「自社のインターネット広告の効果が頭打ちになっていて、何か新しい施策を実施したい」
「費用対効果を高めるため、もっとターゲットをしぼって広告を打ちたい」
上記のような悩みを抱え、SNS動画広告を試してみたいと考えているマーケティング担当者の方も多いのではないでしょうか。
本記事は、SNS動画広告の「効果」や、SNS媒体ごとの「メリット・デメリット」について解説します。
sns動画広告を制作しようかどうかを検討している方や、動画制作は終わっており、具体的にどのSNS媒体を使えば効果的なのかについて考えている方は、ぜひご覧ください。
SNS動画広告の魅力・効果とは?
令和3年に実施された総務省情報通信政策研究所の調査では、平日の「インターネット利用」の平均利用時間が「テレビ(リアルタイム)視聴」の平均利用時間を初めて超過しました。
SNSの利用時間が増えたことでより注目を集めているSNS動画広告の魅力と効果についてお伝えします。
訴求できる情報量の多さ
アメリカの調査会社、Forrester ResearchのJames L. McQuivey博士の研究によると、1分間の動画には180万語分の情報量、WEBページで言うと3600ページ分の情報量が含まれているとされています。
短時間で多くの情報を伝えることができる動画は広告の効果を高める上で重要な要素となってきます。
高い拡散力が魅力
多くのSNSにはリツイートやシェアなどの拡散機能があり、日々投稿やコンテンツが拡散されています。
人が拡散する心理には以下のものがあります。
- 自分が価値あると判断したものを他人と共有したい
- 自分が良いと思ったものを応援したい
- 情報のやり取りを行うことで関係性を維持したい
上記のような心理が働くのは動画広告に対しても同じであり、ユーザー数の多いSNSで拡散されれば、高いマーケティング効果を得ることができます。
特定のターゲットユーザーにアプローチできる
多くのSNSでは、会員同士がオンライン上で人間関係を構築することができるため、なりすましを防ぐ目的で登録制となっており、登録した本人以外は投稿できない仕組みになっています。
サービス利用開始時には本人確認を行うだけでなく、性別や年齢・居住地・学歴・職業・興味関心などを登録しなければならないSNS媒体がほとんどです。
そのため、広告を配信したいターゲット層をかなり限定することが可能となり、費用対効果を高めやすくなります。
【SNS媒体別】効果的なSNS動画広告の動画時間
SNS動画広告を配信する上で、その配信時間は効果を高める上で最も意識しなければなりません。
伝えたい情報量に対して動画時間が短すぎると、ユーザーは内容を理解できません。一方で、長すぎると飽きられてスキップされてしまいます。
それぞれのSNS媒体によって特徴がありますので、効果的な配信時間を紹介します。
Facebook
Facebookは基本的に実名登録制のため、ひとつひとつの行動に対する責任の所在がはっきりしています。
投稿される記事は既につながりのある特定されたユーザー向けであるため、他のSNS媒体と比べて平均投稿文字数が多く、視聴する側もひとつひとつのコンテンツに時間をかけて丁寧に読み込む傾向があります。
従って、1分以上の長めの尺でも違和感を感じさせることなく、視聴してもらえます。
一方で、冒頭の数秒で自分に関係のない情報だと判断されれば、スキップされてしまいます。特に、フィードやストーリーズに表示される広告には注意が必要です。
Twitter
Twitterは、ユーザーが投稿する記事に140字という文字数制限が課せられています。文章を描くのが苦手な人でも一言二言から気軽に投稿できるという点が、幅広い年齢層に支持されています。
普段からひとつひとつのコンテンツを視聴する時間が短いため、掲載する動画広告もそのスタイルに合わせたほうが良いです。
Twitter内での掲載方法によっては最大10分までの長さに対応していますが、全てのフォーマットで表示可能な長さは「15秒以下」です。
実際に、Twitterも公式に推奨している長さは「15秒以下」としています。
LINE
LINEは他のSNS媒体と違い、個人間やグループ内での会話が広く一般に公開されることのない、チャット形式のクローズド型アプリです。
チャット内では画像や動画の共有なども行えますので、LINE上で日常的に動画を見るという習慣がユーザーの中に生まれています。
公式サイトには「3秒到達率が高い動画はより配信効果が出やすい傾向にある」と書かれており「動画3秒の最適化機能」が存在しています。
これは、動画を視聴する可能性が高いユーザーに対して、3秒到達率が高い動画広告を最適な広告として配信する仕組みです。
Instagram
Instagramは「Instant Telegram」という言葉の略語で、「すぐにその場で発信できる電報のようなサービス」という意味です。
写真や動画などをメインに投稿できるSNS媒体として、10〜20代の若年層から高い支持を得ています。
ストーリーズという、スライドショーのように写真やショート動画をシェアできるインスタグラムの機能がありますが、動画が再生されて15〜45秒が経過した先は「このまま見る」をタップしないと見てもらえなくなります。
確実に使用される15秒以内の長さに収まるようにテンポの良く編集した方が確実です。
YouTube
効果的な動画の長さ:1〜2分の長尺でも効果を得ることができるが、5秒が一般的
YouTubeは、動画の投稿・閲覧を主としたSNS媒体です。
スマートフォンなど携帯端末からの視聴ではなく、パソコンやTVなどで視聴するユーザーも多いです。
そのようなユーザーは比較的長時間動画を見る傾向があるので、1〜2分という長い尺の動画広告でも高い効果を得ることができます。
また広告掲載方法として、5秒再生された後にスキップが可能となる広告やスキップ不可の広告など、複数の種類が存在しています。
スキップ不可の広告は確実にみられる一方で「最後まで見なければならない」というストレスをユーザーに与え、それが広告に対してのネガティブな印象となるリスクもあります。
Tiktok
効果的な動画の長さ:9〜15秒のショート動画を推奨
TikTokは、短い尺の動画をユーザー同士でシェアできるスマートフォン向けのSNS媒体です。
歌やダンスのシーン、メイクアップ技法を紹介するハウツーなど、エンターテインメント系の動画を投稿するユーザーが多いことが特徴です。
TikTokの動画広告は5〜60秒の長さで投稿可能です。
しかし、ユーザーは縦スライドのワンアクションで次の動画にスキップできるため、動画の最初1〜2秒で興味を引くインパクトを与えなければなりません。
実際にTikTokは、公式に9〜15秒のショート動画を推奨しています。
SNS動画広告の推奨サイズ
ユーザーが動画広告を視聴する際、ストレスを感じることなく再生されなければ、広告の効果をあげることはできません。
そのために、SNSが推奨しているサイズに合わせることは動画広告を作成する際に欠かせない要素です。
動画が適切なサイズでなければ、アップロードすらできない可能性も出てきます。
SNS媒体ごとに推奨される動画サイズはそれぞれ異なっていますので、把握しておくようにしましょう。
動画ファイルは「動画+音声」の構成になっているため、静止画の広告と比べて規定項目そのものが多く、複雑になっています。
簡単にまとめてみましたので、推奨サイズを確認するようにしてください。
コーデック
ファイル圧縮・展開の形式を指します
動画と音声それぞれに設定が必要
コンテナ
動画と音声の格納形式を指します
拡張子で判別可能となる
動画容量
動画のデータサイズを指します
単位はMB(メガバイト)、KB(キロバイト)など
解像度
動画の画素数を指します
入稿規定では横×縦のピクセル数(例:1080×1080)や
縦横比(例:16:9。アスペクト比とも)または縦横比と
縦のピクセル数の組み合わせ(例:16:9の1080p)などで指定される
動画長
動画再生時間を指します
秒や分、時間で示される
フレームレート
動画(アニメーション)に含まれる
1秒あたりのコマ数を指します
単位はfps(フレーム・パー・セカンズ)
ビットレート
1秒あたりの音声データ・動画データの量を指します
単位はbps(ビット・パー・セカンズ)
エンコード
信号やデータを一定の規則に基づいて変換することを指します
ここでは動画データと音声データを1つのファイル
(コンテナ)にまとめることを指している
【ジャンル別】SNSに投稿する動画広告の最適な長さを紹介
動画の最適な長さは、掲載先の特徴に合わせるだけではなく、何を目的とするのかによって構成を考えて長さを工夫する必要があります。
ここでは動画広告を3つのカテゴリに分類して、それぞれに対しての最適な時間について説明していきます。
商品紹介動画
日常的に購入していない商品やサービスを、わずか数分で購入するかどうかを決める人は多くはないでしょう。
数分で商品やサービスの特徴を伝えきるのはとても困難です。
動画広告は長すぎると離脱リスクが高まってしまいますので、45〜90秒程度が一つの目安といえます。
短い尺の動画では伝えられる情報量が少なく、商品紹介は困難だと割り切る必要があります。冒頭部分で特徴などを短く伝え、興味を持ってくれたユーザーが離脱しないためにはどのような順番で情報を伝えていくのか、その構成をしっかりと練った上で制作する必要があります。
プロモーション動画
プロモーションやキャンペーンの告知は、動画広告全体として最適だと言われている15秒程度の長さでまとめると良いでしょう。短すぎてしまうと、ユーザーの関心や好意が生まれる前に終わってしまうので注意してください。
ポイントは、動画広告だけで全てを伝えようとせず、ユーザーの興味を惹くような内容で、次の行動に誘導する構成を意識することです。
SNS媒体にもよりますが、サイトへのリンクを掲載できることが多いので、動画内では伝えきれない情報は、別のインターネットサイドに誘導して訴求することが大切です。
シリーズ動画
商品やサービスに好感や愛着を持ってもらうことを目的とした広告の場合、いかにも広告であるというプロモーション的な見せ方は避けた方が良いです。
そのような場合、ストレスを感じさせないような複数の短い尺の動画を複数作成して、トータルで表現することがあるのですが、それがシリーズ動画となります。
YouTube広告の1つに、動画の前後や途中で再生される6秒以下の動画広告(バンパー広告)がありますが、その枠を活用することも多いです。
ブランディングなどの認知度UPや高いクリック率が期待できる広告手段ですので、同じ媒体でシリーズ化するなどの事例が増えています。
SNS動画広告で得られるメリット
SNS動画広告は、動画というTVCMで使用されてきた手法を用いながら、TVCMと違い比較的手軽にユーザーにアプローチすることができます。
ここではSNS動画広告で得られる4つのメリットについて説明していきます。
SNS広告の4つのメリット
- 細かくターゲティングできる
- ダイレクトに顧客に広告できる
- 潜在層の掘り起こしが可能
- 安価にスタートできる
それぞれ解説します。
細かくターゲティングできる
多くのSNS媒体では、サービスの利用を始める際、性別や年齢・居住地・学歴・職業・興味関心などを登録することが必須です。
広告を配信する側が配信対象となるユーザーのターゲティングを行い、より自社の商品やサービスに興味がありそうな層へダイレクトにアプローチすることができます。
また、SNS毎のユーザーの行動特性に合致した構成に動画を編集することで、スキップされることを防ぐような広告を作ることが重要です。
ダイレクトに顧客に広告できる
SNS動画広告は、ユーザーのアプリにダイレクトに広告を表示させることができるので、企業が商品やサービスを直接一般消費者に向けて行動するBtoCマーケティングに向いています。
ユーザーの反応をリアルタイムで観察することができるため、即座に動画の構成やデザインなどを変更し、さらに最適化を図ることができる利点があります。
さらに、ユーザーに興味や共感を得られた場合、自然に拡散されるというムーブメントの発生も期待できます。
潜在層の掘り起こしが可能
SNS動画広告は、ユーザーが持つ関心やフォロー内容のような、SNS内でユーザーが普段行っている特性にあわせた配信が可能です。
行動特性に合わせた広告として、リスティング広告を思い浮かべる方も多いでしょう。
しかし、こちらは既に「検索」という顕在化した行動をおこした顧客だけにしか広告することができません。
SNS動画広告はまだ具体的な行動を起こしていない潜在層へ広告を流すことで、新たな顧客を掘り起こすチャンスが生まれやすくなります。
安価にスタートできる
インターネットで気軽に動画視聴ができる前までは、動画広告を配信できる媒体はTVに限られていました。
しかし、TVCMは一般的に制作費などを含めると数百万円以上の予算が必要ですので、実施できる企業は限られています。
一方でSNS動画広告は、広告掲載の予算をあらかじめ決まった金額に設定して運用できる媒体は多く、数万円からスタートすることも容易です。
また、効果が出たことを確認してから追加で配信を増やすことが簡単にできるので、リスク管理的には大きな利点となっています。
SNS動画広告のデメリット(注意点)
SNS動画広告にもデメリットがあります。ここでは注意すべき3つのデメリットについて説明していきます。
SNS広告の3つのデメリット(注意点)
- 運用でPDCAを回す必要がある
- 規約違反をしないようにする
- 炎上リスクがある
それぞれ解説します。
運用でPDCAを回す必要がある
SNS動画広告を運用する際、ターゲティングや出稿形式などを細かく設定することができて、且つ配信途中に効果検証ができるというメリットは、最大限に活かさなければなりません。
そのためには、時間帯や内容も含めた様々な組み合わせを考察し、どのパターンが一番効果が高いのかを見極めていくことが必要です。
広告を出しっぱなしにしたまま放置してしまうと、費用対効果を最大化することができません。それを防ぐためには、PDCAを回す専任のスタッフを配置することとなります。また必要に応じて専門家のアドバイスを受けることも大切です。
規約違反をしないようにする
SNS媒体によって内容は異なりますが、広告配信に関しては必ず規約が設けられています。
SNS媒体側としては、ユーザーからの指示がビジネスの根幹になっているため、ユーザーの反応には最大の注意を払って運営しなければなりません。
従って、広告規約の内容は当然細かくなり、画像内に含めることのできる文字数やNG表現、アスペクト比などが事細かに定められています。
規約の内容は、SNS媒体は同じであってもプラットフォームごとに異なることも珍しくありません。
特に複数のプラットフォームに分けて広告を出稿する際は注意が必要です。規約違反をしてしまうと、広告の配信を停止させられたり、アカウントが使えなくなるなどのペナルティを受ける可能性があります。
炎上リスクがある
SNS動画広告では、ターゲットとなりうるユーザーに対してダイレクトに配信し、そのユーザーに拡散してもらうことを期待して運用することがあります。
しかし、ネガティブな内容で拡散される可能性も秘めています。
一度炎上してしまうと、メディアに取り上げられてしまうこともあり、被害が予想以上に拡大するリスクも含んでいます。あからさまに拡散を狙った表現や、ユーザーが不快に感じる内容になっていないか、しっかりと検証し、配慮する繊細さが求められます。
SNS媒体ごとの動画広告のメリット・デメリット
SNS媒体はそれぞれ特徴が異なっており、特性も異なっています。
ここでは、SNS媒体ごとの動画広告のメリットやデメリットについて、くわしく説明していきます。
それぞれのSNS媒体の動画広告にはどのような特徴や注意点があるのか、しっかりと見極めて、運用する際の参考にしてください。
Facebook動画広告
Facebookは実名登録制であり、かなり細かな個人情報を入力しますので、ターゲティングの精度を重要視する場合に有効です。
Facebook動画広告のメリット
Facebookでは10円のクリック単価、100円の広告予算からスタートすることが可能なため、低い予算から運用できることが最大のメリットです。
まずは効果検証を行い、その上で本格的に運用を始めるかどうかの検討も可能となります。
その結果、効果の高いものだけを残せばよいので、無駄な出稿が減ります。
また、広告の配信先となるオーディエンス(情報を受け取る人)の属性の選択精度が高いため、狙ったターゲットに確実に配信できますので、高い費用対効果が見込めます。
Facebook動画広告のデメリット
Facebook動画広告の配信対象は、主にFacebookやInstagramユーザーに限定されているため、Google広告やYahoo!広告などに比べると配信できるターゲットが限定されてしまいますので、広く告知するような目的には不向きです。
また、仕様変更を頻繁におこなっているため、その度に新たな仕様に合わせた出稿方法や管理画面のレイアウト変更による操作方法などに慣れる必要があります。
Tiktok動画広告
Tiktok動画広告の配信対象は若年層のユーザーが多いため、話題性を高めるような企画を好む特徴があります。
Tiktok動画広告のメリット
Tiktok自体が短い尺の動画をシェアする目的のSNS媒体であるため、動画広告であってもユーザーには気軽に視聴してもらいやすい雰囲気があります。
起動画面広告は3〜5秒以内、インフィード広告でも5秒以上ということで、特に短い尺の投稿動画の視聴に慣れているユーザー層に対して訴求しやすくなっています。
音楽などエンターテインメント系の情報交換が主流であるため、音楽などを活用するとユーザーの印象にさらに強く残る効果が期待できます。
Tiktok動画広告のデメリット
Tiktokの動画広告は、初期設定や掲載予算が高く設定されていることが多く、安価での運用が出来ない媒体となっています。
投稿動画だけでなく動画広告も拡散されやすいため、広告の内容に問題がないか、細心の注意を払って運用する必要があります。
また、広告出稿についてのキャンセルなどが出来ないため、計画には余裕を持って綿密に行った上で広告配信の申し込みを行うようにしてください。
Twitter動画広告
Twitterには「リツイート」や「いいね」の機能がありますので、拡散されることを期待して戦略を立てると効果的です。
Twitter動画広告のメリット
Twitter動画広告は、配信されたTwitter動画広告がユーザーによってリツイートされ、そのツイートから拡散されて視聴されたとしても費用がかからない仕組みになっています。
そのため、広く拡散された場合にはかなりコストパフォーマンスの良い広告戦略になります。
またキーワードターゲティングはユーザーのツイートをもとに広告が配信されるため、今までリーチできなかった潜在層にも広告を届けることができます。
Twitter動画広告のデメリット
Twitterは利用を開始する際、生年月日など詳細の属性を登録する必要がありませんので、細かなターゲティングを行うことができません。
ユーザーのフォロー、ツイート内容などを参考にして性別・年齢を想定するため、かなり大雑把なターゲティングになってしまいます。
また、非公式にリツイートされたものは削除できませんので、誤った内容が拡散して炎上しないように、配信前には厳重に内容をチェックしてください。
Instagram動画広告
Instagramは20〜30代が多く利用しているSNS媒体ですので、若者向けの商品やサービスのキャンペーン告知に適しています。
Instagram動画広告のメリット
Instagramは、Facebookと同じMeta社が運営しているため、詳細なユーザーデータを利用することができます。従って精度の高い詳細なターゲティングができることが強みです。
また、目的に応じた様々なフォーマットの広告が用意されているので、状況や場面に合わせた配信が可能となります。
たとえば1つの広告に対して複数の画像や動画を横並びに表示できるカルーセル広告は、自社ブランドの宣伝に適しています。
Instagram動画広告のデメリット
Instagramは、FacebookやTwitterのようにユーザー同士で簡単にシェアできるような機能がないため、拡散を期待することができません。
またInstagram動画広告は、自然にタイムラインやストーリーズで広告配信されますので、魅力のないコンテンツはスキップされやすい傾向にあります。
ユーザーの意識がエンターテインメントに寄っているため、企業向けの広告は受け入れられにくい傾向にあります。
LINE動画広告
日本におけるLINEの登録ユーザーは月間9,400万人(2022年12月末時点)に到達しており、幅広い層に効果的な宣伝が可能です。
LINE動画広告のメリット
LINEの動画広告は、申し込みから広告配信までオンライン上でスムーズに完結できることが大きなメリットです。
また、低予算で広告運用を開始することも可能です。さらに、広告出稿後に配信効果を計測しながら、オーディエンス(情報を受け取る人)・入札価格・クリエイティブなどを調整しながら運用を改善することができるので、より効率的な運用ができます。
さらに、年齢・性別・地域やユーザーの興味関心、行動データなどの「みなし属性」を基にしたターゲティングも有効的に機能します。
LINE動画広告のデメリット
LINEは利用を開始する際、名前と誕生日くらいしか個人情報を登録しないので詳細なターゲティングには不向きです。またInstagram動画広告と同じように拡散力が低いため、ブランディングやエンゲージメントにも向いていません。
多くのユーザーが使用しているがゆえに、広告内容についての審査は厳しい傾向にあります。
特に化粧品や健康食品など、効果を実際のものよりも優良だと誤認するような表示などに関する審査は厳しくなっています。
SNS動画マーケティングの成功事例
ここでは、SNS動画広告を活用したマーケティングの成功事例を具体的に説明していきます。
ウェブ広告向け動画「ロゼッタストーン・ラーニングセンター」
出典:Crevo制作実績
表現
実写
費用レンジ
100~299万円
長さ・尺
96秒
株式会社リンクアカデミーが運営している、英会話の実践型プライベートレッスン「ロゼッタストーン・ラーニングセンター」は、24の言語をカバーする世界的な語学プログラムを展開しています。
PCやスマホ、タブレット端末から場所を選ばずに利用できるので、学習時間を確保しやすく、続けやすいとの評判です。
ラッパーのDOTAMA氏によるオリジナリティのある映像を通して、サービスの認知拡大を図ったブランディング目的のシリーズ動画となっています。
本動画以外にも、15秒編と30秒編の映像が制作されており、媒体の特徴に合わせた運用が可能です。
カタカナ英語が多用されている日本のビジネス社会に一石を投じながら「現状から脱却し、本気で英語を身に着けよう」とユーザーに呼びかけ、最後に「ロゼッタストーン・ラーニングセンター」と大きく打ち出して印象づけるという戦略です。
ウェブ広告用動画 動画配信サービス「dTV(ディーティービー)」
出典:Crevo制作実績
表現
アニメーション
費用レンジ
100~299万円
長さ・尺
61秒
「dTV(ディーティービー)は」株式会社NTTドコモが提供している、国内外の映画・ドラマ・アニメ・音楽など約12万作品が見放題の映像視聴サービスです。
TVだけでなく、PCやスマホ、タブレット端末から場所を選ばずに手軽に楽しむことができます。月額の利用料金が550円という安さも魅力のひとつです。
ウェブでの動画広告配信だけでなく、店頭のデジタルサイネージでの放映も想定し、制作されました。一度に複数の特徴を伝えるのではなく、アニメの種類の豊富さを訴求したOL編と、価格の手頃さを訴求したカップル編の2つのパターンを制作し、ひとつひとつのインパクトを高めています。
20代〜30代半ばという年齢層の女性に共感が得られやすい「あるある話」を用いることで、ユーザーが親近感を感じてもらえるように意識した見せ方になっています。
ウェブ広告用動画「The Public stand(パブスタ)」
出典:Crevo制作実績
表現
実写
費用レンジ
100~299万円
長さ・尺
31秒
「The Public stand(パブスタ)」は、株式会社セクションエイトが運営している、時間無制限でお酒やスポーツが楽しめるBARです。飲み放題で、且つ出入り自由という独自のシステムでサービスを提供しています。
「パブスタ」という愛称とサービス内容の認知を拡大する目的で、動画は制作されています。
主人公の女性は、日常生活のあらゆるシーンで「パブスタ」という言葉とロゴに触れ、最後には「パブスタ」が何なのかが気になって仕方がなくなるという、ユーザーの気持ちを代弁するようなストーリー展開です。
「パブスタ」に親近感を感じてもらい、日常的に楽しめる場であるというイメージを伝えつつ、最後には「あなたの人生を変えるかも」というメッセージをアピールすることで、来店という次の行動へを導いています。
サービス紹介動画「backlog by Nulab」
出典:Crevo制作実績
表現
アニメーション
費用レンジ
50~99万円
長さ・尺
16秒
「Backlog」は、株式会社ヌーラボが提供するタスク・プロジェクト管理ツールです。ウェブ制作・ソフトウェア開発・大手広告代理店・全国版新聞社などさまざまな業種で使われています。
「チームで働くすべての人に」をコンセプトに、シンプルで直感的に使えるデザインを採用し、一つのプラットフォームでチームメンバー全員がすぐに使いこなせるように工夫されています。
その特徴を認知してもらうため、システムの活用事例を紹介しながら、サービスの機能を知ってもらうことに重きをおいた作りになっています。
開発者やマーケッター、デザイナーなど、システムを使うそれぞれの職種の人達に刺さるように、短い尺の動画を5本制作し、YouTubeのバンパー広告でも運用できるように考えられています。
SNS広告動画「favo」
出典:Crevo制作実績
表現
アニメーション
費用レンジ
50~99万円
長さ・尺
31秒
「favo」は、共感を重視したマーケティングリサーチ事業を行っている株式会社10が運営している「好きでつながるSNSアプリ」です。
アプリがリニューアルされるタイミングで、認知拡大のために制作されました。
このアプリでは、ユーザーが「好きだ」と感じたものをどんどん投稿し、ユーザー同士の共感を生み、ユーザーが作っていくアプリです。
冒頭では、投稿によりレビューを作っていくことの楽しさをアニメーションを使って表現しています。
大勢のユーザーのレビューが集まってくると、今度は世の中の様々なもののランキングとして表現されていくわけですが、動画の中盤からは実際の画面を用いて、より具体的なイメージを想起しています。
その結果、利用する楽しさが画面全体に溢れる世界観が伝わり、一度利用してみようという意欲を促進する狙いがあります。
ブランディング動画 タクシー配車アプリ「DiDi(ディディ)」昔話篇
出典:Crevo制作実績
表現
アニメーション
費用レンジ
100~299万円
長さ・尺
34秒
「 DiDi(ディディ)」は、乗車したい地点と目的の場所を入力してタクシーを呼ぶと、平均5分前後の短い時間でタクシーが乗車地点に到着することを売りにしたタクシー配車アプリです。
youtubeなどSNS動画広告での利用だけでなく、タクシー内での放映も想定して制作されています。
「シンデレラ」や「うさぎとかめ」など、昔話の主人公が困難に陥った時にDiDiを使うという、ユーモアのあふれたストーリー仕立てとなっています。テンポよく複数の動画が配信される構成となっており、飽きさせない配慮がされた、バラエティの富んだシリーズ動画に仕上がっています。
また、デザインにおいてコンセプトや雰囲気に一貫性をもたせるために、DiDiが今までに使用してきたイラストの雰囲気を踏襲しているのが最大の特徴です。
SNS用プロモーション動画 スマホゲーム「荒野行動」(学校編)
出典:Crevo制作実績
表現
実写
費用レンジ
300万円以上
長さ・尺
15秒
「荒野行動とは」中国の大手ゲーム企業「NetEase」が運営する、オンラインでのプレイを前提としたバトルロワイアルゲームです。
100人のプレイヤーが無人島に降り立ち、最後の1人(1チーム)になるまで戦う戦闘型ゲームで友人と一緒に戦うこともできます。
この動画広告はSNS媒体での配信を想定しているため、15秒という短い尺の中に「荒野行動」の面白さをつめこむ努力がなされています。
たとえば実際のゲーム画像を使うのではなく、学校でテニスラケットやバナナを使ったリアル「荒野行動」ゲームに夢中になっている学生達の姿を実写で描くことで、インパクトの残る映像に仕上げています。
ひとときも「荒野行動」を忘れられない学生が、ついつい世界観に没頭してしまうという気持ちがよく表現されています。
まとめ
一人で一台以上所有しているPCや携帯端末で動画を楽しむ時代が到来したことにより、動画を楽しむシーンは大きく変化しました。
それに伴い、広告主が動画広告にかける費用の伸びは凄まじく、動画広告市場は2020年から2021年の1年で130%以上の伸びを見せています。
マーケティング担当者にとって、動画広告は避けては通れない選択肢の一つとなりつつあります。
ぜひ、今回の記事を参考にして、ぜひ一度動画広告にチャレンジしてみてください。