AI時代、マーケティング業務は内製か外注か? 「完全内製化」を望むのはわずか1割【メンバーズ調べ】

戦略企画は内製、実行運用は外注が主流。外部連携で課題となるのは?

今井扶美(Web担編集部)

9月15日 6:15

メンバーズは、「マーケティング業務と組織に関する調査」を実施した。大手企業でマーケティングに関与する課長職以上の303人を対象に、業務の内製化やAI活用方針について聞いている。

生成AIに期待するのは「業務効率化」と「ノウハウや知識の蓄積」

生成AI活用で重視する方針

まず、生成AIを活用したマーケティング組織の運営において重視すべき方針を聞くと、「AIを活用した業務の効率化」が64.7%で最多だった。次いで「ノウハウや知識の形式知化・蓄積」が51.2%となった。

以下、「AIや委託を組み合わせた体制のスリム化」が37.3%、「より上流の業務への人材シフト」が32.0%、「AIリスクを防ぐガバナンスや品質管理」が31.0%と続いており、業務効率化だけでなく、知識の蓄積や組織体制の見直しなど、幅広い観点が重視されていることがわかった。

過半数が「内製主導」、Web広告やサイト制作では外部を活用

マーケティング業務の体制に関する現状

また、現在のマーケティング体制について聞くと、「自社社員中心(内製主導)」が50.5%で最多となった。「上流内製・下流外注(機能分担)」の28.7%と合わせると、内製を取り入れている企業は79.2%にのぼった。

マーケティング業務単位ごとの内製率

各業務を自社中心で担う割合をみると、上流の「戦略企画系」は平均68.5%だったのに対し、下流の「実行運用系」は平均35.8%にとどまった。

個別項目では、「ビジネスゴールの定義・課題仮説の設定」の内製率が82.5%で最も高かった。以下、「実行計画の策定」が78.5%、「製品・価格・販売チャネルの企画設計」が76.2%と続いている。

一方、「Web広告運用・SEO対策」は16.2%、「Webサイト・オウンドメディア制作・改善」は17.8%、「クリエイティブ制作」は20.5%と低い水準だった。企画・設計などの上流工程は自社で担い、施策の実行に近い領域では外部パートナーを活用する傾向がみられる。

完全内製化を望む人は1割、外注時のノウハウ蓄積には課題

理想のマーケティング体制

続いて、マーケティング業務における理想の体制を聞くと、「全業務を内製で完結させたい」と答えた人は10.9%にとどまった。一方、「理想の体制でも何らかの形で外部の力を活用したい」と考える人は88.8%にのぼった。

外注時の状況(領域別)

外注している領域ごとに、当てはまる状況を聞くと、「データ・テクノロジー基盤」では「成果物の品質が安定している」が31.5%で、他領域と比べて高い傾向だった。一方、「業務の流れ(プロセス)を把握している」「自社にノウハウを蓄積している」「特定のベンダーに依存せず切り替えも検討できる」は相対的に低く、ナレッジの蓄積やプロセスの把握に課題がみられることが明らかになった。

これに対し、「戦略・プランニング」においては「自社にノウハウを蓄積している」が50.3%と高く、「施策の実行・運用」では「業務の流れ(プロセス)を把握している」が43.5%にのぼった。

調査概要

  • 【調査対象】従業員数1,000人以上の企業に勤務し、マーケティング業務(市場調査・商品企画・広告宣伝・販売促進・デジタルマーケティング・CX改善・顧客データ活用・マーケティング戦略立案など)に関与する課長職以上の役職者
  • 【有効回答数】303人
  • 【調査期間】2026年7月6日~7月9日
  • 【調査方法】インターネットパネルを用いたWebアンケート調査

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