ネットショップ担当者フォーラム

食品メーカーの2023年値上げは前年比2倍ペース。月間2000品目超の値上げ、夏まで常態化の可能性

3 years 4ヶ月 ago

帝国データバンクは、上場する食品メーカー主要195社における価格改定動向について調査を行った。

2023年1月31日までに決定した2023年中の飲食料品値上げ品目数は1万2054品目。上場する主要105社で1万482品目、非上場の主要90社で判明した値上げは1572品だった。このうち4月1日までの累計で1万品目を突破する。

帝国データバンクは、上場する食品メーカー主要195社における価格改定動向について調査 値上げ
食品の値上げ動向

2022年の値上げは1万品目到達までに約7か月を要したが、2023年は実施ベースで3か月早く到達する予定。前年と同じ時期(2022年1-4月:5573品目、対象計195社)と比べても倍増ペースで推移する。今後、春から夏頃にかけて1か月当たり2000~3000品目前後の値上げが常態化する可能性がある。

2023年の値上げは加工食品(6657品目)が最多で、チルド麺や缶詰製品のほか、ウィンナー製品の大規模値上げが予定されている。嗜好性の強い菓子(944品目)も、3月には最も多かった2022年9月の水準を上回る規模となる見通し。

クッキーやチョコレートなどが中心で、本体価格の引き上げのほかに内容量の減少による価格維持、つまり「実質値上げ」の傾向が目立つ。ドレッシングや醤油、ポン酢製品を中心とした調味料(2236品目)、焼酎や輸入ワイン・ウイスキーなど酒類を中心とした酒類・飲料(1810品目)が続いている。

品目数別にみると、加工食品が6657件、調味料が2236件、酒類・飲料が1810件、菓子が944件、原材料・パンほか407件となっている。

帝国データバンクは、上場する食品メーカー主要195社における価格改定動向について調査 値上げ 主な食品分野の価格改定動向
主な食品分野の価格改定動向

2023年の値上げ要因は、原材料高が99.5%で最多だった。それに続くのが原油高などのエネルギーが88.0%、プラスチック容器などの包装・資材が71.0%、物流が56.0%。

帝国データバンクは、上場する食品メーカー主要195社における価格改定動向について調査 値上げの原因
値上げの原因

2023年2月の値上げは加工食品を中心に5463品目で、前年同月(1420品目)に比べて3倍規模に達した。2022年以降の単月では最多の2022年10月(7864品目)に次ぐ2番目の多さで、2023年中では最多となる。

今後は、4月に控える輸入小麦の価格改定動向が注目される。小麦の国際相場はピークから下落しているが2021年に比べると高止まりの状態が続いている。改定幅次第では値上げの動きが比較的沈静化しているパンなどの製品価格に波及する可能性がある。

石居 岳

【ステマ規制】消費者庁が公表した運用基準案とは?判断基準は第三者の「自主的な意思」の有無 | 通販新聞ダイジェスト

3 years 4ヶ月 ago
消費者庁は今年1月、ステルスマーケティング規制に対する事業者の予見性確保のため、運用基準案を公表。運用基準は、ステマを「事業者による表示内容への関与」で整理する

年内にもステルスマーケティング規制が始まる。だが、規制をめぐり、事業者の不満が蓄積している。規制は、多様な類型に広く網をかける「包括的規制」。そのために、事業者の予見性確保を目的に示すガイドラインの「問題事例」も抽象的であるためだ。市場にあたえる影響は大きく、本来、慎重な検討が求められるが、導入は行政主導で性急に進む。

「規制ありき」で進む検討

ステマ規制は昨年4月、自民党・消費者問題調査会で、景品表示法に基づく対応を求める提言が示された。9月に「景品表示法検討会」から独立して検討会を設置。ハイペースで計8回の会合を終え、12月28日、報告書をまとめた。告示への指定は来年度を想定していたが、河野太郎大臣が年度内の前倒しを指示。過去の告示は、施行まで3~6カ月。早ければ、今秋にも規制がスタートする

ステルスマーケティング規制 指定告示案
告示の案

そもそも、ステマ規制は当初から一般紙で「指定告示」を念頭に置いた規制であることが報じられ、消費者庁は規制ありきの“決め打ち“を否定したが、結果は告示規制。検討会会期中にパブリックコメントの募集を並行して開始するなど、必要なプロセスを駆け足でさばきつつ、規制ありきで進んだ。

ステルスマーケティング規制導入スケジュール
ステルスマーケティング規制の導入スケジュール

処分のハードル下がる可能性も

ステマ規制は、これまでの景表法規制と大きく性質を異にする。従来、景表法は広告の「優良・有利誤認」、商品の品質や性能、取引条件など“中身”を評価し執行してきた。だが、ステマ規制は、優良・有利性を問わず、広告であることを“隠す行為”それ自体を規制する。その意味で、措置命令のハードルは著しく下がる可能性がある。「調査過程で優良性の評価が難しい事案でも、ステマであれば措置命令できる」(公取OB)からだ。違反の構成要件がシンプルであるだけでなく、制裁効果は強力だ。

影響の大きい規制であるにも関わらず、立法根拠は貧弱だ。検討会で消費者庁が示したのは、ステマをめぐる学術研究と、インフルエンサーの5割が「悪いこと」と認識しているとの印象を示す調査のみ。消費者被害の実態は示されず、規制を急ぐ理由は不明だ。

予見性確保目的に「運用基準」策定

ステマには、事業者自身が第三者を装う「なりすまし」、利益提供を通じて第三者に表示させる「利益提供秘匿型」がある。形態もレビューやSNS投稿、アフィリエイト広告など多様だ。消費者庁は法の隙間を突く新たな手法など後追い型の立法を避けるため、これを広く包含する「包括的規制」を想定する。一方で、事業者の予見性確保を目的に具体的な問題事例を「運用基準」を示すとしていた。

ただ、間口を広くとる抽象的規制であるために、運用基準も抽象的。これに事業者の不満が蓄積している。

運用基準は、ステマを「事業者による表示内容への関与」で整理する

「関与しないもの」は明快だ。判断基準は、第三者の「自主的な意思」の有無。自らのし好に基づき、自主的な意思で行う表示がこれにあたる。アフィリエイトにしろ、SNSやレビュー投稿にしろ、事業者と一切の情報のやり取りなく行われた表示であれば問題ない。当然といえば当然だが、事業者が投稿の謝礼として割引クーポンを配布したり、懸賞の条件としていても、自主的な意思による投稿であればよい。

「関与するもの」ののうち、事業者が第三者を装う「なりすまし型」は明確だ。問題は、事業者が第三者をして行わせる表示事業者による明示的な依頼・指示がなくても、内容を決定できる程度の関係性、第三者の自主的意思と認められない関係性がある場合は「事業者表示」と判断される関係性は、「両者の具体的なやり取り」、「商品の提供理由(宣伝目的の有無など)」、「提供商品の内容」、「関係性(過去から将来に渡る対価の提供、期間など)」から判断する

ステルスマーケティング規制の概要
ステルスマーケティング規制の概要

問題事例「抽象的で分からない」

運用基準は、第三者への「商品提供」を例にこれを説明する。ただ、第三者の自主的な意思と認められないものとして、「商品等の無償提供の結果、事業者の目的に沿う表示を行う」ことを例示する一方、第三者の自主的な意思と認められる例として、「不特定、特定の第三者に試供品配布の結果、自主的な意思に基づき表示を行う場合」を示す

事業者からは、「読みにくく、具体的にどのようなケースが問題か分かりにくい」、「自主的な意思の客観的評価を厳密にできるものなのか。消費者庁の主導、担当者の裁量で、いかようにも判断できてしまう」などの声がある。

例えば、「しっとりした使用感を投稿してね」と、キャンペーンで投稿を呼び掛けたとする。消費者の受け取りようは多様だ。「意図に沿う投稿を」と思う者もいれば、「本当にしっとり」と思う者もいる。何者の影響も受けず、厳密に意思決定をすることは現実的ではない。影響が悪とも言えない。「どの程度のサジェストまで許容されるのか分からない」(事業者)。

一方で、第三者の自主的な意思の判断は、消費者庁の側に握られている。顧客や消費者とのこうしたやり取りも予測不可能な“ステマリスク”に晒されるとすれば、事業者の過度な委縮を招き、本来メリットもある企業と消費者の関係を必要以上に遮断し、希薄なものにするだろう。

ステマ規制は、憲法が保障する「表現の自由」と鋭く対立する規制。過剰規制となれば、「広告」それ自体を悪と捉える規制に発展しかねない。

ステルスマーケティング規制 運用基準
運用基準について
◇◇◇

性急な規制導入は、河野大臣の担当大臣就任の影響もある。民主党政権の野党時代には、当時、消費者庁が入居していた山王パークタワーの高額家賃を問題視。合同庁舎への移転につなげた。15年、消費者庁担当大臣に就任した際には、同庁の徳島移転を推進。そして昨年、再び担当大臣に就任してすぐ取り組んだのが「霊感商法」と「ステマ」だ。

性急な規制導入も、「消費者庁がアグレッシブに施策を進める河野大臣の顔色を窺った結果」とみる関係者もいる。国会決議を経ず、導入できる「指定告示」の選択も、これを念頭に置いたのではないか。

ただ、規制は、事業者への十分な周知と理解が必要なもの。河野大臣も「しっかりどれがステマか分かるようにしないと混乱する」と会見で説明している。提言を行った自民党部会でも丁寧な説明と議論が求められる。

「運用基準」の評価、影響大きく混乱も

消費者庁は今年1月、ステルスマーケティング規制に対する事業者の予見性確保のため、運用基準案を公表した。

ステルスマーケティング規制
消費者庁が公表した運用基準案(※クリックすると消費者庁が用意したページにジャンプします。画像はネッ担編集部が公表資料をキャプチャして追加)

事業者が「表示の決定に関与した」と判断されるもののうち、「なりすまし型」は容易に理解できる。ただ、「事業者が第三者に行わせる表示」が分かりにくい。

運用基準では、(1)商品等の表示をしてもらうことを目的に、商品等を無償提供する結果、第三者が事業者の目的に沿う表示を行うなど、自主的な意思による表示と認められないもの、(2)商品等の表示を行うことが経済上の利益をもたらすことを言外から感じさせたり、言動から推認させたりするなどの結果として表示を行うなど、第三者の自主的な意思による表示と認められないもの――を例示する「第三者の自主的な意思」が可否を分ける

ただ、レビュー投稿などのキャンペーンや懸賞では、事業者と消費者の間に何らかの情報のやり取りや関係性が生じるのが通常だ。そうであっても消費者自身の意思で投稿内容を決定していることはよくある。

どこまでがセーフで、どこからがアウトなのか、運用基準には示されていない。事業者からは「規制範囲が不明確だと、プロモーションに過度な委縮効果が生じる」、「どのレベルをステマと感じるかは、人により認識が異なる。認識を共有できる定義を定めるべき」との声がある。

行政のガイドラインでは、よく同様の問題が生じる。問題とならない事例は示せても、問題事例は解釈の余地を広く残す意図が働く。禁止行為を明確にすると、これを避け、脱法的な手法でプロモーションを行う事業者も現れるためだ。

すでに景表法で示されている二重価格や将来価格のガイドラインなども同様に、セーフティゾーンは明確だが、問題事例は個別事案ごとに判断の余地を残す。そこにこうした規制の難しさはある。ステマ規制が抽象的規制を念頭に置くため、ガイドラインも抽象的にならざるを得ない。

ただ、どのような事例を問題と想定しているか分からなければ事業者の混乱を招く。「もう少しブレークダウンする必要があるのでは」(公取OB)と指摘する関係者もいる。

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通販新聞

あなたの事業はなぜ上手くいかないのか? EC・D2Cビジネスで陥りがちなポイントを徹底解説

3 years 4ヶ月 ago
ECプラットフォーム「ecforce」を提供するSUPER STUDIOがEC/D2Cにおけるサブスク(定期購入)事業の勘所を公開
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近年注目度の高いD2Cビジネス。製造者が消費者と直接取引するD2Cは利益率が高く、消費者のニーズを的確に捉えられるビジネスモデルとして急速に拡大している。数多くのD2Cブランドの立ち上げや売上拡大を実現したSUPER STUDIOの飯尾元執行役員CMOは、「D2Cは最も効率的にメーカービジネスを立ち上げて運用するためのマーケティングおよびチャネル戦略」と語る。

しかし、成功事例が数多く紹介される一方、失敗や撤退も少なくない。飯尾氏がD2C事業を成功に導くポイント、ありがちな失敗要因とその解決策などを解説した。

SUPER STUDIO 執行役員 CMO 飯尾元 氏
SUPER STUDIO 執行役員 CMO 飯尾元 氏

D2Cとモールでのビジネスとの違い

D2Cは新しいビジネスモデル、新しいコミュニティなどと表されることもあるが、直販ECに軸足を置き、主にデジタルマーケティングを活用して独自の強みを活かしながら、最も効率化された状態で認知から購入までの新しい販路を構築できる手法

ECはかつてネット上の一店舗というサブチャネル的な位置づけだったが、現在では最初に作る旗艦店、最も注力して運用する店舗というようにメインチャネルになっている。よりニッチな層をターゲットにユニークさや限定性、共感性などが重視されるようになってきた。商品もコモディティ化したものではなく、独自性の高いものが開発、販売される傾向にある。(飯尾氏)

大手モールでの販売と異なり、D2Cでは売価設定やLTVを上げる手段の自由度が高い。つまり、見込み顧客を効率よく集めて自社商品の必要性や購入意欲をいかに喚起できるかが重要となる。飯尾氏がD2Cの強みと語るのが「データを自ら取得し、顧客と直接つながれること」。D2Cでは戦略を立てるためのデータも自ら取得することができ、継続的な購入を促す関係作りも含め、長期的なマーケティング戦略を立てることができる

大規模チャネルとD2Cの違い
大規模チャネルとD2Cの違い

D2Cに必要な「売れる仕組み」とは

D2Cの売上・利益は、集客による購入者数(集客×CVR)とLTV(客単価×購入回数または継続率)で決まる。「許容可能なコストのなかで、①集客、②初回購入、③客単価向上、④購入回数向上のサイクルを、いかに回転させ続けるかに尽きる」と飯尾氏は語る。

EC/D2C事業におけるチェック要素
EC/D2C事業におけるチェック要素

D2Cのビジネスルールとは「粗利LTV(売上LTVから変動コストを抜いた分)−CPA(初回購入の費用)」がプラスになること。これを実現するには、売れる仕組みの「型」をおさえたECサイトを構築・運用する必要がある。具体的には、

  1. 再現性のある新規獲得施策
  2. 獲得した顧客のLTVを上げ続けられる仕掛け
  3. 売上が増えても運用効率やコストが悪化しない仕組み

といったことがポイントとなる。

売れる仕組み備えたECサイトの条件
売れる仕組み備えたECサイトの条件

顧客を最小コストで獲得でき、商品やCS(カスタマーサポート)など顧客満足度を高める要素に適切に投資配分することで、LTVを高める仕組みが整っている状態が望ましい。(飯尾氏)

D2Cが成功しない原因とその解決策

一方で「売れる仕組みづくりに失敗した例」にはどのようなものがあるのか。飯尾氏は、自社D2Cおよび顧客の分析から、自らも陥った経験のあるよくありがちな失敗について、戦略/ファイナンス、商品、マーケティング、オペレーション/フルフィルメント、ECサイト/システムの5分野24項目からなるチェック表を提示した。

D2Cにありがちな失敗要因

立ち上げた後にうまくいかない場合は、これらのいずれかに該当することが多い。ありがちな失敗を可能な限り事前に把握し、活用していただきたい。(飯尾氏)

①戦略/ファイナンス

計画用に作成したPLが事業構造として破綻している

PLのマーケティング費やLTVが理論上達成できない数字だったり、必須コストが欠けていたりすることがある。PLには知見を持つ人の目を入れ、実際の相場をふまえて設計することが大切。達成不可能な数字ではスタッフのモチベーションや期待値も下がる。マインド面からも最初の計画作りは非常に重要

情熱を持った担当者がおらず、コンサルに頼り切り

網羅的に把握し、課題を解決できる担当者は必要。情熱を持ってチームとして事業の成功に向けて動くことが求められる。知見がない領域で人はコンサルにマジックを期待しがちだが、情熱ある推進役は社内でしか持てない

成功企業の外側だけを真似る

他社の成功事例は目に入る頃には時期が遅かったり、見栄えだけだったりすることが多い。参考にする際は「なぜそれが上手くいったのか」を論理的に理解し、「その情報の肝になる部分」がわかっていることが大切。

売り上げのためではなく、自己満足や自分の美学による「こだわり」が強い

「神は細部に宿る」とはいえ、自分だけの主観や他者に共感されない美学に固執するケースはよくあり、D2Cではなぜかそれが過剰に肯定される。売り上げを作るためには顧客視点での「こだわり」に切り替えるべき。

何を強みとする事業なのか定義できていない

D2Cはターゲットを広く取るよりも、狭く取って効率よく成長させるのが理想。初期はマイクロターゲットに刺さりやすい事業や商品にできていることが肝心。どこにでもあるものではなく、自社ならではの商品やサービスを定義する。

②商品

在庫過剰/初期から商品ラインアップを充実させすぎる

初期から在庫リスクを上げてしまうと機動力を損ねてしまう。売れないものを無理やり売らなくてはならない状況に陥らないよう、商品の種類や量をできるだけ絞って作った方が良い。仮に売り切れても受注できるのがECであり、売り切れ状態が次の顧客を呼ぶこともある。作ってしまった商品が事業の足かせにならないように注意したい。

顧客の価格相場感と外れた商品を作ってしまう

プレミアムな商品が成功するのは、市場浸透率が高いカテゴリで一般化が相当進んでいる商材や、購買要因として情緒性が強い商材などの場合。「プレミアム=高単価」ではなく、一般化している商材における差別化の手段と考える。一般化してない商品や通常の価格相場感から外れすぎた商品は、ほとんどの場合魅力にならない

特徴のない商品、競合との差別化ができない商品を作ってしまう

強みの定義に関する失敗と同様、競合との差別化がなされてない商品は弱い。商品的なスペックだけでなく、特徴や独自性を持たせることは購買動機につながり、競合の模倣を困難にする。

継続性のない商品や単価が低すぎる商品を作ってしまう

クロスセルやアップセルがある場合は考え方が異なり、あくまでメイン商材についての話だが、継続性の高い商品で繰り返し購入してもらうことができればLTVを高められ、高単価商品をECで販売することでマーケティングコストなど変動費の一発回収が可能になる。そうしたEC向きの商品が望ましい。年間消費量が低いものや数年に1回しか買わないもの、さらにそれが安価な場合、ECのみで継続していくことは困難。

原価率が高すぎる

粗利率が6割〜7割を切る場合は、商品がECに適してない可能性が高い。ただし、5%〜10%程度粗利を下げる(原価を上げる)ことで独自の強みを創出でき、マーケティングコストを下げられる場合は、結果的に購入率(CVR)やLTVが上がるため許容可能と考えることもできる。

③マーケティング

新規獲得にばかり目が向き、既存顧客の再購入や購入単価の向上に目が向かない

D2Cの初期の壁は新規顧客の獲得だが、事業が進行するにつれて繰り返しの購入が重要となる。デジタルトレンドとしてCPA(新規顧客獲得単価)が高騰しているため、いかにLTVを稼げる事業に育てるかがカギとなる。新規獲得の時点からLTVを上げることを事前に設計しておくと、マーケティングコストの許容範囲内で効率良く成長させることができる。

流行の施策にお金をかけてしまう

新しく誕生した施策は、メジャーになった頃にはボーナスタイムが終わっていることが多い。流行の施策にお金をかけるよりも、基礎的な施策も含めて優先順位を考え、しっかりと費用対効果を見据えることが大切。

売ることは広告代理店の仕事だと思っている

販売を広告代理店に任せきりにするのは、失敗するD2Cの典型的なパターン。広告は集客しか担っていない。商品力やサイトでの購入率を高める工夫、初回購入後にLTVを上げる仕掛けがあって、初めて売り上げが成り立つことを忘れないようにする。そこをないがしろにして集客目的の広告だけを広告代理店に任せても、魅力的な広告でボロボロのお店に人を集めるようなもの。

広告を回して数字を見ることが目的になっている

A/Bテストは本来、極限まで突き詰めて考え抜いた2つのパターンを試してどちらが良いのかを試すもの。「とりあえずやってみる」ではない。

たまたま見かけた新しい施策を重視してしまう

昔からある鉄板施策は必ず一定の効果があるのでPDCAを継続するべき。たまたま見かけた新しい施策を試したくなる気持ちはわかるが、まずは集合知が蓄積された鉄板施策を網羅的にブラッシュアップする方が効率が良い。

ブランディングが目的になっている

ブランディングは目的にするものではなく、結果として積み上がるもの。ブランディングではなく、定めた提供価値に対する顧客認識を強め、購入率を高めることを目的として施策を設計しKPIやKGIを検討していく。

④オペレーション/フルフィルメント

送料を削減する工夫をしていない

ECにとって配送コストは売り上げを作るために必ずかかるコスト。ポスト投函できる配送方法にするなど、可能な限り下げる工夫をするべき

極端な外注/内製

極端に外注または内製するのは禁物。事業のコアとなる改善やディレクションなどは必ず内製化して社内にノウハウを蓄積させ、ルーティンワークはなるべく外注して自社リソースでやるべきことに集中するといった切り分けが大切。

顧客の意見を聞かない

D2Cは顧客のデータを持てるのが強みであるにも関わらず、活かしきれていない企業は多い。顧客に直接アプローチして生の声を聞き、事業のヒントにする機会を定期的に作るべき

配送箱や化粧箱、同梱物に原価をかけすぎる

「アンボクシング(Unboxing/開封)体験」の事例が海外で有名になったため、良い箱を作ることがブランディングとして拡大解釈されている。簡単な箱でも継続率が長い商品も多く、箱が良くてもプラスにならないことも多い。商品価格から妥当なコストを見極めるようにする。

⑤ECサイト/システム

商売よりも芸術性重視のサイト構築

ECサイトはお店であり、マーケティングメッセージやセールスライティングをしっかりと反映させるべき。アート作品として世界観やグラフィックに力を注ぐよりも、顧客の興味関心を引いて購入を促す表現や機能を優先させる

「ブランディング=クリエイティブにお金をかけること」と勘違いしている

ブランディングはこの商品に「固有の要素」があると顧客に認識してもらい、他ではなくこの場所で買う理由付けを行なうもの。クリエイティブに高い費用を出せば実現するものではないと考える。

サイトの導線をおろそかにしている

ECサイトは導線次第でマーケティング費用のリターン効率が数倍から数十倍にもなることを心得えておく。最も効率が良いサイト構成がLP。マーケティング費を効果的に活用するためにメインの集客経路として活用するべき。

「予算がないからまずは無料のカート」

ECは売れない時のコストが一番高いことは意外に目を向けられていない。その内訳は、システム以外の人件費を含む固定費やマーケティング費用がほとんど。「お金がないから安いシステムで」としてしまうと、目に見えないコストがかさむことになる。「とりあえず立ち上げ」ではなく、再現性のある成長を実現できる機能を持ち合わせているかどうかでシステムを選んでほしい。

持続的な成長を見据えたECプラットフォーム「ecforce」

SUPER STUDIOは「コト、モノにかかわる全ての人々の顧客体験を最大化する」をミッションに掲げ、ECのトータルソリューションカンパニーとしてあらゆるビジネスのEC化に取り組んできた。ECプラットフォーム「ecforce」を提供するベンダーでありながら、自社でD2C事業も数多く手掛けていることから、失敗も含めてさまざまな経験・知見を蓄積し、商品製造からフルフィルメント、マーケティングなどをトータルでサポートしている。

「ecforce」は最新のビジネストレンドを踏まえた機能を都度開発・実装しており、常に最新の環境で活用できることが魅力。システム面だけでなく、事業のすべてのフェーズや領域におけるノウハウも提供しており、ecforce公認のビジネスパートナーとのビジネスマッチングも可能。

SUPER STUDIOが提供するサービスの概要
SUPER STUDIOが提供するサービスの概要

ECの立ち上げを容易にするシステムが多いなかで、「ecforce」は売り上げがきちんと上がり、事業が成長するところまでを仕組みとして提供している。ただ立ち上げるだけでなく、売り上げが継続することをゴールとしており、初年度から数億円の規模の事業を複数立ち上げている。

その結果、ユーザーの平均年商は2億円以上、平均売上成長率は265%と数字にも現れている。自社の実体験に加えて、数多くのユーザーの知見をシステムに反映させるというハイブリッドな開発環境が、売り上げの上がるシステムを実現させている。(飯尾氏)

2022年10月末時点で約1000ショップが「ecforce」を導入しており、もともと得意としていたヘルスウェルネスやパーソナルケア、美容などの領域から、ペットグッズやファッション、食品飲料関係などの事業領域にも導入が拡大している。

また、未来に向けた「次世代EC構想」では、自社ECとプラットフォーム系EC、物販ECとサービス系ECなど、各々の販売チャネルを統合管理し、それらの統合データから最適なマーケティングアクションを自動で提案できる世界観をめざしている。

SUPER STUDIOの「次世代EC構想」
SUPER STUDIOの「次世代EC構想」
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伊藤真美

【カスタマーサポート調査】51%が“1時間以内の回答”を期待。満足度が高い対応で「利用頻度が上がった」が3割

3 years 4ヶ月 ago

PR TIMESが実施したカスタマーサポート調査によると、問い合わせをした人の51%が1時間以内の返信を想定していることがわかった。

不満が残る対応、65%が利用頻度が減少と回答

問い合わせをした経験がある20~59歳の男女ビジネスパーソン1万2000人に、問い合わせ返信の期待やその後のサービス利用における継続傾向について調査。問い合わせ後の返信の想定時間として、「1時間以内」は51%、「24時間以内」は82%だった。

対応の満足度による継続傾向への影響を聞いた質問では、問い合わせの対応に満足度が高かった場合、サービスの利用頻度があがったと回答したのは30.7%。一方で、対応品質の満足度が低かった場合に「利用頻度が下がった」もしくは「利用しなくなった」と回答したユーザーは65.9%となった。

PR TIMEは、「問い合わせ対応は、満足度を高める品質の高い対応と同時にスピーディーな対応が求められる」と分析している。

Q. どれぐらいの時間で返信が返ってくることを想定していますか?

問い合わせに対する1時間以内の返信を期待する声は半数以上を占めており、レスポンスの速さの重要性がうかがえる結果となった
問い合わせに対する返信時間について
問い合わせに対する対応品質の違いはその後の継続率に大きく響くことがわかる
対応品質と継続率について

ユーザーの声が経営層まで届くケースは14%のみ

カスタマーサポートや問い合わせ業務に従事する300人に調査を行ったところ、VoC(ユーザーの声を生かす活動)を実施しているカスタマーサポート従事者は53.1%。また、VoCで得たデータの活用や社内共有において、32.4%は定常的なフィードバックが行えておらず、経営層まで届いているケースは14.2%にとどまった。

VoCの実施は「定期的におこなっていない」という回答が半数近くを占めた
VoCの実施状況
VoCで得られたデータの活用やフィードバックは経営層まで届いていないケースが多いようだ
VoCで得たデータの活用について

“対応する側”は、顧客満足度よりも効率重視?

カスタマーサポート従事者のKPIは「1位:満足度(36.1%)」と「2位:問題解決率(34.8%)」と問い合わせ対応における品質を重視した項目が上位に。「3位:メール着信数(29.3%)」「4位:メール作成時間(25.5%)」「5位:1次返信時間(25.2%)」と業務工数や効率を気にする項目が続いた。

一方で、カスタマーサポート従事者が抱える課題では「1位:業務の効率化(44%)」「2位:対応品質(43.3%)」「3位:対応速度(37.5%)」。対応品質よりも効率化がわずかに上回っている。

PR TIMESはこのことから、「問い合わせにおいて、対応品質を重視しながらも業務効率における課題を抱えていることがわかった」と解説している。

顧客ロイヤリティをはかる手法として重要とされる「NPS(Net Promoter Score:顧客ロイヤリティをはかる手法)」をKPIとしているユーザーは17.7%。KPIと課題のギャップが示すように、問い合わせへの対応品質は効率化よりも手前の状況にあるようだ。

KPIは「満足度」が1位にあがっているものの、顧客ロイヤリティをはかる手法のNPIの数値は低い
KPIに設定する指標について。CESはCustomer Effort Scoreの略で、顧客がサービス利用時にどの程度努力したかを意味する
課題は効率化をあげる意見が多く、僅差だが対応品質は二番手に回っている状況がうかがえる
部署の課題

システム投資は増加傾向

課題にもあった業務の効率化を推進する手段となり得るシステム投資は増額傾向にあるようだ。47%が「増額」、20%が「減額」という回答になった。具体的な投資先計画では「1位:フォーム作成(46.6%)」「2位:チャット(27.4%)」「3位:FAQシステム(26.2%)」。

カスタマーサポート用のシステムへの投資は増額を検討している傾向が強いようだ
システムへの投資計画
フォーム作成サービスの導入を検討している意見が多くみられた
導入を検討しているITサービス

調査概要

  • 調査内容:カスタマーサポート調査
  • 集計対象①:20~59歳の男女で問い合わせ経験のあるビジネスパーソン1万2000人
  • 集計対象②:カスタマーサポートあるいは問い合わせ対応業務に従事する300人(※①は②の回答者を含む)
  • 調査期間:2022年12月9日〜同年12月11日
高野 真維

Amazonの2022年売上高は5139億ドルで9%増。アマゾンの直販ECは前年割れに

3 years 4ヶ月 ago

米Amazonが2月2日(現地時間)に発表した2022年度(2022年1-12月)決算によると、売上高は前期比9.4%増の5139億8300万ドルだった。なお、為替レートの前年比変動のマイナス影響を除いた場合の伸び率は13%増という。

営業利益は同50.8%減の122億4800万ドル。当期純損益は333億6400万ドルの黒字から、2022年度は27億2200万ドルの損失に転落した。出資する電気自動車メーカー・リビアンの株価低迷による評価損128億ドル(2021年は118億ドルの評価益)を計上したことが影響している。

日本銀行が参考計数として公表している「東京外為市場における取引状況(2021年中)の2021年平均レート「1ドル=131.57」を参考に、1ドル=131円で換算した場合、日本円ベースの売上高は約67兆3317億円。

セグメント別売上高では、直販にあたるオンラインストア売上は2200億400万ドルで同0.1%減。直販ECの前年割れは為替変動が影響したようだ。国際セグメントの売上高は同8%減だが、為替変動の影響を除くと4%伸びているという。

ホールフーズ店舗が大部分を占める実店舗売上は189億6300万ドルで同11.1%増だった。

第三者販売サービス売上(マーケットプレイスを通じた第三者が販売するサービスに関する手数料売上など)は1177億1600万ドルで同13.9%増えた。

サブスクリプションサービス売上(「Amazonプライム」の会員費、デジタルビデオ、オーディオブック、デジタル音楽、電子書籍などのサブスクリプションサービス)は、同10.9%増の352億1800万ドル。

広告サービスの売上高は377億3900万ドルで同21.1%増。AWS(アマゾンウェブサービス)は800億9600万ドルで同28.8%増。その他は42億4700万ドル。

瀧川 正実

楽天・三木谷社長が語った「モバイルに注力」/2022年度の「楽天市場」流通総額は「6兆円に近い」【ネッ担アクセスランキング】 | 週間人気記事ランキング

3 years 4ヶ月 ago
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    2023/1/31
     
  7. 老舗通販「ディノス」とスタートアップ「KANADEMONO」に共通する課題とは? ECプラットフォーム「Shopify」と語る

    創業50年超の「ディノス」と創業間もない「KANADEMONO(カナデモノ)」。両社に携わる石川森生氏が、顧客との関わり方、マーケティングのあり方を語る

    2023/2/1
     
  8. ANAグループがECモール事業に参入。成城石井、髙島屋、ディノス、全日空商事、日テレ7など出店する「ANA Mall」とは

    約3800万人のANAマイレージクラブ会員を有するANAグループが立ち上げたのは「ANA Mall」。グループ会社のANA Xが運営を手がける

    2023/2/2
     
  9. 約半数が「値上げの影響を受け、ECで食品を買うことが増えた」。“お得に買いたい”ニーズの上昇でECの引き合い増加

    クラダシは自社が運営する食品ECサイトの利用者を対象にアンケート調査を実施。相次ぐ食品の値上げを受け、6割超の回答者が「よりお得に購入できる方法や場所で食品を購入するようになった」と回答した

    2023/1/30
     
  10. 「3Sセキュア2.0」が抱える課題とは? 導入メリットを最大限生かすために押さえておきたいポイント

    国内の全EC加盟店に導入義務化検討の方針が発表された「3Dセキュア2.0」。「3Dセキュア2.0」導入メリットを得るために、把握しておきたい課題を解説

    2023/1/30
     

    ※期間内のPV数によるランキングです。一部のまとめ記事や殿堂入り記事はランキング集計から除外されています。

    藤田遥

    【小林製薬のコールセンター改善施策】AI検索と音声認識を連携し、マニュアルやFAQの自動検索で業務効率化を実現

    3 years 4ヶ月 ago

    小林製薬は通販のコールセンターに、電話内容を音声認識したテキスト文から自動でFAQやマニュアルをAI検索する技術を導入した。

    コールセンターのクラウドシステムの1つの画面内に、顧客とオペレーターの電話会話内容をリアルタイムに音声認識・テキスト化し、チャット表示する。

    小林製薬は通販のコールセンターに、電話内容を音声認識したテキスト文から自動でFAQやマニュアルをAI検索する技術を導入した
    オペレーター画面のイメージ

    テキストをオペレーターがクリックすると、既存のFAQやマニュアルをAI検索して検索結果を表示する仕組み。複雑・完全ではない文章のキーワードから、即座にFAQやマニュアルを表示するという。

    これにより、オペレーターは質問内容への回答が不明な場合、電話応対しながら検索文を考え、キーボードに検索文を入力、FAQやマニュアルを検索する負荷と時間が省ける。

    また、AI検索の機能により、オペレーターごとにさまざだった検索文や言葉の揺らぎを吸収。スキルレベルが異なるオペレーターでも精度の高い検索結果が得られ、顧客対応品質の平準化を図ることができる。

    コールセンターのオペレーター業務は、顧客の電話応対時に顧客情報や購入履歴・問い合わせ履歴を参照。回答が不明な場合はFAQやマニュアルを検索・参照して回答したり応対内容の記録したりするなど、電話応対以外にも複数の同時作業が必要となる。

    このため業務負荷が高く、高度なITスキルや製品・商品知識が求められる。そのほか、コロナ禍、労働人口の減少などの社会的要因もあり、オペレーター人材の確保と教育、顧客対応水準の向上はコールセンター業務の大きな課題となっている。

    一方、電話内容を音声認識でテキスト化するコールセンターのシステムは、応対分析・評価や教育、FAQ改善を目的とした後工程のシステムで、一般的に電話応対時のリアルタイムで活用できなかった。

    AI検索を提供するアイアクトと、コールセンター向けクラウド型CTIを提供するコムデザインと技術連携。電話内容を音声認識したテキスト文から自動でFAQやマニュアルをAI検索することを実現した。

    石居 岳

    電子帳簿保存法「対応済み」企業は21%。2023年度税制大綱で「電子取引のデータ保存」の宥恕措置は2023年12月末で廃止

    3 years 4ヶ月 ago

    ラクスはが全国の経理担当者907人を対象に実施した電子帳簿保存法に関する調査によると、「電子取引データの保存」について「則して運用している」と回答した企業は21.9%にとどまった。

    2022年9月に実施した調査結果から0.5ポイント増のほぼ横ばいだった。

    このほか、「電子帳簿保存法に即した運用の導入を検討している」が28.0%、「いずれは電子帳簿保存法に即した運用も検討したい」が28.9%、「電子帳簿保存用に即した運用の導入は見送った」が7.7%、「電子帳簿保存法を知らない」が13.5%。

    電子帳簿保存法への対応状況
    電子帳簿保存法への対応状況

    改正電子帳簿保存法

    電子帳簿保存法は保存が義務付けられている帳簿・書類を電子データで保存するためのルールなどを定めた法律。改正電子帳簿保存法の主な保存区分は、「電子取引」に関するデータ保存の義務化を盛り込んだ。電子帳簿等保存(電子的に作成した帳簿・書類をデータのまま保存)、スキャナ保存(紙で受領・作成した書類を画像データで保存)、電子取引(電子的に授受した取引情報をデータで保存)――の3種類にわけられる。

    従業員規模別に「電子帳簿保存法に則して運用している(電子取引データの保存)」と回答した企業を見てみると、300人以上の企業が30.8%に対し、299人以下の企業(一般的に言われる中小企業)は19.1%で11.7ポイントの差が生じている。

    従業員規模別の電子帳簿保存法への対応状況
    従業員規模別の電子帳簿保存法への対応状況

    受け取った請求書・領収書を電子帳簿保存法へ対応する場合、検討から運用開始までに要するであろう期間を調査したところ、「4~6か月以内」と回答した企業が30.8%で最多。「7~12か月以内」が18.4%、「12か月以上」が11.9%で続いた。

    電子帳簿保存法への対応に要すると想定する期間
    電子帳簿保存法への対応に要すると想定する期間

    2022年12月に2023年度税制改正大綱が発表され、電子帳簿保存法「電子取引のデータ保存」は2023年12月末で宥恕期間が終了となる。宥恕終了まで約1年前となった現在、想定準備期間を考慮すると対応に動き出す必要がある。2023年10月にはインボイス制度の開始も控えており、早めの準備開始が必要だ。

    2022年12月に2023年度税制改正大綱が発表され、電子帳簿保存法「電子取引のデータ保存」は2023年12月末で宥恕期間が終了となる
    各種手続きや法令施行のスケジュール

    インボイス制度

    インボイス制度は、すべての企業が対応しなくてはならない制度。売り手側・買い手側の双方に関わるのが保存要件で、請求書を発行する側も受け取る側も、請求書を7年間保存しなければならない。税計算もこれまでと形式が変わり、納品単位か請求単位かを選ぶ必要がある。請求書を提出する側は、適格請求事業者として税務署へ事前登録をしなければならない。

    石居 岳

    ANAグループがECモール事業に参入。成城石井、髙島屋、ディノス、全日空商事、日テレ7など出店する「ANA Mall」とは

    3 years 4ヶ月 ago

    ANAグループがECモールビジネスに参入する。

    ANAのマイルが貯まる・使えるECモールを1月末に開設し、パートナー企業は出店形式で参加することが可能。全店舗でANAマイルが貯まり、「1マイル1円相当」で使うことができる。

    スタート時には、アンファー、九南サービス、ストリーム、成城石井、髙島屋、ツインバード、DINOS CORPORATIN、ドウシシャ、日テレ7、ハースト婦人画報社、リンベル、全日空商事などが出店した。

    約3800万人のANAマイレージクラブ会員を有するANAグループが立ち上げたECモールは「ANA Mall」
    「ANA Mall」のTOPページ(画像は編集部がキャプチャして追加)

    約3800万人のANAマイレージクラブ会員を有するANAグループが立ち上げたECモールは「ANA Mall」。グループ会社のANA Xが運営を手がける。

    コンセプトは、“旅と日常がつながるECモール”。「ANA Mall」の特徴は次の通り。

    買い上げ金額100円につき1マイル、ANAカードで買い物をした場合は、100円で2マイルが貯まる。貯めたマイルは1マイル=1円で買い物に利用できる。キャンペーンやクーポンにより、マイルの積算率が異なることがあるという。

    ANAグループ直営店だけでなく、国内有数のショップが出店する。モール開店時には、食品や家電、家具、衣類、化粧品など23ショップが出店。今後、出店ショップ数や取扱商品数を増やしてく。

    「ANAショッピングA-style」や、地域の魅力を旅する店「TOCHI-DOCHI」など、ANAグループのECショップ5店舗を「ANA Mall」に集約。モールを通じて、ANAグループ各ショップへの直接訪問やモール内での商品検索も可能にした。ANAグループでは航空関連グッズや機内食、地域特産品など、様々な商品を展開していく。

    石居 岳

    コンバージョン率向上には消費者心理の理解が重要。“買い控え”“カゴ落ち”が発生する理由に学ぶCVR改善ポイント | 海外のEC事情・戦略・マーケティング情報ウォッチ

    3 years 4ヶ月 ago
    高いコンバージョン率を達成するためには、地道な努力が必要です。価格を意識、商品、在庫、配送などの基本をチェックし、うまく機能すれば消費者はユーザーエクスペリエンスから配達時間まで、迅速なプロセスを期待し続けるでしょう

    効果的なプロモーションを展開するためには、コンバージョン率のアップは欠かせません。一方で、多種多様なブランドや商品が台頭している昨今、オンライン通販利用者はショッピングに関わる体験(編注:サービスの充実度)の期待値が高くなっています。小売事業者はこうした期待に応え、消費者のニーズを満たしていくことが求められます。

    『Digital Commerce 360』と調査会社のBizrate Insightがオンライン通販利用者を対象に共同で実施したアンケート調査の結果をひもときながら、消費者が抱いているニーズを解説します。自社のコンバージョン率をアップさせるヒントが見つかるかもしれません。

    記事のポイント
    • コンバージョンには、送料無料を含む適正価格が重要
    • カスタマーエクスペリエンスから納品まで、スピードが命
    • Facebook、Instagram、Amazonは、コンバージョンに最も効果的な場所

    買い控えの理由は“価格の高騰”に一極集中

    『Digital Commerce 360』とBizrate Insightは、2023年1月に1060人のオンライン通販利用者を対象に調査を実施しました。2022年を振り返ってみたところ、驚いたことに、すべては価格に集約されました。インフレがコンバージョンに影響したのです。消費者が注文をしない理由は何なのかを尋ねたところ、圧倒的に多かった回答は、価格の高騰でした。

    注目すべきは、オンラインショッピングを利用した人のうち、「プロモーションが限られていた」と答えた人はわずか14%だったということです。4人に1人は、一般的な経済的不安を感じているようです。また、回答者のうち35%が送料無料に魅力を感じています。小売事業者は、この特典(編注:送料無料)をどのように拡大すれば利益を上げられるかについて、考え続けています。

    個人的な事情、特に金銭的な理由が、コンバージョンに大きく影響しているのかもしれません。また、「その他」と回答した人の中には、「お金がない」「不要なものを買う気がしない」などの意見もありました。

    その他に、買い物を阻害する要因としては、25%が「在庫切れ」、21%が「配送の遅れ」を挙げています。いずれも2022年を通しての要因であり、2023年以降も小売事業者の課題となっていく可能性があります。

    「2022年に買い控えした理由は何か」の質問に対する回答(3つまで回答可。出典:Digital Commerce 360とBizrate Insightsが2023年1月に1060人のオンライン通販利用者を対象に実施したアンケート調査【以下同】)
    「2022年に買い控えした理由は何か」の質問に対する回答(3つまで回答可。出典:Digital Commerce 360とBizrate Insightsが2023年1月に1060人のオンライン通販利用者を対象に実施したアンケート調査【以下同】)

    基本要素の「送料無料」「適正価格」がコンバージョンを促進

    コンバージョンを促進するために、どのようなWebサイトの機能や属性を備えるべきかを尋ねたところ、お金に関する条件が上位になりました。

    回答のトップは、送料無料(69%)と適正価格(66%)でした。送料無料以外のキャンペーンがオンライン通販利用者の関心を引くのは周知の事実ですが、回答者の36%が送料無料以外のキャンペーンを購入の要因として挙げています。また、13%は注文を分割払いにできることを挙げました。経済的な要因によって、分割払いの重要性が増すかもしれません。

    商品:豊富な情報と画像、レビューが購買行動を後押し

    まずは商品が大切です。47%は商品からスタートします。そして、「買おうと思ったときに、その商品の在庫があること」(45%)がその後に続きます。消費者は、自分の買い物にとって最も良い判断をするために情報を求めています。そのために、適切な質と量の商品レビューが必要と考える消費者は39%、豊富な商品情報と画像を求める回答は28%でした。

    13%は、商品のデモを含む動画に注目しています。動画の好みは、商品カテゴリーに依拠する傾向がありました。

    ブランド:消費者からの信頼は重要なファクターの1つ

    ブランドへの信頼はコンバージョンの要です。認知率の高さ(46%)や、これまでに購入した経験がある、または定期購入を利用したことがあること(43%)も、信頼の後押しをしています。

    また、消費者がブランドへのロイヤルティが高い会員になると、コンバージョンが28%向上する可能性があるようです。このほか、数は少ないですが、ブランドが社会的な活動や政治的な活動への支援を行っていることは、回答者のうち12%が「信頼につながる」と答えています。この傾向は今後、さらに増加することが予想されます。

    ユーザーエクスペリエンス:コンバージョンアップの“核”

    回答者の40%が挙げたように、ユーザーエクスペリエンスはコンバージョンの核となるものです。購入にあたって、消費者はスピード感を求めています。回答者のうち32%が「速いチェックアウト」、21%が「速いサイトスピード」を必須条件として挙げています

    必要なものが簡単に見つかることも同様に重要です。回答者の24%が「関連の高い結果を表示するサイト検索」を挙げています。消費者はより多くの情報を必要とすることが多く、そのような場合には「現場のカスタマーサービスに簡単にアクセスできることが貴重である」と、21%が回答しています。

    また、オンライン通販の利用者は、テキストやソーシャルなど、複数の方法でカスタマーサービスに連絡できることを望んでいます(19%)。これは、年齢が若い消費者ほど顕著であるようです。顧客の行動履歴に基づいてパーソナライズされた購入体験も、11%が「コンバージョンを促進するために不可欠である」と回答。一方で、企業と顧客の相互作用を生み出すインタラクティブツールの価値は限定的であるとしました(9%)。

    「オンラインショッピングをする際、Webサイトやアプリで注文するきっかけになりやすい機能や条件は何か」の質問に対する回答(複数回答可)
    「オンラインショッピングをする際、Webサイトやアプリで注文するきっかけになりやすい機能や条件は何か」の質問に対する回答(複数回答可)

    問われる、配送スピードと返品対応

    オンライン通販利用者は、迅速な配送を期待し(61%)、配送時間の保証を望んでおり(39%)、両方ともコンバージョンに影響を与えています

    小売事業者との過去の経験が重要であることは、回答者の45%が指摘しています。カスタマーサービスの担当者とのやり取り(16%)やバーチャル・アポイントメント(8%)と同様に、顧客とのやり取りの質がその後のコンバージョンに影響しています(24%)。

    返品に関しては、消費者のニーズは以下の通りです。

    • 返品送料無料
    • わかりやすい/簡単な返品制度(42%)
    • 小売店以外(36%)または小売店の店舗経由(32%)の実店舗での返品オプション

    オンライン通販利用者は、特にカゴ落ちした商品に関するプロモーションメールに惹かれることもあります(17%)。利便性には、質の高いモバイルアプリのオプション(18%)や簡単な再注文機能(21%)などが挙げられました。いずれも消費者の時間を節約することを目的にしています。

    「オンラインで注文をするきっかけになる施策や取り組みは何か」の質問に対する回答(複数回答可)
    「オンラインで注文をするきっかけになる施策や取り組みは何か」の質問に対する回答(複数回答可)

    ソーシャルメディアで優位な広告はFacebook

    広告について調べたところ、オンラインショッピングを利用する人の3人に2人が、購入時にオンライン広告がどこに表示されているのかを気にしていないことがわかりました。

    彼らが気にするのは「場所」です。消費者がクリックし、最終的に購入に至った場所を掘り下げることで、小売事業者はマーケティング予算の使い方に優先順位をつけることができるのです。コンバージョンという点では、Facebookが最も強力であり、InstagramやAmazonも効果的です。ソーシャルメディアは以下のような順位になっています。

    • Facebook 36%
    • Instagram 26%
    • YouTube 22%
    • TikTok14%
    • Twitter 12%
    • Pinterest 6%
    • 興味のある商品を取り上げているソーシャルメディア広告 4%
    • インフルエンサー(プラットフォーム関係なく)3%
    • LinkedIn 2%

    一般的な広告の成功は、スポンサー付き広告を含むAmazonがトップです(26%)。次は、Amazonとはずいぶん差が広がりますが、Webサイトのディスプレイ広告で5%。

    Eメールは従来通り消費者の注目を集め、コンバージョンを促進しますが、Eメールで配信されるプロモーションの内容が重要です。具体的に商品を提案するメールは22%に支持されましたが、新商品やトレンドを紹介するメールは8%にしか支持されませんでした。

    テレビ広告は18%にとどまっています。SMSまたはテキストメッセージも注目されていますが、現在では4%の普及率にとどまっています。

    「広告をクリックし、購入につながる最も効果的な広告のプラットフォームはどこか」の質問に対する回答(3つまで回答可)
    「広告をクリックし、購入につながる最も効果的な広告のプラットフォームはどこか」の質問に対する回答(3つまで回答可)

    “カゴ落ち”を招いてしまうカートのUXとは?

    ショッピングカートは、すぐに購入を決められない消費者にとって、さまざまな場面で利用されています。たとえば、カートに保存しておきたい(32%)や、気が散ってカートに入れたことを忘れてしまった(17%)なども挙げられました。また、価格を比較するためにカートに商品を入れた人(19%)にとって、カートは便利な場所となっています。

    カゴ落ちの理由は、お金に関係があります。35%の消費者が、「配送料によって注文の合計金額が予想以上に高くなった場合、カゴ落ちする」と回答しています。また、29%が、送料無料にならない場合にもカゴ落ちしています。

    予想外の追加費用(税金、取り扱い手数料、配送料)が発生した場合は、18%がカゴ落ち。同じ割合で、クーポンコードを受け付けない場合にもカゴ落ちしています。

    在庫切れの場合も、22%が注文を止めています。配送自体はそれほど問題になっていないものの、消費者のニーズに合っていない(18%)、または配送日が保証されていない場合、12%がカゴ落ちしています。

    利便性の観点から、15%が店舗で購入することを決め、8%が単に販売者を信用しなかったと回答しました。

    カートのユーザーエクスペリエンス(スピード、エラー、支払い方法の選択とルールの透明性など)も、カゴ落ちにつながる可能性があります。他の多くの問題ほど重大ではないものの、次のような問題点がある場合には、対処したほうが良いでしょう。

    • 希望の支払いオプションが使えない 15%
    • チェックアウトページでエラーが発生する 12%
    • チェックアウトに時間がかかりすぎる 10%
    • 読み込みが遅い 9%
    • 返品規定が明確でない 8%
    • 融資が受けられない 8%
    • ギフトカードが使えない 8%
    • ユーザー名/パスワードを思い出せない 6%
    「カートに商品を入れた後、購入せずにサイトを離脱した場合、その理由として最も多いのはどれか」の質問に対する回答(複数回答可)
    「カートに商品を入れた後、購入せずにサイトを離脱した場合、その理由として最も多いのはどれか」の質問に対する回答(複数回答可)

    81%が“オンラインカスタマーサービスを利用したことがある”

    消費者は、ブランドから適切な情報が得られなかったり、購買の意思決定をするために質問をしたいときがあります。

    小売事業者はさまざまなコミュニケーション・タッチポイントを提供する必要がありますが、すべてのタッチポイントが同じコンバージョン率を実現するわけではありません。コンバージョンを促進するカスタマーサービスのトップはEメール(40%)で、次点は人間によるライブチャットのやりとり(37%)でした。

    自動応答のチャットボットによるものは14%とかなり低くなっています。電話は26%、テキストは21%と僅差でした。ソーシャルメディア経由のやりとりは12%と低いですが、特定の消費者層にとってはより重要であり、成長すると思われます。予約/店舗関連のオプションは、過去数年間で、多くのバリエーションが登場しました。

    各サービスのコンバージョンの可能性は次の通りです。

    • 店頭での対話 18%
    • バーチャルアポイントメント 10%
    • 店頭スタッフとのアポイントメント 6%
    「過去1年間に体験したカスタマーサービスについて、どのようなやりとりをした後にオンライン購入をする可能性が最も高いか」の質問に対する回答(3つまで回答可)
    「過去1年間に体験したカスタマーサービスについて、どのようなやりとりをした後にオンライン購入をする可能性が最も高いか」の質問に対する回答(3つまで回答可)

    全ての利用者がスマホで買い物するわけではない

    市場調査子会社のeMarketerによると、2022年のオンラインショッピングに占めるモバイルの割合は41.6%であり、順調に利用されていることがうかがえます。

    しかし、すべての消費者が「スマートフォンで買い物を済ませたい」と考えているわけではありません。データで示されるカゴ落ち率は、この点を考慮していない可能性があります

    小売事業者が最適化されたモバイルアプリを提供していない場合もあり、17%の消費者はモバイルアプリがない状況に直面しています。また、5%の人が、単にスマートフォンを持っていない、またはスマートフォンを使って買い物をすることを選択していないことも忘れてはいけません。

    モバイルでの買い物を敬遠する人も

    スマートフォンユーザーは、その端末特有のユーザーエクスペリエンス(UX)ニーズを考慮した、効率的なショッピング体験を必要としています。

    消費者にとって時間の節約は常に重要です。28%が「デスクトップでより簡単、かつ迅速に買い物を済ませられる」と回答し、モバイルショッピングを敬遠しています。

    ユーザビリティの観点からは、商品を比較する際に行ったり来たりするのが大変(26%)、スクロールが多すぎる(25%)、読み込み時間が遅い(24%)、ステップが多すぎる(17%)など、数多くの課題があります。また、「疑問が生じたときに、販売店の電話番号がすぐにわからない」という回答が10%ありました。

    UXの観点からは、スマートフォンは気になる点がたくさんあります。20%がナビゲーションの煩雑さを挙げ、プロモーションコードの追加やポイント交換が困難であることを挙げています。

    また、画像がうまく表示されなかったり、小さすぎたり(18%)、チェックアウトが困難(17%)ということもよくあります。モバイルデザインに関しては、表示される情報のレイアウトが悪い(17%)、またはコンテンツが正しく表示されない(15%)と回答しています。最後に、ナビゲーションのボタンサイズが合わない場合があり、調査対象者の10%がこれを挙げていました。

    「スマートフォンを使ってオンラインショッピングをする際に、注文を妨げる要素は何か」の質問に対する回答(複数回答可)
    「スマートフォンを使ってオンラインショッピングをする際に、注文を妨げる要素は何か」の質問に対する回答(複数回答可)

    効果的なパーソナライゼーションは“検索結果”が首位

    コンバージョンを促進したいと考えるとき、パーソナライゼーションはもっと重要視されるべきです。パーソナライゼーションが最も効果的なのは、パーソナライズされた検索結果(32%)、ホームページの見せ方(28%)、ウェルカムメッセージ(16%)です。

    商品ページは重要な意思決定の場であり、過去の購入履歴(24%)と閲覧行動(22%)に基づいたレコメンデーションも効果的です。ショッピングカートの役割はそれほど大きくはないようで、事前の閲覧(17%)と購買行動(15%)に基づいたレコメンデーションはコンバージョンにつながりにくいようです。

    カゴ落ち商品に関するメールは、消費者に過去の閲覧を思い出させることができるため、有効であると考えられます。また、過去の行動に基づいた購買後のメールは、11%の回答者に支持されています。

    オンライン通販利用者のなかには、パーソナライゼーションに興味がない(22%)、あるいは好きではない(12%)という人もおり、小売事業者はこの点も考慮する必要があることに注意してください。

    「パーソナライズされた体験のうち、Webサイトで購入する可能性が高いものは何か」の質問に対する回答(複数回答可)
    「パーソナライズされた体験のうち、Webサイトで購入する可能性が高いものは何か」の質問に対する回答(複数回答可)

    オムニチャネルは商品の入手しやすさと利便性がポイントに

    店舗での受け取りを希望する場合、商品の在庫があることが条件となります。在庫の有無は47%でトップ、次いで店舗に近いこと(43%)となっています。また、駐車場の有無は12%にとどまり、購入の決め手にはなっていません。

    注文を受け取るために消費者が店舗を利用するメリットを与えることは、購入を後押しすると考えられています。42%の消費者が、店舗での買い物をする場合の割引を高く評価しています。

    小売業は、注文を迅速に処理する能力が重要です。41% が注文した商品受け取りまでの時間を挙げ、25%が在庫を持つ店舗数を挙げています。小売事業者とのコミュニケーションも大切です。19%は、店舗に向かうことを通知するオプションを高く評価し、12%は、近くにいることを検知するジオロケーション技術を挙げています。

    小売店でのポジティブな体験の重要性に関して、30%の回答者がそのことを強調し、16%が小売店のアプリの洗練度を挙げました。このように、オムニチャネル利用者の購買にも影響を与えます。

    「店舗受け取り(店頭・カーブサイドピックアップ)の注文をする際、購入の可能性を左右する要素は次のうちどれか」の質問に対する回答(回答は5つまで)
    「店舗受け取り(店頭・カーブサイドピックアップ)の注文をする際、購入の可能性を左右する要素は次のうちどれか」の質問に対する回答(回答は5つまで)

    価格、配送などの基本をおさえることが肝心

    小売事業者は、経済やインフレによる物価高をコントロールすることはできません。しかし、デスクトップからモバイルデバイスまで多岐にわたって最適化された購買行動で、高いコンバージョン率を達成するためには、地道な努力が必要であることはわかっています。

    それにあたって、価格を意識し、商品、在庫、配送などの基本をチェックする必要があります。これらがうまく機能すれば、消費者はユーザーエクスペリエンスから配達時間まで、迅速なプロセスを期待し続けるでしょう。

    そして、無料のサービスはいつでも消費者に喜ばれるものです。際限のない仕事ですが、その分、しっかり取り組めば利益がもたらされます。

    この記事は今西由加さんが翻訳。世界最大級のEC専門メディア『Digital Commerce 360』(旧『Internet RETAILER』)の記事をネットショップ担当者フォーラムが、天井秀和さん白川久美さん中島郁さんの協力を得て、日本向けに編集したものです。

    Digital Commerce 360

    産直アプリ「ポケットマルシェ」がサブスクサービス「季節を味わう 旬のお野菜定期便」を提供開始

    3 years 4ヶ月 ago

    産直アプリ「ポケットマルシェ」を運営する雨風太陽は、旬の野菜と定番野菜をセットにしたサブスクサービス「季節を味わう 旬のお野菜定期便」を開始した。

    旬野菜1品+定番野菜5品のセット

    「季節を味わう 旬のお野菜定期便」は、月額2980円(税込、送料込)で旬の野菜1品と定番野菜5品が毎月1回届くサブスクサービス。1週間程度で使い切れる分量で販売するという。

    産直アプリ「ポケットマルシェ」 サブスクサービス 季節を味わう旬のお野菜定期便
    サブスクサービス「季節を味わう 旬のお野菜定期便」
    (画像は「ポケットマルシェ」サイトからキャプチャ)

    初回配送は3月で、配送日時の指定はできないが、毎月第2週、第3週、第4週から選択できる。定番野菜のラインナップは毎月変更する。

    産直アプリ「ポケットマルシェ」 サブスクサービス 季節を味わう旬のお野菜定期便 3月の旬野菜 新たまねぎ
    3月の旬野菜は兵庫県南あわじ市の生産者の新玉ねぎ(画像は「ポケットマルシェ」サイトからキャプチャ)
    産直アプリ「ポケットマルシェ」 サブスクサービス 季節を味わう旬のお野菜定期便 3月の定番野菜
    3月の定番野菜5種類(画像は「ポケットマルシェ」サイトからキャプチャ)

    「気になる商品があっても、量が多い」というユーザーの声を受けてスタート

    雨風太陽は、「ポケットマルシェ」登録ユーザーにアンケート調査を実施。生産者が出品する定期便を注文したことがないユーザーの3割が、「気になる商品はあったが、定期便を購入するとなると量が多い」ことを注文に至らない理由にあげた。

    野菜セットの購入を希望するユーザーからは、「食べ方がわからない野菜があり、冷蔵庫で余ってしまう」「特定の野菜だけ貯まってしまう」「旬の野菜が毎月届けば、季節が感じられるので嬉しい」といった声が寄せられたという。

    「ポケットマルシェ」ユーザーのなかで、食べ切れる分量の定期便に需要があること、セット商品では使いやすい品目の幅広いラインナップが求められていること、旬の食材のニーズが高いことを受け、サブスクサービス提供に至った。

    アンケート概要
    • 調査方法:インターネット調査
    • 調査期間:2022年6月17日~7月10日
    • 調査対象:2022年1月1日~2022年6月16日の期間中、1回以上購入経験のある「ポケットマルシェ」登録ユーザー
    • 回答人数:1148人
    藤田遥

    DIY用品ECの大都が法人向けEC「トラノテ」を開設、ダイナミックミックプライシングやメーカー直送などで展開

    3 years 4ヶ月 ago

    DIY用品のECサイト「DIY FACTORY」を運営する大都は2月1日、事業者向けのBtoB-ECサイト「トラノテ」の運用を始めた。路面店で買い回りをしている事業者の不便さを、オンラインの「トラノテ」で解消につなげる。

    売価は、商品の需要と供給のバランスに応じて動的に価格が変更するダイナミックミックプライシング(変動料金制)を採用。取引先のメーカーに在庫を置いて直接購入者に配送する。こうした仕組みを採用することでコストを抑制、最適価格で販売する。

    約245万点超の商材を展開

    「トラノテ」は、約245万点超の商材をラインアップする。そのうち約18万点は当日出荷に対応。顧客の購買に関するコスト削減や時間短縮をサポートする。

    「トラノテ」では、ビジネスの現場で定期的に必要とされる養生テープ、ウエス、シリコンシーラント、軍手、ラッカースプレーなどの消耗品の売場を強化していく。

    大都によると、EC化率の上昇とともに、ビジネスでDIY用品を「DIY FACTORY」で買い求める法人・官公庁・自営業・個人事業主は増えているという。「年に1回しか使わない資材や、毎日使うのに在庫を切らせてしまった資材が『いま必要だ』という声が日々寄せられていた」(大都)

    「トラノテ」は税込3000円以上の購入を対象に送料無料とする。このほか、「見積もり発行機能」「請求書払い(後払い決済)」にも対応。対象商品を割引購入できる「お買い得クーポン」も提供している。

    「トラノテ」の特徴は次の通り。

    • 自社開発のプライシングエンジンによって、売価の調整はダイナミックミックプライシングを採用。他社との優位性を常に保つ。システム開発からコンテンツ制作まで、システム開発をメインとした子会社(DAITO VIETNAM)が担い、コストを抑える。
    • 取引先のメーカーに在庫を置くため、倉庫に大きなコストがかからない。その分を売価に反映する。
    • 事業者が会員登録をする際、あらかじめ200業種に細分化した業種の登録を実施。登録された業種情報をベースに、顧客に最適化された商品の検索結果・周辺商材のおすすめが抽出されるようにアルゴリズムの開発を進める。顧客の買いやすさ向上に努めていく。
    • 顧客となるメーカーに配慮し、「トラノテ」はプライベートブランドをつくらない。
    「トラノテ」トップページ。豊富な商品展開を誇る
    「トラノテ」トップページ。豊富な商品展開を誇る

    取り扱いは工具から調理用品まで多種対応

    「トラノテ」の取り扱い商品カテゴリは以下の通り。

    • 電動工具・空圧工具
    • 作業工具
    • 切削工具・研磨材
    • 測定・計測用品
    • 安全用品・保護具
    • 物流・保管・梱包用品・機械部品
    • 塗料・塗装内装用品・接着補修材・テープ
    • はんだ・溶接用品・静電気対策・スプレー・オイル
    • ねじ・釘・ボルト・素材
    • 建築金物・建材・住宅設備
    • 空調電設資材・照明器具、水まわり部材・配管・空圧油圧機器
    • ガーデニング用品・園芸資材、オフィス家具・家電・季節用品
    • 事務用品・文房具・PC用品
    • 清掃用品
    • 日用品・サニタリー用品・調理用品

    代表取締役の山田岳人氏は次のようにコメントを発表している。

    創業1937年当時から工具の産地大阪で利器工匠具(大工道具)の卸問屋として事業者向けのビジネスを行ってきた。

    現場で必要とされる商品は多岐にわたり、当社が運営する通販サイトでは事業者向けの工具やDIY向けの塗料を含む約245万点の商品の販売を行っている。

    現在は卸売業は行っていないが、仕入先である工具や塗料メーカーなどの取引先は創業当時から変わっていない。「トラノテ」を始め、今後も革新を続け、より多くの取引先や顧客とともにDIY・工具業界の未来を創造していく。

    大都 代表取締役 山田岳人氏
     大都 代表取締役 山田岳人氏
    高野 真維

    【EC決済の後払い利用調査】中高年・シニア層で高い利用率。支払い時の安心感が後押し

    3 years 4ヶ月 ago

    ニッセンの子会社で後払い決済事業のSCORE(スコア)と、デジタルガレージの子会社で決済事業を手がけるDGフィナンシャルテクノロジーは、全国20~90代の男女を対象に後払いに関するアンケート調査を実施した。

    中高年・シニア層のECサイトにおける後払い決済サービスの利用動向を明らかにする目的。中高年・シニア層は「支払い時の安心感」を重視して後払いを選択する傾向がある一方で、後払い手数料に対しては抵抗感が強い一面も持っているようだ。

    調査結果のサマリー
    • 年代を問わず約4割の人がECサイトで後払いの利用経験あり
    • 後払いを選ぶ理由は、全年代で「届いた商品を確認してから支払いたい」が1位。中高年・シニア層ほど、支払い時の安心感を重視する傾向
    • 後払いを利用しない理由は、全年代で「他の決済方法を利用している」が圧倒的。若い年代は後払いの手間を避ける傾向も
    • 後払いの利用意向は1000円から1万円未満の商品購入時に高い    
    • 後払い利用層は300円を上限に手数料を許容する傾向が見られるが、年代が上がるほど手数料への抵抗感が強い
    • ECサイトでの支払い方法TOP3はクレジットカード、ID決済、後払い。後払いも主要な支払い方法として定着
    • 分割型の後払い(BNPL)は78%が知らない。知っていても、利用したい消費者は3割強に留まる

    年代問わず約4割がECで後払い経験あり

    ECサイトの支払い方法として後払いの利用経験を確認したところ、各年代で大きな差はなく、43.9%が「利用したことがある」と回答した。

    年代別では40~50代の中高年層の割合が高く、60代以上は38.6%と他の年代と比較して4割を切ったものの、中高年・シニア層にも後払いが利用されていることがわかった。

    ECサイトでの後払いの利用経験に対する年代別の調査結果
    ECサイトでの後払いの利用経験に対する年代別の調査結果

    年代が上がるほど支払い時の安心感を重視

    後払いを選ぶ理由は、全年代で「届いた商品を確認してから支払いたい」が1位だった。この傾向は年代が上がるほど顕著に現れ、60代以上では55%と半数以上が選択している。

    50代以上の年代ではクレジットカードのセキュリティを懸念する理由が2位となっており、中高年・シニア層ほど、ECサイトなど非対面取引での支払いに安心感を重視する傾向が見られる。

    中高年になるほど後払い決済の理由に「商品を確認してから支払いたい」をあげる人が多い結果に
    中高年になるほど後払い決済の理由に「商品を確認してから支払いたい」をあげる人が多い結果に

    後払いを利用しない理由「他の決済方法を利用している」が最多

    後払いを利用しない理由は、全年代で「他の決済方法を利用している」が最も多かった。各年代ともに他の回答に大きく差をつけている。

    クレジットカード保有率の高い50代、シニア層は8割以上が「他の決済方法を利用している」を選択。一方で、20~30代は他の年代と比較して67.7%と低く、クレジットカードを持たない若い年代が後払いを選択するケースが多いことがわかる。

    20~30代は「支払いを忘れてしまうから」「現金で払わないといけないから」「払込票をなくすかもしれないから」という理由の割合が40代以上の年代と比較して高い。3位には「コンビニ・郵便局に支払いに行くのが面倒」がランクインしていることも含め、支払い時の手間を避けたいという意向がうかがえる。

    後払いを利用しない理由には手数料がかかることや「支払いが面倒」という意向もみられた
    後払いを利用しない理由には手数料がかかることや「支払いが面倒」という意向もみられた

    後払い利用率が高い商品価格帯は「1000円~1万円未満」

    後払いの利用意向は「1000円~1万円未満」の価格帯の商品購入時に高く、年代による大きな差異は見られなかった。後払いで購入したことがある商品・サービスは、各年代ともに「ファッション」「化粧品・美容用品」「健康食品・サプリ」がトップ3を占めた。後払い利用率が高い価格帯は、これらの商品が影響しているものと推測される。

    後払いの利用はいずれの年代も100円~1万円未満の価格帯の商品が多い
    後払いの利用はいずれの年代も100円~1万円未満の価格帯の商品が多い
    ファッション、化粧品・美容用品、健康食品・サプリの購入時に後払いを利用する人が多いと想像できる
    ファッション、化粧品・美容用品、健康食品・サプリの購入時に後払いを利用する人が多いと想像できる

    手数料への抵抗感は年代が上がるほど強い結果に

    後払いの利用層、非利用層の双方に、許容できる後払いの手数料額を質問したところ、非利用層は9割が「手数料が発生するなら利用しない」を選択した。この一方、利用層は300円を上限に手数料を許容する傾向が見られた。

    20~30代の後払い利用者は52.9%が手数料を支払うことを許容しているが、年代が上がるほど割合は低下。購入金額以外のコストが発生することに抵抗感を覚える様子がうかがえる。

    手数量の許容範囲は中高年のほうがシビアな意見をもっていることがうかがえる
    手数量の許容範囲は中高年のほうがシビアな意見をもっていることがうかがえる

    ECの支払い方法に後払いも定着

    ECサイトでよく利用する支払い方法のTOP3は、全年代ともに「クレジットカード」「ID決済」「後払い」となった。

    中高年・シニア層はクレジットカードの利用比率が高いが、後払いも各年代で16~21%の割合で利用されている。ECサイトでの主要な支払い方法として定着していることがわかる。

    2位となった、PayPayや楽天ペイなどのID決済は、実店舗でのQRコード決済の普及や各種Pay事業者のプロモーションによる利用者の増加に伴い、ユーザーがECサイトでも使い慣れた支払い方法として利用しているためと考えられる。

    後払いはECの支払い方法で主要な手段の1つになっている
    後払いはECの支払い方法で主要な手段の1つになっている

    分割型の後払いは78%が「知らない」。

    分割型の後払い(BNPL)は海外を中心に注目を集めている。BNPLは「Buy Now Pay Later」の略称。この調査では、手数料がかからず購入代金を分割払いにできる後払いとして定義している。

    調査結果によると、BNPLは対象者の78.1%が「知らない」と回答した。メディアで取り上げられる機会が多いものの、一般消費者の認知度は日本ではまだ低いようだ。

    BNPLを知っていても、「利用してみたい」という回答者は32.5%に留まった。「他の支払い方法での支払いに慣れている」「支払いを先延ばしするのが嫌」などが理由にあげられた。

    BNPLは「知らない」「利用したくない」が大半。支払い方法として定着するのは時間がかかるとみられる
    BNPLは「知らない」「利用したくない」が大半。支払い方法として定着するのは時間がかかるとみられる

    調査概要

    • 調査内容:ECサイトでの支払い方法に関するアンケート調査
    • 調査方法:インターネット調査
    • 調査対象:全国20代~90代の男女
    • 有効回答数:4401人
    • 調査期間:2022年10月5日〜同年10月9日
    高野 真維

    楽天・三木谷社長が語った「モバイルに注力」「国内EC流通総額10兆円計画」【2023年新春カンファレンス講演要旨】 | 大手ECモールの業績&取り組み&戦略まとめ

    3 years 4ヶ月 ago
    楽天グループ・三木谷浩史会長兼社長の講演によると、2022年における楽天グループの国内EC流通総額は約5兆6000億円で前期比11.2%増

    「今年(2023年)のテーマはモバイル!! モバイル!! モバイル!! モバイル!!」。楽天グループが1月26日に実施した「新春カンファレンス」に登壇した三木谷浩史会長兼社長は、2023年はモバイルに注力すると宣言。「楽天市場」出店者に対して、楽天モバイルの成長が流通総額の拡大に貢献すると強調した。「次は10兆円」と目標に掲げる流通総額をどのように拡大させるのか。三木谷社長が語った楽天グループの方針をまとめた。

    楽天・三木谷社長が語った「モバイルに注力」「国内EC流通総額10兆円計画」【2023年新春カンファレンス講演要旨】

    2022年の国内EC流通総額は5.6兆円、次の目標は10兆円超え

    三木谷社長の講演によると、2022年における楽天グループの国内EC流通総額は約5兆6000億円で前期比11.2%増。

    2021年度(2021年1~12月期)は前期比10.4%増の5兆118億円、2020年度(2020年1~12月期)は同19.9%増の4兆4510億円で、順調に流通総額は拡大している。

    楽天・三木谷社長が語った「モバイルに注力」「国内EC流通総額10兆円計画」【2023年新春カンファレンス講演要旨】 2022年
    国内EC流通総額の推移

    その要因にあげられるのが楽天モバイル。三木谷社長は「楽天モバイルが『楽天市場』の購買額増に大きく貢献している」と説明する。

    2022年1月~2022年12月のMNO契約者(1年以上の利用者)を見てみると、MNO契約後における契約ユーザー1人あたりの「楽天市場」流通総額額は49%増えている。

    楽天・三木谷社長が語った「モバイルに注力」「国内EC流通総額10兆円計画」【2023年新春カンファレンス講演要旨】
    楽天モバイルユーザーの「楽天市場」への貢献度

    また、楽天モバイルユーザーのクロスユース成長率では、楽天モバイル契約時に使用している楽天グループのサービスは平均4.46個だが、契約後1年で平均2.58個の増加。2022年12月時点のMNOユーザーのサービス利用率は「楽天市場」が86%に達している。

    楽天・三木谷社長が語った「モバイルに注力」「国内EC流通総額10兆円計画」【2023年新春カンファレンス講演要旨】
    楽天モバイルユーザーのクロスユース成長率

    楽天モバイルに契約すると、平均4.5個だった使用サービスが1年後に7個になる。楽天モバイルの契約者数が1500万人、2000万人に増えれば流通総額は最低でも50%上がると考えている。モバイルユーザーが2000万人加入で累計流通総額は2兆5000億円アップの効果がある。(2022年度の流通総額)5.6兆円に、(モバイルユーザー拡大効果の)2.5兆円で8兆1000億円。(出店者の)皆さんの力であと1兆9000億円を伸ばせば流通総額は10兆円に達する。(三木谷社長)

    楽天・三木谷社長が語った「モバイルに注力」「国内EC流通総額10兆円計画」【2023年新春カンファレンス講演要旨】
    モバイルユーザー拡大の効果

    三木谷社長がモバイルに注力する理由

    楽天モバイルは、ソフトバンクさん、auさん(KDDI)、NTTドコモさんのような携帯会社を始めようということではない。楽天エコシステムにもう1つ巨大なプラットフォームを作るというのが基本的な発想だ。このエコシステムによって、(出店者の)皆さんの流通総額を増やして行くことがベースになる。(三木谷社長)

    三木谷社長は巨大なエコシステムを構築することによって、祖業である「楽天市場」のさらなる流通総額拡大、出店者の業績アップにつなげようと考えている。

    楽天モバイルがミッションとして掲げるのが「携帯市場の民主化」。今後の5G・IoT時代に求められる「大容量」「低価格」「高品質」なサービスを提供することで、楽天モバイルユーザーを拡大。三木谷社長は、ユーザー数の増加が流通総額の増加につながり、「楽天市場」に好循環をもたらすと強く考えている。

    楽天・三木谷社長が語った「モバイルに注力」「国内EC流通総額10兆円計画」【2023年新春カンファレンス講演要旨】
    成長サイクルについて

    楽天モバイルが成功成功すれば、楽天モバイルのお客さまはもっともっと「楽天市場」で商品を購入する。楽天モバイルの加盟者が増えれば増えるほど流通総額は自動的に上がっていく。(三木谷社長)

    こうした考えを踏まえて、三木谷社長は出店者にこう訴えた。

    (出店者の)皆さんは、「楽天市場」の経営と楽天モバイルは切り離して考えているかもしれない。流通総額10兆円計画の大きな柱の1つが楽天モバイル。楽天モバイルユーザーのどのような人が、「アマゾンで買ってるのか」「Netflixをどのくらい見てるのか」「そのようなサービスとどんな相関関係があるのか」――といったデータをを分析することもできるようになる。こうしたデータ分析を通じて「楽天市場」のAI(人工知能)もどんどん進化させていく。これによって「楽天市場」の流通総額を上げていく。

    楽天・三木谷社長が語った「モバイルに注力」「国内EC流通総額10兆円計画」【2023年新春カンファレンス講演要旨】
    楽天エコシステムについて
    瀧川 正実

    バックヤードでECや店舗を支えるチーム・人を表彰するアイルの取り組みとは?「業務の効率化や売上のためだけではなく、顧客を思うLOVEがある」

    3 years 4ヶ月 ago

    アイルは、企業・ネットショップ・実店舗のバックヤードに従事するスタッフ・チームを表彰する「BACKYARD AWARD(バックヤードアワード)」を、バックヤードプラットフォーム「BACKYARD(バックヤード)」のサイトで公開した。

    バックヤードを表彰。ECは業界初

    「BACKYARD AWARD」は、アイルが店舗のバックヤードのスタッフ・チームを表彰するアワード。「バックヤードの人々は、日々地道に努力し、顧客を思った対応や創意工夫をしながら、企業やショップを裏側から支えている」(アイル)とし、アワードは一緒に働くスタッフからの推薦によって贈られる。

    今回のアワードの名称は「BACKYARD AWARD 2020-2021」。コロナ禍でネットショップが市場全体の購買インフラとなり、これまでと違った対応を求められた時期であり、大変な時期を支えたバックヤードに携わるスタッフを表彰した。

    アイルがこうしたアワードと感謝の場を設けるのは、バックヤードがクリエイティブでポジティブな場所であることの認知を向上させるため。次回は「BACKYARD AWARD 2022-2023」の実施を予定している。

    受賞者掲載のオリジナル冊子を贈呈

    「BACKYARD AWARD」では、オリジナルケース、オリジナルトロフィー、受賞者が掲載されているオリジナル冊子「AWARD BOOK」をセットにして贈呈する。「AWARD BOOK」は、各受賞者が表紙を飾る。

    オリジナルケースに冊子やトロフィーを入れたセットを受賞者に贈呈
    オリジナルケースに冊子やトロフィーを入れたセットを受賞者に贈呈
    各受賞者が表紙のオリジナルブック「AWARD BOOK」を各受賞に贈る
    各受賞者が表紙のオリジナルブック「AWARD BOOK」を各受賞に贈る

    「AWARD BOOK」は、チーム賞と個人賞で構成する。

    TEAM AWARD(チーム賞)掲載イメージ :ヤッホーブルーイング
    TEAM AWARD(チーム賞)掲載イメージ :ヤッホーブルーイング
    INDIVIDUAL AWARD(個人賞)掲載イメージ:じゅうたす
    INDIVIDUAL AWARD(個人賞)掲載イメージ:じゅうたす

    AWARD贈呈を一緒に働く人への感謝の機会に

    アイルは「BACKYARD AWARD」を2014年に立ち上げた。社長や店長、同僚やフロントスタッフ、パートナー企業や仕入先、時には夫婦間で「いつも支えてくれてありがとう」と日頃の感謝を伝える機会にしてほしいという思いからという。

    画像は淡路島で実家の家業を継ぎ、タマネギを栽培・販売しているケンちゃんファームの代表 天野倫子さんと夫の純一さん
    画像は淡路島で実家の家業を継ぎ、タマネギを栽培・販売しているケンちゃんファームの代表 天野倫子さんと夫の純一さん

    たとえば、ケンちゃんファームの天野さんは、平日は会社員、土日は農業、平日の夜はバックヤード業務を行っている夫・純一さんへ「BACKYARD AWARD」を贈呈した。

    「純一さんの顧客との日頃の丁寧なやりとりが信頼につながり、そのおかげで会社が前に進めている。いつもありがとう」――。そんな感謝の気持ちを、AWARDの贈呈とともにメッセージで伝えているという。

    「BACKYARD AWARD」の表彰にあたり、アイルは次のようにコメントを発表している(編集部が抜粋)。

    バックヤードの姿からその企業・ショップらしさを感じることができる。その背景には、業務の効率化や売り上げのためだけではなく、(顧客を思う)ありのままのLOVEがある。

    日々の業務を重ねていくことで世の中へ“らしさ”として伝わり、顧客と深いつながりが生まれる。この“らしさ”を表彰する活動が「BACKYARD AWARD」。直接対面する機会が少なくなるこれからのオンライン時代こそ、バックヤードのLOVEから生まれる“らしさ”に光があたる時代になると信じている。

    ECのバックヤードを表彰するコンテンツの公開は国内で初(2023年1月時点、アイル調べ)。

    バックヤードプラットフォーム「BACKYARD」とは

    業務の効率化だけにとどまらず、バックヤードによる風土文化や価値観である“らしさ” の創造、“らしさ”に共感するファンの創造を、クラウドサービス、イベント、アワードといったコンテンツで複合的に支援するプラットフォーム。バックサイドから変革につなげる BX(バックサイドトランスフォーメーション)を実現をサポートする。

    高野 真維

    老舗通販「ディノス」とスタートアップ「KANADEMONO」に共通する課題とは? ECプラットフォーム「Shopify」と語る

    3 years 4ヶ月 ago
    創業50年超の「ディノス」と創業間もない「KANADEMONO(カナデモノ)」。両社に携わる石川森生氏が、顧客との関わり方、マーケティングのあり方を語る
    [AD]

    創業1971年のDINOS CORPORATIONが手がける通販ブランド「ディノス」と、6年前に創業しオーダー家具をネットで販売するD2Cブランド「KANADEMONO」。DINOS CORPORATIONのCECO(Chief e-Commerce Officer)を務めながら数多くのEC事業に携わり成果を出してきた石川森生氏は、「KANADEMONO」を運営するbydesignの取締役社長も務めている。松本好司氏はbydesignでマーケティングチームとコンテンツチームの両方を管理しているゼネラルマネージャーという立場だ。

    老舗通販とスタートアップ企業、まったくフェーズは異なるが、共通する課題は「パーソナルかつ長期的な顧客体験」を築き上げることだという。Shopify Japanの伊田聡輔氏をモデレーターに語り合った。

    D2Cを半世紀続ける「ディノス」

    「ディノス」に関してはD2Cという言葉が存在する前から、本質的にはD2Cと言われる形態でビジネスを行っている。現在では何かしら独自のサービスや商品がないと選ばれ続けることはない。選ばれるためのコミュニケーションやサービス設計こそがD2Cの本質だと考えている。そういう意味では「ディノス」がやってきたことはD2Cそのもの。(石川氏)

    情報の量や質、伝える手段などは時代と共に変化する。テレビショッピングから出発し、カタログ、DMといった媒体を通じてコミュニケーションも取る「ディノス」だが、当然デジタルでのコミュニケーションも重視している。

    dinos(ディノス) 
    DINOS CORPORATIONが運営するECサイト「dinos(ディノス)

    一方で、インターネットでは他社の情報も取得しやすく、すぐに比較検討されてしまうため、独自性が出しにくいという欠点もある。差別化や優位性を出せるという意味では、以前からノウハウが蓄えられている紙やテレビによるコミュニケーションも堅持していかなくてはいけないという。

    これまでのようにカタログ数百万部を一斉に送付するというやり方だけでは、多様化するニーズに追い付けない。我々が得意としているアナログのコミュニケーションを今の時代にどう最適化していくか、デジタルを活用して体験をいかにリッチにしていくかといった方向性に振っていきたい。(石川氏)

    DINOS CORPORATION CECO、bydesign 取締役社長 石川森生氏
    DINOS CORPORATION CECO、bydesign 取締役社長 石川森生氏

    カタログ通販は「オワコン」か?

    現在も「ディノス」の集客、認知、リテンションの喚起といったメイン媒体はネットではなくテレビや紙のカタログだ。

    世の中のイメージとして「カタログ通販ってオワコンだよね」と思っている人は多いし、実際カタログを見ながら家で買い物をする習慣はそんなにないと思われているが、実はその習慣が好きな方は今もたくさんいらっしゃる。(石川氏)

    「ディノス」のカタログ
    「ディノス」が発行しているカタログの一例

    「『ディノス』のカタログを見る時間がエンタメとして楽しい」という昔ながらの顧客層に対しては、「ディノス」のMDが厳選した商品をきちんと伝える紙やテレビのコンテンツを引き続き守る必要がある。しかし、それには膨大なコストがかかる。一般的な事業者なら、CPA(Cost Per Acquisition)が安いネットのチャネルに顧客を誘導することを目標にするはずだ。

    もちろんCPAの議論はするが、CPA自体はすごく断片的なKPIでしかない。安いコストで会員を獲得できたらゴールかというとそうではない。その後ろにつながるLTV(Life Time Value)まで含めて評価をしなければ意味がない。(石川氏)

    たとえば「初回無料」にすればCPAを抑えつつ顧客を獲得できるが、そこで獲得した顧客が継続してそのサービスを利用しなければ事業全体としては効果が高いとは言えない。もちろん「ディノス」も長期間利用してもらうための施策を打っているが、効果が高いのはカタログやハガキのDMだという。

    WebでCPC(Cost Per Click)を抑えながら顧客を獲得し、それだけではLTVが伸ないことがわかっているので、そこに我々なりの接客やCRMを噛ませていく。そのなかにカタログやハガキも混ぜることで全体のLTVが押し上げられ、CPA効率が良くなるという戦略をとっている。(石川氏)

    「KANADEMONO」の課題はチームビルディング

    一方、2016年に創業した「KANADEMONO」が感じる課題やチャレンジはどのようなものだろうか。

    「KANADEMONO」はテーブルや棚のサイズオーダーが無料という独自性で急速に成長してきた。スタート時は少数精鋭で駆け抜けてきたが、サービスが大きくなるにつれてメンバーも増え、組織的な見直しが必要なフェーズに入ってきているという。

    KANADEMONO(カナデモノ)
    bydesignが運営するECサイト「KANADEMONO(カナデモノ)

    これまでは走れるメンバーが走ることで事業が成り立ってきたが、それぞれが持っているスキルセットもポテンシャルも暗黙知になっているものがほとんどのため、それを言語化、形式化してチームに浸透させ、チームを広げていくというチームビルディングのようなところが次の課題。(松本氏)

    逆に「ディノス」はそういったチームビルディング的なフェーズははるか昔に越えており、それよりはこれまで築いてきた運用フローをどう崩して進化させるかということに執心しているという。「フェーズは全然違うのに、悩んでいるところが実は似ているというおもしろい状態」と石川氏。

    このような変化のなか、マーケティング部門を取り仕切る立場である松本氏の仕事内容も変わっていったのだろうか。松本氏は「社内の組織作りも広い意味でマーケティングに含まれる」と主張する。

    一般的にマーケティングの仕事と言われている施策を打ったり広告を打ったり数値を分析したりといったことはもちろん大事だが、実は組織をどう運営していくかということも大事。ここも含めてのマーケティング。(松本氏)

    bydesignマーケティング・コンテンツチームゼネラルマネージャー 松本好司氏
    bydesignマーケティング・コンテンツチームゼネラルマネージャー 松本好司氏

    顧客との良好な関係を築くために必要なこと

    ここからは顧客との良好な関係を築くために必要な3つのポイントについて語る。

    ①「顧客へのアプローチは点ではなく面で」

    マーケティングの現場では、「この広告からトランザクションが何%発生した」というように、施策の結果を単発的な「点」で捉えがちだが、「お客さまの生涯で何年付き合ってくれるのか」というように、「面」で捉えるのが重要だと石川氏は語る。

    「ディノス」が得意とするハガキやカタログによるコミュニケーションは、競合が進出しにくく、ある意味ブルーオーシャンだという。デジタルのチャネルも押さえつつ、アナログの有力なチャネルも持っているという利点を活かし、両面から顧客にアプローチしている。

    ②「初期にはタッチポイントを増やすことが大事」

    多種多様な商品を扱う「ディノス」に対し、「KANADEMONO」はネット専業のオーダー家具販売が主業だ。顧客獲得やブランディングはどのように行なっているのだろうか。松本氏はタッチポイントの「量」を大事にしていると言う。

    もちろん長期的な関係性やブランディングという意味では質も大事だが、接点がなくなってしまったら元も子もない。配信の量を担保することでタッチポイントを持ち続けることを意識している。

    配信するのはサイトのコンテンツや広告、メルマガなどはもちろん、InstagramやTwitter、PinterestといったSNSも含まれる。ECサイト内だけですべてをやり切ると言うよりは、それぞれのタッチポイントに意味を持たせて、その場所でやるべきことをきちんと発信していくのが関係性を続ける重要なポイントだと考えている。(松本氏)

    半世紀の歴史を持ち多くの顧客を獲得している「ディノス」は、紙媒体を活用して顧客に定期的なプッシュ・コミュニケーションが行えるだけのビジネス資産を有している。だが、「KANADEMONO」はまだ既存顧客とのコミュニケーションから継続的な利益回収ができるほどの顧客リストを保有しているわけではないので、SNSなども含め発信量は増やす必要があるが、無闇に増やしても効率は上がらない

    「もしかしたらそこには世界観の存在が必要条件かもしれませんね」と石川氏は語る。「量は出すが、あからさまに売りに行くという感じではなく、ブランドの世界観がわかるコンテンツをきちんと置いておき、それが好きな方たちに来てもらうという感覚に近い」と石川氏は解説する。

    マーケティングでは「コンテンツを売りに行く」とか「当てに行く」といった表現があるが、そうではなく、ふと気が向いたときに自分に好みにぴったりな家具が見つかるように「置いておく」という戦略だ。

    ③「紙とディスプレイの違いを理解し相互に補完させる」

    石川氏は紙とネットが果たす役割について、「脳科学では、同じ情報でも紙を見たときとディスプレイを見たときでは脳の受け取り方が違う」と語る。紙は反射光という暗闇では見えない光、ディスプレイは透過光という自らが発している光に分類されるが、人間の脳は反射光の方がキャッチしやすいという実験結果が出ているという。

    大昔は電気などなかったので人間は暗闇で情報をキャッチすることが苦手だったが、今でもその傾向はあるようだ。このことから、今の若い世代も紙に忌避感は持っていないのではないかと考えた。お客さまが意思決定する際、デジタルだけではなく紙でアプローチできるのは、実は我々の強みと考える。そういう意味でデジタルと紙の役割や機能はまったく違うため、紙がなくなることはまずない。(石川氏)

    驚異的なShopifyの開発スピード

    「KANADEMONO」が利用するECプラットフォーム「Shopify」は、EC事業者の成長に必要な機能をワンストップで提供するプラットフォームだ。亀田製菓、Francfranc、Ankerなどが導入しており、導入企業の売上規模は世界で100万米ドルから5億米ドルまでさまざまだ。

    「Shopify」のサービス概要
    「Shopify」のサービス概要

    「Shopify」について、Shopify Japan シニア セールスリードの伊田聡輔氏は「Shopifyは決して自社ECサイトだけを作るためだけのツールではない。SNSを含めいろいろなチャネルで事業主が届けたい情報を届けられるプラットフォームでありたいと思っている」と話す。

    Shopify Japan シニア セールスリード 伊田聡輔氏
    Shopify Japan シニア セールスリード 伊田聡輔氏

    「Shopifyが創業当初から発信しているヘッドレスコマースという概念に共感している」と語るのは石川氏。「ディノス」はインターネット以前からビジネスを行なっているため、データベースがインターネットに最適化されておらず、EC側で新しいことをやろうとすると基幹システムを改造する必要が出てくるのだという。

    一方で、ヘッドとなるチャネルはどんどん増えていくため、基幹システムの柔軟性がないということが足かせになってしまっている。

    「Shopify」はコマースのパッケージではなくデータベースそのものだと思っている。今後はいろいろなヘッドに対してAPIで柔軟にデータベースをつなぎ込んでくれる、そういう方向性のソリューションを期待したい。(石川氏)

    基幹システムを作り変えるとなると大変だが、「Shopify」側にデータを渡しておけば、ありとあらゆるチャネルで顧客とのリレーションが構築できるソリューションだと考えると可能性が広がりそうだ。

    また、「Shopify」の開発スピードについて、石川氏は「スクラッチで作っている我々からすると本当に驚異的。機能拡張プラットフォームとしても素晴らしい」と絶賛。

    最近だと脱酸素やカーボンニュートラルの動きが世界的に出てきているが、そういうトピックに素早く対応しようと探してみると、すでに「Shopify」に関連アプリが実装されていた。このあたりのスピード感は引き続き担保してもらえるとありがたい。(松本氏)

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    田口和裕

    メイン利用しているECサービスの1位、Webは「楽天市場」、アプリは「Amazon」

    3 years 4ヶ月 ago

    MMDLaboが運営するMMD研究所が実施した「ECサイトとアプリに関する利用実態調査」によると、メイン利用しているECサービスは、Web利用者とアプリ利用者ともに「楽天市場」「Amazon」が上位にあがった。

    予備調査は18歳~69歳の男女7000人、本調査はメイン利用がECアプリのみの人127人。期間は2023年1月1日~1月5日。

    メイン利用しているECサービストップ、Webとアプリいずれも「楽天市場」「Amazon」

    ECを利用している人に、Webとアプリそれぞれでメイン利用しているECサービスを聞いた。Webでは、Webのみ利用者は「楽天市場」(41.9%)、併用利用者は「Amazon」(31.7%)がそれぞれトップだった。

    アプリでは、アプリのみ利用者は「Amazon」(44.0%)、併用利用者は「楽天市場」(32.2%)がそれぞれトップだった。

    MMD研究所 ECサイトとアプリに関する調査 EC利用者のWebとアプリの利用状況
    メイン利用しているECサービス(利用状況別、上位5位抜粋、出典:MMD研究所)

    ECサイト利用者、とWebとアプリ併用は69.9%

    予備調査対象者にECのWebとアプリの利用について聞いたところ、「WEBのみ」が16.9%、「アプリのみ」が7.8%、「WEBとアプリを併用」が57.3%、「両方利用していない」が18.0%となった。

    MMD研究所 ECサイトとアプリに関する調査 ECにおけるWebとアプリの利用について
    ECにおけるWebとアプリの利用について(n=7000、出典:MMD研究所)

    次に、ECを利用している人のWebとアプリの利用状況を見てみると、「Webのみ」は60代(33.5%)、「アプリのみ」は10代(16.0%)、「Webとアプリを併用」は20代(76.9%)がそれぞれトップだった。

    MMD研究所 ECサイトとアプリに関する調査 EC利用者のWebとアプリの利用状況
    ECにおけるWebとアプリの利用率(年代別、n=5737、出典:MMD研究所)

    月1回以上のECサイト利用、Webのみは53.0%、アプリのみは63.0%

    ECサイトをメイン利用している人に、メイン利用しているECサイトの利用頻度を聞いたところ、月1回以上の割合はWebのみ利用者が53.0%、Webとアプリ併用利用者が66.2%だった。

    MMD研究所 ECサイトとアプリに関する調査 メイン利用しているECサイトの利用頻度
    メイン利用しているECサイトの利用頻度(利用状況別、出典:MMD研究所)

    ECアプリをメイン利用している人に、メイン利用しているECアプリの利用頻度を聞いたところ、月1回以上の割合はアプリのみ利用者が63.0%、Webとアプリ併用利用者が70.2%だった。

    MMD研究所 ECサイトとアプリに関する調査 メイン利用しているECアプリの利用頻度
    メイン利用しているECアプリの利用頻度(利用状況別、出典:MMD研究所)

    ECサイトメイン利用者、アプリ利用しない理由トップは「Webで十分」

    メイン利用がECサイトのみの人にECアプリを利用しない理由を聞いたところ、最多は「Webで十分だから」(42.8%)で、次いで「Webの方が使いやすいから」(39.9%)「アプリの画面が見にくいから」(21.7%)だった。

    MMD研究所 ECサイトとアプリに関する調査 メインがECサイト利用者がアプリを使わない理由
    メインがECサイトのみ利用者がECアプリを使わない理由(n=1583/複数回答可、出典:MMD研究所)

    「ECアプリを利用しない理由がある」と回答した人に、ECアプリを利用しない理由が解決できればアプリを利用したいか聞いたところ、Webのみ利用者は「とても利用したいと思う」が3.9%、「やや利用したいと思う」が22.8%で、合わせて26.7%が「利用したいと思う」と回答した。

    メインがWebのみのWebとアプリ併用利用者が「とても利用したいと思う」が6.4%、「やや利用したいと思う」が40.9%で、合わせて47.3%が「利用したいと思う」と回答した。

    MMD研究所 ECサイトとアプリに関する調査 ECアプリを利用しない理由が解決できればアプリを利用したいか
    ECアプリを利用しない理由が解決できれば利用したいと思うか(利用状況別、出典:MMD研究所)

    ECアプリメイン利用者、Web利用しない理由トップは「アプリの方が使いやすい」

    メイン利用がアプリのみの人にECサイトを利用しない理由を聞いたところ、最多は「アプリの方が使いやすいから」(37.8%)で、次いで「アプリで十分だから」(29.1%)「アプリの方がお得だから」(18.9%)だった。

    MMD研究所 ECサイトとアプリに関する調査 メインがアプリ利用者がECサイトを使わない理由
    ECアプリのみ利用者、メインがECアプリのみの併用利用者が、ECサイトを使わない理由
    (n=127/複数回答可、出典:MMD研究所)

    メイン利用しているECアプリの満足度を聞いたところ、「とても満足している」が30.7%、「満足している」が55.9%で、合わせて86.6%が「満足している」と回答した。

    MMD研究所 ECサイトとアプリに関する調査 メイン利用しているECアプリの満足度
    メイン利用しているECアプリの満足度(n=127、出典:MMD研究所)
    調査実施概要
    • 調査タイトル「ECサイトとアプリに関する利用実態調査」
    • 調査方法:インターネット調査
    • 調査期間:2023年1月1日~1月5日
    • 調査対象:【予備調査】18歳~69歳の男女、【本調査】メインがECアプリのみの利用者
    • 有効回答:【予備調査】7000人、【本調査】127人
    • 設問数:【予備調査】8問、【本調査】4問
    藤田遥

    倉庫内を見学&売り上げアップの戦略を学べるセミナー「物流セミナー&倉庫見学会」【2/22開催】

    3 years 4ヶ月 ago

    スクロール360は2月22日(水)、EC通販事業者向けに「売上100億円に迫るナチュラムの戦略と物流を大公開 物流セミナー&倉庫見学会」をオフラインで開催する。

    ▼「売上100億円に迫るナチュラムの戦略と物流を大公開 物流セミナー&倉庫見学会」(2/22開催)

    セミナー 物流 倉庫見学会 スクロール360 ナチュラム

    スクロール360の物流現場を実際に見学しながら学べるセミナー。セミナーには、ナチュラム 取締役の橋本英浩氏、スクロール360 常務取締役の高山隆司氏が登壇し、「ECで100億円に迫る売上アップの秘訣」「絶好調のナチュラムを支えるバックヤード」について解説する。倉庫見学会では、在庫管理から梱包、出荷業務などの各工程を見学できる。

    こんな方にオススメ

    • どのような在庫管理を行っているのか、実際に見てみたい
    • 保管効率や作業効率を高める施策を、自分の目で確かめたい
    • EC通販の売り上げアップに悩んでいる
    • 具体的な成功事例を知りたい

    開催概要

    • イベント名:売上100億円に迫るナチュラムの戦略と物流を大公開「物流セミナー&倉庫見学会」
    • 日時:2月22日(水)15:30~18:00
    • 会場:スクロールロジスティクスセンター関西2(SLC関西2)(大阪府大阪市住之江区南港中1丁目4-140)
    • 参加費:無料(事前申し込み必要)
    • 定員:先着10名(1社につき2名まで)
    • 主催:スクロール360
    • 申込期限:2月17日(金)17:30まで
    • 詳細と申し込みhttps://www.scroll360.jp/topics/20230130-6962/
    藤田遥

    TOKYO PRO Market市場に上場したアウトドア用品「Orange」運営のEC企業「ミモナ」とは

    3 years 4ヶ月 ago

    アウトドア用品のEC事業やアウトドアショップ「Orange」を運営するミモナは1月26日、東京証券取引所が運営するプロ向け株式市場「TOKYO PRO Market」へ株式を上場した。

    事業はミモナ、連結子会社であるエストレードの2社で構成。EC・店舗運営・卸売の「アウトドアスポーツ事業」、エストレードの「工業用製品事業」の2事業を手がけている。

    アウトドア用品のEC事業やアウトドアショップ「Orange」を運営するミモナは1月26日、東京証券取引所が運営するプロ向け株式市場「TOKYO PRO Market」へ株式を上場
    ECサイトの「Orange」(画像は特定証券情報から編集部がキャプチャ)

    主力事業は「アウトドアスポーツ事業」で、アウトドア商品をEC、店舗、卸売のチャネルで販売。有名ブランドとのコラボレーション商品を展開し、日本全国に商圏を広げている。

    自社で立案・企画を手がけ、アウトドア商品のプライベートブランド「MIKAN」を販売。厚生労働省の除去用医薬部外品承認済みの蚊取り線香「ザ・パンチ」、スプレータイプでヤブ蚊・マダニか ら体を守る「ザ・ディフェンダー」、アウトドアでも家でも使えるIH対応のホーローダッチオーブン、「置く、吊るす、くっつける」を実現した3wayランタンなどの商品をそろえている。

    万能調味料「アウトドアスパイスほりにし」はキャンパーに人気のヒット商品。20種類以上のスパイスや調味料をブレンドしたオールインワンスパイスで、アウトドア業界では定番の調味料としてシリーズ累計販売本数200万本を突破している。

    アウトドア用品のEC事業やアウトドアショップ「Orange」を運営するミモナは1月26日、東京証券取引所が運営するプロ向け株式市場「TOKYO PRO Market」へ株式を上場
    人気商品の「ほりにし」(画像は特定証券情報から編集部がキャプチャ)

    直近決算となる2022年5月期の売上高は、前期比20.8%増の31億6300万円、経常利益は同369.5%増の4億4200万円、当期純利益は同358.5%増となる2億9800万円。連結売上高は35億8300万円。

    セグメント別の売上高は、アウトドアスポーツ事業におけるECが18億2400万円、同事業による店舗運営が7億7500万円、同事業による卸売りが7億2600万円、工業用製品事業による卸売りが1億7800万円など。なお、グループ売上高の約50.9%をECが占めている。

    アウトドア用品のEC事業やアウトドアショップ「Orange」を運営するミモナは1月26日、東京証券取引所が運営するプロ向け株式市場「TOKYO PRO Market」へ株式を上場
    直近業績(画像は特定証券情報から編集部がキャプチャ)

    ミモナは2006年、現在の代表取締役である池田道夫氏が和歌山県伊都郡かつらぎ町に「株式会社ミモナ」を設立。スノーボード、スポーツ用品のネット販売からスタートした。現在はECモール店と自社ECの全7店舗を運営している。

    2011年12月に現在の所在地である和歌山県伊都郡かつらぎ町新田に本社を移転。主力販売商品を切り替え、2014年には実店舗「アウトドアショップ Orange」をオープンした。現在、和歌山県のほか、大阪府、茨城県、神奈川県、三重県に事業を拡大している。

    アウトドア用品のEC事業やアウトドアショップ「Orange」を運営するミモナは1月26日、東京証券取引所が運営するプロ向け株式市場「TOKYO PRO Market」へ株式を上場
    事業系統図(画像は特定証券情報から編集部がキャプチャ)

     

    石居 岳

    わかさ生活が基本給アップ、社員は平均15%給与増。ベア実施で従業員の生活を支援

    3 years 4ヶ月 ago

    わかさ生活は2月、基本給を一律で底上げするベースアップ(ベア)を実施する。

    世界情勢の悪化に伴う物価高騰など、不安定な経済状況が続いていることに対応する。

    わかさ生活はこれまで、全従業員を対象に複数回の生活応援手当を支給してきた。従業員が経済的に安心して勤務できるよう、一時的な支援ではないベアの実施を決めた。

    社員は平均15%の給与増額になるという。また、給与改定はパートスタッフも対象にしている。

    中小企業である弊社にとって本件は難しい判断だったが、共に働く仲間の不安を取り除き、心が豊かになる環境を整えることが、会社成長の基盤になると考えている。わかさ生活は目の総合健康企業のパイオニアとして、これからも世界中の目で悩んでいる方の未来を明るく照らす活動を続けていく。(わかさ生活)

    瀧川 正実
    確認済み
    50 分 30 秒 ago
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