刃物メーカーの貝印は、ビューティーケアや調理・製菓、医療用商品などを販売する自社ECサイト「KAIストア」をリニューアルした。
貝印は1908年、刃物の町として知られる岐阜県関市で創業。現在は、カミソリ、メンズグルーミング、ツメキリなどの身だしなみやビューティーケア、包丁をはじめとする調理・製菓、医療用など、生活に密着した刃物を中心に約1万アイテムの商品を展開している。
従前のECサイトの運営では、長年の改修により仕様が複雑化し、社内でシステムの中身を把握できない「ブラックボックス化」が課題になっていた。部分的なサイト更新や施策実行ごとにベンダーへの依頼が必要になり、顧客へのタイムリーな情報発信が難しかったという。メインサイトのほかにも、運営サイトが複数にまたがり、業務が分散、管理の煩雑さが課題だった。
そこで貝印は、メルカートが提供するクラウドECサイト構築プラットフォーム「メルカート」をECプラットフォームに採用した。周辺サービスを含めた運用環境を整理し、ベンダー窓口を一本化できると評価した。
リニューアルでは、分散していた複数サイトの統合、バックエンド機能の移管を実施した。システムが複雑化・属人化していた旧環境を刷新し、周辺ツールを含めたシステム構成を整理。これにより、スピーディーにECサイトを運用・改善できる体制を構築した。
複数サイトの統合、会員管理・運用基盤の一本化により、料理教室事業などの周辺サイトは、受注管理などのバックエンド機能を「メルカート」の基盤に集約した。
「メルカート」導入にあたっては、旧サイトの複雑な独自運用や手動で行っていた業務フローを棚卸し、特定の人に依存しない運用フローを構築。従前はベンダーに依存していた更新作業・管理業務をシステム化し、運用コストの最適化と施策の迅速化を実現した。
現在は、バナーの差し替えや特集ページ作成なども管理画面から貝印のスタッフができるようになり、顧客へのタイムリーな情報発信が可能となった。PDCAの高速化にもつながっている。
リニューアル前は、MA、レビュー、レコメンドなどのツールを個別に導入していたため、データや運用が分断されていた。そのため、顧客に合わせた施策の実行までにタイムラグが生じ、改善のスピードが課題となっていたという。
リニューアルでは、データ活用基盤の一元化により、顧客データを活用した施策を実行しやすい環境を整備した。これにより、サイトやチャネルを横断した分析が可能となり、誕生日メールの配信や、購入後の再購入促進のような段階的なシナリオ配信が展開できるようになった。データ集計や分析の効率化により、施策の実行と改善のサイクルを高速化している。
「A Bathing Ape」を立ち上げたことで知られる著名ファッションデザイナー・NIGO氏が創業し、2025年11月に上場したストリートファッションブランドのHUMAN MADEの2026年1月期業績は大幅な増収増益となった。
売上高は前期比26.8%増の142億7300万円、営業利益は同42.5%増の45億3100万円、経常利益は同36.4%増の43億3300万円、当期純利益は同38.2%増の29億4100万円。営業利益率は31.7%と高水準を維持している。
EC化率は通期で29%。EC売上高は前期比14.8%増の42億600万円となった。直営店舗とECを合わせたDTC(直販)比率は83%に達している。
HUMAN MADEは「HUMAN MADE」ブランドを自社で企画し、自社ECおよび直営店舗を通じて国内外に展開。国内では8店舗を運営し、ECは外部モールを利用せず自社ECに限定している。SNSを活用したプロモーションとの親和性や、低コストでの運営が可能な点から、自社ECを重要な販売チャネルと位置付けている。
2026年1月期は、成長性と収益性の両立を掲げ、海外展開の拡大と高付加価値商品の販売強化に取り組んだ。
キャラクターIPやスポーツブランドとの協業により認知拡大とインバウンド需要の取り込みを図り、品薄環境下でも販売機会を確保するため、手頃な価格帯商品の品番数や在庫を拡充。加えて、調達の最適化による原価低減や、付加価値を反映した価格改定により収益性の改善を進めた。
店舗では、2025年11月に韓国・ソウル(アックジョン)へ2店舗目を出店。商品施策では、BTSのJ-HOPEとのコラボライン「HUMAN HOPE」を起点に話題化を図り、第4四半期にはブランド価値向上につながるコラボレーションを厳選して展開し、業績向上に寄与した。
ECでは、ポケモンやJ-HOPEとのコラボ施策によりセッション数が大幅に増加したことを成果としてあげている。
2027年1月期は、売上高は前期比29.6%増の185億円、営業利益は同5.9%増の48億円、経常利益は同9.6%増の47億5000万円、当期純利益は同12.2%増の33億円を計画している。
今後の取り組みとして、原宿への旗艦店出店のほか、神戸、名古屋への新規出店を予定。海外では韓国とタイでパートナー店舗を2拠点開設する計画だ。さらに、新ブランドの投入も予定している。
Shopify Japanは3月26日、AIチャット上での商品販売を可能にする「エージェンティックコマース」に関する機能拡張を発表した。これにより、EC事業者は「ChatGPT」などのAIチャットを通じて、ユーザーとの対話のなかで商品を販売できるようになる。
Shopifyによると、米国の購入者向けに販売する数百万の事業者が、ECプラットフォーム「Shopify」の機能「Agentic Storefronts」を通じて「ChatGPT」ユーザーに商品を提供できるようになる。
事業者は「Shopify」の管理画面から、「ChatGPT」に加え、「Microsoft Copilot」、Google検索のAI Mode、「Gemini」アプリといった主要なAIチャネルへ一元的に接続できる。追加のシステム連携やアプリ導入は不要で、商品はデフォルトで各AIチャネル上に表示されるとしている。
ユーザーは「ChatGPT」上で商品を見つけ、そのままアプリ内ブラウザで購入を完了できる。Shopifyによると、数億人規模の「ChatGPT」ユーザーが、チャットを離れることなく購買できる環境を実現したという。
一方で、ブランド体験や価格設定、決済方法、チェックアウト設計といった購入体験は従来通り事業者側で管理できる。顧客データの所有権や顧客関係も事業者に帰属する。
また、注文データは「Shopify」管理画面上で「ChatGPT経由」として記録され、流入元の可視化も可能。手数料については追加課金はなく、通常の決済手数料のみが適用される。
Shopifyは、「Agentic Plan」についても一般提供を開始した。「Agentic Plan」は「Shopify」を利用していないブランドも、「Shopify Catalog」に商品を追加することで、同様のAIチャネル上で顧客にリーチし、商品を販売できるようになる機能。
これにより、自社ECのカートシステムに依存せず、AIチャネルを新たな販路として活用できる環境を整えた。
Shopifyは、特定のチャネルに依存せず複数のAIチャネルに対応することで、顧客接点のあらゆる場面を販売機会へと転換する狙いを示す。
すでに数千の事業者が「Microsoft Copilot」上で販売を手掛け、今後は決済サービス「Shop Pay」との連携により、その場でのシームレスな購入体験を強化する予定だ。Googleにおいても、一部ブランドがAI Modeや「Gemini」上での販売を開始しているという。
今回の取り組みは、ShopifyとGoogleが進める「エージェンティック・コマース」を推進する新標準プロトコル「Universal Commerce Protocol(UCP)」によって支えられている。
「UCP」は、AIエージェントが加盟店と接続し、商品購入に必要な一連のフローを実行するためのプロトコル。Shopify、Etsy、Wayfair、Target、Walmartなどの小売・プラットフォーム企業が共同で開発に参加した。さらに、Adyen、American Express、Mastercard、Stripe、Visaなどのカードブランドや決済企業を含む20社以上が支持を表明している。
Shopifyは、コマースが従来のECサイトやアプリ内にとどまらず、AIチャット、業務ツール、検索結果といった環境にも広がりつつあると指摘。今後はこうした領域での購買行動がさらに拡大するとの見方を示している。
ZETAは、ロイヤルティ向上エンジン「ZETA ENGAGEMENT」におけるユーザー行動の影響力スコアリングおよび販促アクションに関する技術で、特許査定を受領したと発表した。
取得した特許は、レビュー投稿やお気に入り登録などのユーザー行動が他のユーザーにどの程度影響を与えたかをもとに、ユーザーごとの影響力をスコアとして算出する技術。
たとえば、投稿したレビューが他のユーザーの購入につながった場合、多くの「参考になった」「いいね」が付いた場合、ハッシュタグが生成された場合など、その影響の大きさを数値としてとらえることが可能になる。また、このスコアに応じてポイントを付与することで、サイト内のユーザー行動を促進する仕組みを実現する。
さらに、自身のアクションに対して他のユーザーが反応した際の通知機能において、その通知内に関連商品、自身のレビューから生成されたハッシュタグにひもづく商品を表示する機能を提供する。これにより、ユーザーは自身の行動が他者の購買判断時の役に立ったという「貢献実感」を得られたり、自身の興味関心に基づいた有益な情報を最適なタイミングで受け取ったりできるようになるという。
レビュー、ハッシュタグ、キュレーション、レコメンドなどを活用したさまざまなエンゲージメントの創出、各種顧客接点を通じたインセンティブ(ポイント)の提供、マイレージプログラムの導入により、顧客ロイヤルティの向上を実現するソリューション。
ペットフードECを展開する犬猫生活は3月23日、東京証券取引所グロース市場への新規上場承認を受けたと発表した。上場日は4月23日を予定している。犬猫生活は、ZOZO創業者の前澤友作氏が率いる「前澤ファンド」が出資する企業でもある。
犬猫生活は「すべての動物とその家族の幸せな生活のために」を理念に、国産・無添加のプレミアムペットフードのEC販売を中心とした事業を展開。往診クリニック、動物病院、トリミングサロンの運営も手がけており、ペットオーナーとの接点を広げながら、ペットケア領域へ事業を拡張している。
ビジネスモデルの中核は、自社ECによるペットフードのD2C販売と定期購入による継続課金モデル。2025年4月期は注文の約95%が定期購入で、自社EC売上は全体の約91%を占めた。定期会員数は2025年5月に6万人を突破したという。
「Amazon」「楽天市場」「Yahoo!ショッピング」といった外部モールにも出店するほか、ホームセンターやトリミングサロン向けの卸販売も手掛けている。
海外展開では、台湾向けに現地での製造販売を実施、米国向けには越境ECにも取り組んでいる。
2025年4月期の売上高は前期比62.0%増の29億193万円。経常利益は8960万円(前期は4292万円の赤字)、当期純利益は2億761万円(同4321万円の赤字)と黒字化を達成した。
売上高の内訳は、自社EC売上が前期比52.7%増の26億3726万円、他社ECモールが同239.2%増の2億241万円、卸販売が同156.6%増の934万円。加えて、生活サービスが同5079.9%増の4964万円、エンターテインメント・その他が同471.9%増の325万円と各領域で伸長した。
また、2025年5月-2026年1月(第3四半期)の業績は、売上高は33億3173万円、経常利益が4億1333万円、当期純利益が3億4024万円と第3四半期時点ですでに大きく伸長している。
なお犬猫生活の2026年2月末時点の従業員数は57人(臨時雇用14人)。平均年齢は36.7歳、平均勤続年数は2.3年、平均年間給与は479万6000円。
犬猫生活は2018年5月、ペットフードの企画・開発・販売を目的に「オネストフード株式会社」として設立。2019年2月にペットフード「レガリエ」の販売を開始した。2021年1月に前澤ファンドを引受先とする第三者割当増資を実施。同年8月に社名を「犬猫生活株式会社」に変更し、9月にはブランド名も「犬猫生活」へと刷新するなど、リブランディングを進めた。
今後は国内市場でのシェア拡大を軸に成長を図る。主力の自社ECを基盤とした成長戦略として、次の3点を掲げている。
これらを通じて国内シェアの拡大と海外市場への展開を進める方針。なお、上場による調達資金は主に広告宣伝費へ充てるとしている。
地方名産品のポップアップ出店が会期中だけの売り上げで終わる――。そんな悩みは少なくありません。背景には消費者の「買う前に理解したい」という心理があります。アンテナショップで増える情報取得・飲食という消費行動を踏まえ、体験と翻訳で文脈を伝え、ECへの購買を促す導線設計の要点までを整理。会期期間後の指名買いを生む視点もお伝えします。
短期のポップアップ出店を考える際、「何を並べるか」「どう売り切るか」という発想から始まりがちです。実際には、売場で商品を比較する前に、来訪者の中で「その地域を選ぶ理由」をきちんと作れるかどうかで勝負が決まります。
アンテナショップはまさに、その理由作り――情報を集め、味わって確かめる――を受け止める場所になりつつあります。
ブランド総合研究所による「第8回アンテナショップ利用実態調査2025」によると、来店時の行動として 「飲食をした」17.3%と 「観光パンフレットや情報を得た」17.0%がほぼ同じ水準でした。

アンテナショップは、ただ商品を買う場所というより、地域の入口として“情報を拾う/味わってみる場所”になっているのです。つまり、棚の前にいる人は「何を買うか」を決めているというより、「その地域を理解し始めている」最中といえるのではないでしょうか。
常設のアンテナショップは、地域との接点を“日常に置ける”強みがある一方で、常設はどうしても「情報鮮度の維持」が難しく、棚を更新し続ける体力、テーマがぼやけると“いつもある場所”になってしまいます。
ポップアップストアは逆に、テーマを尖らせて、短距離走で記憶に刻むことができるマーケティング手法です。 「今週だけ」「この組み合わせだけ」といった期間限定だからこそ、地域の魅力を“編集”して届けられるのです。
コラボというと、つい「有名ブランドと組めば売れる」と考えがちですが、実際には知名度よりも翻訳力が求められるようになっています。
都市生活者にとって地域は遠い、遠いものは理解にコストがかかります。ここで地方名産品が効くのは、地域を「生活の言葉」に置き換えられるからです。それが翻訳力です。
地域の魅力を、ポップアップを通して暮らしのシーンに翻訳する。言うは易し、行うは難しですが、伝えるポップアップにするための考え方をお伝えします。
ポップアップストアの設計は、特に初期においては複雑にしないことが肝要です。押さえるべきポイントは、次の3つに整理できます。
長い説明は、その場では読まれません。ポップアップストアに必要なのは、自分ごと化できる短いタグラインです。機能的な商品説明より、地域や土地由来である情緒的な説明のほうが、購入理由が自分の言葉で出てきます。
試食や展示は、ただこなすだけでなく、「違いが分かる」体験が必要です。
「おいしい」から一歩進んで、 「なるほど、これが違うんだ」が生まれると、記憶は残ります。
短期ポップアップは“その場で買う人”だけを追うと、もったいないです。むしろ主役は、体験して、理解して、家に帰ってから買う人です。
ポップアップストアは「今しかない」が強いため、買い逃しが起きやすいのがデメリットと言えます。そのため、会期後の“やっぱり気になる”というニーズを拾う仕込みが重要になります。
この“ひと呼吸分”があるだけで、ポップアップストアは売り切りから、次の購入へ伸びていきます。

渋谷の都市空間でまさかのぶどう狩り? 収穫体験”を持ち込み、名産品を「買うもの」ではなく「体で納得するもの」にしたポップアップです。一流パティシエとのコラボスイーツや、施設内店舗との連動も組み込み、“味覚の記憶”を強く残す設計にしています。
ポイント①:体験を購入の前に置き、納得を先に作る
収穫体験を入れることで、ポップアップストアの価値を「売上」ではなく「理解」に置く設計は取り入れたいポイントです。
ポイント②:コラボスイーツで“ご褒美シーン”に翻訳する
フルーツをそのまま売るだけでなく、スイーツとして体験させると、都市生活者の“手土産/週末のご褒美”の文脈に着地します。
ポイント③:施設内連動で「点」ではなく「面」の体験にする
MIYASHITA PARK内の店舗(CAFÉ KITSUNÉ等)と連動した限定メニューを用意し、ポップアップ単体で終わらせず、回遊・話題化の導線を増やしています。

本イベントは、柑橘を“名産品として売る”のではなく、高知に根づく「酢みかん」という食文化そのものを主役にしているのがポイントです。
売り場を「棚」ではなく「食文化の入り口」に変え、都市生活者が“使い方ごと理解できる”設計に寄せています。
ポイント①:「スペック」より先に「文化」を置く
甘さや品種の説明よりも、「高知では酸味の柑橘を料理に合わせる」という背景を先に出すことで、購入理由が“おいしそう”から“なるほど”に変わります。
ポイント②:百貨店の編集力で“生活シーン”に着地させる
酢みかんは、食べ方が想像できた瞬間に一気に近づきます。惣菜・弁当・スイーツなどの提案を通じて、「家でどう使うか」まで連れていくのが強みです。
ポイント③:レシピ(使い方)導線が、会期後のEC回帰に効く
このタイプの“文化系名産品”は、会場体験で理解が立ち上がるほど、会期後の購入に繋がりやすくなります。導線は「人気セット/ストーリー/レシピ」に整理しておくと迷いが減ります。
地方名産品×ポップアップは、名産品を売り切る場ではなく、地域を理解してもらう場として設計したときに力を発揮します。
アンテナショップが情報取得や疑似体験の入口になっている今、ストーリーを一言に圧縮し、五感で腹落ちさせ、ECへつなげる導線までを一続きで描くことが重要です。
高知の酢みかんは食文化として、渋谷のぶどうは都心での体験として入口は違っても、狙いは同じです。買う理由を体験の記憶として持ち帰ってもらう。そのための場としてポップアップを設計できたとき、会期の外側で指名買いが育っていくでしょう。
トランスコスモスは3月23日、「世界8都市オンラインショッピング利用動向調査2026」を実施し、生成AIを活用した“AIショッピング”の利用状況などの調査結果を公表した。
国内(東京)の「よく利用するオンラインショッピングサイト・アプリ」は、「Amazon」が71%で最多、「楽天」が53%で2位だった。次いで「YouTube」(31%)、「LINE」(27%)、「X」(27%)と続いた。
生成AI検索サービス(ChatGPT、Perplexity、DeepSeekなど)を活用したAIショッピングの利用状況をプロセス別に見ると、8都市すべてで「商品を探す」段階での利用が最も高かった。「商品を購入」の段階でも多くの都市で半数以上が利用しており、ムンバイ、バンコク、上海では各プロセスで70〜90%台と高水準だった。
一方、東京は全体的に利用率が低く、「商品を探す」段階でも2割強にとどまった。
今後の利用意向(「使ったことがあり今後も使いたい」「使っていないが使ってみたい」の合計)は、8都市すべてで現在の利用率を上回った。利用率の高いムンバイ、バンコク、上海では、商品探索から購入までの各段階で80%以上が生成AI検索サービスの利用に意欲を示した。利用率が低い東京でも、各プロセスでほぼ半数が利用に前向きだった。
オンラインショッピングにおける「AI接客」と「人による接客」の好みを聞いたところ、「商品を探す」段階では東京を除くすべての都市でAIが人を大きく上回った。
一方、「質問・問題解決」や「商品を購入」の段階では人による接客ニーズも根強く、AIと人の選好が拮抗する傾向が見られた。
都市別では、「商品を探す」段階でAIに任せたい割合はムンバイとバンコクが85%、上海が80%と高水準で、東京は47%にとどまった。「商品を購入」の段階でも、上海、バンコク、ムンバイでは「AI接客」が「人による接客」を大きく上回った。
過去1年間のソーシャルコマース利用経験者の割合は、東京を除く7都市で過半数を超え、バンコク(95%)、上海(93%)、ジャカルタ(90%)では9割前後に達した。前回(2025年調査)と比較してすべての都市で増加した。一方、東京は24%にとどまった。
利用プラットフォームは「TikTok/抖音」が最も高く、「TikTok Shop」が展開されている上海、バンコク、ジャカルタ、ロンドン、ロサンゼルスなどではトップに。一方、ムンバイやソウルでは「Instagram」や「YouTube」の利用率が高く、「TikTok」「TikTok Shop」が未展開の地域でも、ショート動画や画像を起点としたソーシャルコマースが主要な購買チャネルとなっている。
生成AIの浸透で購買行動が変化し、商品探索ではAI検索やSNSが新たな入り口として広がる一方、質問対応や購入など最終判断では人のサポート需要も根強いと指摘。「TikTok」など動画プラットフォームの購買チャネル化で入り口が多様化しており、AI検索・ソーシャルコマース・有人支援の最適な組み合わせがEC競争力を左右する。(トランスコスモス グローバル事業統括 アナリスト 萩原雅之氏)
ライナフが全国のマンション居住者を対象に実施した「再配達と置き配に関する意識調査」によると、オートロックマンション居住者の約9割が「再配達削減に協力したい」と答え、そのうち半数以上が「置き配ができるならネット通販をもっと使う」という意向だった。
調査対象はマンション居住者441人で、調査期間は2026年2月13〜14日。
再配達が配送ドライバーの負担増加や車両からのCO2排出量増加による環境負荷につながっていることを知っているかを聞いたところ、オートロックマンション居住者においては「内容までよく知っていた」が30.3%、「なんとなく知っていた」が49.3%、「聞いたことはあるが詳しく知らなかった」が11.8%、「知らなかった」が8.6%だった。
非オートロックマンション居住者においては「内容までよく知っていた」が30.0%、「なんとなく知っていた」が38.2%、「聞いたことはあるが詳しく知らなかった」が10.9%、「知らなかった」が20.9%だった。
荷物を受け取る立場として、配送業界の課題解決のために方法があれば協力したいかどうか聞いたところ、オートロックマンション居住者は「積極的に協力したい」が38.5%、「どちらかというと協力したい」が49.3%だった。合計すると約9割が再配達課題に協力したい意向となっている。「あまりそう思わない」は8.1%、「全くそう思わない」は2.7%だった。
非オートロックマンション居住者においては「積極的に協力したい」が36.8%、「どちらかというと協力したい」が37.7%で、協力の意向がある人は合計で74.5%だった。「あまりそう思わない」は11.4%、「全くそう思わない」は5.9%だった。
配送業界の課題解決に協力の意向を持つオートロックマンションの居住者にとって、再配達を減らそうと思った時、「難しい」「障害になっている」と感じていることは、最多が「オートロックがあるため置き配ができない」「配達時間に在宅できない」で、それぞれ29.9%だった。「時間指定するのが面倒」は22.7%、「宅配ボックスが満杯になりがち」は22.2%となっている。「特になし」は23.7%だった。
玄関前の置き配を使いたいかを聞いたところ、オートロックマンション居住者においては「ぜひ使いたいと思う」が33.5%、「機会があれば使ってみたいと思う」が45.2%で、合わせて約8割が「使いたい」と回答。
非オートロックマンション居住者においては「ぜひ使いたいと思う」が42.3%、「機会があれば使ってみたいと思う」が24.5%で、合わせて約7割が「使いたい」と回答した。
オートロックマンションで置き配が利用可能になった場合、ネット通販の利用頻度が増加すると回答した人は、合計で56.1%だった。内訳は、頻度が「大きく増えると思う」が15.8%、「やや増えると思う」が40.3%。
ネット通販で利用する機会が増えそうだと感じる商品やサービスジャンルは、最多が「飲料・米などの重くてかさばる商品」で54.8%、続いて「日用品(洗剤やティッシュなど)」が46%、「食品の定期購入(生協やミールキットなど)」が29.8%となっている。
ECプラットフォームを展開するW2は3月25日、自社ECの次なる成長戦略に「メディアコマース」をあげ、メディアコマースの全体像、構造、戦略、実践までを体系的にまとめた「メディアコマース定義書」を公開した。
W2はメディアコマースを「販売と情報流通を統合し、自社ECを“顧客の意思決定基盤”へと進化させ、ブランド価値と収益を同時に最大化する戦略モデル」と定義。「メディア」「コマース」「AI」を統合して設計する経営戦略と位置付けている。
商品理解に必要な記事、レビュー、UGC、動画などを自社ECに集約し、顧客が参照する情報基盤として再設計する。これにより、従来は外部プラットフォームに依存していた顧客接点を自社の資産にする。
購買動線をコンテンツ起点で設計し、認知から購買、継続までの体験をEC上で完結させる。さらにCRM、サブスクリプション、レコメンドなどを組み合わせ、LTVの最大化を前提とした収益モデルへ転換する。
AIによりコンテンツ生成、パーソナライズ、接客、検索体験を最適化。顧客ごとに適した情報と商品を提示する。AIエージェントによる購買支援が広がっているなか、AIに正しく理解・推奨されるEC構造の設計基盤にもなる。
W2は、「メディア」「コマース」「AI」を統合的に設計できるコマースプラットフォームを提供している。ECのメディア化を支援するソリューション「co-media」により、記事、UGC、スタッフコンテンツと購買機能を統合することが可能。販売にとどまらない「選ばれるEC」への転換を支援する。
W2は、「EC市場ではAmazonや『楽天市場』などのモールの優位性が高まり、自社ECは「探して買う」領域での競争は構造的に難しくなっていく」と見込んでいる。その一方で、「消費者はモノの購入から体験重視へとシフトし、信頼できる情報をもとに商品を選ぶ傾向が強まっている」と指摘。しかし、情報コンテンツはSNS、動画、ブログなど複数のチャネルに分散しているため、適切な情報にたどり着きにくい状況にあるとしている。
こうしたなか、自社ECは販売の場にとどまらず、情報を集約し選択を助けるメディアへと転換する必要があると提唱。合わせて、AIエージェントによる商品推薦の普及に伴い、自社ECサイトがAIに適切に認識される情報構造を持つことの重要性もあげている。
こうした「ECモールとの差別化」「モノからコトへの消費」「情報コンテンツの集約」の変化に対応するためにW2は、自社ECの次なる成長戦略に「メディアコマース」を定義した。
AIサービスを提供するMycatは3月25日、AI商標検索・出願サポートサービス「商標ナビ」に、EC事業者向けの新機能「ブランド名類似チェッカー」を追加したと発表した。
新ツールは、商標審査で用いられる「称呼(読み方)」「外観(見た目)」「観念(意味)」の3要素に基づき、AIがブランド名の類似リスクを自動判定する。
チェック項目は、ブランド名(日本語・英語・ロゴ画像)、事業内容(自然言語入力)、商品・サービスのカテゴリ。入力内容をもとに、類似する登録商標の有無やリスクスコア(高・中・低)を提示する。
Mycatは提供の背景として、BtoC-EC市場の拡大やD2Cブランドの増加に伴い、商標出願件数が年間15万8792件と高水準で推移している点を挙げる。
商標登録を行わずにブランドを立ち上げた場合、後から他者の登録商標と抵触し、ブランド名の変更を余儀なくされるリスクがあると指摘している。
EC事業者に特有の留意点として、商品区分に加え、「小売りまたは卸売りの業務において行われる顧客への便益提供」に該当する第35類での出願検討をあげている。同チェッカーでは、事業内容に応じて必要な出願区分を自動提案する。
また、ECブランドでは英語名の使用が多い一方で、カタカナ表記での類似確認も重要となる。ツールは英語表記とカタカナ表記の双方から類似調査を行う。
このほか、判定結果には「Amazonブランドレジストリ」に必要な条件の確認機能も含まれる。
なお、Mycatは「ブランド名類似チェッカー」について、弁理士法に基づく代理業務ではないと説明。正式な商標出願にあたっては、弁理士など専門家への相談を推奨している。
「たけのこの里」または「きのこの山」と検索すると、画面をそれらで埋め尽くすことができる。グーグルと明治によるイースターエッグ(隠し要素)施策。
Google で「たけのこの里」と検索してみてください。
— Google Japan (@googlejapan) March 22, 2026
明治さんと作ったある仕掛けが…
もちろん「きのこの山」で検索しても出てきますよ🍄
https://forest.watch.impress.co.jp/docs/serial/yajiuma/2095359.html
ファッションEC「ZOZOTOWN」を運営するZOZOは3月25日、子どもが“つくって売る”体験に挑戦できる教育プロジェクト「ZOZOEDUCATION つくっちゃお!」を開始した。第1弾として、親子が自宅でTシャツのデザインから販売までを体験できる「つくっちゃお!Tシャツづくりキット」を同日から販売している。
「ZOZOEDUCATION つくっちゃお!」は、学校では体験しにくい「考える・つくる・届ける」といった一連のプロセスを学べる教育プロジェクト。ファッションやモノ作りを入り口に、実際の販売フィールドである「ZOZOTOWN」と接続することで、子どもの好奇心や創造性を育む体験を提供する。
「つくっちゃお!Tシャツづくりキット」の価格は税込5000円。新規会員登録者には2000円分のクーポンを付与する。使い方を解説するZOZOオリジナル動画もYouTubeで公開している。キットにはTシャツ本体、シルクスクリーン一式、など制作に必要なアイテムを同梱。絵を描き、色を選び、刷る工程を通じて、「考える」「表現する」「つくる」といった体験を自然に学べる設計としている。
完成した作品を「ZOZOTOWN」上で商品として販売できる。デザインしたTシャツの販売方法は、デザインしたTシャツの写真をオンラインフォームから応募。そのあと「ZOZOTOWN」での販売がスタートとなる。注文が入ると「ZOZOTOWN」が応募されたデザインをTシャツにプリントし商品として購入者に届ける。自身のデザインが並び、実際に選ばれる体験を通じて、創造力や主体性、社会とのつながりを実感できるとしている。
販売された作品1点につき、ZOZOポイント500円分を付与する。付与上限は4万9999円分で、源泉徴収の関係から実際の受取上限は4万4500円となる。なお、販売には保護者の同意および「ZOZOTOWN」の会員登録が必要となる。
産直通販サイト「食べチョク」を運営するビビッドガーデンは、原油価格の高騰が一次産業に与える影響について登録生産者を対象に緊急アンケートを実施した。3月19日に公表した調査結果によると、現時点で生産活動への影響を実感している生産者は66.7%。長期化した場合には81.3%が経営への悪影響を懸念していることがわかった。
中東情勢の緊迫化を背景に、世界的なエネルギー供給への不安が高まっている。特に、原油輸送の要衝であるホルムズ海峡をめぐる緊張の高まりは、日本のエネルギー調達へ与える影響が大きい。燃料や資材、物流コストに依存する一次産業では、コスト上昇が現場に直結する一方、その実態や影響は十分に可視化されていない。こうした背景からビビッドガーデンは調査を実施した。
現時点で生産活動への影響を感じている生産者は66.7%で、うち21.3%が「大きく影響が出ている」と回答した。
影響が出ている項目は、「燃料費(軽油・ガソリンなど)」が89.5%と突出して高い。次いで「光熱費(暖房費・電気代など)」が24.7%、「肥料価格」が24.3%。農業機械や漁船など燃料依存度の高い現場では、コスト増の影響がより大きい構図が浮き彫りとなった。
また、今後影響が見込まれる項目として、「梱包資材(段ボール、フィルムなど)の価格上昇」が73.0%、「肥料価格」が66.3%、「ハウス・農業資材」が59.6%と続いた。「消費者の節約志向による販売不安」も51.7%に上り、コスト増と需要減の同時進行が懸念されている。
長期化した場合の影響について、「影響が出そう」が81.3%。そのうち「大きく影響が出そう」が41.9%となった。
現時点での対応策は「値上げの検討」が39.7%で最多。一方で「現時点では見直しなし」も33.0%に上り、対応に踏み切れていない生産者も一定数存在する。そのほか、「収益改善」が27.7%、「施肥量の見直し」が18.0%、「設備や機械の稼働抑制」が15.7%だった。
長期化した場合の対応として、「値上げ」が67.0%で最多。「設備投資の延期」(21.3%)、「人員計画の見直し」(18.4%)が続いた。さらに、「生産量の縮小」(10.5%)や「作付け・養殖規模の見直し」(10.5%)といった回答もあり、生産活動の縮小や廃業リスクにつながる可能性も示唆された。
価格転嫁については、「未定・わからない」が42.3%で最多。「これから転嫁予定」が38.6%、「すでに転嫁(一部含む)」が12.4%と続いた。
値上げ幅は「1〜10%程度」が47.6%、「11〜20%」が21.7%だった。
一方、値上げ後の懸念としては「注文数の減少」が74.2%と突出して高く、「値上げへの理解が得られにくい」(38.6%)、「高単価商品の販売減」(34.5%)が続いた。
調査では、「燃油だけでなく資材全般が上昇し、コスト全体が押し上げられている」「価格転嫁が難しく、負担が生産者に集中している」といった声も寄せられた。
決済承認率改善コンサルティングを手がけるYTGATEは3月26日、全国の自社ECを運営する企業200社を対象に実施した「決済環境の可視化診断」の結果を公表した。クレジットカード決済を試みた件数のうち、実際に決済が完了した割合を示す「決済承認率」は、平均85.4%、中央値は88.0%だった。
診断結果をA〜Hの8段階で分類したところ、承認率85%未満のDランク以下に該当する企業は73社(36.5%)だった。
平均値(85.4%)と中央値(88.0%)の差は2.6ポイントあり、承認率が極端に低い事業者の存在が全体平均を押し下げている。最も低いHランク(65%未満)に該当する9社の平均は42.3%で、全体平均を40ポイント以上下回った。
また、年商規模が同等の事業者でも承認率には最大62.7ポイントの差があり、決済設計や運用の違いが大きく影響している。
業種別の平均承認率では、「食品・飲料」が89.9%と高水準。一方で「家電」は76.1%と低く、業種間で13.8ポイントの差が生じた。
YTGATEは、商品単価、不正利用リスク、3Dセキュアの運用、決済代行(PSP)の設定、カード発行会社(イシュアー)の審査方針など、複数の要因が承認率に影響すると分析している。
主な業種の平均承認率と特徴は次の通り。
YTGATEは、決済承認率は業種や客単価、決済手段の構成によって大きく変動する一方、定期的に把握している事業者は多くないと指摘。「知らないうちに売り上げを取りこぼす要因」になりやすい指標だと位置付ける。
同社は目安として承認率95%以上を推奨。数%の改善でも売り上げへのインパクトは大きく、特に高単価商材やサブスクリプションモデルでは重要性が高いとしている。
リーバイ・ストラウス・ジャパンはライブコマース運用で、動画視聴者のCVRが非視聴者と比べて約7.3倍となる成果を出した。
動画視聴中にそのまま商品をカート投入できる「ダイレクトカートイン」、視聴者が「後で買いたい」と思った情報をストックする機能の提供などで、CVRの改善につながったという。
ライブ配信視聴中のカート投入は、商品詳細ページへの再遷移や再検索を挟まずに購買行動へつなげることが可能。「ショッピングメモ機能」は再来訪時の商品回帰性を高め、購入単価やリピート率の向上に大きく寄与しているという。
この機能は、パロニムが提供するライブコマースツール「Tig LIVE」の導入で実現。ECプラットフォーム「Shopify」と連携し、EC運用の実務負荷軽減と、視聴者に対するシームレスな購買体験の提供につなげている。
商品情報の自動同期、ライブ中の商品追加などにより、スムーズな運用を実現。「Shopify」上の商品情報を「Tig LIVE」側へ自動で同期することで、ライブ配信前の商品登録や情報反映にかかる手間を削減しているという。
公式オンラインストアでの対象施策では、動画非視聴者のCVRが0.15%だったが、動画視聴者のCVRは1.09%。同施策におけるカート投入率は3%で、視聴者が動画を見ながらそのまま商品をカートに入れられる導線を用意したことが、視聴からの購買を後押ししている。
リーバイ・ストラウス・ジャパンは従前、ライブの再生時、倍速再生やライブ画面を小さなウィンドウとして画面の隅に表示する「ピクチャーインピクチャー」などがなく、機能に物足りなさを感じていたという。ライブ経由の売り上げは商品力に依存しており、ライブコマースの機能を生かして売り上げを伸ばす方法を模索していた。