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コミュニティパネル型の共創マーケティングプラットフォーム「cocosquare:ココスクウェア」をリリースしました!

12 years 8ヶ月 ago

みなさんこんにちは。

本日12時に、コミュニティパネル型の共創マーケティングプラットフォーム「cocosquare:ココスクウェア」をリリース致しました!長かった…うるうる。



cocosquareは、新たなリサーチ手法として注目されているコミュニティパネルの枠組みを超えて、ユーザーエンゲージメントの向上を実現する共創マーケティングプラットフォームです。わかりやすく言うと、ブランドコミュニティと、MROCを含むリサーチ専用のコミュニティパネルが合体したような場所です。この仕組みを、ASP形式で提供します。

※コミュニティパネル
数十~数百人規模で行われるMROCの規模を拡大し、対話やインタビューなどの質的調査に加えて、アンケートなどの量的調査までを同一のプラットフォームで実施する新しいリサーチ手法です。世界ではVISIONCRITICAL社が有名

※MROC
Marketing Research Online Communityの略で、オンラインという特性から時間と場所に縛られることがなく、特定のテーマに関して関心の高い人を集めたコミュニティを構築、一定期間(数週間~数カ月)の対話や交流を通して消費者インサイトを探るリサーチ手法。世界ではcommunispace社が有名

そして、cocosquareでは、本日12時より、cocosquareをプラットフォームとしたキリン株式会社による「キリンビール カンパイ会議」の運用がスタートしています。



https://cocosq.jp/kanpai/


このキリンビールカンパイ会議でのプロジェクト第一弾として、「はまっこのためのビールづくり・・・横浜工場ビール2013」がスタートします。これは、満20歳以上~34歳で、キリンビール発祥の地である横浜(神奈川県)出身者、在住者、勤務者の方々と一緒に最高のビールをつくっちゃうプロジェクトです。本日8/8~8/26までが応募期間です。該当者の方はぜひエントリーを!



http://cocosq.jp/kanpai/yokohama/


皆さんご存知の通り、最近はソーシャルメディア上の声を収集・モニタリングして商品やサービスの開発・改善に活かす取り組みが活発化しています。FacebookやTwitterを活用した人気投票キャンペーン、商品アイデアの募集といった取り組みも同様です。

今回、トライバルメディアハウスが開発した cocosquare は、コミュニティパネルの特徴でもあるMROCやディスカッションによる質的調査、アンケートや投票による量的調査を主要な機能としながら、ユーザーと企業(ブランド)の中長期的な対話による関係構築および相互理解をサポートすることで、リサーチの枠組みを超えたユーザーエンゲージメントの向上を実現するものです。

また、大きな特徴のひとつにFacebook連携が挙げられます。すでに企業が保有するFacebookページのファンを招聘することで、効率的に優良な調査モニター(ロイヤルユーザー)を招き入れることができ、パネルの募集にかかるコストを大幅に削減することができます。

海外では、すでに企業と消費者の本格的な共創マーケティングが始まっています。有名なMy Starbucks Ideaもそのひとつです。



http://mystarbucksidea.force.com/


日本でも、無印良品の「くらしの良品研究所」が有名です。このサイト内のご意見パークなんてすごいです。本気です。



http://www.muji.net/lab/


共創マーケティングの考え方や事例紹介についてはまた追って別途ブログ書きます。

cocosquareを活用した新しい取り組みも続々登場予定ですので、ご興味のある方はぜひcocosquareのサービス概要を見て頂き、お気軽にお問い合わせ頂ければ幸いです。

日本企業における共創マーケティングへの取り組みは、これからが本番です。それぞれの企業やブランドが、お客様との最適な関係をつくれる場を提供して行きたいと思っていますので、ぜひご注目ください。

※cocosquareサービス概要
http://www.tribalmedia.co.jp/service/detail.html?id=7

※2013年8月8日 プレスリリース(PDF)
コミュニティパネル型の共創マーケティングプラットフォーム「cocosquare(ココスクウェア)」を開発、ASP形式での提供を開始
http://www.tribalmedia.co.jp/pdf/130808_cocosquare.pdf

池田紀行

第一回 夏祭り!トライバルナイト2013開催報告

12 years 9ヶ月 ago

先週の7月25日(木)に、会社をつくってからの悲願だったお客様感謝パーティー「トライバルナイト2013」を六本木のTEIEN TOKYOで開催しました。

おかげさまで、トライバルメディアハウスは現在300社を超えるお客様とお仕事をさせて頂いておりますが、2007年に会社を設立した初年度は、取引実績6社と、相当キツかった。

この業界、何の実績もないポッと出の会社に数千万円のプロモーションを任せてなんてくれません。会社概要にCapabilityを入れることができず、思うように営業できなかった時代は本当に本当に本当に本当にしんどかった。

トライバルナイトは、いつか事業が軌道に乗ったら、お客様をお呼びして日ごろのご支援を感謝したい。スタッフ全員で精一杯おもてなししたい、と長年想い続けてきた会社の悲願。当日は、ひとつの大きな夢が叶った最高の夜でした。

どうせならトライバルらしく楽しい夏祭りを屋外でやりたい。祭りならやっぱり浴衣と法被(はっぴ)、そして、日ごろからトライバルをご愛顧頂いている素適なお客様同士が交流できる会にしたい、そんなことをコンセプトに準備を進め、当日は100名のお客様にご来場頂きました(会場の都合上、全てのお客様をお呼びできなかったことが悔しいですが)

浴衣でお客様を出迎えてくれた女性スタッフたち。

トライバルの財産は最高のクライアントの皆さまです。いつも本当にありがとうございます!

当日は博報堂さん仕込のサプライズゲストとして壇蜜さんに似ていることでメディア引っ張りだこの小蜜こと副島美咲さんがきてくださいました。チョコバナナをくわえながら浴衣の袖を引っ張られたときは美しすぎて意識を失いそうでした。

最後にスタッフ全員で記念撮影。トライバルナイトは全てスタッフの手作りによって開催されました。仕事をしながらの準備や当日の運営を滞りなくやってくれたスタッフたちは僕の誇りです。本当にありがとう!

お忙しい中、第一回トライバルナイトにご参加頂いたクライアントおよびパートナー企業の皆さま、本当にありがとうございました。皆さまがトライバルメディアハウスの財産です。来年もトライバルナイト2014年を開催する予定ですので、引き続きよろしくお願い致します。

トライバルメディアハウス
代表取締役社長 池田紀行

池田紀行

みんな、本を書こうぜ! - 本を出版する5つのメリット

12 years 9ヶ月 ago

ビジネスマンであれば、誰でも一度は自著の本を出版するという夢を持ったことがあると思います。

本を出版するメリットには、


(1) その道の専門家と認知され社会的信頼度が向上する

(2) 取材やセミナー講師の依頼が増えるため良質な引き合いが増える

(3) 頭の中の暗黙知が形式知化されるため知識が体系化される

(4) 印税が入る

(5) 親孝行になる

 

など、5つのメリットがあります。

 

私も、共著を含めいままで9冊の本を出版しましたが、上記5つのメリットを享受してきました。

一つひとつ見てみましょう。

 


(1) その道の専門家として認知され社会的信頼度が向上する

これは言わずもがな、でしょう。本の出版というのは(広告ではなく)PRに似ています。なぜ人は広告よりも新聞やニュースサイトの記事を信じるのか。それは、その記事は(記事の当事者ではなく)第三者のメディアによって選定されて出ているからです。

本を書く、出版社から本を出すということは、誰でもできることではありません。だからこそ、そこに価値が出るのです。この人はその道の専門家と出版社が認めたんだな、というお墨付きが付いてくるわけです。ここが電子書籍(のみでの)出版と一番大きく異なるところでしょう。

 


(2) 取材やセミナー講師の依頼が増えるため良質な引き合いが増える

PRの世界には、「メディアを一番見ているのはメディアの人間である」という言葉があります。わかりやすく言えば、新聞に取り上げられるとテレビから取材が来る、ということです。この法則は、「本を一番読んでいるのは、メディアの記者やセミナー事務局である」にも当てはまります。

記者が誰か専門家の意見を探しているときや、日経や宣伝会議など、多くの教育講座(セミナー)を運営している担当者が次のテーマ(講師)を探すとき、よく書店に行きます。誰がこの道のプロか、自分のイメージに近い論を唱えている人は誰か、探しているのです。

本を出版すれば、間違いなくこれらの人の目に留まる可能性が向上し、取材、メディアへの寄稿、セミナー講師の依頼が増加します。セミナー講師が増えれば、間違いなく良質な仕事の引き合いは増加するでしょう。

 


(3) 頭の中の暗黙知が形式知化されるため知識が体系化される

本を書くことの副次的なメリットに「知識の体系化が進む」ことが挙げられます。数万字の文章を書いていくと、何度も「あれ、ここロジックが合わないな」とか「あ、ここ結構曖昧だな」というところが浮き彫りになってきます。頭の中ではある程度まとまっていると考えていたものでも、文章に落とそうとすると途端に筆が進まなくなります。

これ、PPTでチャートばかり作ってると以外と見過ごされてしまうのですが、文章だとごまかせないんです。私たちの頭の中は、以外と曖昧な暗黙知で満たされていて、普段は何となくそれでやり過ごせるんですけど、文章に落とそうとすると完全に形式知化されてないと書けないんですよね。ですから、一般的なビジネス書の文字数である10万字という文字量を書くことによって、頭の中に入っていたモヤモヤの暗黙知が、全て理路整然と綺麗に体系化されていくのです。

これは以外と大きなメリットなんです。だから、本を書いた後のセミナーは評判が良いはずです。何しろ、頭の中がスッキリと形式知化されてるんですから、聴いてる方もわかりやすいわけです。このメリットは3,000字~5,000字程度のブログ記事でも得ることができますが、是非一冊の本を書く過程で大きな効果を実感して頂きたいポイントです。

 


(4) 印税が入る

本を出すと、よく「イヨッ!夢の印税生活だね!おごって!」と言われますが、ビジネス書の印税なんてたかが知れています(それでも一応一定額が入るのでメリットに入れましたが、休日出勤のご褒美みたいなものです)。

全ての人が読者ターゲットになる小説や、ビジネス書の中でも自己啓発本などはターゲットが広いため、ベストセラーになると数万部、数十万部、なんて数字が出ることもありますが、広告やPR、マーケティングなどは10万部も売れたら超ベストセラーの類です。

広告、PR、マーケティング業界で読んでない人はいないとも言われる、さとなおこと佐藤尚之さん著の超ベスト&ロングセラー『明日の広告』(アスキー新書)でも、たぶん10万部くらいです。

ちなみに、結構売れた『ソーシャルメディアマーケター美咲』(翔泳社)も、刷数は1万数千部です。

わかりやすく1万部で計算してみましょう。一般的に、著者が受け取る印税は定価の7~10%です。

美咲定価1,500円×10,000部×10%=1,500,000円

この金額を全額もらえるわけではありません。初版保証率や源泉徴収など様々なものが引かれます。また、ビジネス書の初版は3,000部~5,000部程度です。

最近では重版がかかれば大成功なんて言われますから、ほとんどが重版されず、初版分も全部売れません。その場合、出版社によって「定価×初版部数×印税率×初版保証率80%」(売れても売れなくても80%の印税は最初にくれる)場合と、売れた分だけ3ヶ月に1回程度締めて支払ってくれる場合などに分かれます。

まあややこしいですが、印税目当てで本を出版してもたかが知れてますから、ビジネス書の出版はそれ以外のメリットを目標にすると良いと思います。

 


(5) 親孝行になる

いきなりぜんぜん違う視点になりますが、実はこれが一番大きいんじゃないかと思います。本を出版したとき、一番喜んでくれたのは両親です。「うちの子が本を出版した!」「トンビが鷹を産んだ!」と大騒ぎとなり、近くの本屋で大量に予約購入し、親戚中に配り回るなど大変な騒ぎとなりました。いままでたいした親孝行をすることができていなかった私にとって、本の出版を喜んでくれている親の顔を見れたことが何よりも嬉しかった。

子どもを持つ親であれば、親孝行だけでなく、息子や娘の親として、パパは・ママは本を出したことがある尊敬できる人として認識されるメリットもあると思います。子どもはそんな親の背中を見て、きっとすくすく育ってくれるでしょう!

以上が5つのメリットです。

 

ここからは、「本は出版したいけど、無名な自分の本を出版してくれる出版社を見つけるなんて難しいし、何から始めたら良いかわからないよ!」という方のために、出版に向けた具体的な方法を(あくまで私の独断と偏見ですが)書いておきます。

 


● 無名な人間が本を出版するためにやるべきこと(一例)

私が最初の本『独立コンサルタントでメシを食う技術』(同文舘出版)を出したのは2004年のこと。30歳のときです。

当時は独立したての駆け出しマーケティングコンサルタントで、何の実績もなければ誰も私のことなんて知りません。独立したてですから、有名な会社に勤め要職に就いているなどの金看板もなければ、単独でのセミナー講師も務めたことなんてありませんでした。

だからこそ、「成り上がるために本を出版してセルフブランディングしよう!」と無邪気に考えていたわけです。でも、そんな無名な若者に出版社から執筆の依頼なんて来るわけがありません。どうしたら良いのかわからなかったので、とりあえず本の出版に関わる下記の本を読みました。

 


※新版出てます

 

この中で一番参考になったのが『ビジネスマンは、本を書こう』(畑田洋行著)です。本が出版されるまでの流れや書籍企画書なるものの存在、その書き方まで具体的にまとめられており、ものすごく参考になりました。

その本をたよりに出版企画書と当時のプロフィール、少しばかりの実績などを資料にまとめ、次に私がしたことは出版社リストの作成。本というのは、出版できさえすれば良いものではありません。どの出版社から本が出るかによって本の重み(重量ではない)や書店での配本力が変わってきます。

そのため、「ここから出るといいなぁ」と思える出版社を30社程度リストにまとめ、その全てに書類を送ったのです。もちろん突然。担当編集者名がわかることは少ないので、ほとんどが「ビジネス書編集担当者様」宛て。

ただし、出版社に持ち込まれる書籍企画書は毎日数十件とも言われます。ただ送っただけではすぐにうず高く積まれた他の企画書の1つになってしまいます。そのため、門前払いを食らうことを覚悟の上、一件一件電話をかけ、企画書が届いたかどうかを確認し、ぜひ一度目を通してほしい旨を伝えました

そこから待つこと2週間。なんと3社から「一度会って話を聴きたい」とレスポンスを頂けました。そのうちの一社が同文舘出版さんだったわけです。企画書を見てくれた編集者の方はとても熱い方で、本の書き方を一から教えてくださいました。凄まじく厳しい方でしたけれど、当時頂いたアドバイスはいまでも一生の宝物です。

とまぁ僕も当時はゲリラ的なやり方で何とか本の出版に漕ぎ着けたわけです。一冊本を出版すると、書籍編集者の方から「この人は10万字程度の文章を体系立って書ける人」と認識されるため、次の本の出版が決まりやすくなります。

そのため、この業界に来て一番最初に『キズナのマーケティング』(アスキー新書)を出版するときは(頼れるご紹介者を一人介したことも大きかったですが)比較的スムーズに出版に漕ぎ着けることができました。あとは流れに身を任せ…的な感じです。

 


● 商業出版以外の選択肢

本の出版には、出版社から普通に出版してもらう商業出版のほかに、自費出版と電子書籍出版という方法があります。ここでは長く書きませんが、自費出版は先に挙げた5つのメリットがほとんど享受できません。何しろ自費出版ですから。

次にAmazon Kindleなどでの電子書籍ですが、最初の本の場合、個人的にはあまりお勧めしません。よほど現在の社会的知名度が高い人なら別ですが、ほとんどの場合、出版したことを広く世に知らしめることができません

そして何よりも一番大きいのは、担当編集者が横を並走してくれないことです。編集者はその道のプロです。本の目次構成、ストーリー構成、読みやすさ、タイトルの付け方、装丁など、ありとあらゆるアドバイスをくれます。その他として大きいのはモチベーションマネジメントです。

書いてみるとわかりますが、ビジネス書一冊の平均文字数は約10万字程度です。ブログで3,000~4,000字の記事を書くのはさほど骨が折れるものではありませんが、これを一冊の本として成立する全体構成の中、10万字という分量を書き上げるというのは相当な生みの苦しみをともないます。仕事をしていれば平日夜か週末に書くしかありません。

最初にあった高いモチベーションはどこかに行ってしまい、ときに「もう無理!」と泣きごとのひとつも言いたくなります。そんなとき叱咤激励してくれるのが編集者です。もちろん、優しい言葉だけじゃなく(同文舘の熱い編集者の方は初稿の第一稿を読み)「なにこれぜんぜんつまらない。あのね、誰もあなたの自慢話なんて聴きたくないの。全部書き直し!」と超スパルタでしごかれることもありましたが…。

話が飛びましたが、個人的には「良い本の影には敏腕編集者あり」だと思っています。私がいままで出した本は、それぞれの敏腕編集者なくしては絶対に世に出すことはできなかったと断言できます。ぜひ、体当たりで出版社を見つけ、編集者とタッグを組み、一冊の本を世に生み出してください。

長くなりましたが、如何だったでしょうか。私は運に恵まれ、10年前には考えることもできなかったほど本を出すことができました。本を出したことによる縁は次の縁を生み、出版だけでなく、多くの魅力的な方々との出会いにもつながっています。ぜひ皆さんにも、この素適な世界を知って頂きたい。

 

最後に、本を出版したいと考えている全ての人にこのメッセージを送ります。

池田紀行

ソーシャルメディアが人を黒くしたのではない、人はもともと黒かったのだ。

12 years 9ヶ月 ago

今日は当たり前なことを書きますよ。

ソーシャルメディアが登場する1億年以上前から、人間の心は半分が綺麗で半分が汚かった。ソーシャルメディアは、いままでは見えづらかった人の持つ黒い(陰の)部分を見やすくしたに過ぎない。

 

※画像出典:freepic.com

 

何を今さら、と思うかもしれない。

でも、このあたり、結構曖昧な気がするのです。あなたも、

 

  • 最近Twitterはいつも小競り合いが起きていて居心地が悪い
  • Twitterは殺伐としているけどFacebookは安心して投稿できる
  • (逆に)Facebookはカッコつけ投稿ばかりで気持ち悪い

 

などと感じたことはありませんか?

でも、陰陽の対極図にあるように、森羅万象、宇宙のあらゆるものは陽と陰の2つによって成り立っているわけです。光と闇、剛と柔、昼と夜、男と女のように、それぞれは相反しつつも、もう片方が無ければ存在することはできない。相反する陰陽の2つがバランスよく調和してこそ秩序が保たれる。

 

※画像出典:Wikipedia

 

人間の心も同じです。誰かを愛し、慈しみ、尊敬・信頼し、貢献したいという陽の心と、誰かを憎み、ねたみ、そねみ、軽蔑し、侮蔑し、妨害するという陰の心がある。この2つの心を切り離すことはできません。陰陽があるから人間なのです。

 

 

表に出ると周囲との軋轢を生んだり、軽蔑されたり、孤立する可能性が高まるため、いままでは隠したり、表だって発言されてこなかった人の持つ「陰」の部分。ソーシャルメディアはそれを表出させたに過ぎません。人間が変わったのではなく人の心を投影する媒介が変わったのです。

 

 

 いまは…

 

 

ひとつ性質が悪いのは、ソーシャルメディア時代の「陰」はサイバーカスケードを誘発するということです。本来、人の意見は多様なのに、ネット上で類似の意見が瞬時かつ大規模に結び付き、巨大な勢力を持つ。そして、極端化・閉鎖化したそれぞれの意見は対立や誹謗中傷を繰り返し、極めて流動的・不安定な状態をつくり出す(参考:Wikipedia)。これは本当に今後の課題だと思う。

 

 

蛇足。

いままで「ソーシャルメディアは、従来は見えづらかった人の持つ黒い(陰の)部分を見やすくしたに過ぎない」と書きましたが、同時に、「ソーシャルメディアは人の持つ白い(陽)の部分を誇張しやすくした」とも言えます。

 

 

これは、

あたりに書いた通りです。

だからですね、もう「あーもーソーシャルやだ」って言うのやめましょうよ。これ「あーもー人間やだ」って言ってるのと同義なんですから。ね。

池田紀行

承認欲求という名の怪物

12 years 9ヶ月 ago

昨日、日経BizGateの連載コラムに『なぜ人は「スタバなう」とつぶやくのか』という記事がアップされたら思いのほか反響があったので日経メディアでは受けなそうな番外編を書くことにした。



TwitterやFacebook、mixiユーザーがチェックインやチェックインツイートをする心理には社会的欲求(人とのつながりを感じたい)と承認欲求(他者に認められたい/羨ましいと思ってもらいたい)の2つがあることはコラムに書いた通りです。

そして、これはチェックインに限ったことではなく、FacebookやInstagramなどで写真を撮影してソーシャルメディアに投稿することが「撮った写真を共有する」行為から「共有するために写真を撮る」という極めて目的的な行為へと変わってきていることにも触れました。

このコラムを読んで山本直人さんが連絡をくださった。山本さんが以前書いたブログ『「いいね」的世界で暮らす。』と通ずるものがあるとのこと。拝読してみると驚くほど共感できる内容だったので少しここで紹介したい。

 

facebookの空気感はやはり「いいね!」ボタンによるところが大きいと思う。これは「like」の訳なんだろうけど、「いいね!」を押すときはどちらかというと「good!」に近い感覚になっているように感じる。(略)

だから、「クルマへこましちゃった」みたいなことには反応しにくいし、ネガティブなことは書きにくくなる。そうなると「風邪をひきました」とは書かずに「風邪ひいて今日はお休み。たまにはゆっくりしろという天の声かも」みたいに書きたくなるんじゃないだろうか。書く前から、「いいね!」を織り込んでしまうように。

そういえば、ここ最近お子さんの「合格報告」を幾つか目にした時にも思った。合格する人もいれば、残念な結果の人もいる。それでも、facebookは明るい話題で埋められていく。そして、知らずのうちに「いいね!」的世界で暮らしている。

実名SNSのfacebookが必ずしもリアルを映しているわけではない。むしろ、そこには表れない「世界のもう半分」がある。

※出典:naoto_yamamoto:Blog / from_NY 「いいね!」的世界で暮らす。

 

「いいね!」に現れないもう半分の世界――。まさに!

社会的欲求や承認欲求は人類が生まれてからずっと存在してきたもので、何もネット社会になってから生まれた新しい欲求ではありません(もちろんマズローの欲求段階説的に見れば社会の成熟とともに上位欲求に移行しているんだろうけども)。


※第三段階:所属と愛の欲求(=社会的欲求)、第四段階:自尊の欲求(=承認欲求)
※図版出典:企画とプレゼン手法


1980年代だって、少しでも良い車に乗って友人や近所の人に一目置かれたいとか、周りよりも良い会社に入って親戚の中で自慢したいとか、強い承認欲求は存在していました。

とはいえ、やっぱりここ最近の私たちの意識や行動の変化には極めて大きな変化が見られると思うのです。大げさかもしれないけれど、私たちは「承認欲求という怪物」に取り憑かれているとすら思えるのだ。

ソーシャルメディアは元来人間が持っていた承認欲求を拡張させている、と言えるのではないか。

 

  • いまどこで誰と会っている
  • いまどこで誰と何を食べている
  • いまどこで誰と何をしている
  • ここに旅行に来ている
  • あれを買った/これを買った
  • この本を読んだ/この映画を観た
  • この曲を聴いている
  • 深夜まだ仕事をしている/休日出勤をしている
  • 朝7時から働いている/今日まだ昼飯食べてない/腹へった
  • 今日これを達成した/実現した
  • 風邪をひいた/熱が39°もある
  • 疲れた/寝てない/眠い
  • 俺スゲーかっこいい
  • 私メチャクチャかわいい

 

TwitterやFacebookに投稿される内容は上記のように様々だけれど、そのメッセージや画像の背景にはいくばくかの(もしくは相当大きな)満たしたい承認欲求が隠されています

投稿「いまXXXたちとXXXで寿司食ってる!」

承認欲求「いいでしょ、羨ましいでしょ、加わりたいでしょ」

といった具合です。まあ皆さんわかりますよね。

こんな些細な日常の出来事なんて、ソーシャルメディア(特にTwitterやFacebook、mixiなど)が普及する前は誰かに共有する以前に、「それをしていることすらほぼ意識していない状態」だったと思うのです。ただ単に友人や業界の同志と街で寿司を食ってるだけだった。それがいつの間にか「誰かとのつながりを意識したり、誰かに自慢して羨ましがられる行為」に変わってしまった

ソーシャルメディアとスマホの普及で誰かと常につながっている状態がつくられると、「人とのつながりを確認」したり、「誰かに羨ましいと思ってもらう」ために、それらを「意識的に」行うようになる。目的的な行動が多くなる。

それだけではとどまらない。人と常時接続されている状態は、常につながっている安心感と同時に、つながっていない不安感をも増大させます。「3人に1人がFacebook閲覧後に孤独感や嫉妬心を抱いている」という話や、「たった24時間ソーシャルメディアと引き離されただけで、学生たちは麻薬中毒やアルコール依存症のような症状、具体的にはすさまじい欲求、強い不安感、極度のいら立ち、落ち込み、神経過敏、正気を失うなどの禁断症状を訴えた」という調査結果すらある。

僕らは、進化人類学史上、未だかつてないくらい、人の目や評価を気にしながら生きている。知らず知らずのうちに、「いいね!」やRT/Favに人生を支配されている。これは、かつてのムラ社会の中で隣人や地域と協調したり、世間体を気にしながら窮屈に生きるのとはまた違う質的変容だと思うのです。

一つひとつの投稿や確認作業はとても小さなものだから、ややもすると気づかない日常の一瞬の出来事として流れて行く。でもそれは確実かつ連鎖的・連続的に蓄積されていくものだ。

山本さんが言う「いいね!」に現れないもう半分の世界――。

ソーシャルメディアに拡張された半分の自己を演じているつもりが、いつの間にかその役者に人生を支配されるようになる。もしかしたら、「いいね!」に現れる半分の世界に覆われてしまうかもしれない。

私たちは、人類で初めて人間関係や承認欲求が拡張される転換期に生きている。いまは新しいメディアやデバイスに振り回され、自らの欲求をうまく制御できていない状態だと思う。

でも、あと数年も経てば、きっと僕らはこれらの技術革新やツールをうまく使いこなし、もう一度、自らが快適と感じる距離感を保てるようになると思うし、そう願いたい。僕ら世代は僕らの子供世代のためにもそのロールモデルにならなきゃいけないとも思う。

こんなこと書くとこれからの投稿がやりにくくなるけれど、そんなことは気にせず今後とも自らの承認欲求を満たす投稿に励みたいと思います。

終わり。


■ 追記:2013年7月17日13:45

@copiz さんがツイートしてくれた。



このツイートでシナプスがつながったんですけど、僕が言いたいことはつまり「ソーシャルメディアはもうひとつの世間をつくり出した」ということなのですよ!



まさに。

「芝」で競争している時代はよかった。見栄の張り方はシンプルだし、「見た目の芝」で勝利すれば承認欲求を満たすことができた。でもいまは @copiz さんの言うように、隣の人が食べているモノ、付き合っている相手、財布の中身が見えてしまう。そして、それが見えた時、相手がどんなダメージを食らうか(自分にどんな羨望のまなざしが向けられるか)を(誤解している可能性が大きいが)想像することができる。

これは一種の恐怖である。

「もうひとつの世間」は「芝自慢」ほどシンプルな話ではない。常にポジティブな意識、自分は良い人&オサレな人アピール、真摯または野心的な仕事ぶり、長時間労働、幸せな家庭、素適な旅行先、楽しそうな週末のバーベキュー、洗車したてのマイカー、ゴルフ、焼肉、ラーメン、お寿司、手作りパスタ、虹、青空、道端の花……。これら一つひとつが「いいね!ポイント」を獲得し、「もうひとつの世間」での承認欲求充足度を高める。

そして、この戦いはリアルタイムかつフロー型で進む。休憩は無い。しばらく戦線を離脱すると「もうひとつの世間」で忘れられた存在(過去の人)になってしまう。その恐怖心から今日もせっせと「もうひとつの世間」で「いいね!ポイント」の獲得に腐心する。

だからなんなのってことなんですけど、そんなことを考えていたことを思い出しました。さて、僕らはどこへ向かうのか。@copiz さん気づきをありがとうございます。

池田紀行

第1回トライバル リクルーティング焼肉ナイトを開催します!

12 years 10ヶ月 ago

トライバルメディアハウスでは、相変わらずの業容拡大中につき、一緒に日本のマーケティングの未来を創る仲間を探しています。

仕事はあるけれど、とにかく人手が足りない。新規事業のアイデアはたくさんあれど、手が足りなくて着手できない。そんな状態が続いています。

僕らは、ソーシャルメディアを活用したプロモーションやブランドコミュニケーションを支援するマーケティングベンチャーです。最近はソーシャルメディアの枠にとらわれない、オウンドメディア戦略や共創マーケティング(商品開発)など、クライアントからの要望も多岐に渡っています。

「いまの仕事も面白いけど、新しい領域で自分の可能性にチャレンジしたい」という方、マーケティングベンチャーという環境で、一緒に日本のマーケティングの未来を創りませんか!

ということで、ずーっと前からやりたかったリクルーティング焼肉ナイトをついに開催する運びとなりました!

リクルーティング焼肉ナイトとは、「トライバルってどうなんだろう…」と転職先の候補として興味をもってくださっている方々と、トライバルメディアハウスの役員・社員が一緒に肉をジュージュー焼きながら気軽に情報交換をする肉会です(もちろん、僕も行きますよ!)

トライバルへの転職を検討している方でも、「いきなり履歴書や職務経歴書を送る勇気がない」 「もし転職した場合、自分がどんな仕事をするのか、いまいちイメージがわかない」 「働いている人たちや社内の雰囲気が知りたい」など、気になることがたくさんあると思います。

でも、トライバルに関する情報は会社ホームページやFacebookページ、僕や社員が書いているブログなど、情報が限られてるんですよね。

手前みそですが、うちの良さは、ビジョンや業務内容もさることながら、やっぱり一番は「社員みんなの仲が良いこと」だと思っています。お互いが相手を信頼・尊重し合う文化の中で、新しい領域のマーケティングの実践経験を積むことができる。

トライバルメディアハウスが皆さんにとってイメージと合致する会社かどうか、ぜひうちのスタッフと交流することでイメージを掴んでください

ということで、イベント概要はこちら!


<イベント概要>
● 目的:トライバルの仕事に興味がある転職検討者との情報交換
● 日時:2013年6月28日(金)20:00~23:00
● お店:焼肉 天 がむしゃら http://www.gamushara.info/index.html
● 定員:10名くらいまで
● 会費:お1人様 5,000円


うおー!トライバルに超興味あったんだよね!絶対行くッス!」という方から、「少し興味がある程度なんだけど、そんな僕/私でも行って良いでしょうか…」という方まで、ぜひお気軽にご応募ください。


トライバル リクルーティング焼肉ナイトへのエントリーはこちらから!
さあ勇気を出して!気軽に来ちゃってください!

※人数が一杯になりましたら、その時点で締め切らせて頂きます。予めご了承ください。

皆さんとお会いできることを楽しみにしております!(*゚∀゚)ノ

<参考情報>
トライバルメディアハウス会社ホームページ
Facebookページ
採用情報
今後のビジョン
ユニークな社内制度

池田紀行

LINE@初の公式ガイドブックが出版されます&出版記念セミナーやります!

12 years 10ヶ月 ago

2013年6月28日に、LINE@初の公式ガイドブックが出版されます!!

<目次>
第1章 LINE@を理解して戦略を立てる法則
第2章 運用する前の準備・設定の法則
第3章 店舗やWebで友だちを獲得する法則
第4章 確実に読まれるメッセージを作る法則
第5章 メッセージを配信して集客する法則
第6章 売り上げを伸ばすクーポン配信の法則
第7章 データを分析して運用を改善する法則
第8章 お店の力を結集して運用効果を上げる法則

うちの松田かおりと植原正太郎が夜なべして書き上げました。数十店のLINE@運用先行店へのインタビューをベースに、実践的なノウハウを100個の法則としてまとめています。

そして、本日会社からもリリースを出しましたが、本書の出版を機に、トライバルメディアハウスではLINE@アカウントの販売代行、開設・運用支援サービスの提供を開始します。

※LINE@は、国内4,500万人以上が利用するLINEで皆さんのお店が紹介され、クーポンやお得情報の発信ができ、集客に繋がるLINEの店舗オーナー様向けサービスです

全国チェーンや複数店舗オーナー様、また商店街やショッピングセンターなどを対象に、LINE@アカウントの戦略策定、開設・運用支援などを行ってまいります。

ということで、LINE@の強みや効果の解説、実際の導入店舗の声などを聞く出版記念セミナーを下記の通り実施します

セミナーには、LINE株式会社から田端信太郎氏、事例紹介ではPARCO様とタワーレコード様をお迎えし、LINE@の最新動向から活用最前線の奮闘ぶりまでわかりやすく解説して頂きます。ぜひふるってご応募ください!


<セミナー概要>
● 日時:2013年7月10日(水) 14:00~17:45
● 会場:赤坂ツインタワーカンファレンスセンター
● 定員:150名
● 料金:5,000円
● 申込締切:6月28日(金)
● プログラムの詳細はこちら


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池田紀行

「もう一回人生をやり直したい」と考えているあなたに ― 人生の選択を誤らない方法

12 years 11ヶ月 ago

昨晩のツイートが結構RTされたのでこちらでも。

これは、自分が何かの選択をする際、ずっと大切にしている考えです。

むかし、僕が尊敬する社会人の先輩たちの飲み会で、「人生やり直せるなら、いつから、どうやり直したいか」という話題になったことがあります。

その先輩たちは、みんなすごく優秀で、それぞれ誰もが知る会社で若くして先頭集団を突っ走る出世頭たち。モチベーションが高く、みんな良い意味でギラギラしていた。僕はそんな先輩たちがまぶしくて、いつか自分もこの人たちに追いつきたいと思っていました。

だから僕は当然、みんな「やり直したいことなんてぜんぜん無いねぇ」と言うと思っていた。しかし、何人かの先輩が「大学入試からやり直したい」 「進む学部を間違えた」 「最初に入社した会社が良くなかった」など、次々と「選択の誤り」を話し始めたのです。

正直、僕はショックでした。


人生は大小様々な選択の連続でできています。人生は選択そのものです。



選んだ選択肢の数と同じだけ、もしくはそれ以上に「選ばなかった(選べなかった)選択肢」がある。


選ばなかった選択肢を選んでいた場合、全く違う人生になっていたかもしれない。でも、そんなことを考え始めたらキリがない。

「もしあのとき、この大学じゃなくあの大学に進んでいたら…」 「もしあのとき、就職活動を頑張ってあの会社に入社していたら…」。もし、もし、もし―――。

僕は、何かを選択する際、「どちらの選択肢も正解であり、誤りである」と思っています。正確に言うと、「どちらの選択肢も正解になり得るし、誤りになり得る」。

選択した選択肢が正解だったのか、誤りだったのかは、選択時ではなく、選択後の行動によって決まると思うのです。

どちらの選択肢を選ぼうが、言い訳しないで全力でやる。行動に移す。成功するまで続ける。選択した事実(過去)は変えられませんが、選択の成功(未来)は自分の行動によって変えることができる。

そう思って行動していれば、選択した選択肢は、おのずと「正解」になる。選んだ選択肢は、自分自身の行動によって正解にすることができるんです。

だから僕は、「人生やり直せるなら、いつから、どうやり直したいか」と聞かれたら、「もう一回、違う人生を送れるとしても、いまと全く同じ人生を歩む」と答えます。

順風満帆とはかけ離れた人生かもしれませんが、自分が選んできた選択は、その後の行動も含め全力でやり切ってきた自負があります。だから一切後悔はありません。

選択を正解にするも、誤りにするも、全て選択後の自分の行動次第。そう考えれば、選択時の悩みが少し軽くなる気がしませんか?

池田紀行

雨男・雨女にならない方法

13 years ago

今日は冷たい雨の日曜日でしたね。

ということで、タイトルにもある「雨男・雨女にならない方法」という猛烈にくだらないことを書きます。

雨男・雨女にならない方法。


それはズバリ、ことあるごとに「俺は超絶な晴れ男だぜ」 「私はモーレツ❤晴れ女よ!」と言い続けることです。


重要なのでもう一度言います。

例え自分が参加する大事なイベントが全て雨で、「誰だ雨男(女)は!お前だなっ!?」と言われたとしても、「ないない、それは絶対ない。俺(私)は小さい頃から超絶な晴れ男(女)で遠足も運動会も修学旅行も新歓合宿も花火大会もBBQも全部ことごとく雲ひとつない晴天だったよ。いままで自分が参加したイベントが雨だったことなんてことは一度も無い!」と言い続けるのです。

当たり前すぎて書くまでもないですが、「雨男」「雨女」なんてものは存在しません

しかし、その人がいるとなぜかいつも雨…という人はいます(正確に言うと “いる気” がします)。これがやっかい。雨男・雨女と言われる所以です。

だからこそ一番怖いのは、自分が雨男・雨女というラベリングをされることです。一度なったら最後。あなたが雨男・雨女であることは仲間内で共有され続け、末裔まで言い継がれるものになります。

私生活ではゴルフやBBQ、結婚式などで雨が降るたびに「お前が来るからだよー」と言われ、仕事では(特に広告業界などの場合)クライアントの大切なイベントやCMの撮影日などに雨が降ったら最後。「おい!お前のせいで雨じゃねぇか!どうしてくれるんだ!」と理不尽な上司から半ば本気で叱られたりします。

この何の得も無い雨男・雨女。

でもこれ、実は自分でなってるんです

天気予報やイベント当日が雨だった場合、「あー、ごめん、俺、雨男だからさ…」とか、「あ、俺のせいかも…」などと言ってしまう人がいるのです。その積み重ねによって、その人は本当に雨男・雨女になって行きます。


雨男・雨女に、自ら志願してなっているんです。


これはもう本当にやめた方がいい。楽しみにしていた花火大会やBBQ、大切なクライアントのイベントや撮影日が雨になると、その怒りや落胆のエネルギーは行き先を失い、雨男・雨女に向かいます。

雨はその人のせいでも何でもないのに、心理的には5%~10%くらい、本当にその人のせいになる。どうしても雨が降ってはいけない仕事のとき、ひどいときはメンバーから外されることすらあると聞きます(クライアントに雨男・雨女と認識されていると、念のため営業がその人をイベント担当から外すなんてことも聞いたことがあります)

さらに、将来、過去の回想として話されるとき、「あの日、雨だったからね~。池田のせいで」と語られ続けるのです。このダメージは測り知れません。

皆さん、わかりましたね。

これからは誰が何と言おうと、自分のことを「超絶・モーレツ晴れ男・晴れ女」と言い続けましょう。

一度、雨男・雨女というラベリングをされてしまっている人は、一度そのラベルをキレイにはがすところから始めなければなりません。マイナスからのスタートですから大変です。

でも、めげずに「あ、あれはウソ。実は晴れ男(晴れ女)なんだ♪」と言い続けましょう。どうしても一度ついたイメージが払しょくできない場合、転職するのも一手です(嘘)。

世の中が晴れ男・晴れ女だらけになることを祈って。

終わり。

池田紀行

いますぐできるO2OはONLINE to OfflineじゃなくOFFLINE to Onlineだと思うよ

13 years ago

新年明けてからもうすぐ1/3が終わりそうだなんて考えただけで気絶しそうですが、宣伝会議の2013年新年号に掲載された「2013年注目しているマーケティングキーワード」のTOP3、覚えているでしょうか。これです。


1位 O2O(Online to Offline)
2位 戦略PR
3位 ターゲティング広告


えっ、これって本当に2013年の注目キーワード?」って目を疑いたくなる人もいるかもしれませんが、何週かぐるっと回って結局根本的な課題のところに返ってきている気がします。

で、今回のお題のO2O。

概念としては、オンラインでの活動をオフラインでの来店促進や購買促進につなげる、というもの。「そんなのいままでもメールマーケティングでやってたじゃん」という声もありましょうが、いま再度O2Oが注目されているのは、TwitterやFacebookやLINEなどのソーシャルメディアで情報のバイラル性が高まったとか、スマートフォンが普及したとか、スマホカメラの高機能化とか、GPS(位置情報)と連動してクーポン発行ができるようになったとか、まぁいろいろと背景はあったりします。

でも、ぶっちゃけ、本気でOnline to Offlineをやって、来店促進や購入促進しようと思ったらそんなに簡単じゃないことがわかると思います。

まず、普通の施策ではオンラインで情報が広がる必然性がない。みんながTwitterやFacebookをやっていようが、10%Offクーポン!! などあまり魅力的でないクーポンなどを発行しても「ねぇねぇ!10%割引だって!みんなで一緒に行こうよ!」なんて情報がバイラル的に広がるなんてことはまず起こらない

スマホが普及したとか、GPSで位置連携ができるとか、人間の耳では聞き取れない超音波でチェックインができてクーポンが発行されるとか、技術的にはいろいろとあるものの、「それって本当に一般消費者が使う?」「本当にOnline to Offlineと言えるほど集客効果や購買促進効果があるのか?」と考えると、インパクトが小さすぎるんじゃないかと思うのです。

最近のO2O談義は、ちょっとテクノロジー偏重になり過ぎてやしないか?と。

で、個人的にはそんな大げさなことやんなくても、来店促進や購買促進につながるO2O施策があるんじゃないかと思うのです。それは、


ONLINE to OfflineじゃなくOFFLINE to Online


です。

図にするとこんな感じ。

たとえばです。ある居酒屋さんで、1日に100杯のフローズン<生>の注文があるとします。その場合、こんな仮説(シミュレーション)を立てることができます。


※フローズン<生>

● フローズン<生>の注文者数 100人
● 「うおーすげーっ」と驚く確率80%
● 写真撮影率 30%
● Facebook利用率 30%
● 投稿率 60%
● 平均友達数 100人

100人×0.8×0.3×0.3×0.6=4.32人(投稿者数)
4.32×100人=432人(フローズン<生>のクチコミリーチ数)

上記のうち、店舗の努力で可変可能なのは「写真撮影率」と「投稿率」です。仮に店舗で乾杯のときに「皆さんで写真を撮りましょうか?」と積極的に申し出る、またはFacebookに写真を投稿すると「枝豆プレゼント!」などのキャンペーンを実施して、写真撮影率を30%から50%に向上させたとします。すると、

100人×0.8×0.5×0.3×0.6=7.2人(投稿者数)
7.2×100人=720人(フローズン<生>のクチコミリーチ数)

と、リーチ数は1.67倍にもなります。

ビールのような商品は、RecencyやFrequencyがとても大切です。しかも、その写真は広告ではなく友達が飲もうとしているリアルな写真で、ちょうどビールが飲みたい時間に、Facebookなどのニュースフィードに流れてくる。これは効果てきめんです。「今度飲みに行ったら俺も(私も)絶対飲む!」なんてことになりやすい。

だから、Online to Offlineによる来店促進もとっても大切ですが、すぐにできることとしては、来店・来場してくださった方、購入・注文してくださったお客様に、1人でも多く写真を撮ってもらい、シズル感満載のコメントと共に投稿してもらう、OFFLINE to Online施策にぜひチャレンジして欲しいのです。

この前行った木場のフクロウカフェなんて、もうこのOFFLINE to Onlineで何人のお客さんを獲得していることか(想像)

※関連記事
私たちの商品が話題になる理由 (日経ビジネスオンライン)
写真は「撮ったものを共有する時代」から「共有するために撮る時代」へ

すでに数十万人~数百万人規模で自社のメルマガリストを持っている企業や、LINE公式アカウントで数百万人規模の友達を持っている企業は、ローソンを代表に、十分Online to Offline施策で結果を出すことができます。LINE@もうまく活用できればコストパフォーマンスが高いOnline to Offlineツールになります。

※ソーシャル会員1,000万人を目指す、ローソンのLINE活用術に迫る!
http://markezine.jp/article/detail/16992

※LINE@
https://biz.line.naver.jp/ja/

本エントリーで言いたかったのは、大企業が新しいテクノロジー偏重かつ大げさなOnline to Offline施策をやっても、びっくりするくらいOnlineでのリーチや情報共有が進まず、効果測定してみたらO2O施策経由で来店した(もしくは購入した)顧客がとんでもなく少ない数値で愕然、なんてことにならないで欲しいのです。

クチコミの発生源となりうるお客様は、すでにそこにいるのです。ぜひOnline to Offlineだけじゃなく、OFFLINE to Onlineに取り組んでみてください。

池田紀行

「効果」と「効率」の違い

13 years ago

言葉って難しいですよね。日曜日の夕方にビール飲んでたらなんとなくそんなことが頭をよぎったので、酔っ払っててちょっと支離滅裂かもしれませんがちょっと書いてみます。


▼ 「私たちは “安心・安全” な街づくりを目指して~」

安心と安全は意味が違います。でも、この単語ってだいたいペアで使われますよね。試しに「安心・安全」と「安全・安心」でググると、いろんな活動や団体が出てきます。じゃあ、「街づくり」ひとつとって、「安心な街づくり」と「安全な街づくり」はどう違うのか。それぞれどんなハード・ソフトな施策があるのか。本来は違うはずなのに、きっと明確には分けて考えられてない気がします。


▼ 「S/Mとの連携によって情報の共有と拡散を実現させます」

これは以前、「共有」と「拡散」の違い~「共有・拡散します!」のウソで書きました。言葉の意味はもちろん、「共有」なのか「拡散」なのかによって実施する施策はぜんぜん違います。言葉の意味が曖昧なまま使うと、企画内容や最終的な施策そのものもブレブレになってしまい、期待する効果が得られない典型的な悪い例です。


▼ 「本施策によって効果的・効率的に顧客を獲得します」

で、今回の言葉。この2つの単語もだいたいセットで使われます。でもこの言葉、さっき紹介したものと違う点が1つあります。

「安全・安全」と「共有・拡散」は違う言葉ながら2つの単語は近い意味です。一方「効果的・効率的」は全く違う意味。「効果的な施策」と「効率的な施策」では、施策そのものの背景にある考え方と期待する効果が全く違います。にもかかわらず、この言葉がだいたいセットで使われるというのは、ほとんどの場合「効果的・効率的」という言葉は「まあとにかくいい感じになるっちゅーことですわ」という至極曖昧な意味合いで使われているということです。

知ってる方も多いと思いますが、念のため整理しておきましょう。


「効果:Effectiveness」=同じインプットなら大きなアウトプットを

「効果的」とは、同じインプット(100)なら、より大きなアウトプット(120)を目指す考え方です。プロモーションなどによって、より大きな売上や多くの顧客を獲得するときなどに使います。


「効率:Efficiency」=同じアウトプットなら小さなインプットで

一方の「効率的」とは、同じアウトプット(100)なら、できるかぎり小さなインプット(80)でそれを獲得するという考え方です。前月と同じ100人の新規顧客を獲得するなら、前月よりも1万円コストを削減したい(CPAを下げたい)というときに使います。


第三者配信やアトリビューションなどは、どちらかというと、マーケティング「効率」の向上を目指すものです。一方、ブランディング広告やプレゼントキャンペーンなどは、ブランドの指名買い、市場の創造、獲得するボリュームそのものを拡大させるマーケティング「効果」の向上を目指すものです。

1つの施策はだいたい「効果の向上」か「効率の向上」のどちらかを実現させるためのものなので、本来、この2つの言葉がセットで使われるのはおかしいはずなんです。

ということで(僕もぜんぜんまだまだですが)言葉は正しく使うよう心がけましょう。

※「この言葉も結構曖昧じゃね?」というものがありましたら、TwitterかFacebookでこっそり教えてください(ちょっと考えてブログに書きますので)

Twitter: @ikedanoriyuki
Facebook: ikedanoriyuki

池田紀行

インプットの効率を上げるためには「頭のデフラグ」が効くぞ

13 years ago

外は春の嵐なのでブログを更新してみます。


「インプットの効率を高めたい!」


これって世の多くの人たちの切なる願いですよね。僕だってそうです。もう永遠のテーマ。

よくある考え方として、「インプットはあくまでアウトプットの質と量を高めるための手段。手段の目的化をせず、何のためにインプットすべきなのか、まず期待するアウトプット(目的)を明確にすべき」とか、「インプットの量を増やすためにはアウトプットの量を増やせばいい。アウトプットすればするほど、そこに余白ができるからインプットできる量が増える」というものもあります。

これは賛成。そう思う。

でも、僕はインプットの効率を上げるためには、「頭のデフラグ」が最も効くと思っています。


「頭のデフラグ」ってなんだ?


みなさんも、パソコンの動きが遅くなってきたとき、昔よく「デフラグ」しませんでしたか? ほら、こういう画面。

※デフラグの意味を知りたい方はこちらのIT用語辞典を参照

さあインプットするぞ!」と本を読んだり勉強をしたりしなくても、僕らは毎日無意識に大量の情報をインプットしています。

仕事の合間にWebニュースを見たり、RSSに登録しているブログを読んだり、30秒でも時間があればスマホを開いてTwitterやFacebookをチェックしたりと大忙しです。

インプットの効率を高めるための手帳術とかWebサービスとかスマホアプリとか新しいデバイスなどを多用しても、脳みそは1つしかないし、1日は24時間しかありません。仮にインプット効率が30だったものを32にすることはできるかもしれませんが、倍の60にすることはできないと思うのです。

で、自分が体験したインプット効率の向上法が「頭のデフラグ」というもの。

皆さんは毎日大量の情報をインプットしています。読書量が多い人はなおさらです。このとき、頭の中はこんな感じになっています。

もうとっちらかっちゃってる状態です。

しかし、「頭のデフラグ」をかけると、こうなります。

まるで図書館のように、頭の中にカテゴリーと本棚ができ、情報が構造的に整理され、キレイにおさまっている状態です。

ごちゃごちゃになっていた情報が「頭のデフラグ」によって整理されると、パソコンのハードディスクと同じように、頭の中に余白ができます。

するとどうでしょう!意識しなくても、自ずとインプットの効率が上がるわけですよ。

では「頭のデフラグ」はどうやってかけるのか。

これがですね、そんなに簡単じゃないわけです。「誰でも何の努力をしなくても1秒でできる超カンタン頭のデフラグ術!」なんて存在しないのです。だからこそ、みんな苦労しているわけでして。

頭のデフラグを行うためには、アウトプットするしかありません。具体的には、本、コラム、ブログなど、長文の文章を書いたり、そのための図版(チャート)などを大量にアウトプットして行くのです。

僕は、この3年で共著を含め7冊の本を書きました。1冊の本を書き上げるためには、だいたい10万~12万という膨大な文字と数多くの図版が必要になります。そして、何より第1章から終章まで、そして各章それぞれの論理構成やストーリーづくりがとても大切になります。

最初の頃はこれが本当に難しくて、頭の中ではわかっていると思っていたことが、思ったように文章にならない。仮に文章になっても章(ストーリー)にならない

この状態だと、すごく読みにくいし、読者の頭に入らないわけです。自分の頭の中が整理されていない証拠です。これはもうアウトプットしてみなきゃわかりません(みなさんもぜひ一度やってみてください。びっくりするくらい書けませんから)

僕の場合、エクセルにただひたすら読者に伝えたいことを箇条書きで書きなぐって行きました。数百個くらい出つくしたら、今度はそれをKJ法的にまとめて行く。そして順序を整える。そうすると、なんだか全体の構成や物語が少し見えてくる。

その後、この内容を伝えるためには、文字よりも図版の方がいい、というところを全部チャート化して行く。

ちなみに、こちらは2012年3月に出した『ソーシャルメディアマーケター美咲2年目』の図版(P17から)。これらは全て文章を書き始める前、または書きながら整理して行ったものです。

これらのアウトプットを通して、頭の中が鮮明に構造化・再整理されていくことを感じました。いままで、自分がいかに曖昧かつ抽象的なことをお客様に話してきていたのかと愕然としました。

このように、僕の場合は本の執筆を通して、いったん5年分くらいのインプットをデフラグすることができたわけです。

本の執筆にはある程度のインプットの蓄積がないとできません(現に僕はいったんほとんどのインプットを出し尽くして空っぽの状態です、笑)。でも、2000~3000文字程度のコラムなら、そしてブログなら1週間や1ヶ月分のインプットをアウトプットして、頭をデフラグすることができます。

だから、インプットの効率を上げたいと思っている皆さんは、ぜひアウトプットをしてください。「インプットの効率を上げたい」と思っているなら、何かしら解決したい目的があるはずです。その領域のことについて、文章やチャートにまとめてみてください。

ここで注意してもらいたいのは、企画書や提案書の作成は、必ずしも(頭にデフラグをかける)アウトプットにはならない、ということです。

企画書や提案書は「読ませるもの」ではなく「伝えるもの」ですから、口頭でのプレゼンが主、提案書は従として作成されます。だから、長い文章は書かないし、ストーリーづくりもある種、特殊です。

でも、2000~3000字(+3個程度のチャート図)のコラムやブログは、文章が主であるため、ごまかしがききません。キレイな図版でごまかすこともできません(ちなみにこのエントリーは約3000字です)。


・「知っている」と「理解している」ことは違います
・「理解している」と「自分の言葉で説明できる」は違います
・「自分の言葉で説明できる」と「文章で伝えることができる」は違います


最後が一番難しいのです。

ちっ、なんだよ、もっと簡単にインプットの効率が上がる方法があると思ったのに…」と思っている方、ごめんなさい。


近道はないのです!


皆さんが「この人はなんでこんなにたくさんのこと知ってるんだろう」とか「なんでこの人の話はこんなにわかりやすいんだろう」と思っている人は、まとまった文章を書く習慣があったり、講師やプレゼンテーターなど人前で話す機会が多い人です。そういう人は、毎日自然と頭にデフラグをかける機会がある。だから、頭の中に恒常的に余白ができ、インプットの効率が高いのです。

ということで、「1秒で1憶儲かる方法」を探している人を尻目に、ぜひ皆さんは定期的に頭のデフラグボタンを押すようにしてください。

きっと、頭の中が図書館のように理路整然と整理され、情報がドバドバ入ってくる快感を味わえると思いますよ。

池田紀行

続・それでもやっぱりブログ書こうぜ!

13 years ago

徳力さんのブログに刺激されて、やめときゃいいのに書いちゃう。ここ最近、久々にブログの連鎖を楽しんでいます。

流れをまとめると、

3月17日 「TwitterやFacebookの次は何が来るか」だって?そりゃお前、ブログに決まってんだろ!|イケダノリユキブログ

3月27日 このブログをどっちの方向へ進めていくのがいいんだろうね会議|やまもといちろうBLOG

3月28日 ブログがSNSにトラフィックを奪われる時代は終わった。ブログがSNSからトラフィックを集める時代が始まっている。|シロクマの屑籠

4月1日 ブログごっこから、目的を持った本気ブログを書く時代へ|More Access,More Fun!

4月3日 ツイッターやFacebookの次はまたブログが流行ると考えて、ブログを今から始めるつもりなら大間違いという話。|tokuriki.com

拾いきれていないかもしれないけど、こんな感じ。


いやー、ブログって、本っ当におもしろいですね!


この感じ、久しぶりなわけですよ。この感覚は…そう、いまから5年前、2008年1月に開催された第1回「広告系ブロガー新年会」に至る当時の時代の空気感と似ているのです。

2008年1月12日
渋谷”魚民”出禁確定!?「広告系ブロガー新年会」報告|イケダノリユキブログ

あのときは、本当に多くの広告・PR・マーケティング業界の人たちがブログを書いていた。猛烈なスピードで変化する環境の中で、次の一手を模索するギョーカイジンたちが、「誰か聞いてくれ!」 「俺はこう思う!」と、熱い想いを綴っていました。

まだ誰もTwitterやFacebookを使っていない頃。みんな数十個のお気に入りブログをRSSに登録して、朝の仕事は更新されたブログを読んでから、なんて時代でした

それ以外に自分の想いや感想を伝える手段がないから、エントリーを読んだらみんなコメントを書く。そのエントリーに刺激されてブログを書いて、トラックバックを張る。そんな感じで、ネットの中に数十人の見えない「広告系ブロガーの輪」みたいなものが出来上がって行きました(まぁどこの業界にもある一種の “村” みたいなものなのかもしれません)

で、それこそ数カ月もブログの更新を追いかけていると、親近感なのかリスペクトなのかよくわからない感情が芽生えてきます。そして、無性に会いたくなる。会って一杯やりながらお互いの問題意識や考えをぶつけ合いたくなる

そんな折、企画されたのがこの広告系ブロガー新年会。広告系ブロガーでは知らない人はいないmediologic.comの高広さんと、広告会議の川口さんが「みんなで飲もうぜ!」と企画してくれたものでした。

上記ブログを読んでもらうとわかりますが、当時の熱気がわかります。みんなブログは読んでるけど名前は知らないから、会ったときに「おー!あなたが “Interactiveに行こう!!” さんでしたか!いつも読んでますよー!」 「えっ!あなたが “広告β” さん!?あの洞察力はどこから来るんですかー!ファンです」とか、みんなブログ名で呼び合ったりしてた。一番嬉しかったのは、当時サイバーエージェントに新卒で入った渡邊大介 a.k.a. アドマン(※当時のブログ)と会ったとき。魚民で抱き合ったもんね。「うおー!ようやく会えたな!」みたいな(笑)

なんかね、皆さんもこの数日のブログでも書いてくれてますが、TwitterやFacebookの登場によって、みんな長い文章書かなくなっちゃった。長い文章って、自分の「思考とか意見」なんですよね。一方、短い文章や写真は日々の感情や行動。だから、TwitterやFacebookでつながっても、それだけだと親近感は感じても、リスペクトは起こりづらい

図にするとこんな感じかしら。

まあね、だからなんなんだよ、という話なんですが、今回のようなブログの連鎖って、TwitterやFacebookじゃ起こらないじゃないですか。RTはShareはされても、想いや考えが紡がれていくこの感覚は、やっぱりブログならではだなぁ…と再認識したわけです。(そしてブロガー飲み会が盛り上がり、Facebook飲み会がただの飲み会で終わることの理由もわかった気がする)

蛇足的に書いちゃいましたが、誰かのブログに刺激を受けて自分もブログを書く、ってことはいままでに何度もありましたが、自分が書いたエントリーが発端となって、ブログの連鎖が始まるって実は初体験だったんですよね。だから嬉しくてつい。

ということで、改めて。


みんな、ブログ書こうぜ!

池田紀行

「ソーシャルメディア効果測定」まとめ(後編)

13 years 1ヶ月 ago

前回は、『「ソーシャルメディア効果測定」まとめ(前編)』として、現場担当者の悩みや、陥ってしまいがちな効果測定の5つの罠とその回避法について解説しました。

今回は、その後編として、効果測定を実施して行くと悩む「鶏が先か、卵が先か」という「因果性のジレンマ」と、「エンゲージメントが大事」って言うけどさ、そのエンゲージメントとやらが向上したらどんないいことがあるわけ?という、エンゲージメントと意識変容と態度変容の関係性についてまとめてみたいと思います。

まず最初にご紹介したいのがこちら。

この調査の出典は、North American Technographics Online Benchmark Omnibus Survey, Q4 2011 (US) で、ナショナルブランドにおけるFacebookページのファンと非ファンの間で、「過去12カ月における購入経験」 「ブランド選好度」 「推奨意向」 にどのような差が出るのかを示したものです。

見ると一目瞭然ですが、非ファンよりもファンの方が3つの指標全てにおいて高い数値を示しています。つまり、「Facebookページスゲー!」ということです。

でも、この調査を見て、何か気になりませんか?

そう。そもそも、Facebookページのファンになったからそのブランドのファンになったのか、もともとそのブランドのファンだったからFacebookページのファンになったのかについてはわからないのです。これを因果性のジレンマと言います。

この調査結果以外にも、アメリカの有名な調査機関が、某コーヒーチェーンのFacebookページには数千万人のファンがいる。ファンは非ファンに比べて1年間にコーヒーを2倍飲んでいる(年間のLTVが倍)。だからFacebookページの時価総額はXXXドルである!なんてことを発表していることもありました。


ちょっと待ちなさいと。


そのコーヒーチェーンには、Facebookページを開設する前からたくさんのファンがいて、その人たちは、もともと(そのコーヒーチェーンが好きではない、もしくは好きでも嫌いでもない人たちよりも)年間2倍のコーヒーを飲んでいたのでは…?とは誰も言わないわけです。実に不思議です。

この疑問を払拭しない限り、Twitter公式アカウントやFacebookページのマーケティング効果はずっと「眉つば」のまま、過大あるいは過小評価をされ続け、いつしか「胡散臭いもの」になってしまう、と強い危機感を持ってきました。

そして、ようやくこの因果性のジレンマを(ある程度)解決しながら、Twitter公式アカウントやFacebookページでのエンゲージメント(KPI)がどのような意識変容(KGI)を促し、結果としてLTV(Life Time Value:顧客生涯価値)という態度変容に影響を与えるのか、明らかにすることができるようになりました

前回もしつこいくらい何度も書きましたが、Twitter公式アカウントやFacebookページでのエンゲージメントは目的ではなく手段です

エンゲージメントを高めることによって、どんなマーケティング効果(意識変容)を獲得することができたのか、そしてその意識変容は態度変容につながっているのか、それを明らかにすることが重要です。

Facebookページで考えてみましょう。

現在、(左下の薄緑色に)いいね!を2回しかしたことのないエンゲージメントが低いファンがいます。その人は(エンゲージメントが低いため)ブランド想起率や好意度、購入意向などのKGIも低いのでしょうか。そして、購入頻度や購入金額といったLTVも低いのでしょうか。いままでの調査法では、それはわかりません。

では、この(左下の薄緑色の)エンゲージメントが低いユーザーが、担当者のマーケティング努力によっていいね!を4回、コメントを3回、シェアを2回するようなエンゲージメントが高いファンになったとしましょう。

その(エンゲージメントが高い)ファンは、ブランド想起率や好意度、購入意向などのKGIも高くなり、購入頻度や購入金額も増加するのでしょうか。これも、いままでの調査法では明らかにすることはできません。

これらを明らかにするために、下記のような調査スキームと専用の調査アプリが必要です。

KGI分析①では、ファンと非ファン(Twitterの場合はフォロワーと非フォロワー)の比較を行います。これによって、最も基本となる内外比較をすることができます。

続いてKGI分析②で、エンゲージメントが高いファン(フォロワー)と低いファン(フォロワー)を比較し、エンゲージメントとKGIの関係を明らかにします。これは、専用に開発した調査アプリによってアンケートユーザーのOAuthデータを取得するため、アンケートに答えてもらわなくても、そのファン(フォロワー)がいつFacebookページやTwitter公式アカウントのファン(フォロワー)になってくれたのか、どの投稿コンテンツにいいね!、コメント、シェア、RT、Favをしてくれたのか、正確に把握することができるため、かなり信憑性が高い分析ができるようになりました。

最後のKGI分析③は、Facebookページのファンになってから(Twitter公式アカウントのフォロワーになってから)の時間経過と、ブランド想起率、好意度、購入意向などのKGIは何かしらの関係性があるのかを検証するものです。こちらもKGI分析②同様、OAuthデータによって何年何月にファン(フォロワー)になったのかを把握できるため、分析が可能になったものです。

トライバルメディアハウスでは、この調査スキームをSocial KGI Researchとしてリリースし、FacebookではJAL様とローソン様の2社に、Twitterではニッセン様とファミリーマート様の2社に先行調査を実施しました。

詳しいデータをご紹介しましょう。まずはFacebookページの調査結果から。

こちらは調査概要です。本調査は、Facebookページのファンと非ファンに同じアンケート調査を実施します。ファンへの調査は、先に解説したOAuthデータとアンケートデータを集計し、エンゲージメントや経過時間とアンケート結果(意識変容や態度変容)との相関を分析します。

そしていよいよKGI分析。まずはファンと非ファンの比較から。

上記の通り、ブランド名の想起率、好意度、利用(購入)意向において、ファンの方が非ファンよりも高い傾向を示しており、Facebookページのファンには優良顧客が多く含有されていることがわかります。

続いてエンゲージメント比較。

エンゲージメントが高いファンと低いファンを比較したところ、エンゲージメントが高いファンの方が全てのKGIが高くなる傾向が見られ、エンゲージメントの向上がKGIの向上につながることが確認されました。ちなみに、ファン歴が長いファンと短いファンのKGI比較では、KGIの項目や企業によって結果が分かれました。これは、購入頻度やカテゴリーに対する関与度が影響しているとみられます。現在10社程度で本調査を実施していますので、傾向が見えてきたらまた別途まとめたいと思います。

続いてLTV比較です。

上記の通り、ファンは非ファンと比較して2~3倍程度購入量が多いことがわかりました(非ファンを1.00倍として比較しています)。また、ファンの中でもエンゲージメントの高いファンの方が(エンゲージメントが低いファンよりも)購入量が多いことも確認されました。

上記は良い結果ではありますが、これらからでは「鶏が先か、卵が先か」といった「因果性のジレンマ」は解決できません。そもそもそのブランドのファンだったからFacebookページのファンになり、エンゲージメントも高く、LTVも高いんじゃないの? ということは解明されていないわけです(しかし、非ファンよりもファン、エンゲージメントとKGIの相関、KGIとLTVの相関は立証されました)。

ここで最後のデータです(ここで紹介しているデータは、あくまで2社で実施・納品したデータの極々一部であることを予めご了承ください)。

ファンになってからの意識変容と態度変容にどのような変化が見られるかを分析したものです。

上記の通り、ファンはよりファンに(青色グラフ)、もともとブランドが好きでなかったファン(赤色グラフ:Facebookページのファンになった理由が「そのブランドのことが好きだから」と回答しなかったユーザー)も、一定の割合で親近感を持ったり、興味がわいたり、購入を検討したりしていることがわかりました。

これらから、この2社のFacebookページは、マーケティングファネルの各階層において一定のマーケティング効果を発揮していると言えるわけです。

では、続いてTwitterのKGI調査結果です。

こちらが調査概要。Twitterのエンゲージメントは、OAuth認証によって、ユーザーのRTとFavデータを取得し、分析しています。

まずはKGI分析①のフォロワーと非フォロワー比較。

上記の通り、ブランドの想起率、好意度、利用(購入)意向において、フォロワーの方が非フォロワーよりも高い傾向を示しており、Twitter公式アカウントのフォロワーにも優良顧客が多く含有されていることがわかりました。

続いてエンゲージメント比較。

エンゲージメントが高いフォロワーと低いフォロワーを比較したところ、エンゲージメントが高いフォロワーの方が全てのKGIが高くなる傾向が見られ、エンゲージメントの向上がKGIの向上につながることが確認されました。なお、フォロワー歴とKGIとの関係では、Facebookページ同様、KGIの項目や企業によって結果が分かれました。こちらについても、購入頻度やカテゴリーへの関与度が影響していると考えられるので、傾向がわかったらまたブログにまとめたいと思います。

そしてLTV分析。

上記の通り、フォロワーは非フォロワーと比較して2~3倍程度購入量が多いことがわかりました。またフォロワーの中でもエンゲージメントの高いフォロワーの方が(エンゲージメントが低いフォロワーよりも)購入量が多いことが確認されました。

続いて、「鶏と卵」について見てみましょう。こちらは、公式アカウントをフォローした理由です。

上記の通り、フォロワーの7割以上は「ツイート内容が楽しいから」 「キャンペーン情報を得るため」にフォローしており、もともとのブランドのファンではなく、Twitter公式アカウントの魅力によって新たな層を獲得できていることを示しています。

最後に公式アカウントをフォローしたことによる意識変容と態度変容について。

フォロー後の意識変容と態度変容について、もともとそのブランドが好きだったフォロワーにおいては、より一層ファン化が進んでいることがわかります(青色グラフ)。

また、フォロワーの中に占めている割合が多かった「もともとファンではなかったユーザー」においても、Twitter公式アカウントをフォローしたことによって商品やサービスに興味を持ったり、購入を検討する機会が増えていることが確認されました。

これらから、Twitter公式アカウントも、Facebookページ同様、マーケティングファネルの各階層において、一定のマーケティング効果を発揮していることが確認されたと言えます。

前編と後編にわたって解説してきた「ソーシャルメディア効果測定まとめ」は如何だったでしょうか。

来る4月18日(木)に、ここで書いた内容を詳しく解説する【無料】セミナーを開催します。当日は、私の講演の他に、TwitterのKGI調査でご協力頂いたTwitter Japan、ニッセン、ファミリーマート様からそれぞれご講演頂きます

すでに定員の100名をはるかに超える応募が集まっていますが、抽選になっていますので、興味がある方は下記から申し込みをしてください。


● Twitterマーケティング効果測定セミナー[実践編]
ニッセン/ファミリーマートのTwitter公式アカウント運用とKGI調査結果報告

(2013年4月18日(木)13:30~17:30 @TKP赤坂ツインタワーカンファレンスセンター)
https://mailform.tribalmedia.co.jp/20130418/
※お申込みは4月4日(木)までみたいなので、まだの方はお急ぎください!


皆さまのご応募、お待ちしております。

ということで、「ソーシャルメディア効果測定まとめ」おわりっ!

池田紀行

「ソーシャルメディア効果測定」まとめ(前編)

13 years 1ヶ月 ago

ソーシャルメディアマーケティングに取り組むかどうか」を考えていた時代は終わり、現在は「いかに取り組むか」というフェーズに完全に移行したように思います。

多くの企業がTwitter公式アカウントやFacebookページを開設し、運用を開始しています。また、短期的なキャンペーンでは、ソーシャルメディアとの連携がほぼ当たり前のように行われるようになりました。

企業の取り組みが一歩進んだからこそ、出てくる悩みがあります。現在、ほぼ全ての企業担当者が頭を悩ませていること、それは効果測定です。下のスライドは、去年クロス・マーケティングと共に出版した『ソーシャルメディア白書2012』のデータです。多くの企業担当者が、現在の課題として、「効果測定が難しい」 「営業上の成果が見えづらい」と回答しています。

※SMM=Social Media Marketing

また、上級活用企業においては、「効果的・効率的にフォロワーやファンを獲得する方法はわかった」 「エンゲージメントを向上させるコツもわかった」 「でも、だからなんなの? エンゲージメントは低いより高い方がいい。でも、エンゲージメントを向上させたら、どんなマーケティング効果が得られるの?」という極めて本質的な問いに直面しています

これは、KPI(Key Performance Indicator:リーチやエンゲージメント指標)ばかりを追いかけ、それらKPIから一体どんなマーケティング効果(KGI:Key Goal Indicator)を得ることができたのかを測定・評価できていないことに起因しています。

以前から効果測定の大切さや方法論についてはいろんなところで書いてきましたが、一度ここでTwitter公式アカウントやFacebookページに代表される「ソーシャルメディア効果測定」についてまとめてみようと思います。長くなりそうなので、前編と後編に分けて。

ということで、今日は前編として、(いつもセミナーで話している)ソーシャルメディアの効果測定を難しくしている背景や落とし穴、その回避法についてまとめます。

まず、効果測定を難しくしている最も大きな要因。それは、「目的が決まっていないこと」です。下のスライドも『ソーシャルメディア白書2012』からの抜粋ですが、ソーシャルメディアの活用開始理由を400人の広報担当者に聞いたものです。

残念ながら、「予想通りの結果」になってしまいました。

以前から繰り返し話してますが、ソーシャルメディアの活用は「手段」であって「目的」ではありません。現在、抱えているマーケティング課題を解決するために、ソーシャルメディアの活用が最適であれば活用すれば良いだけです。

しかし、上記回答のように、多くの企業では、「ほとんど予算をかけずに始められるから」 「流行っているから」 「上司にやれと言われたから」 「乗り遅れるとまずいと思ったから」 「競合が始めたから」といった理由でソーシャルメディアの活用を開始してしまっています。

このような理由から始まってしまっているので、上司から「おいキミ、そろそろわが社もFacebookを活用し始めて半年が経つが、効果はどうなっているのかね」と聞かれると「エッ!?効果ですか?えーと、ファンは1万人を超えました」や、「多くのいいね!を獲得しています!」といった上辺だけの報告になってしまうのです。

ただし、現場からすればそれも当然です。なんせ上司や(外資系企業の場合)本国が「やれ」って言ったから始めたわけです。いまさら「効果は?」と聞かれても困ります。でも始めてみると現場は大変。平日の業務時間外や休日だって気になってついつい個人のスマホから状況をチェックしてしまいます。お客様と直接つながることは嬉しいから、やればやるほどファンやフォロワーは増やしたいし、エンゲージメントだって高めたい。もっと人がほしい。兼任じゃなく専任にしてほしい。予算を増やしてほしい。でも上司は一言。


「現状のままでは売りにつながっているか不明確だから、しばらくこのままやってほしい」


チーン…。ですよね。

ということで、ここからはそんな現場担当者を救うべく、皆さんが陥ってしまいがちなSMM効果測定の5つの罠とその回避法について解説します。

まず1つ目の罠は、「SMM活用の目的が曖昧」だから。

これは冒頭でお話した通りです。

「効果測定が難しい」と悩むご担当者に、「そもそもどんな目的を達成するためにTwitterやFacebookを活用しているのですか?」と聞くと、ほとんどの方は答えることができません。なんとなく始めてしまっているので、なんとなく運用してしまっているのです。

よく「ROI を明確にしろ」なんてことが言われます。ROI は、いくら使って、どんなリターンが得られたのかを割り算すれば算出できます。ぜんぜん難しいことではありません。ではなぜ ROI がわからないのか。「いくら使ったのか忘れちゃいました」なんて人はいないので、わからないのは投資額ではなくリターンです

つまり、目的が曖昧だから何を「R」にすれば良いのかわからないのです。目的=Rです。購入意向(PI:Purchase Intention)を向上させることが目的なら、PI の向上が「R」になるわけです

TwitterやFacebookなどのソーシャルメディアは、簡単に様々なログデータを取得することができます。皆さんも、下記のような画面を日々眺めていると思います。

でも、だからこそ危ないのです。様々な数値が見えてしまうからこそ、「測定すべき数値」ではなく、「測定できる数値」を測定してしまっているのです

もちろん、リーチやエンゲージメントなどのKPIは大切です。しかし、多くのKPIを見ていても、肝心のKGIを測定しない限り、「結局、ソーシャルメディアがもたらしたマーケティング効果は何なのか?」という本質的な問いにはいつまで経っても答えることはできません。


「測定の前に目的を問う」


これが1つ目の罠の回避法です。

続いて2つ目の罠。「測定のための測定をしてしまってる」です。

効果測定においても「手段の目的化」が発生してしまっているのです。

効果測定は手段であって、目的ではありません。では、そもそも効果測定の目的とは何でしょうか。

数値を測定する目的は、施策が「うまくいっているのか、いないのか」を「評価」するためです。では、なぜ「評価」するのか。それは現在の施策を(もっと効果が出るように)「改善」するためです。これが効果測定の最適化ループ。

でも、ほとんどの企業では、測定のための測定で終わってしまっています。なぜなら、目的が曖昧だから、現状の数値を「評価」できないのです。目の前の数値が「良い数値」なのか「悪い数値」なのか「解釈」できないのです。評価ができないから、当然、どこをどう改善すれば良いのかもわからない。効果測定の最適化ループが回っていないのです。

これが2つ目の罠です。

続いて3つ目の罠。「枝葉に注目し、森全体を見ていない」です。

これも冒頭からお話しているものですが、KPIばかりでKGIを測定評価していないから、細かい数値を測定すればするほど、何が正しいのかよくわからなくなってしまった、というものです。

くどいですが、KPIはKGIを達成するための手段であり、目的ではありません。ファン数が増えた!いいね!が増えた!RTが増えた!というKPIは大切ですが、「だから何なの?」というKGIが明確にできなければ何の意味もありません。


全てのKPIはKGI達成のためにあるのです。


では、ここで念のため言葉の再確認を。

図の通り、KGIとはKey Goal Indicator(重要目標評価指標)の略。ここで言うKGIとは、ブランド想起率、ブランド好意度、購入意向などです。

なぜ、ブランド想起率、ブランド好意度、購入意向がTwitterやFacebookなどのソーシャルメディアマーケティングのKGIになるかと言うと、これら指標の向上はソーシャルメディアマーケティングが強みを発揮するものであり、かつこれら「コミュニケーション指標の向上」が「売上の向上」と密接に関係しているからです。

KPIはKey Performance Indicatorの略で、皆さんおなじみのファン数、フォロワー数、オーガニックリーチ、グロスツイートリーチなどのリーチ指標や、いいね!やコメント、RTやFavなどのエンゲージメントなどです。

『ソーシャルメディア白書2012』で、ソーシャルメディアマーケティングの効果測定についてアンケートを取ったところ、KGIを測定している企業は全体のわずか0.3%、上級活用企業の2.9%という結果でした。

現在ではもう少し増加している気がしますが、多くの企業において「ソーシャルメディア効果測定=KPI測定」であり、肝心のKGIが測定されていないことがわかります。

多くの企業では、「ファン数やフォロワー数」といったリーチ指標だけでなく、「どのくらい深くユーザーと関われたか」を測る「エンゲージメントを重視しよう」、というところまでは来ています。しかし、「エンゲージメントの向上がどんなマーケティング効果をもたらしたのか?」という肝心の「意識変容と態度変容」(KGI)を測定するまでには至っていない

何度でも言いますが、KPI測定の目的はKGI検証のためです。

リーチ、エンゲージメント、話題・評判といった代表的な3つのKPI軸が、どのようにブランド想起率、ブランド好意度、購入意向といったKGIに影響を与えたのか。そこをしっかりと検証することが大切です。

これが3つ目の罠です。

続いて4つ目の罠。「ソーシャルメディアマーケティングの効果を実感できない」(他の施策の方が効果が良いのではないか?)というものです。

これは、Twitter公式アカウントやFacebookページがもたらした効果を、従来のWebマーケティング指標で評価してしまっているからです。

これも以前から繰り返し書いていることですが、マーケティング活動は費用対効果と投資対効果の2つに分けることができます

費用対効果はReturn On (Acquisition) Cost。「いくら使って、どれだけ儲かったか」という短期的な考え方です。

対する投資対効果はReturn On (Marketing) Investment。「いくら使って、どれだけ未来につながる効果が得られたか」という中長期的な考え方です。

言葉が違うんですから、意味も違います。

費用対効果は、例えば検索連動型広告(リスティング広告)やダイレクトメール、チラシなどのような「お金の投下をやめた瞬間に効果がゼロになるもの」です。

対する投資対効果は、「お金の投下をやめても、効果が持続的に継続するもの」です。例えば日立の樹のCM。もし仮に、来年からこのCMがテレビで流れなくなっても、恐らく多くの日本人はこのCMによってつくられた(安心、信頼、大きい、温かいなどの)日立という企業イメージや印象を長く持ち続けるでしょう。これが投資です。

Twitter公式アカウントやFacebookページは(詳しくは後編で解説しますが)、費用としての効果だけでなく、投資としての効果(ブランド想起率、ブランド好意度、購入意向などの向上)をもたらします。ですから、費用対効果だけでなく、本来は投資対効果も測定・評価しなければなりません

しかし、従来のWebマーケティングの世界における測定・成果指標はCPM、CPC、CPA、CPOなど、Cost Per XXXXX(費用対効果)でした。だから、Webマーケティングの一環として捉えられたソーシャルメディアマーケティングも、いつのまにか一般的なWebマーケティング指標で成果を測定されるようになってしまいました。なぜなら、それ以外に測定指標が無かったからです。

これが、大きなボタンの掛け違いの始まりです。TwitterやFacebookなどを活用したソーシャルメディアマーケティングは、費用としての効果だけでなく、投資としての効果も得られます。だから、「どちらか」ではなく「どちらも」測定・評価しないと、いつまでたっても過小評価されたままになってしまいます。

これが4つ目の罠です。

さて、最後の5つ目の罠。「売上や来店客数を測定指標(KGI)にしない」です。


「売りにつながっているのかわからない!」


これは、現場担当者ではなく、その上長(やもっと上の上層部)からよく聞かれる言葉です。

私は、通販などのダイレクトマーケティング業態を除き、最終的な「売上」をソーシャルメディアマーケティングの最終評価指標にすることは危険だと思っています。

なぜなら、「売上」は企業活動の総体によって決まるからです。

僕は20代の頃、メーカーの商品開発や価格戦略、チャネル戦略や店頭のインストアマーチャンダイジングを支援するマーケティング会社に在籍していました。

そこで、ひとつの商品が世に出て、店頭に並び、レジを通るまで(そしてその商品が一過性のものではなく売れ続けるためには)、本当に多くの部署やスタッフが携わっていることを学びました。

基礎研究や応用研究などのシーズ開発に携わる人、マーケティングリサーチなどを通して消費者ニーズやインサイトを把握し、新商品のコンセプト開発を行う人、それを実際に製造する人、その商品が1店舗でも多く、良い棚の位置に、1フェイスでも多く並ぶために頑張る営業の人たち、売れ続けるためのCRM施策を考え、実行する人たち、そして自社でコントロールすることができない競合状況や経済、気候などの問題。「売上」は本当に多くの要因によって形成されています

それを、マーケティングコミュニケーション戦略の、Webマーケティングの、ソーシャルメディアマーケティングの、Twitter/Facebookマーケティングひとつだけ切り取って、「それでキミ、TwitterやFacebookとやらに取り組めば売上は上がるのかネ?」というのは、言いすぎじゃないですか?と思うのです。

サッカーのゴールキーパーは、相手のシュートを止めることが仕事です。そのゴールキーパーに対して、監督は「おい!お前は今期一得点もしていないじゃないか!」と叱るでしょうか。そんなわけありません。同様に、フォワードに対して「おい!お前は今期失点してばかりじゃないか!どうなってるんだ!」とは叱らないわけです。

ゴールキーパーは敵の攻撃を防ぎ、フォワードはゴールを決めてチームを勝利に導くことが使命であり、役割です。だから、「測定」や「評価」もそれぞれの役割に応じて行われる。

マーケティングも同じです。

ニーズが顕在化し、比較検討段階に入ってるユーザーの「効率的な獲得」はリスティング広告やリターゲティング施策の強みであり目的ですが、潜在ニーズ段階のユーザーと中長期的にエンゲージすることによって、ゆっくりとブランド想起率や好意度、購入意向を向上させて行くことがTwitter公式アカウントやFacebookページの強みであるわけです。であるならば、当然評価指標も変えなければなりません

もうひとつ。

その部署や社員に課せられる評価指標は、その部署やその社員の努力によって可変可能かどうか、が重要なポイントだと思います。広報部や宣伝部がどんなに頑張ったって、商品の仕様や価格、チャネルカバレッジやインストアシェアは変えられません。

仮に広告によって「欲しいな」と思ってお店に行っても、店頭に並んでいなければ買えないわけです。または、商品スペックが魅力的でなく、トライアル客のリピート購買率が悪い場合、それを広告や広報だけで解決することも困難でしょう。

そのため、従来の広告でも広報でも、費用対効果を求めるWebマーケティングも、投資対効果を求めるソーシャルメディアマーケティングも、それに携わる人の努力次第で可変可能かつ、最終的な「売上」に最も近い指標をKGIとして定め、それを(マーケティングゴールではなく)コミュニケーションゴールに設定することが大切です。

これが5つ目の罠です。

ということで、「ソーシャルメディア効果測定」まとめ(前編)としてまとめてみましたが、いかがだったでしょうか。書き始めたら相当長くなってしまいました(疲)。次回は(後編)ということで、実際のKGI測定の方法やKPI/KGI/LTV(Life Time Value:顧客生涯価値)との関係性などについて解説したいと思います。

つづく!

2013年4月2日更新
「ソーシャルメディア効果測定」まとめ(後編)
http://www.ikedanoriyuki.jp/?p=3883

池田紀行

本日、トライバルメディアハウスは満6歳の誕生日を迎えました!> 7周年に向けて

13 years 1ヶ月 ago

本日2013年3月22日、トライバルメディアハウスは満6歳を迎えました。これもひとえに皆さまのご支援・ご愛顧のおかげです。本当にありがとうございます!

創業からの過去6年間を一言で表現すると、


「思えば遠くへ来たもんだ…」


という言葉に尽きます。

創業当時はバイラルマーケティング、CGMマーケティング、クチコミマーケティングブームの真っ最中。いまでは「コンサル会社」という認識がされている弊社も、創業時は完全な「プロモーション会社」でした(今でもそうですけど)。

2009年から2010年くらいの間に、世の中ではCGMという言葉がいつのまにかソーシャルメディアという言葉に置き換わり、うちもクチコミ分析エンジン「ブームリサーチ」の提供や各種コンサルティングサービスなど、事業を拡張してきました。

2011年7月には、ソーシャルメディアの統合管理ツール「エンゲージマネージャー」を、12月にはソーシャルメディアのリスク研修プログラム「ソーシャルメディアリスクマネージャー」をサービスイン。2012年6月にはベルシステム24と提携し、専任のコミュニティマネージャーによるソーシャルメディア運用サービスを提供開始し、企業公式アカウントの戦略的な運用管理体制を強化しました。


※専任のコミュニティマネージャーによるソーシャルメディア運用サービスを提供開始
http://www.tribalmedia.co.jp/pdf/20120605_TMH_service.pdf

※おかげさまでブームリサーチは累計約210社、エンゲージマネージャーは累計約70社にご導入頂いております。感謝。


2013年1月にはTwitterやFacebook公式アカウントのKGI(Key Goal Indicator:重要目標評価指標)調査サービスをリリースし、2月には株式会社インデックス・アイと資本・業務提携してコミュニティパネル型マーケティングサービスの拡充を開始しました。


※公式アカウントのマーケティング効果を測定するKGI調査サービスの提供を開始
http://www.tribalmedia.co.jp/pdf/201301_PR_TMH_service_KGI.pdf

※トライバルメディアハウス、株式会社インデックス・アイと資本・業務提携
http://www.tribalmedia.co.jp/pdf/20130222_index-i.pdf


そして今月からは戦略PR会社ブルーカレント・ジャパンの創業メンバーである前川浩樹がプロモーション事業部のマネージャーとして合流してくれました。

結果、創業当時の提供サービスが「プロモーション支援」一本だった弊社も、現在では下記のようなサービスポートフォリオになりました。

ですが、市場環境の変化スピードがハンパ無い現在は「現状維持即脱落」です。現状のクライアントニーズに対応するだけでなく、ニーズの先読みと積極的・自律的な市場創造をさらに強化すべく、一年後は下記のような事業ポートフォリオを目指します

コミュニティパネルマネージャー(コミュニティパネル型マーケティングサービス)は、まさに現在ゴリゴリ開発をしています。初夏にはサービスインできる見込みですので、お楽しみに。あと、2013年度はさらに2つの新規サービスを全力で立ち上げます!こちらも数カ月後には詳細を発表させて頂きます。


●7周年に当たって


創業から丸6年が経ち(狭い業界内の話ではありますが)「ソーシャルと言えばトライバル」「トライバルと言えばソーシャル」というポジションを獲得することは(ある程度)できたと思っています。

しかし、弊社へのご相談内容は、すでにソーシャルメディア「だけ」の戦略策定や運用支援、プロモーションの企画・実行といった枠を超え、自社メディア(企業サイトやブランドサイト)の再構築やトリプルメディア内での連携、既存顧客IDとソーシャルIDを連携させた次世代CRM、MROC(Marketing Research Online Community)を活用した共創型商品開発からローンチプロモーションの連携など多岐に渡ります。

トライバルメディアハウスが10周年を迎える頃、世の中では(当たり前すぎて)誰もソーシャルメディアマーケティングなんて言葉は使っていないでしょう。そのとき、弊社は何会社と標榜しているのか。そのとき、弊社は皆さんから「何屋」と思われているのか。

僕としては、昔も今もこれからも、


トライバルメディアハウスは「日本のマーケティングを変えて行くマーケティングベンチャー」でありたい


と思っています。そして、自分たちが何と標榜するかは別として、業界にとって、またクライアントにとって「なくてはならない存在」になれていたらいいな、なっていなきゃいけないな、という想いを新たにしています。

ということで、2013年度は7周年。7人で創業した会社も40人体制になりました。

うちはいままであまりイベント的なことはやってきませんでしたが、7周年を迎える今年は皆さまとの交流をさらに深めるべく、第一回TMH主催ゴルフコンペや、納涼BBQ大会3ケ月に一度弊社社員と戯れて頂くトライバルナイト(飲み会)などのイベントを開催して行きたいと思っています。皆さま、ぜひふるってご参加ください。

ということで、今年も張り切ってまいりますので、引き続きトライバルメディアハウス&愉快な仲間たちをよろしくお願い致します!

2013年3月22日
トライバルメディアハウス
代表取締役社長 池田紀行

池田紀行

【事例解説】 「共有型」キャンペーンと「拡散型」キャンペーンの仕掛けと仕組み

13 years 1ヶ月 ago

先週、「共有」と「拡散」の違い ~ 「共有・拡散します!!」のウソというエントリーを書いて、結構多くの方々に読んで頂けました。

共有はWho文脈。「誰が何をしたか」という「人とコンテンツがセットになって初めて情報に共有価値があるもの」。

一方の拡散はWhat文脈。コンテンツそのものがTalkable(トーカブル)で、人の琴線に触れるもの。コンテンツと発信者は分断されても可。ポイントは「感情が動くかどうか」。(例:インパクトがある、ビックリする、笑える、感動する、深く考えさせられるものなど)でした。

※「共有」と「拡散」の違い ~ 「共有・拡散します!!」のウソ
http://www.ikedanoriyuki.jp/?p=3568

前エントリーでは、私の過去のFacebook投稿を事例に解説しましたが、企業が展開している実際のプロモーション事例の方がより理解がしやすいだろうということで、この度、キリンビール様とJAL様の許可を頂き、少し詳細の解説をしたいと思います。(キリンビール様、JAL様、ご承諾ありがとうございます)m(_ _)m

まずは拡散型キャンペーンから。



===== 拡散型キャンペーン事例 =====


●キリン一番搾り一生分キャンペーン


https://isshobun.kirin.co.jp/

このキャンペーンは、一番搾りの誕生日(3月22日)を祝して、2013年2月18日からスタートした、キリン一番搾り一生分を一名様にプレゼントしちゃう!という超豪華企画。FacebookとTwitterから参加することができます。

すでに終わってしまってますが、キャンペーン開始から一週間は、一番搾り一か月分が合計100名に当たる、というインスタントウィン企画をWチャンスとして実施していました。

キャンペーン実施に合わせ、Twitterのプロモトレンド、プロモツイート、FacebookAdsなども合わせて展開し、WebPRも積極的に行いました(配信先を除く主要露出メディアは下記の通り)。


・ キリンビールが「一生分の一番搾り」をプレゼントする神キャンペーンを開始!(RocketNews)
http://rocketnews24.com/2013/02/27/292756/ 

・ 今時なんという太っ腹…!「キリン一番搾り 一生分が当たるキャンペーン」実施中、当選者には400万円相当の金塊が!?(LivedoorNews)
http://news.livedoor.com/article/detail/7472345/

・ 「ビール一生分あげます」に大反響(R25)
http://r25.yahoo.co.jp/fushigi/jikenbo_detail/?id=20130221-00028410-r25


本キャンペーンは、「キリン一番搾り一生分プレゼント」という、過去にあまり見たことがない「インセンティブのインパクト」がカギであり、そのインパクトの大きさがそのまま「情報の拡散力」となっています(拡散型キャンペーンには “What” (ここではインパクトのあるインセンティブ)そのものに自走する強力なパワーが必要不可欠です)。実際、キャンペーン参加者の多くの人が 「一生分ってどんくらいの量だwww」や「これでもう一生発泡酒とはおさらばだ!」、「まじでほすぃぃぃ~!」というツイートをしています。

では、本キャンペーンの 「拡散力」 を(インセンティブのインパクトだけに頼らず “さらに”)高めるためには何が必要でしょうか。そう、それはキャンペーン参加者が吐き出すソーシャルフィードからの再集客です。

ソーシャルキャンペーン成功のキモは、一次参加者のうち、何人がフィードを出してくれ、それが何人の目に触れ、何人がクリックし、何人がキャンペーンに参加し、何人がフィードを出してくれるのか…というループがどこまで勢いよく回るかが一番のポイントになります

これが尻つぼみになると、当然ながらソーシャル上のバイラル効果による再集客力が下がり、キャンペーン応募者は広告予算に大きく依存することになってしまいます。

方程式にするとこんな感じです。ただの掛け算なので、ぜんぜん難しくありません。

うちはソーシャルキャンペーンを企画する際、最低限このくらいのシミュレーションはして、想定数値を算出するんですが、見て頂くと分かる通り、こちらの努力で可変可能なパラメーターは限られています。ユーザーの友達の数や、フィードの視認率を向上させることは難しい。

努力によって向上の余地があるのは赤い部分、つまり、フィード率、(友達の)クリック率、(友達の)キャンペーン参加率(キャンペーンコンバージョン率)です(細かく言えばもっとありますが)。

だから、まずはここを徹底的に議論します。現在の仕様やテキスト、画像は、上記パラメーターを最大限引き上げる仕様になっているのか? それによる想定合計値は、今回のキャンペーンゴール数値に達しているのか(シミュレーション通りに行けば達成できるのか?)という検証を徹底的に行います(預言者じゃないので完璧に当てることはできませんが、最近ではシュミレーションに対して±20%くらいでヒットすることができるようになってきました)。

この単純な方程式の中で最も大切なのが、一番最初にある「フィード率」の向上です。以前はアプリでキャンペーンに参加すると勝手にウォールに投稿されてしまう仕様が大半でしたが、ユーザーに「UZEEEEE!!」と思われることと、Facebookの規約に違反していることもあり、現在では「上記の内容をタイムラインに投稿する」という文言と共にチェックボックスが付いている仕様が一般的です。

さて、ではどうやったらキャンペーン応募者がチェックを外さず、フィードしてくれる確率を高められるでしょうか。そして、そのフィードされたリンクのクリック率を、どうやったら高めることができるでしょうか(さきほどの図の平均フィード率と平均クリック率の双方を向上させる方法)。そのためには2つの視点が大切となります。


① 投稿者視点:定型的なキャンペーン参加フィードではなく「友達に対するメッセージ」になっているかどうか
② 友達視点:投稿者と会話するキッカケになる(会話する必然性がある)画像やテキストになっているかどうか


キリン一番搾り一生分プレゼントキャンペーンは「拡散型」で企画していますが、上記①②を実現させるため、フィードだけは「共有型」で設計しています。それは、キャンペーン応募者のフィード率を向上させ、それを見た友達との会話が発生し、友達のキャンペーン参加率を高めるためです

たとえば、「池田紀行さんがキャンペーンに参加しました。一番搾り一生分が一名様に当たる!いますぐキャンペーンに応募しよう!(サイトURL)#一番搾り一生分プレゼント」 という定型文、よく見ますよね。

でもこれ、ユーザー視点で見ると、あんまりそそられないんですよね。キャンペーン参加者(投稿者)の視点で見ると、なんの面白みもないキャンペーン応募フィードなんてわざわざ流す意味がない。そして、一方の友達目線で考えても、友達が自分に話しかけてくれているものじゃないから、いまいち自分ゴト化されない。つまり、クリックしたくならない。「あっそ」、で終わり。だから、キリン一番搾り一生分キャンペーンでは、下記のような仕様にしました。


▼キャンペーン参加者は下記画像の中から1つを選んで投稿できる(一生分キャンペーン)


(一カ月キャンペーン)


(友達に話しかける文脈によってフィードを促す)


▼Twitterは下記文章が上記画像と共にTweetされる

「キリン一番搾り 一生分プレゼント! 当たったらみんなでカンパイ♪「一生分おすそ分け宣言」しました! 飲酒は20歳になってから。 URL #ハッシュタグ pic.twitter.com/画像」

上記の例で言えば、

・ 参加者
一生分おすそ分け宣言!もしもキリン一番搾り一生分が当たったらみんなでカンパイしよう!

・ 友達
一生分てすごいなww 当たったらまじでパーティーやりたいねー!飲むぞー!

・ 参加者
やろうやろう!まあ、当たれば、だけどね…

・ 友達「よし、確率が上がるように俺も参加しとこw

という会話が発生することを想定して設計しています。そして、この流れはしっかりと実現できています。

結果、キリン一番搾り一生分キャンペーンは(まだ継続中ではありますが)計画を上回る推移でソーシャルフィードが発生し、広告だけに頼らない再集客と、友達の友達のキャンペーンコンバージョンを獲得しています。(数値は内緒♪)

※キリン一番搾り一生分キャンペーンは3月22日まで実施中です。ぜひ一生分をゲットしちゃってください。応募は こちら から!



===== 共有型キャンペーン事例 =====


さて、続いて「共有型」キャンペーンの事例です。拡散型はイメージがわくと思いますが、共有型はあまりイメージがわかないんじゃないかと思います。でも、これも難しい話ではありません。

拡散型が、「キリン一番搾り一生分が当たる」というWhat文脈でユーザーを巻き込むのに対し、共有型の特徴は「自分の友達(もしくは友達の友達)」という「人(参加者)とキャンペーン」がセットになって初めて共有価値が上がるWho文脈で設計されているものです。

こちらも事例で見てみましょう。

2013年3月15日(金)に公開されたてホヤホヤの日本航空(JAL)Flight with Friends~友達みんなで旅に出よう!キャンペーンは、まさに共有型キャンペーンで設計されています。


●日本航空(JAL)「Flight with Friends」キャンペーン


このキャンペーンは、まずFacebookでログインして、出発地と行き先を決めると、その便のパイロットになれます。この飛行機は30人乗りなので、残り29人の友達が集まればコンプリート。

旅の仲間が見事30人揃うと、抽選で1機(30人全員)にその飛行機の国内線航空券(往復分)がプレゼントされるというもの。実際の便の出発日時は決まっていませんから、本当にFacebook上のメンバーで行くのもよし、バラバラに行くもよし、です。

これは僕がパイロットになった羽田発・那覇行きの飛行機。

https://ff.jal.co.jp/

こちらは僕がパイロットになっている飛行機の機内がアップになったところ。

下記は僕が羽田発・那覇行きのパイロットになった後、友達を誘うためにFacebookのShare機能でフィードされたもの。

僕の友達と、友達の友達が上記をクリックすると、僕の飛行機に乗ることができます。あと15人だから、みんな乗ってね!(いまのところ、うちのスタッフばかり、苦笑。沖縄行こうぜっ!搭乗はこちらから!)

機内では、実際に搭乗してくれた旅の仲間と旅先でのプランについて話に花を咲かせることができます。沖縄行ったらカツカツに冷えたビールとラフテーとフーチャンプルとソーキ食いまくってフーゴルやりたい!

本キャンペーンの出発点は、「友達みんなと旅に出る!」というコンセプトを企画として実現させることでした。なので、本キャンペーンは構想段階から「What文脈での拡散型」を狙うものではなく、「友達同士(Who文脈)での共有」が促進される仕掛けと仕組みをつくりました。

具体的には、「池田がパイロットになった羽田発・那覇行きの飛行機に乗りませんか?」というWho文脈です。僕の友達は、池田の飛行機なら、まぁ乗ってやってもいいか…と思うかもしれませんが、皆さんの知らない「山田さんが機長になった羽田発・那覇行きの飛行機」だったら乗りませんよね?そこがWho文脈のポイントなわけです。不特定多数における(What文脈での)拡散を狙うのではなく、特定少数の中での(Who文脈における)共有を狙っているのです

ただし、このキャンペーンも(仮にあなたが僕の飛行機にのってくれた場合)、「鈴木さんが池田さんの飛行機に乗り込みました」の後、「(自分も)パイロットになる」」という導線をつくっています。さっきの図で言う、友達のキャンペーンコンバージョン率を向上させる導線ですね。

これによって、Who文脈における特定の人間関係の中で旅の仲間(搭乗者)が増えていく中で、次は搭乗者自身がパイロットになり、今度はその友達を中心としたソーシャルグラフ内で情報が伝播して行く構造をつくっているのです。

さぁ、あなたは誰とどこに行きますか? サイトもクレイアニメですごくかわいくできているので、ぜひ遊んでみてください(当たることを祈ってます!)


●JAL Flight with Friends~友達みんなで旅に出よう!

https://ff.jal.co.jp/


※2013年3月21日12:20追記

おかげさまで僕がパイロットを務める羽田発・那覇行き便は満席となりました。30人揃うと機内でみんながウェーブしています(笑)


如何でしょうか。

こうやって見てみると、拡散型キャンペーン共有型キャンペーンは似たようなものに見えるかもしれませんが、キャンペーンの設計が全く違うことがわかって頂けたと思います。

また、「拡散型」と「共有型」はどちらがいい、という話でもありません。キャンペーンによって実現したいこと(目的)や、解決したいマーケティング課題、そしてそれを実現する企画によって「拡散型」と「共有型」をうまく組み合わせれば良いのです。

これらのことは、ソーシャルメディアや「人」を良く知っているプランナーであれば、みんな無意識にやっていることです。でも、慣れていない人は、ぜひWhat文脈による拡散か、Who文脈による共有か、を切り分けて(ときに融合させて)考えるクセをつけてみてください。徹底的なユーザー目線で、です。

みんなで消費者が楽しめ、かつクライアントのマーケティングゴールを達成するような素適なキャンペーンを量産して行きましょう!

ちょっと長くなっちゃった。おわりっ!

池田紀行

「TwitterやFacebookの次は何が来るか」だって?そりゃお前、ブログに決まってんだろ!

13 years 1ヶ月 ago

たまにですが、よく知らない若者から「池田さん、TwitterとFacebookの次は何が来ますかね」と聞かれます。「なんで?」と聞き返すと、「それをいち早く活用して、一目置かれる存在になりたいんです」と。

正確に言うと、彼らはその新しいツールの第一人者になりたいわけじゃありません。TwitterやFacebookはすでに2,000万人近い人が利用していて、多くのフォロワーや友達を有するインフルエンサーが存在しちゃっているから、今からそこで目立つことは難しいと。だから、新しいツールが出てくる初動の段階からうまく使いこなして、多くのフォロワーやら友達やらを獲得して一目置かれる存在になりたい、ということらしい。

そんなとき、僕はいつもこう言うのです。


そんなことよりブログ書け!


と。

※まぁ、ブログ書く以前に「ちゃんと仕事しろ!」というのが正解なんですけど

昔から言われてることですけど、ソーシャルメディアってのはリアルの世界で有名な人がもっと有名になったり、多くの人とフラットにつながることができる場所であって、リアルの世界で一目置かれていない人がどんなに頑張ったって有名になったり一目置かれることになんかならない。だって、その人が有名になったり、一目置かれる理由が無いんですから。

Twitterのフォロワーが多い人、Facebookのフィード購読者が多い人は、

・ 今どこで誰と何をしているか
・ 今どこで何を食べているか
・ 投稿によくリプライやふぁぼをしてくれる
・ 投稿によく「いいね!」をしてくれる
・ 投稿によくコメントしてくれる

人たちではなく、何かしら含蓄のある考えや、おもしろい情報発信を多くしている人達です。

TwitterとFacebookとブログの位置関係はこんな感じだと思います。

TwitterもFacebookもブログも使われ方は多様なので、当然例外もあるでしょうが、一般的に多くの人は上記のような使い方をしているんじゃないでしょうか。

あくまで個人的な感覚ですけど、TwitterやFacebookで多くの人にフォローされている人は、結構な確率でブログを書いている(または書いていた)人が多い気がします。ブログを書いていなくても、本を書いていたり、メディアに連載を持っていたり、メルマガを書いていたり、何かしら情報を発信する側にいる人たちです。もしくは「その人が誰であるか」(例:タレントや有名人、社長など)のように、仮にTwitterやFacebookでの投稿はおもしろくなくても「誰が発信した情報か」に価値がある人たちです。

だから、最初の話に戻ると、そういった「当たり前のこと」をすっとばして、ツールをうまく使えば一目置かれる存在になれるんじゃないか(多くのフォロワーや購読者を獲得できるんじゃないか)というのは完全に幻想なわけです。

人から敬われたいのなら、当たり前ですが、価値がある情報を発信しなければなりません。Twitterでせっせとフォロー返しをしたり、Facebookで友達を増やしても、その人たちはあなたを尊敬してはくれません

一日30分、TwitterのタイムラインやFacebookのニュースフィードを眺めているのなら、その時間を使ってブログを書きましょう

TwitterやFacebookは、感情や行動を共有することが多く行われる場所です。また、外部のニュースや動画のURLを運び、それをネタにみんなで盛り上がるのに適した場所です。

だからこそ、いまがチャンスなんです。そこでみんなと「誰かが創った情報」をネタに盛り上がるだけじゃなく、「自分が創った情報」を発信し、「自分の思考や意見」を知ってもらうのです。気分や感情、趣味や週末の行動だけでなく、「自分が持っている問題意識」を発信するのです

TwitterやFacebookをやっていると、「この前、徹夜してましたよね。お疲れ様です」とか「この前、青森行ってましたよね」とか言ってもらえます。ずっと会ってないのに、久々な気がしない、なんてことも良く言われます。

これって、相手が毎日の貴重な時間を「自分の日常を知る」ために割いてくれてるってことなんですよね(その逆もしかりで、あなたは毎日、友人や知人の日常をアップデートするために膨大な時間を費やしているのです)。

であるならば、「六本木で久しぶりの友達と一献やっている。やっぱり青春時代を共に過ごした友たちは最高の存在だ」とか「深夜のラーメンなう!」という感情や行動だけじゃなく、ブログを通して自分の思考や意見を(ある程度まとめたコンテンツとして)発信しなきゃもったいないと思うのです。

この前、また深夜にラーメン食べてましたよねw」だけじゃなく、「この前、XXXXXについてブログ書いていましたよね。すごく考えさせられました」なんてことが生まれるわけですから。

※「じゃあFacebookで長文の思考・意見エントリーを書いてもいいんじゃないの?」という方もいるかもしれません(実際、長文のFacebookエントリー書く人たまにいますしね)。でも、Facebookは1秒~3秒で「みんなの」エントリーを斜め読みする場所ですから、長文の文字を読んでもらうのには適していません。それは、大勢の(お酒がまわった)パーティーでスピーチを始めるようなものです。

Facebookでのロングエントリーが聴衆のアテンションを取りにくい場所でのスピーチだとすると、ブログは講演です。みんなあなたの講演をわざわざ聞きに来てくれたオーディエンスです。友人とのおしゃべりを楽しんでいるパーティーでいきなり始まったスピーチと、わざわざあなたの講演を聞きに来てくれた人に話しかけるのと、どちらの方があなたの考えをうまく伝えることができるでしょう。答えは明らかです

ということで、去年(2012年)28回しかブログ更新してない僕にはこんなこと言う資格はありませんが、日曜日ということでご容赦ください。


みんな、ブログ書こうぜ!


2013年4月4日更新
続・それでもやっぱりブログ書こうぜ!

池田紀行

すべてのモノやコトに「人と人のコミュニケーション」が介在する社会へ

13 years 1ヶ月 ago

むかし、「この世の全てはソーシャル化する!」なんてことが声高に叫ばれていた時代がありましたね。

まぁ僕は昔から過度なソーシャル礼賛は好きじゃないんですが、いろんなモノやコトがソーシャル化して行く、つまり、いろんなモノやコトに「人と人のコミュニケーションが介在して行く」ということについてはアグリーです。

上のスライドは、たまにセミナーの最後の方で紹介するページです。

僕らが中学・高校の頃、日記なんて鍵をかけたり机の引き出しの奥など、見つかりづらいところに隠しておくのが常でしたが、いまではブログに書いて全世界に公開しちゃってます。もう180°逆。

友達付き合いも、昔はSNSどころか携帯すら無かったから、GWに「みんなで一緒に箱根行こうぜー!」って車3台で湘南を出発するまでは良かったけど、猛烈な渋滞によって途中ではぐれて、結局、夜、地元に帰って来るまで会えなかった(それぞれの車が単独で箱根を楽しんだ)なんてこともありました。でもいまはみんなSNSでつながって楽しくやってる。

また、Twitterの出現で世界は大きく変わった。一人ひとりの頭の中にあった思い、感情、意見などが「見える化」され、共有されるようになっただけでなく、いまや(SNSというより)世界レベルのInformation Networkに育ち、コミュニケーションインフラとしても無くてはならない存在になった。テレビやスポーツ、年越し(「あけおめことよろ」)や災害など、リアルタイムで発生している世の中ゴトや仲間ゴトをみんなで共有するReal-time Shared Platformになった

テレビ(動画コンテンツ)も、限られたチャンネルやコンテンツの中から選ぶ時代から、YouTube、ニコニコ動画、Ustreamのような動画プラットフォームの出現によって「観たいものを観る」時代になった。視聴のタイムシフトも進んだし、視聴されるコンテンツのロングテール化も進んでいる。それ以上に、映像コンテンツは一人で見るより「みんなで観る」方が圧倒的に面白いことをみんなが再認識した。テレビ局が提供するTwitter連携アプリも人気だ(みんなで同じ番組を見ながらツイートするアプリ。下の画像は日本テレビが提供するwiztv)。デジタルテレビの “dボタン企画” も、テレビ番組に「視聴者とのコミュニケーション」を介在させているものです。

●日本テレビのwiztv

お店選びも、僕が学生だった頃のバイブルは東京ウォーカーと横浜ウォーカーですよ。雑誌に掲載されたお店に行くと、彼氏全員が横浜ウォーカーを握りしめてるんだから笑える時代だった。でも今は(特に初めて行くお店の場合)、食べログの星印は極めて重要な意思決定情報になっています。

ゲームも1人や少人数で楽しむものから、「みんなで力を合わせて問題を解決する」ソーシャルゲームが主流になった。

レシピもキッチンの書棚に入った「我が家秘伝の味」から「みんなで共有する」クックパッドになった。そして、すごい能力を持つ逸材が多くの主婦のファンを獲得できるようにもなった。

カメラは、前回 『写真は「撮ったものを共有する時代」から「共有するために撮る時代」へ』 というエントリーでも書いたように、共有する術がなかったら決して撮らなかっただろう日常のヒトコマを、みんなと共有して共感してもらうために(社会的欲求や承認欲求を満たすために)シャッターを押すようになった

メールもLINEのようなスマホメールアプリにどんどん移行している。

こうやって日常を眺めていると、確かに、いろんなモノやコトに「人と人のコミュニケーション」が介在する社会になってきているなぁ…と実感するわけです。

日記も、友達付き合いも、独り言も、テレビも、お店選びも、ゲームも、レシピも、カメラも、メールも、以前のものに、「人と人のコミュニケーション」が介在することで、もっと楽しくなったり、もっと便利になったりしている。ソーシャル化することは目的でも何でもないので、既存のモノやコトに「人と人のコミュニケーション」を介在させた方が、おもしろくなったり、便利になったりするならば、すれば良いだけの話です。

でも、こういった目線で見ると、ソーシャル化されたことによってすごくおもしろくなったり、便利になったものってたくさんありますよね。あれとかあれとかあれとかとかとか。

いま目の前にあるもの、日常の中で使っているものに、「人と人のコミュニケーション」を介在させたらどうなるだろう。そんな目でいろんなことを観察してみると、おもしろいビジネスアイデアが浮かぶかもしれませんよ。

池田紀行

写真は「撮ったものを共有する時代」から「共有するために撮る時代」へ

13 years 1ヶ月 ago

スマホと高機能写真アプリが現代社会に増殖させたものは何でしょう。それは、寂しがり屋の「かまってちゃん」です。

つい先日、写真共有アプリのInstagramの月間アクティブユーザー数が1億人を突破したことがニュースになってましたね。

Instagram、スタートから28ヵ月でアクティブユーザー数1億人を達成(TechCrunch)

今日のお話は、Instagramがなぜここまで短期間で成長したのか、ということじゃなくて、写真(撮影)の目的がすごく大きく変わってきたよね、ということ。

むかし(と言っても数年前)は、写真って楽しい想い出を記録するものだったじゃないですか。それが、ここ最近で起こった、スマホの普及、高性能な無料カメラアプリの台頭、共有するSNSの存在という3つの変化がつくり出したエコシステムによって、写真の目的は「記録」という本来の機能から、「誰かとつながっていたい」 「すごいねって言って欲しい」という人間関係構築ツールに変わってしまった。これってすごい変化だな、と。


写真は、「記録するため」に撮るものから、「誰かとつながって、すごいね、よかったね」って言ってもらうための人間関係構築ツールに


確かに身に覚えがあります。少しばかり恥ずかしいですが、自らの投稿を振り返ってみましょう。過去1年くらいの自分のFacebook投稿を見直してみると、こんな感じの投稿が多い。

これは会社のスタッフから誕生日プレゼントとしてもらった似顔絵イラスト入りゴルフボールでティーショットを打つときに撮ったもの。心理は「みんなからもらったボールで今からティーショット。こんなキュートなボールで今からゴルフやる俺って幸せ!いいでしょ!」って感じ(恥)

次は、この前、出張で青森に行ったときに現地の皆さんに連れて行ってもらったお店で乾杯するときの一枚。お気に入りの一番搾りが地域特産品のグラスで飲めるってことでパチリ。これも気持ちとしては上と同じかな。あとは、こんな早い時間から飲んじゃうよ!しかもいま青森だよ!幸せだよ!みたいな感じかな…。

これは、ここ数年使い続けてきたマスメディアンさんから頂くカレンダーから、かわいらしいカレンダーに変更したときの記念に撮ったもの。気持ち的には 「ほら、俺のデスク、こんなに遊び心があってかわいらしい感じなんだよ。お茶目でしょ。シャレオツでしょ!」 みたいな感じ。もう死にたい。

こちらは目黒で有名なカレーうどん屋さんに行ったとき。名物のエビ天を乗せてパチリ。レストランやラーメン屋さんで皆さんもよくやりますね。皆さんは、焼肉、ラーメン、お寿司、今日のランチなどをどんな気持ちで撮影し、そして何を目的にFacebookやTwitterに投稿してますか? きっと僕も同じです

最後は昨年のポッキーの日に、イベント会場の東京タワーに行ったときに撮った(投稿)した写真。目が上を向いているのは、恥ずかしさ半分と、茶目ッ毛アピール半分です。今日はポッキーの日だぜ!みんなも楽しもう、俺は楽しいぜ!アピールが目的です。

いかがでしょう。

バカなの? と思った人も、「わかる!」と思った人も両方いるでしょう。バカなの? と思ったあなた。自分のスマホの写真アルバムを開いてみてください。アルバムに入っている写真のうち、SNSなどで共有することを目的とせず(自身の記録用として)撮った写真は何枚あるでしょう。

ちなみに、僕は驚くべきことに(ホワイトボードなどのEvernote保存用を除いて)ほぼ100%が 「共有用」 の写真でした。愕然としましたが、まあそんなもんです。写真は「想い出を記録するもの」から「共有して人とつながるためのもの」に変わったのです。言ってみれば、僕のスマホに入っている100数十枚の写真は、(TwitterやFacebookなどのような)友人や知人と共有するための手段がなければ、撮影しなかったということなのです。

さて、この現象をマーケティングの視点から考えたらどうなるでしょう。

ここであえて造語をつくってみたい。


Shootablity(撮られやすさ)/Shootable(撮られやすい)


用法は、Talkability(話されやすさ)、Buzzability(話題になりやすさ)、Sharability(シェアされやすさ)などと同じです。意味は「写真への撮られやすさ」。

Facebookのフィードには、テキストや動画よりも写真が圧倒的に多いですよね。それは(企業も個人も)写真が一番「いいね!」してもらえることを経験的に知っているからです。だったら、企業のマーケティング(特にショップやイベントなど)は、どれだけ来店者や来場者が写真を撮りやすいか?(撮りたくなるか?)をもっと積極的・徹底的に考えた方がいいと思うんです。だって、撮影さえしてもらえたら、TwitterやFacebookに投稿してもらえる可能性が高いわけですよ。あわよくばチェックインもしてくれるかもしれません。

できることはたくさんあるはずです。例えば、

● 撮影スポットにTwitterやFacebookのロゴ看板を立てる
● ソーシャル文脈の被写体を用意する(思わず撮ってしまいたくなるようなもの/Likeが多く付きそうなもの)
● 「写真お撮りしましょうか?」と積極的に声を掛けるスタッフを用意する(デジカメで撮ったら 「スマートフォンでもお撮りしましょうか?」 と促す)

などなどです。お決まりの写真投稿キャンペーンで「無理に」投稿を促すのではなく、いかに自然に写真を撮って投稿したくなるかを考えるのです。

ソーシャルメディアのユーザーは、日々ネタを探しながら生きています。街を歩いていても、家でご飯を食べていても、仕事をしていても、TwitterやFacebookに投稿する格好の「被写体」を探しています。企業はそれを提供するんです。名付けて「被写体マーケティング」です。

ほら、何かヒントが浮かんできそうでしょ?

ということで、今日は一億総かまってちゃん(&俺スゲーだろ。ドヤッ)社会の到来についてでした。これからも変わらずかまって頂ければ幸いです。

イケダノリユキ
確認済み
23 分 18 秒 ago
CEP・CEPsと第一想起戦略に強みを持つマーケティング会社 トライバルメディアハウス代表。大手企業300社以上の広告・PR・マーケティングを支援。『売上の地図』『業界別マーケティングの地図』『マーケティング「つながる」思考術』など著書・共著書多数。鎌倉稲村ヶ崎在住。
ikedanoriyuki.jp | Tribal Media House, Inc. フィード を購読

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