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スマホ時代のEC売上アップ施策「ブラウザプッシュ」通知にCRM機能を拡充

7 years 11ヶ月 ago

Web接客ツールやEC支援事業などを手がけるムーヴは4月4日、スマホやパソコンのブラウザにプッシュ通知を配信する「ブラウザプッシュファクトリー(Browser Push Factory)」のCRM機能を拡充した。

顧客の購入履歴に基づき、タイミングを見定めたプロモーション施策を自動で行える。

「ブラウザプッシュファクトリー」のCRM機能を活用すると、次のような施策を自動化できるという。

  • 商品購入者に対し、次回購入時に使用できるクーポンを配信
  • 過去の購入商品に応じて、併用に適した商品を通知
  • 単品商品を購入した顧客に対し、商品を使い切る直前のタイミングで「定期引き上げ」を促すメッセージを通知
  • 定期購入の顧客に対し、解約が多くなるタイミングで、購入サイクル/個数を変更できることを通知

「ブラウザプッシュファクトリー」はアプリを使わずにプッシュ通知を配信するツール。ブラウザを閉じた状態のスマホ画面にもメッセージを表示できる。

メッセージの開封率や、メッセージ経由の販売動向などを分析することも可能。

ムーブの「ブラウザプッシュファクトリー」

「ブラウザプッシュファクトリー」のイメージ

「ブラウザプッシュファクトリー」のリリースは2018年1月。リリース前に導入した大手ECサイトの運用実績(平均値)では、ECサイトへの誘導率は12.5~33.3%で、Eメールの10倍以上だったという。通知経由のコンバージョン率は2~3%だった。

対応OSはAndroidとMac、Windows。ブラウザはChromeとFirefox。料金プランは成果報酬型または月額制。

「ブラウザプッシュファクトリー」の活用事例も公開! ワコール、ニトリ、JIMOS、メルカリ、LINEなどが登壇する全13講座の無料イベント【4/12(木)東京開催】

2018年4月12日(木)に参加費無料のセミナーイベント「ネットショップ担当者フォーラム2018春 eコマースコミュニケーションDay」を開催します。EC事業者さんだけが参加できるイベントで、EC業界に携わる皆さんが抱えている課題や悩みを参加者で共有し、解決するための場です。

基調講演はワコール、ゼネラルセッションはニトリとJIMOS(内容は通販/ECとAI化)、スペシャルトークセッションはメルカリ(講演内でRIZAPグループ、C Channelが登壇)とLINE(講演内で千趣会、コメ兵が登壇)という豪華な顔ぶれ。

「AIと通販/ECが与える影響」(JIMOS)など興味深いテーマがたくさんの全13講演です。

  • ワコールが取り組む顧客視点のコミュニケーション
  • ニトリのECサイト運営の裏側
  • AI化、オートメーション化がECサイト運営に与える影響
  • メルカリが語るライブコマースの可能性
  • LINEを活用したECビジネス
  • チャットボットの活用方法
  • Amazon Payの最新事例
  • コメ兵が実施している売上UP施策
  • 運用型広告のインハウス化事例
  • 収益UPのためのCRM活用術
  • 事例で学ぶ「サイト内検索」の改善ポイント
  • サイト内検索改善事例
  • 成長通販の人気アプリの徹底解説

渡部 和章

ライトプロ株式会社 代表取締役

渡部 和章(わたなべ・かずあき)

新聞社で約7年半、記者を務めた後、2015年に編集プロダクションのライトプロを設立して代表に就任。編集者兼ライターとしても活動中。

趣味は料理と漫画を読むこと。東京都在住。1983年生まれ。

渡部 和章

中国EC第2位の「京東商城(JD.com)」とは? その素顔と今後の戦略を探る | 上海で働く駐在員の中国EC市場リポート

7 years 11ヶ月 ago

最近、京東商城(JD.com、以下JD)についてお客様から質問を受けることが多くなってきました。JDはスマートフォン向けチャットアプリ「WeChat」を運営するテンセントグループの一員で、中国ECで天猫(Tmall)に次ぐEC市場シェアの第2位に位置しています。今回はJDの素顔と今後の戦略についての考察をお伝えします。

はじめに、2017年度の中国のネット通販業界マップをご覧ください。

総合通販モール 情報媒体 専門通販モール 国内物流 国際物流 決済
図1 中国ECの主なプレイヤー
出典:iResearchの調査資料を元にエフカフェが編集

日本にいるとアリババグループの天猫(Tmall)の情報が多いと思いますが、実はこれだけたくさんのプレイヤーがいるのです。

キャンペーン等の施策はネット通販の売上向上にとても有効的
図2 2011年第1四半期〜2017年第2四半期の中国大手EC企業の流通総額(公開資料、企業年報を元にiResearchが調査)
出典:iResearchの調査資料を元に編集部で翻訳

こちらが各プレイヤーの流通総額の比較になります。 天猫(Tmall)が頭ひとつ抜きん出ており、2番手にJD、次いで家電量販の苏宁易购(Suning.com、中国最大のフラッシュセールサイト 唯品会(VIP)と続いています。

図3 2011年〜2017年の中国ECジャンル別成長率(国家集計局の情報を元にiResearchが調査)
出典:iResearchの調査資料を元に筆者翻訳

ジャンル別の伸び率で注目したいのは、2016年からベビー・マタニティー用品の成長率が緩やかになる中、生鮮と越境ECの伸び率が高いまま推移していることです。これは中国国内での生鮮食品のネット通販のニーズが常に高いことを示しています。

現状、越境ECで生鮮食品を扱うのは物流上、難しいのですが、もし可能になれば、とても大きなニーズが市場にあると思います。

JDの現状は?

図4 2012年〜2016年のJD総収入における自社事業比率(2016年JD財報を元にiResearchが調査)
出典:iResearchの調査資料を元に筆者翻訳

こちらがJDの状況になります。JDは日本でいうアマゾン型で、自社モール内にJD名義で商品を販売するモデル(いわゆる仕入れ販売)が主な販売方法です。そのため、商品売上の比率(JD自社事業収入)が2016年で91.4%と高い状況になっています。

図5 JDにおける3Cデジタル製品と他の商品の流通総額成長率(2016年JD財報を元にiResearchが調査)
出典:iResearchの調査資料を元に筆者翻訳

JDは家電の売上が全体の50%を占めており、総合通販というよりも家電専門モール的な位置付けで中国国内では認知されています。

図6 JDの7つの物流センター(2016年12月末時点。2016年JD財報を元にiResearch研究院が調査)
出典:iResearchの調査資料を元に筆者翻訳

図7 JDの物流エリアと運営に関するデータ(2016年12月末時点。2016年JD財報を元にiResearch研究院が調査)
出典:iResearchの調査資料を元に筆者翻訳

物流拠点は全国に7か所あり、配送センターは6,906か所あります(2016年12月時点)。また配送員は83,512人、関係するIT人材は9,091人と膨大な人員になっています。

WeChat上に新モール誕生か?

JDの最近の大きな動きは、2018年1月4日に女性向けECの美麗連合グループと新しく合資会社を設立し、WeChat上のECモールをフルリニューアルすると発表したことです。美麗連合グループは淘宝(Taobao)向け口コミサイトおよびファッション専門の通販モールとして有名です。

WeChatのECは現状、下図8の「购物(ショッピング)」をタップすると、下図9のJDに移動する形式ですが、おそらくここに新しいモールが入るのではないかと予想しています。

WeChat
図8
WeChat
図9

この提携の背景として下記の理由があげられます。

  1. W11以降、美麗連合グループはWeChatの「ミニプログラム」内で8,000万人ものユーザー数を獲得し、成功事例となっている
  2. SNSマーケティングで成功している美麗連合グループと組むことで、市場拡大を狙っている。これまで基本的にJDはアマゾン型だったが、個人商店や企業をこのモールに取り込むことで、淘宝(Taobao)や天猫(Tmall)のようなモールになることをイメージしている

「ミニプログラム(小程序)」とは、2016年12月にWeChatがスタートしたWeChat内で使用可能なアプリで、App Storeからアプリをダウンロードをしなくても、WeChatのアプリ内で使用できます。

ユーザー数は現在なんと1.7億人(WeChatのユーザー数は9.8億人)、すでに約57万のアプリが存在します( この「ミニプログラム」については、またの別の機会にお知らせします)。

現在、モールは3月オープンに向けて募集中となっており 、ECでは差をつけられている天猫(Tmall)を猛追することになりそうです。

ちなみに残念ながら日本アカウントのWeChatアプリでは、ミニプログラム、ec共に非対応になっています。

高岡 正人

株式会社エフカフェ 取締役

1975年生まれ。立命館大学政策科学部卒。コンサルティングファームにて企業変革コンサルティングを経て、2005年有限会社フリースタイルカフェ(現エフカフェ)の創業に参画。取締役に就任。

日本、中国、ASEANでネット通販事業に特化したコンサルティング、運営支援を行い、1カ月の半分を中国・上海で過ごす。

銀行等での講演多数。また日経ネットマーケティング等で執筆。最近では銀行等の海外支援事業部と連携し、日本からアジアへのネット通販進出を支援している。

高岡 正人

「IYフレッシュ」のオーダー単価は1.4倍、リピート率は約2倍[「LOHACO」ユーザーとの比較]

7 years 11ヶ月 ago

アスクルとセブン&アイ・ホールディングスが共同で運営している生鮮食料品のECサービス「IYフレッシュ」の立ち上げ当初におけるオーダー単価は、アスクルの日用品ECサイト「LOHACO」の約1.4倍、リピート率は「LOHACO」の約2倍だった。

オーダー単価は2017年11月28日~2018年2月20日の平均で、リピート率は2018年1月度の実績。アスクルが2017年6月から2018年2月期連結決算(第3四半期)の決算説明資料で「IYフレッシュ」の実績の一部を公表した。

アスクルとセブン&アイ・ホールディングスが共同で運営している生鮮食料品のECサービス「IYフレッシュ」の立ち上げ当初実績

「IYフレッシュ」の立ち上げ実績(画像はアスクルの決算資料を編集部がキャプチャ)

「IYフレッシュ」はセブン&アイ・ホールディングスが取りそろえた野菜や果物、加工食品など約5000種類の食料品を「LOHACO」の物流網で配送するECサービス。2017年11月28日にスタートした。

「IYフレッシュ」のメインターゲットは、家事や仕事、育児に忙しい都市部の30代~40代の女性。

配送の対象地域は東京・新宿区と文京区(4月3日時点)。2018年春をめどに東京西部や北部へ拡大し、2018年中には東京23区内、2020年秋頃には首都圏へと広げる計画だ。

2017年6月〜2018年2月期(第3四半期)における「LOHACO」の売上高は、前年同期比11.2%減の291億円。2017年2月に発生した倉庫火災の影響で減収だった。

BtoC事業全体の売上高は7.3%増の352億円。2017年にペット用品などを販売するチャームを子会社化したことで増収となった。

渡部 和章

ライトプロ株式会社 代表取締役

渡部 和章(わたなべ・かずあき)

新聞社で約7年半、記者を務めた後、2015年に編集プロダクションのライトプロを設立して代表に就任。編集者兼ライターとしても活動中。

趣味は料理と漫画を読むこと。東京都在住。1983年生まれ。

渡部 和章

有力アパレルの自社EC強化策――アーバンリサーチ、アバハウス、三陽商会の事例 | 通販新聞ダイジェスト

7 years 11ヶ月 ago

これまで多くのアパレル企業にとってECチャネルの主戦場は「ゾゾタウン」をはじめとするファッションECモールだったが、モールの手数料率上昇や低価格ブランドの拡大、クーポンの原資負担などもあり、実店舗より利益が出るはずのECチャネルの環境は様変わりしつつある。衣料品のEC化率拡大が見込まれる中、アパレル企業はEC強化の軸足を自社ECに置きつつあるが、その戦略は各社によって異なっている。自社ECが主販路な企業も含め、有力アパレル3社のEC強化策について見ていく。

【アーバンリサーチ】EC専門店化を加速

アーバンリサーチは、4月にギフトの通販サイトをスタートするほか、秋をメドに現在はリアル店舗が運営している高感度ファッションを専門に扱う通販サイトや、家具のECについてもWEB事業部が手がけるサイトにリニューアルし、各商品カテゴリーで専門店のEC展開を加速するとともに、幅広い顧客にアプローチしやすくする。また、4月にはメディアサイトも開設し、各通販サイトへの送客機能も担っていく。

同社は、ファッション商材を中心に販売する主力の自社通販サイト「アーバンリサーチオンラインストア」を展開しているが、今期(2019年1月期)、新たに挑戦するのがギフト通販サイト「musve(ムスブ)」で、4月3日にオープンする予定だ。

アーバンリサーチが新たに挑戦するのギフト通販サイト「musve(ムスブ)」
ギフトEC「ムスブ」のトップページ(イメージ)

同サイトは幅広い品ぞろえが特徴で、単品でも販売するが、さまざまな商品を詰め合わせたセットもジャンルごとにそろえ、「そのまま誰かに贈りたくなるような商品を提案する」(坂本満広WEB事業部部長)という。

ベーシックな商品も通年で展開するが、母の日やバレンタイン、クリスマスなど各種イベントに向けた商材を同社バイヤーの切り口で提案して差別化を図るほか、連動した特集コンテンツも充実させる。

ギフト専用サイトらしく目的別や贈り先別などで商品を探しやすくするほか、ラッピングや熨斗、メッセージカードにもこだわる。また、サイト制作や商品の手配にとどまらず、箱詰めやラッピング、送り状の添付までを内製化することで、ギフトECに必要なノウハウを蓄積するのと同時に、各フローで業務負荷やコスト、梱包資材の良し悪しなども把握し、顧客の声を吸い上げながら改善活動を積み上げていく。

新サイトの売り上げについては、スタートから丸1年で1億円以上を目指すとする。

一方、16年3月に開設した通販サイト「アーバンリサーチバイヤーズセレクト(URBS)」は、品ぞろえや在庫をアーバンリサーチ表参道ヒルズ店と統一し、同店のスタッフが受注業務や商品発送、返品対応まで行う店舗連動型の次世代ECとして展開。セレクトショップの原点である、バイヤーがセレクトした高感度なファッションアイテムだけを扱っているのも特徴だ。

サイト開設から2年が経過し、全国から注文が入るなどリアル店舗が運営するECとして一定の成果を上げているものの、表参道ヒルズ店だけで運営していることから発信力に欠ける部分もあり、今秋をメドにリニューアルに着手。「URBS」の看板はそのままにWEB事業部に運営を移す。

同事業部には長年、バイヤーを務めたスタッフなど多様な人材がいるため、専用のチームで運営に当たり、ほかでは手に入りにくい価値のある商品をセレクトしたウェブショップとして磨きをかける。

また、アーバンリサーチドアーズ南船場店が、無料のECサービス「STORES.jp」を使って運営している家具の通販サイト「ドアーズリビングプロダクツ」も10月頃をメドにWEB事業部が運営を引き継ぎ、自社システムに切り替えてリニューアルオープンする計画だ。

アーバンリサーチが「STORES.jp」を使って運営している家具の通販サイト「ドアーズリビングプロダクツ」
家具のECは10月頃に自社システムに切り替えて刷新する

サイト刷新に合わせて、同社が展開する業態「アーバンリサーチストア」や「アーバンリサーチドアーズ」の各店舗で販売している家具・インテリアを新サイトに集約して品ぞろえを広げるとともに、ウェブでは商品ごとに取り扱い店舗を表示して商品を確認したいニーズにも応えていく。

同社では、「URBS」や家具サイトを自社システムに切り替え、自社会員サービス「URクラブ」のメンバーにアプローチできる環境を整えるほか、WEB事業部がサイト運営に乗り出すことでEC展開をさらに加速する。

また、同社はメディアサイトを4月頃に開設する予定で、各通販サイトで販売する商品の情報も掲載して送客につなげるが、第三者の視点も取り入れ広く閲覧されるメディアを目指す。

【アバハウス】オムニサービス出そろう

アバハウスインターナショナルは、消費者が実店舗とECの両チャネルをスムーズに行き来できる“オムニチャネル化”で先行している。

ネットとリアル店舗との連携強化に積極的で、オムニ戦略を進めるのに不可欠な両チャネルの顧客IDとポイントを早くから共通化しているのに加え、両チャネルで在庫を相互活用する取り組みでも全社的な機会ロス低減などの観点から成果を上げている

店頭のEC在庫活用については、15年10月にタブレット端末を使った接客を、サイズや色違いの欠品が生じやすい靴のブランドで始動。店頭で欠品していてもEC用の在庫があればタブレットを介して店に取り寄せたり、自宅配送も可能で、支払いは店頭で行う。

タブレット接客の仕組みは昨年初めまでに全ブランドに拡大。同接客に慣れた靴ブランドを中心にEC在庫を販売する件数は順調に増えているようだ。

一方、自社通販サイト「アットシェルタ」での店頭在庫活用は16年1月にスタートした。EC用の在庫が欠品している商品であっても、実店舗に在庫があれば販売できる仕組みを構築。店頭在庫を引き当てる際はルールを設け、特定の店舗に集中しないように在庫確保のリクエストを出している

そのため、自社ECからリクエストを受けた店舗は原則、在庫確保に協力する必要があり、対象が全ブランドに広がっていることもあって、自社EC売上高に占める店舗在庫引き当て分はスタート当初の15%程度から18~20%に拡大。セール時期は30%程度まで高まるという。

アバハウスの場合、集客したチャネルに売り上げを計上しているが、「自社ECから店舗在庫を引き当てて販売する金額と、実店舗がEC在庫を活用して販売する金額はほぼ同じ」(木村保行取締役)としており、同社が展開するオムニ施策は消費者の満足度を高めるのはもちろんのこと、リアルとネット双方の販売チャネルにとってメリットがあることも確認できた。

他のオムニ化施策については、自社ECでは商品詳細ページにある「店舗在庫を調べる」ボタンをクリックすると在庫のある店舗が表示され、簡単に試着予約ができるサービスも実施している。また、今春には自社ECで購入した商品をリアル店舗で返品できるサービスもスタートする予定で、アバハウス流のオムニサービスが出そろうことになる。

アバハウスの自社通販サイト「アットシェルタ」
自社EC「アットシェルタ」で購入した商品の店頭返品もテストする

店舗での返品サービスはまず、4~5月をメドにメンズ向けファッションブランドの路面店でテストを実施し、オペレーションなどに問題がなければ順次、対象店舗を広げたい考え。店舗が行う返品処理の手間を考慮し、返品された商品は店舗在庫とする仕組みも含めて効率的な運用方法を模索していく。同サービスは試着予約と同様に実店舗への来店につながるため、顧客接点のひとつとして有効活用したい考えのようだ。

【三陽商会】EC専用ブランド始動

三陽商会は、EC事業の主要販路である自社通販サイト「サンヨー・アイストア」で扱う商材の強化に乗り出す。EC専用ブランドのテスト販売を始めているに加え、自社ECでは他社商材を販売するモールビジネス化にも着手する。

同社では展開ブランドの多くが百貨店を主販路とし、EC市場では高価格帯に属する商品がほとんどのため、「EC事業の成長には既存ブランドだけではどこかで限界がくる」(杉澤幸毅執行役員)という危機感がある。

加えて、構造改革の推進で複数ブランドを廃止しており、商品数が最盛期に比べて少なくなっていることもEC専用ブランドを開発するきっかけになったという。昨年9月に始動したEC専用ブランド「ル ジュール」は、16年に休止した婦人服ブランドをEC専用に転換したもので、商標も含めて過去の資産を活用し、大きな投資をせずにスピーディーにスタートできるメリットがあった。

三陽商会が始めたEC専用ブランド「ル ジュール」
働く女性に向けたEC専用ブランド「ル ジュール」を展開する
三陽商会が始めたEC専用ブランド「ル ジュール」
EC専用ブランド「ル ジュール」のメインターゲットは30代の働く女性

また、休止前のEC化率は15%程度と他のブランドに比べて高く、EC専用に刷新してもターゲット層は従来と同じ20代半ばから30代の働く女性に設定することで、同ブランドを知る顧客を再度囲い込むことも期待している。

一方、EC専用ブランドとしてウェブビジネス部が主導権を持ち、データなどを活用しながら商品を企画するほか、EC利用者が買いやすい価格に抑える

また、自社ECでは商品の原価率をある程度高められるため、オリジナル商品だけでなく、ターゲット層にふさわしい商品の買い付けも含め、セレクトショップのような展開も可能なことから、新生「ル ジュール」ではバッグやアクセサリー、アロマディフューザーなどもそろえる。

これまでに、ボトムスよりもニットや軽衣料が売れる傾向が確認できたほか、雑貨などの買い付けアイテムの消化率が高いことから、今春シーズンはこうした動向を商品構成に反映している。

また、自社ECでの販売に続き、昨年12月には「ゾゾタウン」にも出店。「自社とゾゾさんの売り場では顧客層が異なるため、戦い方も違ってくる」(安藤裕樹ウェブビジネス部長)とし、商品の打ち出し方や、品ぞろえ自体に変化をつけることもあり得るという。

以前の「ル ジュール」はECチャネルで数億円を売っていたことも考慮しながら、同社ではEC専用商材全体で当面は10億円規模を目指す。

自社通販サイトのモールビジネス化についても、既存顧客との親和性をベースにしながら品ぞろえを拡充することで売り場の魅力を高め、顧客満足度の向上とユーザー層の拡大を図る狙いだ。

そのためにも、50万人を超える「サンヨー・アイストア」会員に新たな商品・サービスを提供できるプラットフォームを構築する考えで、第1弾としては昨年12月に北欧を中心とした時計のセレクトショップ「ノルディックフィーリング」の商材を期間限定でテスト販売したところ、クリスマスのギフト需要に時計がマッチしたこともあって予想以上に売れた。

今期はアンケートなどで得た自社顧客の購入意欲が高い商材をテスト的に販売したり、三陽商会が展開する「マッキントッシュフィロソフィー」や「ポール・スチュアート」といったブランドでは服以外のサブライセンス商品もあることから、当該商品の販売も視野にあるという。

ワコール、ニトリ、JIMOS、メルカリ、LINEが登壇する全13講座の無料イベント【4/12(木)東京開催】

2018年4月12日(木)に参加費無料のセミナーイベント「ネットショップ担当者フォーラム2018春 eコマースコミュニケーションDay」を開催します。EC事業者さんだけが参加できるイベントで、EC業界に携わる皆さんが抱えている課題や悩みを参加者で共有し、解決するための場です。

基調講演はワコール、ゼネラルセッションはニトリとJIMOS(内容は通販/ECとAI化)、スペシャルトークセッションはメルカリ(講演内でRIZAPグループ、C Channelが登壇)とLINE(講演内で千趣会、コメ兵が登壇)という豪華な顔ぶれ。

「AIと通販/ECが与える影響」(JIMOS)など興味深いテーマがたくさんの全13講演です。

  • ワコールが取り組む顧客視点のコミュニケーション
  • ニトリのECサイト運営の裏側
  • AI化、オートメーション化がECサイト運営に与える影響
  • メルカリが語るライブコマースの可能性
  • LINEを活用したECビジネス
  • チャットボットの活用方法
  • Amazon Payの最新事例
  • コメ兵が実施している売上UP施策
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通販新聞

「SHOPLIST」がAI活用の画像解析レコメンド、デザインの類似性を主軸に提案

7 years 11ヶ月 ago

ファッションECを手がけるクルーズは3月29日、ファストファッションのECサイト「SHOPLIST.com by CROOZ」に人工知能(AI)技術を活用した画像解析レコメンド機能を導入したと発表した。ユーザーが閲覧している商品画像をAIが分析し、イメージが近い商品をレコメンドしていく。

3月初旬から試験運用を実施し、商品のクリック率の向上といった効果が表れたため本格導入を決定。ファッション通販で重要視されている画像による商品訴求の精度が上がり、買い物の利便性向上を通じて業績拡大が期待できるとしている。

クルーズはECサイト「SHOPLIST.com by CROOZ」に人工知能(AI)技術を活用した画像解析レコメンド機能を導入

クルーズが導入したレコメンド機能のイメージ

クルーズが導入した画像解析システムは、サイジニアが開発したビジュアルAIレコメンデーションサービス「デクワス.VISION」。

サイジニアによると、「デクワス.VISION」は次のような特徴を持つ。

  1. 「(ユーザーが)トップスを見ているのに、靴が表示される」ような、違和感を与えるレコメンデーションがない
  2. まだ誰もクリックしたことがない、データのたまっていない新着商品でも、効果的にレコメンドできるため、移り変わりの早いファストファッションで高い効果を発揮する
  3. まだ誰からもクリックされたことがないロングテールの商品でも、ユーザーが閲覧している商品にイメージが近ければ提案ができれるため、売れ筋商品に埋もれてしまうことがなくなる

サイジニアが開発した「デクワス.VISION」

「デクワス.VISION」のレコメンドイメージ

クルーズによると、試験運用では既存の自社レコメンデーションエンジンと比べ、商品のクリック率など複数の数値が向上したという。

ファッションEC業界では、画像認識機能を活用したレコメンドエンジンを導入する動きが広がっている。2017年12月には、マガシークがECアプリをリニューアルし、画像に基づいて類似商品をレコメンドする機能を実装した。

渡部 和章

ライトプロ株式会社 代表取締役

渡部 和章(わたなべ・かずあき)

新聞社で約7年半、記者を務めた後、2015年に編集プロダクションのライトプロを設立して代表に就任。編集者兼ライターとしても活動中。

趣味は料理と漫画を読むこと。東京都在住。1983年生まれ。

渡部 和章

“送料無料時代”終了。セブン、ファンケル、ニッセンなどが次々と送料値上げへ【ネッ担まとめ】 | ネットショップ担当者が 知っておくべきニュースのまとめ

7 years 11ヶ月 ago

送料値上げの春がやってきました。今まではEC事業者側の努力によって利用者は送料無料の恩恵を受けられていましたが、これからはみんなで負担する世の中になってきました。となると、送料がかからない店舗受取ができるショップは強いですよね。

送料を上げるならこのタイミングかも!?

ディノス・セシールも送料値上げへ、「企業努力だけで現在の料金体系の維持は困難」 | ネットショップ担当者フォーラム
https://netshop.impress.co.jp/node/5279

セブンネットショッピングも宅配の送料無料を廃止、全国一律324円に変更 | ネットショップ担当者フォーラム
https://netshop.impress.co.jp/node/5272

ニッセンがEC注文は送料140円値下げ、電話・ハガキは50円値上げへ | ネットショップ担当者フォーラム
https://netshop.impress.co.jp/node/5269

ファンケルも送料無料を廃止へ、宅配会社の値上げ要請は「過去に例のない規模」 | ネットショップ担当者フォーラム
https://netshop.impress.co.jp/node/5273

ベルーナが総合通販の送料無料を廃止へ、「現状の送料価格の維持は大変困難」 | ネットショップ担当者フォーラム
https://netshop.impress.co.jp/node/5264

まとめると、

  • ディノス・セシール → 「ディノス」は基本配送料を約25%~75%引き上げ、「セシール」は注文金額にかかわらず送料を490円に変更
  • セブンネットショッピング → 送料無料を廃止、全国一律324円に変更
  • ファンケル → 送料無料サービスを廃止し、現在の配送料金に一律100円を上乗せ
  • ニッセン → EC注文は送料140円値下げ、電話・ハガキの注文は50円値上げ
  • ベルーナ → 総合通販の送料無料を廃止
「セブンネットショッピング」で送料変更を告知(画像は編集部がキャプチャ)

定率値上げ、定額値上げ、送料無料廃止など、各社さまざまですが、送料が上がることには変わりません。理由はほぼ同じで「配送会社から大幅な運賃値上げの要請があり、企業努力だけではコスト上昇分を吸収しきれない」から。ショップ側としては送料値上げのチャンスなので、早目の判断を。

日本のように当たり前に荷物が届かないのが海外

海外向け発送はどうするのが最適ですか? 日本郵便さん、越境ECの基礎を教えてください!【比較表あり】 | ネットショップ担当者フォーラム
https://netshop.impress.co.jp/node/5242

越境EC 海外発送方法の徹底比較! | 世界へボカン
https://www.s-bokan.com/blog/ec/how-to-do-ship-overseas.html

まとめると、

  • 日本郵便にはEMS(国際スピード郵便以外にも、UGX(ゆうグローバルエクスプレス)のサービスもある
  • UGXは関税元払い、オーバーサイズ、複数個口の受付も可能
  • 重量が100kg以上ならFedExの割引が大きくなってくる
表 日本郵便の「EMS」「UGX」と他社サービスとの比較(2018年3月28日現在/編集部調べ)
日本郵便の「EMS」「UGS」と他社サービスとの比較 ※2018年3月29日現在/編集部調べ

大手の民間輸送会社は月の取引額によっては定価からかなり良い割引を提供してくれるのですが、取引実績が浅い会社などでは難しい場合が多いです。最初のスタートのし易さや、書類の簡易さ、税関問題の少なさを考えると、JPさんが一番オススメです。

株式会社AJJ Hiro Kanoさん

越境ECで気になるのが重さや大きさ、関税、海外に送ることができる物品か、ですよね。このあたりの条件によって送料が変わりますので、まずは運送会社に問い合わせてみましょう。もちろんユーザーからの問い合わせもありますし、届かない場合もあるので、国内よりも何かとコストがかかることを頭に入れておいてください。

ランキングには直接関係ないので、怪しげな営業電話に注意

モバイル ファースト インデックスを開始します | Google ウェブマスター向け公式ブログ
https://webmaster-ja.googleblog.com/2018/03/rolling-out-mobile-first-indexing.html

グーグルがMFIへの切り替えを正式に開始! 準備ができたサイトから順次。SCへの通知も | Web担当者Forum
https://webtan.impress.co.jp/e/2018/03/27/28811

まとめると、

  • 2018年3月27日よりモバイルファーストインデックス(MFI)への移行がスタートした
  • 移行しているサイトはSearch Consoleに通知が来る
  • MFIはGoogle検索のランキングに直接は関係ない

いつものように、ランキングには多くの要素を使用します。 他の多くの信号が最も関連性の高いコンテンツであると判断した場合は、モバイルフレンドリーでないコンテンツや、読み込みが遅いコンテンツをユーザーに表示することがあります。

モバイル ファースト インデックスを開始します | Google ウェブマスター向け公式ブログ

この記事を見て対応する人は少ないと思いますが、いつものように急にくるので焦りますよね。「Google検索のランキングに直接は関係ない」ということですが、自然検索流入や順位チェックはしておきたいですね。

EC全般

ネットショップの定番「入口商品」戦術は、ほぼ失敗している ? | ECコンサル坂本のブログ「ECバカ一代」
https://www.commerce-design.net/blog/archives/3115

ひたすら入口商品だけ売れる、他の商品を買ってもらうのにかなりの労力がかかっている。こんな時はやめてもいいかなと思います。

逸見氏・川添氏・藤原氏が語る。オムニチャネル推進者が知っておくべきこと|ECのミカタ
https://ecnomikata.com/ecnews/18245/

「BEAMS」のオムニチャネルが成功している理由は? ビームス矢嶋氏にメガネスーパー川添氏、クリエイターズマッチ布田氏が迫る! | ネットショップ担当者フォーラム
https://netshop.impress.co.jp/node/5249

「こういうセミナーは増えていますが、登壇者は増えていない」。ということはまだまだチャンスがあるということですね。

【ウォルマート】、欠品や品切れ等の在庫チェックにAIロボットが活躍!も蹴らないで? | 激しくウォルマートなアメリカ小売業ブログ
http://blog.livedoor.jp/usretail/archives/52049520.html

動画を見ていただくと一発でわかります。これからは商品棚のチェックはロボットにお任せですね。

ロコンド田中社長が奇手、ラオックスと共同でファンド設立 売上高706億円のシャディを買収 | WWD JAPAN
https://www.wwdjapan.com/590935

こちらの記事の続報です。「ロコンドの2018年2月期の売上高は38億円でシャディの売上高の約20分の1」というのも驚き。

今週の名言

文章が下手な人って、なんで下手なんだと思います? 自分で自分の文章が「読めない」からなんですよ。「書けない」のではなくて。

書く人/編集する人、そしてメディアが果たせる役割とは──編集者 若林恵×クラシコム 青木耕平対談 | クラシコムジャーナル
https://kurashicom.jp/3038

「読めない=読解力」と捉えてもいいですよね。何が書かれているを理解するのに時間がかかる人は、書くのも苦手というのは私の経験からしても納得。

森野 誠之

運営堂

運営堂代表。Web制作の営業など数社を経て2006年に独立後、名古屋を中心に地方のWeb運用を支援する業務に取り組む。現在はGoogleアナリティクスなどのアクセス解析を活用したサイト・広告改善支援を中心にWeb制作会社と提携し、分析から制作まで一貫してのサービスも開始。豊富な社会・業務経験と、独立系コンサルタントのポジションを活かしてWeb制作や広告にこだわらず、柔軟で客観的な改善提案を行っている。理系思考&辛口の姿勢とは裏腹に皿洗いを趣味にする二児のパパ。

森野 誠之

「こうすれば宅配便の再配達は減る!」55人の関係者と消費者が考えた再配達削減策

7 years 11ヶ月 ago

「再配達はどうすれば削減できるのか?」。EC業界だけでなく一般消費者も注目しているこのテーマについて、配送キャリア、コンビニチェーン、マンションデベロッパー、宅配ボックス事業者、消費者などが熱い議論を交わした。

再配達問題に対するさまざまな視点からの解決策やアイデアなどがディスカッションされた「COOL CHOICEできるだけ1回で受け取りませんかキャンペーン~みんなで宅配便再配達防止に取り組むプロジェクト~」(3月13日、東京霞が関の中央合同庁舎で実施)の模様をレポートする。

ライフスタイル別に有効な施策を考える

ディスカッションのテーマは2つ。

  1. 消費者が取り組むことができる再配達防止策
  2. 再配防止のための消費者への有効な呼びかけ方法

これらを「消費者の視点で考える」ことを前提に、ディスカッションを実施。消費者のモデルは下記の3つに分けた。

  • 公共交通機関で通勤する共働き世帯(都市部)……A~Cの3チーム
  • 自動車通勤の共働き世帯(三大都市圏以外)…D、Eの2チーム
  • 一人暮らしの若者(学生や一人暮らし)……F、Gの2チーム

ライフスタイルが異なるそれぞれのモデルに対し、「このモデルにはどんな施策が有効か」「どんな呼びかけが有効か」意見を出し合った。

ワークショップのようす
各グループとも事業者、消費者団体、学生がほぼ偏りなくグループ分けされていた。挨拶も早々に活発に意見交換が行われた
ワークショップのようす
制限時間は50分。自分の意見を付せん紙に書いてボードに貼り、似た意見をグルーピングしながら意見をまとめていく

参加者55人からの意見とは?

ワークショップ終了後、各グループの代表者による結果報告が行われた。ボードに貼り出された参加者の意見をテーマ別にまとめてみる。

再配達防止策に関する意見

・1回での受取にインセンティブを与える

  • 1回の受け取りで各配送キャリア共通の「エコポイント」(Tポイント、楽天ポイントなど)を付与する
  • 平日指定で送料値引き
  • 自宅以外での受取で送料が安くなる
  • 早く受け取れればポイントをより多くもらえる

・再配達にペナルティーを与える

  • 2回目以降の配達の有料化
  • 再配達を有料のチケット制にする

・受取場所・受取方法のバリエーションを増やす

  • 職場での受取を会社が認めるよう、行政から働きかける
  • 職場に宅配ボックスを設置する
  • 敷地内、建物内の留め置きを増やす
  • 家から駅の間にコンビニがない人は多い。ドラッグストア、ガソリンスタンド、コインランドリー、クリーニング店、新聞配達所、ネットカフェ、地域の集会場、地域のごみステーション、空き家など、宅配ボックスの設置場所のバリエーションを増やすべき
  • 子育て世代は保育園で受け取れると便利(対応できる保育園には国から補助金)
  • 居酒屋などを対象に「COOL CHOICE加盟店」を募り、受取場所になってもらう(クーポン配布でリピート施策につなげる)
  • 近隣の人(集合住宅の管理人、在宅勤務の人など)に「地域の宅配ハブ」になってもらい、代理で受け取ってもらう。→地域の活性化につなげる
  • 宅配事業者がハブ作りを促進する(Airbnbのように登録制で希望者がハブになれるようにする)
参加者(学生)
「バイトから帰ると夜遅くなる。地域に個人のハブがあれば便利」と語る学生

・アプリの機能を拡充する

  • 各配送キャリア共通のアプリで、受取の日時や場所を指定する
  • アプリでポイントの管理やクーポンなどのインセンティブも受け取れると良い
  • 受け取れる場所は日々変わるため、配送日時と、自分のスケジュールのすり合わせが大変。受取の時間と場所と自分のスケジュールをすり合わせられるようなWebサービスがほしい
  • 宅配ボックスやコンビニ受取に指定した場合、最寄り駅の改札を出た時点でプッシュ通知がほしい

・EC事業者側からも再配達削減の呼びかけを強化する

  • 購入画面で受取場所を選択できるようにする
  • 自宅以外で受け取った時、箱が邪魔になる。パッケージレスな発送方法が必要
  • そもそも時間指定や宅配ロッカーについて何も知らなかった。もっと告知してほしい
参加者(学生)
「Amazonで時間指定ができることや、駅に宅配ロッカーがあることを知らなかった」と語る学生

消費者への呼びかけ方法

  • 不在票に環境負荷、労働者の負荷を認知させる
  • TVCM、YouTubeなどで、有名人を起用した告知を行う
  • 周知・教育を目的として、配達を体験させる
  • 目からの情報は飽和状態。耳に訴えるために配送車に再配達削減をアナウンスしながら配達してもらう

その他(ワークショップ中の意見から)

  • 集合住宅の宅配ボックスはすぐ埋まってしまう。荷物を引き取らない利用者への注意喚起も必要
  • 宅配ボックスの設置に対して自治体から補助が出れば、戸建て住宅における宅配ボックスの設置が促進されるかもしれない
  • 宅配ボックスを設置できるかどうかには、建築の際の容積率が関わってくる。規制緩和の検討も必要

現在行われている再配達削減策とは?

ワークショップに先立って、国土交通省 物流政策課長の英 弘道氏より、宅配の現状と最近の物流政策についてのプレゼンテーションが行われた。

まず宅配業界の人手不足について。有効求人倍率はドライバー・運転手が2.72倍。全産業の平均が1.35倍なので、2倍程度人手が足りていない。特に特に年末の繁忙期の有効求人倍率は3.09(全産業平均は1.52)と、かなり厳しい状況。

そんな中、2016年には約40億個の宅配便が配達されている。この内、2017年10月の調査では再配達率は16%(都市部住宅街、郊外の住宅街、地方の住宅街の3か所でのサンプル調査)。これを2020年度までに13%程度までに削減する目標。今後は同様の調査を半年に1回行い、発表する。

宅配便の再配達削減について

再配達の削減に向けた具体策としては、まず再配達による社会的損失を広く消費者に知ってもらうことが必要(意識調査では7割がこの問題を知らない)。在宅時間と配達時間を合わせることが難しいため、時間に拘束されない非対面の受取方法を追求していく。これを実現するには、業者間の枠組みを取り払い、連携しなければならない

宅配の再配達の削減に向けた受取方法の多様化の促進等に関する検討会報告の概要

駅などの公共スペースにおけるオープン型宅配ボックスの設置は、平成28年の44か所ら650か所へと速いペースで増えているが、現在は首都圏が中心なため、地方にも増やしてく。地方ではどういったところに設置するのが効果的か、モデルを2018年度に作る予定。

公共スペースにおける宅配ボックスの設置状況

新しい事例として、藤沢SSTや東京スカイツリータウンでの共同輸配送や、北陸急行ほくほく線や宮崎交通バスにおける貨客混載の試みについても紹介した。

国土交通省 物流政策課長 英(はなぶさ)弘道氏
国土交通省 物流政策課長 英(はなぶさ)弘道氏

今後の政策にどう生かされるのか?

環境省 地球環境局 地球温暖化対策課の加藤 聖氏は閉会に際し、「最初は事業者を集めてワークショップをしようと言っていたが、若い担当官が“消費者や若者の声を聞きましょう”と言った。なるほど、ユーザーに直接話を聞く方が良いと思い、今回やってみた。なかなかない機会だった」と語り、各リームのワークショップを下記のように総括した。

AチームからCチームまではインセンティブ、受取場所の多様化、ペナルティと、三者三様で面白いなと感じた。DチームとEチームは地域の課題となっている空き家の問題、地域の立ち寄り場所に言及していた。保育園での受け取りは子育て支援という新しい切り口で新鮮だった。

Fチームの意見には発想の転換があった。家にいない若者にどう届けるかでなはく、いる人に届けてハブになってもらう「宅配ハブ」という斬新な考え方だった。IKEAの家具の組み立ての件など(編注)、世界的にもシェアリングエコノミーが広まっている。ハブになる人を募るのはあり得ると感じた。

GチームはアプリやWebのサービスと連携させることで、新たな地域コミュニティがきっと出てくる。 Hチームではそもそも「この問題を知らない」という意見が出た。それをどう広めるか。石焼き芋の販売のように耳で届ける提案があった。確かに視覚で情報を追いかける人が多い中、耳に届けるのは新しい。

※IKEAは米国の家事代行マッチングサービス「TaskRabbit(タスクラビット)」を買収し、IKEAの家具を組み立てて欲しい人と組み立てる人のマッチングを行う

「このワークショップでいただいた意見を国土交通省や経済産業省と連携しながら、再配達削減の新しい取り組みや国民のみなさんにどう届けていくかを検討する。今日の参加者は引き続きインフルエンサーとしてご協力お願いしたい」と語った。

環境省 地球環境局 地球温暖化対策課 加藤 聖氏
環境省 地球環境局 地球温暖化対策課 加藤 聖氏
集合写真
環境副大臣のとかしきなおみ氏を交え、参加者全員での記念撮影
◇◇◇

今回のワークショップでEC関連事業者に一番伝えるべき発言は、「買い物するときに時間指定ができると知らなかった。オープンロッカーの存在も知らなかった」という、学生の何気ない発言だと思った。ヤマト運輸はAPIの提供しており、ECサイト内で購入者が配送先や配送日時を設定・変更できる。EC事業者の皆さんにはこうしたサービスを積極的に利用してもらい、購入者への認知を広めていって欲しいと思う。

もう1つ、EC事業者側でできることは荷姿。個人的に衣類をコンビニ受取したときの経験から「箱が邪魔」という意見に同意する。店側が大きな紙袋を用意してくれたが、店に負担をかけるのも利用者としては心苦しいもの。袋での配送が広がれば、自宅外での受取はもっと楽になるはずだ。

各配送キャリア共通の「エコポイント」の導入や、「COOL CHOICE加盟店」を募るといったアイデアも面白いと思った。深夜までやっている飲食店などが加盟して、クーポン配布などの集客施策を行えば、“宅配の受取と地域の活性化”という一見結びつかなさそうな2者が結びつくかもしれない。

内山美枝子

内山 美枝子

ネットショップ担当者フォーラム編集部
内山 美枝子

ニトリの通販売上は35%増の305億円、店舗連動の拡充などで高成長維持

7 years 11ヶ月 ago

ニトリホールディングスの2018年2月期における通販売上高は、前期比35.0%増の305億円だった。ECサイトで使う商品画像にコーディネート写真を増やしたほか、店舗とECの連携を強化した。

ニトリの通販・EC売上高の推移

通販・EC売上高の推移

家具・インテリア用品の販売事業に占める通販売上高の比率は約5.5%。前の期(2017年2月期)と比べて1.1ポイント上昇している。

EC事業では近年、店舗とECの連携を強化している。2016年7月にECサイトで販売した商品の店頭受取サービスを開始。2017年6月からは、店頭で販売されている商品のバーコードをスマホでスキャンし、注文と発送手続きを行えるサービス「手ぶらdeショッピング」を公式アプリの新機能として開始した。

物流面では、人材不足やEC市場拡大による物流需要の高まりに対応するため、人口知能を搭載した自動搬送ロボット「BUTLER(バトラー)」などの稼動を始めた。 

2018年2月期における四半期ベースの売上高の増加率(前年同期比)は、第1四半期から25.0%増、36.2%増、29.5%増、39.8%増と期を追うごとに高まっている。

ニトリの2018年2月期における四半期ベースのEC売上高の伸び率

四半期ベースの伸び率推移(画像は決算説明会資料から編集部がキャプチャ)

ワコール、ニトリ、JIMOS、メルカリ、LINEが登壇する全13講座の無料イベント【4/12(木)東京開催】

2018年4月12日(木)に参加費無料のセミナーイベント「ネットショップ担当者フォーラム2018春 eコマースコミュニケーションDay」を開催します。EC事業者さんだけが参加できるイベントで、EC業界に携わる皆さんが抱えている課題や悩みを参加者で共有し、解決するための場です。

基調講演はワコール、ゼネラルセッションはニトリとJIMOS(内容は通販/ECとAI化)、スペシャルトークセッションはメルカリ(講演内でRIZAPグループ、C Channelが登壇)とLINE(講演内で千趣会、コメ兵が登壇)という豪華な顔ぶれ。

「AIと通販/ECが与える影響」(JIMOS)など興味深いテーマがたくさんの全13講演です。

  • ワコールが取り組む顧客視点のコミュニケーション
  • ニトリのECサイト運営の裏側
  • AI化、オートメーション化がECサイト運営に与える影響
  • メルカリが語るライブコマースの可能性
  • LINEを活用したECビジネス
  • チャットボットの活用方法
  • Amazon Payの最新事例
  • コメ兵が実施している売上UP施策
  • 運用型広告のインハウス化事例
  • 収益UPのためのCRM活用術
  • 事例で学ぶ「サイト内検索」の改善ポイント
  • サイト内検索改善事例
  • 成長通販の人気アプリの徹底解説

渡部 和章

ライトプロ株式会社 代表取締役

渡部 和章(わたなべ・かずあき)

新聞社で約7年半、記者を務めた後、2015年に編集プロダクションのライトプロを設立して代表に就任。編集者兼ライターとしても活動中。

趣味は料理と漫画を読むこと。東京都在住。1983年生まれ。

渡部 和章

A8net、国内初のASP会員向けスマートフォンアプリ「A8netアプリ」提供開始

7 years 11ヶ月 ago

ファンコミュニケーションズが運営するアフィリエイトサービス「A8.net(エーハチネット)」は、国内主要ASP(アフィリエイトサービス・プロバイダ)では初となるメディア会員向けのスマートフォンアプリ「A8.netアプリ」の提供を4月2日より開始した。

A8.netアプリ

「A8.netアプリ」は、A8.netにアフィリエイトメディアとして登録する会員が無料で利用できるスマートフォンアプリで、成果発生を知らせるプッシュ通知機能を搭載し、スマートフォンアプリならではの機能でモチベーション向上を図る。

A8.netアプリ

成果発生や確定状況の確認、参加中のプログラム(アフィリエイト広告案件)の情報確認などが行なえる。パスコード認証/生体認証機能搭載により、外出先でも安全かつ手軽な管理画面アクセスを可能にした。

A8.netアプリ
A8.netアプリ

今後はプログラム検索機能や広告リンクコード生成機能といった機能も実装し、7月にはパソコン上で行える基本機能を「A8.netアプリ」に実装し、スマホ上で完結できる環境を整える予定。

同社が昨年行った「第1回 アフィリエイト参加者に聞く副業実態調査」では、副業を行っている会社員の25%が昼休みの「ランチ副業」や通勤時間での副業を行っていた。こうした調査結果から、時間や場所を選ばずに短時間で効率的に副業を行いたいニーズの高まりが明らかになり、スマートフォンアプリの開発に着手した。

 

「A8.netアプリ」の主な機能
  • レポート機能(成果発生レポート/成果確定レポート/未確定速報レポート/振込レポート)
  • プログラム管理機能(初期リリースでは取引のあるプログラムの情報確認のみ)
  • 目標設定機能(日毎/週毎/月毎に設定し、グラフで達成状況を確認。通知の有無は選択可能)
  • プッシュ通知機能(未確定速報通知/ランクアップ通知/目標達成通知)
  • パスコード認証/生体認証機能(※生体認証対応端末のみ)
次回アップデート予定(2018年7月予定)
  • プログラム検索、提携・解除
  • 広告リンクコード生成(スマホアプリ上で基本的なアフィリエイト作業が完結できる)
  • 次ランクへの目安表示

 

▼AppStore
▼GooglePlay
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