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サーバー移転のため、ECサイトを一時的に休業する場合、どうすればいいですか?

7 years 11ヶ月 ago
仮サーバーにリクエスト先を移してから、メインサーバーをオフラインにします。仮サーバーから検索エンジンには503を返し、ユーザーには一時休業の旨を伝えるメッセージを表示するよう設定します。 移転前後のサーバーの準備としては、下記の手順にそって...

robots.txt

7 years 11ヶ月 ago
robots.txtとは、検索エンジンのクローラーに対してアクセスの許可・制御を指示するファイルのこと。検索結果に表示させる必要がない、あるいは表示させたくないコンテンツに対してクローラーの巡回を拒否する指示を出すことができる。これにより、...

「過去最高」だったAmazonのホリデーシーズンまとめ【2017年】

7 years 11ヶ月 ago

アマゾンジャパンは12月27日、2017年のホリデーシーズンにおけるAmazon.comの販売概況を公表した。無料の当日お急ぎ便、お急ぎ便、Prime Nowの利用が前年比2倍以上に増えたほか、1週間で400万人以上がAmazonプライムの無料体験か有料会員に登録したという。

売上高や販売個数といった数値は明らかにしていないが、「2017年のホリデーシーズンにおいて、世界で過去最高を記録した」としている。

ホリデーシーズン中の主なトピックス

  • 無料の当日お急ぎ便、お急ぎ便、Prime Nowの利用が前年比2倍以上
  • ホリデーシーズン中の1週間で、400万人以上の顧客がAmazonプライムの無料体験または有料会員に登録
  • 世界中のスモールビジネス・起業家の販売事業者への注文が10億個以上
  • 11月23日(米国の感謝祭)から27日(サイバーマンデー)までの5日間で、スモールビジネス・起業家の販売事業者に対し約1億4千万点の注文が発生
  • Amazonデバイスの全世界の販売台数は過去最高を記録
  • 世界中で数千万台のAlexa対応デバイスを販売

Amazonはプライム会員の人数を公表していないが、世界最大級のネット通販業界の専門誌「Internet Retailer」の報道によると、調査会社Consumer Intelligence Research Partners(CIRP)は米国のプライム会員数を9000万人(2017年9月末時点)と推計している。

米国でのAmazonプライムの会員数の推計値
米国でのAmazonプライムの会員数の推計値(出典はCIRP発表資料)

Alexaを搭載した音声認識スピーカー「Amazon Echo」の全世界での利用状況は、ネッ担が2017年10月4日に報じたところによると、CIRP社の推計で1070万人(2017年5月末時点)。Amazonは「Amazon Echo」の利用者を増やすために、2017年の「Prime Day」で値下げを実施するなど、利用台数の拡大を進めている。

アマゾンの「Amazon Alexa」は音声ショッピングもできる。EC企業が知っておくべきこと
ヴァーチャルデジタルアシスタントを利用するユニーク・アクティブ・ユーザー数の推移予測2015-2021(出典はTracticaの公表資料)
青:一般ユーザー
赤:企業ユーザー
縦軸:百万人

渡部 和章

ライトプロ株式会社 代表取締役

渡部 和章(わたなべ・かずあき)

新聞社で約7年半、記者を務めた後、2015年に編集プロダクションのライトプロを設立して代表に就任。編集者兼ライターとしても活動中。

趣味は料理と漫画を読むこと。東京都在住。1983年生まれ。

渡部 和章

【必読】SEO20年間の歴史まとめ

7 years 11ヶ月 ago
新しい一年の幕開けということで、何か新しいことを初めてみようと思われている方も多いかもしれません。 そんな時は「温故知新」という言葉に学び、本記事でSEOの20年間に渡る歴史を振り返ってみてはいかがでしょうか?変化の激しいSEO業界だからこそ、歴史を知ることで新しい発見があるかもしれません。 続きを読む

バナーがクリックされない原因はデザインが問題? 配置場所の変更だけで売上140%UPしたECサイト事例

7 years 11ヶ月 ago

ウェブサイトの企画を行う打ち合わせで、こんなことはありませんか?

新商品を発売するから、キャンペーンをしよう。特設のページを作らないと
だったら、TOPページにバナーを置いて、特設ページに誘導しては?
TOPページからユーザーはアクセスするから、目立つようにしたいよね
そうだね。誘導するバナーのクリエイティブはどうしようか……?

このように、ECサイトやウェブサイトで新商品やその他の商品・サービスを買ってもらうために、そのページへ誘導するバナーを作ることはよくあります。その誘導を考える場合、たいてい「どのようなバナーデザインにすればユーザーの目につくのか」といったデザイン面を考えがちです。

しかし、本当にデザインだけを考えればよいのでしょうか? ユーザーの行動を見ると、もっと別のアプローチも見えてきます。

今回は、ユーザー一人ひとりの行動のアクセスログデータを見ることで、バナーのデザインを変更することなく売上が140%アップした、化粧品などを扱うECサイトの事例を紹介します。

売上140%達成の化粧品ECサイト事例
一番目立つTOPページに、新商品の告知バナーを配置したがクリックされない

ある化粧品などのファッションアイテムを取り扱うECサイトでは、春向けの新商品を公開するにあたり、サイト上にキャンペーンページを作りました。

このECサイトのターゲットユーザーは、20代から30代の女性です。スマホからのアクセスが多いため、スマホサイトではTOPページの全面にバナーを置いて、キャンペーンページへ誘導することにしました。

実際のバナーの配置(※実物とは異なります)

しかし、バナーを置いて新商品のPRを開始しても、新商品の売上は思ったより上がりません。アクセス解析で数値をみたら、TOPページのバナーのクリック率が悪いということがわかりました。

この結果を受けて、すぐに社内で「新商品の売上を伸ばすためには、どのようなバナーにすればよいのか」を議論をして、クリエイティブの改善を実施しましたが、効果は思ったよりも上がりませんでした

「デザイン以外の別の要因が考えられるのでは?」と思い、新商品を購入したユーザーがECサイト上でどのように行動したのかという一人ひとりの行動ログデータを見ることにしたのです。

一人ひとりの行動ログデータと、見るべきデータのポイント

ここで、どのような行動ログデータを見たのかをご紹介しましょう。

デジタル行動観察ツール「ユーザグラム」のユーザ行動の画面(※データはサンプルです)

これは、弊社のデジタル行動観察ツール「ユーザグラム」で取得したユーザーのログデータです。「いつ」「何を」「どのくらい」見たのかが時系列でわかるようになっていて、このログデータを順番に追っていくことで行動を定性的に分析します。

ユーザグラムに限らず、一般的なアクセス解析ツールには、一人ひとりのユーザー行動データを確認できる機能を備えています。すでに導入されているアクセス解析があれば、それを使って確認してください。

たとえば、Google アナリティクスではユーザーエクスプローラーという機能があり、これもユーザー一人ひとりの行動を定性的に追うことができます。

Google アナリティクスのユーザエクスプローラー機能(※データはECサイトではなく弊社サイトのもの)

また、サーバーログ(生ログ)などを加工することで同じように、ユーザー一人ひとりの行動データを分析可能です。ただ、その際は以下の2点に気をつけてデータを準備するとよいでしょう。

  • ユーザー単位で行動データを時系列で並べる
    行動データを定性的に分析するメリットは、ユーザーの行動の流れがつかめるということです。単に、「どのページが多く見られている」とか「どこで離脱していることが多い」ということがわかるだけでなく、「どの順番でページをどのぐらいの時間見ているのか」を把握することが重要です。

    そのためにも、ユーザーごとに行動データをまとめて、時系列で並べましょう。もし可能であれば、セッションをまたいだ再訪も同一ユーザーのデータとして取れるとよいでしょう。

  • 行動を取っているユーザーが誰なのかがわかるようにする
    行動データが誰のデータなのかが把握できるとさらに良いです。たとえば、会員IDや顧客IDなどと紐づいていると分析に役立ちます。そのユーザーの属性データや購入履歴なども合わせて見ることで、データから見えてくることが増えるからです。

    ただ商品ページを見た行動であっても、ユーザーの情報をあわせて見ることで、分析の幅が広がり、以前購入した商品をまた見に来ていたり、女性のユーザーが男性商品を見ていたり、などの解釈ができます。

デジタル行動観察のポイント

①行動データを時系列で見て、行動の流れを捉えよう
②ユーザーの状況・文脈をよりわかるため、行動以外の情報も見よう

行動データから見えてきた、商品購入ユーザーの想定外の行動とは

さて、ユーザー行動をデータで十数人見ていくと、ユーザーがある共通の行動をしていることに気づきます。

行動の特徴①
流入したTOPページで、新商品のバナーをクリックしない

新商品を買ったユーザーの多くは、新商品を購入したにもかかわらず、流入してすぐにTOPページにある新商品のバナーをクリックしていませんでした。ユーザーが取ったのは、たとえば次のような行動でした。

  • TOPページから流入したこのユーザーは、ハンバーガーメニューから商品カテゴリーのページに行き、さらに商品詳細ページを見に行きます。そして、前回購入した商品を再購入しました。
  • また別のユーザーは、TOPページからすぐにマイページに行き、過去の購入履歴のページを見て、以前購入した商品をクリック。詳細ページから商品を購入しました。

どちらのユーザーも前回購入した商品をもう一度買いに来たのです。しかも、TOPページや商品カテゴリページ、マイページTOPの閲覧時間が数秒しかなく、クリックすべきところを覚えているようでした。おそらくECサイトで何度も同じ行動を行っているのでしょう。

ユーザーはリピート購入するためにサイトに来ているので、その目的を果たすことに一直線なのです。だから、新商品のバナーがTOPページの全面に出ていたにもかかわらず、TOPページの新商品のバナー広告など目に入っていなかったのです。

行動の特徴②
新商品のバナーをクリックしたのは、見たい商品を一通り見た後だった

でも、このユーザーは新商品を購入しています。一体ユーザーは「いつ」新商品を見つけたのでしょうか?

実は、前回購入した商品をカートに入れた後、別の商品を見ていたときに、たまたま新商品のバナーをクリックし、商品に気がついて購入していたのです。つまり、「他に何かないかな」というときに新商品を見つけたのです。

新商品を購入したユーザーの行動

改善すべきはバナーのデザインではない
ユーザー行動の自然な文脈を発見して、バナーを配置する

このようなユーザー行動を見たECの責任者は、ユーザーの「いつもの行動」を洗い出し、各行動のパターンに対して仮説と改善施策を検討していくことにしました。

例えば、上記のユーザー行動に対しては、次のような仮説と改善を実施しました。

いつもの商品を買いに来るユーザーに、新商品を訴求する改善施策

仮説:
  • いつもの商品を買いに来るユーザーに対して、TOPページのバナーのデザインをいくら変えても、誘導は難しい
  • いつもの商品を見を終わったタイミングであれば、新商品のバナーを見てくれるのではないか
施策:
  • バナーを商品詳細ページなどにも配置し、メインの誘導をTOPページから下位ページに変更
  • 代わりにTOPは「いつもの行動」を促進するため、バナーによる誘導よりも商品への誘導を強化
改善内容の一例

改善すべきはバナーのデザインではなく、ユーザーの「いつもの行動」を見つけて、行動パターンのなかにバナーを配置することが重要なのです。

改善の一つひとつは、マイページや商品詳細ページなどを見終わった場所にバナーを入れるなどの言われて見れば「当たり前」な、シンプルな施策でしたが、施策は成功し、改善前の週と比べて新商品の売上が140%アップしました。

ユーザビリティ改善のポイント
ユーザーの「いつもの行動」は変えづらい

ユーザーがいつも行っている行動や目的を持っている行動を変えることはできません。また、ユーザーが欲しないものは見てもくれません。ユーザーが自然に見てくれるような文脈・行動の流れを見つけましょう。

◇◇◇

さて最後に、この事例でユーザー一人ひとりの行動を観察したことの意義を考えてましょう。

この事例での意義は、改善効果の高い箇所がバナーではなく、ユーザーの導線だと気づいたことです。

ウェブの改善では、クリック率という数値が悪ければ、クリエイティブを変えるという施策はよくある話です。ただ、それはユーザー行動や状況の仮説が前提にあってはじめて、クリック率を見てクリエイティブを変更すべきという判断ができます。しかし、多くの場合、前提となる仮説を忘れ、「クリック率が悪い原因はクリエイティブ」と安易に考えがちです。

そのような陥りがちな罠に落ちることを、ユーザー行動を一人ひとり見ることは防いでくれます。実際のユーザー行動を見ることで、暗黙的に前提にしていた仮説が違うことをきづくことができます。

つまり、ユーザー行動の仮説を明確にしてブラッシュアップしていくことが、施策一つひとつの精度や費用対効果を上げる近道なのです。

次回も化粧品ECを取り上げます。という事例を紹介します。

オリジナル記事はこちら:バナーがクリックされない原因はデザインが問題? 配置場所の変更だけで売上140%UPしたECサイト事例(2017/12/14)

株式会社ビービット

薮 義郎

株式会社ビービット

薮 義郎(やぶ よしろう)

京都大学大学院情報学研究科を修了後、株式会社ビービットに入社。ユーザビリティコンサルタント等を経て、現在ビービットが提供するデジタル行動観察ツール「ユーザグラム」のマーケティングを担当。同ソフトウェアサービスの成長に貢献するとともに、データでユーザー一人ひとりを観察するという手法をデジタルマーケティング業務の中で普及させるべく情報発信活動を実施。

株式会社ビービット(beBit, Inc.)

「人間の心理や行動特性を探求することで、真に役に立つ高品質な製品やサービスを創出し、豊かな社会の実現に貢献する」を経営理念に、顧客ロイヤリティからデジタルサービス、ウェブサイトまで、顧客体験(UX)に関わる企業活動をコンサルティングとソフトウェアの両輪で支援。

薮 義郎

【20代の消費事情】買い物の前に最安値をチェックする割合は約9割

7 years 11ヶ月 ago

20代の消費者は、買い物の前に「最安値」を調べるのが当たり前――。

SMBCコンシューマーファイナンスが2017年12月1日に公表した「20代の金銭感覚についての意識調査 2017」によると、約9割が、買い物の前に同じ商品群の最安値を調べていることがわかった。

「購入検討する際、同じ商品群・サービスの中で“最安値”のものは必ずチェックするか」という設問に対し、「非常にそう思う」と回答した割合は41.4%、「そう思う」は46.4%で、合計87.7%が買い物の前に最安値を調べると答えた。男女別では男性が86.2%、女性は89.4%。

また、「ブランドや人気に関わらず、安くても良いものを選べる人はカッコいい」という価値観について、「そう思う」と回答した割合は79.7%。男性の74.6%に対し、女性は84.8%と10ポイント以上高い。

お金の使い方に関する意識(「20代の金銭感覚についての意識調査 2017」調査)
お金の使い方に関する意識

5人に1人は「SNS映え」を意識

商品を購入する際、「SNSに“いいね”がつきそうなもの・ことには財布の紐が緩む」という意見に対し、「そう思う」は21.0%(「非常に」と「やや」の合計)。約5人に1人は、買い物をするときに、「SNS映え」を意識している。

「SNSに投稿する写真や動画を撮影するために、お金を使ったことがあるか」という質問に対して、「お金を使ったことがある」と答えた割合は33.0%。

SNSに投稿する写真や動画を撮影するために、お金を使ったことがあるか?(「20代の金銭感覚についての意識調査 2017」調査)

「お金を使ったことがある」と答えたユーザーを対象に、購入した商品やサービスを聞いたところ、1位は「旅行・観光(絶景スポットなど)」(65.8%)、2位は「レジャー(ナイトプール・アウトドアなど)」(34.2%)、3位は「カフェ(ラテアートなど)」(28.5%)、4位は「ファッション(洋服・ヘアアレンジ・メイクなど)」(25.8%)と続いた。

女性は「カフェ」や「ファッション(洋服・ヘアアレンジ・メイクなど)」の割合が高い。

SNS投稿に関するお金の使い方への意識(「20代の金銭感覚についての意識調査 2017」調査)
SNS投稿に関するお金の使い方への意識

調査概要

  • 調査タイトル:20代の金銭感覚についての意識調査2017  
  • 調査対象:ネットエイジアリサーチのインターネットモニター会員を母集団とする20歳~29歳の男女 
  • 調査期間:2017年10月2日~5日
  • 調査方法:インターネット調査
  • 調査地域:全国
  • 有効回答:1000サンプル(有効回答から男女×20代前半・後半が均等になるように抽出) 
  • 調査協力会社:ネットエイジア株式会社

渡部 和章

ライトプロ株式会社 代表取締役

渡部 和章(わたなべ・かずあき)

新聞社で約7年半、記者を務めた後、2015年に編集プロダクションのライトプロを設立して代表に就任。編集者兼ライターとしても活動中。

趣味は料理と漫画を読むこと。東京都在住。1983年生まれ。

渡部 和章

Google、新しいSearch Consoleベータ版を全ユーザーに開放、検索パフォーマンスの期間は最大16か月に!

7 years 11ヶ月 ago

新しい Search Console のベータ版を全ユーザー対象に Google は公開した。これまでは Google が選んだ一部のユーザーだけが利用できていましたが、今後はすべてのユーザーに開放される。検索パフォーマンス・インデックス登録の対象範囲のステータス・AMP・Job Postings の4つのレポートが新 SC では今のところ提供されている。

- Google、新しいSearch Consoleベータ版を全ユーザーに開放、検索パフォーマンスの期間は最大16か月に! -

Posted on: 海外SEO情報ブログ - SuzukiKenichi.COM by Kenichi Suzuki

Kenichi Suzuki

良品計画の川名部長が語る「消費者の共感」を生む無印良品のデジタルマーケティング

7 years 11ヶ月 ago

ネットとリアルの融合をめざしている良品計画。アプリやWebサイト、SNSなどを活用し、「無印良品」の理念を伝え、共感を得ることに力を入れている。「生活者の共感」から培った関係性が土台となり、店舗やECサイトでの購入につながると考えているためだ。消費者との関係作りを重視する良品計画のデジタルマーケティング戦略について、WEB事業部・川名常海部長が語った。写真◎Lab

ウェブサイト、アプリ、SNSを活用してネットとリアルの融合を加速

無印良品のデジタルマーケティングがめざすのは、無印良品の理念を伝え、その活動に共感して、応援したり、参加してくれる人々を増やすこと(川名部長)。

川名部長は良品計画がデジタルマーケティングに取り組む理由をこう説明する。

株式会社良品計画 WEB事業部 部長 川名 常海 氏
株式会社良品計画 WEB事業部 川名常海部長

良品計画は国内の小売屈指のデジタルマーケティング活用企業。たとえば、ECと店舗で利用できるアプリ「MUJI Passport」の累計ダウンロード数は2017年9月時点で約1,000万件。アプリを月1回以上起動するアクティブユーザーは約720万人にのぼる。

SNSアカウントの運用やYouTubeなどを通じた動画発信にも力を注いでいおり、グローバルでのSNSのフォロワー数はFacebookが350万人、LINEが335万人、Instagramが90万人、Twitterが57万人(2017年11月時点)。

工場内での人気スニーカーの製造工程なども含めてドキュメンタリータッチで商品を紹介する動画や、バナナバームの投稿など、SNSでバズった投稿は数多い。

オウンドメディアでの情報発信やコミュニティサイト上でのユーザーとの交流も活発に行っている。また、今年8月にはブランドサイトとECサイトを統合し、買い物体験のさらなる向上を図った。

こうしたデジタルマーケティングに底通するのは「理念」「共感」「会話」だと川名部長は強調する。

無印良品の「理念」を発信し、それに「共感」してくれた人たちとつながっていく。そして、つながった人たちと「会話」をすることで関係を深めていくことを大切にしている。(川名部長)

商品に込めた理念を伝えるには「WHY」を説明することが必要

良品計画がネットやリアルで重視するのは「理念」の発信。商品を売るときは、価格や機能だけの説明だけでは終わらない。「なぜ無印良品がこの商品を作ったのか」「なぜこのような素材、形、機能なのか」を説明する。

そのスタンスは店頭やECサイトの商品説明文、オウンドメディアのコンテンツ、SNSに投稿する写真、店頭イベントなど、あらゆる取り組みで徹底しているという。

無印良品のパーソナリティに共感してもらい、共感から関係性が始まることが大切だと思っている。(川名部長)

WHY=売り手、企業の論理ではなく、生活者あるいは自然の論理に則って、生活の「基本」と「普遍」を示し続けたい。そのことが世界を豊かにすると信じています。
HOW=工業化により生産効率や販売効率に比重が置かれ、形によるはき心地の違いについては二の次になっていた靴下を、誕生の原点までさかのぼりリデザインしました。
WHAT=人間中心のデザインに作りなおしました。足なり直角靴下です。
商品を売るときは、「なぜ」を説明することを大切にしているという(スライドの図はサイモン・シネックの「ゴールデンサークル」)

川名部長は、商品に込めた理念を伝える説明の例として、かかとが直角の靴下「足なり直角靴下」を紹介するときの謳い文句をあげた。無印良品の靴下は、人間の足の形に自然にフィットする90度になっている。

売り手、企業の論理ではなく、生活者あるいは自然の論理に則って、生活の基本と普遍を示す。そのことが世界を豊かにすると信じています。工業科により、生産効率や販売効率に比重が置かれ、形による履き心地の違いが二の次になっていた靴下を、誕生の原点まで遡り、リデザインしました。人間中心のデザインに作り直した、足なり直角靴下です。(川名部長)

「足なり直角靴下」の紹介文の一部
足なり直角靴下」の紹介文の一部

無印良品の理念を伝える場は、SNSアカウントのほか、良品計画が運営するオウンドメディアも重要な役割を果たす。オウンドメディア「くらしの良品研究所」は無印良品のブランドや商品、生産者、そしてそこに関わるユーザーにまつわる出来事やストーリーを記事にして発信している。

良品計画が運営しているオウンドメディア「くらしの良品研究所」
良品計画が運営しているオウンドメディア「くらしの良品研究所」

広告よりも「顧客とのつながりそのもの」に投資する

無印良品は、理念を生活者に「共感」してもらうためにどのような取り組みをしているのだろうか。川名部長によると、現在は広告を介して消費者の購買行動を促すことが以前と比べて難しくなっていることから、広告以外のコミュニケーションを強化しているという。

ソーシャルメディアやオウンドメディアでの情報発信、あるいは、そこで行われるコミュニケーションそのものにしっかり投資することで、直接お客さまと会話ができる環境を作っている。(川名部長)

「くらしの良品研究所」の中に、商品に関する改善提案や新商品のアイデアを顧客から募集するコミュニティサイト「IDEA PARK」がある。アイデアを投稿した会員にMUJIマイルを付与することで会員の参加を促進。企業が一方的に情報を発信するのではなく、顧客を商品作りに巻き込んでいくスタンスだ。

無印良品の情報発信は、企業が自分たちのことを報道する「ブランド・ジャーナリズム」という考え方に基づく。「インターネットの時代になって、企業やブランド自身がメディアを持てるようになった。これからは自分たちのことを伝えることが今後もますます重要になっていく」(川名部長)と考えている。

アプリでユーザーの共感の度合いを把握

無印良品の理念に共感したユーザーを、どのように把握しているのか。その役割は「MUJI Passport」が担っている。

「MUJI Passport」はショッピングや会員カード、クーポン発行、店舗でのチェックイン、買い物履歴の登録、店頭在庫検索などの機能を提供。ユーザーは買い物やクチコミ投稿など、さまざまなサービスを利用することでMUJIマイル(ポイント)を貯めることができる。

店舗とECサイトの顧客情報を一元化し、良品計画は顧客一人ひとりの購買履歴、ECサイトの閲覧履歴や実店舗の来店履歴、オウンドメディアでのクチコミ投稿の履歴なども把握している。ユーザーがSNSアカウントとアプリを連携していれば、SNS上の活動まで追跡することが可能だ。

調査 選定 購入 受領 利用 保有 推奨
・来店
・商品チェック
・検索
・カタログ閲覧
・友人の評価取得
・ネットで購入
・店舗で受領
・問い合わせ
・コミュニティ参加
・検索
・カタログ閲覧
・友人の評価取得
・満足度のツィート
アプリ「MUJI Passport」やオウンドメディア、SNSを活用し、顧客の購入前後の行動まで追跡する

無印良品の理念に共感している消費者が、商品を購入するとは限らない。そのため、店舗のPOSデータやECサイトの購買データに基づく「買ったか買わなかったか」だけで消費者の共感の有無は判断していない。だからこそ、クチコミ投稿やユーザーのSNS上における活動までを把握できるようにしている。

買い物の前の情報収集やソーシャルメディアでの行動、クチコミの投稿など、購買の前後における行動も含めて、顧客のコンテキストを理解してコミュニケーションを行う必要がある。(川名部長)

共感してくれた顧客と「会話」する

共感してくれた顧客と関係を深めるため、「無印良品のファンと会話をしていく」(川名部長)という「顧客との会話」を持つのが基本スタンスだ。

「顧客との会話」とは、優れた店舗体験や商品体験の提供、アプリを通じたコミュニケーション、SNSアカウントの発信や交流、オウンドメディアで新商品のアイデアを投稿してもらうこと、店頭イベントなどのすべてを指す。

弊社がお客さまとコミュニケーションを行うときの考え方は、社員も一人の生活者として自分たちの理念や価値観ををお客さまに伝える。そして、その理念がお客さまの友人・知人に伝播していく。それを繰り返すことで多くの消費者とつながっていくことが大切だと考えている。(川名部長)

生活者
SNS
店舗体験
商品開発
アプリ
イベント
商品体験
コミュニティ
良品計画が顧客と向き合うときは、「企業と消費者」ではなく「生活者と生活者」という視点を大切にしている

エンゲージメントを測る「参加」という概念

川名部長は、SNSなどの投稿がどれだけ共感を生んだかを数値で図る仕組みも紹介した。コンテンツの効果を検証する際、リーチ数ではなく、「いいね!」の数やシェアの回数、コメントの件数、アプリのダウンロード数など、ユーザーとのエンゲージメントを指標としている。

ユーザーがアクションを起こすことを「参加」という概念で捉え、施策の結果として「参加」した生活者がどれだけ増えたかを重視しているという。

SNSユーザーが「いいね!」やシェアなどのアクションを起こすことを「参加」という概念で捉えている
SNSユーザーが「いいね!」やシェアなどのアクションを起こすことを「参加」という概念で捉えている

最後に川名部長は、良品計画がめざす顧客とのコミュニケーションについて次のように説明し、セミナーを締めくくった。

無印良品の理念に共感してもらい、理念によって顧客とつながり、つながった上で会話をしていく。こうした関係性は、デジタルの時代にはますます重要になっていくと思う。(川名部長)

会場風景
会場は超満員、多くの来場者が詰めかけた

渡部 和章

ライトプロ株式会社 代表取締役

渡部 和章(わたなべ・かずあき)

新聞社で約7年半、記者を務めた後、2015年に編集プロダクションのライトプロを設立して代表に就任。編集者兼ライターとしても活動中。

趣味は料理と漫画を読むこと。東京都在住。1983年生まれ。

渡部 和章

2017年12月公開の小川の記事4本(執筆1本&登場3本)

7 years 11ヶ月 ago
こんにちは。秘書です。 2017年12月に小川が執筆した記事や、小川が登場した記事をご紹介いたします。 ~ラインナップ~ KOBITブログ: KOBITのブログ記事を「6つの視点」で評価する 株式会社LIG: 【検証】LIGブログのコンバージョンは上がるのか。アクセス解析をKOBITと小川卓さんに依頼した結果(後編) MarkeZine Academyピックアップ[PR]: 使われるレポート、作れていますか? 改善案を議論できるレポートの作り方を学ぶ講座 Web担当者Forum: 未経験者4人で作るオウンドメディアで年間2万人を送客! コンテンツを収益につなげる方法とは? (※順不同) それで…

リピート客が増えるコンテンツマーケとは? ブランド価値を伝える5つのポイント | 海外のEC事情・戦略・マーケティング情報ウォッチ

7 years 11ヶ月 ago

ECサイトを利用する顧客にブランド価値を伝えるためにはどうすればいいのでしょうか? 顧客を理解し、どんなターゲット層にリーチしたいか考えることが重要です。そして、オンライン上に存在する消費者へ効果的にアプローチするコンテンツを作ることが求められます。

デザインと言えば、多くの人が“ビジュアル”を思い浮かべることでしょう。“ブランド”はビジュアル面だけではありません。人間と同じように、性格やストーリーを持っているのです。

そして、ブランドは外部との関係性の中で存在することを押さえておきましょう。人間関係と同様、その関係性の質は「どれだけ頼られているのか」「好感度の高さ」「信頼性の有無」にかかっています。物理的に手に入れることができるモノではなく、どれくらいの喜びを与えることができるのかによって消費者とブランドとの関係性は決まります

デジタルの世界では、ブランド独自のアイデンティティを伝える編集コンテンツによって、ブランドのメッセージを伝えることができます。そして、関わる全ての人にとって有益で、健全な長期にわたる消費者との関係性を築くことが可能になるのです。

顧客を理解すること

ブランドを保有する企業で働いていれば、お客さまは自社商品やサービスを買ってくれるだけの人ではないと気付いていることでしょう。お客さまは、ブランドの価値を伝える提唱者の役割も担っているのです。ソーシャルメディアでは提唱者のことを「フォロワー」と呼ぶことがありますが、お客さまは「フォロワー」以上の存在なのです。ブランドが存在できるのはお客さまのおかげなのです。

ラグジュアリー商品であれば、商品と同時に購入した消費者の感情の高ぶりも販売しているのです。ぜいたくな気持ちにさせてくれないような商品は、ラグジュアリーとは呼べません。

「ブランドは優れたストーリーを語らなければなりません」とよく言われるこの言葉には、長期にわたって「ブランドはどれだけ頼られているのか」「好感度は高いのか」「信頼性はあるのか」を示し続け、消費者が望むブランドになるという意味があるのです。

ブランドコミュニケーションの中で、編集アプローチと位置付けられるコンテンツマーケティングは、ブランド戦略の中でも最も重要な要素の1つです。

モバイルなどの電子機器を通じてオンラインと常につながっている現代において、人々はかつてないほど文字を読み、消費し、コンテンツをシェアします。このプロセスを理解し、誰が顧客なのかを見極め、どんな消費者にリーチしたいのかを考え、効果的にアプローチする編集コンテンツを作成するための計画が必要です。

ブランドイメージは消費者の中にある

自社が発信するメッセージはコントロールできますが、消費者がブランドに対してどういうイメージを抱くのか管理することは困難です。なぜなら、ブランドイメージは消費者の心の中にしか存在しないからです。

ブランド形成には多くの要素が関わっています。最終的に、消費者がブランドにどのようなイメージを抱くのかは、実際に商品やサービスを利用する時にかかっています。

わかりやすい例では、Wホテル(編注:米国を中心に展開するスターウッド・ホテル&リゾーツ・ワールドワイド系列のブティックホテル)への宿泊、NOWNESS(編注:LVMHが展開するデジタルマガジン)のビデオ閲覧、Lou&Grey(米国のアパレルブランド「LOFT」が展開するブランド)のセーターを着る時などにブランドイメージが形成されます。しかし、ブランドが伝えるコンテンツ、商品やサービスのプレゼンテーション、ブランドが語るストーリーによって、消費者が抱くイメージに影響を与えることは可能です。

ファッションブランドを見れば、セーターの販売だけではないということがよくわかるでしょう。ファッションブランドは、セーターに関するライフスタイルを販売しているのです。ラグジュアリー商品であれば、商品と同時に、消費者の感情の高ぶりも販売しているのです。気分が抑揚しない商品は、ラグジュラリーとは呼べません。ブランドのコンテンツは、その点に留意しなくてはいけないのです。

ストーリーを持つ

成功している編集コンテンツは、読者を惹きつけ、心を掴みます。そして、読者は商品購入だけにとどまらず、ブランドの良さを周囲に伝えたくなるのです。

クリックすれば各商品の詳細が閲覧でき、どこで購入できるかがわかるようなECの要素をコンテンツに入れてはいけない、ということではありません。常にユーザーを中心に考えなければならないということなのです。

その理由は、哲学的であるのと同時に、現実的なことなのです。品物を売り歩くだけのブランドは、やがて興味を持たれなくなり、最終的に失敗します。逆に、ファンを楽しませ、有益な情報を提供するブランドは、最終的には売り上げも伸びていくのです。

Lou & GreyのECサイト
このブランド(Lou & Grey)の特徴は、そのストーリー性です。ハンドメイドの高いクオリティと作り手にフォーカスし、スタイリングやレシピ、美しい写真を取り入れ、Lou&Greyのライフスタイルを表現するコンテンツを提供しています

読者がいる場所を見つける

デジタルの世界でどのようにメッセージを伝えるのかというコンテンツ戦略は、理想的にはデザインよりも先に決定されるべきです。出版業界と同様、ブランドもどのような内容で、どんなコンテンツを作り、誰にリーチするのかを考え、読者のニーズを把握し、それらをすべて反映した編集カレンダーを作る必要があります

また、読者がどこでコンテンツに接触しているのかを把握する必要があります。モバイルの台頭で、読者の行動はガラリと変わりました。多くのWebサイトがレスポンシブウェブデザインを採用し、掲載する企業情報、キャッチコピー、使用する画像は“モバイルファースト”で検討しています。同時に、大量のデータやコンテンツを消費するデスクトップユーザーに対する影響、TwitterやFacebookでシェアされた時にどのような影響があるのかも考慮しなければいけません。

親近感を持ってもらう

決まったスケジュールで、リアルなメッセージを発信することは、ブランドの信頼とロイヤリティを高める上で大変重要なことです。ソーシャルメディアはいつでもアクティブな状態のため、賢いブランド担当者は消費者が常に集まっている状況を把握し、メッセージを流すことができます。そして、そのブランドメッセージは、単純に投稿しているだけではありません。

編集コンテンツの提供頻度、リソースの余力、オリジナルで役に立つコンテンツの継続的な制作能力が必要だということは押さえておきましょう。頻度は1日1回でも1週間に1回でも構いません。しかし、重要なのは投稿する情報などの一貫性です。たとえば、Vogueの読者はいつ次号が発刊されるか知っていますし、どんなコンテンツが期待できるのかも理解しています。定期的に消費者とコミュニケーションを取れば、ファンを増やすことができる可能性が高いのです。

LVMHが展開するデジタルマガジン「Nowness」
LVMHが展開するデジタルマガジン「Nowness」では、多くのユーザーがビデオコンテンツに興味を持っていた。制作会社のSweden社は「Nowness」のサイトをリブランディングし、頻繁に動画を投稿するスタイルに変更。親近感を生み出しながらエンゲージメントの向上を推進しています

全てのブランドに当てはまる正解は存在しません。ただ、長い記事を掲載するブログを立ち上げる必要はありません。TumblrかPinterestを使ったアプローチが良いのか、それともブランド哲学をより的確に伝える動画の方が良いのか――人間と同じように、ブランドにもそれぞれ特徴があり、さまざまな形態や頻度、プラットフォームでメッセージを伝える必要があることを押さえておきましょう。

よく練られた編集デザインを通じて、ブランドの特徴を伝えることができれば、たった1度の購入で終わることのない、長期にわたる関係が顧客との間に築くことができるはずです。

Internet RETAILER

世界最大級のネット通販業界の専門誌「Internet Retailer」は、雑誌のほか、Web媒体、メールマガジンなどを運営。Vertical Web Media社が運営を手がけている。

Eコマースの戦略に関し、デイリーニュース、解説記事、研究記事、電子商取引におけるグローバルリーダーをランク付けする分析レポートなどを発行している。

Internet RETAILER

2017年のSEOを振り返る――最も読まれた記事は何? MFI? フレッド? PWA? ページスピード?

7 years 11ヶ月 ago

2018年に投稿した記事のなかからアクセス数(PV数)が多い順にトップ 10+1 を紹介する。最も読まれたのは、MFI? フレッドアップデート? PWA? 表示スピード?

- 2017年のSEOを振り返る――最も読まれた記事は何? MFI? フレッド? PWA? ページスピード? -

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Kenichi Suzuki

【最新】通販・EC企業の売上ランキングまとめ2018年版~300社合計売上は約6.7兆円 | 通販新聞ダイジェスト

7 years 11ヶ月 ago

通販新聞社が2017年12月に行った「第69回通販・通教売上高ランキング」調査によると、上位300社の合計売上高は6兆7131億円で、16年12月調査時と比べ7.7%増加した。伸び率は07年以降の過去10年間で14年に次ぐ2番目を記録。また上位200社の合計売上高も6兆円を超え、伸び率も上位300社と同じ7.7%増になっている。(※表は週刊通販新聞本紙で掲載した1~300位までの売上高ランキングの中から上位10位のみを掲載。11位~300位および、利益率・増収率ランキングなどは本紙のみに掲載しております。「通販新聞」の購読はこちらを覧下さい)

【最新】通販・EC売上ランキングまとめ2018年夏版~300社合計売上は約6.7兆円

上位300社の合計売上高は、前年同期の調査時(6兆2341億円)から金額ベースで4790億円の増加になった。ネット販売企業を中心に売り上げを伸ばしたほか、また前年同期調査に登場していなかった売上高の大きい企業も新たに加わったことが伸び率を引き上げる要因のひとつになっていると見られる。なお17年7月に実施した第68回調査の上位300社の売上高合計額と比較すると、2.0%の増加になる。

各社の数値は、17年7月の調査時に比べ大きな変動が見られない。決算期が2月、3月、12月などの企業が多いためで、7月の調査と今回12月の調査で調査対象期間が重なっているのが理由。企業数は多くないものの、17年6月から9月に前期決算期を迎えた企業に関しては売上高と営業利益の数値が変わっており、この分が今回の調査に反映されている。

【最新】通販・EC売上ランキングまとめ2018年 過去5年間の上位300社および200社の売上高推移

今回の調査での上位企業をみると、売上高が1000億円を超える最大手は12社となった。前年同期調査時より1社増え、新たにヨドバシカメラが加わったが、他の11社は同じ顔ぶれ。

売上高ランキングトップのアマゾンジャパンは17.6%増の1兆1768億円となった。2位と3位はいずれも主にBtoB通販をメインとするアスクルとミスミグループ本社が位置している。上位3社に関しては前年同期と同じランキング結果となった。

4位にはジャパネットホールディングスがランキングしている。前年同調査時まではジャパネットたかた単体での実績を掲載してきたが、前回の17年7月調査から通販以外の事業を含めたグループ全体の連結売上高の数値に変更している。売上高は11.5%増の1783億2700万円だった。同社を含め上位4社はいずれも増収を達成した。

5位以下の最大手企業ではジュピターショップチャンネルが2桁の増収となったほか、ベルーナやヨドバシカメラも好調な実績になった。

300~500億円未満の企業では、衣料品や家電製品を扱う企業の躍進が目立つ。ファッションサイト「ゾゾタウン」を運営するスタートトゥデイは40.4%増の763億9300万円で15位となり、今期は1000億円を見据えている。ランキング全体としての傾向も衣料品のネット販売企業の伸びが堅調となっている。

家電では31位のビックカメラが前年同期調査時に横ばいだったが、今回は2桁の増収になり、また35位のMOAも2桁の増収となっている。家電ではヨドバシカメラが群を抜くが、今後は量販店間の競争が激しくなりそうだ。

増収は半数未満に 前年の51%から47%へ

増収・減収の企業数

【最新】通販・EC売上ランキングまとめ2018年 増収・減収の企業数の占有率

今回の「通販・通教売上高ランキング」調査における「増収」の企業数は、上位300社のうち138社(前年同期調査153社)だった。全体に占める増収企業の割合は46%で、前年同期調査時の51%から低下し、半数割れとなった。

上位300社の合計売上高の伸び率が過去10年間で2番目を記録したものの、増収企業数は減少。この背景には2年前の同期調査時において14年4月の消費税増税を前にした駆け込み需要の反動から売り上げを大きく減らす企業が多かったものの、前年同期調査においては、その影響が薄らぎ増収を果たす企業が多かったことが予想できる。

今回の調査では大幅な増収を達成した企業が少なくないが、一方で減収に転じた企業も多くなっている企業によって明暗を分ける実績となっているようだ。

増収企業数を売上階層別に見ると、1000億円以上の企業12社では増収が8社、そのうち2桁増は3社になっている。

500億円以上1000億円未満の10社では半数の5社が増収。200億円以上500億円未満の37社では半数に満たない16社だけが増収になった。200億円以上の上位59社でみると、29社が増収となり、前年同期調査における58中44社と75%増収だった状況と大きく異なっている。

100億円以上200億円未満の売上階層の69社を見ると、増収は40社と半数を超えた。100億円未満の売上高の172社では、4割の70社が増収だった。

一方、上位300社のうち「減収」だったのは72社で、前年同時期調査時の60社を上回っている。減収企業数の全体に占める比率は24%(前年同期調査時20%)になった。

減収だった72社のうち2桁減は19社で例年並みの水準と言える。ただ、25%以上の減収率だった企業は前年同期調査時に皆無だったが、今回は4社で25%以上になった。

なお、上位300社のうち「横ばい」だったのは8社(前年同期調査10社)、「不明・算出できず」は82社(同77社)だった。

通販新聞

CSS Nite LP53「ワイヤーフレームとビジュアルデザインの間の暗くて深い闇」のフォローアップを公開します

7 years 11ヶ月 ago
CSS Nite実行委員会

2018年 広告マーケティング業界7つの予測

7 years 11ヶ月 ago

 年初に業界7つの予測を書くようになってかれこれ9年目だ。

今年2018年については、2020年代に起こるであろう広告マーケティングの劇的な構造変化を踏まえて、企業マーケターとして獲得すべきスキルを文末に定義しておこう。


予測その1 
『テレビ×デジタル』統合管理による動的アロケーションを実施する広告主が増える。

  ご存知のように、この4月から関東地区のテレビスポットの買い付け単位が「世帯GRP」から「個人全体GRP」に変更される。

  ベムは従来から「世帯GRPは取引通貨であって、マーケティングデータではない」と言い切ってきたが、この変更は方向感としては良いことではないかと思える。ただ、関東地区だけとか、今後個人視聴データが整っていないローカル局はどうするのか・・・など課題は多い。今後個人視聴データを基本とした買い付けが標準化すると、ベムが従前から提唱している「テレビの投下量もインプレッション数に換算して、デジタル動画と統合的に思考する」ことが普及していくだろう。

 このようにテレビとデジタル統合的に考えることがメジャーになるには、
①広告主側で別々のセクションで別々の目的で買い付けるのではなく、
②テレビとデジタルそれぞれに予算を固定化しない。
ということが求められる。

例えば、ブランドマネージャー側でテレビ2億、デジタル5千万と予算化したら、合計2億5千万をベストパフォーマンスになるように運用(配分)するのは宣伝部という案配だ。

 そもそもリアルタイムで競合ブランドのテレビ出稿やソーシャルからの消費者の評判、オウンドで観測されるスパイクなどをダッシュボード化できる今、事前にプランしたとおりにすべて執行する従来のやり方は早く脱却すべきである。予算化しないと始まらないものの、達成目標の設定がないまま予算消化が目的化することが多い。

 キャンペーンのKPI設定を徹底し、「目標達成を目指して運用する」ことが求められる。
そのためにも、キャンペーン予算の1割をどちらに使うか流動的にしておくなどの方法が考えられる。


予測 その2  AIスピーカー、AIカメラのマーケティング活用が始まる

  昨年末から普及が進むAIスピーカーだが、これらを無償で配る代わりにトレードオフにデータ収集を許諾してもらうモデルでのマーケティング活用が出てくるだろう。

 準備されているAIカメラでもよりこうした活用が広がると思う。
 例えばカメラであればペットの見守りサービスとトレードオフにテレビ視聴データを提供してもらうなどが考えられる。

 いずれにしても調査をパネルを謝礼で維持するモデルは旧態依然としている。出来るだけ多くのデータが集まってくるモデル開発にAIスピーカー、AIカメラが活用されるだろう。


予測 その3  競合ブランドの動きを観測するレーダー型ダッシュボード広まる

  マーケティングダッシュボードとは飛行機のコックピットにある計器類のようなものだ。だから表示される数値を「ふ~ん」と眺めているだけだと飛行機は墜落してしまう。そもそも計器類があるのはどう操縦するかを判断するためだ。マーケティングダッシュボードも同じで、「打ち手ありき」でデータが表示されていないといけない。

 ベムはリアルタイムダッシュボードが普及する一番の意味は、競合ブランドの動きが即時把握できるということだと思う。
 競合がテレビキャンペーンを打ってきた時、ソーシャル上に競合ブランド名がグンと盛り上がってきた時などをすぐにキャッチアップして、即時に対応策を打つことができることに価値がある。
 
 そういう利用法が今年は広まるだろう。


予測 その4 「正しいインプレッション」が定義され、実効性のあるアトリビューションが再興する。広告接触が正しく評価されるため正確な認知相関が把握される。

  昨年、ビューアビリティ、アドフラウド、ブランドセイフティについての問題が、ネット広告のクリティカルな側面として強く認識された。
  ネット広告にブランディング効果を担わせてきた米国市場だけでなく、日本でもこの3つの課題が論点化されてきたことは、日本でも本格的にデジタル広告のブランディング効果を期待されていることの裏返しでもある。
 長くCPAを効果指標としてきた日本のネット広告市場では、コンバージョンして初めて課金されるのだから、多少ビューアブルでない、あるいは人が見ていないインプレッションがあっても、あまり問題にしてこなかった面もあり、買う側の責任も少なくない。

 過去一時流行った「アトリビューション」も、実際には人の目に触れていないインプレッションもカウントしていたとすると全く間違った評価となってしまう。

 昨年はしっかり課題として認識された「これは正しいインプレッションか?」は、今年「正しいインプレッションを買う」手段が模索されるだろう。



予測 その5 テレビ視聴データの「売る側のデータ」から「買う側のデータ」の変換が進む。 ブランドが指値が出来る環境へ テレビスポット入札応札型取引きへの素地づくり始まる。

  昨年、年初予測に「テレビCM枠のオンライン入札の試み始動」と書いたが、これは
今年に持ち越した。
 そもそも有限な枠を販売するからには入札応札型の価格形成がもっとも合理的なはずだ。

テレビスポットはどんなパターンで投下しても、基本テレビ視聴者に万遍なく到達する。
よって、視聴時間の長い高齢層に若年層の何倍もの回数当たる。この買い方だとどうして
もいらない枠も一緒に買わされている。
パーコストが高くても効果的な枠だけ買う方がいいのだが、どこの枠がターゲット効
率や視聴質がいいのかのデータがないので、指値ができない。
 今はテレビCM枠を売る側のデータしかない。
買う側が指値ができるようになるための「買う側のデータ」が必要だが、そうした動きが
進んでいくだろう。

 つまり「売る側のデータ」から「買う側のデータ」への変換である。例えば、エリアご
との投下データも広告主の販社エリアごとに編集するなど、局単位が当たり前という発想
から脱却する時期だろう。


予測 その6 アマゾンエフェクトによる小売り激変現象が顕在化 従来の小売りデータや施策を前提にしたDMP構想はいったん破綻する

 小売りの現場のID-POSなどの購買データを連携して、施策を最適化しようという構
想は、データを扱うSIerなどに多くある。
 しかし、こうしたDMP構想が実現する前に、リアルな店舗販売時点でのマーケティング
施策の有効性はなくなってくるだろう。

 店舗に人を呼び、ものを売るビジネスは、根本的にその価値の転換を迫られるだろう。
百貨店は、昔は店舗に人を呼ぶのではなく外商していた。あらためて、サブスクライバー
ビジネスへの転換を余儀なくされる。
 もし眼鏡を専門に売るECビジネスがあり会員が20万人いるとすれば、まだ資金がある
百貨店はこれをひとり10万円でもいいので買収すべきだろう。店舗は売っぱらった方がい
い。
 こうしたサブスクライバーの縦のラインをいくつか買収して、横につないで新たなマー
チャンダイジングをしていくのが本来の「顧客ありき」の外商ビジネスのDNAである。
テナント事業という不動産業に転じた時点で百貨店ビジネスの崩壊が始まっていたといえ
る。
  「売りものありき」で不特定多数に売るビジネスから「会員が買ってくれるものやサ
―ビスを商品化」するのが百貨店のような小売り業の価値である。

 

予測 その7 スマホ動画へのユーザー反応に関する研究が進む

   スマホの動画コンテンツや動画広告にユーザーがどう接触していて、どんな反応をしているのかについての研究が進み、ユーザーの受容性が高く、ブランディング効果の高いスマホ広告のフォーマット開発のきっかけになるだろう。

  以前、ベムはスマホ広告(特に動画広告)の成長には、ユーザー受容性があり、広告効果の有効性も高い広告フォーマットが確立するまで、いったん踊り場に来ると予測した。これからテレビとの統合効果を求められる時代に、スマホでの広告フォーマットはもっと検証されるべきであり、その基礎データをつくるためのユーザー反応データが必要となるだろう。


最後に2020年代の広告マーケティングの構造変化に向けて

企業マーケターがすべきことをPOEで整理してみた。

Paid (買うべきもの)

  これは直接買うべきものと言ってもいいが
  ・良質なパブリッシャーのコンテンツ
  ・良質なパブリッシャーの掲載面
  ・プログラマティックオペレーション

Owned (所有すべきもの)

  ・広告配信先データ
  ・広告配信設計知見
  ・インハウストレーディングのオペレーション知見  自動入札への布石

Earned (得るべきもの)

   ・マス×デジタル統合のハンドリングスキル 
 ・ブランド視点からユーザー視点のデータマーケティングスキル
   ・パブリッシャー(メディアから優良なアフィリエーターまで)と
ダイレクトなやり取りをしてネイティブコンテンツ開発をするスキル


ベム

2018年 広告マーケティング業界7つの予測

7 years 11ヶ月 ago

 年初に業界7つの予測を書くようになってかれこれ9年目だ。

今年2018年については、2020年代に起こるであろう広告マーケティングの劇的な構造変化を踏まえて、企業マーケターとして獲得すべきスキルを文末に定義しておこう。


予測その1 
『テレビ×デジタル』統合管理による動的アロケーションを実施する広告主が増える。

  ご存知のように、この4月から関東地区のテレビスポットの買い付け単位が「世帯GRP」から「個人全体GRP」に変更される。

  ベムは従来から「世帯GRPは取引通貨であって、マーケティングデータではない」と言い切ってきたが、この変更は方向感としては良いことではないかと思える。ただ、関東地区だけとか、今後個人視聴データが整っていないローカル局はどうするのか・・・など課題は多い。今後個人視聴データを基本とした買い付けが標準化すると、ベムが従前から提唱している「テレビの投下量もインプレッション数に換算して、デジタル動画と統合的に思考する」ことが普及していくだろう。

 このようにテレビとデジタル統合的に考えることがメジャーになるには、
① 広告主側で別々のセクションで別々の目的で買い付けるのではなく、
② テレビとデジタルそれぞれに予算を固定化しない。
ということが求められる。

例えば、ブランドマネージャー側でテレビ2億、デジタル5千万と予算化したら、合計2億5千万をベストパフォーマンスになるように運用(配分)するのは宣伝部という案配だ。

 そもそもリアルタイムで競合ブランドのテレビ出稿やソーシャルからの消費者の評判、オウンドで観測されるスパイクなどをダッシュボード化できる今、事前にプランしたとおりにすべて執行する従来のやり方は早く脱却すべきである。予算化しないと始まらないものの、達成目標の設定がないまま予算消化が目的化することが多い。

 キャンペーンのKPI設定を徹底し、「目標達成を目指して運用する」ことが求められる。
そのためにも、キャンペーン予算の1割をどちらに使うか流動的にしておくなどの方法が考えられる。


予測 その2  AIスピーカー、AIカメラのマーケティング活用が始まる

  昨年末から普及が進むAIスピーカーだが、これらを無償で配る代わりにトレードオフにデータ収集を許諾してもらうモデルでのマーケティング活用が出てくるだろう。

 準備されているAIカメラでもよりこうした活用が広がると思う。
 例えばカメラであればペットの見守りサービスとトレードオフにテレビ視聴データを提供してもらうなどが考えられる。

 いずれにしても調査をパネルを謝礼で維持するモデルは旧態依然としている。出来るだけ多くのデータが集まってくるモデル開発にAIスピーカー、AIカメラが勝つよされるだろう。


予測 その3  競合ブランドの動きを観測するレーダー型ダッシュボード広まる

  マーケティングダッシュボードとは飛行機のコックピットにある計器類のようなものだ。だから表示される数値を「ふ~ん」と眺めているだけだと飛行機は墜落してしまう。そもそも計器類があるのはどう操縦するかを判断するためだ。マーケティングダッシュボードも同じで、「打ち手ありき」でデータが表示されていないといけない。

 ベムはリアルタイムダッシュボードが普及する一番の意味は、競合ブランドの動きが即時把握できるということだと思う。
 競合がテレビキャンペーンを打ってきた時、ソーシャル上に競合ブランド名がグンと盛り上がってきた時などをすぐにキャッチアップして、即時に対応策を打つことができることに価値がある。
 
 そういう利用法が今年は広まるだろう。


予測 その4 「正しいインプレッション」が定義され、実効性のあるアトリビューションが再興する。広告接触が正しく評価されるため正確な認知相関が把握される。

  昨年、ビューアビリティ、アドフラウド、ブランドセイフティについての問題が、ネット広告のクリティカルな側面として強く認識された。
  ネット広告にブランディング効果を担わせてきた米国市場だけでなく、日本でもこの3つの課題が論点化されてきたことは、日本でも本格的にデジタル広告のブランディング効果を期待されていることの裏返しでもある。
 長くCPAを効果指標としてきた日本のネット広告市場では、コンバージョンして初めて課金されるのだから、多少ビューアブルでない、あるいは人が見ていないインプレッションがあっても、あまり問題にしてこなかった面もあり、買う側の責任も少なくない。

 過去一時流行った「アトリビューション」も、実際には人の目に触れていないインプレッションもカウントしていたとすると全く間違った評価となってしまう。

 昨年はしっかり課題として認識された「これは正しいインプレッションか?」は、今年「正しいインプレッションを買う」手段が模索されるだろう。

予測 その5 テレビ視聴データの「売る側のデータ」から「買う側のデータ」の変換が進む。 ブランドが指値が出来る環境へ テレビスポット入札応札型取引きへの素地づくり始まる。

  昨年、年初予測に「テレビCM枠のオンライン入札の試み始動」と書いたが、これは
今年に持ち越した。
 そもそも有限な枠を販売するからには入札応札型の価格形成がもっとも合理的なはずだ。

テレビスポットはどんなパターンで投下しても、基本テレビ視聴者に万遍なく到達する。
よって、視聴時間の長い高齢層に若年層の何倍もの回数当たる。この買い方だとどうして
もいらない枠も一緒に買わされている。
パーコストが高くても効果的な枠だけ買う方がいいのだが、どこの枠がターゲット効
率や視聴質がいいのかのデータがないので、指値ができない。
 今はテレビCM枠を売る側のデータしかない。
買う側が指値ができるようになるための「買う側のデータ」が必要だが、そうした動きが
進んでいくだろう。

 つまり「売る側のデータ」から「買う側のデータ」への変換である。例えば、エリアご
との投下データも広告主の販社エリアごとに編集するなど、局単位が当たり前という発想
から脱却する時期だろう。


予測 その6 アマゾンエフェクトによる小売り激変現象が顕在化 従来の小売りデータや施策を前提にしたDMP構想はいったん破綻する

 小売りの現場のID-POSなどの購買データを連携して、施策を最適化しようという構
想は、データを扱うSIerなどに多くある。
 しかし、こうしたDMP構想が実現する前に、リアルな店舗販売時点でのマーケティング
施策の有効性はなくなってくるだろう。

 店舗に人を呼び、ものを売るビジネスは、根本的にその価値の転換を迫られるだろう。
百貨店は、昔は店舗に人を呼ぶのではなく外商していた。あらためて、サブスクライバー
ビジネスへの転換を余儀なくされる。
 もし眼鏡を専門に売るECビジネスがあり会員が20万人いるとすれば、まだ資金がある
百貨店はこれをひとり10万円でもいいので買収すべきだろう。店舗は売っぱらった方がい
い。
 こうしたサブスクライバーの縦のラインをいくつか買収して、横につないで新たなマー
チャンダイジングをしていくのが本来の「顧客ありき」の外商ビジネスのDNAである。
テナント事業という不動産業に転じた時点で百貨店ビジネスの崩壊が始まっていたといえ
る。
  「売りものありき」で不特定多数に売るビジネスから「会員が買ってくれるものやサ
―ビスを商品化」するのが百貨店のような小売り業の価値である。

 

予測 その7 スマホ動画へのユーザー反応に関する研究が進む

   スマホの動画コンテンツや動画広告にユーザーがどう接触していて、どんな反応をしているのかについての研究が進み、ユーザーの受容性が高く、ブランディング効果の高いスマホ広告のフォーマット開発のきっかけになるだろう。

  以前、ベムはスマホ広告(特に動画広告)の成長には、ユーザー受容性があり、広告効果の有効性も高い広告フォーマットが確立するまで、いったん踊り場に来ると予測した。これからテレビとの統合効果を求められる時代に、スマホでの広告フォーマットはもっと検証されるべきであり、その基礎データをつくるためのユーザー反応データが必要となるだろう。


最後に2020年代の広告マーケティングの構造変化に向けて

企業マーケターがすべきことをPOEで整理してみた。

Paid (買うべきもの)

  これは直接買うべきものと言ってもいいが
  ・良質なパブリッシャーのコンテンツ
  ・良質なパブリッシャーの掲載面
  ・プログラマティックオペレーション

Owned (所有すべきもの)

  ・広告配信先データ
  ・広告配信設計知見
  ・インハウストレーディングのオペレーション知見  自動入札への布石

Earned (得るべきもの)

   ・マス×デジタル統合のハンドリングスキル 
 ・ブランド視点からユーザー視点のデータマーケティングスキル
   ・パブリッシャー(メディアから優良なアフィリエーターまで)と
ダイレクトなやり取りをしてネイティブコンテンツ開発をするスキル

2017年の振り返りと2018年の抱負

7 years 11ヶ月 ago

毎年大晦日の夜に書いている一年の振り返りと翌年の抱負。今年はまったり酔っ払っちゃったので本日元旦に一年の計を。

まずは2017年の振り返りを簡潔に。


[2017年の振り返り]

1. 仕事編


(1)熱狂ブランド戦略の普及啓蒙を加速させる


7割達成。
セミナーもたくさんやったし、クライアントも増えたけど、まだまだ十分とは言えない。
戦後70年続いたマーケティングパラダイムが変わったことをもっと強く啓蒙していく。


(2)趣味メディアFunmee!!のファンを増やす


3割達成。
2016年12月から始まった、本気で遊ぶ大人の趣味マガジンFunmee!!
夏には枻出版社からジャック・タカハシ編集長を招聘し、編集体制を強化。
iOSアプリもリリースして、12月には趣味ログアプリに大幅にリニューアルすることもできた。
でも、目標は日本の国民総幸福量の向上。
まだまだまだまだ足りない。2018年、本当に本当に頑張る。


(3)次の10年を描く成長戦略基盤をつくる


未達。
2017年、トライバルメディアハウスはおかげさまで10周年を迎えることができました(あざます!)
ということで、次の10年の成長基盤をつくろうと動いてたんですが、ちょっと間に合わなかった……。
2018年、やる。まじでやる。


2. 個人編


(1)本格的なDIYに取り組む


達成。
というか、2017年はこれしかやってなかったような……。
みんなに手伝ってもらったおかげで、無事鎌倉移住を果たすことができました。
鎌倉最高す!

[連載]のん太の鎌倉移住録


(2)上高地・涸沢カールからの奥穂高登頂と、下ノ廊下踏破


未達。
数ヶ月前から一週間休みを取って準備していたのに、どちらも天候不順で行くことができず。
でも、

#02 1/14 筑波山
#03 2/12 陣馬山~景信山~高尾山の縦走
#04 3/19~20 大菩薩嶺
#05 4/30 塔ノ岳~丹沢山
#06 6/5 編笠山
#07 9/8~9/9 雲取山

と、6個登れたから良しとする。


(3)海釣りからの三枚おろしからの男料理にチャレンジ


未達。
気分が釣モードにならなかった……。2018年に持ち越し!


(4)四万十川サバイバル下り


達成。
4泊5日じゃなく、2泊3日になっちゃったけど、十分すぎるほど楽しめた。
電気もガスも水道も風呂もトイレも無い冒険、最高でした!
Funmee!!で四万十川下りのプレゼントキャンペーンやってるから、みんなもぜひ!


[2018年の抱負]

1. 仕事編


(1)選択と集中後の総力戦

10年の歴史とともに事業ポートフォリオがだいぶ動いてきているので、再度これからの10年を見越した選択と集中を行う。そして、いろいろと組織構造に試行錯誤してきたけれど、2018年はALLトライバルとしての総力戦が展開できるシンプルな体制で勝負して、事業計画を達成する。


(2)Funmee!!をシュミジンの必須ツールに!

「本気で遊ぶ大人の趣味マガジン」から「毎日がもっと楽しくなる趣味ログアプリ」にリニューアルしたFunmee!!。まだまだPhase1だけど、ようやく当初から実現したかった世界が形になった。あとは多くの人に使ってもらい、シアワセになってもらうだけ。ユーザーグロース、ユーザーハッピネス!本格的なマネタイズは2019年度から♡


(3)次の10年を描く成長戦略基盤をつくる

これは2017年と同じ。2018年度中に皆さんにご報告できるよう頑張ります。


2. 個人編


(1)[宣言]浮世離れ休暇を取る

トライバルメディアハウスには、5年勤務すると、1ヶ月の連続休暇を取ることができる「浮世離れ休暇制度」というものがあります。僕は当然勤続10年。まだ数人しか取得していないので、ここは率先垂範。社長自らが手本を見せる!ということで、5月のGW明けから引き続き1ヶ月間の浮世離れ休暇を取得します!皆さまよろしくお願い致しますm(_ _)m


(2)大量のいつかを叶える

Funmee!!の #いつか撲滅運動 に登録した2018年の抱負がこんなに……。

・写真うまくなる(SONY α買う)
・ロードバイク始める
・海釣り始めて、魚を三枚におろせるようになる
・SUP始める
・ガレージつくってオトナの秘密基地にする
・ガレージの中に書斎をつくる
・庭でカレー屋さんを開店する
・ピザ窯DIYする
・紅葉の涸沢カールにテン泊登山行く
・100人キャンプイベントを主催する
・ボクシング復活させて7kg痩せる
・ピアノでMusic For a Found Harmoniumを弾けるようになる

これに加えて、サーフィン復活、定期的な登山、キャンプ、、、笑。



===

ということで最後に2018年の活動コンセプト…は、2016~2017年とまったく同じ。

人の二倍働き、人の二倍遊ぶ。全てが仕事で、全てが遊び。
遊ぶように仕事をし、仕事をするように遊ぶ。
仕事も遊びも、平日も週末も、ライフワークミックスで人生まるごと楽しみつくす。
そして今年から2020年までの3年間は、さらなる熱狂の渦中で生きる。

皆さん、2018年もよろしくお願い致します( `・∀・´)ノ

池田紀行

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