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[2018]最新のソーシャルログイン利用状況、最も多く利用されたのはYahoo!ログイン

8 years ago

フィードフォースが実施したソーシャルログイン利用状況調査によると、最も多く利用されたソーシャルログインは「Yahoo!JAPANログイン」だった。

Webサイトにソーシャルログイン機能を実装するASPサービス「ソーシャルPLUS」の導入企業において、Facebook、Twitter、LINE、Yahoo!JAPAN、Google+のいずれかのソーシャルログインを実装している全サイトを対象に、2017年2月~2018年1月におけるソーシャルログインの利用状況を調査した。

その結果、Yahoo! JAPANのアカウントの割合が32.5%で最多。続いてLINEが27.1%、Facebookは20.3%、Twitterは11.9%、Google+が8.2%。

ソーシャルログイン 利用アカウントの割合(フィードフォース調査)

LINEログインの割合は2016年10月調査の11.2%と比較して2.4倍に拡大している。

ソーシャルログインの利用デバイスはモバイルが82.6%、パソコンが17.4%。

ソーシャルログイン 利用デバイスの割合(フィードフォース調査)

パソコンではYahoo!JAPANアカウントの利用割合が52.1%と半分以上を占めている。一方、モバイルではLINEログインが32.2%で最も多い。

PCにおけるソーシャルログイン 利用アカウントの割合(フィードフォース調査)

モバイルにおけるソーシャルログイン 利用アカウントの割合(フィードフォース調査)

5種類のソーシャルログインをすべて実装しているサイトに限定し、2017年12月~2018年1月の2か月間におけるソーシャルログインの利用状況を調査した結果は、LINEが52.3%、Yahoo!JAPANは24.3%、Facebookは10.6%、Google+は6.9%、Twitterは5.9%だった。

全ソーシャルログイン実装サイトにおける利用アカウントの割合(フィードフォース調査)

フォードフォースの公式サイトによると、「ソーシャルPLUS」の導入実績は100社を超えている。

渡部 和章

ライトプロ株式会社 代表取締役

渡部 和章(わたなべ・かずあき)

新聞社で約7年半、記者を務めた後、2015年に編集プロダクションのライトプロを設立して代表に就任。編集者兼ライターとしても活動中。

趣味は料理と漫画を読むこと。東京都在住。1983年生まれ。

渡部 和章

イーベイが買収する「ジオシス」「Qoo10」はどんな会社? 事業の規模は?

8 years ago

約190か国でECを展開するeBay Inc.(イーベイ)は2月28日、ECモール「Qoo10」を運営するジオシスの日本事業を買収すると発表した。「Qoo10」の取得で日本事業を強化する。

ジオシスは現在、日本、インドネシア、マレーシア、中国などに現地法人を持ち、各国で「Qoo10」を運営している。イーベイは日本事業の買収に伴い、日本以外でのジオシスグループの持ち分を放棄するという。

日本事業の買収は2018年第2四半期(4~6月期)に完了する予定。ジオシスの日本事業やイーベイの日本における事業は、ジュマン・パーク(Jooman Park)eBayアジア太平洋地域シニア・バイス・プレジデントが統括する。

eBay Inc.のCEOであるデビン・ウェニグ(Devin Wenig)は次のようにコメントしている。

ジオシスの日本事業の買収により、世界最大規模の電子商取引市場である日本においてイーベイの拠点を大幅に拡大することができます。また、「Qoo10.jp」のプラットフォームと手を組むことで、今後成長する新しいユーザー層へのサービス提供が可能となるだけでなく、モバイルデバイスが広く浸透しており、電子商取引に大きな可能性のあるダイナミックな市場である日本において、eBayのサービスの浸透、プレゼンス拡大を図って参ります。

「Qoo10」を運営するジオシスとは?

「Qoo10」(日本事業)はファッションや化粧品、食品、家電、雑貨、日用品、チケットなどを販売している総合ECサイト。ジオシスによると会員数は2017年末時点で960万人、月間ページビュー数は3億4000万PV、出品数は1140万点。

「Qoo10」の2017年末時点における主な数値

「Qoo10」の2017年末時点における実績値

2017年(1~12月)における流通額は前年比40%以上増加したという。人気が高いレディースファッションやコスメのカテゴリーに加え、フード(食品)やデジタル(家電、ゲーム、スマホ関連など)、メンズファッションなどのプロモーションを強化したことが流通総額の増加に寄与した。フードカテゴリーの流通額は前年比2倍、デジタルカテゴリーは同1.5倍に増えたとしている。

「Qoo10」の2017年末時点における男女構成比

デジタル強化などで男性会員も増えているという

アクセスデバイスの比率はモバイル・アプリ経由が83%。モールの出店者数は1万1000店。

ジオシスグループは2010年6月、eBayとのジョイントベンチャーとして設立された。本社はシンガポール。現在は日本、インドネシア、マレーシア、中国などに現地法人を持ち、各国で「Qoo10」を運営している。

各国「Qoo10」の連携スキーム
各国「Qoo10」がグローバルで連携

2015年7月にはイーベイやシンガポールの大手メディアグループから総額約8200万米ドルを調達。増資前の資本金は1億2500万ドルで、eBayが49%、グループ代表のグ・ヨンベ氏を含む関連会社が51%を出資していた。

イーベイは日本事業の買収に伴い、日本以外でのジオシスグループの持ち分を放棄する。

渡部 和章

ライトプロ株式会社 代表取締役

渡部 和章(わたなべ・かずあき)

新聞社で約7年半、記者を務めた後、2015年に編集プロダクションのライトプロを設立して代表に就任。編集者兼ライターとしても活動中。

趣味は料理と漫画を読むこと。東京都在住。1983年生まれ。

渡部 和章

プライム会員のCVRは70%以上! 商品検索エンジンと化したアマゾンで露出を増やす方法 | 海外のEC事情・戦略・マーケティング情報ウォッチ

8 years ago

消費者はもちろん、ビジネスで必要な商品を購入する際、企業もAmazon(アマゾン)やAmazon Business(アマゾンビジネス)で商品検索を始めることが増えています。このような状況を踏まえ、アマゾンの検索結果で一番に掲載される方法を学びましょう。

アマゾンが商品検索の覇権を握る

2000年初頭、ネット検索はGoole(グーグル)から始まりました。工業用のファスナーから電動工具、新しい靴、バンドの曲の歌詞、ボツワナの経済システムに関する学術論文に至るまで、まずはグーグルで検索していました。今もなお、多くのユーザーはグーグルで検索すると言っても良いでしょう。グーグルは世界の検索市場の80%以上のシェアを占めているからです。

しかし、2017年初頭、消費者が商品検索を行うサイトとして、アマゾンがトップに躍り出ました。2017年初めにRaymond James社が発表した調査結果によると、消費者の52%が最初にアマゾンで商品検索を行うと答えたのです。

Amazon、その他検索エンジン、その他の小売サイト、その他、eBayで何を一番利用するか――Raymond James社の調査

オンラインで商品を検索するときにどこから始めるか(n=587)
Raymond James社のデータをもとに編集部で作成)

市場調査などを行うSurvatac社が2017年12月に発表した調査結果では、最初にアマゾンで商品検索をする人は49%、他の検索エンジンを利用する人が36%という結果でした。少し数字が異なるものの、アマゾンが商品検索で大きなシェアを握っている事実に変わりありませんでした。

Survatac社の調査――最初にアマゾンで商品検索をする人は49%、他の検索エンジンを利用する人が36%
消費者が商品検索を開始する場所(Survata blogのデータをもとに編集部で作成)

Amazonに商品掲載しないと機会損失のリスクが生まれる?

商品の検索エンジンとして、アマゾンがグーグルに取って代わった今、この事実はBtoBやBtoCのどんなビジネスに関しても、製造業、販売業者、小売事業者、ブランドは、アマゾンに商品を掲載しないことで販売機会の損失リスクが生まれるという事実を理解しなくてはいけません。

SEO対策や有料の検索広告を使い、ECサイトやWebサイトへの流入を促して商品を見てもらう"伝統的な"インターネットマーケティングの効果は薄らいでいます

もちろん、きちんとブランディングされたECサイトはまだ有効でしょう。また消費者の印象に残るカスタマーエクスペリエンスを提供できるのも事実です。しかし、グーグルは、商品を見つけ、購入につながる"場"ではなくなっているのです。

多くのオンライン通販事業者は、まだこの流れに気付いていませんほとんどの企業はいまだにデジタルマーケティング予算の大半を、「伝統的な」検索エンジンマーケティングに割り振っています。消費者がチェックしている場所、すなわちアマゾンへ広告予算をシフトしている企業は、先行者利益を得ることができるのです。

アマゾンは、通常のECサイトのコンバージョン率をはるかに上回っており、購入につながるECサイトとしても魅力的です。Webサイトのトラフィックを計測するMillward Brown Digital社の調査によると、米国のEC売上上位500サイトの平均コンバージョン率(CVR)は3.32%でした。一方、アマゾンのCVRは非プライム会員で13%プライム会員は驚異の74%という数字なのです。

これらの素晴らしい数字は、驚くに値しません。なぜなら、アマゾンを訪ずれるユーザーの購買意欲は、非常に高いからです。

米国上位500サイト平均	3.32アマゾン(非プライム会員)	13アマゾン(プライム会員)	74
Amazonの主なCVR(Millward Brown Digital社の調査結果をもとに編集部で作成)

アマゾン内での露出を高める4つのポイント

アマゾンで成功するにはどうしたら良いのでしょうか? 幸運にも、アマゾンの販売者向けマーケティングツールは、他のオンラインマーケティングツールに似ています(グーグルのツールほど質は高くりませんが、年々、近づいています)。

次の4点が、アマゾンで成功するためのポイントです。リソースや広告予算をつぎ込む必要があるものもあります。しかし、考えてみてください。新しいお客を獲得して、CVRが4倍も高くなるなら、やってみる価値はあると思いませんか?

① 商品データ作りに投資する

デジタルマーケティングマネージャーらは、詳細な商品データを作るために多くの時間とエネルギー、予算をつぎ込んできました。

それらのデータはアマゾンのシステムと親和性が高いため、問題なく利用できます。アマゾンはデータ主義の企業ですから、質の良いデータを持つ商品はアマゾンでも優遇されます

商品写真、キャッチコピー、商品詳細だけを掲載している商品ページを数多く掲載したところで、上手くはいきません。それだけでは不十分なのです。

アマゾンに掲載する商品は、商品の利点がわかりやすくまとまったキャッチコピー、詳細な商品説明、サイズや重さなどのデータ、5~7枚の商品画像、加えて、できれば動画を最低1本は準備する必要があります。商品知識が豊富で、質の高い動画や写真を準備できるスタッフも必要になります。

長年、EC業界に携わってきて1つ言えるのは、質の良い画像が使われている商品は売れるということです。これはアマゾンでも例外ではありません。今まで、アマゾン以外のチャネルで利用していた素材を使えば良いのです。

アマゾンは質の高い商品ページを作る「A+」(編注:アマゾンのランディングページ用最適化サービス。日本では2015年に「商品紹介コンテンツ」機能としてリリースされている。詳細はこちら)を提供しているので、それをまず使ってください。

② カスタマーとのエンゲージメントにリソースを割く

アマゾンはただのECサイトなのでしょうか? いいえ、そうではありません。販売者が密接に消費者と関わることができるプラットフォームなのです。

販売や最適化のプロセスに関われば関わるほど、アマゾンの検索で上位に表示されるようになります。上位に表示されるには、次のことを試してください。

ポジティブな商品レビューを増やす

アマゾンの検索はレビューの数と内容に比重を置いています。商品に満足してくれた顧客がレビューを書いてくれる仕掛けを作り、検索結果を向上させましょう。マーケットプレイスには、「アーリーレビュープログラム」など、レビュー促進のためのツールが用意されています(編注:日本では、予約商品や新商品サンプルを提供し、意見や感想をレビューとして投稿してもらう招待制プログラム「Amazon Vine 先取りプログラム」がある)。より簡単に早くレビューを集められるようになっています。

全てのフィードバックに迅速に対応する

迅速に質の高い回答をできるかが大変重要です。販売者ランキングにも影響し、引いては検索結果にも関わります。アマゾンは回答期限に厳しいルールを設けている(編注:詳しくはこちら)ため、ランキングを維持するためにはそれに準ずる必要があります。

競合を監視し、コンテンツをテストする

自社ページと他社ページを比較し、キャッチコピーや商品詳細の文章の変更がコンバージョンにどのくらい影響するかテストしてみましょう。最上級の表現を臆さずに使いましょう(もちろん、アマゾンのガイドラインに抵触しない範囲で。編注:Amazonマーケットプライス出品規約はこちら)。

価格をチェックすることも重要です。特に、製造業者やブランドは、再販業者がアマゾン内での販売価格を大幅に引き下げていないか確認しましょう(アマゾン自体が販売価格を引き下げていることもあります)。

ブランドページを作る

アマゾンのマーケットプレイス内では、ブランドにふさわしいカスタマーエクスペリエンスが提供できるよう、ブランドページを作成することができます(編注:Amazonの「ブランド登録」はこちら)。

ブランドページの利点は明らかです。売り上げが伸びれば、アマゾンからも認められ、多くの特典を得ることができます。売り上げが大きくなれば、「ストラテジックセラー」(戦略的販売者)のステータスが与えられる可能性があります(編注:たとえば、米国では「アマゾンチョイス」<Amazon's Choice badge>という、一般的な日常的なアイテムを探すときに時間と労力を節約できるようにする機能がある。Amazon Alexa対応デバイス向けの機能で、特定の基準を満たす製品をAmazonが認定するもの)。ブランドページの好例として、GE Lighting社やB2BでビジエンスをしているFluke Multimeters社のページを参照してください。

「Amazon's Choice」獲得商品の例
Amazon.comで「Amazon's Choice」を獲得している商品(画像は編集部がキャプチャ)

③ アマゾンが提供するマーケティングツールを利用する

アマゾンは商品の露出を高めるために、有料のツールをいくつか提供しています。アマゾンに掲載されている何百万の商品の中で露出するには、これらのツールを使いこなすことはとても重要です。新しい販売事業者がアマゾンで販売を始める際にも役立ちます。

スポンサードプロダクト(有料検索)は、グーグルのアドワーズと同様に、好きなキーワードを購入し、ユーザーが関連したキーワードで検索した際に露出することができます。レビュー促進にもつながります。そうなれば、最終的には自然検索でも上位に食い込めるようになるでしょう。さらに、アマゾンは広告の投資効果を高めるため、データアナリティクスも提供しています。

スポンサードプロダクト広告のイメージ
スポンサードプロダクト広告のイメージ(画像はAMSの資料から編集部がキャプチャ)

ヘッドライン検索広告(バナー広告)も、キーワードをベースにしています。検索結果の一番上に、他の数点の商品と一緒に表示されます。ヘッドライン検索広告は、アマゾン内の特定のページにリンクを貼ることもできるため、高い効果が期待できます。

ヘッドライン検索広告のイメージ
ヘッドライン検索広告のイメージ(画像はAMSの資料から編集部がキャプチャ)

商品ディスプレイ広告は、購入に近づいた時に表示される広告で、アマゾンの商品ページ内に表示されます。よりターゲットされた購入意欲の高い訪問者に広告が表示されるため、費用対効果が高くなります。

商品ディスプレイ広告のイメー
商品ディスプレイ広告のイメージ(画像はAMSの資料から編集部がキャプチャ)

リターゲティングは、アマゾン内のストアだけでなく、自社サイトへの流入も促してくれるディスプレイ広告を提供しています。

これらのツールを利用するには、綿密に練った戦略と、経験豊富な実行部隊を持つことが重要です(従来のグーグルの検索マーケティングプログラムと同様です)。アマゾンの広告の良い点は、ブランドに関係のない特定キーワードを使っても、アマゾンなら高いROAS(広告費用対効果)が期待できることです(10年前のグーグルと同じです)。

④ フルフィルメントに問題がないか確認する

マーケットプレイスを活用する販売者向けに、フルフィルメントの選択肢が複数用意されています。販売者によるフルフィルメント(販売者が直接購入者に発送)、フルフィルメント by アマゾン(FBA、販売者がアマゾンに商品を納品し、アマゾンが購入者に発送する)などです。

フルフィルメントのシステムを問題なくスムーズにしておく理由は2つあります。1つ目は、商品が予定通りに到着し、中身が正しければ、商品や企業に対するレビューが良くなることが多いからです。

2つ目は、アマゾンのプライム会員への露出が増えれば、より見つけてもらい、買ってもらえる可能性が高まるからです。プライム向けの商品になるためには、アマゾンに直接商品を販売するか(マージンを失い、販売価格や商品紹介方法における決定権を失うため、ベストな方法ではありません)、FBAを利用する方法があります。

プライム会員のコンバージョン率は74%で、2017年には推定約7000万人の会員数だったことを考えると、逃したくないターゲットなのではないでしょうか?

◇◇◇

アマゾン内でのプレゼンスを高めることで、販売事業者は多くの利益を得るでしょう。アマゾンは消費者が最初に商品検索を行う場所なのです。

アマゾンというECの巨人を無視すれば、ビジネスのリスクが高まります。たとえアマゾンが競合だとしても、アマゾン対策が必要なのです。マーケトップレイスでどれだけ売れるのかを認識するためにも、アマゾンでの販売を検討することも視野に入れましょう。

Internet RETAILER

世界最大級のネット通販業界の専門誌「Internet Retailer」は、雑誌のほか、Web媒体、メールマガジンなどを運営。Vertical Web Media社が運営を手がけている。

Eコマースの戦略に関し、デイリーニュース、解説記事、研究記事、電子商取引におけるグローバルリーダーをランク付けする分析レポートなどを発行している。

Internet RETAILER

Jフロントから自社株を買い戻す千趣会。大手小売とのシナジーは難しかった?

8 years ago

総合通販大手の千趣会は2月26日、政府系投資ファンド「地域中核企業活性化投資事業有限責任組合」を割当先とした第三者割当増資を実施し、70億円を調達すると発表。また、筆頭株主であるJ.フロントリテイリング(JFR)から、一定の条件下で75億円を上限に自己株式を買い戻す。

千趣会とJFRは2015年4月に資本業務提携を結んだ。JFRが千趣会に約75億円を出資し、その資金を①オムニチャネル戦略推進に向けたシステム投資(30億円)、②相互販売に伴う出荷量の増加に対応するためのインフラ整備(30億円)、③新ブランド展開における都市部での旗艦店開発、新規 PB商品の共同開発・共同仕入の資金(残額)――に使うとしていた。

ただ、業務提携施策の具体化は遅れており、 現時点で資金の充当額は約8億3000万円にとどまっている。

千趣会とJFRはこれまで築き上げてきた良好な関係を今後も維持し、業務提携の継続を含めて検討していくとしている。

業務提携におけるこれまでの実施状況

  • オムニチャネル販売を推進・拡大するためのベースとなるシステムの開発及びインフラ整備など(3億8500万円)
  • 大丸松坂屋百貨店Webのリニューアルオープン支援、物流受託(美濃加茂商品センタ ー)体制の構築、撮影スタジオ新設(9000万円)
  • 大丸松坂屋百貨店へのベルメゾンブランド店舗出店、ベルメゾン新型店舗の出店(3億5500万円)

新中期経営計画を実現するためファンドから出資受け入れ

千趣会は業績低迷を受け、事業戦略の変革や赤字体質からの脱却などを盛り込んだ「千趣会グループ中期経営計画 2018~2020」(新中期経営計画)を2017年10月に公表。

新中期経営計画を確実に実行するには、「地域中核企業活性化投資事業有限責任組合」から出資を受け、JFRの持分法適用関連会社から外れることが望ましいと判断した。

JFRは千趣会の発行済株式の22.62%を保有している。千趣会は一定の条件が整った後、75億円を上限に自社株を買い戻す。買い戻す時期や手法、取得価格、取得株式数などは現時点では未定。 

千趣会の2017年12月期における通販事業の売上高は、前期比5.0%減の1012億7900万円た。カタログ発行部数を約4割減らしたことなどから売り上げが落ち込んだ。通販事業の営業利益は57億700万円の赤字(前期は2億4000万円の赤字)。

千趣会の通販事業ジャンル別売上

通販事業ジャンル別売上(画像はIR資料を編集部がキャプチャ)

近年はEC強化を掲げ、カタログを主軸とする通販からEC主体へと事業構造の転換を図っている。前期はカタログの配布先を見直し、カタログの休刊や統合に伴い発行部数は前年同期比37.5%減の4740万部。カタログ発行部数を大幅に削減したことによる減収を、オンライン施策で補えなかった。

千趣会の通販事業の概況

通販事業の概況(画像はIR資料を編集部がキャプチャ)

セブン&アイ傘下のニッセンとの共通点

千趣会がカタログ通販の構造改革に苦戦する様子は、セブン&アイホールディングス傘下で事業再建を進めているニッセンとの共通点も見えてくる。

ニッセンは2015年度にカタログの発行頻度の絞り込みや、カタログの薄型化などを実施。無料カタログやテストカタログ(受注予測を行う目的で本番カタログの3か月前に発行するテストカタログ)も縮小した。

ニッセンの業績不振を招いた「価格訴求」なぜお客は離れたのか?⑤
ニッセンが2015年度に発行したカタログについて

ただ、経営資源を集中するために実施したカタログ通販の縮小は、カタログを手に取る既存顧客の購入回数や購入単価の減少、新規顧客の獲得減を招いた。「カタログを見てスマホで注文」「PCとスマホ、カタログを併用」など、オムニチャネル的な買い物、マルチデバイスで注文する消費者も多いため、カタログ縮小は売上減少につながってしまう。

ニッセンの業績不振の要因はカタログ縮小のためだけではないが、2015年度は前年度比で200億円強も売り上げが落ち込んだ。

千趣会の今後は?

千趣会は2018年12月期、ベルメゾン事業(通販事業)の売上高を減少させつつ、徹底的なコストダウンを行うことで赤字体質からの脱却をめざす。

その上で「専門性のある商品を提供すること」「専門店単位でビジネスモデルを構築すること」「専門店単位で事業管理すること」による専門店集積型事業への変革を図る。

専門店化による通販事業の再拡大、通販とブライダル事業など複数の事業間における相互送客などに取り組み、2019年12月期以降の再成長を図る。

千趣会の今後の全体戦略

千趣会の全体戦略

「地域中核企業活性化投資事業有限責任組合」から調達した資金は、「ベルメゾン事業の専門店化構想を支えるECプラットフォーム構築などに係るシステム投資 」に35億円、「ブライダル事業、子育て支援事業の拡大、通信販売事業とのシナジー創出に向けた新規投資 」に35億円を充当する。

渡部 和章

ライトプロ株式会社 代表取締役

渡部 和章(わたなべ・かずあき)

新聞社で約7年半、記者を務めた後、2015年に編集プロダクションのライトプロを設立して代表に就任。編集者兼ライターとしても活動中。

趣味は料理と漫画を読むこと。東京都在住。1983年生まれ。

渡部 和章

Googleが「モバイルスコアカード」と「インパクトカリキュレータ」をリリース:モバイルページスピードの重要性を強調

8 years ago
GoogleはMWC(モバイル・ワールド・コングレス)で新しいページスピードツールをリリースしました。日本語の表示や円換算は未対応ですが、記事内のGIF画像を参考にぜひご自分のサイトでも試してみてください。日本のサイトで試す場合はデフォルトで「United States」となっている右上の国の中から、「Japan」を選択してからお試しください。 続きを読む

どん底から再生したタオル業界の風雲児。今治から最高のタオルを届けるチーム「IKEUCHI」の裏側 | STORY of BACKYARD ─ECサイトの裏方たち─

8 years ago

愛媛県今治市。穏やかな瀬戸内海に面した、人口18万人の港町。タオルの一大産地として120年の歴史を有し、日本で生産されるタオルの6割がこの地で作られている。しかし、安価な輸入タオルにシェアを奪われ、今や日本で流通するタオルの8割は輸入品だ。今治もその煽りを受け、繊維関連業者は最盛期の5分の1ほどに減ってしまった……。

そんな今治において、独自のブランディングにより若い世代を中心に人気を集め、成長を続けているのが「IKEUCHI ORGANIC(イケウチ オーガニック、以下イケウチ)」だ。「池内タオル」と言う名に覚えがある人も多いかもしれない。1953年に創業した池内タオルは、2014年に「IKEUCHI ORGANIC」に名称変更して再出発。今や全国からのみならず海外にまでその名をとどろかせているのだ。

池内タオルからIKEUCHI ORGANICへ

池内タオル時代にはOEM製造を請け負っていた同社だが、2003年に取引先の倒産の煽りを受けて連鎖倒産。しかし、「がんばれ池内タオル」というファンサイトができるほどの根強いファンに支えられた。それまで会社の売り上げの1%に過ぎなかった自社ブランドを主軸に据え、民事再生法での復活を果たした。

IKEUCHI ORGANIC 作業風景
目を揃えるためにシュロのブラシでブラッシングを行う

OEM製造が主流のタオル業界で、メーカーが自社ブランドを確立するのは容易ではない。D&DEPARTMENT代表取締役会長のナガオカケンメイ氏をアートディレクターに迎え、「IKEUCHI ORGANIC」と改名。環境配慮を打ち出したクオリティ重視のブランドとして愛媛から世界に向けて発信を始めた。こうしたユニークな取り組みと、オーガニックにこだわる姿勢は、「今治」というブランドに寄りかからない矜持があったのだ。

IKEUCHI ORGANIC 作業風景
出荷前、タオルの毛羽をハサミでカットする。すべて手作業だ

「無農薬のオーガニックコットン100%」と「風力発電で作ったタオル」というブランディングを打ち出し、OEM製造受託をメインにするタオルメーカーが多数を占める中、自社サイトでの通信販売や店舗販売で売上を伸ばしている。

イケウチのタオルが生まれる場所

イケウチの工場は前身の池内タオルの施設を改造したもの。歴史を感じる木造の建物だ。名機と呼ばれる豊田自動織機の織機や糸を巻きつける整経機(せいけいき)などが並び、大きな音を立てながら、規則的な動きを続けている。

IKEUCHI ORGANIC工場内部

全盛期には1日2万枚のハンカチを製造していたため、現在の2倍近くの織機があったという。乾燥すると糸が切れてしまうので、工場内では霧が噴射され、湿度と温度が一定に保たれている。

IKEUCHI ORGANIC工場内部
IKEUCHI ORGANIC工場内部

イケウチでは食品安全マネジメントシステム ISO 22000認証を取得しているので、工場に入るには髪カバーと靴カバーの着用が義務付けられている。

イケウチのバックヤードのひと

朝8時、始業したばかりの工場を訪ねた。イケウチのバックヤードを統括するのは、WEBチームの中山洋香さん。柔らかい雰囲気の女性だが、判断や指示の速さ、的確さには社内でも定評がある。自社サイトの通販から楽天の店舗などの受注作業、電話注文の対応からピッキング、梱包、出荷までを取り仕切るバックヤードの主だ。

IKEUCHI ORGANIC WEB担当 中山洋香さん
IKEUCHI ORGANIC WEB担当 中山洋香さん

中山さんは約20種類・200アイテムをスムーズに出荷するためのバックヤードのシステムを確立した。現在は3人のスタッフとともに日々業務を行っている。

中山さんのある日の午前中

  8:00 出社
  8:10 注文を紙に出力してチェック
  8:30 メールで来た問い合わせに答える
  9:00 パートのスタッフに受注票を渡し、注文された製品を作る指示を出す
 10:00 今日出荷する商品の納品書を作る
 11:00 送り状を作成する

ネット経由の注文数は月曜が最も多く、週末に近づくと緩やかになる。金曜にメルマガを発行していることも影響しているのか、注文が集中するのは決まって土日だという。

日次の作業は、在庫をチェックして、注文された組み合わせで指示書を作り、商品を倉庫からピックアップして梱包作業をすること。平日にもまんべんなく売れるようにするのが目標ですね。(中山さん)

完成度の高いギフトであるために

イケウチのバックヤードにおける課題は「ギフトとして完成度の高いラッピング」 を作り上げること。7、8割はギフトとして使われるからだ。

ネットショップの受注をすべて把握し、さらに購入者からの声にも答えている中山さんは、ユーザーの気持ちを最もよく知る人。中山さんが自ら商品を選定したギフトセットもネットショップで販売されている。

ギフトを考えて提案をするのは楽しいこと。自分が作ったものが売れるときには一番やりがいを感じます。イケウチはシンプルなアイテムしか出さないので、どうやって組み合わせて個性を出すかが腕の見せどころ。「こういうものなら喜ばれる」という判断には、受注対応しているうちにたまったノウハウが活かされていると思います。(中山さん)

単に箱の中にタオルを収めるだけでは喜ばれるギフトは作れない。手作業だからこそ、そこに真心を込めることができる。

梱包作業で一番悩むのがラッピングです。お客さまにはネット上で自由にタオルを選択していただいて、それをギフトとしてラッピングするのですが、タオルの大きさや種類がバラバラなので、箱に合わせて折り方を変えるなどの工夫が必要。流れ作業ではできません

「中身を確認してから相手に渡したいので、テープは貼らないでほしい」という要望をいただくこともあります。お客さまが大切な人に差し上げるものですから、こちらも気を使います。(中山さん)

バックヤードのリーダーとして顧客を知り尽くす中山さんだからこそ、喜ばれるギフトセットを作る事ができるのだろう。

IKEUCHI ORGANIC ギフトセット
ていねいなギフトのラッピングはブランドカードを置いて完成する

口コミから生まれたヒット商品

イケウチのバックヤードが最も忙しいのは年末。お得な商品を詰め合わせた「福袋」が口コミで広まり、注文が殺到したことがきっかけだった。

福袋を買って下さった方がブログなどで「すごかった!」と書いてくださったのがきっかけで、たくさんの注文をいただきました。

福袋のオペレーションで課題なのは、アイテムが画一ではないので、いつもよりもさらに指示が複雑になってしまうこと。スタッフにはかなり負荷がかかりました。それでも対応してくれるのがすごいところです。(中山さん)

福袋に限らず、イケウチの評価はネットの口コミで高まってきた。消費者の心をつかむ高品質なモノ作りを真摯に続けてきた結果だ。

私が入社した当時にもネットショップはありましたが、注文は少なかった。そこで「お試しセット」という低価格のセットを作って販売したところ、使って下さった方がネットでおすすめして下さった。それが口コミで広まって、ネットショップの需要もすごく増えてきたんです。(中山さん)

IKEUCHI ORGANIC WEB担当 中山洋香さん

ウェブで魅力を伝える“親切設計“

続いてご登場いただくバックヤードの人は、WEB担当の神尾(かんお)武司さん。2014年に入社し、イケウチの商品がより多くの人に届くように、自社通販サイトに徹底的なテコ入れを行った人だ。商品ページに詳細な情報を加え、購入者のコメントを付けるなど“親切設計”を心がけた。

IKEUCHI ORGANIC WEB担当 神尾武司さん
IKEUCHI ORGANIC WEB担当 神尾武司さん

サイトの中でも、よく見られているのがこのタオルのチャートです。お客さまに一番響いたのは「ホテルで提供されるタオル」というキャッチコピー。これは購買につながりました。厚い、薄い、だけだと伝わらないところが、具体的なイメージを使うことで通じる。ネットショップだと製品に触れられないので、こうした伝える工夫がすごく大事になります。(神尾さん)

神尾さんはさらに、東京オフィスの牟田口さん(マーケティング担当)と一緒にスタッフたちにもスポットを当てる取り組みを行う。自社サイトに「イケウチのヒト」というコーナーを作り、自ら工場で働く職人たちのインタビュー記事を執筆。カメラマンにポートレート写真を依頼し、IKEUCHI ORGANICに携わる人の思いをお客さまにアツく伝えるメディア展開をした。

社内にも、スポーツ新聞風に社員の活躍を紹介する記事が掲示される。こうした血の通った取り組みは、社員のモチベーション向上にもつながり、さらに良い製品作りに結びつくに違いない。

製品の企画からデザイン、受注から発送、さらに直営店も経営、自社サイトというデジタル面もプロデュースする、イケウチの領域横断的なビジネス。それが可能になるのは、風通しの良い社内の雰囲気があるからだろう。

こだわりを持った職人も多い社内ですが、組織としてすごくフラットで、発言しやすい環境です。店舗とWebをつなげられないかと相談すれば考えてくれるし、直営店でのイベントなどを通して、職人がユーザーの反応を直接知ることができる。かつてOEM製造だけをしていたときの”売り逃げ”よりも、定番の商品を継続して売っていくことで、消費者の満足感も上がると思います。(神尾さん)

いまの神尾さんの願いは、もっとたくさんの人にイケウチのことを知ってもらいたいということ。現在は社内でマーケティングの体制ができ、新たな戦略を立てているという。

オーガニックな会社は言い訳しない
◇◇◇

良いタオルが欲しいと思っているすべての人に、イケウチの真摯なモノ作りを届けたい。そんな思いでイケウチのバックヤードの人たちは前に進み続けている。

B.Y

B.Yは、普段表に出ないEコマースのバックヤード(受注、出荷、顧客対応)担当者を取材した“日本初”バックヤードに特化したWEBメディア。 バックヤードの人々が実践する「運用業務の創意工夫」「仕事への向き合い方」をSTORY、「バックヤード運用ノウハウ」をTOPIC、として発信している。本来Eコマースがもつ可能性を拡げ、バックヤードの人がいきいきと働けるキッカケを提供することでEC業界全体を支援している。

B.Y

ロクシタンがめざすデジタル戦略とは? データ活用から店舗連動など3年間の施策と成果

8 years ago

ライフスタイルコスメ大手のロクシタンジャポンは2015年から、100か所以上の実店舗とECの顧客データを統合し、マーケティングの方法や販促施策、社内の組織作りまで、データに基づいてデジタル改革を進めている。ロクシタンがめざすデジタル戦略とは、どのようなものか? また、その狙いは何か? デジタルマーケティング部・吉屋智章部長がデジタル戦略の取り組みやオムニチャネルの展望などを語った。写真◎Lab

3段階で進めたロクシタンのデジタル改革

データに基づいてビジネスの実態を正しく把握する。そして、誰もが「正しいデータ」に基づいて施策を実行できる体制をめざしている

ロクシタンジャポンが2015年から進めているデジタル改革の目的を、吉屋智章部長はこう説明する。

ロクシタンジャポン デジタルマーケティング部・吉屋智章部長
ロクシタンジャポン デジタルマーケティング部・吉屋智章部長

1997年に国内1号店をオープン後、現在は路面店や百貨店のテナントなど100店舗以上の直営店を展開。EC事業は、2006年に開設した公式オンラインショップを中心に、規模を拡大している。

2015年にスタートしたロクシタンジャポンのデジタル戦略は、大きく分けて3つの段階で進んでいるという。

第1段階

実店舗とECの会員IDなどを統合し、デジタルマーケティングの基盤となるデータベースを構築

第2段階

データベースを分析し、CRMの強化や主にEメールのセグメント配信のPDCAを実施

第3段階

ECで取り組んできたデジタルマーケティングを、実店舗を含む全チャネル、全ての顧客タッチポイントに拡大

【第1段階】実店舗とECのデータを統合しDBを構築

ロクシタンが最初に取り組んだのは、実店舗とECのデータを一元化すること。クロスチャネルキャンペーン管理ソリューション「Adobe Campaign」を導入し、実店舗とECの会員IDを統合した。

会員の購買履歴を「Adobe Campaign」に蓄積し、そのデータを分析。ECと実店舗の垣根を超えて、1人の会員が「いつ」「どこで」「何を」「いくらで」「何回」買ったのかを把握できるようにした

さらに、購買データやカスタマーセンターの問い合わせ情報など、社内のさまざまなデータも必要に応じて抽出・分析できる仕組みを構築。その結果、「セグメントの構築や、施策の効果検証などを行う際、必要なデータをすぐに取り出し、迅速に分析できるようになった」(吉屋部長)。

システム移管後のアーキテクチャ ECシステム側を完全に入換え、顧客情報の一元管理を行うWeb解析UI/ UX解析ツール ECシステム POSシステム Adobe campaign DMP
システムを移管し、ECと実店舗のデータを統合した

【第2段階】ECを中心にデジタルマーケティングを本格化

DB構築の次に取り組んだのは、CRMの強化と販促施策のPDCAを回すことだ。

Eメールのセグメント配信を実施し、「いつ」「誰に」「どんな内容」のメールを送れば効果的か」を検証。効果が高かった施策をベースに、ターゲティングメールの成功パターンを模索した。ターゲティングメールのコンバージョン率が、コントロール配信の約5倍に達するなど、高い成果をあげることもあったという。吉屋部長は次のように話す。

データを活用し、お客さまに合った商品を提案することで、購入率が上がった。(吉屋部長)

例えば、製品連動施策が出来る様に No actionのコントロールセグメントと比較して、一定期間内に+499%の購買率を達成! Adobe campaign 検索アリ・購入アリ 検索ナシ・購入ナシ 元々購入アリ 検索アリ・購入ナシ
会員の購買情報や行動情報をベースにターゲティングメールを配信。PDCAを回して成功パターンを見つけた

また、DBから会員が「どのチャネルで」「何を」「いくらで」「何回買い物をしたか」といった導線を分析。新規購入からリピートへと進む導線のなかで、離脱が多いタイミングを特定していった。

そして、会員が離脱しやすいタイミングの直前にクーポンを発行するなど、離脱防止策を実施。それらの施策のPDCAを回し、離脱の原因に対する効果的なアプローチ方法を見出した。

データを分析することで、重要度が高く、効果的な施策を打てるようになった。(吉屋部長)

顧客購入導線の追跡 更に各導線でどこで離脱が起きやすいか? その原因分析を深めていき、その原因へのアプローチをADOBE CAMPAIGNで行う。
会員が離脱しやすいタイミングを特定し、離脱防止策を実施した

会員の購買履歴を販売チャネルごとに分析したところ、アクティブ会員の中で「実店舗だけを利用する顧客」は67.5%、「ECだけを利用する顧客」は23.6%、「実店舗とECの両方を利用している顧客」は8.9%にとどまることがわかった。

それぞれの属性ごとに購買金額などの平均値を調べたところ、実店舗とECの両方を利用する会員の「年間購入金額」「接触頻度」は、実店舗かECのみを利用する会員と比べて大幅に高いことが判明したという。

ECと実店舗の両方を利用する会員(オムニチャネル顧客)を増やすことが、ブランドにとってメリットがあることを、吉屋氏は店長会議などの場で店舗スタッフに説明した。これは、店頭での会員登録などへの協力を仰ぐためだ。

2016年には顧客が自身でQRコードから会員登録できる会員カードを導入。店舗スタッフの意識が高まったこともあり、2016年の会員登録率は前年を上回った。

顧客登録率の推移 リテイルも顧客登録の重要性とオムニ顧客を産み出すことの重要性を理解できる 登録率推移 月推移
2016年の会員登録率は前年を上回った

【第3段階】ECと実店舗を統合したCRMに着手

ECで取り組んできたデジタルマーケティングの取り組みを、2017年4月から実店舗にも拡大した。「デジタルの力をリテールにも活用し、全社的なCRMの見直しと、オムニチャネル化を進めている」(吉屋部長)と言う。

たとえば、店舗リニューアルの告知DMなどを発送する際、会員の居住地を踏まえて発送先リストを作るようにした。

従来は会員の居住地に関わらず、RFM分析に基づき優良顧客を抽出してDM送付先リストを作成していたが、会員のなかには店舗をほとんど利用していない顧客も混じっていることが判明したためだ。

たとえば、池袋店の会員の約20%は、旅行者とみられる遠方の顧客が含まれていたという。「RFM分析では優良顧客とみなされても、日常的にその店舗を利用していない場合もある」(吉屋部長)。

遠方に住む会員をDMの送付先から除外した結果、DMの反響率は従来比約20%改善したという。

地域情報との掛け合わせ +20% ↑ 西武池袋線沿線ゾーン 東武東上線沿線ゾーン JR埼京線沿線ゾーン 池袋店
店舗リニューアルの告知DMの送付条件に会員の居住地を加えた

施策の効果を可視化し、優先順位を明確化

メルマガやDMのセグメント配信を行った際は、ターゲットとコントロールグループのROI(投資対効果)などを検証し効果を可視化する。施策の効果を数字で明示することで、「優先的に取り組むべき施策について、社内で共通認識を作る」(吉屋部長)ためだ。

効果を可視化したことで有効性が認められ、新たに取り入れた施策もある。

たとえば、従来はメルマガのみで送信していた「誕生日キャンペーン」を、紙のDMで送付したところ、誕生日キャンペーンDMのROIは通常のDMの約7倍だった。

また、メルマガをオプトアウト(受取拒否)に設定している顧客に、紙の誕生日DMを送ったところ、誕生日に送ったDMのROIは通常のDMの約6倍だったという。

この結果から、紙媒体はEメールよりも発送コストは高いが、誕生日のDMは実施する価値があると判断できた。(吉屋部長)

E-mail Opt-out顧客へのアプローチ 7倍↑ 6倍↑
PDCAを回し、誕生日DMのROIは通常DMよりも高いことを突き止めた

EC売上高を実店舗の評価に反映

実店舗を持つ企業がオムニチャネルに取り組む場合、「ECが実店舗の売り上げを奪うのではないか」という不安を、店舗スタッフが抱くことがある。

こうした不安を払拭するため、店舗スタッフの評価の仕組みも変えた。ECの売り上げを、店舗の評価にも反映する仕組みを2017年に導入。ある会員がECサイトで商品を購入した場合、その会員の購入頻度が高い店舗の評価にも反映される仕組みだ。

ECと実店舗のデータベースを統合したことで、社内体制の変革も可能になった。

データを活用して「優良顧客の購買パターン」を再現

ロクシタンジャポンは今後、ロイヤルティの高い顧客を増やすためにデータを活用していくという。

ロイヤルティの高い会員に共通する購買行動のパターンを特定し、メルマガやDM、プッシュ通知、ライン、ECサイトのレコメンド機能など全ての顧客タッチポイントを活用して、顧客の属性に応じた最適な購買パターンをお勧めできる体制を構築する計画。既にテストを通じ、いくつかの成功パターンが見えているため、コストが高いメディアに対してもリスクを見積もりながら自信をもって展開をすることが可能になっているという。

トップカスタマーの買い物のパターンを把握し、再現性のあるマーケティング施策と紐づけていく。ロイヤルティの高い会員の購買プロセスを分析する際は、①商品を購入する順番 ②実店舗とECサイトの利用状況 ③キャンペーンへの反応率──を軸にする。(吉屋部長)

そして、吉屋部長はデータをビジネスに活用する際のポイントを、次のように指摘する。

量だけでなく質が大切。そして何より、データをどのように扱うかを考えることが重要になる。データを活用するということは、ビジネスマネジメントそのものだと思う。

吉屋氏がめざすデジタル戦略を実現するには、膨大なデータ連携が必要になる。現在、本社を巻き込んで全社的なデータハブ構築プロジェクトを進めているほか、外部企業が持つデータと連携し、より精度を高めていくことも検討している。

渡部 和章

ライトプロ株式会社 代表取締役

渡部 和章(わたなべ・かずあき)

新聞社で約7年半、記者を務めた後、2015年に編集プロダクションのライトプロを設立して代表に就任。編集者兼ライターとしても活動中。

趣味は料理と漫画を読むこと。東京都在住。1983年生まれ。

渡部 和章

【ブログ読者へご連絡】今週残り (3/1〜3/2) はブログ更新をお休みします

8 years ago

今週の残り、3月1日〜3月2日はブログ更新をお休みします。米サンディエゴで開催される Social Media Marketing World 2018 に参加してきます。

- 【ブログ読者へご連絡】今週残り (3/1〜3/2) はブログ更新をお休みします -

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Kenichi Suzuki

MFIでは非表示コンテンツは許容されるが、隠しコンテンツとしての乱用にGoogleはどう対処するのか?

8 years ago

コンテンツが初期状態で表示されていなかったとしてもモバイル ファースト インデックスでは評価を下げられることはない。隠しコンテンツとして乱用が可能ではないかと懸念が生じるが、そうした乱用あるいは誤用を防ぐためのアルゴリズムを Google は備えているとのこと。

- MFIでは非表示コンテンツは許容されるが、隠しコンテンツとしての乱用にGoogleはどう対処するのか? -

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Kenichi Suzuki

「手間をかけたい買物」「効率的な買物」を割り切る消費者が7割、イマドキの買物事情

8 years ago

生活者の消費実態やトレンドを研究する博報堂買物研究所が実施した「買物選択調査」によると、買い物をする際に「手間をかけたい買物」と「効率を重視する買物」を意図的に分けている生活者が約7割にのぼった。

買い物に関する情報が溢れ、店舗やECなど購入場所が多様化している中、「商品を選ぶのは面倒だから、誰かに任せたい」と考える消費者が増えているという。

こうした潮流は、「失敗しない保証が欲しい」「買物の労力に新たな意義・価値を見 出したい」「直感的に選びたい」といった新たな欲求を生みだし、買物の現場を変えていくと指摘している。 

20~60代の生活者1000人に対し、家電や食品、日用品、情報機器、金融商品、ファッション、化粧品、教育・学習教材など27カテゴリーに対する買い物の意識を聞いた。その結果、「手間をかけたい買物と効率を重視する買物を意図的に分けている」と答えた割合は71.8%だった。

博報堂買物研究所が実施した「買物選択調査」

「任せたい・面倒な買い物」のカテゴリー(15項目)

  • 生活家電
  • 娯楽家電
  • 情報機器
  • 有料スマホアプリ
  • 金融商品
  • 教育・学習教材
  • 旅行・交通
  • 有料定額配信サービス
  • ファッション系定額サービス
  • 外食
  • 医薬品・サプリ
  • 洗剤
  • ボディ・ヘアケア品
  • 化粧品
  • 加工食品

「自分で選びたい買い物」のカテゴリ(12項目)

  • 生鮮食品
  • 菓子・デザート
  • アルコール飲料
  • 調味料
  • 清涼飲料
  • オーラルケア品
  • 家具・雑貨
  • ファッション
  • 書籍・音楽・動画
  • 映画・ライブ・スポーツ観戦
  • 自動車
  • 住宅

博報堂買物研究所は、商品選びを任せたいと考える生活者が増えている理由として、買い物に関する情報が爆発的に増えた結果、「何をいつどこで買うのが正しいのか」を判断することが難しくなり、買い物をすることにストレスを感じる場合があると指摘。

特にSNSなどを多用する20代の若者を中心に、こうした生活者が増えているという。

博報堂買物研究所が実施した「買物選択調査」

「買物ストレス」の時代に突入したという

こうした消費者は、EC・フリマアプリ、定額サービス、セレクトショップなどで時間もお金も効率的に利用する、SNSやECサイトなどネットを駆使して信頼する人やサイトを参考に買い物をする――こんな消費行動を起こしているとした。

今後は「買い物をお膳立てしてほしい(あらかじめ選択肢を提示してほしい)」「失敗しない保証がほしい(失敗しない安心基準を提示してほしい)」「買い物の労力に新たな意義・価値を見出したい」といった新たな欲求が発生し、買い物の現場に変化が生じると提言。

 

調査概要

  • 調査地域:全国
  • 調査時期:2017年12月22~24日
  • 調査方法:インターネット調査
  • 調査対象:20~69歳の男女(各性年代100sずつ)
  • サンプル数(有効回収数):20歳~69歳の男女1000人 ※今回使用データは性年代(10歳刻み)で人口構成比(2015 年国勢調査ベース)に合わせウェイトバック 
  • 調査機関:エム・アール・エス広告調査株式会社 

渡部 和章

ライトプロ株式会社 代表取締役

渡部 和章(わたなべ・かずあき)

新聞社で約7年半、記者を務めた後、2015年に編集プロダクションのライトプロを設立して代表に就任。編集者兼ライターとしても活動中。

趣味は料理と漫画を読むこと。東京都在住。1983年生まれ。

渡部 和章

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