Web解析のためのKPI大全

精算完了率

精算完了率

ECサイトにとって、精算完了率は最も重要なKPIの1つである。

  • 定義

    カート完了率と同様、

    {オーダー総数}÷{精算プロセスに入った訪問回数}={精算完了率}

    繰り返すが、多くの解析ツールでこの指標は自動計算される。アクセス解析ツールもしくはショッピングシステムの機能を確認しよう。

  • 表現形式

    カート開始率の項を参照。

  • 想定される結果

    精算完了率は、あなたのサイトの精算プロセスがどの程度わかりやすく、自然な設計になっているかを直に反映する。多くの議論がなされることではあるが、基本的には精算に必要なページ数は少ないほどよい。「店舗での受け取り」のような特殊なケースや、複雑な送料の選択肢がある場合を除いて、精算プロセスでは本当に必要な情報を聞くだけにして、できる限り簡素化するべきである。

    それから、精算プロセスに移る前に、サイトの会員登録をさせたいという欲求とは闘わなければならない。このことは“Web Analytics Demystified”の第6章、p.74~p.75でも少し述べたが、多くのユーザーは、購入前に会員登録をさせられるのを嫌う。著名なECサイトが、この敷居を取り払ったところ、注文と購入者のコンバージョン率が(精算完了率と連動して)上昇したことに驚いていた。私の書を読んでいれば、そんなことでは驚かないだろうに。

  • 行動

    精算完了率の値に満足できない場合、まず、まだ会員登録を要求しているならば、それを即刻やめること。これにはいろいろな理由があるが、ともかく会員登録の要求をやめるか、あるいは単純に精算プロセスの「最後に」持ってくるだけでも、精算完了率は上昇するだろう。どうしても会員登録フローを外せないとか、私の言うことが信用できないというなら、精算プロセスをじっくり見て、以下のことに従ってほしい。

    • 精算プロセスを研究する人の多くが、「プロセスは少ないほどいい」と言う。

      それぞれの項目(送付先住所、請求先住所、送料情報、特別なオプション、確認など)を細かく聞いていくことは、美しく正しいことのように見えてしまうが、それらをうまく編集し、圧縮することで、精算プロセスは2,3ページの節約ができ、その分、途中でやめてしまう機会も少なくなる。

    • 可能なら、クライアントサイドのフォームバリデーションを行う。

      フィールドの記入漏れのせいで、同じフォームを何度も何度も見なければならないことほど、ストレスのたまることはない。できる限り、フォームを送信する「前に」チェックするようにしよう。

    • 記入必須項目がはっきりと示されていることを確認する。

      あるいは、本当に必須な項目だけを聞くようにする。ユーザーとの関係構築に長けているなら、重要な初回購入のタイミングを避け、後からユーザーに関する情報を集めることができる。どのフィールドに入力すべきか、どのフィールドを入力しなくてもエラーが出ないかをはっきりさせて、精算を中断してしまうリスクを低く抑えよう。

    • できるだけ早い段階で、送料計算ができるようにする。

      精算ボタンを押さない限り送料が計算されず、その結果を見て結局去ってしまうのなら、始めから送料がわかっていたほうがましである(図11)。逆に、送料を簡単にわからないようにし、プロセスの最後の最後まで出さないことで、ユーザーが勢いで精算を最後まで終わらせてしまうことを期待できるかもしれない。

    図11 送料がわかりやすい、Backcountry.comのショッピングカート
    図11 送料がわかりやすい、Backcountry.comのショッピングカート

    最適な精算プロセスの例として、BackCountry.comを挙げたい。プロセスは5つ、それぞれが現在のベストプラクティスである。アドレスは、www.backcountry.com

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