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【2023年のCtoC-EC市場まとめ】市場規模は5%増の約2.5兆円

1 year 6ヶ月 ago

経済産業省が9月25日に発表した「令和5年度デジタル取引環境整備事業(電子商取引に関する市場調査)」によると、2023年のCtoC-EC市場規模は推計で前年比5.0%増の2兆4817億円となった。

経済産業省が9月25日に発表した「令和5年度デジタル取引環境整備事業(電子商取引に関する市場調査)」 経済産業省が9月25日に発表した「令和5年度デジタル取引環境整備事業(電子商取引に関する市場調査)」
CtoC-EC推定市場規模(画像は経産省の報告書から編集部がキャプチャ)

コロナ禍の影響で2020年~2021年はCtoC-ECの利用者が拡大して市場規模も増加。2022年は消費者の実店舗回帰もあり需要が一服し、2023年も同様の状況が続いたため比較的緩やかな伸びとなった。報告書ではメルカリの情報を基に商品カテゴリーの売れ筋についても言及。コロナ禍では消費者の在宅時間が増え、インドアで楽しむエンタメ・ホビー用品が増加。2023年は消費者の外出機会が増加したものの、前年と比べて売れ筋の傾向自体に大きな変化はなかったとしている。

経済産業省が9月25日に発表した「令和5年度デジタル取引環境整備事業(電子商取引に関する市場調査)」 経済産業省が9月25日に発表した「令和5年度デジタル取引環境整備事業(電子商取引に関する市場調査)」
CtoC-ECのカテゴリー別構成比は大きく変化しなかった(画像は経産省の報告書から編集部がキャプチャ)

CtoC市場の興隆がBtoCのリユース市場に与える影響についても言及。CtoC市場はスマホをベースとするECが主体で手軽に売買が行える利便性に対し、商品査定の厳格さを重要と考える利用者はBtoCのリユース市場を重要視することが考えられるといったニーズの違いを指摘。リユース市場におけるCtoC市場とBtoC市場は「対象となる利用者層や売買を行う商品により、異なるニーズを満たし共存していくことが想定される」(報告書)とまとめた。

一次流通と二次流通の関係性についても説明。二次流通を入口とするブランドの認知拡大や、若年層を中心にリセールバリューを意識した新品購入という購買行動に広がりがあるとし、二次流通が「新品への需要を創出していると見ることもできる」(報告書)とした。

また二次流通事業者と一次流通事業者が相互に保有するデータを連携する動きもあると指摘。二次流通事業者が保有する利用者の行動データを一次流通事業者と連携し、一次流通事業者側で中古市場で売ることを前提とした消費者の購買行動に対応した値付けや販売戦略立案に生かすといった事例もあるという。また、二次流通事業者側が、一次流通事業者が保有する商品カタログデータ等を入手することで、利用者が出品する際の商品情報入力を省き、出品を促進する動きを推進しているケースもある。

そのほか大手百貨店が二次流通事業者と組んで不用品の買い取りや引き取りサービスを手掛ける例もあるとし、「両者が相互補完の関係を築き、双方の市場規模が拡大していくことが期待されている」(報告書)とまとめている。

偽ブランド品など不正出品の対策についても触れた。プラットフォーマーは安心・安全な取引環境を整備するための取組を継続的に進めているとし、目視や自動化の仕組みによる監視と外部機関との連携による対策を行っている。 CtoC-ECの大手プラットフォーム事業者が加盟する「インターネット知的財産権侵害品流通防止協議会(CIPP)」では、プラットフォーム事業者間の情報交換や権利侵害商品の抑止対策の検討、ガイドラインの策定などに取り組んでいる。そのほか、プラットフォーム事業者自身の強化策として出品基準やルールの厳格化を進めている。

経済産業省が9月25日に発表した「令和5年度デジタル取引環境整備事業(電子商取引に関する市場調査)」 経済産業省が9月25日に発表した「令和5年度デジタル取引環境整備事業(電子商取引に関する市場調査)」
CtoCのプラットフォーマーが進める不正対策の取り組みについても言及(画像は経産省の報告書から編集部がキャプチャ)
鳥栖 剛

テレビショッピングの経験を生かした“売れる配信術”とは? ブランドのファンの輪を広げる「楽豆屋」が取り組むライブコマース事例 | E-Commerce Magazine Powered by futureshop

1 year 6ヶ月 ago
創業110年の老舗豆菓子メーカー冨士屋製菓本舗は、ユーザーとの一体感が生まれるライブコマースを実施し、売上拡大につなげています

大正2年から続く豆菓子メーカー冨士屋製菓本舗(本社大阪府)。創業当時から作り続けている「雀の玉子」をはじめ、3代にわたって受け継いできた豆菓子を全国に販売しており、「楽豆屋」の屋号でネットショップも運営しています。

同社は2020年にインスタライブでのライブ配信を開始。ライブに出演しているのは、“3代目の嫁”こと北野雅江さん。関西弁の明るいキャラクターに加え、催事販売やテレビショッピングで培ったトークでライブコマースの売り上げを伸ばしてきました。

創業110年の伝統に、ライブコマースという新しい手法を取り入れることで進化を続けている「楽豆屋」。ライブコマースの手法や内容、配信で大切にしていることなどについて、冨士屋製菓本舗の皆さんにお話をうかがいました。(聞き手:フューチャーショップ サービスプロデューサー/ライブコマースディレクター 稲生達哉)

創業110年の老舗豆菓子メーカーがECにも注力する理由

フューチャーショップ 稲生(以下、fs稲生) 本日は冨士屋製菓本舗さんが取り組んでいるライブコマースについて、内容や配信手法、成果などをお聞かせください。はじめに、冨士屋製菓本舗さんが手がけている事業について教えていただけますか?

代表取締役 北野登己郎さん(以下、北野登己郎さん)弊社は大正2年に創業した豆菓子メーカーです。落花生などに寒梅粉(かんばいこ)をまぶし、焙煎や味つけをほどこした「掛豆(かけまめ)」と呼ばれるお菓子を製造しています。

創業当初から作り続けている「雀の玉子」や、ロングセラー商品の「豆味さん(とみさん)」など、豆の種類や味が異なる数十種類の商品があります。

自社ブランド「楽豆屋」を立ち上げたのは2003年のこと。それ以前は豆菓子メーカーなどへの卸売りのみを行っていましたが、安い海外製の豆菓子に押されて既存の取引が先細りになっていたこともあり、新しいビジネスを育てるためにオリジナルブランドを作って消費者向けのマーケットに参入しました。

「楽豆屋」の主な販売チャネルは百貨店や土産物屋、テレビショッピングなどへの卸売りと、自社ECサイトでの直販です。近年はギフト用に「楽豆屋」を買ってくださるお客さまも増えており、テトラの小袋を詰め合わせたギフトボックスは実店舗・ECを問わず人気です。

フューチャーショップ ライブコマース 楽豆屋 冨士屋製菓本舗 雀の玉子
創業以来110年にわたって作り続けている「雀の玉子」(左)。テトラの小袋を詰め合わせたギフトボックス(右)も人気
フューチャーショップ ライブコマース 楽豆屋 冨士屋製菓本舗 すべての工程を富田林内の自社工場で実施
豆の下処理から焙煎、味付け、包装、品質管理まで、すべての工程を富田林市内の自社工場で行っている

fs稲生ECを始めたきっかけを教えていただけますか?

北野登己郎さんECを始めたのは2007年です。百貨店の催事で商品を買ってくださったお客さまがリピート購入できるように、自社ECサイトを立ち上げました。

「楽豆屋」を2003年に発売してから数年間は、主に百貨店の催事で商品を販売していました。当時、店頭の棚に「楽豆屋」の商品を並べてくださっていたのは大阪高島屋さんだけ。取扱店を増やすには、まずは「楽豆屋」の味を1人でも多くの方に知っていただかなくてはいけない。そう考えて、高島屋さんを含む各地の百貨店で試食販売を行いました。

催事を3年ほど続けた結果、催事会場では売れるようになりましたが、「楽豆屋」の取扱店が少なかったためにリピート購入できる場所が限られていたんです。そこで、リピーターさんの受け皿として自社ECサイトを開設しました。

フューチャーショップ ライブコマース 楽豆屋 冨士屋製菓本舗 代表取締役 北野登己郎さん
冨士屋製菓本舗 代表取締役 北野登己郎さん

fs稲生「楽豆屋」を立ち上げた当初は、催事で売っていたのですね。

北野登己郎さんそうなんです。妻の雅江が催事で売ってくれていました。

営業・企画 北野雅江さん(以下、北野雅江さん)「楽豆屋」を立ち上げたばかりのころは、お店の棚に並べているだけではほとんど売れませんでしたから、催事の経験はなかったですが「なんとかせなあかん!」と必死に売りました。

催事は1回あたり約1週間なので、その間は朝から晩まで売り場に立っていました。関東や東海などの百貨店に行くときは泊まり込みです。催事が終わったら自宅に戻って、ECの受注処理や出荷作業を行って、また次の催事に遠征する。そんな生活が何年も続きました。

fs稲生そこからECを、どのように伸ばしていったのでしょうか。

北野雅江さん催事で商品を試食していただきながら「ECもやってます!」とお伝えして、ECサイトを案内していました。そうこうするうちにECが軌道に乗り始めたので、ECの勉強会に参加したり、食品業界の先輩たちからノウハウを教えていただいたりして、ECサイトの売り上げを伸ばしてきました。

fs稲生大変な時期を乗り越えて、今があるのですね。

北野雅江さん大変でしたが、催事でお客さまの声を直接聞くことができたことは、その後の仕事にとても役立っています。お客さまからいただいたご意見やご要望を、商品開発やECサイトのコンテンツ作りに生かしてきました。ライブコマースでのしゃべりにも催事の経験が役に立っています

fs稲生雅江さんは2017年からテレビショッピングの「QVC」にも出演してらっしゃいますよね。催事の経験は、テレビショッピングのトークにも生かされたのでしょうか。

北野雅江さんそれもありますね。テレビショッピングには30回くらい出演しました。QVCの担当者さんが私のしゃべりを高く評価してくださって、何度もオファーをいただけたのは、催事の経験があったからだと思います。

フューチャーショップ ライブコマース 楽豆屋 冨士屋製菓本舗 営業・企画 北野雅江さん
冨士屋製菓本舗 営業・企画 北野雅江さん

年2回の工場直売セールなどでライブコマースを実施

fs稲生冨士屋製菓本舗さんは2020年8月からライブ配信に取り組んでいらっしゃいますね。

北野雅江さん実店舗やオンラインショップ、テレビショッピングに次ぐ新しい販売チャネルを作るために、ライブコマースも頑張っています。

fs稲生どのようなライブを行っているのでしょうか。

北野雅江さん工場直売セールやゲリラライブ、雑談配信などを行ってきました。

fs稲生それぞれの内容を教えていただけますか?

北野雅江さん工場直売セールは7月と12月の年2回、本社工場の敷地内で開催している特売イベントです。会場の一角に配信スペースを作り、工場直売セールでしか買えない超特価商品などをライブコマースでも販売しています。

工場直売セールには毎年多くのお客さまが足を運んでくださいますが、遠方にお住まいの方や、当日は予定があって現地に来られない方も少なくありません。そういったお客さまのために、2020年8月からライブ配信を行っています。

フューチャーショップ ライブコマース 楽豆屋 冨士屋製菓本舗 ライブコマースのようす 工場直売セール
2023年12月の工場直売セールでは2日間、それぞれ1時間ほどライブを行い、セール限定の超特価商品を販売した

fs稲生ゲリラライブでは、どのような企画を行っているのでしょうか。

北野雅江さんゲリラライブは、突発的なイベントに合わせて実施しています。たとえば、「楽豆屋」のLINE公式アカウントの友だちが1000人を超えたことを記念し、2024年4月23日にゲリラライブを配信しました。このときはゴールデンウィーク直前でしたので、連休中に皆さんで楽しめる「GWお楽しみセット」などを販売しました。

フューチャーショップ ライブコマース 楽豆屋 冨士屋製菓本舗 ゲリラライブ
LINE公式アカウントの友だち1000人突破を記念してゲリラライブを実施。「GWお楽しみセット」を販売した

fs稲生雑談配信も行っているのですね。

北野雅江さん週1回ほどの頻度で、夕方17時20分から約10分間雑談するライブコマースを2024年5月から試験的に行っています。小腹が空いてきてひと休みしたくなる時間帯に、視聴者の皆さんと一緒に豆菓子をポリポリ食べながら雑談する配信です。

商品を積極的に売るというよりも、雑談や新商品の構想など普段のライブコマースとは違ったテイストでしゃべることが多いです。豆菓子を食べて「よし、もうひと頑張りしよう」と思ってもらえるような、そんなライブをめざしています。

フューチャーショップ ライブコマース 楽豆屋 冨士屋製菓本舗 豆菓子を食べながら雑談する「1720LIVE」
豆菓子を食べながら雑談する「1720LIVE」。咀嚼音がASMRのように聞こえる

野球の話で視聴者と盛り上がることも

fs稲生過去のライブコマースでは、北野社長と白浜さんが出演し、プロ野球の話で盛り上がっていたのも印象的でした。

北野登己郎さん妻から「あんたもライブに出なさい」と言われて、何を話そうか考えたんですが、「ソフトバンクホークス」のことならいくらでも話せるので、社内きっての野球ファンである白浜くんと一緒に話しました。

製造部 白浜洋平さん前半の30分くらいは野球の話しかしていませんでしたよね。誰々の打率がすごいとか。雅江さんから「そろそろ商品の話をしません?」と言われてようやく商品について話したほど、野球の話で盛り上がってしまいました。

fs稲生その配信を見ていて印象的だったのは、お2人と視聴者さんの一体感が生まれていたことです。別々の場所にいるけれど、同じお菓子を食べながら、好きな野球チームの話で盛り上がる。共通の趣味の話で盛り上がって、そこからブランドのファンの輪が広がっていく。これからのECには、そういったコミュニケーションも大事なのかもしれないと感じました。

フューチャーショップ ライブコマース 楽豆屋 冨士屋製菓本舗 製造部 白浜洋平さん
冨士屋製菓本舗 製造部 白浜洋平さん

歴史と想いを伝える機会に

fs稲生111周年を記念したライブでは、これまでの歴史や3代目社長の想いも伝えていらっしゃいましたね。

フューチャーショップ ライブコマース 楽豆屋 冨士屋製菓本舗 111周年ライブのアーカイブ映像
111周年ライブのアーカイブ映像:視聴URLはこちら

北野登己郎さん創業者の祖父が業界のなかで豆菓子の作り方を広めていった話や、家業を継ぐことを決めた時の想い、まったく売れなかった頃の話もしましたね。これまでの歴史に関してはコーポレートサイトに書いてありますが、今回は細かいエピソードも交えて話すことができ、改めて深く知っていただける良い機会になったように思います。

北野雅江さんもともと豆菓子が大好きだった私が豆菓子屋に嫁いだ話や、嫁いだ2年後に創業者のおじいちゃんが夢に出てきて「認められた気がした」不思議な話はなかなかお話しする機会もないので、こういったライブの場で話せて楽しい時間でした。

fs稲生それをインタビューしていらっしゃるのが実の娘さんという構図も、これまた面白いですよね。アットホームな雰囲気で楽豆屋の歴史やエピソードを話すライブは、過去配信のなかでもアーカイブの平均視聴時間が最も長いライブとなりました。聞いていて驚きのあるエピソードがいろいろと出てきたので、お客さまもつい聞き入ってしまったのかと思います。

ライブコマースの配信方法と告知の手段

fs稲生ライブの配信方法を教えていただけますか?

北野雅江さんライブは「Live cottage」を使って配信しています。2020年8月にライブを始めてから3年間は、Instagramのインスタライブで配信していましたが、ライブの視聴者さんが配信中に商品を買えるようにしたかったので、2023年8月に「Live cottage」を導入しました。

fs稲生視聴者さんがスムーズに買えるように、「Live cottage」を導入してくださったのですね。

北野雅江さんはい。インスタライブは無料で配信できるなどメリットもありますが、ライブの視聴画面からECサイトの商品ページに動線を貼れないため、視聴者さんはライブを観ながら買い物をすることができません。

インスタライブ時代の視聴者さんは、欲しい商品をメモしておいて、ライブが終わったらECサイトに遷移して商品を探す必要があり、とても手間がかかっていたと思います。実際、視聴者さんから「商品を直接買いたい」という声もいただいていました。

fs稲生ライブを告知する際は、どのような方法で周知していますか?

北野雅江さんEC会員さん向けのメルマガや「楽豆屋」の公式LINE、Instagramのストーリーズ、X(旧Twitter)のポストなど、使えるものはすべて使ってお知らせしています。

フューチャーショップ ライブコマース 楽豆屋 冨士屋製菓本舗 「Live cottage」を使用したライブコマース
「Live cottage」を使ったライブコマースでは、視聴画面の右下にある「item list」をタップすると商品情報が表示され、ワンタップで購入ページ(ECサイト)に遷移できる

テレビショッピングから学んだ「売れるライブコマース」の秘訣とは?

fs稲生ライブコマースに取り組んできたことで、売り上げにどのような成果が出ていますか?

北野登己郎さん工場直売セールは、以前は現地での売り上げだけでしたが、ライブコマースを始めたことでオンラインでも売り上げが取れるようになりました。ゲリラライブもEC売上高の上積みにつながっています。

ライブコマースを行った日は、自社ECサイトのコンバージョン率が通常の3~4倍に上昇することもあります。ライブコマースによって視聴者さんの購入意欲が高まった結果でしょう。

fs稲生3~4倍はすごいですね! ライブコマースで売り上げを作るために、意識していることはありますか?

北野雅江さんその配信でしか買えない限定商品を販売したり、特典を付けたりしています

これは過去のライブコマースから学んだことなのですが、ECサイトでいつでも買える商品をライブコマースで紹介しても、なかなか売れません。イベントごとの限定商品やその月の“推しセット”など、ライブコマースでしか買えない商品を準備することが重要だと思います。

fs稲生ライブでの話し方や、商品の見せ方などで工夫していることはありますか?

北野雅江さんライブだからこそできる表現を意識しています。

たとえば、ライブコマース限定で作った大容量サイズのギフトボックスを紹介するときは、カメラに向かって箱の中身を見せて、どさっと出しながら「どどどーん」といった擬態語を話すんです。商品の内容量を数字で伝えるだけでなく、動きやしゃべりを交えて商品の魅力を直感的に理解していただけるように工夫しています。

また、ライブ中に商品情報をクリックしてくださる方が増えてきたら、「今、たくさんの方にクリックしていただいています」「売り切れてしまったら、ごめんなさい」といったライブ感が高まる言い回しも使います。

そのほかにも、豆菓子の香ばしさやカリッとした食感を伝えるために、ボリボリという咀嚼音を長めに聞いていただくなど、ライブならではの表現を模索しています。

fs稲生ライブ中に「この商品が良いと思ったら『いいね』を連打してくださいね!」と呼びかけるなど、視聴者さんを巻き込むのも上手いと感じました。そういった表現力やアドリブ力は、催事やテレビショッピングで培われたのでしょうか。

北野雅江さんそうですね。アドリブのしゃべりは、特にテレビショッピングで鍛え上げられました。

fs稲生ライブの台本はあるのでしょうか?

北野雅江さん台本はありません。おおまかな流れや、紹介する商品を決めておくだけ。工場直売セールやゲリラライブでは、娘が声だけ出演し、私との掛け合いで配信することも多いですが、そのときもすべてアドリブです。

フューチャーショップ ライブコマース 楽豆屋 冨士屋製菓本舗 商品を説明するときは動きやしゃべりを交えて視覚や聴覚に訴えかける
商品を説明するときは、動きやしゃべりを交えて視覚や聴覚に訴えかける

ライブコマースをオンライン販売の柱の1つに育てたい

fs稲生最後に、ライブコマースの抱負をお聞かせください。

北野雅江さんライブコマースの配信スケジュールをしっかり組んで、売上計画にも織り込んでいきたいと考えています。「Live cottage」を導入した初年度は、手探りの部分もありましたので、突発的にライブコマースを実施することも少なくありませんでした。1年間続けてきて「Live cottage」の使い方に慣れましたし、売れるライブコマースのパターンも見えてきました。これからも視聴者さんに楽しんでいただけるライブを配信して、オンライン販売の柱の1つに育てたいです。

fs稲生北野社長と白浜さんは、また野球配信をされますか?

北野登己郎さんプロ野球中継を観ながら配信するのもおもしろいかもしれませんね。「ソフトバンクホークス」がクライマックスシリーズに進出したらやろうかな。

fs稲生いろいろな可能性がありそうですね。本日は貴重なお話をお聞かせいただき、ありがとうございました!

フューチャーショップの稲生(左)がインタビュアーを務めたほか、「楽豆屋」のEC運営をサポートしているユウキノインの酒匂さん(左から2番目)もインタビューに同席した

取材を終えて

大正2年から豆菓子一筋で、ものづくりに向き合ってきた冨士屋製菓本舗。創業から110年にわたって受け継いできた伝統は、食品メーカーとしての信頼につながっています。そして、明るいキャラクターの北野雅江さんや北野社長、白浜さんがライブコマースを行うことで、ブランドイメージに親しみやすさも加わりました。

伝統に裏打ちされた商品の“信頼”と、作り手の“親しみやすさ”が融合し、「楽豆屋」という唯一無二のブランドが作られていく。そのことが、「楽豆屋」が多くの顧客から支持される理由の1つなのではないかと感じた取材でした。

ライブコマースのアーカイブ視聴も可能

今回のインタビュー記事で紹介したライブコマースのアーカイブは、「楽豆屋」のサイトで視聴することができます。これからライブコマースに取り組みたい方や、ライブコマースを強化したい企業さんは、ぜひ参考にしてください。

「楽豆屋」ライブコマースのアーカイブをご視聴いただけます

この記事はフューチャーショップのオウンドメディア『E-Commerce Magazine』の記事を、ネットショップ担当者フォーラム用に再編集したものです。

E-Commerce Magazine

コマースビデオ、ブランドと消費者の評価に違い

1 year 6ヶ月 ago

IABがコマースビデオ(行動を促すためのビデオ広告と定義)について、ブランドと消費者の意識を調査。ブランドはコマースビデオへの投資に積極的であり、消費者も意思決定に役立つものと捉えているが、両者の評価には違いもある。

IAB Study Reveals Disconnect Between Brand Strategy and Consumer Journey Amid Soaring Commerce Video Engagement
https://www.iab.com/news/iab-study-reveals-disconnect-between-brand-strategy-and-consumer-journey-amid-soaring-commerce-video-engagement/

noreply@blogger.com (Kenji)

クラウドECサイト構築プラットフォーム「メルカート」、GMO-PGの「OpenAPIタイプ」と連携

1 year 6ヶ月 ago

ecbeing傘下のエートゥジェイは9月26日、クラウドECサイト構築プラットフォーム「メルカート」が、GMOペイメントゲートウエイ(GMO-PG)のオンライン総合決済サービスの接続方式「OpenAPIタイプ」と連携を開始したと発表した。

システム連携によって、「メルカート」上で「OpenAPIタイプ」の利用が可能となる。この方式では、決済手段の追加コストを従来の10分の1に抑えることが期待できるという。

また、決済別のテストマーケティングも容易になり、市場のトレンドやサイト利用者に適した決済方法を効率よく選定できるとしている。

経済産業省によると、2023年の国内キャッシュレス決済比率は39.3%(126.7兆円)に達した。ただ、決済手段が多様化しており、自社ECサイトにどの決済手段を採用するか、運営企業にとっては重要なテーマとなっている。

決済手段を追加する際は通常、決済ごとにシステムの連携開発が必要となり、1~3か月ほどの期間と投資が必要となる。そのため、決済市場のトレンドや普及状況の変化に応じてタイムリーに決済手段を採用するのが難しいケースが多いという。

松原 沙甫

アイリスオーヤマがECマーケットプレイス事業に進出、「アイリスプラザ」への他社出品でECの成長戦略を加速

1 year 6ヶ月 ago

アイリスオーヤマは12月初旬にも、ECのマーケットプレイス事業に進出する。アイリスグループのアイリスプラザが運営する公式通販サイト「アイリスプラザ」に、他社が出品できるようにし、新たな顧客の獲得などを通じて事業領域を拡大する。

「アイリスプラザ」に他社の商品やサービスを出品できるマーケットプレイス機能を導入する。「アイリスプラザ」はアイリスオーヤマの商品を中心に家電や食品、家具、ペット用品、日用品など5万点以上(2024年9月現在)を扱い、会員数は400万人(同)に達している。

マーケットプレイス機能の導入により、「アイリスプラザ」で扱うカテゴリや商品数、サービスを拡大。ポイントの活用も広げ、利用者の利便性向上につなげる。また、「アイリスプラザ」を通じた顧客の声を活用し、アイリスオーヤマの開発コンセプトである「生活者の不満や不便を解決するモノづくり」を加速、より良い商品開発につなげていく。

マーケットプレイスの基盤には、マーケットプレイス構築SaaSプラットフォームを提供するMirakl(ミラクル)のプラットフォームを採用。10月下旬からセラーの募集を始め、12月初旬の公開をめざす。出品企業と連携するキャンペーンも検討している。

マーケットプレイス事業については、ニトリがECのマーケットプレイスを始めると2月に公表。Miraklの基盤を活用し、自社ECサイトに他社が出品できるようにする。今後も成長が期待できるECプラットフォームのなかで、成長しているマーケットプレイスに着目。幅広い品ぞろえによるスケールメリットを生かして在庫・物流コストを削減し、収益性の向上が見込めると判断した。

ニトリがECマーケットプレイス事業に進出、他社出品でECの成長戦略を加速

ECの成長戦略、ビジネス機会の創出に向けたチャレンジとして、マーケットプレイスの本格導⼊に取り組む
松原 沙甫[執筆]2/9 7:301640
松原 沙甫

再現性が高く「投資効果」が読みやすいネット広告戦略のポイントは? 広告代理店に依頼する時の注意点も解説 | 強いEC会社を支えるネットショップ担当者を作る人財育成講座

1 year 6ヶ月 ago
EC事業の内製化を目標に、ECマーケティングに関連するテーマを設定し、判断をするための考え方を解説します【連載9回目】

「EC事業を内製化する」――それは必ずしも、「Webサイトやコンテンツの制作スキルを身につける」「リスティング広告の運用を自社内で行う」「自社サイトのシステム改修をECチーム内で解決する」ことを意味しません。ECに関係する専門的な領域は、すでにいち担当者の努力でどうにかなる時代ではなくなっています。

EC事業の内製化を目標に、ECマーケティングに関係するテーマを設定、その判断をするための「考え方」を伝える9回目の連載では、「広告戦略」について解説します。

強いEC会社を支えるネットショップ担当者を作る人財育成講座
  1. ECのマーケティングとは? 「売り上げを伸ばす」ってどういうこと? EC事業の内製化に大切なポイントを解説!
  2. 客単価が2倍=売り上げも2倍!はウソ? 事例に学ぶ売上の公式の「真実」とは
  3. コンバージョン率が高い=良いECサイト? 「割り算」で算出する数値には注意しよう!
  4. ECサイトのアクセス数アップのポイントは、自社にとって「エンゲージメント」が高いユーザーを意識すること
  5. ユーザーが自社を「選んでくれた理由」「知ってくれた理由」を分析しよう! 商品作り&顧客作りに重要なポイントを解説
  6. 「生の声」「問い合わせ」の情報を蓄積して、ユーザーへの提案の「解像度」を上げることが大切!
  7. 「なぜ売れたのか」疑問を持とう! ユーザーの目的からニーズを探るためには「情報管理」が重要になる
  8. 売れる理由を一番知っているのは誰? それは「お客さま」! ユーザーの声+客観的なデータから売るチャンスを創出しよう
  9. 再現性が高く「投資効果」が読みやすいネットの広告戦略のポイントは? 広告代理店に依頼する時の注意点も解説

ECのマーケティングは「ヒト・モノ・カネ・情報といった自社のリソース」と「外部のマーケティングソリューション」を組み合わせて、「結果としての売り上げと利益を最大限に伸ばす」ことが求められます。

つまり「EC事業の内製化」とは「業務の内製化」ではなく、「判断の内製化」なのです。ECの戦略・方針、日々のアクション・行動、そしてソリューションの選択が成果につながっているか、これだけは社内のネットショップ担当者でなければ判断ができません。

「強いEC会社を支えるネットショップ担当者を作る人財育成講座」では、ECマーケティング人財育成(ECMJ)が、こうした判断を行えるEC担当者育成に向けたポイントを解説します。

SNSでつながっている「界隈」の人たちに、いかに情報を届けるかが重要

ネッタヌネッタヌ

前回のキャラクターグッズの話、ワクワクしたぁ。けっこう壮大な話でしたよね。

石田

まさかアーティストのファンの皆さんから一気に注文がくるなんて思わないよね。

ただ、ファン同士は主にSNSを通じて広くつながっているんだ。自分のプライベートでのSNS利用を振り返ってみてもらうと、まさにそんな使い方をしていると思う。

ネッタヌネッタヌ

石田さんもプライベートでSNSをやっているの?

石田

もちろん。仕事用のX(旧Twitter)アカウントだけじゃなくて、スポーツジム仲間と交流するためのアカウント、趣味の情報だけを取得するアカウントと複数を使い分けているよ。

この「目的や使用用途によってSNSアカウントを分ける」というのはすでに一般化しているよね。

ネッタヌネッタヌ

ECのマーケティングを展開する上で、SNSの活用は避けられない時代ですね。いかにSNSでつながっている人たちの「界隈」に情報を届けるか、そこが重要ですね。

石田

前回のキャラクターグッズについては、「知らない間にアーティストのファンの『界隈』に情報が届いていた」と言えるよね。マーケティングとしては、まずこの事実を「察知」することが重要

ネッタヌネッタヌ

ここが「情報管理」の第一のポイントですね。

石田

うん、そうだね。

前回まで「情報管理」の話をしてきたけれど、今回からは「広告戦略」の話をしたいと思う。ECの新規集客というと、ネット広告の活用を思い浮かべる人が多いんじゃないかな。

ネッタヌネッタヌ

新規集客の本丸の話ですね!

SNSは不確実だけれど、ネットの広告戦略は「投資効果」が見えやすい

石田

先ほども話した通り、SNSといかに付き合うかは現在のECの重要なポイントになっている。ただ、EC事業を計画的に成長させるためには、ネット広告の活用が不可欠なんだ。どのネットショップも最終的には必ずネット広告のお世話になることになる。

ネッタヌネッタヌ

前回のキャラクターグッズみたいにSNSの波に上手く乗れると良いんですけどね。

石田

そう。今ネッタヌ君が言った言葉がSNS戦略の難しさを表している。SNSって「不確実」なものなんだ。

情報があって、情報を受け取る人がいて、その情報を受け取った人がまた他の人に情報を伝える。この流れができないとSNSで情報は拡散していかない。自社でできるのは情報を出すという「仕掛け」であって、拡散はある意味「他人任せ」になるわけだ。

ネッタヌネッタヌ

拡散してもらうためにインフルエンサーやアンバサダー的な人に何かしらの特典を与えるのはどうなのですか?

石田

もちろん流行りの手法ではあるけれど、それってある意味「広告」だよね。なにかしらの特典を出しているわけだから。ここは切り分けが難しいところだけれど、「ブランドを応援してくれるアンバサダー」の組織化はSNS戦略だろうなというイメージはあるね。

ネッタヌネッタヌ

うんうん。ただ、アンバサダーさんがどれくらい活動してくれるかは縛れないですからねぇ。

石田

そうなんだよ。それに対して、ネット広告は自社が予算を出せば確実に掲載される。広告のクリックがゼロということはほとんどないし、広告掲載後のデータが閲覧できるので運用・改善を繰り返すことができる

ある程度、広告コストに対する売り上げや新規顧客の獲得単価などの投資効率が見えてくれば、EC事業の計画にも落とし込みやすいんだ。「今期はこのくらいの広告予算を使えば、これくらいの新規顧客獲得が見込める」っていうね。

これは企業規模が大きくなればなるほど重要なことだよね。

ネッタヌネッタヌ

たしかに、広告予算は直接「売上コスト利益」に関係するからわかりやすいですよね。それに比べるとSNS戦略はいまいち運用に対する「投資効果」が見えにくいのかもしれない。

石田

ネットの広告戦略は「投資効果」が読みやすい。この言葉を覚えておいてもらえると良いね。

EC内製化 SNS戦略と比べて、ネット広告は「投資効果」が読みやすい
SNS戦略と比べて、ネット広告は「投資効果」が読みやすい

「できるだけ効率的に、できるだけ効果的に」広告を運用する方法とは?

石田

ただ、多くのEC事業者さんが広告費を無駄に使っているように感じる。広告を活用することはもちろん必要なんだけれど、闇雲に広告を使ってしまっているところがある。

だから、この人財育成講座では「できるだけ効率的に、できるだけ効果的に」広告を活用する、集客の「最適化」について考えていきたい

ネッタヌネッタヌ

石田さん、ちょっと質問なんですが。「闇雲に広告を使ってしまう」理由って何があるのでしょうか。

石田

広告という手段が、ある意味目的化している部分があるように思う。新規集客の手段として「ネット広告」一辺倒のEC事業者さんもいるんじゃないかな。実際は、SNS戦略やコンテンツマーケティング、プレスリリースだってあるにもかかわらずだ。

また、ネット広告は本来「自社の改善施策」によってその効率と効果が上がっていくものなんだ。けれども、どこか広告代理店さんを「集客のプロ」と見ていて、新規集客をまるっとお任せしてしまっている部分もある。

このあたりはEC事業者のマーケティング知識が熟成していないことが原因かもしれない。

ネッタヌネッタヌ

たしかに、広告代理店さんからの「提案を待つ」みたいなことって常態化していますよね。

石田

本来は自社のデータと情報を整理して伝え、広告代理店さんと揉んだ上で「動いてもらう」ものなんだ。

たとえば、去年の今頃どの商品が売れていたのか、その注文データの実績を知っているのはECチームの方でしょう。また、これからECサイトでどのような販売スケジュールを組んでいるか、それも一番よく知っているのはECチームの方。このあたりを共有せずに広告代理店さんの提案を待っても、なかなか良い提案を受けることは難しいよね。

ネッタヌネッタヌ

あ、今の石田さんの話から「できるだけ効率的に、できるだけ効果的に」広告を活用する方法が見つかった。これはあくまで広告代理店さんに広告運用をお願いしている場合だけど、「“自社主導”で広告代理店さんに動いてもらう」ってことなんだ。

石田

その通り。広告代理店さんも、広告を無駄打ちして成果がいまいち出ない(つまり、費用対効果が良くない)より、広告を最適化して契約を継続、さらに広告予算を増やしてもらった方がうれしいと思うよ。そのためにも依頼するECチームの方がしっかりしないとね。

ネッタヌネッタヌ

実際に広告の無駄打ちってあるものなんですか?

石田

ある。

実際に僕がコンサルティングに入ったEC事業者さんでは月1500万円の広告費を月200万円分削ったけれど、ほとんど効果は変わらなかったんだよ。つまり、広告からの獲得コストが最適化された。これは正直、集客戦略を広告代理店さんにお任せしすぎていたことが原因だね。月1回の定例会議もレポートを確認するだけで終わっていた。

ネッタヌネッタヌ

ECチームの皆さんも何を指摘すればいいか、何を共有すればいいかわからなかったんですね。

石田

うん。やはり商品の知識は十分にあっても、ECのマーケティング知識が十分ではないECチームがまだまだ多いから仕方ないよね。

あと根本的な「認識の違い」があるかもしれない。広告戦略を考えるとき、この認識を持っておくことが非常に重要なんだけれども。

ネッタヌネッタヌ

え、難しい。なんだろう。

石田

広告はさ、「どの商品を広告に出すか」で大体の結果は決まっているってことなんだよ。だから一番ポイントになるのは「どの商品を露出するか」

ここを「選択する広告でなんとかなる」「広告代理店さんの工夫でなんとかなる」と思っていると、広告代理店さん任せになりがちなんだよね。この根本的な認識をまず変えることが大切なんだ。

ネッタヌネッタヌ

前に石田さんが「商品力×提案力×集客力=売上」で、「商品力が一番大事」って言っていたのを思い出しました。

EC内製化 商品力は社内で強化する必要がある
商品力は社内で強化する必要がある

まとめ

石田

じゃあ、今回のコラムを少しまとめるね。

EC事業の計画的な成長のためには広告戦略が必須になる。それは広告戦略には「再現性」があるから。ただ、広告を闇雲に使っているEC事業者も多い。広告代理店さんにお任せするのではなく、自社主導の広告戦略を広告代理店さんと揉んで「動いてもらう」ような関係を構築したい。そのためには自社のデータや情報を共有することが大事。こんな感じだね。

ネッタヌネッタヌ

石田さん、次回はどうしましょうか?

石田

次回は「できるだけ効率的に、できるだけ効果的に」広告を活用するための実践的な考え方を紹介するね。題して「逆算のマーケティングを展開しよう」だね。

ネッタヌネッタヌ

お待ちしております!

ECマーケティング人財育成は「EC事業の内製化」を支援するコンサルティング会社です。ECMJコンサルタントが社内のECチームに伴走し、EC事業を進めながらEC運営ノウハウをインプットしていきます。詳しくはECMJのホームページをご覧ください。

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石田 麻琴

【2023年EC市場のカテゴリまとめ】市場規模が最大は「食品、飲料、酒類」で2.9兆円、EC化率トップは「書籍、映像・音楽ソフト」で53.45%

1 year 6ヶ月 ago

経済産業省が9月25日に発表した「令和5年度デジタル取引環境整備事業(電子商取引に関する市場調査)」によると、2023年のBtoC-EC市場規模は24兆8435億円で前年比9.23%増。物販系分野のBtoC-EC市場規模は、同4.83%増の14兆6760億円、EC化率は同0.25ポイント増の9.38%となった。

経済産業省が9月25日に発表した「令和5年度デジタル取引環境整備事業(電子商取引に関する市場調査)」
物販系分野のBtoC-EC市場規模とEC化率の経年推移(画像は経産省の報告書から編集部がキャプチャ)

物販系分野のBtoC-ECで最も市場規模が大きかったのは「食品、飲料、酒類」で、同6.52%増の2兆9299億円。「生活家電、AV機器、PC・周辺機器等」が同5.13%増の2兆6838億円、「衣類・服装雑貨等」が同4.76%増の2兆6712億円、「生活雑貨、家具、インテリア」が同5.01%増の2兆4721億円で続いた。

上位4カテゴリの合計市場規模は同5.39%増の10兆7570億円で、物販系分野におけるBtoC-EC市場の73.3%を占める。2022年の4カテゴリ合計の市場規模は10兆2073億円で、シェアは72.9%だった。

経済産業省が9月25日に発表した「令和5年度デジタル取引環境整備事業(電子商取引に関する市場調査)」
物販系分野内での各カテゴリの構成比率(画像は経産省の報告書から編集部がキャプチャ)

最もEC化率が高かったのは「書籍、映像・音楽ソフト」で53.45%。「生活家電、AV機器、PC・周辺機器等」が42.88%、「生活雑貨、家具、インテリア」が31.54%で続いた。市場規模が最も大きい「食品、飲料、酒類」のEC化率は4.29%。

調査におけるEC化率は、電話、FAX、E メール、相対(対面)なども含めた全ての商取引金額(商取引市場規模)に対するEC市場規模の割合と定義している。

経済産業省が9月25日に発表した「令和5年度デジタル取引環境整備事業(電子商取引に関する市場調査)」
物販系分野のカテゴリ別BtoC-EC市場規模と(画像は経産省の報告書から編集部がキャプチャ)

食品、飲料、酒類

市場規模は同6.52%増の2兆7505億円で、EC化率は4.29%、構成比率は20%。コロナ禍によりECで食品で購入する消費行動が定着、ネットスーパー市場が拡大した。既存事業者がネットスーパー事業の強化を進めていることや、ネットスーパーの新規参入が増えたことが拡大要因と指摘している。また、健康食品もシニア層のECシフトが進みBtoC-ECで売上が拡大したと見ており、「今後も市場規模の拡大は継続する可能性が想定される」(報告書)としている。

生活家電、AV機器、PC・周辺機器

市場規模は同5.13%増の2兆6838億円で、EC化率は42.88%、構成比率は18%。外出が増え家電利用シーンが少なくなったこと、物価高などによる買い控えはあったものの、省エネ製品ニーズなどにより高単価商品の需要増などもあり、緩やかな伸びとなったとしている。今後の市場拡大にはリユース家電が寄与することが期待されるとした。

書籍、映像、音楽ソフト

市場規模は同3.54%増の1兆8867億円、EC化率は53.45%、構成比率は13%。コロナ禍による巣ごもり需要が終息したこと、物価高騰により趣味・娯楽品の1つである出版物への買い控えが発生し、2023年の市場規模の伸びは緩やかとなった。電子出版(電子書籍、電子雑誌)市場は引き続き拡大傾向で、2023年も同市場は本カテゴリの伸び率を上回った。映像・音楽ソフト(オンラインコンテンツを除く)は2023年のBtoC-EC市場は拡大したものの、サブスク配信などの伸長が影響しBlu-rayなどの出荷実績は横ばいだったとしている。

化粧品、医薬品

市場規模は同5.64%増の9709億円、EC化率は8.57%、構成比率は7%だった。外出機会の増加により、メイクアップ用品全般の支出が拡大。男性の美容意識が高まり、男性化粧品の市場も拡大している。一方、マスクや消毒液といった衛生商品の需要は減少した。ECの伸長は、コロナ禍による実店舗需要の減少に対応するためライブコマースやオンライン接客など「EC販売に大きく力を注いだ結果といえる」(報告書)という。医薬品のEC売上は規模はまだ小さいものの右肩上がりで伸びているという。オンライン診療や服薬指導が普及すれば、「一般用医薬品のネット販売に対する消費者の心理的ハードルが下がり、市場拡大が一層進む可能性も示唆される」(報告書)ともした。

生活雑貨、家具、インテリア

市場規模は同5.01%増の2兆4721億円、EC化率は31.54%、構成比率は17%。2022年からコロナ禍による需要増は一服し、伸び率は鈍化、2023年もその傾向が継続した。日用品分野についてはクイックコマースにおける取り扱いが拡大しているとし、新たな需要の取り込みにつながる可能性があるとしている。拡張現実(AR)の技術を使い、家具やインテリア商品を自宅の部屋に置いたイメージをスマートフォンで確認できる機能を提供する事業者が増えている。さらに、AIを活用してECサイト上で消費者の好みに沿った商品を提案する技術も進化しており、新たな需要の発掘が期待されるとしている。

衣類、服飾雑貨等

市場規模は同4.76%増の2兆6712億円。EC化率は22.88%、構成比率は18%。コロナ禍の影響が一巡し2022年に続き2023年も緩やかな伸びだったとしている。2023年は暖冬傾向もありアンダーウエアの不振などもあったという。ECでは各社が積極的に店舗と連動したOMO推進のほか、メタバースやNFT領域の進出が増えている。メタバースやNFTへの進出が同カテゴリの市場拡大に寄与する可能性があり期待が寄せられているとした。

鳥栖 剛

「決済手段の拡充ではなく新規登録のハードルを下げること」。会員登録率7%UPを実現したワコールが「Amazon Pay」を導入した理由

1 year 6ヶ月 ago
ワコールが自社ECサイトのグロースに成功している要因とは? EC事業の取り組みをけん引する責任者が成功につながった施策の全貌を語る
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老舗下着メーカーのワコールは、公式通販サイト「WACOAL WEB STORE(ワコールウェブストア)」で新規会員の登録完了率が7%向上するなど、EC事業で成果をあげている。競争が激化しているアパレル・下着市場で、ワコールは決済サービスを切り口にECをブラッシュアップし、実績につなげてきた。商品本部・通信販売事業部のオウンドEC営業部長として自社ECの責任者を務める小池麻衣子氏に、効果をあげた戦略や取り組み、今後の事業展望を詳しく聞いた。

ワコール 商品本部・通信販売事業部のオウンドEC営業部長 小池麻衣子氏

2000店舗以上を販路に持つ老舗下着メーカー

老舗下着メーカーのワコールは女性向けインナーを中心に、男性向けインナー、アウターウェア、スポーツウェアブランドなど幅広い商品を展開している。そのため、ターゲット層は子供からシニアまで幅広い

女性向けインナーをメインに幅広い商品を展開
女性向けインナーをメインに幅広い商品を展開

EC事業には2000年頃から参入し、現在は、ECをベースとしたデジタルコミュニケーションの強化を顧客戦略の柱として掲げて、事業拡大を図っている。売上高全体に占めるECの規模は約2割。小池氏は「店舗とECをつなげて、お客さまになるべくシームレスな購買体験を提供できるように全社で取り組んでいます」と説明する。

ワコール 商品本部・通信販売事業部のオウンドEC営業部長 小池麻衣子氏
ワコール 商品本部・通信販売事業部のオウンドEC営業部長 小池麻衣子氏

ワコールは直営店約150店舗、百貨店や量販店などの卸店舗2000店舗以上の販路を持つ。リアルでの顧客とのタッチポイントを生かして、オンライン・オフラインの顧客情報の統合や、共通アプリの導入など、OMO戦略を推進している。

2022年には全社的な顧客情報の統合を実施し会員制度を刷新。全社共通のアプリを導入し、店頭の会員証も兼ねたシステムを構築した。これにより、顧客の購買行動がより可視化され、顧客理解が深化、コミュニケーションの確度が向上し、実店舗とECの両方を利用する顧客のLTV(顧客生涯価値)が高くなっているという。

「WACOAL WEB STORE」で扱うのはワコールの全商品。実店舗ではどうしても商品棚に限りがあるため、ECならではの豊富な商品ラインアップが強みだ。

ワコールの全商品を展開している「WACOAL WEB STORE」
ワコールの全商品を展開している「WACOAL WEB STORE」

自社ECの課題は「新規会員獲得アップ」「カゴ落ち防止」

課題解決のカギは会員登録フローの改善

「WACOAL WEB STORE」の立ち上げ当初は、実店舗運営側のスタッフから抵抗感を感じるような声もあったという。「卸中心にビジネス展開をしてきたこともあり、ネットと店舗の併用が当たり前ではなかったころは特に、社内で取り組みに賛同を得ることが難しいこともありました」と小池氏は振り返る。

徐々に社内の位置付けも変わり、現在では全ブランドを取り扱うまでに成長した。2023年10月にはサイトリニューアルを実施。UI・UXの改善や、多様な顧客層に対応するためのユニバーサルデザインの導入など、顧客体験の向上に現在も取り組んでいる。

しかし、「WACOAL WEB STORE」を運営するなかでいくつかの課題があった。その1つが新規顧客の獲得。市況により広告単価が上がるなかで、広告に頼らずに新たな顧客を増やしていく必要性に迫られていた。その大きな課題の1つが、新規訪問者の離脱やカゴ落ちを防ぐための、購入と会員登録のフロー改善だった。

新規にECサイトを訪れるお客さまのなかには、途中でサイトを離脱してしまうケースが見受けられました。それを改善するには、サイト内での個人情報の登録の手間や抵抗感を取り払うことが必要でした。(小池氏)

こうした課題認識のなかで改善に向けた対策として浮かび上がったのが、Amazonアカウントを使って買い物ができる決済サービス「Amazon Pay」の導入だった。

「Amazon Pay」導入3か月で新規会員の登録完了率が7%アップ、カゴ落ちが減りCV率向上

2024年3月末、ワコールは「WACOAL WEB STORE」に「Amazon Pay」を導入した。会員登録の際に生じる、個人情報の登録の手間や抵抗感を取り払うためには「Amazon Pay」が最適だと判断した。

ワコールは当初、新規購入者の購入ハードル低減を目的に、「WACOAL WEB STORE」におけるゲスト購入の実現を検討していた。しかし、購入後のアフターフォローなどの課題があり、ゲスト購入の動線構築は見送った。

目的に沿った別案として、個人情報の登録の手間や抵抗感を取り払うことができるサービスを検討した。それが「Amazon Pay」だった。

「Amazon Pay」はAmazonが提供している決済サービスという安心感に加え、他社でも導入事例が多くあり、「WACOAL WEB STORE」以外で使用経験のあるユーザーの方が多くいることが魅力でした。(小池氏)

ワコール 商品本部・通信販売事業部のオウンドEC営業部長 小池麻衣子氏

「Amazon Pay」の導入後、その成果はすぐに現れた。導入からおよそ3か月が経過した段階で、新規会員の登録完了率が通常導線に比べて20%高く、全体の登録完了率を7%押し上げた。さらには、新規ユーザーの売上高も2~3%増加した。

登録完了率の向上は、想定以上の効果でした。「Amazon Pay」を選択できることがお客さまの利便性向上につながっていると実感しています。(小池氏)

「WACOAL WEB STORE」の決済手段のうち「Amazon Pay」が占める割合は15~20%に達した。他の決済手段であるクレジットカード決済などから「Amazon Pay」の利用にシフトした顧客もいるが、「新規登録のハードルを下げる」という目的において「Amazon Pay」が効果を発揮したと見ている。

「Amazon Pay」を導入した目的は、単に決済手段を拡充するということではありません。お客さまの新規登録のハードルを下げることが大きな目的でした。この観点でも、狙い通りの成果が出ました。(小池氏)

「Amazon Pay」の導入によって「会員獲得」「カゴ落ちの低減」は見込んでいたが、新規ユーザーの登録率アップ効果は想定を上回ったという。

「Amazon Pay」導入によって購入や登録フローが短くシンプルになりサイト全体のUX改善、全体のコンバージョン率の向上、カゴ落ちの低減につながっています。「Amazon Pay」の導入により、確実に「WACOAL WEB STORE」の利便性が高くなりました。(小池氏)

Amazonそのものの認知度の高さも「WACOAL WEB STORE」での買い物を後押しした。Amazonが提供する決済という安心感・信頼感を醸成でき、初めて利用するECサイトの買い物で、購入者の不安感を減らすことにつながる。これにより、新規会員獲得にも寄与したと見ている。

事実、ワコールは他社の決済も導入していたものの、「新規登録のハードル」「新規訪問者の離脱やカゴ落ち」の改善は継続課題にあがっていた。「Amazon Pay」導入でなぜそれらが解決できたのか? 新規訪問者が商品を購入する場合、まずは新規登録をしてレジへ進む購入フローだが、「Amazon Pay」を使うことで住所登録など面倒な個人情報などの入力作業を省略することができ、数ステップで購入と会員登録が完了できるようになった。この利便性向上が、「新規登録のハードル」「新規訪問者の離脱やカゴ落ち」の改善につながっている。

新規訪問者はカゴ内で「Amazon Pay」を選択すれば、会員登録などの入力することなく、商品を購入できる
新規訪問者はカゴ内で「Amazon Pay」を選択すれば、会員登録などの入力することなく、商品を購入できる

4か月でサイトを大幅リニューアル

「WACOAL WEB STORE」における「Amazon Pay」の導入・実装のプロセスは、着手からローンチまで4か月弱。次の内容を実装した。

  1. 「Amazon Pay」と「WACOAL WEB STORE」のフロントシステムとのAPI連携
  2. 会員導線の新規作成(デザイン含む)

Amazon Pay側との連携テストや、請求先と配送先の個人情報の取り扱いを分けるなど、細部の調整も行った。「WACOAL WEB STORE」としては大規模な改修となった。「Amazonのサポートも手厚く、スムーズに進めることができました」(小池氏)

新規・既存顧客の購買ハードル引き下げに成功

「WACOAL WEB STORE」では「Amazon Pay」が新規顧客獲得と既存顧客の利便性向上の両軸で有効に働いているという。

「お客さまの利便性が上がっていることが、数字にも表れています」と小池氏。「Amazon Pay」を導入したことで顧客の購買障壁が下がり、新規顧客の獲得と既存顧客の利便性向上という2つの効果をもたらしたと小池氏は分析する。

ワコールのEC戦略は、単なる販路拡大にとどまらない。先述の通り、店舗とECの連携、顧客データの統合、決済手段の多様化など、顧客体験の向上を軸に据えた取り組みが進んでおり、オンライン販路とオフライン販路のシームレスな購買体験の実現をめざしている。

現時点で、顧客がWebで見て気になる商品の店舗取り寄せ施策を展開中。「新規登録のハードルを下げる」「新規訪問者の離脱やカゴ落ちの改善」を実現したワコールは、こうした買い物体験の向上に取り組むとしている。

店舗で実物の商品を試せるなどオンラインとオフラインのシームレスな顧客体験に力を入れている
店舗で実物の商品を試せるなどオンラインとオフラインのシームレスな顧客体験に力を入れている

「Amazon Pay」のマーケティング活用進む

ワコールではマーケティング面でも「Amazon Pay」を活用し始めている。たとえば「Amazon Pay」と連動したキャンペーンの実施があげられる。

2024年7月に実施した「Amazonプライム」会員限定セール「プライムデー」にあわせて実施した「Amazon Pay」のキャンペーン。「Amazon Pay」を使い自社ECサイトで決済したプライム会員にAmazonギフトカードをプレゼントする「Amazonギフトカード大還元祭」(「Amazon Pay」で1000円以上(税込)の決済を対象にプライム会員は最大10万円を抽選でプレゼントする)に、ワコールも参加した。

小池氏は「2024年7月に実施したキャンペーンでは、『WACOAL WEB STORE』内で『Amazon Pay』が利用できることの訴求を強化しました。現時点でポジティブな手応えを感じています」と説明。既存顧客も「Amazon Pay」を利用する傾向が見られ、全体の伸び率が期待できるという。ワコールでは今後も「Amazon Pay」を活用した施策や、利用の訴求を継続する計画だ。

こうした「Amazon Pay」のキャンペーン施策は、新規訪問客の増加、既存顧客の利用促進などにもつながると考えています。今後、Amazonのお客さまにも「Amazon Pay」を通じて「WACOAL WEB STORE」を利用いただき、今まで「WACOAL WEB STORE」と接点のなかった顧客とつながりを持てるようになることを期待しています。(小池氏)

ワコール 商品本部・通信販売事業部のオウンドEC営業部長 小池麻衣子氏

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【2023年の物販系BtoC-EC市場まとめ】市場規模は14.6兆円、EC化率は9.38%。スマホ経由は8.6兆円、スマホ比率は約59%に

1 year 6ヶ月 ago

経済産業省が9月25日に発表した「令和5年度デジタル取引環境整備事業(電子商取引に関する市場調査)」によると、物販系BtoC-EC市場におけるスマートフォン経由の市場規模が堅調に推移した。

2023年の物販系分野におけるBtoC-EC市場規模は14兆6760億円(前年比4.83%増)。そのうちスマホ経由は8兆6181億円(同10.0%増)で、金額にして前年から7806億円増加。スマホ比率は58.7%に達した。商取引金額に対するBtoC-EC市場規模の割合を示すEC化率は9.38%で同0.25ポイント増。

経済産業省が9月25日に発表した「令和5年度デジタル取引環境整備事業(電子商取引に関する市場調査)」
BtoC-EC(物販)におけるスマートフォン経由の市場規模(画像は経産省の報告書から編集部がキャプチャ)

情報通信機器の保有状況(世帯)に関する統計データによると、2022年における世帯あたりのスマホ普及率は90.1%。パソコン保有率は低下傾向となっている。報告書では「BtoC-ECの市場規模が拡大するなかでPCからスマートフォンへの移行がさらに進んでいるものと見られる。当面は、スマートフォンを通じた電子商取引が物販系BtoC-EC市場規模拡大の要因となる状況が継続するものと考えられる」としている。

経済産業省が9月25日に発表した「令和5年度デジタル取引環境整備事業(電子商取引に関する市場調査)」
スマートフォン経由の物販のBtoC-EC市場規模の推移(画像は経産省の報告書から編集部がキャプチャ)

スマホ経由とPC経由の電子商取引の異なる特徴として、スマホアプリの存在を指摘した。スマホアプリの場合、プッシュ通知機能を用いて能動的にユーザーへコミュニケーションを図ることができ、ユーザーにとって利便性が高く、事業者もユーザーとより強いリレーションを構築でき得るチャネルであると説明。BtoC-EC事業の拡大には、ユーザーとの強いリレーション構築が重要な要素であり、存在感を増すスマートフォン経由の動線を確立することが欠かせないとしている。

報告書では、2023年度の国内BtoC-EC市場の特徴としてスマホ比率のほか「SNS活用のさらなる広がり」「実店舗の位置付け・役割の変化」「情報セキュリティへの根強い不安」についても指摘している。

SNS利用のさらなる広がり

買物の情報源としてのSNSの活用が広まっているとし、「SNSとECの連携が進み顧客の購買体験価値の向上につながっている」(報告書)と分析している。ECマーケティングにおけるSNS活用は、自社のターゲット層にリーチできるSNSを、年代別や利用動向を勘案して選択することが望ましいとした。

実店舗の位置付け・役割の変化

これまでもリアルとECの最適な融合が模索されてきたが、コロナ禍によって改めて実店舗の存在意義を再考し消費者の行動変化に対応する動きが見られたと指摘。2023年は消費者のリアル回帰が本格化したこともあり、「オンライン接客」「ショールーミング化店舗」「EC購入商品の店頭受け取り」といったリアルとECを融合させる取り組みがさらに進んだとしている。

情報セキュリティへの根強い不安

ECを取り巻くセキュリティ分野についても言及。クレジットカード不正による被害額は、2022年は436.7億円(一般社団法人日本クレジット協会調査)と過去最高だった。2023年も9月までの累計被害額は既に401.9億円となり、通年で過去最大の不正利用被害額を更新する可能性が高い。こうしたことが消費者側の懸念につながっていると指摘した。

経済産業省が9月25日に発表した「令和5年度デジタル取引環境整備事業(電子商取引に関する市場調査)」
クレジットカード不正による被害額は2023年に過去最高となる可能性が高い(画像は経産省の報告書から編集部がキャプチャ)

報告書では、業界側の取り組みとして日本クレジット協会が中心となって設立された「クレジット取引セキュリティ対策協議会」が2020年に「クレジットカード・セキュリティガイドライン」をとりまとめ、2023年3月には改訂版を発表していることに言及。ガイドラインには「クレジットカード情報保護対策分野」と「不正利用対策分野に関する対策」が記載され、加盟店・クレジットカード会社・国際ブランド・行政業界団体といった主体別の具体的な対策を策定するなど取り組みが進んでいることに触れている。

鳥栖 剛

法人向けECモール「NETSEA」がアリババグループのBtoBマーケットプレイス「1688.com」とAPI連携。日本バイヤーの中国商品仕入れを実現

1 year 6ヶ月 ago

オークファンの子会社でBtoB仕入れ・卸モール「NETSEA(ネッシー)」を運営するSynaBizは9月26日、アリババグループが運営する中国のBtoBマーケットプレイス「1688.com」とAPI連携を開始したと発表した。「NETSEA」内で「1688.com」で取り扱う中国商品を仕入れることが可能になる。

オークファンの子会社でBtoB仕入れ・卸モール「NETSEA(ネッシー)」を運営するSynaBizは9月26日、アリババグループが運営する中国のBtoBマーケットプレイス「1688.com」とAPI連携を開始
通常の商品仕入れと同じ流れで中国商品の仕入れを行うことができる

今回のAPI連携で、「NETSEA」内に「1688.com」の商品を専門に取り扱うアカウント「NETSEA中国輸入旗艦店」を開設。NETSEAのバイヤーは国内のNETSEAサプライヤーからの商品仕入れと同じ流れで、中国商品の仕入れを行うことができるようになった。

「NETSEA中国輸入旗艦店」では、バイヤーのリクエストに応じた「1688.com」の商品を輸入して販売することも可能。今後はアウトドア用品や日用雑貨品など商品ジャンルの拡大展開を予定しており、数万点以上を取り扱うことを計画しているという。

SynaBizでは2022年から「日本から中国/中国から日本」×「オンライン/オフライン」を掛け合わせ、4つの軸で事業展開を行っている。今回のAPI連携は「中国から日本」×「オンライン」の取り組みの一環。「1688.com」はアリババグループが運営する中国最大級のB2Bマーケットプレイス。SynaBizでは「1688.com」の取り扱い商品は日本バイヤーにもニーズがあると捉え今回の連携に至ったとしている。

鳥栖 剛

カウネットが始めた、顧客データや生成AIの活用でユーザーの悩みを把握しサポートチャネルを最適化する取り組みとは?

1 year 6ヶ月 ago

コクヨグループのカウネットは、顧客の困り事に合わせて最適なサポートを提供できる体制の強化などCX(顧客体験価値)の向上に取り組んでいる。その一環として、顧客が問い合わせフォームに入力中、その内容をリアルタイムで先読みし、入力完了前に適切な解決策(FAQ)を自動で表示できるようにする取り組みを始めた。

オフィス向けECサイト「カウネット」では現在、音声を使わないサポートチャネルであるノンボイスチャネルの再構築を推進している。顧客データや生成AIなどのデジタルを活用して顧客の属性や困りごとを把握。生成AIによる課題予測で回答を最適化し、顧客からの困り事の解決に対応する。

問い合わせが生じやすい画面にチャットボットを配置し、その場で疑問を解決できるような先回りサポートも実施。FAQの内容やチャットボット、有人応対などのサポートチャネルを最適化し、顧客サポート起点でのCX向上につなげる。

コクヨグループのカウネットは、顧客の困り事に合わせて最適なサポートを提供できる体制の強化などCX(顧客体験価値)の向上に取り組んでいる
問い合わせフォームに入力中に、適切な解決策(FAQ)を先回りして自動表示

これまではコンタクトセンターで、顧客の自己解決を実現するFAQやWebチャットなどのノンボイスチャネルの拡充を進めてきたものの、顧客の困りごとに合った解決チャネルやコンテンツの提示は難しい状況にあった。

サポート体制の強化と実現をめざして、プレイドのグループ会社であるRightTouchが提供するWebサポートプラットフォーム「RightSupport by KARTE」を導入。顧客の困りごとに合った解決チャネルやコンテンツの提示をできるようにした。

コクヨグループのカウネットは、顧客の困り事に合わせて最適なサポートを提供できる体制の強化などCX(顧客体験価値)の向上に取り組んでいる
問い合わせが生じやすい画面にチャットボットを配置し、ユーザーの疑問解決を先回りサポート

今後は、ECサイト上で収集した顧客データ(属性、ページ閲覧、困り事など)を、ノンボイス領域、問い合わせ比重の大きい電話領域を含むコンタクトセンター全体で活用、顧客1人ひとりに合ったサポート体験の向上をめざす。これにより、顧客からの問い合わせ前の「先回り解決」を推進し、サポート体験全体でCX向上につなげる。

松原 沙甫

2024年の秋冬は暖冬傾向で秋・冬物商品の動き出しは鈍いと予測/Amazon、2024年は日本全国15か所に配送拠点を開設【ネッ担アクセスランキング】 | 週間人気記事ランキング

1 year 6ヶ月 ago
2024年9月20日~2024年9月26日にアクセス数の多かった記事のランキングを発表! 見逃している人気記事はありませんか?
  1. 2024年の秋冬は暖冬傾向、秋・冬物商品の動き出しは鈍いと予測【ウェザーニューズ調査】

    毛布・羽毛布団・おでん・鍋つゆ・セーター・ダウンジャケット・ハンドクリームなどの需要は10月から徐々に高まり、11月以降に本格化する予想。平年より気温は高く、年明け後は段々と減少すると見ている。

    2024/9/25
  2. Amazon、2024年は日本全国15か所に配送拠点。茨城、新潟、三重、長崎、大分、鹿児島に初のデリバリーステーション開設

    今回のデリバリーステーションの拡大は、Amazonが8月に実施した年次イベント「第10回 Amazon Academy」で発表した、日本のラストワンマイル配送へ250億円以上を追加投資する取り組みの一環。

    2024/9/25
  3. インテリアブランド「LOWYA」のベガコーポレーションが実店舗進出を加速する理由。2024年内に8店舗まで拡充

    ベガコーポレーションは実店舗展開を積極化することで、ECと直営店を連動させながらOMO展開を実現。今後は在庫状況や展示状況、持ち帰り状況など、さまざまなデータを少しずつ連動させていくとしている。

    2024/9/24
  4. 石川県を中心に配送遅延が発生、一部地域では荷物の預かりを停止。ヤマト運輸、佐川急便、日本郵便の対応まとめ(9/23現在)

    北陸地方で発生した記録的な大雨により、石川県、新潟県、山形県などで荷物の配送に遅れが生じている

    2024/9/23
     
  5. 物流アウトソーシングで失敗した委託経験TOP3は「倉庫の環境が良くない」「担当者のレスポンスや対応が悪い」「出荷に波動がある際に出荷できなかった」

    ディーエムソリューションズが行った「EC事業の運営状況に関する実態調査」によると、約6割が何かしらの物流業務を外部に委託していることがわかった

    2024/9/20
     
  6. イケア、小物商品を佐川急便の拠点で通常配送料金よりも手頃な価格で受け取れる「センター受取り(小物)」を拡充

    現在、広島県内の5拠点で展開している「センター受取り(小物)」を、9月26日から岡山県、広島県、島根県、鳥取県、山口県にある合計27の佐川急便の拠点で、「IKEAオンラインストア」や実店舗で購入された商品を受け取れるようにする。

    2024/9/24
     
  7. 三菱商事・KDDI・ローソン、AI+DX技術を用いた「未来のコンビニ」への変革に向けた取り組みスタート

    Pontaポイントが絡むKDDIの有料会員サービスやpovoとの連携を強化するほか、2025年春には店舗業務のロボ化やリモート接客を取り込んだ実験店舗を東京・高輪に2店舗開店する。

    2024/9/20
     
  8. EC売上アップの鍵は決済にあり! 承認率改善、不正対策、海外展開に効く決済ソリューションとは

    1つのプラットフォームで多様な決済に対応できるAdyen Japanが、決済の最適化による承認率改善、不正対策と売上最大化の両立、海外展開による売上アップについて解説

    2024/9/24
     
  9. 「ふるさとチョイス」災害支援で能登豪雨被害の石川県庁、石川県輪島市、珠洲市への「代理寄付」受け付けを開始

    「代理寄付」は、被災自治体に代わり、被災していない自治体が寄付を受け付け、事務処理を代行する協力関係の仕組み。

    2024/9/25
     
  10. 新規会員の獲得率6倍。集客に頼らず買い物体験の改善から新規顧客増に成功したリンベルのECサイト改善策

    カタログギフト大手のリンベルは、運営するECサイトに決済サービス「Amazon Pay」を導入していることで数々の成果をあげている。高い新規顧客獲得率、CV率と集客・販促が実現できている理由や実績を、執行役員の大川和弘氏と経営戦略本部の秀平真弓氏が解説する

    2024/9/24
     

    ※期間内のPV数によるランキングです。一部のまとめ記事や殿堂入り記事はランキング集計から除外されています。

    藤田遥

    バルクオムがサステナブル物流を推進。梱包資材を環境配慮の素材へ+置き配促進で宅配ボックスの「OKIPPA」をテスト導入

    1 year 6ヶ月 ago

    メンズスキンケアブランド「BULK HOMME」のバルクオムは10月から、ECサイトで商品購入した顧客を届ける荷物の梱包資材を環境に配慮した設計にリニューアルする。9月には、サステナブルな物流の推進と配達時の「置き配」を促進するため、簡易宅配ボックスの「OKIPPA(オキッパ)」をテスト導入する。

    梱包資材の刷新は、「リデュース」(ごみを減らすの意)が目的。配送時の梱包材の機能・役割・プロセスで必要な役割や利便性を損なうことなく、どこまで容器包装を最小化できるか検討。梱包資材の厚みやサイズをミニマム化し、汎用性の高い構造に変更した。

    また、①配送箱の印字をボタニカルインキ(バイオマスインキ)にする②再生紙100%の茶箱および緩衝材にする③顧客が段ボールを簡単に畳めるような工夫を施して処分時の簡易化を図る――など、ゴミやCO2の削減を実現するために改善した。

    メンズスキンケアブランド「BULK HOMME」のバルクオムは10月から、ECサイトで商品購入した顧客を届ける荷物の梱包資材を環境に配慮した設計にリニューアル
    梱包資材を環境に配慮した設計にリニューアル

    9月からは、再配達削減に向けた啓発活動の一環として吊り下げ式の簡易宅配ボックス「OKIPPA」を試験的に導入する。「OKIPPA」は玄関のドアノブに取り付けることができ、在宅時でも非対面で荷物の受け取りが可能。2018年9月の発売以来、2024年3月時点で22万個以上が販売されている。

    バルクオムは2021年12月から「置き配」サービスを導入。バルクオム公式サイトからの購入時に配達方法を選択するだけで、希望の場所への「置き配」指定をできるようにしてきた。再配達による配達事業者の労働環境改善、配送トラックのCO2排出量の削減・生産性向上などを図っている。

    バルクオムは、サステナブルな物流の推進と配達時の「置き配」を促進するため、簡易宅配ボックスの「OKIPPA(オキッパ)」をテスト導入
    「OKIPPA」活用のイメージ

     

    松原 沙甫

    「Amazon ネットスーパー」が九州でスタート。地場スーパー「マルキョウ」との協業で実現

    1 year 6ヶ月 ago

    アマゾンジャパンの「Amazon ネットスーパー」が9月25日、九州に初進出した。九州の地場スーパー「マルキョウ」を運営するマルキョウをグループ会社に持つリテールパートナーズとの協業で実現した。アマゾンジャパンとリテールパートナーズは5月、2024年内にサービスを開始すると発表していた。

    北部九州を中心に80店舗以上を展開する「マルキョウ」が「Amazon.co.jp」に出店し、Webサイトとショッピングアプリ上に「マルキョウネットスーパー」をオープン。「マルキョウ」の店舗で取り扱う食料品・生鮮食品、手作り惣菜など約7000点の商品をラインアップ。取扱商品数は順次拡大予定で、季節や時期に応じて変動するとしている。

    現時点の対象エリアは福岡県の福岡市6区(博多区、南区、東区、中央区、早良区、城南区)、那珂川市、 大野城市、春日市、粕屋町、須惠町、志免町、宇美町。それぞれ一部エリアは対象外としている。対象エリアは今後順次拡大する予定としている。

    注文商品は、マルキョウ店内の専門スタッフがピックアップし、Amazonの配送ネットワークで最短2時間で配達する。配達可能時間は12:00~14:00、14:00~16:00、16:00~18:00、18:00~20:00の4時間帯。配達時間は当日または翌日の2時間単位で指定できる。また、400円の追加料金で1時間単位の指定も可能。最低注文金額はない。 配送料は1万円以上の注文は無料。6000円以上1万円未満は220円、3000円以上6000円未満は440円、3000円未満は660円。Amazonプライムの非会員は追加料金200円がかかる。

    サービス開始に合わせて「サービス開始記念セール」も実施する。対象商品を最大40%オフで提供する。そのほかAmazonプライムの会員限定のキャンペーンとして、マルキョウネットスーパーでの初回購入時限定で配送料の優遇を提供する。

    今回の九州進出により「Amazonネットスーパー」の展開エリアは、北海道・関東・関西・中部・九州となった。

    「Amazonネットスーパー」の展開エリアは北海道・関東・関西・中部に九州が加わった

    リテールパートナーズは「マルキョウ」のほか、中国地方西部を地盤とする丸久、大分地盤のマルミヤストアの計3社を傘下に持ち、スーパーやディスカウントストアを274店舗展開している。丸久では「丸久らくらく便」「アルクネットスーパー」の2つのネットスーパー事業も手がけている。

    鳥栖 剛

    スクロール360が、ECサイト運営代行サービス「ECACT」のパートナー制度を設置しパートナー企業の募集を開始

    1 year 6ヶ月 ago

    スクロール360は、ECショップ運営代行サービス「ECACT(イーシーアクト)」に関する販売パートナー制度を設け、販売パートナー企業の募集を開始した。

    パートナー企業への手数料還元などを行う

    「ECACT」販売パートナー制度は、パートナー企業がEC事業の運営に悩みや課題を抱える事業者に対して「ECACT」の紹介・営業活動を行えるもの。

    スクロール360 「ECACT」販売パートナー制度 制度の概要
    「ECACT」販売パートナー制度について

    パートナー企業のメリットやシナジー効果などは次の通り。

    パートナー制度のメリット

    • 手数料還元
    • 運用はスクロール360が行うため、紹介だけで良い
    • スポット案件への対応可能

    パートナー企業におけるシナジー効果

    • 導入コストなし、低リスクで新規事業の展開が可能
      • 既に提供しているサービスのため、パートナー企業側で新たにコンテンツなどの作成は不要。必要な資料や情報はスクロール360が提供する
      • 日々の運用や業務連絡はスクロール360が行うため、初期投資を行わずに低リスクで新規事業を展開できる
    • 提案サービスの拡大による売上向上
      • パートナー企業がそれまで提案していなかった業務領域のメニューの場合、新サービスとしてEC・通販事業者に提案できる
    • 顧客満足度の向上
      • EC・通販事業向けのサービスを追加することで顧客満足度の向上、長期的でより強固な関係構築が期待できる

    販売パートナー制度に適している企業

    • EC・通販事業者との取組みがある
    • EC事業を始めたい事業者との取組みがある
    • BtoB営業を行っている
    • 新しい営業サービスメニューを探している
    • 新規事業を展開したい

    EC・通販事業者にソリューションを提供する企業が増えているなか、ECコンサルと運営リソースのサービスが切り離されている企業も多く、「ECACT」に案件紹介される機会が増えているという。

    こうした状況を受け、販売パートナー制度を設け、販売パートナー企業の募集を開始した。「ECACT」のさらなる拡販だけでなく、ECコンサルト運営をスクロール360が行うことで、パートナー企業のサービス提案の幅拡大、売上拡大に貢献したい考えだ。

    藤田遥

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