広告への苦情が過去最多の12.5万件! ネット広告の「表現」の苦情が2.4倍に【JARO調べ】

「気持ち悪い・怖い・性的」広告への苦情が急増! 点滅や誤タップ誘導、ステマへの指摘も。

今井扶美(Web担編集部)

6:00

日本広告審査機構(JARO)は、2025年度の苦情受付状況に関する調査を発表した。

2025年度の広告への苦情は1万2,589件、前年比約1.5倍で過去最多


年度別 苦情件数推移

2025年度の苦情件数は1万2,589件で、前年度の8,450件から49.0%増加した。これまで最多だったコロナ禍の2020年度(1万1,560件)を上回り、過去最多となっている。苦情が増加した主な要因は、インターネット広告を中心に、「気持ち悪い」「怖い」「性的」といった表現への苦情が急増したことだという。


広告表現への苦情 月別件数(2025年度)

広告表現への苦情を月別にみると、2025年6月から増加し、7~8月にはそれぞれ1,000件近くに達した。その後は減少に転じ、10月以降は月400件前後で推移している。


相談件数内訳

称賛や照会などを含む総受付件数は1万4,723件で、前年度の1万796件から36.4%増加した。内訳は「苦情」が最も多く、「照会」が1,447件、「広告以外」が496件、「称賛」が107件、「JARO関連」が84件となっている。

インターネットの苦情件数が約1.7倍、初めて全体の6割を超える


「苦情」の上位10業種

苦情を業種別にみると、「電子書籍・ビデオ・音楽配信」が1,171件で最も多く、前年度の406件から約2.9倍に増加した。そのうち909件が、性的な表現への苦情だった。

次いで「医薬部外品」が1,076件、「オンラインゲーム」が718件、「医院・病院」が519件、「医薬品」が400件と続いた。医薬部外品では、腸や筋肉、内耳などを描いたイラストに対し、「気持ち悪い」「汚い」といった声が寄せられている。

増加率が最も高かったのは「クレジットカード」で、前年度の45件から372件へ増加し、前年度比826.7%となった。テレビCMの回転する映像表現に対し、気分が悪くなるといった苦情が297件寄せられたという。


苦情の上位10媒体/上位2媒体の苦情件数推移

媒体別では、「インターネット」が7,664件で最も多く、前年度の4,327件から77.1%増加した。苦情全体に占める割合は、初めて6割を超えたという。2位の「テレビ」は3,949件で、前年度比23.2%増だった。

インターネットへの苦情は、2020年度にテレビを上回って以降も高水準で推移し、2025年度に大幅に増加した。一方、テレビへの苦情は、近年おおむね3,000~4,000件台で推移している。

「表現」への苦情が1.8倍、インターネット広告では2.4倍に増加


苦情の内容別件数

苦情内容を「表示」「表現」「手法」に分けてみると、「表現」が6,749件で最も多く、前年度の3,665件から84.1%増加した。「表示」は4,813件で、前年度比15.8%増だった。また、広告の頻度や点滅、掲載方法などに関する「手法」は1,027件で、前年度から63.8%増加した。

「手法」に関する主な苦情は、以下のように大別される。

  1. 量・大きさ・頻度・点滅・動き
  2. 非表示設定の不備
  3. 誤認・誤誘導
  4. 視聴・閲覧妨害
  5. ステマ、「広告」表示の不備

内容別の苦情件数推移/上位2媒体の「表現」「手法」苦情件数

内容別の推移をみると、近年は「表示」が「表現」を上回っていたが、2025年度は「表現」が急増し、順位が逆転した。「表現」への苦情を媒体別にみると、インターネットは3,623件で、前年度の1,502件から2.4倍に増加。テレビも2,851件で、前年度比43.6%増となった。

「手法」への苦情では、インターネットが405件から809件へほぼ倍増した一方、テレビは176件から171件へ減少した。インターネット広告では、同じ広告が繰り返し表示される、閉じるボタンが押しにくい、誤タップを誘う、画面を覆って閲覧を妨げるといった苦情が寄せられた。


苦情申立者の内訳

苦情申立者を年代別にみると、すべての年代で前年度を上回った。特に30代は前年度の約2.1倍、20代は約1.7倍と大きく増加している。

男女別では、男性が6,854件で全体の54.4%、女性が5,706件で45.3%を占め、例年よりも女性の割合が高まった。また、性的な広告への苦情1,937件のうち、女性からの申し立ては1,470件で、75.9%を占めた。

人気記事トップ10

人気記事ランキングをもっと見る