KDDIが監視カメラ映像をクラウドで統合管理するサービスを提供開始、AI解析と連携

KDDIは、監視カメラの映像データを高セキュリティなクラウド上で管理・可視化する映像統合管理サービス「KDDI Video Management Service」の提供を11月28日に始める、と10月24日に発表した。場所やデバイスを問わず秘匿性の高い映像の閲覧が可能。AI(人工知能)映像解析と組み合わせてエリア内の滞留・侵入検知の「防犯・防災対策」や、製造品や設備を外観検査する「検品業務や設備点検の効率化・自動化」ができる。

監視カメラシステムをクラウド上の録画サーバー・ストレージで管理し、保存期間や画質を自由に設定できる。KDDIの閉域ネットワーク「KDDI Wide Area Virtual Switch」経由に映像の伝送・閲覧を限定するので、秘匿性の高い監視カメラ映像を扱える。一時的な拠点開設や現場などの屋外環境では5Gを活用して迅速でセキュアなカメラ設置と映像取り込みができる。PCやモバイル端末などのデバイスを問わず閲覧が可能。

AI映像解析と組み合わせることで、トラックや乗用車、バイクなど車体種や人などを認識し、指定エリアに一定時間以上駐車した場合や、通常と逆方向から侵入した場合のアラートを自動発報して防犯・防災対策の高度化を支援する。製品や設備の異常を認識し、製造ライン検査工程の検品における傷などの検出や、設備のさびなどの検出もでき、検品業務・設備点検の効率化・自動化も支援する。

監視カメラシステムを拠点ごとにオンプレミス(自社所有)で構築して、各拠点の映像データを本社・データセンターなどに設置した録画サーバーに集約すると、映像伝送にかかるネットワークの構築・運用コストが大きくなる。このため、監視カメラシステムのクラウド化に注目が集まっているが、機微な情報が多く秘匿性が高いため、セキュリティ上の懸念から監視カメラシステムのクラウド化を実現できない企業が多いのが実情だった。