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手数料無料だった「ラクマ」、6月4日から有料に/「メルカリ」の流通総額がスゴい伸び【今週のネッ担アクセスランキング】 | 週間人気記事ランキング

7 years 6ヶ月 ago

今週は「ラクマ」と「メルカリ」というフリマアプリ関連のニュースが続きました。「手数料無料」でユーザーを引き付けてきた「ラクマ」ですが、出品、購入共に3.5%の手数料を徴収するようになります。「メルカリ」は2017年6月期の流通総額が前期比74.6%増の2,480億円と絶好調。今期はZOZOTOWNの流通総額を超える見通しです。

  1. 楽天のフリマアプリ「ラクマ」、販売手数料を3.5%に改定

    販売手数料無料施策は終了、先行する「メルカリ」は売買成立時に10%の手数料を徴収している

    2018/5/15
  2. メルカリの流通総額は2480億円(17/6)、今期は「ZOZO」超え3000億円突破の見込み

    今期(2018年6月期)の流通総額は2017年7月~2018年3月期(第3四半期累計)で2660億円となり、2017年6月期の実績を超えた

    2018/5/15
  3. 中小企業のECサイト運営がうまくいかない理由は、初期段階の判断ミスに有り

    なぜかネットショップ運営がおかしな方向に向かっていることが多い中小企業。その理由を考察します(連載第9回)

    2018/5/14
  4. LINEログインの利用者が急増! ECサイトが実装するメリットとは?

    ソーシャルログインのなかでもLINEログインが大きく成長しています

    2018/5/16
  5. EC荷物を料金一律&全国のファミマ店舗で受け取れる「コンビニ受取サービス(コトリ)」をスクロール360が開始

    配送費用は全国一律で税別450円。コンビニ店頭で商品代金を支払うことも可能で、代引き手数料は一律200円

    2018/5/11
  6. 楽天の国内EC流通総額は11%増の8576億円【2018年1Qまとめ】

    楽天は今後も楽天ダイレクトなどの直販事業、CtoC事業の「ラクマ」への積極投資を続けていくとしている

    2018/5/11
  7. セブン&アイが全国展開を決めたコンビニ商品のECサービス「ネットコンビニ」とは

    スマホで注文すると、コンビニ商品が最短2時間で届く

    2018/5/15
  8. EC利用者の58%はアマゾンで商品検索をスタート。グーグルのSEOだけでなくAmazon内の表示対策が大切な理由

    オンラインで商品を探す消費者の58%は、アマゾンで検索をスタートしています

    2018/5/17
  9. フェリシモのジリ貧脱却策――「規模の経済は終了。顧客との継続的な関係性が生命線」

    宮本執行役員はこう言う。「今後重要になってくるのは関係性を重んじた経済であり、顧客とどれだけ継続的に付き合えるかが生命線になる」

    2018/5/14
  10. ZOZOスーツだけじゃない! ZOZOTOWNが起こす3つの革命と3つの試みとは?【ネッ担まとめ】

    ネットショップ担当者が読んでおくべき2018年5月7日〜13日のニュース

    2018/5/15

※期間内のPV数によるランキングです。一部のまとめ記事や殿堂入り記事はランキング集計から除外されています。

uchiya-m

安全性を示すHTTPSのラベルとアイコンがGoogle Chrome 69から削除、一方で非HTTPSページでは赤色反転で危険性を強調

7 years 6ヶ月 ago

セキュリティに関する Chrome ブラウザの UI 変更を Google はアナウンスした。HTTPS および HTTP ページのインディケーターが将来のバージョンの Chrome で変わる。鍵アイコンと「保護された通信」ラベルを削除する。一方で、危険ラベルを赤色に反転させる。

投稿 安全性を示すHTTPSのラベルとアイコンがGoogle Chrome 69から削除、一方で非HTTPSページでは赤色反転で危険性を強調海外SEO情報ブログ に最初に表示されました。

Kenichi Suzuki

ECで買わない理由は「会員登録が面倒」「手に取って確認できない」「送料」「信頼性」が上位

7 years 6ヶ月 ago

マーケティングリサーチ事業を手がけるクロス・マーケティングが5月15日に公表した「オンライン消費に関する調査」によると、インターネットで商品を購入しない理由の上位には「商品を手に取って確認できない」「送料がかかる」「会員登録が面倒」などがあがった。

調査対象約2万人のうち、調査項目の商品カテゴリーをインターネットで購入しないと答えた6740人を対象に、「インターネットで商品を購入したない理由」を選択式・複数回答で聞いた。

選択肢16項目のうち上位5項目は、「実際の商品を手に取って確認できない」(22%)、「送料がかかる」(20%)、「ネットショッピングの信頼性が低い」(15%)、「個人情報のセキュリティが不安」(13%)、「会員登録が面倒」(12%)。

インターネットで商品を購入したない理由(クロス・マーケティング調査)

インターネットで商品を購入したない理由

ECを利用した回答者1万432人に「インターネットで商品を購入する理由」を質問したところ、選択肢13項目中の上位5項目は「店頭に行かなくても良い」(71%)、「店頭よりも安い」(53%)、「自宅まで運んでくれる」(51%)、「ポイントが貯まる」(42%)、「24時間購入できる」(41%)だった。

インターネットで商品を購入する理由(クロス・マーケティング調査)

インターネットで商品を購入する理由

ECでの購入頻度についても調査した。前年と比べて「増えたと思う」は31%、「減ったと思う」は7%、「変わらないと思う」は62%。

ECでの購入頻度(クロス・マーケティング調査)

ECでの購入頻度

今後の購入頻度は「増えると思う」が26%、「減ると思う」は10%、「変わらないと思う」は64%となっており、購入頻度が上がると考えている消費者の割合は下がると考える消費者よりも多かった。

今後のEC購入頻度(クロス・マーケティング調査)

今後のEC購入頻度

「商品を購入する前の情報源」と「購入方法」について、商品カテゴリー別に調査した結果、カテゴリーごとに特徴が見られた。

「家電・AV機器」と「スポーツ・アウトドア用品」は、購入前の情報収集チャネルはネットの割合が高く、購入チャネルはリアル系の割合が最も高い。

「ファッション用品」は、購入前の情報収集チャネルと実際の購入チャネルのどちらもリアル系が多い。

「DVD・ミュージック・ゲーム」は、情報収集も購入もネット媒体が最も多く利用されている。

「商品を購入する前の情報源」と「購入方法」について(クロス・マーケティング調査)
商品カテゴリ別 商品購入前の情報源と購入方法

クロス・マーケティングは「オンラインで購入する商品と店舗などリアルで購入する商品の違いはどこにあるのか」や「今後、オンライン消費はさらに高まっていくのか」などを明らかにすることを目的に調査を実施した。

調査概要

  • 調査手法:インターネットリサーチ
  • 調査地域:全国47都道府県
  • 調査対象:20~69歳の男女
  • 調査期間: 2018年4月16日(月)~4月17日(火)
  • 有効回答数:2万772サンプル
    ※調査結果は、端数処理のため構成比が100%にならない場合がある

渡部 和章

ライトプロ株式会社 代表取締役

渡部 和章(わたなべ・かずあき)

新聞社で約7年半、記者を務めた後、2015年に編集プロダクションのライトプロを設立して代表に就任。編集者兼ライターとしても活動中。

趣味は料理と漫画を読むこと。東京都在住。1983年生まれ。

渡部 和章

LINE@でカスタマーサポートができるクラウドサービス「CScloud」正式版をリリース

7 years 7ヶ月 ago

物流プラットフォーム「リピロジ」を提供するスタークスは5月17日、LINE@に特化したカスタマーサポートツール「CScloud(シーエスクラウド)」正式版の提供を始めた。

2017年12月に、「CScloud」のベータ版をリリースしていた。

「CScloud」は、LINEのMessaging APIを利用してLINE@でカスタマーサポートをできるようにするクラウドサービス。LINE@のOne to Oneトークを複数人で共有し、対応状況が管理できるになる。「CScloud」の特徴は次の通り。

  1. 1to1トークをチームで共有・管理
    1to1トークを担当者に割り振り、対応ステータスを管理することが可能ラベル機能で問い合わせ内容の集計もできる。
  2. シナリオで自動対応
    LINE@で1to1対応をする時の課題は、手間がかかることと即時対応ができない点という。自動シナリオによる対応で、人を介さずに質問への回答を完結できる。
  3. セグメント配信
    顧客情報や問い合わせ情報によってセグメント配信することによって、LINE@の高い反応を保ちつつブロックを防ぐという。

「CScloud」の正式リリースとあわせ、カスタマーサポート業界に特化したWebメディア「CSJournal」も開設。カスタマーサポート業界人へのインタビューやノウハウ記事を配信するとしている。

瀧川 正実

ネットショップ担当者フォーラム編集部 編集長

通販・ECに関する業界新聞の編集記者、EC支援会社で新規事業の立ち上げなどに携わり、現在に至る。EC業界に関わること約13年。日々勉強中。

瀧川 正実

「ZOZOTOWN」に続き「MAGASEEK」「d fashion」と在庫連携、一元管理の「CROSS MALL」

7 years 7ヶ月 ago

複数ECサイト一元管理システム「CROSS MALL」を運営するアイルは5月15日、ファッションECモール「マガシーク」と「d fashion」の在庫連携に対応したと発表した。

「CROSS MALL」で管理している自社在庫数を「MAGASEEK」や「d fashion」と連携することが可能になった。多店舗展開するファッションEC企業は、在庫管理の効率化を図ることができる。

アイルはファッションECサイトとの在庫連携を強化しており、2018年4月には「ZOZOTOWN」の「取り寄せ商品」(購入者から注文が入った商品のみ、指定の倉庫に納品する販売形態)との在庫連携を開始した。

現在、「MUSE&Co.」「Mobacolle」「RyuRyu」との在庫連携の準備を進めているという。

「CROSS MALL」は「Rakuten」「Yahoo!ショッピング」「Amazon」「Qoo10」「ポンパレモール」「Wowma!」と連携済み。ファッションECモールでは「ZOZOTOWN」「&mall」「SHOPLIST」と連携している。

アイルの「CROSS MALL」が連携しているECモール

「CROSS MALL」が連携しているECモール

渡部 和章

ライトプロ株式会社 代表取締役

渡部 和章(わたなべ・かずあき)

新聞社で約7年半、記者を務めた後、2015年に編集プロダクションのライトプロを設立して代表に就任。編集者兼ライターとしても活動中。

趣味は料理と漫画を読むこと。東京都在住。1983年生まれ。

渡部 和章

グループ売上1000億円をめざすスクロールの中期経営計画まとめ

7 years 7ヶ月 ago

スクロールは5月9日、2021年3月期を最終年度とする中期経営計画「新みらい2020」を公表し、連結売上高1000億円をめざすことなどを発表した。

ECの商品調達強化、化粧品ブランドの認知向上、通販支援や旅行業の拡大などに取り組む。

スクロールグループは、7事業セグメント体制で経営を推進
スクロールグループは、7事業セグメント体制で経営を推進(画像はIR資料を編集部がキャプチャ)

ECの商品調達を強化

「eコマース事業」では国内外における商品調達力を強化する。集客や販売のモデルを再構築するため、効果的な販促手法による受注の最大化や、リピーターを増やすためのCRMの確立を進めるという。

子会社化したナチュラム(旧ミネルヴァ・ホールディングス)が運営する、釣り具やアウトドアのECサイト「ナチュラム」のブランドの浸透や収益力強化にも注力する。

スクロールグループのeコマース事業セグメント重点方針
スクロールグループのeコマース事業セグメント重点方針(画像はIR資料を編集部がキャプチャ)

化粧品はモール展開や越境ECヘ

化粧品などを販売する「健粧品事業」は、独自性の高い商品の開発に加え、オフィシャルサイトの刷新と大手モールへの出店を行う。越境ECや海外への卸販売など、グループの資産を活用した収益モデルの構築にも取り組むとしている。

スクロールグループの化粧品・健康食品の事業セグメント重点方針
スクロールグループの化粧品・健康食品の事業セグメント重点方針(画像はIR資料を編集部がキャプチャ)

ソリューション事業

ナチュラム(旧ミネルヴァ・ホールディングス)の買収によってスクロールグループ入りしたイーシー・ユニオン(物流代行など)、成都インハナ(BPO、越境EC支援)などを強化する。

イーシー・ユニオンは大手釣り具・アウトドアECサイト「ナチュラム」の物流代行業務などを、関西で手がけてきた。スクロールグループが手がける物流サービスの関西拠点として、物流業務を強化する。

成都インハナも「ナチュラム」はBPOのほか、近年は越境ECサポートなども手がける。スクロール360との連携などで、越境ECサポートなど越境需要に対応する。

また、北海道や静岡県にある物流拠点の安定稼働を推進。2019年度中をめどに、茨城県つくばみらい市に物流センターを開設、物流拠点を拡充する。

スクロールグループのソリューション事業セグメント重点方針
スクロールグループのソリューション事業セグメント重点方針(画像はIR資料を編集部がキャプチャ)

旅行業も拡大

「旅行事業」は国内の日帰りバスツアーや、アジアからの訪日ツアーの拡大を図る。アジアからの訪日ツアーモデルを構築し、インバウンドビジネスを強化する。

売上高1000億円、最終利益34億円を計画

スクロールの2018年3月期における連結売上高は、前期比5.7%増の622億700万円だった。営業利益は同2.1%増の13億300万円、経常利益は同2.3%増の14億5800万円。連結子会社のナチュラピュリファイ研究所とT&Mの、のれんの減損損失を計上 したことにより当期純損失は10億3500万円となった。

事業別の売上高は、「通販事業」が同4.9%減の334億6200万円、「eコマース事業」は同15.9%増の135億7200万円、「健粧品事業」は同80.1%増の49億6100万円、ソリューション事業は同8.0%増の93億2500万円。

「新みらい2020」の最終年度となる2021年3月期における計画は、売上高が1000億円、営業利益は49億円、経常利益は50億円、当期純利益は34億円に設定している。

スクロールグループの2019年3月期~2021年3月期 中期経営計画 3か年目標
スクロールグループの連結業績に関する計画(画像はIR資料を編集部がキャプチャ)

渡部 和章

ライトプロ株式会社 代表取締役

渡部 和章(わたなべ・かずあき)

新聞社で約7年半、記者を務めた後、2015年に編集プロダクションのライトプロを設立して代表に就任。編集者兼ライターとしても活動中。

趣味は料理と漫画を読むこと。東京都在住。1983年生まれ。

渡部 和章

EC利用者の58%はアマゾンで商品検索をスタート。グーグルのSEOだけでなくAmazon内の表示対策が大切な理由 | 海外のEC事情・戦略・マーケティング情報ウォッチ

7 years 7ヶ月 ago

消費者の75%が商品の検索をオンライン通販サイトで行い、その内58%はAmazon(アマゾン)で検索をスタートしています。この事実を考えると、ネット上でブランドの存在感を高めるには、バーチャルな商品棚での陳列を最適化することが、最も重要な要素だといえるでしょう。

アマゾンの広告ビジネス拡大のニュースを聞き、投資家たちは喜んでいるように見えます。広告ビジネスの成長を見込んで、BMOキャピタルは最近、アマゾンの株価の目標価格を1,600ドルに引き上げました。他のアナリストも、「アマゾンは商品検索でグーグルを打ち負かすだろう」と予想しています。「警戒しなさい、グーグル」と警告を送っているとも言えるでしょう。

投資家の視点では、アマゾンが広告ネットワークとして利益を最大化するまでの道のりは、まだ長いと考えられています(アマゾンにとって、広告が最も利益率の高いビジネスになるとはまだ考えづらいからです)。しかしながら、製造業者が商品をオンラインで販売し、消費者がオンラインで商品を買う現状を見れば、アマゾンはすでに最も影響力のある広告ネットワークなのです。

2017年には、小売業界全体の売り上げの約4%をアマゾンが占めていたと言われています(編注:全米の小売市場)。ウォルマートと比べて、アマゾンの規模がとても小さいことを考えると、驚くべき数字です。オンラインの小売の売り上げでは、アマゾン経由が44%(編注:Internet Retailer社の調査では43%)を占めています(オンライン上で求も影響力のあるプラットフォームになっています)。しかしながら、売り上げの数字だけではその全容はわかりません。

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※1 米国ネット通販市場におけるアマゾンの売上比率(編注:編集部が過去記事をもとに追記)
出典:Internet Retailer、ChannelAdvisor、Slice Intelligence、米国商務省
※市場シェアにはアマゾンが自社で販売した製品および、同社のマーケットプレイスで販売された製品が含まれる

Market Track社が行った調査によると、75%の消費者はオンラインで商品を探すとき、オンライン通販サイトで検索をスタートします(その内、58%はアマゾンで検索をスタート)。オンライン上でブランドの存在感を高めるには、バーチャルな商品棚での陳列を最適化するのが最も重要な要素だということが言えるでしょう。伝統的な広告活動よりも大切で、自社サイトよりも重要度が高く、グーグルよりも重視しなければいけないということです。

ネット通販利用者の58%はアマゾンで検索をはじめる
消費者がオンライン上で商品検索をスタートするサイト
・アマゾン:58%
・検索エンジン:20%
・各社ECサイト:18%
・その他:4%
(編注:Market Track社発表の動画を編集部がキャプチャして追加)
https://markettrack.com/digital-shelf

ブランドがオンライン上で効果的に商品を販売するには、正しいアマゾン戦略を持つことが大切であることは明らかです。またアマゾンは、消費者がアマゾンで買おうが買うまいが、最初に訪れる場所になっています。

アマゾンの1-Clicl注文で買おうとしているのか、それともBest Buyの店頭でどのテレビを買おうか迷っているのか。いずれにしても、アマゾンが商品情報を手に入れるための情報源になっているのです。

ですから、アマゾンを商品販売のためだけに利用するという戦略は、ブランドのマーケティングの努力をひどく損なうことになるでしょう。

商品を見つけてもらうのか、もしくは買ってもらうのか。どちらにしてもアマゾン(もしくは他のオンライン通販サイト)のバーチャルな商品棚のなかで、ページの1行目もしくは検索結果の最初の3つ以内に表示されることが重要です。

もし表示されない場合は、購入の可能性が大きく下がります。バーチャルな商品棚で良い場所を確保することが大変重要なのです。企業は1,000番目に表示されるような商品を「ロングテール」と呼んでいるのかもしれませんが、実際は10番目か20番目には商品が表示されないと何も起こらないのです。

しかしながら、商品の表示場所を改善するだけで購入につなげることは困難です。オンライン上での購入にあまり積極的でない消費者を巻き込むためには、バーチャルな商品棚で興味喚起を行い、購入を検討させ、購入そして評価まで、これらすべてのプロセスを行う必要があるかもしれません。

一方、前述したテレビを買おうとしている消費者の例のように、購入に積極的な消費者のカスタマージャーニーでは、バーチャルな商品棚はそれほど大きな役割を果たさないでしょう。

検索の初期段階、他の消費者のコメントチェック、実店舗に行く前の価格確認など、消費者がどの段階であったとしても、バーチャルな商品棚はブランドが商品を伝えるための重要な場所になっています。しかし、すべての要素を上手に活用するには、より広い視野でバーチャルな商品棚について考える必要があります。

バーチャルな商品棚を効果的に利用するには、すべてのマーケティング要素を把握することが大切です。「検索結果の表示場所」「商品詳細」「価格変更」「在庫表示」「商品レビュー」まで、すべての要素です。実店舗で使われている商品管理の原則をオンライン用に少しカスタマイズして、デジタルの環境でも利用してみましょう。

以下がデジタル環境で使う原則です。

  • KPIを注視して、隙間を埋めるためにプロモーションに投資することで小売事業者との関係を築いていく。
  • 商品の表示位置の変更、商品の評価、レビューなどの変化を、実際の売り上げの結果に照らし合わせて考える。
  • 悪いレビューに対処する方法や、在庫切れ、小売事業者とのオープンなコミュニケーション方法など、バーチャルな商品棚で展開するにあたり、どこに問題があるのかを確認して解決する。

最終的に勝ち残るのは、行動を起こし、先を見越してバーチャルな商品棚の管理にリソースを割くブランドです。先に述べたように、バーチャルな商品棚には単なる商品販売以上の意味があるからです。アマゾンはすでに最も影響力のあるデジタル広告ネットワークになっています。

アマゾンをカスタマージャーニーのきっかけにすると同時に、販売場所として捉えているブランドは競合に差をつけ、オムニチャネルの売り上げを伸ばすでしょう。商品の購入のみならず、カスタマージャーニーのきっかけもコントロールできるようになるのです。

Internet RETAILER

世界最大級のネット通販業界の専門誌「Internet Retailer」は、雑誌のほか、Web媒体、メールマガジンなどを運営。Vertical Web Media社が運営を手がけている。

Eコマースの戦略に関し、デイリーニュース、解説記事、研究記事、電子商取引におけるグローバルリーダーをランク付けする分析レポートなどを発行している。

Internet RETAILER

レンダリング検証とJavaScriptコンソールの機能がモバイルフレンドリーテストとリッチリザルトテストに追加

7 years 7ヶ月 ago

モバイル フレンドリー テスト ツールとリッチリザルト テスト ツールで、レンダリング後のソースコードと読み込めなかったリソース、JavaScript のエラーを取得できるようになった。

投稿 レンダリング検証とJavaScriptコンソールの機能がモバイルフレンドリーテストとリッチリザルトテストに追加海外SEO情報ブログ に最初に表示されました。

Kenichi Suzuki

セブン&アイの新オムニチャネルが6月本格スタート、イトーヨーカ堂がアプリ運用を開始

7 years 7ヶ月 ago

イトーヨーカ堂は6月、会員カード機能などを備えたオリジナルアプリ「イトーヨーカドーアプリ」の運用を開始する。アプリを通じてクーポンや店舗のセール情報などを配信。チラシを閲覧したり店舗を訪れたりした会員には「アプリポイント」を付与する。

イトーヨーカ堂が始める会員カード機能などを備えたオリジナルアプリ「イトーヨーカドーアプリ」
「イトーヨーカドーアプリ」のイメージ

「アプリポイント」はアプリの中のゲームに使用できるほか、電子マネー「nanaco」のポイントに交換することも可能。

「イトーヨーカドーアプリ」は、セブン&アイグループが6月に開始する新たな会員プログラム「セブンマイルプログラム」に合わせてスタートする。店舗やEC、ネットスーパーを利用するとマイル(ポイント)が貯まり、ポイント数に応じて、さまざまな特典を受けられるという。

「セブンマイルプログラム」はイトーヨーカ堂のほか、グループを横断したECサイト「オムニ7」や「セブン-イレブン」も対象となる。

「セブンマイルプログラム」の概要
「セブンマイルプログラム」の概要(画像はセブン&アイのIR資料から編集部がキャプチャ)

セブン-イレブン・ジャパンも6月にオリジナルアプリ「セブン-イレブンアプリ」の運用を開始すると発表している。

「セブンマイルプログラム」は2018年秋に「そごう・西武」、2019年春頃に「ロフト」と「赤ちゃん本舗」が参加する予定。

セブン&アイはグループ会社のアプリを刷新し、実店舗での購買情報を一元管理する。購買情報はマーケティングや商品開発に活用する計画だ。

「セブンマイルプログラム」の展開計画
「セブンマイルプログラム」の展開計画(画像はセブン&アイのIR資料から編集部がキャプチャ)

デジタル強化を進めるセブン&アイ

セブン&アイ・ホールディングスはデジタル戦略を強化するため、2018年3月1日付でオムニチャネル管理部の名称を「デジタル戦略部」に変更。デジタル戦略部などを統括するデジタル推進本部を新たに設置し、本部長に後藤克弘副社長が就任した。

ITを活用して顧客1人ひとりの情報を生かし、よりニーズに合致した商品開発やCRM戦略を推進するとしている。

セブン&アイは2016年10月、それまでのオムニチャネル戦略の見直しを行った。「顧客ごとにグループ各社の利用状況をつなげ、全チャネルを通じてサービスの質を追求すること」を目標に掲げ、グループの顧客戦略をオムニチャネル戦略として再定義した。

国内のグループ店舗に来店する1日あたり2200万人(当時)に上る顧客のCRMを生かした販促、きめ細やかなパーソナル販売を強化するとしている。

「セブンマイルプログラム」の展開計画
セブン&アイがめざすCRM(画像はセブン&アイのIR資料から編集部がキャプチャ)

渡部 和章

ライトプロ株式会社 代表取締役

渡部 和章(わたなべ・かずあき)

新聞社で約7年半、記者を務めた後、2015年に編集プロダクションのライトプロを設立して代表に就任。編集者兼ライターとしても活動中。

趣味は料理と漫画を読むこと。東京都在住。1983年生まれ。

渡部 和章

GDPRの対策としてWebアナリストがすべきこと

7 years 7ヶ月 ago

GDPRなんて関係ない」と思っていたところ、突然Googleからデータ削除についての英語メールが届いて右往左往した人も多いと思います。結局どうすれば良いのか?一般論ではなく、GoogleアナリティクスやAdobe AnalyticsのようなWebの分析ツールを利用しているアナリストやマーケターは実際にどうすべきか?という観点で、調べた結果をまとめました。

Google アシスタントにあなたのレシピを届けましょう

7 years 7ヶ月 ago

昨年発売した Google Home は、料理のレシピや詳しい手順を音声で案内する機能を備えています。Google Home を日常的に利用するユーザーが増えてきたことにあわせて、レシピを音声ガイド対応にするための新しいガイドラインを公開しました。これによりユーザーは Google Home の Google アシスタントを利用してあなたのレシピを発見することができるようになるため、あなたのレシピはより多くの方に発見されるようになるかもしれません。新しく追加された構造化データ プロパティ(英語)を利用してレシピについての詳しい情報を提供し、さらに良質なトラフィックをサイトに呼び込んでください。

レシピのプロパティを更新してレシピを見つけやすくする

このたび、レシピに関するデベロッパー向けドキュメント(英語)を更新しました。このドキュメントに沿ってレシピのプロパティを指定することで、Google 検索や Google Home においてレシピが見つかりやすくなり、サイトへのアクセスをさらに増やすことができます。ユーザーがいろいろな方法でレシピを検索できるようにするには、レシピについての情報をできるだけ詳しく指定する必要があります。特におすすめのプロパティを紹介します。

  • video: 料理の手順を解説する動画を配列として指定できます。
  • recipeCategory: 食事の種類やコース料理での位置付け(「ディナー」、「デザート」、「メイン ディッシュ」など)を指定できます。
  • recipeCuisine: 何料理のレシピかを指定できます(「地中海料理」、「アメリカ料理」、「広東料理」など)
  • keywords: レシピに関連するキーワードを追加します。たとえば、季節(「夏」)、行事(「クリスマス」、「ひな祭り」)、特別なイベント(「結婚式」、「誕生日」)、その他の説明(「クイック」、「低カロリー」、「オーセンティック」)などを追加すると効果的です。

新たに追加された recipeInstructions を使用すると、料理の詳しい手順を記述できます。1 つ 1 つの手順は、HowToStep プロパティを使用して記述します。HowToSection プロパティを使用すると、こうした手順をセクション単位にまとめることができます。

Google アシスタント用に手順と材料を追加する

レシピを Google Home の Google アシスタントで利用できるようにするには、recipeIngredient プロパティと recipeInstructions プロパティを追加する必要があります。これらのプロパティを追加すると、レシピが Google アシスタントに対応して、ユーザーがアシスタントを通じてレシピを見つけることが可能になります。これらのプロパティを指定しない場合、レシピは Google アシスタントの音声ガイドでは利用できませんが、Google の検索結果には表示されます。

詳しくは、レシピに関するデベロッパー向けドキュメント(英語)をご覧ください。機能についてご不明な点がありましたら、ウェブマスター ヘルプ フォーラムで質問してください。

ECを使うメリットは「価格」「24時間」。クーリングオフ制度の適用「知らない」が36%

7 years 7ヶ月 ago

弁護士や税理士などの専門家と消費者のマッチングサービスを手がける日本法規情報が実施した「ネットショッピングに関するアンケート調査」によると、ECの利用者は価格の安さや注文時間の自由度にメリットを感じていた。

また、通販やECにはクーリング・オフが適用されないことを知っている回答者は約3割にとどまった。

調査対象760人のうちネットショッピングの利用経験者(87%)に「ネットショッピングを利用するメリット」を選択式単一回答で質問した。

その結果、「価格が安い」が31%でトップ。2位以下は「24時間注文できる」(23%)、「外出せずに商品を注文できる」(21%)、「商品比較ができる」(14%)、「口コミや評価がわかる」(3%)だった。

ネットショッピングを利用するメリット(日本法規情報が調査)

ネットショッピングを利用するメリット

訪問販売などで商品を購入(契約)した際に一定期間内であれば無条件で解約できる「クーリング・オフ」は、通信販売には適用されないことを知っているのは36%だった。

クーリング・オフは、訪問販売など不意打ち的な勧誘や、連鎖販売取引など複雑でリスクが高いとされる契約において、一定期間内であれば無条件で解約できる制度。現行法では通販やECには適用されない。

クーリング・オフ制度が通販には適用されないことの認知(日本法規情報の調査)

クーリング・オフ制度が通販・ECには適用されないことの認知

4人に1人がECでトラブル経験

「ネットショッピングの利用によるトラブルの経験はありますか」という質問では、23%が「はい」と回答。ネットショッピングの利用経験者の約4人に1人が、何らかのトラブルを経験していた。

遭遇したトラブルの内容は、上位から「サイズや見た目が思っていた商品と違った」(33%)、「商品が破損していた」(24%)、「商品が届くまで時間がかかった」(13%)、「代金を支払ったのに商品が届かなかった」(11%)、「偽物が届いた」(5%)となっている。

ネットショッピングで遭遇したトラブル(日本法規情報の調査)

ネットショッピングで遭遇したトラブル

調査概要

  • 調査期間:2018年1月15~1月29日
  • 回答者:760人(男性352人、女性408人)
  • 日本法規情報が運営するサイトの運用情報やアンケートをもとに「ネットショッピングに関するアンケート調査」を発表した

渡部 和章

ライトプロ株式会社 代表取締役

渡部 和章(わたなべ・かずあき)

新聞社で約7年半、記者を務めた後、2015年に編集プロダクションのライトプロを設立して代表に就任。編集者兼ライターとしても活動中。

趣味は料理と漫画を読むこと。東京都在住。1983年生まれ。

渡部 和章

ミレニアル世代のSNS発信者がこれからの新しい消費のカタチをつくる リサーチ・アンド・ディベロプメント調べ

7 years 7ヶ月 ago
株式会社リサーチ・アンド・ディベロプメントは、デジタルに精通した新世代「ミレニアル世代」の消費行動を探るため、日本、中国、アメリカ、ドイツに在住する18~64歳の男女を対象に調査を実施。その結果から、...

LINEログインの利用者が急増! ECサイトが実装するメリットとは? | ソーシャルログインとは? ECオーナーが知っておきたい基本

7 years 7ヶ月 ago

昨年まではソーシャルログインといえば、FacebookログインやTwitterログイン、日本ではYahoo! JAPAN IDログインが主流でした。特にFacebookとYahoo!はログイン時に取得できる情報が多く、新規会員登録時のフォーム項目のほぼすべてを自動で埋めることができます。

Yahoo! JAPAN IDログインは、ヤフオク!やYahoo!ショッピングで利用されている正確な住所が取得できるため、多くのECサイトで利用されていました。ところが、この1年でLINEが大きくシェアを伸ばしてきています。その理由と背景、ECサイトが実装するメリットなどを解説します。

スマートフォンシフトでLINEログイン利用者が拡大

スマートフォンシフトが進み、メッセンジャーアプリも一般的になってきています。ユーザーとのコミュニケーション方法に変化が現れてきていた2016年末から、本格的にLINEログインが展開されました。

次の図は、筆者の所属会社フィードフォースが提供するソーシャルログイン機能「ソーシャルPLUS」導入サイトの利用状況です。

「ソーシャルPLUS」を導入する国内サイトのソーシャルログイン利用アカウントの割合。いずれかの機能を導入するサイトが対象(期間2016年9月1日~2016年9月30日)。
https://www.feedforce.jp/release/9100/

さらに、2017年に調査したのが次の図です。2016年の調査から1年ほどの間で、LINEログインの利用率が10ポイント以上増加し、Yahoo!ログインに迫る勢いです。

「ソーシャルPLUS」を導入する国内サイトのソーシャルログイン利用アカウントの割合。いずれかの機能を導入するサイトが対象(期間2017年2月~2018年1月)。
https://www.feedforce.jp/release/13167/

2016年当時は、Facebookが4月の開発者カンファレンス「F8」でチャットボットのプラットフォームを発表し、海外でもFacebook Messangerでユーザーとのコミュニケーションを開始する企業が徐々に現れ始めていたタイミングです。

しかし、メッセンジャーアプリというと、日本国内ではLINEが圧倒的なシェアを占めていたこともあり、日本ではFacebook Messangerよりも、まずLINEでのコミュニケーションを始めてみようという企業が多かった印象です。

LINEの利用状況
  • 月間のアクティブユーザー7,300万人以上(日本の人口の57.6%)
  • 毎日利用している日本国内のユーザー84%
    LINE Account Media Guide April 2018 - June 2018より)

また、LINEは2014年2月にビジネスコネクトをリリースしており、ユーザーの会員IDとLINEアカウントを連携(ID連携)することで、企業とユーザーとのOne to Oneコミュニケーションが実現できる環境は事前に浸透している状況でした。

LINEのID連携が実現したコミュニケーション

今までのソーシャルログインとLINEログインの大きな違いは、新規会員登録の離脱や再訪問の際のPW忘れを防ぎ、ログイン作業のストレスを抑え利便性を高めることに加え、ID連携によってユーザーとコミュニケーションが取れる点です。またスマートフォンでの挙動に最適化されているのも特徴です。

次の図は、実際にLINEログインの認知度が高まった2017年度のプラットフォーム別の利用割合です。前述までの調査とは異なり、「5種類のソーシャルログイン機能すべてを導入するサイトが対象」であることに注意が必要ですが、LINEログインの利用率が高いことがわかります。

「ソーシャルPLUS」を導入かつ5種類のログイン機能を実装する国内サイトのソーシャルログイン利用アカウントの割合(期間2017年12月~2018年1月)。
https://socialplus.jp/report/2018

ECサイトにLINEログインがもたらす利点

LINEの利用者は、日本の人口の57.6%とされています。シェアの高さは、LINEログイン普及の大きな要因の1つですが、ECサイトのオーナーにとって、他のソーシャルログインと異なる大きな利点があります。

それは、LINEとID連携することで、メールに代わるユーザーとのコミュニケーション手段を手に入れられるという点です。

メールを代替するLINEのコミュニケーション

昨年から、「メールの開封率が下がっているのでチャネルを増やしたい」という相談が増えています。また、メールアドレスを持ってない、もしくは自分のメールアドレスを知らないといった若年層が増えているというニュースも目にするようになりました。

今までは当たり前のように利用していたメールや電話でのコミュニケーションが、メッセージングツールに変わりつつあります。皆さんも仕事を除けば、家族や友人と連絡を取る際に電話やメールよりもLINEやFacebook Messangerを利用するケースが増えていると思います。

メッセージングツールが一般的になり、若者に限らず年配の方まで、全年代をカバーしているLINEをメールの次のチャネルに企業が選択することは必然的な流れです。

LINEログインであれば、ユーザーが新規会員登録やログインをする流れで、自然にLINEでコミュニケーションできる会員を増やせることもあり、LINEでのコミュニケーションニーズが高まると同時にLINEログインが普及してきました。

LINE連携のマーケティングツール、独自のチャットボットが普及

また、メールに加えてLINEに対応した各種マーケティングツールが増えてきたことも1つの要因です。LINE ビジネスコネクトの登場によって、連携機能の開発が加速しました。

たとえば、マーケティングオートメーションツールでは、見込客に向けたLINEのメッセージ配信に対応するツールが増えています。

LINEのチャットボットを独自開発する企業も増加しました(LINE ビジネスコネクトのなかでも、主にMessaging APIという機能を活用)。コールセンターやQ&Aサイトなど、問い合わせ窓口としてLINEチャットボットを活用したLOHACOやヤマト運輸など多数の事例がでてきています。

ヤマト運輸のLINE公式アカウント。話しかける感覚で配達状況や受取日時を確認できる。
http://www.kuronekoyamato.co.jp/ytc/campaign/renkei/LINE/

メッセージングツールと相性の良いチャットボットがより使いやすく、安価に利用できるようになったことで、ユーザーとのコミュニケーション方法を大きく変えると同時に、ID連携のニーズが幅広い企業で高まりLINEログインのシェアが伸びていくことになったのです。

スマートフォンへの最適化

LINEログインは他のソーシャルログインと異なり、スマホでの利用を重視しています。オートログインと呼ばれる機能があり、iOSのSafari、AndroidのChromeまたはLINEアプリ内ブラウザ上でLINEログインをすると、スマホにインストールされているLINEアプリと連動して、ユーザーはID/PWを入力することなく、サイトにログインできます。

LINEアプリと連動したスマートフォンのログイン画面(画像はゴルフダイジェスト・オンラインの例)

このように、LINEアプリと連動してワンタッチでログインできることは、サイトの利便性を大きく向上させます。スタンプやクーポンなどの即効性が高いインセンティブとは異なり、自社サイトと親和性が高いユーザーをサイトへ定着させる大きな武器になります。ロイヤルカスタマーのLTVを最大化させることにも貢献できます。

ユーザー1人ひとりとのコミュニケーションが進化した

日本の人口の半数近くにまで普及し、圧倒的なアクティブ率を誇るLINEと連携するLINEログインの登場により、サイトへのログインだけでなく、IDを連携してユーザーと最適なコミュニケーションを取るという一歩進んだ使い方が浸透し始めました。

また、ユーザーとのコミュニケーション方法において、メッセージングツールの一般化やマーケティングオートメーションツールとチャットボットの進化が大きな影響を与えています。

次回は実際にLINEログインによるID連携を活用したユーザーとのOne to Oneコミュニケーションを実現している事例をご紹介したいと思います。

岡田 風早

株式会社フィードフォース

岡田 風早(おかだ かざはや)
株式会社フィードフォース
ソーシャルPLUSプロダクトマネージャー 兼 カスタマーサクセスチーム

ソーシャルログイン/ID連携ASPサービス「ソーシャルPLUS」のプロダクトマネージャーとして2015年フィードフォースに入社。その後、カスタマーサクセスチームの立ち上げに携わり、「ソーシャルPLUS」プロダクトマネージャーを兼任している。LINE社とLINEログインにおけるパートナー契約を中心になって進め、ビジネスコネクトパートナーや大手代理店と連携して、企業のLINEによるOne to Oneコミュニケーション実現の設計に数多く携わる。

岡田 風早

「ECサイトを立ち上げるときの店づくり」で大切なこととは?EC担当者の基礎知識 | EC部長が担当者に読んでもらいたいこと

7 years 7ヶ月 ago

商品・コンテンツを載せて、お客様に届けていくのがECサイトの役割です。ECサイトはユーザーが直接触れるものなので、その「つくり」やユーザビリティは、ユーザーの行動に大きな影響を与えます。実店舗に近い考え方もあり、応用できるところもたくさんあります。

Ⅱ-3. サイト(店づくり)

ECの店づくりは、主に「ECサイトを立ち上げるときのサイト構築における店づくり」と「ECサイトをオープンした後の継続的運用による店づくり」の2つの段階に分かれます。第7回は「ECサイトを立ち上げるときのサイト構築」において大事なことを説明します。これをEC担当者が踏まえておくと、日々の仕事において「自分たちの業務が、なぜ必要なのか」「どのような考え方で業務に取り組めば良いか」を理解しやすくなるはずです。

そして第8回では「ECサイトを立ち上げた後の継続的な運用」で担当者に知っておいてもらいたいことを記載していきます(サイトづくりというと、本連載にマニュアル的なことを期待されるかもしれませんが、ここではあくまでも、通常の業務はやっているけれど、実際の意味合いや知っておいてもらいたいことを書いていきます。)

Ⅱ-3-1. サイト構築の前に「コンセプト」や「要件」をしっかり固める

サイト構築というとデザインやシステムによるものと安易に考えがちですが、最初にやるべきことは「どのようなサイトにするか」「誰に対し、どのようなコンテンツ、情報を提供していくか」を決めることです。ECのコンセプトや位置づけを固めてから、コンセプトを実現するために適した「場」を作るということです。

極端に言えば、コンセプトに合わないことはサイトに組み込んではいけないし、載せてはいけないのです。それを実現するために、システムや制作などが必要となってきます。もちろん、最初に考えたサイトのコンセプトや要件でも、技術的、費用的、運用的に実現できないこともたくさんあります。

大まかな流れとしては、コンセプトの確認、それにともなうサイトの役割、対象者(ターゲット)の明確化、それに合わせた機能、テイスト、デザイン、(サービス)、使い勝手(ユーザービリティ)のレベル、掲載するコンテンツの想定、掲載量などを決めていきます。

これらは、ECビジネスにかかわるほぼすべての役割の知識、情報が必要です。制作やシステムの範疇だけで決めるものではありません。

ECサイトのコンセプトや要件を固める
サイト上に掲載する情報・コンテンツの種類・量を決める
サイト上のどこに何を載せるか(情報設計)・導線をどうするか(階層設計)を考える
サイトやページのデザインを決める
掲載するコンテンツを制作する
商品情報を登録する
コンセプトを決を実現するために適した「場」を作ることを意識しよう

よくある失敗例は、小売業などの企画部門が、いきなりECシステム会社にコンタクトし、自社の商品と目標売上規模だけを伝えて、ECサイトを作るよう依頼してしまうこと。システム会社は一般的なECの知識を持っていたとしても、クライアントのビジネス要件(本当はシステム要件)が分からなければ、どうしようもありません。いずれにしても、外部への丸投げはだめです。

また、コンセプトや要件が、技術的にもコスト的にも本当に実現できるかを判断するための知識も必要です。最終的には制作会社やシステム会社からの回答次第ですが、ある程度、内部で判断できなければ、ECサイトの構築はなかなか進みません。

Ⅱ-3-2. 立ち上げ後の“運用しやすさ”を考慮して設計する

サイト構築において大切なことの1つに、「開始してからの運用がやりやすいサイトにする」ということがあります。運用ができない、あるいは運用にとにかく手間や費用が掛かるサイトもありますが(曲線を多用したビルが、窓ふきやメンテなどの費用が、非常に高額になることなどがイメージに近いのではないでしょうか)、そうならないために、情報設計・階層設計の後に運用設計も行い、運用の検証をしておくことをお薦めします。

また、運用面で実現したいことのすべてをシステム化するには無理があるので、確定していなかったり、実施されていない運用は、まずは手動でやってみて、業務が確立されてから要件をまとめ、システム化することが望ましいでしょう。

固まっていないことをシステム化すると、結局使われなかったり、逆に手動だけのときよりも労力がかかったり、後の改修が非常に高額になったりすることがあります。また、未確定のことをシステム化する場合、未確定ゆえに汎用性を持たせる必要があり、開発費が大きく膨らみます。

そして、担当者の心構えとして大切なのは、ECサイトを開設した後は、一旦、出来上がったサイトを「正」として受け入れ、できることの中で最善を目指して運用していくことです。往々にして、最初の設計が不十分であったために、開設されたサイトが不満の多いものになってしまうこともあります。将来の改善のための要件を出していくことは大切ですが、サイトの悪いところや不足しているところばかり指摘して、ネガティブになったりあきらめたりしてはいけません。

どんな店でも、その店でできることはあり、結果は出せます。不満ばかりを言っていないで、まずは、現状を受け入れたうえで、最善の運用を心がけることが大事です。(Webビジネスは、そのネイチャーとして、未熟な状態でリリースされ、その後、運用されながら完成度が上がっていくものです。どのレベルで許容されるかを判断するのは、経営判断と思いますが。そこまでわかってECを運用している企業は少ないようです。)

Ⅱ-3-3. 情報設計・階層設計のポイントは?

ECサイトを立ち上げる際に行う「情報設計・階層設計」について説明します。一見何を言っているのかわからないかもしれませんね。細かいやり方は制作などの専門会社と実施することをお薦めしますが、要は、ユーザーの動きを想定して、サイトのどこに何を載せるかを決めたり、ユーザーがどのように流れるかに沿って階層を決めたりしていくことです。

例えば、トップページに何を載せるか、トップページのどの部分に何を載せるか、それをコーナー化するかどうかを定義します。また、商品詳細ページに載せる商品情報の種類、量、そして、それぞれのページからの導線(どうリンクをはっていくか)などを決めていきます。

同じ階層の同じ種類のページなのに掲載されている情報の種類・位置づけが違えば、ユーザーは混乱しますし、期待通りの使い方をしてくれません。コーナーなどに載せる情報も位置づけをはっきりすることによって、ユーザーにある種のサイトの使い方を刷り込んでいくわけです。そして仕組みや運用負荷を考慮し、どのページ、どの部分を動的にするか、静的にするかなども決めていきます。

Ⅱ-3-4. 基本的な流れや誘導は、できるだけベーシックに

コンテンツ系以外のページなどの情報設計、導線も決めていかなくてはなりません。例えば、会員登録フロー、購入フローなどです。それぞれのページにどんな文言、注意書き、リンクを載せていくかは、サイトによって違うと思いますが、基本のフローは、よほど考慮されていなければ、あまり独自性を出さずベーシックなフローをお薦めします。

有名な事例として、「ECサイトの購入に至る基本の流れ」(チェックアウトフロー)は、アマゾンが作ったと言われています。少なくとも、アマゾンで一般的になったということです。

検索	商品一覧 	商品詳細	カート	ログイン	送付先の指定	支払方法の指定	確認	購入決定

この流れは、ECサイトのスタンダードと言えると思います。

EC黎明期に、アマゾンのユーザーが増え、追随する他のECサイトがアマゾンのこの流れをまねた結果、ECで購入をするユーザーが慣れている方法で迷うことなく購入できたので、ECが普及したとも言われています。基本的な流れや誘導(ナビゲーション)は、特殊なことをせず、極端な独自性にこだわらず、業界のスタンダードといわれるものに従った方がよいということです。

サイトづくりでは、サイト単体での使い勝手の良さということが第一ですが、「基本的な使い勝手」をユーザーの慣れ親しんでいるものに合わせることも非常に大事なユーザビリティの基本です。

Ⅱ-3-5. デザインは「こぎれいで、わかりやすく」が大切

サイトのデザインは、ブランディングや独自性を高めるために、クリエイティブにこだわりがちですが、「こぎれいで、わかりやすい(Clean and Easy)」ことが最優先です。また、大切なのが、サイト名やサイトのテイストです。既存ビジネスを持つ会社の多くは、既存ビジネスの信頼性やブランド、集客力をECにも利用することになると思います。そうであれば、サイト名は既存ビジネスの名称を使うか、「既存ビジネス名+オンラインショッピング」のように、既存ビジネスと同じ会社が運用しているECサイトであるとすぐにわかるようにすることが大切です。

既存ビジネスと違う名前で、ECサイトをブランディングして集客するには、非常に時間と費用が掛かります。また、折角来た訪問者が、微妙に違うまたは違う名前のサイトを、既存ビジネスの名前を騙った偽サイトと疑ったりなど、全くいいことがありません。

2000年前後までに開設されたECサイトに、そういった名前のものが多いようです。(アイ〇〇〇〇〇のような)わざと区別したいのか、ネットのユーザーが若いからと意識したのか、全くマイナスだと思われるものもあります。

また、サイトのテイストも、色やデザインなど既存の実店舗とまったくイメージが違うようにしてしまっては、折角の実店舗のブランドイメージが使えません。ユーザーが直感的に既存ビジネスと同じサイトだと分かることには非常に大きな価値があります。最初はやはり既存ビジネスのユーザーや、既存ビジネスを知っている消費者が一番のお客様なのだということです。

Ⅱ-3-6. システム担当者もコンセプト設計やビジネス要件に関わることが多い

ECサイトづくりにおいて「制作」と「システム」は両輪です。ECサイトを立ち上げる際のシステム構築の流れは、次のようなフローになります。

ビジネス要件の取得(資料をもらうか、関係者からのヒアリング)
システム要件策定
ベンダー選定またはプラットフォームの選定
開発プロジェクト
テスト
システム稼働・サイト公開

ECのシステムは既存の基幹システムと違い、未だに、システムと他の業務の境界があいまいなところが多いため、システム担当者はビジネス側に踏み込んでいくことを求められることが多いと思います。(基幹システムでももちろんですが、より多いということです。)

システム要件を作るには、「ビジネスコンセプト」「事業計画(規模など)」「サイトの情報設計」などが必要です。しかし、全部そろってから、システム要件を作れていることはあまりなく、多くの場合はシステム担当者も巻き込まれながら、一緒にビジネス要件を決めたり、情報設計を行ったりもすることになります。そもそも、非システム・非制作スタッフがWEBサイトやECサイトで何をしたいのかの前に、何ができるかがわからず、堂々巡りをしてしまうのです。

システム担当者からすれば、非システム・非制作スタッフがやりたいことを全部言ってくれれば、できること・できないことを含めてまとめて回答ができるのですが、任せておいてもシステム側に必要な項目、要素が出てきませんし、出てきても全く足りないこともあるでしょう。(結果、スケジュールが押してシステム担当の負担となってしまいます。)さらに、WEBというとつかみどころがなく、舞い上がってしまい、全部わからないという人や、世間のあいまいな情報を真に受けて幻想に走ってしまう人が少なからずいるので、結局、ビジネス要件に近いものをシステム担当者がまとめていることも多いのが現状です。

一見、システムで実現できないようなことも、考え方次第では実現できたり、他社事例から解決できたりすることもあるので、システム担当者だからといって、ビジネスコンセプトや事業計画の策定からあまり分離しない方がいいという考え方もあります。会社の組織の問題もあり、さまざまな進め方がありますが、基幹システムよりは、はるかに巻き込まれ度が高いでしょう。

システムを自社で開発せず、レンタルカードなどを使う場合もありますが、開発以外のプロセスはほぼ同じです。規模が大きかったり、他システムとの連携がある場合は、レンタルカート利用といえども、システム担当者は必須です。

読者の多くは、すでECサイトを持っている部門で働いていると思いますが、これらの当初の構築に関する考え方は運用にも使えますし、今後のサイトの改善にも役に立つと思います。

次回は、ECサイトを立ち上げた後の継続的な運用による店づくりにおいて、EC担当者に知っておいて欲しいことを説明します。

中島 郁

ネクトラス株式会社 代表取締役

中島 郁(なかしま かおる)

ネクトラス株式会社 代表取締役

新規事業立ち上げ、急成長事業マネジメントのプロフェッショナル。

ベンチャー、外資、老舗にて、事業立上げ、急成長ビジネスの責任者を歴任。関与分野は、小売、EC、インターネット、メディア、アウトソーシングを含むサービス業等。

トイザらスではマーケティング部門立上げ、EC専業法人設立。ジュピターショップチャンネル執行役員(EC、テレビ編成及びマーケティング)本部長を経て、世界最大のECサービス企業GSI Commerce(eBay Enterprise)アジア太平洋担当副社長兼日本法人社長。三越伊勢丹では役員兼WEB事業部長として、EC・情報メディア等の構築、オムニチャンネル導入を担当。米国Babson College MBA。

おそらく大規模EC・オムニチャンネル3社で事業責任者に携わった国内唯一の経験者。
ベンチャーから大企業までのコンサルティング、アドバイス、顧問、業務支援に携わっている。

中島 郁

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