ネットショップ担当者フォーラム

「楽天市場」の運営課題を解決できる「RMSサービススクエア」「GOLD SERVICE」とは

5 years 7ヶ月 ago
楽天は、出店者が抱えるページ制作、顧客対応、データ分析といった課題を解決するため、サードパーティのサービスを紹介する「RMS Service Square(アールエムエス サービス スクエア)」、優秀なサービスを「GOLD SERVICE」として認定する制度を運営している

「楽天市場」でのECサイト運営では、ページ制作、顧客対応、データ分析など課題を抱えている企業は少なくない。こうした課題を抱えた「楽天市場」出店店舗をサポートするため、楽天はサードパーティのサービスを紹介する「RMS Service Square(アールエムエス サービス スクエア、RMSスクエアサービス)」を展開。そして、その優良サービス・製品を「GOLD SERVICE」として認定する制度を運営している。「楽天店がうまく軌道に乗っていない」「楽天店を開設したばかりでわからないことばかり」といった悩みを抱えている企業の課題を解決するという「RMSサービススクエア」「GOLD SERVICE」を取材した。

「RMSサービススクエア」とは

「RMSサービススクエア」は、「楽天市場」公式の店舗運営支援サービスで、サードパーティのサービスや製品を集約している。「楽天市場」出店店舗とサービスを提供するパートナー企業の間に楽天が仲介役として入り、店舗の課題や悩みにマッチしたサービスを提供するというもの。

2014年8月からサービスを開始し、掲載企業数は2020年7月時点で74社、232サービス。

楽天市場 RMSサービススクエア RSM Service Square ECサイト運営支援 ページ制作 商品撮影 顧客対応 サードパーティ
「RMSサービススクエア」の流れ(画像は楽天資料より編集部がキャプチャ)

店舗ニーズが高いサービスを提供

提供しているサービスは、商品写真の撮影や加工、ページ制作、メール対応など受注業務の改善ツール、コンサルティングなど特に店舗のニーズが高い8つのカテゴリーがある。サービスは1か月単位から契約できる。

楽天市場 RMSサービススクエア RSM Service Square ECサイト運営支援 ページ制作 商品撮影 顧客対応 データ分析
店舗が利用できるサービスのカテゴリ一覧(画像は楽天資料より編集部がキャプチャ)

店舗が問い合わせをすると、「RMSサービススクエア」の担当者が店舗の課題にマッチしたサービスを提案。店舗側がサービスを気に入ればサービス提供企業と契約し、契約後は店舗と企業間でやり取りする仕組みになっている。

パートナー企業へ2つのサポート

「RMSサービススクエア」では、出店店舗だけでなくパートナー企業に対するサポートも行う。

1つ目は、サポート企業の開発を支援する「開発サポートプログラム」。楽天の店舗運営システム「RMS」の開発テスト環境の提供、APIの公開などを行っている。

2つ目は、サービスの営業や販促支援を行う「販売プログラム」。「RMSサービススクエア」専用サイトへのサービス・製品の情報掲載や利用店舗へのレビュー収集などだ。

2020年7月時点で開発サポートプログラムは105社、販売プログラムは74社が参画している。

楽天市場 RMSサービススクエア RSM Service Square ECサイト運営支援 開発サポートプログラム 販売プログラム
パートナー企業へのサポートプログラム内容(画像は楽天資料より編集部がキャプチャ)

支払い面でもサポート

通常、店舗がベンダーのサービスを受けた場合、納品前に利用料金を支払うケースが多いという。しかし、納品前の支払いサイクルでは効果を得る前に費用が発生し、店舗の運営に影響を与えてしまう可能性がある。

「RMSサービススクエア」では完全後払い制度を導入。サービス納品月の翌々月に支払いを行うスキームとなっている。

楽天市場 RMSサービススクエア RSM Service Square ECサイト運営支援 支払いサイクル
「RMSサービススクエア」利用時の支払いサイクル(画像は楽天資料より編集部がキャプチャ)

「三方良し」のサービスモデル

サービスの特徴について、RMSサービススクエアグループ マネージャーの川瀬洋樹氏は「店舗、パートナー企業、楽天の『三方良し』の形だ」と説明する。

店舗が安心・安全にサービスを利用できるよう、基準を満たしたパートナー企業やサービスを提供している。パートナー企業に対しても、決済仲介や開発サポートといった支援を行うことで3者全員がメリットを得られる流れを作っている。(川瀬氏)

楽天市場 RMSサービススクエア RSM Service Square 川瀬洋樹 マネージャー
RMSサービススクエアグループ マネージャーの川瀬洋樹氏

「GOLD SERVICE認定制度」とは

一定の基準を満たしたサービス・製品を優良サービスとして半期に一度、楽天が認定する制度が「GOLD SERVICE認定制度」だ。2020年上半期で7回目の開催となる。

売り上げや受注件数、利用店舗数といった定量評価、店舗へのサポート体制や「楽天市場」ガイドラインへの対応力など定性評価から総合的に評価する。

楽天市場 RMSサービススクエア RSM Service Square ECサイト運営支援 GOLD SERVICE認定制度 判定期間
「GOLD SERVICE認定制度」の判定期間(画像は楽天資料より編集部がキャプチャ)

認定を受けたサービスは「RMSサービススクエア」専用サイト内の検索順位の優遇やエンブレムの掲載などが可能となる。2020年上半期には、11企業の16サービスが認定を受けた。

今回、「GOLD SERVICE」初受賞したEMLworks代表取締役の本田雅人氏と川瀬氏が、サービスの内容や利用店舗の規模感、サポートで意識している点などについて対談した。

楽天市場に出店している経験を生かす

RMSサービススクエアグループ マネージャーの川瀬洋樹氏(以下、川瀬氏):受賞したサービス内容について教えてください。

EMLworks代表取締役の本田雅人氏(以下、本田氏):「イーエムエルワークス ページ制作全般プラン」というページ制作サービスです。「ページ制作の悩みを解決したい」「プロにページ制作を依頼したい」といった店舗それぞれの要望や課題に対してカスタマイズできるようにしており、「楽天市場」でのページ制作について、何でも気軽に相談してもらえるサービスをめざしています。

楽天市場 RMSサービススクエア RSM Service Square ECサイト運営支援 EML works
EML worksが提供するサービス「イーエムエルワークス ページ制作全般プラン」利用店舗の評価(画像は楽天資料より編集部がキャプチャ)

川瀬氏:サービスを始めた経緯を教えてください。

本田氏:「何をしたら良いかわからない」「ECサイトの受注処理が不安なので相談したい」などの相談が弊社に寄せられることが多く、「頼ってきてくれる店舗の声を聞いてみよう」という思いから生まれました

元々、弊社は「楽天市場」に出店しているので、ユーザーの思考や「楽天市場で物を売るためにどのようなページを作ったら良いか」など基本知識が社内に蓄積されています。それを基板にアウトプットしてページ制作を行っています。

日用品やコスメなどジャンルはさまざま。規模はスタートアップが多い

川瀬氏:店舗のジャンルや規模の傾向はありますか。

本田氏:日用雑貨、スマホケース、PC商材、コスメ、英語教材、食品などジャンルはさまざまです。

規模としては「今からネットショップやりたい」「既存の店舗のブラッシュアップをしたい」と考えているスタートアップや小規模店が多い。大規模の店舗だと、「実店舗重視だったがネットに力を入れたい」と考える傾向がありますね。

川瀬氏:店舗の悩みはどういった内容が多いでしょうか。

本田氏:スタートアップだと「何をしたら良いかわからない」など、店舗の疑問点が具体化していないことが多いです。「パッケージ化したプランだとどれが合うかわからないので、まず相談したい」という声も多いですね。

既存店だと「商品に合うページを作りたい」という相談があります。商品ページだけでなく特集ページやトップページのリニューアル依頼もありますね。

楽天市場 RMSサービススクエア RSM Service Square ECサイト運営支援 EMLworks 代表取締役 本田雅人
EMLworks代表取締役の本田雅人氏

「次もお願いしたい」と思ってもらえる信頼作り

川瀬氏:ページ制作を行う上で難しい点はありますか。

本田氏店舗とのコミュニケーションや信頼関係を築くことですね。

メール対応が基本ですが、電話対応も受けています。いつでも声を聞きながら相談や打ち合わせをすることでコミュニケーションを図っています。「一度会って話をしたい」という要望もあるので、交通費を負担していただければ、対面での初回打ち合わせも可能です。

川瀬氏:サービスを利用した店舗からはどのような意見がありますか。

本田氏:「売上が上がる」「保守しやすい」などページ制作のクオリティ面はもちろん、店舗への対応面でも良い評価をいただいています。

「最初は不安だったが、親身になって考えてくれた」と安心してもらえることで、リピート受注につながることが多いですね。リピート店舗は、受注金額が上がる傾向があるのですが、それは「信頼して使ってもらえているからこそ」だと思います

川瀬氏:店舗のサポートで意識している点は何でしょうか。

本田氏:スタートアップでは「楽天市場」独自の仕組みを理解しきれず「何をしたら良いか」と相談されることが多い。まず店舗の疑問や課題を解消し、仕組みを理解してからサービスを利用してもらうように意識しています

一回の相談で受注を決めてもらうのではなく、何度もやりとりをした上で納得・検討してから利用してもらいたいので。

店舗からページ制作についての要望やイメージがあった場合は、可能な範囲で提案をしています。強制はせず、私たちの提案を踏まえた上で検討・依頼してもらうようにしている。店舗の要望をそのまま鵜呑みにして作って失敗してしまったら、みんなが不幸になると考えていますので。

安定した受注量確保が参加のメリット

川瀬氏:「RMSサービススクエア」に参加して良かった点は。

本田氏:楽天から店舗に提案してもらえるので、安定した受注量が確保できることが一番大きいです。

弊社のような零細企業は1件でも未入金があると大きな痛手になるので、楽天が決済の仲介をすることで利用料金がきちんと入金されることは有難いです。

パートナー企業として信頼してアドバイスをもらえたり、「楽天市場」の情報を有効に活用しながらサービスを提供できています。

川瀬氏:今後の抱負を教えてください。

本田氏:新型コロナウイルスの影響で、受注件数が目に見えて伸びてきています。町の喫茶店など今までにはなかった分野から依頼を受けることがあり、それだけ実店舗からネットにシフトしていることが顕著になっている。

新規出店や今から始めたい企業が増えてくると思うので、企業や店舗に寄り添って課題解決や提案をしていきたい。納品物のブラッシュアップやクオリティの向上を今以上に心がけていきたいです。

藤田遙
藤田遙

お客に評価される買い物体験とは? 優れたカスタマーエクスペリエンスを提供するための5つのポイント | 海外のEC事情・戦略・マーケティング情報ウォッチ

5 years 7ヶ月 ago
優れたカスタマーエクスペリエンスを幅広く提供するためには、自動化とスマートテクノロジーを併用して、Eコマース業務の各所を最適化する必要があります。

デジタルコマースの新しいパラダイムでは、オンラインショッピングでのカスタマーエクスペリエンス(CX)における5つのポイントを最適化している小売事業者が、群を抜いて際立っています。CXを最適化する5つのポイントを紹介します。

CXを最適化する5つの主要ポイント

自動化とスマートテクノロジーの併用がカギ

購入に至るまでの工程がデジタル優先になるなか、モバイルを含む小売事業者のeコマース機能は、購買体験のなかで中心的な役割を果たしています。

同時に、小売事業者に対する消費者の期待も、かつてないほど高まりを見せています。その結果、大手小売事業者やマーケットプレイスは、消費者のデジタル上でのカスタマージャーニーのあらゆるステップを最適化するために、テクノロジーを積極的に活用するようになりました。

オンラインで優れたカスタマーエクスペリエンスを幅広く提供するためには、自動化とスマートテクノロジーを併用し、eコマース業務の各所を最適化する必要があります。

デジタルコマースにおけるカスタマージャーニーを調べた新しい調査で、5つの主要なポイントと、最高のカスタマーエクスペリエンスを実現するために気をつけるべき重要なトレンド、テクノロジーの概要が説明されています。その5つのポイントをご紹介します。

1. 消費者マーケティングと商品への導線

消費者は、SNSやモバイルアプリ、ウェアラブル端末やホームテクノロジーに至るまで、日常のオンライン環境がショッピングの導線として機能することを期待しています。このような期待に応えるために、小売事業者はマーケティング戦略を再考。データを元に消費者を理解し、パーソナルな方法で効果的にターゲットを絞るようになっています。

小売事業者は、人工知能(AI)、拡張現実(AR)、文脈に応じたターゲティングツールなどのテクノロジーを導入して、消費者がどこにいようとも、その場に合わせたプロモーションを行い、エンゲージメントを高めようとしています。未来を予測するこれらの新しいデジタルアプローチは、常に検索と発見が行われる未来への基礎を築くものになるでしょう。

経験豊富なブランドは、購入に結びつくコンテンツを提供し、視覚的なリアルタイム検索サービスを活用して消費者がいる場所にリーチするなどして、マーケティングのアプローチ方法を刷新しています。

たとえば、アパレル小売業のadidas(アディダス)は、ソーシャルプラットフォームのSnapchatと協力し、ユーザーがプレイしながら商品を購入できるインタラクティブなゲームを、ソーシャルメディアプラットフォーム上に作りしました。

adidasがローンチした遊びながら購入も楽しめるオンラインゲーム
adidasがローンチした遊びながら購入も楽しめるオンラインゲーム(画像:engadget「Adidas made a Snapchat game to drop limited, 8-bit-themed baseball cleats」よりキャプチャ)

同様に、Facebookは最近、FacebookやInstagram上のアプリ内から直接商品を購入できる「Facebookショップ」を発表しました。顧客獲得方法の変化は、潜在顧客がショッピング以外の時間をどこで過ごしているのかを理解し、それらのチャネルを購買に至るカスタマージャーニーに統合しなければならないことを意味します。

2.「店舗」の体験とデザイン

消費者は、オンラインストアにアクセスした時、リアル店舗と同じような体験を期待しています。オンラインストアに対応するインタラクティブなテクノロジーを組み込み、事実上、リアル店舗でのショッピング体験と同じものを提供することが期待されているのです。そのために小売事業者は、オンラインでリアルな交流ができるテクノロジーを活用しなければなりません。

AR技術を駆使して、3Dを活用したバーチャルリアリティ体験を提供しているサイトでは、消費者はバーチャルに商品を試着したり、商品に触ったりすることができます。InstagramはARを活用して、ユーザーが自分の写真や動画を使って、化粧品やアクセサリーを試着できるようにしています。同様に、Sephoraでは「バーチャルアーティスト」アプリケーションを使って、さまざまなタイプのメイクアップをバーチャルで試せるようにしています。

Sephoraのバーチャルアーティストアプリ
Sephoraのバーチャルアーティストアプリ(画像:Sephoraのサイトよりキャプチャ)

他の小売事業者は、店頭をソーシャルメディアのライブ・ストリーミング・チャンネルとして活用し、リアルタイムで消費者と関わりを持っています。そうすることで、店頭で提供する購入体験を損なうことなく、オンラインでも買い物できるようにしているのです。

カスタマーエクスペリエンスを豊かにするために、チャネルやデバイスの枠を超えて、可能性を押し広げなければなりません。

3. 消費者教育とCX

店頭での接客と同様、消費者はオンラインで買い物をサポートしてくれるブランドに価値を見出しています。実際、消費者は自分の情報を喜んで共有し、小売事業者が購入までのプロセスを手助けしてくれることを望んでいます。

ある調査によると、ミレニアル世代の58%が個人データを共有して、自身のニーズに最も合う商品のレコメンデーションをしてくれることを望んでいるそうです。消費者の選択をガイドする予測技術やオンラインでのリアルタイムサポートにより、小売事業者はデジタル領域で消費者をサポートすると同時に、彼らを教育する方法を再考しています

今後、消費者は、自分の生活を楽にしてくれる小売事業者に傾倒していくでしょう。消費者へのサポートは、もはや受動的なサービスではなく、彼らがオンラインで買い物をする際に、正しい情報に基き意思決定できるようにするための必要な方法と考えられています。

小売事業者は、ショッピングの間ずっと消費者の好みを予測し、彼らをサポートし、彼らの情報を保護できるテクノロジーを活用し、カスタマーサポートを優先させていく必要があるでしょう。

4. 取引・決済・税金

商品を決定した後、消費者はチェックアウトでも、シームレスなオンライン体験が継続されることを期待しています。チェックアウトプロセスでは、消費者に十分な支払いオプションを提供し、支払い情報を自動的に入力し、税金や送料を正確に計算するなど、これらすべてを安全に実行する必要があります

オンラインショッピング利用者の87%以上がカゴ落ちしている状況を考えると、チェックアウトは複雑な課題であり、小売業者にとっては重要度が高いものとなっています。

ワンクリック購入システムやデジタル版取り置きのような、シームレスで柔軟な支払いプロセスを提供することで、チェックアウトにおけるCXを大幅に向上させることができます。

また、世界中の人々にサービスを提供できるデジタルエクスペリエンスを創造することも重要です。IT専門調査会社「IDC」のレポートは、2022年までに越境eコマースが、世界のオンライン小売市場の15%以上を占めるようになると予測しています。

消費者はチャネルや地理的な場所に関係なく、シームレスなチェックアウトプロセスを期待しているため、通貨両替などのグローバルなバックエンド機能が不可欠になるでしょう。

5. フルフィルメントと購入後のサポート

消費者にとって、購入後のサポートはもはや、おまけではなくCXの重要な要素となっています。消費者は、自分のライフスタイルに合った配送オプションとシンプルな返品プロセスを備えた、“ほぼ瞬時”のフルフィルメントを期待しています。

企業は、消費者の集積密度に合わせてフルフィルメント業務を最適化し、複数のオプションで物流を合理化し、税関や仲介手数料に関連するコストを削減し、あらゆる場所(物理的な店舗またはデジタル上)での返品問題に対処しています。チェックアウト後、大切なお客様のために、ハウツー講座や専門家のアドバイス、便利な補充サービスを提供することで、顧客との関係を深めようとしている小売事業者もいます。

消費者は、自分が選んだチャネルで買い物ができるだけでなく、購入した商品を同じように受け取ることを期待しています。ストレスのない物流を提供すれば、消費者は、いつ、どこで、どのように購入品を受け取り、返品処理をするのか、よりコントロールできるようになります。

たとえば、スーパーマーケットチェーンの「Kroger」は、薬局チェーンの「Walgreens」との実験的なプログラムでサプライチェーンを再構築。消費者がオンラインで食料品を注文し、近くのWalgreens店舗で受け取ることができるようにしました。小売事業者は、配達と返品をデジタルコマースの延長線上で対応できるよう、複雑なサプライチェーンと配送システムの課題を克服しなければなりません。

Krogerで購入した商品をWalgreenで受け取れることを示したイメージ画像
Krogerで購入した商品をWalgreenで受け取れることを示したイメージ画像(画像:Krogerサイトよりキャプチャ)

デジタルコマースの新しいパラダイムに関して、小売事業者にとって重要なことは、消費者が実権を握っていて、彼らの好みに合ったオプションを提供することは、小売事業者の責任であると理解することです。

◇   ◇   ◇

現実の生活とオンラインショッピングの間にはもはや壁は存在しないため、最も効果的なオンライン販売は、日常生活に即して行われることになります。

最終的に小売事業者は、消費者の期待に応えつつ、規制や責任に対するコミットメントのバランスが取れるようなツールやインフラに投資することで不必要なリスクを回避し、可能な限り最善の方法で消費者にサービスを提供することに専念しなければなりません。

この記事は今西由加さんが翻訳。世界最大級のEC専門メディア『Digital Commerce 360』(旧『Internet RETAILER』)の記事をネットショップ担当者フォーラムが、天井秀和さん白川久美さん中島郁さんの協力を得て、日本向けに編集したものです。

Digital Commerce 360
Digital Commerce 360

停止中のNTTドコモのECモール「dショッピング」、2.5日ぶりの再開は8/6の10時を予定

5 years 7ヶ月 ago

システムメンテナンスのために8月3日21時から運営を停止しているECモール「dショッピング」が、8月6日(木)10時に再開する見通しとなった。

停止期間は約2.5日(61時間)。新システムへの切り替えのために運営を休止し、8月4日15時の再開を予定していた。受注CSVにおける商品充当額と充当額に差異があるなど出荷実績関連で仕様と異なる事象が発生。切り戻しをせず、改修対応を急いだ。

「dショッピング」のサイトでは8月6日(木)10時からの再開を掲示。出店者に対しては8月5日、再開時期と改修状況などを通知している。

メンテナンス状況の通知(画像は「dショッピング」から編集部がキャプチャ)

「dショッピング」は7月1日、「サンプル百貨店」などを運営するオールアバウトライフマーケティングとNTTドコモが共同運営する体制へ移行している。

オールアバウトライフマーケティングはモール全体の出店者サービス、カスタマーサービス、システム構築を担当。NTTドコモは決済システムの運用を担い、2社が保有する顧客基盤を活用した集客を共同で行うとした。

今回のメンテナンスは、新たな運営体制への移行に伴う新システムへの切り替えだったと見られる。

瀧川 正実
瀧川 正実

シニア通販の雄「ハルメク」がMBO、ノーリツ鋼機から独立へ

5 years 7ヶ月 ago

シニア向けの出版事業や通販事業を運営するハルメクホールディングスは8月4日、宮澤孝夫代表取締役を筆頭株主とした経営陣によってマネジメント・バイアウト(MBO)を実施し、親会社であるノーリツ鋼機が保有するハルメクHDの全株式を譲り受ける契約を締結したと発表した。

ハルメクHDは、シニア向け通販に強みを持つハルメク、全国通販などを傘下に置く持ち株会社。

ハルメクは定期購読誌「ハルメク」の出版・通販事業を主軸に、リアルな接点での店舗事業(全国4店舗)、旅行・講座等の文化事業を運営。月刊誌「ハルメク」の定期購読者数は32万人、通販利用者数(1年以内購入歴有)は60万人まで拡大している(2020年7月末現在)。

シニア向けの出版事業や通販事業を運営するハルメクホールディングスのビジネスモデル
ビジネスモデルについて(画像はノーリツ鋼機のIR資料からキャプチャ)

急速な高齢化社会へ変化する中、成長を加速するためには、機動的かつ柔軟な意思決定を行える体制を構築することが重要と判断、MBOに至ったとしている。

親会社であるノーリツ鋼機はコア事業を「ものづくり」、2019年12月に上場したJMDCグループを中心とする「ヘルスケア」と定義。経営資源を集中し、事業ポートフォリオの再編を進める一環として、これらに属さないグループの複数事業を譲渡することにした。歯科向け通販のフィードの株式を保有するデンタルホールディングの全株式も売却するため、通販事業から撤退することになる。

なお、ノーリツ鋼機によると、ハルメクHD、デンタルホールディングの渡価格の総額は105億円。それぞれの譲渡価額は公表していない。

ハルメクHDへの株式譲渡日は8月3日で、MBOのために設立した特定目的会社であるHLMK2が株式譲受人。HKMK2はハルメクHDの完全親会社となる。HKMK2の筆頭株主はみずほアフターコロナ事業承継アシストファンド投資事業有限責任組合。

ハルメクHDはMBO成立後も従前からの経営体制を維持。情報コンテンツ・商品・サービスをリアル・アナログ・デジタルが有機的に結び付いた形で提供し、「日本のNo.1シニアカンパニー」ブランドをめざすとしている。

ノーリツ鋼機の2020年3月期業績によると、ハルメク、全国通販などのシニア・ライフセグメントの売上高は277億7000万円(前期比0.3%減)。

ノーリツ鋼機の2020年3月期業績によると、ハルメク、全国通販などのシニア・ライフセグメントの売上高は277億7000万円
シニア・ライフセグメントについて(画像はノーリツ鋼機のIR資料からキャプチャ)

ハルメクの前身は、1989年設立のユーリーグ。定期購読雑誌「いきいき」、通販雑誌「ふくふく」でシニア層を順調に開拓したものの、株式投資の失敗などが響き、2009年に民事再生適用を申請。投資会社のJ-STARが新設した「いきいき株式会社」で出版事業・通販事業を譲り受け、経営再建を進めた。再建に成功した2012年、ノーリツ鋼機グループ入りした。

その後、「いきいき株式会社」は2016年に「株式会社ハルメク」へと社名変更。全国通販などを傘下に持つホールディングス体制へと移行している。

石居 岳
石居 岳

ドコモの「dショッピング」がシステム切替で不具合、再開時期は「未定」

5 years 7ヶ月 ago

システムメンテナンスのため運営を一時休止しているECモール「dショッピング」で、運営再開が見通せない状況となっている。

8月3日21時にシステムメンテナンスのために運営を休止した。当初は8月4日の15時の再開を予定していたものの、17時、19時と再開予定を変更。このように消費者や出店者に通知していたものの、8月5日7時現在、再開できていない。

ECモールではメンテナンス期間を「未定」に修正。8月4日時点で出店者には「影響範囲の調査などを進めているが、サービス公開の時期は未定」と通知している。

システムメンテナンスのため運営を一時休止しているECモール「dショッピング」で、運営再開が見通せない状況となっている
「dショッピング」でのお知らせ(編集部が「dショッピング」からキャプチャ)

NTTドコモは「サンプル百貨店」などを運営するオールアバウトライフマーケティングと「dショッピング」を共同運営する体制への変更を発表。7月1日から2社での運営に移行した。

オールアバウトライフマーケティングはモール全体の出店者サービス、カスタマーサービス、システム構築を担当。NTTドコモは決済システムの運用を担い、2社が保有する顧客基盤を活用した集客を共同で行うとした。

システムメンテナンスの長期化は、新体制移行に伴うシステムの切り替えで不具合が発生したことが原因と見られる。一部出店者によると、出荷実績関連で仕様と異なる事象が起きており、フロント部分の公開見送りは決定したという。

瀧川 正実
瀧川 正実

コロナ禍でEC利用が増加もリアル店への根強いニーズ。「ポップアップストア」の利用実態と活用のポイントとは | データで読み解く小売ビジネスと未来予測 presented by COUNTERWORKS 竹信瑞基

5 years 7ヶ月 ago
コロナ禍で起こった消費行動に対し、EC、リアル店舗の役割は今後どう変化していくのか。カウンターワークスの竹信瑞基氏が、さまざまなデータを元に小売業界を考察する

コロナ禍で消費行動はどのように変化しているのか。小売・ECに関するデータからは、緊急事態宣言を受けた自粛要請などでECの利用が広まる一方、ECだけでは満たされない消費行動が浮き彫りになっている。緊急事態宣言前後の消費行動から改めて実店舗の価値・課題に向き合い、どのようにECとリアル店舗を共存させたらいいのか。商業施設や店舗の運営改善をサポートするデータプラットフォーム「adptOS」の開発、ポップアップストアの出店支援などを行うカウンターワークスの竹信瑞基氏が、さまざまなデータを元に小売業界の考察を行う。

進むEC化と、ECだけでは満たされない消費行動

楽天、BASEなど増えるEC関連各社の取扱高

2020年7月現在も続くコロナ禍において、オンラインでの消費活動が勢いを増している。

2020年4月度におけるECモール・ASPなどの取扱高に関する前年同月比を見てみると、楽天は+57.5%カラーミーショップは+70%BASEは+190%

特にBASEは特徴でもある「はじめやすさ」から、7月までの2か月間で10万ショップがとショップを新規開設。多くの事業者がECでの販売に進出している。

結果として、「オンラインストア」の検索数は緊急事態宣言が解除された現在、2020年1~3月の年間成長率(CAGR)から算出した2020年の検索数予測値と、2020年6~7月の検索数を比較すると、2020年6~7月の「オンラインストア」の検索ボリュームは1.5倍になるなど、ネット通販に関する検索需要が伸びていることがわかる。

「オンラインストア」の検索数に関する伸び率を表した図
「オンラインストア」の検索数に関する伸び率を表した図。画像左は2019年1月~3月と2020年1月~3月(2019年1~3月のCAGRから算出した予測値)までのCAGR。画像真ん中は2019年4月~5月と2020年予測値(2019年4~5月のCAGRから算出した予測値)、2020年4月~5月のCAGR。画像右は2019年6~7月と2020年予測値(2019年6~7月のCAGRから算出した予測値。7月は第2週まで)、2020年6月~7月のCAGR(画像:筆者作図)

コロナ禍で浮上した、ECだけで売り上げをカバーする難しさ

しかし、ECだけで売り上げをカバーすることが難しいことも、今回のコロナ禍で判明した。

オムニチャネルの代表的企業NIKEの2020年3-5月期におけるEC売上高は、前年同期比75%増と大きく伸ばした一方、実店舗閉鎖で総売上高は同38.0%減。EC化率が2019年時点で6.76%と、9割以上の消費が実店舗で行われている中で、ECだけでは売り上げをカバーできていない。国内のアパレルブランドなどでも、同様の状況となっている。

緊急事態宣言後のコロナ禍における生活者の行動からも、ECだけでは満たされない消費行動が浮き彫りになっている。緊急事態宣言後、休日の都心部への客足の戻りは、前年比6~7割程度と芳しくない状況が続いているが、郊外の商業施設を中心に客足・売り上げが戻っている

これまで都心部へ足を運んでショッピングしていた郊外の生活者が、「生活圏内のリアル店舗で」消費を再開する流れが起きている。つまり、これだけ急激にEC化が進んでも、消費者はリアル店舗での買い物を継続していることが伺える。

2020年7月19日の全国・商業エリアの客足の戻り
2020年7月19日の全国・商業エリアの客足の戻り(NTT docomo提供「モバイル空間統計 人口マップ」より(画像:筆者編集・作図)

商品試着や体験をリアル店舗に求める消費者

こうした現象が起こる消費者意識の背景として、「店舗での商品試着や体験」を求めるニーズがあげられる。EC化が進むアメリカの調査でも全年代で同様の結果が出ているのだ。

ECにはないリアル店舗の価値とは、「返品などの手間なく、商品を実際に見て・体験してから検討・購入できる」こと。実際、そうした意識が多くの人に残っているからこそ、消費者はECの利便性を理解した現在でもリアル店舗を訪れるのではないだろうか。

これらを踏まえると、ブランド成長において、「ECとともに、どうリアル店舗と付き合っていくか」が1つの成長ポイントになっていくと考えられる。

リアル店舗の課題を解消するさまざまなソリューション

とはいえ、従来のリアル店舗には多くの課題がある。以下は、筆者が考える代表的なリアル店舗の課題だ。

  1. 数年間の賃貸借契約による賃料・人件費に加え、多大な初期費用がかかる
  2. オンラインストアとは全く異なる運営方法で、準備の手間がかかる上、運営・改善ナレッジがない
  3. 出店先を決めるにあたり、人通りや店舗によって生まれる収益を計算するための情報が不足している
リアル店舗の課題3つ
筆者が考えるリアル店舗の課題3つ

しかしこうした課題は、さまざまな形で解消されつつある。

EC事業者の間で広まる、期間限定で顧客接点を持つポップアップストアの活用 

数年単位で固定費がかかるリアル店舗の状況を解消するソリューションとして、1日〜数か月単位の短期間でリアル店舗を開設できる「ポップアップストア」がある。

ポップアップストアのメリットは、出店期間を消費者が商品を検討・購入したい時期に絞れるほか、潜在顧客・既存顧客がいるエリアにて、短期間で出店できるところにある。

従来必要だった内装費用や原状回復費などの費用を大きく絞り込み、変動費で出店しやすくすることが可能になる。

アメリカやイギリスでは数年前から、オンラインストア発のD2Cブランド、AppleやNIKEなど、常設店を持っているナショナルブランドであっても、プロモーションとしてポップアップストアを多く活用している。日本でも近年、同様に活用が広がっている状況だ。

appear hereのサイト
イギリスのポップアップストアのマーケットプレイス「appear here」では、スーツケースの「AWAY」など人気D2CブランドやApple、NIKEなどのナショナルブランドも活用(画像:appear hereのサイトよりキャプチャ)
カウンターワークスが運営するポップアップストアのマーケットプレイス
カウンターワークスが運営するポップアップストアのマーケットプレイス「SHOPCOUNTER」では、商業施設から路面店、駅ナカなど、日本全国1,300以上のポップアップストア出店可能スペースを掲載(画像:SHOPCOUNTERの紹介ページをキャプチャ)

コロナ禍において、アメリカではレディース服などを販売するD2Cブランド「Threads&Company」が屋外の駐車場を利用したカーブサイドピックアップ(オンラインで注文・決済し、駐車場で商品を受け取る購買形態)のテストをポップアップストアで実施。このように、リアル店舗を実験的に活用し、消費行動の変化の中で最適な購買・ブランド体験を模索する事例も増えてきている。

出店・運営支援サービスも増加

より簡単&シンプルにポップアップストアの出店が可能に

リアル店舗の在り方や、EC発の事業者のポップアップストア出店が増えてくる中で、商業施設からテナントに、「小売機能をサービスとして提供する」取り組みも増えている。

アメリカで商業施設を複数展開する不動産投資信託会社「Macerich」では、オンラインを中心としたブランド向けに「Brandbox」というサービスを展開。これは、商業施設としてポップアップストア出店区画を提供するだけではなく、「計画」「店舗デザイン」「内装」「接客・販売スタッフの採用」「店舗分析」までワンストップで提供し、オンラインストアを主とするブランドが負荷なく出店できる形でサポートするというものだ。

出店準備や内装など、負荷が大きいものをフォーマット化したことで、消費者が商品を体験しやすい標準的な環境を低コストで作ることができる。それだけでなくブランドは店舗での体験設計や接客など、「サービス」に集中できることも大きなメリットだろう。

「Brandbox」のイメージ動画

国内でも、EC事業者支援サービスが誕生

同様に、日本でもEC事業者がより手軽にリアル店舗を出店できるよう、支援サービスが続々と誕生し、大手商業施設による導入も進んでいる。

渋谷PARCOららぽーと愛知東郷では、ファッション販売員マッチングサービス「MESHWell」を導入。ポップアップストアなど、可変的な売り場における人材の安定運用をサポートするという。

また丸井グループは、2020年6月にオープンした「メルカリステーション」(※編注:メルカリの使い方を学んだり売れた商品の発送業務などが行えるスペース)や、2020年8月にオープンする「b8ta」(※編注:米国発のリテールストア。IoT製品やD2Cブランド製品などを中心に展示販売。出店ブランドには、店内のカメラなどを通じて来店者がどのような体験をしたかなどの行動分析情報提供がされる)で店舗運営の受託を行うなど、ブランドやEC事業者らが出店しやすい運営支援の環境構築が加速している。

オンラインストアと同様に、店舗空間でもデータを活用した改善が行える基盤もできつつある。当社が自社製品の「adptOS」を活用し支援している「東急プラザ渋谷」では、ポップアップスペース専用区画「111」に店内行動を捕捉できるカメラを標準的に搭載。ポップアップストア出店者にデータ提供を行いながら、店頭の改善を行っている。

東急プラザ渋谷のポップアップストア
東急プラザ渋谷のポップアップストア専用区画「111」の様子。天井に匿名で来店者の行動傾向を捕捉するIoTセンサーが展開され、入店率や店内の立ち止まりを元に、レイアウトや商品展示・POP改善が行われる(画像:カウンターワークス提供)

パルコが提供している「POCKET PARCO」では、来店後のサービス評価データが出店テナントへフィードバックとして届く仕組みが稼働。接客や店舗内サービスの改善がなされ、顧客の再来訪につながり、来店者・施設来館者の満足度をテナントとともに高める取り組みが行われている。

「POCKET PARCO」内での来店前〜中〜後の行動の様子
「POCKET PARCO」内での来店前〜中〜後の行動の様子。ショップ評価にとどまらず、ブログや購入機能、館内回遊を起こす仕掛けも含めることで来館個客の理解を深め、施設運営に活用している(画像:パルコが公開している資料よりキャプチャ)

柔軟なリアル店舗出店の可能性と、商業施設・リアル店舗の未来

こうした商業施設でのさまざまな取り組みは、オンラインストアを中心に販売するブランドがリアル店舗に出店する際の敷居を下げると期待される。また、オンライン化や5G、AR/XRなどの技術進化がこの先もますます進む中で、リアル店舗の未来像もより進化を遂げることだろう。小売市場の中でも2割以上のシェアを誇る商業施設においても、今以上の変化が見込まれる。

◇   ◇   ◇

8月7日(金)16時~、竹信氏、カウンターワークスの代表取締役CEO 三瓶直樹氏、そしてパルコで長年オムニチャネルを推進してきた林直孝氏と共に、未来の買い物体験をディスカッションする無料ウェビナーを開催します。

カウンターワークス製品「adptOS」を活用し支援している「東急プラザ渋谷」内の、ポップアップスペース専用区画「111」で、どのような消費者インサイトが得られているかなども紹介予定です。

詳細は以下のバナーをクリックしてご確認ください。

上記バナーをクリックすると参加申込ページに遷移します
竹信瑞基
竹信瑞基

創業202年の「榮太樓總本鋪」が本店をリニューアル。ECにも力を入れる老舗のスイーツを日本橋で味わう | 忙しすぎて疲れているあなた。ちょっとしたECの小ネタでブレイクタイム

5 years 7ヶ月 ago
榮太樓總本鋪(えいたろうそうほんぽ)の日本橋本店が8月1日、リニューアルオープン。「にほんばしえいたろう」「あめやえいたろう」「東京ピーセン」「からだにえいたろう」 など5ブランドの商品が勢揃い。喫茶コーナーも併設。

全国の甘味好きのみなさんにお伝えしたいことがあります。文政元年創業の菓子の老舗・榮太樓總本鋪(えいたろうそうほんぽ)の日本橋本店が8月1日、リニューアルオープンしました。

榮太樓と言えば缶に入った「榮太樓飴」が有名ですが、現在は「榮太樓總本鋪」だけでなく「にほんばしえいたろう」「Ameya Eitaro(あめやえいたろう)」「東京ピーセン」「からだにえいたろう」という5ブランドで展開。リニューアルした日本橋本店では、これら5つのブランドの商品を購入できるだけでなく、できたての甘味をその場で味わえるのです!

観光名所としての新店舗

日本橋エリアは近年、大型商業施設のオープンが続いていますが、伝統ある企業や商店が多いエリアでもあります。榮太樓總本鋪の日本橋本店は、地下鉄三越前駅からすぐの場所。新しい店内は江戸の長屋をイメージしたデザインで、日本橋エリアの新しい観光名所をめざしているそうです。

1818年に創業しておよそ50年後、この地にお店を構えた地べたこの石がです。観光でいらしたお客さまが気軽に立ち寄れる場所を作ろうというのが今回のリニューアルのコンセプトです。(榮太樓總本鋪 細田真也氏)

榮太樓總本鋪 取締役の細田真也氏
榮太樓總本鋪 取締役の細田真也氏と創業の地(左下)
店内
天井の装飾が長屋の屋根のようになっています。写真は販売コーナー。左手奥に喫茶コーナー「Nihonbashi E-chaya」があります
江戸時代の看板
江戸時代の看板も飾られています。左から櫛屋、飴屋、眼鏡屋の看板。飴屋は榮太樓のものではないそうです。江戸時代にも眼鏡屋さんってあったんですね……

もちろんECも運営中

長い長い歴史を持つ榮太樓も2009年からECを実施。現在は楽天市場Yahoo!ショッピング自社公式サイトの3サイトを運営しています。

水ようかん
売れ筋商品は水ようかんだそうです。今の季節、良いですよね〜

榮太樓總本鋪はECにも力を入れており、WEBマーケティング部の EC課がECビジネスを展開。3月26日には自社公式サイトの「榮太樓公式オンラインストア」をリニューアルしました。

5ブランドそれぞれで運営していた公式ECサイトを1つのECサイトに集約。それぞれのブランド製品を1つのECサイトで購入できるようにしました。

榮太樓總本鋪 WEBマーケティング部 EC課の武石礼子氏(左)と、鈴木菜の花氏(右)
ECサイトを担当する榮太樓總本鋪 WEBマーケティング部 EC課の武石礼子氏(左)と、鈴木菜の花氏(右)

きんつば! そして美味しいお茶!

さて、喫茶コーナーで実食です。榮太郎と言えば丸い「きんつば(金鍔)」が開業当時からの名物商品。「きんつば」というのは薄い皮であんこを包んで焼いたお菓子のこと。刀の鍔(つば)と形が似ていることからこう呼ばれるようになったそうです。「きんつば」を美味しいお茶と一緒にいただけるお店って珍しくないですか? 私は初めてです。しかもほんのり温かいなんて!

きんつば
焼きたて名大金鍔(270円)と狭山茶(350円) 。程よい甘さでいくつでも食べられそうなきんつばでした。お茶は砂時計の砂が全部落ちたら飲み頃。良い香りでした〜
オープンキッチン
職人さんが作業するオープンキッチン。鉄板の上できんつばが温められています

スタッフのおすすめは「あんみつパフェ」。上にかける甘いソースを「梅ぼ志あめ」「黒あめ」「あまおうあめ」「蜂蜜れもんあめ」の4種類から選べます。ソフトクリームが滅茶苦茶美味しかったです。ソフトクリーム単体の販売もあります(350円)。

あんみつパフェ
あんみつパフェ(450円)。ソースは「あまおうあめ」をチョイス。飴が添えられています。アイスコーヒー(ラージ/350円)は、甘味に合うようにキリっとビター
豆大福
豆大福(280円)もいただいてしまいました。豆がぎっしり入っていて、皮が薄くて柔らかいこと……。「楊枝を添えていますが、江戸のお菓子は手づかみでパクッと食べられるのが良いんです」(細田氏)ということですので、手づかみでパクッと美味しくいただきました

この他にもメゾンカイザーのパンを使った「あんバタートースト」や、山本海苔やだしの「にんべん」といった、日本橋の老舗同士がコラボした「繁盛団子」など、気になるメニューがまだまだありました。お近くに行った際は歴史に思いをはせつつ、伝統の味をぜひお楽しみください!

※価格はすべて税別です

榮太樓本店・店舗情報

所在地:東京都中央区日本橋1-2-5
アクセス:東京メトロ銀座線・東西線日本橋駅 B9出口 徒歩2分
営業時間:月~金(物販:10時~17時/喫茶:8時~17時)、土(物販:10時~17時/喫茶:10時~17時)
※営業時間については公式ツイッターも参照のこと

内山 美枝子
内山 美枝子

コカ・コーラがラベルレス製品をEC限定展開、生活様式変化の家庭内消費拡大に対応

5 years 7ヶ月 ago

コカ・コーラシステムは8月3日から、ペットボトル本体からフィルムを剥がしたラベルレス製品のEC限定展開を始めた。

「綾鷹」「爽健美茶」「カナダドライ ザ・タンサン・ストロング」のラベルレス製品を「Amazon」「楽天市場」「Yahoo!ショッピング」などのネット通販チャネル限定製品として提供する

製品容器からラベルをなくすと、ラベルを剥がす手間がなくなり、リサイクルのための分別も簡単に行える。新たなラベルレス製品の提供で、新しい生活様式の変化に伴う家庭内需要の増加に対応する。

3ブランドのラベルレス製品はオンラインでのケース販売限定。通常ラベルに記載している原材料名などの法定表示は外装段ボールに記載することで、ラベルを付けずにに販売することを可能にした。ラベルレス製品はケース購入の多いネット通販での需要に適した製品となっている。

コカ・コーラシステムは8月3日から、ペットボトル本体からフィルムを剥がしたラベルレス製品のEC限定展開を始めた
ラベルレス製品のEC限定展開をスタート

ラベルをなくすことで家庭における分別の手間がかからず、プラスチックごみの削減にもつながる。希望小売価格は「綾鷹」が525ミリリットル×24本入りで3336円、「爽健美茶」は500ミリリットル×24本入りで3336円、「カナダドライ ザ・タンサン・ストロング」は430ミリリットル×24本で2640円(それぞれ税別)。

コカ・コーラシステムは販売するラベルレス3製品に先駆け、「い・ろ・は・す 天然水 ラベルレス」を、2020年4月からオンラインを中心に展開している。「い・ろ・は・す 天然水 ラベルレス」を購入した顧客からは、「ラベルを剥がす手間や分別の手間が省けるので助かる」「プラスチックごみも減らすことにつながる」といった好意的な声が数多く寄せられているという。

ネット通販を利用した「い・ろ・は・す 天然水 ラベルレス」の購入者の約8割が、「い・ろ・は・す」ブランド製品のオンライン購入が初めてだったことから、ラベルレス製品の導入が、ネット通販チャネルにおける「い・ろ・は・す」ブランドの新規購入者の増加に貢献したと見られる。

新型コロナウイルスの影響による家庭内消費の増加に伴い、ネット通販におけるRTD製品(Ready To Drink:容器入り飲料)の販売は増加傾向にある。コカ・コーラシステムは、今後も販売チャネルごとの特性を踏まえつつ、生活様式の変化に伴う消費行動の変化や新たな消費者ニーズに迅速に対応していく。

石居 岳
石居 岳

メルマガが読まれない理由ランキング:3位「内容がつまらない」、2位「情報が役に立たない」、1位は……?【ネッ担まとめ】 | ネットショップ担当者が 知っておくべきニュースのまとめ

5 years 7ヶ月 ago
ネットショップ担当者が読んでおくべき2020年7月27日〜8月2日のニュース
ネッ担まとめ

出せば反応があるメルマガ。コロナの影響でどの事業者からも配信頻度が増えています。その中で生き残れるように頻度や内容の見直しをしましょう。

C向けもB向けもメールは大事な武器。でも使いすぎに注意を

最も読まれるメディアはEメールで77%、2位はLINEで46%、3位はTwitterで23% | ネットショップ担当者フォーラム
https://netshop.impress.co.jp/node/7877

まとめると、

  • オレンジスピリッツの調査によると、最も読まれるメディア1位は「Eメール」(77.8%)、2位は「LINE」(46.1%)、3位は「Twitter」(23.4%)
  • メルマガを読むか読まないかを決める要素で多かったのは「件名」(61.9%)、「発行者名」(48.2%)
  • メルマガを読まなくなったきっかけは「配信頻度が多過ぎる」(55.4%)。次いで「情報が役に立たない」(40.9%)、「内容がつまらない」(34.9%)
メルマガを読まなくなったきっかけは「配信頻度が多過ぎる」が55.4%と最も高い。次いで「情報が役に立たない」が40.9%、「内容がつまらない」が34.9%
Q:どんなメールマガジンを読まなくなりましたか?(上位2つまで/複数選択可)
https://note.com/os070601/n/n189fa1c286f5より編集部でキャプチャ

会社や店からのお知らせをどのようなメディアで受け取っているかの聞いたところ、Eメールが88.4%と最多。LINEの53.8%やTwitterの22.5%などのSNSを大きく上回った。オレンジスピリッツは、「企業からの情報の受け取りやすさではSNSが普及した現在でもEメールが最も適していると言える」としている。

ECを利用するならメールアドレスが必要なので必然的にメールの利用率が上がるのかもしれませんが、LINEよりも30%も多いとはちょっと意外でした。件名と発行者は重要ですよね。お得なのか、新商品なのか、予約なのかなど、瞬間的にわかる件名が良いです。送信者=誰からのメールなのかということなので、知っている相手からのメールなら開封するということでしょう。

解除の理由も納得です。毎日クーポンを配られても買わないですし、自分が欲しくない情報が来ても見ないですよね。配信先をセグメントして、その人が見たい情報を知りたいタイミングで送ることが重要ですね。

メルマガ送信率149%増加/営業メールへの返信率は24%低下[HubSpotグローバル調査] | SalesZine
https://saleszine.jp/news/detail/1731

まとめると、

  • HubSpotの調査では、2020年1月~3月期と4月~6月期の比較で、日本のメール送信率は149%増と増加率が世界最多だった
  • ビジネスチャットによる問い合わせのボリュームもグローバルで31%増えている
  • 営業担当者から顧客へ送付するメールもグローバルで44%増加したが、返信率は24%減だった

オンラインコミュニケーションが活性化することで、オンラインで見つけてもらったあとに、見込み客を適切にフォローする仕組みの構築が必要となります。マーケティングが有益な情報をメールで送り自社サービスや製品をよく理解してもらう。そして、適切なタイミングで営業がフォローアップできなければなりません。そのひとつの手段として企業サイトにチャットを導入したり、TwitterやFacebookなどのSNSの運営に力を入れたりするのも良いかもしれません

こちらも冒頭の調査と同じような結果になっていますね。メールをたくさん送って返信率が下がっているということは、役に立たない情報を送っているのか頻度が多すぎるかなのでしょう。メールは数ではなく質ということを意識しておくと良さそうです。

チラ見せした個性への反応が次のネタを生む 毎日メルマガ歴6年の運営堂森野さんに聞く「伝え続ける」コツ | ECzine
https://eczine.jp/article/detail/8050

まとめると、

  • 「企業が伝えたいこと」と「お客様が知りたいこと」は異なる
  • お客様からいただくお問い合わせを活かしてコンテンツを作ると知りたい内容になる
  • 企業でメールマーケティングを行う場合はコミュニケーション能力が高い人が担当者になると良い

コロナ禍でECが盛り上がっていますが、競争も激しくなったということです。そうした状況下で、忘れられないECになるためには、作業として回すのではなく、個性やネタ、接客のうまさなどが求められます。これを機に、メルマガをおもしろくするために、ルーチンワークになっている作業を見直すといったことが起きると良いですよね。

会社の中で毎週〇曜日にメールを出すと決まっていても、お客さんにはまったく関係ないことです。締め切りに追われて書いたメールを出すぐらいなら、伝えたいことがある時に不定期に出した方が良いですよね。となると、伝えたいことを見つけることが最優先。それはお問い合わせだったり、出荷状況だったり、世の中の状況を見ていないとつかめません。コロナの影響でメールの量が増えているからこそ、質を上げる努力をしていきましょう。

外出派と自粛派、二極化しそうな世の中に対応しましょう

コロナ禍での「当社コンサル状況」まとめ&今後の見通し予測 | コマースデザイン
https://www.commerce-design.net/blog-staff/200730covid-192nd/

まとめると、

  • 食品、家具やホーム雑貨は好調。クラフト系・楽器などは落ち着いてきた。ファッション関連は戻りつつある
  • 母の日、父の日は伸びたものの、新学期、イベント、外出需要は激減
  • 新規参入の増加によりEC市場内の競争が激化した。しばらくの間は「積極的に外出する人」と「外出を控えて引き続き自粛する人」に二極化

外出志向の人に巣ごもり需要をアピールしても効果はないでしょうし、逆もまた然りです。例えば、同じ焼き鳥だったとしても、「おうち居酒屋で地鶏の本格焼き鳥」と「青空の下で!地鶏串のBBQ」どちらをメインにアピールするのかは、客層やその商品をどう見立てるかによって変わってきます。これからどんなものが売れるのかを考える際に、新型コロナに関する考え方やそれに伴う行動からニーズやウォンツを想像すると、ヒントになります。

第二波も気になりますがECは引き続き伸びる傾向のようです。注意すべきは、今までと同じ商品でも行動が変わっているので相手を想像しないといけないという点。自分たちが想像もしないニーズがあるので、お客さんに聞いてみたりGoogleトレンドで調べてみたり、TVの情報番組を見ておくと良いでしょう。とにかく変化に対して敏感に。

EC全般

Shopifyを日本上陸当初から活用しビジネス拡大 BODYBOSSに聞くShopifyアプリ活用術 | ECzine
https://eczine.jp/article/detail/8090

Shopifyアプリはたくさんあるのでどれを使ったら良いのかわからないですよね。すでに使っている人の情報はとても助かります。

ヤマト、“ネコ耳段ボール”全国発売 カラーは白と黒 並べるとしっぽがハートに | ITmedia NEWS
https://www.itmedia.co.jp/news/articles/2007/28/news133.html

これは良い!「今後は季節ごとに異なるデザインのものも販売する予定」なので期待。

コロナ禍で主要アパレルの在庫月数最大2.5倍増 EC伸ばすも実店舗分カバーに至らず/フルカイテン調査 | ECzine
https://eczine.jp/news/detail/8152

大手で在庫が増えているとなると、他のアパレルでも同じことが起きていそうです。三陽商会の13.93という在庫月数は信じられないレベルです。

こんなCTAが効果を出してきた!ターゲットの関心をガシ掴むノウハウとは | ASUE
https://asue.jp/blog/?p=14023

10年教えてわかった、あなたのランディングページがコンバージョンしない5つの理由 | キーワードマーケティング
https://www.kwm.co.jp/blog/improvement-for-landing-page/

CTAっぽいボタンやページを作ることを考えるとうまくいきません。見る人のことを考えて。

オンライン法事・法要システム『スマート僧侶(TM)』が誰でも参加できるオンライン合同法要を施行 | ASCII.jp
https://ascii.jp/elem/000/004/021/4021423/?rss

人が集まること、移動が伴うことはオンライン化する流れ。

自社のECサイトやアプリに「PayPay」を導入できる開発者向けツール「PayPay for Developers」の提供を開始 | PayPay
https://about.paypay.ne.jp/pr/20200729/01-amp/

PayPay銀行やPayPayカード誕生。ZHDの金融を「PayPay」ブランドに統一 | Impress Watch
https://www.watch.impress.co.jp/docs/news/1268538.html

ますますPayPay化(?)が進む世の中に。ECサイトでは使わざるを得ないでしょうね。

大量プッシュ通知はもう限界、中国ECで広がる「リアル還元型ゲーム」の狙い 連載:中国イノベーション事情 | FinTech Journal
https://www.sbbit.jp/article/fj/39311

「社会貢献や宅配といったリアルと接続したO2Oゲーム」です。これは日本でも広がるかも。

国内の通販・EC市場は2021年に13兆955億円と予測 2019年比で12.3%増/富士経済調査 | ECzine
https://eczine.jp/news/detail/8148

経産省の調査と合わせてみておきましょう。伸び率は似ていますね。

ネット通販1回だけと思わせて「定期購入」、規制強化へ | Yahoo!ニュース(朝日新聞デジタル)
https://news.yahoo.co.jp/articles/1fe3ac0a700a51d2eb56efb9cafd81dc21032011

コロナでECが伸びた半面、トラブルも増加。規制強化の流れです。

今週の名言

効率化とサボることは全くの別モノです。
─ノルウェーの陸上選手 カールステン・ワーホルム氏

400mH世界歴代2位ワーホルム。「時計がゼロから始まる素晴らしさ」 | Number Web
https://number.bunshun.jp/articles/-/844412

効率化するときは必要なものまで捨ててしまわないように注意。ユーザー視点を忘れずに。

森野 誠之
森野 誠之

消費者は「サブスク」に何を求めているのか。利用者のインサイトから考える「うまくいくサブスクリプションビジネス」 | Six commerce 〜ひらめきを与えるECメディア〜

5 years 7ヶ月 ago
事業者にとってサブスクリプションビジネスの成否を分けるのは、いかに長期で継続してもらうか。決め手は「顧客体験」

「売上が伸び悩んでいるし景気も良くなりそうにない。何か新しい切り口でビジネスを始めなければ……」「これまでと違ったビジネスモデルを活用して新しい顧客を獲得し、つながりを作りたい」。そんな風に考える人々が今、注目のキーワードとして挙げているのが「サブスクリプション」です。

従来型の「定期購入」などと同じように感じますが、何が違うのでしょうか? ここではすでに登場しているさまざまなサブスクリプションサービスを中心に、サブスクビジネスを解説します。

サブスクビジネスの成否を分けるのは「顧客体験」

三菱UFJリサーチ&コンサルティングが2019年12月に発表した『サブスクリプション・サービスの動向整理』によると、消費者がサブスクリプションサービスを利用する理由を以下のように回答しています。

“ああああああああああああ”
「サブスクリプション・サービスの利用理由」(複数回答/n=520)
三菱UFJリサーチ&コンサルティング『サブスクリプション・サービスの動向整理 2019年12月9日』より作成

サブスクリプションビジネスは、単なる買い物ではなく、「多くの商品・サービスを利用したい」「安価に利用したい」「使いたいときに利用したい」など、さまざまな消費者ニーズに対応するビジネスモデルです。

企業にとってのサブスクリプションの魅力は、なんといっても継続的な収益が期待できること。新規顧客を獲得するよりも、既存顧客のLTV(Life Time Value)を最大化していく方が低コストなため、いかに長期で継続してもらうかがサブスクリプションビジネスの成否を分けることになります。

そのためには購買履歴やサイト内での行動などの顧客のデータを有効活用し、ユーザーを飽きさせない商品の開発やサービスの改善が不可欠です。また、アプリや会員用ページで配達日や注文内容の変更を受け付けるなど、受け取りやすく続けやすい工夫や、返送や交換がスムーズにできる仕組みも必要です。

また、SNSなどインターネットを通じて顧客の意見や感想などを取り入れ、顧客満足度を上げる、つまり顧客とより深くコミュニケーションし、関係性を築く必要があることも、サブスクリプションビジネスの特徴と言えます。

“コト”と“モノ”のサブスクリプション

「サブスクリプション」が一般的な言葉になったきっかけは、動画配信や音楽配信など、手元に物理的な商品が残らない、体験型の“コト”のサブスクリプションです。

古くは貸本屋、ビデオレンタル店、レンタルレコード店というように、コンテンツを物理的にシェアする仕組みは従来からありますが、2010年代、クラウド上のデータをシェアする形式に変わり、都度課金から月額(あるいは年額)課金に変わったことで、「料金が変わらないならこれも試してみよう」という行動が生まれ、検索やサジェスト技術の進化もあり、鑑賞スタイルや楽しみ方が大きく変わりました。

コトのサブスクリプションの例

以下、“モノ”のサブスクリプションを例に、ビジネスモデルとしてのサブスクリプションサービスを、冒頭で五条回した消費者インサイトと合わせてパターン別にご紹介します。

パターン1
最初にユーザーが選んだ特定の商品を送り続けるモデル

“最初にユーザーが選んだ特定の商品を送り続けるモデルの例”
対応できる消費者インサイト:「購入・支払いの手間が省ける」「定額の支払いであり払いすぎの心配がない」

化粧品や健康食品、サプリメントなど同じ商品を、毎月継続的に送り続けるモデルです。「リピート通販」「単品通販」「定期購入」と呼ばれているパターンがこれに当てはまります。

最近では一般的になってきた家庭用のウォーターサーバーの水や、コンタクトレンズ、オムツなどもこのパターンに入ります。

パターン2
同一SKUの別商品を送るモデル

“同一SKUの別商品を送るモデルの例”
対応できる消費者インサイト: 「購入・支払いの手間が省ける」「定額の支払いであり払いすぎの心配がない」「多くの商品・サービスを利用できる」

SKU(Stock Keeping Unit/商品管理の最小単位)は同じでも、毎回内容が違う商品を送ります。「頒布会」と呼ばれていたパターンです。気に入った商品のバリエーションをコレクションできるなどの顧客体験を提供できます。

雑誌の定期購読や、1年間で完結するようにシリーズ化された食品や雑貨、毎月パーツが少しずつ送られてきて、2年間、3年間という長期間で完成させる模型などもこのパターンに入ります。

パターン3
事業者がセレクトした商品を一定の間隔で送るモデル

“事業者がセレクトした商品を一定の間隔で送るモデルの例”
対応できる消費者インサイト:「自分に合ったものを専門家が選んでくれる」

事業者側がセレクトした毎回別の商品を、単品または詰め合わせにして送るパターンです。化粧品をセットにして送るサブスクだけで複数あります。食品関連では日本酒やワイン、コーヒー、パン、惣菜、生花などがあります。

自分では選ばない商品との出会いが楽しめることや、新商品を試せるといった顧客体験を提供できます。特にお酒やワインなど趣味性の高いジャンルでは、感想を言い合うイベントを開催したりコミュニティを作ったりなど、やり方次第でサービスの幅を広げられます。

パターン4
ユーザーが選んだ商品を一定期間貸し出し、返却してもらうモデル

“ユーザーが選んだ商品を一定期間貸し出し、返却してもらうモデルの例”
対応できる消費者インサイト: 「多くの商品サービスを利用できる」「安価に利用できる」「使いたいときにだけ利用できる」「商品やサービスを気軽に試すことができる」「取り替えられる、モノを捨てたり、所有が不要」

特に昨今、若い世代の女性を中心にファッションレンタルが人気です。アプリから着たいアイテムを選び、送られてきた服を着用して返却するサービスや、スタイリストが選んだ一式を配送するサービスなどがあります。男性向けのファッションレンタルでは、スーツがワンシーズン一式借りられるサービスなどがあります。

家電やカメラ、家具のサブスクでは、自社商品を月額数千円で貸し出し、2年ごとに最新機種と交換するというサービスを始めたメーカーもあります。オフィス家具のレンタルでは、テレワークが増えてから申し込みが殺到したようです。

この他に話題のサブスクリプションと言えば車。ローンとの違いは税金や車検代が含まれていることや条件をクリアすれば違う車に乗り換えられること。「使いたいときだけ利用できる」といったニーズに対応するモデルになります。

サブスクビジネスを検討する前に押さえておきたいシステム面

こうしたサブスクリプションビジネスを始めるはそれなりに準備が必要です。決済システムはもちろんのこと、その顧客がどんなステータスにいるのかがわかる顧客管理システムも必要です。返却が必要なサービスの場合はクリーニングの工程も加わるため、商品管理が複雑になります。

また、顧客とのコミュニケーションを快適に維持するために、さまざまな工夫も必要です。例えば新規顧客と会員とでは接し方を変えなければなりませんし、同じ会員でも属性によってアップセル、クロスセルの施策は使い分ける必要があります。また、解約を防いで継続率を上げるためには、顧客の意見や要望をくみ取ることが重要です。こうしたことが実現できるシステムが必要になるということです。

サブスクリプションに求められる顧客体験を実現するには、

  1. 印象的なUX、デザインと機能性
  2. 適切なカスタマーサービス
  3. マルチチャネル戦略
  4. 購入から配送までのスムーズな取引

などが必要になります。いわゆるカスタマーエクスペリエンスの向上で、それを実現するシステムの考え方として、ヘッドレスコマース(eコマースプラットフォームからプレゼンテーションレイヤーを分離することで、コンテンツ管理、UX、およびSEOの柔軟性などを実現する考え)があげられます。

こうしたことを踏まえ、まずは自社でサブスクリプションを始めるならどんなビジネスが可能かどうか、考えてみてはいかがでしょうか。

 

この記事はGMOシステムコンサルティング株式会社が運営するオウンドメディア「Six commerce」に掲載された記事を再編集したものです。オリジナルの記事へは下記のリンクをご利用ください。

Six commerce編集部
Six commerce編集部

「ザ・ノース・フェイス」などのゴールドウイン、店舗スタッフがEC上でのスタイリング提案を開始

5 years 7ヶ月 ago

「ザ・ノース・フェイス」などを展開するゴールドウインは、アウトドアブランドの「ザ・ノース・フェイス」「ヘリーハンセン」などの店舗スタッフが、自社ECサイトにコーディネート写真を投稿し、ECの販売促進につなげる取り組みを始めた。

アウトドアやフィットネスシーンでのコーディネートやスポーツアイテムを使ったスタイルを提案。顧客の体験価値を向上する同時に、店舗スタッフの活躍の場をECサイトに広げる。

「ザ・ノース・フェイス」などを展開するゴールドウインは、アウトドアブランドの「ザ・ノース・フェイス」「ヘリーハンセン」などの店舗スタッフが、自社ECサイトにコーディネート写真を投稿し、ECの販売促進につなげる取り組みを始めた
スタイリング提案の専用ページ

バニッシュ・スタンダードが提供するアプリケーションサービス「STAFF START(スタッフスタート)」を導入し、実現した。

ゴールドウインは、「ザ・ノース・フェイス」「ヘリーハンセン」や、オリジナルブランド「ゴールドウイン」などを展開するスポーツアパレルメーカー。コーディネート写真の投稿は各ブランドの店舗店員が行う。

コーディネート写真を投稿し、ECの販売促進につなげる取り組みを始めたのは、ヨガやピラティスといったフィットネスの流行、昨今のキャンプ、グランピングなどのアウトドアブームなどの影響で、アウトドアアイテムを取り入れたファッションに注目が集まっているため。

「STAFF START」は、スタッフが投稿したコンテンツからの売り上げを可視化することが可能。店舗スタッフの活躍の場をデジタル上に広げ、投稿経由の売り上げを評価材料に加えることでモチベーションアップにもつなげる。

「ザ・ノース・フェイス」などを展開するゴールドウインは、アウトドアブランドの「ザ・ノース・フェイス」「ヘリーハンセン」などの店舗スタッフが、自社ECサイトにコーディネート写真を投稿し、ECの販売促進につなげる取り組みを始めた
コーディネート提案例

「STAFF START」はコーディネート画像に商品情報をひも付け、画像からECサイトの商品ページへユーザーを誘導できるシステム。コーディネート画像を経由して商品が売れた場合、販売実績が投稿者ごとに集計される。2019年1~12月における年間流通額は前年比約311%の412億円。

瀧川 正実
瀧川 正実

小田急百貨店がライブコマースをスタート、配信ツールは「Zoom」を活用

5 years 7ヶ月 ago

小田急百貨店は8月10日、商品紹介のライブ動画配信中に、視聴者が配信者と対話しながらECサイト「小田急百貨店オンラインショッピング」で商品が購入できる「接客特化型ライブコマース」のトライアルを始める。

現在、各企業が実施しているライブ動画配信は、多数の視聴者に向けた発信形式、または事前に予約した視聴者との1対1の対話形式が中心。小田急百貨店が実施する「接客特化型ライブコマース」は、双方の長所を兼ね備えながらECサイトと連動した取り組みという。

小田急百貨店は8月10日、商品紹介のライブ動画配信中に、視聴者が配信者と対話しながらECサイト「小田急百貨店オンラインショッピング」で商品が購入できる「接客特化型ライブコマース」のトライアルを始める。
ライブ配信のイメージ

Web会議ツール「Zoom」を使用し、複数の視聴者を対象に配信者が商品紹介のライブ動画を配信。接客を希望する視聴者が「手を挙げる」機能を使うと、その人は配信者と顔を合わせて直接言葉を交わすことが可能となる。

1対1のやり取りは、視聴者全員が共有できる。接客を受けている顧客の顔は表示されない。紹介している商品URLをクリックすると、ECサイト「小田急百貨店オンラインショッピング」に誘導する仕組みとなる。

多数の視聴者に向けた発信形式のような臨場感を味わいながら、1対1の対話形式のような接客を受けている感覚で商品の購入を検討できることが特長。音声のみを共有するため、利用者は安心して参加できると同時に、やり取りを聞いているユーザーの疑問解消につなげる。テキストで表示された視聴者からの質問を読んで回答するスタイルより、スムーズな応答が可能としている。

小田急百貨店は8月10日、商品紹介のライブ動画配信中に、視聴者が配信者と対話しながらECサイト「小田急百貨店オンラインショッピング」で商品が購入できる「接客特化型ライブコマース」のトライアルを始める
ライブ配信の表示イメージ

新しい生活様式に合わせて安心・安全な買い物環境が求められる中、小田急百貨店はオンライン上での接客の場を提供し、顧客ニーズを引き出しながら商品提案を行うライブコマースを通じて、新たな顧客との接点を創出し、売り上げの拡大を図っていく。

なお、当日は20時から21時、日本人クリエイターの感性に出会えるセレクトショップ「creatorie(クリエタリエ)」で取り扱っているアクセサリーを販売。トライアルの検証結果を踏まえ、今後もカテゴリーを変更しながら継続していく予定だ。

「接客特化型ライブコマース」は、キタムラ・ホールディングスグループで写真を軸とした新規事業を創出するCCCフォトライフラボと協業する。

サービス案内動画
石居 岳
石居 岳

新しい顧客をどう獲得する? D2C、サブスクリプションビジネスのECシステムには、広告配信管理システムとの連携が必須 | 「D2C」&「サブスク」ビジネス相談室

5 years 7ヶ月 ago
session4 ECビジネスにおける新規獲得のためのマーケティングと広告管理運用のポイント

ここはD2C(Direct to Consumer)やサブスクリプションの事業に進出しようとしているEC事業者のための相談室。菓子製造・卸を手がける企業の木村部長と、化粧品メーカーの石井社長が、ファシリテーターの尺田さん、アドバイザーの吉村さんからレクチャーを受けています。今回から「新規顧客」「既存顧客」「離反顧客」といった顧客フェーズに沿って、ECシステムのあるべき姿についてディスカッションを進めるようです。

新規顧客の獲得に必要なものとは

尺田 今回は新規の獲得から顧客になるまでをテーマに、LPでコンバージョンするまでのプロセスや顧客体験についてディスカッションしたいと思います。すでにECを運営している石井社長、集客はどうされていますか?

石井社長 現状、弊社の新規顧客の流入経路はアフィリエイトが8割、検索広告からが2割弱、その他といった感じです。自社のスタッフ3名が広告を担当していますが、出稿先記事の管理が大変なことや、売上の伸び悩みがあり、今後はLINEやInstagramといったSNSのインフィールド広告を検討しています。

アドバイザー吉村 石井社長の会社でもアフィリエイターに対し「3C分析シート」を作成して依頼していますよね。3C分析は広告を運用する際の基礎ですので、しっかりと作っておきましょう。

Company(自社の優位性)
Customer(どんな顧客が対象なのか)
Competitor(競合他社の状況)

アフィリエイターの記事が公開された後、商品の魅力が十分に表現されているか、薬機法(医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律)や景表法(景品表示法)などに触れていないかといったチェックも行っていると思います。配信先や出稿先に応じてコンテンツ、広告を細かく管理し、CPA管理と予算配分を調整することは、地道な作業ですが大事なことです。

ASP(アフィリエイトサービスプロバイダー)に頼らない形でのアフィリエイターの発掘や育成ができるようになると、これからのSNS広告やインフルエンサーとのコミュニケーションにも役立つと思います。

木村部長 弊社にはデジタルマーケティングやECの業務を知っている人材は皆無です。石井社長はどう対応されてきたのですか?

石井社長 私1人で創業し、現在は20名ほどで事業を展開していますが、外部パートナーと協力して業務を進めています。たとえば、LP(ランディングページ)だけでも次のような作業が発生します。

LPに関する作業の例
  1. 構成案
  2. デザインイメージ
  3. コーディング
  4. 動作検証
  5. ABテスト
  6. 修正
  7. 評価

現状はコーディングまでを制作会社に依頼しています。ABテストの結果によっては、制作会社に追加依頼をすることもあります。今度、出稿先や配信先を増やしていくと、ABテストのボリュームが増えることが想像できますので、費用やリードタイムを考えると、簡単な作業は自社で行えるようにしたいと思っています。そうした作業を支えてくれるECシステムがあれば助かるのですが。

アドバイザー吉村今後のECシステムでは、広告サイドとの連携機能はもっと進化するはずです。大手ベンダーが提供しているエンタープライズ向けソリューションのように、複数の優位性のあるシステムを選択して運用する形態になりますが、各システムが機能を拡張している中で重なる機能が発生してきています。どこを中心にするか決めることも重要です。

新規顧客のためのPDCAとしては、設定しているKPIをベンチマークとして、顧客管理機能でLTV(顧客生涯価値)を見てCPA(広告コスト)を設定し、出稿量を管理することになります。CPAに重要な要素はCVR(コンバージョン率)。CVRは下記の要素で変わります。

CVRの変動要素
  • LPのトップ画像
  • ファーストビューで伝えたいことが伝わるか
  • 顧客の課題に対し、なぜ私たちの商品を使うべきなのかを説明できているか
  • 商品を使うとどんな結果が得られるのか、使用感がどうなのかが書かれているか
  • 顧客の体験による表現に置き換えてわかりやすく書かれているか
  • 顧客の体験が共感できる内容か
  • 第三者からの評価やそれを実体できる場面があるか
  • オファーがわかりやすく、迷いなく購入できるようになっているか

こうした項目について、社内のスタッフの誰がやっても同じようにできるよう、知見と知識をためていくことが大切です。ECシステム側でLTVと関連付けて評価分析ができれば、工数が削減されるだけでなく売り上げに直結します。

次はCTR(クリック率)を上げるための媒体管理とオーディエンス管理ですが、CPAとLTVを事業全体で評価してしまうと費用対効果が曖昧になりがちなので、媒体やチャネル、クリエイティブ別に分類し、無駄な広告出稿を削ってより効果のあるところへの素早く注力するのがポイントです。

LTVに比較してCPAが高いということは、競合が多いか、自社商品の訴求が弱いか、そのチャネルの顧客が合致していないかのどれかです。ついズルズルと出稿してしまいがちですが、改善策を打てないのであれば広告費用の無駄ですので止めるべきです。これは、ECシステムの顧客管理に求められる機能でもあります。

石井社長 無駄な広告出稿の継続は業界の疲弊を招くだけです。顧客から見れば、魅力のない広告を複数社から提示されるので、一層状況を悪くします。早々に止めたほうが良いですよね。

アドバイザー吉村 キャンペーンやサンプル目的のユーザーのデータを除外すれば、CPAもLTVも上がります。広告出稿量が絞れれば無駄なCTRをなくせるので広告費を削減できますECシステムのデータ抽出機能では、対象データからの条件除外ができないことが多いので、どのような抽出、分析、集計ができるか、また元データを有しているかは選定のポイントになります。

SNSとの連携で注意するべきポイント

尺田 ここからは、D2Cのビジネスモデルとも特に密接な関連性のあるSNSについて話していきたいのですが、お2人はどのようなSNSをご利用ですか?

木村部長 私がよく使うのはFacebookです。つながっているのは仕事関係や社会人になってからの知り合いですが、もっぱら他人の投稿を読むだけで、自分は滅多に投稿もシェアもしません。LINEも使っていますがこれは家族との連絡用ですね。たまにクーポン目当てで企業アカウントと友達になりますが、キャンペーンが終わると見ません。

石井社長 私は他社の動向を知りたいこともあって、Instagram、Twitter、LINE、Facebookの順で使っています。Instagramはファッションや食べ物の投稿が面白いので、趣味や嗜好が合いそうな人をフォローしたり、タグで検索してみたりしています。Twitterは情報収集、LINEはやはり連絡用ですね。Facebookは周りに使っている人がいないのでほとんど使っていません。

アドバイザー吉村 それぞれのSNSの特色が出ていますね。SNSは一般的に、次のような目的で利用されていることが多いと思います。

  • Facebook……ビジネスやコミュニティの中での情報交換
  • InstagramTwitter……ハッシュタグで関連性を保有し、趣味、嗜好、話題を共有
  • LINE……家族、友人との連絡

Webベースの広告配信と同様、各SNSプラットフォームから広告配信管理ツールが提供されていますので、これとECシステム側の顧客管理機能との連携は必要です。

SNEの広告で重要なのは広告を配信するターゲットの設定です。これを読み違えるとプラットフォーム側のAIが「この広告は顧客にとって価値がない」と判断し、インフィールドで配信されなくなります。ターゲットを絞るには、顧客データやペルソナをよく見直して精査します。

また、SNSプラットフォームの広告出稿管理や、行動態様を統合管理できるツールもあります。ツールの多くがSaaS型で提供されていますが、データの仕様はカスタイズできないことが多いので、ECシステム側での対応が必要です。API連携なのかCSV連携なのか、カスタマイズが必要なのか、APIのパラメーター設定だけで済むのかなど、追加費用だけでなく、業務コストの想定も必要です。

工数ががかさむようであればECシステム側で行うのではなく、セルフ型BIツールとMAを組み合わせた業務フローの構築の検討も必要になるでしょう。

尺田新規獲得には広告配信管理システムとの連携が重要とのことでしたが、ただ連携すれば良いのではないということがご納得いただけたでしょうか。連携した結果は広告の出稿量やLP、アフィリエイトのクリエイティブにも大きく影響します。SNS広告では、顧客管理データが十分に備わっていないと、本当に役に立つリーチができず、無駄な費用につながるということです。

次回は顧客になってからのフェーズ。顧客維持と離反防止についてお話を進めていきましょう。

 

この連載の登場人物

●相談者

木村部長 菓子の製造、小売店舗への卸販売企業の新規開発部長。年商は約100億円。売り上げの伸び悩みからD2Cビジネスへの参入を検討中。

石井社長 女性向けスキンケアコスメの単品通販事業者。年商10億円。次の目標は30億円の壁の突破。

●アドバイザー

アドバイザー吉村「やずや式EC通販基幹CRM」「やずや式顧客診断分析システム(CPM/顧客育成ポートフォリオ)」の考え方を伝える伝道師。

●ファシリテーター

尺田 GMOシステムコンサルティングでオムニチャネル対応のEコマースシステムのエバンジェリストとして活躍している。

尺田 怜
尺田 怜

ベイクルーズのECサイト検索改善、AIが画像認識して類似商品を提案する画像検索を導入

5 years 7ヶ月 ago

ベイクルーズは7月30日、ECサイト「ベイクルーズストア」に、顧客が欲しい商品画像(雑誌画像など)をAI(人工知能)で認識し、類似商品を「ベイクルーズストア」内から検索できる新機能を導入した。

「こんな服が欲しいけど、どう検索したらいいか分からない」という顧客のニーズに応える。顧客が求めるイメージに近い商品を提案し、スムーズに希望の商品を買い物できるようにした。

ECサイト「ベイクルーズストア」に、顧客が欲しい商品画像(雑誌画像など)をAI(人工知能)で認識し、類似商品を「ベイクルーズストア」内から検索できる新機能を導入
画像検索のイメージ

検索で入力したビジュアルに類似した商品だけでなく、適したコーディネート提案まで行う。将来的にはECだけではなく、実店舗での活用も視野に入れる。スマホ向けECサイトに先行導入し、PC向けECサイトとアプリ版も対応する予定。

ギャプライズが提供するビジュアルAIテクノロジー「Syte」の導入で実現した。こうしたビジュアルAIテクノロジーを導入したのは、ベイクルーズが進めている「オムニチャネル」「ユニファイドコマース」の方針に沿った「店舗でもデジタル体験ができるサービス」だったため。

ECサイト「ベイクルーズストア」に、顧客が欲しい商品画像(雑誌画像など)をAI(人工知能)で認識し、類似商品を「ベイクルーズストア」内から検索できる新機能を導入
画像検索の詳細イメージ

ビジュアル検索を取り入れたのは、分析ツール「SimilarWeb」で分析した結果、ファッション業界全体として「キーワード検索」経由の流入割合が低かったため。

「商品の素材感や色などのニュアンスが言葉で表現しにくく、理想のアイテムにたどりつくことができないのではないか」と仮説。顧客アンケートでは「ECサイトの検索UIの改善」がほぼ毎回1位となっており、課題があると感じていた。

商品の素材感や色などのニュアンスはテキストでは表現しにくく、キーワード検索によって理想のアイテムにたどりつくのが難しいというファッション特有の課題がある。さらに、キーワードで求める結果が得られないために、「絞り込み」を利用して商品を探したい人が多くなっているという。

「絞り込みを行わず、検索の段階で欲しい情報を得られるようにすべき」と考えたベイクルーズは、顧客に画像検索の導入についてヒアリングしたところ、3割近くのユーザーが「欲しい」と回答したため、改善を進めることにしたという。

石居 岳
石居 岳

地域情報サイト「ジモティー」がオンライン決済、ネット通販&対面取引の“売り場”に

5 years 7ヶ月 ago

地域情報サイト「ジモティー」を運営するジモティーが、売り手と買い手の取引にオンライン決済を導入した。

ジモティーは「無料を含む、譲り合いの精神を中心としてきたことからオンラインでの決済機能を提供していなかった」。そのため、取引が有料の場合、モノの受け渡しを対面取引で行う際の現金支払い、もしくは事前振込、代引きなどを推奨していた。

「ジモティー」について
「ジモティー」について(画像はジモティーの決算説明会資料からキャプチャ)

決済の名称は「あんしん決済機能」で、代金は一時的にジモティーが預かり、出品者と購入者の双方が取引の評価を完了すると支払いを行うエスクロー決済を採用している。

商品の受け渡し方法は「出品者による配送」に加え、「購入者による引き取り」を用意しているが特長。「ジモティー」は地元の人同士が不要になったモノを対面で取引するサービスで、オンライン決済でもリアルの場での商品の受け渡しを提供する。

ジモティーが提供するあんしん決済機能の取引の流れ
「あんしん決済機能」の取引の流れ(画像は「ジモティー」から編集部がキャプチャ)

個人の不用品の売買はもちろん、地元の方向けに小売を行う法人の方が、オンラインで注文を受けオフラインで商品を受け渡すことができ、より早く、簡単に、安心して販売することが可能となる。(ジモティー)

「ジモティー」は個人に加え、法人の出品も可能。「ジモティー」をネット通販の“場”として活用することもできそう。ただ、ジモティーでは「オンラインで注文を受け、地元で直接商品を渡すクリック&コレクト機能」としての活用を期待しているという。

ネットで商品を購入し、自宅以外のリアルの場所で商品を受け取る仕組みは「クリック&コレクト」と呼ばれている。ジモティーは、「ジモティー」に出品する小売店などの、店内混雑を嫌う顧客の新規獲得、来店時の追加購入促進といった新たな販売機会につながる取り組みとして期待する。

「あんしん決済機能」の手数料は出品金額(商品価格+配送料)の5%。売上金振込の際に手数料(振込手数料250円、1万円以下の売上金振り込みの際には事務手数料250円)が発生する。

「ジモティー」のユーザー属性
「ジモティー」のユーザー属性(画像はジモティーの決算説明会資料からキャプチャ)

ジモティーは「あんしん決済機能」の提供によって、出品の際の利便性向上、小売店や飲食店のテイクアウト商品など、「地元ならではの商品を販売しやすくし、地産地消や地域経済の発展に寄与していきたいと考えている」と言う。

合わせて、地産地消の促進、地域経済を活性化させることを目的とした事業パートナーの開拓を進めるとし、パートナー企業の募集も始めている。

瀧川 正実
瀧川 正実

アーバンリサーチのコロナ禍におけるUX対策。データ転送量軽減&サイト軽量化でSTAY HOMEのEC需要対応事例

5 years 7ヶ月 ago
アーバンリサーチでは新型コロナ対策による「STAY HOME」で、ECサイトへのアクセスが伸びている。こうした環境下で実施した、ECサイトの軽量化やページの表示速度の向上施策を解説する【キャンペーン情報あり】

画像の品質を保ちつつ、いかにページの表示速度を上げるかはどのECサイトにとっても課題だ。特に、Googleがページの読み込み時間、画像の安定性など、ユーザーエクスペリエンス(UX)を重視する検索アルゴリズムの変更を発表したことからも、今後EC事業者が画像の軽量化に取り組む必要性はますます上がるだろう。

人気アパレルブランドの「アーバンリサーチ」が2020年5月末から取り組んでいるデータ転送量削減、ECサイトの軽量化によるUX向上施策について紹介する。

Googleはサイト表示スピードを検索結果の評価として重視する

Googleは、ページの読み込み時間、インタラクティブスピード、画像の安定性など新しい「Webに関する主な指標」を取り入れる検索アルゴリズムの変更を発表した。今回のアップデートにより、ページの読み込み速度や、クリックに対する反応の速さなど、UXの要素が検索結果に影響を及ぼすことになる。

業務フローを変更せずに大量の画像を軽量化

こうした状況も含め、多くのEC事業者がサイトの軽量化に取り組んでいる。EC化率30%を誇る人気アパレルブランドの「アーバンリサーチ」もその1社だ。アーバンリサーチでは現在、約9割のユーザーがスマートフォンからECサイトを閲覧しているといい、画像点数を増やしながらどのように見やすく、買いやすいECサイトにするかが課題になっていた(アーバンリサーチの2020スピードランキングでは105位 ※計測期間は2019年12月27日~2020年1月10日までの14日間 https://netshop.impress.co.jp/node/7469)。

課題解決のために、2020年5月末に導入したのがウェブテクノロジの画像軽量化ソフトウェア「SmartJPEG 」(コマンドライン版)だ。「SmartJPEG」は、画質を落とさずにファイルサイズを軽量化する画像圧縮ソリューション。各画像の内容を自動で判断し、適切なファイルサイズに圧縮する。SmartJPEG(コマンドライン版)は、LinuxサーバーやWindowsサーバー、AWSなどにインストールし、サーバー側で画像を全自動で軽量化するというものだ。

「SmartJPEG」の導入指揮を執ったアーバンリサーチのデジタル事業部デザイン課マネージャー 尻江高昭氏は、「画像が軽量化したことで、導入前と比べてデータ転送量が約半分以下に削減。また、画像のファイル量も6~7割ほど削減した」と話す。

繁忙期は、月に5万枚以上の画像をアップロード

アーバンリサーチでは1シーズンに1万点以上の商品を扱っており、繁忙期は月に5万枚以上の画像をアップロードする。

導入時期は繁忙期に重なったが、ささげ担当者の業務フローを変更しないまま大量の画像を最適化できたことで、業務効率の改善にもつながっているという。

サイト上の画像の色味が実物と異なる問題の解消も

アパレルでは、「ECサイトの写真と実物の色味が違う」という問題が生じやすい。ファイルサイズの削減を優先し画像の圧縮率を高くすると、色味が変わってしまうからだ。「SmartJPEG」では、色味が変わりやすいビビッドカラーや生地の柄などもほとんど劣化が見られないという。

その理由について、SmartJPEGの営業を担当するウェブテクノロジの三上夏代氏は次のように説明する。

描写が細かくクッキリした部分が多い画像は、劣化しやすいので圧縮強度を弱くする。反対に、色や線の変化にメリハリが少ない画像は劣化が目立たないところまで圧縮をかける仕組みになっている。(三上氏)

以下4点はSmartJPEG使用前(左)と使用後(右)を並べている。画像を軽量化しても見た目に差がないことが分かる。

SmartJPEG ウェブテクノロジ アーバンリサーチ SmartJPEG使用前後 画像最適化 画像圧縮 画像軽量化
画像①(SmartJPEG使用前後)(画像はアーバンリサーチ提供)
SmartJPEG ウェブテクノロジ アーバンリサーチ SmartJPEG使用前後 画像最適化 画像圧縮 画像軽量化
画像②(SmartJPEG使用前後)(画像はアーバンリサーチ提供)
SmartJPEG ウェブテクノロジ アーバンリサーチ SmartJPEG使用前後 画像最適化 画像圧縮 画像軽量化
画像③(SmartJPEG使用前後)(画像はアーバンリサーチ提供)
SmartJPEG ウェブテクノロジ アーバンリサーチ SmartJPEG使用前後 画像最適化 画像圧縮 画像軽量化
画像④(SmartJPEG使用前後)(画像はアーバンリサーチ提供)

実際には以下の表のとおり、画像サイズの容量が削減されている。

画像①~④までの変換前後のファイル容量、削減率(画像:ウェブテクノロジ提供)

コロナ禍で影響を受けるEC事業者向けにキャンペーンを展開中

「SmartJPEG」は、ウェブテクノロジが20年以上行ってきたゲーム映像の処理技術を元に作られている。長年蓄積してきたノウハウを活かし、自動で判別しながらも、まるでデザイナーの手作業で調整したような圧縮を行う技術が強みだ。ウェブテクノロジは新型コロナウイルスの影響を受けているEC事業者向けに、「SmartJPEGの利用料金12か月無料」キャンペーンを実施している。

SmartJPEG を通じて、ECサイトの強化や売上向上、コスト削減、リピーター増加、商品の訴求力アップなどを目指す企業を応援していきたい。コロナ禍によるインターネット回線の利用急増により回線の速度低下が起こったが、EC事業者のみならず、社会全体の回線負荷の軽減にも寄与できると考えている。(ウェブテクノロジ 三上氏)

キャンペーン期間は2020年8月31日まで。先着5社限定で、対象は、年商10億円までのEC事業者。キャンペーン後のアンケート、または導入事例インタビューへの協力を条件としている。

公文 紫都
藤田遙
公文 紫都, 藤田遙

2019年のネット通販市場は19兆円/最も読まれるメディア1位はEメール、2位はLINE【ネッ担アクセスランキング】 | 週間人気記事ランキング

5 years 7ヶ月 ago
2020年7月24日~30日にアクセス数の多かった記事のランキングを発表! 見逃している人気記事はありませんか?
  1. 【2019年】ネット通販市場は19兆円、EC化率は6.76%、スマホEC市場は4.2兆円

    2019年の日本国内における消費者向けEC市場は前年比7.65%増の19兆3609億円に拡大。物販分野を対象としたEC化率は6.76%で同0.54ポイント増

    2020/7/22
  2. 最も読まれるメディアはEメールで77%、2位はLINEで46%、3位はTwitterで23%

    会社や店からのお知らせをどのようなメディアで受け取っているかの聞いたところ、Eメールが88.4%と最多。LINEの53.8%やTwitterの22.5%などのSNSを大きく上回った

    2020/7/28
  3. 日本進出した米国発の体験型ストア「b8ta」は何がスゴイ? 「販売を主目的にしない」ビジネスモデルを解説

    米国発の体験型ストア「b8ta」が8/1、東京・有楽町、新宿に2店舗を同時オープン。b8ta Japanカントリーマネージャーの北川卓司氏が語った、日本上陸の理由や今後の展望とは

    2020/7/29
  4. アスクルがヒトまで商品を運ぶ搬送ロボット111台導入、出荷量の増加と人手不足に対応

    ギークプラスとSBロジスティクスからの供給を受け、ロボットがヒトまで商品を運ぶ「Goods to Person」を実現。増加するEC出荷と深刻化する人手不足の解消に役立てる。

    2020/7/27
  5. 「ほんとに色んなことやったわ…」。コロナ禍でもEC売上25%増のアパレル企業・アダストリアの事例【ネッ担まとめ】

    ネットショップ担当者が読んでおくべき2020年7月13日〜19日のニュース

    2020/7/21
  6. 資生堂が「ライブコマース」「Webカウンセリング」でオンライン接客を本格スタートする理由

    今後、資生堂全体でオフラインとオンラインを融合させたBCの顧客応対を行っていく方針で、ライブコマース、オンラインWEBカウンセリングの対応プラットフォーム、ブランドを拡大していく

    2020/7/20
  7. TV通販番組でQRコードを表示しECサイトに誘導――BS日テレが視聴者をヤフーの「PayPayモール」に顧客を誘導する取り組み

    BSデジタル放送を手がけるBS日本はヤフーの「PayPayモール」に出店、テレビ通販番組と「PayPayモール」店を連動させる取り組みを始めた

    2020/7/27
  8. 昨年の国内BtoC-ECの市場規模は19.4兆円で7.65%増。物販でのスマホ比率は42.4%に。経産省の調査より【ネッ担まとめ】

    ネットショップ担当者が読んでおくべき2020年7月20日〜26日のニュース

    2020/7/28
  9. 「Pinterest」が動画配信機能を全ビジネスに拡大、「動画→ECサイト」の誘導が可能に

    これまではファッションECのC Channel、動画メディア事業のTasetemade Japanといった一部の初期パートナーのみに提供していた。「Pinterest」でビジネスアカウントを持つ全ての企業が動画を活用したネット通販、マーケティングなどに活用できるようになる

    2020/7/21
  10. ファンケルがライブコマースをスタート、コロナ禍の購買行動の変化に対応

    ファンケルの販売チャネル戦略は今期(2021年3月期)、通販においては新型コロナウイルス感染症の影響により、直営店舗で購入しにくい環境に対応。通販・ECサイトに顧客を誘導するなど、マルチチャネルを持つ強みを発揮する方針を掲げる

    2020/7/22

    ※期間内のPV数によるランキングです。一部のまとめ記事や殿堂入り記事はランキング集計から除外されています。

    内山 美枝子

    【EC構築ソリューション市場2019年度】市場規模は219億円、構築はアパレルが最多、占有率でecbeingが12年連続シェア1位

    5 years 7ヶ月 ago

    ECサイト構築システム「ecbeing」を展開するecbeingは7月29日、富士キメラ総研が発行する『富士マーケティング・レポート 2019年 ECソリューション市場占有率』において、ecbeingがECサイト構築ソリューション市場占有率で12年連続1位を獲得したと発表した。

    あわせて、ECサイト構築ソリューションの市場規模なども公表した。

    2019年度のECサイト構築ソリューション市場規模は219億円

    『富士マーケティング・レポート ECサイト構築パッケージソリューション市場占有率 2020年版』によると、2019年度のECサイト構築ソリューション市場規模は219億円。5年後の2024年度には355億円に拡大すると予測している。

    2019年度のECサイト構築ソリューション市場規模
    2019年度のECサイト構築ソリューション市場規模

    多様なタッチポイントを経由したECサイトでの購買活動の増加、EDIやFAXで行われていた企業間取引をECサイト化する動きかなどにより、市場が拡大するとしている。

    事業ジャンルごとでは、「アパレル」の割合が最も多い。アパレル業界では、実店舗との連携によるECサイトのオムニチャネル化、越境EC、ブランド別のECサイトなど、ECへの積極的な投資が行われている。

    ECサイト構築ソリューション市場の事業ジャンル
    ECサイト構築ソリューション市場の事業ジャンル

    また、新型コロナウイルス感染症の拡大により、生活必需品の健康・美容関連品、食料品・飲料、娯楽系のサービス販売は巣ごもり需要が追い風となり、市場拡大をけん引するとした。

    ECサイト構築ソリューション市場でecbeingが12年連続シェア1位

    ecbeingは2019年度に国内ECサイト構築実績1300サイトを突破した。シェアは49.6%で前年度比2.5ポイント増えている。

    ECサイト構築パッケージソリューション市場占有率
    ECサイト構築パッケージソリューション市場占有率

    パッケージ製品「ecbeing」、SaaS型「メルカート」の両面で新規ユーザーの獲得が進んだという。

    ecbeingのカテゴリ別市場シェアは「アパレル」が51.0%。「食料品・飲料」で60.4%、「健康・美容関連」で48.9%。

    ECサイト構築パッケージソリューション市場占有率 商材カテゴリ別
    ECサイト構築パッケージソリューション市場占有率 商材カテゴリ別
    瀧川 正実
    瀧川 正実

    オートバックスのデジタル戦略、店頭連動の強化などでECサイトを刷新&秋にはアプリをリリース予定

    5 years 7ヶ月 ago

    オートバックスセブンが、オンラインとオフラインの連動などデジタル化を加速している。

    公式ECサイト「オートバックスドットコム」を8月1日にリニューアルし、店頭連動を強化。2020年秋には、消費者との“つながり”を強化するための新アプリをリリースする予定だ。

    カー用品ジャンルは通販専業事業者も参入し、競争環境が激化している。デジタルチャネルの充実が重要な課題となっており、オートバックスは2019年に経営計画「5ヵ年ローリングプラン2019」を発表。注力ポイントの1つとして「お客さまとのリレーションを高めるオンラインネットワーク」作りをあげた。

    「5ヵ年ローリングプラン2019」を実現する1つの方法が、車を利用するシーンに合わせたサービス提供。オンラインを軸に6つのネットワークを確立し、連携させる計画を掲げている。

    オートバックスは2019年に経営計画「5ヵ年ローリングプラン2019」を発表
    オンラインを軸に6つのネットワークを確立し、連携させる(画像は決算説明会資料からキャプチャ)

    その一環としてECサイトをリニューアル。従来、ECサイトで注文し店頭で商品を受け取る場合、支払いは店舗で行う仕組みだった「店頭受取」を、オンライン上で決済できるようにする。

    また、従来は店頭受け取り時に本人確認と注文画面の提示が必要だったが、そのフローをデジタルで改善。電子スタンプを導入し、スマートフォンで受け取り確認画面を提示するだけで受け取りを完了できるようにする。

    オートバックスは電子スタンプを導入し、スマートフォンで受け取り確認画面を提示するだけで受け取りを完了できるようにする
    電子スタンプの仕組み

    システムはSAPジャパンが提供する「Commerce Cloud」を採用して開発した。新ECサイトのゴールイメージは、「1人ひとりのお客さまが抱えている課題を解決するために最適な価値(商品、シーン、タイミング)を提案しつづけるECサイト」。

    2020年秋にはアプリを刷新し、顧客と常にデジタルを通じてつながる環境を構築する。簡単ログイン機能、店舗ごとの独自コンテンツ配信、車検証QRを読み取ることで、車両情報をデータ化する機能などを搭載する。

    オートバックスセブンの新アプリの概要
    新アプリの概要(画像は決算説明会資料からキャプチャ)

    オートバックスは2020年5月、三菱商事グループのカーフロンティアと戦略的提携を締結。タイヤの購入から取り付け予約までネット上で完結するタイヤECサイト「TIREHOOD」を運営するBEADに出資し、今後はBEADの共同運営者として、タイヤECサイト「TIREHOOD」の事業を推進する。

    インターネットによる事業開発・サービス開発と、オートバックスチェーンの店舗網・技術力を融合。ドライバーに対するサービスの向上と新たなサービスの提供をめざす。「TIREHOOD」の全国4000以上の取り付け拠点とのネットワークを構築するとしている。

    石居 岳
    石居 岳

    ECサイトの検索で「ほしい商品にたどり着けない」は6割、購入時に「ほしい商品かカテゴリ」が決まっていたは半数【買い物調査】

    5 years 7ヶ月 ago

    NTTレゾナントが実施した「自社ECサイトでの商品の探し方」に関する調査によると、ECサイト上でほしい商品が見つからなかった場合、サイト内検索で6割以上が「ほしい商品が見つからなかった経験がある」と回答した。

    調査対象は、スマートフォンで直近半年以内に「ファッション」「日用品」「家電」カテゴリに該当する自社ECサイトを利用した20代以上の男女3,299名。期間は2020年3月27日~3月31日。

    半数以上が検索で「ほしい商品が見つけられなかった」経験あり

    ECサイト上でキーワード検索を行ったことがあるユーザーに対して「ほしい商品が見つからなかった経験があるか」聞いたところ、いずれのカテゴリにおいて6割以上のユーザーが「ほしい商品が見つからなかった経験がある」と回答した。

    商品が見つからない時の再検索回数では、「3回まで」と答えたユーザーが全てのカテゴリで7割を超えた。

    調査 調査データ NTTレゾナント ファッション サイト内検索 キーワード検索 商品が見つからない 再検索回数
    ファッション:キーワード検索で見つからなかった経験、商品が見つからないときの再検索回数(n=348)
    調査 調査データ NTTレゾナント 日用品 サイト内検索 キーワード検索 商品が見つからない 再検索回数
    日用品:キーワード検索で見つからなかった経験、商品が見つからないときの再検索回数(n=435)
    調査 調査データ NTTレゾナント 家電 サイト内検索 キーワード検索 商品が見つからない 再検索回数
    家電:キーワード検索で見つからなかった経験、商品が見つからないときの再検索回数(n=592)

    ユーザーが求める検索結果を3回以内に表示できない場合、ECサイトからの離脱を招く可能性があると考えられる。

    半数があらかじめ「ほしい商品かカテゴリ」を決めている

    調査対象者に対し、スマートフォンでECサイトでの商品購入時に「ほしい商品があらかじめ決まっていたか」聞いたところ、「特定の商品が決まっていた」と回答したユーザーは「日用品」の63.3%が最多。「家電」は49.9%、「ファッション」は38.7%で、カテゴリによってばらつきがあった。

    「ファッション」では「カテゴリは決まっていた」を含めると66.9%のユーザーがECサイト訪問時点ですでにほしい商品に目星をつけている。

    調査 調査データ NTTレゾナント ファッション ECサイト訪問時 あらかじめほしい商品かカテゴリ 決まっている
    ファッション:購入時、ほしい商品はあらかじめ決まっていたか(n=1,172)
    調査 調査データ NTTレゾナント 日用品 ECサイト訪問時 あらかじめほしい商品かカテゴリ 決まっている
    日用品:購入時、ほしい商品はあらかじめ決まっていたか(n=1,038)
    調査 調査データ NTTレゾナント 家電 ECサイト訪問時 あらかじめほしい商品かカテゴリ 決まっている
    日用品:購入時、ほしい商品はあらかじめ決まっていたか」(n=1,089)

    多様なパターンがある「表記ゆれ」

    実際に商品を検索する際、入力キーワードの「表記ゆれ」がどの程度起こるのか「緑色のボックスティッシュ」の写真を提示して調査した。

    その結果、「ティッシュペーパー」「箱ティッシュ」「ボックスティッシュ」のワードが多く用いられた。一方、「ティシュー」「BOX」「Box」などの表記ゆれや、「チッシュ」「ティシュ」「テッシュ」などの入力ミスも多く生じていた。

    調査 調査データ NTTレゾナント キーワード検索 表記ゆれ 入力ミス 入力キーワード
    日用品:写真の商品を検索する場合に入力するキーワード(n=435/自由回答)

    また、回答者435人に対し131通りの表現が見られ、商品検索における入力キーワードの表記ゆれには多様なパターンが存在することが明らかになった。

    調査実施概要
    • 調査タイトル「自社ECサイトでの商品の探し方に関する調査」
    • 調査方法:インターネットリサーチ
    • 調査期間:2020年3月27日~2020年3月31日
    • 調査対象:直近半年以内に、スマホで商品を購買した人 ※モール型ではなく、自社オンラインストアで購入した人
    • 有効回答:3,299人
    藤田遙
    藤田遙
    確認済み
    41 分 28 秒 ago
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