買いだめや巣ごもり消費で「ホームセンター」「ECモール・通販」でのクレジット決済が増加【三井住友カード調べ】

「ディスカウントショップ」「家電量販店」「ドラッグストア」などは件数増・金額減の傾向。

三井住友カードと顧客時間は、「新型コロナウイルスの感染拡大がもたらす消費行動の変化」に関する調査結果を発表した。

2020年1月~4月15日の期間において、2月28日以降を「コロナ感染期」と定義。三井住友カードが保有するクレジットカード取引などのデータをもとに、キャッシュレス決済状況の全体・業種別・世代別推移を分析している。

本来なら3月は決済が活発化するが、今年は前年よりも利用件数・利用金額が減少

まずキャッシュレス決済の利用人数・利用件数・利用金額を、2019年1月~3月と2020年1月~3月について比較すると、キャッシュレス推進の影響などで、2020年は各月とも増加。1月は、利用人数114%・利用件数120%・利用金額111%と、前年を大きく上回った。この比率を「ベース増加率」と仮定し、この影響を排除して2月~3月を見ると、2月は利用人数101%・利用件数104%・利用金額99%、ほぼ前年から横ばいだったが、3月に入ると、利用人数95%・利用件数96%・利用金額83%と減少傾向が見られた。とくに利用金額が大きく下がっている。例年なら、新生活のための需要が活発になる時期だが、今年は例外となった。

業種で同様に比較すると、やはり3月はほとんどの業種が減少しているが、「ホームセンター」「スーパー」「ペット関連」「ECモール・通販」「通信サービス」「美容品」は、利用件数も利用金額も増加していた。背景には、「買いだめ」「巣ごもり消費」「テレワーク」といった生活の変化があると考えられる。

なお、決済件数の増加にかかわらず決済総額が減少していた業種は、「ディスカウントショップ」「家電量販店」「ドラッグストア」「家具・インテリア」「健康食品」の5つ。これについては“突発的に準備を要するものを、その都度購入していたため”と推測されている。

また、Google Trendsを使い「コロナ」を含む検索数を算出し、キャッシュレス決済件数と比較した。コロナ関連ワード検索数は、3月3週目以降増加している。キャッシュレス決済件数は土日祝日に山を描いていたが、検索数に比例するように決済もじょじょに増加。しかし4月に入ると、急降下して決済件数が減少している。

高年齢層の行動パターンが大きく変化、若い世代は「スポーツブランド」「玩具」が伸長

世代別で決済金額を見ると、1月は全世代でキャッシュレス行動が増加していた。3月は全世代で減少傾向となった。とくに70代は、1月は前年同期比122%との決済金額の増加を見せていたが、3月は72%にまで落ち込むなど、極端な行動パターンを見せている。

年代ごとに業種別の決済件数シェアを見ると、高年齢層(60・70代)は3月に入ると「ECモール・通販」の利用が急増しており、「スーパー」の増加幅を上回っている。決済金額は絞りつつ、外出を避けてECモール・通販を活用している高齢層の行動変化が推察される。

3月における決済金額伸長業種を見ると、20・30代では「スポーツブランド」が、高年齢層では「書籍・ビデオ・CD・楽器」「飲食小売」の伸長が目立つ。「スポーツブランド」の伸長は、テレワーク推奨によるアパレルへの影響と考えられる。なお4月に入ってからは、緊急事態宣言による外出自粛が打ち出されたことで、決済金額伸長業種のトップは「玩具・娯楽品」52.3%に変わった。

調査概要

  • 【調査対象】三井住友カードが保有するクレジットカード等による取引等に関する統計データ
  • 【調査方法】保有するキャッシュレスデータを、データ分析支援サービス「Custella(カステラ)」を用いて集計。
  • 【調査内容】2月28日以降を「コロナ感染期」と定義して、キャッシュレス決済状況の全体、業種別、世代別推移を分析。加盟店の業種区分は三井住友カードにて分類した51区分。
  • 【調査期間】2020年1月~4月15日
  • 【留意点】三井住友カードのデータのみを分析したものであるため、実態の傾向とは異なる可能性がある。
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