デパ地下の呼び込みにみる広告クリエイティブの考え方「どうぞご利用くださいませー」
今日は、リスティング広告やFacebook広告のクリエイティブや、セミナー情報ページのキャッチフレーズなどを考える際のヒントを、デパ地下の呼び込み声をヒントに考えてみます。
昼時や夕方のデパ地下は、たくさんの人を何とか自分の店に呼び込もうと、多くの店が声を上げています。そういう声を聞きながら「そんな呼び方じゃ振り向いてもらえないよ」と思ったのをきっかけに、呼び声と広告を結びつけてみました。
デパ地下もネットユーザーも、うまく興味をもってもらえなければすぐにどこかに行ってしまう点では同じ。どこかからのリンクでセミナー情報ページまで来てもらえても、うまい呼び声をかけないと「んー、まぁいいや」と離れてしまいます。
デパ地下を歩いている人をネットユーザーに、店員を広告と考えて、いろんなパターンを考えてみましょう。
どうぞご利用くださいませー
声が出ていること以外は何の役にも立たない呼び声。でも、こういう例って結構多いんですよね。学生アルバイトさんとか。お店のほうを見れば何の店なのかはわかるのですが、目がそちらに行ってない人を振り向かせる効果はまったくないでしょう。
そこのメガネのお兄さん、ちょっと見ていってよ
こちらも何も言っていないのと同じのですが、「え? おれ?」と振り向かせる効果が意外とあるのかもしれません。自分事(じぶんごと)化させる手法は廃れませんよね。それに、これに反応した人がいれば、他の訴求にもつなげられます。
3時焼き上がり限定100食、行列の最後尾はこちらです
何の商品かすら言っていないのですが、行列が嫌いな人でなければ、意外と「お? 何だろう?」と振り向くことは多いのではないでしょうか。そうすれば「あ、ラスクか」「お、ローストビーフ」とわかるんですよね。
点心の美味楼でございます
店名や商品名を訴求するタイプ。よく知られているお店なら、これだけでも効くかもしれません。でもそうでなければ、点心のお店だということはわかっても、自分に合っているのか、どれぐらいの値段なのかピンとこず、スルーしちゃいますよね。だって、周りには魅力的なものがたくさん並んでいるのですから。
テレビでも話題の点心の美味楼でございます
同じ店名訴求でも、「テレビでも話題の」とか「アド街で3位の」とか「はなまるで紹介された」とか言うだけで「おっ」と思ってしまう人は意外と多いのではないでしょうか。
タイムサービス、通常1200円の牛タン弁当が、5時までは980円!
価格訴求型。お得感を強調する広告表現は廃れませんね。その場で売るには強いでしょう。ただし、上得意になるかもしれない「別に安くなくても良いものが欲しい」というタイプは、この呼び声ではつかまえづらいか。
4人家族さま向け洋食お総菜セット、ハンバーグ入りで3500円です
どんな人のための商品かを明確に訴求したタイプ。ハンバーグ好きなお子さんがいる4人家族のお母さんに「あら、いいわね」と響きやすいでしょう。
揚げたてのアジフライ、今朝水揚げしたアジを使ってるから、おいしいよ
商品の酒類と特徴を訴求するタイプ。トラディショナルな呼び声ですね。ただし、アジフライならわかりやすいから良いのですが「作りたてのサモサをどうぞ」だと、サモサを知らない人には何のことかわからないので効果がなくなるのが難点。
インドの家庭料理サモサ、カレーと併せて本格インド風ディナーはいかが? ほら奥さん、辛すぎないので小さなお子さんでも安心。安くてお腹一杯になってビタミンCもたっぷりなので夏風邪しらずになりますよー
長い呼び声ですが、これぐらいなら通り過ぎる人にぎりぎり訴求できるかな? 知られていない食材や特徴がわかりづらいものでも、それがどんなものか、利用シーンや特性も含めて訴求。
実際のデパ地下での呼び込みで上記の呼び声で書いたとおりの効果を出せるかは定かではありませんが、広告などに当てはめたときの考え方のタイプで並べてみました。
さて、御社の広告やセミナー情報ページでは、お客さんに良い訴求をできているでしょうか? 訪問者に「自分向けかも」「なるほど、それならいいかも」と思わせる呼び声、かけられていますか?
とりあえず声を出しているに過ぎない「ご利用くださいませ~」と同様の、「とりあえずページや広告を作る」ために作った何の役にも立たないクリエイティブでお茶を濁しちゃっていませんか?
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