ネットショップ担当者フォーラム

ニトリが公式ECサイト「ニトリネット」にAIによるインテリアレコメンドサービスを導入

4 years 1ヶ月 ago

ニトリは、公式通販サイト「ニトリネット」にAIによるインテリアコーディネートのレコメンドサービスを導入した。このサービスは、バニッシュ・スタンダードの「STAFF START」とシルバーエッグのAIサービス「アイジェント・レコメンダー」を連携した機能。

ユーザー1人ひとりに合わせたコーディネートをAIが選定

レコメンドサービス導入により、「ニトリネット」にスタッフが投稿したさまざまなインテリアコーディネート画像から、ユーザー1人ひとりの好み・関心に合うものをAIが選び出し、提案することが可能となる。

ニトリ ニトリネット STAFF START アイジェント・レコメンダー インテリアのレコメンドサービス
コーディネートで使用した商品とともに、AIの選んだおすすめコーディネートを表示する

「アイジェント・レコメンダー」は既に「ニトリネット」の商品リコメンドで利用されており、サイト滞在時間やCVRの向上などの効果が出ているという。コーディネートレコメンドサービスは、「ニトリネット」のユーザーが「自分のライフスタイルを豊かにする」と思える商品との出会いを促進し、商品レコメンドと同様の効果が見込まれる。

また、ニトリスタッフには自分が投稿したコンテンツが評価されやすい環境を提供し、ユーザーとのコミュニケーションを通じたライフスタイル文化醸成の活性化が期待される。

サービス導入に際し、ニトリのスタッフコーディネート導入チームリーダーは次のようにコメントした。

ニトリでは価格や機能だけでなく色や柄、スタイルによってより快適な住まいをつくる「暮らしのコーディネート」提案に力を入れている。近年、SNSなどに投稿された画像を見たことがきっかけで商品を購入するユーザーが増えており、購買の意思決定に画像が重要になってきている。

「STAFF START」と「アイジェント・レコメンダー」の機能により、ユーザーの好みに合う多数のコーディネート提案と、そこに紐付く多くの魅力的な商品を画像で、直感的に紹介できるオンライン接客が可能となった。(ニトリ スタッフコーディネート導入チームリーダー)

「アイジェント・レコメンダー」とは

「アイジェント・レコメンダー」は、シルバーエッグが提供する独自に開発したAIアルゴリズムを搭載した、リアルタイム・レコメンドサービス。ユーザー1人ひとりがどのような商品を購入し、どのような「STAFF START」の投稿コンテンツに関心を示したかを学習し、ユーザーが「今みたい」と思っているコーディネートをリアルタイムで予測する。

ユーザーの年齢や性別などの属性情報に頼らない方式になっている。国内200サイトを超えるABテストにおいて、属性ベースの予測より精度が高く、高速であることを確認している。

属性によるバイアス(決めつけ)が入らないことから、「ニトリネット」では、個人の本質的な思考に沿ったライフスタイルの提案が可能になり、顧客体験の質的向上に寄与するという。

藤田遥
藤田遥

青山商事がECサイトに後払い「ペイディ」を導入、EC利用促進と購入金額増を見込む

4 years 1ヶ月 ago

青山商事は公式オンラインストア「洋服の青山オンラインストア」に、Paidyが提供する後払い決済サービス「ペイディ」を導入した。ECサイトの支払方法を拡充することでユーザビリティの向上につなげる。

1月13日に「洋服の青山オンラインストア」に導入。1月20日には「ザ・スーツカンパニー&ユニバーサルランゲージ オンラインショップ」での運用を始める。

青山商事は「ペイディ」導入で、ECサイトの利用促進、購入金額の増加を見込む。

青山商事は公式オンラインストア「洋服の青山オンラインストア」に、Paidyが提供する後払い決済サービス「ペイディ」を導入
「ペイディ」導入のイメージ

「Paidy」は2014年10月にサービスをスタート。「Amazon」「Qoo10」といったECモール、大手EC事業者から中小店舗まで70万店以上の加盟店が利用する。現在のアカウント数は600万以上。

ECサイトで買い物をする際、カートに商品を入れてから決済手段として「Paidy翌月払い」を選択し、メールアドレスと電話番号でログイン。即座に利用審査が行われ、SMSでユーザーに認証コードを発行し、ユーザーはそのコードを入力すると決済が完了する。決済時の画面移動が少ないため、カゴ落ち防止、クレジットカードを持っていないユーザーを顧客として取り込めるといった効果があるとされている。

Paidyは2021年、PayPalが全株式を取得しPayPal傘下に入った。買収価格は3000億円(約27億米ドル)。

瀧川 正実
瀧川 正実

コロナ禍でネットショッピング利用が増えた人は48%。食品をネットで購入する上で最も重視するポイントは「安価であること」

4 years 1ヶ月 ago

顧客満足度向上プラットフォーム「ファンくる」を運営するROIは、コロナ禍におけるネットショッピングの利用について意識調査を実施した。

コロナ禍でネットショッピングの利用が増えたか聞いたところ、全体では「増えた」が48%、「変わらない」が48%。年代別では20代と30代の48%が「増えた」とそれぞれ回答した。

顧客満足度向上プラットフォーム「ファンくる」を運営するROIが実施したコロナ禍におけるネットショッピング利用の意識調査 コロナ禍でのネットショッピング利用について
コロナ禍でのネットショッピング利用について

コロナ禍でネットショッピングが増えた理由は、「外に行くのは気が引けたため」が24%、「巣ごもりのため」が17%、「お店の営業時間が短くなったため」は6%。「外に行くのは気が引けたため」と「巣ごもりのため」と回答したのは30代が最も多く、それぞれ27%と22%だった。

顧客満足度向上プラットフォーム「ファンくる」を運営するROIが実施したコロナ禍におけるネットショッピング利用の意識調査 コロナ禍でネットショッピングの利用が増えた理由について
コロナ禍でネットショッピングの利用が増えた理由について

ネットショッピングで最も購入している商品は、「生活雑貨・日用品」が最も多く38%。「食品・飲料」が29%、「ファッション」が10%、「コスメ・スキンケア」が7%と続いた。前回調査と比べると「食品・飲料」の利用が増えている。

顧客満足度向上プラットフォーム「ファンくる」を運営するROIが実施したコロナ禍におけるネットショッピング利用の意識調査 ネットショッピングで最も購入している商品について
ネットショッピングで最も購入している商品について

食品をネットで購入する上で最も重視するポイントは、「安価であること」が最も多く44%。「産地直営であること」が17%、「早く届くこと」が11%。「安価であること」は各年代で最も重要視する理由となっている。

顧客満足度向上プラットフォーム「ファンくる」を運営するROIが実施したコロナ禍におけるネットショッピング利用の意識調査 ネットで食品を買う際に重視するポイント
ネットで食品を買う際に重視するポイント

ネットショッピングで食品を購入した際、何を購入したかを聞いた結果、「ドリンク(水や清涼飲料水など)」が52%で最多。「お米、雑穀」「スイーツ・スナック菓子」で各48%で続いた。他には「レトルト・総菜」(36%)、「ドリンク(アルコール)」(32%)、「麺類・パスタ」(31%)があがった。

顧客満足度向上プラットフォーム「ファンくる」を運営するROIが実施したコロナ禍におけるネットショッピング利用の意識調査 ネットショッピングで食品を購入した商品について
ネットショッピングで食品を購入した商品について

今後もネットショッピングを利用したいか聞いたところ、「とても思う」が65%、「思う」が30%で、95%が利用意向を示した。年代別では20代(72%)と30代(75%)が「とても思う」が70%を超えている。各年代も「とても思う」が過半数を超えた。

顧客満足度向上プラットフォーム「ファンくる」を運営するROIが実施したコロナ禍におけるネットショッピング利用の意識調査 今後のネットショッピング利用意向について
今後のネットショッピング利用意向について

今後、最もネットで購入したいものは何かを聞いた結果、「食品・飲料」が34%で最も多く、「生活雑貨・日用品」が32%、「ファッション」が10%、「家電」が8%、「コスメ・スキンケア」が7%。60代以上は「食品・飲料」のネット購入意向が46%となっており半数近くに達している。

顧客満足度向上プラットフォーム「ファンくる」を運営するROIが実施したコロナ禍におけるネットショッピング利用の意識調査 今後、最もネットで購入したい商品について
今後、最もネットで購入したい商品について

調査概要

  • 調査方法:インターネット調査
  • 調査対象:一般消費者
  • 回答者:「ファンくる」に登録している全国120万人のユーザー
  • 回答数:936人(男性=317/女性=619)
  • 調査時期:2021年12月15~20日
石居 岳
石居 岳

「リテールメディア」はEC事業者を幸せにできるのか?【ネッ担まとめ】 | ネットショップ担当者が 知っておくべきニュースのまとめ

4 years 1ヶ月 ago
ネットショップ担当者が読んでおくべき2022年1月10日〜16日のニュース
ネッ担まとめ

昨今のECは売上に直結しない仕事が増えているように思います。かとってやらなければとショップ全体の品質が落ちていくことがあるので悩ましいところ。「リテールメディア」はそんな悩みを解決してくれるかもしれません。

2022年に知っておきたい用語「リテールメディア」とは?

リテールメディアはECサイトの次の収益源になりうるのか? CriteoのMabaya買収から考える | REWIRED
https://rewired.cloud/criteo-mabaya-retailmedia/

ものすごーくざっくり言えば、リテールメディアとは、Eコマースサイト、特にリテール(小売:直販ではない)を行うショッピングモール的なサイトやアプリに広告を掲出できるサービス全般を指します。

(中略)

ECサイト内で検索したり、特定の商品カテゴリを見ている時に隣に表示されている関連広告、あれが自社のメディアでもできてしまうというものです。

2022年最初のまとめは、悪質な広告・プライバシー問題を解決する「リテールメディア」の話から。まずは「リテールメディアとは何ぞや?」の説明です。

小売業の広告販促DX「リテールメディア」の始め方 | Biz Drive
https://bizdrive.ntt-east.co.jp/articles/dr00041-010.html

リテールメディアとは、小売業者が持つ会員基盤を活用して消費者の購買データや行動データを広告配信に利用する新たなビジネスモデルのことです。主な広告主であるメーカーは消費者に対して、スマートフォンアプリや店頭サイネージ、ECサイト上などで、購買行動に合わせた精度の高い広告を配信することができ、小売業者はそれによる広告収益を得ることができます。

昨年の記事から引用しました。リテール=小売りの場をメディアをして活用していこうということです。小売りの場所なので店舗やアプリなども対象になってきて、小売業者の持つ会員基盤のデータも活用していきます。言葉だけを見るとオウンドメディアのように自社のメディアで小売りをやるように感じてしまいますが、そうではないことに注意です。

このリテールメディアが2022年にどうなるのか? という記事も紹介します。

ポストCookie時代に、リテールメディアが最も成長率の高い広告セグメントになる3つの理由 | REWIRED
https://rewired.cloud/retail-media-the-highest-growth-ad-segment/

一部の大手広告主を中心に、多くのブランドが Google や Instagram といった、プライバシー規制に対して何らかの手段を持つメガプラットフォームへの依存体質を抜けるための選択肢を常に模索しています

  • ウォルマートは Walmart Connect によってリテールメディア戦略で一定の成功を収めている。2021年全体で広告事業の売上が 15.5 ドル(約1,800億円)に達したという報告もある
  • リアル店舗でのマーケティングは対峙する相手が確実に人間なので、ボットやフラウドの心配がない
  • 購買の瞬間にレコメンドできるので購買のコンテクストに連動したターゲティングができる

リテールメディアはアメリカではすでに動いていて、ウォルマートでは1,800億円の売上になっているそうです。メリットは売上だけではありません。ネット広告につきものの悪質な広告とプライバシーの問題も解決してくれるのです。

これは日本でも同じで、いろいろと問題はありつつもGoogleやInstagramは効果が出るので仕方なく出稿しているという事業者も多いはずです。プライバシーの問題はファーストパーテCookieとあわせて、何をどうすればいいのかわからないことになっていますし、それに対応するために売上に貢献しない設定をしているのも無駄に感じます。

このあたりに対応しないといけないの? と思っている人は、日本ではEC周りの規制がどんどん厳しくなっていることを知っておかないといけません。

2021年に施行されたデジタルプラットフォームにおける取引の透明性と公正性の向上を図る「特定デジタルプラットフォームの透明性及び公正性の向上に関する法律」(取引透明化法)では、ECモールとアプリストアを指定。

今後、透明化法の対象にデジタル広告市場が追加される見通しです。

消費者庁の「アフィリエイト広告等に関する検討会」では今年度中、報告書を通じてアフィリエイト広告の運用などに関する考え方を公開する方針。商品・サービスの「供給主体性」の解釈を明確化し、一体的な事業活動が認められる関連事業者も規制される方向とみられています。

関連して、公益社団法人日本通信販売協会(JADMA)は、アフィリエイト広告の運用などに関するガイドラインを策定するとしています。

今年6月に施行される改正特定商取引法では、悪質な定期購入事業者を規制するために、ECサイトでの申し込み最終段階で「販売価格」「期間」などの表示を義務づけています。
ネットショップ担当者フォーラム通信 2022年1月14号より

ネッ担メルマガの瀧川編集長のコメントです。読んだだけでいろいろ厳しくなる感じが伝わってきますよね。自社で出稿している広告は何とかコントロールしたとしても、モール側のルールが変わってしまうとそれに対応しないといけません。もちろんデジタルプラットフォームはモールだけではなくてGoogleやFacebookなども入ってきますので、そこも影響を受ける可能性があります。

とにかく、売上に関係ない部分の手間は増える一方なのです。

結果的に、広告主にとってはブランド毀損が少なく、確実に人間に接触でき、成果も確認しやすい配信先になりうるので、規制やフラウドの問題が深刻化すればするほど、コマースに関連する広告費がリテールメディアに寄ってくる可能性が高まります。そして、リテールメディアはユーザーを確実に認識でき、購買データを手に入れることができるので、Publisher Trading Desk として広告配信の有力なエージェンシーになることができるのです。(これは前述の Walmart が既に成功させているモデルです)
https://rewired.cloud/retail-media-the-highest-growth-ad-segment/

ここを読むとリテールメディアはものすごくメリットがありますよね。というか、メリットしかありません。リテールメディア自体が巨大化しすぎると同じことの繰り返しになるかもしれませんが、今のところはそこまで考えなくてもいいでしょう。

リテールメディアの「メディア」についても新しい考え方が出てきています。「コンテキスト型コマース」という考え方です。

海外の先進事例に学ぶ新しいECのカタチ 顧客が期待するCXとは | ECzine
https://eczine.jp/article/detail/10764

「コンテキスト型コマース」とは、ECに、SNSやゲーミフィケーション、音声、仮想現実、ライブコマースなどの“デジタルエクスペリエンス”を加えることだ。

(中略)

10年前のECは、とにかく便利に購入することが目的だった。しかし、近年ではECはスマホを通じてデジタル上のさまざまなコンテンツやサービスとつながり、さらに近年では家電や車などリアルなものとも連携をはじめている。いわばECは、「買い物をする場」から、「体験をする場」に変わりつつあるといえるだろう。それがまさに「コンテキスト型コマース」というわけだ。

ここだけを見るとSNSや音声で買わせるだけでしょ?と見えますが、消費者が体験するであろういろいろな場で買い物が発生するようになるということかと思います。その「いろいろな場」がメディアになるとすれば、Amazonなどが独自の音声配信サービスやライブコマースサービスを始めて、そこに広告が出るようになることなどが考えられますよね。

反対にSNSや音声配信側もコマースに入り込んでくるようになるはずですし、そうなってきています。まとめると、

  • デジタルプラットフォーマーたちが巨大になりすぎてプライバシーの問題が大きくなってきた
  • ネット広告での競争が激しくなって悪質な広告も増えてきた
  • 消費者は買い物をする場がECや店舗だけではなくなりつつある
  • 小売り側はこれらに対応するコストが増える一方だが売上が伸びるわけでもない
  • リテールメディアは上記の問題をすべて解決してくれるように見える

ということになると思います。個別の問題だけで見ると見えないことも、こうしてちょっと俯瞰してみると答えが見えてくるものもありますので、忙しく手を動かす前に考えてみてはいかがでしょうか? 一時的に売上が落ちたり横ばいになっても、その先は早いかもしれません。

EC全般

【2022年のEC業界予測】eコマースの成長鈍化、新しいビジネスモデルの構築、インフレ、Amazonへの圧力など | ネットショップ担当者フォーラム
https://netshop.impress.co.jp/node/9410

こちらは現実的に起こりうる問題。こうなった時に困らない準備を。

事業者の所在地と連絡先を、非公開にできるようになりました | BASE U
https://baseu.jp/24108

個人で売る人にとってはメリットがあるものの、悪質業者にもメリットがあるような……。

リフォームの注文を楽天市場で対応!10年前から実践している高山ガラス店の取り組みとは | コマースピック
https://www.commercepick.com/archives/13100

やったらうまくいきそうで面倒なことを実践している例です。

ECサイトの品切れページはランキングに悪い影響を与えるのか? | 海外SEO情報ブログ
https://www.suzukikenichi.com/blog/does-out-of-stock-hurt-rankings/

SEO面ではわからんでもないですが、それ以外のことを考えると後回しにしてもよさそうです。

テレビの役割に変化!?「コネクテッドTV」の利用実態に迫る | ウェブ電通報
https://dentsu-ho.com/articles/8033

これも「メディア」になってくるのは間違いないです。

食べログ、裁判でアルゴリズム「異例」の開示 評価透明化なるか | 毎日新聞
https://mainichi.jp/articles/20220112/k00/00m/040/153000c

プラットフォーム側はこういったことが増えてきますよね。

デジタルコンテンツ通じた悪質商法 若者からの相談増加 千葉 | NHK 首都圏のニュース
https://www3.nhk.or.jp/shutoken-news/20220112/1000074940.html

まったく違う商品が届くトラブル、“代引きへの変更依頼”に注意を | トレンドマイクロ is702
https://is702.jp/news/3924/

そして、いっこうに減らない悪質商法。規制強化につながります。

今週の名言

東大受験に合格するような優秀な受験生が、試験のときにやること。

それは、「一番難しい問題から目を通すこと」だそうです。

目を通した後は、一番難しい問題は脇に置いておいて、まず簡単な問題を解き始めると。

【コラム】仕事の依頼を受けたら、これだけはやっておきたい3つのこと | BIZPERA
https://www.biz-knowledge.com/211103-2/

今回はいろんな問題を取り上げました。いちばん難しい問題はどれでしょうか? まずはここに向き合いましょう。

筆者出版情報

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CVR向上、商品開発、接客力アップにつながるレビューの重要性&活用事例を徹底解説

4 years 1ヶ月 ago
CVRアップや商品開発につながるレビューの活用方法について、成功事例を交えてecbeingの高橋直樹氏が解説
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ECサイトでレビューを有効活用し、ファン作りや購買につなげたいと考えているが、「レビューが集まらない」「うまく活用できない」といった悩みを抱えている企業は多いだろう。こうした課題に対し、レビュー最適化ツール「ReviCo(レビコ)」を提供するecbeingの高橋直樹氏(ReviCo Lab 上席執行役員 開発第1本部長 兼 ReviCo LAB PO)が、「デジタルの潮流とユーザーの声の重要性」「導入事例から見るレビューの活用」「レビューの更なる活用と今後」について解説した。

ユーザーの意見や体験者の見解を活用することが商品購入につながる

2020年のEC市場はコロナ禍で伸張し、特に物販系ECは前年比21%増で伸長した。ネットショッピングの利用世帯の割合も増加。アフターコロナ以降はリアル回帰が発生するものの、デジタルとリアルを消費者が上手に使い分けていく時代になるだろう。

ecbeing ReviCo レビコ レビュー EC市場の伸長率、EC化率について
EC市場の伸長率、EC化率について

こうした変化を踏まえ、高橋氏はGoogleが提唱する消費者の情報検索行動「バタフライ・サーキット」に触れた。消費者が商品購買の意思決定をする際の情報探索行動には「さぐる」「かためる」の2種類があり、それぞれ検索動機がある。両者間をネットでぐるぐる検索するため「バタフライ・サーキット」と名付けられたという。

ecbeing ReviCo レビコ レビュー Googleが提唱する新しい情報探索バタフライ・サーキット
Googleが提唱する新しい情報探索「バタフライ・サーキット」

購買決定に必要な期待と信頼を勝ち取るための情報についてまとめると、「学びたい」「知りたい」という消費者には、商品やブランドの公式サイトやSNSのアカウントなどからの情報発信が役立つ。さらに詳細に知りたい人には専門家の声や意見だ。ここで注目すべきは、ユーザーの意見や体験者の見解で、これが重要になる。(高橋氏)

ecbeing ReviCo レビコ レビュー 期待と信頼を勝ち取る情報整理について
期待と信頼を勝ち取る情報整理について

 

「機能的価値」「情緒的価値」の提供に役立つレビュー

高橋氏は企業のデジタル化に必要なこととして、機能的価値と情緒的価値をあげた。機能的価値は、情報整理や情報収集のノウハウの集約、顧客体験の向上やデータの活用だ。情緒的価値は、消費者に刺さる商品や提案、世界観の伝達で「シズル感」と表現されることもある。

この機能的価値と情緒的価値をECサイトで提供するにはどうすればいいのか。高橋氏が提案するのがレビュー活用だ。

ecbeingが開発した「ReviCo」は、レビューを集めるための施策・機能が自動で追加されるクラウド型のサービスで、レビュー投稿率増加、CVR向上、商品開発の質や接客の改善などを支援。レビューを通じて機能的価値と情緒的価値の提供を実現する。

「ReviCo」導入によるレビューを通じてCVRアップやロイヤリティ向上などを実現した成功事例としてあげたのが、実店舗とECでさまざまな雑貨を扱っているECサイト「AWESOME STORE」。

2021年3月にリニューアルし、「ReviCo」とビジュアルマーケティングツール「visumo(ビジュモ)」を導入。ファンからの写真、情報とスタッフからの情報を1つのサイトにまとめた、共創で作るサイトに作り替えた。

レビューはリニューアルオープンから8か月で3000件以上になり、90%はポジティブなレビューだ。ネガティブなレビューはコメントを返すことで接客につなげるとともに、改善に生かしている

ecbeing ReviCo レビコ レビュー AWESOME STOREはスタッフとファンが共創で作るサイトに
「AWESOME STORE」のサイトはファンとスタッフが共創で作るサイトにリニューアル

高橋氏は、自社ECサイトでのレビューが大切な理由として、①コンバージョンへの貢献②ユーザーの声を拾うことによるロイヤリティの向上③CSの活性化④SEO施策⑤商品開発・接客改善――の5つをあげる。

消費者は商品を実際に見られないECでの買い物時、不安解消のためにレビューを見る傾向がある。自社ECサイトにレビューが蓄積していければ、CVRが上がり、また、ユーザーの声をしっかり拾って対応することで、ロイヤリティ向上につなげることが可能になる。

「AWESOME STORE」に寄せられたレビューの90%はポジティブな内容のため、CS担当者、EC担当者のモチベーションが高まっている。現場は、ネガティブなレビューに対しては、反省点を考えてPDCAを回しているという。

レビューはSEO施策にも有効だ。また、集まったユーザーの声は商品開発、接客改善など事業的に活用できる。「ReviCo」導入後のCVR実績は平均1.94倍、最大で3.4倍のケースもある。

自社サイトでレビューを紹介することで、口コミで悪い噂が広がるレビュテーション・リスク、いわゆる風評被害も低減できる。(高橋氏)

ecbeing ReviCo Lab 上席執行役員 開発第1本部長 兼 ReviCo LAB PO 高橋 直樹氏
ecbeing ReviCo Lab 上席執行役員 開発第1本部長 兼 ReviCo LAB PO 高橋 直樹氏

レビューの活用で顧客満足度をアップ

クレーム対応と再購入率との間に相関関係があることを提唱した「グッドマンの法則」がある。その第一法則に、不満を持った顧客のうち苦情を申し立てた顧客は、申し立てなかった顧客に比べて再購入率が圧倒的に高いとされている。

ecbeing ReviCo レビコ レビュー グッドマンの法則について
「グッドマンの法則」について

「グッドマンの法則」に則った有名な実例として、北米トヨタがリーマンショックの時に採った対応がある。さまざまな部門のコストカットを図った際、CS部門はコストカットをしなかった。コストカットしてしまうと、ユーザーの不満が溜まり二度と戻ってこない。今堪え忍んでしっかりと対応すれば、また必ず購入してくれるという理由からだ。(高橋氏)

「グッドマンの法則」の第二法則は口コミについて触れている。消費者の生の声という意味で口コミの影響度を記したものだが、そのレビューを通じて顧客満足度向上につなげた中古のブランド品を扱うECサイト「ALLU」の例を解説しよう。

「ALLU」が扱うのは1点もののリユース商品。そのため、レビューでは高評価でも他の人は同じ商品を購入できない。だが、「ALLU」はユーザーの声をVOC(Voice Of Customer)として集めて、反省や改善に生かしている

また、新規ユーザーの「高価なものを買うのに中古で大丈夫か」という不安をレビューで払拭すると同時に、レビューに対して店舗から回答をすることで丁寧な対応を演出。さらに「気になるレビューを表示」という欄を設置し、キーワードをタップするとそのキーワードの声が見られるように工夫している。売り上げは2年間で4倍になった。

高橋氏は自社ECサイトを伸ばすための1つとして「メディアコマースにおけるレビュー」について次のように説明する。

さまざまな情報を発信していくには、サイトにいろいろな情報を集めてつなげていくことが大切だ。ユーザーレビューへの返信が接客になり、CVRアップにつながる。そして、スタッフのコメントを専門家のレビューとして掲載したり、オススメ商品と一緒に購入すると良い商品をレビューと合わせて提案したりする。さらに、サイトと店舗をつなげることで、ユーザーの声を商品開発や接客改善、サイト改善に生かしながらCSの活性化も図れる。(高橋氏)

ecbeing ReviCo レビコ レビュー メディアコマースにおけるレビューが果たす役割
メディアコマースにおけるレビューが果たす役割

導入企業は2年間で90社以上100サイト。事例から学ぶレビュー活用法と機能

「ReviCo」は、2年間で90社以上100サイトが導入している。

生地、毛糸、手芸用品、下着などを販売する「okadaya」では、商品詳細を閲覧したユーザーの内、レビューを見たユーザーのCVRが全体で300%、新規顧客では360%アップした。新規顧客の数字が高いのは、レビューが商品購入時の不安解決に一役買っているためだ。

バルーンショップ「アップビートバルーン」では、ユーザーにレビューと合わせて画像を投稿してもらっている。レビューがある商品は、ない商品と比べて商品詳細ページの閲覧時間が7.5秒、レビューが5件以上付いている場合は10秒長くなったという。

ecbeing ReviCo レビコ レビュー バルーンショップアップビートバルーンの事例
バルーンショップ「アップビートバルーン」ではレビューのある商品の方が商品ページの閲覧時間が長くなった

レビューの投稿数を増やすインセンティブ

レビューでは投稿数も重要だ。「ReviCo」では、投稿依頼と合わせて常時インセンティブとしてプレゼント企画を実施している。

ecbeing ReviCo レビコ レビュー レビュー依頼とあわせてプレゼント企画を実施
レビュー依頼とあわせてプレゼント企画を実施。インセンティブはecbeingが負担する

商品詳細や購入履歴にレビュー投稿の導線を用意しても、購入者が一度買った商品の商品詳細ページに行くことはほとんどなく、レビューの90%以上はメール経由だ。メールでの投稿オファーと合わせてプレゼントを用意すれば、投稿率が伸びる。プレゼント付きのオファーの開封率が50%、投稿率は8%くらいまで上がり、60%近いユーザーはプレゼント応募まで行っている。(高橋氏)

ワーキングウエアの「ワークマン」は、「ReviCo」導入で投稿数を10倍以上に増やした。その結果、今ではほとんどの商品にレビューが付き、隠れた人気商品が判明したりユーザーの声を商品開発に生かしたりといった成果も得た

ecbeing ReviCo レビコ レビュー ワークマンの事例
「ワークマン」の事例

アパレルでは、色合いが実物と多少異なることや、サイズ感や質感がわからないため、レビューが参考になる。「ジェラートピケ」は、ECサイトでは黒に見えるトートバッグが実際はチャコールグレーであることがレビューを通して伝わるようにしたのだ。

ecbeing ReviCo レビコ レビュー レビューを通じて色合いを伝える
レビューを通じて、ECサイト上で細かなニュアンスが伝えにくい色合いを伝えている

「PETIT BATEAU(プチバトー)」では、フィット感、肌触り、伸縮性などをチャート式で表示。コメントでは、そのサイズを購入した人のフィット感、身長、体重などを記したレビューを掲載している。

ecbeing ReviCo レビコ レビュー プチバトーではフィット感や肌さわりをチャート式で表示
「PETIT BATEAU」では、フィット感や肌さわりなどをチャート式で表示

化粧品関連では、購入者に肌質や肌の悩みなどを聞き、同じ悩みを持つ人のレビューを検索で絞り込めるようにした企業もある。

ecbeing ReviCo レビコ レビュー 悩み事にレビューを検索できる事例
悩みごとにレビューを検索できる事例

レビューが集まってきたら、各レビューにタグ付けをする。扱う商品によって内容は変わるが、サイズ、用途、テイストなどでタグ付けしてキーワードとして表示し、ユーザーが気になるキーワードでレビューを見られるようにすると、CVRも高まる。「ReviCo」では、キーワードを自動抽出し、自動でタグを生成する機能も備えている。(高橋氏)

ecbeing ReviCo レビコ レビュー 自動タグ生成機能
「ReviCo」の機能の1つである自動タグ生成

その他、テイストをチャートで表現しているワイン販売店やランキングと合わせてレビューを表示している食品販売会社など、各社さまざまな工夫をしている。

サイト評価を高めるSEO施策

Googleなどで検索した際に、できるだけ多くの人に自社ECサイトに訪問してもらうにはSEO施策が必要だ。Googleは公式ブログで、「レビューの評価はSEOに影響する」と明言しているが、それに加えクリック率が上がれば、順位も上がっていく。

「ReviCo」では商品ごとにレビューページを用意し、FTPで自動的にアップしたり、SEO施策を行ったページを自動で生成したりするような機能なども用意している。ネガティブなレビューが集まることを気にする声もあるが、「ReviCo」の結果では星4以上が92%、星2以下は3%程度だ。(高橋氏)

ecbeing ReviCo レビコ レビュー 導入企業におけるレビュー評価の平均
「ReviCo」導入企業におけるレビュー評価の平均

顧客ロイヤリティを指標化してファンを拡大するNPS

今、NPS(ネットプロモータースコア)が注目されている。これは顧客ロイヤリティの指標で、企業やブランドに対してどのくらい愛着や信頼があるか可視化したもの。

ユーザーに推奨度合いを0~10の11段階で評価してもらう手法で、「ReviCo」でもレビューと合わせてNPSを取得する機能も用意している。

ecbeing ReviCo レビコ レビュー NPS収集機能
「ReviCo」ではNPSを収集する機能も実装している

消費者の"本音”が記載されたレビューには、ECサイトの評価アップ、商品購入の後押しなど大きな影響力がある。だが、投稿数が増えないと意味を成さない。「ReviCo」にはレビュー集めを支援する機能、顧客のロイヤリティ向上をサポートする機能などを搭載している。

「ReviCo」はタグをECサイトに埋め込むだけで利用できる手軽さがあり、手間をかけることなく日々のECサイトで利用できるといった特徴もある。

こうした「ReviCo」を解説した高橋氏は、レビューについて次のようにまとめ、EC企業へレビュー活用を推奨する。

  • レビューはCVRへの貢献度が高いが、収集や活用が難しく、施策や機能が重要
  • ユーザーの声を集めることで、商品開発、接客、物流の質を向上させ事業改善を加速させる効果がある
  • ユーザーに良い買い物をしてもらい、自社のファンになってもらうためにレビューを有効活用する
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小林 真由美

【2022年市場予測】通販・EC企業約600社に聞いた今年の通販市場。7割が「市場は拡大する」、現状の消費動向は5割が「横ばい」 | 通販新聞ダイジェスト

4 years 1ヶ月 ago
通販新聞社は通販企業約600社に2022年以降の通販市場の予測、景況感についてのアンケートを実施。73%が「拡大する」と回答しました

通販新聞社は12月、通販実施企業を対象に、2022年以降の通販市場の予想、景況感についてのアンケート調査を行った。その結果、「拡大する」と回答した企業の割合は73%にのぼった。コロナ禍を機に増えた通販利用者が定着し、今後も市場全体の規模拡大に寄与するとの見方のほか、通販に取り組む事業者が増えたことで市場にも好影響をもたらすのではとの回答が目立った。

一方、足元の消費動向では先行き不透明な状況などから「横ばい」とする回答が半数を占めた。各社から寄せられた声から、2022年の通販市場の行方を探る。

本紙は通販実施企業約600社を対象に12月に実施した通販通教売上高調査に合わせてアンケートを実施した。

まず、「2022年以降の通販市場について、どのように予想していますか」と質問し、「拡大する」「横ばい」「縮小する」の3つの選択肢の中から選んでもらった。その結果、有効回答数のうち、「拡大する」と回答した企業は73%を占めた。「横ばい」は24%で「縮小する」は3%だった。

通販新聞 2022年以降の通販市場についての予測
通販実施企業約600社の「2022年以降の通販市場についての予測」

コロナをきっかけに通販が定着、新規参入企業も増加

「拡大する」と回答した事業者の多くはコロナ禍で通販利用が定着したことや新規に通販に取り組む企業の増加などにより市場は今後も拡大していくとの見方だった。

「コロナによって通信販売の利便性・安全性が評価され、それは今後も一定は定着すると想定される」(ジュピターショップチャンネル)、「通販での購入に抵抗感がなくなってきており、品質、品ぞろえ、利便性などメリットが実感されてきていると感じられ引き続き拡大傾向は続くと考えられる」(タキイ種苗)、「EC会員が拡大、お客さまの実店舗に出向かず通販を利用する購買行動が定着化すると考えている」(JALUX)、「通販での購入が一般的になったことで、利用者の絶対数が増えたことにより市場全体は拡大を続けると思う」(レミントン)、「コロナ禍でお店に行かなくても、通販でお家でも商品が買える利便性がかなり周知された。生活様式も変化したように、個人のライフスタイルに合わせた購買行動が継続すると考えられる」(日本生活協同組合連合会)、「コロナ禍が沈静化したとしてもその利便性の高さから顧客離れが起きるとは考えにくいため拡大傾向は続くと予想している。欧米諸国のEC化率と比較しても日本市場の成長の余地はまだ十分にあると考える」(田中貴金属ジュエリー)、「コロナによる通販利用は広がっており、業界自体が伸びている。コロナ終息の目途はいまだたたないため、この傾向はまだ続くと考える」(GSTV)、「新型コロナウイルス感染症拡大の影響による新しい生活様式の常態化で巣ごもり需要の増加およびスマホ・SNS使用率の増加による通販利用が定着する状況下で市場は拡大していくと予想」(ハーバー研究所)などの回答が多かった。

また、「コロナ禍の拡大で通販の利用が定着し、利便性もあることから、今まで通販を行っていなかった新規の会社も増えさらに拡大する」(てまひま堂)、「コロナの状況が回復したとしてもECの利便性になれたユーザーの生活様式がすべて戻るとは考え難い。また、メーカー側もモールや自社サイトでのEC販売を強化している最中であるため、特にECは伸長すると考えている」(ゴルフダイジェスト・オンライン)、「新規参入者が依然多いから」(世田谷自然食品)などコロナ禍を機に通販に取り組む企業が増加したことが市場拡大に寄与するなどの見方もあった。

デジタルシフトやEC関連サービスの増加も後押しの要因に

さらに、「長引くコロナ禍における先行き不透明な状況ではあるがデジタルシフトは継続し、持続的な成長を維持する」(マガシーク)、「デジタルシフトはまだまだ進むと考えられるため」(バロックジャパンリミテッド)、「EC化率は毎年継続して伸長しているため、コロナ禍ほどの伸び率は落ち着いても継続して拡大していくと考えられる」(エクスプライス)、「新型コロナウイルス感染症拡大を機にEC化が加速したため」(アスクル)、「ネット通販の拡大」(マルハニチロ)などさらなるデジタルシフトやそれらに伴うEC化率の増加を挙げる意見もあった。

このほか、「短期では巣ごもり需要の縮小と通販利用客増加が起きる想定だが、中長期においては拡大する可能性が高い」(ベルーナ)、「ECの定着と参入企業の増加。決済・物流の寡占化によるスケールメリットの享受」(ベルネージュダイレクト)、「アフターコロナへシフトし、店舗利用者の回復はあるが相互利用が加速し通販シェアは高まる」(ダイドーフォワード)、「BASEやメルカリなど個人のショップ展開など、サービスが増えているため」(CROOZ SHOPLIST)、「新型コロナは一定の落ち着きを見せてはいるが、コロナ化によって増えた通販需要が続くことや動画サービスによるアニメ視聴が増加しホビー市場への関心が増進しているとみられるため。世界市場においてもコロナ禍でコンテナや配送サービスの制限など課題は残るが、円安であることも越境販売においては有利に働くとみられる」(大網)といった意見もあった。

コロナ収束で従来ほどの特需は見込めない

「横ばい」と予測した事業者の意見で目立ったのは、通販の利用増は継続するもののコロナの収束により、消費者の行動や買い物手段も多様化するなどで一昨年、昨年ほどの伸びは見込めないのではないかとの見方だ。

「外出時間が増え、店舗での購入が増加すると予測。通販についてはコロナ禍での特需がおさまり、通常に戻ると予測」(ヒラキ)、「コロナが落ち着けば、消費者の意識は一気に旅行や人との関わる欲求に向かい、通販消費に下降圧が掛かると見ている。一方でSNSや動画を介した通販体験は伸びてくると思われるが、下降圧を払拭するほどの規模感には満たないと思われる」(エー・ビー・シーメディアコム)、「ワクチン接種の普及によりコロナが収束に向かい、店頭での需要が回復傾向となり、巣ごもり需要による消費がやや減少する。これまで拡大傾向ながらも一時的には横ばいになる」(アイム)など。

このほか、「新型コロナウイルス感染予防のため、通販市場の需要はあるが消費力が増えるかは疑問がある。購買力低下の不安もある」(ちゅら花)、「企業の好不調の二極化が進み、結果としては横ばいとなる」(ユナイテッドアローズ)、「(コロナが収束した場合)冷え込んでいた実店舗での買い物への回帰が生じるものと思われ、一時的には通販市場は横ばい期を迎えるものと捉えている。ただし通販市場の縮小はなく、その利便性の高さから拡大基調は続くと捉えている」(ファンケル)などの意見もあった。

なお、「縮小する」と予測した事業者の回答では「2021年度のコロナ特需がいつまでも続くかわからないため」(ロッピングライフ)など回答があった。

現状の消費動向、先行き不透明で「横ばい」が最多

次に「現状の消費の動向をどう捉えていますか」と質問し、各社に「上向いている」「下がっている」「横ばい」の3択で回答してもらった。その結果、「横ばい」が50%と最も多く、「下がっている」は28%、「上向いている」が22%となった。

通販新聞 現状の消費動向をどう捉えているか
通販実施企業約600社の「現状の消費動向をどう捉えているか」

最も多かった「横ばい」の選択理由ではコロナの感染拡大はある程度、抑えられている状況にあるものの、変異株の感染拡大や経済低迷など先行きが不透明な現状を踏まえた回答が目立った

「外出意欲が高まっていることで、今まで抑えていた消費意欲が増幅すると考えられる一方で、コロナウイルスの収束は見通せず、中長期的には、消費が冷え込むことも予想されるため」(全日空商事)、「度重なる緊急事態宣言などによる経済活動の自粛と先行きの不透明さから景気低迷のリスクはあるものの、予防接種が広がり、今後はリベンジ消費の可能性も考慮すると横ばいに推移すると想定」(千趣会)、「現状の消費者の動向に関してはネットに関してもリアル関しても横ばい。現状、コロナが抑えられているが、オミクロン株が出てきたりと先が見えない状況に変わりはないから」(プラグイン)、「コロナ禍の巣ごもり需要やテレワーク需要が一通り落ち着き、通常に戻りつつある」(エクスプライス)、「積極的に買い物したい方と買い物を控えたいと考えるお客さまの二極化で結果として横ばいと予想」(ユナイテッドアローズ)、「国内ではワクチン接種が進み、その効果と景気の回復が期待されるものの、変異株の発生などにより依然として先行きは不透明な状況のため」(ハーバー研究所)、「緊急事態宣言下においては、行き場のないお金が資産性のある高価な物品などへの消費につながったが、解除後はレジャーなどの消費に戻ってきて、全体的な押し上げ感はあると考える。ただし、政府による経済回復施策も実効力がどれだけあるかが疑問であるのと、施策の内容が本当の経済回復につながるとは考えられない。経済回復が遅れることで徐々に下がり傾向が強まるのではないか」(GSTV)、「昨年度、大幅に下降してから、現時点では大きな変化は感じられない。今後のコロナの状況次第では反動消費なども発生すると予測される」(ジュピターショップチャンネル)、「セール在庫減によるセール不振ではあるが、プロパーは堅調のため、下がってはいない」(マガシーク)、「8月のお盆明け以降は、市況やメーカーさんからの情報をお聞きしても、販売が伸び悩んでいる傾向があるよう」(ランドマーク)などの意見があった。

巣ごもり需要や購買意欲の減退が下降の理由

次いで多かった「下がっている」はコロナによる消費者の消費意欲減退やコロナ禍の落ち着きによる通販需要の落ち込みなどの回答が大半を占めた。

「政府による消費喚起政策やコロナウイルスの段階的な鎮静化により、一時期と比べて消費動向は回復の兆しを見せているものの、コロナ前と比べては依然、低水準での消費が継続しており、先行き不安からの消費抑制・貯蓄増が予想されているため」(オイシックス・ラ・大地)、「世界的なコロナ不況に陥り、顧客の購買欲が減り、生活環境の変化などのさまざまな負の要因が重なり、消費については厳しい状況と考える」(アプロス)、「コロナ影響が薄まってきたとはいえ、以前のような行動・生活様式(外出、旅行、宴会など)にはまだ、当分は戻らない。行動様式が戻るまでは消費動向も戻らない」(日本生活協同組合連合会)、「通信販売については、コロナの落ち着きに伴い、外出の人流が増えたことにより、落ち込む傾向にあると捉えている」(JALUX)、「巣ごもり需要の減退」(ベルーナ)などの声があった。

「おうち時間」を楽しむライフスタイルの定着で上向き

「上向いている」を選んだ企業からは「短期的な上向きであると見ている。冬シーズンがしっかり気温が下がっており冬物商材の需要良好。コロナ禍のライフスタイルに適応した商材の需要もまだまだ高い。しかし、旅行や人と会う欲求が蓄積しすぎており、アフターコロナとなった場面で一気に爆発すると見ており、関連商品の需要は伸びたとしても、既存の需要は大幅に落ち込むと思われる」(エー・ビー・シーメディアコム)、「コロナ禍によるライフスタイルの変化が徐々に定着し始めている。eコマースには追い風」(白鳩)、「自宅で過ごす時間が増えたことにより、さまざまな形のエンターテインメントによって『楽しむ』時間を求める傾向がある。『鑑賞』『作る』『遊ぶ』などのキーワードを持つホビー商材(フィギュア・プラモデル・ゲーム)などはその需要を満たすものであって、ある程度自分のお金を自由に利用できる社会人世代にも人気の高い分野であることから、消費は上向きであると考えている」(大網)、「コロナの自粛生活が長く、消費したいという想いを持った人がだんだんと増えていると感じるから」(山田養蜂場)などの回答があった。

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「通販新聞」について

「通販新聞」は、通信販売・ネット通販業界に関連する宅配(オフィス配)をメインとしたニュース情報紙です。物品からサービス商品全般にわたる通販実施企業の最新動向をもとに、各社のマーチャンダイジング、媒体戦略、フルフィルメント動向など、成長を続ける通販・EC業界の情報をわかりやすく伝え、ビジネスのヒントを提供しています。

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通販新聞

インターファクトリーの中小規模事業者向けECサイト構築サービス「ebisumart zero」とは?

4 years 1ヶ月 ago
「ebisumart zero」は、中堅・大規模EC事業者向けのクラウドコマースプラットフォーム「ebisumart」の技術とノウハウを活用。「ebisumart zero」から「ebisumart」の移行を低コストで簡易的にできるようにしている

インターファクトリーが1月17日に提供を始めた中小規模EC事業者向けのECサイト構築サービス「ebisumart zero」。サービスのテーマは“事業成長”。中堅・大規模EC事業者向けのクラウドコマースプラットフォーム「ebisumart」の技術とノウハウを活用しており、「ebisumart zero」から「ebisumart」の移行を低コストで簡易的にできるようにしている。「事業拡大を見据えてこれからECを始める」「ローンチ段階はコストを抑えて将来的にはEC事業を拡大する」といった事業者をターゲットに、「ebisumart zero」を展開していく。

「ebisumart」へのスムーズなシステム移行で成長支援がテーマ

「ebisumart zero」は中小規模EC事業者向けだが、無料のショッピングカートASP、その上のレイヤーであるカートASPやECプラットフォームとターゲットを異にする。

新型コロナウィルス感染症拡大で多くの問い合わせがあったが、以前より「無料カートASPから乗り換えたいが、現在の事業規模と『ebisumart』が合わない」「最初はスモールスタートし、将来は拡大していきたい」といった意向で、「ebisumart」の導入を見送った企業は少なくない。(高橋亮人執行役員兼システムソリューション部長)

インターファクトリー 高橋亮人執行役員兼システムソリューション部長
インターファクトリー 高橋亮人執行役員兼システムソリューション部長

まだ規模感が合わない、将来成長させたいが最初はスモールスタートしたい――。EC事業へ投資していく企業に対して、事業成長を見据えたECサイト構築・運用の環境を整えられないか。こんな視点で着手したのが、新サービスの開発プロジェクトだった。

クラウドコマースプラットフォーム「ebisumart zero」のテーマは成長。通常、スモールスタートのECサイト構築・運営には、ショッピングカートASPを使用するケースが多い。事業規模が拡大すると、パッケージなど今まで使っていたASPより上のレイヤーにあたるECサイト構築サービスに移行することがほとんど。

「ebisumart zero」のターゲット
「ebisumart zero」のターゲット

そこで直面するのがシステムの乗り換えだ。商品・カテゴリやコンテンツ、顧客データといったデータ移行、デザインの引き継ぎなど、システムの乗り換えにはかなりのコストと労力を要する。

消費者から見ると、CX(カスタマーエクスペリエンス)が阻害される点もある。たとえばアカウントのリセット。顧客データの移行に伴いアカウントがリセットされるため、改めて会員登録をしなければならないといった手間が発生する。

「ebisumart zero」はこうした課題を解決する、スモールスタートしたい中小規模事業者向けECサイト構築サービスとして展開するため、「ebisumart」の基盤で開発。カスタマイズなど柔軟に、より規模を拡大して運営する際には「ebisumart」へスムーズにシステム移行できる環境を用意した

たとえば、「ebisumart zero」から「ebisumart」へシステム移行する場合、アカウントリセットは発生せず、消費者が改めて会員登録するといった手間も発生しないという。設計などの手間、データ移行の労力なども抑えることができるとしている。

機能について

「ebisumart zero」は「ebisumart」よりもカスタマイズ性が低く、一部機能を制限している

たとえばメルマガ会員は5万アカウント、商品点数は3万点、会員数は15万アカウントまでといった制限がある。

一部機能は制限があるものの、「ebisumart」の基盤で動いているので、機能やセキュリティ基準は時流に合ったもので、費用も安く利用することができる。(高橋氏)

初期費用は10万円、月額費用は保守費用として5万円。受注手数料として1受注あたり50円がかかる。

「ebisumart zero」と「ebisumart」の機能比較
「ebisumart zero」と「ebisumart」の機能比較

「ebisumart zero」は「ebisumart」と同じプラットフォーム上で動いているので、安価に移行することが可能。機能に制限があるが、事業が成長すれば「ebisumart」へ乗り換え、カスタマイズを利用してやりたいことを実現してもらいたい。(高橋氏)

カートや商品ページなどをHTMLで自由にデザインすることが可能。1月17日時点では5つのデザインテンプレートを用意した。初期費用の10万円には、デザインの調整費用が入っているという。

「ebisumart zero」の機能補完はアプリマーケットで

「ebisumart zero」はノンカスタマイズプラットフォームのため、拡張性に課題がある。それを解決する手段として、アプリマーケットを採用する方針。

パートナー企業が、「ebisumart zero」利用企業に求められるアプリを開発し、販売できるようにする

多くのパートナー企業が参画できるようにし、「ebisumart zero」の拡張性を補完していく。

「ebisumart zero」のトップページ
「ebisumart zero」のトップページ
瀧川 正実

アマゾンが「Amazonロッカー」を羽田空港に設置、入国者向け商品受け取りを実現

4 years 1ヶ月 ago

アマゾンジャパンは1月13日、羽田空港第3ターミナルに宅配ロッカー「Amazon Hub ロッカー」を3台設置した。海外から入国し、宿泊施設で隔離を要請されるユーザーが、入国時に「Amazon.co.jp」で注文した商品を受け取ることができるようにした。

現在、海外から日本に入国する際、日本政府が定める規定による予防措置として、日本国が指定する国・地域からの入国者に対し、宿泊施設で待機するなどの隔離措置が講じられている。

羽田空港へのロッカー設置は、検疫所が確保する施設で待機する予定の日本入国者へ、施設に向かう前に「Amazon」で注文した商品を非接触で届けることを目的としている。

アマゾンジャパンは羽田空港第3ターミナルに宅配ロッカー「Amazon Hub ロッカー」を設置
羽田空港第3ターミナルに設置した「Amazon Hub ロッカー」

羽田空港第3ターミナルに設置した「Amazon Hub ロッカー」で商品受け取りを希望するAmazonユーザーは、「Amazon.co.jp」で商品を注文し、受取先を空港内のロッカーに設定できる。

今回の取り組みは、日本空港ビルデングと東京国際空港ターミナルとパートナーシップで実現した。

「Amazon Hub ロッカー」は、コンビニエンスストアや駅、スーパーなど、顧客が日常的に利用する場所で商品が受け取れる宅配ロッカー。Amazonが商品を発送、ロッカーへの配達が完了すると、顧客に受け取り準備完了の通知メールを送信する。メールに記載されている受け取りバーコードをロッカーのスキャナーでスキャン、もしくは6桁の認証キーを入力するとロッカーが開き、商品を受け取れる仕組み。

アマゾンジャパンは2019年、コンビニエンスストアや駅の宅配ロッカーなどで商品が受け取れる宅配ロッカー「Amazon Hub」を日本に導入。セルフサービスの宅配ロッカー「Amazon Hub ロッカー」、店舗スタッフの受け渡しによる「Amazon Hub カウンター」を展開している。「Amazon Hub ロッカー」は日本全国で数千か所に設置しているという。

瀧川 正実
瀧川 正実

今さら聞けないソーシャルコマースの基礎。Instagram起点のEC施策を詳しく解説 | デジタルコマース注目TOPIX presented by 電通デジタル

4 years 1ヶ月 ago
2020年に追加されたInstagramのショップ機能をはじめ、ますます利便性が高まっているソーシャルコマース。「結果的に買い物に対する満足度が高くなる」理由とは?(連載7回)

ソーシャルコマースとは、ソーシャルメディア(SNS)とEコマースを掛け合わせて商品やサービスを販売する仕組みのことを言います。従来、EC事業者側にとってのSNSは、投稿を通して商品やサービスとファンが結び付く場であり、認知や興味関心を獲得するための場として主に「購入以外」のフェーズのマーケティングプラットフォームとして広く活用されていました。

しかしここ数年、Instagramに商品タグやショップ機能が追加され、EC事業者によるライブ配信などの活用も広まったことで、商品の購入フェーズにも重要な役割を担うようになりました。つまり、これまではEC事業者にとって情報発信や収集の手段、ファンとの交流の場だったSNSが、実際にオンラインショッピングができるプラットフォームに変化したのがソーシャルコマースです。ここではこれからのECに欠かせないソーシャルコマースについて詳しく解説します。

ソーシャルコマースとは

広義での「ソーシャルコマース」には、

  • グループ購入型(指定されたユーザー数で共同購入をすることで、クーポンなどの割引を受けることのできる仕組み)
  • ユーザーキュレーション型(買い手であるユーザーが作成したショッピングリストを共有し、その中から購入する商品を選択する方法)
  • ユーザー参加型(クラウドファンディングでの商品への投資や企画など、ユーザーが買い手としてだけでなく、売り手側が担う部分にも参加する仕組み)
  • SNS型(SNS上で紹介された商品を購入できる仕組み)

など、さまざまな形態があります。本記事では今後特に重要となってくるSNS型、中でも主流のInstagram上のソーシャルコマースの話を中心にお伝えします。

Instagramでのショッピングの仕組み

Instagramのショップ機能の中核を担うのが「商品タグ」です。自社のECサイトとInstagramアカウントを連携させ、商品データベース(商品カタログ)をアップロードすると、写真や動画などの投稿に商品タグを付けられるようになります。消費者は興味のあるタグをタップすればInstagram内で商品詳細を閲覧したり、企業のECサイトの商品ページに移動して購入したりできます。

Instagramにおけるショッピングのしくみ
Instagramにおけるショッピングのしくみ ※編集部でキャプチャ

商品タグがなかった時は、画像を見て「これが欲しい!」と思っても、企業のプロフィールからECサイトのトップページに移動することしかできず、さらに、「カテゴリから探す」→「該当商品を探す」というような複数のステップが発生しました。また、服のように似たようなデザインが多い商品や化粧品のように色の判別が難しい商品の場合、商品を2つ、3つまで絞り込んでも「あの写真の商品は結局どっちだろう?」と疑問に思い、離脱するケースが多かったのです。

こんなユーザー行動が、商品タグの登場によって大きく変わったのです

2020年6月にはInstagramやFacebookなどのプラットフォーム上に無料でオンラインショップを開設できる「ショップ機能」が登場しました。企業は自社アカウントのプロフィールに「ショップを見る」というボタンを設置できるようになり、ショップに商品の一覧を表示させたり、複数商品をまとめてコレクションとして見せたりといった世界観を重視した表現が可能になりました。

現時点では、企業アカウントもしくは自分のブランドを持っているクリエイターのみ、タグ付けやショップ機能の利用が可能ですが、米国ではクリエイターが他社ブランドの商品をタグ付けできる機能のテストも進んでいます。

また、同じく米国では購入時の決済までInstagram上決済まで完結させるチェックアウト機能のテストも実施しており、将来的には投稿を見て「欲しい!」と思った熱量の高い状態のまま、スムーズにアプリ内で購入まで完了できるようになり、かご落ちが減り、売り上げもアップすると期待されています。

Instagramでチェックアウト
Meta for Businessより編集部でキャプチャ

ライブコマースの魅力はオフライン店舗に近いCXを提供できること

ライブコマースとは、SNS内のライブ配信機能を通じて商品を紹介し、販売する手法のことです。中国では、このライブコマース市場規模が2021年には2兆元(32兆円)規模に急拡大するとされており、日本でもコロナ渦以降急成長している販売手法で、アパレルブランドなどがInstagramの「インスタライブ」を活用する動きが広がっています。

ライブ配信のメリットは、ECサイト上では伝えきれない内容を話し言葉や動画で伝えられること、注力したい商品について、時間をかけて魅力や特徴をしっかり伝えられること、商品を着用して動いている様子を見せたり、消費者からの質問に対し、即座に回答できたりすることなど、オフライン店舗に近い購入体験を提供できることです。

また、その場で購入につながらなくとも、商品やブランドの認知拡大、丁寧なコミュニケーションによるブランドロイヤリティの向上、後日の店舗ヘの来訪なども期待できます。

日本で中国ほどライブコマースが流行らない理由

現時点では、日本では「ライブコマース」といっても「コマース」の要素がまだまだ小さい状況です。ただ今後、①ライブ配信中の商品への導線が整備されること、②ライブ配信自体にコミュニケーションの楽しさや価値を創出することで、ユーザーの購入率向上が見込めます。

①については現状、ライブ配信中にECサイトへの導線を作るのは難しい状況です。配信終了後、ライブ配信のアーカイブ(録画)や紹介した商品をフィードに投稿する際に商品タグを付けるのが一般的ですが、米国でInstagramやFacebookのライブショッピング機能がテスト中なため、将来的にはライブ中にも商品タグを使用できるようになり、配信中に商品が画面上に表示され、リアルタイムに購入できるようになると見込まれます。

②については、値引き以外の価値を生み出すことが重要です。「今ここで買おう!」という気持ちになる一番の理由はやはり、他で買うより安いことですが、日本の企業は大幅な値引きはしない傾向があり、視聴者としては「だったら後で買おう」「店舗で実物を見てからにしよう」という心理になり、その場での購入にはつながりにくいのが現状です。

値引きが難しい場合はコンテンツの内容を工夫し、ライブコマース特有のインタラクティブなコミュニケーションを最大限活用して、ライブ自体の価値を高めていくことが重要です。

中国でこれほどまでにライブコマースが支持されている背景には、中国では50%オフ、70%オフというような大幅な値引きを実施していることと、市場の特性として偽物が出回りやすいため、ブランド公式の発信=偽物ではないという安心感が明確な「その場で買わなければならない理由」になるためです。

日本では視聴者とのインタラクティブなコミュニケーションができるツールとして、認知や興味関心フェーズでのブランド・商品の認知向上、理解促進のための施策として実施していくのが良いのではないかと考えます。

ソーシャルコマースと既存のプラットフォームとの違い

ソーシャルコマースと通常のECとの違い

ここからはソーシャルコマースと既存の販売手法の違いについて説明します。ソーシャルコマースと通常のECとの違いとしては、 発見から購入までの導線がスムーズであることと、購買行動において消費者にプラスの印象を与えられることの2つがあげられます。

通常のECでは広告などで需要を喚起させて購入までつなげるのに対し、ソーシャルコマースでは「消費者が日常的に使っているSNS上で企業や友人、インフルエンサーなどの投稿を見て興味喚起」→「ブランドのアカウントへ移動」→「商品ページへ移動」というように、「欲しい」と思う気持ちがSNS上で生み出され、その熱量が高いまま購買行動に移ってもらえます。

自発的な要因で需要が発生するため、消費者の心理としては「広告に影響されて買ってしまった」という受動的な買い物ではなく、「○○ちゃんの投稿/ライブを見て欲しくなって買った」というような能動的な買い物となります。つまり「広告などを見て買ってしまった」というような気持ちにならずに買い物をすることができ、結果的に買い物に対する満足度が高くなると考えられます。

1970年代〜1980年代の「モノ消費」から、1990年~2000年代初頭の「コト消費」、そして2010年以降は「イミ消費」というように消費者の購買行動は変化しています。これまでは「広告を配信する」→「気になる」→「調べる」→「買う」というような受動的な買い物が主流でしたが、ソーシャルコマースではSNSの自社アカウントやインフルエンサー、一般消費者の投稿を最大限活用してブランドの世界観を存分に伝え、消費者にブランドや商品を十分に理解、共感してもらい、受動的にではなく自発的に購入してもらうというような、時代に即した購入体験を提供できると言えます。

ライブコマースとテレビ通販との違い

ライブコマースと近しい既存の販売手法としてテレビ通販がありますが、テレビ通販のメインターゲットが50代以上の年配層であるのに対し、ライブコマースは10代、20代の若年層がメインターゲットです。テレビからスマホに配信端末が変わったことは、単に場所がモバイルデバイス/プラットフォームに移ったのではなく、生活様式や世代傾向の変化と合わさった「変革」と捉えています。この「変革」によって若年層への効率の良いリーチが可能になりました

また、テレビ通販は事前に収録した番組を規定の時間に放送しますが、ライブコマースは双方向のコミュニケーションが可能です。寄せられたコメントをリアルタイムに拾いあげて答えることもできるため、視聴者にとって満足度が高いものとなります。さらに、注文したいとなったとき、テレビ通販はWebで検索したり電話をかけたりと別の端末からの申し込みが必要なのに対し、ライブコマースで見ている端末から注文できます。認知から購入までが1つの端末で完結するのは大きな魅力です。

ソーシャルコマースが向いているケースとは

ここまで、ソーシャルコマースの特徴や既存の販売手法との違いなどについて詳しくお話してきました。「実際、どういう時に向いているの?」と気になる方もいらっしゃるかと思います。これまでの説明をまとめると、ソーシャルコマースは「発見から購入まで一気通貫で対応でき、購入までの導線がスムーズで若年層との親和性が高く、ライブコマースでは双方向のコミュニケーションが可能」という特徴がありますので、

  • 新しいチャネルを広げたい
  • 若年層を取り込みたい
  • これまでのEC施策に限界を感じる

こんな時に有効だと考えられます。上記にあてはまる事業者の方は、ソーシャルコマースの導入を検討してみてはいかがでしょうか?

◇◇◇
参考リンク
志村 美咲
志村 美咲

Googleビジネスプロフィールで「ネガティブな口コミも尊重すべき」との見解。高評価しかない口コミは信頼されない? | 店舗ビジネスに役立つ『口コミラボ』特選コラム

4 years 1ヶ月 ago
Googleは、Googleビジネスプロフィールのヘルプページに新たな項目を追加。ポジティブな口コミだけでなく、ネガティブな口コミも尊重するようにとの見解を示しています

口コミや点数評価は高ければ高いほどいいと思われがちですが、実はそうではありません。

客観的で公正な批判はユーザーのためになります。また、不自然なほど高評価だと逆に信頼されづらいことから、ネガティブな口コミにも価値があるといえます。

これについてGoogleは、Googleビジネスプロフィールのヘルプページに「Value all reviews(全てのレビューを尊重する)」という項目を追加しました。

ポジティブ・ネガティブな口コミが両方あった方が信頼できる

Googleが公開している英語版のGoogleビジネスプロフィールヘルプが更新されました。「Value all reviews(全てのレビューを尊重する)」という項目が追加され、そこには

Value all reviews: Reviews are useful for potential customers when they’re honest and objective. Customers find a mix of positive and negative reviews more trustworthy. You can always respond to a review to show the customers that you care and provide additional context. If the review doesn't follow our posting guidelines, you can request its removal.

と書かれています。和約すれば、以下のようになります。

全てのレビューを尊重する:レビューは正直で客観的であると、潜在顧客にとって有用です。顧客は、ポジティブなレビューとネガティブなレビューが混ざっている状態をより信頼できると判断します。顧客に寄り添い、そして有益な追加情報を示すために、レビューにいつでも返信できます。もしレビューが我々のガイドラインに違反する場合、削除をリクエストできます。

このようにGoogleは、ポジティブな口コミだけでなく、ネガティブな口コミも尊重するようにとの見解を示しています。またその理由として、ポジティブなレビューとネガティブなレビューが混ざっている状態をより信頼できると判断されるためだとしています。

例えば、ポジティブな口コミばかりだと、店舗の関係者が投稿しているのではないか、業者を雇ってサクラに投稿させているのではないかという疑いをもたれてしまうかもしれません。公正な評価であればネガティブな口コミでもプラスにはたらくということです。

ネガティブな口コミへの対処法

ネガティブな口コミが寄せられたら、口コミの内容を確認し、返信する内容を検討します。

辛辣な意見に言い返したくなることもあるかもしれませんが、返信は口コミを書いた相手だけではなく、他の何人ものユーザーに見られています。感情的な内容で返信するのは危険です。

ネガティブな口コミに対しても丁寧な返信をすることで、顧客に良いイメージを与え、悪い印象を挽回するきっかけにもなります。

削除できる口コミ

Googleが言うように、ガイドラインに違反する場合は、削除をリクエストすることができます。ガイドライン違反と認定されるのは以下のコンテンツです。

  1. スパムと虚偽のコンテンツ
  2. 関連性のないコンテンツ
  3. 制限されているコンテンツ
  4. 違法なコンテンツ
  5. 露骨に性的なコンテンツ
  6. 不適切なコンテンツ
この記事を書いた「口コミラボ」さんについて

「口コミラボ」は、様々な地図アプリ・口コミサイトの監視、運用、分析を一括管理できる店舗向けDXソリューション「口コミコム」が運営する店舗ビジネス向け総合メディアです。近年、企業の評判管理が重要視されるなか、特に注視すべきGoogleマイビジネスを活用したローカルSEO(MEO)や口コミマーケティング、それらを活用した集客事例から、マーケティング全般、店舗経営のハウツー、業界動向データにいたるまで幅広い情報を紹介します。

口コミラボ
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段ボール原紙が値上げへ。ダンボール製品価格の上昇で、通販・EC事業者はコスト負担増の可能性

4 years 1ヶ月 ago

世界的な段ボール需要の高まり、原燃料価格の高騰、物流コストの上昇などで、製紙各社はダンボール原紙の値上げに踏み切る。

ダンボール原紙はダンボール箱の素材となる原紙。ダンボール価格の上昇につながる可能性があり、通販・EC事業者のコスト負担が増しそうだ。

レンゴーは20222年2月1日の出荷分から、段ボール原紙1kgあたり10円以上値上げする。世界的な原燃料価格の高騰、補助材料や物流経費の大幅上昇などを理由にあげた。

大王製紙も20222年2月1日納入分から、段ボール原紙1kgあたり10円以上値上げする。原燃料価格の高騰や物流コストの上昇などを理由にあげている。

王子製紙グループの王子マテリアは2022年2月21日出荷分から、段ボール原紙1kgあたり10円以上値上げする。理由は、燃料や薬品価格の高騰、物流経費の上昇、主原料である段ボール古紙の世界的な需要増など。

日本製紙グループの日本東海インダストリアルペーパーサプライは、2022年2月1日出荷分から、段ボール原紙全般を15%以上値上げする方針。

こうしたダンボール原紙の値上げは、段ボール製品の製造・販売を直撃。王子コンテナーは2021年12月、段ボール製品の価格改定を要請すると発表した。段ボール原紙の価格改定、原燃料価格、諸資材価格、運送費などのコストアップ分を基本として、個別に値上げを要請するとした。

コスト削減、効率化を強力に推し進め、価格維持に努めてまいりましたが、自助努力でのコスト上昇を吸収することは極めて困難な状況となっている。(王子コンテナー)

瀧川 正実
瀧川 正実

2021年の企業倒産は6030件(22%減)で57年ぶりの低水準。小売業は730件で30%減

4 years 1ヶ月 ago

東京商工リサーチが1月13日に発表した2021年(1~12月)の全国企業倒産件数は、前年比22.4%減の6030件だった。

倒産件数は1990年(6468件)以来の6000件台で、2年連続で前年を下回った。コロナ禍の各種支援策が奏功し、1964年(4212件)に次ぐ57年ぶりの低水準。

全国企業倒産件数 東京商工リサーチの調査
企業倒産件数の推移

2021年の「新型コロナウイルス」関連倒産は同8.7%増の1668件で、前年(799件)の2倍増。集計を開始した2021年2月からの累計は2467件となっている。

2021年の産業別倒産件数は、10産業のうち運輸業を除く9産業で件数が前年を下回った。農・林・漁・鉱業、建設業、製造業、卸売業、小売業、金融・保険業、不動産業、情報通信業の8産業は、1992年以降の30年間で最少を記録した。

小売業の倒産件数は同30.7%減の730件。産業別の最多倒産件数は、サービス業他の2007件(前年比22.6%減)だった。コロナ禍で注目された飲食業(842→648件)、宿泊業(118→86件)は減少した。運輸業は239件(同5.2%増)で2年ぶりに前年を上回った。

産業別倒産件数 東京商工リサーチの調査
産業別倒産件数
主要産業別の倒産件数の推移 東京商工リサーチの調査
主要産業別の倒産件数の推移

負債総額は4年連続で前年を下回った。負債10億円以上の大型倒産は171件(前年198件)、同5億円以上10億円未満は189件(同235件)、同1億円以上5億円未満も1167件(同1415件)と減少。倒産の大幅減少と負債規模の小規模化で、1972年以降の50年間で1973年(7053億5600万円)に次ぐ3番目の低水準にとどまった。負債1億円未満は4503件(構成比74.6%)で、小規模倒産を主体とした推移が続いている。

石居 岳
石居 岳

関東で降雪。宅配便への影響は?/2021年のEC業界まとめ【ネッ担アクセスランキング】 | 週間人気記事ランキング

4 years 1ヶ月 ago
2022年1月5日~2022年1月13日にアクセス数の多かった記事のランキングを発表! 見逃している人気記事はありませんか?
  1. 関東降雪による佐川急便、ヤマト運輸、日本郵便の配送への影響まとめ

    1月7日8時現在までに、日本郵便、ヤマト運輸、佐川急便は、関東地方宛ての荷物の配送などに遅延が生じる旨を公表している

    2022/1/7
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    ネットショップ担当者が読んでおくべき2021年のニュースと2022年の展望

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  4. ジャパネットグループの「社員自ら出社したい」「在宅よりも快適に働ける」をめざした新オフィスとは

    ジャパネットグループは福岡・天神に新オフィスを開設しました。部・課を超えたコミュニケーションを期待する執務エリア、運動や仮眠もできる多目的エリアを設けています

    2022/1/7
  5. iOSのトラッキング禁止から考えるリテンションとロイヤルティの高め方

    ゼロパーティデータとファーストパーティデータを組み合わせてパーソナライズしたカスタマーエクスペリエンスを提供することが、リテンションを向上させる最も効果的な方法です

    2022/1/5
  6. 購買行動に影響を受けるインフルエンサーからの情報源は、男性YouTube、女性はInstagram【ソーシャルコマース定点調査】

    「ソーシャルコマースに関する定点調査2021」では、消費者の購買行動におけるSNSやインフルエンサーの影響度合いやその内容を時系列に分析している

    2022/1/7
  7. 2020年の化粧品EC市場は3757億円で20%増。2021年は約11%増の4166億円の見込み

    化粧品市場全体(2兆7502億円)に占める化粧品EC事業の割合は同4.0ポイント上昇し13.7%。なお、化粧品ECを含む化粧品通販市場は5641億円

    2022/1/5
  8. D2Cソファブランド「ヨギボー」のウェブシャーク、ブランド本体のYogibo LLC.を買収

    ウェブシャークの2021年7月期における売上高は168億円で前の期比76.8%増、経常利益は46億9000万円で同約3.5倍と急拡大している

    2022/1/13
  9. ビックカメラが「デジタル戦略部」を新設、顧客接点の拡充やエンゲージメント向上のためにデジタル技術を活用

    店舗で販売の経験を積み、商品知識と接客スキルを持つ従業員がデジタル技術を学ぶことによる「価値創造力の再構築」につなげたいという

    2022/1/6
  10. 「アフィリエイト広告利用に関するガイドライン」を日本通信販売協会(JADMA)が2022年内に策定へ

    自主規制団体として「アフィリエイト広告利用に関するガイドライン」を策定。広告主による不当表示の未然防止に向けた管理を自主規制団体として促進する

    2022/1/11

    ※期間内のPV数によるランキングです。一部のまとめ記事や殿堂入り記事はランキング集計から除外されています。

    内山 美枝子

    D2Cソファブランド「ヨギボー」のウェブシャーク、ブランド本体のYogibo LLC.を買収

    4 years 1ヶ月 ago

    米国のビーズソファブランド「Yogibo(ヨギボー)」の輸入販売を手がけるウェブシャークは、本社のYogibo LLC.を買収したと発表した。2021年12月30日までに全株式を取得したとしている。

    「Yogibo」は2004年に米国で誕生したD2Cのビーズソファブランド。ウェブシャークは2014年11月に日本総代理店契約を締結し、ネット通販と実店舗(2021年12月現在、日本国内は86店舗を展開)で展開。“快適すぎて動けなくなる魔法のソファ”としてマスメディアやネットを駆使して訴求、「Yogibo」ブランドを確立した。

    快適すぎて動けなくなる魔法のソファ「Yogibo」
    快適すぎて動けなくなる魔法のソファ「Yogibo」

    ウェブシャークが公表した官報によると、2021年7月期における売上高は168億円で前の期比76.8%増、経常利益は46億9000万円で同約3.5倍と急拡大している。EC化率は売上全体の約40%。

    好業績を背景に米国Yogibo LLC社からウェブシャークに買収の打診があり、今回の本社買収に至ったという。

    ウェブシャークによると、「Yogibo」は各国でブランドデザインが均一化されていないため、海外渡航したユーザーのブランドイメージに悪影響をおよぼす可能性があると指摘。今後、世界的なデザインの統一を推進する。

    ウェブシャークはブランド古着と雑貨の小売で創業。ドロップシッピングサービス「電脳卸」を展開していた企業として知られる。

    瀧川 正実
    瀧川 正実

    【越境EC利用調査】コロナ禍で「越境ECの利用が増えた」は各国で半数以上。84%以上が「訪日後のリピート買いに越境ECを活用したい」

    4 years 1ヶ月 ago

    BEENOS(ビーノス)の連結子会社であるBeeCruise(ビークルーズ)は、海外向け購入サポートサービス「Buyee(バイイー)」(運営はtenso)を利用している海外顧客約800人に「越境ECの利用意向」に関する調査を実施した。

    「コロナ以降(2020年1月~)、越境ECを利用する回数は増えたか」という質問に対して、半数以上がコロナ以降に越境EC利用が増加したと回答。特に米国、マレーシア、英国の顧客は約7割の方が増えたと答えた。

    コロナ以前から越境ECの利用が浸透している中国だけでなく、米国と英国、マレーシアいったエリアにも越境ECの利用が広がっている。

    BEENOS(ビーノス)の連結子会社であるBeeCruise(ビークルーズ)は、海外向け購入サポートサービス「Buyee(バイイー)」(運営はtenso)を利用している海外顧客約800人に「越境ECの利用意向」に関する調査を実施 コロナ禍以降の越境EC利用回数について
    コロナ禍以降の越境EC利用回数について

    「越境ECを通してでも、日本の商品を購入したい理由」(複数回答)を聞いたところ、「自国で購入できないから」が最多で約8割を占めた。日本でしか購入できない、日本のECでしか流通していない商品がオンラインで購入されている。

    BEENOS(ビーノス)の連結子会社であるBeeCruise(ビークルーズ)は、海外向け購入サポートサービス「Buyee(バイイー)」(運営はtenso)を利用している海外顧客約800人に「越境ECの利用意向」に関する調査を実施 越境ECの購入理由
    越境ECの購入理由

    「日本の製品を購入する際に、参考にしている情報」(複数回答)を聞いたところ、米国はTwitter、中国はWeChat、マレーシアはFacebook、英国はYouTubeとなった。

    米国、マレーシア、英国ではYouTubeが共通して利用されており、3割以上の顧客があげた。一方、自国のニュースなどを参考にしている人は少なく、Twitter、Facebook、YouTubeという世界共通のプラットフォームから日本の情報を参考にしている。

    BEENOS(ビーノス)の連結子会社であるBeeCruise(ビークルーズ)は、海外向け購入サポートサービス「Buyee(バイイー)」(運営はtenso)を利用している海外顧客約800人に「越境ECの利用意向」に関する調査を実施 日本商品の情報源について
    日本商品の情報源について

    「コロナが明けて訪日できるようになっても、越境ECを利用するか」という質問に対しては、93%以上が「アフターコロナ以降も越境ECを利用したい」と回答した。コロナ禍をきっかけに越境ECを利用した人の多くがオンライン利用の利便性の高さに魅力を感じ、継続の意思を示している。

    BEENOS(ビーノス)の連結子会社であるBeeCruise(ビークルーズ)は、海外向け購入サポートサービス「Buyee(バイイー)」(運営はtenso)を利用している海外顧客約800人に「越境ECの利用意向」に関する調査を実施 アフターコロナ以降の越境EC利用の意向について
    アフターコロナ以降の越境EC利用の意向について

    「アフターコロナで、日本の越境ECで何を購入したいものは」(複数回答)という質問に対しては、米国が「本・CD・DVD・エンタメ」、マレーシアと英国は「おもちゃ・ゲーム・アニメグッズ」といったエンタメ関連がトップ。中国はリユース品がトップで、サステナブルに対する意識の高さがうかがえる。

    BEENOS(ビーノス)の連結子会社であるBeeCruise(ビークルーズ)は、海外向け購入サポートサービス「Buyee(バイイー)」(運営はtenso)を利用している海外顧客約800人に「越境ECの利用意向」に関する調査を実施 越境ECで購入したい商材
    越境ECで購入したい商材

    「訪日した後、越境ECで気に入った商品などをリピート買いしたいか」という質問に対しては、84%以上が「訪日後のリピート買いに越境ECを活用したい」と回答した。コロナ禍の巣ごもり需要は越境ECの利用を後押し、リピート買いにつながっている。

    BEENOS(ビーノス)の連結子会社であるBeeCruise(ビークルーズ)は、海外向け購入サポートサービス「Buyee(バイイー)」(運営はtenso)を利用している海外顧客約800人に「越境ECの利用意向」に関する調査を実施 訪日後のリピート買いについて
    訪日後のリピート買いについて

    調査概要

    • 調査対象:海外向け購入サポートサービス「Buyee」の顧客で米国、中国、マレーシア、英国
    • 調査人数:789人
    • 調査期間:2021年9月
    • 調査方法:オンラインアンケート
    石居 岳
    石居 岳

    「売れるECサイト」構築のポイントとは?成功・失敗事例から学ぶ12個のコツ

    4 years 1ヶ月 ago
    ECサイト開設から成功までには4つのフェーズが存在する。各フェーズで企業が直面する課題、意思決定のコツ、成功事例などをエートゥジェイの飯澤満育代表取締役社長が解説する
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    今の時代、物やサービスを販売する企業において、ECサイトの構築や運営は欠かせない。しかし、EC事業に参入する際「どのようにスタートさせたら良いか」「どうやって軌道に乗せたら良いかわからない」といった悩みを抱える企業は多いだろう。

    ECサイトの導入、構築、運営などを支援し、多くのECサイトを成功に導いたエートゥジェイの代表取締役社長 飯澤満育氏が、EC事業を始める際の4つのフェーズにおける成功と失敗を事例を交えて紹介する。

    エートゥジェイ メルカート

    エートゥジェイは、ECや通販に必要な機能をワンストップで提供するクラウド型ECプラットフォーム「メルカート」を運営。導入企業の売上拡大を支援するため、メルカート専門スタッフを組織し、ECサイトの効果分析、CRM、広告運用なども含めたサービスを提供している。

    EC事業スタートから成長までの「4つのフェーズ」とは

    飯澤氏は、EC事業のスタートから成長までの4つのフェーズとして、①カート選定フェーズ②構築フェーズ③運用基盤固めフェーズ④成長フェーズの4つをあげる。

    エートゥジェイ メルカート EC事業における4つのフェーズ
    EC事業における4つのフェーズ

    ①カート選定フェーズ:目的に合わせたサービスを決定

    カート選定フェーズは、EC事業の目的に合わせたサービスを決める工程だが、主に3つの課題に直面しやすいという。

    1つ目は「最適なコストやサービスがわからない」こと。自社に合わないサービス選定により、無駄なコストや期間がかかってしまう。

    2つ目は「目標に対して何をしていいかわからない」。サイトのオープン自体がゴールになってしまい、やるべきことがわからなくなってしまう。

    3つ目は「業務ごとにサービスを変えると管理が大変」ということ。各サービス企業とのやりとりに時間を割かれてしまい、本来必要なコア業務に使うべきリソースが減ってしまうことだ。

    こうした失敗が起こらないようにするため、「カート選定フェーズにおける意思決定では3つのコツがある」と飯澤氏は話す。

    1つ目は「EC専門ベンダーが提供する、目標達成をめざせるカートを使う」こと。

    2つ目は「さまざまな業界・規模の導入事例が豊富にあるベンダーを選ぶ」こと。業界や業種によって使いたい機能や必要なリソースが異なるからだ。

    3つ目は「機能やシステムだけでなく、運営や施策を一貫してサポートできるベンダーを選ぶ」こと。サポーターとなってくれるカート企業と一緒に事業を進めていくことが重要なポイントだ。(飯澤氏)

    エートゥジェイ メルカート 代表取締役社長 飯澤満育氏
    エートゥジェイ 代表取締役社長 飯澤 満育氏

    導入フェーズにおける事例として、米穀事業の老舗企業である木徳神糧のECサイト「コメッツ」を紹介。木徳神糧は元々BtoB事業を展開していたが、BtoCへの事業拡大に伴いECサイトを開設することになり、エートゥジェイに支援を依頼した。

    初めてECサイトを開設する際、多くの企業が悩む点はコストだ。まだ売り上げが立っていない状態で投資をしなくてはならず、「初期導入コストにこんなにかけていいのか」と不安になる。エートゥジェイはそういった企業の思いを汲み、メルカートと共に初期導入コストが低いスモールスタートを行った。

    ECサイトの運営経験がない企業の場合、運営や管理画面の操作だけでなく、マーケティングや成長フェーズへの移行段階におけるサポートも必要となる。そのため、メルカート専門スタッフが、充実したサポートを実施。さらに、スポットでの広告運用管理など、広告の運用もエートゥジェイで行い初期の売り上げを作った。

    エートゥジェイ メルカート コメッツの事例
    広告運用などをエートゥジェイが支援し、商品企画に自社のリソースを割いている

    元々、非常に商品力が高い企業ということもあり、商品企画などに自社のリソースや時間を使っていただき、広告の運用や分析した結果に基づくアドバイスなど、ECの専門領域に関することは我々の方でお手伝いさせていただいた。(飯澤氏)

    ②構築フェーズ:課題を解決しながら立ち上げを準備

    構築フェーズは、課題を1つずつ解決しながら立ち上げの準備をして行く段階となる。このフェーズにおける課題は3つあり、1つ目は「立ち上げ作業で何をすべきかわからない」。プロジェクトが進まず、予定したオープン日に間に合わないという事態もあるという。

    2つ目は「目標に対して何をして良いかわからない」だ。「当初の予算では足りない」「ユーザーニーズを無視したECになってしまう」などがよくある失敗事例で、ユーザーの気持ちや体験に寄り添わないことが要因だ。

    3つ目は「運用体制が整っているのか判断できない」という問題だ。予期せぬトラブルで、一部の商品画像が表示されない、商品の説明と商品画像が合ってないといった失敗事例も少なくない。

    構築フェーズでの意思決定のコツは、まずオープンまでに必要なタスクとスケジュールを見える化すること。次に、要望に応じて優先度を決めた進め方を提案できる体制が整っていること。最後に、実際の業務を想定したステージング環境での運用テストを行うこと。ECサイトでは、充分なテストを行った後にスタートすることが重要だ。(飯澤氏)

    飯澤氏は高級洋食器を扱う鳴海製陶を成功事例としてあげた。以前は他社のサービスを使ってECサイトを運営していたが、リニューアルにあたってメルカートに変更した。デジタルマーケティングを活用して売り上げを上げる、リソース的なサポートを受けたいというニーズからだ。

    エートゥジェイは、制作と並行してバックオフィス、いわゆる管理画面の運用作りをサポートした。管理画面はサービスによって大きく異なるため、鳴海製陶と伴走しオペレーションを作成。それにより、制作費用だけでなく運用コストも削減できた。

    また、当初は4か月の準備期間を予定していたがスムーズに進み、2か月でリニューアルオープンに至った。

    エートゥジェイ メルカート 鳴海製陶の事例
    準備期間2か月でリニューアルオープン。準備期間の短縮だけでなく、質・費用・納期もすべて達成できた
    エートゥジェイ メルカート 管理画面
    「メルカート」の管理画面。「非常にわかりやすく、直感的に操作できるという点が評価され、選んでいただけた」(飯澤氏)

    ③運用基礎固めフェーズ:成長体制を作る

    運用基盤固めフェーズは、売り上げを加速しても成長させられる体制を作る重要なフェーズだ。

    ここでの課題1つ目は「自社ECサイトの強みがわからない」というもの。飯澤氏は「全方位的な施策で効果が出ず、自分たちの強みがわからなくなってしまうケースが多い」と話す。

    2つ目は「効果的な改善方法や改善すべき箇所がわからない」で、改修してもCVR(コンバージョンレート)がまったく上がらないというケースが多いという。1箇所だけ改修しても簡単にCVRが上がるわけではなく、1つずつチューニングする、ABテストを行うといった地道な作業が必要だ。

    3つ目は、「売上停滞・顧客満足低下・顧客離れ」だ。リソース不足が原因で「やらなければならないことはわかっていても手が回らない」という状況に陥りがちになってしまう。

    課題を解決するために、まず自社ECの強みを把握し、ターゲットに合わせたKPIを設置する。その上で、改善の肝になるデータ分析の地盤を作っておく。そして、自社の強み以外の領域や作業的・専門的な領域は、作業の棚卸しをして効果的な作業分担を外部も含めて行うことが重要となる。(飯澤氏)

    この3つを実践して成功している事例が、保存容器やグラス製品を販売するAGCテクノグラスのECサイト「iwaki(いわき)」だ。

    このサイトでエートゥジェイが提供している領域は、データ分析、SEO施策、広告運用、CRM施策などで、AGCテクノグラスが差別化のポイントとしている人と人とのコミュニケーションの領域は、自社で運営している。

    エートゥジェイ メルカート AGCテクノグラスの事例
    AGCテクノグラスは、強みであるコミュニケーションの領域に自社のリソースを集中している
    エートゥジェイ メルカート AGCテクノグラスの事例
    自社でコンテンツを作り、社内で撮影、動画制作を行っている

    ここで重要なのは、顧客接点という最も重視する部分、自分たちの強みである部分にリソースを割き、模倣困難性の低い領域に関しては外部にアウトソースしているとことだ。

    顧客参加型のコミュニケーションを強化し、ペルソナの体験に合ったコンテンツも内製化している。まさにリソースの集中と選択による差別化の効果が生まれている。(飯澤氏)

    ④成長フェーズ:売り上げを最大化し利益を出していく

    成長フェーズは、売り上げを最大化して利益を出していく最も重要なフェーズだ。

    ここでの課題の1つ目は「広告以外でのチャンネルが育っていない」ということだ。広告がユーザーの流入や売上増加につながると「さらに売り上げを上げたい」と考え、広告を出し続けてしまう。その結果、広告費用が膨大になり、やめてしまうと売れなくなるという状況に陥ってしまう。

    2つ目は「CRMによるファン化ができていない」というもの。ユーザーに商品を1回しか購入してもらえず、ユーザーの囲い込みやファン化ができていないことが原因だ。

    3つ目は「社内リソースが不足して施策が行えない」。成長して売り上げが上がれば業務量が増え、人が必要になってくる。しかしそのままの状態で運営していれば、売り上げにも影響を及ぼしてしまう。

    課題に対する意思決定のコツの1つ目は、広告だけでなくSEO、SNSなどの施策でベースを作り、さまざまなチャンネルからの売り上げを獲得していくこと。2つ目は、CRM分析を行い顧客に合わせた施策を実施すること。3つ目は、リソースは社内だけでなく外部に委託するなど、自社にあった方法で補完していくことだ。(飯澤氏)

    成長フェーズでの事例として、多数のゴルフブランドを取扱うグリップインターナショナルを取り上げた。

    エートゥジェイ メルカート GRIP ONLINE STOREの事例
    成長フェーズでの成功事例「GRIP ONLINE STORE」

    エートゥジェイは、ブランドサイトの構築、運営、撮影、広告運用、販促企画、制作支援などを支援。下の図が立ち上げから成長フェーズまでのロードマップだ。

    一次フェーズではSEO・広告施策、二次フェーズではブランドの多角化を実践。三次フェーズでは広告コストを増やして売上増加を加速させた。

    エートゥジェイ メルカート グリップインターナショナルの事例
    グリップインターナショナルの事例では、ロードマップを作り各フェーズで成果を上げていった

    フェーズごとに、会社や業種によってさまざまな課題が出てくる。今回あげた12個のポイントは、さまざまな問題を1つずつクリアして、成長できるECサイトを構築する上で参考にしていただければ幸いだ。(飯澤氏)

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    小林 真由美

    【2022年のEC業界予測】eコマースの成長鈍化、新しいビジネスモデルの構築、インフレ、Amazonへの圧力など | 海外のEC事情・戦略・マーケティング情報ウォッチ

    4 years 1ヶ月 ago
    米国の大手EC専門誌『Digital Commerce 360』編集部による2022年オンライン小売業の予測では、eコマースの成長率鈍化、アメリカ連邦政府によるAmazonへの攻撃、新しいビジネスモデルの登場などをあげています

    eコマースの成長鈍化、アメリカ連邦政府によるAmazonへの攻撃、目が離せないインフレの状況など、2022年のオンライン小売業について米国の大手EC専門誌『Digital Commerce 360』の編集部が予測します。

    過去2年間は、小売業界の予想を上回るスピードでeコマースの成長が加速しました。新型コロナウイルスの大流行で、eコマースの重要性、消費者に提供する利便性に注目が集まったのです。

    前例のない過去数年間のオンライン販売の伸びが、再び繰り返されることはないと考えられますが、今後数か月は驚きの連続となるでしょう。『Digital Commerce 360』編集部が予測する2022年の展望をご紹介します。

    eコマースの成長率が鈍化

    『Digital Commerce 360』発行の「2021 eコマース Market Report」の初期予測では、米国の2021年オンライン売上は前年比16.2%増と伸長しました。健全な成長に見えますが、伸び率は2020年の31.8%増から大きく落ち込みました。

    『Digital Commerce 360』の調査データ担当ディレクターであるジェシカ・ヤング氏は、2022年のeコマースの成長は正常な状態に戻ると話します。

    2020年ほどのeコマースの成長率は持続できないでしょう。2021年は減速、その傾向は2022年も続き、オンライン売上の成長率は前年比14%増程度になると予測しています

    成長の鈍化により、小売事業者は「もう一度クリエイティブになることを余儀なくされる」とシニアコンシューマーインサイトアナリストのローレン・フリードマン氏は言います。

    「おそらく、実店舗がまた大きな価値を持つようになれば、より多くの店舗が復活し始め、ショッピングのダイナミズムを再び変えるでしょう。」

    eコマースはさらに新しいビジネスモデルへ

    オンライン小売事業者が競合に差をつけるためには、独自のマーケットプレイスの立ち上げ、中古品の販売、買い取り・下取りプログラムなど、新しいビジネスモデルへの投資が必要だとヤング氏は言います。

    小売事業者が独自のマーケットプレイスを立ち上げることは、『Digital Commerce 360』編集部がすでに注目しているトレンドです。2021年には複数のトップクラスのオンライン小売事業者がこの分野に着手しています。

    マーケットプレイスモデルは、商品の仕入れ、在庫保管、配送に関わる責任を負わずに、より多くの種類の商品を提供したい小売業事者にとって魅力的だとヤング氏は考えます。

    ラグジュアリー市場では、オンライン委託販売や買い戻しプログラムが先行しており、このトレンドは2022年にさらに加速するとヤング氏は予測しています。

    多くの若い消費者がサステナブルな商品に注目しています。環境への悪影響や倫理的に問題のある労働慣行が疑われるファストファッションを嫌っていることから、小売事業者はこれらの問題の解決をめざした新しいビジネスモデルを試すために軸足を移すでしょう

    改善に向かうサプライチェーンの問題

    希望的観測かもしれませんが、2022年後半にはサプライチェーンの問題が徐々に改善されると予測する編集者が少なからず存在します。もちろん、これは世界が新型コロナウイルスの大流行を収束させられるかどうかにかかっています。

    工場や港は、新型コロナウイルスの大きな再流行がない限り、徐々に正常な状態に戻っていくでしょう。

    編集長のドン・デイビス氏はこう言います。

    インフレが小売業界の新たな混乱要因に

    米国では現在、約40年ぶりの高インフレが進行しています。2021年11月の消費者物価指数は前年同月比6.8%増となりました。

    インフレはサプライチェーンのコストと制約の増加の影響によるものだとシニアエディターのジェームス・メルトン氏は話します。「インフレは病気というより症状です」

    2022年にインフレがいくつかの点で小売業界に影響を与えると、編集調査部ディレクターのポール・コンレイ氏は考えています。

    商品価格のインフレは、賃金のインフレ圧力につながります。すでに従業員を確保するために割高な賃金を支払っている小売事業者にとっては、悲惨な結果となる可能性もあります。

    しかし、インフレは「ここ数年できなかった値上げをするためのチャンスを与えてくれる」とメルトン氏は指摘します。。

    太平洋を横断する輸送用コンテナの価格のようなサプライチェーンのコストが正常化するのと同様に、不況に陥らない限り、市場は価格上昇も織り込み済みかもしれません

    インフレはディスカウントストアにとっても朗報だとコンレイ氏は考えています。

    T.J. Maxxのようなディスカウントショップは、これまでeコマースへの投資に乗り気ではありませんでしたが、コロナ禍によって状況が一変。実際、家具・家庭用品のディスカウントストアのHomeGoods(TJX Cos. Inc.傘下、「北米EC事業 トップ1000社データベース 2021年版」63位)は、2021年後半にECサイトを立ち上げています。ヤング氏はこう言います。

    インフレの影響と、コロナ禍にオムニチャネルサービスを試した人たちのおかげで、TJXグループは成長してきましたが、2022年も前進し続けるでしょう。

    ウェディング、配送、連邦政府

    『Digital Commerce 360』編集部が2022年に注目しているその他のトレンドは、ウェディング業界とAmazon(「北米EC事業 トップ1000社データベース 2021年版」第1位)の独占禁止法違反問題です。また、ラストワンマイル配送分野での合併にも注目しています。

    「2020年、2021年は結婚式の中止や延期が多々ありましたが、2022年はフォーマルウェアを含む結婚式関連のショッピングがブームになるでしょう」。編集部リテール担当ディレクターのエイプリル・バーテン氏は言います。

    コンレイ氏が「超高速」配送と呼ぶ分野でも、良縁が生まれるかもしれません。

    DoorDashがオンデマンド食料品配達サービスのGorillasを買収するという噂は実現しませんでしたが、DoorDashは独自のオンデマンド食料品配達サービスを立ち上げると発表しました。コンレイ氏はこう言います。

    投資家が既存のプロバイダーの買収や新しいプロバイダーの立ち上げに奔走する中、今後数か月の間に数百万ドル規模の合併が行われると見ています。最も可能性が高いのは、GrubHubのGorillas買収でしょう。Jokr、Fridge No More、Buyk、その他多数のプロバイダーも買収のターゲットになりそうです。

    2022年は米国最大のオンライン小売事業者であるAmazonにとって苦しい年になるかもしれないと、デイヴィス氏は予測しています。

    バイデン政権は、反Amazonを標榜するドリームチームを結成しました。彼らは2022年、バイデン大統領がホワイトハウスを去った後もずっと続くであろう法的拘束力を盾に、Amazonの力を抑制しようとするでしょう。

    この記事は今西由加さんが翻訳。世界最大級のEC専門メディア『Digital Commerce 360』(旧『Internet RETAILER』)の記事をネットショップ担当者フォーラムが、天井秀和さん白川久美さん中島郁さんの協力を得て、日本向けに編集したものです。

    Digital Commerce 360
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    楽天がスーパーマーケット向けプラットフォーム「楽天全国スーパー」の提供を開始

    4 years 1ヶ月 ago

    楽天グループは1月11日、ネットスーパーのプラットフォーム「楽天全国スーパー」の提供を始めた。

    「楽天西友ネットスーパー」に加え、群馬県を拠点に1都14県でスーパーマーケット「ベイシア」を展開するベイシアが、「楽天全国スーパー」に「ベイシアネットスーパー」を出店した。

    ユーザーは「楽天全国スーパー」上で郵便番号を入力すると、居住エリアへの配送に対応するネットスーパーを検索することが可能。楽天IDでログインすると、事前登録した住所やクレジットカード情報などを利用してスムーズに買い物ができる。「楽天ポイント」を貯めたり使ったりすることも可能だ。

    「楽天全国スーパー」は、全国のスーパーマーケット事業者向けに受注管理やオンライン上の決済などの機能を提供するプラットフォーム。楽天グループは西友と協働運営する「楽天西友ネットスーパー」で培ったノウハウを生かし、集客・販促活動や、配送に伴うオペレーションの構築など、事業者のネットスーパー事業の立ち上げおよび運営を一気通貫で支援する。

    「楽天全国スーパー」のシステムの初期費用は無料。出店したネットスーパーの売り上げに応じて、システム利用料およびマーケティング費用を徴収する。事業者は初期費用を抑えながら、早期にネットスーパーを立ち上げることが可能となる。

    ベイシアとは2021年10月、「楽天全国スーパー」への出店について合意する契約を締結。食品スーパーマーケット「大阪屋ショップ」を展開する大阪屋ショップとも2021年10月20日、「楽天全国スーパー」への出店について合意する契約を締結している。

    大阪屋ショップは2022年秋頃から「楽天全国スーパー」に出店、ネットスーパーサービスの提供を開始する予定だ。「大阪屋ショップ」は1973年の創業以来、富山県と石川県で地域密着型の食品スーパーマーケット49店舗(2021年10月20日時点)を展開している。

    事業者のネットスーパー参入意欲が高まる一方、ネットスーパーの運営においてノウハウ不足やシステム開発のコスト負担などが課題となっている。楽天グループは「楽天全国スーパー」を通じて事業者のネットスーパー事業参入を支援していく。

    石居 岳
    石居 岳

    商品を売るチャネルを考えよう! 自社ECサイトに最適な流通戦略を考えるポイントとは 【流通戦略検討フェーズ】 | 「卒塔婆屋さん」の「鬼塾」

    4 years 1ヶ月 ago
    卒塔婆のECサイト「卒塔婆屋さん」の谷治大典店長が自社の実例を踏まえてECサイト運営について解説。5回目は流通戦略の種類や自社に合う方法の見つけ方について【「卒塔婆屋さん」の「鬼塾」:連載5回目】

    今回は、4P(Product:製品戦略、Price:価格戦略、Place:流通戦略、Promotion:宣伝戦略)の3つ目であるPlace(どこで、どのようにお客さまにコンタクトを取り、商品を販売するのか)といった流通戦略についてお話します。

    Contents
    1. 流通戦略とは
      • 7つの要素で成り立つ流通戦略
    2. コミュニケーションチャネル(調査・プロモーション・接触)
    3. 販売チャネル(交渉・適合)
    4. 流通チャネル(物流・コスト)
      • ユーザーに直接対応する「0段階チャネル」
      • 生産者とユーザー間に事業者が入る「1~3段階チャネル」
      • 流通チャネルは複数あって良い
    5. 間接流通チャネルには3つの戦略がある
      • 開放的流通チャネル
      • 選択的流通チャネル
      • 排他的流通チャネル
      • 自社の状況、メリットに応じて検討する
    6. 自社で製造・販売する場合は直販がオススメ
    7. 一番重要なのは「商品、ユーザーと真剣に向き合うこと」

    流通戦略とは

    流通戦略とは「供給サイドと需要サイドを効率よく引き合わせ、利便性を高めること」です。

    自社ECサイトを始めたばかりの頃は、砂漠の誰もいない場所に店を構えたような状態です。そのため、いくら使いやすいECサイトを構築し、優れた商品を適正な価格で販売しても、消費者が来なければ自己満足に過ぎず、商品はほとんど売れません。

    流通戦略を通じて、消費者へコンタクトし、自社ショップや商品を認識してもらうところから始める必要があります

    流通は生産者から消費者への販売ルート全般を指します。商品の移動に留まらず、どうやってお客さまにコンタクトを取って販売につなげていくか、また、流通に関する管理やコストの戦略立案も含みます。

    7つの要素で成り立つ流通戦略

    流通戦略は以下の7つの要素に分けられます。

    1. 調査:商品やサービス、取引計画など実施へ向けた情報収集
    2. プロモーション:ユーザーにどのような手段で自社商品・サービスを知ってもらうか広報手段の決定
    3. 接触:見込み客やユーザーにアプローチする
    4. 交渉:取引条件について自社とユーザーで擦り合わせ、落としどころを決める
    5. 適合:ユーザーのニーズを実現させる
    6. 物流:物流ルート、物流業者の管理運用、在庫管理
    7. コスト:物流コストの管理

    各要素は独立しているのではなく、相互に関係し影響を受けあいます。たとえば、適合で得たお客さまのニーズから、プロモーションや接触方法を見直すといったことはよくあることです。

    まず、これら7つの要素を「コミニュケーションチャネル」「販売チャネル」「流通チャネル」の3つのチャネルにまとめて戦略立案します。

    卒塔婆屋さん 流通戦略 3つのチャネルに分ける
    7つの流通戦略は3つのチャネルに分け、チャネルごとに戦略を立てる

    コミュニケーションチャネル(調査・プロモーション・接触)

    ショップや商品を認知してもらい、まずはショップに来てもらう経路です。

    オールドメディアである新聞やテレビ、ネット上の広告、オウンドメディア、SNS、展示会、実店舗など、さまざまな場所や方法が存在します。

    「卒塔婆屋さん」でも、オールドメディアでの掲載、ネット広告、SNS、展示会とあらゆる手段を試してきました。商品やターゲット層によっても変わりますが、ECの場合はネット広告が一番販売に結び付きました。SNSや展示会は認知度向上に効果があり、見込み客獲得に有効でした。

    どんな手段が有効かはいくら調査しても未知数なところが大きいのが実際のところ。少ない予算で、さまざまな手段をテスト・検証し、有効だと思われる手段が判明したら本格的に予算を投入した方がより効果的です。「やってみなければわからない」というのが実情です。

    販売チャネル(交渉・適合)

    お客さまが実際に商品やサービスを購入できる場所や方法です。ECの場合、サイト自体が販売場所となります。店舗側で商品戦略や価格戦略に基づいた品ぞろえと価格設定を用意します。また、決済手段、決済手数料なども予め自社で決定しておきます。

    流通チャネル(物流・コスト)

    配送や物流ルートのことです。自社の商品を直接お客さまへ販売するのか、卸売り事業者や小売業事業者を間に挟むのかなど経路はいくつかあり、自社商品の特性やそれぞれのメリット・デメリットを考慮して戦略を立てます

    流通チャネルは下記のように段階で分けられます。

    • 0段階チャネル:製造→お客さま
    • 1段階チャネル:製造→小売り→お客さま
    • 2段階チャネル:製造→卸売り→小売り→お客さま
    • 3段階チャネル:製造→卸売り→二次卸→小売り→お客さま

    ユーザーに直接対応する「0段階チャネル」

    「直販」と呼ばれるもので、生産者が直接お客さまに販売します。高級品や嗜好品、ニッチ商品に向いています。

    卒塔婆屋さん 流通戦略 0段階チャネル
    生産者が直接消費者に商品を販売する「0段階チャネル」

    生産者が直接お客さま1人ひとりに対応するため、大手企業よりも中小零細企業の方が向いており、「ブランドイメージを保つ」「直接お客さまからの意見などに対応できる」といったメリットがあります。反面、集客や顧客対応などにコストと時間がかかります

    生産者とユーザー間に事業者が入る「1~3段階チャネル」

    生産者とお客さまとの間に事業者が入ることで、多くのお客さまにアプローチが可能となります。反面、「ブランドイメージを確立しにくい」「お客さまからの意見を反映しにくい」といったことがあります。数量を多く捌く一般大衆品に向いています。

    卒塔婆屋さん 流通戦略 0~3段階チャネル
    生産者と消費者の間に小売りや卸売りが入る「1~3段階チャネル」

    流通チャネルは複数あって良い

    流通チャネルは1つに絞る必要はありません。「卒塔婆屋さん」でも直接お寺に販売する場合がほとんどですが、仏具店や商社へ販売し、そこからお寺に販売されるというルートもあります。

    今では比較的安価かつ簡単なASPサービスでも、小売り向きと卸売り向きのサイトを切り替えることができるオプションがあり、小売りと卸売りを1つのサイトで運営することも可能になりました。

    大手企業でも、物流チャネル別にスーパーなど小売店で購入できる商品と、自社ECサイト限定販売のプレミアム商品といったように、商品を変えて販売しているところもあります。

    インターネットの普及により、今まで2~3段階チャネルが当たり前だった農産物や水産物も、今では0~1段階チャネルに変化し、生産者と消費者の距離はどんどん短くなってきています。

    間接流通チャネルには3つの戦略がある

    直販以外の間に事業者が入る間接流通チャネルには、「開放的流通チャネル」「選択的流通チャネル」「排他的流通チャネル」の3つの戦略があります。

    開放的流通チャネル

    「開放的流通チャネル」とは、商品の販売先を限定せず、広範囲にわたって商品を流通させる戦略です。

    販売先を一気に拡大でき、シェア拡大のスピードも早いというメリットがあります。一方、広範囲の販売先のコントロールが難しく、流通事業者同士で商品の価格競争が生じてしまい、ブランド力の低下やイメージダウンにつながる可能性が高くなります。

    ブランドイメージが重要な高級品には不向きであり、薄利多売型の消耗品に向いています。

    選択的流通チャネル

    「選択的流通チャネル」とは、自社の商品を取り扱う流通事業者の販売力、資金力、協力度合い、競合商品の取り扱い状況などに応じて、流通チャネルを選定する戦略です。

    流通業者を一定範囲に限定することで、チャネルのコントロールがしやすくなるメリットがある一方、「開放的流通チャネル」と比べてシェア拡大に時間を要するデメリットが生じます。

    ブランドイメージを保ちつつシェアを拡大していくためには、販売パートナー選びが非常に需要になってきます。

    排他的流通チャネル

    「排他的流通チャネル」とは、特定の販売先に独占販売権を与える戦略で、一般的に代理店販売と呼ばれます。

    チャネルのコントロールがしやすく、最も価格やブランドを維持できるメリットがある一方、販売コストが高くなる、価格競争がないため販売先のモチベーションが低下するデメリットがあります。

    ECサイトで自社商品を販売する場合、間に事業者を挟むことは少ないと思いますが、「卒塔婆屋さん」では一部商品を卸売業者、小売業者にも販売しています。

    「卒塔婆屋さん」の場合、卸売や小売、直販で販売価格を変えていません。購入数量で販売価格は変動しますが、これは販売先に関わらず平等になっています。卸売業者などからは「販売価格を下げてほしい」と頼まれることも多いですが、自社ECサイトの販売力が強くなってきたため、価格を下げてまで販売してもらう必要がないことを伝えています。

    自社の状況、メリットに応じて検討する

    直販はユーザーと1対1で対応するため、事務作業も増え運営の負担はありますが、それ以上に「ブランドイメージを堅持する」「価格競争を防止する」といったメリットがあります。更に、ユーザーの意見やニーズを直接汲み取り、フィードバックも素早くできるので、改善速度も上げられます。

    現在では、受注から出荷までを代行する事業者も増えてきており、こういったサービスを利用すれば、販売は自社で行いつつ受注から出荷までの膨大な事務手続きは外注して、販売やユーザーとのコミュニケーションに注力することもできます。

    自社で製造・販売する場合は直販がオススメ

    「卒塔婆屋さん」のように、自社で製造・販売をする場合は直販がおすすめです。直販をする上で、ECサイトは営業部隊を持たない零細企業には最適です。ECサイトは24時間365日休みなく働いてくれる営業マンのような存在となります。

    自社製造商品ではなく、問屋から仕入れて販売するECサイトの場合、商品の品揃えや価格では大手ECサイトには敵いません。この場合はバイヤーの目利きが勝敗を分けます

    大手ECサイトは大量に仕入れることで仕入れコストを抑え、格安で大量販売することに長けています。仕入れ量も膨大なため、中小零細企業の仕入れ価格とは比較にならないくらい安価に仕入れることが可能です。販売量も多いので、1商品あたりの仕入れから販売までのコストは低く抑えられます。

    このことから大手企業のように一般の消耗品を中小零細企業で扱っても、適うことは大変難しいのです。そこで、大手企業が手を出しにくい、少量生産で付加価値の高い商品を探し当て、数量限定で販売していくといった戦略が中小零細企業には向いています。

    こういった商品の販売を積み重ねていくと、お客さまに「このECサイトに行くと必ず良い商品と巡り合える」と認知されます。さらに「この瞬間に購入しないと二度と買えない」となれば、購入率も上がります。

    最近では、業種を超えたセレクトショップのECサイトも増えてきており、コンセプトに合っていれば衣料品から食料品まで取り扱っているお店もあります。実店舗で言うと伊勢丹の「TOKYO解放区」、ユナイテッドアローズ、BEAMSといったセレクトショップのカテゴリーを広げたECサイト版です。

    一番重要なのは「商品、ユーザーと真剣に向き合うこと」

    難しい言葉が出てきましたが、私たちの目標は「どうやってお客さまに商品・サービスを知ってもらい、使っていただき、お客さまの課題を解決して喜んでいただけるか」ということに尽きます。

    難しい言葉を覚えなくても、目標のために何が必要かを真剣に考えていれば、自ずとこういった戦略は立てられると思います。

    最も重要なことは「商品・お客さまと真剣に向き合うこと」です。私もこういったことは後付けで学びました。実際にお客さまからの要望やデータ分析からサイト改善、トライアンドエラーを繰り返すなかで、いつの間にか「さまざまな施策はマーケティング理論に基づいていたんだ」と気付いたのです。

    次回は4Pの最後となるPromotionについてお話して土台部分は終了となり、それ以降はいよいよECサイト構築編に入っていきます。

    谷治 大典
    谷治 大典

    ファンケルグループがプレステージブランドに参入した狙いは?新会社ネオエフが語る自社ブランド&自社ECの戦略

    4 years 1ヶ月 ago
    ファンケルの連結子会社として2021年4月に設立したネオエフはプレステージブランドの化粧品販売を開始した。販路は自社ECサイト。ECカートシステムは「ecforce(イーシーフォース)」を採用、高級感や高機能を打ち出し、高価格帯スキンケア市場の開拓を進める
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    ファンケルの子会社であるネオエフが新ビューティーブランド「BRANCHIC(ブランシック)」をローンチし、プレステージ領域に参入した。子会社のネオエフが専用ECサイト「BRANCHIC公式オンラインショップ」の運営を手がける。ファンケルではなく独自のブランドとして展開するため、事業拡大にはブランディングなどが重要になる一方、昨今の消費行動に柔軟な対応ができ、かつファンケルグループ内の基幹システムと連携できるECカートシステムが求められた。大企業の子会社がブランドを立ち上げ、事業を支えるECカートシステム「ecforce」(SUPER STUDIOが開発・販売)をどのような基準で選んだのか。ネオエフのサービス・システムデザイナーの長谷川周作氏と、SUPER STUDIOの吉田光氏(Account Execution Group General Manager)が対談した。写真:吉田浩章

    SUPER STUDIO のAccount Execution Group General Manager 吉田光氏 ネオエフのサービス・システムデザイナーの長谷川周作氏

    ファンケルの名前は使わずにブランドを醸成

    2021年4月に新会社「ネオエフ」を設立したファンケルグループ。ネオエフでは新ブランド「BRANCHIC(ブランシック)」を立ち上げた。新たなターゲット層に向けて高機能で高価格帯の新ブランドを展開していくには、ファンケルの名前を使わない新たなイメージの醸成が必要と判断したという。

    SUPER STUDIO のAccount Execution Group General Manager 吉田光氏
    SUPER STUDIOのAccount Execution Group General Manager 吉田光氏

    吉田光氏(以下、吉田):まずはプレステージブランド「BRANCHIC」を立ち上げた背景から伺います。今回、高価格帯のブランドをローンチした経緯を教えてください。

    長谷川周作氏(以下、長谷川):これまで、ファンケルでは化粧品事業の成長のために「新たなターゲット開拓」「多ブランド展開」が必要と判断し、2018~2020年度の中期戦略として「Myブランド戦略」を実施しました。年齢・価格帯・顧客のニーズに合わせたブランドの多角化により、幅広いお客さまとの接点が増え、売り上げは伸長しました。

    ファンケルグループのネオエフが展開するプレステージブランド「BRANCHIC(ブランシック)」
    ネオエフが展開するプレステージブランド「BRANCHIC」

    その流れでさらなるブランドの多角化を推進すべく、高価格帯市場を狙う新ブランドの立ち上げ検討をしてきました。ただ、成功に導くには高い効果や上質で高級感のあるブランドイメージの醸成が必要となります。しかし、ファンケルは肌にやさしい無添加スキンケアとしてのブランドが確立しており、そのブランドの傘下で高価格帯市場を狙うのは難しいと判断し、別会社として事業を展開することにしました

    吉田:そのような方針の下、別会社での展開だったわけですね。

    長谷川:では「なぜプレステージか?」という点ですが、これまでファンケルグループで培ってきた研究成果を盛り込んだ商品であれば、高価格帯市場は技術的にも参入できそうな環境だと判断しました。さらにこの市場は、他のブランドで参入していない点も鍵となりました。高価格帯市場のなかでも、私たちが狙うのは高効果・高機能マーケットです。

    ファンケルグループのネオエフがレステージブランドで狙うターゲット
    プレステージブランドで狙うターゲット

    自社ECサイトを通じて2アイテムを発売

    ネオエフは10月1日、「ブランシック」の最初の商品を発売した。洗顔料(200グラム、税込5,060円)と、2剤型の美容液(10日分×3、税込1万8,150円)の2アイテム。販路は「ecforce」を使って立ち上げた自社ECサイトで、定期購入を中心とする。

    ネオエフのサービス・システムデザイナーの長谷川周作氏
    ネオエフのサービス・システムデザイナーの長谷川周作氏

    吉田:洗顔料と美容液の2アイテムに絞った理由は何でしょうか?

    長谷川:「BRANCHIC」は肌感覚を高め、美肌に導くという新しいアプローチに基づくブランドです。そのためには美容液を核として、肌の土台を整え、美容液の効果を高めるアイテムとして洗顔料もラインナップに加えることにしました。洗顔料で土台を整えていただいた肌に美容液を使用していただき、その後は普段お使いの化粧水や乳液でケアをしていただきます。いつものスキンケアにこの2ステップを追加していただくイメージになりますね。

    ファンケルグループのネオエフが展開するプレステージブランド「BRANCHIC(ブランシック)」 洗顔料の「スイッチマキシマイザー」
    洗顔料の「スイッチマキシマイザー」

    吉田:商品特性として、どういったところがポイントでしょうか?

    長谷川:美容液は、フレッシュな状態で使っていただけるように1剤のパウダーと2剤のエッセンスを混ぜてから使用いただきます。溶かしてから効果発揮するよう工夫した-40℃凍結乾燥VC(APPS+)という成分を1剤に配合、2剤のエッセンスには「デカペプチド」という成分を入れることで外的ダメージから肌を守りながらバリアを高め、肌コンディションを正常化させるようにしています。

    泡立たないジェル状の洗顔料は、フレッシュハーブの香りがリラックスしながら、じんわりと温かくなることで肌をほぐします。加えて、蜂蜜のような濃密なゲルが毛穴の汚れまで絡め取り、洗い流しが非常に速いという点も特徴です。

    ファンケルグループのネオエフが展開するプレステージブランド「BRANCHIC(ブランシック)」美容液の「スイッチショット」
    美容液の「スイッチショット」

    吉田:私も使っているのですが、洗顔料はとても香りがよく、肌に当てると温かくて気持ちいいですね。一般的な泡立てる洗顔料とは異なり、マッサージを受けているような感覚です。「ブランシック」のECサイトでは、マッサージ方法を「冴え顔タッチメソッド」として動画で紹介していますね。

    長谷川:はい。より効果的にお使いいただくための「冴え顔タッチメソッド」を開発しました。公式Instagramを中心に「冴え顔サロン」を提供し、各界の「スペシャリスト」と一緒に“心の感度”を高めるヒントを発信しています

    「ブランシック」が手がけるプロモーションと販売チャネル
    「ブランシック」が手がけるプロモーションと販売チャネル

    吉田:この「ブランシック」の中心ターゲットはどのあたりの層でしょうか?

    長谷川30代のキャリア女性です。美容に投資もして、ちゃんとお手入れをしているのに、肌の調子が悪いときがある。肌の調子が悪いと、1日の気分や自信が揺らいでしまう。そんな何事にも全力投球な女性たちが、「肌」のコンディションによって自身が揺らぐことなく、毎日を気持ちよく、前向きに過ごせるように何かしたい。そんな思いで開発をスタートさせた背景があります。

    吉田:販売チャンネルは自社ECサイトのみでしょうか?

    長谷川:まずは自社ECのみです。プレステージブランドの並ぶ百貨店への出店なども検討していましたが、昨今の状況を考えると、おのずと自社ECに落ち着きました。

    吉田:ゆくゆくは百貨店などの出店も検討していますか?

    長谷川:そうですね。やるとすればまずはポップアップショップでしょうか。あとは越境ECなど海外に向けたチャレンジも進めていければと思っています

    「ブランシック」のECサイト
    「ブランシック」のECサイト

    「ecforce」の存在を知った翌日には上長に報告

    ECサイトの立ち上げ時、システムベンダーの選定には苦労したという。親会社のファンケルはフルスクラッチの独自システムで通販業務を運用している。物流やコールセンター機能の一部はファンケルのリソースを活用しつつ、新ブランドのビジネスモデルや昨今の消費行動に適応できる独自のシステム構築も必要だった。こうした難題に応えることができるシステムはあるのか? システム選定時に出会ったのが、500ショップ以上が導入しているECカートシステム「ecforce」の開発・販売を手がけるSUPER STUDIOだった。

    吉田:自社ECサイトをゼロから立ち上げるにあたり、大変だった点はどんなことですか?

    長谷川:親会社のファンケルでは独自に組み上げたフルスクラッチの通販システムを軸に、それにひも付いたさまざまなシステムが動いています。この環境下で動く別のECサイトを立ち上げると高額な投資が必要になるため、別のシステムを採用する方針となりました

    また、サービスレベルの観点からも物流やカスタマーサポート(CS)はファンケルグループのリソースを可能な限り活用したいと考えながらも、まっさらな状態からECサイトを立ち上げるにはどうしたらいいかまったくわからない……という状況からのスタートでした。

    ネオエフのサービス・システムデザイナーの長谷川周作氏
    さまざまな制約があるなか、最適なECシステムを探していたという

    吉田:ネオエフさんからお話をいただいた際、倉庫やコンタクトセンターはファンケルさんの既存リソースを使いながら、カートシステムは別で導入するというご要望でした。SUPER STUDIOにご相談いただいたきっかけは、セミナーだったとお聞きしています。

    長谷川:そうです。たまたま参加したセミナーでSUPER STUDIOさんの講演を聴くことができました。そのセミナーで「ecforce」の存在、他社のリプレイスの経験も豊富だということを知り、相談してみる価値があるのではと感じました。翌日には上長に報告、その後、吉田さんとの商談に至るという流れです。

    どうしたらいいかまったくわからない状況から、半年間という短期間でのローンチに向けて、SUPER STUDIOさんは一緒に伴走してくださいました。吉田さんにも無理なお願いを聞いていただいて本当に感謝しかありません。

    吉田:それほど無理難題を言われたということはありませんでした(笑)

    長谷川:今、使っているブランドのメインビジュアルもSUPER STUDIOさんに紹介していただいたデザイン会社と一緒に制作したものです。関係者一同、出来上がりに非常に満足しています。

    全導入ショップの平均年商は2億円以上、「ecforce」へ移行したショップ3社の1年経過時点のデータCVRは380%アップ、事業撤退を除いた継続率は99%以上、「ecforce」へ移行したショップ10社の移行前後6か月で成長率は265%。「BARTH」「ゴーフード」など有名ショップも利用する
    全導入ショップの平均年商は2億円以上、「ecforce」へ移行したショップ3社の1年経過時点のデータCVRは380%アップ、事業撤退を除いた継続率は99%以上、「ecforce」へ移行したショップ10社の移行前後6か月で成長率は265%。「BARTH」「ゴーフード」など有名ショップも利用する

    「ecforce」は数あるカートのなかでもレベルが高い

    ネオエフが「ブランシック」のECサイトにシステムを導入する上で、「定期購入」「セキュリティ基準」といったいくつかの条件があった。それをクリアしたECシステムが「ecforce」だった。導入してみた結果、機能面や保守面、サポート体制などとても満足しているとのこと。一方、「ecforce」を提供するSUPER STUDIO側もネオエフの柔軟な対応には助かったという。

    吉田:「ecforce」を導入検討した際のシステム選定の条件を教えてください。

    長谷川他社での導入実績があるというのはもちろんです。加えて、主軸となる定期販売モデルに対応できるシステムかは重点的に確認をしていましたDtoCのビジネスモデルなので、各広告媒体との親和性も考慮しました

    あと、「ecforce」の選定にあたっては、個人情報の管理について何度もやり取りをさせていただきましたファンケルグループが求めるセキュリティレベルに達しているのかチェックを実施、それに達していることを確認しました

    「ecforce」には定期購入、パーソナライズ機能、セット販売機能などさまざまな機能を標準搭載している
    「ecforce」には定期購入、パーソナライズ機能、セット販売機能などさまざまな機能を標準搭載している

    吉田:いろいろなオプションも使っていただいています。機能面で実際に使ってみて便利だと感じたものはありますか?

    長谷川成果が出ているのは、「ecforce」のWeb接客を自動化するチャットボット「talkmation(トークメーション)」です。ローンチのタイミングでしっかりしたものが実装できたので非常によかったと思います。現在マイページ上に設置していますが、窓口への入電件数は想定よりも少ない状態が続いています

    「talkmation」は、顧客の問い合わせをチャットボットが受け付け、適切な応対を自動で行う
    「talkmation」は、顧客の問い合わせをチャットボットが受け付け、適切な応対を自動で行う

    吉田:ネオエフさんの場合、ファンケルで電話対応のトークスクリプトがしっかりと確立されているので、チャットボットの作成も比較的やりやすかったですね。

    SUPER STUDIO のAccount Execution Group General Manager 吉田光氏

    吉田:ファンケルグループとして、今回の「ecforce」のように他社のシステムを使うのはレアケースと聞いています。外部のシステムを導入するにあたり、他社のカートシステムと比較検討し、「ecforce」を選んだと思います。機能面以外で実際に運用してみてよかった点があれば教えてください。

    長谷川「ecforce」は数あるカートシステムのなかでも、やりたいことが実現できる機能が充実していると感じています。加えて機能面だけでなく、保守面も整っています。システム的なトラブルも少ない印象です。

    新たにECサイトを立ち上げる際、何をすべきかが正直わからない状態からのスタートになることが多いと思います。特にサポート面では、ローンチまでの支援も手厚く、私たちはそのサポートを最大限に活用し、幸い大きな問題なくローンチを迎えることができました。やっぱりプロの目でチェックが入るのは、大きいと思います。

    また、メールなどでやり取りするサポートの皆さんを含めて、非常に指示や回答が的確で人柄のよさを感じました。コロナ禍で、対面でのやり取りがなかなかできない状況での作業でしたが、オンラインでのやり取りも非常にスムーズにできました。

    吉田:たとえばファンケルさんの倉庫を使うとなった時に、WMSを入れたほうがいいですよと提案しました。ファンケルさんクラスの大手だと検討に時間がかかるケースが多いですが、すんなり受け入れてくださって助かりました。

    このほかにも、「予算を抑えるためにデザインテンプレートを使って、その分を物撮りやキービジュアルにお金を使いましょう」といった提案にも柔軟に対応いただきました。

    当社としては一緒に並走して立ち上げさせていただいたという感覚でしたが、大企業の意思決定のスピードではない印象を受けました

    長谷川:そこは、従業員3人の少人精鋭の体制で回しているというのが大きいかもしれません。ECサイト構築だけではなく、ローンチまでの準備は多岐にわたりますので、悩むよりやってみる、何か問題が起こったら都度考えるという方針で信頼できるパートナーからの提案は柔軟に取り入れていこうという方針でした。いつもSUPER STUDIOさんにご相談すると、よい提案をくださって本当に感謝しています。

    「ecforce」のCM

    今後は使い切れていない機能の活用も

    会社の立ち上げからブランドのECサイトのローンチまで、短期間で取り組んできたネオエフ。今後についてはいくつか販促施策を強化していきたいという。「ecforce」の数ある機能のうち使い切れていないものもあり、そうした機能の活用も視野に入れる。

    吉田:まだローンチして間もないですが、「今後こういうことをやっていきたい」などはありますか?

    長谷川:今までは立ち上げることに労力を使ってきましたが、今後はオファーやアップセルといった施策をしっかりやっていかないといけないと思っています。

    「ecforce」のWeb接客自動化サービス「talkmation」も、今はマイページのみに導線を置いていますが、これをほかの場所にも設置していきたいです。

    「ecforce」が持っている機能で「サンクスオファー」やランディングページの一部機能など使い切れていないものもあるので、もう少しうまく活用していきたいですね。

    商品の見せ方として、今は洗顔料が前面に出ている状況なので、今後は美容液のよさ、洗顔料と美容液の両方を使うメリットなども訴求していきたいと考えています。

    吉田:データが溜まってきた段階で、次にどういう施策が打てるのか、外部ツールと連携ができるかなど、さまざまな角度からサポートし、利益拡大に貢献していきます。

    長谷川:こちらこそ、よろしくお願いいたします。

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