ikedanoriyuki.jp | Tribal Media House, Inc.

ブログを書き始めて早12年、PVのトップはあの記事だった…!!

7 years 11ヶ月 ago

初めてブログを書いたのは確か2005年。Seesaa Blogだったと記憶しています。

それからLivedoor Blog、Typepadとわたり歩き、いまのWordPressに落ち着いたのが2010年のこと。

本の執筆や仕事が忙しくなってからは、めっきりブログの更新頻度が落ち、最近は年に1~2回しか更新しなくなっちゃったけども、2008年頃のブログ全盛時代は、頭に浮かんだ何かしらのアイデアや、仕事、広告、マーケティングに対する想いを、みんながこぞってブログにアウトプットしていた。

この記事「渋谷”魚民”出禁確定!?「広告系ブロガー新年会」報告」なんて、まさにその時代の熱気が伝わってくるような内容だ(昔のブログデータをインポートしてるからデータが崩れてます。ご容赦)

このブログに以降してから8年。いろいろ書いてきたけれど、ふと、どの記事が一番読まれたのかなーと気になったので、Google Analyticsで記事別累計PVを出してみた。

その結果がこちら。栄えあるNo.1は……


第1位:◆3分半恋愛講座◆「惚れた女を落とす男」が実行している9つのテクニック

▷公開日:2012.02.26
▷PV:326,948

マーケティング関係ねーwwwww

この記事、「惚れた女 落とす」「女 落とす」などでググると、かなり上位に表示されます。

仕事にまったく関係のない記事が圧倒的PVでぶっちぎり1位ということで、嬉しいのか悲しいのかよくわかりません。


第2位:20代にやっておくべき10のリスト(ややストイック編)

▷公開日:2015.06.24
▷PV:40,499

1位からかなり離されてこの数値。まあこんなもんなのですよ……。


第3位:スペシャリストとプロフェッショナルの違い

▷公開日:2012.05.08
▷PV:29,720

この記事は、公開時の爆発力はさほどではなく、検索流入で長らく読まれているようです。「スペシャリスト プロフェッショナル」で検索すると上位ですし。言葉の違いや自分のキャリアについて考えている人が読んでいるのでしょう。


第4位:若いうちにMBAや中小企業診断士を取った方がいいと思う7つの理由

▷公開日:2015.01.08
▷PV:26,873

新年ということで、若かりし頃の自分の経験をベースに書いた記事です。勉強、大事。


第5位:広告・広報・マーケティング業界の新社会人に読んでもらいたい推薦図書15選

▷公開日:2014.04.03
▷PV:24,142

4月の新社会人誕生の季節に書いたやつ。結構本が売れましたw


第6位:「TwitterやFacebookの次は何が来るか」だって?そりゃお前、ブログに決まってんだろ!

▷公開日:2013.03.17
▷PV:21,677

「これからはセルフブランディングだ!」的な社会的空気のときに書いた記事。2017年末においても、ビジネスの世界で一目置かれたいのなら、TwitterでもFacebookでもInstagramでもなく、ブログですぞ。


第7位:フェイスブックの本質理解はソーシャルグラフの正しい理解から

▷公開日:2011.04.05
▷PV:18,794

これはFacebookが日本に本格上陸してユーザーが増え始めた2011年に書いた記事ですね。時代を感じます……。


第8位:「ソーシャルメディア時代のリスク対策講座」まとめ

▷公開日:2012.02.27
▷PV:16,603

これはTwitterやFacebookが広く普及して、炎上事故が多くなってきた頃に書いた記事。情報自体はいまでもそんなに古くなってない気がします。


第9位:ゼネラリストは「プロの “人たらし”」になろう!

▷公開日:2012.05.09
▷PV:14,200

さっきの「スペシャリストとプロフェッショナルの違い」の続編で書いた気がします。いまだに、これからの時代に最強なのは、プロ根性の強いスーパーゼネラリストであるという考えは変わっていません。最強のスペシャリストを束ねて課題を解決する強いリーダーシップを持ったスーパーゼネラリスト。時代は「手に職をつけたい」「食いっぱぐれたくない」「転職で有利なキャリアを積みたい」というスペシャリスト信仰が強いですが、ゼネラリストも捨てたもんじゃありませんぞ(ただしスーパーゼネラリストに限る)


第10位:ソーシャルキャンペーンを成功させる7つのポイント(+10の補足事項)

▷公開日:2012.06.12
▷PV:14,064

2012年に書いた記事なので、若干の古さはありますが、普遍的な要諦はあまり変わっていないように思います。……にしても長いw 7つのポイント+10の補足事項てw


おまけ。

第11位:【事例解説】 「共有型」キャンペーンと「拡散型」キャンペーンの仕掛けと仕組み

▷公開日:2013.03.18
▷PV:11,667

「とにかくバズらせたいんスよ!」「バイラルバイラルゥゥ~!」「ソーシャルで拡散!」と世の中が騒がしい2013年に書いた記事。投稿と共有と拡散は違うのです。


とまあ改めて振り返ってみると、直接的には仕事と関係のないこともしばしば書きながら、自分の頭の中を整理しながら生きてきたのだなぁ……と少し年末らしい気分になりました(笑)

いま読み返すとツッコミどころ満載の部分もありますが、ま、これがその瞬間のベストだったってことで許して。

いやでも、やっぱりブログはいいですね。これはTwitterやFacebookやInstagramからは得られない。

みんな、ブログ書こうぜ!

池田紀行

Instagram時代の消費行動モデル「CREEP」

7 years 11ヶ月 ago

先週、Instagram、ハッシュタグのフォローが可能に(CNET Japan)というニュースに触発されて、ハッシュタグエコノミーの時代という記事を書きました。

昨日、それに触発されて(笑)うちの高橋遼がハッシュタグエコノミーの幕開けは「文脈価値経済」の幕開けでもあるという記事を書いたので、さらにそれに乗っかる体で、インスタが変える消費行動モデルについて書いてみます。

AIDMA、AISAS、SIPSに代表される生活者の消費行動モデル、有名ですよね。マスの時代からネットの時代へ、そしてソーシャルメディア時代へ移行するにともない、生活者のメディア接触頻度や態度、行動(購買)プロセスも変わっていくというものです。

でも、なんか最近、自分の行動と照らし合わせると、何か違うんだよなぁ…ということが増えてきました。

可処分時間に占める大量の「だらだらタイム」

これは5~6年前につくった資料です。いままでのネットの中での人の動きは、多くの場合、何かしらの顕在ニーズがあって、それを解決するための検索行動でした。だから、多くの人の動きが「目的的」で、「直線的」でした(ネットサーフィンはあるにせよ)

それが、TwitterやFacebookが普及することによって、ネットの中に広大な「無目的空間」が広がり、非連続的で、偶発的な人の流れ(クリックやタップ)が生まれることになった。

GoogleやYahoo!で「おしゃれテント」と検索するとき、人はすでに顕在化したニーズを持っており、ベクトルは検討や購買に向けて直線的です。

でも、そんな行動が少しずつ減ってきている気がします。


インスタ時代の行動パターン CREEPモデル


最近多いのはこんな感じ。

電車の中や、家に帰った後のマッタリタイムの中で、ソファに横になりながら、スマホでInstagramやTwitter、Facebookを眺める(Chill out:だらだらする

フィードに流れてくる大量の投稿の中で、気になった(ごくごく一部の)投稿で指を止め、ハッシュタグをタップして他の画像見てみたり、Amazonで検索してクチコミを見たりして理解を深める(Relevance:自分ゴト

「このお店ステキだなぁ…、今度行きたい」、「このテントかっこいいな。欲しい…」、「SUP(スタンドアップパドルボード)おもしろそうだなぁ…春になったら始めたい」などと妄想を広げる(Evoked Set:選択肢化

それから一定の期間を経て、お店に行ったり、テントを買ったり、SUPを始めたとき(Experience:体験)、スマホで写真を撮って、InstagramやFacebookでリア充アピールをする(Post:投稿

これが自然だと思うんです。

名付けて、CREEP(クリープ)モデル

順に説明します。


Chill out:だらだらタイム

まず、これがいままでと一番違うところ。「何かをしよう」という明確なベクトルはなく、単にヒマだからスマホを開く。エレベーター待ちなら5秒~20秒、電車待ちの駅のホームなら2~3分、電車内なら数十分、家のソファなら数分~数時間とバラツキはあるものの、みんな「何かおもしろいことないかな~」くらいのユルさで、InstagramやFacebookに接触してくる。

一回あたりの時間は短くても、回数が多いので、大量の可処分時間がここで消費されることになりました。ここが出発点。


Relevance:自分ゴト化

世の中の99.9%の出来事は、僕たちにとって他人ゴトです。試しに、Yahoo!ニュースでも、asahi.comでも開いてみてください。この中で、クリック(タップ)して読みたいニュースがどのくらいありますか?

通常、クリック(タップ)していないニュースは、あなたにとって他人ゴト、興味がないわけです。こういった情報がフィードに流れてきても、あなたの指は止まりませんよね?

何も考えていないだらだらタイム。99.9%は他人ゴト

そんな状況下で指を止めてもらうためには、相手が何に興味があるのか、の前に、どんな情報だと指が止まらないのか、を徹底的に理解しておく必要があります。これはもう頭ではなく、肌感覚。習うより慣れるほかありません。

ユーザーが興味があるのは、記事やコンテンツなので、多くの場合、広告は他人ゴト(邪魔者)です。だから、これからは広告よりもPRの時代

多くの流行は、広告ではなく、テレビの情報番組や雑誌の特集、ウェブのニュースなどが幾重にも折り重なってつくられていきます。メディアの記事✕ソーシャルでの反応が、社会の空気(世の中ゴト)をつくる。

どこに言っても、みんなが話題にしている「世の中ゴト」が自分ゴトを促進する。または、会社の仲間がみんな話題にしている「仲間ゴト化」が自分ゴト化を促進する。これ、ぜんぶ広告ではありません。

このように、ソーシャルのフィードに流れてくる膨大な情報の中で、ふと指が止まるのは、広告ではなく、PRによってつくられた世の中ゴトや仲間ゴトのケースが多いので、これからはPRが得意なエージェンシーの時代がやってくると予想しています。

ちなみに、ここで消費されるコンテンツは、噛む情報ではなく、飲む情報です。ボリボリ噛み砕いて、自分で咀嚼解釈しないと飲み込めない(文章が長かったり、画像が少ない)コンテンツは嫌われます。15秒~30秒で、何も考えず、ゴクッと飲み込める液体型コンテンツが好まれますので、スマホ時代のコンテンツは、タベモノからノミモノへ!を心がけてください。

飲んでもらった後に、「もっと知りたい」と思わせてから、食べてもらえば良いのです。最初から「美味しいから食べてって!」と言っても、口に入れてもらえないので、まずは「美味しいから飲んでみて!」から始めてください。

(そういうお前のブログはいつもボリュームたっぷりのタベモノじゃねぇか、というツッコミはまあアレとして)


Evoked Set:選択肢化

※知名集合:知っている
※処理集合:特徴を理解している
※想起集合:好意的な選択肢の上位集合
※保留集合:想起集合に入れなかったその他のブランド
※拒否集合:買いたくない選択肢
※第一位選択:想起集合の中で1位のもの

ここ、重要です。

皆さん、スーパーやコンビニ、ドラッグストアなどで買う商品ではない、家電、車、住宅、趣味性の高い商品などを買う場合、どのくらいの「温め(検討)期間」がありますか? 来年のGWに行く海外旅行、いつ頃から検討を始めますか?

多くの場合、1ヶ月とか、2ヶ月とか、金額によっては半年や一年以上の温め期間がある場合も少なくないと思います。

こういった、商材の場合、とても重要になるのが、このEvoked Set:想起集合です。想起集合とは、商品やサービスの購入を検討するときに、頭の中で(純粋)想起する好意的な選択肢の集合体です。7±2個、つまり、5個~9個入っていると言われますが、実態は入ってて3個だと思います。

次に乗り換えたい車は何ですか!?
GWに行きたい海外旅行先は?
国内の温泉に行くとしたらどこ?
歯磨き粉
醤油
マヨネーズ
トマトジュース

みなさんの頭の中には、みなさんの頭の数だけ、上記のEvoked Setが形成されています。自然に3つ以上の選択肢が出ましたか? 1つだけしか出ないものもありませんでしたか? ここに入っていなかったら、そのブランドは、その時点でほぼ負けが決まってしまいます。

選択肢に入れてないんですから、検討もされません。強制的に買ってもらうためには、値引きをともなった大量陳列かプレゼントキャンペーンをやるしかなく、ブランド価値が毀損するか、利益が減るか、というオプションしか残されないわけです。

で、何が言いたいかというと、この想起集合は、生き物のように時間とともに変化するということ。

仮に一度、一位を獲れたからといって、未来永劫一位なんてことはありえません。しばらく接触してないブランドはどんどん保留集合に追いやられてしまいます。

それ以前に、想起集合は熾烈なレッドオーシャンでの戦いが行われている激戦区なので、ここに入ることすら楽ではありません。何と言っても、カテゴリー内純粋想起3位以内という超高いハードルなわけですから。

Chill outが長い消費者の想起集合に入るためには、RFEが大事。

ダイレクトマーケティングの業界で、RFM(Recency / Frequency / Monetary)という言葉がありますが、そのMをEにもじったものです。

分散化が進んだメディア環境において、自社の都合でつくったオウンドメディアに定期的に訪れてもらうのはどんどん難しくなっていきます。であるならば、消費者が毎日大量の時間を過ごすInstagram公園やFacebook公園に出店を開き、そこで接触した方がいいですよね。

そして、これからは、企業の公式アカウントによる直接的な出店(でみせ)マーケティングではなく、消費者のハッシュタグ付き投稿が集積されるマイクロトライブ、いわば公園の中でのレジャーシートの数、質、面積が、消費者の想起集合に大きな影響を与えると考えられます

買回商材や専門商材は、だらだらタイム→自分ゴト→想起集合内での温め期間があって、初めて購入されるわけですから、短期的な検索エンジン対策やリタゲ効率もいいんですが、想起集合に入ってないものは「お得」以外では買われないわけですから、そろそろブランドマーケティングのKGIに想起集合を加えてみては如何でしょうか。

※ブランドカテゴライゼーションについてさらに深く知りたい方は、1995年に恩蔵直人先生が発表された論文「ブランドカテゴライゼーションの枠組み」(PDF)を読んでみてください。超絶わかりやすいですよ!


Experience:体験する

文字通り、購入、行動、体験です。

ここで重要なのは、次のPにつながるかどうかを左右する文脈価値です。

たとえば、これはInstagramの #飯テロ というハッシュタグ。

彼ら、彼女らは、なぜ #飯テロ というハッシュタグを付けて、これらの画像を深夜に投稿するのでしょうか。どんなコメントを期待して投稿しているんでしょうか。

「美味しそう!」

ではなく、

「羨ましい!」「いいな!」「呼ばれてない!」「今度連れてって!」という承認欲求を満たすコメントであり、「こんな時間にやめてくれー!ハラ減って来たじゃないか!」という悲痛な叫びを期待しているわけです。

これが、文脈です。

肉の柔らかさや美味しさ、価格やコストパフォーマンスといった使用価値や物理的ベネフィットを伝えたいわけではなく、こんな時間に、こんな仲間と、こんな素敵な時間を過ごしている俺、私が羨ましいでしょ、ホラホラ、お腹がすいてきたでしょ! という文脈価値をアピールしているのです。

試しに、なんでもいいですから、Instagramでハッシュタグ検索をしてみてください。インスタに投稿されているのは、商品でもサービスでもなく、ほぼ全て、文脈です。

#スタバなう

インスタでの #スタバなう も、ラテやフラペチーノそのものが美味しい、ということが伝えたいのではなく、「いま自分は、一人で(もしくはXXと)、スタバXX店という素敵なサードプレイスで、XXのような気持ちである」という文脈を伝えていることがわかります。

インスタで投稿されている画像は、すべて「文脈」である

であるならば、メーカーのブランド担当者は、どんな文脈をつくれば、もしくはどんな文脈に寄り添うことが、自社ブランドの存在感を高めることにつながるかを考えなければならないということです。


Post:投稿

4年以上前に、【事例解説】 「共有型」キャンペーンと「拡散型」キャンペーンの仕掛けと仕組みというブログを書きましたが、いまだに「共有」と「拡散」をごちゃ混ぜに理解している人が少なくありません。

なので、インスタ時代の消費行動プロセスの最後は、あえてShareではなくPostにしました。

あなたは、素敵な風景や美味しい料理の写真をInstagramにアップするとき、「みんなに共有♫」なんて思っていますか? すくなくとも、僕は「共有」とは思っていません。単なる「投稿」です。

@ikedanoriyuki

これ、僕のインスタです。最高の一瞬を切り取って、リア充が爆発していることをつま先がプルプル震えるのを我慢してアピールしていることがわかります。

これらの投稿で、僕は一回も推奨をしていません。「ワーゲンバスかわいい」「キャンプ最高!」「ベスパかっこいい」「ウッドデッキつくった!」とは言っていますが、「ワーゲンバス買った方がいいよ」「みんなキャンプ始めた方がいいよ!一緒に行かない?」「バイク買うならベスパ一択でしょ!」「DIYやるならウッドデッキづくりはマスト!」なんて一言も言っていません。

つまり、推奨していない。

でも、繰り返し繰り返しキャンプの投稿をしていると、どこからともなく「池田さんの投稿見ていたら、キャンプ行きたくなってきちゃいましたよ」「手始めにテントを買おうと思っているんですが、何かオススメのブランドってありますか?」と向こうから聞いてくる。

これ、推奨価値じゃなく、影響価値なんですよ

ソーシャルメディア時代になって、広告主のマーケティング担当者は、アルファブロガーに、アルファツイッタラーに、ユーチューバーに、インスタグラマーに、「推奨」してもらいたいと、インフルエンサーマーケティングを仕掛けます。「これいいよ♫」って書いて、って。

でも、僕たち、日常的に、そんな直接的な投稿、あんまりしないですよね。「これいいよ♫」「これオススメ☆彡」って(笑)

それが自然で、それでいいんです。でも、フォロワーは確実に影響を受けている。そして、向こうから聞いてくる。そのときに初めて、「あ、テントならXXがいいよ」という推奨が生まれるんです。

だから、Instagram時代の消費行動モデルの最後は、ShareでもRecommendでもなく、Post。Just a POST!! なのです。


ということで、今回も長々と書いてきましたが、疲れてきたのでそろそろ終わります。

今回まとめたCREEPモデルは、比較的高価格、高関与、中長期的な比較検討期間がある買回商材や専門品を対象としています。飲料や食品、日用雑貨などの最寄品には必ずしも当てはまりませんので、ご注意ください。

文脈的思考、待ったなしですぞ(再)

池田紀行

ハッシュタグエコノミーの幕開け

7 years 11ヶ月 ago

今日、ついに発表されましたね。

Instagram、ハッシュタグのフォローが可能に(CNET Japan)

これ、インスタ経済圏の中における企業のブランドマーケティングが変わる大きな転換点になる予感がします。

いままで、多くのユーザーはこんな感じでInstagramを使っていました。


[いままで]

・フィードを眺める。
・ハッシュタグ検索をして好みの写真を物色し、良さそうな写真を見つけるとたまに投稿者プロフィールを見に行く。自分と趣味やスタイルが合いそうな人であればフォロー。
・上記を繰り返す。

ここに企業公式アカウントが仲間に入れてもらうためには、
・Instagram上に広告を出稿する
・ブランドサイトにリンクを張っておく
・ハッシュタグをたくさんつけておき、マイページへの訪問者を増やす
などが常套手段でした。

しかし、特定企業やブランドの公式アカウントは、どうしても「自分主語」になりがちです。利用シーンや文脈にそったコンテンツにしようとしても、最後は商品に落としたくなってしまう。

たとえば、これはcoleman_japanの公式アカウント。

coleman_japan

商品押しではなく、できる限りキャンプシーンや文脈に寄り添ったものになっていますが、ユーザーが投稿している #coleman と比べると、その差は歴然です。

#coleman

ユーザーは、なぜインスタで検索をするのか。それは、GoogleやYahoo!にない「2つのR」つまり、RealityとReal Timeがあるからです。いまさっき、もしくは昨日、趣味や好みが近い自分と同じ消費者が、投稿したRealityとReal Timeなコンテンツだから、信頼できるし、心が動くんです。

また、ブランドを離れて、「コトそのもの」になると、より一層、文脈的になります。

#キャンプマニア

ハッシュタグフォロー機能によって、これからはきっとこう変わります。


[これから]

・過去に複数回検索したことがあったり、自分の投稿によく付けるハッシュタグをフォローする(ハッシュタグをフォローしても、見た目上のフォロイー(フォロー中)の数は増えないため、興味があるハッシュタグは遠慮なくどんどんフォローできる)
・フィードの中に、フォローしているアカウントと、フォローしているハッシュタグが混じって表示される
・フォローしているハッシュタグの方が(特定商品ではなく)シーンや文脈にそっているため、気に入った写真が多く流れてくることになる
・しかも、企業公式アカウントの投稿数が1日1つや週に2~3個なのに対し、ハッシュタグは、種類によって1日に数十投稿が流れてくるため、フィードの中に占める存在感は圧倒的にハッシュタグになる

……と、フィードの中における企業公式アカウントの存在感が圧倒的に減るわけです。

でも、これは一方でチャンスとも言えます。

たとえば、僕がよく行くおしゃれキャンパーの聖地 #ふもとっぱら というキャンプ場名のハッシュタグ。このワードを検索したユーザーが辿る導線を妄想してみましょう。

・うわー、サムソー!でもやっぱり冬キャンプいいな。今月か来月また行こう
・お、この人のテントカッコいいな、どこのだろう(画像タップ)
・(ハッシュタグを見ながら)ふむふむ、テンティピジルコン9とな
・よし、検索してみよう(Google)
・(ECサイトのリンクをタップして)ほほーこれかーカッコいいな。そしてでかい。6~10人も入るなら大人数での宴もできるな。うわ!お高い!でもいいなぁ……

この行動の中に、商品認知、興味喚起、理解促進、購入意向の向上までが入ってます。これがインスタの威力。

ハッシュタグ=(うちの社名にもなっている)Tribe(トライブ:共通の興味関心を持った集団)ですから、この中では極めてハイコンテクストなコミュニケーションが成立します。

だから、いずれECの主戦場はハッシュタグ内のフィードになるだろうし、投稿数が大きい反面、タグとの関連性が弱い(ノイズが多い)ビッグワードのハッシュタグは敬遠され、どんどんハイコンテクストなミドルやスモール、マイクロなハッシュタグに分化していくことが予想されます。

(例)#キャンプ は投稿数が130万件を超えているものの、必ずしも自分のキャンプスタイルに合うものではないため、これがフィードに流れてくるのは嫌だと思ってしまう……。だから、#キャンプ はフォローせず、2,000件しか投稿がないけれど、自分にとっては良質な#キャンプマニア をフォローする、というユーザー心理

さて、特筆すべきは、認知→意識変容というユーザーの大きな意識変容プロセスの中に、企業(ブランド)の直接的なマーケティング活動が介在していないこと。これ、カスタマージャーニーの観点から見ても、すごく大きなことですよね。

では、ブランドはどうしたらいいんでしょう。ざっと書きなぐってみると。


インスタ経済圏の中でブランドが取り組むべきこと

1.自社が関連する文脈を挙げまくる
2.それぞれの文脈に合致するハッシュタグの状況を調べて優先順位を付ける
3.重要度の高いハッシュタグの中における自社と競合の存在感を把握する
4.どうやったら、そのハッシュタグ内で自社商品の存在感が高まるか知恵を絞る(当たり前ですが、ステマはダメですよ!)
5.上記1~4を繰り返す

ひとつずつざっと解説します。


1.自社が関連する文脈を挙げまくる

例えば、キャンプに関連するハッシュタグ(≒文脈)にはこんな広がりがあります。

人は、なぜキャンプに行くのでしょう? キャンプに行くためにキャンプに行くのではなく、誰と、どこで、どんなキャンプをすることで、どんな気持ちになりたいのか? を突き詰めて考えることが文脈を知るヒントです。

ちなみに、これはInstagramの関連ハッシュタグを一発で出してくれるハシュレコという便利サイト。オススメです。


2.それぞれの文脈に合致するハッシュタグの状況を調べて優先順位を付ける

ハッシュタグは星の数ほどありますから、むやみやたらと広げても仕方ありません。まずは無尽蔵に出し終わったら、エクセルでリスト化して、そのハッシュタグでの投稿(累計)数、ハッシュタグとの関連性(質の高さやブレの少なさ)、平日・週末あたりの平均投稿数を入力し、自社ブランドにとって重要なハッシュタグの優先順位付けを行いましょう。


3.重要度の高いハッシュタグの中における自社と競合の存在感を把握する

重要度の高いハッシュタグが付いたユーザー投稿を全件目視チェックをして、自社および競合ブランドが、どんな文脈で、どのくらいの数、出現しているか把握してください。登場回数は多いほどいいですが、大事なのは、登場の仕方(文脈)です。それがあなたのブランドがユーザーに提供している情緒的・精神的価値である可能性が高いわけです。


4.どうやったら、そのハッシュタグ内で自社商品の存在感が高まるか知恵を絞る

ここが一番重要で、一番難しいところです。商品やユーザーの特性、文脈によって戦略は様々なので、「これをやれば大丈夫」なんて紋切り型の戦略や企画なんて存在しません。大いに悩み、アイデアを絞り出す腕の見せ所です。当たり前ですが、ステマはダメですよ!


5.上記1~4を繰り返す

ハッシュタグは生き物ですから、一度戦略目標を設定したら、ずっとそのまま、なんてわけはありません。季節によっても、トレンドやブームによっても、競合の動きによっても、空気はどんどん変わります。数ヶ月に一度は戦術の適合性チェックをしてください。


さて。

このサイクルが回り始めるということは、ブランドが、従来型の(企業主体の)ブランドコントロールから、User Generated(ユーザー主体)で、Co-Create(共創的)なものになるということです。

企業による支配がおよばない分、時間がかかるし、思い通りにいかないことも多いでしょうが、だからこそ、成功すれば他社が真似しづらく、短期的にひっくり返すことが難しい、持続可能な競争優位になるということです。

ブランド担当者は、担当商品の物理的便益はスラスラ出てくるけれど、感情的・情緒的・精神的ベネフィットやコンテクストになると、思考が停止してしまいがち。

Instagramのハッシュタグフォロー機能によって、インスタユーザーは、さらに一歩、製品から文脈へと歩を進めました。

文脈思考の習得、もう待ったなしです。

池田紀行

デキる奴は、自分にとってのガソリンと、ガソリンスタンドに立ち寄るタイミングを良く知っているということ

8 years 6ヶ月 ago

人生における仕事というのは、42.195kmのフルマラソンのようなもので、とても長い距離を走り続けなければならない。

長く走れば、途中でエネルギーが不足する。ビジネスパーソンであれば、モチベーションが低下することもあるだろう。

個人的には、プロフェッショナルたるもの、「最近、どうしたのよ。パフォーマンス低いじゃん」「いやー、ちょっとモチベーションが上がらなくて…」というのはありえない話で、「アマチュアじゃないんだから、チミのモチベーションうんぬんはどうでもよくて、プロなんだから、もらった対価かそれ以上のパフォーマンス出し続けるのがプロとしての責任でしょうよ」と言いたくなるんだけど、まあそれは置いといて。

で、ですね。

人間同様、車だって走るためにはガソリンが必要です。ガソリンがなくなりそうだったら、ガソリンスタンド寄りますよね。

人間だって同じです。

「ちょっとモチベーションが下がってきたな…」と思ったら、ガソリンスタンドに寄るんです。ビジネスパーソンにとってのガソリンは、自己燃焼し続ける燃料=セルフモチベーションです。

たとえば、私なら「ちょっと推進力が下がってきたな…」と思ったら、下記の映画を見ます。理由は、これらの映画を見ると「俺も頑張らなきゃ!」とモチベーションが上がるからです(この映画があなたの趣味に合うかどうかは別として)

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映画以外なら、自分に燃料を注いでくれたり、導火線に火を付けてくれる経営者仲間やメンターに会う、やる気を着火させてくれる自己啓発本を読む、未来手帳を見返しながら設定した目標に想いを馳せる、など、自分の燃料タンクを満タンにするための方法は人それぞれでしょう。

大切なのは、ガソリンが切れてきたら、ガソリンメーターを見て、ガソリンの残量が少なくなっていることを自覚することです。デキる奴とは走り続けている奴。走り続けている奴とは、走り続けるための技術、つまり、燃料が足りなくなってきたことを自覚できる能力を持ち、自分なりのガソリンスタンドを持っているということです。

問題なのは、自分のガソリンメーターを見ない人。ガス欠で走れなくなっても、燃料が切れていることに無自覚な人。もっと早くガソリンスタンドに寄るべきだったと振り返れない人。自分のガソリンが何かわかっていない人。行きつけのガソリンスタンドを持っていない人です。

人間、どんなに精神が強い人だって、長く走ればエネルギーが切れるときもあるでしょう。そんなの誰だってそうなんです。デキる奴、走り続けている奴は、自分のガソリンタンクの容量を自覚していて、常にガソリンメーターを確認しながら、必要な頃合いで、行きつけのガソリンスタンドに立ち寄って、最も相性の良いハイオクガソリンを注入している人です。

あなたにとってのガソリンと、行きつけのガソリンスタンド、ぜひつくってみてください。

池田紀行

2016年の振り返りと2017年の抱負

8 years 11ヶ月 ago

大晦日なので、毎年恒例の今年の振り返りと来年の抱負をば。

ちなみに、いまふもとっぱらオートキャンプ場で人生初のソロキャンプをしながらこのブログを書いています。キャンプを始めた2014年秋以前は、まさかこんなところで年を越すとは思ってもいなかった。人生っておもしろい。

●2015年の主要トピック(仕事編)

熱狂ブランド戦略の普及啓蒙頑張った

今年は予定通り熱狂ブランド戦略の普及啓蒙を頑張れた一年でした。構想から一年をかけた熱狂ブランド調査2016も予定通り実施・リリースできたし、12月には第一回目となる熱狂ブランドサミット2016も開催できた。

※ブランドの持続的な利益成長の鍵は、顧客の熱狂度にあり。国内初! 20業界200ブランド『熱狂的推奨者実態調査』結果発表
http://www.tribalmedia.co.jp/pressrelease/9875

※『熱狂ブランドサミット 2016』大盛況のうちに閉幕
http://www.tribalmedia.co.jp/pressrelease/10286

おかげさまで熱狂戦略に共感していただけるクライアントも増え、来年は複数のプロジェクトが始まる。気を引き締めて頑張ります。

今年もいっぱいしゃべった

今年も宣伝会議、日本マーケティング協会、社内勉強会などで60回ほどお座敷に伺いました。去年までと如実に変わったのが話すテーマで、今年は熱狂ブランド戦略が50%、ソーシャルメディア関連が(やや復活して)30%、その他(次世代広報や効果測定など)で20%でした。

次世代趣味メディアFunmee!!をリリース

そして!今年の目玉。12月12日にトライバルメディアハウス初となるメディア事業をリリース。ずっとずっとずーっとやりたかった事業だから、社内外多くの協力を得て無事リリースできて本当に嬉しい。

※好きがもっと好きになる。好き広がる趣味メディア Funmee!!
https://funmee.jp/

※「好き」でライフスタイルが進化する!次世代趣味メディア 「Funmee!!(ファンミー!!)」β版をリリース
http://www.tribalmedia.co.jp/pressrelease/10249

※人生の夢だったワーゲンバスを買ったら自分のアイデンティティを超えて「人生そのもの」になっちゃった!
https://funmee.jp/articles/d03053bced28f1fb1033281aaccf916ed9ce8699

始まったばかりでまだまだピヨピヨですが、Funmee!!を基軸に国民総幸福量を上げていくべく死ぬ気で遊んで死ぬ気で働きますので、皆さんぜひ応援してください。

●2015年の主要トピック(個人編)

念願だったハワイへのサーフトフィップ

最近のテーマは「脱『いつか』」。「いつか行きたい」「いつか始めたい」「いつかやってみたい」いつかいつかいつか…。

40歳も過ぎて人生後半戦。いつかいつか言い続けているとそのうち何もしないうちに死んじゃいそうなので、2年くらい前から仕事も私生活も「いつか」を卒業しました。

で!サーフィンを始めたからには「いつか」行ってみたい夢の国、ハワイサーフトリップに行ってきました。いやもうね、最高でしたよ。「脱・いつか」万歳。毎年は無理でも2年に一度は行きたい。ほんと、ハワイは噂に違わぬサーファー天国でした。

キャンプの底なし沼にハマる

2年前の秋から始めたキャンプ。何が楽しいのか未だにうまく言葉で表現できないんだけど、楽しいねぇ…。将来キャンプ場を経営することを胸に誓っています。

キャンプにハマる人はテントを何個も買うんだけど、なんで?って思ってたんですよね。1つでいいじゃんと。

それが…。

先人たちは正しかった。

ボクササイズ開始

人間ドック、胃カメラ、大腸カメラ、PET検診、脳ドックでは問題なかったものの、コレステロールと中性脂肪がやばくてこのままだと血管詰まって死ぬみたいなので運動再開。

ずっと始めたかったキックボクシング習いに行こうぜ!と会社の仲間と行った先がなぜか普通のボクシングジムでキック無し。ちょっと寂しいけど目的は痩せることだからまあいいか。

いまさらながらInstagramにハマる

インスタ

https://www.instagram.com/ikedanoriyuki/

2010年にアカウントを開設し、ちょこちょこ更新してはいたものの、イマイチおもしろくなく放っておいたInstagram。会社のスーパーインスタグラマーに薦められ秋から復活したらもうおもしろくておもしろくて…。

キャンプ場で「あ!XXXさんですか!いつもインスタ見てます!ファンです!今度取材させてください♫」って突撃したりとか、「もしかして池田さんですか?いつも見てます~☆彡」なんてやり取りが生まれて超楽しい。インスタをFacebookの延長線上で使っているうちはおもしろさが実感できない気がする。インスタはインタレストグラフに振り切るべきだったのね。

登山開始

「いつか再開したい」と思っていた登山を20年ぶりに復活(復活って言っても20代の頃2回しか登ってないけどね)

初回は会社の仲間に西丹沢の檜洞丸に連れて行ってもらった。写真はBefore。

命からがら登頂した頂上シーンは人に見せられる顔をしていないので割愛致しますm(_ _)m

ヤッホーブルーイングの超宴に参戦

これも行きたくてウズウズしていたヤッホーブルーイングの超宴2016。サイバーエージェントのわたさんに誘ってもらって20人くらいで行ってきたけど本当に素晴らしいイベントで涙がちょちょ切れた。

↓は感動して投稿したFacebookポスト↓

来年も必ず行く!

※ガイアの夜明けに一瞬映って後日歓喜

※後日、井手社長に会いたすぎて軽井沢本社まで押しかけちゃった♡(右から2番目)

来年もたっぷりよなよなエールと水曜日のネコとインドの青鬼飲みます。

湘南移住計画開始

年始に運命の土地と出会ったので、湘南移住計画を具体化させた。場所は鎌倉の稲村ヶ崎。引っ越しは2017年6月頃。

海街Diaryを観て移住を決定するとは夢にも思わなんだ…。

●2017年の抱負(仕事編)

熱狂ブランド戦略の普及啓蒙を加速させる

2016年に引き続き全力で取り組む。セミナーや社内勉強会講師を年30~40回。遅れてる本も書く。効果検証と有効なKPI設定にも取り組む。そして、熱狂戦略によって幸せになるクライアントとエンドユーザーを増やす。やりきる。

趣味メディアFunmee!!のファンを増やす

Funmee!!はまだ始まったばかりで認知度も低ければ記事を読んでくれる読者も少なければ、毎日使ってくれる会員も少ない。

2017年は(数値は言えないけど)2018年に向けてしっかりした手応えを感じることができるところまで成長させたい。そのためには、1にユーザー、2にユーザー、3・4もユーザー、5もユーザーだ。ユーザーが幸せになって、毎日来てくれれば、売上は後から必ず着いてくる。

そのために、Funmee!!のファンを増やす。秋に大規模なファンイベントもやる!数値を見ながらのグロースハックではなく、ユーザーの笑顔を見ながらグロースハックする。やりきる。

次の10年を描く成長戦略基盤をつくる

トライバルメディアハウスは、2017年3月22日に満10歳を迎えます。長かったようであっという間。あっという間のようで長かった。どちらもある不思議な感覚。

トライバルは「人類にオドロキと感動を! 人生にもっと熱狂を!!」届けるために社会に存在しています。これまでの10年間を支えてくれた全ての方と機会に感謝し、次の10年を描く新たなチャレンジを開始します。詳細はまた追って☆彡

●2017年の抱負(個人編)

本格的なDIYに取り組む

せっかく家を建てるので、流行りのハーフビルド(とまでは行かなくても…)本格的なDIYに取り組んでプロセスを楽しもうと思ってます。

コスト削減もあり…すでに外壁塗装、内壁塗装、タイル貼り、薪ストーブスペースのレンガ積み、ウッドデッキづくり、車のガレージづくり、庭の芝張りは自分でやらなきゃならないことが確定してるし、この際、工具も一式揃えて頑張るぞと。親父大工だし!

目指すはカリフォルニア工務店岩切さんの自邸のようなサーファーズハウス☆彡

※岩切さんはFunmee!!でも取材させていただきました♫

カリフォルニア工務店代表・岩切剣一郎さんのDIY哲学「かっこいいものがないなら、自分で作ればいい」
https://funmee.jp/articles/34fd7b24316f5ffcf5385ecaeea04f3866e0f0a3

男前すぎて悔しい。

上高地・涸沢カールからの奥穂高登頂と、下ノ廊下踏破

この前、20年ぶりに山に登って、下山直後は(つらくて)「もう二度と山なんて登らない!」と思っていたものの、喉元過ぎるとやっぱりあの達成感は病み付きになる…。

ということで、マンガ「山と食欲と私」や「岳」でもおなじみの上高地・唐沢カールテント泊からの奥穂高登頂を目指したいと思います。3泊4日で。

画像出典:http://www.kamikouchi.info/

美しすぎるだろ…。

あと、先日、ある人から薦められた下ノ廊下。

画像出典:http://portal.nifty.com/kiji/121113158335_1.htm

やばい…。落ちたら確実に死ぬ。でも、なぜだか行ってみたい。やりきってみたい。死ななかったら2018年にお会いしましょう。

※これ読んでみて!:命がけの紅葉狩り~黒部峡谷下ノ廊下を歩いた
http://portal.nifty.com/kiji/121113158335_1.htm

海釣りからの三枚おろしからの男料理にチャレンジ

せっかく湘南に引っ越すし、最近ボート乗れてないので、これを機に海釣りを覚えて、アジやサバ、鯛あたりを狙いに行こうかと。

そして、釣るだけじゃなんなので、こだわりの出刃包丁も買って、憧れの三枚おろしとか覚えちゃって、魚をおいしく料理するできる男を目指してみようかと思います。

四万十川サバイバル下り

エイ出版のキャンプイベントFEEL Earthで出会った四万十塾・塾長の木村(193cm)さんが運営する4泊5日の四万十塾カヌートレックに参戦する!

出発したら5日間トイレ無し、寝床は川べりでキャンプという本格的なのアウトドアトリップ。

一生忘れられない思い出になると思う。

ということで最後に2017年の活動コンセプト…は、2016年とまったく同じ。

人の二倍働き、人の二倍遊ぶ。全てが仕事で、全てが遊びである。
ワークライフミックス(平日も週末も全てオン。好きなことをどんどん仕事にする)
遊ぶように仕事をし、仕事をするように全力で遊ぶ
熱狂の渦中で生きる(仕事も私生活も熱狂、熱中、夢中、没頭をテーマに生きる)

皆さん、2016年もよろしくお願い致します( `・∀・´)ノ

池田紀行

趣味メディアで世の中をハッピーにしたい編集者(正社員)募集!

8 years 11ヶ月 ago

トライバルメディアハウスは、2016年12月12日に、好きがもっと好きになる、好きが広がる次世代趣味メディアFunmee!!(ファンミー)を立ち上げました。

立ち上げの背景やFunmee!!が目指す世界についてはこちらにまとめてありますので是非ご一読ください。
http://www.ikedanoriyuki.jp/?p=5716

「好き」を仕事にしたい編集者大募集!

Funmee!!では、「好きがもっと好きになる。好きが広がる。」のコンセプトに共感し、コンテンツの企画・編集を一緒に推進していってくれる仲間を大募集しています!

応募資格は、社会人経験2年以上で、Web媒体での編集 or ライター経験がある方。Funmee!!の公式トライブ(キャンプ/DIY/湘南ライフ/ビール/カレー/パン)にハマっている方は特に大歓迎です。

※ちなみに、これから立ち上げる公式トライブは、コーヒー、登山、釣り、柴犬などを予定していますので、そっち方面が好きでたまらないヘ(゜▽、゜*)ノジュルリ…な方も大歓迎です。

※Funmee!!では、今後さまざまな領域にトライブを拡大し、無限の「趣味メディア」として進化・拡張していくプラットフォーム構築を目指しています

具体的な仕事の内容

Funmee!!に掲載する記事の企画・編集・取材・ライティングなどの制作全般を一緒にやっていただきます。

また、単にコンテンツの企画・編集に携わっていただくだけでなく、これからFunmee!!をどうやって進化・拡大させ、世界をハッピーにしちゃうか!?という作戦会議にも参加していただきます。

編集としての仕事だけでなく、メディア開発や事業開発を経験してみたい方には絶好の環境だと思います☆彡

読者のハートを動かしたい! Funmee!!コンテンツの3要素

Funmee!!に載せるコンテンツは、以下の3つを軸に企画・編集しています。

● 「WOW」があるか?
– 驚きや感動がある、新しい発見
● 「STORY」があるか?
– 筆者or取材先の、こだわりや背景
● 「PASSION」があるか?
– 楽しい!伝えたい!という気持ち、情熱

Funmee!!の使命は、「やってみたい!」「行ってみたい!」という読者の「意向」をつくること(心を動かすこと)。

趣味のある人生を愉しみ、豊かで味わい深い人生を送るきっかけになってほしいと、本気で考えています。

そんな「読んでいてわくわくうずうずするコンテンツに必要なものってなんだろう?」と議論を重ね、この3要素をFunmee!!のアイデンティティとしました。

トレンドやお役立ち情報の紹介に止まらない、アツい想いやこだわりが伝わるコンテンツを一緒に創りましょう!!

Funmee!!で一緒に国民総幸福量を上げようぜ!!

僕は、Funmee!!を通して、本気で世界中の人をハッピーにしたいと思っています。本気で、国民総幸福量を向上させたいという使命に燃えています。

趣味を通して、好きがもっと好きになり、好きが広がり、毎日が豊かに彩られていく。熱中・没頭できる趣味を通して、仕事以外の仲間ができ、生きていることの幸せに厚みが出る。そして、そんな人生を楽しんでいる人が増えれば、社会が明るくなる。そんなお手伝いをしたいと思っています。

Funmee!!編集部は、あなたの「好き」を通して、世の中の「好き」をもっと増やし、みんなを幸せにする。そんな仕事ができる環境です。

ご応募・ご質問はこちらから。

※お問い合わせ種別は「その他」、件名に「採用について」と明記の上ご連絡ください(*^^*)

お会いできることを楽しみにしています☆彡

池田紀行

好きがもっと好きになる。好きが広がる趣味メディア「Funmee!!」がスタート!

8 years 11ヶ月 ago

2016年12月12日(月)13時、トライバルメディアハウスがずっと目標にしてきた「好きがもっと好きになる。好きが広がる」次世代趣味メディア「Funmee!!」をリリースいたしました!うれしい…。

●Funmee!!
https://funmee.jp/

●リリース
「好き」でライフスタイルが進化する!次世代趣味メディア
「Funmee!!(ファンミー!!)」β版を12月12日(月)にリリース
熱狂ブランド戦略を支援するトライバルメディアハウスがメディアプラットフォームを提供
http://www.tribalmedia.co.jp/pressrelease/10249

Funmee!!の概要

「好き」から始まるライフスタイルの確立を後押しする「趣味メディア」として、Funmee!!では、トライブ」を核としたメディアプラットフォームを提供していきます。

β版では6つの公式トライブ(キャンプ/DIY/湘南ライフ/ビール/カレー/パン)からスタート。これらの「トライブ」を垂直的コンテンツ(例:ビール)だけでなく水平的コンテンツ(例:ビール✕キャンプ)としても展開することでユーザーの興味喚起につなげ、一つの「好き」から新しい「好き」を派生させます。将来的にはユーザー発信の「マイクロ(非公式)トライブ」展開も視野に入れ、無限の「趣味メディア」として進化・拡大していくプラットフォーム構築を目指します。

Funmee!!トライブ図_ver02_赤

※トライブとは:「共通の興味関心やライフスタイルを持った集団」のこと。ここでいう「集団」は、空間的、目的的、心理的なもの全てを指します。リアルな場で集まる趣味仲間や、強いつながりを持つオンラインコミュニティ、より広義に捉えればInstagramのハッシュタグもひとつのトライブと捉えることができます。

「Funmee!!」の立ち上げ背景

「夢中になれるものがある人は幸せそうだ」「もっと趣味のある生活を送りたい」と思っているのに、始めるキッカケや情報が少なく、いつの間にか数年が過ぎていた――。少し趣味にハマり始めたのに、もっと夢中になれる情報や、一緒に盛り上がれる仲間が少なく、熱が冷めてしまった――。多くの人が、趣味のある生活や、味わいのある人生を送りたいと思っているのに、趣味やライフスタイルに関する記事や、共通の興味関心を持つ仲間たちと交流を深める場所が少ない。

好きがもっと好きになり、好きが広がっていく場所をつくりたい!そんな想いがつのり、このたびFunmee!!をスタートすることにしました。

「Funmee!!」が目指す世界

トライバルメディアハウスは、「人類にオドロキと感動を! 人生にもっと熱狂を!!」をミッションとしています。今回リリースしたFunmee!!は、好きなことがもっと好きになるだけでなく、そこから派生して、好きが広がっていくキッカケづくりに力を入れていきます。

例えばキャンプ。

普通にキャンプに行くだけでも十分楽しいけれど、DIYでオリジナルのローテーブルをつくったり、ビールにこだわったり、朝食のコーヒーやパンに凝ってみると、好きだったキャンプがもっと楽しいものになるはず。

Funmee!!は、好きなものがもっと好きに(垂直)、そして、好きが広がる(水平)キッカケを、記事やコミュニティづくりを通して提供していきたいと思っています。

「Funmee!!」の特徴

Webメディアへのアクセスのうち(おおよそ)70%以上がスマートフォン経由になったいま、「読まれやすい記事」は、キャッチーなタイトルで、文字数が少なく、画像が多い、すぐに役立つ「まとめ系記事」「Tips系記事」になりました。

しかしFunmee!!では、あえてその流れに逆らい「じっくり読んで、心に残る記事」「ふ~ん、へぇ~」で終わらず「行ってみたい!やってみたい!食べてみたい!」など、「気持ちが動く記事づくり」に挑戦します。

また、共通の興味関心を持った人たち、または周辺の趣味を持つ仲間が、リアルな場で交流できる機会づくりや機能を充実していきたいと思っています。

「Funmee!!」のマーケティングサービスとしてのこだわり

トライバルメディアハウスでは、顧客にオドロキと感動を届け、顧客から熱狂的に愛されているブランドを『熱狂ブランド』と呼んでいます。

技術発展によりモノが溢れ、コモディティ化と熾烈な価格競争が進む現代において、顧客に強く支持される『熱狂ブランド』こそが、企業の持続的な利益成長を支え、さらに言えば企業で働く従業員の心や人生をも豊かにする戦略であると信じています。

Funmee!!には、キャンプやDIYなど、「コト(趣味)」に熱中するユーザーが集まります。そして、コトに熱中する人たちの多くは、それぞれお気に入りの――熱狂する――ブランドを持っています。

トライバルでは、Funmee!!を通して、企業(ブランド)と顧客の相思相愛関係づくりを支援したいと考えています。

ユーザーは、好きなコトを通して、好きなブランドと様々な取り組みができる。企業(ブランド担当者)は、自社の熱狂顧客からいろいろな意見を聞いたり、イベントに参加してもらったり、一緒に商品開発やサービス改善に取り組むことができる。そんな、両者が幸せになる、相思相愛プラットフォームを目指します。

これからのFunmee!!にご期待ください!

ブランドへの熱狂を支援する「熱狂ブランド戦略」。そして、コト(趣味)への熱狂を支援するFunmee!!
その両者は、きっと山の頂上で出会うはず。

これからも、遊ぶように仕事をし、仕事をするように遊びます。そして、トライバルの社訓でもある「人の二倍働き、人の二倍遊ぶ。全てが仕事で、全てが遊びである」を体現すべく、キャンプ、ワーゲンバス、サーフィン、そしてこれからDIY(2017/2月頃から家の一部DIY、夏からガレージのハーフビルド開始)、登山(2016/12/18丹沢デビュー。2017年10月に紅葉の涸沢カールを目指します!)、料理(2017年夏に庭でカレー屋を開店)に邁進して行こうと思います。

これからもトライバルメディアハウス、Funmee!!、そしてついでに僕とも仲良くしてください!☆彡

PS
Funmee!!のソーシャルアカウントもよろしくお願いします(∩´∀`)∩ワーイ
https://twitter.com/funmeejp
https://www.facebook.com/funmee.jp/
https://www.instagram.com/funmee.jp/

池田紀行

長期的な利益を生み出す「熱狂ブランド」の戦略を学ぶ書籍12冊+αを読んでみた

9 years 10ヶ月 ago

久しぶりに日経BizGateのコラムを更新したので、ついでに関連本をまとめを。

こちらの記事、ぜひ読んでみてください。

購入金額だけで「顧客を格付け」する愚行 ~ 本当に大切にすべきは「熱狂する顧客」
http://bizgate.nikkei.co.jp/article/95643011.html

ということで、こちらでは長期的な利益を生み出す「熱狂ブランド」の戦略を学ぶ書籍をご紹介。


1. スノーピーク「好きなことだけ! 」を仕事にする経営

スノーピーク「好きなことだけ! 」を仕事にする経営 スノーピーク「好きなことだけ! 」を仕事にする経営
山井 太

日経BP社
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2年前からキャンプを初めて大好きになったキャンプ用品メーカー「スノーピーク」代表、山井太さんの本。スノーピークは、年間キャンプ場で数十泊もするハードキャンパーがこよなく愛する熱狂ブランド。スノーピーカーと呼ばれる熱狂顧客と熱狂的推奨者によって順調に売上を伸ばし、2014年12月に東証マザーズに上場を果たした。

160111_スノピ

同社決算説明資料「平成27年12月期第2四半期 投資に関する説明会」には、上記の通り顧客の育成ステップが明記されており、得意客、営業支援顧客、経営参画顧客などの顧客を巻き込んだ経営を重視していることが明記されている。「顧客満足ではぬるい。顧客を熱狂させるのだ」「熱狂顧客と熱狂的推奨者こそが、スノーピークブランドの持続的な競争優位の源泉である」という想いが伝わってくる。


2. 顧客が熱狂するネット靴店 ザッポス伝説―アマゾンを震撼させたサービスはいかに生まれたか

顧客が熱狂するネット靴店 ザッポス伝説―アマゾンを震撼させたサービスはいかに生まれたか 顧客が熱狂するネット靴店 ザッポス伝説―アマゾンを震撼させたサービスはいかに生まれたか
トニー・シェイ,本荘 修二,豊田早苗

ダイヤモンド社
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皆さんご存知の通り、ザッポスはネバダ州のラスベガスに本社を置き、米国とカナダで靴や衣料、アクセサリーなどを販売するEC事業者だ。靴のオンライン販売では米国最大で、1999年の創業からわずか10年後の2009年に12億ドルで米アマゾンに買収された。

ザッポスは自らを「靴を売ることになった顧客サービス企業」と称する感動創造企業である。「信じられないくらい素晴らしいサービスだった」「ザッポス最高!」「超音速の配送で、顧客サービス博士号持ちですね」など、感動のあまり涙ながらに書いた礼状を送る顧客がいるほど、ザッポスは顧客を感動させ、熱狂させている。

必読です。


3. シャオミ(Xiaomi) 世界最速1兆円IT企業の戦略

シャオミ(Xiaomi) 世界最速1兆円IT企業の戦略 シャオミ(Xiaomi) 世界最速1兆円IT企業の戦略
陳 潤,永井 麻生子

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多くの人は中国の携帯キャリアとして認識しているかもしれない謎に包まれた急成長企業シャオミの戦略について考察した本。「中国のスティーブ・ジョブス」の異名をとる創業者・雷軍(レイジュン)が打ち出す「インターネット思想」というコンセプトや「シャオミ方式」と呼ばれる戦略、ユーザーを囲い込む「参加感」の秘密に迫っている。シャオミの戦略は、集中(一機種しかつくらない)、究極(消費者の期待を超える)、口コミ、スピードの4つで、特に口コミが重視されている。携帯電話を売りだす前に、100人の熱狂顧客が参加するコミュニティフォーラムをつくり、驚くべきスピードで機能改良を果たし、熱狂顧客のSNSを使った口コミによって爆発的な成長を遂げたとされる。代表の雷軍(レイジュン)は、「飾らずに言えば、シャオミが売っているのは『参加感』なんだ」と言っている。

厳密な統計ではないが、シャオミフォーラムのユーザーは1000万人に達しており、QQ空間のユーザーは1000万人、ウェイボのフォロワーは300万強、ウィーチャットのフォロワーも280万人に上る。フォーラムやウェイボ、ウィーチャットを通じてできたコミュニティやファンクラブが様々な意見を出し、シャオミもそれを即座に商品に反映させる。このようなひとつひとつのやり取りのなかで、シャオミファンは自発的に口コミを広げていく。

フォーラムには商品開発担当者だけでなく、雷軍などの経営ボードメンバー、開発に携わるエンジニアも積極的に関わり、一日一時間以上もユーザーとのコミュニケーションに投じていたらしい。そこがすごい。また、ユーザーとのコミュニケーションでは「話し言葉で書け。聞いてすぐにユーザーが理解できることがすべてだ」「簡潔にしろ。ユーザーが実際に感じ取って、心が動かされるように」といったルールもあるそうな。シャオミは、とにかく徹底的に顧客に愛されることを志向しており、「ビーフン(シャオミの熱狂顧客)がいて、シャオミがある」という状態になっているとのこと。

口コミ、集中、究極、スピードの4原則について引用。

ユーザーが出した意見は、採用されるとたった一週間でMIUI(基本OS)のシステムに反映される。これは旧来の携帯電話メーカーでは想像もできなかったことだ。ノキア時代には3~5年にやっと1回システムが更新されるだけだったし、Appleの新システム発表は年に1回で、Googleですら四半期に1度だ。だが、シャオミは毎週1回の更新を厳守している。シャオミはその尋常ではない効率と、ユーザーとの密接なコミュニケーションによって、口コミを確立し急速に成長し、今に至っている。

もうひとつ、コミュニティやフォーラムにおいて理想的な状態の記載があったので引用。

シャオミフォーラムには毎日数十万の書き込みがあるプログラマーはそのすべてを読むことはできないため、書き込みの80%以上は、ユーザーが自発的に、他人の質問などに回答をしている。質問だけではない。「シャオミの社員は豚だ」というような悪意の書き込みや悪口にもユーザーは回答しており、問題は大変友好的かつ的確に解決されている。シャオミフォーラムには非正規の管理者であるユーザーがたくさんいて、彼らがBBSの管理を行い、重複した質問を消去し、深く話し合うべき問題にマークをつけ、そののちに、シャオミフォーラムの担当社員に報告している。シャオミのプログラマーの手許に届けられる書き込みは毎日数百にすぎないが、それらは非正規管理者による選別のおかげですべて新しい問題に限られ、同じ問題が重複することはない。このようにしてプログラマーたちは問題の解決に集中できるのである。

すごい。

その他シャオミの顧客に対する理念。

・顧客は友人である
・社員を管理するのは社長ではなくユーザーである
・経営において最善の手段は、すべてをユーザーに委ねること

最後にシャオミのマーケティングについて。

・最もヘビーなユーザーを満足させれば、他のユーザーを満足させることはたやすい
・現在必要とされているのは体験型マーケティングだ
・旧来のメーカーは1台の携帯電話を売ると、それで商売が終わったと思っている。しかし、シャオミにとってそれは商売のはじまりにすぎない

※しかし、良いことだけではない。シャオミは、限定発売を繰り返すことによって飢餓感商法と揶揄する者も多い。これから真価が問われるが、ここまで熱狂戦略を実践するブランドも少ない。ぜひ研究してみて欲しい一冊。

こちらも読んでみるとおもしろいですよ。僕も同じこと(中国製品は安かろう悪かろう)思ってました。

●激安8コアスマホ「Mi 4i」に触れればXiaomiがなぜ急成長できたのか一発で分かる(Gigazine)
http://gigazine.net/news/20150725-xiaomi-mi-4i-review/


4. 利益を生み出す熱狂ブランドの作り方

利益を生み出す熱狂ブランドの作り方 利益を生み出す熱狂ブランドの作り方
アレン・P・アダムソン

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いかにして偉大なブランドが構築され、優位性を保ち、トップの座を守っていくかについてまとめられた一冊。『優位に立つすべての企業は、自社ブランドのベースとなる「魔力(フォース)」を常に肝に銘じている。』『すべてのものを象徴しようとするブランドは、結局、何も象徴することができない』と説く。

 成功し続けるブランドがある一方、急速に人気を博し、同じような勢いで消えていくブランドがあるのはなぜか?
 優れたニッチブランドは高度に差別化されていて、ある特定の顧客にとってその違いに高い価値がある。
 だからこそ、マーケッターは、人々の関心が高い上に誰も見たことがないような何かを、見つけなければならない。
 しかし、史上の変化の激しい今日においては、そだだけでは十分ではない。
 優位に立つためのさらなる原動力が必要になる。
 それは、「熱狂」だ。
 成功するブランドは、顧客を熱狂させるエネルギーを持っている。
 熱狂は、「顧客」を「信者」へと変え、巨大な利益を生み出す。
 GE、アップル、ザッポス、それにアマゾンといったトップブランドは、いかに優位性を確立し、維持しているのか?
 本書は、あならのブランド構築戦略において、即座にかつ効果的に実行できる貴重な見識を授けてくれるだろう。

でも、言っていることは、「顧客が他者に話したくなるようなストーリーやWOW体験をつくってソーシャル拡散!」という平凡なものだった。うぅ…。


5. ムーブメント・マーケティング 「社会現象」の使い方

ムーブメント・マーケティング 「社会現象」の使い方 ムーブメント・マーケティング 「社会現象」の使い方
スコット・グッドソン,山田 美明

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副題の通り、「社会現象のつくり方や使い方」について考察した本。PR本に多い「流行のつくりかた」とは少し違うアプローチをとっている。そもそもムーブメントとは何なのか?について明確な記載が無いので、自分的に整理すると、「ムーブメントとは社会的課題が人々のつながりによって動的に解決されていくプロセスである」または「ムーブメントとは、世の中に兆しのあるテーマを見出し、世の中ゴト化や仲間ゴト化を促進させることによってブランドマーケティングを行うこと」と言える。

ジャパニーズカルトのムーブメントを創出することによってオニツカタイガーを話題化させた事例や、ペプシのリフレッシュプロジェクト(コーズマーケティング)、生活共同体を築きたいコ・ハウジングムーブメントの事例などが紹介されている。

また、著者は本書の中でムーブメントとトライブの違いについてこんな考察をしており、興味深い。

マーケティングの第一人者であるセス・ゴーディンは、その著書『トライブ 新しい”組織”の未来形』(翻訳:講談社)の中でムーブメントのことを、「あるアイデアや信念が、情熱によりコミュニティ全体に広がる現象」と記している。私は、ムーブメントに参加する人を”トライブ(同族)”と呼ぶゴーディンには必ずしも賛成できない。いろいろな意味でムーブメントは同族的ではない。一般的にムーブメントは民主的で、参加したい人すべてに門出を開いているため、結果的にさまざまなタイプの人が集まるからだ。

ムーブメントは同族の集まりではない。

世間には、ムーブ園とは”トライブ(同族)”の集まりだという誤った認識がある。”同族”とは、先述したセス・ゴーディンらが世に広めた言葉である。しかし私は、ムーブメントに関してこの単語を使うことに異議を唱えたい。”同族”は、グループ内のメンバーが同質・同種であることを意味しているからだ。”同族”という言葉は主に、民族、伝統、居住地などを同じくする人に対して使われる。一方、ムーブメントの場合、全く異なる人々、さまざまな地域のありとあらゆる種類の人々が集まる。彼れが共有しているのは、ムーブメントの中心にある基本的な考え方や、それに対する情熱だけだ。

共通の興味関心を持ったトライブ(部族)の中にも異質な人たちはいるだろ、と思いつつ、言葉の定義って大切よねと。僕の考えるトライブの定義はシンプルで、「共通の興味関心やライフスタイルを持っている」ことだけ。例えば、湘南トライブであれば、湘南居住者が多いだろうけど都内在住で湘南スタイルに憧れる人も含まれるだろうし、サーフィントライブであればサーフィンが好きなだけで性別や居住地関係ないし。誤解しがちなのは、サーフィントライブにもショートボードトライブとロングボードトライブがいたり(お互いそんなに仲が良くない)、湘南トライブと千葉トライブ(居住地や場所としての嗜好)がいたりすること。イメージとして、トライブ内で起こる動的な動きがムーブメントなのかな、と思ってます(ムーブメントが形成されるプロセスでトライブが生まれることもある)

ちなみに、本書の中で

最初の”伝道者”が重要。

社内文化の改革をこれほど重視する理由はほかにもある。それは、企業の従業員がムーブメントの最初の”伝道者”となるからだ。従業員は、社内文化の改革次第で、社外にメッセージを伝える最初の人間になるかもしれない。あるいは、日常的な活動全体を通じて、ムーブメントの理想に従って行動する人間になるかもしれない。

(中略)そこでペディグリーはまず、企業活動の手引き書となる”ドグマ”(Dogとかけている。我が社の活動はすべて犬のため、という意志を示すもの)を作成しました。従業員全員に、今後のペディグリーの活動指針を伝えるパンフレットです。ペプシやペディグリーにこのようなアイデアを提示した時、私はこう言いました。「自社が信じる理念に賛同してくれる消費者を獲得したいのであれば、ムーブメントを生み出す必要があります。そのためには、自社がその理念を信じていることを態度で示した上で、同じリストバンドやTシャツを身につけてムーブメントに参加するよう大衆に呼びかけなければなりません」

という記載と事例紹介があって、「熱狂ブランド戦略をより強固なものにするためには、熱狂社員の存在や巻き込みが重要」という自分の主張と同じで自信を深めた。


6. パーミッション・マーケティング

パーミッション・マーケティング パーミッション・マーケティング
セス・ゴーディン,Seth Godin,(序文)ドン・ペパーズ,Don Peppers,谷川漣

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「マーケットシェアから顧客シェアへ」という潮流が生まれた1990年代後半に書かれたセス・ゴーディンによる全米大ベストセラーである本書。「(新規顧客ではなく)既存顧客の70%に焦点を当て、利益を増やす」。そのためには、「顧客に心を開いてもらう=パーミッション」を獲得することが重要であることを説いている。「パーミッションはプロセスであって、瞬間のものではない」 「パーミッションはいつでもキャンセルされうるものである」といったソーシャルメディア時代における企業と消費者の関係性の本質が書かれています。リレーションシップマーケティング(関係性マーケティング)やCRM(Customer Relationship Management)の本質を理解するためにも読んでおきたい一冊。


7. 顧客の信頼を勝ちとる18の法則-アドボカシー・マーケティング

顧客の信頼を勝ちとる18の法則-アドボカシー・マーケティング- 顧客の信頼を勝ちとる18の法則-アドボカシー・マーケティング-
山岡 隆志

日本経済新聞出版社
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アドボカシーマーケティング(徹底的に顧客側に立って物事を考え実行する信頼ベースのマーケティング手法)を学ぶなた間違いなくこの一冊。アドボカシーマーケティングの権威であるグレンアーバン教授に師事した山岡氏が著した渾身の一冊。究極まで顧客利益を優先した(売り手主導型ではなく顧客主導型の)マーケティングを行うことによって、企業と顧客の間に長期的な信頼やロイヤルティが形成され、売上および利益が向上することを解説している。高いロイヤルティが形成された顧客は、単なるファンではなくブランドのエバンジェリスト(伝道者)になって次のお客様を連れてきてくれる。世の中がデジタルやソーシャルだからこそ、思想や企業哲学について学んでおきたい。


8. 売上につながる「顧客ロイヤルティ戦略」入門

売上につながる「顧客ロイヤルティ戦略」入門 売上につながる「顧客ロイヤルティ戦略」入門
遠藤 直紀,武井 由紀子

日本実業出版社
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今回紹介している本の中で最も強く推奨したい一冊。全員必読です。

以下「はじめに」から引用。

 本書では長期顧客志向の経営を実践し、顧客が喜び、その結果、継続的に収益がもたらされるための方法論を紹介する。
 これまで企業が散々取り組んできた顧客満足(CS)活動と、本書で紹介するロイヤルティ経営は、似て非なるものである。前者が顧客の期待にしっかり答えることを目指すことに対して、ロイヤルティ経営は顧客の期待を良い意味で裏切るレベルまで目指す。
 「この会社はこんなに親身になってくれるんだ」と感動した経験のある顧客は、企業に対して強い愛着を感じ、他社の誘惑には決して乗らず、「この会社はいいよ」と人におすすめし、より長くその企業を支える存在になってくれる。今いる顧客基盤をテコに新規事業を構想する経営者は多いが、ロイヤルティのない顧客は、いくら長年の付き合いがあっても新商品に見向きもしない。(中略)
 モノにあふれ、顧客の気持ちも移ろいやすい今、企業はロイヤルティ創出から目をそむけられない状況にある。そして、短期的利益重視の経営と長期的視点に立った顧客価値重視の経営では、後者のほうが好業績を生むことは、数多くの事例研究からすでに明らかになっている。

自分が言いたいこと(セミナーで熱弁していること)の多くが、すでに言語化&理論化されていることに強い嫉妬と悔しさを感じつつ、心の底から賞賛の声を上げたい。ビービットさんすごい。ということで、皆さん読んでください。


9. サポーター論~一度きりのお客さんが熱狂的サポーターに変わる!

サポーター論 ~一度きりのお客さんが熱狂的サポーターに変わる!~ サポーター論 ~一度きりのお客さんが熱狂的サポーターに変わる!~
勝村 大輔

ギャラクシーブックス
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Amazonでひっかかったので一読。

<ファン>
・観戦する人
・楽しむ人
・夢を見る人
・LOVE

<サポーター>
・応援する人
・支持者・賛同者
・夢を共有する人
・クレイジー

と、ファンとサポーターを分け、サポーターを増やすことを提唱。また、ファンにないサポーターの特徴として「当事者意識」を挙げている(ただ単に好きなだけでなく、そのブランドやお店の当事者として振る舞う)。サポーター論という題名ですが、サッカーやスポーツに限ったことでなく、熱狂顧客や熱狂的推奨者が、いかに持続的な利益の源泉となってくれているかを説いている。


10. ネットコミュニティの設計と力 つながる私たちの時代

角川インターネット講座 (5) ネットコミュニティの設計と力 つながる私たちの時代 角川インターネット講座 (5) ネットコミュニティの設計と力 つながる私たちの時代
近藤 淳也

KADOKAWA/角川学芸出版
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はてな代表取締役会長の近藤淳也氏によるネットコミュニティ設計のハウツー本。熱狂ブランドを育成するためには、ブランドと顧客、顧客と顧客がコミュニケーションをとり、熱量を上げていくコミュニティが設置されることが多い。しかし、このコミュニティというもの、とにかく設計と運用が難しい。それを証拠に、2000年代に開設された多くのブランドコミュニティは、そのほとんどが閉鎖されている。

本書では、はてなの近藤氏だけでなく、ネット界で著名な実践家(Hagexさんやnanapiのけんすう君)によるコミュニティ運営術やつくり方について、そのノウハウをあますところなく公開してくれている。めちゃくちゃ参考になるので読んだほうがいい必読の一冊。


11. Hooked ハマるしかけ 使われつづけるサービスを生み出す[心理学]×[デザイン]の新ルール

Hooked ハマるしかけ 使われつづけるサービスを生み出す[心理学]×[デザイン]の新ルール Hooked ハマるしかけ 使われつづけるサービスを生み出す[心理学]×[デザイン]の新ルール
ニール・イヤール,ライアン・フーバー,Hooked翻訳チーム,金山 裕樹,高橋 雄介,山田 案稜,TNB編集部

翔泳社
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これまたおもしろい本でした。人びとがなぜこんなにもTwitterやFacebookやInstagramにハマるのか、実践的な心理学に基いてまとめられています。

本の中で紹介されているのが下図のフックモデルというもの。

外的・内的なトリガーによって「習慣化」のきっかけをつくり、簡単なクリックやスクラップによって行動を促し、人との「つながり」や「承認」によって報酬を与え、フォロワーの蓄積や完全にパーソナライズされたお気に入りコンテンツのスクラップ(リスト)などによってサンクコスト(埋没原価)を生み出させ、離脱を防止する(投資)という、ユーザーをハマらせる仕掛けと仕組みが抱負な事例とともにまとめられている。

メディアやコミュニティ担当者、もしくはそれらを立ち上げたいと考えている人にとって必読の一冊。


12. 小さな会社を強くする ブランドづくりの教科書

小さな会社を強くする ブランドづくりの教科書 小さな会社を強くする ブランドづくりの教科書
岩崎 邦彦

日本経済新聞出版社
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最後に。熱狂ブランドの戦略を学ぶ前に、とても奥が深いブランドマーケティングの全体像や体系を学んでおくことをお勧めしたい。難解な本が多い中、個人的に良かったのはこちらの一冊。タイトルに「小さい会社を強くする~」とあるが、街のパン屋さんや中小企業の話ではない。年間数百億円~数千億円を売り上げる巨大ブランドにおいても普遍的で重要なことがわかりやすくまとめられている。ぜひ手にとってもらいたい一冊。


番外編

いわゆる「熱狂戦略」とはずれるけどおもしろかった本はこちら。

ぼくらの仮説が世界をつくる

ぼくらの仮説が世界をつくる ぼくらの仮説が世界をつくる
佐渡島 庸平

ダイヤモンド社
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宇宙兄弟や働きマンやドラゴン桜をヒットさせた敏腕編集者、佐渡島庸平さんの著書。人生を最高に楽しむための仕事の仕方について考えさせてくれる本。めちゃくちゃ良書なので、超お薦めです。下記引用。

 世の中を変える「ドミノの1枚目」は、どこにあるのか?
 魔法のような一手は、どこにもありません。誰も気付いていない、秘密の楽な方法なんてものは、どれだけ論理的に考えても、どれだけ未来を予測しても、見つからないでしょう。
 1枚目のドミノは「基本」である、ということを述べましたが、実はそれよりも大切なものがあります。
 1枚目のドミノ、それは、「たった一人の熱狂」です。
 熱狂している人が、仮説を立てること。それが、2枚目のドミノ。
 3枚目のドミノは、もう一人では倒すことができません。熱狂している人のまわりに集まってきている人たちが倒すのです。
 それで、やっと、ぼくらの仮説が世界をつくることができるのです。

しびれます。必読。


熱狂するシステム

熱狂するシステム (シリーズ社会システム学) 熱狂するシステム (シリーズ社会システム学)
中井 豊

ミネルヴァ書房
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個人の熱狂というより、社会に流行が発生するメカニズムの科学的解明にアプローチしている一冊。ロジャースのイノベーター理論を細かく解説している印象。自分ゴト化、仲間ゴト化から世の中ゴト化に至るプロセスに迫っている。学術的な本なので、理論をおさらいしておきたい方は読んでみても良いかも。


熱狂する社員 企業競争力を決定するモチベーションの3要素

熱狂する社員 企業競争力を決定するモチベーションの3要素 (ウォートン経営戦略シリーズ) 熱狂する社員 企業競争力を決定するモチベーションの3要素 (ウォートン経営戦略シリーズ)
デビッド・シロタ,スカイライトコンサルティング

英治出版
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熱狂ブランドは熱狂社員から生まれる。自身が担当している商品を、身内には薦めたくない担当者が多いブランドに未来はないからだ。

本書は、熱狂ブランドを育成するための熱狂社員育成本ではないが、経営層やマーケティング本部長、ブランドを統括的に管理するブランドマネージャーは読んでおきたい一冊。①公平感、②達成感、③連帯感の3つをモチベーションの源泉とし、それぞれ細かく解説してくれている。

うちも頑張ります。


社員をサーフィンに行かせよう―パタゴニア創業者の経営論

社員をサーフィンに行かせよう―パタゴニア創業者の経営論 社員をサーフィンに行かせよう―パタゴニア創業者の経営論
イヴォン シュイナード,Yvon Chouinard,森 摂

東洋経済新報社
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THE NORTH FACEと並んで好きなアウトドアブランドであるpatagonia創業者による経営論。百年後も存在する経営を志向し、無理な成長よりも環境との共生や「持続可能性」を重視する。ほとんど広告を打たず、pagagoniaの熱狂顧客と熱狂的推奨者によるクチコミこそが持続的な成長を実現すると提唱している。

人事の理念で紹介されていたのは下記の言葉。

「人生の達人は、仕事と遊びに区别も、労働時間と余暇、心と体、教育と娯楽の区别もつけない。両社の違いがわからないのだ。何をするのであろうとひたすら至高の状態を求め、仕事か遊びかの判断は他者に委ねている。本人にしてみれば、常に両方を行っているようなものだ」―― フランソワ・オーギュスト・ルネ・シャトーブリアン

社員は、サーフィンだろうが、クライミングであろうが、育児であろうが、勤務時間に関わらず、好きに自己で判断して仕事に取り組めば良い。

もしサーフィンに行くことで仕事が遅れたら、夜や週末に仕事をして遅れを取り戻せばいい。そんな判断を社員一人一人が自分でできるような組織を望んでいる。

理想だ…。


※こちらに「熱狂ブランド戦略」についてまとまってます。合わせてぜひ。

購入金額だけで「顧客を格付け」する愚行 ~ 本当に大切にすべきは「熱狂する顧客」
http://bizgate.nikkei.co.jp/article/95643011.html

池田紀行

2015年の振り返りと2016年の抱負

9 years 11ヶ月 ago

大晦日なので久しぶりに今年の振り返りと来年の抱負を考えてみる。個人メモなので一部の池田フェチ以外は読んでもたぶんつまらないです。ご注意ください。

●2015年の主要トピック(仕事編)

ベトナム支社設立

1月に念願だったベトナム支社Tribal Media House Technology Lab.(通称テックラボ)を設立できた。TechLab.は自社プロダクトの開発力を劇的に向上させる開発拠点。日本から取締役と敏腕エンジニアの二人が張り付きで赴任してくれているから立ち上がり順調。品質を担保しながらエンジニア30人体制まで拡大させる予定。

ASEANづくしの夏

某クライアントさんの某仕事が始まり、夏はインドネシアのジャカルタとベトナムのホーチミンに出張。ついでにTechLab.の新オフィスがあるハノイにも足を伸ばす。翌週には夏休みで今度はベトナムのダナンに。7月にはad:tech ASEANでシンガポールにも行ったしASEANづくしの夏だった。写真はジャカルタで入った韓国料理屋で注文したマッコリが酸っぱすぎることを体で表現する弊社マネージャー。

今年もたくさんしゃべった

宣伝会議や日本マーケティング協会、クライアント社内などで70回ほどセミナーや勉強会講師をやらせていただいた。テーマは熱狂✕共創が40%、ソーシャルが40%、その他が20%。毎年だいたい60回くらいなので今年は少しだけ多かった。

スタッフが90名くらいまで増えた

新卒9人+中途に加えてベトナム現地採用日本勤務の新卒3人が入ってくれて日本は正社員が約70人。常勤してくれてる派遣・契約・業務委託スタッフが約10人。ベトナムはエンジニアと管理系社員で約10人。おかげさまですくすく成長しています。来年はいよいよ100人体制。いわゆる「マネジメントの100人の壁」を突破すべく、みんなで力を合わせて頑張りますです。

既存サービスを粛々と

今年は既存サービスを粛々と進めた一年だった。トライバルに仕事を任せてくれたお客さんの期待に応えるべくもっともっと頑張らないといかん。


●2015年の主要トピック(個人編)

すっかりサーファー気取り

ほぼ毎週末千葉北に通って波にのまれる。サーファー歴一年半。最近ようやく少し斜めに滑れるようになってきた。夏よりも冬の方が道も海も空いてるから好き。真冬にブーツとグローブはめて海に入るなんて思いもしなかった。GWには新島までサーフトリップとか行っちゃうし。人って変わるのね。

すっかりワーゲンバス乗り

2014年10月に買ったワーゲンバスと春夏秋冬を過ごす。クラッチワイヤーが切れたり、ウインカーがつかなくなったり、オーバーヒートでエンジン止まったりしたけど、やっぱりこいつが可愛くて仕方がない。どんな感じで乗ってあげると無理なく走れるのか、一年乗ってようやく癖がわかってきた。来年もこいつと一緒にいろんなところに行きたい。

すっかりキャンパー気取り

ワーゲンバス乗りにはキャンパーが多いということで、去年の11月から始めたキャンプにはまるはまる。特に、楽しい仲間、うまい酒と料理、ガラガラのキャンプ場、冷たい空気と綺麗すぎる星空、いつまで眺めていても飽きない焚き火の5点セットが揃う真冬キャンプは最高。夢は一ヶ月の1/4(一週間)をキャンプ場で仕事すること。

まだまだだけどボート乗りに

念願だった船舶2級免許を取得。YAMAHA SeaStyleにも入会して東京湾クルーズを数回楽しむ。ボート超楽しい。写真は弊社取締役。


●2016年の抱負(仕事編)

新規事業をリードする

トライバルは来年いよいよ10年目。機は熟した。ということで2016年はずっとずっとやりたかった新規事業を立ち上げてリードする。キーワードは社名でもあるTribes。絶対成功させたる。

熱狂戦略に取り組む

三年弱共創サービスに取り組んでわかったことは、共創は熱狂顧客を育成する手段として最高の施策であること。そして、熱狂顧客の存在こそがブランドの持続的な競争優位の源泉になることへの確信が持てた。2016年は、もういちど顧客ロイヤルティやアドボカシーに注目し、熱狂顧客を有する熱狂ブランドの生態を掘り下げてみたい。そして久々に本書く。

スタッフと共に生きる

100人の壁とは、会社の成長にマネジメントがついていかずに組織が崩壊すること。どんなに注意して事前準備して臨んでもだいたい起こってしまうらしい。だからこそ、現場スタッフのみんなに寄り添いながら、そして会社を引っ張るリーダーとしての強い意志を持って一年を過ごしたい。社員が公私混同をしながら、好きなことがもっと好きになる仕事ができて、会社を利用しまくれる環境をつくりたい。相当大変だと思うけど、のっぽさんの言葉を噛み締めながら必ずやり遂げる。


※出典:Google画像検索先生

一年は8,760時間。強い意志で時間配分する

To Doリストをこなす一年にしない。何をやって、何をやらないのかを明確に決め、年間の時間配分をキッチリ決め、月に一回PDCAを回す。2016年は、新規事業開発に25%、熱狂戦略の実践と既存事業推進に35%、セミナーや勉強会講師に20%、マネジメントと社長業に20%の時間配分で臨みたい。


●2016年の抱負(個人編)

週イチサーフィン、月イチキャンプを維持

このペースはデフォルト。加えて、夏は海外サーフトリップ、キャンプはスノーピーカーの聖地、スノーピーク社ヘッドクオーター(新潟)でキャンプする。

※出典:minkara.carview.co.jp

湘南移住計画を進める

当初はサーフィン用として千葉にセカンドハウスを建てて二拠点生活をしようと思って物件探してたけど、急転直下方針を変えて、もう稲村ヶ崎に家建てることにした。写真は稲村ヶ崎R不動産のオフィス。こんな感じの家を建てる。これから土地を探して、設計して、建てるから、たぶん引っ越しは再来年の2017年。ちなみに地元は横浜市と鎌倉市の境目あたり(本郷台)で、ばあちゃんが西鎌倉なんで小さいころから江ノ島で遊んでたからあのへんは地元っちゃ地元なんす。まずは土地探し。じっくりじっくり。

最もプライオリティが高い仕事は健康管理

もうすぐ43歳。人間ドックでいろんなところが引っかかるようになってきた。特にコレステロールと腎臓系に黄色信号。ビジョンを実現するための仕事も、サーフィンもキャンプも、とにかく健康な身体がなきゃ何もできない。いますぐやらなくても明日死ぬわけじゃないから先延ばしにしちゃいがちな健康生活をちゃんとする。あすけんをちゃんとつける。チャリ通維持。週に一回はジムでボクササイズ。酒を飲み過ぎない。睡眠時間6時間~7時間目標。たまの徹夜もあるだろうけど、短距離走じゃなく長距離走を意識して仕事する。


ということで最後に2016年の活動コンセプト。

人の二倍働き、人の二倍遊ぶ。全てが仕事で、全てが遊びである。
ワークライフミックス(平日も週末も全てオン。好きなことをどんどん仕事にする)
熱狂の渦中で生きる(仕事も私生活も熱狂、熱中、夢中、没頭をテーマに生きる)

皆さん、2016年もよろしくお願い致します( `・∀・´)ノ

池田紀行

デジタルマーケティングの全体俯瞰図

10 years 4ヶ月 ago

仕事でまとめる必要があったので、デジタルマーケティングの全体俯瞰図をつくってみました。

150730_デジタルマーケティングの全体俯瞰図_ver01

大きく表示→ 150730_デジタルマーケティング全体俯瞰図_ver01
※フォントが小さいのでプリントアウトする場合はA3推奨です

適宜更新して行きたいと思っているので、追加した方が良い情報や間違いなどあればコメントください!

池田紀行

20代にやっておくべき10のリスト(ややストイック編)

10 years 5ヶ月 ago

先週、Facebookで「今だからこそすべき!20代にやっておくべき10のリスト」という記事が回ってきて、42歳になった自分が書くならどんな内容になるのかなぁ…と思ったので、個人的な「20代にやっておくべき10のリスト」(ややストイック編)を書いてみることにする。

ちなみに、前記事で書かれていた10のリストは下記の通り。

1. セルフィッシュに生きる
2. 計画的に貯金する
3. たくさん写真を撮ろう
4. 両親に感謝しよう
5. ニュースを見る
6. 親友と旅行をする
7. たくさんデートをする
8. ワーキングホリデーで海外に行く
9. 夜遊びを楽しむ
10. ハッピーに笑って過ごす

僕の考える「20代にやっておくべき10のリスト」(ややストイック編)は下記の通りである。

1. 狂ったように本を読む

まず、社会人0年目~7年目くらいの20代のときは、ビジネス社会において圧倒的に知識が足りていない。仕事は「社会をより良くするために、自らの使命と情熱を燃やし、それを実現させていく営み」なわけだけど、そのためには経験が必要だ。そして経験を積むためには(経験するチャンスを獲得するためには)上司が隣の人より仕事を任せたくなる知識が最低限必要となる。四の五言わず、まずはインプットだ。

この世で最も効率的な勉強法は本を読むことである。先人の教えをたったの1,400円~2,000円くらいでその一部分を吸収させてもらうことができる。狂ったように本を読もう。毎月の本代は(最低でも)手取り給料の1/10くらいを目安にすると良い。手取り給料が20万円なら2万円だ。1,500円の本が13冊も買える。週に2~3冊読む計算となる。そんなに読めないって? では、あなたは10年後も「普通の人」ということだ。

2. その道の先輩とサシ飲みに行かせてもらう

読書は最も効率的な知識吸収法だが、読書などで吸収した知識を咀嚼・解釈し、腹に落とすためには、その道のプロとして第一線で戦っている先輩の話を聞くのが一番だ。そして、話を聞くのに一番良いのが、一緒に酒を飲む機会を持たせてもらうことだと思う。ただし、これは複数人ではなく、できる限りサシ飲みが望ましい。複数人数での飲み会だとどうしても話が散漫になってしまうが、サシ飲みならしっかりと自分と向き合ってもらうことができる。

ただし、その道の先輩は忙しい。特に社外の人をお誘いする場合、「自分が会うに値する人間かどうか」が重要となる。そのためにも、一定レベル以上の知識を持ち、自身のレベルを向上させておかなければならない。また、社内外を問わず、先輩をお誘いする場合は、お会いしたい想いや自分がどんな価値を提供することができるのか、誠意を持ってお伝えしよう。間違ってもFacebookメッセージなどでいきなり「もしよければ飲みに行ってください」などと送りつけないように。

3. 累積矢面時間を蓄積する

矢面(やおもて)時間という言葉は初耳かもしれない。この言葉は、野村総合研究所 ICT・メディア産業コンサルティング部 主任コンサルタントである鈴木良介氏の言葉である。野村総研には、その道のプロフェッショナルであるコンサルタントが大量に在籍している。鈴木氏は、そんな魑魅魍魎なプロが跳梁跋扈する世界の中で、「ビッグデータといえば鈴木」というポジションを獲得している、若干35歳の気鋭コンサルタントだ。

鈴木氏は、「戦略的・計画的に自身のキャリアをつくっていくためには、どれだけクライアントとの矢面に立ち、成功と失敗の経験を積んだか。それに尽きる」と説いている。僕もこの意見には大賛成だ。クライアント先で会議に参加していても、ただ座っているだけでは累積矢面時間は蓄積されていない。宿題をもらって会社に返ってきて、会社で提案書や報告書を作成していても、クライアント先でそれをプレゼンしない人間はどこか他人ゴトで仕事をしている。自分がしゃべるわけじゃないからだ。だから、そういう仕事も累積矢面時間には積算されない。

後ろを振り返っても誰もいない、自分がやるんだ、というヒリヒリ感の中で、どれだけ目の前の仕事を自分ゴトとして捉え、取り組むかなのだ。あなたの累積矢面時間はどのくらい貯まっているだろうか。

4. 社外のネットワークを広げる

一社で働いていると、どうしても価値観や働き方が固定化されてしまう。自社の常識は、世の中の非常識、ということにもなりかねない。また、その逆で、自社に対する不満も、広く世の中を知ることで逆に恵まれている環境であることに気づけたりすることも少なくない。内弁慶にならず、ぜひ積極的に社外の人と交流してほしい。まずは同じ業界の同年齢と飲みに行き、情報交換するだけでもだいぶ世の中の景色が変わるはずだ。

ただし、これは決して異業種交流会などに参加してせっせと名刺を集めなさい、ということを言っているわけではない。その名刺にはほとんどの場合、価値はない。20代の頃は、人脈の形成を利己的に捉えず、見聞を広げることを目的としていろいろな人と飲みに行くくらいの方が得るものが多いだろう。ただし、そのときも、相手から吸収させてもらうだけでなく、相手にどれだけ価値を提供できるか、を意識しよう。

5. ブログを書き始め、書き続ける

あなたも、Facebook、Twitter、Instagram、Tumblr、LINEなど、様々なソーシャルメディアを利用していることだろう。ソーシャルメディアは楽しい。Facebookで友だちが増えるのも、いいね!がもらえるのも、人とのつながりや承認欲求が満たされて気持ち良くなれるだろう。

しかしだ。FacebookやTwitterに投稿したネタで、どんなに大量のいいね!がもらえても、TwitterでRTがもらえても、あなたは誰からも「尊敬」してもらえるわけではない。あなたが人から一目置かれるためには、おもしろい情報をパスするだけでなく、あなた自身が価値ある情報を発信する側にならなければならない。情報は発信する人間に集まる。そして、その情報発信の場はブログが一番である。FacebookやTwitterは「日常の行動や感情」(やネタ)を吐き出しているにすぎない。一方、ブログを書くためには「行動や感情」ではなく「意見」や「想い」をまとめる必要がある。この訓練を続けると、圧倒的なアウトプット力を手に入れることができる。

僕は、うちのスタッフが企画書や提案書を作成するとき、まずはワードでロジックをまとめることを薦めている。図版や画像をペタペタ貼ると、なんとなく提案書めいたものをつくることはできる。しかし、いざ2,000字~3,000字の文章で書こうとすると、これがびっくりするくらい書けない。つまり、自分の頭の中で情報が整理されていないのだ。20代のうちにアウトプット力を飛躍的に向上させたいのなら、とにかく大量の文章を書くことだ(できればそれを人前で話す機会があると尚良い)。ブログを書こう。そして書き続けよう。書いた文章量は、あなたを絶対に裏切らないと約束する。

6. 「大人の初体験」をたくさんする

後半は少し仕事から離れた視点で。ちなみに、ここで書いている「大人の初体験」とはそっち系ではない。

人間はルーティンが大好きである。意識していないと、毎日同じ導線上で生活してしまう生き物なのである。同じ仲間と、同じ居酒屋で酒を飲み、週末は同じようなことをして時間を過ごしてしまう。脳科学をマーケティングに活用したニューロマーケティングの権威であるマーティンリンストローム氏も、「人間の85%は自動運転である」と説明している。

意識的に初体験をしよう。バンジージャンプにトライしてみるも良し、クラヤミ食堂に行ってみるも良し、友だちに誘われてフットサルにチャレンジしてみる、料理教室に行ってみる、歌舞伎や落語、ミュージカルなどの舞台を鑑賞してみる、2,000m級の登山にチャレンジしてみるなど、とにかくいつもの自分の生活導線上にないものをどんどん体験してみる。手帳に初体験日記をつけ、毎月最低1つから2つ、初体験をしているか、チェックしてみるのも良いだろう。ソーシャルやデジタルなどで情報が入ってきて、いろんなことを疑似体験できてしまう世の中だからこそ、自分で体験した「実体験」は人生にかけがえのない喜びと発見を与えてくれるだろう。

7. 真剣に遊ぶ

若い頃は、何をしていてもだいたいおもしろい。仲の良い友だちと酒を飲んでオールでカラオケをしても、海や川に行ってみんなでBBQをしても、彼氏・彼女と流行りのスポットに遊びに行っても、十分楽しいだろう。

しかしだ、もし仮にあなたが広告・広報・マーケティング業界に務める人で、これから一目置かれる人間になりたいと思っているのなら、遊びも全力投球する必要がある。マーケターにとって最良の肥やしは、遊びの中から得られるからだ。

平日の緊張から解き放たれ、浜辺でビールを飲みながら弛緩しまくるのは40代を過ぎてからで十分だ。20代の頃は、一生懸命遊んでほしい。遊びにも全力で取り組んでほしいのだ。あなたは先月の週末、誰と何をして遊んでいたか覚えているだろうか。そしてその経験はあなたの人生にとってかけがえのない素晴らしい体験を残してくれただろうか。

いや、平日の夜や毎週末の遊びのすべてが人生最高のものになるなんてことは難しいが、言いたいのは、単にだらだらと時間を過ごす遊びはほどほどにして、背筋がゾクゾクするような遊びに時間とお金を突っ込んだ方がその後の人生を豊かにしてくれるよ、ということなのだ。

8. 魂がとろけるような恋をする

多くの20代諸君は独身だろう。独身の特権、それは(当たり前だが)自由恋愛であることだ。将来、あなたが結婚するかどうか(そもそも、結婚したいのかどうか)はわからないが、自由恋愛のいま、ぜひ多くの男性・女性と付き合い、魂がぶつかり合うような恋をしてほしい(いや、別に一人のパートナーと長く付き合うのもいいんだけども)。

恋は幸せや喜びとともに、悲しみや葛藤など、本当に多くのことを学ばせてくれる。好きになった人と付き合うまでの道のりで一喜一憂したり、付き合い始めの何をしていてもとにかく幸せでトキメキまくったり、ヤキモチを焼いたり相手の気持ちに自信が持てなくて疑心暗鬼に陥ったり、熱狂的・動的な恋愛感情が安心・静的な信頼関係に変わってきたことを感じたり、一部の諸君においては浮気がバレて修羅場を迎えたり、いかんともしがたい事由によって別々の人生を歩む決断をしなければならなかったり、別れた後に前の彼氏・彼女が忘れられずに世の中が全て灰色に見えたり。

いずれにせよ、恋は人生を豊かにしてくれる。「この人のためならなんだってできる!」なんて(多くの場合誤解なのだが)思わせてくれる。もしあなたが、だらだらと惰性の恋愛関係を維持してしまっているのだとすれば、その関係はいずれにせよはっきりさせた方が良い。さあ、魂がとけるような恋を探して旅に出よう。

9. 一切、貯金はしない

最近の若い人たちは、安定志向が強いと聞く。会社四季報に掲載されている平均勤続年数を重視して就活をする(終身雇用志向)、20代前半で結婚して家族を持ちたいなど、全ては個人の自由なのだが、僕が一番もったいないと思うのは、「将来、年金が出るか不安なので、いまのうちに老後のための貯金をしている」というものである。その不安はわからないでもない。

しかし、一番のリスクは、貯金がないことじゃない。あなたが転職しようとしたり、もしくは環境変化などによってリストラされたり、勤めている会社が倒産したときに、転職するエンプロイアビリティ(雇われるスキルセット)がないこと、もしくは起業するバイタリティと稼ぐ力がなく、希望の収入を得ることができなくなることなのだ。

銀行に預けている現金はあなたに何ももたらしてはくれない。大手メガバンクの普通預金の金利は(2015年6月現在)わずか0.02%である。100万円預けても一年でたったの200円だ。ハーゲンダッツのアイスクリームすら買えないのである。投資信託だって平均利回り3%~5%もあれば御の字だ。100万円が一年で103万円になるだけである。

この世で一番利回りが高い投資先は何か? それは間違いなく「あなた自身」である。あなたのいまの年収が税込みで400万円だとしよう。頑張れば毎月5万円くらいは貯金できるかもしれない。一年で60万円、5年で300万円の貯金ができる。でも、そのときのあなたの年収は(5年で30万円アップの)430万円かもしれない。

一方、毎月手取り給与の10%相当分の本を読み、セミナーに行ったりいろいろな人に会いに行き、社外の仲間と情報交換しながら見聞を広げ、ブログを書き続け、毎月ひとつの初体験をしながら、真剣に遊んでいれば、いろいろな仕事にチャレンジする機会を得て、累積矢面時間が蓄積されることで戦闘力が増し、年収が600万円になっているかもしれない。

これは、もし会社に何かあっても、次の選択肢が複数手の中にある状態だ。あらゆるものがすさまじいスピードで陳腐化する不確実性が高い現代社会において、最高のリスクヘッジは自分に投資し続け、常に選択の自由を自らの手の中に持ち続けることなのだ。さあ、貯金を全額おろして、自らの可能性に突っ込むのだ!(※投資は自己責任で)

10. 英語(ビジネス英会話)を習得する

いままでの人生の中で(ほとんど後悔していることはないんだけど)ひとつだけ大きな後悔を挙げるとすれば、それは若い頃に本気でビジネス英会話の習得をしなかったことだ。「何かを始めるのに遅すぎることなんてない!」と偉そうに人には言うものの、心のどこかではGoogle先生のウェアラブル同時通訳デバイスを心待ちにしている自分がいる)。

日本でのビジネスにはそれなりの自信が出てきたものの、僕の戦闘力は海外に行った時点で10,000分の1以下になる。酒場でのフリートークならなんとかなるが、僕の残念すぎる英語力ではビジネスの現場で「矢面」に立ち、クライアントとの動的なミーティングの中で場を支配しながら要求定義をすることはできない。英語が話せれば世界の4人に1人と話せるのに、日本語だけでは70人に1人としか話せない。つまり仕事ができない。これは致命的、というより寂しすぎる現実だ(だったらやれよ、という話なのだが)

20代諸君。悪いことは言わないから、来週からビジネス英会話の習得を目指して行動を始めなさい。1億人のマーケットで生きるか、17億人と仕事をするか。やるなら今だ。

健闘を祈る。

※今回も自分のことは高々と棚に上げて好き勝手にお送り致しました。「そういうお前の20代はどうだったんだ!」というツッコミはご遠慮くださいますようよろしくお願い申し上げます。

池田紀行

生きる活力が欲しいならボートに乗れ!

10 years 7ヶ月 ago

YAMAHAさんから小型船舶免許2級の取得祝いとして操船実践講座をプレゼントしていただいたので、仕事を休んでお邪魔してきました。まじでめちゃくちゃおもしろかったす!

お邪魔してきたのは横浜ベイサイドマリーナ。大学生時代に彼女とよく来たなぁ…(遠い目)。ここね。

マリーナの様子。ワクワクが止まらない。

ショップもとってもきれい。

プログラムはYAMAHAマリン塾の操船マスターⅠというもの。こんな一日を過ごします。

今日お世話になったのはこのボート。ファミリータイプの8人乗り。ちなみに、こんなに立派なボートが新品で800万。中古なら600万で売っている。クルーザーって何千万とかするイメージだったけど、結構手軽に買えるものもあるのねと(停泊料とかメンテナンスに結構なコストがかかるから買えないけどさ)

で、早速出港。写真は一緒に行った仕事仲間の小蔵さん。海の上を走り始めるとそこはもう非日常。2人で「気持ちえぇわぁ~。。」と弛緩。

どうも、キャプテンです。

午前中は、ベイサイドマリーナ近くの海で全速前進を体験。25ノット(1ノット=1.852km/hだから時速45㎞くらい)なんだけど、外海はうねりがひどいからボートがバインバイン跳ねてかなりの疾走感。

で、午前中は軽めにおしまい。

ランチはベイサイドマリーナ内のレストランへ。敷地が広くて移動が大変だからショップで自転車を貸してくれる。20年ぶりくらいにママチャリ乗車。

ご飯を食べながらマリーナ内のボートを偵察。これは永ちゃんのクルーザーらしい。かっこ良すぎだろ。。

こちらは観月ありささんの夫のクルーザーだそうな。いくらすんだこれ。。

俺もいつか…と妄想をふくらませつつ午後のプログラムへ。午後はなんと横浜みなとみらいまでの遠征!航路はこんな感じ。

マリーナからベイブリッジまでは30分くらい。むかしよくデートで鑑賞したベイブリッジを下から鑑賞。感慨深い。空がちょっと曇ってきた。

バイーンと通過。

ベイブリッジを越えると、そこはもう山下公園。氷川丸とマリンタワーを海側から鑑賞。この辺は25年前の甘酸っぱい思い出がたくさんよみがえるエリアである。

山下公園から大さん橋をぐるっと回ると赤レンガ倉庫。ビール飲みたいぞ!

そこからワールドポーターズの裏の細い運河的な道を入って行くと、コスモワールドを望む日本丸メモリアルパーク前の開けたところに出る。絶景。

高校生がキャッキャッ!アハハッウフフッと遊んでるのを眺めながらアンカリングの訓練。

しばし休憩して帰路に向かう。そこで先生が一言。「TYCOON行ってみます?」

TYCOONとはバブル期に一世を風靡した山下埠頭にあるレストラン。外のテラスでご飯を食べていると、まばゆいばかりのチャンネーを連れたいかついライオン丸みたいな男がどでかいクルーザーをまるで車の駐車場のように桟橋に横付けして店に入っていくのを一般人たちが羨望の眼差しを送りつつ歯ぎしりして悔しがるお店


※画像出典:http://tokyosouldrive.com/yokohama/

「行く行く!」ということでちょっと寄り道。ベイブリッジの手前を右に曲がって一番奥まで船を進めると、若かりし頃の憧れだったTYCOONが。

いまは土日のみ開店しているみたい。いつか必ずドヤ顔で桟橋にクルーザー横付けしてやるからな!と別れを告げる。

帰り道にふと横を見たら、そこにはサザンの歌に出てくるマリーンルージュ号が。大黒ふ頭で虹は見れず、シーガーディアンで酔わされませんでしたけど。

そんなこんなでマリーナへ帰還。最後はレンタカーと同じくガソリンを満タンにして返却します。これが海のガソリンスタンド。着岸超難しい。。

ということで、10:00~16:00の操船マスターⅠが無事終了。とにかくね、猛烈に気持ちいい。夏がくるまでにYAMAHAのシースタイルっていうレンタルボートの会員になって、今度は勝どきマリーナから東京湾一周しちゃうよ!と心に決めた一日でした。

僕の座右の銘は「人の2倍働いて、人の2倍遊ぶ。全てが仕事であり、全てが遊びである」という言葉。マーケターにとって、遊びは芸(仕事)の肥やし。ボートは単にリフレッシュできるってだけじゃなく、大海原の非日常感が生きる活力をくれる。

人生は一回きり。みんな、ボート遊びしようぜ!

池田紀行

「好き」を仕事にすることは、いいのか、悪いのか

10 years 10ヶ月 ago

いま、うちの会社では(いつもですけど)中途採用に力を入れており、人事の採用担当は週に10~20人程度の応募者の面接をしている。そこで結構な割合で「好きなことを仕事にする」「好きなことで生きていく」という言葉を聞くそうだ。また、新卒の面接ではほぼ全員から聞くそうです。

で、採用担当が読んで意見を聞かせてほしい、と言ってきたブログを読んでみた。

「好きなことで生きていく」ことの現実 – 狐の王国
http://d.hatena.ne.jp/KoshianX/20150118/1421547928

久々に人のブログを読んでブログを書きたくなったので、とても当たり前というか、自分が思っていることを書いてみる。

ブログの著者は、好きなことで生きていくことのメリットとデメリットを等身大で語っている。とても好感が持てるし、言っていることはすごく理解できる。

また、「好き」を仕事にしたときに現れる壁として、「スキルアップの壁」「好きであることに慣れてしまう」「老化で情熱が枯れる」リスクを指摘しており、最後はこう締めくくっている。

それでも「好き」なことで生きていきたいと思うなら、まずは健康に気をつけて、規則正しい生活と体に良い食事を心がけて欲しい。そんなものを気にしなくても「好き」に一直線でいられる人は、そもそもが超人なのである。「好きなことで生きていく」というのは、そんな超人たちと同じ舞台に立つということに等しい。それには、それ相応の覚悟と準備がいるものなのである。

それでも僕は思うのだ。

「好き」を仕事にしようぜ、と。

「好き」を仕事にするか、しないか議論は定番のテーマだ。賛成派と反対派が真っ二つに分かれ、答えのない議論が続く。唯一の答えは「人の自由」なんだけど、それを言っちゃーおしまいよ、ということで、少しだけ持論を書く。

一番多いのは、どんなに好きなことでも、仕事にすると義務が発生し、責任がともなうため、純朴に楽しめていた対象が徐々にツマラナイモノになってしまうからやめておけ。仕事は仕事。趣味は趣味として分けておいた方が懸命だ、というもの。

そりゃね、仕事ってのは相手から対価をもらって義務と責任を果たすことだから、楽しいことばかりじゃないわけです。大切なのは、義務が発生して、責任がともなっても、それでも好きかどうかってことなんじゃないかな。

サーフィンが趣味なら、波に乗れても乗れなくてもそれなりに楽しめるし、乗れなくたって誰に責められるわけでもない。天気とか悪くて気が乗らなければ、予定をキャンセルしてもいい。でも、プロサーファーになれば、大会で勝てなければスポンサーに怒られるし、賞金や契約金が減って生活が大変になる。二日酔いで気が乗らなくても、撮影があれば海に出かけなきゃならない。

それでも好きなのか。俺は、私は、これで食っていくんだ、これで生きていくんだって気概と覚悟はあるのか。

そして、言葉だけでなく、突き抜けるまで努力し続ける情熱はあるのか。

すべての世界で、勝敗は相対的な実力差によって決まる。だから、自分がどんなに努力をしようが、情熱をもとうが、相手がもっと情熱をもって努力をしていれば勝つことはできない。希望の会社や部署に入れないかもしれないし、プロとして一人前になれないかもしれない。それでも歯を食いしばって努力し続ける情熱と覚悟があるか。

ないのなら、そもそもそんなに好きじゃなかったものだろうから、趣味程度にとどめておいた方が懸命だ。本当に好きなことなら、努力は努力に感じないし、壁に当たろうが、誰かに怒られようが、挫折しようが、すべて己の成長であり、前進している証なのだ。

イチローは、仕事の前日、「明日も仕事だ」と考えているだろうか。心から野球が好きで、最高の舞台で、最高のプレーをする。そのために、毎日毎日愚直に努力をする。以上、なのだ。これほどシンプルで幸せなことはない。

人生は一回っきり。好きでもおもしろくもない仕事に毎日8時間も10時間も浪費し、週末がくることだけを心の支えに生きるなんてまっぴらごめんだ。「好き」を仕事にしよう。「好き」だから続けられる。続くからできるようになる。できるようになるからもっと「好き」になる。あとは、あなたの選択次第である。

最後に。

冒頭にも書いたけど、この議論は終わりがない。賛成派と反対派がいるので、議論が噛み合うことはないだろう。もしあなたが、「好き」を仕事にするか悩んでいるのなら、1つだけアドバイスがある。「好き」を仕事にしている人だけに相談をすることだ。その人は、メリットもデメリットも、可能性も限界も、自身の経験をもとに、建設的な話をしてくれるだろう。

決して、「好き」を仕事にしていない人に相談してはならない。かなり高い確率で反対されるのがオチだからだ。なぜなら、その人は「好き」を仕事にしていないため、これから「好き」を仕事にしようとしているあなたが眩しいのだ。羨ましいのだ。悔しいのだ。できることなら、「もうやってられないよなー。今晩飲みに行こうぜ」と誘える仲間でいて欲しいと思っている。だから、そっち側には行くな、危ないぞ、大変だぞ、苦労するぞ、と説く。

「好き」を仕事にするか。自分は幸せになれるのか。答えは、あなたの心の中だけにある。

池田紀行

【お知らせ】ベトナム支社 Tribal Media House Technology Lab Co., Ltd. を設立しました!

10 years 10ヶ月 ago

少しお知らせが遅くなりましたが、去る2015年1月23日に、トライバルメディアハウスのベトナム支社として、Tribal Media House Technology Lab Co., Ltd.を設立しました!ひとつの目標だった海外拠点第一号です。

※リリースはこちら

その名の通り、ベトナム支社はエンジニア中心の開発拠点としてスタートします。代表はトライバル取締役の佐藤譲太郎が務めます。

現在、国内大手企業100社以上に提供しているソーシャルメディア統合管理ツールEngage Manager(エンゲージマネージャー)や、共創マーケティングプラットフォームcocosquare(ココスクウェア)の開発・運用強化、そして新たなマーケティングソリューションの開発スピード向上を目的としてベトナム支社設立に踏み切りました。

当初はベトナムの大手オフショア開発会社に委託しようと思っていましたが、夏に視察に行き、先行して現地でさまざまな取り組みを行っている方の話を聞くうちに、リスクを取ってでも自前で現地法人を設立した方がリターンも大きいと判断しました。一筋縄じゃいかないと思いますが、頼りになる佐藤とエンジニアが現地に張り付いてくれるので、必ずや成功に導いてくれると思っています。

ベトナム支社設立にあたっては、アライドアーキテクツシーサーの皆さまには言葉では言い表せないほどありがたい協力をいただきました。この場を借りて熱く御礼申し上げます。ありがとうございました!(これからも引き続き何とぞ)

マーケティングの未来をつくるため、開発したいものがたくさんあります。

攻めるよ!

池田紀行

自分は世界最高のNo.2だ!と思っているすべての人へ

10 years 10ヶ月 ago

職場の壮行会で一番搾りを一本飲み干し、ほろ酔い気分になったので15分で書いてみる。

僕はいまでこそトライバルメディアハウスの代表という仕事を勤めており、「池田さんって社長っぽいよね(部下に思いつきの無理難題とか言いまくってそうで)」と言われることが多いわけですが、社長という仕事をするまでは、僕は「俺以上に会社のNo.2を務められる奴はいない。俺は世界最高のNo.2だ」と思っていた。

僕が20代に勤めていたコンサルティングファームの社長は(良くも悪くも)ネジが何本も抜けた人だった。タイムボカンみたいに、ワープした後にボルトが何本か落ちてるみたいな。それこそもうとにかく思いつきで動く。朝令暮改なんて朝飯前。言った先から意見が変わる。さらに(日常的に)夜中の3時とかに電話がかかってきて、思いついたアイデアとかしゃべりまくられる(後ろではキャバクラのおねえちゃんの声がする)。備忘録とかメモ帳みたいに扱われていた。

そういう人だから、とにかくなんでもかんでもすぐに忘れる。歩いた道の後ろには、そりゃもういろんなものがこぼれている。僕はそれを丁寧に拾って、整理整頓して、構造化して、ドキュメント化したり、プロジェクトマネジメントをしたりしていた。

そんなことをしているうち、この社長は俺がいなかったら大変なことになる。俺はこういう(良い意味で)ネジが何本か抜けてて、常人離れした、突き抜けたアイデアマンの社長の補佐役として最高の仕事ができる奴なんじゃないか。ホンダもソニーも優秀なNo.2がいたから成功できたって言うしな!みたいな。

逆に言えば、自分は社長の器じゃない。社長というのは(そのときの社長みたいに)常人離れした、もっと言えば、スキルセットが綺麗なレーダーチャートを描いているような人じゃなく、レーダーチャートが棒グラフみたいになっちゃっている人じゃないと務まらないと思っていた。何にもできないけど、営業とか、技術とか、一点のみにおいて天才で、こぼれちゃった部分は優秀な部下が支える、みたいな、変な社長観を持っていた。

でも、そんな僕がいまこの会社を経営して8年が経とうとしている。まだまだ成長途上だけど、最近(というか前から)スタッフによく言われることがある。

「池田さんってほんと何も覚えてないですよね」
「あ、また池田が思いつきでしゃべり始めた」
「池田さんには突き抜けてもらえればいいです。あとは僕達がやりますから」

そしてクライアントや外部パートナーからも言われる。

「池田さんは、ほんと優秀な部下に支えられてますよね」

…。

世界に最高のNo.2なんていないんですよきっと。役職(仕事)が人をつくるんです。僕がよくできた社長かどうかは別として、あんなに「俺には社長なんて無理!」って思っていた僕がいまなんとか社長という仕事をやっている(しかもかなり楽しい)。

だから、俺は世界最高のNo.2だ!と思っている人は、一度その思い込みを捨ててみましょう。自分が何に向いているのかなんて、やってみなきゃわからないんです、というお話でした。乱筆乱文誤字脱字ご容赦。終わり!

池田紀行

短い人生、弱みを補強するよりも、強みを増強した方が幸せに生きることができると思うぞ。

10 years 10ヶ月 ago

今日は恥ずかしい過去のことを書く。

昔むかしいまから15年ほど前、僕は「なんでもできるコンサルタント」を目指していた。前のエントリー「若いうちにMBAや中小企業診断士を取った方がいいと思う7つの理由」で書いたとおり、僕は体系的に経営の勉強がしたくなって、25歳のときに中小企業診断士の資格を取った。

資格の勉強を通して知ったのは、「自分はいかに何も知らないか」という「無知の知」だった。

そのとき、僕は資格オタクの入口に立っていた。資格のために勉強し始めたわけじゃないのに、いざ資格を取ってみると、「次の資格」が欲しくなったのだ。

診断士の世界では、中小企業診断士(経営コンサルタント)✕社会保険労務士(人事・労務コンサルタント)✕行政書士(国や役所などへの手続き、権利業務、法律などの専門家)のことを「トリプル資格」と呼んでおり、一部の人の目標になっていた(ちなみに、このトリプル資格取得者の多くが「なんでもできる(可能性がある)けど、何もできない人」と揶揄されていることは後に知った)

社会保険労務士を取ろうか、行政書士を取ろうか悩んでいたときに(さらに司法書士や公認会計士まで候補に入っていた)、知人の税理士さんが、「池田さん、こんど税理士法が改正されます。法律の改正までに当該大学院に入学して修士号を取得すれば、税理士試験の税法3科目が免除されますよ」という情報を得た。つまり、難関の税理士試験5科目のうち、税法3科目が免除され、会計科目の簿記論と財務諸表論だけをパスすれば、税理士資格を取得できるというのだ。診断士✕税理士のダブル資格は、将来独立開業するには有利だ(と思っていた)。

※税法科目で何を選択するかによるけど、例えば王道の国税三法だとすれば、法人税法、所得税法、相続税法となる

僕はこれに飛びついた。

すぐに手頃な大学院を調べ、都内の某大学大学院法学研究科法学専攻の入学資格を得た(後にこの大学院は平日昼間の大学院で、仕事をしながら通うことはできないことを知る。まったくバカにもほどがあるが、まあそんなことも調べることもせず試験を受けてしまうくらい何も考えていなかったってわけだ)

大学院に入学する前に、簿記の「ボ」の字も知らない僕は(いきなり税理士試験の簿記論は難しすぎると思い)、池袋の大原簿記学校に入学し、週末を使って簿記2級の勉強をすることにした。

簿記2級コースの初日、僕は恐ろしいものを見ることになる。初日の授業は軽くオリエンして終わりくらいに思っていたら、先生がいきなり問題を配り始め、「さーみんな、んじゃまずは仕訳してー」と言う。

「え?シワケ?」 ←仕訳すら知らずによくもまぁ税理士を目指したもんだ(笑)

すると、クラスの7割くらいの受講生が、「左手」で電卓を叩き始めた。もちろん、ブラインドタッチだ。左手で電卓を叩き(しかも猛烈に早い)、右手のシャーペンでガリガリ回答している。呆然とした。僕は何をやっていいのかすらわからないのに(笑)

休み時間も暇だ。診断士の学校のときは、自分の同じ匂いがする奴らがたくさんいたから、一服しながらこれからのキャリアプランや将来の野望まで、それこそいろんな話をした。でも、ここには同じ匂いがする奴らがいない…。寂しかった。

学校に通い始めて一ヶ月。勉強は一向にはかどらなかった。何しろツマラナイのだ。やってもやってもおもしろくならない。苦痛すら感じる日々だ。そして、最後の事件がやってきた。全国模擬試験である。

当たり前だけど、結果は散々。うろ覚えだけれど、確か全国4,000人中、3,800番くらいだったと記憶している。この結果を見て、ついにほそ~くつながっていた一本の糸が切れた。

やーめた!

結局、大原簿記学校も一ヶ月で辞め、大学院も(入学金と前期の授業料も払っていたのに)入学式を迎える前に辞めてしまった。バカである。

でも、遠回りしたおかげで、ようやく大切なことに気がつくことができた。

あ、俺やっぱマーケティングが好きなんだな!

ってことに。

大原簿記学校で痛切に感じたのは、隣にいる(電卓を高速で叩いている)彼は、とっても楽しそうであるというとてもシンプルな事実だった。「万が一、税理士試験にパスしたとすると、将来同業者として俺は彼(+彼のような奴ら)と競争して勝利しなければならないんだよな。果たして、目の前にあるものが超ツマラナイと思っている俺が、嬉々として電卓を叩いてる彼(+彼のような奴ら)と戦って勝てるんだろうか…。」

結果は見えている。勝てるわけがない。

勝負は「彼らの強み」&「自分の弱み」という土俵で行われる。まったくもって勝てる気がしない。楽しい→できる→もっと楽しくなる→もっとできるようになるってループが回る気もしない。でもどうだろう。マーケティングという土俵なら、彼らが100人束になってかかってきても、負ける気はしないぞ。

そうか、そういうことだったのか! ←バカ

僕の自分探しは、こうして(28歳にして)終わりを迎えた。思えば無駄な時間とカネをたいそう使ったもんだ。でも、それ以降、自分の人生や、一生をかけようと思う領域が一切ブレなくなった。本当に一ミリもぶれなくなった。

俺はマーケティングで食っていく。

この腹の据わりようはハンパなかった。それはいまでも変わっていない。いや、むしろ年々強化されている。いまは(まだまだ勉強中の身だけども)「いまの仕事は天職だ」と胸を張って言える。

僕が神様からもらったプレゼント。それはきっとマーケティングが好きで好きでしょうがないということなんだ。だから、仕事をしていても遊んでいるみたいだし、遊んでいても仕事をしているみたいなのだ。平日がオンで週末がオフなんじゃなく、人生全部オン。自分で言うのもなんだけど、いま仕事がおもしろくって仕方がない(遊んでるんだから当たり前だ)。

人生は短い。

自分の弱みを補完するために限られた時間を割くんじゃなく、自分の強みをさらに強化することに全てを投下する。弱みは誰か優秀な仲間に助けてもらえばいい。でも、自分の強みだと思っている領域は、それこそ同業が10人、100人束になってかかってきても負けないくらい突き抜ける。XXXだったらYYYさんだよね!って言われる人間になる。

人生は楽しい。

僕もまだまだ悟りを開くような年ではないけれど、意見が割れる「”好き”を仕事にするかどうか」議論。僕は胸を張って言える。

好きじゃないことを仕事にするなんて人生もったいない!

あなたは自分の「好き」を、自分の「強み」を仕事にできているだろうか。

池田紀行

若いうちにMBAや中小企業診断士を取った方がいいと思う7つの理由

10 years 10ヶ月 ago

マーケターやコンサルタントであれば、若いうち、具体的には20代から30代前半くらいまでにMBA(Master of Business Administration)を取った方がいいと思う理由が5つある。一時期のブームは終わったが、そんなことは関係ない。

ここでいうMBAは、海外大学院に行くものではなく、比較的通いやすい国内の平日夜間プログラムを想定している。また、MBAでなくとも、経営コンサルタントで唯一の国家資格である中小企業診断士でも同様の効果を得ることができると思う。

1. 基礎的・体系的な学習をすることができる

変化のスピードが早いマーケティングの仕事をしていると、たくさんの本を読むだろう。しかし、最新の動向や情報をインプットする場合、そこにしっかりとした土台があった方が良い。ちょうど家を立てる際の基礎工事のイメージだ。マーケティングの場合、ブランドマーケティングやデジタルマーケティングを学ぶ前に、「マーケティング論」の教科書で学ぶ必要がある。

多くの情報や経験から得た知見は、しっかりとした体系的理論(基礎工事部分)の上に積み上げていった方が強い建物を立てられるし、その後の増築もやりやすい。何よりも、教科書的なマーケティング1.0や2.0を理解していないと、3.0や4.0の話もまったく理解することができない。それはつまり、マーケティングの未来を予測できないということだ。

2. 幅広い分野の学問を網羅的に学ぶことができる
大学院のプログラムやどの科目を選択するかにもよるが、マーケティングだけでなく、経営学、財務・会計、人事・労務・組織、法務、経済学など、ビジネスパーソンとして理解しておいた方が良い周辺学問を網羅的に学ぶことができる。

マーケティングも、プロモーションプランニングやクリエイティブに携わっているうちはいいが、例えば新規事業開発案件が発生した場合、ビジネスプラン(事業計画書)が描けなければならない。投資家や意思決定者が納得する事業計画書は、マーケティングだけでなく、人事、財務(収支計画)、資金調達、リスク分析など、整理する領域が多岐にわたる。マーケティングバカにならないためにも、周辺領域の知識は必須といえる。

3. 「自分は何を知らないのか」を知ることができる

ひとつの領域において基礎的・体系的な学習をし、さらにその周辺領域も勉強していくと、いままで気付かなかった「自分が何を知らないのか」を知ることができるようになる。いわゆる「無知の知」を得ることができるのだ。

たとえば、国内MBAでも権威のあるGLOBISでは、下記のようなMBAプログラムを提供している。

出典:http://mba.globis.ac.jp/curriculum/curriculum_map.html#sTab

僕も25歳で中小企業診断士資格を取ったとき、初めてアカウンティング(財務)とファイナンス(会計)の違いを理解したし、そこからようやく財務諸表(損益計算書や貸借対照表)が読めるようになった。

様々な領域の学習は、やればやるほど、いかに自分が狭い世界のことしか知らずに生きていたのかを思い知らされ、(良い意味で)無知の知がどんどん広がっていく。己の知力を俯瞰的・客観的に認識することができるようになると、次の学習テーマが明確になるメリットが得られるのだ。

4. 「知らないことの調べ方や学習法」がわかる

様々な新しい領域の学習は、体系的知識だけでなく、「知らないことの調べ方や学習法」のレベルを飛躍的に向上させてくれるという副産物を与えてくれる。

だから、無知の知を得て、「自分が何を知らないのか」を認識したとき、途方に暮れず、すぐに一定レベルまでのレベルアップに動き出すことができる。実はこれ、ものすごく大きいことなのだ。

僕たちの仕事は、知らないことと対峙することの連続だ(知らないことと日々対峙していない人は、仕事がルーティン作業になっている可能性があるため別の注意が必要である)。そのため、知らないことに遭遇したときに、どのくらい短期間で、どのくらい自己のレベルを向上させることができるかが重要となる。様々な領域の体系的学習は、もうひとつの素晴らしい果実を与えてくれる。それがこの「知らないことに遭遇したときの学習術」なのだ。

5. 情報のアウトプットスピードが飛躍的に上がる

5つ目のメリット。それは、頭の中のあらゆる情報や経験ノウハウが構造的に整理されることによるアウトプットスピードの向上である。

体系的な学習をしていない人の頭の中はこんな感じで雑然と情報が積み上がっている状態だ。

一方、MBAや中小企業診断士などで体系的・構造的な学習をした人は、頭の中に書棚ができるため、こんな感じで全ての情報や経験を通じて得られたノウハウなどが全て整然と綺麗に並んでいる。

新しい情報が入ってきたときは、その棚に格納していけばいいし、必要とする棚に情報が並んでいなければ、それに気づき(無知の知)、新たな情報を計画的に格納して行くことができる。

このメリットは、圧倒的に情報のアウトプットスピードが向上することだ。あなたもAmazonの物流センターを見たことがあるだろう。Amazonの圧倒的な配送スピードは、注文が入ってから、人間が迷うことなく最短・最速で商品をピックアップし、発送するシステムによって支えられている。人間のアウトプットスピードも同じことだ。

よく「あの人は頭の回転が早い」というフレーズを聞くが、そういう人の多くは、頭の中の情報がAmazonの物流センターのように理路整然と構造的に整理されているのである。MBAや中小企業診断士の学習は、必ずこれらの恩恵を与えてくれる。

6. これらの学習を完了させる強制力が働く

新しい学問の習得は大変である。仕事をやりながら、平日夜間や週末に学校に通わなければならないし、学校がない日も予習・復習で一日に2時間くらいは勉強しなければならない。でも、それがいいのだ。

MBAプログラムの修了や、中小企業診断士資格の取得という明確なゴールがあるからこそ、その苦しい道のりを最後までやり切ることができる。僕が中小企業診断士の資格を目指そうと思ったのも、資格が欲しかったわけではなく、資格取得というゴールがないと途中で挫折してしまいそうだったからだ。

人間はゴールや〆切がないとなかなか続かない。自己学習ではなく、学校に通う。資格を取る。意思が弱い人にはお勧めだ。

7. かけがえのない一生の友ができる

最後のメリット。それは(MBAや診断士資格取得者が口を揃えて言う)一生の友ができることである。人脈という言い方をする人もいるが、個人的には(それもあるけれど)辛い思いをしながら、一緒に勉強し、ときに励まし合い、共通のゴールに向かって同じ釜の飯を食った戦友ができることのメリットが一番大きいように思う。

仕事を通して形成される大部分の人間関係は、何かしらの利害関係がある。しかし、MBAや診断士の勉強を通してできる戦友にそんなものはない。まるで高校時代に親友ができたような感覚を得るだろう。僕も診断士資格の勉強中にできた友だちは一生の友人だと思うし、いまでも多くの刺激をもらっている。これはお金では決して買えないプライスレスなプレゼントである。

最後に。

MBAや中小企業診断士の学習を開始するのは、別に若くなくたって構わない。40歳から、50歳から始める人だってたくさんいる。あえてタイトルに「若いうちに」と入れたのは、せっかくこんな恩恵を得ることができるのなら、その後の人生は1年でも長い方がメリットを享受する期間が長くてラッキーでしょ、くらいのものだ。いつ始めるのか。それは、あなたが「始めよう!」と決断したときだ。

ぜひともトライして欲しい。

池田紀行

マーケティングは狩猟から農耕、そして宗教の時代へ

10 years 11ヶ月 ago

昨年12月にJMA(日本マーケティング協会)の研究会オープンセミナー「マーケティングの構造変化による マーケティングとリサーチの新領域」にて、日産自動車のーポレート市場情報統括本部 高橋直樹さんと講師をご一緒したときに、高橋さんがおっしゃっていたフレーズが刺さったので紹介しておきたい。

高橋さんは、日本の戦後70年の現代マーケティングの歴史の中で、マーケティングコンセプトは狩猟から農耕、そして宗教の時代になったと説く。

なるほど確かにそうかもしれない。自分なりに咀嚼をして、顧客戦略の視点からマーケティングコンセプトの変遷を簡単にまとめてみる。

●狩猟の時代

マーケティング戦略で重要なのはターゲット戦略。ご存知の通り「ターゲット」は戦争(軍事)用語で「標的」の意味。戦車やライフルなどで照準を合わせる先の標的だ。狙いを定めて認知を高め、店頭で刈り取る代表的なパワーマーケティングの時代。

●農耕の時代

マーケティング戦略で重要なのはリレーションシップ。市場が成熟し、新規顧客獲得だけでなく、既存顧客の深耕をしないと利益が確保できなくなってきた。One to Oneマーケティング、パーミッションマーケティング、リレーションシップマーケティング、CRM(Customer Relationship Management)などが注目され、「マーケットシェアから顧客シェア(≒顧客生涯価値)へ」「売上至上主義から利益至上主義へ」「認知から関係構築へ」というフレーズが声高に叫ばれた。顕在顧客を刈り取るだけでなく、潜在顧客を育成しよう、という農耕の考え方が加わった時代である。

●宗教の時代

そして現在は宗教の時代だ。ブランドマーケティングで重要なのはアドボカシー(擁護や支持という意味)。リピート購買してもらうだけでなく、好きになってもらって再購入してもらうだけでもなく、価格プレミアムが高いか(金額が少し高くても他ブランドではなく自ブランドを選んでくれるか)、友人や同僚や家族に推奨してもらえるか(NPS:Net Promoter Score=推奨意向)が重要とされる。

重要とする顧客観はブランドアドボケイツ(Brand Advocates:ブランドの熱心な支持者)で、「ファンに売るのではなく、ファンを通して売る」という思想が生まれた。

●まとめるとこんな感じ

仮に、現在~近未来におけるブランドマーケティングのコンセプトを「宗教」ととらえた場合、自社のブランドはどのようなマーケティング戦略を採るべきか、一度考えてみてもおもしろいかもしれない。ちなみに私はこの「宗教の時代におけるマーケティング」のひとつに共創マーケティングがあると思っています。

池田紀行

できる奴の仕事術9箇条

10 years 11ヶ月 ago

新年会で酔っ払ってますが、新年ネタということで、できる奴はだいたいこんなことをしているよな、と思うことを9個ピックアップしてみます。

1. とにかく書く

頭に浮かんだことを、とにかくノートや手帳に書く。書くと思考が整理されることを知っている。あと、チャートで考える能力も高い。ホワイトボードとかですぐに図解する。思考を構造化することに慣れている。

2. いつももうひとりの自分が見ている

意識的・無意識的にメタ認知をしてる。いつも自分の後頭部の後ろからもうひとりの自分が自分を見ていて、客観的なもうひとりの自分が「おい、それ、おかしくね?」とか言ってくる。

3. 悩まない。考える。

人は悩むと思考がぐるぐる無限ループをし始める。「悩むために悩む」みたいになる。でも、できる奴は、さっきのメタ認知能力によって、もうひとりの自分が「おい!お前いま悩んでるぞ!悩むな!考えろ!」って助言してくるから悩まないで目の前の課題を解決するための解決策を考えるようになる。結果、思考がぐるぐる無限ループしないでスパイラルアップしてドツボにはまらない。

4. 走りながら考える

不確実性の高い現代社会においては、思考も行動も両方大切である。でも、どんなに頭の中で考えたって自分も世界も変わらない。変わるのはいつだって「行動」したときだけだ。だから、できる奴は走りながら考える。一歩踏み出したらいま見えている景色とは別の景色が広がり、思考の取っ掛かりそのものが変わることを知っているからだ。

5. アウトプットしている

将来が不安になったり、自己成長を志向すると、人はインプット熱が上がる。もっと本を読もう。もっとセミナーに出席しよう。もっと人に会おう。でも、できる奴はすべてのインプットはアウトプットのためであることを認識している。アウトプットなきインプットは意味が無いものだと考えている。インプットしたものは人に話す、ブログに書く、提案書にしたためてみる。アウトプットこそが世界を変える手段であることを知っているのだ。

6. 大量の失敗をしている

アウトプットすれば失敗もする。周囲の期待を裏切ったり、蔑まれたりすることもあるだろう。しかし、できる奴は、エジソンの言葉を引き合いに出すまでもなく、多くの成果を出した人間は、多くの失敗をしていることを知っている。一番情けないのは、人のやることなすことを否定したり、何も失敗をしていない人間だ。それはつまり何も新しいことにチャレンジしていない人間だからである。失敗は成功の母なのだ。

7. 自分自身を信頼している

あなたは自分自身のことが好きだろうか。心の底から自分を信頼しているだろうか。自分のことを信頼していない人間が、なぜ自分のくだした決断に心の底からコミットし、仕事や人生の充実を果たせるのだろう。

あなたがもし、自分自身を心の底から信頼できていないのなら、いまいちど、ノートに「自分を信頼していること」 「自分を信頼していないこと」を箇条書きで殴り書きし、しげしげと眺めてみることをお勧めする。あなたがこれから大きなことをやり遂げる前に一番しなければならないこと。それは、これから一番の味方にも、敵にもなる自分自身を心の底から信頼することである。

8. 自分の人生を生きている

今日の朝礼で共創事業部長の宮本が話したこと。とても良い話だったので記しておく。

あなたは自分の人生を生きているだろうか。いや、もっと正確に質問しよう。あなたは自分の人生を生きれているだろうか。

人は、いつの間にか、他者からの評価や承認のために生きてしまう。

たとえば、100リストというものがある。自分が死ぬまでにやりたいことを100個リストアップして可視化し、それを常に意識することでその夢や目標を叶えようとするものだ。しかし、そのリストをもう一度眺めてみよう。

それは、本当に「自分」がやりたい、成し遂げたいものなのか、それとも、「他者」から評価されたり、承認されるためにやりたい、やり遂げたいと思っていることなのか。

もしかしたら、1/3くらいは、「自分が」ではなく、「誰かからXXXと評価されたいから、褒められたいから、羨ましがられたいから、承認されたいから」その夢をリストアップしたのかもしれない。

他者からの評価や承認は大切だ。人間の根源的欲求だからそれは一ミリも否定しない。しかし、いつのまにか、夢や目標や日々の仕事の尺度が「自分の」ではなく「誰か他人の」評価や承認を得るためになり始めたら注意が必要だ。

あなたの人生は、あなたが主演・監督・脚本を手がける一本の映画である。できる奴は、己を知ることと、他人に縛られないことの絶妙なバランスの中で仕事をしている。

9. 自分の仕事の「意味づけ」や「解釈」をしている

今日の朝礼で経営企画室長の八木が話したこと。とても良い話なので、ここでも紹介したい。あまりにも有名な話だからあなたも知っていると思う。

ある建築現場で、何をしているのかを聞かれた3人の石工は、それぞれこう答えた。

1人目の男は、「何をしているかだって? これで食べているんだよ!」と気だるそうに答えた。
2人目の男は、手を休めずに、「腕のいい石工の仕事をしている」と答えた。
そして3人目の男は、眼を輝かせて、「国で一番の教会を建てているんだ」と答えた。

というものだ。

これはつまり、目の前の仕事に何を見出しているか、という話である。3人の石工は、まったく同じ仕事をしているにも関わらず、三者三様、全員がまったく別のゴールを見て石を切っている。

ちなみに、この話には続きがある。4人目の石工がいたのだ。4人目の石工はこう言った。

あなたは何をしているのか?
「私はいま、皆の心のより所をつくっているのです」

できる奴は、仕事人生を送る中で、働くことの「解釈」や「意味付け」がしっかりと成されているのだ。何のために働くのか。金のため。ローンのため。昇進のため。いろいろあるだろう。

しかし、できる奴は、報酬や地位や名誉を成果の結果として捉えている。できる奴は、自己の能力を向上させ、顧客や社会に貢献し、そして自己も成長をする、ということをゴールに仕事をしている。報酬(給与)や地位や名誉はその結果に過ぎない。

あなたの仕事は、あなただけのものだ。だから、誰かがあなたの仕事の意味を解釈することはできない。あなたが、あなただけが、目の前にある仕事の意味づけや解釈をすることができるのだ。いま、あなたがやっている仕事は誰に、どんな価値を提供するためのものなのだろうか。もう一度考えてみよう。

ということで、私もまだ修行中の身です。みんなで良い2015年にしませう。

池田紀行

夢はひとつ叶えると次々叶うぞ

10 years 11ヶ月 ago

今年も今日でおしまい。夕方から飲み始めたお酒でヨレヨレだけれども、酔いながら感じたことを紅白を見ながら書きなぐってみたい。短めに。

いやね、自画自賛なんだけども、今年も本当によく働きました。でもそれは去年までも同じこと。今年一番の変化は、仕事だけじゃなく、本当によく遊んだなって。

むかし、取引先の人と話していて「自分の成分表示」ってフレーズを聞いたことがあったんですよ。個人のTwitterを分析したらどんなことがわかるかって話で、その人は都内で働きながら住居を軽井沢に移しちゃったアクティブな人で、車はオールドミニをこよなく愛する人だった。だから「私のTwitterの成分は30%が軽井沢ネタで30%がミニで、残りの40%は~」みたいな文脈で話してた。(T.Sさんです!)

それからずーっと「俺の成分表示ってなんだろうなー」って思い続けてきた。ま、考えるまでもなく、仕事90%、残り10%みたいな感じなわけですよ。週末はだいたい執筆。たまにジムかゴルフ、みたいな。仕事は大好きだし、何の不満もなく幸せ絶頂なんだけど、仕事成分90%以上ってどこかで「本当にいいのか俺!」と思う自分がいて。

そんなことも忘れたころ(Facebookで友だちの皆さんはすでにご存知の通り)、今年はGWからサーフィンにハマり、10月にワーゲンバス購入、11月キャンプにドハマり、と大きく自身の成分表示が変わった年でした。2015年は2月に夢だった船舶2級も取る(予定だ)し、さらに成分に変化の予感。

※夢が叶った参考エントリー
http://www.ikedanoriyuki.jp/?p=5257

41歳にして、こんなにライフスタイルが変わるなんて想像もしなかった。いや、想像だけして、いつも「いまは忙しいけど、いつか。いつか…。」って心のどこかで言い訳をしていた気がする。そんな「昔からの夢」を(半ば勢いで)叶えてみて見えたこと。

それは、夢はひとつ叶えると勢いがついて、次々叶い始めるってこと。

思い切って寒いうちからサーフィンに行く。やめられないように道具を揃えちゃう。毎週行く。楽しくなる。海用の車が欲しくなる。車…車…と念じる。人生の夢だったワーゲンバスを買ってしまう。オートキャンプに行きたかった夢を思い出す。思い切ってオートキャンプを始める。ドハマりする。ヤマハの人と出会い、昔から船舶免許を取りたかったことを思い出す。勢いに任せて申し込む(2月に国家試験)。

なんて言うんですかね。この勢い。ひとつ夢を叶える腰が重たくなっていた去年までとは大違い。「もうついでにこれもやっちゃおう!昔からの夢だったし!」みたいに新しいことを始めることに圧倒的に身軽になったというか。

ということで皆さん、2015年は、昔からの夢をひとつ叶えてみてください。「いつか、いつか」って、ずーっとずーっっっと先延ばしにしてきた夢を、ひとつ叶えてみてください

そしたらきっと、芋づる式に、次から次に夢が叶い始めますよ。いや、叶い始めるというか、眠っていた夢が向こうから「次は俺!次は私!」って迫ってくるというか(笑)

一年でも一ヶ月でも早く夢を叶えたら、その後の(叶えた夢と一緒の)人生が長くなるしな!

言い訳したり、難しいこと考えず、やっちゃいなよ!始めちゃいなよ!人生は一回っ切りだぜ。2015年バンザーイ!

※ちなみに
成分表示のグラフですけど、このまま見ると「池田、仕事のマインドシェア下がりすぎワロタwwwww」とか言われそうですけど、これは仕事の時間が半分に減ったってことじゃなくて、あくまで仕事「以外」のことがどんな感じで変わったかってことを表現しているグラフですからね。念のため!

池田紀行
確認済み
1 時間 27 分 ago
戦略に強みを持つマーケティング会社 トライバルメディアハウス代表。大手企業300社以上の広告宣伝・広報・マーケティングを支援。『売上の地図』『自分を育てる働き方ノート』など著書・共著書10冊以上。近著『マーケティング「つながる」思考術』。鎌倉稲村ヶ崎在住。
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