ネットショップ担当者フォーラム

看板商品「クルミッ子」は入荷するとすぐに完売!鎌倉紅谷のECサイトが取り組む買い物体験向上&ストレス軽減のアプローチとは

3 years 4ヶ月 ago
焼き菓子の「クルミッ子」などを展開する鎌倉紅谷がECサイトに「Amazon Pay」を導入したことで購買時の利便性が向上。人気のあまり即完売する「クルミッ子」も「Amazon Pay」によって初めて買えたという消費者が続々と現れている
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ECサイトでは入荷するとすぐに完売、実店舗でも売り切れ続出の鎌倉銘菓「クルミッ子」。製造・販売しているのは神奈川県鎌倉市に本社を置く鎌倉紅谷だ。「クルミッ子」を求めてECサイトに訪問する消費者の買えないというストレス  を少しでも軽減するため、買い物体験の改善に奮闘する。できる限り買いやすいECサイト作りを――。こんな思いでECサイト運営に取り組むダイレクト・マーケティング部 マネージャーの長野功一氏、ダイレクト・マーケティング部 スーパーバイザーの吉田裕子氏にインタビューした。

売り切れ続出の鎌倉銘菓「クルミッ子」(販売元は鎌倉紅谷)のAmazon Pay導入事例 ダイレクト・マーケティング部 マネージャーの長野功一氏、ダイレクト・マーケティング部 スーパーバイザーの吉田裕子氏

売り切れ続出の看板商品「クルミッ子」などを実店舗とECで展開

鎌倉紅谷は1954年に鎌倉市雪ノ下に創業。初代は和菓子職人で、2代目は洋菓子職人。その系譜を受け継ぎ、現在は和洋にこだわらず“おいしいお菓子”を取り扱う。

売り切れ続出の鎌倉銘菓「クルミッ子」(販売元は鎌倉紅谷)のAmazon Pay導入事例 鶴岡八幡宮前にある八幡宮前本店
鶴岡八幡宮前にある八幡宮前本店(写真は鎌倉紅谷提供)

鎌倉という土地柄もあり、以前は生菓子も多く扱っていたものの、今では焼き菓子を中心に製造販売している。

鎌倉紅谷は現在、神奈川・東京・大阪に直営店10店舗のほか、ECサイトを展開する。顧客層は40~50代の女性が大半を占めており、自分用に加え、ギフト需要も多い。また、鎌倉の八幡宮前本店では修学旅行生からも購入されているようだ。

売り切れ続出の鎌倉銘菓「クルミッ子」(販売元は鎌倉紅谷)のAmazon Pay導入事例 八幡宮前本店の店内
八幡宮前本店の店内(写真は鎌倉紅谷提供)

「クルミッ子」は、歯ごたえの良いクルミをふんだんに使い、甘みと苦みが合わさった自家製キャラメルをクルミと一緒にバター生地ではさんだ焼き菓子。鎌倉紅谷の菓子職人の手によってこだわって作られた「クルミッ子」は、クルミ・キャラメル・生地が絶妙な味や食感を生み出している。

売り切れ続出の鎌倉銘菓「クルミッ子」(販売元は鎌倉紅谷)のAmazon Pay導入事例 商品のパッケージには鎌倉紅谷のシンボルキャラクターであるリスのマーク「リスくん」があしらわれており、このキャラクターもファンから人気を集めている
商品のパッケージには鎌倉紅谷のシンボルキャラクターであるリスのマーク「リスくん」があしらわれており、このキャラクターもファンから人気を集めている(写真は鎌倉紅谷提供)

「Amazon Pay」の導入で買い物体験を向上

鎌倉紅谷がEC事業に着手したのは2001年。ECサイト運営はもともと、直営の実店舗を補うためのものという位置づけだった。

ただ、新型コロナウイルス感染症の影響を受けて、無店舗で販売ができるECサイトの重要性を改めて実感。2020年10月にECサイトをリニューアルして、ECサービスの強化や機能の充実などに着手した。

売り切れ続出の鎌倉銘菓「クルミッ子」(販売元は鎌倉紅谷)のAmazon Pay導入事例
鎌倉紅谷が運営するECサイト

以前の注文方法は、電話での受注がメイン。コロナ禍でネット経由の受注が大幅に増加したため2022年11月末で電話受注を終了し、ネット経由での受注に絞った。もっとも、内製のコールセンター機能は維持しており、受注ではなく「お客さま対応」含め問い合わせ対応の役割を担う。受注はECに集約する一方、手厚いサポートができる対応は継続している。

鎌倉紅谷ではEC強化の取り組みの一環で、2022年8月にECサイトの決済機能を拡充し、「Amazon Pay」を導入。同じタイミングで、「Amazon Pay」だけでなく、他社が提供するID決済も実装した。浸透するID決済を充実することで、買い物体験を向上させるアプローチだ。

ECサイトの決済機能は、以前からあった代引きはなくし、その代わりに「Amazon Pay」などID決済を複数増やしました。その結果、ECサイト全体の使い勝手はお客さまに好評です。(吉田氏)

売り切れ続出の鎌倉銘菓「クルミッ子」(販売元は鎌倉紅谷)のAmazon Pay導入事例 ダイレクト・マーケティング部スーパーバイザーの吉田裕子氏
ダイレクト・マーケティング部 スーパーバイザーの吉田裕子氏

入荷するとすぐに完売する「クルミッ子」、続く売り切れ状態が課題に

鎌倉紅谷の実店舗・ECサイト共通の課題がある。それは、「クルミッ子」がすぐに売り切れてしまうということだ。

「クルミッ子」は年間で3000万個以上を生産している。職人が1つずつ手作りする工程が多く、量産が難しい。メディアで取り上げられる機会も増えて商品の需要が拡大、そこにコロナが重なりECでの注文が大幅に増加した。

その結果、消費者はそれまで以上に入手しにくい状況が発生。職人が手仕事で作る「クルミッ子」は限られた量しか製造・販売できないため、どうしても増える需要に対して供給量が追い付かない状況が続く。

売り切れ続出の鎌倉銘菓「クルミッ子」(販売元は鎌倉紅谷)のAmazon Pay導入事例 「クルミッ子」は1つずつ職人が手仕事で作る
「クルミッ子」は1つずつ職人が手仕事で作る(写真は鎌倉紅谷提供)

オンラインの商品に関しては毎日、在庫を補充しますが、「クルミッ子」は基本的に入荷するとすぐに完売してしまいます。機械の導入も進めていますが、“美味しさ”に直接関わる工程はクラフトマンの手仕事によって作り上げられているので、量を増やすのは難しいです。(長野氏)

「Amazon Pay」導入で買い物体験が改善

消費者が「クルミッ子」をなかなか購入できないという状況に対して、鎌倉紅谷のECサイトは決済面を改善の1つに選び、取り組んだ

これまでECサイトでの購入には会員登録が必須だったが、2022年8月に「Amazon Pay」を導入するタイミングでゲスト購入に対応、会員登録をしなくても購入できるようにした。ECサイトの利便性を高め、特定の人だけでなくさまざまな消費者が買える仕組みを整えた。

非会員が購入する場合、「Amazon Pay」を使うことで住所登録など面倒な個人情報などの入力作業を省略、簡単な3ステップで購入が完了する。これによる成果はすぐに現れた。実際に「Amazon Pay」を使って購入した消費者から喜びの声が届くようになったのだ。

売り切れ続出の鎌倉銘菓「クルミッ子」(販売元は鎌倉紅谷)のAmazon Pay導入事例 鎌倉紅谷のカート内。「レジへ進む」ボタンの下に「Amazon Pay」のボタンを設置し決済方法の視認性を高めている
鎌倉紅谷のカート内。「レジへ進む」ボタンの下に「Amazon Pay」のボタンを設置し決済方法の視認性を高めている

「『Amazon Pay』を使うことで初めて買えた」という反応が

鎌倉紅谷によると、ECサイトでの決済時に「Amazon Pay」を使った消費者の反応として、コールセンターに「すぐに完売してしまうため買えなかった商品が買えた」という声が届くようになったという。

それまでは「カートに入れて、フォームに入力している間に完売してしまって買えなかった」という声がほとんどだったが、「『Amazon Pay』を使うことで初めて買えた」という声も届くようになったのだ。住所やクレジットカードの情報を登録している間に売り切れていた状況が、「Amazon Pay」を使うことでその工程がなくなり、簡単に素早く購入が完了できるようになったことが大きく影響しているようだ。

特に新規のお客さまにとって会員登録や住所の入力など手間を省けるのは、「Amazon Pay」の大きなメリットです。すぐに完売してしまうためこれまで購入できなかったお客さまから喜びの声をいただけるとすごく嬉しいです。(長野氏)

売り切れ続出の鎌倉銘菓「クルミッ子」(販売元は鎌倉紅谷)のAmazon Pay導入事例 ダイレクトマーケティングマネージャーの長野功一氏
ダイレクト・マーケティング部 マネージャーの長野功一氏

ECサイトでは以前から、シークレットセールのような試みは行っていたものの、あくまでメルマガ会員限定だった。

また、即完売してしまうような人気商品を購入するには、事前の会員登録の準備など、購入までの時間がかかってしまうことから商品購入が難しかった。テレビなどのメディアで商品を初めて知り、アクセスした新規の消費者は、購入できないといった経験をすることが多かった。

しかし、今では「『Amazon Pay』で簡単に購入できます」(吉田氏)という状況が生まれている

鎌倉紅谷のECサイトの消費者からは上記のような好意的な反応が多く、「Amazon Pay」導入初日から混乱は特になかった。消費者からは概ね、肯定的に受け入れられているようだ。

「Amazon Pay」の導入に際し、何らかの混乱や問い合わせが増えるなど心配していたのですが、いざ始めてみると、迷うことなく皆さまがスムーズに利用されていたので、さすがだなと感じました。世の中の認知度が高く、使い慣れている方が多いという印象です。(吉田氏)

「Amazon Pay」経由で簡単に会員登録が可能に

ECサイトへの注文状況をリアルタイムで分析すると、注文完了まではすでにクレジットカード情報を登録している会員がクレジットカード決済するケースが最も早い。その次が「Amazon Pay」だという。「『Amazon Pay』は他のID決済に比べてシンプルで、注文完了までスムーズに進むことができるのだと思います」と吉田氏は分析する。

現状、ECサイトの決済手段の内訳は、クレジットカードが45%、「Amazon Pay」が25%、他の2つのID決済で15%、後払い決済が15%だと言う。

売り切れ続出の鎌倉銘菓「クルミッ子」(販売元は鎌倉紅谷)のAmazon Pay導入事例 決済手段の内訳
決済手段の内訳

2022年8月に「Amazon Pay」を導入した段階では、「Amazon Pay」を使った消費者のうち、ECサイトに会員登録をする割合は15%だったが、「Amazon Pay」が浸透していった年末にはそれが20%にまで広がった

背景には、会員でない消費者が「Amazon Pay」で決済をする際、以下の画像のようにECサイトでの会員登録が簡単にできるようになった点があげられる

売り切れ続出の鎌倉銘菓「クルミッ子」(販売元は鎌倉紅谷)のAmazon Pay導入事例 支払い方法で「Amazon Pay」ボタンを押した後の個人情報確認画面で、新規の会員登録がデフォルトオンで設定されている
支払い方法で「Amazon Pay」ボタンを押した後の個人情報確認画面で、新規の会員登録がデフォルトオンで設定されている

このように、ゲスト購入に対応して会員登録なしで利用できるようにした後も、会員登録数の減少は見られないという。その意味では、「Amazon Pay」が会員登録にも貢献していると推測される。

鎌倉紅谷によると、新規顧客が簡単で楽に決済できるという点から「Amazon Pay」を使って購入しているだけでなく、既存会員のなかにも一定の割合で「Amazon Pay」を使って購入しているケースも見られるようだ

「Amazon Pay」によってスムーズな買い物体験&機会ロスの低減を実現

鎌倉紅谷が「Amazon Pay」を導入したことで実感した魅力は、なんといっても購入時に住所情報などの入力の手間が省け、スピーディーに買い物ができることだという。

吉田氏はこう言う。「人気商品など数分で売り切れてしまう商品の場合、入力が省略されるのはお客さまのストレス軽減につながり、すごく便利です。多くの方がすでにAmazonアカウントを持っていますし、『Amazon Pay』を使い慣れている方は鎌倉紅谷が初めてでも迷わず簡単にお買い物いただけていると思います」

決済の選択肢に「Amazon Pay」を用意しておくことで、Amazonで購入経験のある消費者が鎌倉紅谷のECサイトを訪れた際に、ストレスなくスムーズな購買体験ができる。これによって、購買時の離脱を防ぎ機会ロスの低減が期待できる

Amazonのお客さまが「Amazon Pay」を通じて私たちのECサイトに親和性を感じてくれるのは、とても有り難い。ITリテラシーが高い人や通販に詳しいお客さまが、スムーズにECサイトに来て購入してもらうという流れはすごく魅力です。(長野氏)

鎌倉紅谷の商品はギフトとして贈られることが多く、イベントに対応した限定品の販売にも力を入れている。そのため、予約機能や自動払い機能など「Amazon Pay」が提供している他の機能と商品との相性の良さも感じている

売り切れ続出の鎌倉銘菓「クルミッ子」(販売元は鎌倉紅谷)のAmazon Pay導入事例 鎌倉紅谷の本店は、鎌倉幕府の第2代執権だった北条義時の長男である北条泰時の小町邸跡地に建っている
鎌倉紅谷の本店は、鎌倉幕府の第2代執権だった北条義時の長男である北条泰時の小町邸跡地に建っている

多くの方にご愛顧いただいている「クルミッ子」ですが、2022年は2021年比で約10%増産しており、現在も引き続き供給量を増やす努力をしています。また、2025年には新工場の建設も予定しており、さらなる増産に向けて動いているところです。(吉田氏)

消費者の利便性向上のためにECサイトに導入した「Amazon Pay」が、鎌倉紅谷のような老舗企業のDX推進につながり、ビジネスにいっそう刺激を与えていくだろう。

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吉田 浩章

しまむら、3期目のEC売上高は46%増の41億円。営業損益は黒字転換を達成

3 years 4ヶ月 ago

しまむらの2023年2月期EC売上高は、前期比46.4%増の41億円だった。損益面では単年度の営業黒字化を達成したという。

4事業(しまむら、アイベル、バースデイ、ジャンブル)のEC展開で品ぞろえを拡大した。EC限定によるインフルエンサー企画のほか、キャラクター商品の提供や地域専用商品が好調に推移。特に限定商品と予約販売が好調だった。

「ファッションセンターしまむら」「カジュアル&シューズ アベイル」「Baby&Kids バースデイ」「雑貨&ファッション シャンブル」のアプリ、自社ECサイト共通の会員サービスを2022年11月にスタートした。

来店時や商品購入時に会員証を提示すると会員特典に応募できる「チケット」交換といった特典を用意し、こうしたデジタル上の会員数は309万人まで拡大。EC利用にもつながったとしている。

社内スタジオを利用してインスタライブを配信し、デジタル販促を強化。2022年8月からは、受注能力を拡大するためにECセンター(EC専用の物流倉庫)を経由せず、サプライヤーが直接店舗へ納品する「ECサプライヤー納品」を始めた。

しまむらの2023年2月期EC売上高は前期比46.4%増の41億円 EC事業の取り組み
2023年2月期のEC事業について

しまむらは、実店舗の物流・配送網を使いコストを抑制、「ローコストEC」を事業構造の根幹としている。サプライヤーが埼玉県の東松山商品センターに商品を納品後、隣接するECセンターで検収し、在庫として保管する。店舗受け取りはしまむらの物流網で配送し、個人宅配送の場合は宅配業者に配送を委託している。

2024年2月期のEC売上高は、同22.0%増の50億円を計画している。顧客管理システムを利用して実店舗との相互送客を高度化する。また、顧客管理基盤を活用した「パーソナライズ・レコメンド」始めるなどダイレクトマーケティング事業を強化していく。

各事業で品ぞろえを改善、顧客層拡大に向けて地域限定商品なども展開する。ECセンター業務の効率化、ささげ(撮影・採寸・原稿)能力の向上も図る。

しまむらの2023年2月期EC売上高は、前期比46.4%増の41億円 顧客管理面の計画
顧客管理のこれまでの取り組みと今期の計画

 

石居 岳

ジャパネットが定年後再雇用制度を刷新。65歳までは週休3日で給与は正社員の9割、70歳までは週休4日の給与7割

3 years 4ヶ月 ago

ジャパネットホールディングスは、定年後再雇用制度を「セカンドライフサポート制度」へと刷新した。 

仕事以外の時間を充実するために週休数を段階的に増加、急な収入源に陥らない給与設計にしたとしている。

ジャパネットグループの定年は60歳。定年後は嘱託社員として再雇用する。65歳までは公休数は週休3日で、定年前と比較して勤務日数は8割程度に減るが、給与・手当は平均支給額の9割を担保する設計にした。65歳以降は週休4日で、給与・手当は正社員平均の7割になる。

ジャパネットホールディングスは、定年後再雇用制度を「セカンドライフサポート制度」へと刷新した
「セカンドライフサポート制度」について

副業も可能。正社員には認めていないが、キャリア形成・成長を目的として副業も可能としている。

ジャパネットグループでは「人生の大部分を占める会社という場所で社員一人ひとりにいきいきと働いてほしいという思い」(ジャパネットグループ)から、健康経営や福利厚生制度の充実に取り組んでいる。「定年退職」をポジティブに捉え、仕事以外の時間を充実しながら、緩やかに次のステップに進むための制度へと刷新したという。

瀧川 正実

エニキャリの配達代行システムが国内でヒットしている理由とは? 日本マクドナルドとエニキャリ小嵜代表が対談

3 years 4ヶ月 ago
拡大し続けるデリバリー市場をシステム面から支えるエニキャリ。ラストワンマイル配達管理システム「ADMS」を導入した日本マクドナルドとエニキャリが、デリバリー市場の概況、「ADMS」の利便性、配送サービスのビジネスモデルなどについて対談した
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コロナ禍以降さらに勢いを増しているデリバリー市場。その市場拡大を支えているのが、膨大な配達依頼に対応するデリバリー管理システムだ。なかでも、エニキャリが提供する配達管理システム「ADMS(アダムス:エニキャリデリバリーマネジメントシステム)」は、日本マクドナルドもクルーによる自社配達で「ADMS」を導入。デリバリーに関わる従業員の満足度向上など、さまざまな効果が表れているという。

記事では、前半にデリバリー市場の概況を解説。後半に「ADMS」の特徴、デリバリーと流通の展望について、エニキャリの小嵜秀信氏(代表取締役)と、日本マクドナルドの水品壮二郎氏(デリバリー推進室上席部長)にインタビューした。

エニキャリの小嵜秀信氏(代表取締役)と、日本マクドナルドの水品壮二郎氏(デリバリー推進室上席部長)にインタビュー

コロナ禍を契機に一大市場へ成長した 国内デリバリー市場の概況

古くから出前文化が根付いている日本でも、コロナ禍は特に大きな契機となり、デリバリーサービスの需要は急拡大。クロス・マーケティングの「食品宅配サービス・フードデリバリーに関する調査」によると、新型コロナウイルス感染拡大後の消費者のフードデリバリー利用経験率は、約4割にのぼった。

クロス・マーケティングの「食品宅配サービス・フードデリバリーに関する調査」資料から編集部が抜粋
クロス・マーケティングの「食品宅配サービス・フードデリバリーに関する調査」資料から編集部が抜粋

また、日本政策金融公庫が2020年10月に行った「飲食店のテイクアウト・デリバリーサービス等に関する消費者調査」においても、コロナ収束後も飲食店のデリバリーサービスの利用頻度が「増えると思う」と回答した消費者が2割超、「変わらないと思う」が6割超となった。消費者の間でもデリバリーサービスの利用の定着が進んでいることがわかる。

日本政策金融公庫の「飲食店のテイクアウト・デリバリーサービス等に関する消費者調査結果」から編集部が抜粋
日本政策金融公庫の「飲食店のテイクアウト・デリバリーサービス等に関する消費者調査結果」から編集部が抜粋

フードデリバリーに対応する店舗の急増と、消費者の日常にデリバリーサービスが溶け込んだことから、コロナ禍の一過性にとどまらない市場の成長が今後も見込まれる

ICT総研が実施した「2021年フードデリバリーサービス利用動向調査」では、フードデリバリーの市場規模は2021年に5678億円、2023年には6821億円に達するとの予測が出ている。

ICT総研の「2021年フードデリバリーサービス利用動向調査」から編集部が抜粋
ICT総研の「2021年フードデリバリーサービス利用動向調査」から編集部が抜粋

日本マクドナルドとエニキャリの対談に学ぶデリバリー市場拡大の裏側

配達管理システムと配達代行を提供するエニキャリを、2019年に設立した小嵜秀信氏。日本よりも先進的にデリバリーが普及した中国の都市部で流通小売業を手掛けてきた小嵜氏は、中国で流通が変化した流れと日本を照らし合わせると、2019年から国内のデリバリー市場がより伸長すると予見していたという。

想定外のコロナ禍による上振れはあったと考えられるが、「コロナ禍がなくともデリバリー市場は伸びていただろうし、コロナ禍が収束した後も引き続き伸びていくだろう」(小嵜氏)と話す。

エニキャリ 代表取締役 小嵜秀信氏
エニキャリ 代表取締役 小嵜秀信氏

こうした小嵜氏の考えに、日本マクドナルドの水品氏も賛同する。日本マクドナルドは2010年に自社配達を開始して以降、対応店舗を順調に拡大しているほか、世界各地のマクドナルドの成功事例を日本市場にも取り入れ、2017年以降「ウーバーイーツ」「出前館」「Wolt(ウォルト)」などの配達代行サービスも導入。

これまでも店舗での飲食やテイクアウト、ドライブスルーなど、顧客のニーズに合わせてチャネルや利用方法を揃えてきた日本マクドナルドにとって、デリバリーの開始・拡大も当然の流れだったという。

水品氏は「当社のデリバリービジネスはかねてから伸長してきた。コロナ禍は1つの大きな契機になったものの、これからも伸びていくことは自信を持って言える」と話している。

日本マクドナルドのデリバリー推進室上席部長 水品壮二郎氏
日本マクドナルドのデリバリー推進室上席部長 水品壮二郎氏

自社デリバリーをトータルで支援するエニキャリ

デリバリー市場が拡大するなか、デリバリー事業者で導入が進んでいるのが、“IT×自転車配送”のシェアリングデリバリーサービス「anyCarry(エニキャリ)」だ。

エニキャリは、店舗やECに注文が入った商品を、エニキャリの配達員が自転車で配送するデリバリー配達委託/当日宅配配送委託や、独自の配達管理システム「ADMS」の提供を手がけている。

エニキャリはITと自転車配送を組み合わせた物流代行サービスを提供する
エニキャリはITと自転車配送を組み合わせた物流代行サービスを提供する

店舗から消費者へのクイックデリバリー(短時間配達)を必要なときだけ利用でき、利用した分だけ料金が発生するオープン型配達インフラ「DeaaS(Delivery as a Service=デリバリー・アズ・ア・サービス)モデル」が多くの企業のニーズを捉え、デリバリーを委託する企業・店舗数は年々増加。飲食店だけでなく、化粧品ECや家電量販店など、デリバリーの利用シーンの広がりに貢献している。

こうしたエニキャリの柔軟かつ効率的なデリバリーを叶える上で、肝となっているのが「ADMS」だ。リアルタイムに入る配達依頼データに対し、配達員の位置やデリバリーの起点・終点の情報をもとに最適な振り分けを自動で行うほか、蓄積したデータから効率的な配達ができる機能などを搭載。「ADMS」は自社で配達員を抱えてデリバリー事業を手掛ける事業者も利用でき、日本マクドナルドの自社デリバリーにも採用されている。

配達効率を大幅にアップさせるシステム「ADMS」
配達効率を大幅にアップさせるシステム「ADMS」

配達効率を大幅アップさせるエニキャリの配達管理システム「ADMS」

――エニキャリが提供する配達管理システム「ADMS」の特徴を教えてください。

小嵜秀信氏(小嵜氏):「ADMS」は、①ランダムに次々と入る注文に対して自動配達アサインを行い、業務を効率化 ②配達員の個人のスキルに依存しない、スマホアプリによるナビゲーション ③エンドユーザーの満足度向上のための、お届け時間の自動計算――の3つの特徴を持つ配達管理システムです。

デリバリー業界では全世界的に、ギグワーカーの配達員とオーダーをマッチングさせるサービスが多く、マッチングできなければそのオーダーをロストする形がよく見られます。ですが、当社は配達員のシフトなども考慮してエンドユーザーのお客さまに正確な配達時間をお伝えし、満足度を高めながらいかにオーダーをロストさせないかということに重点を置いています。

また、たとえば配達先に大きなオフィスビルや商業ビル、高層マンションなどが指定された場合には、単に地図上で建物の真ん中にピンを立てるのではなく、入館時に通る防災センターの場所にピンを立てたり、入館の際の施設裏導線のナビ表示などを行い、配達効率を上げることが可能です。

置き配をする場合には置き配の写真撮影を指示したり、画像の管理をスマホで一元管理できるようにするなど、配達員の利便性と均質な配達品質を実現する機能にも力を入れています。

小嵜氏は「ADMS」について、配達員の利便性とエンドユーザーの満足度向上に役立つ配達管理システムだと説明する
小嵜氏は「ADMS」について、配達員の利便性とエンドユーザーの満足度向上に役立つ配達管理システムだと説明する

デリバリーは大きなビジネスチャンス

――日本マクドナルドのマックデリバリーサービスの特徴や社内での位置付けを教えてください。

水品壮二郎氏(水品氏):日本マクドナルドのいつものおいしさとクルーのホスピタリティをお客さまにお届けすることをコンセプトに、国内では2010年に日本マクドナルドの自社配達の宅配サービス「マックデリバリーサービス」をスタートしました。

日本マクドナルドでは、ドライブスルーやテイクアウトと同様に、デリバリーをお客さまの幅広い選択肢の一つとして位置付けておりましたので、以降「ウーバーイーツ」や「出前館」「Wolt」など、外部配達パートナーとも連携し、デリバリーサービス全体として拡大してまいりました。

特にコロナ禍以降は、「非接触」や「なるべく家で食事をしたい」といった需要の高まりによってこれまで以上の勢いで伸長し、配達を外部委託しているケースも合わせると、2020年12月時点で46都道府県の約2200店舗に到達。自社宅配に絞っても、2022年12月時点で全国の967店舗で対応するに至っています。

日本マクドナルドの水品氏によると、デリバリーはお客さまの新しいマクドナルドの楽しみ方として見ているという
日本マクドナルドの水品氏によると、デリバリーはお客さまの新しいマクドナルドの楽しみ方として見ているという

――自社で配達を手掛ける理由やメリットはどのようなものですか。

水品氏:1つは、街で走っている日本マクドナルドのバイクを目にしたお客さまから、日本マクドナルドがデリバリーを行っていることを認識していただけること。

そしてもう1つは、出来たてに近い状態でお届けするための包装や袋詰めなどの細かなところまで自社で追求できることです。お客さまにより良い体験をしていただけるよう、「デリバリー推進室」という専門チームを設立し、さまざまな改善に取り組んでいます。

実のところ、世界のマクドナルドの中では、自社配達をする国は少数派です。日本は昔からそばや寿司の出前文化が根付いており、配達というと地域の店舗地域のブランドに直接注文をすることを想起するお客さまもまだまだ多いです。そこに日本のマーケットニーズがあるからこそ、クルーによる自社配達をしていこうというのが、私たちの考えとなっています。

考え方の共通点が両社のシナジーに

――自社配達で「ADMS」を導入していますが、数ある配達管理システムの中から「ADMS」を選んだポイントを教えてください。

水品氏:昨年、日本マクドナルドのデリバリーアプリを刷新し、公式アプリへの統合を行ったのですが、その際、日本マクドナルドに合ったデリバリーシステムはないかと探し続けていたなか、エニキャリさんと出会いました。それまでも国内外の数社と話をしていたのですが、エニキャリさんは当社とビジネスやお客さまに関する考え方が一致する面が多いと感じたことが一番の理由となり、導入を決めた形です。

――具体的にはどういった点に考え方の一致を感じたのでしょうか。

水品氏:当社の場合、かつてはお客さまが店頭やドライブスルーで注文され、そのタイミングで商品を作るというシンプルなビジネスだけでしたが、今ではモバイルオーダー、デリバリーの登場によって、家や道にもレジがあるような複雑な状態になっています。

もし私たちがデリバリーのことだけを考えて、デリバリーだけを優先させるような仕組みを作ってしまえば、店頭やドライブスルーのお客さまにご迷惑をお掛けしてしまう。そのため、大前提として、最も優れたバランスを実現できる企業とパートナーシップを組みたいと考えていました。

エニキャリさんとはいろいろな点で考え方が合致していましたが、たとえば先ほど小嵜さんが仰ったキャンセルの判断についてもそうです。オーダーを運ぶことができる配達員がすぐに見つからないという状況が発生することはどうしてもありますが、単にキャンセルしてお客さまをがっかりさせてしまうのではなく、時間を変更して出来る限りお届けするなど、最善の方法を提案するのが私たちのめざすところです。

また、自社配達をする上で従業員の休憩時間なども細かな配慮が必要です。その辺りも単にシステムの合理性だけを考えるのではなく、従業員のニーズもくみ取った仕組み作りをしていただける点も非常に大きかったです。

日本マクドナルドがめざす配送システムはエニキャリと多くの考え方が一致していたという
日本マクドナルドがめざす配送システムはエニキャリと多くの考え方が一致していたという

小嵜氏:海外の場合、オーダーと配達員のマッチングの効率化が最優先されがちですが、日本の場合は出前という自社配達の文化があるため、「お客さまを大切にし、働く人がどれだけ効率的に働けるか」を事業者が重視する傾向は強いと感じています。

こうした日本マクドナルドさんのような考えは、自社配達に限らず配達代行においても必要ではないかと私は思います。マッチングの効率化を最優先すると、配達員によってオーダーが取れる件数に格差が生じかねません

エニキャリの配達代行業務においても、従業員の効率的な働き方をめざした健全な仕組み作りを心掛けているので、「ADMS」も日本の事業者に受け入れられやすいシステムになっているのだと思います。

導入後の細やかな支援体制が安心感に

――「ADMS」の導入に際して、国内ベンダーならではの細かな対応や安心感など、どういったところが良かったと思いますか。

水品氏:これまでもさまざまなシステムを導入してきた経験からすると、システムの導入においてエラーの発生は、どうしても付き物なのだろうと感じています。ただ、そのときに最も重要なのは、原因と影響の範囲を速やかに追究し、リカバリーすること。システムエラーが発生すると、場合によっては全国の約3000店舗の従業員や、お客さまへの説明が必要になることもあるからです。

「ADMS」の導入時もやむを得ずエラーが起きたことがありましたが、エニキャリさんのリカバリープロセスは非常にスムーズでした。対応の素早さと丁寧さを見て、安心して任せられると思いました。

従業員から喜びの声で成功を確信

――「ADMS」導入後の従業員からの反応や、実際に感じたメリットなどを教えてください。

水品氏:刷新前のシステムは、店舗にとってアナログな仕様になっていました。店舗では常に店頭やドライブスルーのお客さまに対応しており、その間にデリバリーの注文もお届け時間に合わせてオーダーを入れなければなりません。

しかし、以前のシステムはデリバリーオーダーを入れる最適なタイミングをシステムで弾き出せず、従業員が「そろそろこのデリバリーオーダーを入れるとちょうどいい」と判断しなければなりませんでした。この部分の仕組みも、「ADMS」によって新たに作ることにしたのです。

「エニキャリなら素晴らしいシステムを考えてくれる、成功する!」という信頼のもと、デリバリーオーダーを入れるベストなタイミングのロジックを徹底的に議論しながら進めてきました。

「ADMS」の導入後、店舗でクルーや店長といった実際にこのシステムを使う幅広い層から感想を聞いたところ、「システムに従えばいいから楽になってすごく良かった」といった声が多数寄せられました。これまでも従業員が本音で「良い」と言ったプロジェクトのほとんどが成功してきましたから、その瞬間「このプロジェクトは必ず成功する」と確信が持てたことを覚えています。

小嵜氏:デリバリーは単なる「お店とお客さま」という関係性ではなく、注文画面や配達員が基本的な顧客接点となります。特に、お客さまとface-to-faceで接する配達員の満足度がシステムには重要で、彼らの意見をいかに反映するかがポイントだと捉えています。

現場の声をキャッチアップしている日本マクドナルドさんの取り組みに私たちも感銘を受けましたし、「現場の皆さまから喜ばれているから成功する」という期待は、まさにその通りだと思います。

小嵜氏は、現場の声を重視している日本マクドナルドの考え方に共感している
小嵜氏は、現場の声を重視している日本マクドナルドの考え方に共感している

水品氏:日本マクドナルドの運営はクルーやMGR(時間帯責任者)、店長など店舗スタッフによって支えられているので、現場の声を傾聴するよう、常に心掛けています。

また、法令やルールを守る上でも、従業員のシフトや休憩時間を考慮しながら、デリバリーオーダーを確実にお届けする仕組み作りを徹底しなければいけません。

私たちの考え方を1つひとつ具体的にシステムに落とし込むために、エニキャリさんにはさまざまな要望を伝えさせていただきました。やはり、両社の根本的な考え方が合致していなければ最適なカスタマイズはできなかったと思うので、本当に助かりました。

デリバリーは流通が変わる第一歩

――エニキャリの配達代行では、同じエリアにある複数の企業/店舗が、エニキャリの配達員をエリア共通の配達員として活用する共助モデルを掲げています。その理由や、独自の取り組みを教えてください。

小嵜氏:同じエリア内の人口は毎日ほぼ一定なはずで、つまり、パイが限られているということは、どこかの店舗がキャンペーンの実施などでデリバリーオーダーが増えれば、必然的にほかの店舗のオーダー件数は減少するものと考えられます。

それならば、自社配達だけでなく、配達員を共通化して活用しようという発想のもと、外部配達パートナーなどの利用が進んだのだと思います。

当社も同じく配達代行サービスを手掛けていますが、根本には「共助インフラ」を発展させたい思いがあります。配送は単にモノをお届けする行為ではなく、インフラそのものだと考えているからです。

当社は大手の配達代行業者よりもまだ小規模ですが、配達員を直接雇用することで、大手にはない独自性を磨いて「共助インフラ」を確立するよう努めています。独自性の1つが「配達員クオリティの均一化」です。

これまではレベルが飛び抜けて高いギグワーカーもいれば、まだ経験の浅い人もいるなど、配達員によってクオリティに差があったと思いますが、均一化すればエンドユーザーの安心感は高まります。また、配達員を最適なエリアと時間で配置することで、インフラとして欠かせない「安定性」も突き詰めています。

エニキャリの配達インフラは導入企業のニーズに広く対応する
エニキャリの配達インフラは導入企業のニーズに広く対応する

これからはエニキャリの「共通インフラ」がスタンダードに?

――エニキャリが掲げる「共助インフラ」に対して、水品氏はどのような意見を持ちましたか。

水品氏:日本のマーケットでは、日本マクドナルドの自社配達も含め、デリバリービジネスがまだ成長過程です。なので、エニキャリさんのようにクオリティの均一化や安定性強化に努める姿勢はとても大事だと思いますし、長い歴史を持つレストランサービス以上に、デリバリーサービスは成長の余地が広がる分野だという期待も多くあります。

デリバリーを手掛ける事業者や配達員がどういう振る舞いをするのか、どういったホスピタリティをお届けするのかを考えていくことが、今後の業界のスタンダードにつながっていくかもしれません。

小嵜さんのお話を聞いて、お客さまの体験を向上させるためには業界全体で考えることが重要だと、改めて思いました。

――国内のデリバリー業界の今後や、拡大するデリバリー市場が与える影響について、考えをお聞かせください。

小嵜氏:私は上海を中心に、中国国内でリテールビジネスを手掛けてきました。電子決済が普及し、電子決済を媒介とするスーパーアプリが登場して流通が変わっていく流れを現地で体験してきたのですが、この過程におけるフードデリバリーの台頭は、流通が大きく変化する入り口に過ぎないと当時から思っていました。

そのため、私はフードデリバリーだけに着目していたわけではなかったですし、当社を創業した2019年は日本でもフードデリバリー企業が注目され始めた時期でもあったので、日本もこれから新しい流通の時代に入るのだろうと俯瞰(ふかん)していたのです。

中国では、スーパーやコンビニ、ドラッグストアなど、生活に身近な領域のデリバリーが当たり前になり、その後、ロングテールであらゆるデリバリーが普及しています。ただ、これは単純にデリバリーを使う人が増えたから領域も広がったという話ではなく、消費者ニーズの多様化が生んだ必然性だったと考えています。

今までの流通は、基本的に小売店がお客さまと向き合ってきましたが、中国の新しい流通(ニューリテール)は、「お客さまと小売店」の関係ではなく、「お客さまと商品をどう結び付けるか」という概念になっている。

つまり、お客さまと商品をつなぐために、デリバリーや配達などの様式が多岐にわたったということです。急ぎでないものは今まで通りネットショップで注文しつつ、今すぐ必要なものはデリバリーを使うといったように、日本でもデリバリーの拡大は流通が変わる第一歩になるのだろうと思っています。

水品氏:「お客さまと商品をつなぐ様式が多岐に」とはまさにその通りで、私たち事業者としても、デリバリーでご注文していただくことが一番大切な訳ではありません。日本マクドナルドの体験をしていただくことが、何よりも大切なのです。

たとえば、当社のアプリや外部配達パートナーのサイトなどで新商品を知ったお客さまが、そのときにデリバリーをご注文されなくても、後日デリバリーや来店など、お客さまの好みの形で日本マクドナルドを体験いただくことは多いと思います。

コロナ禍で顕在化したニーズも含めて、消費者ニーズの多様化はますます進んでいるので、私たちはいろいろなチャネルを用意して、お客さまが日本マクドナルドを利用したい時にいつでも対応できるようにしておきたいですし、そんなブランドであり続けたいと考えています。

――流通の変化に伴い、既存の物流・配送や店舗の在り方にも変化が起きると考えますか。

小嵜氏:飲食から始まったデリバリーがスーパーやコンビニなどにも広がり、徐々に既存のEC物流とクイックデリバリー物流の差はなくなってきています。現に当社にも、「ネットショップの配送を手伝ってほしい」という声が多く寄せられている状況です。

たとえば、店舗展開している企業様であれば、今までのEC物流では難しかった「注文後●時間での配送」や「当日配送」などが可能になります。また、店舗が無い企業様も当社の拠点や提携拠点などを活用し、同様の仕組みを導入することが可能になります。

さらにニーズとして大きいのが、自転車による配送「ゼロカーボン配送」が可能になるという点です。昨今、環境に関しての取り組み(SDGsやESGなど)が、企業価値や顧客好感度に大きな影響を与えています。

当社の配送は1配送ごとに「CO₂排出削減効果が●g」を計算し表示することが可能です。こういった取り組みも、多くのお声がけを頂けている要因なのだと思います。

流通が変化するなかで、店舗は今後、販売以外に次の3つの機能を兼ね備えていくと予測しています。

  1. 商品を購入する場所(既存店舗の価値)
  2. 商品と出会うエンターテイメントの場所(新たな感動)
  3. 商品をストックする場所(新たな利便性)

また、欲しい物がどの店舗にあるのか可視化できるようになれば、自分で買いに行くのか、デリバリーを頼むのか、宅配便で届けてもらうのかを消費者が判断する動きも進むはずです。

当然、手段によって値段は異なるため、事業者にとっては多様な消費者ニーズに対して多様な手段で応えなければならない、非常に複雑な時代に入ったと思います。

ただ、今の過渡期の先にはECの宅配とデリバリーの融合、配送リソースの最適化がよりいっそう進んだ未来があり、それこそニューリテールの真髄が見えてくるのではないかと考えています。

顧客の商品への“テンションが高い”ときに、いかに迅速に届けるか

――EC事業者からのエニキャリへの配達依頼で、「デリバリーとECの融合」や「ニューリテール」を象徴するような目新しい取り組みがあればお聞かせください。

小嵜氏:たとえば、化粧品会社のライブコマースがその1つです。SNSマーケティングを実施すると、その瞬間は注文が急増しますが、商品の配送が数日後になると、感動が薄れた頃に届いてしまうことになります。

それを注文の30分後や1時間後など、「この商品が欲しい」というテンションが高まっている間に届けられれば、お客さまの感動が維持できるのです。

「迅速な配送が顧客の満足度を高める」と小嵜氏は指摘する
「迅速な配送が顧客の満足度を高める」と小嵜氏は指摘する

水品氏:日本マクドナルドのデリバリーのご注文が特に多い時間帯は夜なのですが、これはエニキャリさんのライブコマースの配送と観点の近い事象なのかもしれません。

これまでは夜にCMを見て興味を持ってくださったお客さまも、お風呂に入って着替えた後であれば「今日はもう出かけられない」となっていたと思いますが、今は興味を持った瞬間にデリバリーでご注文いただけます

コロナ禍が収まってくるとデリバリーのニーズが下がるのではないかと考えていましたが、予想に反してニーズが安定しているのも、それだけデリバリーがお客さまの生活の中で日常化した証拠です。

ライブコマース商品のデリバリーのように、今までになかったさまざまなシナジーが至る所で起きてくるのだろうと、事業者目線からも感じています。

水品氏はエンドユーザーによるデリバリーサービスの利用が定着しつつあると考えている
水品氏はエンドユーザーによるデリバリーサービスの利用が定着しつつあると考えている

小嵜氏:今後は消費者ニーズの多様化に合わせた配送だけでなく、デリバリーが進化したからこそできるECの配送も広がっていくのではないかと思っています。

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吉田 浩章
朝比美帆

2022年のモバイルアプリ市場、ダウンロード数とアプリ利用時間は好調だが消費者支出は減少。日本は消費者支出が多い一方ダウンロード数は減少傾向

3 years 4ヶ月 ago

米data.aiが発表している「モバイル市場年鑑」では、自社データを元にしたモバイル市場全体の傾向やアプリのダウンロード数の推移などをまとめている。ゲーム、ファイナンスなどさまざまな業界があるなかで小売・EC業界についても触れているが、世界全体と日本ではそれぞれどのような傾向があるのだろうか。

モバイルの1日の利用時間は約5時間

世界の上位10市場における1日あたりのモバイル利用時間は平均5時間6分で、2020年から9%増加した。

モバイル市場年鑑2023 data.ai 調査データ アプリ ユーザーがモバイルで費やす1日の平均時間
ユーザーがモバイルで費やす1日の平均時間(出典:data.ai)

ダウンロード数とアプリ利用時間は好調だが、消費者支出は減少

2022年のダウンロード数、消費者支出、利用時間をみると、消費者支出は世界全体で前年比2%マイナスだった。ダウンロード数は前年比11%増、滞在時間は前年比9%増。

各項目について、モバイル市場トップ20か国の状況を発表しており、ダウンロード数が最も多かったのは中国、次いでインド、米国だった。

モバイル市場年鑑2023 data.ai 調査データ アプリ 2022年のモバイル市場トップ20か国におけるダウンロード数
2022年のモバイル市場トップ20か国におけるダウンロード数(出典:data.ai)

消費者支出(米ドル)でもトップは中国で、2位に米国、3位に日本がランクインした。2021年と比べて中国は増加しているが、米国、日本は減少している。

モバイル市場年鑑2023 data.ai 調査データ アプリ 2022年のモバイル市場トップ20か国における消費者支出
2022年のモバイル市場トップ20か国における消費者支出(出典:data.ai)

利用時間ではトップが中国、次いでインド、米国となり、いずれも2021年から増加している。

モバイル市場年鑑2023 data.ai 調査データ アプリ 2022年のモバイル市場トップ20か国における利用時間
2022年のモバイル市場トップ20か国における利用時間(出典:data.ai)

この結果について、data.aiの矢野恵介氏(既存事業責任者)は、「アプリのダウンロード数が増加している一方で、消費者支出額が昨対でマイナス成長となったのは、モバイル市場調査を開始してから初めての現象だ」と話す。

また、2022年における世界全体と日本の違いは、世界全体でアプリのダウンロード数は増加傾向にあるが、日本では消費者支出が多い一方でダウンロード数は14位である点だ。

日本は2021年と比較してアプリダウンロード数は5%マイナスになっているが、これはコロナ禍の変化とは関係なく、元々減少傾向にあった。

国内でスマートフォンの普及率が成熟してくると、アプリをダウンロードしにくくなる傾向がある。一方で、スマートフォンの普及が急速に進んでいる国では、普及率に比例してアプリのダウンロード数も増加傾向にある。(矢野氏)

ゲームへの支出が減少し、非ゲームアプリの支出が増加

2022年、消費者の可処分所得に対して大きな影響を受けたのはゲームアプリで、消費者支出が大幅に減少した。

モバイル市場年鑑2023 data.ai 調査データ アプリ ゲームアプリと非ゲームアプリの消費者支出の増減と可処分所得の増減
ゲームアプリの消費者支出の増減と可処分所得の増減(左)と、非ゲームアプリ の消費者支出の増減と可処分所得の増減(右)(出典:data.ai)

2022年、世界全体で消費者がショッピングアプリに費やした時間は約1000億時間

2022年のショッピングアプリの年間利用時間をみると、世界全体では約1000億時間で、成長率は前年比9.1%だった。コロナ禍となった2019年から2020年の年平均成長率が20%だったことと比べると、成長率はやや鈍化した。

モバイル市場年鑑2023 data.ai 調査データ アプリ ショッピングアプリの年間利用時間 世界全体
ショッピングアプリの年間利用時間(世界全体)(出典:data.ai)

日本だけで見ると、ショッピングアプリの年間利用時間は約11億時間、前年比成長率は3.7%だった。2019年から2020年の年平均成長率は26.5%。

モバイル市場年鑑2023 data.ai 調査データ アプリ ショッピングアプリの年間利用時間 日本
ショッピングアプリの年間利用時間(日本)(出典:data.ai)

世界全体、日本ともに2019年から2020年時と比べると成長率は鈍くなっているが、「2019年から2020年はコロナ禍で、消費者の可処分時間が増えたことで異常な上がり方になった。その後は等分に増加している」と矢野氏は分析する。

クーポン&ポイントアプリのダウンロード数が上昇

2020年は、消費者が対面での買い物を避けることが多かったため、小売業者を中心にモバイルショッピングが急成長し、2020年における小売業向けアプリのダウンロード数は、前年比43%増加を記録した。

2022年には外出や実店舗でショッピングを行う消費者が増えた。一方で、商品価格の高騰などが消費者の懐を圧迫していることもあり、クーポン&ポイントアプリのダウンロードは前年同期比27%増加した。

モバイル市場年鑑2023 data.ai 調査データ アプリ ショッピングサブジャンルの地域別前年比ダウンロード増加率とダウンロード数が上昇したアプリ 世界
ショッピングサブジャンルの地域別前年比ダウンロード増加率と、前年比ダウンロード数が上昇したアプリ(世界全体)(出典:data.ai)
モバイル市場年鑑2023 data.ai 調査データ アプリ ショッピングサブジャンルの地域別前年比ダウンロード増加率とダウンロード数が上昇したアプリ 日本
ショッピングサブジャンルの地域別前年比ダウンロード増加率と、前年比ダウンロード数が上昇したアプリ(日本)(出典:data.ai)

2022年の日本では、「SHEIN(シーイン)」の前年比アプリダウンロード数が上昇した。また、急上昇ダウンロード数を見ると、10位以内に「マツモトキヨシ」「ココカラファイン」といったドラッグストアがランクインしている特徴がある。

「ドラッグストア=商品を安く買える」という意識が消費者のなかにあることや、実店舗で買い物をする機会が多く慣れ親しんでいることから、クーポンなどが紙からアプリに移行しても抵抗が少ないのではないだろうか。(矢野氏)

藤田遥

Googleビジネスプロフィールで店舗の宣伝、イベント情報、特典などを予約投稿したい場合、どうすればいいですか? | 店舗ビジネスに役立つ『口コミラボ』特選コラム

3 years 4ヶ月 ago
Googleビジネスプロフィールには、日付・時間帯を指定して投稿する「予約投稿」の機能が存在しません。予約投稿したいときの対処法について解説します

Googleビジネスプロフィールでは、店舗の宣伝、イベントの情報、特典等の投稿ができます。集客に使える便利な機能である一方で、日付・時間帯を指定して投稿する「予約投稿」の機能が存在しないという点では、使いにくくなっています。

そこで本記事では、Googleビジネスプロフィールで予約投稿したいときの対処法について解説します。

当日に投稿をする時間がないといった理由で、予約投稿がしたいという方は、ぜひ参考にしてください。

Googleビジネスプロフィールの投稿とは?

Googleビジネスプロフィールの投稿とは、店舗・施設の宣伝やイベントの情報、特典(クーポン)などの情報をGoogleマップ上に発信できる機能です。投稿機能には以下の3種類があります。

  • 最新情報
  • イベント
  • 特典

コロナ禍には「COVID-19の最新情報」という、新型コロナウイルス関連の内容を投稿できる機能も存在していましたが、2023年3月現在は機能はなくなっています。

Googleビジネスプロフィールの投稿機能では、テキスト、画像や動画、指定のURLなどに遷移するボタンなどを使って、お店の情報をユーザーやGoogleに向けてアピールできます。

Googleビジネスプロフィールには予約投稿機能が存在しない

Googleマップ上に宣伝などの最新情報を表示できる投稿機能。事前に作成していた投稿を予約投稿しておき、好きなタイミングで公開するといった使い方をしたい方もいるでしょう。

しかし、Googleビジネスプロフィール上には予約投稿の機能が存在しません。

指定の日時で予約して投稿するといった使い方をしたい場合は、別のツールを使う必要があります。

予約投稿の方法2選

Googleビジネスプロフィール自体には予約投稿の機能がありませんが、外部のサービスを連携させることで、予約投稿が可能になります。

予約投稿に使えるツールは2つあります。

  • Googleビジネスプロフィールの一括管理ツール
  • WordPress

Googleビジネスプロフィールの一括管理ツール

Googleビジネスプロフィールの一括管理ツールを提供している会社が複数存在します。

一括管理ツールを活用すれば、複数店舗へ同時に投稿や情報更新などを反映できます。作業の効率化、管理コストの削減を進めたい場合は、一括管理ツールを活用しましょう。

代表的なサービスとしては、「口コミコム」「Gyro-n」「ローカルミエルカ」などがあります。

サービス内容はツールによって異なるため、自社に合う一括管理ツールを選択できると良いでしょう。

WordPress

予約投稿を一括管理ツール以外に行う方法としては、WordPress(ワードプレス)との連携があります。

WordPressとは、Webサイトやブログなど、コンテンツを作成・更新する際に使われるサービスです。WordPressで予約投稿を行う手順は以下のとおりです。

  • WordPressのプラグインをインストールする
  • Googleビジネスプロフィールと連携をする
  • 投稿内容の設定をする
  • 投稿内容を作成し予約投稿する

WordPressを活用した予約投稿は、WordPressの連携や更新などのスキルが必要です。また、店舗が多ければ多いほど導入やメンテナンスの作業は大変になってしまいます。

管理コストや、できることの多さを考えると、一括管理ツールの方が費用対効果が高い場合もあるので、そのあたりも考慮して決めると良いでしょう。

この記事を書いた「口コミラボ」さんについて

「口コミラボ」は、様々な地図アプリ・口コミサイトの監視、運用、分析を一括管理できる店舗向けDXソリューション「口コミコム」が運営する店舗ビジネス向け総合メディアです。近年、企業の評判管理が重要視されるなか、特に注視すべきGoogleマイビジネスを活用したローカルSEO(MEO)や口コミマーケティング、それらを活用した集客事例から、マーケティング全般、店舗経営のハウツー、業界動向データにいたるまで幅広い情報を紹介します。

口コミラボ

EC責任者から「校長」へ。花王でDX推進の生井氏、茨城県の中高附属校で民間校長に

3 years 4ヶ月 ago

花王でDX戦略推進センターECビジネス推進部長などを歴任した生井秀一氏が4月から、茨城県立下妻第一高等学校・附属中学校の校長に就任する。

花王で過去3度、社長賞を獲得。花王グループのDXを推進し、ECビジネスの構築などの推進役であった生井氏は花王を退職。4月から民間出身者の校長として、活動の場を教育界に移す。

花王でDX戦略推進センターECビジネス推進部長などを歴任した生井秀一氏が4月から、茨城県立下妻第一高等学校・附属中学校の校長に就任
EC責任者から「校長」に就任する生井氏

生井氏は、茨城県とエン・ジャパンが実施した「ソーシャルインパクト採用」において、茨城県内の中高一貫校・専門高校の「校長」を教員免許不問で公募するプロジェクトに応募。1645人の応募のなかから、生井氏を含む3人が選出された。

生井氏のコメントは次の通り。

校長として、グローバルで活躍する起業家的リーダーシップを持った学生の育成に取り組みたいです。私が企業で実践してきたように、創造性を持ったビジネス構築力、多くの人を巻き込むマネジメント能力、逆境に立ち向かうハングリー精神を養い、「変化を受け入れながらもぶれない自分を作る」、そのような人財育成に取り組んでいきたいと思います。

また学校教育とビジネスを結びつける為に、社会課題や地域課題を発見し、それを解決しながら社会的価値創造ができる学生の育成を目指していきたいと思います。「起業家精神を学び実践する事で、人生をもっと自由に、もっと楽しく。」そんな精神を育む学校にしていけたらと考えています。

生井氏は花王の販売子会社に入社し、営業部門で大手流通チェーンを担当。ヘアケアブランドのマーケティングを担当した後、2015年にECの営業マネジャーとなり、花王のECビジネスを推進。2018年に全社DX推進をするプロジェクト型組織の先端技術戦略室に異動。2021年にDX戦略推進センターを設立、全社DX戦略を担当した。花王子会社への入社から、最終的に本社中枢で全社DXの推進担当者として活躍した「EC、デジタルで異例の出世コースを歩んだ人物」(関係者)という。

瀧川 正実

LTVの最大化を支援する「ecforce」連動のMAツール「ecforce ma」とは? CPA高騰によるEC・D2C業界の今後も予測

3 years 4ヶ月 ago

D2C支援事業やECプラットフォーム「ecforce」を提供するSUPER STUDIOは3月15日、導入企業のCRMを支援するマーケティングオートメーション(MA)ツール「ecforce ma」の提供を始めた。

LTV最大化を支援する「ecforce」連動のMAツール

SUPER STUDIOの花岡宏明氏(取締役COO)は、広告費の高騰によるCPA(顧客獲得単価)単価の上昇などデジタルマーケティングのコストが増加していことを踏まえて、「顧客獲得単価が高騰している昨今、ブランド運営のユニットエコノミクスが脅かされている。顧客データを活用し、顧客LTVを最大化する仕組みが必須になりつつある」と指摘。

CRMによるLTV(顧客生涯価値)引き上げの実現、専門知識不要で簡単に利用できるMAツールとして開発したのが「ecforce ma」だ。

CPA高騰などを踏まえ、顧客のLTV最大化がより重要になると喚起
LTV最大化がより重要になる

「ecforce ma」はECプラットフォーム「ecforce」連動型のMAツール。導入初日からCRMの運用を始めることができる。ノーコードでさまざまな施策を実行できるため、エンジニアリングやデータサイエンスのスキルがなくても運用しやすい。

配信したメッセージの開封率やクリック率、受注に直結したかどうかといった効果を売り上げベースで計測できるという。

顧客の傾向ごとにセグメントしたシナリオ設計や、施策ごとの売り上げの確認ができる
顧客の傾向ごとにセグメントしたシナリオ設計、施策ごとの売り上げを確認ができる

「ecforce ma」の基本料金は月額4万9800円。これに加え、データ量に応じた従量課金型のデータ管理料がかかる。「ecforce ma」の基本機能は次の画像の通り。

「ecforce ma」の基本性能(右側は今後提供を予定)
画像左が基本機能、右が今後提供する予定の機能

現在の「ecforce ma」導入に関する問い合わせ件数は67社(3月24日時点)。契約数は14ショップ(同)。問い合わせを寄せる企業は、アパレルなどSKU数が豊富な企業が多いという。

「カートと完全なデータ連携をしているMAは魅力的」「他社ツールを利用しているため、すぐではないが、『ecforce ma』が使いやすそうなので将来的に導入を検討したい」といった声が寄せられているという。

今後のEC・D2C業界で生き残るために

SUPER STUDIOは「世の中にあるすべてのビジネスの新たな成長可能性に“D2C物販”という選択肢がある」と指摘。

D2Cの台頭によってモノ作りが普及し、参入障壁の低下、デジタル化が進んだことで新規勢力が業界のシェアを獲得している。既存企業も新規参入企業も、次なる成長をし、生き残るために事業を拡大しなければならない。(花岡氏)

また、CPAの高騰によって、オンライン物販専業は成長が限界を迎える可能性があるとし、獲得した顧客のLTV最大化のためにオフライン展開、物販に限らないサービス展開が始まると予測した。

顧客LTV最大化のため、オンライン物販だけにとどまらず、オフライン展開や、物販に限らないサービス展開が始まると指摘
今後予想されるサービス展開
高野 真維

買い物体験向上を目的に「東急ストアネットスーパー」「東急ストアオンラインショップ」を刷新

3 years 4ヶ月 ago

東急は、ホーム・コンビニエンスサービス「東急ベル」で提供する「東急ストアネットスーパー」と「東急ストアオンラインショップ」をリニューアルした。

「東急ストアネットスーパー」は、東急ストア・プレッセの店舗からスタッフが商品をピックアップし、東急ベルのベルキャストが自宅まで届ける店舗型の「ネットスーパーサービス」。

中期的視点での売上拡大を支える基盤の構築、ユーザーフレンドリーなUI・UXの設計、バックヤード業務の効率化などを目的にサイトを刷新。ECサイトの「東急ストアオンラインショップ」も、ユーザーフレンドリーなUI・UXの設計を目的にリニューアルした。

東急は、ホーム・コンビニエンスサービス「東急ベル」で提供する「東急ストアネットスーパー」と「東急ストアオンラインショップ」をリニューアル
リニューアルした「東急ストアネットスーパー」

「東急ストアネットスーパー」と「東急ストアオンラインショップ」の会員情報を一元管理できる環境を構築。シングルサインオンによって2つのサイトを横断したログインをできるようにした。

新たなECプラットフォームとしてecbeingが提供するECサイト構築パッケージ「ecbeing」を採用し、サイトを構築している。

「東急ストアネットスーパー」リニューアルのポイント

①購入までの快適さを突き詰めたUI・UX

コンセプトは、「お客さまに日々ご利用いただくサービスとして、『探しやすい』『選びやすい』『買いやすい』サイトにすることで、使用感と操作感を向上させ、大量の商品を購入する場合でも、お客さまがストレス無く手軽にお買い物できるようにする」。

購入までカート内の商品を簡単に確認できるデザイン、ログイン状態によって変わるトップページなど、快適に商品を購入できるサイトデザインを実現したという。

東急は、ホーム・コンビニエンスサービス「東急ベル」で提供する「東急ストアネットスーパー」と「東急ストアオンラインショップ」をリニューアル
カートに追加した商品を簡単に確認できるデザイン設計

②購入商品の欠品時にもスムーズな買い物体験

「東急ストアネットスーパー」は店舗ごとに商品を発送しているため、商品在庫は配送元店舗に用意されているモノに限られる。そのため、消費者が商品欠品時に「代替商品を希望する」指定をすると、配送時に在庫がない場合には東急ストアから電話連絡し、代替商品の提案を行っていた。

今回のリニューアルで、商品欠品時の対応として「代替商品を希望する」「一部商品のみ代替商品を希望する」「商品をキャンセルする」といった選択肢を、商品単位で設定できるようにした。

東急は、ホーム・コンビニエンスサービス「東急ベル」で提供する「東急ストアネットスーパー」と「東急ストアオンラインショップ」をリニューアル
購入フロー内の商品欠品時の対応画面

③「配送店舗・日時選択」を購入フローに組み込み、快適な購入体験を実現

「東急ストアネットスーパー」では、指定した店舗から商品が配送されることに加え、店舗ごとに取扱商品が異なる。そのため、購入する商品をカートに入れる前に、消費者が店舗・配送便を選択する仕様にしている。

未ログイン時には商品選択ボタンの代わりにログインページへの導線を設置、ログイン後には配送店舗と配送日時の選択画面に遷移する設計を採用。消費者が購入できない商品を誤ってカートに入れてしまうといったことを防ぐ購入フローにしたという。

東急は、ホーム・コンビニエンスサービス「東急ベル」で提供する「東急ストアネットスーパー」と「東急ストアオンラインショップ」をリニューアル
配送店舗・日時選択画面

また、カゴに入れている商品によって在庫の数が変わる機能、商品のピッキングから出荷・配送までを行うバックヤード業務といった業態特有の業務フローに対応した機能も搭載したとしている。

瀧川 正実

Amazonが新たな「デリバリーサービスパートナープログラム」をスタート、ラストワンマイルの提携パートナーの範囲を拡大

3 years 4ヶ月 ago

アマゾンジャパンは3月30日、Amazonの商品を配送する起業家を支援する次世代の「デリバリーサービスパートナー(DSP)プログラム」の運用を始めた。

「デリバリーサービスパートナー」は、Amazonが配送を委託する中小企業を中心としたさまざまな規模の配送業者。従来の「デリバリーサービスパートナープログラム」では、既に配送事業を担っている配送業者がパートナーとしてAmazonの配送を担っている。

新たなプログラムは、従来のDSPプログラムにおける提携パートナーの範囲を拡大。Amazonの商品を配送する起業家に対し、商品を安全・確実に届けるために必要なサポートを提供する。

アマゾンジャパンはAmazonの商品を配送する起業家を支援する次世代の「デリバリーサービスパートナー(DSP)プログラム」の運用を始めた
専用サイトで「デリバリーサービスパートナープログラム」の募集を行っている(画像は編集部がキャプチャ)

今回のプログラムでは、DSPが地域社会と連携し、最適な人材を採用・育成。Amazonは安定した配送量を確保しながら、物流分野の経験やテクノロジー、プログラムに特化したリソースを提供し、ビジネスの発展をサポートするとしている。

Amazonの新しいDPSにはすでに、都内にある配送会社のワントラックや、埼玉・春日部の運送会社Cruz(クルーズ)などが参加している。

「デリバリーサービスパートナープログラム」のイメージ動画

Amazonの配送はいくつかの手段を使い分けており、1つは、フルフィルメントセンター(FC)から出荷する荷物を、ヤマト運輸や日本郵便、佐川急便などによるパートナー配送業者が配送する方法だ。

2つ目は、多数の委託先の配送業者で構成されるAmazon独自の配送プログラム「アマゾンロジスティクス」。フルフィルメントセンターから出荷する商品を全国45拠点以上(2023年2月現在)の仕分け用拠点「デリバリーステーション(DS)」に配送。ラストワンマイルを、Amazonと直接業務委託契約を結んだ個人事業主のドライバー「デリバリーパートナー」が配送する「Amazon Flexプログラム」、街のビジネスオーナーが空き時間にAmazonの商品を近所に配送する「Amazon Hubデリバリーパートナープログラム」、そして「デリバリーサービスパートナー」が担う。

アマゾンジャパンはAmazonの商品を配送する起業家を支援する次世代の「デリバリーサービスパートナー(DSP)プログラム」の運用を始めた
Amazonのラストワンマイルについて(画像はAmazonのWebサイトから編集部がキャプチャ)
石居 岳

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3 years 4ヶ月 ago
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    2023/3/27
     
  8. 通販エキスパート検定、試験科目に「フルフィルメントCX」追加。CX向上やマーケにつながるフルフィルメントを学ぶ機会に

    通販エキスパート協会は、主催する資格試験「通販エキスパート検定」に新たな試験科目「フルフィルメントCX」を追加する。CX向上、マーケティング、課題解決につながるフルフィルメントを学ぶことができる

    2023/3/27
     
  9. 店舗を運営する知っておくべき「MEO」とは? SEOやローカルSEOとの違い、重要性などMEOの基礎を徹底解説

    「MEOの意味は?何の略?」「MEOとSEOの違いは?」「MEOの重要性は?注目されている3つの理由」を解説します

    2023/3/27
     
  10. 家具・家電EC「リコメン堂」のジェネレーションパス、売上2ケタ成長の秘訣と2023年の成長戦略を岡本社長が解説

    ジェネレーションパスは国内外でEC事業を拡大している。今後は貿易による商品の仕入れを強化するほか、インバウンド需要への対応も急ぐ。

    2023/3/29
     

    ※期間内のPV数によるランキングです。一部のまとめ記事や殿堂入り記事はランキング集計から除外されています。

    藤田遥

    EC決済サービス市場は2021年度に23兆円超、2026年度に約40兆円規模へ拡大

    3 years 4ヶ月 ago

    矢野経済研究所が実施した国内のEC決済サービス市場調査「2023年版 オンライン決済サービスプロバイダーの現状と将来予測」によると、2021年度のEC決済サービス市場(EC決済サービス提供事業者の取扱高ベース)は前年度比18.6%増の23兆1099億円と推計、2022年度は同19.2%増の27兆5367億円と予測している。

    EC市場の拡大や、オンライン決済サービスの利用拡大を背景として、大手決済代行業者を中心にEC決済サービスの取扱高は増加している。

    従来、対面取引で事業を展開していた小売事業者や飲食事業者等が、EC事業に参入するケースも見られる。

    特定業種向けのEC決済サービスを提供する動きもある。教育、保険、レッスン・習い事、学会・セミナー、士業などの役務分野における事業者の集金目的としての導入拡大もあり、BtoB(企業間)領域や対面取引、オムニチャネルに関するEC決済サービスも拡大している。

    こうした背景からEC決済サービス市場は今後も順調に拡大すると予測しており、2026年度には約40兆円規模に達すると見込んでいる。

    矢野経済研究所が実施した国内のEC決済サービス市場調査「2023年版 オンライン決済サービスプロバイダーの現状と将来予測」 EC決済サービスの市場規模推移と予測
    EC決済サービスの市場規模推移と予測

    BtoC(企業対消費者)領域の後払い決済サービス(BNPL)市場(後払い決済サービス提供事業者の取扱高ベース)も堅調に拡大、2021年度は1兆820億円と推計した。

    今後、長期的な分割払いへの対応が広がるなど、分割払いを選択しやすい環境が一層整備されそうだ。後払い決済サービスを利用することで、現在よりも高単価の商品を購入する動きが進み、取扱高の拡大につながると見られる。

    同時に、取引の幅が広がると考えられ、後払い決済サービス提供事業者には、分割払いにおける与信ノウハウの蓄積が求められる。利用環境の拡大や決済単価の向上を背景に、後払い決済サービス市場は2026年度に約2兆円まで拡大すると予測している。

    矢野経済研究所が実施した国内のEC決済サービス市場調査「2023年版 オンライン決済サービスプロバイダーの現状と将来予測」
    後払い決済サービスの市場規模推移と予測

    調査概要

    • 調査期間:2022年12月~2023年2月
    • 調査対象:ECサイト向けの決済サービス提供事業者および関連事業者
    • 調査方法:当社専門研究員による直接面談(オンライン含む)ならびに文献調査併用
    石居 岳

    【オムニチャネル利用】年代ごとの購買行動、モバイルを使った消費行動、利用意向、買い物カテゴリなど調査結果まとめ | 海外のEC事情・戦略・マーケティング情報ウォッチ

    3 years 4ヶ月 ago
    コロナ禍で、若者を中心として利用が急速に進んでいるオムニチャネル購買。年代別の購買行動や、消費者がモバイルのアプリに望む機能などを調査結果から解説します

    実店舗やECなどさまざまな販売チャネルを組み合わせて消費者の購買行動を促すオムニチャネル戦略。米国の大手EC専門誌『Digital Commerce 360』と 調査会社のBizrate Insightsが実施した調査結果によると、利用者の年齢層は若く、オンライン通販では30~39歳の消費者が最も積極的に利用します。

    オムニチャネルショッピングの利用者は、BOPIS(オンラインで購入した商品を店舗で受け取ること)から当日配送まで、さまざまな選択肢を利用しています。調査結果を踏まえて、消費者によるオムニチャネルの利用実態を解説します。

    記事のポイント
    • SweetwaterはAIを用いて“クリックしそうな”顧客グループを作成。2022年9月のメールのクリック数は、2022年8月と比較して25%増加した
    • BOPISの満足度は、カーブサイドピックアップ(車中受け取り)よりも高い
    • 若年層の消費者は、オムニチャネル購入の一環としてアプリを利用する傾向がある

    米国の調査結果に学ぶオムニチャネル利用実態

    高い店頭在庫のオンライン確認ニーズ

    オムニチャネルを利用する消費者は、BOPISや当日配達サービスを使うなど多くの選択肢を積極的に活用しています。

    また、店舗受け取りやカーブサイドピックアップを好み、実店舗に出向く前に何を入手できるか調べます。また、オムニチャネル利用者層には、当日配送が魅力的に映っています。

    重要なのは、年代によって消費者の行動が異なるということです。『Digital Commerce 360』と Bizrate Insightsがオンライン通販利用者1069人を対象に実施した調査によると、年齢ごとの購買行動の違いが明らかになりました。

    年齢層による購買行動の違いに加え、それが小売業にとってどのような意味を持つかを分析しました。調査結果の一部から、顧客に最適なサービスを提供するためのヒントを得ることができます。

    30~39歳の層はオンライン通販に最も積極的。たとえば、彼らは近くの実店舗の商品在庫を確認したいと考えています。店頭在庫の確認ニーズに対する年齢別の回答は以下の通りです。

    • 18~29 歳 (72%)
    • 30~39歳 (75%)
    • 40~54歳 (73%)

    上記の数字は、55~64歳(57%)、65歳以上(55%)とは対照的です。年齢層別の最低点・最高点の差である「年齢差」については、「カーブサイドピックアップ」が26%と最も大きくなっています。その後に続くのが「店舗受け取り」の20%で、大きな差が生まれています。

    オムニチャネル利用調査(出典:『Digital Commerce 360』とBizrate Insightsが実施した調査)
    オムニチャネル利用調査(出典:『Digital Commerce 360』とBizrate Insightsが実施した調査)

    コロナ禍がオムニチャネルの利用を後押し

    2022年のオムニチャネル利用とコロナ禍以前の比較では、18~29歳の消費者の79%、30~39歳の74%がオムニチャネルを利用した購買を「より多く」行っていました。55歳以上では7割強がオムニチャネルの利用が増えています。

    店舗受け取りとカーブサイドピックアップ、6か月で11回以上利用する人も

    さらにもう一歩踏み込むと、若い消費者ほど過去6か月間に11回以上のオムニチャネル利用を行うなど、利用頻度が高くなっています。18~29歳の40%が11回以上利用しており、30~54歳の37%も同様です。

    55-64歳の高齢者層は25%、65歳以上の層では24%と同程度の割合でした。

    店舗受け取りとカーブサイドピックアップを利用した回数(出典:『Digital Commerce 360』とBizrate Insightsが実施した調査)
    店舗受け取りとカーブサイドピックアップを利用した回数(出典:『Digital Commerce 360』とBizrate Insightsが実施した調査)

    店舗受け取りとカーブサイドピックアップを利用した店舗の割合、幅広いカテゴリーに利用拡大

    若い消費者達は、調査した店舗やカテゴリーでより多くの買い物を行っているようです。例外はハードウェア・ホームセンターで、こちらは年配の消費者に好まれていることがわかります。

    このカテゴリー以外では、米国の大型ディスカウントスーパー「Target」の利用者(35%)とヘルス&ビューティーのカテゴリー(25%)で、年齢によるギャップが最も大きくなっています。

    店舗受け取りとカーブサイドピックアップを利用した店舗の割合(出典:『Digital Commerce 360』とBizrate Insightsが実施した調査)
    店舗受け取りとカーブサイドピックアップを利用した店舗の割合(出典:『Digital Commerce 360』とBizrate Insightsが実施した調査)

    カーブサイドピックアップ(車中受け取り)とBOPIS(店頭受け取り)は高評価

    オムニチャネル利用者に、10を満点として1~10のスコアでカーブサイドピックアップとBOPISを評価してもらいました。年齢差では全く同じですが、7~10点満点で見ると、若い消費者はカーブサイドピックアップに高い点数をつけています。一方、年配の消費者は、BOPISに高い評価を与えています。

    店頭受け取りおよびカーブピックアップの評価で、10点満点中、7~10点と評価した人(出典:『Digital Commerce 360』とBizrate Insightsが実施した調査)
    店頭受け取りおよびカーブピックアップの評価で、10点満点中、7~10点と評価した人(出典:『Digital Commerce 360』とBizrate Insightsが実施した調査)

    オムニチャネルにおけるアプリ利用

    オムニチャネル利用者の66%が、注文や受け取りをモバイルアプリで頻繁に行っていることがわかりました。

    18歳から54歳までの広い年代で、オムニチャネル利用者は、アプリを使用する傾向があります。30~39歳が最も多く(75%)、18~29歳(70%)が僅差で続いています。40~53歳は69%です。

    筆者(編注:『Digital Commerce 360』の執筆者)自身も、アプリを使ったショッピング体験はポジティブだった為、今では常にアプリを利用するようになりました。アプリの改良が進むにつれ、より多くの人がアプリを受け入れるようになるでしょう。

    オムニチャネルの注文・受け取りにおける小売店のモバイルアプリの利用(出典:『Digital Commerce 360』とBizrate Insightsが実施した調査)
    オムニチャネルの注文・受け取りにおける小売店のモバイルアプリの利用(出典:『Digital Commerce 360』とBizrate Insightsが実施した調査)

    小売事業者のモバイルアプリに望む機能

    アプリから発信されるコミュニケーションは、年齢層が高いほど好まれることがデータからわかっています。たとえば、注文の準備ができたことを通知してくれたり、テキストメッセージを受け取るなどです。

    若年層は、在庫のある店舗をすぐに見つけられるなど、ショッピングの観点からアプリのユーザーエクスペリエンスを高く評価しています。また、携帯電話や車の情報、ギフトカードやクーポンを保存できることも、若い層には魅力的です。

    小売事業者のモバイルアプリに最も望む機能(出典:『Digital Commerce 360』とBizrate Insightsが実施した調査)
    小売事業者のモバイルアプリに最も望む機能(出典:『Digital Commerce 360』とBizrate Insightsが実施した調査)

    モバイルの利用シーン、アプリで商品購入が5割

    過去6か月間の購買行動の一部であったモバイル利用については、30~39歳の消費者が6つの質問に対して最も高い数字を示しました。一方、65歳以上は常に最下位でした。各質問に対する30~39歳の回答者の割合は次の通りです。

    • アプリで商品を購入する:51%
    • アプリを使用して店舗で商品を探す:42%
    • 店舗またはカーブサイドでの受け取りを容易にする:34%
    • 店舗でバーコードスキャンを利用して、より多くの商品情報を入手する:32%
    • 小売店でのセルフレジ:26%
    • 店内でスマホを利用して買い物をする:23%

    店舗で商品を探すことに関しては、30~39歳と65歳以上で23%と最も大きな差となりました。エイジギャップ(年齢差)の大きさでは、「モバイルアプリを使って店舗で商品を購入する」「オムニチャネルでの受け取りを容易にする」が続きました。

    モバイル利用について(出典:『Digital Commerce 360』とBizrate Insightsが実施した調査)
    モバイル利用について(出典:『Digital Commerce 360』とBizrate Insightsが実施した調査)

    高齢層のオムニチャネル利用は拡大期待

    高齢の消費者は、オムニチャネルに関して慎重な傾向が見られましたが、今後は若者世代に追いついてくるでしょう。彼らは2023年、オムニチャネル利用に積極的になるはずです。

    調査結果では、55~64歳の79%、65歳以上の76%が、2023年に店舗での受け取りやカーブサイドでの受け取りを増やす意向を示しています。

    一方、18~29歳は41%、30~39歳は50%という結果でした。関心度はそれほど高くなく、彼らの購買力にも限界があるでしょう。

    店頭またはカーブサイドでのピックアップについて、2022年と比較した利用意向(出典:『Digital Commerce 360』とBizrate Insightsが実施した調査)
    店頭またはカーブサイドでのピックアップについて、2022年と比較した利用意向(出典:『Digital Commerce 360』とBizrate Insightsが実施した調査)
    ◇◇◇

    小売業にとって、年齢は重要なのでしょうか?

    すべての顧客が重要ですが、オムニチャネルを受け入れ、モバイルを支持しているのは若年層です。若い消費者は、オムニチャネルの世界で新しいイノベーションを試したいと考えていることがわかっています。

    長い目で見ると、オムニチャネルの充実が重要になると結論付けても良いでしょう。

    この記事は今西由加さんが翻訳。世界最大級のEC専門メディア『Digital Commerce 360』(旧『Internet RETAILER』)の記事をネットショップ担当者フォーラムが、天井秀和さん白川久美さん中島郁さんの協力を得て、日本向けに編集したものです。

    Digital Commerce 360

    フューチャーショップ、AIが最適な商品をレコメンドする機能「future AI Recommend」を提供開始

    3 years 4ヶ月 ago

    SaaS型ECサイト構築プラットフォーム「futureshop」を提供するフューチャーショップは、「futureshop」で構築したECサイト上で利用できるAI(人工知能)搭載のレコメンド機能「future AI Recommend」をリリースした。

    先行導入店舗でCVR約10%という結果も

    「future AI Recommend」は、AIを活用したリコメンド機能で、オプションサービスとして提供する。データ活用プラットフォーム「Conata(コナタ)」を提供するフライウィール社のレコメンドエンジン「Conata Discovery Recommend(コナタ ディスカバリー レコメンド)」を採用した。

    「Conata(コナタ)」は、日本生活協同組合連合会(日本生協連)、NTTドコモ、カルチュア・コンビニエンス・クラブなどで採用実績があるデータ活用プラットフォーム。「Conata Discovery Recommend」は、ユーザー1人ひとりにとって最適な商品のレコメンドをリアルタイムで行い、売り上げの最大化を支援するソリューションだ。

    フューチャーショップ futureshop AI Reccommend レコメンド機能 Conata Discovery Recommend
    レコメンド機能「future AI Recommend」(画像は「futureshop」のサイトからキャプチャ)

    「future AI Recommend」の導入後、「商品閲覧データ」や「購買データ」を蓄積するとAIレコメンドエンジンが学習、よりECサイト来訪者の好みにパーソナライズされた商品を提案できる。新規導入店舗でのコンバージョン率が約10%アップするなど、先行導入したショップにおいて良好な効果が出たという。

    設定できるレコメンドは7種類。フィルタ設定も可能

    ユーザーが過去閲覧した商品に合わせて最適な商品をオススメする「行動履歴ベースレコメンド」、ユーザーが閲覧中の商品に関連して最適な商品を表示する「閲覧商品ベースレコメンド」などの機能がある。

    フューチャーショップ futureshop AI Reccommend 表示可能なAIレコメンド機能
    表示可能なAIレコメンド(画像は「futureshop」のサイトからキャプチャ)

    また、設定可能なレコメンドは7種類。フィルタ設定を行い、表示したくないグループや商品の指定も可能。

    フューチャーショップ futureshop AI Reccommend 設定可能な7種類のレコメンド機能
    ルールベースレコメンド(画像は「futureshop」のサイトからキャプチャ)

    そのほか、表示回数やクリック回数などを確認できるレポート機能や、レスポンシブに対応したデザインテンプレートなどの機能がある。

    利用費用は、初期費用が2万5000円、月額費用が1万円から(いずれも税抜)。そのほか、オプションを追加した場合は別途費用が発生する。

    フューチャーショップ futureshop AI Reccommend レコメンド機能 料金プラン
    「future AI Recommend」の料金プラン(画像は「futureshop」のサイトからキャプチャ)
    藤田遥

    2023年の母の日トレンドは「外向き」需要と「脱マンネリ」。「楽天市場」が特設ページを開設

    3 years 4ヶ月 ago

    楽天グループは、「楽天市場」において母の日向けギフトの特集ページ「楽天市場 母の日特集2023」を4月3日に公開する。それに先立ち、2023年の母の日ギフトトレンド情報と関連商品を紹介する特設ページ「お出かけをより楽しく! 気持ち晴れる母の日ギフト2023」を開設した。

    外出向き、「脱マンネリ」商品を特設ページで提案

    楽天市場 母の日2023 ギフトトレンド 外出向き 脱マンネリ
    母の日ギフトトレンドと関連商品を紹介する「お出かけをより楽しく! 気持ち晴れる母の日ギフト2023」

    「楽天市場」では、2023年3月24日時点で約490万点の商品を母の日向けギフトとして販売。コロナ禍において、ECでギフト商品を購入するユーザーが増加したことを背景に、2022年の流通総額は2019年比で約2倍に拡大した(2019年4月1日~2019年5月13日と、2022年4月1日~2022年5月13日の「楽天市場 母の日特集」実施期間中の流通総額を比較)。

    2023年はコロナウイルス感染症対策の行動制限やマスク着用ルールが緩和され、「日焼け止め」が前年同期比約1.7倍、「レディース帽子」が同約1.8倍、「日傘」が同約1.6倍で推移するなど、「外向き」の消費トレンドが高まっている(2022年1年1日~2022年2月28日と2023年1年1日~2023年2年28日の「楽天市場」において、商品名に「日焼け止め」「レディース帽子」「日傘」と記載のある商品の流通総額を比較)。

    また、「楽天市場」が実施した調査「母の日に関する意識調査」では、母の日の贈り物に関する困りごとについて、「毎年同じような商品を送ってしまう」(28.3%)「贈りたいものが思いつかない」(22.3%)などの回答が上位にランクインしている(「楽天市場」で、2022年に母の日の贈り物をした男性30代~40代と女性20代~50代のユーザー606名を対象に、2022年10月18日~10月20日までの期間に集まった回答をもとに集計)。

    こうした状況を受け、「脱マンネリ」のニーズに対応すべく特設ページを開設。「外向き」需要に対応する商品や、コーヒーやスイーツなどをお花と組み合わせた「新定番フラワーギフト」を提案していくという。

    トレンド予測①:「外向き需要」

    コロナウイルス感染症対策のマスク着用ルールが緩和され、「楽天市場」では外出に関連した商品の売れ行きが好調だという。特に「日焼け止め」「レディース帽子」「日傘」の売れ行きが良く、母の日のギフトとしても需要が高まると予測している。

    楽天市場 母の日2023 ギフトトレンド 外出向き商品の一例
    「外向き需要」商品の一例(画像は「楽天市場」のサイトからキャプチャ)

    トレンド予測②:「脱マンネリ」

    「楽天市場」では、コーヒーやスイーツとお花のセット商品や、花束に見立てたタオルやソープフラワーなど、セット商品の人気が徐々に高まっており、2023年の母の日の「新定番フラワーギフト」として需要が高まると予測。

    楽天市場 母の日2023 ギフトトレンド 脱マンネリ商品の一例
    「脱マンネリ」商品の一例(画像は「楽天市場」のサイトからキャプチャ)
    藤田遥

    楽天と西友、「楽天西友ネットスーパー」の千葉県松戸市の物流センターを稼働

    3 years 4ヶ月 ago

    楽天グループと西友は、協働運営するネットスーパー事業「楽天西友ネットスーパー」専用の物流センターを、千葉県松戸市で本格稼働した。

    「楽天西友ネットスーパー」グランドオープン当初からの物流拠点である千葉県柏市の専用センターは閉鎖。より大規模で、効率化した松戸市の物流センターに機能を集約した。当日配送枠を拡充して首都圏における供給能力を強化、サービスの利便性向上を図る。

    楽天グループと西友は、協働運営するネットスーパー事業「楽天西友ネットスーパー」専用の物流センターを、千葉県松戸市で本格稼働
    新物流センターの外観(画像はラサール不動産投資顧問のリリースから)

    新物流センターは、ラサール不動産投資顧問とNIPPOが共同開発する大型物流施設の全フロアを賃借したBTS型(テナントの要望に応じてオーダーメイドで建設し賃貸する物流施設)。延べ床面積は約7万1000平方メートル。「楽天西友ネットスーパー」の物流センターのなかでは最大規模という。

    常温・冷蔵・冷凍の3温度帯で最大4~5万アイテムを保管できる。搬送や保管などの自動化装備を導入し、倉庫内の作業効率を大幅に向上している。

    瀧川 正実

    BEENOS子会社と楽曲の原盤権をNFTで提供するECモール「OIKOS MUSIC」運営企業、アーティストグッズのECモールを開設

    3 years 4ヶ月 ago

    BEENOSの連結子会社でエンターテインメント産業のDX支援を手がけるBEENOS Entertainmentは、楽曲の原盤権をNFT「OIKOS」で提供するオンラインマーケットプレイス「OIKOS MUSIC」を展開するOIKOS MUSICと協働し、アーティストのオリジナルグッズを販売するECモール「OIKOS MUSIC ECモール」を立ち上げた。

    BEENOS Entertainmentが提供するEC構築プラットフォーム「Groobee(グルービー)」を活用してECモールを構築。OIKOS MUSICが運営を手がける。

    「Groobee」はアーティスト・アニメやキャラクターのコンテンツに特化したECサイト構築サービスで、初期費用0円から利用可能。販売商品情報を提供すると、クリエイティブの作成、顧客対応、物流対応などBEENOS Entertainmentがサポートする。1つのブランド商材を取り扱う単独型のECサイト構築に加え、アーティストやコンテンツが複数存在する場合はモール型でのECサイト展開もできる。

    「OIKOS MUSIC」公式グッズのほか、2組のアーティストがグッズを出品した。今後、出品するアーティストを増やす。

    BEENOSの連結子会社でエンターテインメント産業のDX支援を手がけるBEENOS Entertainmentは、楽曲の原盤権をNFT「OIKOS」で提供するオンラインマーケットプレイス「OIKOS MUSIC」を展開するOIKOS MUSICと協働し、アーティストのオリジナルグッズを販売するECモール「OIKOS MUSIC ECモール」を立ち上げた
    販売する商品の一例

    OIKOS MUSICは、楽曲の原盤権をNFT「OIKOS」で提供するオンラインマーケットプレイス「OIKOS MUSIC」を運営する企業。NFTの「OIKOS」を購入すると、売り上げがアーティストに還元され、応援の思いを直接アーティストに届けることができるほか、購入者は音源のオーナーとなり、楽曲が生み出すサブスク収益の分配、限定コンテンツ・限定イベントへのアクセスなどが可能になるビジネスを展開している。

    「OIKOS MUSIC ECモール」は、「OIKOS MUSIC」のグッズ販売型のECサイトとなる。

    石居 岳

    バロックジャパン、店舗スタッフと消費者の問い合わせ対応やCRMにLINE活用。「LINE WORKS」の導入で実現

    3 years 4ヶ月 ago

    「MOUSSY」などのアパレルブランドを展開するバロックジャパンリミテッドは、ワークスモバイルジャパンが提供するビジネス向けコミュニケーションツール「LINE WORKS」を直営100店舗以上に導入した。

    「LINE WORKS」とLINEがつながる外部トーク連携機能を活用し、顧客との新たなコミュニケーション手段を確立したという。

    これまで、店舗での商品の問い合わせや取り置きなどの対応は、電話のみ受け付けていた。オペレーションの効率化を図るため、この度「LINE WORKS」を導入。LINEとの外部トーク連携機能を活用した顧客対応が可能になり、商品の問い合わせや回答、取り置き商品に関する連絡などがチャット(トーク)で円滑に行えるようになった。

    「MOUSSY」などのアパレルブランドを展開するバロックジャパンリミテッドは、ワークスモバイルジャパンが提供するビジネス向けコミュニケーションツール「LINE WORKS」を直営100店舗以上に導入
    「LINE WORKS」で新たなコミュニケーション手段を確立

    情報発信頻度の高いバロックジャパンリミテッドのブランド「リエンダ」「ロデオクラウンズ ワイドボウル」では、外部トーク連携機能と相性が良く、商品問い合わせに対する入荷の連絡をタイムリーに行うことで、顧客満足度の向上につなげているという。

    百貨店や店舗の特定キャンペーンの一斉案内(一斉配信)、リッチメニュー(一斉配信/リッチメニュー)といったLINE公式アカウントを通じたECサイトへの誘導施策は、テクノロジーズが提供するSaaSサービス「Circle(サークル)」を利用している。「LINE WORKS」は、「LINEを使った売上向上施策にも効果がある外部連携ツールにも効くものとして評価をいただいている」としている。

    バロックジャパンは今後、全店舗への導入、LINE友だちの顧客管理システムへの登録、LINEを通じたキャンペーン案内による効果測定など、CRM観点での「LINE WORKS」活用を検討していく。

    石居 岳

    LINEを使ってリピーターを増やすCRM施策とは?マーケティングツール「Lステップ」の活用方法と成功事例を解説 | 「ECタイムズ」ダイジェスト

    3 years 4ヶ月 ago
    LINE公式アカウントの機能を拡張したツール「Lステップ」の詳細と活用方法を解説する。「Lステップ」の活用で顧客獲得などに成功した5つの事例も紹介

    突然ですが、みなさん! 「ECサイトのリピート率を上げる施策は?」「お客さま1人ひとりに寄り添った施策をするには?」というお悩みはございますか?

    もしお悩みでしたら、今回ご紹介する「Lステップ」というツールが助けてくれるかもしれません。

    「Lステップ」とは、LINE公式アカウントの機能を拡張したツールで、自社のLINE公式アカウントを追加したユーザーとのコミュニケーションを最適化するために役立ちます。LINEの公式アカウントの標準的な機能だけでは物足りないと感じる方におすすめです。今回は「Lステップ」の詳細と利便性、活用事例を詳しく紹介します。

    LINE拡張ツール「Lステップ」の全貌

    「Lステップ」の概要と機能一覧

    「Lステップ」の概要、料金形態について紹介します。「Lステップ」はLINE公式アカウントを使い、個々のユーザーの関心度やパーソナリティーに最適な配信を可能にするツールです。

    たとえば、公式アカウントを登録したばかりのユーザーには初心者向けの商品やサービス、初回限定クーポンを配信し、登録して長い時間が経過したユーザーには新商品のキャンペーンやリピート商品のセールを配信することができます。

    通常、顧客1人ひとりに合った施策をすれば運用コストが膨大になってしまいますが、「Lステップ」は自動または半自動で、一度に大量の配信を行うことができるため、お客さまとのコミュニケーションの省力化につながるでしょう。

    では、肝心の料金形態はどうなっているのでしょうか? 「Lステップ」公式ブログを参照すると、基本送信プランの料金とプランごとに利用できる機能は以下のようになります。

    いずれも初期費用なしで運用を始めることができる
    いずれも初期費用なしで運用を始めることができる
    チャット、セグメント配信など、基本的な動作は網羅的に対応
    チャット、セグメント配信など、基本的な動作は網羅的に対応
    「プロ」プランはスタッフ権限の設置まで対応する
    「プロ」プランはスタッフ権限の設置まで対応する

    【表中語句の意味】

    • シナリオ配信:複数の配信を一貫した構成の中で行うこと。
    • キーワード応答:ユーザーからのメッセージに含まれる特定のキーワードに応答して、あらかじめ設定しておいたメッセージを自動返信する機能。
    • セグメント配信:ユーザーの年齢や性別といった特性に合わせた情報を配信すること。

    以上の表から、どのプランも初期費用はタダで、最もグレードの低いプランでもかなり多くの機能を利用できることがわかります。

    自社にとってどのような機能が必要か、月ごとの配信数はどれくらい必要なのかを明確にしてからプランを選択されることをおすすめします!

    なぜLステップが注目されているのか?

    EC市場の伸びとLINE普及率の高さ

    では、なぜ今「Lステップ」が注目されているのでしょうか? 

    SNSや、「Amazon」「楽天市場」といったECモールの普及により国内のEC市場はここ10年間で急拡大しました。

    日本のECサイトだけでも膨大な数が存在する現代では、消費者が自社のページを見つけ、そこから商品やサービスを購入してもらえるだけでも一苦労です。

    そこでEC事業者は自社のページにより多くの消費者が流入しやすくなるように、複数のSNSアカウントを運用し、ネット広告で訴求を行っています。

    その流入経路の一つとして公式LINEアカウントが位置しているのです。LINEの最大の強みは日本でもっとも多くの人が日常的に利用しているという点です!

    普及率が高いうえに、他のSNSと比べ広告の運用費が安く、新規メッセージの開封率が高いLINEは顧客をリピーターへと育成したい事業者に重宝されているのです。

    「Lステップ」はLINE版のCRM施策

    新規顧客を増やしながら、なるべくその多くの人にリピーターになってもらいたいですよね。そんな時に力を発揮してくれるのがCRMです。

    CRMを導入、運用することでお客さまのリピート率向上やLTV(顧客単価)の向上が期待できるのです。「Lステップ」はLINE版のCRM施策として大きな力を発揮することができます!

    公式アカウントの標準機能だけでは十分な顧客情報を得ることができないかもしれません。十分な情報(判断材料)がなければ、進行中の施策の効果を評価できず、次にどのような施策を打つべきか分からないという場合もありえます。

    ユーザーが自社の商品に関心を向けてくれているのは一日のごくわずかな時間ですから、施策上の問題で機会損失してしまうのは非常にもったいないです!

    そうならないためにも「Lステップ」の導入事例を紹介していきます。

    5つのLステップ導入事例を紹介

    すでに「Lステップ」を導入することで成果を挙げている事業者について5つ紹介します。

    (参照元:「Lステップ」公式サイト 導入事例

    事例① 見込み顧客の早期引き上げに成功

    キャンプ用品の通販サイト「FUTURE FOX(フューチャーフォックス)」を運営するラソブルーミングは、LINE登録直後のアンケート回答で20%クーポンをプレゼントする訴求を行っています。

    「FUTURE FOX」トップページ(画像は「FUTURE FOX」から編集部がキャプチャ)
    「FUTURE FOX」トップページ(画像は「FUTURE FOX」から編集部がキャプチャ)

    これにより、LINE登録率アップや見込み客から顧客への早期引き上げに成功しました。ユーザーにもお得感を与えながらアンケート回答をもとにユーザーのパーソナリティーをつかむことを実現しました。

    リッチメニューではユーザーからの要望をいつでも受付できる仕組みを自動化することで、ユーザーのペインに応える商品開発を可能にしています。

    ユーザーからよくある質問の一覧を設置したことで、個別質問の対応にかかる業務も削減できました。

    また、キャンプ初心者に向けた記事や商品紹介ページから購入ページへ誘導する仕組みを構築し、ブランドのヒストリー配信によってファン層を増やすことで継続的な売り上げにコミットしています。

    豊富なリッチメニューが幅広いユーザーのニーズを満たしているのです。

    事例② 毎日開きたくなるコンテンツを展開

    オーダーメイドの生活雑貨を取り扱うECサイトを運営するゼンプロダクツは、LINE登録後のアンケート回答で10%クーポンをプレゼントし早期購入につなげています。

    たった30秒のアンケートで割引してもらえるのはお得感がありますよね。

    ポイントが貯まる一日一回じゃんけんゲームで、顧客が日常的にトークルームを開きたいと思えるようなコンテンツもあります。リッチメニューの“開催中のキャンペーン”からじゃんけんに参加する仕様になっています。

    リッチメニューの“ブランドヒストリー”を通じて会社のコンセプトや理念を届けています。

    事例③ LINEを深いコミュニケーションの場として活用

    プログラミングスクールを運営するスキルハックスは、登録直後に代表取締役の自己紹介と、有料セミナーのプレゼント特典を配布しています。

    こちらの企業は毎日コラムの配信をするというLINEマガジンを行っています。Twitterから流入する仕組みになっており、既に関心度の高い層がLINEに登録しているので、トークルームではより深いコミュニケーションを取ることを重視しています。

    自社について深く知ってもらい、オンラインスクールに申し込んでもらえるというステップをシナリオに組むことで、ユーザーのリピートを刺激しています。

    コラムにアンケートを組み込み、回答率の低いユーザーにはこれ以降の訴求を減らし、回答率の高いユーザーにだけ送っています。選択的にユーザーにアプローチすることで少ない配信量で、見込み客にリーチすることを可能にしています。

    事例④ 密な顧客コミュニケーションと新規獲得に手応え

    世界中からワインやスピリッツを輸入し卸売りするKOTO CORPORATION(コートーコーポレーション)は、今まで全国の既存顧客にFAX、DMを用いて情報発信をしていましたが、LINEでの情報発信に切り替えたことでより密なコミュケーションと新規顧客の増加につながりました。

    何より目玉のコンテンツは、トークルームで簡単な質問にいくつか答えるだけで最適な商品を提案してくれるAIバーテンダーです。これが業界内で話題となり、今までつながりのなかった顧客層を獲得することができました。

    KOTO CORPORATIONが運営する公式通販サイトのトップページ(画像は公式通販サイトから編集部がキャプチャ)
    KOTO CORPORATIONが運営する公式通販サイト(画像は公式通販サイトから編集部がキャプチャ)

    事例⑤ ブロック率2%以下を実現

    ネイルサロンを運営する爪スパサロンは、新規集客から予約管理、顧客情報管理、CRMまで一元管理を行っています。

    SNSとLINEのみでリピート率80%、LINEのブロック率は2%以下の高水準を実現しています。来店前の対応コストを削減したことで、ネイルスキルに磨きがかかり対人サービスの向上に役立っています。

    友だち登録前、来店前、来店後の各ステップでサロン独自のストロングポイントを活用した配信設計にこだわっています。

    たとえば、公式アカウントプロフィールで強みを伝え、友だち登録アンケートでニーズをキャッチする。来店後のフォロー配信で高評価の口コミだけをGoogleに集めています

    外部決済と連携したシステムを構築することで、プリペイド決済を導入し売り上げの確保につながっています。

    ◇◇◇

    みなさん、いかがでしたか?

    今回はLINEの拡張機能Lステップについて徹底解説しました。導入事例からわかるように多彩な機能を駆使して、自由な訴求を行えるのが「Lステップ」の強みです。

    「既存顧客とのコミュニケーションのクオリティーを高めたい」「新たなファン層を獲得したい」と考える事業者にはぴったりのツールだと思います。

    ECタイムズ

    家具・家電EC「リコメン堂」のジェネレーションパス、売上2ケタ成長の秘訣と2023年の成長戦略を岡本社長が解説 | 通販新聞ダイジェスト

    3 years 4ヶ月 ago
    ジェネレーションパスは国内外でEC事業を拡大している。今後は貿易による商品の仕入れを強化するほか、インバウンド需要への対応も急ぐ。

    ジェネレーションパスでは、国内外でネット販売を展開する「ECマーケティング事業」が拡大しており、2022年10月期の同事業の売上高は前年比14.9%増の124億8300万円となった。コロナ禍の巣ごもり需要が落ち着きを見せる中、2ケタ増の成長を果たしている。事業拡大の背景や今後の市場展望、成長戦略について岡本洋明社長に聞いた。

    ジェネレーションパス 岡本洋明社長
    ジェネレーションパス 岡本洋明社長

    円安効果で増益。ネックは商品不足

    ――22年の業績を振り返って。

    営業面では順調に売り上げが伸びた。ただ、21年はコロナ禍に伴う巣ごもり需要の影響があって伸びたが、22年はそこまでの伸びではなかった。円安が急速に進んだことで、EC事業に関しては輸入品が多いことから収益面でマイナスに働いた。

    海外向けの事業も行っているため、そちらは円安となったことで大きな利益があった。(海外は商品企画関連事業で)中国やベトナムなど現地で売っている商品が円安効果で好調だった。22年10月期の最終利益においては円安効果による為替差益がかなり大きかったと思う。

    ――コロナの反動減を受けた国内ECでは市場で商品の絞り込みも見られるが。

    絞り込みは行っておらず、今は約200万点を取り扱っている。季節ごとの入れ替えなどがあるため(常時)その内150万商品を出している状況。コロナ前の状態に近い品揃えになった。

    コロナ禍では日用品や一部家電も多くあったが、今は以前の状況に戻っている。最近になり外出機会が増えたので、またアウトドア商品なども売れるようになった。一方でインテリア・家電は20年、21年ほど伸びていない。また、わかりやすいところではマスクなどの衛生関連用品などの動きもそこまで見られなくなった。

    「リコメン堂」トップページ(画像は「リコメン堂」から編集部がキャプチャ)
    「リコメン堂」トップページ(画像は「リコメン堂」から編集部がキャプチャ)

    ――22年に好調だった商品群は。

    何かが突出したということではなく、全体的に伸びたことで(連結売上高では)前年比120%増となった。むしろ、22年に一番問題だったのは、商品が足りなくなっていたこと。もしも十分に商品が揃っていれば150%は伸びていたと思う。

    円安や原材料高の影響を受けて、メーカーが生産に慎重になっていたこともある。加えて、中国のゼロコロナ政策によって、現地の生産工場が稼働しなくなり、商品自体の供給ができなくなったことも大きい。

    ジェネレーションパスは元来、商品力に強みを持っている(画像はジェネレーションパスの公表資料「事業計画及び成長可能性に関する事項」から編集部がキャプチャ)
    ジェネレーションパスは元来、商品力に強みを持っている(画像はジェネレーションパスの公表資料「事業計画及び成長可能性に関する事項」から編集部がキャプチャ)

    “ネットで買うときの参考に”――。キュレーションサイトのニーズ高まる

    ――家具キュレーションサイトの状況は。

    (アフィリエイト収益などによる)売り上げベースが前年比150%~170%に上がっている。今は完全に1つのチームを作って運営していて、徐々にインテリア関係からギフト関連情報など様々な内容で横展開して伸びた。来期くらいには1つのセグメントとして会計上にあがってくるのでは。

    とにかく、キュレーションサイトのニーズがすごく高いと感じる。コロナ禍でECが注目されていき、色々とネットで商品を探す機会が増えたので、メディア系の情報を参考にする人が多くなったこともあるだろう。

    今は、外部のライターと社内の人間を使って記事を作っている。あまりに自社のECに引き込むような導線だと恣意(しい)的に感じられてしまうので、他社で扱っている商品の情報も色々と発信している。

    客観的にさまざまなサイトの中で商品を比較して、良いものを選んでもらえればと思う。

    ジェネレーションパスが運営する家具キュレーションサイト(画像はキュレーションサイト「IECOLLE(イエコレクション)」トップページを編集部がキャプチャ)
    ジェネレーションパスが運営する家具キュレーションサイト(画像はキュレーションサイト「IECOLLE(イ
    エコレクション)」トップページを編集部がキャプチャ)
    「IECOLLE」を含む、メディア事業の事業戦略(画像はジェネレーションパスの公表資料「事業計画及び成長可能性に関する事項」から編集部がキャプチャ)
    「IECOLLE」を含む、メディア事業の事業戦略(画像はジェネレーションパスの公表資料「事業計画及び成長可能性に関する事項」から編集部がキャプチャ)

    貿易仕入れは50%に引き上げる計画

    ――前期に注力した取り組みは。

    貿易に力を入れた。以前は中国から商社経由で仕入れていた商品が、昨今の為替や原材料高の影響で今までと同じ工場では製造できなくなってきたケースがある。

    であれば、こちらから中国に人を配置して、直接、現地の工場に作ってもらったり、日本で売るための商品を新しく作ってもらうような交渉をしている。今も商社経由で調達している商品もあるが、少しずつ自社化している

    すべての商品ではなく、ある程度のボリュームが取れそうなものについてとなる。テーブルなどの大型商品をはじめ、機能性を持った家具・家電などが中心。もちろん、当社の既存の取引先(メーカーなど)が、(現地で調達先としている)工場や取り扱い商品などは基本的に避けている。

    家具・家電を中心に自社製造を進めている(画像は「リコメン堂」から編集部がキャプチャ)
    家具・家電を中心に自社製造を進めている(画像は「リコメン堂」から編集部がキャプチャ)
    中国とベトナムに自社工場を持つ。品質を保つため、現地スタッフの育成にも力を入れている(画像はジェネレーションパスの公表資料「事業計画及び成長可能性に関する事項」から編集部がキャプチャ)
    中国とベトナムに自社工場を持つ。品質を保つため、現地スタッフの育成にも力を入れている(画像はジェネレーションパスの公表資料「事業計画及び成長可能性に関する事項」から編集部がキャプチャ)

    ――海外から直接調達することのメリットやデメリットは。

    海外での自社の直接調達は、当然、利益が得られるようにやってきたが、逆に前期は円安の影響で痛かったところ。為替のタイミングは読むことができないが、ここはやらなくてはいけない。現在の極端な為替の問題が解消されれば粗利益率は上がる。

    一般的にモノづくりは(完成まで)半年から、短くても3か月はかかるが、為替もその間で大きく変わることがある。何かの問題が起きて海外から商品が入りづらい状況になったり、ゼロコロナで現地の工場が止まることもあるだろう。

    (小売りにとっては)商品がないことは何よりも大きな問題だ。今のところ貿易で仕入れている商品は全体の20~30%程度だが、ゆくゆくは50%程度まで伸ばしたい

    2023年のEC市場は“市況読みにくい”

    ――2023年のEC市場の展望について。

    正直、わかりづらい面がある。たとえば、越境ECやインバウンドなどの需要が(23年1月の)現時点ではそこまで見込めず、わからない状況となっている。もしかするとこのインバウンド需要が大きなうねりになる可能性もあるが、今の段階ではっきりとこれくらいの数字になるとは出しづらい。

    たとえば海外からの旅行者は航空機で日本に来るが、航空需要が回復しているとはいえ、中国などからの飛行機の便数はコロナ前よりもまだかなり少ない状況。

    また、仮にインバウンドで大量の観光客が日本に来るようになって実店舗で商品がどんどん売り切れるようになれば、国内の消費者はリアルよりもECで買い物をするようになることも考えられる。

    とは言え、国内EC市場という観点で考えると、引き続き安定的な成長が見込める。コロナによって、EC未経験者の利用が増えてきたことは間違いない。ただ、石油価格の上昇で物流費の値上げなどが起きるとそれが大きな足かせになる可能性はある。

    ECマーケティング事業の事業戦略(画像はジェネレーションパスの公表資料「事業計画及び成長可能性に関する事項」から編集部がキャプチャ)
    ECマーケティング事業の事業戦略(画像はジェネレーションパスの公表資料「事業計画及び成長可能性に関する事項」から編集部がキャプチャ)

    ――相次ぐ商品値上げによる消費環境への影響は。

    今のところ、消費者側が許容しているような印象を受ける。おそらく、あらゆる商品が値上がりしているので、もうこれに対してはしょうがないという向きも持ってしまっているのでは。

    日々使うような商品が1000円から1500円に上がると高くなったと感じるが、(当社が得意とするような)家具・インテリアは、あまり毎年買うことがない大型商品なので、1年前と価格を比べたりすることは中々ない。買い替え頻度が低いものは値上げによる買い控えの影響を受けにくいと思う。

    岡本社長は「買い替え頻度が低い商品は値上がりを感じにくい」と指摘(画像は「リコメン堂」から編集部がキャプチャ)
    岡本社長は「買い替え頻度が低い商品は値上がりを感じにくい」と指摘(画像は「リコメン堂」から編集部がキャプチャ)

    優先事項はインバウンド向けの対策

    ――今期の優先順位の高い施策は。

    インバウンド需要に関してのものになるだろう。もちろんこれは越境ECも含めての話となる。中国で日本のかぜ薬が大量に購入されているというニュースも聞くが、改めて海外消費者にとって日本の商品はニーズが高いと感じる。

    これは日本メーカーの商品ということだけではなく、たとえば、中国の工場で作って日本で売っているという商品についても、試しに中国で売ってみたところ「日本の規格」を採用しているということで非常に人気となった。つまり、日本の商品は「品質管理」が良いというイメージを海外から持たれているのだ。

    中国向け越境ECモールは“あえて”小規模モールに出品。品質や計画生性を重視

    ――越境EC事業の進捗について。

    22年末から中国の小規模な越境ECモールに出店していて、100~200点ほどの商品を試しに販売している。

    そこでは1か月間で8%程度の購買率になったので、悪くはないだろう。今までの越境ECでは、中国の大手越境ECモールを使って販売していたが、手数料が高かったこともあり難しい状況だった。そうした理由から、今は大手のモールではなく小規模のモールに出店している。

    ――越境ECを行う上での注意点や課題について。

    当社も長年越境ECを行ってきたが、中国と日本のマーケットには大きな違いがあると認識している。中国の場合、売れる商品であればどんどん量を出して販売してほしいという考え方だが、日本では売れるとしてもそこまで極端な出し方はしない

    たとえば、日本のメーカーはヒットしている商品を製造する時に、おそらく前年の110%~120%程度(の増産)という形で翌年の計画生産を考えるが、中国ではとにかく一気に大量に仕入れようとするので、いきなり前年の3倍の量の商品を出してほしいという考え方になる。

    当然ながら、モノづくりについて品質管理をしっかり考えた場合に、製造ラインや人材の確保などの問題からそこまでの大規模な量に対応した商品を急に製造することはできない。そうした感覚が大きな違いになっている。今、当社が中国で出店している仮想モールは小規模なので、仮にそこで急激に売れたとしてもそこまでの大きな影響は受けないと思われる。

    価格差が大きいものほど売れやすい⁉

    ――越境ECで売れる日本の商材とは。

    海外向けと日本向けの販売で、価格差が大きいものが売れやすいと言える。先ほどのかぜ薬の話も、中国では日本で売られている何倍もの価格で売られている。

    他にも日本酒などが海外では国内以上の高値で取り引きされている。そういったものは、物流費込みで海外向けに高い価格を設定して販売したとしても日本よりもはるかに売れる商材となるのではないか。

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