/20220624-2377481/

まずはアメリカ国内です。日本に展開されるのが待ち遠しいですね。

メルカリShopsアワード2022 上半期を発表! | メルカリShopsマガジンhttps://shops.mercari.com/magazine/posts/60053

「ベストエピソード部門」のエピソードがいいですね。読んでみてください。

まずはここから!コストをかけずに誰でもできる、楽天市場無料集客術【前編】 | コマースピック
https://www.commercepick.com/archives/19912
まずはここから!コストをかけずに誰でもできる、楽天市場無料集客術【後編】 | コマースピック
https://www.commercepick.com/archives/19938

楽天集客の基本中の基本といった内容。漏れている項目があれば対応を。

アマゾンジャパンと財務省関税局、模倣品等の水際取締りに係る協力に関する覚書に調印 知的財産侵害物品等の国内流入防止を目的に協力関係を強化 | アマゾンジャパン合同会社のプレスリリース
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000001501.000004612.html

「税関が差し止めた模倣品や関連する模倣品業者等に関する情報交換を進めていきます」。とのこと。

虚偽・誇大な宣伝が横行、アフィリエイトに規制…「広告」と明記求める | 読売新聞オンライン
https://www.yomiuri.co.jp/politics/20220625-OYT1T50177/

アフィリエイターは信頼できる人を。売上だけ見ると足元をすくわれます。

今週の名言

「クビが頭をよぎりました」 中日・山本拓実が辿り着いた“負のスパイラル”から抜け出す答え | 文春オンライン
https://bunshun.jp/articles/-/55171

「矢印は自分ではなく、いかなる時も敵」

ネットショップであれば「矢印は自分ではなく、いかなる時もお客さん」となりますね。そのためにはお客さんと話すこと、データからお客さんの意図を考えること。自分たちに矢印が向いた瞬間に売れなくなりますよ。

筆者出版情報

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発売日 2021年10月15日
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森野 誠之
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カテゴリ別シェア、ブランドランキング、物価上昇下でのメルカリ生活、世代別購入カテゴリなど【9周年データ数値まとめ】

4 years 2ヶ月 ago

7月2日にフリマアプリ「メルカリ」のサービス開始9周年を迎えたメルカリ。9周年を記念して、1年の取り組みを振り返る「メルカリ サービス開始9周年」インフォグラフィックスを公開した。

2022年1-3月期(第3四半期)時点のカテゴリ別シェアは、本・ゲーム・おもちゃといった商品を含む「エンタメ・ホビー」カテゴリーが26%でトップ。2021年10月の緊急事態宣言解除後のリモートワーク推奨などで、家を起点としたライフスタイルが継続、インドア向けのカテゴリーが人気となっている。

フリマアプリ「メルカリ」のサービス開始9周年を迎えたメルカリ。9周年を記念して、1年の取り組みを振り返る「メルカリ サービス開始9周年」インフォグラフィックスを公開
カテゴリ別シェア

この1年間、60秒未満で最も売れたブランドは「アップル」。ブランド別でも、「エンタメ・ホビー」カテゴリーの商品が多くランクインしている。また、「エプソン」「キヤノン」がランキング上位に入っており、自宅でのリモートワークに必要な備品を手軽に入手したいというニーズが高いと考えられる。

フリマアプリ「メルカリ」のサービス開始9周年を迎えたメルカリ。9周年を記念して、1年の取り組みを振り返る「メルカリ サービス開始9周年」インフォグラフィックスを公開
60秒未満で最も売れたブランドランキング

「メルカリ」の利用者に対し、「1年前と比較して物価の上昇を感じるか」質問したところ、80.9%が物価の上昇を感じている。物価上昇への対策として今後、「メルカリ」での購入が増えると思う商品として、服、書籍、おもちゃ・ホビー、レジャー関連など、「メルカリ」の人気商品が多数ランクインするなか、「野菜」「果物」がそれぞれ7・8位にランクインした。

フリマアプリ「メルカリ」のサービス開始9周年を迎えたメルカリ。9周年を記念して、1年の取り組みを振り返る「メルカリ サービス開始9周年」インフォグラフィックスを公開
物価上昇対策としてのメルカリ生活について

近年、好きなタレントやアイドル、キャラクターを応援する活動「推し活」が拡大、ファンが写真やグッズなど関連アイテムを収集する動きが見られる。「メルカリ」の世代別購入傾向では、すべての世代で「エンタメ・ホビー」カテゴリーに含まれる「キャラクターグッズ」「アイドルグッズ」が購入数TOP3にランクインした。

シニア世代の70代以上では「本・音楽・ゲーム」カテゴリでK-POPが1位。10代、30代、50代でもK-POPがTOP3にランクインした。世代を問わず幅広い層から韓流アイドルを応援する「推し活」が拡大していることがうかがえる。

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世代別購入カテゴリTOP3

世代別の出品傾向では、「エンタメ・ホビー」カテゴリがすべての世代でランクイン。また、ハンドメイドパーツやインテリア小物などのアイテムが出品されている。「ネコポス」「ゆうパケット」といった梱包手段が整っていることも踏まえ、利用者の出品ハードルが下がったと見られる。

フリマアプリ「メルカリ」のサービス開始9周年を迎えたメルカリ。9周年を記念して、1年の取り組みを振り返る「メルカリ サービス開始9周年」インフォグラフィックスを公開
世代別出品カテゴリTOP3

2021年10月にスタートした「メルカリShops」では、日本全国の個人・法人がネットショップを開設。本格提供6か月で累計出店数は20万店を突破した。

これまで最も人気が高く、購入されているカテゴリーは「果物」。2位に「菓子」、3位に「野菜」がランクインし、生鮮を含む食品が購入される傾向にある。物価上昇により、農家から新鮮で手頃な価格の食品を購入したいニーズの高まりが影響したと考えられる。

フリマアプリ「メルカリ」のサービス開始9周年を迎えたメルカリ。9周年を記念して、1年の取り組みを振り返る「メルカリ サービス開始9周年」インフォグラフィックスを公開
「メルカリShops」で売れた人気カテゴリ

ヤマト運輸との集荷梱包代行の実証実験をはじめ、「メルカリ」で販売取引が成立した商品を発送できる無人投函ボックス「メルカリポスト」の設置を拡大。リアルな場での「メルカリ教室」の実施再開など、2021年はオフライン施策に力を入れた1年だった。

「メルカリポスト」の拠点数は2020年から2.2倍の約2200か所に拡大し、コンビニや携帯販売ショップ、銀行ATMコーナーなど、生活動線として日常的に利便性の高いさまざまなロケーションへの設置を行った。さらに、「メルカリ教室」の拠点数は約1200拠点に増加、開催回数は7万回を超え、18万人以上の顧客が受講した。

フリマアプリ「メルカリ」のサービス開始9周年を迎えたメルカリ。9周年を記念して、1年の取り組みを振り返る「メルカリ サービス開始9周年」インフォグラフィックスを公開
メルカリポストの設置数について

石居 岳
石居 岳

「隠れ損失」を防ぐサイト内検索改善とは? 検索結果を最適化するポイントとAI活用術

4 years 2ヶ月 ago
ECサイトの“隠れ損失”はサイト内検索で発生しがちだ。検索機能の改善ポイントや、AIを活用した検索エンジンの有効性について、NTTレゾナントが解説する。
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コロナ禍のEC需要の拡大により、売り上げが拡大したというEC事業者の声は多く聞かれている。ECサイトへの来訪者が増えれば売り上げもアップするものだが、コンバージョン率や離脱率などはどのように推移しているのだろうか。

「ネットショップ担当者フォーラム 2022 春」に登壇したNTTレゾナントの北岡恵子氏は「何の施策もないままにユーザーを増やすだけでは、穴の開いたバケツに水を入れ続けるようなもの」と警鐘を鳴らす。“隠れ損失”を生みがちなサイト内検索に焦点を当て、改善ポイントやAIを活用した検索エンジンの有効性について解説した。

NTTレゾナント株式会社 スマートナビゲーション事業部 シニアコンサルタント 北岡 恵子氏
NTTレゾナント株式会社 スマートナビゲーション事業部 シニアコンサルタント 北岡 恵子氏

検索機能は購買率と離脱率に影響し、“隠れ損失”を左右する

国内のECサイトの大半はすでにサイト内検索を導入しているように見受けられるが、検索機能を導入しただけで完結してはいないだろうか。AIを活用したECサイト内検索エンジン「goo Search Solution(グーサーチソリューション)」を提供するNTTレゾナントのシニアコンサルタント・北岡恵子氏は「検索機能がECサイトの“隠れ損失”を左右する」と説明する。

検索機能が損失に影響する理由は、大きく以下の3点が挙げられる。

① 検索機能で商品にたどり着いたユーザーは、他の流入経路より圧倒的に購買率が高い
② サイトに訪れた後に検索を利用するユーザーが多い一方で、その大半は検索で欲しい商品が見つかっていない
③ 検索で欲しい商品が見つからなかったユーザーの8割以上が離脱する

この3点の理由をそれぞれ詳しく見ていきたい。

理由①サイト内検索で商品にたどり着いた顧客の購買率は他経路の約10倍

「どの流入経路で商品ページに到達した場合が購入に至る確率が高いのか」を算出した購買期待値を見ると、キーワード検索で商品にたどり着いたユーザーはほかの流入経路に比べて、約10倍も購買に結び付きやすいことがわかった。

商品ページに至るまでの流入経路は、外部の検索エンジン(SEO)や広告、特集などさまざまな手段があるものの、欲しい商品が決まっているユーザーほどピンポイントで探せる検索を利用する傾向にある。このため、キーワード検索と購買率の高い関係性は当然の結果だと考えられる。

検索機能を利用して商品にたどり着いたユーザーは他の流入経路に比べて購買率が圧倒的に高い
検索機能を利用して商品にたどり着いたユーザーは他の流入経路に比べて購買率が圧倒的に高い

理由②サイト来訪者の7割が検索を利用。そのうち8割以上は欲しい商品が見つかっていない

NTTレゾナントが2022年3月に実施したユーザーアンケートによると、ユーザーの7割が「サイトを訪れた後、まずはキーワード検索をする」と回答。しかし、このうちの8割以上が「検索で欲しい商品が見つからなかったことがある」と答えている。

ECサイトに検索ボックスを設置していても、ユーザーのニーズを満たす検索精度になっていない可能性が高いことの表れだ。

サイトに訪れたユーザーの約7割がサイト内検索をするが、そのうちの8割以上は欲しい商品が見つからない経験をしている
サイトに訪れたユーザーの約7割がサイト内検索をするが、そのうちの8割以上は欲しい商品が見つからない経験をしている

理由③検索で欲しい商品が見つからなかったユーザーの約8割はサイトを離脱する

同じアンケートで、「欲しい商品が見つからなかったらどうするか?」という質問に対しては、「他のサイトに行く」(58%)、「実店舗に行く」(27%)と回答。検索で商品が見つからなかったユーザーの実に85%が、せっかく来訪したECサイトから離脱してしまうことがわかった。

サイト内検索で欲しい商品が見つからなかったユーザーのうち、85%は離脱する
サイト内検索で欲しい商品が見つからなかったユーザーのうち、85%は離脱する

検索しても「見つからない」要因とその対策

サイト内検索で商品が見つからなかった場合にユーザーがとる行動から考察すると、「見つからない」をなくすだけで売り上げに直結することが明らかだ。

検索ボックスがあるのに商品が「見つからない」3つの要因

では、なぜ「見つからない」事態が起きてしまうのだろうか。その要因は大きく以下の3点に集約されるという。

① ユーザーの検索ワードが悪い
② 検索結果に表示されているが、後ろの方にあるのでユーザーが見ない
③ キーワードに当てるだけの検索になっているため、求める商品が出せていない

この3点の要因について、それぞれ詳しく解説していく。

見つからない要因①Google検索では10人に1人がスペルミス。日本語検索はさらに多様化

Googleが2020年に実施した調査では、「検索入力の10件に1件はスペルミスがある」という結果が出ている。これは英語で行う検索を調査したものだが、日本語になると漢字、ひらがな、カタカナ、漢数字など文字が多様化するため、入力ミスや入力の仕方の違いはさらに多く発生がちだという。

見つからない要因②検索結果の2ページ目以降はクリック率が大幅に減少

これもGoogleの調査によるが、Googleの検索結果ページにおけるCTR(クリック率)は1ページ目が最も高く約4割に達するものの、2ページ目になると約1割にまで一気に減少。以降のページも減少傾向にあることがわかった。

商品検索結果も、1ページ目に欲しい商品が表示されているとクリックされる確率は上がるが、2ページ目になった瞬間に4分の1にまで低下してしまう可能性がある。ユーザーの欲しい商品が1ページ目に表示されていなければ、よい検索結果が出せていないということだ(北岡氏)

見つからない要因③キーワードに反応しただけで全く関係のない商品が表示される

「キーワードに当てるだけの検索になっているため、ユーザーが求める商品が表示されない」という事象は、たとえばPC製品の「バイオ(VAIO)」を探したいユーザーに対して、「バイオ」のキーワードに当たった「バイオ対応のイヤホン」や「バイオレット色の掃除機」などの全く関係のない商品が検索結果に表示されるケースをいう。

北岡氏は「検索ボックスを設置していても、こうした事象は多くのECサイトで見受けられる」と指摘する。

キーワードだけに反応して、ユーザーの求める商品以外が検索結果に表示されてしまうECサイトが多く見られる
キーワードだけに反応して、ユーザーの求める商品以外が検索結果に表示されてしまうECサイトが多く見られる

ECサイトにおける検索は、店舗のスタッフがユーザーの欲しい商品を探してあげる仕事と同じ役割を持つ。検索の目的は、欲しい商品を見つけて購入していただくことなので、検索結果を最適に表示できなければ目的が達成できていない状態といえる。検索に限らず、チャットボットやレビュー、レコメンドなども同様に、ツールを導入した後の運用や調整が重要だと考えなければいけない(北岡氏)

対策①ユーザーが求めている商品を出す検索のポイントは「キーワードの解釈」と「表記ゆれの吸収」

ユーザーが求めている商品を出す検索にするためにはまず、キーワードを正しく解釈することが必要だ。たとえば、電子レンジを探しているユーザーが「レンジ」と検索した場合、「オレンジ」にも反応してしまい、電子レンジと全く関係のない「オレンジ」を含む商品が表示されるケースがある。

これは検索ツールがキーワードを正しく解釈できていないために起こる問題のため、最適化に向けた調整を行わなければならない。

検索ツールがキーワードを正しく解釈しなければ、関係のない商品が表示されてしまう
検索ツールがキーワードを正しく解釈しなければ、関係のない商品が表示されてしまう

次に、表記ゆれを吸収することが必要となる。たとえば、「ごみ箱」を探すユーザーの検索ワードを見ても、「ごみ箱」「ゴミ箱」「くずかご」「ダストボックス」など、漢字、ひらがな、カタカナ、スペースの有無のほか、漢字の変換ミスなど、表記ゆれや入力の違いはこれだけ多く発生している。

同じ「ごみ箱」を探すユーザーでも、入力されるワードは何通りも発生する
同じ「ごみ箱」を探すユーザーでも、入力されるワードは何通りも発生する

日本語で考え得る表記ゆれは、種類だけでも非常に多い。「ごみ箱」の例だけでも多くの入力パターンが考えられたが、これが「アディダスの黒のショルダーバッグ」のように、ブランド名+商品タイプ+カラーといった具合に検索条件が重なると、「アディダス 黒 ショルダーバッグ」「adidas カバン ブラック」「ADIDAS ショルダーポーチ」のように、表記ゆれが複合的に発生することも考慮しなければならない。

日本語で考え得る表記ゆれの種類は多く、検索では複合的に発生している可能性が往々にしてある
日本語で考え得る表記ゆれの種類は多く、検索では複合的に発生している可能性が往々にしてある

対策②ユーザーが求めている商品を、ユーザーが求めている順に表示すべき

キーワードの正しい解釈と表記ゆれの吸収のほか、検索結果をユーザーが求めている順に表示することも重要となる。ここで押さえておくべきポイントは「ユーザーが求めている順≠売れ筋順」ということだ。

単純な売れ筋順で表示してしまうと、「Tシャツ」を探しているユーザーに対して「Tシャツに似合う」というキーワードが入った売れ筋のスニーカーやパンツが上位にヒットしてしまう。よい検索結果にするためには、「Tシャツ」のキーワードを入力したユーザーに最適な商品は何か、シーズンやメディアで話題になっている商品なども考慮しながら上位から表示しなければならないという。

売れ筋順で検索結果を表示すると、検索キーワードに商品の説明文が反応して関係のない商品が表示される可能性がある
売れ筋順で検索結果を表示すると、検索キーワードに商品の説明文が反応して関係のない商品が表示される可能性がある

キーワードの解釈、表記ゆれ、検索結果の並び順をAIで解決

NTTレゾナントはAIを活用して検索結果を最適化する検索エンジン「goo Search Solution」を提供。その大きな特長は以下の3点だ。

① ユーザーの行動ログをベースに検索結果を最適化できる
② 表記ゆれに強い
③ 運用の手間がかからない

①ユーザーの行動ログをベースに検索結果を最適化できる
ECサイトにユーザーが来訪したときにサーバーに蓄積されるユーザーの行動ログ(何をクリックしたか、何を検索してどういう絞り込みを行ったか、何を購入したかなど)を、「goo Search Solution」のAIが学習データとして活用して検索結果を改善する仕組みを指す。

この行動ログは当該のECサイトだけに蓄積されたログであるため、そのサイトの検索結果を最適化するためにはとても重要な材料となる。サーバーに蓄積したログを人の手で解析するには膨大な労力を要してしまうところ、AIによってほぼ自動的に検索結果を改善していけるという。

②表記ゆれに強い
表記ゆれ対策の強化にも、それぞれのECサイトが独自に保有するログが用いられている。NTTレゾナントが25年間運用しているポータルサイト「goo」で蓄積した多様な表記ゆれのデータの“辞書”を「goo Search Solution」に活用。加えて、導入サイトのログから独自の表記ゆれ辞書をAIが自動生成して活用するため、各サイトの独特な表現や専門用語などもカバーしながら表記ゆれに対応することができるという。

③運用の手間がかからない
上述の行動ログ解析、表記ゆれ辞書の自動生成などにAIを活用するため、運用の手間を大幅に省くことができる。

「goo Search Solution」は、ポータルサイト「goo」の表記ゆれ辞書と導入サイトごとの表記ゆれ辞書を組み合わせて、表記ゆれに徹底対応する
「goo Search Solution」は、ポータルサイト「goo」の表記ゆれ辞書と導入サイトごとの表記ゆれ辞書を組み合わせて、表記ゆれに徹底対応する

サイト内検索でもパーソナライズが求められている

ECサイトではパーソナライズされた各種サービスが年々進化を続けているが、検索においても同様にパーソナライズ化が求められてきている。たとえばホームセンターのECサイトで「スコップ」と検索された場合、冬の北海道では雪かき用のスコップを探すケースが多いと考えられるが、雪が降らない沖縄では園芸用のスコップを探していると考えられる。

「goo Search Solution」はパーソナライズ機能でエリアごとのログを解析し、エリアごとに検索結果を出し分けている。関係のない商品を表示してしまわないためにも、パーソナライズ機能は有効だという。

このほか、パーソナライズ機能によって法人顧客と個人顧客で検索結果を出し分けることも可能だ。たとえば、「砂糖」を検索したユーザーが菓子店などの事業者であれば大容量の業務用サイズを上位から表示し、個人であれば家庭用サイズを優先的に表示する。こうすることで、検索のユーザビリティーが改善できると考えられる。

実際に、お菓子やパンの材料を販売するECサイト「cotta」で「goo Search Solution」の導入後に法人・個人向けで検索結果を出し分けるようにしたところ、検索結果からのコンバージョン率が171%までアップしたという。

若年層ほど検索のパーソナライズ化に肯定的

NTTレゾナントが18歳から60代の消費者を対象に、検索のパーソナライズに対するアンケート(※)を実施したところ、36.7%が「過去の自分の履歴や行動履歴から、自分に合った商品を選んで表示してほしい」と回答した。

※調査結果は以下からDL可能
https://searchsolution.goo.ne.jp/materials/10_personalize/

3人に1人以上がパーソナライズされた検索を希望している
3人に1人以上がパーソナライズされた検索を希望している

さらに年代別に見ると、若年層ほどパーソナライズな検索結果を望む割合が高いと判明。今の若年層が今後のECのメイン購買層になってくるため、検索のパーソナライズを進めることはECサイトの成長に向けた1つの大きなポイントになると思われる。

若年層ほど検索のパーソナライズを望んでいる
若年層ほど検索のパーソナライズを望んでいる

同じアンケートで、「(ECを利用する中で)どのような場面・場所でパーソナライズしてほしいか?」という質問に対しては、「検索結果」(39.9%)が最も多い結果となった。

EC利用において、パーソナライズが求められる場面に「検索結果」が最も多く挙がった
EC利用において、パーソナライズが求められる場面に「検索結果」が最も多く挙がった

冒頭のユーザーアンケートで8割以上が「検索で欲しい商品が見つからなかったことがある」と答えているように、自分の求めている商品と検索結果があまりマッチしていないと思われるユーザーが非常に多くいる。だからこそ、パーソナライズが望まれているのだと思う。ユーザーは、検索で欲しい商品がすぐに見つかることにメリットを感じている(北岡氏)

検索精度を高める上で、AIの活用はより一般的な選択肢になる

「goo Search Solution」の導入社では、コンバージョン率の向上や「0件ヒット」の改善、離脱率の軽減など、さまざまな成果が出ているという。中でも、AIを活用することで運用のために要する人手が大幅に削減できたという声は共通して聞かれているようだ。

NTTレゾナントでは、自社で運用するECサイト「NTT-X Store」で、AIを活用した検索エンジンとAIを活用していない従来型の検索エンジンを用いてA/Bテストを実施。AIがログを学習する期間の2週間を過ぎた頃から購買率に差が開き始め、1か月後には15%もの差が生じた。その後もAIを活用した検索エンジンは、持続的に改善を続けている。

AIを活用した検索エンジンと、AIを活用しない検索でA/Bテストを実施。1か月後の購買率は15%もの差が生じた
AIを活用した検索エンジンと、AIを活用しない検索でA/Bテストを実施。1か月後の購買率は15%もの差が生じた

人の手による検索機能のチューニングは効果が限定的

「多くのECサイトでキーワード構成がロングテールになっている中、検索機能を人の手でチューニングしようとしても、効果は非常に限定的であることを意識してほしい」(北岡氏)と指摘する。

ロングテールは、下の図の青枠で示している「多くの人が検索しているワード(ビッグワード)」と、赤枠で示している「ニッチなワード(テールワード)」で構成される。検索機能の効果を高めるためには赤枠のテールワードまで細かく改善することが重要となるが、そのほとんどが人の手では対応できないほど煩雑になっているという。このため、検索精度を高める上でもAIの有効活用がより一般化してくるものと考えられる。

検索のキーワード構成はロングテールなため、人の手でチューニングできる部分は限定的
検索のキーワード構成はロングテールなため、人の手でチューニングできる部分は限定的

北岡氏は「自社のECサイトの検索が機能しているか、まずは下の『検索精度 簡易チェック表』で確認し、日々の運用の中でも心掛けてほしい」としている。

検索精度の簡易チェック表
検索精度の簡易チェック表
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朝比美帆
朝比美帆

「双六型」より「ビンゴ型」に現実味があるコミュニケーション設計

4 years 2ヶ月 ago

カスタマージャーニーなる概念については、私は少なからず疑問というか現実感に乏しいと以前から思っている。新製品であれば認知から始めて購買意志決定までステップを描いてみるのはアリだと思うが、多くの既に市場にある商品となると、希薄であっても、店頭やメディアから何らかのブランド情報には接触していることになる。改めて振り出しから順を追ってコミュニケーションを設計することが適切なのかを考えてみたいと思う。みんなとにかく一度振り出しに戻して再スタートし、全員同じステップを踏むコミュニケーションの設計がどうもしっくり来ないのだ。

 そもそもフローを描いて順を追ったコミュニケーションプランをつくっても、ほとんどの消費者に順番にコミュニケーションすることは無理である。デジタル広告なら一人の消費者に5回のフリークエンシーがあれば、1番から順番に5番までの広告素材を配信できる可能性もあるが、デジタルだけで成立させることも難しいし、必ず5回見てもらえる保証もない。またデバイスが錯綜するのでやはり順番にコミュニケーションを進化させていくのは指南の技である。

しかるに「順列」でもってコミュニケーションを成立させようとするより「組み合わせ」で発想した方がいいのではないかと思う。市場にはブランドに対する認識や印象をどのように持っている人がいるかを分析して何タイプかにを分け、それぞれにどんなコミュニケーションが足りていないかを設定していく。

 

 フローを描いていくモデルが「双六型」だとすれば、「組み合わせ」で思考するのは「ビンゴ型」と言える。つまり、双六はみんな同じステップを踏むが、ビンゴカードには何種類かあって、その中にはすでにいくつか穴が開いているカードもある。あとひとつ空けばビンゴの人もいれば、ふたつ開ける必要がある人もいる訳だ。

 ブランドのターゲットはどんなビンゴカードを何種類持っているのかという発想をするモデルが「ビンゴ型」となるだろう。

 おそらくある程度の認知があるブランドにおいて、「ビンゴ型」は機能するだろう。

ベム

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