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SEOとプレスリリース・ニュースリリース最適化/SES London2日目レポート(後編)

この記事はもともとSEOmozのYOUmozセクションに掲載したものですが、非常に優れているのでこちらのブログに格上げしました。
初日レポート2日目レポート前編に続き、SESロンドン2日目のセッションをレポートする。

今回は、まず、初日の基調講演の模様をレポートしておく。この部分は、シアランがYOUmozに投稿した「SESロンドン1日目レポートその2」の抜粋となる。その後、プレスリリース最適化に関するセッションを紹介する。

基調講演「検索の未来」

初日に基調講演を行ったフレデリック・マーキニ氏は、SEOの書籍などでも有名。

フレデリックは、YouTubeで大成功したリーボックのバイラル広告をとりあげ、単発の検索マーケティングと対比した継続性について触れた。 その後、米iProspect社の収益をみるとキーワード広告とオーガニックSEOの比率が50:50なのに対して、英国ではキーワード広告75に対してオーガニックSEOが25となっていることを示した。キーワード広告とオーガニック検索結果のクリック率比は72:28なのだという。

とはいえ、SEOは死んでいるわけではなく、適切なSEOを施せば、数か月のうちにサイトへのトラフィックが倍以上になり、数百万ドルの価値を生み出すことを事例として示した。ただし、マーケティングの人間が自社製品に関してユーザーがどのように語るのかを「推測」することは自殺行為であり、キーワード調査をしっかり行うことが非常に重要なのである。また、可能ならばキーワード広告キャンペーンを国内だけでなく全世界で実施することが売上を拡大してCPAを改善するのだという。

彼のセッションは多くの場合と同じく、だれでもすぐに実施できるものではない。しかし、非常に刺激的な内容であり、未だSEOを考慮していない会社にとってSEOにはしっかりとした価値があることを思い出さされてくれた。賢いマーケティングとは、ビジネスには常に改善する余地があることを意味するのだ。

たとえば、ニューヨークタイムズ紙は100万人の購読者がいるが、グーグルニュースで検索回数は毎月100万回以上あり、ヤフーニュースはその3倍だという。メディアの人間の92%はコンテンツをオンラインで検索するため、ブログやニュースリリースがその目に触れれば自社のビジネスをアピールする大きなチャンスなのだという(既知のことだが、改めて思い出させてもらうことは重要だね)。

フレデリックのプレゼンテーションは非常に魅力的で、示唆に富んでいた。協調的フィルタはロングテールにつながり、タグ付けやコミュニティの嗜好によってソーシャル検索が拡大しており、ウェブ業界を根本的に変えかねないという。彼は、検索を変える可能性があるものとして次のものを挙げた

  • コンテンツと時間の分離(TiVoを持っている人には当然だろう)
  • コンテンツと場所の分離(ケータイにコンテンツをダウンロードして持ち歩けるように)
  • コンテンツとプラットフォームの分離(ケータイにコンテンツをダウンロードしたり、ノートパソコンでテレビを見たり)

では、前編ではスキップした2日目セッション2のレポートだ。

セッション2:ニュース検索SEO ~広報・プレスリリース

グレッグ・ジャーボー氏はまず、ちょっと驚きの話でこのセッションを始めた。業界全体の流れが根本的に変わってしまったので、彼が昨年のSESで行ったプレスリリース最適化のセッションを聞き逃した人でも、何の不都合もないというのだ。

※Web担編注

「ユニバーサル検索」とは、検索エンジンが最近増やしている、さまざまな種類のデータを検索結果に表示するスタイルの検索。

古い検索エンジンでは、検索結果ページには、該当する「ページ」の見出しと概要が並ぶだけだったが、ユニバーサル検索では、動画、写真、ニュース、ユーザレビュー、株価、地図など、あらゆる種類のデータを統合して表示する。

グレッグはそのことをデモして見せた。マイクロソフトのヤフー買収提案が公になったとき(またこの話だよ)、グーグルトレンドでは大きな動きとなって現れていたし、何より興味深いことに、グーグルのユニバーサル検索のおかげで、この話題を取り上げているニュース記事やブログ投稿記事が、検索結果ページの1ページ目にズラリと表示された。でも、マイクロソフトの正式なプレスリリースを検索結果ページで見つけるのは、非常に難しかったんだ(なにせ、この話題で1万件以上ヒットしたんだから)。

このことからわかるのは、プレスリリースの最適化を実施するだけでは十分ではない、ということだ。プレスリリースの最適化と併せて、主流メディアだけに集中するのではなく、ブログにも注力しつつ、従来型メディアの世界に入り込んでいく必要があるという。

僕が思うに、これは当然の話なのだが、言うほど容易いことではない。このイベントに出席しているような人たちは、まさか最有力の新聞1紙やテレビ局とだけ関係を築くような広報活動を行っているわけではないはずだ。ということは、僕らの業界にとって余地があるのは、クライアント自身のブログ上でコンテンツを制作し、そのコンテンツが持つ関連性ゆえに主流の報道メディアが取り上げてくれることだと言っておきたい。

グレッグは質疑応答のコーナーで、Newsknifeというサイトを取り上げた。ここは、グーグルニュースがコンテンツを引き出してきた情報源をすべて追跡しているんだ。グレッグは、グーグルニュースにサイトを登録することが、大変な作業になるかもしれないとほのめかしたけれど、僕個人の経験では、グーグルのガイドラインに従えば、かなり単純な手続きで時間もそれほどかからない。

◇◇◇

次は、リー・オデン氏が説明する「プル型PR」理論だ。これは、基本的にプレスリリース(元々、コンテンツを外に向けて発信するプッシュ型の手法)とSEO(人をコンテンツに引き寄せる手法)の交錯部分だといえる。リーはプレゼンテーションの最初の数分間で、冒頭で紹介したような、初日にフレデリック・マーキニ氏が行った基調講演の話を少なくとも3回引用した。たしかに僕は、フレデリックの講演について熱く語った。でも僕の印象としては、カンファレンスの残りの部分も結局、他の人たちがフレデリックの話したアイデアやテーマを、彼よりおもしろみのない展開で、彼より長々と時間を取って説明するセッションに終始したような気がする。勘違いならいいんだけどね。

リーは、PRコンテンツの実践的な最適化方法について、非常に役に立ついくつかの戦略を示した。一例を挙げると、インタビューを受ける可能性がある人たちに、受け答えの中で確実にキーワードを配する方法について、指示を与えておくべき、といった発想などだ。そうした記事は、基本的に自分やクライアントのブランドを宣伝するもので、この最適化によって関連語句に対し、より高い順位にランクされる可能性が増える。リーも、グレッグが指摘したポイントを繰り返し、プレスリリースに画像を入れておくと、ジャーナリストの仕事が楽になり、目玉として取り上げられる可能性が高くなるという。複製コンテンツの問題に陥らないため、プレスリリースは必ず、ニュースソースを通じて外部に出る前に自分のサイトに掲載し、それがオリジナルだという事実を明確に示しておかなければならない。

◇◇◇

最後の講演者はElemental Communicationsのティム・ギボン氏だ。ほかのことはともかく、英国開催のカンファレンスで、英国アクセントの言葉を聞けたのは良かった。なんといっても、講演者の多くは米国人だからね。ただこれは、米国から来ている講演者の話がイマイチと言っているのではなくて、ここ英国にも優秀な人が多くいるということ。そういう人たちに、スポットライトがあたらないのは恥ずかしい限りだ(もちろん、自分が講演者でないことを苦々しく思っているわけじゃないよ。そんなの滅相もない!)。

とにかくティムは、プレスリリースを出すだけじゃあ十分ではなく、プレスリリース相当のコンテンツを、自分か自分のクライアントのサイト上に作成すれば、ずっと良いと繰り返し述べていた。これは、僕らがAltogether DigitalのPR最適化で、ブログ投稿が全国版の新聞や業界紙に取り上げられ、大成功を収めた戦術だ。この戦術は、必ずしもだれもが使えるものではないけれど、書く意思がありその力を持つ人々がいるのなら、その人たちに書いてもらえば、大きな利益をもたらす可能性がある。

筆者のシアランは、オンラインマーケティング代理店Altogether DigitalのSEOで、ソーシャルメディア担当ディレクターを務めている。シアランにも、マイクロソフトとヤフーの買収合併について彼なりの意見があったが、その話で退屈させるつもりはないようだ。

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