ひとりSEO担当者の疑問に答えます

個人の専門家はE-E-A-Tのどれを重視すべき? 2番目のE:Expertiseです

SEO担当者の質問に、SEOのエキスパートである住 太陽さんが実践的で有効な解決法を答えます。今回の質問は「個人で活動している専門家はE-E-A-Tのどれを重視すべき?」についてです。

ひとりで頑張るSEO担当者さんの悩みに答える本連載。今回の質問は「個人で活動している専門家はE-E-A-T(Experience, Expertise, Authoritativeness, and Trustworthiness)のどれを重視すべき?」です。この回答は「2番目のE:Expertise(専門性)を重視しましょう」です。

「個人で活動している専門家はE-E-A-Tのどれを重視すべき?」に対する回答は、「2番目のE:Expertise(専門性)を重視しましょう」です

最初のE:Experience(個人的な実体験)か、2番目のE:Expertise(専門性)か

今回の質問者は、専門家として長らく活動してきた個人の方です。運営するメディアでも多くのキーワードで良好な順位を確保していたものが、2023年10月のコアアップデートで大きく順位を落としたのだそうです。そうした背景から、質問は「自分は個人なのでE-E-A-Tの最初のE:Experience(個人的な実体験)を重視するように方向転換したほうがよいか、それとも従来通り2番目のE:Expertise(専門性)を重視して企業と戦ったほうがよいか」というものでした。この質問はペンネーム「田中」さんが寄せてくださいました。

結論からいうと、専門家である以上は個人であろうと法人であろうと関係なく、E-E-A-Tの2番目のE:Expertise(専門性)を重視してSEOに取り組むべきです。最初のE:Experienceは日常生活や人生における個人的な経験のことを指していますので、専門家としての信頼を獲得するための情報発信としては第一候補にはなりません。専門家であれば、情報発信の中心は専門性の高い内容であるべきです。

活動主体が個人であることは不利ではない

Expertise(専門性)とは、訓練によって修得した専門知識や専門技能、またはそれらに裏付けられた助言や見解を指します。同じく「専門性」と日本語訳されるSpecialty(専門店のことをSpecialty retailerやSpecialty shopなどというようにSpecialtyは「特化性」のような意味を持ちます)と混同しないことが重要です。

もしExpertise(専門性)とSpecialty(特化性)を混同していた場合、個人では特定分野に特化したコンテンツを量産する法人サイトと競争するのは困難だと考えてしまっても無理もありません。しかしExpertiseは専門知識や専門技能、またはそれらに裏付けられた助言や見解を指すもので、これらはどれもコンテンツの書き手である個人に紐付いています。活動主体が個人であることは、何ら不利になりません。

個人がExpertise(専門性)で勝負するには

ある専門家が他の専門家よりも優れているかどうかを判定するとき、Googleは第三者からの評判に着目します。一般の人々の間でどう評価されているか、また、他の専門家からどう評価されているか、といったことを指標にするわけです。これはコンテンツや人物に対するポジティブな言及の質および量(サイテーション)であるとか、ポジティブなリンクの質および量(PageRank:ページランク)ではかられます。

つまり専門性を高めるためには、作成するコンテンツをはじめ、オンラインやオフラインでの人的交流なども駆使して、自分の専門性を世間にアピールして反応をもらう必要があるわけです。これは筆者の私感ですが、個人の広報活動ともいえるこうしたことをやっていくにあたっては、組織人であるよりも個人であるほうがずっとやりやすく、つまりは専門性という観点では個人のほうが有利であるように思います。

まとめ

今回の質問者の「田中」さんは、ウェブサイトでの情報発信を通じて、雑誌や新聞などでも専門家として扱われるほどの立場になっているのだそうです。そうであるならなおのこと、その立場をさらに引き上げるべく、専門家として情報発信を続けるほうが得策だろうと思います。まったくのゼロから専門家としての存在感を築いていこうとするなら長い道のりですが、すでにある程度の存在感が築けているなら、他よりも一歩先んじているわけですから。

P.S.
本コーナーでは、読者の質問にお答えしています。判断に迷うこと、現場で感じるふとした疑問など、どしどし質問をお寄せくださいね。

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