Apple Mapsとは、Appleが提供する地図アプリです。iPhoneをはじめとしたiOS端末では「マップ」という名称で、標準搭載されています。
Apple MapsにはGoogle マップのようにルート検索以外にもさまざまな機能を有しており、店舗集客においても重要な要素になります。
本記事では、Apple Mapsの特徴や機能、集客に活用するメリットについて解説します。
Apple Mapsとは?
Apple Mapsは、iPhoneなどiOS端末に搭載されているマップのことを指します。
リリースされた当初では地名の誤植などさまざまな不具合が確認されたものの、アップデートを重ね、利便性の高い地図アプリとして成長を遂げています。
ここでは、Apple Mapsについての基本情報を詳しく解説します。
Apple Mapsの特徴
Apple Mapの特徴として挙げられるのが、Apple製品との連携です。
ユーザーの検索履歴やよく使う項目の登録などの情報が、Apple WatchやiPadといったほかのデバイスからも確認することができます。
Apple Watchでマップを利用すると、曲がるタイミングで手首をタップして案内する機能などもあります。
また、Apple Mapsには、Google マップのストリートビューのような「Look around」機能や、3Dビューで上空から一部都市を眺めることができる「Flyover」機能などの機能も搭載されています。
Apple Mapsに店舗を登録できる「Apple Maps Connect」とは
Apple Maps Connectとは、Apple Mapsに店舗やビジネス情報を無料で掲載する手続きができるページです。Google マップで言うと、Googleマイビジネス(Google ビジネスプロフィール)がこれにあたります。
登録するには、Apple IDが必要になります。サインインし、名称、住所などの店舗の基本情報を入力、後に審査を経ると登録できます。
Googleマップとの違いは?
Google マップはGoogleが提供している地図情報サービスで、地図アプリとしてApple Mapsと似たような機能を有していますが、Apple Mapsと異なるものもいくつか見られます。
たとえば口コミです。Google マップではGoogle マップの店舗情報に対して5段階の評価と口コミを投稿できますが、Apple Mapsでは口コミの情報はグルメサイトなどの口コミサイトからの引用になります。
※ただし2021年4月、投稿者自身のみが閲覧できるレビュー機能が追加されました。また店舗によってはこのレビューが表示されている場合があるようで、Appleからの公式の発表はないためテストの可能性もありますが、今後口コミ・レビュー機能を拡大させていく可能性が考えられます。
また、Googleマイビジネス(Googleビジネスプロフィール)ではキャンペーン情報などを発信できる「投稿」機能がありますが、Apple Maps Connectでは実装されていません。
Apple Mapsの基本的な使い方・機能
ここでは、AppleMapsの基本的な使い方を紹介します。
1. 場所・ルートの検索
Apple Mapsを使って場所を検索するには、虫眼鏡のアイコンがある「マップで検索」に目的地を入力します。
たとえば、渋谷で検索した場合、以下のような画面が表示されます。
ルート検索は「経路」をタップすると、現在地から目的地までのルート案内が開始されます。
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▲Apple Mapsのルート検索画面:編集部スクリーンショット
現在地だけでなく、青字の
「現在地」をタップすると、経路の変更もできます。
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▲Apple Mapsのルート検索画面:編集部スクリーンショット
移動手段には車、徒歩、公共交通機関、一部地域で自転車、配車サービスと連携した検索結果が表示されます。
「出発」ボタンをタップするとルート案内が開始されます。
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▲Apple Mapsのルート検索画面:編集部スクリーンショット2. よく使う項目・ガイドの保存
Apple Mapsでは、自宅や勤務先など、よく利用する項目を地図上に登録できる機能があります。たとえば、自宅を登録しておくと、自宅から目的地の場所までのルート検索ができるようになります。
自宅や勤務先以外にも「+」ボタンでよく使う項目をカスタマイズすることも可能です。
「マイガイド」は旅行先の目的地など、地図上の場所を保存・整理できる機能です。
複数の場所を保存したガイドをほかのユーザーと共有することもできます。
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▲Apple Mapsのよく使う項目の登録画面:編集部スクリーンショット3. お店の情報の表示
Apple Mapsでは、営業時間や住所、Webサイトといったビジネス情報を登録できます。
基本情報のほかにも、無料Wi-Fi、子供歓迎、大人数可能、クレジットカード利用可といった店舗タイプも設定できます。
こうした情報はユーザーが事前に店舗について調べる際の重要な判断要素となるため、タイプの設定や情報の更新には注意が必要です。
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▲Apple Mapsに表示されるビジネス情報:編集部スクリーンショット4. 各口コミサイトからの口コミが掲載
Apple Mapsの評価には、Apple Maps上に直接評価するパターンと、口コミサイトからの評価が掲載されるパターンの2種類があります。
掲載される口コミには、食べログ、トリップアドバイザー、Yelp、Foursquare、じゃらん、Booking.comなどがあります。
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▲口コミが掲載されている店舗の例:編集部スクリーンショット5. レビュー・写真投稿
レビュー・写真投稿は今年4月に新しく加わった機能です。レビューではカテゴリ別に「いいね」「よくないね」の2段階で評価をすることができます。
たとえば、飲食店の評価項目には「全体」「料理・ドリンク」「カスタマーサービス」などがあります。
先述の通り、この機能は投稿者自身のみが閲覧できるものとして追加されましたが、店舗によってはこのレビューが表示されている場合があるようです。
Appleからの公式発表はないものの、今後、Apple Maps独自の口コミ機能が整備されていくことが予想されます。
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▲Apple Mapsの評価画面:編集部スクリーンショット
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▲評価されている店舗の例:編集部スクリーンショット6. Apple Maps版ストリートビュー「Look around」
Apple Mapsには、Googleのストリートビューのような「Look around」機能があります。
マップ画面の右上に表示されている双眼鏡のボタンをタップすると、指定した地点の周辺の景色を確認できます。
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▲AppleマップのLook around機能:編集部スクリーンショット
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▲Apple MapsのLook around機能:編集部スクリーンショット7. 3Dマップ機能「Flyover」
Apple Mapsの「Flyover」は、上空から都市を眺めることができる機能です。
iPhoneを持ちながら見たい方向に動かしたり、傾けたりすることで、都市の様子を眺められます。
日本では東京、函館、大阪、那覇などが登録されており、上空から観光名所を巡る都市のツアーも楽しめます。
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▲Apple MapsのFlyover機能:編集部スクリーンショット
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▲Apple MapsのFlyover機能:編集部スクリーンショット8. iOS15版でARナビが登場、詳細な交通情報も
2021年9月27日に発表されたアップデートでは、ルート検索の際に、AR技術を活用して画面上に矢印が表示される機能が追加されました。
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▲AR技術によるルート案内:Apple Newsroom
そのほかにも、3Dビューで建物の様子が確認できる機能や、車道が重なり合っているインターチェンジの3D表示化、バス専用といった詳細な車線の情報などの詳細も追加されています。
さらには、交通機関とのリアルタイムでの更新もされており、ルート案内の際、降車が近づくとApple Watchから通知される機能も新たに加わっています。
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▲3Dビューによるルート案内:Apple Newsroom
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▲Apple Mapsの3Dビュー:Apple Newsroom
こうした機能は、ロンドン、ロサンゼルス、ニューヨークなど、一部都市で利用できます。
Apple Mapsを集客に活用するメリット
Apple Mapsのメリットには、iPhoneユーザーに対する集客が挙げられます。
StatCounterが発表する資料によると、日本のスマートフォン市場でiOSデバイスが占める割合は約68.6%(2021年10月時点)といわれています。
iPhoneにはマップが必ず搭載されており、音声検索の「shiri」でもApple Mapsの情報が提案されるなど、iPhoneユーザーから多くの利用者が見込めます。
機能が充実しつつあるApple Maps、Googleマップとの併用も
Apple Mapsでは、度重なるアップデートがされており、3DマップやARマップといった利便性の高いさまざまな機能が加わっています。
その利用者の多さからiPhoneユーザーに向けた店舗集客としても活用されます。
Apple Mapsでは他の口コミサイトの口コミが表示されるため、連携している口コミサイト上での口コミを増やすことも重要です。
Googleマップの整備に合わせて、Apple Mapsにも登録するなど、ユーザーの検索行動を網羅することで、より多くのユーザーに対するアプローチが可能になるでしょう。