グーグル、自然文での質問の検索に対して検索結果で回答を直接表示する機能を日本でも実装
グーグルは、ウェブ検索エンジンにおいて、自然文での質問の検索クエリに対して、検索結果内でその質問への回答を直接表示する機能を、日本のgoogle.co.jpに追加したことを3月19日に発表した。
たとえば、これまでは「Googleの由来」という検索クエリに対して、検索結果ではそれに対応するWebページへのリンクが表示されていた。現在は、検索結果の最上部にはグーグルの由来を解説するWikipediaの文章がそのまま表示される。
この機能は海外で先行して実装されていたものを日本語にも対応させたもので、スマートフォン、タブレット、PCなどすべてのデバイスにおけるウェブ検索で利用できる。
グーグルは、特にモバイルでは、検索結果に表示された複数のページを1つずつ開いて確認していくという作業を行いにくいことや、音声検索において質問形式の検索が増えていることから、こうした機能で回答を提供できることで、ユーザーにより利便を提供できるとしている。
この機能で表示される内容の正確性の判断については、相当のしきい値を設定し、アルゴリズムによってかなり正確性が高いと判断した場合にのみ出すということだ。
グーグル検索の機能などには、たとえば「ハミングバード」といったコードネームが与えられることがあるが、この機能には特別な名称は付けていないという。
この機能に関してWeb担当者が知っておくべきこと
質問の回答を抽出する対象ページ(サイト)は、検索アルゴリズムと同様に、グーグルが「最も適切な回答である可能性が高い」と判断したものを選ぶとして、詳細は公開していない。
グーグルの徳生氏は「この機能は、基本的に検索と同様のもので、ウェブ上にあるコンテンツから、質問に答えているものを見つけている
」と説明している。
徳生氏に確認してみたところ、自然言語処理だけでなくリンクやオーソリティといった要素も考慮して判断しているが、ウェブ検索のアルゴリズムとまったく同じだというわけではないということだ。実際に、必ずしも、通常の検索結果で1位になっているページの内容が表示されるとは限らない。
検索結果で回答コンテンツを直接表示する同様の機能として、ナレッジグラフがある。ナレッジグラフは、グーグルが事実として認識しているもののデータベースから表示しているが、この機能はより幅広く、「検索に答えている」と判断されたウェブ上のページから抽出した内容を表示している(ナレッジグラフからこの内容が表示される場合もある)。
Web担当者側で、この機能に自サイトの内容を表示してほしくない場合、Web上でスニペットを出さないようにしたら、オプトアウトでき、表示されなくなる。通常のスニペットは表示するがこの機能からオプトアウトするという仕組みは、現時点では用意されていないが、今後ニーズに応じて判断していくとしている。
グーグルはハミングバードというコードネームで知られる、自然言語による検索を処理する仕組みを実装して強化してきている。その観点で言うと今回の機能は、「検索クエリの理解」だけでなく、「適切な回答の抽出」という点で改良されているという。
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