ネットショップ担当者フォーラム

従業員とユーザー 双方の利便性向上を推進するホームセンター大手カインズのデジタル戦略とは?

3 years 3ヶ月 ago
デジタル戦略を推進するカインズ。ECサイトをオムニチャネル基盤として再構築し、店舗とECの連携を強化したことでさらなる成長を実現している。オムニ戦略統括部の田島和修氏が具体策やポイントについて解説する

1989年の創業から着実な成長を遂げてきた、ホームセンター最大手のカインズ。環境の変化や先々の課題を見据え、2019年以降を第3創業期と位置付けて「プロジェクト カインドネス」を推進している。このなかで特に注目すべき取り組みがデジタル戦略だ。従業員とユーザーの双方に向けて、利便性を高める施策を次々と実施。また、独立採算で業績評価される店舗と同様の扱いだったECサイトをオムニチャネル基盤として再構築し、店舗とECサイトの連携を強化したことでさらなる成長を実現している。

デジタル戦略の具体策や、店舗とECサイトの壁を乗り越えたポイントなどを、田島和修部長(デジタル戦略本部 デジタルビジネス推進統括部 eコマース部)が解説する。

2019年以降を第3創業期と位置付け、変革を推進

全国に228店舗(2022年4月末時点)を展開し、2022年2月期の売上高は4826億円に達する国内最大規模のホームセンター、カインズ。北関東を中心にスーパーマーケットを展開するベイシアのグループ企業で、ベイシアの前身「いせや」のホームセンター部門が分社・独立する形で1989年に設立した。

カインズは、商品を購入したユーザーの暮らしがハッピーで楽しくなることを表現した「くらしに、ららら。」をプロミス(ユーザーとの約束)としている。そしてビジョンには「世界を、日常から変える。」を掲げ、業務において重視するコアバリュー(価値観)には「Kindnessでつながる」「『創る』をつくる」「枠をこえる」の3つを掲げて事業を推進している。

カインズ DX戦略 カインズのプロミス、ビジョン、コアバリュー
カインズのプロミス、ビジョン、コアバリュー

品揃えと価格が重要視される時代だった創業時、「何でも安く揃う」を提供価値としていたカインズは、ユーザーの支持を集めながら急成長を遂げてきた。

2007年からは第2創業期と位置づけ、プライベートブランド商品を製造して直接ユーザーに販売する「SPA宣言」を行った。さまざまな困難を乗り越えながら差別化できるプライベートブランドへと改良を重ね、現在では売り上げの約4割を占めるまでに拡大。SPAを追求したことにより財務面も大きく改善し、資本余力が蓄えられたという。

2018年にはIT小売業宣言を打ち出し、翌年からは第3創業期として「プロジェクト カインドネス」を立ち上げ、現在はそのプロジェクトを進めているところだ。

カインズ DX戦略 創業した1989年からのカインズの変遷
創業した1989年からのカインズの変遷

安定的に売り上げを伸ばし続けているにもかかわらず、2019年以降を第3創業期と位置付けて変革を推し進める理由について、田島氏は「先を見通せば課題が随所にあるから」と話す。

課題の1つが「売り上げにまつわるリスク」だ。少子高齢化が進む日本では総支出自体が減少し、高齢者を中心に買い物難民が増加している。一方でホームセンターの数は増加し、ECやネットスーパーも普及したことで、競争環境はよりいっそう激化しているのだ。

2つ目の課題として「チェーンストアオペレーションのリスク」をあげる。人口減少は消費者だけでなく労働者の減少も危惧されるが、地方に多くの店舗を構えるカインズにとって、すでに商圏の労働人口の減少を実感するところまできているという。ベテランスタッフの退職により、30年間蓄積してきたノウハウを失う事態に陥らないための対策が必須になっている。

3つ目の課題は「消費構成の変化」。モノ消費からサービス消費に消費者の行動が進展しているほか、デジタル購買ニーズもますます高まっている。また、商品を購買する上でも「物理的にモノがあれば満足」という考えから、その商品の背景、ストーリーも重視する傾向が強まっており、こうした時代の変化にどう合わせていくかを考えなければならなくなっているという。

カインズ DX戦略 カインズが抱える課題
現在のカインズが抱える課題

4本の戦略の柱で構成される「プロジェクト カインドネス」

「プロジェクト カインドネス」は、①SBU戦略 ②デジタル戦略 ③空間戦略 ④メンバーへのKindness――の4つを戦略の柱として構成している。

カインズ DX戦略 プロジェクトカインドネスの4本の戦略の柱
「プロジェクト カインドネス」の4本の戦略の柱

「SBU戦略」とは、商品戦略のことを指す。「今までと同じような品揃えをしていては、お客さまは満足しないのではないか?」という仮説のもと、ユーザーにマッチする商品開発を心掛け、新たな顧客価値を創造する大胆なカテゴリーの拡大・縮小に取り組んでいる

「空間戦略」では、店舗空間の中でカインズのブランドをどうやって伝え、ユーザーにとって買いやすい売り場にするのかを追求。エンジニアリングの考えを導入した改革に踏み切っているという。

「メンバーへのKindness」は、カインズで働いている従業員が誇りに思える、働きたい会社にしていくことをめざし、「プロジェクト カインドネス」の土台となる柱として据えている。

特にコロナ禍では「エッセンシャルワーカー」という言葉が話題になったが、カインズも生活必需品を販売する企業として、店舗を閉めることなく営業を続けてきた。現場で働く従業員も「何か困りごとがあって来店したユーザーにしっかりと商品を提供したい」という思いを持って、感染対策に十分な注意を払いながら店頭に立っている。

従業員の努力に報いることができ、もっと働きがいのある会社にしていきたいという考えに基づいた戦略の柱となっているようだ。

社内にエンジニアがいない状況から始まったデジタル戦略

「プロジェクト カインドネス」における4本の柱のなかでも、特にECに関わってくるのが「デジタル戦略」だ。このなかでは、①ストレスフリー ②パーソナライズ ③コミュニティー ④エモーショナル――の4つをテーマに掲げている。

カインズ DX戦略 デジタル戦略で掲げる4つのテーマ
「デジタル戦略」で掲げる4つのテーマ

カインズのデジタル改革の歩みは、前述の通り2018年のIT小売業宣言から始まる。当時は社内にまだ1人もエンジニアがいない状況だったが、翌年、経験豊富なチーフデジタルオフィサーを招き、デジタル戦略本部を立ち上げたことが大きなターニングポイントとなった。

本社は埼玉県本庄市に置きながら、エンジニアを採用するために東京・表参道にデジタル拠点を設置。社内エンジニアを育成しさまざまなデジタルツールを生み出しながら、ユーザーと従業員の双方に「ストレスフリー」や「ワクワク」の体験を提供する施策を試行錯誤し続けているという。

デジタル施策事例① 売り場・在庫検索アプリ「Find in CAINZ」

ホームセンターは売り場面積が非常に広いため、従業員は来店客から売り場や在庫を聞かれる機会が多い。しかし、カインズの店舗には約10万アイテムが置かれており、従業員にとってもすべての商品の売り場と在庫を細かく把握することは難しかった。

そこで、従業員がスマホで簡単に売り場や在庫が検索できるアプリ「Find in CAINZ」を開発。商品名、キーワード、JANコードを入力すると店内マップが表示されて詳細な売り場がわかるほか、在庫の有無や個数も即時に把握できる仕組みとした。

カインズ DX戦略 Find in CAINZ スタッフ向けに開発した店内の売り場・在庫検索アプリ
カインズ DX戦略 Find in CAINZ スタッフ向けに開発した店内の売り場・在庫検索アプリ
従業員向けに開発した店内の売り場・在庫検索アプリ「Find in CAINZ」

お客さまの問い合わせに対してスムーズに案内できるようになっただけでなく、これまでは品出しなどの作業でも店内で迷うことが多かったが、無駄歩きを省けたことで、その分の時間をお客さま対応(接客)に使えるようになった。「Find in CAINZ」は従業員のストレスフリーに大きく寄与しており、当社にとってとても画期的な製品になったと思う。(カインズ デジタル戦略本部 デジタルビジネス推進統括部 eコマース部 部長 田島和修氏)

カインズ デジタル戦略本部 デジタルビジネス推進統括部 eコマース部 部長 田島和修氏
カインズ デジタル戦略本部 デジタルビジネス推進統括部 eコマース部 部長 田島和修氏

「Find in CAINZ」を現場に導入する際、アナログ対応に慣れている従業員から「長年の経験で売り場はわかっている」「スマホを使っていないのでアプリがわからないし、従来の端末で十分」といった声も寄せられたという。さまざまな意見に耳を傾け、ボタンの位置や文字のサイズなども含め、使いにくい点を1つひとつ丁寧に改修する作業を重ねてきた。

その結果、当初はアプリの使用に抵抗があった従業員からも「あまり詳しくなかった売り場も、アプリがあればうまく説明できる」「使ってみると使いやすいし、便利」など、業務に役立つアプリとして受け入れられるようになったという。また、入社直後の新人スタッフの早期戦力化にも大きく貢献しているようだ。

デジタル施策事例② スキャン台帳SOTOアプリ

カインズでは園芸用品やプロ用資材など、JANコードのない商品や商品情報のシールが貼れないような商品も多数取り扱っている。

その一例がレンガだ。レジでレンガを出された時、従業員はレジ横のファイルの写真で色やサイズなどを見ながらユーザーに確認するが、それでもわからない場合はユーザーと売り場まで同行して商品を確認する必要があった。これでは数分のロスが発生し、レジの列はどんどん長くなってしまう。

カインズ DX戦略 JANコードがない場合、商品確認のためにロスが生じていた
JANコードのない商品の場合、商品確認のために数分のロスが発生してしまうケースがあった

こうした課題を解決するために開発したのが、スキャン台帳「SOTO(Scan Operation Tool)」アプリだ。

JANコードのない商品をアプリでスキャンすると、候補の商品を絞り込んで表示する。そのなかから該当の商品を選ぶとJANコードが表示され、そのまま会計を通すことができる仕組みとなっている。

カインズ DX戦略 JANコードのない商品でもレジでスムーズに会計ができるSOTOアプリ
JANコードのない商品でもレジでスムーズに会計ができる「SOTO」アプリ

デジタル施策事例③ 「CAINZ PickUp Locker」

カインズでは、店舗に在庫がある商品をアプリ経由で取り置き依頼ができるようにしているが、以前はユーザーがサービスカウンターまで来て、受け取りと決済をする必要があった。

受け取りの利便性を高めるため、オンライン上で決済を完了させ、サービスカウンターで並ばずとも専用のロッカーで商品を受け取れるようにしたのが「CAINZ PickUp Locker」だ。店舗の外に設置している場合は、営業時間外でも商品が受け取れる。

「CAINZ PickUp Locker」はコロナ禍前から始まっていたが、コロナ禍以降は特に「混雑や人との接触を極力避けたい」といったニーズが拡大し、夜間や早朝の人が少ない時間帯に商品を受け取れるサービスとして好評を得ているという。

買い物時間の短縮や、営業時間を気にせず受け取れる点でも、ユーザーの煩わしさ解消とストレスフリーにつながっており、受け取り用アプリのダウンロード数は300万を超えている

カインズ DX戦略 アプリで取り置き依頼した商品を受け取れるCAINZ PickUp Locker
アプリで取り置きを依頼した商品が受け取れる「CAINZ PickUp Locker」

デジタル施策事例④ デジタルサイネージ

10万アイテムを取り揃える広い店舗のなかで、ユーザーが商品を探す煩わしさを解消するため、通路看板の見直しなどの空間戦略に加え、デジタルサイネージの導入テストを開始した。

店舗の入り口に2メートル超の巨大なタッチパネルディスプレイを設置。ユーザー自身が操作することで、欲しい商品カテゴリーの通路番号や陳列棚の場所をピンポイントで表示できる仕組みだ。テスト導入している店舗では、1か月に約400人の来店客がパネルを操作しているという。

カインズ DX戦略 デジタルサイネージをテスト導入
来店客に欲しい商品の売り場を案内するデジタルサイネージをテスト導入

デジタル施策事例⑤ 売場案内ロボット

タッチパネルを搭載したロボットが、店舗でユーザーを案内するテストを実施。売り場の案内だけでなく、たとえば自分に合った医薬品を相談できる機能など、さまざまな機能を盛り込んで実験を行った。

ただ、週末などの通路が混み合うときには安全のためにロボットが動きを停止することが多く、目的の売り場になかなかユーザーを案内できないといった問題が発生したため、現在は実験を休止している。

運用してわかった課題を踏まえ、今後の展開を検討しているところだ。田島氏は「こうしたデジタルツールは、導入して初めて便利な点や課題がわかるもの。今後も積極的に実験を続けていきたい」と話す。

カインズ DX戦略 売り場案内や商品の相談ができるロボットの実験
売り場案内や商品の相談ができるロボットの実験も試みた

デジタル施策事例⑥ スマートドッグラン

カインズは、ドッグランを併設している店舗を多数展開している。ドッグランでは頭数制限を行っているが、従来はまず店舗内のサービスカウンターで空き状況の確認と受付を済ませてから、従業員とともにドッグランに行って解錠をしてもらう――という過程が必要だったため、ユーザーと従業員の双方にとって手間がかかっていた。

「スマートドッグラン」は、ユーザー自身がアプリから希望の店舗と日時を予約でき、発行されたQRコードでドッグランの解錠もできる仕組みになっている。さらに「アプリに犬種、年齢などの情報を入力することで、CRMならぬDRM(Dog Relation Management)が可能になる」(田島氏)と期待を寄せる。「スマートドッグラン」をきっかけに、ペット向けの価値の高いサービスにもつなげていきたい考えだ。

カインズ DX戦略 店舗併設のドッグラン 予約から会場までできるアプリ スマートドッグラン
店舗に併設されたドッグランの予約から解錠までをアプリ上で一貫してできる「スマートドッグラン」

強みを生かしたデジタルマーケティングとECの再構築

カインズはデジタル改革を行うなかで、オウンドメディア「となりのカインズさん」を立ち上げた。

30年以上にわたってホームセンターを運営してきた当社には、専門知識や面白ネタがたくさん蓄積されている。それらを生かして、デジタルマーケティングでどうやってお客さまとインタラクティブな接点を持てるのかと議論するなかで、「オウンドメディアがいいのではないか?」という話は前々から浮上していた。

ただ、メディアやSNSで社員が気軽に情報を発信することに二の足を踏むようなマインド面の制約もあれば、面白いコンテンツとして伝える技術が社内で見出せていないスキル面の制約もあった。そんな社風も変えるべく「となりのカインズさん」プロジェクトが立ち上がった。(田島氏)

「となりのカインズさん」は、社内エンジニアと企画担当がわずか3か月で立ち上げた。コンテンツにはお墓に立てる卒塔婆の売れ筋を紹介したり、「溶接ギャル粉すけ」さんの講座を掲載したりと、カインズならではのインパクトの強い記事を掲載し、約半年で月間100万PVに到達。現在は400万PV以上を誇るほどで、ECサイトや店舗への送客機能として欠かせない存在となっている。

田島氏は「『となりのカインズさん』は、カインズのデジタル改革の旗印になったことが、送客機能以上の大きな成果だった」と話す。立ち上げ当初は、記事に社員の顔を出してもいいのかといった議論もされたが、今では社員の顔が見えるオウンドメディアになっている。プロジェクトメンバーが試行錯誤を重ねながら実績を積み上げ、社内からの理解も得ながら足場を作ってきた結果が表れているようだ。

独立採算の評価から、オムニチャネル基盤としてのECサイトへ

カインズのECサイトは約10年前から運営が始まっていた。ただ、店舗ビジネスに基軸を置いていたこともあり、EC用の商品マスタがなかったり、色やサイズで一括表示できなかったりと、ECサイトとしての基礎機能は少ない状態だったという。このためECサイトは、「売り上げが伸びない→赤字→投資できない→売り上げが伸びない」という悪循環に陥っていた。

さらにカインズは、店舗ごとに独立採算で業績評価をしているため、各店長や売り場責任者たちにとっては、自分たちの売り上げを最大化させることこそが一番のミッションだと言える。その状況下では、ECサイトとの連携が起こりにくいという課題もあった。

こうした課題を打開するために、ECサイトをオムニチャネル基盤として再構築するよう経営で意思決定し、思い切った立て直しを図ることにした。

カインズ DX戦略 ECサイトをオムニチャネル基盤とすべく行った立て直し
ECサイトをオムニチャネル基盤とすべく、さまざまな立て直しを図った

ECをオムニチャネル基盤とする取り組み① システム基盤、新ECサイトの内製化

従来のECサイトは、店舗から独立した形で運用していた。パッケージシステムを利用していたため、社内にエンジニアがいなくても運用できる半面、機能を追加するにも時間と費用がかかってしまう。その上、在庫に関しても店舗との連携ができておらず、“店舗とECサイトの連携技”も非常に限定的にならざるを得なかった。

これを、内製エンジニアを軸に開発する方式に変更し、エンジニアと事業側が共同で要件を決めたり、使いにくい箇所の改修をしたりする作業が即時にできるようにした。「社内のエンジニアがシステム全体の構造を把握しながら設計することで、無駄のないシステムが実現できたことは大きな進歩だった」(田島氏)。

カインズ DX戦略 新ECサイトでエンジニアを内製化 素早い修正対応や開発が可能
新ECサイトではエンジニアを内製化し、素早い修正対応やシステム構造全体を捉えた開発が可能になった

ECをオムニチャネル基盤とする取り組み② 店舗用とECサイト用の商品マスタを統合

従来は店舗とECサイトでそれぞれ商品を管理していたため、たとえば店舗用の商品マスタで商品情報の間違いに気付いてもECサイト側にはその情報が連携されず、間違った情報のままECサイトで販売し続けてしまうといった状況が起きていたという。

店舗とECサイトの商品マスタを統合・一括管理するようにしたことで、ECサイトの商品情報も随時更新・追加されるようになった

ECをオムニチャネル基盤とする取り組み③ ECサイトから店舗への送客

前述の通り、これまでのカインズは店舗ごとに独立採算で評価していたため、ECも各店舗と同様にECサイトの売り上げを確保することが第一優先になっていた。そのため、店舗への送客どころか、来訪したユーザーをサイトから逃さないような作りになっていたという。

ECサイトをオムニチャネル基盤とするよう決定してからは、ECサイト上で店舗での商品取り置き依頼や、店舗の在庫有無・個数なども確認できるようにした。このほか、各店舗のチラシも掲載して特売情報を発信している。

ECサイトで購入した場合配送費がかかってしまうが、店舗取り置きが増えればユーザーが店舗に来店してくれる分配送費が削減できる上、店舗でのついで買いも期待できる。ECサイトから店舗への送客は、カインズ全体としての業績につながるだけでなく、ユーザーの利便性も高まる施策として効果的に働いているという。

ECをオムニチャネル基盤とする取り組み④ ECサイトで受注した商品を最寄り店舗から出荷

カインズは全国に228店舗を展開しているにもかかわらず、以前はECサイトで受注した商品は1か所のEC専用物流倉庫から出荷する仕組みとなっていた。極端に言えば、店舗の近隣に住む人がECサイトで注文しても、遠く離れた物流倉庫から配送しなければならなかった。

リードタイムと配送コストを削減するため、ECサイトで受注した商品を配送先の最寄り店舗からも出荷できる施策を開始。想定通りリードタイムと配送コストが改善した上、地方の店舗も出荷した分の売り上げが立ち、ユーザーと店舗の双方にとってメリットの大きい取り組みとなっている。

ECをオムニチャネル基盤とする取り組み⑤ EC事業評価の変更

店舗ごとの独立採算で評価する仕組みが、店舗とEC連携の障壁となる面が多かったため、「ECが店舗への送客に貢献し、店舗の売り上げにつながる=ECの効果」と考えるよう、EC事業の評価を変更した。

EC事業の評価を改めたことで不要なセクショナリズムを起こすことなく、顧客体験を第一に考えた議論ができるようになり、ECも正しい議論のもとでお客さまの立場から見た利便性を追求できるようになった。

そうして売り上げが拡大したことで、たとえば商品部が積極的にEC向けの画像やメーカー情報を提供してくれるなど、他部署からもECの重要性が認知されるようになっている。大きな良い好循環を創出することができたと思っている。(田島氏)

ECが店舗の“ライバル”ではなく“仲間”になったことで、ECと店舗の双方が成長

ECは店舗のライバルではなく、店舗の集客や売り上げ機能を担う仲間という存在に変わったことが、カインズ全体の成長に大きく寄与している。また、配送コストを改善する取り組みなどによってEC事業自体も黒字化し、投資がしやすい状況にもなったようだ。

現在ではECの情報や機能を整備することが、ユーザーの利便性向上には必要だという認識が全社的に持たれているという。

2019年にデジタル戦略本部が発足して以降、既存メンバーと新しいメンバーが入り交じりながら、デジタル改革を推し進めてきた。意見の相違や衝突もしばしばあったというが、「気が付いたら①Kindnessでつながる ②「創る」をつくる ③枠をこえる――の3つのコアバリューでうまく乗り越えられたと思う」と、田島氏は振り返る。

冒頭で当社の抱える課題をあげたように、環境は常に変化し続けている。そのなかでカインズは今後、省人化・省力化をしながらリソースシフトし、お客さまの買い物体験をよりいっそう改善することをめざしていく。また、地域社会と共創する価値観を重視している当社は、地域の皆さんと「まちのくらし」を共に創る“くみまち構想”を打ち出している。地域社会の発展に貢献する企業であり続けたい。(田島氏)

朝比美帆

Shopify、チェックアウトページの改善など100種類以上のアップデート&新製品など知っておきたいポイントを解説

3 years 3ヶ月 ago

Shopifyはこのほど、新商品や最新機能を公表する「Shopify Editions Winter '23」で、100種類以上の新製品や機能追加をリリースしたことを発表した。

新たなコンバージョン促進機能

簡単にチェックアウトのUX向上&カスタマイズ

チェックアウトページを1ページに表示

これまでShopifyのチェックアウト画面は3ページで表示されていた。2023年後半から、1ページにまとめた表示に切り替える。

情報入力の手間を減らすことに加え、チェックアウト画面をシンプル化することでページのロード時間も削減。チェックアウト時の顧客のストレスを軽減する。

チェックアウトのときの手間やロード時間が軽減し、顧客のUX向上につなげる(出典:Shopify Japanが開催した記者説明会の配布資料)
チェックアウトのときの手間やロード時間が軽減し、顧客のUX向上につなげる(出典:Shopify Japanが開催した記者説明会の配布資料)

カゴ落ちの多くがチェックアウト画面で起きているという調査結果があり、Shopifyは“コンバージョンを促進するためには、顧客がチェックアウトをいかに合理的に進められるかが重要”と分析。チェックアウトページの改善に至った。

チェックアウトのカスタマイズを柔軟かつ簡易化

チェックアウトページ「Shopify Checkout」をカスタマイズできるアプリとして、事業者向けに「Checkout Editor」、開発者向けに「Checkout Extensions」をそれぞれ追加した。「Checkout Editor」を使う事業者はドラッグとドロップのみで操作できる。

たとえば、「チェックアウトページを自社ブランドの外観へ変更する」「チェックアウトページにロイヤリティプログラムを追加する」といったカスタマイズが簡単にできるようになる。

従来、チェックアウトをアップデートやカスタマイズするには、コード編集のスキルが必要だった。

また、Shopifyの機能がアップグレードされても、事業者がカスタマイズしたチェックアウトには影響しない。

​開発者向けにチェックアウトアプリの開発を推進する「Checkout Extensions」では、UI拡張、ブランディングAPI、その他さまざま機能を提供。開発者はカスタマイズしたチェックアウトアプリをさらに柔軟に開発できるようになる。

開発したアプリはShopifyアプリストアにて提供可能。事業者はそのアプリを活用して独自性のあるチェックアウトページを作成することができる。

事業者、パートナー・開発者にそれぞれアップグレードや新機能を提供する(出典:Shopify Japanが開催した記者説明会の配布資料)
事業者、パートナー・開発者にそれぞれアップグレードや新機能を提供する(出典:Shopify Japanが開催した記者説明会の配布資料)

モバイルコマースに役立つ「Shop」アプリに新機能

「Shop」アプリ(利用は現在英語のみ)は、誰もが簡単にモバイルコマースに事業展開するためのサービス。顧客は「Shop」アプリのストアで商品を購入すると、配送状況をモバイル上で確認できる。

2022年から「Shop」アプリ上での取引者数は2倍以上に増加。なかでもShopifyを使う上位100社の事業者は、「Shop」アプリ内で再購入までにかかる時間が自社が展開するECサイトと比べて6倍以上短縮しているという。

事業者のモバイルコマース戦略促進を図るため、Shopifyが「Shopify Editions Winter '23」でリリースした、国内で利用可能な新機能は次の通り。

「Shop」アプリで展開するストアのカスタマイズ

商品のラインアップや売れ筋商品の表示、口コミ、ブランディングの機能を新たに提供する。「Shop」アプリで展開するストアをカスタマイズし、アプリ内で顧客エンゲージメントを向上させることができる。Shopifyによると、「Shop」アプリで展開するストアを最適化することで、顧客が商品をカートに追加する確率が最大15%高まるという。

「Shop」アプリにサインインする機能をオンラインストアに追加

事業者は「Shop」アプリにサインイン機能を追加できるようになる。これにより、買い物の初期段階で確度の高い顧客を特定しやすくするという。「Shop」アプリや「Shop Pay」によって買い物体験を整流化することで、結果的にコンバージョン率を8%向上するという。コンバージョンの促進に貢献する、そのほかのShopアプリの新機能は次の通り。

  • パスキー:「Shop」アプリユーザーがApple や Android 端末で「Shop」アプリ にサインインする際、顔認証などの生体認証キーで、簡単にサインインすることを可能にする。
  • お気に入り機能:「Shop」アプリ上で気に入ったストアをお気に入り登録する機能を追加。
オンラインストアにサインイン機能を追加。コンバージョンアップを図る(出典:Shopify Japanが開催した記者説明会の配布資料)
オンラインストアにサインイン機能を追加。コンバージョンアップを図る(出典:Shopify Japanが開催した記者説明会の配布資料)

B2Bの事業拡の支援も拡充

Shopifyは2022年6月、企業間取引(B2B)コマースソリューションを公表。何十種類もの機能を追加してきた。

今回、販売商品数量の条件設定、事業者と顧客との受発注のやり取りを効率化するための機能などの事業者向け機能を追加。

開発者向けには、卸売事業で必要となる受注書や配送指定、B2Bコマース向けのロイヤリティプログラムをカスタマイズして構築するためのAPIを提供する。

NFT有効化で顧客エンゲージメントを促進

トークンゲートコマースも発表した。事業者はNFT(非代替性トークン)を有効化して、NFTホルダーだけが楽しめる体験や商品にアクセスできるようになる。

Shopifyのブロックチェーン技術で、事業者がこれから獲得する顧客のロイヤリティを高めることが可能。NFTトークンの配布機能は、米国の一部事業者に提供していた。

開発者向けにはNFTのロイヤリティを高めるためのAPIやコンポーネントを提供。Shopifyのプラットフォーム上で次世代のロイヤリティ体験をスピーディーに構築できる。

国内でもNFTの取り扱いを開始する(出典:Shopify Japanが開催した記者説明会の配布資料)
国内でもNFTの取り扱いを開始する(出典:Shopify Japanが開催した記者説明会の配布資料)
高野 真維

トランスコスモスがアイスタイルの中国連結子会社に出資、中国版「Tik Tok」旗艦店出店支援と運営代行サービスを展開

3 years 3ヶ月 ago

トランスコスモスは、アイスタイルの連結子会社であるOver The Border Inc.と資本業務提携を締結した。日本から中国に向けた越境販売支援事業を拡充していく。

トランスコスモスは、アイスタイルの連結子会社であるOver The Border Inc.と資本業務提携を締結

トランスコスモスは、越境ECを活用した海外販路拡大支援を展開。中国市場向けでは「天猫国際」「JD worldwide」、ASEAN市場向けに「Lazada」「Shopee」など越境ECプラットフォームを活用した旗艦店出店支援と運営代行業務を手がけている。

Over The Borderは2021年から、中国版Tik Tok「Douyin(抖音)」において化粧品セレクトショップ「@cosme(アットコスメ)海外旗艦店」を運営している。

主に在日海外インフルエンサーと提携した越境ライブコマース事業を実施しており、アカウント開設から約1年で15万を超えるフォロワーを獲得。月間で2千回を超えるライバータイアップを実施するなど、日本から中国に向けた日系コスメブランドのPRとECに取り組んでいる。

トランスコスモスの旗艦店出店支援や運営代行ノウハウ、Over The Borderの「Douyin」における越境ライブコマースの運営ノウハウを生かし、「Douyin」旗艦店出店支援と運営代行を行うDouyin Partner事業を立ち上げる。日本から中国に向けた越境販売支援事業を強化する。

昨今、ライブコマースは中国国内のECだけではなく、越境での販売チャネルとして存在感を高めており、ブランドの中国進出にとって欠かせない販売方法になりつつあるという。

石居 岳

使用済みクリアホルダーから生まれた商品「Matakul(マタクル)」。製品化まで約2年費やした商品に込められたストーリーをアスクルが語る

3 years 3ヶ月 ago
使用済みクリアホルダーから製造したアスクルの新PB商品「Matakul(マタクル)」。環境省の実証事業への参加からスタートしたプロジェクトだが、商品化に至るまでの経緯や重要なポイントとは何だろうか

アスクルの新PB(プライベートブランド)商品シリーズ「Matakul(マタクル)」。アスクルの資源循環プロジェクトの一環で誕生した商品で、その原料は企業などから回収した使用済みクリアホルダーだ。発売された商品はクリアホルダー、ペン立てなど計4種類。決して目新しい商品ではないが、商品化に至るまでには資源の回収スキーム構築や共同開発メーカーのたゆまぬ努力など多くのストーリーがあった。商品開発の背景やプロジェクト内容をアスクルに取材した。

3社のメーカーと共同開発した新PBシリーズ「Matakul」とは

アスクルの資源循環プロジェクトから生まれた新PB商品シリーズ「Matakul(マタクル)」。これまでアスクルではオリジナル商品を多数販売している。

商品ラインナップはクリアホルダー、ジェットストリームボールペン、ペン立て、小物入れの計4種類。ボールペンは軸部分のみだが、これらの商品はすべて企業などから回収した使用済みクリアホルダーから作った再生ペレットを使用している。

リヒトラブと共同開発した「クリアホルダーからつくったクリアホルダー」は、使用済みの製品を一度資源にし、同じ商品として生まれ変わる「水平リサイクル」で製造している。一般的なA4サイズで、再生材料ならではの黒点や多少の凹凸を個性として残し、商品化した。

アスクル Matakul マタクル クリアホルダーから作ったクリアホルダー リヒトラブと共同開発
「クリアホルダーからつくったクリアホルダー」。リヒトラブは「使用済みクリアホルダーが新たなクリアホルダーに生まれ変わるという仕組みの一環を担うことは、ファイルメーカーの1つである弊社にとっても重要であると考え、この構想に賛同した」とコメントを寄せた

「クリアホルダーからつくったジェットストリームボールペン」は三菱鉛筆との共同開発商品。ボールペンの軸に、使用済みクリアホルダーから作った再生ペレットを使用しており、一切の着色をしていないため少し黄みがかっているという特徴を持つ。

アスクル Matakul マタクル クリアホルダーからつくったジェットストリームボールペン 三菱鉛筆と共同開発
「クリアホルダーからつくったジェットストリームボールペン」。三菱鉛筆は「率直に新たな取組にチャレンジするチャンスと思い、実現の可能性を含めて社内で検討した。メーカーでもサステナブルな取り組みをスタートしており、トライすべき事案と話が進んだ」とコメントを寄せる

「クリアホルダーからつくったブリックスペン立て、小物入れ」はライクイットと共同開発を行った。使用済みの色付きクリアホルダー、柄入りのクリアホルダーを再生し、原材料として100%使用。色味を安定させるため着色料を少量使用してはいるが、再生樹脂特有の色味を活かしアースカラーとした。

アスクル Matakul マタクル クリアホルダーからつくったブリックスペン立て、小物入れ ライクイットと共同開発
「クリアホルダーからつくったブリックスペン立て、小物入れ」。「プラスチックの資源循環を総合的に推進することを経営ビジョンとし、再生プラスチックやバイオマス素材を活用したモノづくりを推進していることから、再生プラスチックを活用するだけでなく、回収、再生、再製品化という資源リサイクルの仕組みに関わることが必要と感じていたところ、アスクルさまからお話をいただき、取り組みに至った」とライクイットはコメント

製品化には3つのコンセプトを設定

使用済みクリアホルダーから生まれた再生ペレットを使った商品を製品化する上で、アスクルには3つの譲れないコンセプトがあった。1つ目は「使い捨てでないこと」。製品化にはアスクルだけでなく、共同開発したメーカーや、使用済みクリアホルダー回収に参加した企業、分別事業者など多くの人々が携わっている。

アスクルの四夷麻子氏(コーポレート本部 コーポレートコミュニケーション サステナビリティ(社会・ガバナンス)部長)は「折角皆さまのおかげで成り立っているのに、商品が使い終わってすぐに廃棄されてしまうことは避けたい」と話す。

2つ目は「単一素材であること」。再資源化するにあたり、さまざまな素材が混じってしまうと質の良い再生材にはならないためだ。

3つ目は「回収スキームがあること」。今回のプロジェクトでは、回収スキームをしっかりと構築することで、より多くの企業が気軽に参加することにもつながっている

環境省の実証事業への参加が製品化の始まり

資源循環プロジェクトは、環境省の実証事業「環境省令和2年度脱炭素社会を支えるプラスチック等資源循環システム構築実証事業」に参加したことから始まる。

参加前から、アスクルでは「企業で使用しているプラスチック製品は数多くあるが、リサイクルが進んでいないのではないか」「使用済みプラスチック製品を回収するスキームがないため、ほとんどが産業廃棄物で廃棄されているのではないか」と想定していた。

一方で、単一素材で作られており、薄くて集めやすいクリアホルダーほど資源回収やリサイクルに向いている製品はないと考えていたという。

また、アスクルは国内におけるクリアホルダーの販売シェアが非常に高く、販売者としての責任という観点からも、クリアホルダーの回収・リサイクルを実現したいと考えていた。

環境への取り組みについて検討していたところ、環境省の実証事業の公募があり、本プロジェクト実施に至ったのだ。

2020年11月から2022年3月までの約1年半にわたって実施した実証事業では、大きく2つの目標を設定した。1つ目は「使用済みクリアホルダーの回収スキームの構築」、2つ目は「回収したプラスチックを原料とした製品を開発・製造すること」だ。

アスクル Matakul 使用済みクリアホルダーの回収スキーム
使用済みクリアホルダーの回収スキーム

使用済みクリアホルダーは、回収に参加した企業が共同事業者である白井エコセンターに宅配便で郵送、もしくは直接持ち込む。白井エコセンターで分別・選別を行った後、別の共同事業者である亜星プラスチックリサイクルセンターに運搬し、商品の原材料となる再生ペレットを製造する。その後、再生ペレットから商品を製造、アスクルで販売という流れだ。

アスクル Matakul クリアホルダーの分別・選別のようす 共同事業者の白井エコセンター
白井エコセンターでの、クリアホルダーの分別・選別のようす。値札などのラベルが残っていた場合は、手作業でラベル部分だけ切り落としている
アスクル Matakul クリアホルダーからペレットを製造 共同事業者の亜星プラスチックリサイクルセンター
亜星プラスチックリサイクルセンターでは分別・選別したクリアホルダーから再生ペレットを製造する
アスクル Matakul 回収した使用済みクリアホルダーから製造した再生ペレット
回収した使用済みクリアホルダーから製造した再生ペレット。右が無色のクリアホルダーから製造したペレット、左が色つき・柄つきのクリアホルダーから製造したペレット

企業が参加しやすい回収スキームを構築

1つ目の目標である回収スキームの構築でアスクルが重視した点は、「企業が参加しやすい」ことだ。参加企業は社内で準備したダンボール内に不要になったクリアホルダーを収集し、各企業の都合の良いタイミングで白井エコセンターに配送または持ち込むという方法を採用した。日本全国どこからでも参加でき、回収量やタイミングを設けないことで、実証実験へのハードルを下げた

アスクル Matakul 呼びかけステッカー アスクル資源環境プラットフォームで配布
回収用ダンボールに貼り付ける呼びかけステッカー。Webサイト「アスクル資源循環プラットフォーム」で配布している

この結果、2021年1月~2023年1月の期間で984社が参加し、累計94トンの使用済みクリアホルダーを回収、リサイクル率99%を実現した。

また、事業内の1つの目標としてCO2の削減が含まれており、実証事業期間内で使用済みプラスチックのリサイクル材を使用したプラスチック製品の製造で、原料40トンに対して204トンのCO2削減効果が得られたという。

オフィスなどで使用できるプラスチック製品が製造できるかを検証

2つ目の目標のポイントは「オフィスや事業所で使用できるプラスチック製品を製造できるか」ということ。

現状、使用済みプラスチック製品を原料としたプラスチック製品は、倉庫で使われるパレットや公園のベンチなどが多く、オフィスなどで使用できる製品に生まれ変わることはほとんどない状態だからだ。

また、共同事業者と話し合いを進めるなかで、「クリアホルダーを原料にクリアホルダーを製造する水平リサイクルが、製品リサイクルとしてわかりやすい」と言う提案が出た。この方法ならクリアホルダーを回収して製造するという循環を永続的に作り出せるというメリットがあった

メーカーの理解・協力がなければ成り立たなかった

商品の開発について、四夷氏は「メーカーさんのご理解とご協力があってこその製品化」だと話す。

使用済みクリアホルダーから製造した再生ペレットを使用した商品作りは、メーカーとしても初めての試みだったという。各メーカーの既存の商品製造ラインを使用して新PB商品を製造することになったが、新しい材料がゆえに何が起こるかわからないというリスクを抱えていた

そのため、アスクルは再生ペレットに対して第三者の品質検査を実施し、物性表を作成。品質に問題がないことをメーカーに示し、少しずつ理解を得られるよう努めてきた。

その結果、数あるメーカーのなかから資源循環の意義に理解・賛同した3社が製品開発・製造に協力することとなった。

各メーカーが試作を何度も重ね、商品として販売できるか、品質の低下を招かないかなどの検証を繰り返し、製品化に結びついたのだ。

従来の製造ラインをご活用されたのですが、そこで何かあったら通常の製品の生産にも影響を与えてしまうので、慎重に何度も試作を重ねてご対応いただきました。

再生ペレットを使用した場合、どのような仕上がりになるか予測しにくいこともあり、バージン材90%に再生ペレットを10%混ぜるなど、各メーカーさんがさまざまな配合で商品作りを検討して下さいました。

こうしたご協力の下、最終的に「100%再生ペレットでも商品が製造できる」となり、今回の商品が生まれました。(四夷氏)

アスクル Matakul 使用済みクリアホルダーからうまれた商品につけるマーク
使用済みクリアホルダーから生まれた商品にはマークを付けている

「何かしたい」という企業の考えが参加に結びついた

今回の実証実験に対して、アスクルからの呼びかけは数十社にしか行っておらず、多くの参加企業が自ら資源循環プラットフォームのサイトを見つけ、申し込みをした企業だという。

企業さんとしては「環境のために何かしたいけれども、何をしたらいいかわからない」というもやもやとした考えがあったのではないでしょうか。そこに参加しやすい簡単な仕組みがあったので、結果として多くの企業さんにご参加いただけました。(アスクル コーポレート本部 コーポレートコミュニケーション サステナビリティ(環境) 立花丈美氏)

クリアホルダーの回収に参加した企業には、回収した量やリサイクル率などの実績報告を行っている。参加企業はこうした数値を統合報告書として自社サイトに掲載し、取り組み例として紹介できるメリットもある

アスクル Matakul あらたの活動報告
使用済みクリアホルダー回収に参加した、あらたの活動報告(画像は「アスクル資源循環プラットフォーム」のサイトからキャプチャ)

参加企業の規模や業種はさまざまで、なかには個人で参加しているケースもある。

バリューチェーンのなかの一員として協力することが重要

実証実験が終了した現在も、使用済みクリアホルダーの回収に参加する企業は多い。こうした状況について立花氏は「きちんと実績を報告することが、企業のモチベーションにつながっている点もあると思う」と話す。

これまでは、自分たちが出した物がどうなっているか知らなかったと思います。今回のプロジェクトでは、自分たちが出した物がどれくらいの重量でどんな風に分別されて、最終的にどのように製品化されるのか、というトレーサビリティをポイントにしている。そういった点も企業さんが引き続き回収に参加することのモチベーションになっているのではないでしょうか。(立花氏)

アスクル Matakul 使用済みクリアホルダーの回収の参加方法 アスクル資源循環プラットフォーム
使用済みクリアホルダー回収の参加方法(画像は「アスクル資源循環プラットフォーム」のサイトからキャプチャ)

クリアホルダー以外の資源回収スキーム構築などをめざす

クリアホルダーの回収方法は郵送または持ち込みのみだが、公平性という観点からアスクル商品配送時にクリアホルダーを回収すると言った方法は実施しない予定だ。

その理由について四夷氏は、「アスクルだけでなく、参加企業さん、メーカーさん、提供事業者さんそれぞれがきちんと責任をもって取り組むことが大切」だと話す。

このプロジェクトに参加して下さっている企業さんは、送料や届ける手間を自身が負担してまで資源循環を実行したいと考えている人たちだと思います。「ゴミとして渡した後のことは知らない」という考えでは、99%のリサイクルというのは実現できません。

参加企業さんがある程度のルールに則ってお届けまでしてもらう、という仕組みを「嫌だな」と思わずにやっていただくことで成り立つプロジェクトだと考えています。(四夷氏)

また、立花氏も「バリューチェーンのなかの一員として、消費者の方も意識を持って協力していただくことが重要」だと話す。

今後の施策については、メーカーと話し合いながら、クリアホルダー以外の資源を回収できるスキームづくりをめざしていく。また、商品の展開についてはさまざまなニーズを鑑みつつ、使用済みクリアホルダーで実施できる再資源化を進めて行くという。

藤田遥

ステマ規制は私権制限につながる恐れ。曖昧な運用基準案や性急な改正が招く弊害は? 識者5人が討論 | 通販新聞ダイジェスト

3 years 3ヶ月 ago
ステルスマーケティングの規制をめぐる事業者からの不満の声が多くあがっている。曖昧な運用基準案、性急な改正により、表現の自由が妨げられる恐れがあるという

ステルスマーケティング規制をめぐり、事業者から不満の声があがっている。予見性担保を目的に策定された運用基準案は問題事例の具体性に乏しい。通販新聞ではこれを踏まえ、連載「“消費者庁景表法検討会”を検討する!!」(※)に参加した「景表四人衆」(編注:いずれの人物も業界識者。匿名で表記)に新たに政治関係者1名(編注:こちらも匿名で表記)を加え、特別座談会を行った。

※通販新聞では景品表示法に関係する諸問題を討議する座談会を全17回に渡り連載しました。連載最終回の配信はこちら

ステマ規制は「いつか来た道」

「景表四人衆」と、政治関係者1名のプロフィールは次のとおり。(画像中では5人を「景表五人衆」と表記)。

「景表五人衆」のプロフィール。司会は通販新聞記者の佐藤氏が務めた
「景表五人衆」のプロフィール。司会は通販新聞記者の佐藤氏が務めた

――「表示内容の決定への事業者の関与」「消費者が当該表示であることを判別することが困難なこと」の2要件を満たせばステマとして規制できる。

三郎告示の範囲があまりに広すぎる。解釈次第でいかようにも発展する。実態としてステマ規制ではなく言論の自由の侵害になりかねない。私権制限であり、国会での議論や議決を経ず、行政手続きで済ます話ではない。

四郎外形的な要件のみで、中身の悪質性は考慮されない。社員が身分を明かさずSNSで発信した時にすべて捕まえることもできなくはない。

五郎:国会も言論の自由が絡む問題に無頓着でいるのは問題だ。気づかないとすれば行政府になめられる。告示ではなく法律事項と指摘すべきだ。

三郎:メディアも他人事のような報道でいいのか。横並びで消費者が守られるかのように報じている。むしろ、一般の表現の自由が侵害される影響の方が大きい。マスコミが言論の自由を守らないでどこが守るのか。日本の言論環境をめぐる貧困さ、貧弱さ、底の浅さが出ている。

五郎:「ステマ=規制」というネガティブイメージとワーディングで突き進んでいる。立法事実がない中でやるのは言論封殺であり、まさにタモリさんの言う「新しい戦前」。いつか来た道だ。

ステマ規制はこれまでにも世間で大きくとりざだされてきた
ステマ規制はこれまでにも世間で大きくとりざだされてきた

改正景表法は日本の贈答文化を破壊する?

――景表法は事業者を規制するもので個人の発信は制限しないとしている。

五郎:それは認識不足だ。映画も事業者とプロデューサーと協力して制作される。「007(ダブルオーセブン)」(編注:スパイアクション映画)も、ボランジェ(編注:「007」に登場するシャンパーニュ)もオメガ(編注:「007」の主役を演じたジェームズ・ボンド氏が身に着ける腕時計のブランド)も一体だ。

その資金でプロモーションが行われ、商品が売れる。これを期待して資金協力する。映画はそうした文化を育んできた。運用基準は、利益供与の話も不透明だ。

たとえば、国会議員が地元産品をもらい「おいしいです」と(言ったとする)。見返りはないが、その結果、生産者から票が入る。それがステマとなる(ステマだとみなされる)と、「先生(当該の国会議員)はもう褒めないでください」となる。そんなおそれのある国自体が異常だ。

太郎テレビ番組の店紹介など、企画自体がステマみたいなものもある。メーカーが提供するテレビ番組で商品や小道具を使う際も表現を変えたり、市場にないビールを作らないといけない。放送前後に渡り何ら利益供与されていない証明が必要だ。

四郎:少なくとも領収書を出しておかないといけない。

利益供与がある可能性があれば“ステマ”なのか?

五郎時間の概念も不明だ。たとえば、お笑い芸人の「ミルクボーイ」が、「ケロッグ」(編注:日本ケロッグが販売するオートミール)のCMの再現ネタをやったあと、商品提供を受けた。時系列的にもらえることが推察されるならステマになる

三郎:「ヤクルト1000」(編注:ヤクルト本社が販売する乳酸菌飲料)、のマツコ・デラックスの件(編注:マツコ・デラックス氏のテレビでの発言が「ヤクルト1000」の人気の一因となった)が典型だ。あれだけ広がれば企業の立場からすれば当然感謝する。講演に呼ぼうとか、お返しをしようと思う。けれどそれをすれば時系列でアウトになる。

――通常の商習慣、関係性を遮断する。

三郎歳暮や中元など日本の贈答文化を破壊しかねない。なんでも対価になりうる。そもそも、広告とわかるようにしなければ、社員が自社製品をSNSなどで勧められないというのが常識的におかしい。あくまで悪質性、程度問題だろう

――第三者の自主的な意思なら問題ない。

五郎結局疑われたらアウト。これは、やまりん事件(98年、あっせん収賄事件)の頃から。因果性はなくても、金銭提供を受け、要望に応えたという推察で贈収賄は成立する。ステマも同じだ。

“ステマ警察”がはやり出す懸念も

――一般社会でも関係性のすべてがオープンな訳ではない。

次郎何を調査するかは行政に裁量がある。ただ、行政からすればやはりやりやすいところをやる。それが問題か否か、悪質かどうかは関係ない。

三郎:だから影響のある大きいところをやる。告示で広く網をかけてもステマは相当摘発しづらいはずだ。消費者庁からしても「厳しい運用はしないし、できないのだから、業界はガタガタうるさいことを言うな」という感覚もあると思う。

ただ、事業者からすればどこから攻めてくるか分からない。消費者庁も捕まえにくいから、自供しそうな大手をやる。そうなると危険な規制になる

太郎:社会一般から見た公平性がどうなのかという問題がある。

四郎:代理店の中から岡っ引きのような者がでてきて、審査の側からも厳しくなる。

三郎規制が導入されると暇なネット民の間で“ステマ警察”がはやる。この会社の表示はステマではないかと。おそらく消費者庁はすべてを受けきれない。

一方で、ステマでないものをステマと騒ぐステマ警察も出てくる。だから定義やルールを明確にしておかないと滅茶苦茶になる。社会が混乱するというのはそういうことだ。

いまだ示されない立法事実

――検討プロセスの問題点は。

五郎具体的な被害、社会通念上、これに対処しなければならないという立法事実はいまだに誰も示していない。“問題がありそうです”というだけだ。

――消費者庁の調査においては、「ステマで売り上げが2割上がった」とする代理店もいた。

四郎:意味のある数字ではない。通常の広告を打てば5割上がったかもしれない。たまたまそう体感した人の意見で強いバイアスがかかっている。小保方さん(編注:独立行政法人理化学研究所の元研究員・小保方晴子氏)の「STAP細胞はありまーす」というレベル感でステマが問題ですとなっている。

太郎:消費者保護規制では必ず被害がどの程度か件数で示す。今回、国民生活センターに寄せられた相談件数は、5年でわずか40件。“インフルエンサーの勧めで購入したが思ったものと違った”、“クチコミを見て来店したがおいしくなかった”という感想が「消費者被害」と言えるのか

消費者はステマだけを見て購入するわけではない

五郎:主観のコントロールまで責任を持てとなると、たとえば売っているペットボトル飲料にも「あなたの口に合わない可能性があります」とでも書かなければいけなくなる。

“この国に住む人はほぼ蒙昧(もうまい:物事の道理に暗いこと)な愚民なので広告がわからないから、何でもきちんと書きましょう”と言っているようなものだ。

太郎:合理的選択をゆがめるというが、消費者は本当にインフルエンサーの推奨のみを信じて購入しているわけではない。さまざまな要素があり、クチコミも広告も見て意思決定する。ステマだけを見てというのは違う

三郎:インフルエンサーの4割が依頼されたという調査自体がステマのようなものだ。

「景表五人衆」は、消費者庁が示すステマ規制の立法根拠は、疑念を抱く内容も多くあると指摘
「景表五人衆」は、消費者庁が示すステマ規制の立法根拠は、疑念を抱く内容も多くあると指摘

――諸外国で規制されていることも後押しになっている。

四郎FTC法(米国連邦取引委員会法)にも規制はある。ただ、あれは競争法だ。景品表示法は、消費者庁への移管を経て消費者法に変わっている。規制趣旨は非常に重要だが、消費者庁もそのあたりの認識が、ゴチャゴチャになっているのではないか。

次郎:本来、独占禁止法の不公正取な取引方法(欺瞞的顧客誘引)で規制すべきもの。海外も競争法の中で規制しているはずだ。

五郎:イコールフッティング(編注:商品やサービスの提供において、双方が対等の立場で競争が行えるように、条件や基盤などを同一にすること)ではない市場は是正しなければならない。

三郎:“競合企業がどんどんステマをしてずるい”という見方をすれば目的も分かりやすい。その視点で、規制手段を再構成すべきだ。

「表現の自由」をスルー⁉

――性急に検討が進んでいる。

次郎:3月に指定を予定しているが、なぜ短期間でやろうとしているかも疑問だ。

三郎:報道されていたように河野太郎大臣の指示があったからだろう。

――消費者庁に急ぐ理由を尋ねたところ「ボスが言うから」と言っていた。

三郎統一教会問題の影響もある。新法、消費者契約法の改正を猛スピードで進めた。行政と政治が一緒にやれば社会問題を解決できるだろうと叱咤(しったく)を受けた。大臣に言われたら誰も反対できない。

五郎:ややこしいのは、出発点が自民党部会であることだ。ここで日本弁護士連合会(日弁連)のヒアリングを鵜呑みにして提言し、消費者庁がそのまま容(い)れた告示案を作った。

消費者庁からすれば、言われたからやったという思いだろう。最初のボタンの掛け違いが問題。関係者が皆「表現の自由」の観点をスルーしてここまできてしまった。

四郎景表法の改正案を通す予定があるのだから法律事項にするか、告示事項にするか国会で一緒に議論すればよい話。分割して先に進めたためにおかしくなった。

――過去に覆った例はあるのか。

四郎:「漫画村事件」を受けたダウンロード違法化の対象範囲見直しに向けた20年の著作権法改正では、保護されるべき対象の漫画業界が表現の委縮、文化の抑制につながると反対して改正案の国会提出が見送られ、再検討された。

五郎:憲法に絡むのであれば国会を通さないのは問題だ。言論封殺につながると野党がきちんと反対を表明すればがらりと変わる可能性はある。

あまりに横暴な“一律に規制するほかない”発言

――ではどうするのかという問題は残る。

五郎自民党部会で消費者庁は、“よいステマも悪いステマも線引きは難しいから一律に規制するほかない”という考えを示した。なかなかすごい発言をすると感じた。

三郎非常に強権的だ。どうすれば悪質なステマを排除し、通常の商習慣を守れるか。やはり告示を変えるしかない。本来の趣旨に立ち返り、問題事例に基づき範囲を限定したものにする。

太郎消費者庁にまずやるべきものを定めてもらう。告示はそもそもそういうもの。「無果汁」や「老人ホーム」など限定された範囲だが、優良・有利で対処できない誤認を規制する。影響が小さいから告示を可能にしている。

ところが今回は、ものすごく影響が大きいのに告示で進めているのがおかしい原産国の偽装などほかの告示と同レベルで処分されるのはだいぶ差がある

三郎アサリの産地偽装のような大きな問題を景表法で措置せず、被害があるか分からないものをやるのはおかしい

五郎:風説の流布(るふ)、不実の告知が公共の利益に反するというのであれば範囲を限定していかに排除するかを考えないといけない。全体の発信を抑制するのは容易だが、それは独裁的だ。

太郎:ステマをする事業者とインフルエンサーを仲介する悪質なブローカーがいる。これを叩けば終わりだ。

「ステマ気にする社会、住みたくない」

三郎ネットという媒体が出てきて社会における言論の自由の在り方がゆがんできている。意見を発信するのが極めて簡単になり、その数が天文学的に広がった。

米国では、フェイクニュースが広がり社会が混乱している。果たして言論の自由を守ることが今の時代に合っているのかという危うい議論がでてきている。

これまで特定の良識ある人が発信していたから、言論の自由を守ることが議論の前提になっていた。時代が変わり、むしろ発信やその内容を強く規制したほうがよいのではないかという話にすり替わりつつある。今回のステマ規制はその一端に思える

極めて危険だ。皆がステマにあたらないかをいちいち気にしながら発言する社会。こんな社会には住みたくない。

太郎:そこまで行政コストをかけて、違反行為の軽重とパラレルの関係にあるのか。社会に与える影響と均衡がとれていない。

※記事内容は紙面掲載時の情報です。
※画像、サイトURLなどをネットショップ担当者フォーラム編集部が追加している場合もあります。
※見出しはネットショップ担当者フォーラム編集部が編集している場合もあります。

「通販新聞」について

「通販新聞」は、通信販売・ネット通販業界に関連する宅配(オフィス配)をメインとしたニュース情報紙です。物品からサービス商品全般にわたる通販実施企業の最新動向をもとに、各社のマーチャンダイジング、媒体戦略、フルフィルメント動向など、成長を続ける通販・EC業界の情報をわかりやすく伝え、ビジネスのヒントを提供しています。

このコーナーでは、通販新聞編集部の協力により、毎週発行している「通販新聞」からピックアップした通販・ECのニュースや記事などをお届けしていきます。

→ 年間購読を申し込む(通販新聞のサイト)
通販新聞の過去記事を読む(通販新聞のサイト)
→ 通販新聞についてもっと詳しく知りたい

通販新聞

「東京マラソン2023」の交通規制、ヤマト運輸の配送・集荷は「終日遅延」で対応

3 years 3ヶ月 ago

3月5日の「東京マラソン2023」で大会コース・周辺道路が交通規制される影響を受け、ヤマト運輸は商品の配送、集荷について「終日遅延」で対応する。

「東京マラソン2023」は、新宿区・東京都庁のスタート付近では朝6時から、東京駅前・行幸通りのフィニッシュ地点では21時まで交通規制が行われる予定。

この影響を受け、以下の荷物は「終日遅延」を了承を得た上での対応になる。

  • 全国から東京都(千代田区・台東区・中央区・江東区・墨田区・港区・新宿区)宛ての荷物
  • 東京都(千代田区・台東区・中央区・江東区・墨田区・港区・新宿区)から全国宛ての荷物

交通規制について(画像は「東京マラソン2023」のWebサイトからキャプチャ)

瀧川 正実

eBay JapanのECモール「Qoo10」、支払い方法に「PayPay」を導入

3 years 3ヶ月 ago

eBay Japanは、ECモール「Qoo10」にキャッシュレス決済サービス「PayPay」を導入した。

PayPayのグループ企業であるヤフーが展開する「Yahoo!ショッピング」と「Qoo10」は、総合ECモールとして競合関係にある。

eBay Japanは5500万人以上の利用者を抱える「PayPay」を導入することで、新規利用者拡大などを狙う。

「PayPay」ユーザーは、「PayPay」にチャージした残高などを使い、「Qoo10」で買い物ができるようになる。

導入にあわせてPayPayが実施している「日本全国全額チャンス!超PayPayジャンボ」に参加。期間中に「Qoo10」で商品を購入し、「PayPay」で支払ったユーザーのなかから、1等当選者には決済金額の全額、2等当選者には決済金額の最大5%、3等当選者には決済金額の最大0.5%のPayPayポイントを付与する。

瀧川 正実

「超PayPay祭」販促コストは大幅縮小の見通し/ヤマト運輸と佐川急便が運賃引き上げ【ネッ担アクセスランキング】 | 週間人気記事ランキング

3 years 3ヶ月 ago
2023年2月24日~2023年3月2日にアクセス数の多かった記事のランキングを発表! 見逃している人気記事はありませんか?
  1. ヤフー「Yahoo!ショッピング」の「超PayPay祭」、販促コストは大幅縮小の見通し

    Zホールディングスは2022年度3四半期決算の説明会で、「Yahoo!ショッピング」で開催する「超PayPay祭」の販促コストを「大幅に縮小する予定」とコメントしている

    2023/2/27
  2. 【送料値上げの背景】ヤマト運輸と佐川急便が運賃引き上げ、日本郵便も値上げの可能性。主因は燃料高騰と2024年物流問題

    宅配便の届出運賃について、佐川急便は平均8%、ヤマト運輸は同10%の値上げを表明。日本郵便も値上げに動く可能性は大きいと見られている

    2023/2/27
  3. 【景品表示法の改正案まとめ】故意の不当表示に100万円以下の直罰規定、違反状態を早期是正する「確約手続き」など導入

    景品表示法の改正案では、事業者の自主的な取り組みを通じて早期の是正を図る確約手続き、行政処分を経ずに100万円以下の罰金を科す直罰規定の新設などを規定している

    2023/3/1
  4. ZOZOTOWN、Amazon、楽天よりもNPSが高いファッションECサイトはMAGASEEK、その理由は?

    調査対象は、Amazon Fashion(アマゾンファッション)、MAGASEEK 、Rakuten Fashion(楽天ファッション)、SHOPLIST.com by CROOZ(ショップリスト)、ZOZOTOWN、マルイウェブチャネル(マルイのネット通販)

    2023/2/24
     
  5. コンバージョンUPに直結する施策、EC事業者が課題解決のために投資する領域とは?

    ある調査では、カスタマーエクスペリエンスやデジタルマーケティングなどへの投資が、小売事業者が2023年に取り組む項目の上位になっています。その他、調査結果から小売事業者の考えや傾向を解説します。

    2023/2/24
     
  6. スマホ決済サービス利用場所の上位は「コンビニ」「スーパー」「ドラッグストア」

    MMD研究所が実施した「2023年1月スマートフォン決済利用動向調査 第2弾」によると、スマホ決済サービス利用場所の上位は「コンビニエンスストア」「スーパー」「ドラッグストア」

    2023/2/28
     
  7. 資生堂の2022年グループEC売上は3500億円規模。EC化率は33%で2025年に4割が目標

    連結売上高に占めるEC売上高の比率は、2019年は13%、2020年は25%、2021年は34%だった

    2023/2/24
     
  8. 薬機法の広告表現を自動チェック&リライト提案する「機械良文」とは? “危ない”表現を改善するツールを薬事法広告研究所が開発

    薬事法広告研究所はこのほど、化粧品領域の広告表現について問題がある表示を自動検出するツールを提供開始した。リライトの提案まで一気通貫に行うという。詳細を解説する

    2023/3/1
     
  9. 「モバイルで+91%、デスクトップで+56%のCVR向上が期待できる」Shopifyのワンページチェックアウト機能は期待大!【ネッ担まとめ】

    ネットショップ担当者が読んでおくべき2023年2月20日~2月26日のニュース

    2023/2/28
     
  10. 明太子の「ふくや」は「Amazon Pay」をどう活用したのか? 老舗メーカーが新規顧客獲得&マーケティング事例を語る

    Amazonアカウントでログインや決済ができる「Amazon Pay」。辛子明太子で有名な福岡の「ふくや」がその効果を語った

    2023/3/1
     

    ※期間内のPV数によるランキングです。一部のまとめ記事や殿堂入り記事はランキング集計から除外されています。

    藤田遥

    直近1年間にスマホ決済アプリ・サービスを利用した人は6割強。利用意向は5割強で増加傾向

    3 years 3ヶ月 ago

    マイボイスコムが行ったモバイル決済に関するアンケート調査によると、直近1年間にスマホ決済を利用した人は6割強だった。回答者数は9879人、期間は2023年2月1日~2月5日。

    直近1年間で利用した支払い方法、「スマホ決済」は53.2%

    直近1年間で、店や自動販売機などで利用した支払い方法について聞いたところ、「現金」は85.0%、「クレジットカードのカード本体を機械にタッチ・通す、店員に渡すなど」は68.8%だった。「スマホ決済」は53.2%、「電子マネーのカード本体を機械にタッチ・通す、店員に渡すなど」は49.1%だった(複数回答)。

    直近1年間の「スマホ決済」利用は6割強

    直近1年間にネットショッピングを含むすべての支払いにおいて、スマホ決済を利用した人は63.5%だった。10代~30代は76~77%、40代~50代は各7割弱、60代~70代では5~6割だった。

    利用した決済アプリ・サービスは、「PayPay」が42.3%、「楽天ペイ」「d払い」がそれぞれ2割弱、「au PAY」「交通系電子マネーのアプリ」が各1割強だった(複数回答)。

    マイボイスコム 調査データ スマホ決済 モバイル決済 直近1年間にスマホ決済アプリ・サービスを利用したか
    直近1年間にスマホ決済アプリ・サービスを利用したか(出典:マイボイスコム)

    週1回以上のスマホ決済は7割弱

    直近1年間にスマホ決済を利用した人のうち、週1回以上スマホ決済で支払った人は7割弱だった。男性30代~50代、女性10代・20代では、それぞれ70%台になった。

    スマホ決済利用意向は5割強

    今後、代金支払時にスマホ決済を利用したいか聞いたところ、「利用したい」「まあ利用したい」の合計は5割強で、過去の調査と比べて増加傾向だった。女性10代~30代ではそれぞれ7割弱、スマートフォンを主に利用している人では6割弱だった。直近1年間にスマホ決済を利用した人では8割弱、非利用者は約7%となった。

    マイボイスコム 調査データ スマホ決済 モバイル決済 今後代金支払いにスマホ決済アプリ・サービスを利用したいか
    今後、代金支払いにスマホ決済アプリ・サービスを利用したいか(出典:マイボイスコム)

    スマホ決済を利用したい理由、利用したくない理由は次のような回答があった。

    利用したい

    • レジでの会計がとてもスムーズにできるので、混雑時に後ろの人とかを待たせなくてもいいから
    • まず便利。ポイント付与もあり、また色々なキャンペーンなど還元率の高いものも多いので無意識に利用機会が増えている
    • 絶対に値引きされない商品でもスマホ決済で数%でも還元されるなら利用する

    利用したくない

    • スマホを常に持ち歩いて出したりしまったりするのが面倒。充電やギガ数を気にしないといけない
    • スマホには色々な情報がたくさん入っているので、万が一にでも第三者に情報を見られたくないから
    • セキュリティの問題。停電時には使えない。通信障害時に使えない。スマホのレスポンスがよくないからレジ前でもたもたするのが嫌

    スマホ決済選定時の重視点、トップは「利用できる店舗・サービスの多さ」

    スマホ決済利用意向者に、スマホ決済サービス選定時の重視点を聞いたところ(複数回答)、最多は「利用できる店舗・サービスの多さ」(67.8%)で、次いで「支払いのスムーズさ・手順の簡単さ」(65.4%)「ポイント還元率の高さ」(55.0%)だった。直近1年間にスマホ決済を利用していない人では、「設定の簡単さ」が高い。

    マイボイスコム 調査データ スマホ決済 モバイル決済 スマホ決済アプリ・サービスを選ぶ際に重視する点
    スマホ決済アプリ・サービスを選ぶ際に重視する点(出典:マイボイスコム)
    調査実施概要
    藤田遥

    PayPay、LINE、ヤフーのEC・店舗横断のマイレージ型販促サービス「LYPマイレージ」とは

    3 years 3ヶ月 ago

    Zホールディングス(ZHD)のグループ企業であるLINE、ヤフー(Yahoo! JAPAN)、PayPayは3月1日から、マイレージ型の販促サービス「LYP(エルワイピー)マイレージ」の提供を始めた。

    「LYPマイレージ」の利用にはエントリーや登録などは不要。商品購入だけで自動的に購入金額に応じた特典を得ることができる。「LYPマイレージ」は、「PayPay」のミニアプリ、ブラウザー版「Yahoo! JAPAN」、「Yahoo! JAPAN」のアプリ上で展開する。

    ユーザーが「LYPマイレージ」に掲載されている商品を対象ストアで購入し、商品ごとに設定した条件の購入金額に達成すると、PayPayポイントなどの特典を付与する。オフラインでは対象店舗において「PayPay」の決済で、オンライン(EC)では「Yahoo!ショッピング」の対象ストアで購入できる。

    「LYPマイレージ」の仕組み

    ユーザーが同一の対象商品を、オフラインの対象店舗とオンラインの「Yahoo!ショッピング」の双方で購入した場合、購入金額を合算できる。この合算には「Yahoo! JAPAN ID」と「PayPay ID」の購買データを連携するため、注意事項への同意が必要となる。

    「LYPマイレージ」開始時の参加企業および対象店舗は以下の通り。参加企業や対象店舗は、今後拡大していく予定。

    • 参加企業
      • アサヒ飲料
      • コカ・コーラ ボトラーズジャパン
      • 花王
      • P&Gジャパン
    • 対象店舗
      • ウエルシアホールディングス
      • オーケー
      • サンドラッグ
      • スギホールディングス
      • ツルハホールディングス

    「LYPマイレージ」は今後、企業によるユーザーへの直接的な販促を可能にするため、各参加企業のLINE公式アカウントと連携する予定。「LYPマイレージ」は、ZHDグループで将来予定しているID・データ連携(仮称)とは独立した形で開始するが、ユーザーに便利でお得なサービスを提供するため、連携についても検討していく。

    Zホールディングス(ZHD)のグループ企業であるLINE、ヤフー(Yahoo! JAPAN)、PayPayは3月1日から、マイレージ型の販促サービス「LYP(エルワイピー)マイレージ」の提供を始めた
    「LYPマイレージ」のイメージ
    石居 岳

    2030年までに売上1000億円をめざすI-ne。3か年の中期経営計画と描くビジョンを解説

    3 years 3ヶ月 ago

    I-neは2025年12月期を最終年度としたの中期経営計画で、売上高550億円(2022年12月期は352億円)、営業利益率13%(同9.2%)をめざす方針を掲げた。ヘアケア系の商材を中心に、美容家電カテゴリーの商材、スキンケアブランドの拡充を推進し、増収増益を加速させる。

    2025年度以降を見通す長期ビジョンでは、2030年までに売上高1000億円、営業利益率15%を計画する。

    新たな中計では23年度までに550億円を計画

    2023年12月期(今期)から2025年12月期までの中期経営計画では、年平均成長率を指すCAGRは16%を見込む。ヘアケアおよび美容家電のさらなる成長、新たにスキンケア事業の拡大に力を入れる。

    2025年12月期までの中期事業戦略(画像は編集部がI-neのIR資料からキャプチャ)
    2025年12月期までの中期事業戦略(画像は編集部がI-neのIR資料からキャプチャ)

    中期経営計画における各カテゴリーの注力点は次の通り。

    ヘアケア系

    「BOTANIST」「YOLU」といった既存ブランドの継続成長を中心に、2025年度に売上高355億円(2022年12月期は235億円)、CAGR15%を計画。このほか、新ブランドの展開も重点施策とする。

    商品ラインアップのなかでも主力となるヘアケア系のカテゴリーは売上高355億円を計画(画像は編集部がI-neのIR資料からキャプチャ)
    商品ラインアップのなかでも主力となるヘアケア系のカテゴリーは売上高355億円を計画(画像は編集部がI-neのIR資料からキャプチャ)

    美容家電

    2025年度に売上高140億円(2022年12月期は93億円)、CAGR15%を計画。「SALONIA」の定番ドライヤー・アイロンのさらなるシェア拡大を見込む。また、2022年12月期に堅調に推移したEMSリフトブラシ、洗顔ブラシといった中・高価格帯の美容家電のラインアップをさらに拡充する。

    美容家電カテゴリーもさらなるシェア拡大を見込む(画像は編集部がI-neのIR資料からキャプチャ)
    美容家電カテゴリーもさらなるシェア拡大を見込む(画像は編集部がI-neのIR資料からキャプチャ)

    スキンケアほか

    スキンケアなどその他カテゴリーは、2025年度に売上高55億円(2022年12月期は25億円)、CAGR30%を計画する。2022年6月末に買収したスキンケアブランド「WrinkFade(リンクフェード)」は、新規顧客の拡大およびラインアップ拡充に取り組む。

    新たなブランドの販売は、25年度までに約10ブランドを計画。これまでにI-neが知見を得たマーケティングデータやノウハウを開発に生かす。

    これまでの知見をもとにブランドの拡充にも乗り出す(画像は編集部がI-neのIR資料からキャプチャ)
    これまでの知見をもとにブランドの拡充にも乗り出す(画像は編集部がI-neのIR資料からキャプチャ)

    グローバル

    2025年度までに売上高30億円(2022年12月期は9億円)、CAGR50%を予定している。中国ではライブコマースを中心とした戦略を進める。2022年12月期売上高が前期比50%増となった台湾はさらに販売力を強化。このほか、Amazonでは米国のテスト販売を始める。

    アジア圏を中心とした海外展開もこれまで以上に拍車をかける(画像は編集部がI-neのIR資料からキャプチャ)
    アジア圏を中心とした海外展開もこれまで以上に拍車をかける(画像は編集部がI-neのIR資料からキャプチャ)

    営業利益率13%に向け、2025年度までの3か年で費用構造は段階的に見直す。各項目の注力点は次の画像の通り。

    各項目で利益率改善に力を入れる(画像は編集部がI-neのIR資料からキャプチャ)
    各項目で利益率改善に力を入れる。「ロスアナリシス」はロス解析のこと。生産プロセスの効率を低下させるさまざまな潜在的ロスを顕在化させ、効率化を図る手法(画像は編集部がI-neのIR資料からキャプチャ)

    長期ビジョンは2028~30年までに売上1000億円

    長期ビジョンでは、2028年から2030年をめどに売上高1000億円、営業利益率15%をめざす。ヘアケア・美容家電の継続成長、スキンケアブランドの拡大、中国事業の拡大およびその他海外エリアを開拓する。

    長期ビジョンでは売上高1000億円、営業利益率15%を計画する(画像は編集部がI-neのIR資料からキャプチャ)
    長期ビジョンでは売上高1000億円、営業利益率15%を計画する(画像は編集部がI-neのIR資料からキャプチャ)
    高野 真維

    【ライブコマース調査まとめ】認知は約4割、視聴経験ありは約4%。視聴経験者の商品購入経験率は5割強、視聴意向ありは2割強

    3 years 3ヶ月 ago

    NTTコム オンライン・マーケティング・ソリューションが実施した「ライブコマース」に関する調査によると、認知度は31.9%だった。内訳は「聞いたことがある程度」が20.4%、「知っているが視聴したことはない」が7.6%、「知っており視聴したことがある」は3.9%。

    NTTコム オンライン・マーケティング・ソリューションが実施した「ライブコマース」に関する調査
    ライブコマースの認知度

    ライブコマース視聴経験者のうち、実際に商品を購入したことがあるユーザーは54.8%と半数以上を占めた。年代別で見ると、20代が66.2%、30代が59.6%。非視聴経験者のうち、ライブコマースの利用意向があるユーザーは19.8%で、「利用意向がない」は80.2%に達した。

    NTTコム オンライン・マーケティング・ソリューションが実施した「ライブコマース」に関する調査
    ライブコマースの購買経験
    NTTコム オンライン・マーケティング・ソリューションが実施した「ライブコマース」に関する調査
    ライブコマースの利用意向

    ライブコマースを視聴する際のデバイス

    スマートフォンが73.7%で、PCが47.0%と続いた。ただし、50代、60代ではPCがスマートフォンを上回った。

    NTTコム オンライン・マーケティング・ソリューションが実施した「ライブコマース」に関する調査
    ライブコマースを利用する際のデバイス

    視聴したプラットフォーム

    YouTubeが68.7%でトップ。Twitter(37.1%)、Instagramと続いている。購入者と非購入者の視聴プラットフォームを比較すると、購入者は「企業の運営するECサイトなどのWeb」よりもTwitterやInstagram、LINE LIVEなど配信プラットフォームの利用率が高かった。

    NTTコム オンライン・マーケティング・ソリューションが実施した「ライブコマース」に関する調査
    ライブコマースを視聴したプラットフォーム

    視聴したことのある配信主体

    「アパレル企業」が47.4%で最多。「化粧品ブランド企業」が30.5%、「家電量販店」が30.2%で続いた。

    NTTコム オンライン・マーケティング・ソリューションが実施した「ライブコマース」に関する調査
    ライブコマースの視聴カテゴリ

    企業別では、「BEAMS」(20.3%)、「ビックカメラ」(18.6%)、「エディオン」(17.8%)、「GU」(17.6%)、「ユニクロ」(17.6%)、「ABC-MART」(17.1%)、ヤマダ電機(17.0%)が上位。

    総合小売では「Yahoo!ショッピング LIVE」(40.2%)がトップ。「イオン」(34.8%)、「楽天ライブショッピング」(32.1%)、auコマース&ライフの「ライブTV」」(31.3%)、「セブン&アイHLDGS.」(30.4%)が続いた。

    ライブコマースを視聴するきっかけ

    「登録している媒体からメールで送られるニュース」が49.6%でトップ。「利用しているSNSで見たニュース(広告)」(36.4%)、「企業のウェブサイトでのお知らせ、バナー」が続いている。

    NTTコム オンライン・マーケティング・ソリューションが実施した「ライブコマース」に関する調査
    ライブコマース視聴のきっかけ

    視聴の決定要因

    「紹介される商品」(39.8%)、「動画を配信している企業」(39.0%)、「紹介されるブランド」(34.6%)が上位だった。

    NTTコム オンライン・マーケティング・ソリューションが実施した「ライブコマース」に関する調査
    ライブコマースの視聴きっかけ

    視聴目的は購買行動に直接関係するものが多く、「購入を決めていないが、購入する可能性のある商品について確認するため」(39.4%)「購入を決めている商品について確認、購入するため」(20.7%)が上位となっている。これに「商品を購入する目的というよりは、トレンドなどを知るウィンドウショッピング的な意味合いのため」(17.0%)が続いている。

    NTTコム オンライン・マーケティング・ソリューションが実施した「ライブコマース」に関する調査
    ライブコマース視聴の目的

    購入した際のアドバイスや評価の参考度

    ライブコマース視聴経験者に対し、通常商品を購入する際、与えられるアドバイスや評価をどの程度参考にするかを聞いたところ、商品購入者と非購入者では異なる結果となった。

    商品購入者は「販売する企業のスタッフや店員の、口頭による直接的なアドバイス」が93.3%で最。、「販売する企業のスタッフや店員の記事などによる一般的なアドバイスや評価」(91.8%)、「口コミなどの一般使用者が評価している評価」(87.2%)が続いている。

    NTTコム オンライン・マーケティング・ソリューションが実施した「ライブコマース」に関する調査
    ライブコマースで商品を購入する際の際のアドバイス参考度(購入者)

    非購入者は、「口コミなどの一般使用者が評価している評価」が82.7%で最も高く、「販売する企業のスタッフや店員の記事などによる一般的なアドバイスや評価」(78.9%)、「販売する企業のスタッフや店員の、口頭による直接的なアドバイス」(77.5%)の順だった。

    NTTコム オンライン・マーケティング・ソリューションが実施した「ライブコマース」に関する調査
    ライブコマースで商品を購入する際の際のアドバイス参考度(非購入者)

    ライブコマース、購入の決め手

    「商品に詳しいコマーサーの説明内容による安心感」が47.5%、「商品に詳しいコマーサーの出演による安心感」が44.3%。次いで「双方向のコミュニケーションで視聴者側の疑問が解決される安心感」(35.8%)、「ライブ配信による臨場感」(32.3%)だった。

    NTTコム オンライン・マーケティング・ソリューションが実施した「ライブコマース」に関する調査
    ライブコマースでの購入の決め手

    ライブコマース購入経験者のライブコマース評価ポイント

    「分かりやすく商品について紹介される点」(45.0%)が最多。「安心感が持てる点」(38.3%)、「便利な点」(37.9%)、「臨場感がある点」(35.1%)なども上位だった。

    NTTコム オンライン・マーケティング・ソリューションが実施した「ライブコマース」に関する調査
    ライブコマース評価ポイント

    ライブコマース視聴者の他者推奨経験は55.5%。このうちネット上の推奨が33.3%を占めている。ライブコマース購入経験者では他者推奨経験が79.1%となっており、なかでもネット上の推奨経験は50.4%に達している。

    NTTコム オンライン・マーケティング・ソリューションが実施した「ライブコマース」に関する調査
    視聴の推奨経験

    ライブコマースの興味点

    ライブコマースの利用経験はないが、利用意向を持っているユーザーにライブコマースの興味点を聞いたところ、「分かりやすく商品について紹介される点(静止画や文字でなく動画である等)」が66.4%でトップだった。次いで、「安心感が持てる点(視聴者の質問にその場で回答され、疑問がすぐに解決される等)」(32.5%)、「商品の信頼感が増す点(商品に詳しい人が説明をする等)」(29.8%)と続いている。

    NTTコム オンライン・マーケティング・ソリューションが実施した「ライブコマース」に関する調査
    ライブコマースの興味点

    調査概要

    • 調査対象:「NTTコム リサーチ」登録モニター
    • 調査方法:非公開型インターネットアンケート
    • 調査期間:2022年12月7日~2023年1月17日
    • 有効回答者数:566人(スクリーニング調査:2万644人)
    • 回答者条件:スクリーニング調査の15歳以上の男女。本調査はライブコマース認知者
    • 回答者の属性:スクリーニング調査
    石居 岳

    Forever 21のZ世代を獲得する2つのアプローチとは? CVR6割のカゴ落ち対策&メタバース活用 | 海外のEC事情・戦略・マーケティング情報ウォッチ

    3 years 3ヶ月 ago
    Forever 21が取り組むZ世代向けの施策を紹介します。スピーディーな決済スキームやメタバース領域への進出でZ世代のニーズに応えています
    総合 1位 ビッグボス 2位 シードコムス 3位 あじげん 4位 くまもとフード 5位 joshin 6位 暮らし健康ネット館 7位 サンドラック 8位 プレコハウス 9位 コジマ 10位 オシャレウォーカー

    ITリテラシーが高いZ世代は、オンライン通販を利用するときに迅速なチェックアウト(編注:支払い)を望む人が多く、決済完了までにかかる時間が長いとカゴ落ちにつながりやすくなります。

    効率化されたスピーディーなチェックアウトプロセスを実現したアパレルブランドのForever 21と決済プロバイダーのBolt Financial(ボルト・フィナンシャル、本社米国)の取り組みから、Z世代に受け入れられやすい迅速なチェックアウト例、メタバース領域の施策を解説します。

    記事のポイント
    • Forever 21の、効率化されたチェックアウトプロセスを利用した消費者のカゴ落ち率は37%に減少した。
    • Forever 21は、メタバースでも百万点もの3Dアパレル商品を販売している。
    • Forever 21の親会社であるAuthentic Brands Groupは、2022年にBolt Financialを提訴。現在はBolt Financialの株式を所有し、良好なパートナーシップを築いている。

    「今すぐほしい」に応える決済スキームとは

    決済プロバイダーBolt Financialのサービスを導入

    アパレル小売チェーンForever 21のジェイコブ・ホーキンス氏(デジタル部門最高マーケティング責任者)は「モバイルで買い物するZ世代には、チェックアウトのスピード感が大切」だと言います。

    私たちの顧客であるZ世代は、商品が今すぐに欲しいのです。Z世代はテクノロジーに精通しています。私たちが導入しているBolt Financialの決済サービス「Bolt」は、ITリテラシーが高く、スピーディーなチェックアウトをしたがるZ世代のニーズに応えています。(ホーキンス氏)

    Forever 21は、決済サービス「Bolt」(Bolt Financialの決済システム)を2019年に導入しました。導入当初はトラブル続きでした。

    Forever 21を傘下に持つAuthentic Brands Group(オーセンティック・ブランズ・グループ。米国のブランド管理会社)は2022年3月、約束したテクノロジーを提供しなかったとしてBolt Financialを提訴。2022年7月に和解し、Authentic Brands GroupはBolt Financialの非公開株式を獲得しました。

    Forever 21とBolt Financialへの電話インタビューでホーキンス氏は、「私たちは今、良好なパートナーシップを結んでいます。トラブルはすべて過去の話です」と説明。Bolt Financialの広報担当者も「前進あるのみです」と語りました。

    チェックアウトにかかる時間の大幅圧縮に成功

    Forever 21は「Bolt」導入による効果を実感しています。Forever21.com(編注:Forever21の自社ECサイト)での「Bolt」を使ったチェックアウトの時間は100秒で、ゲスト・チェックアウト(編注:ECサイトにサインインしていないゲストの状態でチェックアウトすること)より43秒短くなりました。

    ホーキンス氏は、「43秒は“永遠”に思えるほど長く感じる」と指摘。実際、消費者は時間がかかりすぎると離脱してしまいます

    店頭に行ってレジに並ぶのは誰だって嫌なものです。Webサイトでも、誰も長い時間待ちたくはないでしょう。(ホーキンス氏)

    「Bolt」を使ってチェックアウトした消費者のカゴ落ち率は2022年に37%でしたが、ゲスト・チェックアウトを使った消費者のカゴ落ち率は60%でした(編注:ゲスト・チェックアウトでは「Bolt」を利用しないため、チェックアウトにその分時間がかかる)。

    言い換えれば、「Bolt」を使用してチェックアウトを開始した消費者の63%が購入を完了しているのに対し、ゲスト・チェックアウトを使用して購入完了に至った消費者は40%にとどまったのです。

    ホーキンス氏は「時間がかかればかかるほど、購入する人は少なくなる」と指摘します。

    「Bolt」のイメージ動画(編集部が追加)

    若年層はカゴ落ち傾向が高い?

    『Digital Commerce 360』のデータによると、若年層の消費者は他のオンライン通販利用者と比較して、カゴ落ちする傾向が高いことがわかっています。

    調査会社のBizrate Insightsがオンライン通販利用者1060人に行った調査によると、カゴ落ちの理由で「チェックアウトの工程が長すぎた」と回答したのは全体で9%でしたが、18歳から29歳の消費者では13%でした。

    自動入力で購入フローを短縮

    「Bolt」を使うとなぜチェックアウトに要する時間が短縮するのでしょうか? それは消費者が入力しなければならない情報の項目が少ないため、チェックアウトがより速くなるのです。

    Forever21.comでゲスト購入しようとする消費者は、チェックアウトページの項目にEメールと電話番号を入力。以前に「Bolt」を導入しているECサイトで買い物をしたことがあれば、ECサイトが購入者を認識し、SMSで1回限りのパスコードを送信します。

    消費者が「Forever21.com」でそのパスコードを入力すると、請求先と配送先情報が自動入力され、購入ボタンをクリックできます。

    「Bolt」を使わず、ゲスト購入する消費者は、請求先や配送先などの情報を入力し、確認ボタンを押すといったフローは5ステップほどを要します。

    「Bolt」は数百ものオンライン通販事業者が導入する決済サービス。そのため、消費者が「Bolt」を使って買い物をしたことがあれば、Forever21.comでも「Bolt」を使って簡単にチェックアウトすることができます

    多くのエンドユーザーが「Bolt」で支払い情報を保存

    Bolt Financialによると、1800万人以上の消費者が「Bolt」のサービスを利用しているそうです。アカウントの多くは「Bolt」を使用しているECサイトでチェックアウトし「将来の購入のために支払い情報を保存する」ボタンをクリックした消費者です。

    Forever 21は、「Bolt」を利用して顧客情報を保存し、次回以降の購入時に顧客がスピーディーにチェックアウトできるようにしている(画像は『Digital Commerce 360』より)
    Forever 21は、「Bolt」を利用して顧客情報を保存し、次回以降の購入時に顧客がスピーディーにチェックアウトできるようにしている(画像は『Digital Commerce 360』より)

    Forever 21はモバイルユーザーの新規獲得に期待感

    ホーキンス氏は「スピーディーなチェックアウトページは、モバイルを利用する消費者にとって特に重宝されている」と言います。モバイルでの売り上げは、Forever 21のオンライン売り上げの「大部分」を占めているそうです。

    ホーキンス氏は、Forever 21のオンライン売り上げが全社売上高の何%を占めるかについては言及を避けましたが、「健全な割合」であり、成長していること、そして今後1~2年のうちにさらに成長する見込みであることだけは言及しました。

    『Digital Commerce 360』では、Forever 21の売り上げの約27%がオンライン経由であり、オンライン売り上げの75%がモバイル経由と推測しています。

    この数字は、『Digital Commerce 360』発行の「北米EC事業 トップ1000社データベース 2022年版」にランクインしている、小売事業者のモバイル端末からの売り上げの中央値58.0%よりも、はるかに高い数字です。

    さらに、『Digital Commerce 360』によると、Forever 21のオンライン通販利用者の41.9%は18~24歳で、「Top500Guide.com」の同年代の中央値(15.5%)よりも、かなり高い割合になっています。

    「『Bolt』を使う利点は、インターネット詐欺の防止ができることに加えて、新しい顧客を獲得できること」だとホーキンス氏は話します。

    Z世代の心をつかむ、メタバース領域での挑戦とは?

    Forever 21は、Z世代の消費者のニーズに応えるアプローチとして、スピーディーなチェックアウトに加えて、ブランドをメタバースで展開しています。

    Roblox社が提供する オンラインゲーミングプラットフォーム「Roblox(ロブロックス)」内でアパレルコレクションを展開。消費者は自分のアバターにForever 21のアパレルブランドを購入し、着せることができるようになりました。

    たとえば2022年6月、Forever 21は米国の玩具メーカーMattel(マテル)社のバービーブランドとコラボレーションしたコレクションを開始。

    消費者はバービーブランドのアパレルをオンラインや店舗で自分用に購入したり、Roblox上の「Forever 21 Shop City」(編注:ユーザーが仮想店舗を運営できるゲーム)でメタバース内の自分のアバターにそのアパレル商品の3D版を購入することができました。

    「Roblox」でアパレルコレクションを展開したForever 21(編集部が追加)

    ホーキンス氏は「Forever 21にとって、Z世代が過ごす場所では、それがどのチャネルであろうと、マーケティングとエンゲージメントに取り組むことが重要」だと言います。

    Z世代が夢中になっている分野の1つがメタバースです。私たちはそこで、彼らと出会い、質の高いつながりを持ちたいと考えています。これは素晴らしいチャンスなのです(ホーキンス氏)

    Forever 21は、メタバースの商品が好評だったため、メタバース専用に「Forever 21」と書かれた黒いビーニー帽(編注:ニット帽の一種)をデザインしました。この商品についてホーキンス氏は「爆発的に売れ、デジタルで100万個以上売れた」と話しています。この成功をもとに、Forever 21は2022年12月にこのビーニー帽を実店舗とオンラインで販売。その結果は満足のいくものだったそうです。

    ホーキンス氏は「我々はメタバースでの事業拡大にとても期待感をもっています 」と言います。Forever 21は、2023年に向けて新たなメタバース構想の計画を立てているそうです。

    この記事は今西由加さんが翻訳。世界最大級のEC専門メディア『Digital Commerce 360』(旧『Internet RETAILER』)の記事をネットショップ担当者フォーラムが、天井秀和さん白川久美さん中島郁さんの協力を得て、日本向けに編集したものです。

    Digital Commerce 360

    薬機法の広告表現を自動チェック&リライト提案する「機械良文」とは? “危ない”表現を改善するツールを薬事法広告研究所が開発

    3 years 3ヶ月 ago

    DCアーキテクトは3月1日、薬機法(旧薬事法)の広告表現に関する文章をAIで自動チェックするサービス「機械良文」β版の提供を始めた。薬機法に抵触する恐れがあるリスクワードを検出し、リスク回避に向けたリライト表現を新たに提案する。

    DCアーキテクトが設立した、通販・EC企業向けに化粧品や健康食品の表示方法に関するコンサルティングを行う「薬事法広告研究所」を通じて提供する。

    薬事法広告研究所がこれまでに実際に提案してきたデータに基づいてリライト案を提示。サービスを通じて、導入企業や利用者の広告表現のチェックと書き換えにかかる時間を削減する。

    “危ない”広告表現をチェックし、リライト案まで一気通貫に提供

    たとえば、化粧品のランディングページで「シミを改善」「肌の奥に浸透」といった表示がある場合、該当の表示を含むテキストを「機械良文」に入力すると、「くすみをケア」「肌の奥(※角層まで)に浸透」といったリライト案を提案する。単語のほか、前後のワード(文脈)から判断して問題のあるワードも検出する。

    「機械良文」に搭載しているAI(人工知能)が、「シミを改善」「肌の奥に浸透」の表示が問題になる可能性があると判断する仕組みを搭載している。

    リスクをもつワードのチェックだけにとどまらず、リライト案を提案することに強みをもつ
    リスクのあるワードのチェックのほかリライト案を提案する

    薬事法広告研究所は大手の化粧品事業者など264社(2023年1月時点)との取引実績があり、年間の依頼件数は1万158件にのぼるという(2021年実績)。AIはこの実績に基づく広告表現の知見をベースとしている。

    現在は化粧品に関連する広告表現のチェック、リライトの提案に対応。広告表現によるリスク低減のほか、「機械良文」によってチェックを行うスタッフの負担軽減にも役立つ。将来的には健康食品にもツールの対応領域を拡大していく。

    広告表現に関する悩みに寄り添い、解決するツールと位置付ける
    広告表現に関する悩みに寄り添い、解決するツールと位置付ける

    「機械良文」の使い方は?

    「機械良文」を利用した広告表現チェックの手順は次の通り。

    • サービスの画面中、左側のボックスにチェックしたいテキストを入力
    • ボックス下部の「実行」をクリック
    • 右側のボックスに、表現にリスクがあるワードが赤字で検出される。赤字部分のプルダウンを開き、AIの提案による、問題のない表現を選択。
    表現にリスクがあるワードを自動検出し、問題のない表現に置き換えるリライト案を提案する
    表現にリスクがあるワードを自動検出し、問題のない表現に置き換えるリライト案を提案する
    問題のない表現にリライトした広告表現を安心して運用できるようになる
    問題のない表現にリライトした広告表現を安心して運用できるようになる

    配信中の“無料版”は利用回数制限なし

    薬事法広告研究所が公開した「機械良文」β版は無料で配信。一度に200文字のテキストをチェックすることができる。利用回数制限はない。

    「機械良文」のβ版は無料かつ回数制限なしで利用することができる
    「機械良文」のβ版は無料かつ回数制限なしで利用することができる

    有料版は2023年5月から配信を予定している。有料版は月額1480円(税込)の定額制で、一度に最大5000文字までのチェックが可能になる予定だ。初期費用はない。

    元・天真堂の取締役社長で、「機械良文」の開発に携わったDCアーキテクト執行役員の松﨑淳氏は、次のように話している。

    「機械良文」は、「薬事チェックを行う時間を大幅に削減し、よりクリエイティブな活動に時間を使っていただきたい」という思いを込めて開発した。メーカーや広告代理店など、法人として化粧品広告に関わる方々はもちろん、それを支えるライター、インフルエンサー、アフィリエイター、クリエイターといった方々にもぜひ活用してほしい。(松﨑氏)

    高野 真維

    I-neの売上高は24%増の352億円、営業利益は38.5%増の32億円。増収効果とコストコントロールが寄与【2022年度】

    3 years 3ヶ月 ago

    I-neの2022年12月期(通期)連結決算は、売上高が前期比24.2%増の352億6900万円、営業利益は同38.5%増の32億3500万円だった。主力ブランドの配荷店舗数の伸長などが増収に寄与、増収効果やコストコントロールが営業増益につながった。

    経常利益は同48.9%増の34億6900万円、当期純利益は前期比54.8%増の19億2700万円だった。

    既存の主要ブランドや「YOLU」が売上増をけん引

    ノンシリコンのアミノ酸シャンプーなどを展開する主力ブランド「BOTANIST(ボタニスト)」の売上高は前期比6.8%増。既存商品に加え、2022年8月に発売したエイジングケアラインの「ROOTH(ルース)」や、泡タイプのボディソープが順調に配荷店舗数を伸ばした。

    美容家電ブランドの「SALONIA(サロニア)」は、主力商品のヘアアイロンとヘアドライヤーの好調な売れ行きが続いた。洗顔ブラシやEMSリフトブラシなどの高価格帯商品も堅調に推移。

    「ボタニスト」や「サロニア」といった主力ブランドをはじめ売り上げが堅調に推移した(画像は編集部がI-neのIR資料からキャプチャ)
    「ボタニスト」や「サロニア」といった主力ブランドをはじめ売り上げが堅調に推移した(画像は編集部がI-neのIR資料からキャプチャ)

    ドラッグストア市場でシリーズ別売上シェア国内1位を獲得した(※)という、睡眠中の髪のダメージケアに着目したシャンプーなどを展開するブランド「YOLU(ヨル)」は、2022年4月に発売した新ライン「リラックスナイトリペアシリーズ」の引き合いが順調に継続した。

    ※ドラッグストア市場のシャンプー・リンスカテゴリーにおける商品シリーズ別の2022年10月、11月、12月単月の販売金額(I-ne調べ)

    2022年6月末に買収したスキンケアブランド「WrinkFade(リンクフェード)」は、2022年12月期の第4四半期(2022年10-12月期)からI-neの連結業績に含まれている。「リンクフェード」は定期販売モデルで、単月の新規獲得顧客数は1万件超。顧客の維持や継続ができており、好調な滑り出しとなっている。

    主力ブランドも育成中のブランドも堅調な増収を続けている(画像は編集部がI-neのIR資料からキャプチャ)
    主力ブランドも育成中のブランドも堅調な増収を続けている(画像は編集部がI-neのIR資料からキャプチャ)

    営業利益率は3年で2.7ポイント改善

    売上高に占める営業利益率は、2020年と比較すると2.7ポイント改善し9.2%となった(前期比では0.8ポイント改善)。営業利益率改善の理由は、商品やチャネルミックスによる売上原価率の改善、物流拠点の集約化などによる物流費の削減――といった取り組みが奏功したため。物流費の改善は特に営業利益率の向上に寄与したという。

    円安や原材料価格高騰といった社会情勢のなか、売上原価率は、共通資材化、プロダクトやチャネルのミックス、OEM先との密な連携強化などによりコントロールを徹底。改善につなげた。

    こうした取り組みによって、2020年からの3か年で、売上原価率は3.9ポイント、物流費は2.9ポイント改善。それを広告費などに再投資し、営業利益率の改善に取り組んできた。2022年12月期は、広告費および販売促進費は前期よりも16億円増額し、マーケティング投資にあてた。

    売上原価の改善に成功(画像は編集部がI-neのIR資料からキャプチャ)
    売上原価の改善に成功(画像は編集部がI-neのIR資料からキャプチャ)

    2023年12月期は10%超の増収を計画

    2023年の通期業績は、売上高400億円(前期比13.4%増)、営業利益40億円(同23.6%増)、経常利益40億5000万円(同16.7%増)、純利益23億円(同19.3%増)を見込む。

    売上高は前期比10.0%以上の増加をめざす。営業利益は一定の再投資を継続する一方、継続的な増益をめざす方針だ。

    高野 真維

    飛行機の機内を通販・ECの“売り場”に。ジャパネットとスターフライヤーの新たな取り組みとは

    3 years 3ヶ月 ago

    ジャパネットホールディングスは、スターフライヤー機内での通販・ECを本格化する。

    スターフライヤーと資本提携したジャパネットHDが機内販売システムを独自開発。国内5路線全便で機内販売システムをリニューアルしてモバイルオーダー化、販売商品の選定から配送までを連携して運営する。

    機内販売における購入用紙への記入を廃止し、手持ちのスマホやタブレットで購入できるようにする。手持ちのスマホやタブレットの機内モードとWi-Fiをオンにすると、購入専用の機内ネットワークに接続し、購入希望商品のQRコードを読み込む仕組みをい実装。機内誌の商品ページに設置した二次元バーコードを読み込み、必要な情報を入力するだけで注文できる。

    搭乗時に機内誌から読み込んだ二次元バーコードは24時間利用が可能。移動時間に左右されず、着陸後も買い物が楽しめる。

    ジャパネットホールディングスは、スターフライヤー機内での通販・ECを本格化
    モバイル端末からの購入イメージ

    ジャパネットHDが配送面をサポート。従来、機内での手渡しだった購入商品を、自宅や希望の送付先に配送する。航空機の着陸後すぐに出荷・発送し、最短で翌日配達を可能にする。福岡発から羽田着15時到着便で搭乗時に購入した商品は、翌日に北九州エリアへ配送できる。

    機内誌で販売する商品は、ジャパネットが厳選した「スターフライヤー限定販売商品」に一新する。食品・酒類は産地にこだわった逸品を用意。生活雑貨品はジャパネットの通信販売でも好評の商品をスターフライヤー限定仕様で用意する。

    機内販売のリニューアルは2023年3月1日から実施する。ただ、機内でのショッピングについては機内ネットワークの調整、設置許可が下り次第開始する。

    ジャパネットとスターフライヤーは2022年に資本業務提携。機内エンターテインメントサービス・物販事業・旅行事業における連携を強化し、搭乗者への利益を高め、利用者が安心して空の旅が楽しめるサービスの拡大に取り組んでいる。

    石居 岳

    明太子の「ふくや」は「Amazon Pay」をどう活用したのか? 老舗メーカーが新規顧客獲得&マーケティング事例を語る

    3 years 3ヶ月 ago
    Amazonアカウントでログインや決済ができる「Amazon Pay」。辛子明太子で有名な福岡の「ふくや」がその効果を語った
    [AD]

    ECビジネスはコロナ禍を経てもなお堅調だ。しかし課題はある。特に実務者レベルで常に話題になるのが、会員登録の煩雑さによるカゴ落ちだ。せっかく購入を決めた消費者が名前や住所、クレジットカード番号の入力でつまずき、買い物を諦めてしまう。店側は最低限の情報は入力してもらう必要があり、単純に簡略化はできない。どうすればスムーズに買い物を楽しんでくれるだろうか。

    福岡名物の辛子明太子の製造販売で知られるふくやが、解決策として選んだのが「Amazon Pay(アマゾン ペイ)」だ。「Amazon Pay」は「Amazonアカウント」に登録した情報を外部ECサイトでもそのまま利用できる決済手段で、その利便性の高さから利用者が増えている。

    ふくやの瀨﨑拓也氏(営業第一部 ネット通販課 マネージャー)とアマゾンジャパンの井野川拓也氏(Amazon Pay事業本部 本部長)が決済手段の多様化、そしてマーケティングツールとしての「Amazon Pay」の魅力を語った。聞き手・進行役は「ネットショップ担当者フォーラム」編集長の瀧川正実が務めた。

    通販の歴史も長い明太子の「ふくや」

    ふくやの創業は1948年(昭和23年)。創業者の川原俊夫氏が、戦時中の幼少期に韓国・釜山で味わった「たらこのキムチ漬け」の味を再現しようと、引き揚げ先の博多でチャレンジを繰り返した。そこから誕生したのが「味の明太子」だという。

    いまや70年超の歴史を誇る企業だが、通販の参入はかなり早かった。1970年には航空便を利用した全国配送を開始、1985年には受注センターを開設した。また1997年1月に自社ホームページを開設。同年12月にはネット通販システムを導入し、1999年7月には「楽天市場」へ出店した。現在も「Yahoo!ショッピング」へ出店するなどECに注力している。

    2005年6月、ネット通販システムをリニューアルし、自動受注を開始。2016年から2017年の自社サイトの再リニューアルに合わせて現行の自社ECシステムを開発。ページのスマートフォン対応も行われた。

    コールセンター経由の受注の約8割が60代~80代なのに対して、EC経由では約7割が40代~60代となっているなど、販売チャネルで年齢層が大きく違っている。若い層については、外部企業とのコラボレーション企画が奏功しているという。

    地元サッカーチームやアニメとのコラボ缶詰などを展開することで、今までリーチできていなかったお客さまに商品を届けられることがわかった。通常は30代の割合が15%ほどだが、コラボ商品となると約2倍の30%の利用率になることもある。(瀨﨑氏)

    ふくやの瀨﨑拓也氏(営業第一部 ネット通販課 マネージャー)

    サイトリニューアルに合わせて「Amazon Pay」を導入

    2016年のサイト再リニューアルまでは、特にモバイルECの領域での課題が多かったと瀨﨑氏は振り返る。

    リニューアル前は会員登録をしないと買い物ができなかったため、初回購入のハードルを下げる必要があった。具体的にはゲスト購入機能を追加しなければならないと考えていて、このタイミングで「Amazon Pay」を導入した。(瀨﨑氏)

    「Amazon Pay」は、「Amazonアカウント」に登録されている配送先住所や支払い方法情報を使って、「Amazon」以外のECサイトでも決済を行えるサービスで、ふくやのような自社ECサイトでの導入が広がっている。

    ふくやの場合、ECサイトに訪問してから注文最終確認画面にたどり着くまで、6ページ分の画面移動が必要だった。新規顧客の場合は、それ以外に会員登録手続きも加わる。

    通常の画面移動
    通常の画面移動

    ところが、「Amazon Pay」を導入した場合は4ページ分の移動で済む。また、氏名やクレジットカード情報などを改めて入力し直す必要もないため、一般的なゲスト購入機能よりさらに利便性が高い

    「Amazon Pay」の導入によるユーザビリティの向上
    「Amazon Pay」の導入によるユーザビリティの向上

    エントリーフォームで3割~5割が離脱? 「Amazon Pay」が何を変える

    ユーザーは入力の手間を削減でき、店側はユーザーに登録の一手間という心理的ハードルを下げさせて売り上げの拡大が期待できる。双方にメリットがあるのが「Amazon Pay」だ。日本では2015年にサービスを開始したが、井野川氏はそのサービス立ち上げに携わったメンバーの1人だ。井野川氏はEC事業者と面談する機会が多いが、会員登録に関する悩みは非常によく聞くという。

    名前や住所を入力するフォーム画面でサイトから離脱してしまうユーザーが3割~5割に達するという声もある。その点「Amazon Pay」は、Amazonアカウントに保存されている情報をそのまま使うので、カゴ落ちを防ぐ効果がとても大きい。(井野川氏)

    アマゾンジャパン合同会社の井野川拓也氏(Amazon Pay事業本部 本部長)
    「Amazon Pay」の概要

    ふくやでは、2017年に「Amazon Pay」の導入が完了した。当初の利用率は7%ほどだったが、2021年度は約15%に伸長。前述のコラボ缶詰の販売などにあたっては、44%前後に達することもあった。コラボ商品が想定する客層、ふくやの通常送品の客層を考慮すると、新規顧客獲得に「Amazon Pay」が大きく貢献したと言えそうだ。

    また、ふくやECサイトへの「Amazon Pay」導入にあたっては、Amazon側のエンジニアによるサポートが充実しており非常にスムーズだったという。

    「Amazon Pay」の4つのメリット

    「Amazon Pay」には多くのメリットがあるが、消費者には4つのメリットがあると井野川氏は改めて説明する。

    ① 利便性

    「Amazonアカウント」を使ってそのままログイン・決済できるため、メールアドレスを登録したりパスワードを考えたりする手間が不要。また個別のECサイトごとのパスワードを覚えておく必要もない。「Amazon Pay」を使えば「Amazonアカウント」のID(メールアドレスまたは携帯電話番号)とパスワードさえしっかり覚えておけばよい。

    ② スピード

    情報入力の手間が減るので、買い物すると決めてから購入完了するまでのスピードが速くなる

    ③ 安心感

    クレジットカード番号の漏えいリスクを考慮して、ECサイトにクレジットカードを登録したくないと考える層は一定数いる。「Amazon Pay」では、Amazonアカウントに登録されたクレジットカード情報は購入するECサイトに共有されないため、漏えいの懸念は相対的に減らせる。また「Amazonマーケットプレイス保証※」の対象になるのもメリットだ。

    Amazonマーケットプレイス保証:Amazon Payでの商品の購入において、購入者を保護するためにAmazonが提供している保証。詳しくはこちら

    ④ お得

    「Amazon Pay」では現在、キャンペーン対象となるECサイトで「Amazonギフトカード」の残高分で決済すると、購入額の0.5%~1%をポイントとして還元するキャンペーンを実施している。

    ユーザーにとっての「Amazon Pay」のメリット

    不正受注の防止にも威力を発揮

    一方、ECサイト運営者側が「Amazon Pay」を導入するメリットとはなにか。瀨﨑氏、井野川氏がここまで話してきたように、住所・クレジットカード情報の入力や、会員登録にかかる手間が軽減されることで、新規顧客の獲得、コンバージョン率(CVR)が高まることが期待できる

    それに加えてあげられるのが不正取引対策だ。「Amazon Pay」では、世界各国のAmazonで利用している不正検知システムがそのまま利用されているため、信頼度は高い。越境型のEC詐欺への対応もよりスピーディに行われており、ECサイト側が不正注文を受ける心配も減るという訳だ。

    導入企業にとっての「Amazon Pay」のメリット

    一般的に、家電などの型番商品は転売されやすく、不正注文に悩む事業者は多い。ふくやにおいても、代金引換で注文された商品を配送したところ、該当住所が存在しないようなケースもあるという。だが「Amazon Pay」は、日ごろ使っているAmazonアカウントに登録された配送先住所やお支払い方法を利用するため、そうしたトラブルが起こりにくいと瀨﨑氏は指摘する。

    たとえばブランド品のECサイトでは、いたずら注文への備えとして入力された住所をGoogleで検索して調べたり、電話したり(有人でコストをかけて)対応しているとも聞く。「Amazon Pay」では、不正注文が起こりにくく、不正取引に対する工数が削減できたという声はよくいただく。(井野川氏)

    「Amazon Pay」利用は着実に増加

    ふくやでは「Amazon Pay」導入の前年、2016年はスマートフォンからの購入比率が25%だったが、導入後の2017年は29%へと増加。そして直近の2022年には51%を記録するなど、PCからの購入比を超えるレベルとなった。CVRも着実に伸びているという。

    加えて、「Amazon Pay」の利用キャンペーンを実施したところ、新規顧客の獲得数が目標の3倍に達するケースもあった。「多くのお客さまの間に『Amazon Pay』なら簡単に買えるというイメージがしっかり浸透しているのではないか」と瀨﨑氏は分析する。

    また「ログインIDを忘れた」という問い合わせも減少した。こうした問い合わせは年に1度だけ、ギフトでふくや商品を購入している顧客に多いと想像できるが、これも「Amazon Pay」によって緩和されている可能性がある。

    ただECサイト運営者としては、「Amazon Pay」で新規顧客を獲得しつつ、最終的にサイトでも会員登録をしてくれるのが理想だろう。

    井野川氏からは、「Amazon Pay」を使ってお客様が初めてECサイトで購入されるのと同時に、自動的に入力された氏名やメールアドレス情報を使って会員登録を行っている事業者の事例が紹介された。つまり、顧客が許諾して初回購入と同時に会員登録すれば、メールアドレス情報を使ってマーケティングメールを送ることが可能となる。Amazon Payを使って購入ハードルを下げると同時に、会員登録促進も可能となるのだ。

    「Amazon Pay」は決済手段でありマーケティングツールでもある

    「Amazon Pay」が立ち上げ期から大きく変わったのは、購入額や利用額に対してポイントを還元する制度だ。前述の通り、Amazonギフトカードの利用額に対して、Amazonプライム会員には1%、通常会員には0.5%がAmazonギフトカードで還元されるプログラムだ。

    つまりコード決済サービスやクレジットカードと同様、決済事業者がキャンペーンを主導し、加盟店がその恩恵を受けられるというサイクルが「Amazon Pay」にも持ち込まれているのだ。瀧川編集長も「『Amazon Pay』はもはやマーケティングツールになってきた」と評する。

    セールをやった分だけ、お客さまに多く買っていただくことはできるが、そこで獲得したお客さまにどうすれば2回目、3回目と買い続けていただけるかが、EC事業者にとっての悩み。ギフトカード還元プログラムや、(許諾したアカウントに対する)プロモーションメールも、継続的な購入につながる仕組みになっている。(井野川氏)

    瀨﨑氏も、サイトで「Amazon Pay」に対応しているというロゴを掲出すること自体が一定の信用となり、ひいてはユーザーの安心感につながり、マーケティング効果も生み出せるのではないかと分析。「Amazon Pay」導入の波及効果は大きいと語った。

    [AD]
    森田 秀一

    【景品表示法の改正案まとめ】故意の不当表示に100万円以下の直罰規定、違反状態を早期是正する「確約手続き」など導入 | 【通販・EC関連の法改正】景品表示法・消費者契約法・特定商取引法の見直し動向

    3 years 3ヶ月 ago
    景品表示法の改正案では、事業者の自主的な取り組みを通じて早期の是正を図る確約手続き、行政処分を経ずに100万円以下の罰金を科す直罰規定の新設などを規定している

    故意の不当表示には措置命令などを経ずに100万円以下の罰金を科す規定、繰り返し違反に対する課徴金の割増しなどを規定した景品表示法の改正案を、政府は2月28日に閣議決定した。

    景品表示法の改正案は、①事業者の自主的な取り組みの促進②違反行為に対する抑止力の強化③円滑な法執行の実現に向けた各規定の整備等――が主な改正事項。

    故意の不当表示には措置命令などを経ずに100万円以下の罰金を科す規定、繰り返し違反に対する課徴金の割増しなどを規定した景品表示法の改正案
    景品表示法の改正案の主な改正事項

    ①事業者の自主的な取り組みの促進

    違反行為に対する抑止力強化、端緒件数の増加・事件処理期間の長期化へ対応するために、事業者の自主的な取り組みを通じて早期の是正を図る確約手続きを導入する

    優良誤認表示などの疑いのある表示を行った事業者が是正措置計画を申請し、内閣総理大臣から認定を受けた時は、措置命令や課徴金納付命令の適用を受けないようにする手続き。迅速に問題を改善する制度を創設することで、「事業者の自主的な取り組みを促進して迅速に問題を是正してもらう」(河野太郎消費者担当相)

    現行の行政措置は、指導と措置命令・課徴金命令しかない。課徴金制度の導入で事件処理も長期化していることから、確約による表示の早期是正を図る。

    現行の景品表示法では、法令違反の疑いがあった場合、調査を通じて違反行為が認められれば措置命令または課徴金納付を命令する。違反行為が認められないものの違反の恐れががあれば、行政指導を行うという方法がある。

    課徴金制度における返金措置の促進を狙い、返金措置の弾力化を進める。特定の消費者へ一定の返金を行った場合に課徴金額から当該金額が減額される返金措置に関し、返金方法として金銭による返金に加えて、電子マネーなど第三者型前払式支払手段も許容する

    返金措置の利用件数はこれまで、4件にとどまっている。現行制度では金銭以外による返金は認めていないが、金銭以外の手段も可能にすることで返金措置の利用を促進する。

    ②違反行為に対する抑止力の強化

    繰り返し違反行為を行う事業者に対する規制を強化する。その1つが課徴金制度の見直し。

    景品表示法に違反し、措置命令または課徴金納付命令を受けたものの、繰り返し違反行為を行う事業者が存在する。こうした事業者に対しては現行の制度では十分な抑止力が働いているとは言い難いため、抑止力を強化する。

    課徴金の計算の基礎となる事実を把握することができない期間における売上額を推計することができる規定を整備。違反行為からさかのぼって10年以内に課徴金納付命令を受けたことがある事業者に対し、課徴金の額を1.5倍に加算する規定を新設する

    また、優良誤認表示・有利誤認表示を故意に行った事業者に対し、行政処分を経ずに100万円以下の罰金を科す直罰規定も新設する

    ③円滑な法執行の実現に向けた各規定の整備等

    BtoC-ECの国際化への対応として、措置命令などにおける送達制度の整備・拡充、外国執行当局に対する情報提供制度を創設する。外国に本社を置く事業者による問題のある表示が確認されていることへの対策。

    また、適格消費者団体による開示要請規定を導入する。適格消費者団体が事業者に対し、「相当な理由」がある際に事業者へ表示の裏付けとなる合理的な根拠を示す資料の開示を要請できるようにする。そして、事業者は当該要請に応ずる努力義務を負う旨の規定を新設する。

    ◇◇◇

    景品表示法の改正案は今後、今国会に提出。河野太郎消費者担当相は記者会見で、「速やかに国会で審議をして成立したい」とコメントした。

    記者会見を行う河野太郎消費者担当相
    瀧川 正実

    アパレルEC「カポックノット」が、サステナブル業界で地位を確立した3つの秘密を解説【深井代表インタビュー】 | 「ECタイムズ」ダイジェスト

    3 years 3ヶ月 ago
    天然素材「カポック」を活用したサステナブルファッションブランドを運営するKAPOK JAPAN代表の深井喜翔さんが、ブランドの成功につながった3つの秘密を解説

    今回は、天然素材「カポック」を活用したサステナブルファッションブランド「KAPOK KNOT(カポックノット)」を運営するKAPOK JAPAN代表の深井喜翔さんへのインタビューです。

    「KAPOK KNOT」はECに始まり、現在では渋谷・宮下パークにリアル店舗を構えるなど、どんどん注目を集めています。サステナブル以外の観点からも強みをもつ素材選びや販売戦略が成功し、順調にファンが拡大しているKAPOK JAPAN。同社ならではの取り組みを紹介します。

    サステナブルファッションブランド「KAPOK KNOT(カポックノット)」を運営するKAPOK JAPAN代表の深井喜翔氏

    大量生産、大量廃棄が前提のアパレル業界に疑問。深井喜翔氏の人物像は?

    みなさんは、「KAPOK KNOT」というファッションブランドをご存知でしょうか? 「カポック」とは、木の実由来の天然素材の名称で、現在「大量生産・大量廃棄」で環境への悪影響が懸念されているアパレル業界において、注目されている新素材を指します。

    実は私(「ECタイムズ」編集長の“みなつ”氏)、深井さんのことは以前から存じ上げておりまして、「サステナブルブランド」という一見トレンドの波の中でポジションを確立していく手腕について、一度お話を伺いたいと常々思っておりました。

    かくいう私も、洋服はもっぱらECで買う派の人間でして、「アパレルEC」の分野は日々無関心にはいられません!

    今回は、深井さんが「カポック」にこめた思いをお聞かせいただきつつ、「KAPOK KNOT」躍進(やくしん)の秘密に迫っていきたいと思います!

    KAPOK JAPAN株式会社 CEO 深井喜翔氏
    KAPOK JAPAN株式会社 CEO 深井喜翔氏

    1991年生まれ、大阪府吹田市出身。1日に10回以上「カポック」と発する自称カポック伝道師。2014年慶應義塾大学卒業後、ベンチャー不動産、大手繊維メーカーを経て、家業である創業75年のアパレルメーカー双葉商事に入社。

    現在の大量生産、大量廃棄を前提としたアパレル業界に疑問を持っていたところ、2018年末、カポックと出会い運命を確信。「KAPOK KNOT」のブランド構想を始め、クラウドファンディングで新規事業を開始。

    2020年には、「KAPOK KNOT」の運営を軸としたKAPOK JAPAN株式会社を設立。双葉商事の後継ぎおよび、スタートアップのKAPOK JAPAN、両社の経営に参画中。

    サステナブルな新素材「カポック」をビジネスに

    ――まず、深井さんとカポックの出会いについて、ぜひ教えてください!

    深井:大学時代から、持続可能性のあるビジネスに関心がありました。これからの社会、そのようなビジネスでないと続いていかないだろうな、と。

    “遊休資産”と言われるような「社会で余っているけど、本当は誰かのためになるもの」を使ってビジネスを起こしていきたいという気持ちは、ずっとありました。

    中途で旭化成に入社し、座学で「カポック」の存在を知りました。「これを使いビジネスを組み立てたい!」と思い立って動き始めたのが始まりです。

    「カポック」は木の実のため、木を伐採する必要がないんです。インドネシアの自生植物から採れるため、少ない水で育ちますし、農薬はほとんど必要ありません。

    「カポック」から作られた繊維は発熱するという特徴から、通常ダウンに使われるような水鳥の羽と同じ暖かさを発揮します。環境に優しい、サステナブルな素材で、ずっと考えていたビジネスのビジョンとマッチすると思いました。

    軽くて暖かいからこそ売れる。ユーザーのメリットに焦点を当てた商材が成功のポイントに

    ――近年、環境に優しいテックファッションの波は来ていますよね。「キュプラ」(編注:天然素材を原料とする再生繊維のひとつ)や「サボテン」など、複数のサステナブルファッションの素材がある中で、なぜ「カポック」だったのでしょうか?

    深井:「カポック」の機能性に引かれました。「カポック」は確かに環境に優しいのですが、それだけではないんです。

    まず、「カポック」から作られる繊維は中が空洞になっているという特徴があります。そのため、非常に軽く、コットンの1/8の軽さと言われています。また、「カポック」は空気の層が湿気を吸って温かくなるという吸湿発熱という機能を持っています。「たった500gでダウンの暖かさ」を実現できるのはこのためです。

    サステナブルブランドの多くがやりがちなミスとして、「地球に優しい」を消費者の購入動機として設定してしまうというものがあります。

    実は消費者は「地球に優しい」だけの理由では購入しないんです。「機能性が高い」から購入の動機になるんですね。

    ユーザーメリットを考えたプロダクトであること。ビジネスをしていく上で、これは見失ってはいけないポイントだと思います。

    「カポック」の利点は地球環境にやさしいほか、軽くて暖かいこともあげられる
    「カポック」の利点は地球環境にやさしいほか、軽くて暖かいこともあげられる

    アパレルD2Cでポジションを確立した「KAPOK KNOT」躍進の秘密とは?

    2022年はピッチコンテスト(編注:スタートアップなどの起業家を対象に、投資家などの審査員に対して自らの事業計画をプレゼンテーションするイベント)「KANSAI BUSINESS PLAN CONTEST produced by KFS」で優勝されるなど、アパレルD2Cという競合他社が多い世界でポジションを確立されている「KAPOK KNOT」。ここからは、そんな「KAPOK KNOT」が躍進している秘密に迫っていきたいと思います。

    「KAPOK KNOT」は2022年のピッチコンテストで優勝した経緯をもつ
    「KAPOK KNOT」は2022年のピッチコンテストで優勝した経緯をもつ

    秘密① Web3の時代でも、「地道な努力が実を結ぶ」に変わりはない

    ――印象的だったのは、ブランド立ち上げ時のクラウドファンディングです。たくさんの応援コメントにあふれ、大成功のクラファンでしたね! 成功の秘訣は何だったのでしょうか?

    深井:「ECタイムズ」というメディアの名前と逆行するようですが、「地道に足で稼いだ」ことが大きかったです。この時期は本当に、毎日スーツケースに「カポック」のダウンを入れて持ち歩くくらいでした。笑

    会う人会う人にプレゼンをして、プロダクトにこめた想いを伝え続けましたね。

    ――スーツケースに……!?  すごいですね。笑

    深井:でも実際、ECでも「全てオンラインで」が絶対に正解ということはなくて、たまにはアナログだったり、地道だったり、そういう工夫や努力が実を結ぶことは往々にしてあるかと思います。

    結果として思いを受け取ってくださった方々が多くクラウドファンディングで応援をしてくださったので、ブランドとしてスタートすることができましたね。

    ――Web3の時代に逆行するようですけど、割とアナログな「地道な努力」「プロダクトへの愛」これはやはり軽視できませんね。

    応援コメントが多く寄せられているMAKUAKEのページ
    応援コメントが多く寄せられているMAKUAKEのページ

    秘密② ECからのスタートで「ブランディングに重きを」

    ――「KAPOK KNOT」は、初めはECショップからのスタートですよね。ECからスタートしたことによって、何かメリットなどはありましたか?

    深井:店舗と比較して、ECは最初はやるべきことが明確で、比較的ローコストでスタートできるというメリットがあります。

    そのおかげで、時間的余裕が生まれ、他のことに力を割けた。もっと言えば、「ブランディングに力を割けた」というのはありますね。乱立するブランドの中で自社のポジションを明確にするには、非常に重要なポイントですから。

    ネットの世界だけにとどまらず、現代においてブランドは群雄割拠です。ECでは、消費者には「検索結果」という膨大な海の中から「KAPOK KNOT」というブランドを選んでもらわないといけない。

    最初にECからスタートして、ブランディングを甘く見ずしっかり行ったのはよかったですね。

    うちの場合は、昔からの友人に企業のCI(編注:コーポレートアイデンティティ。企業の存在価値や独自性を、体系だったイメージやデザインで発信することで、企業ブランドを社会に浸透させていくビジネス戦略)を仕事としている者がいまして、彼に知見を借りつつ取り組みましたね。

    実は2022年は、女優の二階堂ふみさんとのコラボも実現しました。元々二階堂さんがスタイリストさんに「アニマルフリー」のオーダーを出されていて、その中でうちの「KAPOK KNOT」を知っていただいたという経緯です。

    ECでブランディングに力を入れていなければ、二階堂さんの目に留まることはなかったと思うので、しっかりやってきて良かったな、と思いましたね。

    「KAPOK KNOT」は女優の二階堂ふみさんとコラボレーションしたことも
    「KAPOK KNOT」は女優の二階堂ふみさんとコラボレーションしたことも

    秘密③あえて実店舗展開。オンラインでの信用獲得につなげるねらい

    ――「KAPOK KNOT」は2022年、渋谷・宮下パークにリアル店舗をオープンされましたよね! おめでとうございます!

    深井:ありがとうございます!

    ――ECで展開していたところからの、リアル店舗への進出にはどのような意図があったのでしょうか?

    深井:2022年のiOS14のアップデート以降、Web広告のパフォーマンスに懸念を感じていました。オンライン一本足打法では拡大しきらないかもな、と。オンライン・オフライン両輪で展開することで、より売り上げの拡大にコミットしていきたいというのが狙いです。

    店頭顧客は約半数が購入

    深井店舗の方だと、購入率がかなり高いんです。店舗に来てくださった方のうち、約50%の方が購入されます。リアルにプロダクトに手を触れていただくということの重要性を感じますね。

    一方、オンラインでは、やはりどうしても立地的に店舗にいけない方にリーチできます。オンライン・オフラインのシナジーとしては、「リアルな店舗がある」という信頼感がオンラインでの購入につながっているというのがありますね。

    ECサイトと店舗の両輪で、両方のメリットをくみ取りつつ運営していくことに可能性を感じますね。

    「KAPOK KNOT」はオンラインと実店舗それぞれの強みを実感している
    「KAPOK KNOT」はオンラインと実店舗それぞれの強みを実感している

    ECの知見は「外から取り入れ、中に貯める」

    ―― 逆にECを進めていくにあたって、苦労した点はどんな点でしたか?

    深井:これは途中で気づいたことなんですけど……。社内にECの担当者をおいて、外部からの知見をそこに貯める体制を作ることの重要性を感じます。うちもECについては初心者のところからスタートしたので、やはり外部の知見が必要だということでコンサルの方にお願いしたんですよね。

    でもその時は、外部の知見を内部のものとするための体制が充分ではなかったんです。ノウハウはやはり全て素晴らしいものなので、社内でそれを吸収していく体制を作ることはECを伸ばす上で重要ですよね。

    ――「外部の人材(コンサルタント)を使うこと」を「内部に知見がたまらない」とイコールで捉え、「やはり正社員で採用すべきでは」という意見もあるかと思います。

    深井:そういう意見もありますね。ただ、「外部の人材(コンサルタント)を使うこと」と「内部に知見がたまらない」はやはり必ずしもイコールではないですよね。内部だけで完結していては、内部にないものを取り入れることは難しいので。

    ECは特有のノウハウがあると思いますので、その特有のものはちゃんと蓄積していくことがECの売上アップにつながりますよね。

    自社のサステナブルブランド拡大を視野に

    ――「KAPOK KNOT」の躍進の秘密、たっぷりと聞かせていただきありがとうございました! ではここで、今後の「KAPOK KNOT」の展望についてもお聞かせください。

    深井:僕たちがめざしているものとして、「サステナブルブランドのグラデーションを作る」というものがあります。

    極端にユーザーメリットを放棄し「サステナブル」に振り切ったブランドでもなく、ビジネスとして「お金を稼ぐ」に振り切るものでもなく、「ユーザーメリットもある、けど持続可能性のあるブランド」に成長することをしてめざしています。

    実は現在組織としても拡大期でして、こういうビジョンに共感してくださる方にたくさん来て欲しいですね! ゆくゆくは、KAPOK JAPANの中に、「KAPOK KNOT」以外にもさまざまなサステナブルブランドができる未来がやってくるとうれしいなと思います。

    まだまだここからなので、これからも頑張っていきたいですね!

    ――深井さんの素敵な思い、アパレルECで成長する秘訣(ひけつ)、どれもとてもワクワクする内容でした。

    深井:ありがとうございました!

    ECタイムズ

    ネッ担編集長などECメディア4社が“ECの未来”を語る&EC動画活用などを学ぶ定例会【 イーコマース事業協会が3/11開催】

    3 years 3ヶ月 ago

    一般社団法人イーコマース事業協会(以下EBS)は3月11日(土)、定例会および勉強会を開催する。定例会は新大阪の開場でトークセッションと情報交換会を実施。会員でなくても申し込み可能。

    勉強会は会員向けに、中小企業を対象にYouTube専門のコンサルティングを行っている酒井祥正氏が登壇し、最新のECの動画活用について講演する。

    EBSの定例会および勉強会の詳細はこちら

    【勉強会】企業YouTubeの成功事例などを解説

    勉強会は「2023年最新版! EC動画活用 勉強会」と題して13時25分から開催する。酒井氏はユーチューバーの育成やYouTubeのマーケティング支援などを行うゴールデンモンキーの代表取締役。企業チャンネルの成功事例や運営方法などについて詳しく解説する。定員は66人。会員のほか、サポート会員も参加可能とする。

    勉強会では動画活用に関する実践的なノウハウを紹介する
    勉強会では動画活用に関する実践的なノウハウを紹介する

    【定例会】本紙編集長らイーコマースメディア4社が業界の最新トピックスを議論

    定例会は同日の15時55分から開催。本誌編集長の瀧川正実、日本流通産業新聞 取締役 第2編集部 部長 手塚康輔氏、MIKATA 専務取締役 小林敬介氏、翔泳社 ECzine編集部 木原静香氏の4人が、「2023年どうなる? メディアが語るイーコマースの未来」と題したメディア座談会を行う。

    大手ECモールの動向、物流業界の2024年問題、最新のAI活用、SNS、越境など、今知っておきたい情報をイーコマースのメディア4社がトークセッションする。

    インプレス ネットショップ担当者フォーラム編集部 編集長 瀧川 正実
    インプレス ネットショップ担当者フォーラム編集部 編集長 瀧川 正実
    日本流通産業新聞社 取締役 第2編集部 部長 手塚 康輔氏
    日本流通産業新聞社 取締役 第2編集部 部長 手塚 康輔氏
    MIKATA 専務取締役 小林 敬介氏
    MIKATA 専務取締役 小林 敬介氏
    翔泳社 ECzine編集部 木原 静香氏
    翔泳社 ECzine編集部 木原 静香氏

    開催概要

    • 日時:2023年3月11日(土)13:25~
    • 日程
      • 13:25-14:55 勉強会「2023年最新版! EC動画活用 勉強会」
        ゴールデンモンキー 代表取締役 酒井祥正氏
      • 15:10-15:40 委員会
      • 15:55-17:45 定例会「2023年どうなる? メディアが語るイーコマースの未来」 
      • 18:30-20:30 情報交換会 
    • 参加費
      • 勉強会……無料(EBS会員およびサポート会員のみ参加可能)。
      • 定例会……EBS会員は無料。友好団体(J-FEC、TEK)会員は3000円。非会員は5000円。
      • 情報交換会……5500円。募集人数は30人
    • 詳細・参加申し込みhttps://202303ebs.peatix.com/
    高野 真維
    確認済み
    18 分 9 秒 ago
    ネットショップ担当者フォーラム フィード を購読

    人気記事トップ10

    人気記事ランキングをもっと見る