GMOブランドセキュリティは、国内大学338校のメールセキュリティの実態調査を実施した。なりすましメール対策技術である「SPF」「DMARC」の設定状況について、国内大学の「.ac.jp」や「.jp」ドメインを対象に調べている。
SPFとは
送信元サーバーのIPアドレスをあらかじめ公開し、正しい場所から送られたメールかを判定する技術。導入が比較的容易な一方、メール転送時に認証に失敗しやすいという弱点がある。
DMARCとは
SPFやDKIMの認証に失敗したメールをどう処理するか、送信元が指示する仕組み。none(監視のみ)、quarantine(隔離)、reject(拒否)の3段階があり、なりすましメール対策の要となる。
なりすましメール対策が正しくできている国内大学はわずか4.1%
調査によると、国内大学338校のドメインについて、なりすましメールを遮断できる適切なSPF/DMARC設定をしている割合(適切率)は、わずか4.1%(14校)にとどまった。区分別では、国立大学が5.9%(5校)、公立大学が4.3%(4校)、私立大学が3.1%(5校)となり、いずれも低水準だった。
一方で、「SPF設定あり」は全大学で91.4%(309校)と高く、「DMARC設定あり(noneを含む)」は57.4%(194校)にのぼっている。ただし、DMARCのうち「none(監視のみ)」が52.7%(178校)を占めており、実際になりすましメールを遮断する設定ができていない大学が多いことがうかがえる。
DMARC設定の内訳をみると、「none(監視のみ)」が52.7%(178校)と最も多く、次いで「未設定」が43.2%(146校)となった。実際に遮断効果を持つ「reject(拒否)」は1.5%(5校)、「quarantine(隔離)」は2.7%(9校)にとどまっている。
なお、SPFもDMARCも全く設定されていない「完全無防備」な状態の大学も8.0%(27校)存在し、多くの大学が高リスク状態にあることが明らかになった。
有効な設定が確認できた大学の一覧(2026年4月時点)
【国立】
- 北海道大学
- 山形大学
- 東京大学
- 一橋大学
- 横浜国立大学
【公立】
- 国際教養大学
- 横浜市立大学
- 大阪公立大学
- 長崎県立大学
【私立】
- 学習院大学
- 芝浦工業大学
- 日本大学
- 玉川大学
- 同志社女子大学
調査概要
- 【調査期間】2026年4月6日
- 【調査対象】国内大学338校(国立85校・公立93校・私立160校)が保有する「.ac.jp」や「.jp」ドメイン
- 【調査方法】データソースは文部科学省「大学・短期大学・高等専門学校及び専修学校の学校数、在学者数等」をもとに作成。パブリックDNS(Google: 8.8.8.8 / Cloudflare: 1.1.1.1)を使用し、DNS公開情報を調査・集計。全体適切である状態の基準は、SPF: v=spf1 -all(拒否設定)、DMARC: p=reject(拒否) または p=quarantine(隔離)とした。
