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コスト増に勝つECサイトになるには? コスト削減の基本方針と戦略+アプローチをわかりやすく解説 | ECビジネスの基礎を学ぶ! 酒の肴になるeハナシ「ネッ担居酒屋」」 からご覧ください。
ここはEC担当者が集まる「ネッ担居酒屋」。ECサイトのコスト増に対する値上げ戦略と具体策について解説します。【第4回】
ネットショップ担当者が集まる「ネッ担居酒屋」ののれんをくぐった優柔不断な亮ちゃん。商品の値上げを決意(前回の記事はこちら)し、お店を後にしましたが、その後どうなったのでしょうか?
今日のお客さま:EC通販事業 リーダー 4年目 亮ちゃん
焼き菓子を売る食品製造業のネットショップ担当者。OEM中心だったがコロナ禍でお土産需要が減り、自社ブランドの立ち上げと直販のネットショップを任された。
常連さん:コンサルタント「コアラさん」
経営コンサルタントの国家資格「中小企業診断士」の資格を持ち、全国の企業支援やセミナーに奔走中。仕事での報酬交渉はシビアだが、ここでは日本酒1杯で相談に乗ってくれるお酒好き。
コスト削減というもう1つの道
亮ちゃん
この前、値上げについて相談したじゃない。改めて1商品あたりのコスト出してみたら、とんでもないことに。サイト運営費、人件費、減価償却費、諸々入れていくと、赤字になる商品がいくつか出てきちゃって……。お客さまが受け入れられる値上げ額もヒアリングしたけど、ちょっとカバーし切れないんだよねぇ。なんて経営層に説明していい。
コアラさん
まぁ、亮ちゃんのECサイトはOEM事業の広告塔みたいなPR側面もあるから、厳密に全社の間接費は配賦しなくてもいいのかもしれないけど、EC事業で黒字を出そうっていう気概がいいじゃない。よかったね、コストを見直す機会になって。
亮ちゃん
コアラさん
亮ちゃんがやるべきは、EC事業の筋トレだよ。ぜい肉を落として筋肉質なショップにしよう。コスト削減は、値上げに比べて自社で直接コントロール可能な要素が多いから、値上げよりやりやすい。オープンから4年も経ってたら、ぜい肉だらけなんじゃないのー?
亮ちゃん
ちょっと、お腹をぷにぷにするのはやめなさい。まぁ、経営層から言われるのはとにかく拡大、拡大だったから、見直したことはなかったな。いったい、どっから着手すればいいんだろう?
コスト削減の基本方針と戦略
コアラさん
今回、コストを洗い出したんだよね? まずはコスト構造を理解しよう。どの部分で最もコストがかかっているのか、そのコストは避けられないものなのか、あるいは最適化の余地があるのか、1つ1つの要素を丁寧に見ていくんだ。「改善のECRS」って知ってる?
亮ちゃん
コアラさん
単に略語だから難しい言葉じゃないよ。Eliminate(排除)、Combine(結合と分離)、Rearrange(入替えと代替)、Simplify(簡素化)の英語の頭文字から取った略語なんだけど、この順番通りに改善を進めると効果が高いとされているんだ。数字の改善は、マーケティングの4P(製品(Product)、価格(Price)、流通(Place)、プロモーション(Promotion))を構成する要素を見直して、改善することだよね。それと同じなんだ。アイデア出しの要素もあるから、メンバーを巻き込んで考えてみたらどうかな。
「改善のECRS」について
亮ちゃん
おお、それはいいかもね。最近、在宅勤務が多くて、あまり議論する機会もなかったしなぁ。いいチームビルディングの機会になりそうだよ。たとえば、排除ってなくすことだから、広告をA社、B社、C社って出してたけど、C社を止めるとかそんな感じ?
入れ替えと代替は、開発業者を見直したり、アナログな作業をデジタル化したりすることかな。簡素化は、在庫管理をシンプルにしたり、送料のテーブルを一律にしたりとか……結構アイデアが出るもんだね。
コアラさん
ぜひメンバーとやってみてよ。あと、方向性を決めるときは、同業他社や業界の標準的なコスト構造と自社のコスト構造を比較すると、どこを改善すべきかあたりがつけやすいよね。上場している会社は財務諸表を公開しているから、小売やECを主力事業にしている会社を見ると参考になると思うよ。
亮ちゃん
なるほど、それは客観的な指標だし、経営層の納得感も得られそうだね。
コスト志向の価格設定
コアラさん
いくつか出た方策のなかから、優先順位を決めて方針を固めよう。たとえば、「コスト削減額が大きい」「実現可能性が高い」「リスク」「顧客体験への影響」などの評価軸から、点数をつけて比較してもいいかもしれない。大切なのは、コスト削減は社内を巻き込む取り組みだから、客観的に納得感を得られるような意思決定をしたいよね。
亮ちゃん
うちは高級路線だから、顧客体験への影響は重視しなきゃいけないな。重み付けして評価するかな。
コスト削減の具体策
亮ちゃん
他にどんなコスト削減案があるんだろう。引き出しを増やしたいんだけど……。
コアラさん
そうだね、中小のネットショップでもできる具体策を考えてみようか。もちろん業界のルールや地域による送料の違い、お客さんの購買行動など、状況はネットショップによってそれぞれだから、亮ちゃんのお店に適しているか考えながら聞いてみてよ。
商品(Product)
コアラさん
たとえば、A商品とB商品をパッケージ商品にすると、単純計算で在庫回転率があがるから在庫に関連したコストの削減につながるね。仕入れ商品でもセット販売することでオリジナル商品になるし、高級感のアップにつながる。そうすれば利益率も伸ばしやすくなるよね。
亮ちゃん
パッケージ商品を乱発させると、在庫リスクになる可能性もあるね。
コアラさん
そうだね、パッケージの中身、包装は流動的に変更できるようにするなど、ひと工夫しておかないと在庫になる可能性があるね。あと、在庫を減らすには、需要予測を立てて生産部門と共有する、長期滞留在庫をリストアップし販促、思い切って廃棄するといった方法もあるね。
亮ちゃん
あー、需要予測はやってなかった。去年のデータがあるから早速やってみるわ。
コアラさん
商品の観点から言うと、全商品のコスト構造を見たわけだよね。原価が高コストになっている商品は、廃番にするとか、ラインナップを見直した方がいいかもしれない。商品開発の段階から参画して、原材料の代替案を検討することもできるね。社内でエンドユーザーに接している唯一の部門なんだから、商品開発の担当もお客さまの声を聞きたいんじゃないかな。原材料の代案は高品質が維持される範囲で検討するといいよ。
物流(Place)
コアラさん
物流業務を専門に手がけている会社にアウトソーシングすることで、コスト削減効果につながる可能性がある。また、配送会社との契約を見直す余地もあるよ。配送量に応じた値引き交渉、地域ごとに複数の物流会社を使い分けることで配送の最適化をするといったこともできるね。亮ちゃんのショップの場合はOEM事業の物流ネットワークがあるから、複数の物流倉庫を活用している場合はそのトラックで横持ち配送するなんて工夫ができるかもしれないね。あとは、工場直送。お客さま先に直送して在庫コストを減らすことだけど、亮ちゃんのところはどう?
亮ちゃん
全商品、専用倉庫に送って在庫を管理しているんだよ。主力商品は毎日ラインを動かしているから可能かも。製造メーカーとしての強みを生かしきれてないね。
価格(Price)
コアラさん
固定客が増えているなら、定期的にお菓子の詰め合わせが届くサブスクリプションはいいかもしれない。一定の収益を確保できるし、生産計画も立てやすい。定期的に接点が持てるからロイヤルティにも貢献するよね。コスト面で言うと、ボリュームディスカウントの交渉、複数の仕入先を使うことで、単位あたりの商品コストが下がるよ。亮ちゃんのところの商品は自社製造だけど、商品そのもの以外のコスト、たとえば、サイトの開発、運営に関するサービスを複数年契約にするとか、消耗品や梱包資材をまとめ買いするとか、開発を業務委託から内製に切り替えるとか、できることはあると思う。
亮ちゃん
業者はずっと見直してなかったなぁ。メンバーから別のサービスを使いたいという提案は時々あがるから、相見積もりを取るところから始めようかな。
販売促進(Promotion)
コアラさん
ECサイトの広告宣伝費は売上高に対して20〜30%を占めるところも少なくないから、ここは見直しがいがあるところだね。亮ちゃんのショップはどう?
亮ちゃん
そうだね、20%くらいかな。本当は拡大路線を維持したいから、増やしたいところなんだけどね。変にコスト削減をすると、ブランドイメージが下がらないか心配だよ。
コアラさん
そうだね、亮ちゃんのところは高級路線だもんね。まずは販促業務から固めていこう。広告の効果測定と見直しのサイクルは回しているよね。ペルソナやカスタマージャーニーも設定しているかな。お客さまの価値観や日常は変わり続けているから定期的に見直したい。でないと、新しい販促手法に飛びつくばかりで、絞り込みができなくなる。
亮ちゃん
そうなんだよ。コスト削減っていうと、単に広告からSNSとかコンテンツマーケとかお金がかからない方向にシフトしがちだけど、メンバーが疲弊しないようにしてあげたいんだよね。選択と集中の一指標ってことだね。
コアラさん
そうそう。NPS調査でカスタマージャーニーを精査してほしいな。その上で、ブランド価値の維持向上と、コスト削減を両立するための手法としては、固定客が増えているということだから、紹介制度やリピーター向けの特典などに予算を振りわけてもいいと思う。メールマーケティングも個々に合わせた配信をするのが、効率がいいかなぁ。
亮ちゃん
固定客をファンにして、新しいお客さんを連れてきてもらえるよう頑張らないとね。
コアラさん
その通り。あとはコンテンツマーケティングも広く情報提供するというよりは、亮ちゃんのニッチなユーザーに価値がある情報を提供していこう。健康効果や摂取方法、美味しい食べ方の提案などをブログ、SNS、動画などで共有しようよ。インフルエンサーや専門家の意見を取り入れるとお客さまには一層価値を感じてもらえるかもしれないね。お客さまの声の活用も、コスパがいい施策だと思う。収集する手段としては、NPS調査に組み入れてもいいし、購入した後にメールを送ってもいいし、新商品発売時にプレミアムな試食会を開いて声を集めてもいいと思う。仕組み化していこう。あと、コラボっていうのもブランド価値をあげながらコスト削減できる……。
亮ちゃん
あー、もう今日はお腹いっぱい!もう、引き出しとしては十分、十分。店長、コアラさんに一杯つけといて!コアラさんの提案も絞り込んで削減してちょうだい。
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