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大手新聞社が大手ECサイトの有料リンクスキームを暴く」 からご覧ください。
既に日本でもご存じの方が多いと思いますが、ニューヨークタイムズが大手デパートチェーンのJ.C.ペニーが有料リンクでSEOをしていると告発した記事の内容に関して、改めて詳細をサーチエンジンランドから。 — SEO Japan 先週、ニューヨークタイムズが、J.C.ペニーのSEOの調査に関する記事を掲載した。jcpenney.comが販売するほぼ全ての製品に対する無料(オーガニック)の検索結果で、あまりにも素晴らしい成果を残していることに驚き、ニューヨークタイムズはさらに徹底的に調べるため、検索エンジン最適化(SEO)の専門家に見解を求めた。この調査により、無関係と思える大量のウェブサイト(多くのサイトがリンクのみのサイト)が、J.C.ペニーのウェブサイトにリンクを張っていた点が明らかになった。そして、その多くのアンカーテキストは説明的なものであった。これでは、グーグルで上位にランクインするために、誰かがすべてのリンクを用意したと疑われてもしょうがないだろう。 ニューヨークタイムズは、この情報をグーグルに伝えた。グーグルの重鎮であり、同社のウェブスパム部門を率いるマット・カッツ氏は、この戦略がグーグルのウェブマスターガイドラインを違反している点を確認した。その直後、J.C.ペニーのウェブサイトは、1位にランクインしていたクエリの検索結果から姿を消した。マット・カッツ氏はツイートの中で、グーグルのアルゴリズムの効果が出始めた点、そして、意図的な対策も講じられた点を明らかにした。 (NYTのデビッド・シーゲルがブラックハットSEOについて記事にしている。 http://goo.gl/RdnTi Googleのアルゴリズムは既に対応させた。手動で対策も行った。 by マット・カッツ) J.C.ペニーは、ニューヨークタイムズから連絡があったとき、リンクについては身に覚えがなく、直ちにSEO業者のSearchDex(サーチデックス)との契約を解除したと答えていた。 それでは、J.C.ペニーはどこで道を誤ってしまったのだろうか?なぜ道を誤ったのだろうか?何を失ったのだろうか?そして、何をすれば取り戻すことが出来るのだろうか?この4点の疑問について、これから詳細に説明していくので、同じ轍は踏まないように注意して読み進めてもらいたい。 「リンクスキーム」とGoogleのウェブマスターガイドライン ウェブは巨大だ。1兆ページ以上が存在するくらい巨大なのだ。検索エンジンのユーザーが、検索ボックスに単語を幾つか入力すると、グーグルはウェブ上のすべてのページをかき分けて調べ上げ、ユーザーに対して検索に最も関連性が高く、最も有効なページを見せなければならない。 これは至難の業である。グーグルは大量のシグナルを用いて、自動的にこの難題を解決している。歴史的に見て、リンクグラフはこのような関連性と価値のアルゴリズムで重要視されてきた。 グーグルは、当初、サービスの基盤をページランクに置いていた。このアイデアは、ユーザーは好きなページおよび役に立つと思うページにリンクを張るため、リンクが多く貼られているページは、リンクの数が少ないページよりも価値が高い可能性があると言う予測に基づいている。これにはユーザーがリンクを張る仕組みも関与している。例えば、ページに張られた多数のリンクが、「Gleeの最新のエピソードをオンラインで視聴」と言うアンカーテキストを用いていると、リンク先のページにはTV番組のGleeの動画を持っていると推測するのが妥当である(注記: グーグルは、ウェブの進化に合わせ、この単純な説明を遥かに凌ぐほど進化している)。 時間の経過とともに、サイトのオーナーは、グーグルの検索結果で上位にランクインすることが非常に価値が高い点を学ぶようになり、「リンクスキーム」を考案する人が現れるようになった。コンテンツの価値を認めてもらえるように願い、通常のマーケティングの手法を介してコンテンツの認知度を上げるのではなく、取引を結び、お互いにリンクを張る戦略が考案された。お互いにリンクを獲得し、上位にランクインしたいクエリのアンカーテキストを作ってもらう。これで皆が幸せになれる! 皆と言ったが、グーグル、そして、検索者は省かれる。このタイプの裏の取引は、リンクをコンテンツが有益だと判断された証だと見なしているページランクのアルゴリズムを崩壊させるからだ。リンクの交換が行われると、リンクは取引でしかなくなる。あまり役に立たないページが上位に格付けされると、検索結果自体の質が下がってしまう。 そのため、グーグルのウェブマスターガイドラインは、「グーグルのアルゴリズムは検索者に対して出来る限り最適な結果を提供することを目的としている」と明言している。このアルゴリズムを操作しようと試みると、グーグルは、サイトのランキングを下げる、またはインデックスからサイトを完全に除外する可能性がある。 マット・カッツ氏は、ガイドラインの違反を見つけ、違反者を一網打尽するためにアルゴリズムを改善し、そして、サイトを削除したり、ランキングを下げる作業を専門に行う大勢のスタッフをまとめている。 有料リンク 手っ取り早く多くのリンクを得て、ランクを挙げたいものの、リンクバックしたくない場合はどうすればいいのだろうか(リンクの交換はグーグルに簡単に見つかって、捕まってしまうと考えているため、もしくは数多くの適当な関係のサイトにリンクを張ることで、ビジターの信頼を失いたくないため)?リンクを買ってしまえばいいのではないだろうか?ページランクを上げる目的でリンクを購入する行為は、オンライン広告を購入する行為とはわけが違う。広告のリンクは、検索エンジンから広告と見なされるコードを通常含んでいるため、編集を加えたリンクとはカウントされない。ご想像通り、グーグルはページランクを操作する目的のリンクの購入をリンク交換と同じぐらい嫌っている。 この類のリンクに関する詳細は、グーグルのサイトに掲載されている: Google ウェブマスターガイドライン: リンクスキーム Google ウェブマスターガイドライン: 有料リンク なぜ意図的にガイドラインを違反するのか? 人為的なリンクがグーグルのウェブマスターガイドラインに違反しており、インデックスからサイトが削除される可能性があるなら、オーガニックな検索トラフィックに依存しているサイトは、ガイドラインを慎重に守るのではないだろうか?そう思うはずだ。事実、大半のサイトはガイドラインを守っている。 しかし、一部の企業はグーグルを出し抜くことが出来ると思っている。このような企業は、捕まるとは考えていない。競合者がグーグルの裏をかいている点を知り、自分でも試したところ、うまくいった。そのため、「よく考えてごらん。ガイドラインには禁止とは書かれていないよ。実際に、うまくいくよ!今まで以上にトラフィックも売り上げも右肩上がりだ!なんで、わざわざやめる必要があるんだい?」と言ってのける。 また、ガイドラインに違反する戦略を用いる誤ったSEO業者(リンクに関わる項目はガイドラインのほんの一部である)を採用してしまうケースもあるようだ(J.C.ペニーもこのケースに当てはまるだろう)。この種の戦略を実装する業者は、クライアントに成果をいち早く見せようとする。その多くは捕まることはないと自信を持っている。さらに悪徳な業者はまったく気にも留めない。料金を取って、次の仕事に取り掛かるだけである。当該のサイトが痛い目に遭っても、SEO業者にとっては痛くも痒くもない。 ターゲットに選らんだクエリの検索ランキングが高いことを企業は重要視している。サーチエンジンランドは、ナンバー1のランキングがどれほど価値が高いのかを調査している際にこの記事を作成したニューヨークタイムズの記者と話しをする機会を得た。突き止めるのは難しいかもしれないが、私たちの多くが検索エンジンを製品のリサーチに利用している点、そして、このような購入をオンラインで行っている点はほぼ間違ないだろう。先日行われたPEW インターネットの調査により、1年間に7万5,000ドル以上稼ぐアメリカ人の88%が、オンラインで製品のリサーチを実行し、81%がオンラインで製品やサービスを購入していることが明らかになった。グーグルは、休暇シーズンの直前に、消費者の90%近くがオンラインで調査を行っていることを示唆するデータを公開した。一部の人々は店で購入するものの、大半はオンラインで購入している。 疑いようもなく、J.C.ペニーは休暇シーズン中に多くのクエリで上位にランクインしていれば、オンラインの売り上げにもオフラインの売り上げにもプラスの影響がもたらされる点は分かっていたはずだ。同社の広報は、無料の検索結果からのサイトへのトラフィックは全体の7%に過ぎないと述べ、軽視していた。しかし、オンラインの売り上げ、そして、消費者を店舗へと向かわせるオンラインのリサーチを組み合わせると、このビジビリティの価値が高いことは間違いない。 問題は、このような手法の効果がほとんどの場合永遠には続かない点である。また、事業をこのような手法に委ねているなら、いつ崩れてもおかしくない土台の上に家を建てているようなものである。 J.C. Pennyに何が起きたのか? ニューヨークタイムズと協力し、J.C.ペニーの状況を発見した(そしてその経験をつづった)ダグ・ピアース氏は、同社のサイトに大量のリンクが張られている点に気づいた。リンクを張っているサイトは奇妙なサイトばかりであったようだ。アンカーテキストがとても説明的だったのだ。無料のオンラインツールを使って、自分の目で確かめることも可能だ。[comforter sets]の検索を例にとってみよう。ビングは今でもJ.C.ペニーを無料の結果で2位に格付けしている: ヤフー!サイトエクスプローラは、このURLにリンクを張る774ページを表示している: Music Teams(ミュージックチーム)?Piano players for hire(職を探すピアニスト)?Car modification(車の改造)?これらのサイトは、販売しているcomforter setsをリストアップするJ.C.ペニーのページになぜリンクを張っているのだろうか?オープンサイト・エクスプローラは、このようなランダムなページのアンカーテキストが驚くほど内容が細かい点を示している: 誰かが(J.C.ペニーはSEO業者を疑っている。その証拠にすぐに契約を打ち切っていた)有料のリンクネットワークを利用した可能性が高い(J.C.ペニーは、この類のリンクを取り除くと述べており、実際に多くのリンクが既に取り除かれている)。 ブランコ・リートマン氏は、マジェスティック SEOのリンクレポーティングツールを使って、一部のURLを調べ、リンクが2回に分けて持ち込まれており、2009年と2010年の年末の休暇シーズンに集中している可能性がある点を見出した(このグラフは、有料リンクキャンペーンが過去3ヵ月~4ヵ月間に渡って行われていることを明らかにしたマット・カッツ氏のコメントと合致している)。下のグラフは2009年および2010年の年末年始の直前のcomforter setsのページに対する新しいリンク(ページおよびドメインからの)の傾向を表している。 [...]