
顧客のニーズは日々変化をしています。企業は、顧客と良好な関係づくりをするためにCRMを活用していますが、顧客サポートだけでなく、マーケティング活動においてもCRMは有効な情報源になっています。顧客のロイヤリティを高めることは、企業ブランドを上げることにつながります。この記事では、CRMを活用したマーケティング手法であるCRMマーケティングの概要やメリットについて紹介します。
CRMは、「Customer Relationship Management」の略で、日本語では「顧客関係管理」と呼ばれています。CRMマーケティングとは、CRMにおいて蓄積した顧客情報をもとに、さまざまな視点から顧客を分析し、顧客に合わせたプロモーションを展開していく手法のことです。顧客情報を活用するということは、顧客視点になりますので、より有効な顧客との関係づくりにも役立ちます。顧客の情報はCRMツールに蓄積され、目的に合わせて解析することができるようになっています。
市場ニーズが大きく変化をしている中で、それぞれの顧客のニーズも多様化しています。これまでマスマーケティングで顧客を獲得していた業界でも、顧客獲得が困難になってきているのはこういった背景があるからです。顧客ニーズの多様化は、全体をひとつのくくりで見るマーケティング手法では対応できません。そこで、顧客一人ひとりに目を向けるために、CRMを用いた分析を行うCRMマーケティングが注目されています。顧客情報から得られた新しいアプローチに対してIT技術の進歩が追従し、CRMマーケティングは、より効果的なマーケティング手法として期待されています。
他の手法同様、CRMマーケティングにおいてもメリットと注意点があります。ここでは、押さえておきたいポイントを説明します。
最初に、CRMマーケティングのメリットについて説明します。CRMの豊富な情報データを有効に使うことでマーケティングの効果をより高めることができます。
CRMツールを活用し、顧客情報を分析すると、顧客が今どのような状況にあるのかがわかります。顧客情報によって顧客を可視化することができ、企業は必要なアプローチを適切なタイミングで行うことができます。そして、顧客一人ひとりに対して、パーソナライズされたアプローチを行うと効果的であることはわかっていてもなかなかできないという状況を打破することにつながります。顧客情報をもとにマーケティングを展開させるCRMマーケティングの大きなメリットのひとつが、適切なタイミングで顧客に見合ったサービスを提供することができるということです。
CRMツールの活用で、顧客のさまざまな情報から、いくつかの視点の異なる予測を立て、顧客のロイヤリティを高める施策を展開することができます。その際に重要なことは、顧客の視点に立ったものであることと、長期的に考えた顧客との関係を構築するということです。このようなCRMマーケティングを実行すると顧客の信頼を獲得することにつながります。顧客から信頼を得ることができれば、信頼を構築した既存顧客がインフルエンサーとなり、口コミやSNSへ企業の魅力が発信されます。このようなバイラルマーケティングの展開は、既存顧客のより一層のロイヤリティアップに貢献するだけでなく、新しい顧客の獲得につなげることも期待できます。
顧客ニーズの多様性に加え顧客の状況も耐えず変化しています。常に顧客に合わせたマーケティングを行うには、今まさに顧客がどのような状況にあるかを知る必要があります。CRM情報はリアルタイム性が重要視されるデータです。そのため、常に最新の状態にアップデートされ続けているCRM情報をマーケティングに活用することは、最新の顧客情報を利用できるということにつながっています。現在の既存顧客だけでなく、見込み顧客も含め、CRM情報には最新の顧客情報が入っていてリアルタイムに活用できます。
CRMマーケティングにはさまざまなメリットがあります。これらのメリットを最大限に活かしたCRMマーケティングを実行する際に気にしておきたい注意点について紹介します。
CRMツールに限らず、社内で新しいツールを導入する際に気になるのが導入期間とコストです。CRMツールもその例外ではありません。CRMマーケティングではツールを導入し、運用を始めるための初期コストがかかります。まずは、そのための費用を用意しておかなければなりません。また、CRMマーケティングを実行する際は、データを収集し、分析、予測から計画を立て実行するという流れを実施する人件費も考慮する必要があります。
CRMツールを導入したからといって、すぐに効果を得られるということはありません。まず、CRMツールで蓄積されたデータがどのようなものであるかを把握し、そこからどの視点で分析を行っていくかを検討します。その結果、どういったマーケティングプランであれば、より顧客にロイヤリティを与えられるかを考え、戦略を立てていきます。そして実行に移すという時間と労力がかかるのがCRMマーケティングです。また、実際に行った結果、すぐに結果が出るとも限りません。結果ができないからといってすぐに見切りをつけてしまわず、期間を定めて結果を見るようにすることも大切です。
ここで、CRMとSFAの違いについて考えてみましょう。CRMもSFAも顧客情報を活用するという点では同じです。しかし、SFAは、「Sales Force Automation」の略で、営業支援を目的としたシステムであり、売上レポートやスケジュール管理といった営業担当者を中心として情報を収集し、営業活動のサポートを行い、営業活動の効率化をツール運用の目的としています。一方CRMは、顧客を中心として、購入履歴や行動履歴をもち、常に顧客視点で、顧客のロイヤリティを高めることを目的としています。顧客情報の活用目的を明確にすることで、どちらのツールを導入するか注意する必要があります。
CRMマーケティング活動はどのように行うのでしょうか。最初に行うのは顧客データの蓄積です。年齢や性別といった顧客のプロフィール情報に加え、商品の使用頻度やカスタマセンターへの問い合わせ件数などさまざまな情報を蓄積します。これらのデータをもとに分析を行い、セグメンテーション(細分化)を実施します。セグメンテーションに合わせて顧客ごとのプロモーション施策を考え、実行していきます。CRMマーケティングはこれで終わりではありません。施策の実行後は検証を行い、必要に応じてPDCAを回します。これらの作業はすべて実施する必要があります。
さまざまな効果が期待できるCRMマーケティング施策ですが、成功させるためには、いくつか押させておきたいポイントがあります。
CRMツールでは多くのデータが蓄積され、分析が可能になります。しかしながら、ツールを導入すること自体が目的となり、具体的な導入目的がないとマーケティングの効果も期待できません。CRMマーケティングにおいて、ツールはあくまでも顧客を知るための手段であり、顧客満足度向上のための手段です。大切なことは、これらの情報から導き出された結果をふまえてどのようなマーケティングを展開するかということです。ツールを導入すること自体が目的になってしまうと、短期的な結果を求めてしまうことにもつながるので注意する必要があります。
CRMマーケティングにおいて、長期的な視点は重要です。短期的に顧客との関係性を求めて無理に囲いこんでしまっては、強固で安定した信頼関係は構築できません。信頼関係を確実に構築するためには、顧客の特性を知った上で、事前にマーケティングのシナリオを描き、長期的な視点での施策を実施する必要があります。これらの実行には、PDCAはかかせません。信頼関係の構築だけではなく、その関係を維持するためには、検証と改善を繰り返すことが重要です。
個人情報流出のニュースが、たびたび報道されていることでもわかるように、顧客情報は会社の財産であるばかりか、ビジネスを継続する上で管理体制を整えておくことは最重要課題のひとつになります。顧客情報は営業や販売の活動の中で集められるものです。さまざまなチャネルから集められる情報をとりまとめ、シームレスに対応するためには、社内における顧客情報管理の体制をしっかりと整えておく必要があります。
CRMマーケティングは、企業と顧客の関係性をより強固にすることが期待できるマーケティングの手法のひとつです。CRMマーケティングで顧客にさらなるロイヤリティを感じさせることができます。今回紹介したさまざまなポイントを参考にして、ぜひ自社でも保有する顧客情報を有効活用したCRMマーケティングの導入を検討してみてはいかがでしょうか。また、CRMマーケティングを行った上で、顧客関係をより強固にするものとして、動画の活用もより有効に活用することもできるのです。
VIDEO SQUAREを運営するCrevo(クレボ)では、数多くの動画制作・映像制作にたずさわっています。国内外約5,000名のクリエイターネットワークを活かし、ご依頼ごとに最適な専属チームを作ります。また、はじめての動画制作でも安心のサポート体制が整っています。動画制作・映像制作ご検討の方はぜひお問い合わせください!
・無料相談・お見積りはこちら
・資料ダウンロードはこちら

I-ne(アイエヌイー)は7月23日、ボタニカルライフスタイルブランド「BOTANIST(ボタニスト)」による韓国市場での展開を拡大したことを明らかにした。
2019年春から順次展開していた韓国国内の一部免税店に加え、新たにドラッグストアチェーンやプレミアムコスメティックストア、現代百貨店など約200店舗での取り扱いを開始。今後も韓国市場を強化していく。
取り扱い店舗は現在、ドラッグストアが「LOHB's」85店舗、「LaLabla」65店舗、「Boots」29店舗の合計179店舗。プレミアムコスメティックストアは「CHICOR」が5店舗。デパートメントストアは「現代百貨店(パンギョー店・チョーノ店)」などとなっている。
「BOTANIST」は現在、日本からアジア全土に販路を拡大。韓国での販売に先駆けて、中国の大手ECモール「T-mall」内で2017年からストアをオープンし、堅調に売り上げを伸ばしてきた。香港や台湾でも一部商品を販売している。
韓国免税店には中華圏からの観光客も多く訪れるため、これらの市場での認知度は韓国免税店で取り扱いを決める重要な要素になったという。この中華圏での人気に注目した韓国企業からのオファーがあり、「BOTANIST」の販売が実現した。
現地関係者によると、「PM2.5が深刻な問題になっている影響もあり、韓国でもナチュラル志向のトレンドが高まっている」と言う。こうした流れも、植物由来成分を配合した「BOTANIST」の取り扱いにつながったと捉えている。
※このコンテンツはWebサイト「ネットショップ担当者フォーラム」で公開されている記事のフィードに含まれているものです。
オリジナル記事:「BOTANIST」のI-neが韓国市場に進出、ドラッグストアや百貨店などで販売
Copyright (C) IMPRESS CORPORATION, an Impress Group company. All rights reserved.

「Yahoo!ショッピング」出店者、「LOHACO(ロハコ)」に出店する事業者などEC業界が動向を見守っているヤフーとアスクルの対立が、日増しに激しくなっている。ロハコ事業の譲渡に端を発した対立が表面化してから、プレスリリースや記者会見で両社が意見を表明する展開に。両社の溝は埋まらず開く一方となっている。アスクルが実施した記者会見、報道陣とのやり取り、公表資料から、対立の背景やこれまでの経緯などをまとめた。
7月18日、アスクルが行った記者会見。その席でアスクルの岩田彰一郎社長は、ヤフーからの「LOHACO」事業の譲渡要請に関するやり取りなどを説明した。だが、ヤフーはその同日夕方、プレスリリースで岩田社長とは譲渡要請を否定する。
LOHACO事業の赤字がアスクルの業績の低迷に影響を与えているため、LOHACO事業をやめるか、譲渡を考えるべきではないか、とアスクル取締役会において社外取締役の今泉公二氏(アスクルの第2位株主のプラス社長)から再三指摘がありました。当社は、アスクルとしてそもそも譲渡をする考えがあるのかの意向をうかがったに過ぎません。アスクルからその意向はないと回答を受けたため、当社としては今後も譲渡を申し入れる方針はありません。(プレスリリース「アスクル株式会社の本日(2019年7月18日)開催の記者会見について」から)
だが、岩田社長は記者会見で譲渡要請に関する一連のやり取りを説明した。それによると、アスクル第2位株主のプラス社長・今泉公二氏の意向があったという。なお、アスクルはプラスのアスクル事業部としてオフィス用品通販サービスをスタート、1997年にアスクルとして独立した。

――プラスがヤフーサイドについている。岩田社長もプラス出身。プラスとのコミュニケーションはできていなかったのか?
岩田社長(以下岩田):プラスの今泉社長はアスクル社外取締役のため、取締役会にも参加しており、信頼できる方。今泉さんの考えが変わった原因は「LOHACO」の赤字。宅配クライシスによる送料値上げ、倉庫の火災などで90億円くらいの営業赤字になる見通しになったときに今泉さんは心配されたが、BtoB事業の利益だけになればアスクルの株価が値上がりするのではないかと考えた。だが、BtoB事業だけになると投資家への魅力がなくなり、(BtoBとBtoCの)シナジーもなくなる。たとえ利益が伸びても株価は上がりにくい。


――今泉さんの意見は。
岩田:12月の議論で90億円の営業赤字はいまのアスクルの体力では厳しいと。だが、アスクルにとって「LOHACO」事業は将来成長するための宝。その後、今泉さんとヤフーがディスカッションするなかで、ヤフーが「LOHACO」事業を譲り受けるという話になり、今泉さんは恩義を感じた。アスクルの株価が大きく跳ね上がると……。
――プラスからの説明は。
岩田:今泉さんは赤字にナーバス。何とか(赤字を)なくしたいというのは、経営者として当たり前の考え。だが、「LOHACO」はさまざまな企業にデータを開放し、それを商品開発に活用したり、マーケティングに使うオープンイノベーションの場。数字上の赤字よりも、次の時代の価値、ECビジネスにおけるビッグデータの価値が「LOHACO」にはある。だが、それを価値として見られず、数字上の赤字がクローズアップされた。私たちは「LOHACO」の将来の価値を、重要性を認識している。

ヤフーとアスクルは2012年4月、業務・資本提携を締結。「LOHACO」の共同運営で協力関係を築いてきた。2015年に業務・資本提携契約を更改。ヤフーは45.13%のアスクル株を保有する筆頭株主となった。
「LOHACO」においては、ヤフーは主に集客と決済面、アスクルはフルフィルメントやMDといった役割分担で運営。2012年10月の立ち上げからわずか7年足らずで売上高513億円(2019年5月期)のECサイトに成長した。
ヤフーとアスクルの業務・資本提携を締結し、「LOHACO」共同運営の道筋を作ったヤフー側のトップは宮坂学代表取締役社長兼CEO(当時)。岩田社長によると「2018年まではヤフーと良好な関係だった」と言う。
ヤフーでは2018年、「Yahoo!ショッピング」「ヤフオク!」といったEC関連事業を管轄するコマースグループ長だった川邊健太郎氏が代表取締役社長CEOに就き、宮坂氏は経営から退いた。
岩田社長はヤフーの体制変更などの営業が今回の関係悪化に影響した可能性について言及。そして、ヤフーに対して業務・資本提携関係の解消を申し入れを実施している。だが、ヤフーは業務・資本提携関係を継続した上で、アスクル岩田社長の退任を6月27日に要求した。
なお、岩田社長が第2位株主プラスの今泉社長と面談した際、「ヤフーからプラスに対し、LOHACO事業をアスクルから切り離すためには岩田社長に退任いただく必要があり、LOHACO事業の切り離しの時期は年内という話があった」といった説明を受けたという。
――(ヤフーとアスクルの間で)一体何があったのか? ヤフーからの一方的な申し出だったのか?
岩田:ヤフーの社長交代(宮坂氏から川邊氏への交代)、新しい体制への移行(ヤフーの親会社がソフトバンクグループからソフトバンクへ移った)が、直接の原因か考えるところ。2019年1月に「LOHACO」事業の譲渡を自主的に考えてほしい」と川邊社長から話があった。「LOHACO」はアスクルの重要な事業。BtoB、BtoC、物流の3つがセットでアスクルは伸びている。そもそも「LOHACO」だけ切り離せるのか? 少数株主の利益になるのか? 指名・報酬委員会からもリテンションをいただいた(5月の指名・報酬委員会で現経営陣が再構築プランを実行することが最良と判断)。2018年12月の取締役会で「LOHACO」の新しい戦略を決めた直後の1月に、譲渡の話を持ってきた。そして、6月27日に私の退陣要求を突きつけてきた。突然のお話だと思っている。1月になってから関係性が変わったと思う。
――いまの心境は? 社長解任要求にどのように思われたのか。
岩田:(ヤフーとプラスを合わせた)6割の株主が退任を要求している。それはあらがえない。だが、上場企業の職は公職であり、会社は公器。先方からも静かに去ったほうがいい、晩節を汚さない方がいいのではないかとも言われたが、それは違う。(この話を)黙って受け入れて、闇の中で話が進んでいくのは健全じゃない。(支配株主のヤフーが、ガバナンスプロセス、少数株主やステークホルダーの利益を無視していることなどについて)恥をさらして、公にさらすことが公職としての役割。それが責務。
支配株主の横暴によって、独立社外取締役を入れて真面目にコーポレートガバナンスへ取り組んでも全く機能しない。コーポレートガバナンスの実効性、意味をなさなくなってしまう。だからこそ問題提起をした。日本の市場はどうあるべきか? 考えていただき、この問題を訴えていきたいと思っている。
アスクルはヤフーに対し、提携解消協議の申し入れを実施。ヤフーは業務・資本提携関係を継続した上で、「アスクル社が新たな経営陣のもとで新たな経営戦略を推し進めることが、アスクル社の中長期的な企業価値の向上および株主共同の利益の最大化のために最善と考えている」としている。
――「LOHACO」事業が譲渡されるとした場合、具体的な計画はあるのか。
吉岡晃取締役兼BtoCカンパニーCOO(以下吉岡):現実的に離れることになった時、ヤフーが具体的にどうするか予測がつかない。「LOHACO」はたくさんのお客が使っている。どんなことが起きてもあらゆる手段を模索して、「LOHACO」を継続し、進化させていくために最良な方法を考えていきたい。
岩田:アスクルはお客さまのために進化していくことをミッションとしている。「LOHACO」のお客さまは、ヤフーにとっても大事なお客さま。ご一緒できるところは一緒に、お客さまに迷惑をかけないようにやっていきたい。
――ヤフーによる「LOHACO」の乗っ取りとおっしゃった。その理由はどう考えているのか。
岩田:ソフトバンクグループはアリババグループのすごさを理解している。Alipay(アリペイ)とコマースが大きなビックビジネスとなっており、それを日本でも実現するビジョンを叶えようとしているのがヤフーの立場。だが、ヤフーが持っているネット技術だけではECビジネスはできない。アスクルの物流力、オペレーション力、お客さまへのサービス、仕入れ先との良好な関係性――。これらはビジョンを叶えるためには必要なパーツではあるが、物流力がなければECサイトだけ譲り受けてもも意味がない。ベンダーとのつながりもなくなる。現実的ではない。すべては三位一体。BtoB、BtoCの切り離しも難しい。
――「LOHACO」事業の切り離しに反対する理由をもうちょっと聞きたい。
岩田:少数株主にとって「LOHACO」は将来、成長する宝である。(譲り受けた方が)ヤフーにとってはいいかもしれないが少数株主にとっては損失。独自価値を持ったECビジネスに転換しなければ成長はしない。いまの段階で、売り渡すことは少数派株主の利益にならない。
――ヤフーとのシナジーは定通り出ているのか。認識は。
吉岡:いままでは出てきている。短期間で売上500億円規模のECサイトとなった。ヤフーの集客力、アスクルの物流力のかけ算で、実績を積み上げてきた。他に例はない成長率だ。

ヤフーの2019年3月期連結決算によると、「ショッピング事業」の取扱高は前期比22.6%増の7692億円だった(「ショッピング事業」は「Yahoo!ショッピング」とアスクルの日用品通販「LOHACO」、ペット用品ECを手がけるアスクル子会社チャームの取扱高を合計したもの)。
アスクルの2019年5月期連結決算における「BtoC事業」の売上高は、前期比28.7%増の652億円。「LOHACO」の売上高と「LOHACOマーケットプレイス」経由の取扱高、チャームの売上高を合算した「BtoC流通総額」は同29%増の668億円。
ヤフー、アスクルの決算期はそれぞれ異なるため単純比較はできないが、ヤフーの「ショッピング事業」取扱高のうち、アスクルのBtoC流通総額は1割程度を占める計算になる。
この数値からは見えないが、「ショッピング事業」と「LOHACO」の相乗効果は高いものと推測される。消費者が頻繁に購入する商材は日用品。「LOHACO」はヤフーと連動したポイント施策などを実施しており、「LOHACO」利用者が増えれば、たまったポイントの場所として「Yahoo!ショッピング」の利用増につながる可能性が高まる。
また、2018年に「LOHACO」は「Yahoo!ショッピング」に出店。「Yahoo!ショッピング」内の「LOHACO」店利用者が増えれば、「Yahoo!ショッピング」のリピート顧客の増加にも寄与する。
日用品を軸にECモールへの集客を強化しているのが楽天。爽快ドラッグ、ケンコーコムを買収し、現在はRakuten Directが日用品のネット通販を手がける。
ヤフーにとって、ポイントを軸に消費者の利用頻度が高めやすい日用品はECモールを拡大するには必須のジャンル。一方、「LOHACO」はポータルサイトの集客効果などで、急成長を遂げた。さらなる規模拡大にはヤフーの集客力は欠かせないという声は多い。
アスクルの株主総会は8月2日。その席で、ヤフーとプラスはアスクル岩田社長の再任に反対票を投じる方針だ。アスクルは7月18日の会見で、資本・業務提携契約に違反があった際はアスクルがヤフーに対して株式の売り渡しを請求できる条項があると説明しており、岩田社長は「検討する」とした。
また、アスクルの社外取締役・社外監査役で構成する任意機関「独立役員会」は7月23日、記者会見を実施。アスクルとヤフーが対立している件について見解を示した。

「(LOHACO事業)再構築プランを立案した現経営陣の続投が適切」「再構築プランの施策の効果が出てきており、現時点で再構築プランの方向性を変更する必要はない」「アスクル経営陣の責務は、対外公表して市場に約束した再構築プランの施策を着実に実行し、お客様への約束や少数株主などステークホルダーに対しての責任を全うすることであり、LOHACO譲渡を検討するタイミングではない」などと指摘。関係修復が困難な状況にあることを示唆する次のようなメッセージも発している。
LOHACO譲渡要求、ガバナンスプロセスを無視した水面下での社長退陣要求、その間のアスクル経営陣とY社のやりとりから、お互いにかなりの不信感が出ており、もはや関係を修復して建設的に意見交換・協力していくことは困難な状況と考えざるを得ない。
このような状況はLOHACO事業、アスクルの企業価値向上のために大きなマイナスであり、早急に提携関係の見直しを検討し、Y社と交渉すべきであるとの意見を申し上げた。
独立役員会が意見書を提出した理由の一部(アスクル公表資料から編集部がキャプチャ)
※このコンテンツはWebサイト「ネットショップ担当者フォーラム」で公開されている記事のフィードに含まれているものです。
オリジナル記事:「LOHACO」を巡るアスクルとヤフーの対立、何が起きた? 岩田社長の会見などから見る関係悪化の背景と今後
Copyright (C) IMPRESS CORPORATION, an Impress Group company. All rights reserved.

矢野経済研究所が7月23日に公表した「ラストワンマイル物流市場」に関する調査によると、2018年度の市場規模は前年度比13.7%増の1兆8300億円だった。2020年度には2兆300億円に拡大すると予測している。
ラストワンマイル物流市場の調査対象は「通信販売」、出前などの「ワンタイム型デリバリー」、配食サービスや生協などの「定期販売型デリバリー」、「個人間宅配」の4分野。「通信販売」が市場全体の約5割を占めている。
矢野経済研究所は今後も「通信販売」がけん引し、ラストワンマイル市場は堅調に推移すると予測。一方、通販市場の荷物量がいずれピークを迎える可能性があることや、配送を担う人員不足やドライバー不足に対する根本的な解決策がないことを課題に上げた。

今回の調査対象には含まれないが、注目のトピックスとして、外食店舗から消費者宅へのデリバリーを代行する「シェアリングデリバリーサービス」に言及している。飲食店などは同サービスを利用することで、自社でデリバリーを行う初期投資が必要ないといったメリットがることから、これまでデリバリー事業を展開していなかった中小外食チェーンなどにも利用が広がっていると指摘している。
調査概要
※このコンテンツはWebサイト「ネットショップ担当者フォーラム」で公開されている記事のフィードに含まれているものです。
オリジナル記事:ラストワンマイル物流市場は約1.8兆円、通販配送の課題「配送を担う人員不足やドライバー不足に対する根本的な解決策がないこと」
Copyright (C) IMPRESS CORPORATION, an Impress Group company. All rights reserved.

2019年6月25日から28日の4日間、シカゴのマコーミックプレイスで開催された「Retail-X」。今回は、EC業界ではお馴染みのインターネットリテイラーのための勉強会&展示会「IRCE」と、RFIDについてのイベント、さらに小売デザインやテクノロジー、店内マーケティングのためのイベントである「GlobalShop」という、3つのカンファレンスを統合したイベントになりました。

4日間参加した率直な感想は「ECが小売に飲み込まれた。ついに来てしまったな……」ということです。キーノートはECテクノロジーというより小売業向けにアレンジされおり、セッションはより実務寄りの内容になっていました。

ドローンやIoT、VRといった最新テクノロジーは一部のみ。「イノベーションバレー」というテーマということで、派手さはなくちょっと物足りない感じがありました。バルセロナで行われていた「Mobile World Congress 2019」の方は、5Gがメインということもあり、先進的な印象です。

気付いたことは、言いやすいのか「オムニチャネル」というキーワードが復活していたこと。InstagramなどSNS関連は変わらず。Linkedinが少しだけ目立っていました。Pinterestは展示はなくてセッション1つのみ。しかも人気のキーノートの裏側で寂しい印象でした。





→ 次ページ:講演レポート
講演についてもご紹介します。最初のキーノートが、ダグ・スティーブンス氏(Doug Stephens)による「The Future of Retail in a Post-Digital World」(ポストデジタル世界の小売の未来)。
ダグ・スティーブンス氏は、『小売再生 ─リアル店舗はメディアになる』の著者として日本でも知られていますが、世界各国で本を出している有名人。セッションでは「実店舗のメディア化」について話していました。いろんなデータを紹介してくれて、「今後企業はデータ企業ではなく、エクスペリエンス企業になるべきだ」と話していました。

アマゾンや中国のアリババといった大手Eコマース事業者の拡大はご存じの通りですが、米国では「DNVB」が積極的なオフライン展開を進めて急拡大しています。
「DNVB」は「Digital Native Vertical Integrated Brands」の略で、「デジタル・ネイティブを起点に生まれたバーティカル・カテゴリー(ミレニアル世代)に特化したブランド」のことを言い、別名「v-commerce brand」とも言われ、従来のEコマースに乗っかるだけの形態とは区別されています。
「DNVB」の特徴は下記のようになります。
この「DNVB」というキーワードは今回のRetail-Xのいろんなセッションで聞かれました。それもそのはず、この「DNVB」という言葉は、2日目のキーノートで講演したBonobosの創業者Andy Dunn氏の造語なのです。「DNVB」躍進の背景には「2033年にはネットの流通額がリアルの流通額を上回る」と言われていることもあるようです。
米国ではリアル店舗が業績不振や倒産などでどんどん閉店していますが、小売企業やブランド企業はそんな中でもオンラインだけではなく実店舗においても、アマゾンやアリババなどと対抗する必要に迫られています。
今まで小売やブランドはリアル店舗の約割を「商品のマーチャンダイジング」「商品情報の提供」「商品販売」と位置付けていたのですが、これからはリアル店舗を自社で持つ最大の「メディア」として活用する時だとしています。

実際にトラフィックや滞在時間を比較すると、実店舗はどのメディアよりもエンゲージメントが高くなっています。
より実店舗を魅力的な「メディア」にするためには、「驚き(Surprising)」「ユニークさ(Unique)「パーソナライズ化(Personalized)」「エンゲージメント(Engaging)」「リピートしやすさ(Repeatable)」といった要素が必要で、こうした取り組みによって、顧客に素晴らしいカスタマーエクスペリエンスを提供していかなければならないとしています。
「Strategic Guidance for the retail C-Suite」(最高のお客様のための小売の戦略ガイダンス)のセッションでも、Eコマース事業者が今後2年の間に注力するであろうEコマーステクノロジートレンドとして、オムニチャネル強化やデータ分析ツール、店舗のデジタル化などがあげられていました。
その中でも特に、より良いユーザーエクスペリエンスを構築する上では「Personalization(パーソナライズ化)」から「Individualization(インディビジュアル化)」へのシフトが重要になるとしていいました。
3日目のキーノートで講演した「Framebridge」のスーザン・タイナン氏(Susan Tynan)は、顧客体験の改善に注力することによって過去5年間で急成長を遂げてきています。「Framebridge」はフレームを購入し、そこに写真やアートなどをセットするというサービス。「お客様のことを優先的に考えることは当たり前のことですが、それはとても難しいこと」と指摘していました。
顧客ファーストを実現させるためのポイントは、
と、語っていました。

IRCE@Retail-X全体でもカスタマーエクスペリエンスの大事さを伝えていたと思います。
「EC」というくくりが解けて、リアルの小売業も含めていよいよ「コマース」になるという、今後急展開するイメージを肌で感じたというのが、Retail-Xに参加した私の感想です。

前ページ:展示レポート ← → 次ページ:NY新スポットレポート
いろんな方から「最近のニューヨークは見ておいたほうが良い」と言われ、IRCE@Retail-Xに参加する前にニューヨークにも弾丸で行ってきました。ニューヨークのNIKEや最新ショッピングセンター「ハドソンヤード」は、まさしくメディア化と言っていいスポットです。そういう意味で、ニューヨークの視察とシカゴのカンファレンスはすごくつながった感じを受けました。

ニューヨークにオープンしたNIKEの新しい旗艦店は、1階のエントランスも地下1階の倉庫もメディア化をねらった感じに作られています。スタッフは呼ばない限り近寄りもしません。

各階ともアプリで情報を得たりフィッティングサービスを受けたりできます。商品はアプリで購入してピッキング場所で受け取ります。もちろん配送してもらうことも可能。

レジで並ぶことなく、ビルのどこででも買えるのでとても便利です。POSレジは1台だけ設置されていて、アプリを使わない人も購入できるようになっています。

一方、「ハドソンヤード」は2019年春にできたばかりのショッピングセンター。


米国では日本と違って基本的に店頭も店内も撮影OKですが、NIKEにもハドソンヤードにもフォトスポットがたくさんあり、撮影してInstagramに投稿したくなるように作られています。

日本でもインスタ映えをねらった店舗作りも多くなっていますが、「メディア化」を最大限に考えてお客様のタッチポイントを見直す必要があると思います。そして、拡散してくれたユーザーの情報もデータ化してパーソナライズ化、インディビジュアル化を進めていくというのが、今後の大きなテーマかと思います。
※このコンテンツはWebサイト「ネットショップ担当者フォーラム」で公開されている記事のフィードに含まれているものです。
オリジナル記事:小売はエクスペリエンス企業になるべき――米国では何が起きている? IRCE&NIKE旗艦店などで見たEC最新トレンド | 米国カンファレンスレポート
Copyright (C) IMPRESS CORPORATION, an Impress Group company. All rights reserved.
JavaScript を多用するウェブサイトの SEO のために必要な基本知識を解説するドキュメントを Google はデベロッパーサイトで公開した。
投稿 JavaScript SEOの基本を解説するドキュメントをGoogleが公開 は 海外SEO情報ブログ に最初に表示されました。