3000万ユーザーの巨大ポータルサイト「au one」の内製化を支える大規模CMSとは

運営の内製化にともない、CMSを乗り換えたau oneポータルサイトのCMS導入の目的を伺った
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3000万人ものユーザーを抱えるKDDIのポータルサイト「au one」では、サイト運営の内製化を進めるためにCMSの乗り換えを検討した。大規模ポータルサイトとして、安定したシステムも求められるなか、どのような視点でCMSの導入を進めたのか。au oneを中心にメディアプロデュース事業などを展開するmedibaと、CMS選定やシステム構築を担当したTISに話を伺った。

CMS導入の目的

運営側
  • 現場レベルで更新できる編集機能
  • カスタマイズの柔軟性
  • ケータイサイト対応
システム側
  • 外部システムとの連携
  • スムーズな開発環境
  • 通信キャリアクラスの信頼性

3000万人のユーザーを有する巨大ポータルサイト

株式会社mediba
システム部
システムソリューショングループ グループリーダー
松本 竜彦氏

「au one」は、主にauの携帯電話ユーザーをターゲットにしたKDDI公式のポータルサイトだ。ニュースや天気などの情報、地図や辞書といった便利ツール、ショッピングやオークションなど幅広いコンテンツを提供している。その企画やコンテンツ制作など、実質的なサイト運営を行っているのが、KDDIグループでau oneを中心としたメディアプロデュース事業などを展開する株式会社mediba(以下、mediba)だ。

au oneは、主にauユーザーへの情報提供を目的に2007年9月から始まりました。3000万人のユーザーがいますが、アクセスの9割はケータイからです。いわゆるポータルサイトですが、KDDIからの情報としてケータイ関連が充実しているという特徴があります」(松本氏)

au oneでは、オープン当初こそauユーザーを主なターゲットとしていたが、現在はスマートフォン対応も進め、コミュニケーションの範囲を拡大させている。

medibaが運営するauのポータルサイト「au one」。PC版(左)とケータイ版(EZweb)
http://auone.jp/

制作の内製化を目指してCMSの乗り換えを検討

medibaでは、2年ほど前にau oneの運営体制を見直し、その過程でCMSの変更も実施された。当初は、フレームワーク的な大規模CMSを利用していたが、より柔軟性の高いシステムとしてミックスネットワークのCMS、「SITE PUBLIS」シリーズから「PUBLIS Enterprise」を新たに採用し、2010年3月から全面的に移行している。

au oneでは当初からCMSを導入していましたが、2年間運営してきたなかで、コンテンツの更新や追加にコストがかかり過ぎるという問題がありました。コンテンツやデザイン自体は弊社で制作していましたが、更新作業(コーディング)はCMSの保守業者に発注していたのです。

こうした問題を解決するために考えたのが内製化を進めることです。外注に頼まなくても簡単な文言であれば社内の人間が変更でき、新規サービスを開発するときでも、社内で話し合った企画をすぐに実現できるような、柔軟な体制が必要だという話になったのです。その際、既存のCMSを使い続けるという選択肢も考えられましたが、サーバーなども含めシステム全体を一度白紙の状態にしてから再検討することにしました」(松本氏)

初期に導入していたCMSは、データベースにオラクルを利用するなど信頼性の高いCMSではあったものの、コストもそれなりにかかっていた。また、カスタマイズも簡単にできるものではなく柔軟性に乏しかった。新たに採用するCMSの条件としては、デザイナでも簡単に利用できて、カスタマイズのための開発の敷居が低いことが求められた。検討を重ねるなかで候補の1つに挙げられたのがPUBLIS Enterpriseだったという。

コスト削減ももちろんですが、選定にあたって一番重視したのは、内製化を前提としたときにどこまで我々が手を入れられるかということでした。優れたシステムであっても、コスト削減ができたとしても、テキストを変更する程度しか許されないというのでは話になりません。我々としては、動的なコンテンツを変更する際に、裏で動いているロジックに対しても簡単に手を入れたかったのです。その点、PUBLIS Enterpriseは、カスタマイズの柔軟性も持ちつつ、WYSIWYG機能も実現されていて使いやすく、バランスが良かったのです。選定では、日々の運用を行うスタッフにもヒアリングをし、細かい部分ではケータイサイトのプレビューがしやすいという評価もありました」(松本氏)

CMS選定のポイント(運営側)
  • 現場レベルで更新できる編集機能
  • カスタマイズの柔軟性
  • ケータイサイト対応

CMS≠更新ツール、ポータルサイトのプラットフォームとしてCMSを導入

Webサイトの内製化を重視し、CMSを含めたシステム全体を白紙の状態から再検討したと話す松本氏。結果的にCMSの乗り換えを選択することになったが、CMSの選定を含め、au oneのシステム構築を担当したTIS株式会社でも、PUBLIS Enterpriseの柔軟性やバランスの良さを評価している。

TIS株式会社
アドバンストソリューション事業部
アドバンストソリューション事業統括部
クラウドテレフォニー推進室 室長
岡部 耕一郎氏

CMSを選定したTIS クラウドテレフォニー推進室長の岡部氏(当時、サービス&コミュニケーション事業部 サービス第3部エキスパート)は、選定の決め手を次のように話す。「PUBLIS Enterpriseの柔軟性は、動的コンテンツを開発する際にも発揮されます。たとえば、コンテンツプロバイダから天気のデータを取得し、所定の場所に表示するような動的コンテンツと、特集記事のような静的コンテンツが混在していても、それぞれブロック単位で切り分けて管理できます。以前は、静的コンテンツにだけ変更を加える場合でもシステム全体をチェックする必要があり手間がかかりましたが、このおかげで作業効率が上がりました。

従来利用していたCMSは、オールインワン型のCMSだったため、デザインもアプリケーションもインフラ的な構造も、CMSのなかだけで解決する必要がありました。それらを分離させることが、今回の我々からの提案でした。コンテンツ管理、アプリケーション開発、インフラや性能に対する要件など、それぞれの要素を結合する中心にCMSがあるというイメージです。CMSは、静的コンテンツの管理と、背後にあるアプリケーション(動的コンテンツ)のつなぎ役として、Webサイトの枠にはめ込む役です。この役としてPUBLIS Enterpriseは非常に使いやすく、単なるCMSではない開発プラットフォームだと考えています。

また、開発言語がPHPだったことも採用理由の1つです。PHPであれば、ほとんどのWeb開発者が作業できますから、大抵のことはmediba社内だけでできてしまいます。外部からデータを引っ張ってくるような、より複雑になる部分に限っては、弊社がプラグインという形で動的コンテンツのパーツを作るという対応をしています」(岡部氏)

今回、au oneのシステム全体としては、いくつかのオープンソースソフトウェアも導入された。CMSについても、コスト削減の面からライセンス費が実質ゼロで済むオープンソースが検討されたが、信頼性を重視した結果、商用CMSを選択している。

コスト削減という観点から、オープンソースのCMSも当然候補にはありました。しかし、通信キャリア企業のポータルサイトという位置付けであるため、信頼性が重視されます。さらに、権限管理やワークフローなどの機能がしっかりと作り込まれているものを考えると、商用という結論に至りました。逆にCMS以外の部分はオープンソースを積極的に採用することで、全体的なコストを大幅に抑えることができました」(岡部氏)

KDDIの公式ポータルサイトなので、障害に弱くては話になりません。安定性を考慮して、au oneの負荷に耐えられるのかを必要要件に入れて提案をしてもらいました。また、ケータイコンテンツがメインですから、ケータイサイトのプレビュー機能なども当然織り込んでいます」(松本氏)

CMS選定のポイント(システム側)
  • 外部システムとの容易な連携
  • スムーズな開発環境
  • 通信キャリアクラスの高い信頼性

乗り換えによってランニングコストを50%以上削減

CMSの乗り換えによる成果は、サイト更新の内製化による外注費の削減、データベースやサーバー管理などのシステムコスト削減によって、ランニングコストを50%以上削減という数値として表れた。内製化は開発費の削減にもつながっているという。もちろん、この数字はCMS以外の部分でオープンソースソフトウェアを採用したことも大きいが、PUBLIS Enterpriseがさまざまなメリットにつながっているのは確かだ。

内製化は仕事をする主体が変わるだけなので、必ずしも費用が安くなるわけではありません。しかし、外注していたころにかかっていた、手間と時間という費用以外の部分を削減できました。ある程度の作業であれば、社内のデザイナが対応できるようになったことは、仕事は増えたもののトータルでは工程が減って楽になったと考えています。システムの安定性が期待以上に向上したことも、運用してみて改めて実感できました」(松本氏)

ユーザーとのコミュニケーション機能強化を目指す

ポータルサイトのシステムを再構築したことで、内製化による柔軟かつ迅速な運営体制を整え、コスト削減にも成功したau one。「ようやく仕組みができたところ」と話す松本氏は、今後の展望として、運営の効率化をさらに推し進めながら、ユーザーとのコミュニケーション機能を強化していくことを考えているという。

auからも続々と登場しているスマートフォンへの対応は、au oneでも必須項目だ(画面はAndroid端末)。

ポータルサイトとしてPVは着実に増えているので、運営の方向性としては正しいと確信しています。一方で、ユーザーとのコミュニケーション機能が不足している点が、現在の課題だと考えています。これまでの基本的な役目が情報発信でしたから、ユーザーと双方向のコミュニケーションを行うようなもの、ソーシャル的な取り組みはしていませんでした。

今回のCMS変更やシステム全体の見直しは、高いトラフィックに耐えられるなど、主にWebサイトの情報を見ていただくという参照系に主眼を置いた強化でした。今後は、ケータイ分野での成長が著しいスマートフォン市場への対応も進めていきます。幸い、SITE PUBLISシリーズは3キャリアやスマートフォンへの対応も積極的に行われていますので、それをau oneにも生かしていきたいですね」(松本氏)


CMS導入による改善ポイント

  • 内製化による柔軟なコンテンツ管理とコスト削減を実現
  • 運営者と開発者が作業しやすいプラットフォームを構築
  • コンテンツ管理とアプリ開発を分離して開発スピードを向上
  • 高負荷Webサイトの安定した運用を実現
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