この記事は、マルケトが2018年に発行予定の書籍『ENGAGE TO WIN』のダイジェスト版をWeb担で編集を加えて特別にオンラインで公開しているものです。

『ENGAGE TO WIN』エンゲージメント・エコノミー時代を勝ち抜くには by Marketo(全8回)

「熱狂的なファン」が「売上UP」につながるってホント? 上司も納得の7つの理由で解説

企業にとって熱狂的なファンを増やすことは、会社の売り上げや利益につながります。どんなものがあるのか7つ紹介します(第5回)。

エンゲージメントによってマーケティングへの投資利益率が高くなる7つの理由

「ブランドアドボケーター(企業の熱狂的なファン)」や「エンゲージメント」などの言葉は、つかみどころがないように聞こえるかもしれません。このような新しいマーケティング方法では、企業にもたらされる利益が見えずらいこともあります。

しかし、それは誤解です。

エンゲージメントを重視したマーケティングへと移行することで、金銭的な利益が得られるのです。その利点を7つピックアップしたので、順に見ていきましょう。

#1 より多くの顧客と、より早くつながれる

誰かがあなたと一緒にビジネスをするのには、何か理由があります。もっと重要なことは、その人があなたと一緒にビジネスをしたいと思っているということです(そして、自分の友人にも、あなたと一緒にビジネスをしてもらいたいと思っています)。

なぜなら、あなたはその人とつながりを作ったからです(マーケティングをしたり、売り込んだりしたからではありません)。

#2 競争相手の一歩先を行ける

あなたの会社が顧客とのエンゲージメントを高めることで、競争相手はエンゲージメントを持つ機会を逸します。

たとえば、顧客があなたの会社に使ったお金と同額かそれ以上を、競合相手に使うことはそう多くはありません。つまり、競争相手よりもいっそう優位に立てるということです。

#3 顧客との関係が長く続く

新規顧客を獲得しようとするときは、必ず費用がかかるものです。既存の顧客を大切にすれば、そして、私たちが話題にしているエンゲージメントのプロセスを通じて、絆を深めることに力を入れれば、顧客が離れていく理由は少なくなります。

#4 強固な関係性を築き、競争相手を入り込ませない

一緒にビジネスをしている人に心を配り、感情的なつながりがしっかりできているなら、競争相手がそこに入り込むことは難しいでしょう。

#5 顧客により多く買わせることが容易になる

これは第4のポイントと表裏一体の関係にあります。すでに良好な関係を築き、価値を共有している相手には、さらに製品やサービスを売りやすいというのが、マーケティングの基本です。このことは、エンゲージメント・エコノミーの時代になっても変わっていないし、これからも変わらないでしょう。

#6 より高い利益を上げられる

顧客を喜ばすことができれば、顧客はあなたからの提案を喜んで受け入れてくれるでしょう。もちろん、顧客にごまかしは通用しません。

しかし顧客は価格に対して、やや鈍感になります。私もそうですが、ほとんどの人が、支払った金額に見合ったものを手に入れたと思っています。

#7 製品のすばらしさを伝える「ブランドアドボケーター」ができる

エンゲージメントとは、顧客の好循環を生み出す燃料のようなものです。新しい顧客が長く続く顧客になり、次はブランドアドボケーターになって、新しいユーザーに対して、製品やサービスを買うように影響を与えます。新しいユーザーは、また新しい顧客になり、長く続く顧客になるという、好循環が回り続けるのです。

第7のポイントについて、いくつか質問をします。質問に答えられなかったら、すぐにエンゲージメントを高める行動を起こしてください。今すぐに!

  • 何人のブランドアドボケーターとつながっていますか?
  • それはどんな人ですか?
  • どこに住んでいますか?
  • その人を駆り立てているものは何ですか?

ここまでに学んだこと

この7つからわかるとおり、エンゲージメントに基づいたマーケティングをしていれば、効果のない無駄な投資をしなくともよくなるのです。誰にでもわかる例を挙げましょう。

事例:ROIがないどころか、顧客にそっぽ向かれるようなマーケティングをした食料雑貨店

たとえば、食料雑貨店の話です。この食料雑貨店がマーケティングにかける予算の約60%は「新聞のチラシ」と「個人宅に直接届くダイレクトメール」の2つに主に使われています。これら2つの内容はともにクーポンです。

さて、ここで「それでROI(投資利益率)はどのくらいになるのか」と自問しなければなりません。残念ながら、実際のROIはないに等しいでしょう。他の食料雑貨店でも、同じようなクーポンを送っているので、「クーポンを送る」ことが差別化につながっているとは言いがたいでしょう。

つまり、マーケティング予算の60%は無駄遣いされているというわけです。

しかしこの無駄使いは、問題の半分に過ぎません。もう半分は、マーケティングのやり方を間違えると、買い手が離れていってしまうということです。それは、マーケティングが相手に届かないのではなく、絶対に関わりたくないと思わせるようなマーケティングをしているからなのです。

実際、世の中には、これを理解していないマーケターが大勢いるのです。

事例:「購読停止」リンク忘れが、キャンペーン失敗につながったテクノロジー企業

また、別の例を紹介しましょう。

あるテクノロジー企業が世の中に役立つ優れた製品を開発し、その製品を紹介するデジタル広告を制作し、35万人の見込み客に送信しました。広告には何の問題もありませんでした。また、ターゲット設定も適切でした。

実際、この広告を見た多くの人が製品の問い合わせや注文をしたのです。

ところが、どうしたことか、この会社は広告の一番下に「購読停止」のリンクを設定し忘れたのです。このことが大規模なクレームにつながってしまったのです。1万人以上が「退会できない」と腹を立て、激しい口調で苦情を寄せてきました。

キャンペーンには膨大な費用が使われ、何百万人が感銘を受けたことは事実です。しかし、同社のCMOは、「私たちが行ったことが、企業に悪影響を与えてしまった」と結論付けるほかなかったでしょう。

これこそが今の時代なのです。残念ながら、多くのマーケターがこのことを理解していません

それどころか、顧客のメールアドレスを入手し、購入経験があるとわかれば、顧客になったと思い込み、必要ないメールや、広告、宣伝を、一生送り続けてもかまわないと思い込んでいます。特に制限がない自由な状況下では、誘惑に逆らうことは難しいものです。

しかし実際には、決していい状況ではありません。むしろ大きな犠牲を払うことになります。顧客や見込み客が必要としていないメッセージを送信するのには、当然ながらスタッフが使われています。つまり、コストが発生しています。

それにもかかわらず、それを受け取った顧客は、ますますあなたの製品を買う気がなくなってくるのです。

そんなはずはないと思うでしょうが、これは事実です。

次回は、失敗から見る成功者のマーケティング戦略「ほかに道はない」を解説します。

マルケトが2018年に発行予定の書籍『ENGAGE TO WIN』のダイジェスト版

マルケトについて

2006年に米国カリフォルニアで創業したマルケトは、あらゆる規模、業種の企業に向けて、デジタルからアナログまで、適切なタイミングで適切なメッセージをそれぞれに合ったチャネルを通して届けるマーケティングプラットフォームを提供します。業界唯一のマーケティング専業ベンダーとしてイノベーターであり続け、その柔軟性、信頼性、開放性によって世界中のCMOから信頼をいただいています。マルケトは世界中に拠点を構え、グローバルに展開する大企業から中小企業まで、業種・業態、BtoB・BtoCにかかわらず、さまざまな企業の成長をサポートしています。

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