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『愛されるアイデアのつくり方』(鹿毛康司著)を読んで感動した

13 years 5ヶ月 ago

この週末、自分でも買っていたし、献本も頂いていた 『愛されるアイデアのつくり方』(鹿毛康司著・WAVE出版)を読んだ。そして感動した。

愛されるアイデアのつくり方 愛されるアイデアのつくり方
鹿毛康司

WAVE出版
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ご存知の方も多いと思うけれど、鹿毛さんは、エステーの特命宣伝部長だ。一度見たら忘れられないCMを次々と世に送り出すことで有名な人だ。一昨年の「消臭力~唄う男の子編』で度肝を抜かれた方も多いのでは。

こちらは、CM総合研究所が調査しているCM高感度ランキングでNo.1となったT.M.Revolution西川貴教さん×ミゲル君のコラボCM。

鹿毛さんのことは、黄色い鳥の人として認識している人も多いかもしれない(鹿毛さんのTwitterアカウントはこちら @onetwopanchi

こんなサイトもある。

さて、話を戻して本の話。

鹿毛さんとはお会いして何度かお話したこともあった。いままで感じていた率直な印象は、「アクの強い人」というものだった。エステーの商材特性を、限られた宣伝予算で最大効果を上げるために、突飛かつ奇抜なアイデアで奇襲する戦略(いわゆるゲリラマーケティング)を得意とする人だと思っていた。

だから、この本にも、「いかに相手の裏をかき、世の中をアッと言わせるか」という戦術がまとめられていると思っていた。しかし、僕のその読みは540°(1回転半)見事に裏切られることになる。この本は、薄っぺらい戦術や結果論的な成功法則がまとめられた本ではない。また、エステーや鹿毛さんの過去の成功体験を結果論的に考察したものでもない。

一言で言えば、この本にはお客様への愛と、仕事人の心構えがぎっしりと詰まっている。

僕が勝手に感じた、鹿毛さんが重視している仕事の流儀には以下の3つがある。


(1) 想いこそが大切

企画や制作も大事。しかし、そこに仕事人としての「想い」をどう吹き込むか。これらはすべて掛け算。想いがなければ全てはゼロになってしまうエステー(企業)、社長、商品がお客様に伝えたいメッセージを徹底的に考え、企画と制作陣に落とし込む。エステーが送り出す一見奇をてらったCMの数々には、そんな「想い」がギッシリあふれていることに気づかされた。


(2) お客様がすべて

雪印の食中毒事件など、鹿毛さんが積まれてきたすべてのビジネス経験が、尋常ではない程の「お客様志向」をつくっている。想い、メッセージ、企画、キャスティング、絵(画)すべてに「お客様はどう感じるか」 「お客様に伝わるか」 「お客様を不快にさせないか」 「お客様をほっと笑顔にさせることができるか」という強い想いがあふれている。自分も常々口では「ユーザーはどう感じるか」と言ってるが、鹿毛さんの徹底ぶりの足元にも及ばないことを痛感させられた。


(3) 仕事人としての覚悟(プロフェッショナリズム)

読了して感じたことは(大変おこがましいけれど)「この人、本物のプロだ…」だった。社長や商品が、いま、お客様に伝えたいメッセージ。それを伝えるために、それこそ命を懸ける。納得がいかなければ、100回だって200回だって企画を練り直す。何回だって調査をやる。そしてそのすべての現場に行く。CMの撮影最中だって、超えてはいけない一線を感じたら「中止だ!」と叫ぶ。正直に言って、付き合う方の代理店や制作会社は大変だ。でも、だからこそ、いままでの「結果」があるのだな。。そう強く思い知らされた。これらはすべて、仕事人としての「覚悟」なんだろう。これこそ、プロの仕事なんだと頭を強く殴られた感覚を覚えた。


読了後すぐに、うちの全スタッフにも読んでもらいたい、そう思った。ということで、さっきAmazonで全スタッフ分、注文させて頂いた。トライバルメディアハウスの大切な大切な教育図書にさせて頂きます。

鹿毛さん、大切な気づきをありがとうございます。読んだだけじゃなく、しっかりと実行に移し、血肉に変えさせて頂きます。

イケダノリユキ

[最終告知]ソーシャル恋活〆切迫る! #植原恋活 #秋元恋活

13 years 5ヶ月 ago

みなさん、こんにちは。トライバルメディアハウス ソーシャル恋活 事務局の池田です。


今週の月曜日に、下記2件のソーシャル恋活エントリーをご紹介させて頂きました。
 ・ ソーシャル恋活はじめました > エントリーNo.1 植原正太郎 #植原恋活
 ・ ソーシャル恋活はじめました > エントリーNo.2 秋元良範 #秋元恋活


皆さまの愛あふれるTwitter / RTによってかなり拡散して頂くことができました。

大切な、その後の経過報告です。


数件のお引き合いを頂戴しております!


※プライバシーに関わることなので、正確な件数などについては控えさせて頂きます

でも、正直、もっとお引き合いが欲しい!まだまだ十分な数のエントリーを頂けておりません。。

ここで、今回の反省点と皆様へのお願い、そして最終〆切のご案内です。


● 今回の反省点

わかってはいましたが、か弱く、恥ずかしがり屋さんの女性からエントリーをしてもらう、というのは予想以上に心理的ハードルが高いことでした

だからこそ、あえて本人のGmailなどへの連絡ではなく、エントリーフォームを用意したのですが、これがいけなかった。

私、あなたのハートにエントリーします!

なんて意思表明は、逆(男)の立場でも、かなり躊躇します。

結果的には同じことなんですけど、もっと気軽に接点を持ってもらい、お友達から始めてみませんか。


● 皆様へのお願い

2人に少しでも興味がある方は、まずはFacebookでお友達申請をください。

お友達申請でもハードル高い!という方はFacebookメッセージやTwitterのDMでも構いません。

まずは、「こんにちは☆」とメッセージをください。本人よりカジュアルにご連絡させて頂きます。


植原 正太郎 facebook.com/little.shotaro


秋元 良範 facebook.com/yoshiakimoto


● 〆切

本件は生ものなので、一旦〆切を設けさせて頂きます。


〆切: 2012年6月24日(日)23:59まで


皆様からの「こんにちは☆」を心よりお待ちしております。


※ランチしてみたい、カジュアルに飲み会をやってみたい、でも本人たちに連絡をするのは恥ずかしい、という方は、私までご連絡頂いても結構です。 ikedanoriyuki@gmail.com までご連絡ください。池田キューピットを発動させて頂きます。

イケダノリユキ

ソーシャルキャンペーンを成功させる7つのポイント(+10の補足事項)

13 years 5ヶ月 ago

最近では、キャンペーンのソーシャルメディア連携が当たり前になりました。成功事例、失敗事例もたくさん出てきましたが、成功しているキャンペーンにはどんな共通項があるのか、ちょっと考えてみました。

まず前提ですが、これから整理する7つのポイントは、ソーシャルキャンペーンとして実施されたものではないものも多く含まれています(むしろそうじゃない方が多いかも)。あくまで僕が、「これはソーシャルキャンペーンを成功させるに当たって大切なポイントだな」と感じたものを、要素として抜き出し、紹介させて頂くものです。

ちなみに、ここで言う「成功」とは、
 ・ ユーザーの自分ゴト化が促進され
 ・ ソーシャルメディアで情報が拡散され
 ・ 話題になって
 ・ サイトに人がたくさん来てくれ
 ・ ブランド理解が進んだりコンバージョンに至る

というようなことを指しています。

当然、これらの成功ポイントは、必ずしも全てのキャンペーンに適用できるものではなく、商材特性やプロモーション目的によって異なります。あくまで「一般的に」という感覚で見てください。



■ ソーシャルキャンペーンを成功させる7つのポイント ■


1. 一瞬でわかるシンプルなメッセージにする

ネットやソーシャル(TwitterのタイムラインやFacebookのニュースフィード)を見ているとき、僕らは相当なスピードで「見る情報」と「無視する情報」を峻別しています。企画者(プランナー)と同じくらい高関与で、じっくりとなんて見てくれません。だからこそ、メッセージは超わかりやすくなくちゃならない。1秒で「おもしろそう!」「なんだろ、これ」と自分ゴト化してもらえなければ、光のスピードでどこかへ行ってしまいます。1秒で捉まえる覚悟で臨みましょう。

香川県のキャンペーンサイト「うどん県」はわかりやすいですよね。「えっ?うどん県!?」⇒クリック、みたいな。


先日から無印良品が実施している「無印良品史上最大のキャンペーン」もすごくわかりやすい。2年間、無印良品の家(家具付き)に住める人を募集するというもの。これは相当な応募者数になるだろうな。

2009年に話題になった、オーストラリアのハミルトン島で年収1,000万円の簡単なお仕事(管理人)をしませんか?にも似たわかりやすさとパワーを感じます。


2. ソーシャルグラフの特性を理解した情報伝播経路を設計する

ソーシャルメディアはソーシャルグラフ(ソーシャルメディア上の人間関係)によって情報が伝わります。だから、ユーザーにいかに会話や情報発信をしてもらえるかが鍵となります(誰も会話してくれていないブランドは、ソーシャルメディアでは存在していないも同然)。

多くのキャンペーンサイトには、ソーシャルメディアへの情報拡散を期待して、いわゆる「ソーシャルボタン」が付いています。TwitterのツイートボタンやFacebookのいいねボタンなどですね。でも、ボタンを置いただけじゃ、そんなに押してもらえないわけです。面白いキャンペーンサイトでしょ!だからみんなに教えてね!というのは企画者側の思惑であって、ユーザーはそんな期待通りの行動はしてくれない。だから、ソーシャルボタンは大切だけれど、設置するだけじゃダメ。どうやったらユーザーがツイートしたくなるか、シェアしたくなるか、という文脈開発が大切です。

これを猛烈にうまくやっているのは、AXE告白の塔のキャンペーンサイトです。


「Twitterでラブレターを送ろう」というコンセプトのこのサイトで、たとえば僕の友人である@a_d_m_a_n が@SMM_JPさんに告白をします。そうすると、下記のようなツイートが吐き出されます。


@a_d_m_a_n のフォロワーである僕ががこのツイートを見てURLをクリックすると、こんなページに飛んできます。つまり、あなたのお友達が勇気を出して告白をしたから、応援してあげましょう、と促してくるんです。



で、応援メッセージを入れて送信すると、それがツイートされるというわけです。こんな感じで。


このうまさ、わかりますか? つまり、「あなたのツイッターのフォロワーさん全員に情報を送りましょう」ではなく、「あなたの友達の @a_d_m_a_n さんを応援してあげましょう」という文脈をつくってるんです。その @a_d_m_a_n への応援メッセージが、結果として他のフォロワーさんにも見えている(届いている)。これぞ、ソーシャルグラフの特性を深く理解したツイート促進の文脈開発だと思います。(2人のやりとりのように見えて、@ikedanoriyuki と @a_d_m_a_n の両方を知る共通の友人や知人は「おや、なんだろ」って自分ゴト化されますよね)

このように、ユーザーに情報を共有したり、拡散してもらいたい場合、「ユーザーのモチベーションや必然性」をリアルに想像することが大切です。単にソーシャルボタンを設置して終わり!ではなく、「ユーザーがツイート(もしくはシェア)したくなる文脈」を考え尽くし、実装する。ここ、とっても重要なポイントです。


3. インフルエンサーを巻き込む

昔はアルファブロガーでしたが、最近ではアルファツイッタラー(耳慣れない言葉かもしれませんが、影響力のあるツイッターユーザーの方をこう読んだりします)などが「自発的に」ツイートしたくなるような情報やコンテンツを届け、話題の拡散を狙うやり方です。

重要なのは、「お願いする」「強要する」のではなく、いかに相手が「自発的に」ツイートしたくなるかを設計するということ。

有名どころでは、Old Spice Manが代表例でしょう。キャンペーンの詳細は、「3日間で1100万回以上視聴されたP&Gのバイライル動画キャンペーン:Alyssa Milanoをバスタオル一枚にさせてしまったThe Old Spice Man」(the Public Returns – 続・広報の視点)にとてもよくまとまっています。

このキャンペーンは、テレビCMも連動していますが、ツイッターフォロワー100万人を超えるDigg.comの創業者Kevinの感動ツイートがきっかけで大きく話題がドライブしています。きっかけになった動画がこれ。「肺炎に苦しんだ」とTweetしていたKevinに、わざわざ彼だけへのメッセージ動画を制作し、メンションを飛ばしたのです。「大丈夫かいケビン?と」。

インフルエンサーのツイートは、ものすごいパワーがあります。だから、企画者はみんなそれを期待する。でも、当たり前ですが、有名人は忙しいし、そんなに簡単になんて反応なんてしてくれない。だから、この「インフルエンサーを巻き込む」というのはすごく難しい。

でも、もしここに果敢にチャレンジするのなら、重視すべきは「インフルエンサーのことを徹底的に研究し、労を厭わず、愛を持ち、礼節をわきまえ、ときにユーモアをもってアプローチする」ことです。

そして、反応が無かったとしても「スルーされて当たり前」と考えましょう。あれ、見てないのかな、と、何度もしつこくアプローチするとウザがられて炎上ツイートをされてしまう可能性もありますからご注意を。相手はとにかくとっても忙しい方々。こちらの都合でプロモーションに勝手に巻き込むのですから、プランナーである前に人としてのモラルを大切にしましょう


4. ユーザーを巻き込む

ユーザー投稿キャンペーンなどが一般的なやり方です。「ソーシャルメディア=双方向」というイメージからか、「ユーザー投稿キャンペーンがやりたい!」というご依頼は少なくありません。

でも、そもそもユーザーにコンテンツを創ってもらったり、投稿してもらうことは、相手に相応の負荷がかかります(もちろん、「負荷」と捉えられない文脈開発が重要であることは言うまでもありません)。大成功と言われたロッテのFit’sダンスコンテスト(第一弾)ですら投稿された動画本数は約2,500本と言われています。これでも相当な数ですが、投稿数「数10~数100」なんて投稿キャンペーンはザラにあります。

何のために投稿してもらうのか? それは投稿キャンペーンでなければ伝わらないメッセージなのか? など、ユーザーを巻き込む場合はいまいちど冷静にキャンペーン設計を見直すようにしましょう。

ユーザーを巻き込むにも何段階かのレベルがあります。最も難しいのは動画。撮影の手間、編集の手間、動画アップロードの手間など、相当負荷が高い。次は画像やテキストの投稿。よくあるのが「あなたの日常で感じた小さな幸せを投稿してください」的なもの。

みなさん、「あなたの日常で感じた小さな幸せを投稿してください」と言われて、1秒で答えが見つかりますか? 僕は見つかりません(小さな幸せは感じているんでしょうけれども)。個人的に、お題を振られて「えっ?う~んと・・・」って考えちゃうお題はよくない。

ユーザーを巻き込む場合、企画者ではなく、逆の立場(ユーザー側)だったらどう反応するか、という検証テストは何重にも行ってください(企画者は高関与な状態ですから、企画に関与していない人に「これってわかりやすい?」「投稿する?」と徹底的にヒアリングしましょう)

最近ではライフネット生命上場記念で実施された、はてなの「出口社長におもしろいことを言わせてお祝いしよう!」キャンペーンがツボでした。わかりやすいし、これくらいの関わりならユーザー負荷も少ない。


5. ユーザー同士のコミュニケーションを活発化させる

ユーザーを巻き込む目的は、何も情報拡散だけではありません。ユーザー同士のコミュニケーション(ソーシャルインタラクション)を活発化させることによって、キャンペーンの参加継続率を高めることができます。

たとえば、現在第2回目が行われている花王のヘルシア12週間健康チャレンジ

このキャンペーンは、12週間という比較的長い期間、継続して取り組みます。毎日ヘルシアを飲んで、運動して、脂肪を燃やし、目標の体重や体脂肪率を目指すもの。正直、ひとりぼっちじゃなかなか続かない。だからこそ、キャンペーンサイトでは、TwitterやFacebookアカウントでソーシャルログインしてもらい、チャレンジャー同士で応援し合ったり、記録がフィードに流れてソーシャルグラフの友人からコメントをもらったりできるような仕様になっています。

これも、機械的にソーシャルログインをさせて、ユーザー同士でつながろう!とやってもうまくいきません。「ユーザー同士がつながる必然性があるか? つながりたい気持ち、つながることによるメリットは何か?」を徹底的に考えることが大切です。


6. PRと連携させる

日本のソーシャルメディアは、40人~60人という比較的小さなソーシャルグラフが形成されている場です。だから、Twitterの月間アクティブユーザー(推定)1,400万人、Facebookの国内会員数約1,000万人、mixiの月間アクティブユーザー1,500万人と言っても、1人のユーザーが発言して伝わる情報の範囲というのは意外と小さい。

たとえ、「ソーシャルメディアで話題」になったとしても、それはあくまで一部のソーシャルメディアユーザー(アーリーマジョリティくらい)までが知っている情報。仲間はみんな知っている「仲間ゴト化」はされていても、誰に話してもみんなが知っている「世の中ゴト化」にはなりづらい。

ひとつのキャンペーンで世の中ゴト化をつくるのは大変だとしても、ソーシャルメディア上の仲間ゴト化を大きくドライブさせるためには、小さなソーシャルグラフ内の枠を超えて情報を伝播させる力が必要です。それは、ソーシャルメディア単体ではできません。必ず、マスメディアとの連携が必要です。そしてそれは、広告ではなくPRです。

ソーシャルメディアのクチコミは、CMを打ってもさほど反応はありません。ソーシャルメディアが反応するのは、Webニュースやテレビ番組、つまりPRなんです。

この戦略を(本当に)うまく採用しているのは、ドミノピザです。「日本上陸25周年を記念して、時給250万円のアルバイトを募集する」というPRキャンペーンは記憶に新しいのではないでしょうか。

このインパクト抜群のメッセージは、約5億円のPR露出(広告価値換算)があったそうです。そして、応募者数は約1万人。意外と少ない?と感じるかもしれませんが、紙の履歴書に自分で切手を貼って郵送するというハードルの高さの割には多かったんじゃないかと思います。

ソーシャルメディアで大きな話題を起こしたいのなら、「ソーシャルメディアで話題になるコンテクストのニュースをPRによってマスメディアから発信する」ことが鉄則です。ぜひ実践してみてください。


ソーシャルキャンペーンのPR連携法については、『ソーシャルインフルエンス』(本田哲也・池田紀行著、アスキー新書)を合わせてどうぞ!


7. ソーシャル文脈を理解する

以上、いろいろと書いてきましたが、最後にまとめると、とにかく重要なのは、そのキャンペーンは「ソーシャル文脈になっているか?」という根本的なポイントです。

ネットでウケるネタについては、『ウェブはバカと暇人のもの』(光文社新書)の著者、中川淳一郎さんのこちらの記事を参考にしてほしいのですが、つまるところ、そのキャンペーンはBuzz-ability(話題になる要素)やTalk-ability(話したくなる要素)はあるか?という根源的な問いが重要です。

先ほども書きましたが、ソーシャルメディアでは、誰かが情報を発信しない限り、情報は存在しません。伝わる、伝わらないの前に、情報自体が存在しない。だから、最も重要なのは、ユーザーに会話してもらうことや、情報を発信してもらうこと。そしてそれは強制できません。お金で買うこともできません(Twitter広告によってブーストさせることはできます)。

いま現在起こっている不幸は、この根本的なソーシャル文脈を無視して、従来の広告脳でプランニングをしてしまっていること。広告は、お金を出せば、出したい場所(メディア)に、出したいクリエイティブ(メッセージ)で、出したいときに、出したいだけ、出すことができます。主導権は広告主が持てる。

でも、ソーシャルの主導権は消費者(ユーザー)です。だから、広告脳ではなく、徹底的にソーシャル脳(ユーザーの立場)でプランニングしなきゃならない。それって本当に興味を持つ? 1秒で自分ゴト化する? 友達に話したくなる? ツイートする必然性ある? 友達を巻き込むモチベーションある? と。

広告脳からソーシャル脳(ユーザー脳)への転換。実はここが一番難しく、一番大切なポイントなんじゃないかと思います。


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いかがでしょう。整理してみると、「当たり前のことばっかりだな!」と感じたかもしれません。でもまあ良い企画にウルトラCはありません。これらのアタリマエにビッグアイデアを付加し、いかにうまく組み合わせるか。そこがプランナーの腕の見せ所なんだと思います。

さて、上記7つの成功ポイントに加え、10の補足事項があります。これらも、どれも大切なことだと思いますので、思いつくまま列挙しておきます。


■ ソーシャルキャンペーンを成功させる10の補足事項 ■


1. 公式アカウントのフォロワーやファン獲得とつなげる

キャンペーンの話題化に成功すると、そこには多くの人が集まってきます。でも放っておくと、一時の関係しかつくれません。せっかくサイトに来てくれ、ブランド体験を深めてもらっても、もう会うことはできないかもしれない。だから、TwitterやFacebookの公式アカウントをフォローしてもらいましょう。そこからAlways Onの関係を始めるのです(詳しくはこちらのエントリーに書きました)。

最近、TwitterのフォロワーやFacebookページのファン獲得を目的としたプレゼントキャンペーンが目立ちますが、インセンティブで釣ってフォロワーやファンを増やしても、キャンペーンが終わったらすぐにアンフォローされてしまいます。アンフォローされなくても、こちらからの投稿はスルーされてしまう。そもそもプレゼントが目当てで、ブランドへの関与度が低いわけですからエンゲージメントは中々高まらないわけです。だから、物質的・経済的インセンティブで釣ることはあまりお勧めできません。

最近でウマイ!と感じたのは、さっきも紹介した無印良品史上最大のキャンペーン。ティザーサイトにはこう記載されています。

「キャンペーン情報は随時、無印良品の家 Facebookページ と無印良品 Twitter でお伝えします。「いいね」か「フォロー」を押してお待ちください。

うまいですよね。


2. iMedia(Web広告)を買ってしっかりと導線を張る

意外と抜けるのが、サイトへの導線設計。ストプラから始まり、ユーザーを自分ゴト化させる文脈開発、具体的なコンテンツの企画、PRプランなどに時間を取られ過ぎ、肝心なところが抜けてしまう。コンテンツはおもしろいけど、そもそもこのサイト(コンテンツ)、ユーザーはどうやって見つけるの?と・・・。

どんなに秀逸な文脈やコンテンツでも、導火線に火をつけなければ花火はあがりません。認知獲得のためのディスプレイアドやターゲティングメディアへの出稿だけでなく、Twitterのプロモツイート(Twitter広告)や、Facebookのスポンサー広告なども織り交ぜ、ソーシャルユーザーにしっかりとリーチするようにしましょう。

「面白いコンテンツさえつくれば、広告に頼らなくても情報はバイラルで伝播する(だからお金はかけない)」という認識は誤りです。コンテンツが秀逸であれば情報は広がります。しかし、発火は意図的・計画的に行う必要があります。発火にはお金がかかると心得ましょう


3. Flashでサイトを重くしすぎない

ブロードバンド回線でローディングに30秒以上かかるようなコンテンツはいただけません。ブランドのコアファンであれば我慢してくれるでしょうけれども、一般ユーザーであれば5秒で帰ってしまいます。商材やプロモーション目的によってリッチコンテンツは重要ですが、ユーザーが見てくれてナンボです。「過ぎたるは、なお及ばざるが如し」です。


4. スマホ最適化をさせておく(もしくはスマホサイトを用意しておく)

意外かもしれませんが、たまにスポッと抜けることがあります。
 ・ クライアント:「そういえば、今回のサイトは携帯でも見れますか?」
 ・ ベンダー:「いえ、今回の予算には含まれておりません」
 ・ クライアント:「えっ?」
 ・ ベンダー:「えっ?」

きょうび、スマホ対応しないキャンペーンはほぼ皆無だと思います(今後、より一層スマホを中心としたキャンペーン設計が主流になっていくと思われます)。プランナーはスマホ最適化(もしくはスマホサイトの開発)を織り込んで企画を進めるだけでなく、逆にスマホならではのアイデアを付加するくらいの余裕は欲しいものです。


5. ユーザーに多くを期待しすぎない

プランナーが陥りがちな罠。とにかくユーザーにいろいろとやってもらいたがる。コンテンツを投稿してもらう、投票に参加してもらう、情報をTwitterやFacebookにフィードしてもらう、友達を誘ってキャンペーンに応募してもらう・・・。

ユーザーはそんなにみんな高関与じゃないし、暇じゃないよ!

キャンペーンに接触するユーザーには、ブランドへの高関与者から低関与者まで、いろんな人がいます。時間があってじっくりサイトをみている人もいれば、仕事中に1分でナナメ読みしている人もいる。なのに、とにかくユーザーにいろんなことを強いてしまう。

ときに凝った仕掛けやユーザーの参画も重要ですが、多くの場合、より簡単な関与のしかたくらいにしておく方がうまく行くと思います。


6. 投稿キャンペーンのお題は赤の他人が見ても楽しめるものを

伝えたいブランドメッセージやキャンペーン目的にもよりますが、ユーザーの投稿キャンペーンを成功させるためには、投稿されたコンテンツが「赤の他人が見てもおもしろいもの、興味深いもの」の方が2次拡散が狙いやすくなります。

たとえば、恋愛や結婚に関連した商材の場合、「恋をしていて幸せを感じた瞬間」というお題よりも、「嬉しかった・びっくりしたプロポーズ」の方が、「誰が」投稿したかに関わらず、コンテンツとしての伝播力は高くなります。

投稿のお題は、ときと場合によって、「Who」に依存せず、「What」が面白いかどうか、というのも重要な視点です(さきほどのAXE告白の塔とは逆の視点です)。


7. 小さな軌道修正をする予算を残しておく

ソーシャルキャンペーンは、ローンチしてすぐにアクセスログやソーシャルメディアでの拡散状態をチェックすることができます。

従来の重たいキャンペーンは、ローンチしたらあとは動向を見守るのみでしたが、ソーシャルキャンペーンの場合はユーザーの反応を見ながら、キャンペーン実施期間中にきめ細かくPDCAを回すことができます

そのためには、キャンペーンの実施見積に「最適化予算」を組み込んでおかなければなりません。

しかし、いままでのキャンペーン見積には「最適化予算」なる項目や費用計上はあまりなかったため、事前にクライアントとしっかりすり合わせ、予算を承認しておいて頂く必要があります。普通に出すと「何これ?何に使うの?」となって通りませんし、「そのときはそのときでまた考えましょう」となると、迅速な対応ができなくなってしまいます。クライアント側としては、当初に決めた予算が、キャンペーンが終わらないと最終Fixしない、というのは気持ち悪いし、社内承認などがとりにくいわけですが、ここはしっかりとご理解頂く必要があります。

理想的には、全体のキャンペーン予算の10%程度をバッファー(最適化予算)として確保しておきましょう(もちろん、使わなければクライアントへは請求しません)。


8. キャンペーン目的と効果測定指標を明確にしておく

ソーシャルキャンペーンの場合、とかく「話題化」や「拡散」が目的になってしまいがちです。

しかし、キャンペーンの目的は、「話題化や情報拡散による “何か” の達成」のはずです。そこをしっかりとクライアントとすり合わせ、合意しておきましょう。

ではないと、キャンペーン終了時に、「情報は広がったけど、今回のキャンペーンって成功だったのかなあ」というクライアントからの問いに明快な回答を提示することができません。

今回のキャンペーンターゲットは、潜在顧客の育成なのか、顕在顧客の取り込みなのか、既存顧客の深耕なのか。そのターゲットの、どんな意識変容や態度変容を促したいのか。

当たり前のことではありますが、キャンペーン実施前に、「どの指標が、どの数値を示したら成功とするのか」についてしっかりとすり合わせを行っておきましょう。


9. 詳細な効果測定を行い、次回のキャンペーンに活かす

広告宣伝部やマーケティング部は狩猟民族が多いからか、効果測定をおざなりに済ましてしまうことがあります。

もしくは、効果測定は行うけれど(レポーティングはするけれど)、そこからもう一歩踏み込んで、FindingsとLearningsを明確に整理しない

これだと、せっかくのデータが活きてきません。集計はしたけれど、分析はしていない。分析はしたけれど、改善策が見えない、ということになります。

キャンペーンデータはしっかりと測定・分析をし、「解釈」しなければ意味がありません。解釈した知見は、必ず次回のキャンペーンに活かすことができます。

キャンペーンの成功確率を上げていくためには、キャンペーンを毎回フルモデルチェンジしていくのではなく、過去のデータに学び、マイナーチェンジをしていくことがポイントです。


10. 最後にもう一度クライアント志向で考える

キャンペーン企画をしていると、どんどん「楽しいこと」や「話題になること」にベクトルが向いてしまいがちです。また、「TwitterやFacebookのAPIを使うとこんなことができます!」と、「やるべきこと」と「やれること」が逆転してしまうこともあります

出来上がった企画を、最後にもう一度、「これはクライアントのマーケティング課題を解決する企画になっているか」 「期待するキャンペーン目的を達成する企画になっているか」を再考するようにしましょう。

一度考えた企画を練り直すのはとても勇気がいることです。企画を考え直すのは大変だし、企画書を書きなおす作業もしんどい。でも、最後にもうひと踏ん張り、クライアント志向で検証することができるか。自戒を込めてですが、大切なポイントだと思います。


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以上、長々と書いてきましたが、「一番大切なのは、現場の人間がプランニングやキャンペーンオペレーションを楽しめているか」かもしれません。

どんなキャンペーンであれ、ゴールを達成するためには、人(ユーザー)の心を動かさなければなりません。

理論やロジックは大切ですが、眉間にしわをよせてうんうん唸りながら、楽しい企画なんて考えることはできません。成功しているキャンペーンは、企画者や実行者みんなが「真剣に楽しめている」気がします。

うちも、クライアントのマーケティング課題を解決することと同時に、世の中をもっと楽しくするようなキャンペーンをたくさん企画して行きたいと思っています。

以上、ソーシャルキャンペーンを成功させる7つのポイント(+10の補足事項)でした。

イケダノリユキ

ソーシャル恋活はじめました > エントリーNo.2 秋元良範 #秋元恋活

13 years 5ヶ月 ago

一昨年、このブログでトライバルメディアハウスの独身王子によるソーシャル婚活エントリーをアップ(昭和生まれ最後の出物物件としてご紹介)したところ、多数のお引き合いを頂戴し、(当時)めでたく成約(お付き合い開始)に至ることができました。これもひとえにTwitterユーザーである皆さまの愛あふれるRT協力の賜物でございます。ありがとうございました。

ということで、「婚活」を「恋活」に改め、このたび(しばらく温めてきた)トライバルメディアハウスのお勧め物件を2件(2人)ご紹介させて頂きます。

下記スペック情報をご覧いただき、体に電流が走った方、もしくはピピピッと運命を感じた方、ないしは脳内にキュンキュンキューン!という音が鳴り響いた方は、記事巻末にありますエントリーフォームへお進みください。Facebookのお友達から始めるもよし、軽めにランチをして周波数を確かめるもよし、とりあえず飲み行っちゃおうぜ!とお酒の力を借りて交流を深めるもよしです。では早速エントリーNo.2 秋元良範のご紹介です!


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■ TMHソーシャル恋活エントリーNo.2 秋元良範 ■

(基本情報:本人より)

● 氏名:秋元 良範(アキモトヨシノリ)
● 1985年11月28日の射手座、東京都生まれ、横浜育ち
● 現在26歳(♂)独身
● 血液型:O 型
● 2人兄弟の次男(兄がいます)
● 身長:170cm、体重62kg
● 住まい:横浜の東白楽
● 趣味:スノーボード(暦6年)・インテリア
● 特技:収納技術(友人の整理を手伝うと友人のご両親からも絶賛される腕前)
● 好きな食べ物:お米とお味噌汁(特にわかめと豆腐)。基本、薄味。
● 料理:茹でる事と炒めることは可
● 喫煙:する
● お酒:飲みます(緑茶ハイを薄めで・・・orz)お酒が飲めないと嫌という方は私が飲めるようになるまでしばしお待ちを・・・
● 定番デートコース:日本大通で待ち合わせ→歴史的な建造物を見ながらほのぼのと散歩→疲れたらオープンテラスのカフェで休憩→元町中華街でディナーをした後に港の見える丘公園か大さん橋で夜景を堪能して帰宅
● 冬のデートコース:車で迎えに行き、群馬県の沼田にある川場スノーパークへ。雪遊びをした後に雪見風呂に入り、体を休めた後にご当地名物を食べて帰宅
● 好きな女性のタイプ:気が利く女性
● お付き合いの特典:頑張って炒飯をつくります

●Facebook
facebook.com/yoshiakimoto


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もっと写真が見たいですよね。ということで、いくつか厳選カットをば。

● デートのときの待ち合わせはこんな感じ(画像はイメージです)

● おすまし顔のつもりが口元がニヤけてしまうお茶目な奴です

● 雪山が大好き。スノボーなら手とり足とり優しく教えてもらえます

● 君の笑顔に僕はもうクラクラだよ!バタッ(画像はイメージです)


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● 池田からのお勧めコメント
いかがだったでしょうか。秋元は「明るく楽しく元気よく!」を地で体現しているような奴で、トライバルメディアハウスの中でもトップクラスの愛されキャラです。

そんな彼の特技は空回り。

自転車のチェーンが外れているのに、競輪選手並みの速度でペダルをこぎ続けるその姿は、あなたの恋心をわしづかみすること間違いありません。

しかしその空回りこそが彼の最大の魅力なのです。デートでも、あなたの笑顔を見るために、とにかく一生懸命ペダルをこいでくれる(楽しい話をしてくれる)ことでしょう。

また、秋元はムードメーカーでもあります。社内会議から飲み会まで、秋元がいるかいないかで場の雰囲気が大きく変わります(もちろん良い意味で)。

そんな彼の魅力を、ぜひ実際に会って確かめてみてください。彼の毛穴から出るハッピーオーラを体感できると思いますよ。

秋元良範との間に赤い糸を感じたあなたは、こちらのエントリーフォームから「秋元」にチェックを入れ、送信してください。追って本人よりご連絡させて頂きます。
↓  ↓  ↓

エントリーフォームはこちら!


なお、本物件は生ものであるため、先着&両者合意を以って恋活終了となりますこと、予めご了承ください。

あなたからのご連絡、心からお待ちしています!

※恋活成就のため、皆さまの愛あふれるRT / Shareをお願い致します!

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残念ながらキュンキュンこなかった方は、もうひとつの物件をご覧ください。

TMHソーシャル恋活:エントリーNo.1 植原正太郎

イケダノリユキ

ソーシャル恋活はじめました > エントリーNo.1 植原正太郎 #植原恋活

13 years 5ヶ月 ago

一昨年、このブログでトライバルメディアハウスの独身王子によるソーシャル婚活エントリーをアップ(昭和生まれ最後の出物物件としてご紹介)したところ、多数のお引き合いを頂戴し、(当時)めでたく成約(お付き合い開始)に至ることができました。これもひとえにTwitterユーザーである皆さまの愛あふれるRT協力の賜物でございます。ありがとうございました。

ということで、「婚活」を「恋活」に改め、このたび(しばらく温めてきた)トライバルメディアハウスのお勧め物件を2件(2人)ご紹介させて頂きます。

下記スペック情報をご覧いただき、体に電流が走った方、もしくはピピピッと運命を感じた方、ないしは脳内にキュンキュンキューン!という音が鳴り響いた方は、記事巻末にありますエントリーフォームへお進みください。Facebookのお友達から始めるもよし、軽めにランチをして周波数を確かめるもよし、とりあえず飲み行っちゃおうぜ!とお酒の力を借りて交流を深めるもよしです。では早速エントリーNo.1 植原正太郎のご紹介です!


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■ TMHソーシャル恋活エントリーNo.1 植原正太郎 ■

(基本情報:本人より)

● 氏名:植原正太郎(ウエハラショウタロウ)
● 1988年4月14日の牡羊座、仙台生まれ(青森 / 札幌 / 広島 / 名古屋にも住んだ経験も)
● 現在歳(♂)独身
● 血液型:O型(おおざっぱだけどキレイ好き)
● ひとりっ子(でも「っぽくない!」とよく言われる)
● 身長:166cm、体重63kg
● 住まい:戸越銀座でシェアハウス
● 趣味:カメラ(写真展やったり)、チャリ(ロードバイクで駆け巡ってます)、ランニング、うまいもん食べたりつくったり、音楽(UKロック/テクノ好き)、NPO(社会貢献系の活動をよくします)

撮影した写真 : http://on.fb.me/Kr3e6F (デジイチ) / http://on.fb.me/O3lVj1 (Instagram)

● 特技:エコ / 社会貢献系ウェブマガジン greenz.jp でライターやってます → http://greenz.jp/author/littleshotaro/

● 好きな食べ物:あんパン / 梨 / 食べごたえのあるサラダ
● 好きな本:ノルウェイの森
● 好きな映画:レオン
● 喫煙:しない
● お酒:そこそこ飲む(強くはないけど・・・)
● 定番デートコース:休日の昼下りから表参道のキャットストリートにあるカフェで美味しいシュークリームとコーヒーを頂いたあとに、東京ミッドタウン周辺(新国立美術館など)をぶらぶらし、近くにあるレストランでイタリアンを食べて、公園でまったりおしゃべり、などなど。

● 好きな女性のタイプ:嬉しいことがあったらすぐに笑顔で喜んじゃうような素直な子

Twitter:@little_shotaro
Facebook:facebook.com/little.shotaro


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もっと写真が見たいですよね。ということで、いくつか厳選カットをば。

● 屈託のない笑顔と胸のクマちゃんがキュートです

● お気に入りのロードバイクと。おすまし顔にキュンキュンきます

● デートをするとこんなお茶目な笑顔が見放題です

● 自宅の机はこんな感じ。キレイ好きですが神経質な性格ではありません(理想的!)

● ひげを生やすといきなりワイルドさが増します(写真中央)。あなたのお気に召すままに!

● まだ見ぬ君からの連絡を待ってるよ(画像はイメージです)


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● 池田からのお勧めコメント
いかがだったでしょうか。正太郎はとにかく素直で、元気で、実直で、頭の回転が早くて、まじめで、ノリが良くて、笑顔が素敵で、キュートです。

尽くしん坊(尽くす奴)だし、優しい。でもそれだけじゃなく、男気があって、リーダーシップもある。言うだけじゃなく、行動力もある。

若いのに包容力もあります。きっと、あなたのわがままも「うんうん、わかるよ。へえ、それでどうしたの? えっ! それは大変だったね。うんうん、ほむほむ、もふもふ」と傾聴してくれることでしょう。ちなみに、話を聴くだけじゃなく、おしゃべりも得意です。

そんな彼の魅力を、ぜひ実際に会って確かめてみてください。森林浴にも似た彼のマイナスイオン効果を体感できると思いますよ。

植原正太郎との間に赤い糸を感じたあなたは、こちらのエントリーフォームから「植原」にチェックを入れ、送信してください。追って本人よりご連絡させて頂きます。
↓  ↓  ↓

エントリーフォームはこちら!


なお、本物件は生ものであるため、先着&両者合意を以って恋活終了となりますこと、予めご了承ください。

あなたからのご連絡、心からお待ちしています!

※恋活成就のため、皆さまの愛あふれるRT / Shareをお願い致します!

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残念ながらキュンキュンこなかった方は、もうひとつの物件をご覧ください。

TMHソーシャル恋活:エントリーNo.2 秋元良範

イケダノリユキ

『ソーシャルインフルエンス』 戦略PR×SMMの設計図(アスキー新書)を出版しました!

13 years 5ヶ月 ago

すでにご存知の方も多いと思いますが、本日6/11にソーシャルインフルエンス - 戦略PR×SMMの設計図』(本田哲也・池田紀行著、アスキー新書)が出版されました!戦略PRを日本に広めたブルーカレント・ジャパン本田社長との共著です。巻末にはスケダチ高広さんとの鼎談も収録されています!

最近では、「ソーシャルメディアマーケティング=Twitterの公式アカウントやFacebookページの運用」という風潮が強いですが、ソーシャルメディアの醍醐味を最も感じることができるのは、やっぱり何と言っても情報の拡散(話題化)だと思います。

でも、これだけ情報が増えて、デバイスも増えて、タッチポイントが多様化すると、従来のやり方では話題を起こすことが難しくなってきました。ソーシャルメディアが得意なのは(仲間はみんな知っている状態の)「仲間ゴト化」です。誰に話してもみんなが知っている「世の中ゴト化」の促進は、ソーシャルメディアの不得意領域と言えます。

みんなが知っている。みんなが話題にしている、という「世の中ゴト」をつくるためには、「仲間(ソーシャルグラフ)の枠」を超えて情報が伝わるマスメディアが必須です。ここで言うマスメディアとは、広告も含まれますが、特にPRを指します。

クロスメディア分析を行うと如実に結果が出ますが、テレビCMを打っても検索数やソーシャルメディアでの話題はさほど増えません。一方、ヤフトピやテレビでのPR露出に成功すると、検索数やソーシャルメディアでのクチコミは爆発的に跳ね上がります(CMが悪いのではなく役割や相性があるということです)。


ここに世の中を動かす新しいチカラ
「ソーシャルインフルエンス」のヒントがあります。


ソーシャルインフルエンスは、ソーシャルメディアでのバズの発生や、戦略PRによる「カジュアル世論の形成(売れる空気づくり)」だけを行うことではありません。消費者の自分ゴト×仲間ゴト×世の中ゴト化を促進させることによって話題を最大化させ、サイト集客力を強め、コンバージョンにつなげる。

コンバージョンしなかった消費者とは、ソーシャルメディアの公式アカウントへ導き、中長期的なブランドコミュニケーションを続けることで、少しずつブランドへの関与度を上げていく。そんな「短期的な話題化」と「中長期的なブランドコミュニケーション」を複合的に行っていく新しいコミュニケーションコンセプトです。

図にしてみましょう。

1. 多くの企業がソーシャルメディアに公式アカウントを開設しました。


2. 公式アカウントは、中長期的なブランドコミュニケーションを取れるメリットがある半面、リーチが狭いことが課題です。


3. 公式アカウントをフォローしている、していないに関わらず、多くのユーザーに会話をしてもらえると、話題になったり、検索数が増えたり、サイト集客数が増えるため、多くの企業はバズを起こしたいと考えます(そしてそれは有効な手段です)。


4. 公式アカウントのフォロワーやファンの一部が(アカウントをフォローしていない)一般ユーザーへ情報を届けてくれることもあります(赤い人がエバンジェリスト。この人たちをどう育成するかも鍵です)。


5. 多くの企業はバズを起こすために、短期的なSP(セールスプロモーション)を実施します(Facebookアプリやプレゼントキャンペーンなど)。でもそれは一過性のもので終わってしまったり、思ったほど大きな話題にはならなかったりします。


6. そこで戦略PRの出番です。Webニュースやテレビなどのマスメディアで「自分ゴト化」されるコンテクストのニュースを発信します。ここで大事なのは、ニュースになることではなく、「ソーシャルメディアで話題になるニュースを創る」ということ。キーワードは、Talk-able(話したくなる要素)、Buzz-able(話題になる要素)、Shar-able(共有のされやすさ)です。


7. 戦略PRによって自分ゴト化と仲間ゴト化が進み、世の中ゴト化の一歩手前まできたときが広告の出番です(PR First, Advertising Second.)。戦略PRによるカジュアル世論の形成によってニーズを掘り起こし、広告によって解決策を示すのです。戦略PRは、広告を打つ前のお膳立てと言えます。


8. しかし、ここで終わってはいけません。話題にしてくれている多くの人たちに、ブランドサイト(キャンペーンサイト)に来てもらい、より深いブランド体験をしてもらいましょう。この際、当然ですが、戦略PRとサイトはコンテクストやメッセージが統一されていることが大切です。


9. キャンペーンサイトの目的は、ブランド体験の促進以外に、プレゼントキャンペーンへの応募や、資料請求、メールマガジンへの登録、商品購入などのコンバージョン目標があります。ちゃんとゴールが達成されるよう、サイトを設計しておきましょう。しかし、99%~99.9%の人は、コンバージョンせずに帰ってしまいます。この人たちと再度接触することは難しい。せっかく話題にしてくれ、サイトでブランド体験を深めてもらったのに、もう会えないのはもったいない。


10. そのため、コンバージョンしなかった人たちには、Twitter公式アカウントやFacebookページへの登録(フォローやいいね!)をお勧めし、恒常的なコミュニケーションが取れるように導きましょう。顧客に対するCRM(Customer Relationship Management)ならぬ、潜在顧客に対するCRM(Consumer Relationship Marketing)を始めるのです。

猛烈に簡単に説明すると、ソーシャルインフルエンスの設計図は以上のような流れで進めます。もちろん、本書ではこれらのプロセスの意味や注意点、ポイントなどについて開設しています。


いままでキャンペーンごとに終わってしまっていた消費者(ユーザー)との関係。


これを、ソーシャルメディアと連携させることでAlways On(いつも隣に寄り添っていく)にしていく。


そういう意味で、ソーシャルインフルエンスは、マーケティングの費用を投資に変えていく取り組みと言えるかもしれません。

いろいろ書きましたが、本書で伝えたいのは、少し複雑になってしまった環境の中で、いかに計画的に話題を起こし、世の中を動かすか。みんなが話題にし、人が動く。店舗にお客さんが来る。商品が動く。検索経由のコンバージョンレート向上ではなく、検索(ニーズ)そのものを生み出す方法

僕も本田さんも、まだまだまだまだ試行錯誤中ではありますが、戦略PRとソーシャルメディアマーケティング、それぞれの立ち位置でとにかくたくさんの壁に当たり、現場で悩んできた2人が、現段階において、「これからはきっとこっちなんじゃないか・・・」と喧々諤々しながら整理した本です。巻末の高広さんとの鼎談もぜひ読んで頂きたい内容になっています。

少しでも皆さんに新しいヒントがご提供できることを祈りつつ。

● 『ソーシャルインフルエンス』(本田哲也・池田紀行著、アスキー新書)


<関連書籍のご紹介>

● 『[新版]戦略PR』(本田哲也著・アスキー新書)

● 『キズナのマーケティング』(池田紀行著・アスキー新書)

専任のコミュニティマネージャーによるソーシャルメディア運用サービスを提供開始します

13 years 6ヶ月 ago

トライバルメディアハウスは、今週火曜日(6月5日)に、ベルシステム24と共同で、専任のコミュニティマネージャーによるソーシャルメディア(公式アカウント)運用サービスの提供を開始致しました。

※リリースはこちら(PDF)

ご存知の通り、Twitter公式アカウントやFacebookページの開設ラッシュを迎え、それぞれの分野でサポートするベンダーがたくさん生まれました。

でもですね、意外と、というか、まったく無いんですよ。ここを「一気通貫(ワンストップ)」で提供する会社(もしくはサービス)が。

ということで、頑張ってつくりました。

それぞれの機能について、自社で内製する企業も多いですが、公式アカウント運用の現場はこんな感じになっています。


(1) 開設時

  • 基本戦略の策定、運用マニュアルの策定、コミュニティガイドラインの策定などの前準備:ソーシャル支援会社など
  • アカウント開設:広告会社や制作会社やソーシャル支援会社など


(2) 運用時

  • 投稿コンテンツの企画やカンバセーションカレンダーの作成:ほとんどが成り行き運用。外注する場合は制作会社など
  • 投稿業務:ほとんどが社内対応。外注する場合は制作会社やソーシャル支援会社
  • コメントバックやクレーム対応:CRMベンダー(一般的に制作会社はコメントバックなどのCRM系は受託を避ける。面倒くさいから)
  • 監視サービス:監視ベンダー
  • 効果測定やPDCA:ソーシャル支援会社(効果測定を行っていない企業は70%にものぼる)


(3) 広告・プロモーション

  • TwitterやFacebookの広告出稿:広告会社やソーシャル支援会社
  • アプリ開発やソーシャルキャンペーンの企画・実施:広告会社や制作会社やソーシャル支援会社


とまあ、ひとつの公式アカウントだけでも、上記の通り見事にバラバラなわけですよ。

これでは、ひとつのマーケティング課題の解決に向かって足並みをそろえたきめ細かな運営が行えるわけもありません。

ちなみに、トライバルメディアハウスは、いままで
 ・ コンテンツの企画
 ・ コンテンツの投稿
 ・ コメントバック

の3つは、どんなにクライアントから要望を頂いても頑なに断ってきました。

なぜなら、上記3つは、ユーザーとの最も大切なブランド接点だからです。
だから、たとえどんなにお金を積まれても受けなかった。

 ・ 大切な顧客接点だけはお客様側で対応してください
 ・ そうでないとユーザーへの愛も芽生えないし、熱も生まれない
 ・ 愛も熱もない場所が素敵な場所になるはずはない

と言い続けてきました。
それで失注しても仕方ないと思ってきました。

その結果、どうなったか。
失注が増えました(笑)
それはいいんです。わかってましたから。

でも、「トライバルさんの言うことはわかります。うちでもやれるならそうしたい。でも、社内リソースが足りないんです。やりたくてもできない。だから、コンテンツの企画や投稿までを委託できる会社さんを探しているんです」という案件を結構な数お断りした結果、「これは…」というページが増えるようになりました。

要は、
 ・ トライバルが断る ⇒ クライアントが考え直して自社での運用を決心する
ということにはならず、
 ・ トライバルが断る ⇒ どこか他の会社へ委託する
ってことになっちゃったわけです。

当たり前と言えば当たり前なんですけどね…。
ということで、考えたわけです。

うちが断っても、どうせ他へ委託して(ちょっと生意気ですが)中途半端な運用をされるくらいなら、うちがしっかりと運用して、少しずつクライアントを巻き込んで、長い時間をかけて理想の体制を構築していけるよう啓発して行った方がよっぽど生産的なのではないか…と。

これが運用面を丸受けしようと改心した理由です。
あと、もうひとつ非常に重要なこと。

その際、必ず「専任のコミュニティマネージャー」を設置することです。
いままでの公式アカウント運用は、誰も専任者がいなくてみんな兼任者。責任の所在は不明瞭だし、みんなが「誰かがやるだろう」という意識で運営されているものが少なくありませんでした。

また、外部委託業者はそれぞれの役割だけしかこなさないため、全体を俯瞰して向かうべき方向性を示したり、改善・最適化を統括する人がおらず、停滞してしまう。現状は悪くはないけど、何かイマイチ。これって何か意味あるの? これからどうすんの? という停滞感がにじみ出てきている。

こんな状態じゃあ攻めのマーケティング効果の獲得に向けた積極的・計画的な運用なんてできるわけはない。そりゃ、エンゲージメントも上がらないわけです。

多くの公式アカウントが乱立するいまだからこそ(そして苦労しているいまだからこそ)、公式アカウントを運用する目的を理解し、定量的・定性的な目標(ゴール)にコミットする人間が必要です。

そしてその人間は、クライアント企業の思想やブランド哲学を熟知した上でチーム全体を統括し、日々、ユーザーと気持ちよいコミュニケーションを取れなければならない。

だから、今回のリリースは、単なる公式アカウント運用の丸受けサービスではなく、「専任のコミュニティマネージャーによる」なのです。ここがポイント。体制図にするとこうなります。

あとは、日々の投稿コンテンツを考えるエンゲージメントプランナー。これを設置します。

ソーシャルにはソーシャルの(TwitterにはTwitterの/FacebookにはFacebookの)受ける文脈や仕様があります。

だから、どんなに優秀な雑誌編集者やライターさんでも、ソーシャルの中で高いエンゲージメントを獲得するコンテンツを企画、ライティングできるようになるまでにはある一定の時間がかかります。ここも、我々の方で支援します(投稿コンテンツの企画・ライティング・リライトまで行います)。

コミュニティマネジメントは何しろ手間がかかるので、当初はそんなに多くの案件は受けられませんが、2012年度、まずは限られたお客様にご提供を開始したいと思っています。ご興味がある方は、弊社担当まで直接お声掛けください。(お初の方は こちら まで)

※リリースはこちら(PDF)

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だいぶ長くなっちゃいましたが、最後に採用告知です。

上記の通り、トライバルメディアハウスでは今後コミュニティマネジメント支援サービスの提供に力を入れていきます。

現状、大手クライアント複数社からお引き合いを頂いており、すでに人材が足りない状況です。


そこのあなた!将来のコミュニティマネージャーを目指してチャレンジしてみませんか?


近いうち、トライバルメディアハウスでは、コミュニティマネージャー養成講座の開講を予定しています。

細かいことはまた別途告知させて頂く予定ですが、興味がある方はぜひそちらへご参加ください。

こう言ってはなんですが、研修と実地OJTによって、一年で一人前のコミュニティマネージャーまで成長させてみせます

今後急拡大する市場で、いち早くプロフェッショナルを目指してみませんか!?(今後コミュニティマネージャーの市場価値はどんどん高まると予想されています)

すでにご興味がある方は、八木宛てまで、「コミュニティマネージャー養成講座に興味ありマッスル!」とご一報ください。講座開講時に優先的にご連絡させて頂きます。

以上、話があっちこっち行っちゃいましたが、宜しくお願いしまーす!

宣伝会議インターネットフォーラム2012の講演資料(ソーシャルROI)を公開します。

13 years 6ヶ月 ago

本日、ANAインターコンチネンタルホテルにて、毎年恒例の宣伝会議インターネットフォーラム2012(通称SIMC)が開催されました。

トライバルメディアハウスもブースを出展し、各種サービスをご案内させて頂きましたが、例年よりもさらに大盛況!、ブースに遊びに来てくださった皆々様、本当にありがとうございました(スタッフの頑張りのおかげです。みんな本当にご苦労様でした)。

私は15時から40分間、「ソーシャルメディアROI : sROI 算定の方法と課題」という難題テーマの講演させて頂きました。定員250名の中、300名程度が聴講してくださったようです。ありがとうございました!ソーシャルメディアやクロスメディア施策の効果測定・検証に対する皆さんの切実な課題認識を実感しました。

ご参加頂いた方には冊子でテキストをお配りしましたが、せっかくなので、こちらでも公開します。PDFでダウンロードすることもできますので、ご入り用の方はD/Lして使ってください(社内資料や営業資料として利用される場合、出典だけ明記して頂けると嬉しいです。あとは自由にご利用ください)

やはり効果測定とソーシャルROI の話を40分でおさめるのは無謀だった…。時間は押し押しだし、最後の方は特に早口だっただろうし、受講生の方は「何となくわかったような、わからなかったような…」みたいなご感想を持たれたと思います(本当はこのテーマの場合90分~120分欲しいのです、、、)

このテーマは、2012年度の弊社の重点研究テーマですし、今後、クライアント様も巻き込んでワーキンググループをつくって共同研究などを実施して行きたいと考えていますので、ご興味がある方はお気軽にお問い合わせください。

わからなかったところやご質問などがあれば、お気軽に私のFacebookへメッセージをください。できる限り回答させて頂きます。

宜しくお願い致します!

<追記>
効果測定は、広告・PR・デジタル業界全体の、そして永遠の課題だと思います。今日私がお話した内容も「これが正解」というものではなく、私なりにあっちへぶつかり、こっちへぶつかり、試行錯誤を重ねている現状の「途中報告」です。

そんな中途半端な状態なもんを人に話すな!というご意見もありましょうが、効果測定という怪物には唯一無二の攻略法(正解)がない以上、クライアントを巻き込み、試行錯誤を重ね、とにかく前に進めていくことが重要であると捉え、こういうやり方を選ばせて頂きました。

今後も提示する検証モデルや算定方法などを順次公開していく予定です。皆様には、それを「答え」ではなく、途中段階の(現段階においては最適解だと仮定している)ものとしてできれば検証にお力をお貸し頂ければこれ以上心強いことはありません。

広告・PR・ソーシャル効果測定がいまよりも明確になり、いまよりも最適な予算配分&最適化ができるように、微力ながら尽力してみます。

ゼネラリストは「プロの “人たらし”」になろう!

13 years 6ヶ月 ago

昨日、「スペシャリストとプロフェッショナルの違い」というエントリーの中で「プロフェッショナルなスペシャリストとプロフェッショナルなゼネラリスト」について書いたら少し反響があったので、今日は「プロフェッショナルなゼネラリスト」について書いてみたい。

まずこの「ゼネラリスト」という言葉の持つコンテクスト。「何でもできるけど何にもできない」 「スペシャリストになれなかった人」 「これといって特技の無い人」 「手に職が無い」 「転職が難しそう」など、ネガティブなイメージすらあっても、ポジティブなイメージがあまりない(と思う)。

でも、本当にそうなんだろうか。

うちみたいなマーケティングソリューション会社の場合、専門サービスを提供するためにスペシャリストは必要。いや、必要どころか、商品そのものと言えます。

でも、スペシャリストだけではプロジェクトは回せない。ソーシャルメディア戦略の策定やリスク対策、プロモーションプランニングやキャンペーンオペレーションなど、領域が特化したプロジェクトであればそれぞれの分野のスペシャリストだけでも回せるけれど、これらが複合的に横断しているプロジェクトや、高度な分析作業、モバイルとの深い連携などを進めるためにはそれらを統括できる人がいなきゃならない。

ここがゼネラリストの仕事です。

ということで、ここで再度スペシャリストとゼネラリストの言葉を定義しておくと、こんな感じになるんじゃないかと思う。


● スペシャリスト
ある特定分野において高度な知識・技術・技能を有した人

● ゼネラリスト
複数の領域における知識・技術・技能を有し、会社・部署・機能横断的に業務を推進する人


※念のため昨日紹介した図を再掲(上の2つが大切って図)


会社の経営をしていると、実はこのゼネラリストの育成がすごく難しい。スペシャリストは比較的育てやすい。みんなそっちへの志向性が強いし、向き不向き、好き嫌いもあるから、3か月くらい現場の仕事をしてもらうと、(活躍するために)特化していった方がいい方向性が見えてくる。

一方、ゼネラリストは、それぞれの分野のスペシャリストと共通言語で会話ができ、クライアント課題の解決に向け、チームをまとめ、プロジェクトを推進していく力が必要。そして、クライアントと深い信頼関係を築き、行き違いや解釈の祖語なども最小限に抑えなければならない。

プロジェクトにはクライアント、協力会社(社外パートナー)、社内専門スタッフなど多くの人が関与します。ゼネラリスト(ここではプロジェクトマネージャー)は、これら全ての人の中心になり、滞りなくプロジェクトを推進する必要がある。

つまり、ゼネラリストは、とにもかくにもコミュニケーション能力が問われる仕事ってことなのです。

一言でコミュニケーション能力と言っても、これだけで本が一冊くらい書けてしまうほど奥が深い。ここを育てるのは本当に大変。後天的な訓練だけでなく、多分に先天的な要素が大きく影響してきます。

だからこそ、スーパーウルトラゼネラリストの市場価値は、そんじょそこらのスペシャリストよりも圧倒的に市場価値が高い。なんてったって、複数のスペシャリストをまとめることができるわけですから。

で、このスーパーウルトラゼネラリストの持つコミュニケーション能力のことを、僕は「人たらし力」と言っています。

ここで言う「人たらし」とは「誑す」という言葉本来が持つ悪い意味のものではありません。
 ・ その人と話すと元気になる
 ・ その人と話すと笑顔になる
 ・ その人と話すとスッキリする
 ・ その人と話すとワクワクする
 ・ またすぐにその人と会いたくなる
 ・ その人がいると場がパッと明るくなる

など、強い魅力が人を惹きつけ、多くの人がファンになってしまうような人のことです。
一言でいうと「華がある」。そして、これらは
 ・ その人を支援・応援したくなる
 ・ (自分の力で)その人を笑顔にしたくなる
 ・ 困っていたら力を貸してあげたくなる
 ・ その人に頼りにされたくなる
 ・ その人に感謝されたくなる

などの「たらしパワー」をもたらします。

社内外の多くの関係者を巻き込み、課題を解決して行く難解なプロジェクトを “HAPPY PROJECT” にするためには、人たらしのゼネラリストが必要です。

人たらしゼネラリストさえいれば、どんなプロジェクトだってうまくいきます。山あり谷ありで消耗することがあっても、疲労でチームの雰囲気がピリピリしているときも、クライアントとのスコープ規定に認識違いがあって途方にくれそうなときも、人たらしゼネラリストが全て丸く納めてくれます。

頑張るだけ頑張ったら「あとは何とかなる」 「あとは何とかしてくれる」と思わせてくれます

ということで、究極のチームとは、

なのです。

ゼネラリストは「プロの “人たらし”」たれ。

自分のことは棚に上げまくってこんなエントリー書きましたが、僕もそこを目指して頑張っている最中なのですはい。

スペシャリストとプロフェッショナルの違い

13 years 7ヶ月 ago

前回、TMH合宿2012春でミッションとビジョンを再定義した話を書きましたが、そのときにスペシャリストとプロフェッショナルの違いについても話しました。

世の風潮として「ゼネラリストではなくスペシャリストを目指せ」というものがありますが、一方でプロ意識やプロ根性という言葉もあります。

スペシャリストとプロフェッショナルの違いとは何なのでしょうか。改めて問うてみると、結構曖昧な言葉のイメージのまま使っていることが多いようです。

ここでスペシャリストとプロフェッショナルを定義してみましょう。


● スペシャリスト
ある特定分野において高度な知識・技術・技能を有した人。対義語はゼネラリスト。

● プロフェッショナル
報酬(対価)に値する価値ある役務を提供する職業人。対義語はアマチュア。


スペシャリストが「知識・技術・技能志向」であるのに対し、プロフェッショナルは「顧客志向」と考えることができます。

この2軸で図示化するとこんなマトリクスになります。

うちの会社はマーケティングソリューションを提供する会社なので、マーケティングプランナーやコンサルタントは専門家としてのスペシャリティを求められます。

一方、アカウントプランナーの機能を持つスタッフやアカウントエグゼクティブ(営業)は、必ずしも専門特化したスペシャリティではなく、各分野のスペシャリストをまとめ、ひとつのプロジェクトを完遂するゼネラリストとしてのスキルが必要です。

だから、必ずしもスペシャリストが上でゼネラリストが下なわけじゃない(当たり前のことなんですが、決して誤解してはいけない)

職業人として大切なのは、スペシャリストかゼネラリストかではなく、「プロフェッショナルであるかどうか」だと思います。

仮にマーケティングスペシャリストとして高度な知識やノウハウを有する人間がいたとしても、クライアントの課題に真剣に向き合っていなかったり、「こんなもんかな」と途中で手を抜いてしまったり、やる気がなかったりして最高のサービスを提供できていなければ、それはプロ失格です。

また、やる気はあるけれど、自らの専門知識や経験に奢り、クライアントを「わからずや」と見なす行為もプロとしては失格です。ビジネスの世界であれ、スポーツの世界であれ、エンターテインメントの世界であれ、「プロの仕事」か「アマチュアの仕事」かを評価するのはいつだって「顧客」なのです。仕事は顧客が満足して初めて「プロの仕事」になります

だから、さっきの図で考えると、ビジネスの世界において市場価値があるのは上の2つに入る人。

スペシャリストは必ずしもプロフェッショナルであるとは限らない。逆に、スペシャリストでなくとも、プロフェッショナルは存在する。必要なのはプロフェッショナルなんです。

スペシャリストを目指す人も、誰だって最初からスペシャリストであるわけじゃない。もっと言えば、スペシャリストにはゴールは無い。一生勉強だし、一生修行しなきゃならない。

でも、プロ意識(=Professionalism)ならば、駆け出しの人間だって持つことはできる。さらに言えば、強いプロフェッショナリズムを持った人間だけが「プロフェッショナルなスペシャリスト」や「プロフェッショナルなゼネラリスト」に成長していくことができるんだと思う。

ということで、昨日に引き続きトライバルメディアハウスではプロフェッショナルなスペシャリストorゼネラリストを目指す人を募集中です。※トライバルメディアハウスの新しいミッションとビジョンはこちら

うちのメンバーは9割以上が中途社員です。そしてほぼ全員が異業種からのキャリアチェンジ組。専門特化したソリューションを提供する会社なので、前職からのキャリアアップとして入社してくる人はほぼ皆無です。みんなキャリアチェンジ。前職のノウハウはあるけれど、みんなゼロスタート。だからこそ、プロフェッショナルなスペシャリストやゼネラリストを目指すためには、高いプロフェッショナリズムが必要。逆にいえば、それだけあれば何とかなる。

2012年度、トライバルメディアハウスでは、従来のプロモーション支援やソーシャルメディアマーケティングコンサルティング、リスク対策、クチコミ分析ツールやS/M統合管理ツールの提供に加え、新たにグローバルマーケティング支援、コミュニティマネージャー養成、ソーシャルROI ワーキンググループの立ち上げ、クロスメディアマーケティング最適化支援サービスなどを立ち上げます。とにかく仲間が足りません。

クライアントを幸せにすることを通して、日本のマーケティングの未来をつくるプロフェッショナルなスペシャリストもしくはゼネラリストを目指したい方、ご応募待ってます!

※ご応募はこちらからお気軽にどうぞ

トライバルメディアハウスのミッションとビジョンを再定義しました

13 years 7ヶ月 ago

先月4月20日~21日に湘南国際村で全社員合宿を行ってきました。

2007年に設立した会社も早くも6年目に突入。山あり谷ありですけど、皆さまのおかげですくすくと成長してきました。クライアントニーズに対応するためにサービスラインアップはどんどんエクステンションしているし、社員数も去年1年でほぼ2倍になりました。

でも、そうなってくると、小さいながらも課題も出てきます。一番多いのは、「うちの会社はどこに向かっているのか」がモヤモヤしてくること。会社の設立当初は「プロモーション会社」だったトライバルメディアハウスも、いまや「コンサルティング会社」として認識されることも多くなってきました。これは社員の認識も同様で、自らが属している会社なのに、全体感がつかみづらくなってくる。

全体感がつかめなくなると、自社や自分の存在意義や向かっている方向性が曖昧になる。存在意義、ミッション、ビジョンが不明瞭になると、現場の仕事の意義性が弱まるリスクが高くなります。これはクライアントにとっても、社員自身にとっても不幸なこと。

ということで、今回の合宿では、トライバルメディアハウスのミッションとビジョンを改めて再考して、みんなと共有する時間を持ちました。せっかくなので、コーポレートスローガン、存在意義、ミッション、ビジョンをここでも共有させていただきます。

昔から変わらないトライバルメディアハウスのコーポレートスローガンです。小さい会社ですが志は大きく。


今回新たに追加したのがこの経営理念/存在意義です。ミッション(使命)とも近いですが、事業目的ともいえるものなので、あえて分けました。

現場で仕事をしていれば、いろいろとあるでしょう。疲労困憊で「もうこれくらいでいいかな…」と心が折れそうになるとき。周囲に遠慮して自分の意見を押し通せないとき。様々な制約条件や前提条件からやる気がそがれてしまうとき、などなど。そんなとき、トライバルメディアハウスの、いや、トライバルメディアハウスで働いている自分の存在意義を、すごくシンプルな言葉で思い出してもらいたい。それが「クライアントを幸せにすること」です。

僕らの仕事は、クライアントを幸せにすることを通して、人類にオドロキと感動を提供すること。どんなに疲れていても、制約条件や前提条件が多くても、周囲との軋轢が生まれてしまいそうな時も、重視すべきはクライアントの幸せ。唯一それ一点のみに集中すること。それを忘れたら僕らの存在意義はなくなります。一番大切だけど、毎日の仕事の中で忘れてしまいがちなことだと思います。


そしてこれがうちの新たなミッション。社会に対して果たすべき使命です。

以前は「企業と生活者、生活者と生活者の最適な関わり合いを創造し、世界にHAPPYを提供し続ける」でした。今回、あえて「対消費者」から「対クライアント」へ視点を変更しました。僕らの目的は「人類にオドロキと感動を」提供することですが、ソリューションビジネスを提供する我々は、当然ながら「クライアントを幸せにする」ことを通して消費者をHAPPYにするからです。

いま、多くの広告主は悩んでいます。課題の解決策以前に、課題そのものがわかりにくくなってきている。そんなクライアントを現状のマーケティングソリューションだけで幸せにすることはできないのではないか。広告もPRもSPもソーシャルも関係ない。マスかデジタルかも関係ない。手法ニュートラル、メディアニュートラルでマーケティング課題を解決する。

それを実現するためには、「俺らが日本のマーケティングの未来をつくる」くらいの気概がないと駄目なんじゃないか。力不足は承知の上ですが、そんな思いからこのミッションを策定しました。


ミッションを達成するために追いかける近未来の目標がビジョンです。

新たなビジョンは「日本のソーシャルメディア戦略をリードする」こと。以前のビジョンは「トライバルメディアハウスは、Tribal Marketing のプロフェッショナル集団を目指します」でしたが、わかりやすく、社員全員がブレずに共有できるシンプルな表現に変更しました。

この新ビジョンには2つの背景があります。

(1) ソーシャルメディア戦略
ソーシャルリスニング、MROC、ソーシャルCRM、ソーシャルリクルーティング、ソーシャルラーニングなど(なんでもソーシャルってつければいいってもんじゃありませんが)、これからソーシャルメディアはより事業戦略マターの領域へ進み、クライアントニーズはさらに高度化・多様化していくでしょう。トライバルメディアハウスでも戦略策定やリスク対策などのコンサルティングサービスを提供していますが、現状として多いのはソーシャルメディア “マーケティング” 領域です。さらに正確にいえば、ソーシャルメディア “マーケティングコミュニケーション” 領域です。

ソーシャルメディアマーケティングというバズワードがなくなるまであと1~3年だと思います。この言葉を誰も使わなくなったとき、それはソーシャルメディアをマーケティングや事業戦略に組み込むことが当たり前になったときです。我々が支援すべき領域はもはやマーケティングコミュニケーション領域だけでは足りない。マーケティング戦略やその他事業戦略領域にまで拡張した戦略策定とオペレーションが担えなければならない。そういう意味で「ソーシャルメディア戦略」としました。

(2) リードする
実はこの言葉にこだわりがあります。上記でも述べた通り、僕たちは日本のソーシャルメディア戦略のフォーマットと成功モデルをつくりたい。それは(かなり生意気かもしれませんが)トライバルメディアハウス無しでは実現できないと思っています。だから、リードする。「俺たちがしくじったら日本のソーシャルメディア戦略が大きく出遅れる」くらいの気概で取り組みます。

ちなみに、存在意義やミッションは普遍性が高いため、変更することは少ないですが、ビジョンはミッションを実現するための近未来像(目的に対する目標)なので、数年単位で変更した方が良いと思っています。これだけ変化の早い時代において、「変わらない経営」なんてものはあり得ない。逆にいえば、「変わらないために変わり続ける」ことが大切です。だから、このビジョンも(このビジョンが達成されるであろう)2~3年後には変えるつもりです。


さっきのビジョンが2~3で実現する近未来目標。一方こちらは10年後のビジョンです。それは、新しい時代の統合マーケティング会社をつくること。

これからの時代、複雑化するクライアントニーズに応えるためには、
 ・ 戦略コンサルティング/マーケティングプランニング
 ・ SEO/SEM
 ・ モバイルマーケティング
 ・ ソーシャルメディア
 ・ プロダクション
 ・ アクセス解析/効果測定/最適化
などの機能が(いまよりもさらに)横串が刺された状態で提供できなければなりません。そして個人的には、
 ・ (戦略)PRプランニング
 ・ メディアリレーションズ(メディアプロモート)
との連携がより一層重要になってくると思っています。

10年後、トライバルメディアハウスは、これらの機能が全て果たせる総合マーケティング会社になっている。なれるかどうか、ではなく、なるんです。見ててください。

と、いろいろと語ってきましたので、せっかくだからここで人材募集もしちゃおうと思います。

みなさん、こんなトライバルメディアハウスで、一緒に日本のマーケティングの未来をつくらないかッ!?

興味あるぜ!(興味あるわ!)という方は、こちらをご覧の上、お気軽にご連絡ください。

あなたさえ本気なら、3年で一人前のマーケターに育て上げてみせます(3年で10年分の仕事をしてもらうので…)。待ってるよ!

ソーシャルROI算定に向けた参考本

13 years 7ヶ月 ago

僕個人の2012年の重点研究テーマは「ソーシャルROI」。美咲①②でも書いたけれど、とにかくこのテーマ、奥が深くて難解極まりないのです。

効果測定法や解釈のしかたに正解はないから試行錯誤の連続だけれど、ソーシャルメディアの(健全な)マーケティングへの活用を継続的に発展・成長させていくためには、ソーシャルメディアがデジタルやリアルなマーケティングへどのような有用なフィードバックを与えているのか、定量的に測定・評価する何かしらのモデルなりガイドラインが必要です。

なんとか2012年度中には「実務で使えるモデリング」とナショナルクライアントを巻き込んだ検証テストに漕ぎつけたい!

という感じにも関わらず、最近はアウトプットばかりで少々情報が枯れてきた感があったので、雨のGWを使ってずっと読みたかった本を2冊読んでみました。

1冊目はこちら。

アトリビューション 広告効果の考え方を根底から覆す新手法 アトリビューション 広告効果の考え方を根底から覆す新手法
田中 弦,佐藤 康夫,杉原 剛,有園 雄一

インプレスジャパン
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これは(ものすごく)良い本だった!

少し曖昧だったアトリビューションそのものの考え方を改めて整理してくれたのと、ややもするとどんどん複雑化して、アトリビューション分析そのものが目的化してしまいがちな現場において「現場で実際に最適化のオペレーションを行っていくためには、ある程度の単純化はやむを得ないと考えている。さまざまな要因があり得るとはいえ、それらを厳密に分析することが非現実的である以上、分析できるデータと使用可能なモデルを使ってソリューションを導き出し、少しでも前に進んでいく方が賢明であろう。少なくとも、これまでのラストクリックでの評価よりはいい分析ができるはずだ」という一説にしびれた。

まさにその通りだと思う。効果測定やROIモデリングは現場で活かせてナンボ。測定や分析は解釈・評価のためのもの。そしてそれは改善・最適化(予算の再配分)のためのもの。難解な分析と向かい合いながらも前進あるのみ!という勇気までもらえました。

さらに高広さんによる序章がこれまたいい。アドテクノロジーが「広告配信テクノロジー」になってからネット広告がつまらなくなったと指摘。本書をラストクリックやコンバージョンのために使うならば読者(と業界)はツマラナイ方向に行く。そうではなく、アトリビューションを人の気持ちや興味関心、それにもとづく導線を把握させてくれるもの。クリックされなかった広告たちがそれを教えてくれ、ユーザーの行動シナリオを作らせてくれる。もしそのように考え、楽しむことができたら、ネット広告が面白くなる。と。間違いなく必読の1冊。

2冊目はこちら。

ソーシャルメディア ROI  ビジネスを最大限にのばすリアルタイム・ブランド戦略 ソーシャルメディア ROI  ビジネスを最大限にのばすリアルタイム・ブランド戦略
オリビエ・ブランチャード,及川直彦,藤田明久,松並 敦子

ピアソン桐原
売り上げランキング : 51017

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タイトルからして「ついにキタ!」と相当楽しみにして読んだんだけども、内容はイマイチ…。ROI以前に効果測定そのものに割いているページ数が少ない上にROIについての言及もほとんどない(少しあるけど考察が粗すぎて実務にはほとんど活かせない)。全体として内容が古くて冗長。そして何よりも訳がひどくて読みにくいことこの上ない。ということで、こちらは久々に残念だった1冊。

ちなみに、広告効果測定についてはこちらの本がお勧め。かなり昔に読んだ本だけど、オフライン領域の効果測定の難しさと取り組み方については参考になるところがすごく多いと思います。ハードカバーで読むのに結構な時間がかかるけれど、背景や前提をしっかり押さえておきたい人にはお勧め。

費用対効果が23%アップする 刺さる広告―コミュニケーション最適化のマーケティング戦略 費用対効果が23%アップする 刺さる広告―コミュニケーション最適化のマーケティング戦略
レックス・ブリッグス,グレッグ・スチュアート,井上 哲浩,加茂 純,高橋 至

ダイヤモンド社
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最後に美咲2年目も。

ソーシャルメディアマーケター美咲 2年目 ソーシャルメディアマーケター美咲 2年目
池田 紀行

翔泳社
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この本の指令4でソーシャルROI算定について書いたけれど、これがいまの僕が持っている問題意識の全て。だから1人でも多くの人に読んでもらいたい!これからは実務の現場で悪戦苦闘する担当者のみなさんと研究じゃなく実践する会をつくって、とにかくスピード重視でソーシャルROIのモデリングとPDCAを回したい。机上であーだこーだ理論をこねくり回していても、この領域は何も進展しないと思います。考えることは大事。でも、シンプルなモデルをつくって徹底的にPDCAを回して改修を行った方がより実務で使える測定法と解釈のしかたが見つかると思うのです。

このソーシャルROI Open Lab.(仮称)は、トライバルメディアハウスのソーシャルROIワーキンググループが幹事になって近々発足させる予定なので、その節は個別&ブログで告知させていただきます。ご興味のある方はぜひご参加ください!

ワンピースと宇宙兄弟を読んで

13 years 7ヶ月 ago

ワンピースとスラムダンクを読んでない奴は人生を損していると言われる。(たしか)

飲み屋でワンピース話とかに花が咲くと話題に入っていけずに猛烈な孤独感にさいなまれていた方も多いのではないだろうか。僕も読みたい、読まなきゃと思いつつ、機会を逸していたけれど、クライアントワークでの絡みもあるし、こりゃいよいよ読まなきゃイカン、ということで全巻まとめ買いして1巻~61巻まで読了(62巻以降持ってる人誰!?)

いやあ。さすが国民的大ヒット作だけある。おもしろい!

「これからワンピース読む」って言うと必ずと言っていいほど「泣くぞ、絶対泣くぞ…」と言われた。いい年した大人がマンガでそうそう泣くかねえ…と思ってたけど、そんじょそこらの映画よりも泣いた(笑)。ちなみに一番泣いたのはロビンの「生ぎだい」のところ。恐るべし、ワンピース。みんな友情に餓えてるのね。

このGWにDVDで「ワンピース エピソード オブ チョッパー プラス 冬に咲く、奇跡の桜」を見たんだけど、これも泣いた。しかも3回。大人がはまる理由がわかるわあ。

まだの方、ぜひ一気読みをお勧めします。


次に宇宙兄弟。

こんなに話題になっていて、5/5に映画が公開されるにもかかわらず、このマンガの存在すら知らなかったワタクシ…。ワンピースを読んでいたら高野(ヒゲ社員)が、「池田さん、ワンピースもいいっすけど、宇宙兄弟もいいっすよ」 「え? なにそれおいしいの?」というやりとりから発覚。

ありがたくも高野が全巻貸してくれ、先日読了。いやあ、これもおもしろいわあ。


映画、絶対見に行こ。トレーラーはこちら。配役も秀逸だよねえ。(ムッちゃんが大泉洋じゃないのかよ!論は多いけれども)


ヒットしているコンテンツって、単にシナリオが面白かったりキャラクター戦略が秀逸だったりってだけじゃなく、メッセージが明確なんだよね。ワンピースは友情や仲間の大切さや、他人がなんと言おうと自分の夢や目標を追う強い意志などを教えてくれる。

さらに、何でも自分でやるんじゃなくて、長所も短所もあるメンバーが集まって最高のチームをつくるって組織論としても十分読み応えがある。そんなこんなもあって、うちの会社ではいま理想とするチーム像の議論が活発です。うちはワンピースだ、スラムダンクだ、いや王様のレストランだなど…。

今回の一件で、自分で定めたTMH20訓 「人の二倍働き、人の二倍遊ぶ。全てが仕事であり、全てが遊びである。」が全く守れていないことを痛感。マーケターたるもの、もっとエンタメコンテンツ消費して、おいしいもの食べて、歌って踊って遊ばなきゃね。

『次世代コミュニケーションプランニング』(高広伯彦著)を読もうかどうか悩んでいる全ての人へ。

13 years 8ヶ月 ago

一足お先に読了!

次世代コミュニケーションプランニング』(高広伯彦著・ソフトバンククリエイティブ)


最初に言っておくと、本エントリーは「書評」ではありません。もうね、書評とか読まなくていいです。
原著を読んでください、原著。

こんな言葉があります。

世の中には2種類の人間がいる。インドに行ける人間とインドに行けない人間である。
(三島由紀夫)

そのうち、広告業界にもこんな言葉ができるでしょう。

世の中には2種類の広告マン/広告ウーマンがいる。『次世代コミュニケーションプランニング』を読む人間と読まない人間である。

まあそれは言い過ぎとして。

本書の「はじめに」でも書いてある通り、この本は即効性のあるスキルやノウハウを提供するためのものではありません。筆者の高広さんも「考える癖」をつけてもらうために書いたと言っています。

「答え」なんてどこにもないわけですよ。そんなものがあったら業界が優秀なコミュニケーションプランナーで埋め尽くされているはず。そんなに簡単じゃないから苦労するし、努力しなきゃならない。ぶっちゃけ、本一冊読んでどうこうなる話ではない。問題なのは読んだ後の話。本書を読んだことによって日々の思考や行動がどう変わるかどうかが全てだと思います。

世の中には(人それぞれ違うから)恐らく近道とか王道なんてなくて、ゴールに近づくためには己を知り、問題意識を持って、実践の中で自らを鍛え上げていくしかない。本書は、そんな努力をするとき、続けるときの下支えをしてくれる読み応えのある本です。

ただし、たぶんこんな意見も多いと思います。
 ・ 何を言ってるんだかよくわからん
 ・ 大学の教科書かと思った
 ・ 小難しい話ばかりで何の役にも立たなかった
 ・ 現場で使えるか疑問
 ・ 具体策が無くて期待はずれ

そんな方々はコトラー先生が提唱した、人間が何かの情報を得るときにかかる3つのバイアスについて学んでおきましょう。
 ・ 選択的注意=自分の聞きたいことしか聞かない
 ・ 選択的歪曲=自分の都合の良いように解釈する
 ・ 選択的記憶=自分の憶えたいものだけ憶える

結局、これらのような感想を持つ人は、上記3つ全てに当てはまっちゃってるんだと思います。まあ本なんてものは読む読者、スタンス、タイミングによる、と言われてしまえばそれまでですけど、少なくとも本書は高広さんなりの「デ・マーケティング」が強く意識されていると感じました。


「わかるやつだけ、わかればいい。」


そして、こうも思っているはず。


「わかったやつ、早くここまで上がってこい。(オラオラ)」


ということで、冒頭の言葉は正しくはこっちかもしれません。

世の中には2種類の広告マン/広告ウーマンがいる。『次世代コミュニケーションプランニング』が “読める” 人間と “読めない” 人間である。

感想は人それぞれ。それも全ては読んでからの話ということで。

ちなみに、本書のハッシュタグは #NxtGenCP だそうです。読後の感想や著者への質問などはこちらからどうぞ。

[新版]広告業界用語辞典-日常生活編

13 years 9ヶ月 ago

いつの間にかもう3月です。来月、大学を卒業した若者が多数業界に入ってくることですし、春は転職の季節でもありますので、新たに業界に入ってくる方に向けて裏広告業界用語辞典をつくってみることにしました。[新版]に特に意味はありません。なんとなくです。数が多くて書ききれないので、「あいうえお順」で何となく頭に浮かんだものから書いてみます。


※画像:FreeFoto.com


● あの人とは友達だよ

相手が著名な業界人の名前を発したら、臆せずに「あの人は友達だよ」と言いましょう。自分の顔の広さをアピールしたいときに効果的です。その人が講師を務めるセミナーに参加したことがある。パーティーなどで名刺交換をしたことがある程度でも構いません。「マブダチ」とまで吹いてしまうとボロが出ますので「友達」くらいにとどめておくことが安全です。「えっ!あの人と友達なんですか!?じゃぁ今度紹介してください!」と返されたら、焦らず「あの人も忙しい人だからねえ、まあ今度会ったら一応話してみるよ」と一目散に逃げましょう。


● おしり

締切日のこと。CM制作、プロモーション、イベントなど、広告業界のプロジェクトは大勢の人が係わるため、全員がそれぞれの締め切りを守ることが生命線となります。1日の遅れが命取りになります。先輩から何か仕事を振られたら、とにもかくにも締め切りを確認することが大切です。「このタスクのおしりはいつですか?」というセリフが板についてきたら一人前です。


● オリエンシート

ブリーフ。RFP(Request for Proposal)などとも言われる。発注主が広告会社などに依頼案件を整理して伝えるために作成する書類。オリエンシートを作成せず、口頭だけで仕事を依頼する事業主や広告会社も多いですが、だいたいの場合、後々「言った言わない」 「こんなはずじゃなかった」と揉めることになります。あなたが発注主の場合、必ずオリエンシートを作成し、文書で共有・すり合わせをするよう心がけてください。なお、「今回のオリエンシートは良くまとまってるね!」という場合、競合の広告会社が代理で作成している(つまり形式上のコンペ)になっている可能性が高いので注意が必要です。


● 完徹

「かんてつ」と読みます。「完全に徹夜した(もしくはする)」の意。「いやー、まいったよ、結局オレ今日完徹しちゃった」などと使います。「疲れてるね、大丈夫?」 「まじでしんどい。今日で3徹目だよ」などのバリエーションがありますが、常人が一睡もせずに3日も仕事ができるわけはありません。だいたいの場合、AM4時か5時くらいから3~4時間は仮眠しているので心配はいりません。ただし、この言葉は「オレ忙しくて大変なんだよ!」アピールを目的として使用されるため、かわいい後輩を演じるあなたは「先輩!大丈夫ですか?何かお手伝いできることがあったら何でも言ってください。先輩が倒れたら会社が回りませんよ!」と自尊心をくすぐる一言を忘れないようにしましょう。


● 完パケ

タスクを完全に終了させることを指します。「この提案書は明後日中の完パケ目標で進めよう」などと使います。もともとは映像制作用語。CM映像の編集や音入れが終了し、フォーマット組みが完了した映像の「完全パッケージデータ」が略されて「完パケ」になりました。複数人で作成する提案書などの場合、ファイル名に「120305_太平洋電機様ご提案書_【完パケ版】」などと付けられる場合がありますが、最終版に修正が入った場合、「120305_太平洋電機様ご提案書_【完パケ版の修正版】」などとなり、さらに「120305_太平洋電機様ご提案書_【完パケ版の修正版の今度こそ完パケ版】」など、最後は結局どのデータが完パケデータなのかよくわからなくなることも業界の愛らしい特徴です


● クライアント

総合広告会社では「お得意」とも言われます。発注企業の文化や担当者の思想によって外注先を「パートナー」と呼ぶか「外注先」と呼ぶか分かれます。当然ながら「パートナー」として扱ってくれるクライアントと仕事をする方が幸せを感じることができるでしょう。ただし、言葉で「パートナー」と言いつつ、頭では「業者」と考えている人もいるため注意が必要です。決して騙されてはいけません。なお、「外注」が「パートナー」に昇格できるかはクライアントの文化や思想ではなく、自分(自社)のパフォーマンスによる、という噂が有力です


● 効果測定

業界が抱える永遠の課題。組織が縦割りであることをいいことに、それぞれの領域の担当者や業界企業がそれぞれの領域だけの成果を主張し、それがまかり通る傾向があります。でも、上司も、上司の上司もずっとそのやり方で事なきを得てきたため、「部長、試しにこの看板を1枚外したら売上がいくら減るか確かめてみましょう」などと、誰も難しいことは言い出しません。最近、デジタル領域では第三者配信やアトリビューション分析などへの取り組みが活発ですが、デジタル以外からの間接効果(テレビCM→CVRへの影響)や店頭への影響(サイトアクセス数→店頭送客数)などはほとんどわかりません。あまり突っ込むと煙たがれるため注意が必要です。相手の顔色を見ながら切り出しましょう。


● コミットメント

義務、契約などの意。平たく言うと「命を懸けるつもりある?」を意味します。クライアントから「御社は本件についてどの程度までコミットいただけるんですか?」と言われたら、それは、「お前、この案件、ちゃんと死ぬ気でやる気あんの?できなかったらどうやって落とし前つけんの?」ということへの回答を求められています。そのとき安易に「120%コミットしますのでご安心ください」と宣言すると、内容によって後々の揉め事になるケースがありますので、気をつけてください。コミットとはそのくらい重たい言葉なのです


● コンフィ

Confidentialの略。NDA(守秘義務契約)に基づく秘匿性の高い情報のこと。「この情報はコンフィなので宜しくお願いします」などと使います。「この資料はコンフィ系ですか?」 「あ、まあコンフィ的な感じで宜しくお願いします」など、系や的を入れると意味合いが曖昧になり、ファジーを好む業界人に喜ばれます


● じゃぁまぁそんな感じで

長い会議の最後に発せられる黄金の一言。話があっちこっちに行き、次までに誰が何をしなければならないのか全く何も決まっていない状態。そんな未来への不安を全て払拭し、「まぁそんな感じかな」とあたかも有効な会議だったかのように全員を錯覚・安心させる魔法の言葉。集中力も完全に切れ、腹も減ってもう切り上げたい場合、あなたも使ってみましょう。「じゃっ!まあそんな感じで!」と。ちなみに、この言葉はある程度上位役職者でないと逆効果となります。あなたが新入社員の場合、フルボッコにされる可能性が高いので、この言葉は数年間胸の中にしまっておきましょう。


● スコープ

業務の範囲を指します。「今日クライアントから依頼されたことって、明らかに今回のプロジェクトのスコープ外だよなー」などと使います。多くの会社や人間が係わるプロジェクトは、「誰が誰の指示によっていつまでに何をどの品質でいくらで企画・制作・納品するか」の「スコープ規定」が命です。これがブレるとプロジェクトは空中分解し、「カオス」の本質を知ることになります。優秀なプロジェクトマネージャーに求められる3つのスキル、つまり、スコープ規定力、タスク&スケジュールマネジメント力、見積力のうちの1つなのです。


● すり合わせ

ありとあらゆる場所で多用される言葉、それが「すり合わせ」です。社内、社外、様々な利害関係者と情報を共有し、一定の共通見解まで落とし込む作業を指します。日本企業の場合、「根回し」とデフォルトセットで実行されることが多いことも特徴的です。優秀な広告マンは「すり合わせ」上手です。メールや電話ではなく、直接会ってすり合わせる。昼間の会議室だけじゃなく、一杯飲みながらすり合わせる。「すり合わせのホニャララ(あなたの氏名)」などと評されるようになったら出世の合図です


● タスク&スケジュール

スコープ規定されたプロジェクトの具体的業務とスケジュールを分解したものです。A3横のエクセルで日別スケジュールが組まれることが多い。より細かく規定する場合、WBS(Work-Breakdown-Structure)を作成する場合もあります。成功するプロジェクトと失敗するプロジェクトの境目は、このタスク&スケジュールが明確であるかどうかに大きく影響を受けます。あなたが係わるプロジェクトにおいて、タスク別に担当者氏名が明記されているタスク&スケジュール表が無い場合、保身のため、なるべく早くそのプロジェクトから逃げる方法を見つけ出しましょう


● 着地(点)

議論や納品物に関する議論をどのあたりで両社合意するか、予め企てておくこと。「今回の見積さ、だいたいこのくらいの金額で着地できないかな」 「そうですよね、クライアントはああ言いますが、うちとしてはこのくらいの着地点じゃないと赤が出ちゃいますしね」などと使います。これとは逆に、プロジェクトが途中で崩壊することを「空中分解」と言います。この2つから類推するに、プロジェクトは空中で行われているもので、プロジェクトマネージャーはメンバーが乗る飛行機をうまく操縦し、全員が目指す着地ポイントに着陸させる技を持った職人、ということが言えます。


● 提案書

広告会社や制作会社が前日に徹夜をして仕上げる広告業界の血液とも言えるもの。全ては提案書に始まり、提案書に終わる、といわれるほど重要なもの。大規模な競合プレゼン(ピッチ)の場合、営業、ストプラ(ストラテジックプランニング)、プランナー、AD(アートディレクター)、CD(クリエイティブディレクター)、コピーライター、メディア担当など総勢数十人のチームが組まれ、数週間から1ヶ月程度のプランニングプロジェクトが始まる。「船頭多くて船進まず」 「ブレスト長くて最後は3徹」などというパターンが多いため注意が必要です。


● 握る

主にクライアントとの意思疎通、信頼関係やスコープの合意加減などを指します。「グリップ」とも言われます。「お前さ、結局今回の一件って、スコープについてクライアントと握れてなかったからこうなったわけだよな!?」などと先輩から怒られるときに使われます。社内で「ホニャララ(あなたの氏名)のクライアントのグリップ力ってすごいよな。あそこの客先はもはやお前じゃなきゃ担当できないよ」という声が聞こえてきたら昇給の合図です。


● フィックス

「確定」の意。「太平洋電機さんへの次回訪問、来週水曜日の10時でフィックスしました」などと使います。グループウェアのスケジュールなどで、「(仮)3月5日15:00~16:00太平洋電機様Mtg@先方【フィックス】」など、(仮)と【フィックス】が併用されることもあるなど、随所にトラップが仕掛けられていますので注意してください


● 見積

提案書と同じ、いやもしかしたらそれ以上に重要なものでありつつ、提案書作成に全ての体力を時間を使い切り、プレ日前日くらいから慌しく見積作成に入り、結局抜け漏れありまくりの概算見積を提出して、にもかかわらずそういうときに限ってあわや受注に至ってしまって後々死ぬほど苦労することがある天使と悪魔が混在している書類。優秀な営業やプロジェクトマネージャーは「見積力が高い」ため、提案書が60%くらいまで出来上がり、大まかな見積スコープがわかった段階で見積書作成を始めます。「下げるの1秒、上げるの数ヶ月」と言われる見積金額。完全に裏取りができていない見積は「概算見積」とし、さらに注記に「スコープやタスクによって金額は変更される可能性があります」などとリスクヘッジを忘れないようにしましょう。

     +     +     +

以上、如何だったでしょうか。ここで紹介した用語の定義はフィクションです。良い子の皆さまにおかれましては決して鵜呑みになさらぬよう、ご注意ください。健闘を祈ります。

『ソーシャルメディアマーケター美咲 2年目』が出版されます!

13 years 9ヶ月 ago

前作の『ソーシャルメディアマーケター美咲 新人担当者 美咲の仕事帳』の出版からちょうど1年。1年目の美咲は、2011年夏にラジオドラマ化され、先日、韓国語版でも出版されるなど、著者本人の予想を超えるほど皆さんに愛してもらえました。

そしてこのたび、『ソーシャルメディアマーケター美咲 2年目担当者 美咲の奮闘記』(池田紀行著・翔泳社)としてパワーアップした美咲が帰ってまいります!2012年3月15日出版です。


<本書の概要:Amazonより>

ソーシャルメディアマーケティングの「リスク対策はどこから始める?」「ROIの算出方法は?」昨今、企業の課題はソーシャルメディアに「取り組むか否か」から「いかにして取り組むか」に完全にシフトしつつある。ツイッターの普及によって、以前とは異なる炎上事故(公式アカウントが発端となるものではなく、一般社員の不適切発言や情報漏えいに端を発するもの)も頻発して、ソーシャルメディア上でのトラブルが後を絶たない。また、ソーシャルメディア活用の課題として、マネジメント層への説明に、さらにシンプルな効果測定・評価指標の定型化と普及が望まれている(具体的には金額換算としてのROI)。本書では、ソーシャルメディアマーケティングの担当者として2年目を迎える遠藤美咲(28歳)が、ちょっぴり成長した姿を見せながらも、またもや悪戦苦闘しつつ問題を解決していきます。前著『ソーシャルメディアマーケター美咲 新人担当者 美咲の仕事帳』に引き続き、ソーシャルメディアマーケティングの「リアルな現場」がわかる1冊!

———————-

2011年。多くの企業は「ソーシャルメディアに取り組むか、取り組まないか」から「いかにして取り組むか」に移行したように感じます。専門部署の開設や社内運用の仕組み化も進んできました。

しかし一方で、ノウハウが足りない、担当者が足りない、効果測定が難しい、ビジネスへの貢献が見えづらいなどの課題も多く出てきています。

また、度重なる炎上事故によって、企業のリスク対策への関心が急速に高まった1年でもありました。

そこで、2年目となる本書では、リスク対策、専門部署の開設、効果測定(ソーシャルROI)の3つのテーマを取り上げました(詳細の目次は下記の通り)。いずれも、多くの企業が頭を悩ませているトピックです。


<目次>

● 指令1 緊急事態発生!クライアントの炎上事故に対応せよ!

クライアントから炎上によるSOS!
ネット上には掲示板のまとめブログが立ち上がり、
ネットニュースにも掲載されてしまった。
ツイッターの拡散スピードは「ブログ時代」とは比べ物にならないくらい早い。
ど、どうしよう!

● 指令2 ソーシャルメディアのリスク対策を推進せよ!

炎上問題を起こした社員が退職してしまった…(涙)
「この際、従業員のソーシャルメディア利用を一切禁止いたしましょう!」って、
いったい何が起こったの?

● 指令3 ソーシャルメディアの専門部署を支援せよ!

ペガサス自動車がデジタルとソーシャルメディアを主管する
専門部署を立ち上げることになった。
下調べしてみると、専門部署があるのは日本企業の37%、
先任者がいるのはわずか15%だったの。
かなり先進的な取り組みになる予感がしてワクワクする~♪

● 指令4

ソーシャルメディアのROIを示せ!
太平洋電機でKGIとKPIを連携させるプロジェクトを開始。
ソーシャルメディアが一定の効果を果たしていることがわかってきた!
そのとき、トップから「ROIを算定せよ」とのお題が…。

● 終章 2年目担当者、遠藤美咲の目指す道

———————-

今回も気合を入れて書き上げたので、ぜひ読んでください!

前著のクチコミで「図版が参考になった」というご意見を多く頂いたので、出版を記念して、図版データをまとめて下記にアップしました。美咲のサービスカットも満載です(笑)。SlideShareに行って頂くと、ダウンロードもできるようにしていますので、必要な方はドシドシD/Lしてください。

Amazonでのご予約はこちらから!2年目の美咲もどうぞ宜しくお願い致します☆


PS
おっとそういえばまだ前著も読んでないぞ、という方は、これを機に1年目の美咲も合わせてどうぞ!

● 『ソーシャルメディアマーケター美咲 新人担当者 美咲の仕事帳』(池田紀行著・翔泳社)

読むのは面倒くさいという方にはこちらのオーディオブックがお勧めです。ラジオNIKKEIで3ヶ月に渡って放送されたラジオドラマのコンプリート収録版。

美咲役は仲村萌実さん。美咲のサンプルボイスはここで聞けます(クリックすると音が出ます)。すごくかわいいですよ!合わせて是非☆

「ソーシャルメディア時代のリスク対策講座」まとめ

13 years 9ヶ月 ago

皆さんご存知の通り、ソーシャルメディアでの炎上事故が多発しています。考えてみれば、ソーシャルメディア時代のリスク対策についてまとめブログを書いたことがなかったので、ちょっとまとめてみようと思います(長文注意)。


●リスクの類型

企業におけるソーシャルメディアに関連するリスクには3つの類型があります。


(1) 一般従業者によって生じるリスク

社員、契約・派遣社員、アルバイトなどの一般従業者の不適切発言や情報漏えいによって発生するリスクです。スポーツメーカー社員による契約選手中傷事故や、ホテルアルバイトによる宿泊者情報漏えい事故などが該当します。

(2) 企業の施策によって生じるリスク

公式アカウントからの投稿や不適切なキャンペーンなどによって生じるリスクです。コーヒーメーカーのTwitterBot事故や、ビデオレンタルチェーンTwitter公式アカウントによる不適切発言事故などが該当します。

(3) ユーザーの声によって生じるリスク

リアル店舗での顧客とのトラブルなどによって生じるリスクです。媒体社炎上によるスポンサー企業への飛び火リスクやデマによる誤爆事故も含まれます。都内アパレル店員による来店タレント中傷事故や、震災時におけるデマ情報による混乱、2011年夏のテレビ局炎上飛び火被害などが該当します。

数年前までの炎上事故のほとんどは上記(2)によるもの、つまり、企業のマーケティングミスによって生じる炎上が大半でした。だから、マーケター用のガイドラインを策定し、全員を集めて数回の集合研修をすれば何とか対応することができていました。

しかし、近年の炎上事故のほとんどは(1)と(3)によるものです。つまり、昨今の炎上事故は「自社がソーシャルメディアに取り組んでいるか否か」は関係がないのです

「ソーシャルメディアは炎上とかあるから怖い」「うちにはまだ時期尚早」という企業にも、(1)と(3)のリスクはあるということです。ご注意ください。

※最近、上記3つのリスク類型に、「社長によって生じるリスク」が加わろうとしています。大企業や有名ベンチャー企業の社長・役員もTwitterやFacebookを利用しているケースが増え、過激な発言や不祥事対応時における不適切発言などが発端として非難が集中するケースが出始めています。己も気をつけないと…(汗)


●企業のリスク対策

上記3つのリスク類型に対して企業がとるべきリスク対策は3つあります。

(1) ソーシャルメディアガイドラインの策定[予防]

目的は「炎上の予防」です。
具体的な制作物は下記3つが一般的です。

①一般従業者用ソーシャルメディアガイドライン
先に述べたとおり、昨今の炎上事故の大半は一般従業者によって生じる炎上事故が大半になりつつあります。となると、企業の対策範囲はマーケターだけでなく、一般従業者全員にまで広げなくてはなりません。そのため、最近ではマーケター用ガイドラインの策定に合わせて一般従業者用のガイドラインをセットで策定する企業が多くなっています(少なくともうちがご支援する企業はセットで策定しています)。

②マーケター用ソーシャルメディアガイドライン
公式アカウント運営者や、キャンペーンにおけるソーシャルメディア連携などを設計・運用する広告宣伝やマーケティング担当者向けガイドラインです。不適切なキャンペーンや投稿による炎上事故を未然に防ぐためのガイドラインをまとめます。

③ソーシャルメディアポリシー
企業サイトなどで公開するためのものです。ガイドラインが「より具体的内容」であるのに対し、ポリシーは「わが社はソーシャルメディアをどう捉え、参加・活用していくのか」という “思想や指針” を整理・公開するものです。

ソーシャルメディアポリシーを公開している代表的企業・団体は下記の通りです。
日本IBM
日本コカ・コーラ
NEC
大和ハウス工業
富士フィルム
資生堂
サントリーグループ
千葉市(PDF)

日本IBMや日本コカ・コーラは、ソーシャルメディアに対するポジティブかつ明確なスタンスを表明をしていて印象的です。ちなみに、ガイドラインを策定している企業で、ポリシーを外部公開している企業は全体の5%程度なんじゃないかと思います(印象ですが)。

ちなみに、Facebookやmixiにページを開設している場合は、上記①②③に加え、コミュニティガイドラインを策定し、公開することをお勧めします。リスク対応時やユーザー投稿・コメント対応時の役に立ちます。コミュニティガイドラインを公開しているFacebookページをいくつか紹介しておきます。

● コカ・コーラパーク

● 伊藤ハム

● ポカリスエット

● 伊勢丹メンズ館

● オーディオテクニカ

● トヨタ自動車

● DIY生命


(2) 炎上対策マニュアルの策定[有事対策]

目的は「有事対策」です。
炎上の予兆である「小火(ボヤ)」が発生すると、担当者や社内はパニックになります。小火が発生すると、担当者は「やってはいけないことを、やってはいけない順にやっていく」という傾向があります。具体的には、不都合なコメントの削除や投稿欄の閉鎖などです。

公序良俗に反する投稿はコミュニティガイドラインなどに沿って削除しても構いませんが、いつ、どの投稿を削除したのか、理由と共に明記する必要があります。そうでないと、情報の統制や隠蔽工作と受け取られてしまう可能性が高いからです。

従業者によって生じるトラブルの場合は、いかに早期にリスクを発見することができるかにかかっています。一般従業者による炎上事故の大半は、1つのTweetが火種になることが多い。そのTweetは内容にもよりますが、1時間~6時間のうちに掲示板で語られ、個人や勤務先企業が特定され、まとめサイト(まとめブログ)ができ、Twitterで拡散されます。早い場合、当日中にWebニュースサイトに取り上げられ、被害が拡大します。Yahoo!ニュースの配信ネットワークに入っているニュースサイトの場合は、Yahoo!トピックスに掲載されるリスクもあります。

このように、ブログ時代には3日程度かかっていた小火から炎上までの時間は、Twitter時代を迎え、6時間~12時間くらいにまで短縮化してきています。炎上対策は初動の対応が最も大切なわけですが、パニックになった担当者は、間違った対応によって燃料を投下し、炎上を加速させてしまうのです。

炎上対策マニュアルは、こういったミスを防ぐために策定するものです。

最も重要なのは、エスカレーションフローの策定です。どのチャネルから小火・炎上情報が入ってきて、どの部署の誰が何時間以内にどういう方法で「リスク評価」をするのか。事実確認の取り方は? 謝罪文公開時の最終意思決定機関は? 誰が手を動かして謝罪文を書くのか? 最終確認者は? 誰がどこにアップするのか? などなど、決まっていないことが多いものです。

通常の大企業であれば、すでに危機管理マニュアルは整備されています。しかし、ソーシャルメディアのモニタリング方法や、ソーシャルメディア特有の情報拡散、電凸・メル凸対応などには対応できていません。炎上対策マニュアルは、すでにある危機管理マニュアルとのつなぎこみを行うケースも多くなっています。


(3) ソーシャルメディアトレーニング[定着]

目的は「ガイドラインの定着」です。
一般従業者用と、マーケター用の2つのプログラムを作り、実施します。

マーケターは各社50人~200人程度のため、50人部屋で4回実施するなどして実施するケースが一般的です。大変なのは一般従業者向けです。大企業ともなると、単体で1,500人、連結で5,000~7,000人という会社もあります。また、ホールディングスとなると、1万~2万人の社員を抱える会社も少なくありません。となると、もはや集合研修は不可能です。

この課題を解決するために開発したのが、以前ご紹介したソーシャルメディアリスクマネージャーです。eラーニングで受講できるため、距離的・時間的・人数的制約がありません。最近では、策定したガイドラインをトレーニングプログラムに入れ込み、最後にチェックテストを行う会社も増えてきました。こちらはご参考まで。

● ソーシャルメディアリスクマネージャー


●データで見る企業のリスク対策

ソーシャルメディア白書2012』(トライバルメディアハウス+クロスマーケティング編著/翔泳社)の大企業・上場企業400社調査の結果によると、半数以上の企業が「社員の個人アカウントから情報が漏洩すること」 「社員による顧客や他者に対する誹謗・中傷からトラブルが発生すること」などについて懸念していることが明らかになっています。

そして、全体では1割、上級活用企業の約3割がソーシャルメディアでのトラブルをすでに経験しています

これらの状況を受け、ガイドラインを策定している企業は25~30%くらいまで進展しています。ただし、定着のためのトレーニングや、有事対策としての炎上対策マニュアルの策定は数%にとどまっており、今後の対策が望まれます


●リスク対策の進め方と留意点

ガイドライン策定、炎上対策マニュアル策定、ソーシャルメディアトレーニングなどのリスク対策を進めていくに当たって最も重要なのは、部署横断のタスクフォースを組むことです。順に説明します。

まず、一番最初に主幹部署を決めなければなりません。主幹は、広報部・総務部・経営企画部が担当することが多くなっています。

次に、他部署連携です。キャンペーン活用などで係わる広告宣伝部、ブランドマネジメントで係わるマーケティング部、トレーニングで係わる人事部、コンプラや他の社内規程との整合性チェックで係わるコンプラや法務部、顧客と係わる営業部、そして消費者との最前線にいるカスタマーサポートなどとの連携が必要です。

リスク対策委員会(タスクフォース)が組まれたら、いよいよガイドラインや炎上対策マニュアルの策定に入ります。ここからが大変。各社、どこで一番 “もめる” のか。いろいろありますが、一番はポリシーにも影響する「わが社のソーシャルメディアに対する思想や指針」を決定することです。たとえば。

・わが社は一般従業者のソーシャルメディア利用を積極的に推奨するのか?それともできる限り抑制したいのか?
・わが社はソーシャルメディアのマーケティング活用を積極的に推進するのか?それとも抑制もしくは禁止するのか?

この2つを決めるだけで、相当な時間がかかります。

それもそうです。それぞれの部署の責任者(もしくは担当者)が参加するリスク対策委員会。担当業務によってスタンスは明確に異なります。(一般的に)積極的に活用したい広告宣伝部やマーケティング部と、できる限り抑制したい総務部や法務部の意見が最初から合致することはありません(広報部やカスタマーサポートは社によって意見が異なります)。

上記以外にも、社員のFacebookの勤務先に自社名を記載することを推奨するのか?禁止するのか?どちらとも規定しないのか?というテーマもすり合わせに時間がかかる議題です。うちは、各社・各担当者の想いを聴きながら、適宜アドバイスをさせて頂くスタンスをとっています。

「ガイドラインなんてどこも同じようなことが書いてある」

なんてことが言われたりもしますが、実はぜんぜんそんなことはないのです。
雛形のガイドラインを納品して終わり、という事業者もいるようですが、それでは全く何の意味も無いと思います。単一部署が策定したガイドラインは、いざ公開・定着、という段になったとき、多くの課題を抱えるケースが多いように感じます。社内の合意形成が取れていないためです。お前の部署が勝手に作ったガイドラインなんて守れねぇ!と言い出す方がいらっしゃるのです。

だからこそ、リスク対策に係わる全ての部署の方が、一度それぞれの意見をぶつけ合い、議論を尽くすこのプロセス自体が重要なのです。すごく時間がかかります。早い会社で2週間。時間がかかる会社だと2~3ヶ月かかったりします。でも、ガイドラインが出来上がったときには、社内の集団合意形成が完了している。だから導入がスムーズで現場に定着しやすいというメリットがあります。ここが最も重要なポイントだと思います。

ちょっと話が飛びましたが、4つ目の策定。これは社内メンバーだけで策定するか、私たちのような外部パートナーを入れて策定するかを決定するということです。リスク対策支援サービスも会社によってサービス内容や価格が様々なので、外部パートナーを入れる場合は自社にとって最適なところを選ぶことが大切です。

金額は、ガイドラインの策定、炎上対策マニュアルの策定、それぞれ数十万円~200万円程度が一般的な相場だと思います。金額の差は、サポート範囲の違いです。つまり雛形納品なのか、タスクフォースの立ち上げ、会議のファシリテーション、ドラフト作成、作り直しなどのフルサポートかの違いです(ちなみにうちはフルサポート型しかご提供していません。例外として作り終わっているガイドラインの添削を行うこともあります)。

最後がトレーニングです。これがまた課題。
ガイドライン策定済企業は、先ほどの白書データで紹介した通り多くなってきていますが、それら企業に共通する課題は「現場で全く定着していないこと」です。


●リスク対策における課題

端的に言うと、リスク対策にも「手段の目的化」が発生してしまっているということです。つまり、「ガイドラインづくりのためのガイドラインづくり」が多いのです。

わくわくしながら「うちもそろそろガイドラインつくりたいな♪」なんて方はいらっしゃいません。皆さん、だいたい上から「おい、うちの会社のリスク対策はどうなっているんだ!」とハッパをかけられ、プロジェクトが動き出すことが多いようです(社内でのモニタリングから社員の情報漏えいや不適切発言が多数発見され、現場主導で起案されるケースも増えていますが)。

いずれにせよ、一度リスク対策プロジェクトが走り始めると、現場としては「最終成果物」としてのガイドラインや炎上対策マニュアルを『策定』すること」自体が目的になってしまいがちです。


「とりあえず早く策定を完了して社内に展開したい—–」


と、一刻も早く(自分の)肩の荷を降ろしたくなってしまうのです。
気持ちはわかりますが、ガイドラインや炎上対策マニュアルの目的はあくまでも「炎上事故を未然に防ぐこと」であり、「有事における冷静かつ適切な対処」を実現されることです。成果物としてのガイドラインやマニュアルに意味があるわけではありません

繰り返しますが、リスク対策は現場に定着して完了です(中途や契約社員は毎日のように入ってきますので正確には終わりはありません。4月には新卒社員も入ってきますし)。だから、トレーニングこそが大事なのです。ガイドラインの展開も各社によって対応が異なります。最もお勧めしないのは(というかどちらかと言うと反対するのは)大会議室に社員を集めて一通りサラッとガイドランを読み合わせ、最後に机の上の誓約書にサインさせて退席させる、というものです。これでは全く意味がありません

ガイドラインは(リスクが顕在化していない)平常時に読むと「至極当たり前」のことが書いてあります。だからこそ、自分ゴト化されにくい。「何をいまさら。こんなこと言われなくたってわかってるよ!アホか!」と、ろくに読んでもくれません。当然、頭には入らない。

でも、何かしらのソーシャルメディアを個人で利用している場合、誰しもリスクがあります。悪気の無いたった140文字が人生を変えてしまうリスクがあるのです


リスク対策は、企業のためだけにしているものではない。従業員の皆さん一人ひとりの人生を守るための取り組みでもあるのだ


ということを、ちゃんと伝えなければならない。だから、僕は流れ作業的なトレーニングには反対です。

と、かなり長文になりましたが、企業におけるソーシャルメディアリスク対策の全体像と留意点についてまとめてみました。文字数をカウントしてみたら、自分のブログ史上新記録を達成(6,000字超…)。

こんな長文エントリー誰も読まねぇよ!と思いつつ。
ご参考まで!

◆3分半恋愛講座◆「惚れた女を落とす男」が実行している9つのテクニック

13 years 9ヶ月 ago

3分恋愛講座。モテる男がやっている女性を虜にする、9つのテクニック」というエントリーが話題になっていたので、日曜日だし、真似してひとつ書いてみようと思います。スゴレン的にいきますよ。では開始。

モテる男になりたい―――。

男に生まれたのなら、誰しも心の中で想い続ける永遠のテーマです。しかし「モテ」の定義を間違えてはいないでしょうか。

「モテる男」

それは、複数の女性から好意を持たれたり、チヤホヤされる男性のことではありません。それは単に女性に人気のある男性です。では、真の「モテる男」とは何か。それは、

「惚れた女性を落とせる男」

です。

自分に好意を持ってくれた相手の中から一番好みの女性を選び、遊んだり、付き合っているうちは真のモテる男ではありません。周囲からはモテ男として認識されますが、あなたは決して惑わされてはいけません。

あなたは、複数人の女性に好意をもたれる必要はありません。あなたは二股・三股がしたいのですか? もしくはハーレムをつくりたいのですか? 違いますよね。あなたは、自分が惚れた、あの女性(ひと)を確実に落とせれば良いのです

ですから、このエントリーの趣旨は、「好きになった女性を確実に落とす」ための心構えやテクニックをお伝えするものです。それでは早速始めましょう。


◆3分半恋愛講座◆「惚れた女を落とす男」が実行している9つのテクニック


1. 標的を定め、信念をブラさない

好きな女性を落とす男は、世の中を「誰かいい人いないかな」という目で見ていません。「あの運命の人を手に入れる」とターゲットが明確です。また、合コンなどで「この中で誰が一番タイプ?」という話題になったとき、変に遠慮をして解答を濁さず、ここぞとばかり意中の女性の名前を、その女性の目を見ながらみんなの前で大声で宣言します。好きな女性を落とすために最も大切なのは、標的の設定と、落とす信念を持つことです。


2. 落ちるまで口説く

「好きになってくれたらいいな」「落とせたらいいな」という弱腰な姿勢では落とせる女性も落とせません。「好きになってくれたらいいな」ではありません。「好きにさせる」のです

反応が悪い。付き合っている彼氏がいる。そんなことは当たり前です。あなたが惚れた女性なのですから、とても魅力的な女性でしょう。そんな女性を他の男も放っておくはずはありません。

出会ったタイミングがばっちりで、「ちょうど彼氏と別れたばかりなんですよ」なんて奇跡は映画やドラマに任せて、現実世界に生きるあなたは、好きになった女性にはすでに彼氏がいることをデフォルトだと考えておきましょう。

そして、そんな魅力的な女性に勝手にあなたから惚れておいて、いきなり「好きです。付き合ってください」「嬉しい!私も!」なんて瞬間的相思相愛状態になるなんて奇跡もまた起こりません。

「落とせるかどうか」ではありません。「落ちるまで続ける」のです。あきらめたらそこで敗北です。空気を読み、法律を守りながら、決してあきらめてはいけません。


3. 自信を持つ

オドオドしている男性を好きになる女性はいません。あなたがモテるかどうかは、目の前の意中の女性を落とせるかどうかにかかっています。ですから、過去の戦歴や、周囲からイケメンといわれているかどうかは関係ありません。自信を持ちましょう。

たとえ「いまはそんな気持ちになれない」「別れた彼氏が忘れられない」といわれても「君は必ず僕を好きになる」と伝え続けるのです。

過信はいけませんが、適度な自信が相手を安心させます。結果の積み重ねが自信をつくるのです。たとえ結果が出ていなくても、次こそは成功すると想い続ける人の前に勝利の女神は微笑みます。


4. メールをせず電話をする

携帯電話の普及により、恋愛初期の通信手段はメールが一般的になりました。みんな、返信までの時間が早いか遅いか、メール文章(行数)が長いか短いか、最後の文章が疑問系になっていて、メールの継続を示唆しているかどうか、なんて小さなサインを探し合い、ガラスのような心に傷が付かないように、慎重にお互いの心を探り合っています。

そんないまだからこそ、メールやフェイスブックメッセージなどではなく、電話をしましょう。電話をするだけで「どうしたの? わざわざ電話くれて」といわれます。ただの電話なのに「わざわざ電話してくれた」なのです。あなたはすかさずこう答えます。

ちょっと声が聞きたくなっちゃってさ

電話口から「キュンキュンキューン!」という音が聞こえてきたら恋が始まるサインです。


5. エンターテイナーである

恋愛テクニックには、よく「自分がしゃべるのではなく、相手の話を聴こう」というフレーズがあります。確かに、傾聴は、相手の心をスッキリさせたり、「この人といると落ち着く」という気持ちを抱かせることができます。しかし、意中の女性を落とす場合、それだけでは足りません。

あなたは、エンターテイナーのように、意中の女性を笑わせ、楽しませる必要があります。傾聴による「良き理解者ポジション」に「エンターテイナーポジション」を組み合わせることで、さらに勝率を高めるのです。

傾聴は相手が話さない限り始めることができません。相手に本音を語ってもらうためには、心を開いてもらう必要があります。「笑い」は相手の心を開かせる最も有効な武器であることを忘れてはいけません。笑いと傾聴はセットであると心得ましょう。


6. 夢を語る

デートのときに、未来の夢を語りましょう。何も数十年後の夢でなくても構いません。数週間後、数ヵ月後、数年後と、いくつかの段階で話せると効果的でしょう。

恋愛と結婚を完全に切り離して交際を考える女性は少ないと思います。だからこそ、まだ恋愛が始まる前においても、将来像を想像させてあげることが大切なのです。

食事やデートのとき、当たり障りのない話ばかりしていませんか。大人の男として、相手がグッとくる夢のひとつも語れる準備をしておきましょう。何度も語っていると、その夢は本当に実現しますから、一石二鳥です。


7. 奢(おご)る

最近は割り勘も増えていますね。女性側も、以前と比べて「ご馳走してくれなきゃ嫌!」という方が少なくなったと聞きます。

だからこそ、あなたは奢りましょう。おいしいものをどんどんご馳走し、楽しいところにどんどん連れ出しましょう。そう、すべてあなたのお金で、です

あなたが惚れた素敵な女性は、そんなあなたに気を遣い、ご飯をつくってくれたり、その他様々な経済的以外の献身的サポートをしてくれるはずです。

「奢らなきゃ惚れてくれないような(金目当ての)女なんてこちらから願い下げだ」という意見の方は、ぜひ心の許せる旧知の友人や同僚(いずれも女性)の意見を聞いてみることをお勧めします。


8. 郊外へ連れ出す

平日夜のデートは都内で食事でも構いませんが、週末のデートは郊外に連れ出しましょう。湘南の海を見ながらランチをしたり、箱根で蕎麦うちなどをする非日常的な体験が2人の距離をグッと近づけます

「あのときに○○ちゃんがした○○さ、あれ最高だったよね」「○○くんの○○だって、おもしろかったじゃん」と、2人だけでしか成立しない会話が増えてきたら、恋が始まるサインです。


9. 1~2ヶ月先の週末まで予定を決める

次に会う予定が決まっていない状態をつくってはいけません。デートが終わるときに、次の予定を決める、というのもよろしくありません。予定は、1~2ヶ月先まで決めてしまいましょう。

デートのときに、「行きたいけど、忙しくて(もしくは機会がなくて)行けていないところ」とか、「好きな食べ物」などの会話をし、それら全てを2人で行くことを約束するのです。

餃子が好きなら宇都宮へ行く約束をし、うなぎが好きなら浜松まで一緒に食べに行く予定を入れるのです。

相思相愛になるまでに大切な要素は、RFEです。
 ・Recency:最後に会った日(決して一週間以上開けてはいけません)。
 ・Frequency:週に1回以上会いましょう。理想は平日1回、週末1回の計2回です。
 ・Experience:飲みや食事だけでなく多様な場所で多様な共有体験をつくりましょう。


     +     +     +


以上、スゴレン的にまとめてみました。如何だったでしょうか。

最後に、僕が敬愛する映画・釣りバカ日誌の浜ちゃんが、みち子さんにした名言プロポーズを贈ります。

「僕は君を幸せにする自信はありませんが、僕が幸せになる自信はあります!僕と結婚してください!」

1度きりの人生、好きになってもらった女性ではなく、自分が惚れた女性を落とそうじゃありませんか。そして目一杯幸せにしてやりましょう。

皆さんの恋が成就することを祈っています。

PS
本エントリーは「記事」であり、筆者の思想や習慣をまとめたものではありません。また成果を保証するものでもありません。あらかじめご了承ください、と言っておく・・・(笑)

ソーシャルメディアの人間学

13 years 9ヶ月 ago

Twitterの情報伝播力が強いんじゃない。伝えたい気持ちが千里を走るのだ。

Facebookが面白いんじゃない。つながることが楽しいのだ。

mixiが心地よいんじゃない。心許せる友達が温かいのだ。

LinkedInが有益なのではない。あなたを支援してくれる人の存在が貴重なのだ。

炎上が怖いんじゃない。誰もが持つもう一つの心が怖いのだ。

これまでも、これからも、世の中の幸せと不幸せのすべては人が持ってくる。

あなた自身が、誰かの幸せと不幸せを運んでいる。

ソーシャルメディアには、血が通い、感情を持った、 生身の人間しかいないのだ。

文字や画面を見るのではなく、向こう側にいる人の息づかいとぬくもりを感じよう。

陰と陽。

善と悪。

目の前に映し出されているものは、すべて元来より人間が持っていたものである。

ソーシャルメディアは、それを可視化させることを手助けしたに過ぎない。

人に始まり、人に終わる。

ソーシャルメディアが隆盛を極めるいまだからこそ、どこまでも人を想うことが大切なのではないだろうか。

トライバルメディアハウスのオリジナル(?)制度

13 years 9ヶ月 ago

トライバルメディアハウスには、大きく分けて2つの制度があります。

ひとつがいわゆる人材活性化を支援する制度。
社内で起こる問題の80%はコミュニケーションロスやコミュニケーションミスによって生まれる。
そして、その要因のほとんどが、部署内・部署間の人間関係が十分に温まってないことに起因していると思っています。
この問題をサポートする取り組み。

もうひとつが、メンバー(スタッフ)の能力開発を支援する制度。
トライバルメディアハウスの財産は一人ひとりの社員。
社員みんながもっともっと優秀になることをサポートする取り組み。この2つ。

それぞれ簡単にご紹介。


<コミュニケーション活性化支援>


● サシ飲み制度
部署内・部署外の人との『サシ飲み』を支援するもの。
当たり前ですが、条件は『サシ飲み』であること。
複数人で飲みに行くと楽しい反面、くだらない話で盛り上がって終わり、ってこと多いですよね。
かたやサシ飲みに行くと、近況報告やバカ話も30分くらいで終わり、後半は「語り」になることが多い。
この「語り」こそが貴重だと思うんですよね。
何も仕事の話じゃなくてもいい。
その人と向き合って、ちゃんと話して、相手を知る。お互いを深く知り合う。
そうすると新たな顔が見えてくるし、親近感もわく。
仕事が頼みやすくなるし、頼まれやすくなる。
月に1回、2人に10,000円を上限に支給(超えた分は自腹)。
個人的にお気に入りの制度です。

※みんな忙しくて全員が毎月行けていないことが残念・・・


● 部活
現在テスト中で、2012年4月から本格稼動させる部活。
部活なんて普通の会社にもあるので、オリジナルでもなんでもないんですが、
うちらしい部活動になるといいな、と思ってます。
いまのところ、カラオケ部、ワイン部、トレンド部(流行りモノをみんなで体験する部)、女子部などがあるようです。
(非公式にフェス部、ゴルフ部もある様子)
意外と普通ジャン!
個人的には 『大人の初体験部』(乗馬とかタキシード or ドレス着てオペラとかスカイダイビングとか座禅とかね、エロいやつじゃないよ)がやりたい。


● 全社員合宿
半期に一度、全社員で行っている合宿。
毎回、葉山の湘南国際村で金曜日~土曜日に1泊2日で行います。次回は2012年4月。
特定のプロモーション企画を部署横断グループ対抗で実施する場合もあれば、
会社経営をみんなで考える会もあります。
トライバルメディアハウス20訓(行動指針)も、合宿を使って全社員で考えたもの。
どんなに忙しくても、所帯が大きくなっても、全社員合宿だけは続けて行きたいと思っています。


<能力開発支援>


● TMH経営大学院
毎週水曜日19時~21時に行っている社内勉強会。
プロとして、トライバルメディアハウスのメンバーとして知っておくべき知識の底上げと平準化を図るもの。
講師は社内スタッフが持ち回りで行います。
(たまに外部講師を招聘します。先週はTwitterJapanの葉村さんに来て頂きました!)
内容は本当に様々。
昔はマーケティング理論や流通(販売士的なお勉強)をやったりもしましたが、
最近はもうちょっと直近の業務に活かせるものが多い。自社事例の共有や効果測定方法の共有などもしています。
せっかくのOff-JTなので、もちっとカリキュラムをしっかりつくってガッツリやりたいところ。


● KBR(ナレッジバトルロワイヤル)
クローズドのFacebookグループ内で部署横断の4グループがナレッジ投稿を競い合うもの。
「いいね!」総数をウィークリーで集計し、1位~4位までのグループを決め、月曜朝の朝礼で発表。
クオーターで1位になったグループは、メンバーで焼肉 or すき焼き or しゃぶしゃぶ or 回らないお寿司に行くことができる。
これが盛り上がってるのなんのって!
投稿数の多さだけじゃなく、「いいね!」やコメントの付き方がすごい。
キャンペーン情報や炎上情報、新サービスや注目記事などがどんどん共有されて行きます。
会社にいるときはほぼ全員がFacebookを開いているので、うちの仕事スタイルにも合ってるんですよね。
いつまでも盛り上がっていて欲しい場所です。


● 能力開発支援金制度
会社で十分なOff-JTをしてあげられていないので、それを補完するためのもの。
仕事に関連する領域で、「もっとこの領域を伸ばしたい!」と思うテーマの自己啓発を支援します。
入社半年を経過したスタッフが対象で、年に1回、上限10万円を支給します。
みんな宣伝会議のマーケティング講座に行ったり、統計学を学んだり、思い思いに活用している様子。
でも、これもまだ消化率が悪いんですよね。忙しすぎて勉強する時間が取れない!のが理由のよう。
もったいないー。

     +     +     +

これ以外に、当然ですが、歓送迎会やクオーター締め飲み、上期・下期飲み、期末達成会などを別にやっています。来期はもっと楽しい制度を増やしたいな。
時間つくって考えよっと☆

確認済み
1 時間 27 分 ago
戦略に強みを持つマーケティング会社 トライバルメディアハウス代表。大手企業300社以上の広告宣伝・広報・マーケティングを支援。『売上の地図』『自分を育てる働き方ノート』など著書・共著書10冊以上。近著『マーケティング「つながる」思考術』。鎌倉稲村ヶ崎在住。
ikedanoriyuki.jp | Tribal Media House, Inc. フィード を購読

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