過去には挑戦と撤退を繰り返した越境EC。現在は海外のニーズを捉え、日本独自の商品を提供することが成功のカギとなっています。市場理解とAI技術の活用が越境ECを「ブーム」から定着へと導いているようです。
「日本にしかないモノ」を売るのが越境EC
越境ECで意外に売れるのは◯◯◯ 時代の動きから「ブーム」で終わらない今の盛り上がりを察知しよう | ECzine
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コロナ禍の間は、入出国制限により失われたインバウンド需要を取り込むため、円安進行以降は、日本製品に対する海外からの購買意欲上昇のチャンスを逃さないため、そして現在は回復したインバウンドとのタッチポイントを増やし、継続的な購入につなげたいといった意向から、越境ECの導入企業は継続的に増加しています。
インバウンドが急速に復活というかそれ以上に伸びているので、外国人の皆さんが日本に触れる機会も増えていますね。日本を堪能した人たちが越境ECで買い物しようとするのは自然な流れですし、少子高齢化が進む日本では外に目を向ける必要もあります。
出典:BEENOS
第三次越境ECブームまではどちらかというと、広告代理店側が「海外に広告出稿するために越境ECサイトを作りましょう」とEC事業者に提案するケースが多く、当事者よりも周りが盛り上げていた印象でした。
また、今よりも越境ECに関連するサービスが世の中に多くなく、運営コストのハードルもありました。翻訳ソフトも今ほど高性能ではなかったので、配送まわりやCS対応などをやりきれないので取り組めない、撤退するといった事業者は多かったですね。
何度か盛り上がっては落ちてを繰り返していた越境ECですが、コロナ禍でECが広がりその流れでこちらも広がってきました。ただ、このころはまだ生成AIもなく翻訳もイマイチでしたし、なんとなく始めた企業も多くて難しい状況になっているケースも多く見受けられました。現在は急速にAIも進化して誰もが簡単に使えるようになっています。今度こそ、という状況ですよね。
人の生活が見えると、商品がどう受け入れられるかのイメージもしやすくなりますし、一緒に並ぶ可能性がある競合商品や実際にウケが良い商品、売り場を作る上での課題も見えてきます。積極的に展開したいのならば、どんどん海外に出てターゲットとする国の市場や人を観察しましょう。
この通りなんですが、円安の影響もあって海外に行きにくくなっていますので、調査データを活用したいですね。ということでデータを紹介します。
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出典:ZenGroup
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日本から購入するものはアニメグッズ、中古品、電子機器などがメイン。日本から買う理由は日本でしか買えないから。どこでも買えるようなものを越境ECで売ろうとするのを見かけることもありますが、このデータからも難しいことは明らかです。「Temu(ティームー)」などもあるので安さの訴求もできませんから。
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出典:ショッピージャパン
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こちらは事業者側のデータ。Webマーケティングに使うのは「SNS」が最も多いという結果になっています。SNSは国民性を理解しないと難しいので、検索広告がメインかな? と思っていたので意外でしたが、やっているだけでうまくいっていない事業者も多いようです。
どこでも外国人を見かけるようになった日本。AIの進化で言語の壁もなくなってきましたので、越境ECはブームというか当たり前のものになってきそうです。越境ECで成功するには日本でしか買えない商品を持つことと、売りたい国のことを理解することに尽きるようですね。
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オリジナル記事:今度こそ越境ECブームは本物なのか? ベンダー、ユーザー、事業者の記事から考える【ネッ担まとめ】 | ネットショップ担当者が 知っておくべきニュースのまとめ
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