メルペイはが実施した「消費と支払手段の実態」に関してクレジットカードや後払い決済サービスの利用状況調査によると、約3人に1人が後払い決済サービスの利用経験があり、若年層になるほど利用率が高いことがわかった。
調査対象は全国18歳~59歳の男女800人、期間は2021年9月25日~26日。
後払い決済サービスの利用実態について
約3割が後払い決済サービスの利用経験あり
調査対象者に直近1年の後払い決済サービスの利用経験を聞いたところ、31.1%が「利用経験がある」と回答した。
年代別にみると、20代は35.6%、30代は33.8%、40代は30.0%、50代は16.9%で、若年層ほど利用率が高い傾向にあることがわかった。
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後払い決済サービスの利用率(n=800)
後払い決済サービスの平均月間利用金額は増加傾向
後払い決済サービスの平均月間利用金額は、2021年3月の同調査時と比べて「1万円未満」が9.0ポイント減少。一方で、「1万円以上3万円未満」「3万円以上5万円未満」「5万円以上10万円未満」は増加した。
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後払い決済サービス平均月間利用金額の推移
後払い決済サービス利用者のうち7割がクレジットカードを保有
後払い決済サービス利用者にクレジットカードの保有状況を聞いたところ、70.3%が「クレジットカードを保有している」と回答した。
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後払い決済サービス利用者のクレジットカード保有率(n=249)
20代~30代の消費と支払い手段の考え方とは?
20代~30代の回答者の結果を抽出し、消費と支払手段の実態について調査した。
半数以上が「30分以内に商品・サービスの購入を決断」
「モノ・サービス(3000円未満)の購入を決断するまでの時間」について、20代~30代の54.4%が「30分以内」と回答した。そのうち、22.8%は「5分以内」だった。
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モノ・サービス(3000円未満)の購入を決断するまでの時間(n=320)
「自分が欲しいときに購入」する人が6割以上
「モノ・サービスを購入するときの考え方」について、67.2%が「自分が欲しいと感じるときに購入する」と回答した。
理由としては、「いち早く利用したいから」(42.8%)が最多で、次いで「時間が経つと欲しいものが購入できなくなるかもしれないから」(40.5%)「購入せずに後悔する悔しさを感じたくないから」(32.1%)だった。
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モノ・サービスを購入するときの考え方(n=320)と購入理由(n=215)
20代~30代の約半数がSNSきっかけで欲しいものと出会う
SNSを見て欲しいと思うモノやサービスに出会う割合は、40代~50代が21.6%だったのに対し、20代~30代は49.4%と2倍以上の差があった。
SNSで欲しいモノやサービスを「SNS」「ECサイト」「ネット上のフリーマーケット/オークション」で探す理由を20代~30代に聞いたところ、トップは「いつでも探すことができるから」(60.2%)で、「モノ・サービスの種類が豊富だから」(53.0%)「安く購入できるから」(45.9%)と続き、オンライン上の情報が購買行動を喚起している。
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SNSを見て欲しいと思うモノやサービスと出会う割合と「SNS」で欲しいモノやサービスを探す理由
後払い決済を選ぶ理由トップは「支払いタイミングを調整できる」
20代~30代の後払い決済サービス利用者にクレジットカード利用の課題について聞いたところ、約半数が「ついお金を使いすぎてしまう」(49.5%)と回答、約4人に1人が「利用金額を把握しにくい」(24.3%)と回答した。
一方で、後払い決済サービスを普段利用する人にサービス利用の理由を聞いたところ、上位は「支払うタイミングを調整できるから」(60.9%)「利用金額を把握しやすいから」(34.8%)「支払いの見通しを立てやすいから」(30.4%)だった。
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クレジットカード利用の課題/後払い決済サービス利用の理由
後払い決済サービス利用者の特性
約4割が「月に使っても良い金額を超えても欲しいと感じたときに購入」
後払い決済サービス利用者の39.8%が、購入したいモノの金額が月に使っても良いと思える金額を超えていても、欲しいと感じたときに購入していると回答。理由の上位は「収支の把握をきちんとできている自信がある」(62.6%)「支払いの見通しが立っている」(49.5%)だった。
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購入したいモノの金額がその月に使っても良いと思える金額を超えていても、欲しいと感じたときに購入するか(n=249)
後払い決済サービス利用理由のトップは「支払うタイミングを調整できる」
後払い決済サービスを普段利用している人に、サービスを利用する理由を聞いたところ、トップは「支払うタイミングを調整できるから」(54.0%)で、次いで「支払う前に商品を確認できるから」(42.0%)「利用金額を把握しやすいから」(32.0%)だった。
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後払い決済サービスを利用している理由(n=106/複数回答可)
収支を管理している人は約7割
収支を把握するために家計簿やアプリ活用など工夫を行っている割合について、後払い決済サービス利用者は71.4%、非利用者は55.0%で、サービス利用者の方が16.4ポイント高かった。
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収支を把握するために家計簿やノートに記録するなど工夫をしているか(n=700)
今回の調査結果を受け、世代・トレンド評論家の牛窪恵氏は次のようにコメントした。
今回の調査では、20~30代の若者の約7割(67.2%)がモノやサービスを「自分が欲しいと感じるときに購入する」ことや、同半数以上(54.4%)が「30分以内に購入を決断する」こともわかりました。
スピーディな決断の背景には、SNSの影響や、彼らを中心とした「タムパ(タイムパフォーマンス/時間対効果)」志向があるでしょう。興味ある情報に、リアルの口コミや「ググる(ブラウザ検索)」より遥かに速くたどり着けるSNSは、「ググるより『タグる』(SNSのハッシュタグ登録で検索する)」行動を促し、購入までのスピードを高めます。
一方で、彼らは物心ついたときからずっと不況の時代を生きてきた世代。多くは堅実に貯金するほか、衝動買いなどでお金を使い過ぎないよう、スマホで常に収支をチェックしています。
買い物や月々の支払いも、スマホを見ながら、「今月はいくらまで(に留めよう)」や「今月はこの日に(支払おう)」など、自分なりにフレキシブルに考える傾向が強い。現代の消費者は若者を中心に、こうした「フレキシブル消費」が顕著なのです。(牛窪氏)
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オリジナル記事:約3人に1人が後払い決済サービスの利用経験あり。20~30歳代の半数以上が「30分以内に購入を決断」【メルペイ調査】
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