Aggregator

図形の反転先の作図パターン16種類

3ヶ月 2 週間 ago

前のページでは、点が反転円によってどこへ移動するのかという基本と、以下の4つのパターンについて話をしたが、ここでは実際に与えられた図形と与えられた反転円を使って、反形を作図して示していくことにする。

  1. 原点を通る直線は原点を通る直線にうつる
  2. 原点を通らない直線は原点を通る円にうつる
  3. 原点を通る円は原点を通らない直線にうつる
  4. 原点を通らない円は原点を通らない円にうつる
基本的には似た構造になるので、同じようなことをやっているに過ぎないのだが、実際アポロニウスの問題を解くのに使う場合は、様々な配置パターンによって使い分けが必要になるので、予め考えられる全てのパターンを列挙して準備しておく。

・16種類の作図パターン
下記16個の課題の作図手順を一つずつ示していく。ページ内リンクは張ってないので見たいものがあれば、スクロールして見つけて欲しい。なお既に「アポロニウスの問題」関連ページ「基本作図パターン集」において説明済みの作図については、数手順をまとめて1行でさらっと流して書いたので、詳細を確認したい場合は
基本作図パターン集」を参照して欲しい。

(反転円の内部にある)の逆の作図(10手順)
(反転円の外部にある)の逆点の作図(10手順)
反転の中心を通る直線の反形の作図(0手順)
反転の中心を通らない直線(反転円と交わる)の反形の作図(9手順)
反転の中心を通らない直線(反転円と交わらない)の反形の作図(19手順)
反転の中心を通らない直線(反転円と接する)の反形の作図(5手順)
反転の中心を通る円(反転円と交わる)の反形の作図(1手順)
反転の中心を通る円(反転円と交わらない)の反形の作図(15手順)
反転の中心を通る円(反転円と接する)の反形の作図(5手順)
反転の中心を通らない円(反転円と交わる)の反形の作図(20手順)
反転の中心を通らない円(反転円の外側にある)の反形の作図(26手順)
反転の中心を通らない円(反転円に内包され、反転円の中心点の外側にある)の反形の作図(26手順)
反転の中心を通らない円(反転円に内包され、反転円の中心点を内包する)の反形の作図(26手順)
反転の中心を通らない円(反転円を内包する)の反形の作図(26手順)
反転の中心を通らない円(反転円と外接する)の反形の作図(16手順)
反転の中心を通らない円(反転円に内接する)の反形の作図(16手順)

点(反転円の内部にある)の逆点の作図(10手順)
条件:反転円O(中心点O, 半径 r)が黒点円, 点 P(赤点)が与えられている
①Pから反転円へ接線を引き、接点をAとする(6手順)
②AからOPへ下ろした垂線の足が求める逆点 P'(青点)になる(4手順)
なぜなら△OPA∽△OAP' より、OP・OP’=OA^2= r^2
Pから反転円へ2本の接線を引き、その2接点の中点を P'としてもよい

点(反転円の外部にある)の逆点の作図(10手順)
条件:反転円O(中心点O, 半径 r)が黒点円, 点 P(赤点)が与えられている
方針:上のパターンの逆を辿ればよい
①Pを通りOPに垂直な線を引き、円Oとの交点の一つをAとする(4手順)
②Aにおける円Oの接線を引き、OPとの交点が逆点 P'(青点)になる(6手順)

反転の中心を通る直線の反形の作図(0手順)
反転の中心を通る直線(原点除く)は原点を通る同じ直線に移る(もちろん不動点は反転円上にある2点のみで、それ以外の点は同じ直線上の別の点へ移る)ので、何もする必要はない。

反転の中心を通らない直線(反転円と交わる)の反形の作図(9手順)
条件:反転円O(中心点O, 半径 r)が黒点円, 反転の中心を通らない(反転円と交わる)直線 m(赤線)が与えられている
反転円と交わる点は不動点(下図の点 A, B)、そして反形は中心点Oを通る円であることがわかっているのだから、その3点A,B,Oを通る円を描けばよい。PPPの作図方法は3点から2点を選んだ二組の垂直二等分線の交点Cを中心とした円を描けばよかったので、簡略図は下のようになる。

反転の中心を通らない直線(反転円と交わらない)の反形の作図(19手順)
条件:反転円O(中心点O, 半径 r)が黒点円, 反転円と交わらない直線 m(赤線)が与えられている
①Oから直線 m に垂直二等分線 n を下ろし、交点をPとする(4手順)
②Pの逆点P’ を描く(上記既出の方法で)(10手順)
③OP' を直径とする円(青円)を描けば(OP' の垂直二等分線が引ければ(4手順)、それとOPとの交点を中心とした円を作図するので、5手順)、それが目的の円になる。簡略図は下のようになる。

反転の中心を通らない直線(反転円と接する)の反形の作図(5手順)
条件:反転円O(中心点O, 半径 r)が黒点円, 反転円と接する直線 m(赤線)及び接点Pが与えられている
①反転円と接する点Pは不動点、一方上記二つのパターンから反形の円の中心はOP上にあることは明らかなので、OPを直径とする円を描けばよい

反転の中心を通る円(反転円と交わる)の反形の作図(1手順)
ここからの3つは、上の3つの逆のパターンになる。
条件:反転円O(中心点O)が黒点円, 反転の対象とする円C(赤円)は反転円Oと2点で交わり、Oを通る
①反転円Oと円Cの二つの交点を結べば、それが求める反形の直線 m (青線)である(1手順)

反転の中心を通る円(反転円と交わらない)の反形の作図(15手順)
条件:反転円O(中心点O)が黒点円, 反転の対象とする円C(赤円)は反転円Oに内包され、Oを通る
①点Oを通る任意の直線 n を引き、円Cとの交点をPとする(1手順)
②Pの逆点P’ を描く(上記既出の方法で)(10手順)
③P' を通りOP' に垂直な直線 m を描けば、それが求める反形(4手順)

反転の中心を通る円(反転円と接する)の反形の作図(5手順)
条件:反転円O(中心点O)が黒点円, 反転の対象とする円C(赤円)は反転円Oに内包されて点Pで接し、Oを通る
①OPを結ぶ直線 n を引く(1手順)
②点Pを通りOPに垂直な線 m を描けば、それが求める反形(4手順)

反転の中心を通らない円(反転円と交わる)の反形の作図(20手順)
条件:反転円O(中心点O)が黒点円, 反転の対象とする円C(赤円、中心点Cは分かっているものとする)は反転円Oと2点A,Bで交わり、Oを通らない
方針:反転円と交わる点は不動点なので、反形の円はその2交点を通る。あと通る1点をが分かればいいので、対象の円の分かりやすい点Pの逆点を求めよう
①OCを結び、円Cとの遠い交点をPとする(1手順)
Pの逆点P’ を描く(上記既出の方法で)(10手順)
③A,B,P 3点を通る円C' を描く。それが求める反形の(9手順)

反転の中心を通らない円(反転円の外側にある)の反形の作図(26手順)
条件:反転円O(中心点O)が黒点円, 反転の対象とする円C(赤円、中心点Cは分かっているものとする)は反転円Oの外側にある
方針:上のような不動点はないので、円Cの直径を構成する2点のそれぞれの逆点を求めて、それを直径とする円を描くことにする
①OCを結び、円Cとの2交点をそれぞれ A,B とする(1手順)
A,B のそれぞれの逆点A,B’  を描く(上記既出の方法で)(20手順)
ABを直径とする円を描く。それが求める反形の(5手順)

反転の中心を通らない円(反転円に内包され、反転円の中心点の外側にある)の反形の作図(26手順)
条件:反転円O(中心点O)が黒点円, 反転の対象とする円C(赤円、中心点Cは分かっているものとする)は反転円Oの内側にあり、反転円の中心点の外側にある
方針:一つ上の逆を行うことと同義である
①OCを結び、円Cとの2交点をそれぞれ A,B とする(1手順)
A,B のそれぞれの逆点A,B’  を描く(上記既出の方法で)(20手順)
ABを直径とする円を描く。それが求める反形の(5手順)

反転の中心を通らない円(反転円に内包され、反転円の中心点を内包する)の反形の作図(26手順)
条件:反転円O(中心点O)が黒点円, 反転の対象とする円C(赤円、中心点Cは分かっているものとする)は反転円Oの内側にあり、反転円の中心点Oを内包する
方針:方法論は上の二つと同じ
①OCを結び、円Cとの2交点をそれぞれ A,B とする(1手順)
A,B のそれぞれの逆点A,B’  を描く(上記既出の方法で)(20手順)
ABを直径とする円を描く。それが求める反形の(5手順)

反転の中心を通らない円(反転円を内包する)の反形の作図(26手順)
条件:反転円O(中心点O)が黒点円, 反転の対象とする円C(赤円、中心点Cは分かっているものとする)は反転円Oを内包する
方針:方法論は上の三つと同じ
①OCを結び、円Cとの2交点をそれぞれ A,B とする(1手順)
A,B のそれぞれの逆点A,B’  を描く(上記既出の方法で)(20手順)
ABを直径とする円を描く。それが求める反形の(5手順)

反転の中心を通らない円(反転円と外接する)の反形の作図(16手順)
条件:反転円O(中心点O)が黒点円, 反転の対象とする円C(赤円、中心点Cは分かっているものとする)は反転円Oと外接する
方針:反転円と対象円の接点は不動点なので、上の方法論のひと手間が省けるだけの違い
①OCを結び、円Cとの2交点をそれぞれ A,B とする(Bが接点とする(1手順)
の逆点A を描く(上記既出の方法で)(10手順)
ABを直径とする円を描く。それが求める反形の(5手順)

反転の中心を通らない円(反転円に内接する)の反形の作図(16手順)
条件:反転円O(中心点O)が黒点円, 反転の対象とする円C(赤円、中心点Cは分かっているものとする)は反転円Oと内接する
方針:上のパターンの逆を辿ればよい
①OCを結び、円Cとの2交点をそれぞれ A,B とする(Bが接点とする(1手順)
の逆点A を描く(上記既出の方法で)(10手順)
ABを直径とする円を描く。それが求める反形の(5手順)

・関連ページの読み進め方

「アポロニウスの問題」を解くのに反転幾何を利用する

3ヶ月 2 週間 ago

本ページ群は、「「アポロニウスの問題」をコンパスと定規だけで作図する方法を、10種類の全て丁寧に解説するの続編だ。いきなりこのページに訪れた方は、まず先にそちらを読破し、「アポロニウスの問題」についてしっかり理解をして頂いた上で、読み進めて頂きたい。

・何故反転幾何なのか
様々な幾何の問題を解くときに、「反転幾何」の仕組を知っていると、別の簡易な問題に変換させてそれを証明すればよい、といった利用方法で活躍することがある。「アポロニウスの問題」を解くのにも反転幾何を使えるという話を聞いたので、まずは「反転幾何」とは何かを調べ、その次に実際に「アポロニウスの問題」を解くのに、その反転幾何をどう使いこなすのかを探ってみた。なお使う「反転幾何」については、中学幾何の知識の延長線上で理解できる範囲(数式も一切出てこないのでご安心あれ)しか扱わない。また厳密な証明のような議論は省くので、細かい部分では不正確な記述があることはご容赦願いたい。

実際筆者が「アポロニウスの問題」の10種類の問題で、反転幾何によって解けたと言えたのは、筆者の能力不足か「CPP」「CLP」「CCP」の3つだけだった(反転幾何を利用することで解く方法は別のページでそれぞれ示す)。しかも手順数は反転幾何を利用しない場合よりも多かった。なるほどそう解くのか感心に思う反面で、ちょっと捻り過ぎ(凝り過ぎ)じゃないかとも思った次第だ。だが、それも「アポロニウスの問題」に限って言えば、ということになるだろう。

・反転変換について
「反転」とは、平面上の点を別の点に移す変換のこと。そのために使う円のことを「反転円」あるいは「基準円」などと呼ぶ。その円Oの中心を点O、半径は r としておこう。この円Oによる「反転」を以下のように定義する。

『反転により点Pは、半直線OP上の点で、OP×OP′=r^2 (rの2乗)を満たす点P′に移る

定義から分かると思うが、反転円上の点Qは反転変換しても動かないのはわかるだろう。OP×OP′=r^2=r ×r OQ×OQ' なら、半直線OQ上の点で OQ'なのでQ=Q’でしかないからだ。

幾つか言葉の定義を加えておく。点Oを反転の中心、r を反転半径P'のことを反転円Oによる点Pの逆点という。またある点の反転を2度繰り返せば、P→P'→Pとなることから元に戻ることも分かるだろう。

そして、「直線」は点の集合体なので、ある直線を「反転」することもできるし、「円」などの図形も丸ごと「反転」することができる。反転で図形Aが図形A'に移るとき、図形A'を反転による図形Aの反形という。

なお、点O自身の反転変換先はP=Oになるので「OP×OP′=r^2」の定義では決められないことが分かるだろう。Pを反転の中心Oに無限に近づけていくと、P' は無限に遠い点に移ることになるので、特別な場合として「無限遠点」にうつされる「アポロニウスの問題」を解く場合に、これを利用することになる。

・図形はどのように反転されるか
別のページで作図方法と共に詳しく解説するが、反転によって直線や円はどのように反転変換されるかと言うと、

  1. 原点を通る直線は原点を通る直線にうつる
  2. 原点を通らない直線は原点を通る円にうつる
  3. 原点を通る円は原点を通らない直線にうつる
  4. 原点を通らない円は原点を通らない円にうつる
どうしてこのようになるのか、代数学的に理解したい(証明して欲しい)方は、外部のページ「反転にまつわる軌跡の有名問題を参照して頂ければ、納得できるだろう。

・反転の性質①反転によって接する、接しないという状況は変わらない

円と円または円と直線が接するというのは共有点が1つということ。反転は一対一対応なので2つの図形の共有点の数は反転後も変わらない。つまり「円と円が接している」といった状態の時に、その「反形」同士も接しているという状態を維持するのだ。反転後の図形の作図法は別途紹介するが、下図の通り「反形」同士も接しているだ。

そして「円と円が接している」状態よりも「円と直線が接している」方が、幾何学では扱いやすいことが多い。つまり、2円がある場合、反転によって一方の円を直線に移し,反転後の世界で取り扱いやすい「円と直線」の接している状態で問題を解くと楽になるのだ。アポロニウスの問題を解く上でメリットになりそうなことが分かるだろう。

反転の性質②反転円と直交する円は反転によって変わらない
アポロニウスの問題を解く上で、何かの操作を行っても変わらない点や変わらない図形はメリットになる。つまり不動点や不動円などがあると便利だ。すでに不動点については、上の「反転変換について」の節で、反転円上の点Qは不動点であるという話をしてある。

そして反転円に直交する円の反形は、その円自身であるので、反転しても動かない不動図形になる。証明は一部だが、以下の図で納得して頂きたい。

反転の性質③直線や円が交わる角度は反転変換で変わらない
また反転変換では角度を保つ性質もあるので、例えば直交する線を反転すれば、下図の通り直交する円となる。

アポロニウスの問題では相似形を扱うことも多く、具体例は思いつかなかったが、角度が変わらなければ、相似関係が不変であることも重要そうだ。また上の二つ(直交する図形同士/接する図形同士を反転しても、その関係は同じである)は、その一例とも言える。

・参考文献

・関連ページの読み進め方
下記リンクを上から順番に読んでいって欲しい。

・「アポロニウスの問題」を解くのに反転幾何を利用する(このページ自身)

サイバー、広告レポート作成のAIアシスタントを提供

3ヶ月 2 週間 ago

サイバーエージェントが、広告のレポートを作成するAIアシスタント「シーエーアシスタント」を広告主に提供。AIとの対話を通じて、広告主がいつでも自由にレポートを生成できる。分析コメントやグラフまでAIが生成する。

https://www.cyberagent.co.jp/news/detail/id=32299

noreply@blogger.com (Kenji)

LINEヤフーの「Yahoo!ショッピング」、商品パトロールへAI導入、やらせ目的のストアレビュー削除の自動化などを実施

3ヶ月 2 週間 ago

LINEヤフーは8月19日、「Yahoo!ショッピング」における安全・安心への取り組みと実績をまとめた2025年上半期(1~6月)版の「安全・安心への取り組みレポート」を公開した。

「Yahoo!ショッピング」では2025年上半期の取引トラブル率は2024年上半期と比べて74.6%減少、売り場の安全性は改善傾向にあるという。

「安全・安心への取り組みレポート」では出店前後の審査状況、市場全体で課題となっているやらせレビュー・不正決済などの対策と実績、2025年上半期から新たに取り組んでいる対策などについて記載している。

2025年1-6月期の取り組みと実績

信頼できるストアの厳選

「Yahoo!ショッピング」では2024年、在庫証明審査の実施、携帯電話・フリーメールアドレスを利用した申し込みの禁止などストアの出店審査を厳格化。不正が疑われるストアの出店抑制に取り組んだその結果、2025年上半期における出店審査の合格率は、2024年上半期の11.2%から7ポイント減の4.2%となった。

また、一部のブランドに関して、直営店や正規代理店の商品に「ブランド公式商品アイコン」の表示、発送や顧客対応などにおいて一定の条件を満たすストアを「優良ストア」として認定する制度を導入。ユーザーが安心して利用できるよう、売り場の改善に取り組んた。

出店審査の厳格化などの対策で信頼できるストアを厳選
出店審査の厳格化などの対策で信頼できるストアを厳選

不適切なストアや商品の排除

出店審査の厳格化だけでなく、出店後の途上審査も強化、悪質なストアは減少傾向にあるという。4月からはAIによる違反商品のパトロールを開始し、違反商品減少に取り組んでいる。これにより、従来の手法に比べて違反検知率が3倍以上になり、違反商品の減少につながっているという。

また、2025年上半期は政府備蓄米や「Nintendo Switch 2」など、取引環境の混乱が懸念される商品への個別対応を進めた。

AIの導入、取引環境が混乱される商品の個別対応などを実施
AIの導入、取引環境が混乱される商品の個別対応などを実施

商材の取り扱い審査に関して、2025年上半期から偽造品が増えている「浄水カートリッジ」を審査対象商材に追加、不正な販売抑制に取り組んでいる。

ブランド品への対応も引き続き強化。ブランド未審査ストアの商品削除数は前年同期比50.0%増の3438件だった。2025年上半期の1権利者あたりの平均申告件数は10.9件と前年から下げ止まりしていることから、2024年に実施した出店審査の厳格化や途上審査の強化、個人事業主への出品数制限などの対策の効果が出ていると報告している。

商材の取り扱い審査を強化
商材の取り扱い審査を強化

不正行為の防止

やらせレビューを中心とする不正なレビューへの対応を強化しており、2025年上半期には45万2701件の不正とみられるストアレビューを削除。2025年2月からは、やらせレビュー削除をシステムにより自動化し、リアルタイムでの対応を可能にしている。2025年上半期におけるストアレビューの対象ストア数は1123ストア。

不正レビューの削除など不正行為防止への取り組み
不正レビューの削除など不正行為防止への取り組み

クレジットカードの不正利用被害に対しては2024年4月以降、自社開発の不正検知システムの判定精度を改善した結果、被害を抑制しているという。2025年上半期の不正決済の被害金額は、2024年上半期と比較して41.2%減ったという。

すでに実施している「不正決済対策」「優良配送不正対策」の強化や、AIを活用した審査自動化を推進していく方針。

今後の主な取り組み
今後の主な取り組み
大嶋 喜子
宮本和弥

消費者がAIに感じる価値は「商品比較」「最安値の検索」。商品検索のAI活用は「ChatGPT」が51%、「Gemini」が34%

3ヶ月 2 週間 ago

Criteoが8月19日に公表した「世界の消費者トレンドと購買意識の最新分析に関するレポート」によると、消費者がAIに感じる価値は「商品比較」「最安値の検索」で、商品検索のAI活用は「ChatGPT」が51%、「Gemini」が34%だった。

レポートは日本を含む6か国・6000人以上の消費者を対象に、世界の消費者トレンドと購買意識の最新分析をまとめた消費者インサイトレポート。調査から、消費者の半数以上がAIを商品検索に活用していること、価格比較・レビュー重視へと変化する購買行動、新しい商品はオンライン上で発見するなど、購買チャネルの進化などが明らかになった。

AI活用

消費者がAIに大きな価値を感じている場面は「商品比較」(39%)と「最安値の検索」(36%)だった。

「ChatGPTを使って商品を検索する」と回答した消費者は前年の調査実績比17ポイント増の51%で、Googleの「Gemini」の利用率は同13ポイント増の34%。AI活用の顕著な伸びが見られた。

購買行動

「小売業者のオンラインショップやマーケットプレイスを通じて、新しい商品を発見している」という回答は約半数(47%)、市場全体で最も多い検索手段となった。また、42%の消費者が「オンラインで調べて店舗で購入する」と回答し、「店舗で見てオンラインで購入する」(35%)を上回った。

購入前に、複数のウェブサイトで価格を比較・リサーチするのが一般的で、ほとんどの消費者が2〜3つの情報源を参照してから購入することがわかった。

64%の消費者が、価格の安さ(59%)や商品の品質の高さ(44%)など、より良い購買体験を理由に購買するブランドや小売業者を変更したことがあると回答した。

買い物客は購買体験においてスピード、パーソナライゼーション、サステナビリティを重視している一方で、調査対象6カ国の買い物客は「効率的な購入とブラウジングする時間のバランスを取っている(34%)」と回答。国別では、韓国(47%)と日本(43%)がリードしていた。

最新購入トレンド

買い物客はオンラインチャネルを積極的に活用していることがわかった。特に電子機器(70%)、衣料品(70%)、スポーツ用品(63%)が顕著だった。一方、食料品(42%)や家庭用品(36%)といった日用品はオンラインでの購入は少ない傾向にあった。

Amazonの利用

Amazonは米国(36%)と英国(42%)で月間利用率が高い。週に1回以上利用する消費者は米国で38%、英国で29%と高い割合を占めている。

「Amazon Prime」は世界的に認知されているが(89%)、韓国では認知度が低い(51%)。

CRITEOの調査 「Amazon Prime」は韓国では認知度が低い
「Amazon Prime」は韓国では認知度が低い

「Prime Day」での購入予定商品は電子機器が最多。39%の消費者が「Prime Day」にAmazon以外のサイトでも購入する予定と回答しており、47%の消費者が「より良い割引があればAmazon以外で購入する」と回答した。

購買チャネル

約28%の消費者は、店舗が近いことで「購入する可能性が高まる」と回答しているが、「遠くまで出向くこともいとわない」(34%)「距離は購入の決定に影響しない」(23%)と回答した。消費者の商品発見の場のトップは「オンラインの食料品店」(45%)、次いで「オンラインの大型量販店」(37%)となった。

経済的要因による消費者の購買トレンド

家計(財務状況)に関しては、世界中の消費者の約4割(39%)は、1年前と比べて自分の経済状況が「変わっていない」と回答、約3割が「今後1年間で経済状況が改善する」と予想してる。

関税によるコスト増加については、消費者はより賢く買い物をするようになっているという。「よりお得な情報を探す」(47%)「オンラインでの買い物を増やす」(37%)といった行動が見られた。

関税への懸念により高額商品の早期購入に踏み切った人は少数派で、同調査に回答した世界の消費者の4割が例年より早くクリスマスの時期に向けてショッピングを始める予定と回答した。

インフレの影響については、食料品(92%)、光熱費(87%)といった生活必需品から、ヘルス&ビューティー(85%)まで、大多数が「昨年と同じかそれ以上の支出」との回答だった。衣料品(78%)、電子機器(75%)、ラグジュアリー商品(63%)といった裁量的な支出カテゴリーでも、高い結果となった。

調査概要

  • 調査実施期間:2025年6月1~30日
  • 調査対象:米国、英国、フランス、ドイツ、日本、韓国の6つの市場で6000人以上の消費者(地域ごとに最低1000人)
  • 調査方法:Criteo Shopper Surveyを通じたオンライン調査
鳥栖 剛

認知はお金で買えるが、興味・好意・信頼はお金では買えない。ということで、マーケターのみなさん、改めて「広報PR」を学び直してみないか?

3ヶ月 2 週間 ago

社会人歴30年。マーケティングを仕事にして27年くらい経ちますが、広報PRの領域は、誤解が本当に多いな…と日々感じます。

広報PRに対する大いなる誤解① PRはお金がかからない


続きをみる

楽天やヤマト運輸などが国土交通省の事業で実施する多様な受取方法の施策とは/LINEヤフーが「Yahoo!ふるさと納税」利用で高付与率の「PayPayポイント」を進呈するキャンペーンを実施【ネッ担アクセスランキング】 | 週間人気記事ランキング

3ヶ月 2 週間 ago
2025年8月15日~2025年8月21日にアクセス数の多かった記事のランキングを発表! 見逃している人気記事はありませんか?
  1. 楽天、LINEヤフー、ヤマト運輸、アスクル、JR東日本、ジモティーなどが国土交通省の事業で実施する多様な受取方法の施策とは?

    国土交通省の「多様な受取方法等の普及促進実証事業費補助金」。補助対象事業者は楽天グループ、LINEヤフー、ヤマト運輸、アスクル、JR東日本、ジモティーなど。

    2025/8/18
  2. LINEヤフー、「Yahoo!ふるさと納税」で最大100%のPayPayポイントを還元するキャンペーン開始

    LINEヤフーは「Yahoo!ふるさと納税」の利用で高付与率の「PayPayポイント」を進呈するキャンペーンを実施している。期間は9月30日まで

    2025/8/20
  3. 「駿河屋」に不正アクセス、カード情報が漏えい。改ざんで決済時に入力した情報が外部に流出する状態に

    駿河屋によると8月4日に、ECサイトのシステムの一部が第三者によって不正に改ざんされていることを確認。調査の結果、改ざんにより、顧客が決済時に入力した情報が外部に流出する状態となっていたことが判明した。

    2025/8/19
  4. シュッピン、自転車やパーツ用品販売事業から撤退。「成長可能性や収益性の高い事業に経営資源を集中させる」

    シュッピンの自転車事業の業績は2025年3月期で前期比3.7%増の7億9700万円。全社実績に占める比率は1.5%だった。営業利益は同58.4%減の1900万円で全社実績に対する割合は0.6%だった。

    2025/8/19
     
  5. ベイクルーズの「JOURNAL STANDARD」からモンスター井上尚弥選手のTシャツを販売

    井上尚弥選手のTシャツは特別限定アイテム。9月14日にNTTドコモの映像配信サービス「Lemino」で独占無料生配信する「NTTドコモ Presents Lemino BOXING トリプル世界タイトルマッチ 井上尚弥 vs ムロジョン・アフマダリエフ」を記念し、製品化した。

    2025/8/20
     
  6. 楽天グループが始めたペットオーナー・ペット好き向けソーシャルメディア「moflog by Rakuten」とは

    楽天グループが新設した「moflog(モフログ) by Rakuten」は、ペットオーナー同士やペット飼育を検討しているユーザーがつながり、ペットとの生活に関連した情報交換できる場をめざすソーシャルメディア

    2025/8/18
     
  7. Amazonでの支払い、60回分割払いを提供

    「Amazon.co.jp」において、申し込みから審査まで最短5分で審査完了、初のクレジットカード不要で最大60回までの分割払いが可能になった。

    2025/8/18
     
  8. PostCoffee、スペシャルティコーヒー豆をランダムに同梱する「コーヒー豆ガチャ」開始。焙煎度合い別など多様に展開

    コーヒー豆のECやサブスクリプションを手がけるPOST COFFEEは新企画「コーヒー豆ガチャ」を開始した。ガチャならではのワクワク感とともに、利用者が気軽に新しい味と出会える機会を提供する

    2025/8/19
     
  9. ニッセンや白鳩などを傘下に持つ歯愛メディカルをエア・ウォーターが連結子会社化へ

    エア・ウォーターは、歯愛メディカルの連結子会社化で通信販売ネットワーク、通販ビジネスのノウハウやプロモーション能力、顧客接点をグループ全事業において取り込み、自社開発品の展開や、技術開発力を活かした新事業を創出し、事業変革を起こしていくという。

    2025/8/18
     
  10. KDDIグループがECの買い物を“検索”から“対話”へシフト。「au PAY マーケット」に「対話型AIアシスタント」を導入

    auコマース&ライフとKDDIが共同運営するECモール「au PAYマーケット」に導入した「対話型 AIアシスタント」は、カラクリが提供する顧客対応AIエージェント 「Generative Navigator(GeN)」を活用して実現した。

    2025/8/21
     

※期間内のPV数によるランキングです。一部のまとめ記事や殿堂入り記事はランキング集計から除外されています。

藤田遥

消費者の4割が買い物中に意識。コスパ、タイパの次にくる「コミュパ」とは?購入行動への影響は?【消費者調査まとめ】

3ヶ月 2 週間 ago

パロニムが実施した「Tig LIVEコミュパ意識調査」によると、費やしたコミュニケーション量に応じた効果や満足度――すなわち「交流対効果」を指す「コミュパ」(コミュニケーションパフォーマンス)について、約6割が「今後重要になる」と考えている。買い物中に「コミュパ」を重視する割合は4割以上だった。

調査対象は全国の20歳〜69歳の男女500人。実施期間は2025年4月。

2人に1人以上が「コミュパという概念が今後重要になると思う」と回答

コミュニケーションにおけるやり取りの回数(量)と、伝え方の工夫(質)、どちらを大切にしているかを聞いたところ、最も多かったのは「伝え方の工夫(質)」が49.8%、続いて「どちらも同じくらい」が38.4%、「やり取りの回数(量)」が11.8%だった。

少ないコミュニケーションで大きな効果を得られる場合、それを良いコミュニケーションだと思うかを聞いたところ、「非常にそう思う」が21%、「ある程度そう思う」が56%だった。合計すると77%が、少ないコミュニケーションでも効果があればそれを良いと感じることがわかった。

コミュニケーションにおけるやり取りの回数(量)と、伝え方の工夫(質)、どちらを大切にしているか(左)、少ないコミュニケーションで大きな効果を得られる場合、それを良いコミュニケーションだと思うか(右)
コミュニケーションにおけるやり取りの回数(量)と、伝え方の工夫(質)、どちらを大切にしているか(左)、少ないコミュニケーションで大きな効果を得られる場合、それを良いコミュニケーションだと思うか(右)

「コミュパ」という概念が、今後のコミュニケーションにおいて重要になると思うかを聞いたところ、全体では「コミュパという概念が重要となると思う」が58.6%、「コミュパという概念が重要となると思わない」が41.4%だった。

世代別に見ると、20代、30代、50代、60代は約60%が「重要になる」と回答。40代で「重要になる」と回答したのは53%だった。

“コミュパ”という概念が、今後のコミュニケーションにおいて重要になると思うか
“コミュパ”という概念が、今後のコミュニケーションにおいて重要になると思うか

「コスパ」「タイパ」の意識層は「コミュパ」も重視

普段の生活の中で「コミュパ」、「コスパ」(費用効率)、「タイパ」(時間効率)をどの程度意識したことがあるかを聞いたところ、コスパの意識があると回答した割合はコミュパの「意識あり」が91.6%、同「意識なし」が41.2%だった。

タイパの意識があると答えた回答者のなかでは、コミュパの「意識あり」が84.0%、同「意識なし」が41.2%だった。

「コミュパ」を意識している回答者ほど「コスパ」「タイパ」を意識している割合が高いことがわかった。

普段の生活の中でコミュパ、コスパ(費用効率)、タイパ(時間効率)をどの程度意識したことがあるか(右)
普段の生活の中でコミュパ、コスパ(費用効率)、タイパ(時間効率)をどの程度意識したことがあるか(右)

買い物中に「コミュパ」を意識するは41%

普段の買い物の中で「コミュパ」をどの程度意識したことがあるかを聞いたところ、「常に意識する」が9.2%、「時々意識する」が32%で、合計41.2%が買い物中にコミュパを重視していることがわかった。

買い物をする際に、どのような体験や感情を求めることが多いかを聞いたところ、「コミュパ」の意識がある割合は「お得に購入したい」が最も多い42.0%、続いて「欲しかったものを手に入れて満足したい」が35.6%、「信頼できる商品・店で、安心して買い物をしたい」が34.8%だった。いずれの項目の回答率も、「コミュパ」を重視しない割合を上回っている。

普段の買い物の中でコミュパ(交流効率)をどの程度意識したことがあるか(左)、買い物をする際に、どのような体験や感情を求めることが多いか(右)
普段の買い物の中でコミュパ(交流効率)をどの程度意識したことがあるか(左)、買い物をする際に、どのような体験や感情を求めることが多いか(右)

口コミやレビューを参考にする割合がコミュパ層では7割超

購入判断にあたり、商品のインターネット上のクチコミやレビューを参考にする割合は、「コミュパ意識あり」と答えた割合が75.2%、「コミュパ意識なし」は47.2%だった。

商品のインターネット上のクチコミやレビューは、購入判断にどの程度影響するか(左)、店舗での買い物において、店員や販売者とのコミュニケーションをどの程度重視するか(右)
商品のインターネット上のクチコミやレビューは、購入判断にどの程度影響するか(左)、店舗での買い物において、店員や販売者とのコミュニケーションをどの程度重視するか(右)

「コミュパ」層の半数以上がライブコマースを認知

ライブコマースについて聞いたことがあるかは、「コミュパ意識あり」と回答した全世代の52.8%が「知っている」と回答した一方、「コミュパ意識なし」と回答した全世代で「知っている」と回答したのは21.6%だった。

これまでにライブコマースを使ったことがあるかを聞いたところ、「コミュパ意識あり」の割合は全世代の28.4%が「視聴経験あり」、12.4%が「購入経験あり」と回答した。「購入経験あり」は特に20代では26.0%、30代では24.0%となっており、突出して高くなっている。

「コミュパ意識なし」の回答者は、全世代では12.8%が「視聴経験あり」、2.0%が「購入経験あり」と回答した。「コミュパ意識あり」の回答者と比べるとライブコマースの視聴・購入経験がある割合は大きく下回っている。

ライブコマースについて聞いたことがあるか(左)、これまでにライブコマースを使ったことがあるか(右)
ライブコマースについて聞いたことがあるか(左)、これまでにライブコマースを使ったことがあるか(右)

コミュパ層の約半数「配信者とのやりとりが購買意欲に影響する」

ライブコマースで配信者とのコミュニケーションが購買意欲に影響するかを聞いたところ、「コミュパ意識あり」の割合は全世代の48.8%が「影響する」と回答した。20代、30代は特に高く、購買意欲に影響する割合は両世代ともに60%となっている。

ライブコマースのどの要素が魅力的だと思うかは、「コミュパ意識あり」の回答者では「お得な情報が得られる」が最多の30.4%、続いて「普段聞けないような質問ができる」が29.6%、「商品の詳細な情報が得られる」が26.8%だった。

「コミュパ意識なし」の回答者においては、「その他」を除き、最多が「お得な情報が得られる」で24.4%、続いて「新しい商品やサービスに出会える」が16.8%、「商品の詳細な情報が得られる」が16.4%だった。

ライブコマースで配信者とのコミュニケーションは、購買意欲に影響するか(左)、ライブコマースのどの要素が魅力的だと思うか(右)

調査概要

  • 実施期間:2025年4月
  • 実施方法:インターネット調査
  • 調査対象:全国の20歳〜69歳の男女500人(年代均等に100人ずつ、「コミュパ」意識可否均等に250人ずつ)
  • 調査手法:インターネットリサーチ
  • 調査元:パロニム
大嶋 喜子

ネット書店「漫画全巻ドットコム」のTORICO、暗号資産・ブロックチェーンなどWeb3領域での新規事業創出に向け幻冬舎と業務提携

3ヶ月 2 週間 ago

漫画のECサイト「漫画全巻ドットコム」などを運営するTORICOは8月20日、幻冬舎と暗号資産(仮想通貨)・ブロックチェーンなどWeb3領域における新規事業の創出に向け、業務提携すると発表した。

TORICOはネット書店「漫画全巻ドットコム」「まんが王」「ホーリンラブブックス」「トレオタ」、国内外での各種エンタメIPのイベント企画運営、商品企画販売事業「マンガ展」などを運営している。 7月には新たな事業として「暗号資産投資事業」への参入を発表。今後の成長戦略の一環として、拡大する暗号資産市場を中長期的な視点で捉え、デジタルアセット領域への取り組みを段階的に強化している。

幻冬舎は書籍出版事業に加え、暗号資産やブロックチェーンなどのWeb3領域の専門メディア「あたらしい経済」の運営、法人向けのWeb3 事業コンサルティング、セミナー・コミュニティ運営などの事業を展開している。

業務提携で、幻冬舎の専門メディア運営やコンサルティングを通じて培ってきたWeb3領域における経験とノウハウを生かし、TORICOの暗号資産・ブロックチェーンの既存事業への活用支援、新規事業の創出を図る。同じ出版・コンテンツ業界の企業というシナジーを生かし、Web3関連の共同事業の実施もめざすとしている。

鳥栖 剛

CRMは「眠った後の対策から、眠る前の予防へ」。トリノリンクスが始めたCRM分析サービス「休眠対策ダブル」とは

3ヶ月 2 週間 ago

通販コンサルティングなどを手がけるトリノリンクスは8月20日、D2C事業の休眠対策を「眠った後の対策から、眠る前の予防へ」とパラダイムシフトするCRM分析サービス「休眠対策ダブル」の提供を開始した。

「休眠対策ダブル」は、休眠前のアクティブ客に継続購入を促す「休眠予防」施策。休眠状態になる前のアプローチは、施策の経費効率改善だけでなく事業の成長を持続させ、顧客との関係性を維持し、LTVの拡大にもつながるなどさまざまな効果が期待できるとしている。

「休眠対策ダブル」は購買実績データを使い、2つの休眠対策アクションを実行する。

休眠予防のCRM

休眠前のアクティブ顧客が「休眠化する兆候」を、継続時の利用貢献度が高い順に特定。休眠前の購入促進(=休眠予防のCRM)を実行する。D2C事業者は、高い費用対効果と、D2C事業の持続的な成長を加速することができるという。

経費効率の高い休眠客の掘り起こし

すでに休眠してしまった顧客のなかから、掘り起こしやすい顧客を特定(=再購入しにくい顧客を除外)することで、費用対効果の高い「休眠掘り起こしのCRM」を実行。新規客獲得への投資配分を軽減でき、事業効率を改善できる。

「休眠対策ダブル」は独自の分析技術「Anothersky」により、顧客の継続力と購買力を同時に識別。D2C事業で一般的に用いられているRFM分析では考慮しない「購入間隔」などを評価に加え、6か月先の購買予測から顧客を識別する。

「休眠対策ダブル」の納品物は、「分析結果レポート(PDF形式)」「ターゲット顧客番号データ(CSV形式)」「納品時の説明(同社コンサルタントが対面あるいはオンラインで分析結果を説明する)。

「休眠対策ダブル」を活用するのに必要なデータは①購買実績データ②商品マスターデータ③媒体マスターデータ④顧客マスターデータ――をCSV形式で用意する必要がある。顧客マスターデータに登録されている個人情報は不要。

利用料金は分析データ量(前年の年商)に応じた設計。前年度の年商が50億円未満の場合は初回料金が28万円(税別)、2回目以降が18万円(税別)。100億円未満の場合は初回料金が48万円、2回目以降が28万円(税別)。100億円以上は個別見積り。

通常料金の半額で本番と同じCRM分析を実施し、期待できる成果を事前にシミュレーションできる「プレビュープラン」も用意。通常サービスとの違いは、休眠対策を実行する際に利用する「ターゲット顧客番号データ」が含まれない。「休眠対策ダブル」を申し込む前に想定効果を確認できる。「プレビュープラン」の利用料金は年商50億円未満が14万円、100億円未満が24万円、100億円以上が別途見積り。「プレビュープラン」の利用後14日以内に「休眠対策ダブル」を申し込むと、「プレビュープラン」相当額を割引するとしている。

鳥栖 剛

LINEヤフーと出前館の「Yahoo!クイックマート」終了へ。スタート1年で最短30分で届く即配サービスから撤退

3ヶ月 2 週間 ago

LINEヤフーと出前館はこのほど、生鮮食品や日用品などを最短20分で届けるクイックコマースサービス「Yahoo!クイックマート」を8月31日で終了すると発表した。

サービス終了日程は、注文受付終了日時が8月30日(土)23時59分、サービス提供終了日時は2025年8月31日(日)23時59分。

LINEヤフーと出前館はこのほど、生鮮食品や日用品などを最短20分で届けるクイックコマースサービス「Yahoo!クイックマート」を8月31日で終了すると発表
「Yahoo!クイックマート」について(画像はお知らせから編集部がキャプチャ)

「Yahoo!クイックマート」は、生鮮食品や日用品などを最短20分で届けるサービスで、「Yahoo!ショッピング」内から利用できる。ユーザーは、配達希望場所の対象エリア内にある店舗(コンビニエンスストアやスーパー、ドラッグストアなど)で販売されている商品を選択し、注文・決済すると「出前館」の配達員がストアで該当商品をピックアップして配達する仕組み。

「Yahoo!クイックマート」は2024年8月にLINEヤフーと出前館がサービスをスタート、2025年4月時点で全国45都道府県での配達に対応していた。

鳥栖 剛

DM事業などのディーエムエス、商品情報などをわかりやすく紹介するAI自動生成サービス「PAGE CAST」

3ヶ月 2 週間 ago

ダイレクトメールや物流サービスなどを手がけるディーエムエスは8月18日、ECサイトの商品情報などをAIが分析し、わかりやすく魅力的な音声コンテンツを自動生成する「PAGE CAST(ページキャスト)」をリリースした。

「PAGE CAST」は、ECサイトに専用のタグを埋め込むだけで、AIが掲載情報を読み取り、ポッドキャスト番組のようなトーク形式で、音声コンテンツを自動生成できるサービス。

ディーエムエスの「PAGE CAST」は、ECサイトに専用のタグを埋め込むだけで、AIが掲載情報を読み取り、ポッドキャスト番組のようなトーク形式で、音声コンテンツを自動生成できるサービス
音声コンテンツの生成の流れ

音声は、文字情報よりも親近感を与えて記憶に残りやすいという特長があるという。その特長を生かし、商品やサービスのイメージUPや認知理解の促進を図り、コンバージョン向上をサポートする。

ディーエムエスの「PAGE CAST」は、ECサイトに専用のタグを埋め込むだけで、AIが掲載情報を読み取り、ポッドキャスト番組のようなトーク形式で、音声コンテンツを自動生成できるサービス
「PAGE CAST」活用のイメージ

今後は、多種多様な企業のオンラインプロモーションの支援、行政・自治体、教育・医療機関など公的分野のWebサイトも対象に用途の拡大を進めるとしている。

また、Webサイトなどのオンライン領域だけでなく、紙媒体や屋外広告などのオフライン領域でも、音声コンテンツ自動生成の機能を活用してサービスを拡張するとしている。

「PAGE CAST」の特長は次の通り。

  • 親近感を醸成して購買意欲を促進
    • 専門家や友人が語りかけるような自然なおしゃべりトークを自動生成。声のトーンや会話の抑揚などを設定して、感情豊かな表現を加えることもできる。音声を視聴することで自然とページ滞在時間が延びるとともに、ページからの離脱率低下にもつながるという。
  • 視覚に依存しないアクセシビリティの向上
    • 視覚に頼らず情報を得られる音声コンテンツは、高齢者や視覚障がい者、マルチタスク中のユーザーなど誰にでもわかりやすく情報を提供できる。
  • 多言語音声対応で越境EC拡大に貢献
    • 多言語音声対応で、外国人や異文化背景を持つユーザーにも正確で親しみやすい情報を提供でき、サイトの利便性と包括性が大きく向上する。
宮本和弥

マスク氏、Grokの回答に広告を挿入する可能性も

3ヶ月 2 週間 ago

Xの広告の未来について語るライブイベントにイーロンマスク氏が参加。AIアシスタント「Grok」の回答に広告を挿入することもありうると受け取れる発言があった。

51分20秒ごろからの発言

If a user’s trying to solve a problem [with Grok], then advertising the specific solution would be ideal at that point

https://www.adweek.com/social-marketing/musk-says-ads-in-grok-will-fund-xai-gpu-costs/

noreply@blogger.com (Kenji)

クラウドECサイト構築プラットフォーム「メルカート」がLINEミニアプリと連携

3ヶ月 2 週間 ago

エートゥジェイは8月20日、クラウドECサイト構築プラットフォーム「メルカート」がLINEミニアプリと連携したと発表した。

「メルカート」がLINEミニアプリとの連携機能を標準搭載。「メルカート」を導入している企業は、実店舗・EC・LINE公式アカウントを横断したシームレスな顧客体験を、追加開発なしで実現できるようになる。ノーコードでの設定管理により、短期間かつ低コストでアプリを活用できる。

また、LINEユーザーがLINEミニアプリ上で商品を閲覧・購入し、会員証やポイント情報も一元管理できるため、実店舗を有するEC事業者のLTV最大化と運用効率の両立を支援するとしている。

LINEミニアプリとの連携で実現できることは次の通り。

店舗チェックイン機能

来店ユーザーがLINEミニアプリ上でチェックインすることで、店舗訪問履歴を記録。チェックインに応じたポイント付与や特典表示、LINEでの来店フォロー配信など、店舗と連動した販促施策に活用が可能。

LINE公式アカウントの友だち追加

ユーザーがLINEミニアプリを追加すると同時に企業側は「LINE公式アカウントの友だち」の獲得やLINEのユーザー IDの取得が可能。

会員登録機能

LINEミニアプリ上で簡単にEC会員登録が可能。LINEアカウントと連携することで、会員証の提示やポイント管理、購入履歴の一元化が実現でき、スムーズな顧客体験を提供。

ECサイト購入

LINEミニアプリから商品を閲覧し、そのままECサイトでの購入に遷移可能。購入履歴はLINEアカウントと連携され、購入後のフォローメッセージやリピート促進など、CRM施策にも活用できる。

ECキャンペーン

ECで行うキャンペーンをLINE公式アカウント上でお知らせして集客し、メッセージをタップすることでLINEミニアプリ上からキャンペーンページを閲覧・キャンペーンに参加することができる。

LINEからの通知

LINE公式アカウントを「友だち追加」したユーザーに向けてEC購入や店舗チェックインなどの行動に基づき、LINE公式アカウントから自動でメッセージ配信。再来店やリピート購入を促すCRM施策に活用できる。

クーポン配布

LINEミニアプリ上でクーポンを配布・表示可能。店舗チェックイン時やEC購入後など、行動に応じたクーポン配信により、来店・購入のリピートを促進。

クラウドECサイト構築プラットフォーム「メルカート」がLINEミニアプリと連携
実店舗を有するEC事業者のLTV最大化と運用効率の両立を支援する

「LINEミニアプリ」は、店舗・企業が「LINE」上で自社サービスを提供できるアプリプラットフォーム。会員証やモバイルオーダー、予約受付などのサービスをアプリの追加ダウンロード・会員登録不要で「LINE」上で提供でき、重要なお知らせを無料で通知できる。また「LINE公式アカウント」との連携で、「友だち」をスムーズに獲得でき、「LINEミニアプリ」を通じて取得した顧客の属性情報や行動データを活用することで、効率的な販促活動を実現する。

鳥栖 剛

こども関連ビジネスの市場規模2.2%増の10.9兆円、少子化進行も共働き世帯の増加などのニーズ増で安定推移

3ヶ月 2 週間 ago

矢野経済研究所が公表した国内のこども関連ビジネス市場の調査結果によると、2024年度のこども関連ビジネス市場規模(6分野34市場計)は、事業者売上高ベース(一部は興行収入ベース)で前年度比2.2%増の10兆9059億円だったと推計した。

こども関連ビジネスの市場規模は2.2%増の10.9兆円に

2024年度は、物価上昇を背景とする節約志向や支出抑制意識の高まりによるマイナスの影響を受けつつも、娯楽用品・レジャー分野の市場(9市場)と保育関連サービス分野の市場(2市場)が市場拡大をけん引したという。

こども関連ビジネス市場を構成する6分野の市場(娯楽用品・レジャー、教育サービス・学用品、食品、衣料品、こども関連用品・サービス、保育関連サービス)の動向を見ると、娯楽用品・レジャー分野、食品分野(3市場)、保育関連サービス分野は引き続き拡大。衣料品分野(3市場)は微増、教育サービス・学用品分野(10市場)は前年度の縮小から下げ止まりしたという。

こども関連ビジネス市場を構成する6分野別に見ると、規模が大きいのは保育関連サービス分野、教育サービス・学用品分野、娯楽用品・レジャー分野の市場。

「保育園市場」は少子化進行の影響や保育園新規開設ペースの鈍化などで2020年度以降、伸長率は鈍化している。ただ、少子化対策や子育て支援の拡充に向けた公的資金の継続的な投入によって堅調な推移を維持。特に2024年度は保育士の配置基準の見直し、処遇改善に向けた補助金増額などでプラス推移となった。

「学童保育市場」は学童保育の利用ニーズが年々高まっていることに加え、運営費の上昇を背景とする利用料改定など、利用児童1人あたりの単価上昇によって市場拡大をけん引した。

こども関連ビジネス市場は、少子化進行による需要層の縮小に加え、長引く物価高によるマイナスの影響を受けると予想。ただ、共働き世帯の増加に伴う預かりニーズに支えられ安定した推移が見込める保育関連サービス分野、娯楽用品・レジャー分野の市場などの拡大が期待されるとしている。2025年度のこども関連ビジネス市場規模(6分野34市場計)は、前年度比3.2%増の11兆2562億円になると予測する。

調査概要

  • 調査期間: 2025年4月~6月
  • 調査対象: 子ども向けに商品・サービスを提供する事業者など
  • 調査方法: 矢野経済研究所の専門研究員による直接面談(オンライン含む)、電話・eメールによる取材、ならびに文献調査併用
鳥栖 剛

ECへのトラフィックが激減する「Google Zero」。AI回答時代の対策とは?脱グーグル検索事例+消費行動トレンドまとめ | 海外のEC事情・戦略・マーケティング情報ウォッチ

3ヶ月 2 週間 ago
生成AIからのECサイトへのトラフィックが増加し続けている昨今、従来のSEO対策に加えて、生成エンジン最適化(GEO)も求められるようになっています。もしもGoogleからのトラフィックがゼロになったらどうしますか? 今後想定されるケースと米国小売事業者の動向を見ていきます

生成AIソースからの小売ECサイトへのトラフィックの重要性が高まるなか、EC事業者はGoogleの検索結果からのトラフィックがゼロになる(Google Zero)かどうかにかかわらず、AI経由のトラフィック獲得の対応を進めています。市況の変化に加え、AIにピックアップされやすくするための取り組みなど、米国小売企業の事例を解説します。

「Google Zero」が小売事業者にもたらす影響

オンラインで買い物をする消費者が商品を探す際に使う検索ツールの変化に伴い、「Google Zero」という考え方がEC市場に何をもたらすのか――。小売事業者もECサイト運営者もその対応に苦慮しています。

「Google Zero」は最近、一般的に用いられるようになったワードで、Googleの検索エンジンに頼らず、商品リストやWebページへのオーガニックな参照トラフィックをAIによって獲得できるようになった事象を指します。

大規模言語モデル(LLM)やその他の生成AIテクノロジーといったAIツールが台頭してきたことで、消費者が複数のECサイト間で価格を比較したり、購入時に利用できるオプションを比べたりする際に、さまざまな選択肢を得ることができるようになりました。

生成AIソースからのEC流入は増加傾向

すでに、ECにおけるAI検索の役割は拡大しています。Adobe Analyticsは7月、2025年のAmazon「プライムデー」における生成AIから米国の小売ECサイトへのトラフィックは「2024年の同期間と比較して前年比3300%増加した」と発表しました。

「プライムデー」開催期間中の1日あたりの平均訪問数の増加率 (「プライムデー」以前の21日間との比較。出典:Similarweb、チャート作成:Digital Commerce 360)
「プライムデー」開催期間中の1日あたりの平均訪問数の増加率 (「プライムデー」以前の21日間との比較。出典:Similarweb、チャート作成:Digital Commerce 360)

「ゼロクリック検索」増加による打撃

また、Googleが検索結果の上部にAIによる要約機能「AI Overviews」を追加したことは、いわゆる「ゼロクリック検索」(ユーザーが検索エンジンでキーワードを入力した際に検索結果ページ上で疑問が解決され、どのWebサイトにもクリックせずに離脱する現象)の普及を後押ししました。ユーザーは元の質問に対する十分な情報を得るために、他のWebサイトをクリックしてページを移動する必要がなくなったのです。

「AI Overviews」のイメージ
「AI Overviews」のイメージ

Googleに依存しない流入獲得が急務

顧客を獲得するチャネルとして検索に依存してきたEC事業者にとって、この傾向は事業とECサイトの運営に劇的な影響を与えます。

そのため、たとえ「Google Zero」が明日起こらなくても、あるいは近い将来に完全な形で到来しなかったとしても、小売事業者は対策のための準備を進めています。脱・Google検索からの移行を容易にすると期待される施策やソリューションを取り入れる企業が増えているのです。

「Google Zero」の語源ルーツ

「Google Zero」という言葉は、米国のVox Mediaが運営する、テクノロジー関連のニュースサイト「The Verge」のニライ・パテル編集長によって提唱されました。パテル編集長は2024年に、ECを含むWebページを運営する小売事業者が「Googleの検索結果からのトラフィックがゼロになった場合」に発生するシナリオを説明するために「Google Zero」を使いました。

SEO、GEO両軸の対策が求められる時代に

2025年8月上旬の時点では、その現象はまだ起きていません。しかし、2025年のAmazon「プライムデー」で明らかになったように、小売事業者の多くは「ChatGPT」「Gemini」「Perplexity」といったAIツールの表示結果からのECサイトへのアクセスが以前よりも増えていることに注目しています。

この傾向が進むにつれて、検索エンジン最適化(SEO)への注目は、必ずしも単純ではない生成エンジン最適化(GEO)を含むようになっています。

AI要約あり・なしそれぞれの消費者行動

米国シンクタンクのPew Researchによる2025年3月・4月の調査では、AIによる要約付きのGoogle検索結果を見たユーザーは、その下に表示されたGoogleのリンクをクリックする可能性が著しく低いことが判明しました。

2025年3月、Google検索でそれぞれのアクションにつながった割合 (出典:Pew Research Center調査、2025年3月および4月 | グラフ作成:『Digital Commerce 360』)
2025年3月、Google検索でそれぞれのアクションにつながった割合 (出典:Pew Research Center調査、2025年3月および4月 | グラフ作成:『Digital Commerce 360』)

AI要約なしのときはクリック率アップ

別のマーケティング会社Seer Interactiveによる2025年の調査では、Googleの検索結果でAIによる概要が表示された場合、Webサイトに遷移するリンクのオーガニックなクリック率は1月に前年比で1.41%から0.64%に低下したことが判明。AI要約が表示されると、Webサイトをクリックする可能性は低くなる傾向が見られました。

注目すべきは、AIによる概要が表示されなかった場合、同期間にクリック率が上昇したことが観察されたことです。

同時に、こうした消費者行動の変化に対応するための効果的な戦略がいくつか登場し始めています。

AI経由のトラフィック最適化事例

Batteries Plus:引用元となっている情報源を精査

バッテリー商品の通販を運営するBatteries Plusの最高執行責任者であるジョン・シカ氏は、米国のEC専門誌『Digital Commerce 360』に対し、AIツールからのトラフィックを増やすためにいくつかの方法を取っていると説明しました。

Batteries PlusのECサイトトップページ(画像はサイトから追加)
Batteries PlusのECサイトトップページ(画像はサイトから追加)

Batteries Plusでは、AI経由のトラフィックを増やすために社内で情報を整理しています。AIが生成した自社に関連する結果や商品を見かけた際、それがどの情報源に基づいているのかを調べて原因を特定しています。多くの場合、参照元が明記されているため特定できます。(シカ氏)

シカ氏によると、現在、Batteries Plusのトラフィックの約1%はソースがAIです。シカ氏のチームは、Batteries Plusについて言及するAIの回答について、AIの回答の引用元となっている情報源を細かく確認することで、AIがBatteries Plusに言及する機会を増やすための施策を講じることができています。

Batteries Plusは、古くなったWikipediaの掲載情報を新しくしたり、Better Business Bureau(米国とカナダで活動している非営利の民間団体)に寄せられた顧客の不満に対応したり、そのための手順をしっかり見直したりしています。米国の掲示板型ソーシャルニュースサイト「Reddit」などのコミュニティにも、ツールを使って積極的に参加しています。

今後、情報は非常に速く広まり、AIによる検索結果は、顧客がブランドについて調べるときにまず目にするものとして、ますます一般的になるでしょう。だからこそ、こうした取り組みは小売業者が今すぐ優先してやるべきです。(シカ氏)

Kendra Scott:サイトページを増やして生成エンジン最適化

ジュエリーブランドを運営する米国企業のKendra Scottは、AIに対応するためにSEO戦略を立てました。米国のニュースメディア『Digiday』が7月に報じたところによると、Kendra ScottはAIを用いた検索結果に表示されやすくなることを念頭において、1年間で自社のECサイトに8,000ページを追加しました。

Kendra ScottのECサイトトップページ。AIによるピックアップ増を意識し、サイト内のページを大幅に増やした(画像はサイトから追加)
Kendra ScottのECサイトトップページ。AIによるピックアップ増を意識し、サイト内のページを大幅に増やした(画像はサイトから追加)

Kendra ScottのデジタルおよびEコマース担当シニアバイスプレジデント兼責任者であるカマナシシュ・クンドゥ氏によると、Kendra Scottの年間Webトラフィックの5%が「Optiversal」というプラットフォームを通じて生成AIで作成されたWebページに流入しているそうです。

「Optiversal」を通じて生成AIで作成されたページでは、Kendra Scottの商品を特定のテーマに沿って紹介しています。これは、AIが自動で作る要約に合うように、その商品の使い方やコンセプトが優先して伝えられるように工夫されたものです。このやり方は、商品名や短いカテゴリー名に特化した従来の手法とは異なります。それでも、今でも27%は、Google検索の最初のページに従来の手法による検索結果が表示されています。

従来の検索による流入は現在も大切です。しかし、それだけではなく、検索エンジン最適化(SEO) と 生成AI検索最適化(GEO) の両方が、今後の戦略において小売事業者が考えるべき重要な要素になりつつあります。

この記事は今西由加さんが翻訳。世界最大級のEC専門メディア『Digital Commerce 360』(旧『Internet RETAILER』)の記事をネットショップ担当者フォーラムが、天井秀和さん白川久美さん中島郁さんの協力を得て、日本向けに編集したものです。

Digital Commerce 360

ふるさと納税のポイント付与禁止で2025年9月までに駆け込み寄付する予定は27%。急がず12月までに寄付するが34%

3ヶ月 2 週間 ago

ギフト特化型のWebメディアサイト運営などを手がけるグルーヴは、2025年10月から施行予定の「ふるさと納税サイト経由でのポイント付与禁止」に関する意識調査を実施、駆け込み需要についてその結果を公表した。

それによるとポイント付与終了前の2025年9月に「駆け込み寄付をする予定」と答えた割合は3割未満にとどまった。「12月まで急がず寄付する予定」は3割強で、制度変更が注目される一方、すべての寄付者が即座に行動するわけではないことがわかった。

「その他」が38.6%で最多に

「9月までに駆け込みで寄付をする」は27.4%。「急がず12月までに寄付する」と回答したのは34.0%。「その他」は38.6%だった。

グルーヴは、これは「まだ検討中」「情報を十分に知らない」「ポイントの有無に左右されない」など、さまざまな層が含まれていると指摘。制度変更が話題になっている一方で、すべての寄付者が制度の詳細やスケジュールを把握しているとは限らない現状もあるとしている。

調査概要

  • 調査エリア:全国
  • 調査主体:はじめてのふるさと納税
  • 調査方法:インターネットリサーチ
  • 調査対象:20代~70代以上の男女1009人
  • 調査期間:2025年7月16~30日
鳥栖 剛

人気記事トップ10

人気記事ランキングをもっと見る