拡張現実(AR)の過去、現在、そして、未来 | SEO Japan

SEO Japan - 2011年9月12日(月) 18:05
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拡張現実(AR)といわれると、攻殻機動隊的な未来像がぼんやりと思い浮かぶ程度の私ですが(クールでワクワクする、、、とポジティブなんですけど)、テクノロジーの発展とインターネットの普及で現実のものになりつつあるようです。今回は、そんな拡張現実の初心者にもきっと参考になるであろう、拡張現実に関する歴史と今、そして今後の展望をまとめた記事をThe Next Webから。これであなたもAR通? — SEO Japan 拡張現実(AR – Augmented Reality)という用語を一度は耳したことがあるのではないだろうか。聞いた事がなくても、スマートフォンとタブレットの革新が最盛期を迎えつつあるため、今後、何度となくこの用語に遭遇することになるだろう。 拡張現実(AR)は、サウンドやグラフィックス等のコンピュータが作った感覚の入力によって増大された物理的な現実の世界の環境を説明するために用いられる用語である。典型的なARの環境では、デジタルの情報を現実世界の見解に置き換えられることが多い。 ARを仮想現実(VR)と混同してもらいたくない。VRは現実世界の状況を模倣するデジタルエクスペリエンスを意味する。 最近、拡張現実の実例が数多く登場している。ブランドがARテクノロジーのポテンシャルを活用し始めてからまだ数年しか経過していない。私達は昨年の12月に2010年の印象的なARマーケティングのケーススタディーの回顧録でブランドの取り組みを取り上げた。このエントリは再び読む価値があり、企業がARツールを活用して広告活動をレベルアップさせている仕組みを把握してもらいたい。 先月、私達はBlippar(ブリッパー)を取り上げた。この拡張現実アプリは、ブランドに息吹を吹き込む効果がある – iOSアプリおよびアンドロイドアプリが間もなくデビューする予定であり、以下にこのアプリの動画を掲載する: これが拡張現実だ。急速に発展するテクノロジーに共通することだが、本格的に現状と今後の方向性を確認する前に、現在の状況に達した経緯に注目すると有益な情報が得られる。また、この分野に初めて注目するなら、今後の数ヶ月、そして、数年で何度も目にするテクノロジーを熟知しておく上でも過去を振り返る価値はある。 難しい話はさておき、早速、拡張現実の過去、現在、そして、未来を見ていこう。 拡張現実: 過去 多くのテクノロジーに共通することだが、拡張現実が生まれた日を特定するのは難しい。 例えば、1961年、撮影監督のモートン・ヘイリグ氏は、センソラマと呼ばれるマシンの特許を申請した。このマシンはゲームセンターの巨大なゲーム機に似ているが、香りや風等の環境の要素を発し、さらに、振動を起こし、ステレオ音響も備えたマルチセンサーデバイスであった。このマシンを拡張現実の初めての実例と指摘する人達もいるが、センソラマは仮想現実の世界に近い気がする。 しかし、それが何であれ、遥か未来のアイデアであったことに代わりはない。現在の基準で見ても、1962年に作成された実用レベルの試作機からは、全く古さは感じられない: 物理およびデジタルの世界の境界線をうやむやにする重要な発展は他にもある。1968年にアメリカ人のコンピュータサイエンティストのアイバン・サザーランド氏が開発した初めてのヘッドマウントディスプレイ(HMD)もその一つである。このディスプレイは原始的であり、大き過ぎるが、その後のイノベーションの前触れであった: サザーランド氏は1965年に発表した「ウルティメイト・ディスプレイ」と言うタイトルの論文で拡張現実を次のように描いていた: 「コンピュータによって表示される物体が、私達が慣れ親しんでいる物理的な現実の通常の規則に従わなければならない理由はない。負の質量の動きをシミュレートするために運動感覚のディスプレイを活用することが出来るかもしれない。現在のビジュアルディスプレイのユーザーは容易に物体を透明にすることが出来る – 「物体を透視することが出来るのだ!」 さらに時代は進み、1974年、コンピュータアーティストのマイロン・クリューガー氏は、ビデオプレイスと呼ばれた「人工現実」ラボを作成した。ビデオプレイスは、プロジェクター、ビデオカメラと専用のコンピューター、そして、ユーザーの画面上のシルエットを組み合わせ、インタラクティブな環境に配置するデバイスであった。 クリューガー氏はビデオスペースを数年間をかけて開発し、画像認証、分析、そして、リアルタイムでの応答を支援する独自のコンピュータシステムを作り出したのであった。事実上、ライブのビデオイメージとグラフィックイメージを組み合わせることが可能になったのだ。拡張現実に驚くほど似ている: コンセプトとしての拡張現実は以前から存在しているが、「拡張現実」と言う用語を1990年に初めて造ったのは、当時ボーイングで研究職に就いていたトーマス・P. コーデル教授である。コーデル教授は、飛行機内で電線を取りつける作業を指導するヘッドマウント型のデジタルディスプレイに言及していた。 コンセプトとしてARが90年代に軌道に乗り始め、そして、1992年の仮想フィクスチャーの開発が、適切に機能する初めてのARシステムとして広く認められている。 2000年を迎える頃には、現在浸透し始めている拡張現実プラットフォームへの初期の試みが行われるようになった – ARクエイクはidソフトウェアによって開発されたゲーム、クエイクの拡張現実バージョンである。このARゲームは、サウスオーストラリア大学のウェアラブル・コンピュータ・ラボで作成された。2002年のAR射撃ゲームの動画を以下に掲載する。このゲームは明らかにラボで開発されたゲームと同程度のレベルのゲームである: そして、2008年には第一世代のアンドロイドの携帯電話に向けて、ウィキチュード AR トラベルガイドがリリースされた。当時このようなアプリをスマートフォンに搭載することは時代の最先端にいる証とも言えた: 当然だが、紹介した拡張現実の簡単な歴史には幾つかギャップが存在する。無数の学者達、科学者達、そして、ギーク達がここまで到達するために尽力し、そして、夢見る決意を固めた人達がSCIFI映画の中でした存在しなかった世界に私達を連れていってくれたのだ。 拡張現実: 現在 拡張現実のアプリ、拡張現実のツール、そして、拡張現実のイノベーションの例は数えきれないぐらい存在する。最高の作品をつなぎ合わせて、「スゴイね」と言うだけなら簡単だが、「スゴイね」と言う前に、まずは一歩下がって、実際の機能が何なのかを考えてみよう。テクノロジーを使って素晴らしいことを成し遂げると注目を浴びるが、拡張現実から本当に役に立つものを作り上げるのは、全く異なる問題である。 例えば、アンドロイドとiOSのデバイスで提供されている拡張現実のゲーム、スペックトレックは、スマートフォンのGPSとスクリーンを使って、現実世界で仮想の幽霊を狩ることが出来る: なかなか面白いゲームであり、約2ドルで買えるので、財布の中身の残り具合を心配する必要もない。このゲームはGPSを利用しており、ゲームで遊ぶには大きなスペースが必要であるため、物理的に何かにぶつかったり、急角度の場所から落ちてしまう危険はある。また、このゲームは「目新しさ」の面で魅力に欠けている。. 現在、拡張現実は大いに盛り上がっており、混雑しつつある。私は拡張現実の分野の現状に関する意見を求め、ブリッパーの共同設立者であり、CEOを務めるリッシュ・ミトラ氏に話を聞いた。 「拡張現実で明らかにトレンドになっているのは、画像認識と追跡、ロケーションレイヤー、仮想製品トライアル、そして、ソーシャルゲームです。ロケーションレイヤーは、アップストアを介して初めて立ち上げられたARであったこともあり、人気を博しています。私の唯一の懸念は、グーグルマップで大半のユーザーの情報のニーズを満たしているにも関わらず、GPS、そして、コンパス機能を基に情報が提供されている点です。画像認識および追跡の人気は右肩上がりですが、ユーザーエクスペリエンスがこのテクノロジーで成功を収める鍵を握っています。ユーザーエクスペリエンスは、途切れなく且つ瞬間的でなければならず、また、本物の価値を提供しなければ、メジャーな存在にはなれないでしょう。」 そして、この“本当の価値”が多くのARアプリに欠けているように思える。私はミトラ氏に現在の拡張現実における欠点は何だと思うか尋ねてみた: 「完全な画像認識および追跡を提供しているサービスはほとんどありません。世界の何もかを目にした瞬間に相互に反応し、リアルタイムの情報/交流を得る力は大半のプロバイダーにとって大きな難題になっています。物体および色の認識はまだ研究段階であり、学術的な研究の対象の枠を出ていません。現在の携帯機器のコンパスとGPSの精度は、情報レイヤーを完全に信頼することが出来るほどの高さには達していません。」 そのため、特定の現実世界の要素を検知する実際のテクノロジーはまだ存在していないようであり、この点は、ARがポテンシャルをフルに発揮する日は随分と先になることを示唆している。次にARのプラットフォームにおいて厳しく中傷された「目新しさ」に関して、ミトラ氏にブリッパーは時の試練に耐えるために何をするつもりなのか訊いてみた: 「私達はテクノロジーとして、顧客に未だかつてない信頼感とワクワク感をもたらしているブリッパーの画像認識および追跡の能力に自信を持っています。マーケティングのコンサルタント会社として、私達は顧客にブリッパーのテクノロジーの最善の利用方法を推奨しています。ユーザビリティにすぐに満足してもらい、そして、機能させることで、「流行」や「策略」と言う非難の対象にはならない新たな消費者の行動を組み込むことが出来るようにするためです。ブリッパーのARが毎回完璧に作用し、その結果、瞬く間にユーザーを満足させるツールを提供し、また、「もっと多くの情報が欲しい、またはこのブランドともっと関与させてもらいたい」と言う世界共通のコール・トゥ・アクションになることが私達のビジョンです。」 ブリッパーが一企画および研究に1年半をかけたものの、たった数ヶ月間で開発が終わった点を強調しておこう。このアプローチは、「格好いい」ツールをマーケットに急いで出すのではなく、研究および計画の段階に力を注ぐ方針が多くのARツールの成功にとって欠かせない点を証明する。 拡張現実の現状を理解するため、マーケットをリードするARサービスの幾つかを紹介していこう。 トータル・イマージョンは1999年から拡張現実を実施しており、同社の作品の一部は広く知れ渡っている。2009年に開発されたAR野球トレーディングカードを含む、素晴らしいイノベーションがトータル・イマージョンによって実現されている: そして、二週間前、トータル・イマージョンは、TryLive(トライライブ)と呼ばれる形勢を一変させる可能性を秘めたARアプリをオンラインの服やアクセサリの小売店に向けてリリースした。オンラインで服を買う行為は数年前から定着しているが、買う前の試着の代わりは存在しなかった。 [...]
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