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Meta「パーソナライズ広告とプライバシー保護の両立可能」とアピール、利用者に広告のフィードバックを求める

Meta日本法人Facebook Japanは1月27日、「Meta Bookstore」のイベントでプライバシー保護の取り組みについて語った。

Meta日本法人Facebook Japanは1月27日〜29日、東京・代官山でプライバシー管理とパーソナライズ広告をテーマにしたポップアップイベント「Meta Bookstore(メタブックストア)」を開催した。

27日のオープニングイベントでは、同社の公共政策部長・小俣栄一郎氏が「FacebookやInstagram上で表示されるパーソナライズ広告の活用とプライバシーの保護は両立可能」とアピール。ゲストとのトークセッションを開催したほか、代官山 蔦屋書店が企画協力した「パーソナライズ広告のバーチャル体験」も提供した。

今回のイベントは、プライバシーの尊重とデータの保護への信頼を確保することをテーマに毎年1月28日に行われる国際的な取り組み「データプライバシーデー」に合わせて企画されたものだという。

会場となった代官山のT-SITE GARDEN GALLERY

本との出会いをパーソナライズ広告になぞらえたバーチャル体験

「Meta Bookstore」には、蔦屋書店のコンシェルジュがテーマに合わせて選んだ本がズラリと並ぶ。

「Meta Bookstore」の様子

訪問した人は、まず特設サイトにアクセスする。「アート」「クルマ」「スポーツ」など関心のあるテーマを選んだ後、ガイドに沿って「今年注目の一冊」「生き方のヒントになる一冊」などの条件を選んでいくと、今の気分に合った本が実際に手に取れる仕組みになっている。

※2023年末日まで公開中
特設サイトのガイドに従って、代官山 蔦屋書店の協力のもと厳選された本を選んでいく
アート分野から「生き方のヒントになる一冊」を選んだら、おすすめされた本

本を選び終わると、「興味がないトピックの広告は表示を減らそう」という文言とともに、FacebookInstagramの広告トピックの設定画面に誘導される。また「特定の広告が自分に表示される理由をチェックしよう」と表示され、FacebookInstagramのガイドラインのページが確認できるようになっている。

オープニングのプレゼンテーションに登壇した小俣氏は、今回のイベントの目的について、次のように語る:

Metaでは利用者の価値観に合わせて、特定のトピックに関する広告を非表示にしたり、より興味・関心があるコンテンツを配信したりできるよう投資と機能開発を続けている。利用者に知っていただいてこそ意味があるので、このようなイベント開催した。パーソナライズ広告の技術こそ、人々がプラットフォームで過ごす時間を有意義にすると確信している(小俣氏)

Metaの個人情報の活用とプライバシー保護の取り組み

Meta日本法人Facebook Japan 公共政策部長 小俣栄一郎氏

パーソナライズ広告を配信するにあたり、利用者が登録した情報のほか、次のようなエンゲージメント履歴も活用されていると明言した:

  • どのようなコンテンツをフォローしているか
  • 「いいね」しているか
  • コメントしているか

そのうえで小俣氏は「自分の個人情報がどのように使われるか、利用者が不安に思うのは当然」と理解を示す。では、利用者の安心・安全を守るためにMetaは今、どのような施策を進めているのだろうか。

プライバシー強化技術「PETs」の活用

小俣氏は「最先端の暗号学、高度な統計学を融合させたプライバシー強化技術『PETs(Privacy-Enhancing Technologies)』を活用し、プライバシー保護を強化している。これは個人の特定を回避しながらパーソナライズするという、一見矛盾するようなことを可能にする技術」と紹介した。

このPETsについては、英国個人情報保護監督機関(ICO)が2022年9月、ドイツで開催されたG7データ保護・プライバシー機関ラウンドテーブル会合に先立って、ガイダンス案を発表。各国に対しフィードバックを求めた経緯がある。

ICOのガイダンス案では、PETsを「使用するデータ量を最小限に抑えたり、個人情報を暗号化または匿名化したりすることなどにより、組織が人々のデータ管理を責任持って合法的かつ安全に共有・活用するのに役立つテクノロジー」であり、「活用はまだ初期段階」と定義していた。その後の会合でG7は、PETsをプライバシー強化技術として推進し、研究開発に投資する方針で国際合意した(原文日本語訳)。

Metaでもこれに協調し、業界をあげて推進する姿勢であることを明らかにした。

10代も安心して利用できる仕組みに

2022年5月、Metaは「プライバシーポリシー」を大きく改定した。

デザインも一新するとともに、中高生でもわかるように平易な言葉で、具体例を動画でも伝えている(小俣氏)

実際のページを確認するとたしかに、どのような情報をどう扱っているのか解説した動画コンテンツが豊富に用意されている。

Facebookのプライバシーセンターの画面(2023年1月27日現在)

Instagramの「安全」ページでは、本人向けの動画解説以外にも、保護者向けガイドや、ペアレンタルコントロールツールについて学んで設定できるファミリーセンターなどの案内もあった。

なかでも小俣氏のプレゼンで印象的だったのは、10代の利用者を対象にしたプライバシー保護方針の転換だ。

Instagramは、成熟していない未成年の利用者にも人気。そこで広告主が利用できるパラメータとして『10代利用者の興味・関心』を削除することを決意した。性別のパラメータもゆくゆくは削除する。我々が預かっている情報は、すべて自由に使っていいという許可を利用者から得ているとは考えていない(小俣氏)

パーソナル情報の管理は“タイパ”改善につながる?

トークセッションでは、Z世代の視点を活かして約150社のSNSマーケティングを支援している株式会社FinTの大槻祐依氏と、情報リテラシー教育を専門とする成蹊大学の高橋暁子客員教授が登壇。小俣氏と「プライバシーを管理しながら賢くSNSを使う方法」について語り合った。

(左から)小俣氏、成蹊大学 客員教授 高橋暁子氏、株式会社FinT 代表取締役CEO 大槻祐依氏

高橋氏は「全世界的にプライバシー保護の規制が厳しくなっている。その中で日本の企業に求められるのは、利用者が『漠然とした不安』を感じていることを前提に、プライバシー利用方針をわかりやすく発信すること。その点でMetaの広告はプライバシー配慮型。広告配信によって『いいな』『それ欲しかった!』を体感させるバランスが保たれていると思う」と評価。

利用者側には「中途半端に怖がって個人情報を閉じすぎると、興味のない広告ばかり出て、SNSが不愉快で楽しくなくなる。これからは攻めと守りのバランスが重要。積極的に仕組みを知って設定欄をセットアップし、興味あることを自分から得ていくと良い。広告は『配信される』より『配信させる』ものにすべき」と提言した。

大槻氏は「デジタルネイティブのZ世代は、パーソナル情報の公開範囲には気をつけつつ、警戒するものではないという意識。むしろ『オープンにしたほうが楽しめるのでは?』とポジティブに捉えている面もある。実際にインフルエンサーの発信やストーリー広告も積極的にフォローや『いいね』して、自分の関心に合わせ、購入していく流れもできている。ルールが変わったら慣れるのも早い世代である」と解説する。

小俣氏は「最近チェスを始めたので、それについて調べていると、子ども向けチェス大会の情報などが出るようになった。興味を示せばAIが最適な情報を提案してくれる。これこそソーシャルメディアの力だと感じる。若い世代には“タイパ(タイムパフォーマンス=時間対効果)”という言葉が浸透している。パーソナル情報の管理をすることは、無駄な時間を使わず、興味関心のある情報につながるまでのタイパ改善につながるのでは」と結んだ。

Metaでは今後、若年クリエイターを活用したリテラシー教育の取り組みや、利用者同士で学び合う機会を拡大したいという。また、Web担当者同士でアドバイスを行うGoogleのProduct Expertのような仕組みも、小俣氏は「検討したい」と答えた。

フィードバックで、我々を鍛えてほしい

小俣氏は、利用者に向けて次のように話す:

広告やコンテンツが『不適切』『危険』『ふさわしくない』などと思った場合は、非表示や報告をお願いしたい。利用者の方々からシグナルを得ることによって、より良いコンテンツ配信ができる。ぜひフィードバックによって、我々を鍛えていただきたい(小俣氏)

「透明性への担保」「個人情報保護方針のわかりやすい周知」についてのMeta側の努力の現状とともに、利用者側にも「リテラシー向上」「定期的なプライバシー設定の見直し」「通報・フィードバック」など、プラットフォーム任せにしない姿勢を求めていることが伝わるポップアップイベントだった。

Metaのプライバシー保護についてメディアの関心も高いようだ
※Web担編注 後日、小俣氏のインタビュー記事を掲載予定。「10代の興味・関心パラメータを外した背景」「出稿される広告の事前チェック」などについても掘り下げていく。
用語集
Facebook / Instagram / SNS / インフルエンサー / セッション / ソーシャルメディア / フィード / 訪問
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