ネットショップ担当者フォーラム

実店舗とECサイトの価格差をどれくらい? 消費者の購買習慣を変えているインフレの今 | 海外のEC事情・戦略・マーケティング情報ウォッチ

3 years 6ヶ月 ago
インフレが消費者の購買習慣を変えていることは明らかです。今後、低価格を提供できるオンライン小売事業者であれば、大きなアドバンテージを得ることができるかもしれません

この1年の間に、14 のカテゴリーのうち 10 のカテゴリーで、小売価格全体の上昇率はオンライン価格のそれを上回りました。もしこの傾向が続くなら、オンライン小売事業者は、特にこれからのホリデーシーズンにおいて、価格に敏感な消費者にアピールすることができるかもしれません。

このコラムは、eコマースの取材を行っている『Digital Commerce 360』のドン・デイヴィス編集長が担当しています。

家具、コンピュータ、玩具、スポーツ用品でオフラインの価格が大幅に上昇

インフレは大きな問題です。もし、オンライン価格が店頭よりも緩やかに上昇しているとしたら、それは大きな話題になるでしょう。そして現在、その兆候が見られます。

6月の「Adobe Digital Price Index」の価格変動を、米国政府が発表した同月の消費者物価指数と比較することで、この結論を導き出しました。高度に科学的な研究であるかのように装うつもりはありませんが、この結果は一考に値するでしょう。

政府の消費者物価指数に合致する、14のAdobe指数カテゴリーのうち、10のカテゴリーにおいて、12か月のインフレ率はオンライン小売よりも総合小売の方が高いという結果が出ました。

以下のカテゴリーでは、6月の小売価格全体の前年比上昇率がオンラインを上回りました。

  • 家具・寝具
  • コンピュータ
  • 玩具
  • スポーツ用品
  • 書籍
  • 衣料品
  • 宝飾品
  • 家電製品
  • 工具
  • リフォーム

また、いくつかのカテゴリーでは上昇率が大きくなっています。たとえば、家具/寝具では、6月までの12か月間に、小売価格の合計がすべてのチャネルで13.1%上昇。それに対し、オンラインは4.63%の上昇にとどまりました。リフォームなど他のカテゴリーでは、その差はごくわずかです。

2022年6月と2021年6月の比較では、4つのカテゴリーでオンライン価格の上昇率が高くなりました。食料品、非処方箋薬、ペット用品、医療機器・用品です。しかし、オンラインと小売総額の差はまだ小さいままです。

最も差が大きかったのは医療機器で、オンラインでは10.5%の上昇、実店舗を含む全チャネルでは5.9%の上昇にとどまりました。

14のカテゴリーを平均すると、オンラインでの価格上昇は、すべての小売チャネルでの価格上昇よりも2.7ポイント低いものとなりました。

ほとんどの小売価格はオンラインとオフラインで同じ

表面的には、オンライン価格の方が安いというのは理にかなっています。なぜなら、オンラインショッピングでは、購入前にさまざまなECサイトの価格を簡単に比較することができるからです。そして、それが事実であることを示すデータもあります。

その研究は、マサチューセッツ工科大学の経済学教授であるアルベルト・カヴァロ氏が2016年に行ったもの。カヴァロ氏が調査した10か国では、オンラインとオフラインで価格が同じケースが72%(米国は69%)あったそうです。しかし、違いがある場合は、ECサイトの価格の方が低いという傾向がありました。

注目すべきは、カヴァロ氏が商品カテゴリーによって大きな違いを発見したことです。衣料品と電子機器ではオンラインで価格が同じになる可能性が最も高く事務用品とドラッグストア商品ではオンライン価格が最も低いことがわかりました。

また、Adobeが2019年に新聞社USAトゥデイ向けに行った別の調査では、ほとんどの商品カテゴリーでオンラインがオフラインよりも早く値下がりしていることがわかりました。つまり、その傾向はコロナ禍以前からあったようです。

価格設定アルゴリズムがオンライン価格に与える影響

なぜ、店頭よりもオンラインの方が価格の下落が早いのでしょうか。消費者向けに金融情報を提供するBankrate.comのシニア・インダストリー・アナリストであるテッド・ロスマン氏は、オンライン小売大手の規模が一役買っている可能性があると言います。

たとえば、オフラインの価格は、世界のアマゾンに価格面で対抗できない中小企業が多く含まれているため、部分的には高いかもしれません

小売事業者が競合他社のオンライン価格を追跡し、「自社の価格を自動的に調整できるアルゴリズムが一役買っているかもしれない」とシンクタンクであるThe Brookings Institutionのザック・ブラウン氏とアレキサンダー・マッケイ氏は最近の研究でこう説明します。

しかし、オンライン小売事業者が競合他社に追随するために、活用している価格設定アルゴリズムを分析したところ、場合によっては、オンライン価格が上昇する可能性があることが示唆されました

高度なアルゴリズムを導入する仕入れ販売の小売事業者は、ライバルが販売価格に合わせてくるので、その場合は価格を下げる意味がないと判断する可能性があると主張しています。その代わりに、最も収益性の高い価格、つまりより高い価格で販売することになるのです。

一方、オンラインマーケットプレイスの役割の増大が、オンライン上の価格を低く抑えているのではないかという説もあります。Amazonのような大手ショッピングサイトでは、出品事業者は競合他社に売り上げを奪われないよう、常に価格を調整しなければいけません。

Digital Commerce 360』によれば、マーケットプレイスは現在、北米のオンライン販売の半分以上を占めています。

オンラインでのインフレとこれからのホリデーシーズン

これらの議論はすべてもっともだと思いますが、確信していることが1つあります。オンライン価格がオフライン価格よりも常に速く下落することはあり得ません。

なぜなら、時間が経つにつれ、オンライン価格があまりに低くなり、ほとんどの消費者が購買をECにシフトしてしまうからです。そうなれば、店舗を運営する小売事業者は、おそらく価格を下げることで対応せざるを得ないでしょう。

しかし、それは長期的な話でしょう。この1年、店頭よりもオンラインの方が早く価格が下がった可能性もあります。もしかしたら、前年からのトレンドが反転しているのかもしれません。あるいは、いくつかの大手小売チェーンが公言している問題ですが、過剰在庫を抱えた小売事業者が、ECサイトやオンラインマーケットプレイスを利用して、店舗中に大きな値引きサインを貼り付けるよりも目立たないように過剰商品を移動させたのかもしれません。

もしあなたがホリデーシーズンに低価格を提供できるオンライン小売事業者であれば、大きなアドバンテージを得ることができるかもしれません。インフレが消費者の購買習慣を変えていることは明らかです。11月と12月にバーゲンを提供できる小売業向けeコマース・サイトは、そのURLへ消費者が殺到することが予想されます。

この記事は今西由加さんが翻訳。世界最大級のEC専門メディア『Digital Commerce 360』(旧『Internet RETAILER』)の記事をネットショップ担当者フォーラムが、天井秀和さん白川久美さん中島郁さんの協力を得て、日本向けに編集したものです。

Digital Commerce 360

ヤフーとアスクル、「LOHACO」で標準より遅い届け日指定でPayPayポイント付与の「おトク指定便」、物流ピークの分散が目的

3 years 6ヶ月 ago

ヤフーとアスクルは8月28日から、一般消費者向けの日用品ECサイト「LOHACO PayPayモール店」「LOHACO by AKSUL(LOHACO本店)」(LOHACO)で、標準より遅い配達日を指定した場合、PayPayポイントを付与する「おトク指定便」の実証実験を開始する。

特定日の荷物量増加に伴う物流(出荷・配送)負荷を分散させることで、物流の安定確保や効率化といった物流業界におけるサステナブルな活動を実現するのが目的。注文が集中する毎週日曜日を対象に、8月28日から10月9日まで実施する予定。

ユーザーが「LOHACO」で商品を注文する際、購入後すぐに受け取る必要がない商品の配達日を標準より遅い日に設定した場合、PayPayポイントを付与する。ポイント付与は注文日の翌月第1週目に付与する予定。

PayPayポイント付与のイメージ

対象となる注文条件は、「LOHACO PayPayモール店」が1注文につき3850円(税込)以上、「LOHACO by ASKUL(LOHACO本店)」は1注文につき3300円(税込)以上。

「LOHACO PayPayモール店」では配送日の指定がない限り、注文商品を「優良配送」で最短翌日に配送。「LOHACO本店」も指定のない場合は、基本的に最短翌日に配達している。実証実験ではユーザーが急がない場合、メリットを提供して「おトク指定便」の選択を誘引することで、物流ピークを分散できるようにする。

今後は、すぐに届く必要がない商品は「おトク指定便」を選択できるようにすることで、ユーザーがニーズに合った配送方法を選択できるようにする。

ヤフーは実証実験を通じて、配送に関するユーザーのニーズを把握、検証。今後、対象店舗の拡大やキャンペーンの内容を検討して「欲しいものが欲しいときに届く」「欲しいものがお得に届く」といった買い物体験の向上につなげる。

石居 岳

通販・EC実施企業の5割が「市場規模横ばい」。消費の冷え込みを懸念する声も【2022年下半期以降の通販市場予想】 | 通販新聞ダイジェスト

3 years 6ヶ月 ago
通販新聞社が通販実施企業約600社を対象に行ったアンケート調査によると、2022年下半期以降の通販市場に予想について「横ばい」が49%、「拡大する」は40%、「縮小する」は11%だった

通販新聞社は7月、通販実施企業を対象に、今年下期以降の通販市場の予想、景況感についてのアンケート調査を行った。市場規模については「横ばい」と回答した企業の割合が半数を占めた。コロナの収束による特需の消失、物価高騰による消費マインドの冷え込みを懸念する意見が目立った。消費動向については「下がっている」とする回答が4割で最多となった。今後の市場はどうなっていくのか、各社から寄せられた声をみていく。

下期予想、コロナ収束を見こし「横ばい」が5割

本紙は主な通販実施企業約600社を対象に7月に実施した通販通教売上高調査に合わせてアンケートを実施した。

まず、「2022年下期以降の通販市場について、どう予想していますか」と質問し、「拡大する」「横ばい」「縮小する」の3つの選択肢のなかから選んでもらった。その結果、有効回答数のうち、「横ばい」と回答した企業は49%を占めた。「拡大する」は40%「縮小する」は11%だった。

通販新聞 2022年下半期以降の通販市場についての予想
2022年下期以降の通販市場についての予想

「横ばい」と予測した事業者の意見で目立ったのは、コロナ収束や物価高騰などの影響を受け、昨年までのような拡大基調は見込めないとの見方だ。

「コロナが正常化するにつれてリアル店舗で購入するお客さまが増えるため、一時的に通販市場は落ち着いた動きになるとみられる」(ファンケル)、「通販利用の継続拡大傾向と、新型コロナウイルス感染拡大影響の縮小影響により横ばいを想定」(ベルーナ)、「コロナによる緊急事態宣言などがあり、リアルで買い物する場所、人数が制限されていたのが、ウィズコロナによりそういった制限もなくなり、ネット、リアル、どちらも買い物の選択肢に入ったため横ばいになる」(プラグイン)、「コロナ禍に入り2年以上経ち、ECシフトが一気に加速し伸び続けていた為、新しい施策、戦略を投下しないと同様に成長はし辛い環境と考えている」(バロックジャパンリミテッド)、「経済全体の不透明感とコモディティー商品の値上げによる消費の冷え込み」(キッコーマンニュートリケア・ジャパン)、「スマートフォン・SNS使用率の増加による通販利用の定着化、国内も活動制限の緩和によるメイク品需要の回復が期待されるものの、物価高騰やインフレの影響から消費マインドの回復は依然として不透明」(ハーバー研究所)などの意見が多かった。

また、「コロナ禍の在宅需要は陰りを見せる一方で、外出・行楽・交流といった反動の需要が拡大しつつある。需要の足し引きで横ばい」(エー・ビー・シーメディアコム)、「経済活動が戻り消費が旅行や嗜好的な物にシフトしている」(ちゅら花)など、消費行動の多様化が起因するのではないかという意見のほか、「大手モールなどは拡大を続けるものの、コロナ禍の巣ごもり特需の終息により縮小・撤退する事業者が増加する」(ベルネージュダイレクト)などの意見があった。

「拡大」は4割、前回調査から半減

「拡大する」と回答した事業者の多くは、長引くコロナ禍の影響で通販利用が増加・定着し、今後も市場拡大に寄与するとの意見だ。

「コロナ禍で通販市場の存在感は大きくなり、消費者の生活にも通信販売が定着してきた」(新日本製薬)、「20年度の国内食品宅配マーケットが前年比15%で拡大していることもあり、順調な市場拡大が予想される」(オイシックス・ラ・大地)、「新規参入が多いから」(世田谷自然食品)、「コロナによって通信販売の利便性、安全性が評価され、今後も一定は定着すると想定される」(ジュピターショップチャンネル)などの意見があった。

一方、「長引くコロナ禍でメーカーのビジネスモデルや消費者の購買行動が急激に変化している。先行き不透明な状況ではあるが、デジタルシフトは継続する為、持続的な成長は維持」(マガシーク)、「ネット通販での購買行動が定着した上、各企業も更なる品揃えの充実や利便性の向上に取り組んでいることから、顧客離れは起きないと判断している。ただ、アフターコロナ下において店頭需要が回復傾向にあることから、通販市場の伸び率はやや鈍化すると思われる」(田中貴金属ジュエリー)など、不安要素を指摘する意見も見られた。

「縮小する」と予測した事業者の回答では「物価高による消費の低迷」(ニッポン放送プロジェクト)など、原油高や円安を懸念する意見が見られた。

※記事内容は紙面掲載時の情報です。
※画像、サイトURLなどをネットショップ担当者フォーラム編集部が追加している場合もあります。
※見出しはネットショップ担当者フォーラム編集部が編集している場合もあります。

「通販新聞」について

「通販新聞」は、通信販売・ネット通販業界に関連する宅配(オフィス配)をメインとしたニュース情報紙です。物品からサービス商品全般にわたる通販実施企業の最新動向をもとに、各社のマーチャンダイジング、媒体戦略、フルフィルメント動向など、成長を続ける通販・EC業界の情報をわかりやすく伝え、ビジネスのヒントを提供しています。

このコーナーでは、通販新聞編集部の協力により、毎週発行している「通販新聞」からピックアップした通販・ECのニュースや記事などをお届けしていきます。

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通販新聞

ローソンが化粧品ECを本格展開、ローソンエンタテインメントがコスメ通販サイト「morecos+(モアコス)」を開設

3 years 6ヶ月 ago

ローソンエンタテインメントは9月1日、コスメ通販サイト「morecos+(モアコス)」をオープンする。

「morecos+」は、国内外約500種類のブランド、約7000アイテムのコスメ・美容関連商品を取り扱うコスメ通販サイト。”コスメ×エンタメ”をテーマに、コスメをエンタメの側面を持つものとして捉え、顧客に”ワクワク・楽しい・嬉しい”コスメ商品や情報を提供するという。

ローソンエンタテインメントは9月1日、コスメ通販サイト「morecos+(モアコス)」をオープンする
ロゴとECサイトのイメージ

「morecos+」の特徴は、幅広いジャンルのタレントやアーティスト、コンテンツとのコラボレーションを通したオリジナル商品の企画や販売を行っていく点。チャットコマースを導入し、顧客との相互コミュニケーションを図りながら、お薦め商品の提案、問い合わせ対応で顧客の購入をサポートする。

「morecos+」で販売した商品は、全国のローソン、ミニストップでの商品受け取りの場合、送料無料(一部店舗除く)で対応。自宅配送は送料一律220円で届ける。また、利用に応じてPontaポインを貯めたり、ポイントを使用したりできる。

さらに、ローソングループ各社やローソンエンタテインメントの持つ各サービスと連携し、実店舗など場所との相互送客、ライブコマースによる販売、ローソングループ各社でのプロモーション展開なども行っていく。

瀧川 正実

「ZETA CX」シリーズ、「化粧品通販売上高ランキング2022」TOP50にランクインした多くの企業が導入

3 years 6ヶ月 ago

ZETAは、日本流通産業新聞社が発行する『日本流通産業新聞』(2022年6月30日号)の「化粧品通販 売上高ランキング 2022年版」のTOP50にランクインしている企業の多くがマーケティングソリューション「ZETA CX」を導入し、導入企業の占める売上高が化粧品業界全体の3分の2に及ぶと発表した。

化粧品を扱う企業では資生堂ジャパン、DECENCIAなどが導入している。

化粧品ならではの項目を活用した、絞り込みによるスムーズな検索を実現

EC商品検索・サイト内検索エンジン「ZETA SEARCH」では、化粧品ならではの項目である肌悩み「シミ/そばかす/美白/オイリー/テカリ/透明感/日焼け対策」や、商品タイプ「パウダー/クリーム/リキッド」を活用した絞り込みによるスムーズな商品検索で、ユーザーが好みの商品を快適に見つけられるECサイト作りを支援している。

JRE MALL ZETA SEARCH サイト内検索 EC商品検索
「ZETA SEARCH」の基本機能(画像は「ZETA CX」サイトからキャプチャ)

ユーザーが自分と近い年代、肌質のレビューのみを参考にできる

レビュー・口コミ・Q&Aエンジン「ZETA VOICE」では、評価ごとだけでなく、年代や肌質「普通肌/乾燥肌/脂性肌/混合肌/敏感肌/高敏感肌」、使用歴「あり/なし/モニター」でレビューを絞り込み、ユーザーが自分と近い年代や同じ肌質のレビュアーのレビューのみを参考にすることができる。

また、商品タイプごとに異なる質問を設定することができるため、星5段階評価だけでは判断が難しい実際の使用感を伝え、購入検討中のユーザーを後押しする商品情報の提供につなげている。

化粧品系ECにおける「ZETA VOICE」活用例

洗顔料やクレンジングカテゴリ

  • 洗い上がり(さっぱり~しっとり)
  • 泡立ち(ふんわり~しっとり)
  • メイク落ち(悪い~良い)

化粧下地カテゴリ

  • 肌なじみ(悪い~良い)
  • 使用感(さっぱり~しっとり)
  • 香り(やさしい~はっきり)
ZETA VOICE 主な機能
「ZETA VOICE」の主な機能(画像は「ZETA CX」サイトからキャプチャ)
藤田遥

【BtoBのSEO施策】リード獲得を6倍にしたサイボウズ「メールワイズ式」のSEO施策を解説 | EC事業者のための「SEO」と「広告」の話

3 years 6ヶ月 ago
「SEO」「広告」2つの視点から語る、EC事業者のためのデジタルマーケティング講座。「メールワイズ」のコミュニケーション設計改善事例(後編)【連載第14回】

サイボウズのメール共有システム「メールワイズ」では、BtoBのSEO施策としてのコンテンツマーケティングとコミュニケーション設計を1年以上実施し、従前比で自然検索流入は3倍以上に、リード獲得数は6倍という成果をあげています。

今回も前回に続き、アユダンテと一緒にこの施策に取り組んでいるA-can代表の白砂ゆき子氏と「メールワイズ」プロモーションディレクターの山本氏、そして現場ディレクションを担当されている西潟海斗氏にもオンラインでご参加いただき、お話を伺いました。今回は実際に行ったコンテンツ制作やCTA設計、SEO内部施策など5つの実施策のお話をご紹介します。

メールHOWTO系記事のリライトで流入増加

江沢氏 おさらいから入ります。前回の記事では、下図のSTEPの1、2までご紹介しました。今回はSTEP3について、具体的にどのようなことを実施したのかお話していきたいと思います。

江沢氏 STEP3の一環として、まずはメールHOWTO系記事のタイトルや構成を見直してリライトしたのですよね。なぜHOWTO系記事だったのでしょうか?

白砂氏 クレーム対応や謝罪に関するメールHOWTO系の記事は、製品ページへの移動が多かったりコンバージョン経路になっていたので重要と捉え、最初に見直していきました。

メールワイズ式の謝罪メールに関する記事
例えば謝罪メールに関する記事は旧タイトルが「その後の付き合いを円滑に!謝罪メールを送るときのポイントと例文【メール文例付き】」だったが、現タイトルは「【保存版】謝罪メールのシーン別文例集と書き方のポイント」。「保存版」を文頭に入れ、「シーン別」を追加。検索意図的に「文例」が最も重要と捉え、タイトルだけでなく構成も大きく見直した

江沢氏 この謝罪メールに関する記事は文例が重要だと思うのですが、「文例」という言葉をタイトルの前にもってくるか後にもっていくか、かなり考えて決められたのですよね。

白砂氏 はい、同じメールHOWTO系記事でも、基礎知識やマナーのニーズが高い検索意図と、とにかく文例が欲しいという検索意図があり、毎回タイトルについては議論してこだわって決定していました。

西潟氏 最初はタイトルの統一感や読みやすさを考えていましたが、白砂さんと話して検索者に寄り添う形に変えましたね。

西潟海斗氏
サイボウズ ビジネスマーケティング本部 西潟海斗氏。2020年サイボウズに中途入社。2021年より「メールワイズ」のプロモーション担当として活動中

山本氏 記事の構成も以前と大きく変わりましたよね。もっとざっくりした構成でしたが、検索意図を汲み取った内容にかなり変わって良くなったなと感じています。

白砂氏 はい、やはり構成がよくないと上位は取れません。毎月の制作本数が2本~3本と多すぎないので、しっかり作り込むことができますね。本数にこだわるとどうしても1本あたりの質が担保できなくなるので。以前より公開本数は減っていますが、それでも流入は大幅に増えているのですよね。

月間検索回数が多いワードに関しては、記事1本で何万セッションと流入を稼いでくれています。特に「年末年始メール」で検索1位を獲得した記事は、昨年12月に爆発的な流入がありましたね。

山本氏 アユダンテさんのリライトによって、流入だけでなく滞在時間も全体的に伸びています。

CVに近いテーマの記事強化で製品ページ遷移数2倍に

江沢氏 次に新しく作った記事について聞いてみたいと思います。記事はどのような方針で作成していきましたか?

白砂氏 メールHOWTO記事の見直しと流入増とあわせて、コンバージョンに近いテーマを増やしました。Gmail系や会社メールアドレスなど、認知や情報収集フェーズのキーワードで漏れているものを探り、そこから新規記事を作成したり、グループメールやメール共有など、コンバージョンに近いテーマの既存記事をリライトしました。

山本氏 下の図を比較していただくとわかりますが、施策前は認知フェーズの流入が143、情報収集フェーズの流入が254でしたが、施策後は大幅に増えているのです。

施策前(2020年11月)と施策後(2022年3月)の検索フェーズの変化

白砂氏 このフェーズの獲得が成功したことで、記事から流入して製品関連ページに移動した数は施策前の2倍になっています。これもコンテンツ在庫表を作って、今持っているコンテンツやコンバージョンルートになっているコンテンツを把握しないとできないことなのですよね。

山本氏 今期の施策はアクセスを増やすより製品ページへの誘導を増やしたいと思っています。製品ページ配下に「メールワイズで解決できる課題」というページがあるのですが、そこを増やす施策を行っています。現状は文脈に合う送客先がないのですが、そこができたら新たな送り先となります。メールワイズ式の記事制作とあわせて、製品ページ配下も充実させていく予定です。

江沢氏 新規記事作成に関しては面白い取り組みもしていますよね。前回の記事でお話が出ましたが、メールワイズはSEOだけでなく広告もアユダンテで支援しています。両者の協業は山本様の強いご要望でもあり、新規記事のテーマを考える際にGoogle広告の検索語句レポートを広告チームからもらってCVが発生しているキーワードから記事のテーマを探ったり。どちらにも検索ニーズが関係しますから、ここはもっと連携していろいろできるように感じています。

白砂氏 そうなんです。広告のCVデータから「メーラー」や「企業メール」周りのキーワードが有効そうだと気付きました。検索意図が比較検討ではない「とは」などの情報収集型クエリは広告だけではなく記事で対策できるので、そのような記事制作に取り組んでいます。

江沢氏 素晴らしいですね! 逆にメールワイズ式の法人メールの記事の成功に伴って、法人メールの広告経由のCVが増えているとも聞いています。双方の連携がますます必須になりそうです。

CTAは記事の最後に一律……ではダメ!

江沢氏 次に大事なCTA(Call to Action)について聞いてみたいと思います。CTAとなるバナーやリンクはどのように配置したのでしょうか? よく見かけるのは記事の最後に一律「お問合せ」とか「資料ダウンロード」とかですよね。

白砂氏 新規で作った記事は構成案の段階でCTAの挿入位置を決めていましたね。以前の記事はすべての段落の下にLP誘導のCTAが自動挿入されていましたが、クリックされていなかったので取り除いていただきました。そして既存記事は80本すべてのページのヒートマップを見て挿入するCTAコンテンツや位置を改善しました。提案した時、ドン引きされた記憶が(笑)。

山本氏 僕たちはそれぐらい「何か把握できてないな」っていう自覚はあって……。

白砂氏 過去記事もすべてヒートマップを見ることで、離脱の傾向などがよくわかりました。CTAを改善して送客数は上がったのですが、まだ満足していないので(笑)、いま2周目の改善を行っています。意外と第一章での文脈とつながったホワイトペーパーのCTAがクリックされたりするのですよ。文脈が合わないものはクリックされない!! とにかく一律CTAはダメですね。

山本氏 CTAってまさに記事で言う「検索意図」と同じなのですよね。普段いろんな検索を行っていろんな記事を見ていますけど、欲しいものはそのときで違いますし、検索意図に合ったCTAが大事だと感じています。

江沢氏 しかし、80記事のヒートマップ分析ってものすごい時間がかかりませんか? 単純に1記事1時間としても80時間!

白砂氏 いきなりすべての記事は大変なので、セッション数が月間1000以上あるものから徐々に見ていきました。読んでいる人の邪魔にはなりたくないので、ネイティブ広告のようなデザインにし、別タブで開くことがわかるようなデザインにしていただきました

メールワイズ式のCTA設置例
CTAの設置例

白砂氏 CTA挿入位置はすべてヒートマップ分析で決定しています。挿入位置はとても重要で、文脈がマッチするホワイトペーパーのCTAを記事上部の適切な場所に入れたら、クリック数が1桁からいきなり80クリックまで増えたり! ちなみに、CTAの挿入位置や内容は初期設計で作成した「コンテンツ在庫表」にすべて書き込み、根拠となったヒートマップデータも保存しています。地味な作業なのですよ……。

メールワイズ式のヒートマップ
ヒートマップ分析の例

山本氏 でもその地味な作業の積み重ねが重要なのだと思います。スマートフォン普及もあって記事コンテンツが乱立し、SEOでもヒットしやすいようでユーザーにリーチはできるようになったのですが、細かく見て改善していかないと無駄なタッチポイントになってしまいます。ただ、PVを集めて満足していたらダメなんですよね。本数より質にこだわり1つ1つ丁寧に作り込むことが必要なんだと思います。

白砂氏 CTAは何度も見直しを行うため変更履歴を管理するのが大変で……。最終的には表計算ソフトでの管理に限界を感じ、西潟さんにサイボウズ様の製品「kintone」でアプリを作っていただきました。

西潟氏 「kintone」アプリでは変更前の履歴や変更理由やコメントなどのやり取りもページベースで残せるので重宝しています。

「kintone」
変更履歴を管理できる「kintone」アプリ

課題解決型ホワイトペーパーとフォローメールを新規作成

江沢氏 次に記事以外に新しく作ったコンテンツについてうかがいたいです。

白砂氏 バイヤージャーニーを描いたときにみんなで気付いたんですよね、「課題解決型ホワイトペーパー」が必要だって。

山本氏 すでにいろいろなコンテンツ、ホワイトペーパーや紙の資料、記事などは保有していたんですけど、ジャーニーマップを見て空白部分に気付きました。

のバイヤージャーニーのイメージ
施策前(2021年3月時点)のバイヤージャーニーのイメージ

白砂氏 この左下の白い空白部分ですね。ここがないからコミュニケーションが十分取れない、ユーザーを逃している、そう気付いて2種類のホワイトペーパーを新たに作成しました。これは私が企画してアユダンテで制作しています。

ホワイトペーパー
課題解決型のホワイトペーパーを新規で2種類作成し、公開。リード獲得に大きく貢献し、獲得したリードから製品のトライアル申し込みも発生している

白砂氏 作る前から課題解決型のホワイトペーパーを設置することでリード獲得は増えると予想していましたが、ホワイトペーパーの最終目的はトライアル申し込みなので、そこが増えるかは正直不安でした。だからトライアル申し込みが発生していると聞いて本当にうれしかったです。

西潟氏 新たに作ったこれらの課題解決型ホワイトペーパーは、今までのホワイトペーパーとは別にこれ専用のフォローメールも作成しました。このフォローメール経由で製品トライアルや製品資料ダウンロードも出ていますし、製品により近いホワイトペーパーのダウンロードも発生しています。ちなみにフォローメールの開封率はびっくりするくらい良いのです。

山本氏 そうそう、もちろん開封しない方には次から送らないという設定をしてはいますが、それでも開封率がとても高いんですよね。

西潟氏 ホワイトペーパーダウンロード後に3通のメールを少しずつ間隔をあけて送っているのですが、フォローメール開始1か月目はそれぞれのメールすべての開封率が50%くらいで、今は2か月目に入りますが、それでも開封率が40%程度はあります。

江沢氏 それは高いですよね! どうしてそんなに高いと思いますか?

山本氏 現場で困っていることがあるからではないでしょうか。あと、フォローメールではいきなり製品を宣伝しない設計にしています。

西潟氏 1か月くらいかけて徐々にメールワイズを知ってもらうようなシナリオ設計にしています。成約から遠い課題でも少しずつ啓蒙活動していくと成果は出ると感じています。

江沢氏 まさにコミュニケーション設計ですね!!

内部SEOではコンテンツへのリンク導線を増強

白砂氏 内部のSEO施策は江沢さんがいくつか提案し、実装していただきましたよね。

江沢氏 はい、せっかくコラムを作っても内部が最適じゃないと案外記事の効果が最大限出なかったりするのです。特にメールワイズの場合、コラムへの導線が最適ではなかったです。まずは課題を洗い出し、いろいろご提示しましたが、主な施策は以下のとおりです。

TOPページのメインエリアにコラムへのリンクボックスを設置……記事の内部リンク強化

メールワイズ式のトップページ

構造化データの実装……サイト構造や記事の内容、監修者情報をGoogleにしっかり認識させた

記事の監修者をPersonでマークアップ
記事の監修者をPersonでマークアップ

Core Web Vitalsの改善……記事のCLSを改善し、現在不良なし

例:サーチコンソールのWebに関する主な指標(2021年12月に改善)

他にも記事のテンプレートなどサイト内をいくつか最適化し、結果、内部施策が完了した12月上旬から急に流入が増え始めています。やはり内部施策は重要です。

流入の推移

効果のまとめ

江沢氏 いろいろお話してきましたが、効果について見ていきましょうか。まず記事の順位の推移を見たいと思います。

キーワードと順位の推移
キーワードと順位の推移(例)

江沢氏 かなりの人気ワードで順位が上がっていますね。ドメインの強さももちろんありますが、検索意図を汲んだ記事作成や内部最適化など、総合的な施策の効果ではないかと思います。流入やCV関連はどう変化しましたか?

白砂氏 前回の記事で紹介しましたが、1年前と比べて月間の自然検索流入は3倍以上に、流入が増えたにも関わらず記事から製品への送客も2倍になっています。リード獲得数は6倍になっていると聞いています。

「メールワイズ式」の自然検索流入セッションと送客数
「メールワイズ式」の自然検索流入セッションと送客数
※送客数……メールワイズ式の記事から流入したあと、記事以外のページ(LP、製品紹介、セミナー、事例など)に移動した数

白砂氏 今CTAの最終調整中で、もう少し送客を高めたいんです! CTA設置は全コンテンツを理解していないと設置できないので、やはりコンテンツ在庫表やヒートマップ分析が重要ですね。

山本氏 冒頭にお話したように今期の目標は集客より送客でした。この取り組みによって、記事経由のトライアルが増えていたり、競合製品が出てきている中でメールワイズが成長できているのはすごいと思っています。今回の施策を通して、全体を俯瞰して見ることの重要性を改めて感じました。

オウンドメディア担当をつけたり、メディアだけのSEOをやるとそこしか見なくなる。引き続きSEO×コミュニケーション設計、そして広告との連携によって「つなぐ」部分をもっと強めていきたいと考えています。

◇◇◇

2回に渡ってお届けしたSEO×コミュニケーション設計の事例、いかがでしたでしょうか。次回はアユダンテの河野より、BtoBにおける広告施策について解説する予定です。

筆者登壇情報

この連載の筆者・江沢真紀氏が白砂ゆき子氏と共に、2022年9月15日(木)14:00より「ネットショップ担当者フォーラム 2022 夏 ~ファンマーケティングDays~」に登壇します。詳細・事前登録は下記のバナーをクリックしてください。

江沢 真紀

EC×オムニチャネル、組織作り・人材教育。デジタルシフトで資生堂ジャパンが進めるユーザー体験

3 years 6ヶ月 ago
資生堂ジャパンはコロナ禍をどう捉え、どう変わろうとしているのか。資生堂ジャパンの山本雅文氏とゼロゼロウエスト代表の大西理氏の対談

「デジタルへの転換とそのための組織構築」を掲げた資生堂ジャパン。アクセンチュアとの合弁会社「資生堂インタラクティブビューティー」を設立するなど、デジタル・ITの強化を進めている。コロナ禍を資生堂ジャパンはどう捉え、変わろうとしているのか。資生堂ジャパンの山本雅文氏とゼロゼロウエスト代表の大西理氏が対談した。

資生堂ジャパン EC事業部 ブランド施策推進グループ グループマネージャー 山本雅文氏
資生堂ジャパン EC事業部 ブランド施策推進グループ グループマネージャー 
山本雅文氏
ゼロゼロウエスト 大西 理氏
ゼロゼロウエスト 
大西 理氏

コロナの変化、体験重視へ

大西理氏(以下、大西):新型コロナウィルス感染症拡大により、実店舗での買い物体験、ECの利用拡大など、さまざまな業種・業界でビジネス構造の変化が起きています。そのような環境下、化粧品業界全体で起きていることをどう捉えていますか。

山本雅文氏(以下、山本):私は大きな変化が起きていると捉えています。人間は何万年も前から、外で情報を集め、知識を蓄積してきた。エンカウンター(予期せずに出会うの意味)、セレンディピティ(偶発的な出会い)が発生し、ワクワクするという経験を積んできました。

それがコロナ禍により激変。外出で情報を得ていた状態から自宅中心の状態になったため、周辺視野が狭くなってきていると感じています。セレンディピティのような機会が減り、それが化粧品の購買行動にも影響。お店で新しい商品と出会い、「ワクワクする」「トキメク」といった体験ができなくなりました。そのため、自身がほしいアイテムだけをネットで調べる・探すという状況が多くなっているように感じます。

大西:変化というところでは、コロナ禍によってモノに対する価値観が大きく変わってきましたよね。

山本:同感です。モノに対する価値が再定義されていると感じます。コロナで大きなブームとなったDIYは、「自己実現」「能動的に何かアクションをする」「アクティビティ」といった側面で再注目。コロナ禍で五感を使う機会が減り、デジタル上で五感を使えるようなパーソナライズ体験できるコンテンツがユーザーから選ばれるようになったと感じています。

大西:顧客体験、モノの価値に関する再定義・再設計など、小売業を取り巻く環境は大きく変わってきています。そこで資生堂は2021年2月に中長期経営戦略「WIN 2023 and Beyond」を発表。その取り組みの1つに「デジタルを活用した事業モデルへの転換・組織構築」を掲げ、アクセンチュアとデジタルマーケティング業務および、デジタル・IT関連業務を提供する合弁会社「資生堂インタラクティブビューティー」を7月に立ち上げました。

山本:資生堂のDXにおけるビジョンとして「Global No.1 Data Driven Skin Beauty Company」を掲げました。お客さまを深く理解し、1人ひとりにとって最適な価値を提供するために、顧客情報、購買動向、肌状態などの多岐にわたるデータを活用。これらに基づいた美容体験を提案していくことに取り組んでいます。資生堂インタラクティブビューティーは、こうした変革をスピーディー、集中的に実行するための事業会社です。

「コンシューマーセントリック・ビューティーカンパニー」をめざす資生堂ジャパンでは、次の3つの柱で、体験価値を構築していこうというビジョンを掲げています。

  • テーラーメイドエクスペリエンス(1人ひとりのニーズに合った美容体験)
  • データドリブン
  • ユビキタス、シームレス、タイムリー
デジタルビジョンについて
デジタルビジョンについて

大西:お客さまが一番気持ち良いと感じる美を作るためには、特にデータドリブンが重要なポイントになってきそうですね。

山本:とても重要なポイントになると思います。中長期経営戦略をご覧になった方からは、「デジタル広告の割合を高くするんですよね」とよく聞かれるのですが、めざすべき方向性の1つではあるものの、割合は本質ではありません。「コンシューマーセントリック・ビューティーカンパニー」を実現して行くために何をしなければならないのか? といったところをしっかり考えていかなければいけません。そうしなければ今の時代、変化が激しい時代にも対応できなくなる……チームのメンバーとすごく意識しながら動いているポイントです。

大西:資生堂ではデータチーム、アナリストといった組織やチームを構築しているのですか?

山本:はい、あります。自社データの分析、保守管理なども含めて、専用チームを作っています。まさにそういった専門分野を強化するために資生堂インタラクティブビューティーが設立されました。

  • テーラーメイドエクスペリエンスの提供
  • グループ全体の基幹システムの標準化・効率化
  • ビューティーをよく知るデジタル・IT専門家集団へ進化

資生堂グループのデジタル化、ケイパビリティ向上、上記3点などを含めて、グループ全体で体験価値を向上させていく―。資生堂インタラクティブビューティーは1つの専門事業会社として取り組みを支えていく役割というふうに捉えています。

体験全体を意識した施策をECでも実施

大西:資生堂のECについて、変化対応への取り組みを教えてください。

山本体験価値の再構築ですね。体験というと商品購入以外のことと捉えられがちです。商品を買うという体験に加え、パーソナライズを加えた体験の提供にシフトしていっています。事前の商品検索から商品体験までをイメージしながら、購入だけではなく前後の体験全体を意識した施策を考えるようになってきました。すごくいい変化だと感じています。

ライブコマースも体験価値を向上させる取り組みです。商品購入前に見てもらい、テスターを使うような疑似体験できるコンテンツ作りを意識しています。パーソナライズという側面ではAI(人工知能)活用のMA(マーケティングオートメーション)メールです。以前はA商品を購入したらシナリオAを配信するといった人間の考えるシナリオで運用していましたが、AIによる予測分析を行ったコンテンツの出し分けを活用し、配信を行っています。

大西:シナリオが増えていくと管理できなくなってしまいがち。ややもすると“シナリオ祭り”になってしまいKPI(重要業績評価指標)を追えなくなってしまうというデメリットがあるんですよね。

山本:シナリオを増やしていくと、在庫切れの商品の誘導が載っていたり……事故につながりかねません。そして、なによりも運用にリソースがかかっていました。資生堂ジャパンは、AIを活用して、プレファレンス(好意度)によってブランドをスコア化、予測分析するようにしています。これまでのシナリオは、「マキアージュ」の製品を購入した消費者には、「マキアージュ」軸のコミュニケーションが走っていました。しかし、その人は「マキアージュ」以外のブランドを使っている可能性があり、コミュニケーションをする時点で、興味・関心は「マキアージュ」以外に移っているかもしれません。

そこで、AIを活用し、ECサイトのアクセス状況、サイト内の行動などを分析、データに基づいたコンテンツをメール配信するようにしています。「オムニチャネル・カスタマーエクスペリエンス」という考え方で、デジタルを活用した実店舗への来店促進など、ECだけでは完結しないコミュニケーションを重視するようになってきました。テスト段階ですが、広告配信からデジタルの媒体で接触したデータとサードパーティーデータを連携、来店にどう寄与するのかといったことを計測。コミュニケーションをブラッシュアップするためのテストとして実施しています。

「オムニチャネル・カスタマーエクスペリエンス」の一環ですが、継続的に実際の生活のなかで接点を持ち続けるための取り組みもスタートしました。資生堂の総合美容サイト「ワタシプラス」である一定額以上購入すると限定アドベントカレンダーをプレゼントする取り組みを始めました。さまざまなブランドサンプルを試せるというオンライン特典です。2021年12月1日から25日までのカレンダーに25個のポケットを用意、そこにさまざまなブランドのサンプルを入れるものです。

1日ずつ開封してもらえれば、25日間連続で接点を持ち続けることができます。購入特典は良い体験になりますが、継続的な接点を創ることが難しかった。1日ごとにCRMをするという試みでした。

限定アドベントカレンダーの特典(画像は「ワタシプラス」のTwitterからキャプチャ)

大西:体験重視、購入後にユーザーとどう接点を持ち続けるかという視点で企画された素晴らしいアイデアですね。デジタルではメールなどで接点を作り続けることができます。しかし、オフラインでつながり続けることは、実店舗に毎日足を運んでもらわなければ難しい。毎日、リアルの場でつながりを続けられるユニークな試みだと思いました。

資生堂のデジタル体験の変化

大西:資生堂ジャパンでは、ECやデジタルを通じた体験価値をどのように引き上げていきますか。具体的な施策を教えてください。

山本:資生堂ジャパンはデジタル上だけではなく、リアルを活用してさまざまなデータを蓄積して分析。次の施策などに活用するためにPDCAを回していっています。

●リアルとバーチャルを融合した「Global Flagship Store」

銀座を訪れる国内外の消費者に対し、ブランドの世界観を発信し、最新のテクノロジーとヒューマンタッチを融合させた美の体験を提供する施設。多様化する美へのニーズやライフスタイルに対応し、五感を使って化粧品を試せるデジタルテスター、消費者ニーズに合わせた美容カウンセリング、日本初導入の先端メディテーション体験などを展開している。

資生堂のブランド旗艦店「SHISEIDO グローバル フラッグシップ ストア」(東京・銀座)

●日本発の3D肌診断と美容機器のパーソナライゼーション

美容機器の物理エネルギーと化粧品の生命科学エネルギーを融合し、肌解析の結果を基にパーソナライズされた効果を届けるエイジングケアソリューション「エフェクティム」。

エイジングケアブランド「EFFECTIM(エフェクティム)」

●クラウド対応した肌分析

「ワタシプラス」で展開している肌分析コンテンツ「肌パシャ」。スマホだけで「うるおい・ハリ・透明度・シミ・シワ・ほうれい線」の状態を分析することができる。

肌分析コンテンツ「肌パシャ」

●パーソナルカウンセリング体験

自宅で「SHISEIDOビューティーコンサルタント」によるカウンセリングを体験できるコンテンツ。たとえばパーソナルカウンセリング体験。ビューティーコンサルタント(BC)の方々は店頭で対応するのが基本スタイルだったが、現在は数名のBCがデジタル上での活動をメインにするようになった。つまり、デジタルに特化したBCが誕生した。

ビューティーコンサルタントによるWebカウンセリング

大西:ファッション業界では、店頭スタッフがコーディネートコンテンツをEC側に載せて接客する動きが加速しました。それと同様の取り組みですね。

山本:店頭ではOne to Oneが重視されていました。BCには、デジタルの利点を生かし、One to Manyをデジタルメディアなどの活用で実現できるよう試験的に取り組んでいます。

デジタル人材の育成強化/リソース確保

大西:デジタル化に関し、多くの企業でも課題にあがっているのが人材と組織作り。大企業も中小企業も同様で、スタートアップも同じような悩みを抱えていると思います。資生堂ジャパンが進めていることを教えてください。

山本内部人材の育成、中途採用、外部パートナーとの協業―この3つのリソースで人材を確保していくという考え方ですね。一番力を入れているのが異動など内部人材の育成です。大きい会社では、1つの部門に居続けるデメリットが出てきてしまいます。デジタルの活用など、所属していなかった部門に異なる視点を持っていくことは会社の成長には必要なことです。同じ人がずっと同じ部署にいると知識の伝播ができなくなりますから。

大西:同じ人が居続けることで、マイナス面もあるということですね。

山本:意識していることは、ケイパビリティ向上です。チームのメンバーには「このポジションだから、こういうスキルを持ってもらいたい」といったことをきちんと定義・設定しています。中途採用も同じです。

デジタル人材というワードはよく社内でも出てくるのですが、ざっくりし過ぎてしまっていますよね。DXのどこを担うのかというのがすごく重要だという考え方です。たとえばデジタルマーケティングの企画担当。これまではこのフレーズだけで充分だった。しかし、業務は細分化され、体験設計をする人なのか、媒体メディアの統合を考える人なのか、顧客セグメントやカスタマージャーニーを構築する人なのか……。そのため、スキルの定義・設定はきちんと行っています。

内部人材のケイパビリティ向上について

大西:ジョブディスクリプションがかなり明確になっているのですね。

山本:こうすることで、希望と実際の業務の不適合は減ってきていると感じています。

大西:デジタルに関する業務は実はものすごい作業量があり、工数がかかります。細かい作業も多いですよね。外部パートナーの活用について教えてください。

山本:作業について特別なスキルは必要ありません。なので、作業についてはきちんとマニュアル化し、アウトソースなど含めてきちんとオペレーションできるようにしています。これは外部パートナーと一緒に行っています。外部内部のミックスで、作業的な仕事は圧縮するようにしています。

大西:作業が属人化すると、担当が変わったときにゼロからの出発になってしまう。それを防ぐ目的もありそうですね。これまでのお話をまとめると、体験価値を向上するための体験設計、それを実現するための戦略、チームマネジメントなど、多くの企業が実践できる内容だと思いました。

この記事は2021年11月17日に「ネットショップ担当者フォーラム2021秋」で行われた講演をまとめたものです。

朝比美帆

新規獲得コストが増加している中国EC市場で企業がSNSを活用したコミュニケーションに移行している理由とその実態 | 中国の最新買い物事情~トランスコスモスチャイナからの現地レポート~

3 years 6ヶ月 ago
中国EC企業は、SocialMedia(WeChatメイン)のタッチポイントを活用したコミュニケーション手法「SCRM」に力を入れているそうです

ここ数年、中国のネット市場では新規ユーザーの獲得コストが増え続けています。企業はこの状況に対応するため、SCRMというアプローチによる顧客関係の構築に力を入れ始めています。SCRMとは、SocialMedia(WeChatメイン)のタッチポイントを活用したコミュニケーション手法を意味します

運営コスト削減と顧客ロイヤリティ向上の為に各ブランドが力を入れ始めた

中国ECは米国と比較してトラフィックがプラットフォームに集中しています。そのため、ECプラットフォームにおける顧客獲得コストはこの数年で大幅に増加。このような背景の下、各ブランドはSCRM活用に着目し、既存顧客への継続的なコミュニケーションで顧客ロイヤリティや顧客LTV向上、顧客ニーズの理解を進めています

中国 ECプラットフォームへの集中を表す数値
ECプラットフォームへの集中を表す数値(出典:eMarketer、CCID、新京報。画像はtranscosmos Chinaが作成)

ソーシャルメディアと顧客関係管理をベースにしたSCRMシステムはビッグデータ分析などの先進テクノロジーを活用、既存顧客や見込み客のデータを取得・分析して、顧客ニーズを的確に把握することができます

従来のCRMが、SMSやEメールのような手段で顧客にアプローチするのに対し、SCRMは、WeChat公式アカウント、WeChatグループ、企業のWeChatアカウント上で時間、頻度、タッチポイントを気にせずにユーザーとコミュニケーショを取ることができます。そして、低コストのマーケティング手法で顧客との関係を維持することが可能となります。

SCRMは、ブランドのオンライン・オフラインのチャネルを融合し、「オフライン購入+オンライン会員登録」「オンライン購入+オフライン体験」といった全チャネルからのユーザーデータを収集、効果的に顧客とコミュニケーションを取ることができるようになります。ユーザーデータの蓄積や顧客セグメンテーションにより、SNS上でパーソナライズされたマーケティングを実施、顧客とのコミュニティを活性化させてリピート率の向上を実現します。

パーソナライゼーションなどを含めたオペレーションの重要性はより高まっています。そのため、各ブランドはユーザーのデータを集計、顧客ごとに異なるアプローチを行い、各ユーザーのLTV(顧客生涯価値)を向上しようとしています

某化粧品リテールのSCRMツール活用事例

新規獲得、顧客関係の維持、コンバージョンアップなどを実現するには、SCRMツールの活用でマーケティングを行うことが必要不可欠です。その活用事例を紹介します。

某化粧品リテール企業では消費者のロイヤリティ強化、売上拡大に向けてOBA(Online Beauty Advisor)運営チームを設立しました。OBAは消費者に対し1on1で化粧品全般に関する相談を受け付ける取り組みです。そこで活用したのが企業WeChatで、その管理にSCRMツールを導入。消費者対応を通してユーザーニーズを深堀し、悩みを解決する方法の提示をすることで、満足度を向上、CVRやLTVの向上につなげることができました。

某化粧品リテールブランドの事例
某化粧品リテールブランドの事例(画像はtranscosmos Chinaにて作成)

ツールでは、会員情報(購買状況、誕生日、会員レベル、好み商品)の確認・管理、OBAの実績確認・管理も可能。そして、ターゲットとなる顧客の購買行動画像に基づいて、それぞれのユーザーにパーソナライズした対応を実現しました。

一方、マーケティング面でOBAは、専門的なキャラクタイメージやコンテンツを制作、WeChatモーメンツやコミュニティなどのオンラインチャネルでコンテンツを押し出しながら、ブランドの露出度を高めました。

同時に、Q&Aや問い合わせ対応のナレッジを作成、それに基づいてSNS上でパーソナライズされたコミュニケーションを構築。ユーザーとのコミュニケーションの質を向上し、良好な口コミおよびユーザーとの信頼関係を作ることで、売上拡大につなげています。

この仕組みはリアル店舗とも連携しました。リアル店舗の店員に企業WeChatの活用を推進。リアル店舗の消費者をオンライン誘導するなど、消費者にオン・オフでの連動した買い物体験の提供を導きました。また、リアル店舗の店員を中心とした店舗ごとのWeChatグループ運営も可能で、それらもSCRM上で管理することができます。

SCRMツールを活用することで、①1on1のチャットまたはグループ内のコミュニケーションを通して、ミニプログラムのリンクまたはクーポンを送付②モーメンツ上での販促情報発信やミニプログラムのQRコードの掲載③消費者の友達へのクーポン共有を促進④ライブによる商品PRを通して消費者の購買意欲を掻き立てる――といった販促活動を行うことができるようになりました

SCRMツールの活用イメージ
SCRMツールの活用イメージ(画像はtranscosmos Chinaにて作成)

今後、中国では、「新規獲得」から「ユーザーオペレーション」へ注力する企業が増えていくでしょう。これは、中国の電子商取引市場では避けられない傾向です。

【越境EC・海外向けECに必見の一冊】世界30の国・地域のECデータを把握できる書籍『海外ECハンドブック2021』

インプレスは、越境ECや海外向けEC、海外進出に役立つ、世界30の国・地域のECデータをまとめた『海外ECハンドブック2021』(著者はトランスコスモス)を発刊。「世界のEC市場規模予測」「地域別EC市場データ」「越境EC市場規模およびEC利用者の推移」「EC市場データランキング」などを詳しくまとめています。

『海外ECハンドブック2021』のお求めはAmazonかインプレスブックスで
電子版のほか、AmazonではPOD(プリント・オン・デマンド)版をご注文いただけます。A4サイズの冊子でお届けします。
越境ECや海外向けEC、海外進出に役立つ、世界30の国・地域のECデータをまとめた『海外ECハンドブック2021』(著:トランスコスモス)
2019年のグローバルB2C-EC市場について(画像は『海外ECハンドブック2021』から)
越境ECや海外向けEC、海外進出に役立つ、世界30の国・地域のECデータをまとめた『海外ECハンドブック2021』(著:トランスコスモス)
地域別のEC市場規模(画像は『海外ECハンドブック2021』から)

[主要30の国・地域のEC市場概況]

  • 世界のEC市場規模予測
  • 地域別EC市場データ
  • 30の国・地域のEC市場ポテンシャル
  • 越境EC市場規模およびEC利用者の推移
  • 越境ECの地域別利用状況
  • アジア10都市EC利用動向調査
  • EC市場データランキング(TOP10)
  • 各国のEC市場環境比較表2019年
    などを掲載。アジア太平洋、北米、中南米、欧州、中東・アフリカなど、主要30の国・地域について、各国のEC市場環境比較表などを掲載しています。
    https://www.amazon.co.jp/dp/B09MW2GF6D
黄艶(Yanny Huang)
トランスコスモスチャイナ(transcosmos China)

ヤフーの最短15分宅配「Yahoo!マート」が初の来店型店舗

3 years 6ヶ月 ago

Zホールディングス(ZHD)グループのヤフー、アスクル、出前館の3社は、食料品や日用品などを最短15分で届けるクイックコマース「Yahoo!マート by ASKUL」の拠点を活用し、ユーザーが直接買い物できる来店型店舗の運営を開始した。

来店型店舗の運営は、クイックコマース事業者としては初の試みという。

ヤフー、アスクル、出前館の3社は、食料品や日用品などを最短15分で届けるクイックコマース「Yahoo!マート by ASKUL」の拠点を活用し、ユーザーが直接買い物できる来店型店舗の運営を開始
「Yahoo!マート by ASKUL」の実店舗(代々木上原店)

来店型店舗に対応したのは「Yahoo!マート」代々木上原店。現在、代々木上原店、紀尾井町店、大久保店の3店舗が来店型となっている。紀尾井町店は8月18日現在、Yahoo! JAPANおよびグループ企業の社員のみが利用可能。

ユーザーは約2000種類の商品を、店舗で実物や値段を見ながら買い物できる。今後もクイックコマース事業に加えて、各拠点や地域のニーズに即した店舗形態や商品を展開することで、ユーザーの買い物体験の利便性向上を図っていく。

ヤフー、アスクル、出前館の3社は、食料品や日用品などを最短15分で届けるクイックコマース「Yahoo!マート by ASKUL」の拠点を活用し、ユーザーが直接買い物できる来店型店舗の運営を開始
代々木上原店内のイメージ

「Yahoo!マート」は、ユーザーが出前館のサービス上で、アスクルが販売する食料品や日用品を中心とした約2000種類の商品の中から選択して注文・決済すると、最短15分で商品を届ける宅配サービス。注文を受けた後、出前館の配達員が都内の専用店舗で該当商品を受け取り、指定された場所に自転車やバイクで商品を配達する。

ZHDグループ各社の強みを生かしたシナジー効果で「Yahoo!マート」は事業を拡大。現在、東京や千葉で20店舗を運営している。2022年秋には都内練馬区などに3店舗をオープンする予定で、今後も東京を中心にエリアを拡大していく。

ヤフーは、「Yahoo!マート」の事業をさらに推進するための子会社ヤフーマートオペレーションズを2022年7月1日に設立。10月1日から「Yahoo!マート」の一部の店舗運営をヤフーマートオペレーションズが行い、注文を受けてから届けるまでの工程に磨きをかけていく専門会社として、サービス品質を高度化させていく。

ヤフーマートオペレーションズでは、これまで配達を担っていた出前館の配達員に加えて、「Yahoo!マート」専属配達員の採用を始めた。8月18日現在、都内の5店舗で専属配達員が稼働中している。

ZHDグループは2021年7月末から、食料品や日用品を即時配達する実証実験「PayPayダイレクト by ASKUL」(2022年1月26日に名称を「Yahoo!マート by ASKUL」に変更)を開始。実証実験では、2021年10月から12月の2か月で月間注文数が10倍に増加、出前館における12月の店舗別売上ランキングで「PayPayダイレクト by ASKUL」が1位を獲得した。平均注文頻度は3.7日に1回。月間最高注文金額が1月あたり17万円、月間最高注文回数が1月70回というユーザーもいた。

瀧川 正実

Amazon並みにわかりやすくなる!? 楽天の「SKUプロジェクト」について知っておこう【ネッ担まとめ】 | ネットショップ担当者が 知っておくべきニュースのまとめ

3 years 6ヶ月 ago
ネットショップ担当者が読んでおくべき2022年8月7日〜21日のニュース

商品管理がアイテム単位からSKU単位に変わると、サイズや色ごとの価格設定が可能になります。最短で2023年4月から開始とのことなので、今から対応策を考えておきましょう。

カートボタンのまとめ方や楽天の検索対策も注意

楽天EXPO2022、楽天出店者が「必ず抑えておくべき要点」を解説 | コマースデザイン
https://www.commerce-design.net/blog-staff/220817-rakuten-expo2022/

現在の楽天市場の商品登録単位は、「アイテム単位」。
「アイテム単位」管理のせいで、実現できないことが色々あります

たとえば、ある商品に複数のサイズ・カラーバリエーションがあるとします。

・価格が1つしか登録できない!

  ・「この色とサイズは余っているから、安くしよう・・」という設定ができません

・ちょっとした違いでも、買い物かごが別になる!

  ・同シリーズ商品のボリューム違いやちょっとした仕様違いであったとしても、価格が違えば同じ買い物かごに集約できません
  ・ 例)ビール「12本入」と「24本入」は、別々のかごにせざるを得ない

今の仕様だと、「SKUごとに最適な値付け設定ができない」わけです。

これのせいで商品が増え過ぎてしまうとか特定のカラーだけ余ってしまうということはよくありましたよね。ユーザー側は似たような商品ばかりが検索結果に出てきて、どれが目的の商品なのかがわかりません。売る側も買う側も困る仕様でした。

商品登録・管理の仕組みが「SKU単位」に切り替わります。 「SKU」とは、サイズやカラバリなど、アイテムの下にある小さなまとまりのこと。

「SKU単位」での商品管理になると、サイズ/カラバリや入数別に価格設定したり、訳アリを少し安くしたりなど、SKU単位で値付けを変えられるようになるため、柔軟な設定ができます

今後はSKU単位の管理に代わります。SKUとは「Stock Keeping Unit」(ストック・キーピング・ユニット)の略で在庫管理の最小単位のことを言います。例えば服であればサイズとカラーごとに管理しますよね。そのイメージです。今まではポロシャツは「ポロシャツ」で売るしかなかったのが、「青のポロシャツ」「赤のポロシャツ」で管理できるようになるので便利ですよね。

こちらは検索時のメリット。サイズとかカラーで検索すればそのものずばりが出てきてくれます。

こちらはAmazonっぽい感じ。本数違いで別商品が山のようにあるのはわかりにくかったですよね。

SKU化が実現されると、たとえば、ビール12本入りと24本入りなど、これまで「別のカートボタン(カゴ)に分けることしかできなかった」ものが、同じカートボタンで販売できるようになります

ユーザーにとっては、「すっきりとシンプルに」「選びやすい」売り場になりますね。 「Amazonは選びやすいけど、楽天はノイズが多くてほしい商品を探しづらいよね」という、これまでの評判を覆していくはず。

選びやすくて買いやすいのがAmazonですが、楽天市場もそこを目指してきているということです。送料無料ラインの統一化もありましたよね。こうなってくるとポイントで囲い込んでいる楽天が巻き返してきそうな感じがしてきます。

最短で2023年4月からの適用なので、そこまでにじっくり考えて準備しておきましょう。

関連記事

今週の要チェック記事

電子商取引に関する市場調査の結果を取りまとめました | METI/経済産業省
https://www.meti.go.jp/press/2022/08/20220812005/20220812005.html

BtoC-EC市場規模は20.6兆円。物販系は13兆円でEC化率は8.78%、スマホEC規模は6.9兆円【2021年の電子商取引調査まとめ】 | ネットショップ担当者フォーラム
https://netshop.impress.co.jp/node/10057

いつもの調査結果が出てきました。BtoC-EC市場規模は20兆円を突破です。

「メタコマース」に視線集中、メタバースとリテール融合の大旋風始まる | Yahoo!ファイナンス
https://finance.yahoo.co.jp/news/detail/20220806-00000032-stkms-stocks

メタバースに人が増えれば自然と物も売れると考えるとわかりやすいです。

「2022年度フリマアプリ利用者と非利用者の消費行動」に関する意識調査 | メルカリ
https://about.mercari.com/press/news/articles/20220816_consumersurvey/

中古品に対する抵抗感が減ってきています。リセールバリューにこだわって買うユーザーは増加。

和三盆を守りたい テレビでも話題の『和三盆の花咲くおはぎ「花輝」』ができるまでを服部製糖所さんに聞く | ECzine
https://eczine.jp/article/detail/11635

売れたことで嫌な経験をされたようですが、そういったことも乗り越えて進んでいました。

「品質がよくない」「普段の1.5倍の値段です」 顧客満足度No.1のスーパーで見つけた“正直すぎる”ポップの真意:オネスト(正直)カード | ITmedia ビジネスオンライン
https://www.itmedia.co.jp/business/articles/2208/09/news032.html

こういった言い方ができる人が商売がうまい人。

仕入れ販売の開始から5年で年商1億円、費用を抑えて売上を伸ばす運営の工夫とは | コマースピック
https://www.commercepick.com/archives/22080

自分たちで在庫管理と出荷って大変なのですが、そこを工夫で乗り切った事例です。

商品一覧画面のプチ改修で売上アップ ジュエリー・アパレルECの事例に見るユーザーの回遊促進術とは | ECzine
https://eczine.jp/article/detail/11556

今回もとってもわかりやすい事例。プチ改修なのに成果大。

今週の名言

悲壮な顔でビジネスしていている人はうまくいかないんだな | マーケティングコンサルタント藤村正宏ブログ
https://www.ex-ma.com/archives/15373

忙しい、忙しいと言っている人や、つまらなそうに仕事している人、心がこもっていない人などは、ビジネスが上手くいかないよな。
そう思うのです。
だからいつも上機嫌で仕事したいよね。

今回ピックアップした記事に事例記事がいくつかありますが、皆さん楽しんでいるか前向きに取り組んでいますよね。うまくいかなかったこともオープンにして笑い話とか良い経験に変えていきましょう。

筆者出版情報

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【値上げ調査】ネット通販に「値上げを感じる」は45%。節約対策は「外食利用や衣類の購入は頻度を減らす」

3 years 6ヶ月 ago

CCCマーケティング総研が実施した消費者意識調査で「値上げの変化を感じるお店」について聞いたところ、「ネットショッピング」は消費者の45.4%が「値上げを感じる」と回答した。

ただ、「値上げを感じない・下がっていると感じる」は24.8%に達しており、調査したなかでは最も高くなっている。

「値上げを感じるお店」の回答で最も多かったのは「スーパーマーケット」で82.2%。以下、「ガソリンスタンド」が77.7%、「主に食料品を扱う地域の商店」が67.5%で続いた。

「値下げを感じない・下がっている」で「ネットショッピング」に続くのは、「アパレル・衣料品専門店」で22.9%、「ドラッグストア」が21.1%。

CCCマーケティング総研が実施した消費者意識調査
「値上げを感じるお店」について

各品目別で「高くなった」が最も多かったのは「ガソリン」で97.8%、「小麦粉」が95.6%、「食用油」が95.0%、「電気・ガス・水道」93.7%、「生鮮食品」と「即席麺(カップ麺など)」が各91.6%と続いた。

調査した24品目の半数以上で「高くなった(合計)」が8割を超えた。一方、「1年前と変わらない」との回答が多かったのは「通信費(インターネット・電話)」で37.6%、「塾・習い事」が32.9%、「交通費」28.5%などだった。

CCCマーケティング総研が実施した消費者意識調査
各品目について1年での価格の変化

「価格の上昇を感じてからの商品・サービスの購入状況」を聞いたところ、「これまでと同様に購入している(購入量は減少していない)」が「購入量・頻度を減らして購入している」を大きく上回っているのは、「電気・ガス・水道」「ガソリン」「通信費(インターネット・電話)」など使用量を減らすのが難しいもの、「ティッシュ・トイレットペーパー」「洗剤」といった日用必需品だった。

「衣類」は「購入量・頻度を減らして購入している」が「これまでと同様に購入」を上回っており、今すぐに購入する必要がなければ我慢している様子がうかがえる。「食品」は「生鮮食品」で「これまでと同様の購入」から「減らす」が大きく上回っている。

「即席麺(カップ麺など)」「レトルト食品(カレーなど)」「菓子類」はこれまでと同様の購入をしている回答が多かったが、購入量や頻度を減らすも高い。「外食(レストランなど)」は「減らす」が「これまで通り」を上回っている。

CCCマーケティング総研が実施した消費者意識調査
価格の上昇を感じてからの商品・サービスの購入状況について

「今後価格が上昇したまま、あるいはさらに上昇した場合の商品・サービスの購入意向」をたずねたところ、「購入量・頻度を減らして引き続き購入する」が最も高かったのは「外食(レストランなど)」で43.0%。このほか、「菓子類」と「冷凍食品」が各37.3%、「弁当・惣菜」が37.2%、「衣類」は36.7%、「即席麵(カップ麺など)」が36.2%と続いた。

CCCマーケティング総研が実施した消費者意識調査
今後価格が上昇したまま、あるいはさらに上昇した場合の商品・サービスの購入意向

調査概要

  • 調査地域:全国
  • 調査対象者:男女16~79歳のT会員
  • 有効回答数:2711サンプル
  • 調査期間:2022年7月7~13日
  • 実査機関:CCCマーケティング
  • 調査方法:インターネット調査(Tリサーチ)
石居 岳

高島屋の通販戦略とは?――EC事業部のバイヤーによるネット専用商材の開発、専用在庫の確保、倉庫改修 | 通販新聞ダイジェスト

3 years 6ヶ月 ago
「ネットビジネス売上高500億円」達成に向け、EC事業に注力する高島屋。紙媒体とECの両チャネルで成長をめざすためにどのような取り組みを行っているのだろうか?

高島屋は、2024年2月期が最終年度の中期経営計画で掲げる「ネットビジネス売上高500億円」の達成に向けて、EC専用倉庫を開設して店頭在庫に頼らない販売・出荷体制を整備するほか、EC事業部内にバイイング機能を持たせることで、ネット限定商材の開発を進めて品ぞろえ強化につなげる。カタログ通販では、出産内祝いカタログや冷凍グルメの専門カタログを始動するなど、新たな顧客アプローチ手法の開発やコロナ禍で高まる消費者ニーズへの対応を強化する。紙媒体とECの両チャネルで成長を狙う高島屋の現状と通販戦略を見ていく。

売り上げ目標達成ならずも、母の日などギフトで成長

高島屋の前期(22年2月期)におけるネットビジネスの売上高は前年比8.8%増の323億円で、目標の345億円には届かなかった。そのうち、主力サイト「高島屋オンラインストア」の売上高は3.9%増、食料品宅配サービスの「ローズキッチン」が5.2%増、ファッション通販サイト「タカシマヤファッションスクエア」が9.0%増だった。

コロナ1年目となる前々期(21年2月期)は、巣ごもり需要の拡大に伴う消費者のネットシフトが加速したこともあり、同社もネットビジネス全体の売上高が前年比約60%増と大幅拡大した反動もあって前期の成長率は落ち着いたが、24年2月期に計画する500億円へのステップとして、今期は420億円を掲げているだけに、もう少し伸ばしたかったところだ。

前期はとくに4~5月が苦戦。ボリュームの大きい中元商戦の後半から盛り返し、8月に実施した「高島屋オンラインストア」のリニューアルに合わせてキャンペーンを展開したこともあって、9~10月は大きく伸ばした。ただ、人出の増加や実店舗の回復とは真逆に、11月くらいから再び苦戦し始めたという。

同社のECはギフトや食料品が強く、大型商戦である中元・歳暮は売り上げを維持しつつ、バレンタインや母の日など第2のギフトとして力を注いでいる商戦ではしっかり成長できた

通販新聞 高島屋 オリジナルブランド「タカシマヤ スタイル・プリュ」
高島屋通信販売のオリジナルブランド「タカシマヤ スタイル・プリュ」

スマホファーストのサイト設計でリニューアル

昨年8月に実施した「高島屋オンラインストア」のリニューアルでは、スマホファーストのサイト設計とし、スマホサイトは訪問者ベースで全体の7割強、売り上げベースでも約半分を占めている

通販新聞 高島屋 リニューアルした高島屋オンラインストア スマホファーストの設計
リニューアルした「高島屋オンラインストア」。スマホファーストの設計になっている

また、これまで同社では通販サイトで展開する企画ページについては、クリエイティブチームと企画チームが打ち合わせを重ねて作り込んだページを展開していたが、サイト刷新に合わせて各担当者が簡易的に企画ページを作りやすくした。同じ商材であっても切り口が変われば見え方も変わるため、さまざまな企画をスピーディーに更新し、サイト訪問者の目に触れる機会を増やした

強化中の自家需要の開拓については、EC全体の成長率よりも伸ばした。規模はまだ大きくないものの、百貨店の優位性が出せる特選カテゴリーが好調だ。

「高島屋オンラインストア」内には世界を代表するラグジュアリーファッションを集めた「タカシマヤラグジュアリーサロン」のコーナーに続き、ハイエンドからカジュアルウォッチまでを多彩にラインアップした「タカシマヤウォッチメゾンオンライン」コーナーを開設し、取り扱いブランド数や展開商品数の拡充に努めている。

コスメを強化、EC用在庫を確保

今期、自家需要の開拓ではコスメを戦略的に強化する。具体的には、EC専用の倉庫を8月末に開設する予定で、商品在庫をEC用に確保するのに加え、EC限定商材も展開しやすくするなど、裏側の仕組みを整える。

従来、コスメ商材は横浜店と大阪店の店頭在庫を発送していたが、コスメのEC売り上げが拡大する中、EC在庫が確保しにくくなってくることを見越して手を打つ。

倉庫は、横浜市内にある同社物流センターの1フロアをEC専用に改修する。まずはコスメ商材を扱うが、今後はECで展開するリビング商材や食料品の一部も同倉庫で保管、発送する計画だ。

通販新聞 高島屋オンラインストア内の化粧品ページ
「高島屋オンラインストア」内の化粧品ページ。発売日ごとにアイテムが確認できるコンテンツも
(画像は「高島屋オンラインストア」から編集部がキャプチャし追加)

EC事業部にバイヤーを置き、商材の拡充をめざす

加えて、中計の目標達成をめざし、組織面では今春からEC事業部にバイイング機能を持たせた。従来のEC事業部はサイトを運営する部隊として機能。カタログ通販がメインのクロスメディア事業部や各店舗が開発したり、セレクトしたりしたアイテムを取り扱っていたが、EC強化に本腰を入れるためにも、店舗などと同様にバイヤーを置いてネット専用商材の開発に乗り出す

今後はEC事業部として広げたい商材やカテゴリーを部内のスタッフで広げられるようになるため、よりスピーディーに品ぞろえを拡充できる

「店頭やカタログで買い物をするお客さまだけを見ていてはECユーザーを取りこぼしてしまう」(西名香織EC事業部長)とし、今後はECユーザーに向けた品ぞろえも強化。高島屋店頭や通販カタログでは扱わない商品も販売していく

たとえば、戦略商材のコスメでは従来の百貨店コスメに限定せず、プチプラコスメ、韓国コスメを含めて店頭とは異なるECユーザーのニーズに応えられる商材も扱っていく考え

コスメ以外では、スポーツ関連商品や美容家電なども候補になっているようで、今秋から本格的にバイイング機能を強化する計画だ。

※記事内容は紙面掲載時の情報です。
※画像、サイトURLなどをネットショップ担当者フォーラム編集部が追加している場合もあります。
※見出しはネットショップ担当者フォーラム編集部が編集している場合もあります。

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「通販新聞」は、通信販売・ネット通販業界に関連する宅配(オフィス配)をメインとしたニュース情報紙です。物品からサービス商品全般にわたる通販実施企業の最新動向をもとに、各社のマーチャンダイジング、媒体戦略、フルフィルメント動向など、成長を続ける通販・EC業界の情報をわかりやすく伝え、ビジネスのヒントを提供しています。

このコーナーでは、通販新聞編集部の協力により、毎週発行している「通販新聞」からピックアップした通販・ECのニュースや記事などをお届けしていきます。

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通販新聞

Twitterで始まった実店舗向け新機能「ロケーションスポットライト」とは | 店舗ビジネスに役立つ『口コミラボ』特選コラム

3 years 6ヶ月 ago
「ロケーションスポットライト」は、Twitterアカウントのプロフィールに店舗の場所や営業時間、連絡先情報を表示できるようになりました

Twitterは、Proアカウント限定の新機能「ロケーションスポットライト」の提供を開始したと発表しました。

アカウントのプロフィール上に実店舗の場所や営業時間、連絡先情報を表示する機能です。

Twitterに実店舗向け新機能「ロケーションスポットライト」登場

Twitterに新機能「ロケーションスポットライト」が実装されました。プロフェッショナル専用ツールで、使用するためにはTwitter Proアカウントに切り替える必要があります。

下の写真のように、Twitterアカウントのプロフィールに店舗の場所や営業時間、連絡先情報を表示できるようになりました。

ロケーションスポットライト:Twitter
▲ロケーションスポットライト:Twitterより

この位置情報はGoogleマップと連携しており、地図をタップすれば、ユーザーは店舗までの道順を確認できます。

また営業時間は、曜日や時間などを表示できるようにカスタマイズできます。さらに連絡先情報は「お問い合わせ」ボタンにDMや電話、メールなどの連絡手段を登録することができ、ユーザーは「お問い合わせ」ボタンから任意の方法で店舗と連絡が取れます。

お店の場所・営業時間といった情報がTwitterアカウントから直接見られるようになるため、集客に良い影響を与える可能性があります。すでにTwitter Proアカウントを導入している実店舗などではぜひとも活用したい機能となりそうです。

年内リリース予定の機能

Twitter社は、ロケーションスポットライトのリリースと同時に、年内に実装予定の新機能を告知しました。

以下のどちらの機能もロケーションスポットライトと同じく、プロフェッショナル向けの機能です。

プロフェッショナルホーム

プロフェッショナルホームは、インサイト機能を拡充したり、情報を入手しやすくしたりする「Twitter内の集中型リソースハブ」です。

このホーム上で、パフォーマンスの動向を追跡したり、商品プロモ―ションの状況を確認できるとのことです。近日中にもリリース予定としています。

プロフィールスポットライトの拡充

プロフィールスポットライトは、潜在顧客へのアプローチを可能にする機能です。

具体的な機能は発表されていませんが、Twitterの集客ツールとしての機能を強化するものであることは確かです。年内にもリリースされます。

<参照>

この記事を書いた「口コミラボ」さんについて

「口コミラボ」は、様々な地図アプリ・口コミサイトの監視、運用、分析を一括管理できる店舗向けDXソリューション「口コミコム」が運営する店舗ビジネス向け総合メディアです。近年、企業の評判管理が重要視されるなか、特に注視すべきGoogleマイビジネスを活用したローカルSEO(MEO)や口コミマーケティング、それらを活用した集客事例から、マーケティング全般、店舗経営のハウツー、業界動向データにいたるまで幅広い情報を紹介します。

口コミラボ

千趣会が戸建て住宅をカタログ・ECで販売

3 years 6ヶ月 ago

千趣会は通販チャネルを用いた戸建新商品を開発し、カタログやネット通販で販売する。

インターネットを中心に住宅の企画・施工・販売を行うLib Workと、通販チャネルを用いた戸建商品共同開発契約を締結。千趣会の「BELLE MAISON DAYS(ベルメゾンデイズ)」とコラボレーションし、戸建住宅の新商品を共同開発する。

千趣会は通販チャネルを用いた戸建新商品を開発し、カタログやネット通販で販売する

新商品はベルメゾン会員データベースや通販ノウハウを活用し、販売プロモーションを展開。千趣会の通販カタログやECサイト、SNSなど介して通信販売で販売展開を行う。

ライフスタイルや世界観といったソフト面に焦点を当てて商品開発を行うLib Workと共創。住宅販売を足掛かりとしたホームファッションジャンルのブランド強化、住宅購入検討者へのインテリア商品の提案、モデルハウスを活用した消費者とのコミュニケーションなど、新たな顧客接点の構築もめざす。

今回共同開発する商品には、新聞紙を再利用した断熱材セルロースファイバーを標準採用するなど、サステナブルな社会の実現に向けた社会課題の解決にも取り組む。

瀧川 正実

EC事業者が今日からでも考えるべきこと/通販立ち上げ・拡大における「壁」とは【ネッ担アクセスランキング】 | 週間人気記事ランキング

3 years 6ヶ月 ago
2022年8月5日~2022年8月18日にアクセス数の多かった記事のランキングを発表! 見逃している人気記事はありませんか?
  1. 「流行りものを追いかけるより圧倒的に費用対効果の高い結果が創出できる」。DINOS石川さんが考える、EC事業者が今日からでも考えるべきこととは【ネッ担まとめ】

    ネットショップ担当者が読んでおくべき2022年8月1日~7日のニュース

    2022/8/9
  2. 通販・ECのプロが答えた年商5億円・10億円・30億円・50億円のフェーズで直面する壁と突破のヒントとは

    通販事業(年商30億円以上)の立ち上げに携わったことがある102人に対し、通販立ち上げ・拡大における「壁」について調査した

    2022/8/8
  3. 【Zホールディングス2022年度1Q】eコマース取扱高は15.1%増の約1兆円、ショッピング事業は約8%増の4109億円

    国内物販系の取扱高は、前年同期比5.9%増の7316億円、国内サービス系の取扱高は同8.7%増の1312億円、国内デジタル系の取扱高は同1.7%減の456億円、海外EC取扱高は809億円

    2022/8/5
  4. 店舗とECの「併用顧客」の来店頻度・購入金額は2倍以上。パーソナライズされたUXでロイヤリティ向上を実現する青山商事の事例

    店舗とECの両方を利用する「併用顧客」の拡大を目指す青山商事。店舗・EC双方で購入を後押しするポイントや、施策の事例が語られた。

    2022/8/9
     
  5. 広告売上3.4兆円のAmazon。Googleのインターネット広告シェア奪取を狙う戦略とは?

    2021年のAmazonの広告収入は約3兆4000億円となり、インターネット広告市場で3位の規模となりました。ECプラットフォームとしての強みを生かすAmazonの広告戦略について解説します

    2022/8/17
     
  6. BtoC-EC市場規模は20.6兆円。物販系は13兆円でEC化率は8.78%、スマホEC規模は6.9兆円【2021年の電子商取引調査まとめ】

    2021年のBtoC-EC市場規模は20兆6950億円で前年比7.35%増。物販系分野のBtoC-EC市場規模は13兆2865億円で同8.61%増。EC化率は8.78%

    2022/8/17
     
  7. 創業103年「富澤商店」の特許AI技術を使った次世代ソーシャルコマース事業とは

    富澤商店の次世代ソーシャルコマースは、SNSとコミュニティとECをシームレスにつなげ、一体化した仕組みを構築するのが全体像となる

    2022/8/10
     
  8. 店舗とECでID共通化、組織再編、従業員とのコミュニケーション深化。ブックオフのオムニチャネルが成功した秘訣とは

    コロナ禍を内部に向き合うチャンスと捉え、インナーコミュニケーションを活発に行ってきたブックオフコーポレーション。店舗の売り上げや客単価の向上に貢献した施策を語る。

    2022/8/10
     
  9. 京王電鉄がLINE上でECモール「トレくる by KEIO」を展開、商品は電車で配送し受け取りは駅ロッカー

    「トレくる by KEIO」は、京王沿線の京王百貨店や京王プラザホテル、うかい、富澤商店などが厳選したコスメや菓子、酒など100点以上の商品を取りそろえる

    2022/8/9
     
  10. eコマース企業もしくは事業の売却で知っておきたいこと&会社の価値を最大化するポイントを解説

    eコマース企業および事業の売却について、価値を高めるためのポイント、手続き、売却をスムーズに進めるためのポイントなどを解説します

    2022/8/10
     

    ※期間内のPV数によるランキングです。一部のまとめ記事や殿堂入り記事はランキング集計から除外されています。

    藤田遥

    残業時間減、休日取得増、男性休暇率増を実現したオンワードHDの働き方改革とは

    3 years 6ヶ月 ago

    オンワードホールディングス(HD)は2019年8月から、既存事業の効率化と未来投資を目的に社員の働き方改革プロジェクト「働き方デザイン」を進めている。

    「働き方デザイン」を実施している中核事業会社のオンワード樫山が発表した「働き方デザイン」の2021年度の成果発表によると、男性育休取得率は2020年度の国平均12.65%を大きく上回る27.3%、平均取得日数は141日を達成した。

    オンワードホールディングス(HD)は2019年8月から、既存事業の効率化と未来投資を目的に社員の働き方改革プロジェクト「働き方デザイン」を進めている
    「働き方デザイン」の成果

    2021年度の「働き方デザイン」はこれまでの取り組みに加え、育児休業取得促進のための研修の実施、出産・育児に関する制度や休暇の取り方などを記載した「仕事と育児の両立支援ガイドブック」の制定などを行った。

    また、副業制度の導入や人事制度の改定、処遇改善など、社員1人ひとりの働きやすい環境作りを実施したという。

    取り組みの実績と内容は以下の通り。

    育休取得促進のための研修、ガイドブック制定などを実施。男性育休の平均取得日数は141日

    誰もが育児休業を当たり前に取得できる環境をめざし、管理職向けのオンライン研修を実施。また、前出の「仕事と育児の両立支援ガイドブック」を制定した。

    このほか、出産を控えた女性やそのパートナー向けに、育休取得に対する理解促進やコミュニティーを形成することを目的とした「プレパパ・ママセミナー」も定期的に催している。

    これらの取り組みの成果として、2021年度は男性育休取得率が27.3%、全員が2週間以上の休暇を取得。平均取得日数は、これまでの取得実績と比べて最長となる141日になったという。

    オンワードホールディングス(HD)は2019年8月から、既存事業の効率化と未来投資を目的に社員の働き方改革プロジェクト「働き方デザイン」を進めている
    出産・育児に関する制度や休暇を周知するための 「ガイドブック」 を制定

    社員のキャリアアップのための副業制度を導入

    社内の通常業務では得られない知識・スキルを習得することで社員のキャリアアップにつなげるため、2022年7月から副業制度を導入。社内ポータルサイト内に、副業制度に関する特設サイトを開設した。オンワードグループ内での副業の案件なども紹介しているという。

    人事制度の改定、処遇の改善。初任給2.1万円の引き上げを実施

    改定後の人事制度では、社員の役割に基づき処遇を決定する「グレード制」を導入。前制度の人事方針は、年齢に応じた安定的な処遇が行われていた一方、大きな役割を担う一部の若年層にとっては、不公平に感じられる仕組みだったという。

    世のなかの変化や事業環境の変化に敏感に対応し、新しい発想でチャレンジする人を高く評価し、活躍を促す制度・仕組みに変えていく考え。また、23~32歳の社員を対象に、処遇の引き上げを実施。初任給は2.1万円引き上げ24万円にした。

    販売職の新たな働き方を支える「インフルエンサー制度」を導入

    店頭とデジタルの2つの業務を両立するファッションスタイリストの新しい働き方を支えるため、「インフルエンサー制度」を制定。毎月手当を支給し、デジタルデバイスを個人貸与することによって、店舗での対面の接客だけでなく、デジタルツールを使用した接客による売上拡大をめざす考え。

    オンワードホールディングス(HD)は2019年8月から、既存事業の効率化と未来投資を目的に社員の働き方改革プロジェクト「働き方デザイン」を進めている
    社内インフルエンサーの市川ゆかりさん

    部署内の課題解決のための自発的なアクション「オンライン勉強会」の実施

    部署ごとに、週に一度、普段一緒に仕事をするチーム単位で「自分たちがより良い働き方をするために何をすべきか」を考える「カエル会議」を実施。「カエル会議」では、「自分たちがより良い働き方をするために何をすべきか」をディスカッションし、現状の課題を解決するためのアクションを行っているという。

    服づくりの設計図である型紙(パターン)を作る「パタンナー」で構成される部署では、「カエル会議」を行うことで課題が表面化され、技術継承を目的とした熟練のパタンナーの技術をメンバーに共有する勉強会を始めた。従来は、服づくりに関する知識やスキルが属人的になってしまうという課題があったという。

    オンワードホールディングス(HD)は2019年8月から、既存事業の効率化と未来投資を目的に社員の働き方改革プロジェクト「働き方デザイン」を進めている
    オンライン勉強会の様子

    他のチームでは、各々の日々の業務のスピードを高めるために、PCスキルの勉強会を行っている部署などもある。こうした勉強会は全てオンラインで行っているため、録画データをいつでも閲覧できるような工夫もしているという。

    瀧川 正実

    サイジニアが「Yahoo!マーケティングソリューション パートナープログラム」の「セールスパートナー」に認定

    3 years 6ヶ月 ago

    サイト内レコメンドエンジン「デクワス.RECO」やパーソナライズ広告「デクワス.AD」などを開発・提供するサイジニアは、ヤフーの「Yahoo!マーケティングソリューション パートナープログラム」において「セールスパートナー」に認定されたと発表した。

    「Yahoo!マーケティングソリューション パートナープログラム」は、「Yahoo! JAPAN」の広告商品・サービスを扱う企業との連携を強化し、広告主とのマッチング支援および広告主の課題解決を促進することを目的とした制度。

    「Yahoo! JAPAN」が厳正な審査を行い、広告出稿・運用代行・自社運用・調査などの広告主へのサポートが一定の基準を満たしている企業を認定するのが「セールスパートナー」で、半期ごとの拡販実績によって「★(星)」を付与している。

    サイジニアによると、これまでの豊富な実績が評価され「セールスパートナー」に認定されたという。これにより、予約型の広告も新たに取り扱いが可能となる。

    瀧川 正実

    アイスタイル、化粧品専門店「東京小町」を買収

    3 years 6ヶ月 ago

    アイスタイルは、連結子会社のアイスタイルリテールが北部九州を中心に調剤薬局などを展開するミズがの化粧品専門店「東京小町」事業を買収し、10月1日から運営を開始すると発表した。

    アイスタイルグループが運営する化粧品実店舗「@cosmeSTORE」「@cosme TOYKO」の2022年6月期で126億円の売上規模となっており、今回の事業買収でリアルなユーザー接点を強化する。

    アイスタイルグループが運営する化粧品実店舗「@cosmeSTORE」「@cosme TOYKO」の2022年6月期で126億円の売り上げ規模
    ECと実店舗を合わせた「Beauty Service事業」の売上高推移(画像はアイスタイルのIR資料から編集部がキャプチャ)

    「東京小町」は、年間売上高が300億円を超える東京・埼玉・神奈川の大型ショッピングセンター内で店舗を展開している。「ブランドバリアフリー」をポリシーとして掲げており、多岐にわたる品ぞろえによる顧客と化粧品との出合いを生み出す「@cosme STORE」の事業方針と親和性が高いと判断。シナジーによる事業成長が見込めることから事業買収に至ったという。

    事業買収によって、「東京小町 ラゾーナ川崎店」「東京小町 ららぽーと豊洲店」「東京小町 ららぽーと横浜店」「東京小町 イオンモール浦和美園店」の4店舗がアイスタイルグループの一員となる。

    アイスタイルは、連結子会社のアイスタイルリテールが北部九州を中心に調剤薬局などを展開するミズがの化粧品専門店「東京小町」事業を買収する
    アイスタイルグループが買収する「東京小町」

    コロナ禍以降、化粧品業界ではデジタルシフトが加速し、速いスピードでEC化が進んでいる。経済産業省が8月12日に発表した「令和3年度デジタル取引環境整備事業(電子商取引に関する市場調査)」によると、「化粧品、医薬品」のEC化率は2021年に7.52%で前年比0.8ポイント増。ただ、アイスタイルは今後もEC化が伸長すると予測しているものの、リアルでのユーザー接点がまだ圧倒的に多い状況にあると分析している。

    「実際に試して購入したい」という化粧品特有のニーズの高さ、店舗へのアクセスが良い地域が多い日本の事情を踏まえると、集客力に優れた店舗、提供される体験の価値がより高まっていくことが考えられるとしている。

    アイスタイルグループはリアルなユーザー接点を強化することで「@cosme」のプラットフォーム価値を向上させていく。

    アイスタイルグループはリアルなユーザー接点を強化することで「@cosme」のプラットフォーム価値を向上させていく
    アイスタイルグループが展開する美容プラットフォーム(画像はアイスタイルのIR資料から編集部がキャプチャ)
    石居 岳

    中国・米国向け越境EC市場は約3.3兆円で15%増。中国向けは約2.1兆円、米国向けが約1.2兆円【2021年の海外向けEC規模】

    3 years 6ヶ月 ago

    経済産業省が8月12日に発表した「令和3年度デジタル取引環境整備事業(電子商取引に関する市場調査)」によると、2021年の中国・米国向け越境EC市場は前年比14.8%増の3兆3606億円だった。

    内訳は米国向け越境ECが同25.7%増となる1兆2224億円、中国向けが同9.7%増の2兆1382億円。

    経済産業省が8月12日に発表した「令和3年度デジタル取引環境整備事業(電子商取引に関する市場調査)」によると、2021年の中国・米国向け越境EC市場は前年比14.8%増の3兆3606億円
    日本・米国・中国の3か国間における越境電子商取引の市場規模

    消費国としての米国の越境BtoC-EC(日本・中国からの購入)の総市場規模は2兆409億円で同19.3%増。このうち、日本からの購入額規模は1兆2224億円、中国経由は8185億円(同10.9%増)。

    消費国としての中国の越境BtoC-EC(日本・米国からの購入)の総市場規模4兆7165億円で同10.7%。このうち、日本からの購入額規模は2兆1382億円(同9.7%増)、米国経由は2兆5783億円(同11.5%増)。

    瀧川 正実

    店舗回帰のトレンドに学ぶお客に支持される売り場作りと改善策&最新の消費行動 | 海外のEC事情・戦略・マーケティング情報ウォッチ

    3 years 6ヶ月 ago
    米国では新学期のスタートを前に、買い物を実店舗で行う店舗回帰が進んでいます。最新の消費意識、消費行動などから、実店舗回帰のトレンドへの対応などについて解説します

    新学期(米国は9月から)の準備の際、購入前に実際に商品を試したい消費者が多いため、実店舗での買い物が増加すると予想されています

    新学期は小売事業者にとって2番目に大きなシーズンで、店舗の売上予測は明るい兆しがさして見えています。

    消費行動が店舗へ回帰していると発表した全米小売業協会(NRF)によると、今新学期シーズンの成長率は前年比8.2%と予測。新しいサイズを試着したいというニーズと、最新のファッションを実際に見てみたいという消費者ニーズが成長をけん引するそうです。

    百貨店は数年にわたった新学期シーズンの落ち込みに直面した後、回復基調を継続。その結果、百貨店の売り上げは前年比13%増になるとNRFは見ています。

    NRFは、「back-to-school(新学期)」は「in-store shopping(店舗での買い物)」の再開を意味すると予測。複雑な商品から高価な衣類まで、あらゆる商品を購入する消費者が、店舗へ足を運ぶと予測しているのです。。

    私はめったに服を買いませんが、購入前に見て・着てみるのが好きなので、店舗で買います。家具も同じです。

    筆者が実施した買い物に関する調査によると、特に低価格で大きなモノ(たとえばベッドフレーム、扇風機、テレビなど)、簡単なモノであればお店で手に入れるというのが共通回答です。また、時間がない時も、店舗での買い物が好まれています。

    店舗でのショッピングでは、子どもを連れて直接手に取って商品を選びます。ネットでしか買えないような特別なモノでない限り、子どもたちは通路を歩き回るのを好むからです。通常はTarget(『Digital Commerce 360』発行の『北米EC事業 トップ1000社データベース 2021年版』で5位にランクイン)で商品を購入します。衝動買い以外は、店頭で服を買うことはありませんが、子ども達は自分でスニーカーを選ぶと言い張ります。

    リテールセラピーは実在する

    小売店での買い物には、「リテールセラビー」と呼ばれるものがあります。

    ある人は、洋服を試着するのが好きで、本格的なショッピングを楽しみたいために店舗へ足を運び、対面でのサポートを求めます。また、ある人は、歩くことでインテリアのアイデアを思いついたり、必要なモノを思い出したりすることができるので、店に足を運ぶことを好みます。また、別の人は、家を出てしばらく外出する際、HomeGoods(親会社であるTJX Cos.の下、トップ1000位の中で69位にランクイン)やTargetに立ち寄るのが楽しいと話します。

    店舗とオンラインの買い物体験は相互に排他的なものではないため、オムニチャネルの出番となるわけです。ほとんどの消費者がマルチチャネルを利用していて、利便性と選択肢が、長期的に消費者と小売事業者の双方に利益をもたらします

    PwCの年次消費者調査によると、消費者の40%近くが少なくとも週に一度は実店舗で買い物をするのに対し、オンラインで同じことをする人は27%であることがわかっています。

    実店舗に着いてから価値のある買い物をするために、オンラインは家で予習をすることができます。在庫の有無、幅広く正確な品ぞろえを事前に確認できるのです。こんな意見もあります。

    最近、在庫や陳列場所の確認は、直接スタッフに聞くよりスマホで確認することが多いので、買い物がうまくいかない状況にはなりません。スマホでできないことを店員に聞く必要性が減ってきているので、カスタマーサービスは良い方向にシフトしているように思います。Lowe’sはアプリでの案内もしっかりしているし、私の行く店舗は従業員も親切です(いつもそうとは限りませんが)。

    小売店での究極の買い物体験

    体験は感動であり、感動の一部は触感です。ある人は、ハンドバッグに使われている革の種類など、生地の質を見極めるのに、店舗は役立つと話します。

    筆者は、どのようなお店が本当に体験を提供してくれるのか、いつもリサーチしています。Nike(トップ1000位の10位)が常にその対象で、商品を間近で見ることに勝るものはない一部の高級小売店も含まれます。

    また、ホームセンターは、自宅の部屋のセッティングを想像する上で興味深い環境を提供してくれます。オンラインでシミュレーションできるツールはたくさんありますが、実際にソファへ座る体験に勝るものはありません。調査では、独立系書店での体験談を紹介してくれた人もいました。

    McNally Jackson BooksellersはここNYCではかなり新しい会社です。同僚によると、一貫して素敵な時間を過ごすことができる場所と聞きました。かわいいコーヒーショップがあり、店内にはふかふかの椅子がたくさん散りばめられている、などなど。この勧めをもとに最近ブルックリンの店舗を訪れましたが、私も同感です。

    効率が肝。スピード、即時性求める消費者たち

    買いたい商品数が少ないとき、試着が必要なとき、至急必要なとき、あるいは“土壇場”で急にモノが必要なとき、大きなモノ(例:ベッドフレーム、扇風機、テレビ)が必要なとき、店舗は最速の買い物方法になることがあります。また、必要な時に間に合わないギリギリのプレゼントも、店舗での買い物に向いています。

    筆者は店舗に行くのが好きです。品ぞろえが豊富で、すぐに見て回れます。ほとんどの場合、数分で良いモノが見つかります。

    カジュアルな黒のリネンパンツを探していた筆者は、Googleで検索してみたものの、地元の商店街まで1マイルほど歩いた方が効率的な買い物ができるようでした。すぐにAthleta(親会社であるThe Gap Inc.の傘下起業で、トップ1000位の19位)の店舗を一周し、目ぼしい商品をいくつか見つけ、15分以内に他のコーディネート商品と一緒に、店舗を後にしました。オンラインショップでは、商品を手にすることができないため、返品もあり得たでしょう。

    「もっと早く必要なものがあれば、Nordstrom(トップ1000位の20位)に行きます」とある消費者は話します。

    そこで、Nordstromの店内へ入るり、"now"ファクター、つまり今すぐ(5時間以内の即日配達ではなく、1時間以内)について聞きました。たとえば、子どもがミットをなくしてしまったことに朝気づき午前10時からの試合に必要である、その日の夕食に作ることを約束したレシピのために特定の耐熱皿が必要であるといった「今すぐ」需要への対応です。テクノロジーは、店舗の効率化にも貢献します。

    先日、Targeのレジに並んでいたら、店員がスキャナを持って近づいてきました。彼女は私の商品をスキャンし、あまり待たずに会計を済ませることができたのです。

    基本的なことは今も変わらない

    『Digital Commerce 360』とBizrate Insightsが1033人のを通販・EC利用者を対象に行った調査から、消費者がオンラインで何を求めているのか考えてみましょう。

    送料無料は、商品の在庫状況、過去の経験、適切な価格は引き続き上位にランクインしています。ショッピングには基本的なことが重要であることに変わりはありません。

    特定の小売店で買い物をしようと思った理由(出典: 『Digital Commerce 360』とBizrate Insightsが行った調査)
    特定の小売店で買い物をしようと思った理由(出典: 『Digital Commerce 360』とBizrate Insightsが行った調査)

    消費者は、空っぽの棚、店舗間の在庫の不一致、値札のない商品といった問題に直面することがあります。在庫は買い物の基本です。消費者は他にも、「何もない店の棚は見ていて楽しくないし、探しているものが十分に棚に並んでいない」というコメントもしていました。

    ハードウェアストアのHome Depot(トップ1000位で4位)やLowe’s(トップ1000位で11位)は、必要なものを探すのに時間がかかりすぎます。大抵は小さな商品だし、スタッフも見つからないので、あまり行きたくないです。でも、見つけたときは、とても親切に対応してくれます。

    一方で、商品を探すのに苦労している消費者もいます。品ぞろえの豊富な店舗や広い店舗面積の店舗では、必要なモノを見つけることに苦労します。特に、Macy's、Kohl's、JCPenneyといった百貨店が挙げられています。

    消費者は詳細な商品情報を求めている

    最近、店頭で商品を見つけることが難しくなっています。2種類の歯磨き粉、保湿剤、低脂肪クリームチーズ、出産祝いのカードなど、見つけられないものばかり。あらゆるものが製造中止になったり、品薄になったりしているようで、お店で扱っているブランドも少なくなっています。必需品を探すために、オンライン(通常はアマゾン)を利用することが多くなりました。衣料品店も品薄です。Old NavyからNordstromまで、何も見つからないんです。

    こうした状況を踏まえると、Amazonに消費者が向かうのは当然のことでしょう。つまり、消費者は在庫状況なども含めた詳細な情報を求めているのです。

    小売店やブランドのECサイトにおける商品詳細情報は、あまりにも情報が薄いか、情報過多かどちらかです。実店舗のスタッフが、初心者の私に必要なモノと、もっと高度なスキルがないと無駄な買い物になるモノを正直に教えてくれたのは、ありがたかったです。

    カスタマーサービスでは例外が奨励される

    筆者はネットで購入した商品の返品に多くの時間を費やしています。時には、一度に何十件ものオンライン注文を受けることもあり、それらを店舗に返品するだけで数時間かかってしまうこともあります。

    店舗へ出向いて買い物をするのが好きな人にとっては、今のガソリン価格では、返品は少し気が引けるかもしれません。ショッピングは購入が目的ですが、ポジティブな返品体験は消費者の心に残り、ロイヤリティを高めてくれる可能性があります。

    『Digital Commerce 360』とBizrate Insightsが1033人の通販・EC利用者を対象に行った調査によると、消費者は高い返品手数料を好まないことが判明しています。また、返金を得るまでに1週間以上かかる場合や、あまりにも制限の多い返品ポリシーも好まれないことが指摘されています。

    オンラインで購入した商品を返品する際、不満に思うこと(出典: 『Digital Commerce 360』とBizrate Insightsが行った調査)
    オンラインで購入した商品を返品する際、不満に思うこと(出典: 『Digital Commerce 360』とBizrate Insightsが行った調査)

    ただ、例外的な要素が店舗への関心を高める可能性があります。同僚の数人は、もしかしたら嫌なことに巻き込まれる可能性があるというような「例外的」要素に言及しました。

    Best Buy(トップ1000位の6位にランクイン)で、購入時に故障していたテレビを返品する際、ひどいサービスを受けました。カスタマーセンターのスタッフは私が壊したと責め立て、店長に報告するまで返金はしないと伝えてきたのです。実店舗ではお店の責任者に直訴できるのに対し、オンラインでは匿名性が高くなってしまいます。

    多くの人が、ホームセンター店頭での購入やカスタマーサービスという名の例外的なサービスに注目しています。そのなかで目立ったエピソードがあります。

    Home Depotのオンラインストアで、デッキ用のステインを注文しました。商品が届くと、着色はされておらず無地のように見えました。使用前にカスタマーサポートに電話をしましたが、彼らはサポートまでできませんでした。私は着色されていないことに気づいたので、地元の店舗に商品を持って行き説明をしました。すると店頭スタッフが商品に色を塗ってくれたのです。地元のホームセンターは、オンラインのミスを救済してくれたわけです

    消費者が例外的な助けを必要としているとき、従業員が店頭で規則を「破って」くれることもあります。ある消費者は、Joann(トップ1000の266位にランクイン)の店では、店頭でクーポンを組み合わせたり、競合店のクーポンを簡単に使えることが気に入っていると言っていました。同じことをオンラインで実現する場合、とても難しいことだと指摘しています。

    店舗のスタッフは消費者への対応をもっと改善すべき

    正直なところ、最近の店での買い物は大変なことになっているようです。冒頭に予測した新学期の数字を振り返ると、誰が消費者の面倒を見るのだろうかと考えさせられます。筆者が訪れる多くの店は、デパートから専門店まで人手不足が起きているからです。

    お店での対応は運次第という側面があります。人手不足のなか、店員を探し出すのは大変です。しかも、その店員は夏休みのアルバイトで、高校生や大学生の若者だったりします。知識も乏しく、基本的な質問にも答えられません。

    筆者のキャリアは小売業の売り場から始まりました。研修もありました。小売業で働くことを特権と考え、楽しんでいました。ただ筆者の娘は最近、ニューヨークの高級小売店に就職しましたが、残念ながら真逆の経験をしていました。娘は決して再び小売業で働きたいとは思わないでしょう。私は今でも戻りたいと思っています。

    理由は、ある人が話してくれたようにシンプルなことです。

    Targetは従業員を親切にする努力をしている

    その通りです。私は50年経った今でもTargetで買い物をしていますし、これからもTargetに行くつもりでいます。

    知識は重要。消費者の時間節約にも

    素晴らしい店舗は、お客さまとのつながりを大切にしています。私は、優秀なスタッフと会話し、Sephoraのビューティーアドバイスのような洞察を得ることを楽しんでいます。

    同僚の奥さんは、Paper Sourceをあげました。彼らは、現在店頭に並んでいるもので、デザインやクラフトの課題を解決する手助けをしてくれたからです。

    店舗での買い物は、最終的には人とサービスによってその価値が決まるのかもしれません。

    試着室のジレンマ

    ネット通販でサイズが合わないというのは、以前からよくあることでした。しかし、より深刻なのは、試着するために店舗に足を運んだのに、試着室で問題が発生することです。ある消費者はこう話しました。

    多くの店舗で、品揃えが悪く、棚が空っぽ。レジの列も長い。Macy'sにドレスを探しに行ったら、試着室が閉まっていて、レジも閉まっていた。だから、Nordstromに行ったんです。

    多くの人が店に行く理由は、「購入前に試着したい、商品を実際に見てみたい 」ということです。ある母親は、娘とプロムドレスを買うために出かけたところ、試着室が閉まっていることに驚いていました。

    自身の適正サイズを判断する際、役立ったこと(出典: 『Digital Commerce 360』とBizrate Insightsが行った調査)
    自身の適正サイズを判断する際、役立ったこと(出典: 『Digital Commerce 360』とBizrate Insightsが行った調査)

    筆者は他の多くの人と同じようによく中間サイズを選びます。店頭ならすぐに試着して決められますが、オンラインではそうもいきません。1色だけ欲しい場合、オンラインでは2つ注文して1つを返品します。

    過去6か月の間、筆者はシカゴのZARAを3店舗訪れましたが、そこでの体験はほとんど同じような失望感でした。試着室の数は限られており、客をサポートできる人はほとんどいなかったのです。

    ZARAのファンである筆者は、いくつかの商品を手に入れるために店に向かいました。到着して周りを見渡すと、レジの列には20人並んでいました。販売員は3、4人しか働いていないようでした。他の店舗では、レジに2人しかおらず、他の店員はほんの数人しか働いていません。試着室には10~12人ほどの列ができていて、複数の服を抱えていました。私の服を預かって、部屋が空くまでラックに掛けてくれる人は、かろうじていましたが、販売員がお客さまの買い物をサポートすることなどはありませんでした。

    引き続き魅力のあるショップローカル/ショップスモール

    『Digital Commerce 360』とBizrate Insightsが1000人以上に行った調査では、回答者の21%が地元で買い物をするよう意識していることがわかりました。

    コロナ禍がアパレル、アクセサリー、シューズのオンライン購買行動に与えた影響(出典:『Digital Commerce 360』とBizrate Insightsが行った調査)
    コロナ禍がアパレル、アクセサリー、シューズのオンライン購買行動に与えた影響(出典:『Digital Commerce 360』とBizrate Insightsが行った調査)

    近所の小さな店での丁寧な接客などによって、購買行動が変わることがあります。「私は、地元の小さな装飾のブティックや衣類のブティックで買い物をします。地元のママの商品も陳列されていると聞いたからです」

    顧客を大切にするということは、十分な在庫と、販売されている商品に精通した販売員を確保することです。小売事業者が店舗をしっかり管理することができれば、勝算があるのかもしれません。

    この記事は今西由加さんが翻訳。世界最大級のEC専門メディア『Digital Commerce 360』(旧『Internet RETAILER』)の記事をネットショップ担当者フォーラムが、天井秀和さん白川久美さん中島郁さんの協力を得て、日本向けに編集したものです。

    Digital Commerce 360
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