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文具が買えるIoT自販機? 羽田エアポートガーデンにあるコクヨの自販機を試してみた

2023年の1月から実証実験として羽田エアポートガーデン内のKOKUYODOORSに設置された、コクヨの文房具が買えるIoT自販機。面白い購入体験ができそうなので、編集部員が実際に買いに行ってみました。IoT自販機データのマーケティング活用についてもプチインタビュー。

文房具でお馴染みのコクヨ株式会社がIoT自販機による無人販売を羽田エアポートガーデン内の「KOKUYODOORS(コクヨドアーズ)」で開始。実証実験をしているというので、早速編集部員が体験してみた。

今回は自販機オリジナルのスペシャルボックス、マニアセットのキャンパスノート版などを購入した。

自販機限定スペシャルボックスと中身
マニアセット(キャンパスノート)
キャンパスノート専用のふせんと修正テープも入っている
羽田エアポートガーデンのKOKUYODOORS内に設置されているIoT自販機
このコクヨのIoT自販機で販売されているオリジナル商品は、主に以下の4種類だ。
  • スペシャルボックス: 国内外で人気の文具を詰め込んだセット(2,000円)
  • マニアセット(キャンパスノート): A7からB6までのキャンパスノートや修正テープ、ふせんが入ったセット(1,000円)
  • マニアセット(ドットライナー): テープのり「ドットライナー」のさまざまなタイプが入っているセット(2,000円)
  • シークレットセット:何が出てくるかわからないお楽しみセット(2,000円)
※すべて税込み価格

取材時には他にも「透明くれよん」と「蛍光くれよん」のセット、「コクヨのヨコク」というキャンペーンのセットなどが自販機のラインナップにあった。これらはKOKUYODOORS店内でも販売されている。

早速買ってみよう! 自販機オリジナルのスペシャルボックスには何が入っている?

何はともあれ、早速買ってみよう。まずはこの日同行してくださったコクヨのコーポレートコミュニケーション室の大貫氏がオススメだという「スペシャルボックス」から。タッチパネルで商品を選ぶと、商品に関する詳しい説明が画面に映し出される。

スマホやタブレットのようにタッチパネルで感覚的に操作できる
スペシャルボックスの説明が表示される
気になる写真をタップすると、セットに入っている商品の詳しい説明が表示できる
商品名と特徴を説明していてわかりやすい

ちなみに購入に現金は使えず、クレジットカードかQRコード決済のみだ。今回はクレジットカードを選択した。画面の指示通りにカードを機械に差し込むと、進捗状況が画面に反映される。

完全キャッシュレスで購入はスムーズ
決済の進行具合がわかる

決済が完了すると、自販機の中で商品を用意している間に工場のようなイラストの動画が音楽と共に流れて可愛い。

軽快な音楽と共にアニメーション動画が流れる

しばらく待つと、コトンという音と共に受け取り口が青く光って商品が出てくる。青く光ると近未来感があって良い。

取り出し口は大きくて商品を取りやすく、青いライトが近未来感あってかっこいい
しっかりしたボックスに入っていて、鞄に入れても潰れなかった

そして出てきたのがこちら! 箱には持ち手もついており、このままお土産として渡せるそうだ。気になる中身は、以下だ。

  • SOFT RING(やわらかリングノート)
  • カドケシ(角がたくさんある消しゴム)
  • Harinacs(針なしホチキス)
  • GLOO(四角いスティックのり)
  • mark+(2色のマーキングペン)
  • enpitsu sharp(鉛筆みたいなシャーペン)
ノート、消しゴム、シャーペンが入っているのでこのセットだけで筆記ができる
個人的にスティックのりが特におすすめ。四角いので角まできっちり塗れて気持ちが良い

そして、オリジナルのアクリルキーホルダーとIoT自販機のステッカーも入っている。アクリルキーホルダーはスペシャルボックスとシークレットセットに入っている。

アクリルキーホルダーの見本が自販機に吊されている
種類は全5種で「コクヨのヨコク」セットのみ「!?」マークのアクリルキーホルダー確定

また、スペシャルボックスの箱も限定仕様で、通常で販売しているサイズより一回り小さなファイルボックスになるという。

箱を開けたあとも小物を入れておくのに使えるのが嬉しい

ほかにも買ってみた! 小さいノートの群れとシークレットボックス

せっかくなので、自販機オリジナルのマニアセットも買ってみることにした。こちらもスペシャルボックスと購入の流れは同じなので省略するが、商品は箱ではなくオリジナルの紙袋で商品が出てくる。これもこのままお土産として渡せそうだ。

オリジナルの紙袋 B6サイズくらいの小さめの紙袋で紙もしっかりしている

選んだマニアセットはキャンパスノート。早速中を開けてみると、B6からA7サイズまでのノートが4冊にノートを拡張できるふせん、さらにキャンパスノート専用の修正テープが入っており、キャンパスノートのこだわりを図解したポスターが入っている。確かに、マニアックだ…! 筆者は一番小さなA7サイズのノートを売っているお店に出会ったことがないのでレア感と豆本みたいなサイズ感がたまらなかった。

キャンパスノート専用のふせんと修正テープも入っている(再掲)

あと意外と嬉しいのはポスターだ。A4、B5からB7、A7までの実寸大が並んでいるので出版社勤務なのに「B5ってどのくらいのサイズだっけ?」 と悩む筆者には助かる。大貫氏によると、やはりこのポスター目当てでマニアセットを購入する人も多いそうだ。

裏面は一面キャンパスノートの表紙
歴代の表紙デザインもわかる
※ポスターの画像はKOKUYODOORSのサイトより

そして最後はシークレットセット。ガチャガチャしかり、ランダム商品やグッズしかり、シークレットと言われると気になってしまう…。ということで購入。シークレットセットもマニアセット同様に紙袋に入って出てくる。

そして筆者が買ったシークレットセットの中身はこれだ。カードタイプのメモ帳、マスキングテープカッター、コンパクトなホチキスと修正テープ、スケッチブック、マーキングペン、ボールペンにアクリルキーホルダーとステッカーだった。

色の組合せがよく、シークレットも文房具セットとしてのバランスが良い

シークレットセットで注目して欲しいのは色味だ。黄色、水色、グレーと統一感のある色味でセットが作られている。このシークレットセットはKOKUYODOORSのスタッフの方が組み合わせを作り、自販機に補充しているそうだ。スタッフの方のセンス…良い!

なぜIoT自販機を設置した? マーケティング的な狙いと新たな文具購入体験の提供を目指して

IoT自販機で実際に文房具を購入してみると、確かに楽しい購入体験だった。しかし、コクヨはなぜIoT自販機を羽田に設置したのだろうか? 今回の取材にご協力いただいた大貫氏に聞いてみた。まずは羽田に設置した理由だ。

この羽田エアポートガーデンの店舗『KOKUYODOORS』は日本人はもちろん、海外の人に向けて日本の文具の出会いの場として作っています。そのため、この自販機のセットをそのままお土産として持って帰っていただけるようにと設置しました(大貫氏)

そして、大貫氏は外国の人向けにお土産としてのオリジナル商品を作るだけではなく、IoT自販機を設置した理由を次のように語った。

文房具はのりがなくなったからのりを買いにいくなど、目的買いが多いです。なので、目的買いではなく、新しい文房具との出会いを自販機を通して提供したかったんです。IoT自販機だと動画や画像で文房具を実際に使っている様子などを見せられるので、購入体験にワクワク感をプラスできます。また、利点として、商品の価格を遠隔で操作できたり、自販機についているカメラで購入者の性別や年代を判断してデータを取ったりできます。これをマーケティングに活かしていこうと考えてIoT自販機を導入しました(大貫氏)

お話を伺ったあとに改めて自販機で購入したものを見てみると、たしかに「このセットがあれば筆記ができる」というアイテムの他に、消しゴムやスティックのり、マーキングペンなど必要にならないと「買おう」と意識しないような文房具も入っている。そしてセットに入っていると使ってみたくなってしまう。

海外へのお土産だけではなく、文房具好きの友人や知人がいるならばプレゼントにも喜ばれるかもしれない。コクヨのIoT自販機は現在、羽田エアポートガーデン内の「KOKUYODOORS」店舗内にのみ設置されており、何か機械にトラブルがあったら店舗のスタッフが対応している。

しかし、将来的には店舗での設置ではなくIoT自販機を単体でどこかへ設置し、無人での販売ができるかの実験も兼ねているという。なお、実証実験の終了時期は未定だ。近い将来には文房具も近くの自動販売機で買うときが来るかもしれない。

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