ネットショップ担当者フォーラム

サイト表示スピードの新指標「コアウェブバイタル」が5月スタート! GDO、ショップジャパン、IDOM、DNPが語るECサイトの対策 | 勝手にスピードテスト Powered by SpeedCurve

5 years 2ヶ月 ago
表示スピード改善の新指標「Core Web Vitals(コアウェブバイタル)」が2021年5月からスタート。3つの新指標の内容やEC事業者が対応すべきこと、表示スピード対策は防衛予算だと考える理由について、ECサイトの表示スピード担当者が解説します

Googleが2020年に発表した表示スピード改善のための新しい指標「コアウェブバイタル」。2021年5月から検索のランキング要因に組み込まれることになり、EC関係者の関心は急激に高まっています。

「コアウェブバイタル」についての解説を踏まえ、表示スピードにおいて「抜群に速い」とされるECサイト、ゴルフダイジェスト・オンライン(GDO)、IDOM、ショップジャパン、大日本印刷(DNP)の担当者4人と「コアウェブバイタルとは何なのか」「どのように取り組んでいるのか」についてディスカッションしました。

■今回の疑問・課題

  • 新しい指標として登場した文字記号は何を意味しているのか?
  • 本当に検索結果の表示順位に影響するのか?
  • 様子見は許される? 今すぐに対応すべき?
  • コアウェブバイタルの情報感度が高いEC事業者の担当者は何を考え、どう対応しているのか?

ディスカッションに参加したのは種村和豊氏(GDO シニアプロダクトマネージャー)、村田創氏(IDOM Webマスター)、福崎真生氏(ショップジャパン)、近藤洋志氏(大日本印刷・honto)と、筆者の占部雅一(ドーモ)の5人。事業会社の4人は自負を持って表示スピード対策に取り組んでいるECサイトの表示スピード担当者です。

「コアウェブバイタル」とは何か?

「コアウェブバイタル」のSEOランクへの対応というGoogleの計画は、2018年7月の「スピードアップデート」以来、3年ぶりの大きな動きとなりそうです。今までの指標だった「Backend」「Startrender」「SpeedIndex」から、新たな3つの指標「LCP(Largest Contentful Paint)」「FID(First Input Delay)」「CLS(Cumulative Layout Shift)」に変わります。

また、今回のSEOランクの対象はスマートフォンで、デスクトップサイトは対象外となっています。ほぼモバイルにシフトしているため、妥当だと感じます。

新たな指標を設けた背景には、GoogleがWebサイトに対して「速いだけではなく、本質的に使いやすいUX」を追求したいという意図があるようです。

Google コアウェブバイタル 表示スピード SEOランク ドーモ 新しい指標 LCP FID CLS
3つの新指標「LCP(Largest Contentful Paint)」「FID(First Input Delay)」「CLS(Cumulative Layout Shift)」
  • LCP(Largest Contentful Paint):メイン画像の表示の速さ
  • FID(First Input Delay):最初にアクションを起こしてから、どれくらい反応が鈍いのか?
  • CLS(Cumulative Layout Shift):レイアウトのずれ、特に高さ

バイタル(Vitals)の意味は「重要なもの、本質的なもの」を表します。つまり「Webの本質とは何か?」という意味です。

「わかりやすいサイト」がGoogleとユーザーに必要

IDOM 村田創氏(以下、村田):「コアウェブバイタル」が登場した意味を考えていましたが、3つの新指標を向上させるということは、Googleとユーザーにとって、アクセシビリティと同じくらい重要なんですよね。

それは、「Webサイトが秩序のある動きでなければ、検索を利用したときの体験が良くない」からです。つまり、GoogleのBotがWebを読みに行ったときに、さらにわかりやすいサイトが必要なんですよ。Googleもユーザーも求める方向は同じです。

ドーモ 占部雅一氏(以下、占部):LCP(Largest Contentful Paint)は、メイン画像の表示の速さ。たとえばECだとイチオシの商品を売りたいので、画像を大きく表示します。しかし、メイン画像が遅いと売り上げにも直結しそうなので、早く表示されないといけません。

ショップジャパン 福崎真生氏(以下、福崎):FID(First Input Delay)は初回入力の遅延の具合。つまりスマホのボタンを押した後に、どれくらいで反応できるかです。

今回、インタラクティブ性の対策の対象がTTI(Time To Interactive、インタラクティブになるまでの時間)からFIDになりました。これまでは、TTIを改善するならページロードにおける最後のロングタスク(初期段階に起こる重たい処理)から潰していけば良かった。さらに言うなら、ロングタスクに手を加えなくても結果としてTTIが改善することがあったんです。

しかし、FIDになると「ロングタスクの総時間」となります。そのため、部分的な対策や小手先の対策ではなく、しっかり全体最適を行う必要があります

ゴルフダイジェスト・オンライン 種村和豊氏(以下、種村):サイト運用者側からすると、「Page Speed Insight」のスコア評価と比べて、よりごまかしが効かない指標になったと感じています。操作性を表す指標として、前よりも厳密に対応しないといけない。

ユーザーと向き合って対応しなければならない

大日本印刷 近藤洋志氏(以下、近藤):もう1つの見方ですが、昔は他社と比べて速く表示させることに注力してきました。しかし、今回のアップデートで「使ってくれるユーザーに対してどう対応させるか?」ということを、ユーザーと向き合って対応しなければならないユーザーの実体験の性能が、今回の指標に組み込まれていると考えます。

占部「Page Speed Insight」「サーチコンソール」「Lighthouse」などの表示スピード計測ツールは、「コアウェブバイタル」という指標を入れてきています。これだけでもGoogleの本気度の高さがわかります。

村田「無視するな」というシグナルなんでしょう。TTIやFIDは「Lignthouse」でも測れる。ただ、その評価値ですがLCPは25点、CLSは5点、FIDには点数がない!

検索エンジンは、クローラーがWebサイトを回遊し、インデックスでランクづけします。クローラーがアクセスした時に、レンダリングの性能が悪いサイトページは「次回以降レンダリングしなくて良い」と判断されてしまいます。その先のインデックス化まで辿り着けなくなるわけです。

Google コアウェブバイタル 表示スピード SEOランク ドーモ 新しい指標 LCP FID CLS
写真左上から時計回りに、種村和豊氏(ゴルフダイジェスト・オンライン シニアプロダクトマネージャー)、村田創氏(IDOM Webマスター)、福崎真生氏(ショップジャパン)、近藤洋志氏(大日本印刷 ・honto)

CLSは「高さのズレ」を表す

占部:CLS(Cumulative Layout Shift)のレイアウトずれ、がやや難解ですよね。直訳すると「累積レイアウトシフト」ですが、よくわかりません(笑)

村田:レンダリングするときに高さが変わることですね。たとえば、スマホでボタンを押したつもりがもっと上を押していたという経験です。わかりにくいけど、たくさん発生している。

種村:CLSは操作性と言って良いのでしょうか。僕なりに解釈してみましたが、CLSはスコアリングではないと思っています。

Google コアウェブバイタル 表示スピード SEOランク ドーモ 新しい指標 LCP FID CLS
カルーセルでのCLS可視化観点の例(Amazon)
JS(JavaScript)によるカルーセル実装の場合、ユーザ操作性は良好だが、ページで「要素が変更する範囲が大きい」のでCLSスコア影響は悪い。CSSの要素変更で対応するアニメーションだとレイアウトシフトは最小限と判断、スコア低下を回避できる

計測ツール「SpeedCurve」を使った比較ですが、左のサイトはJS(JavaScript)を使ったカルーセル(画像などのコンテンツを横にスライドさせる表示方法)の場合です。レイアウトのズレが大きいので、警告メッセージが出ます。

しかし、右のサイトは同じカルーセルですが、CSSで書き換えた場合は警告が出ません。カルーセルはユーザーにとって操作性は良さそうですが、Googleは「レイアウトのズレという観点では良くない」と考えているようですね。

村田:IDOMは2020年末から外し始めました。とにかくJSに頼ると良くないです。

福崎:「ショップジャパン」のサイトはレスポンシブWebデザインですから、CLSの対策をする上でどうしても非効率になってしまうところがあります。また、JSもところどころネックになっています。

「FlexSlider」などのライブラリー(汎用的な複数のプログラムを1つにまとめ、他のプログラムから利用できるようにしたもの)で作ったパーツなどは、スクリプトの処理自体に非常に時間がかかっています。もちろんCLSにも影響があり、困りました。

種村:これもロングタスクと関わってきますが、クライアント側に処理させているから負荷が大きい。不動産サイトなどは、特にスマホでやり過ぎている状況です。

占部:そんなに多いのですか?

村田:CLSは頻繁に起こっています。アドセンスがわかりやすいですが、最初に表示されて後から平気で下がる。これが発生するのは広告ですね。元々広告を表示する想定になっていないページだと、後から穴を空けることになるから確実にずれます。

占部:解決方法はあるのでしょうか?

村田:手っ取り早いずるですが、下駄を履かせること。つまり、テンプレートで高さを固定してしまうのです。実装すると、結局後から表示されるけど高さは変わらない。

近藤:私もやってみましたが、スコアは良くなりますね。領域を明示的に確保してCLSスコアは良好になります。

レスポンシブWebデザインは圧倒的に不利になる

種村:コアウェブバイタルは、レスポンシブWebデザインにとって圧倒的に不利です。CLS対策をレスポンシブで実際にやるとなると、高さの固定は実装ハードルが高い。たとえば、母数の多いサファリだけ固定して他のブラウザは放置する、どこかのデバイスを諦めるなど、何かを諦めないといけない。

占部:大規模なECならともかく、SMB(Small and Medium Business、中小企業のこと)では多くのサイトがレスポンシブWebデザインで作られています。また、ECカートも標準でレスポンシブWebデザインで対応しているところが多いですよね。SalesForceの「コマースクラウド」もレスポンシブです。

種村:レイアウトシフトが起こるカートがたくさんありますね。だから、SalesForceはSPA(Single page application)化しようとスマートデバイス最適化サービスのMobifyを買収したのかもしれません。

占部:Googleは、かつてレスポンシブWebデザインをモバイルファーストの推奨Webとしていましたが、今になって駄目だと言っている。

福崎:「ショップジャパン」のサイトはレスポンシブWebデザインなんです。2018年ごろはまだ推奨ムードがありましたが、今になっては制約が多いやり方になってしまった。

占部:レスポンシブWebデザインは元々スピードに課題があったし、今回はスコアが悪くなる。Googleは、レスポンシブWebデザインを完全に葬ろうとしているのでしょうか?

村田:そこでAMP(Accelerated Mobile Pages)です。

種村:モバイルシフトはほぼ完了しているから、レスポンシブWebデザインの役目は終わりつつある。今後、大規模ECサイトはセパレート、もしくはSPA化です。

占部:もし、レスポンシブWebデザインのサイトのSEOランクが大幅に下がってくると、多くのサイトは大変ですね。

カルーセルは効果ある? 見た目だけのギミック?

占部:少し話がそれますが、JSで動くカルーセルは効果があるからやっているのか、それとも見栄えが良いからやっているのか、どちらなんでしょう?

種村:日本のEC、Webサイトはカルーセルが多い印象です。海外のEC、Webサイトを調べた限りではカルーセルがそこまで多用されている印象がなくて、日本の慣習なんでしょうかね。

福崎:「ショップジャパン」のサイトはA/Bテストをたくさん行い、効果があるところはカルーセルにしています。ただし、CSSでできるシンプルなデザインのカルーセルにするなど、実装の仕方は工夫しないと、と思ってます。

近藤:DNPも効果があった場所は採用しています。コンバージョンが取れているところには入れていますから、やはり使い分けです。

村田:ライブラリーはたくさんあるし、JS以外の方法でもやり方はありますよ。しかし、エンジニアは新しいやり方にチャレンジしようとしない、これが問題。

種村:8~9割のサイトは少し古いJSライブラリー、JQueryなどを多く作っているのではないでしょうか。

CLS的には、実際にどうなるか見てみたい。ただ、「JSの処理時間をクライアントブラウザ側で増やすことは、CPU処理速度の点でも不利なのは間違いないので、マイナス要素はあってもプラスはない」。これは断言できると考えています。

5月までに対策を間に合わせて、様子をみたい

占部:コアウェブバイタルの対応状況を教えてください。コアウェブバイタルのアラートはどんどん迫っている感じがしますが、対策はどの程度まで進んでいますか?

近藤:今はCLSがほとんど真っ赤(不良)なので、ここを改善する予定です。2020年末に一部対応して効果が見込めたので、ステップをつなぎながら対応していく予定。クローラーに読み込まれるのに1か月かかるので、4月中には終わらせたい。

福崎:2020年度の下期から対策を始めたばかりですが、ほぼクリアしている項目もあります。まずは、3項目すべてにおいてオレンジ(改善が必要)にするよう改善に努めています。

LCPはほぼクリアしていますが、CLSは赤、FIDは赤が多いので対策を進めています。

Google コアウェブバイタル 表示スピード SEOランク ドーモ 新しい指標 LCP FID CLS
「LCP(Largest Contentful Paint)」「FID(First Input Delay)」「CLS(Cumulative Layout Shift)」の合格基準

村田:IDOMは常に表示スピード改善を行い続けています。コアウェブバイタルへの特化は2020年秋から始めています。少なくとも各指標の赤を減らす、ライバルよりも赤を減らすことです。

種村:(IDOMの)「ガリバー」のサイトは、こちらが見なくてもライバル企業がしっかりモニタリングしていますよ(笑)。だからこそ、赤の放置はない。対策の目安としては、落としどころはオレンジで赤は駄目です

表示スピード改善は、防衛予算として組むべし!

占部:5月にどれだけ変化が訪れると予想していますか? 今までのアップデートのようにじわりと始まって、どんどんアクセルを踏んで来ると思えます。

福崎同じくらいの評価のサイトがあった場合のタイブレーカーとして機能するなら、すぐに大がかりな影響は出てこないと思います。

むしろ危惧しているのはその先で、SEOロジックだけでなくブラウザやSERP(Search Engine Result Page)のアップデートを加えた一連の流れとして表示スピード改善を迫られる可能性が高いと考えています。

近藤:今回のアップデートのアナウンスは、早い段階で新指標や実施時期などの情報公開がしっかりありました。今までのアップデートと同じか、それ以上だと考えています。

そのため、様子見の部分もありますが、自社サイトにネガティブ要素として捉えられるものはなくしたい。

村田:僕は「ランクに影響しないわけがない」と考えています。

タイブレーカーの話がありましたが、我々は同じレベルのライバルと戦っていて、その相手が何もしないわけがない。プラスで考えるのではなく、アルゴリズム対応は、対応しなければ下がるだけと考えています。だから表示スピード改善の予算は、防衛予算としてしっかり取るべきと考えています。

占部:ライバルが対策することを想定して、ライバル以上の対策を考えるわけですね。コアウェブバイタル対策は、絶対指標へのチャレンジや数値目標ではなく、駆け引きの相対の対策として考えないといけないわけですね。

まとめ

今回のディスカッションで、大手ECサイトの担当者に最前線の対策について貴重な話を聞くことができました。思った以上に真剣に取り組まれているのは、SEOランクに影響が考えられることが1つの理由ですが、それ以上に「サイトを良くしてくいく=UXを良くしていく」ことが、Googleのめざす方向とサイト担当者の理想が同じ方向を向き始めているからだと言えます。

今後は小手先のSEO対策がほぼ消えて、まっとうなサイトをコンテンツ・Webともに作ることが勝負の分かれ目になってくる。コマがまた1つ進んでいることを感じました。

占部 雅一
占部 雅一

スターバックスなどの事例に学ぶ、顧客獲得とリピート化に役立つ4つのマーケティング手法 | 海外のEC事情・戦略・マーケティング情報ウォッチ

5 years 2ヶ月 ago
ブランドが新しい戦略で新規顧客を引きつけ、その後もリピートしてもらうためにはどうしたらいいのでしょうか? 海外事例からその手法を見ていきます

競争が激化し、どのブランドも新規顧客の獲得に苦戦していますが、顧客の定着化はさらに困難になっています。顧客を惹きつけリピート客になってもらえるような、新たな戦略を立案できる革新的な企業だけが今後も生き残れるでしょう。ブランドが顧客獲得とリピート化においてよりクリエイティブにならざるを得なくなってきている環境下、さまざまなアイディアを実践している事例を見ていきます。

新規顧客獲得に向け、テクノロジーを取り入れる

顧客を獲得し、リピート顧客になってもらうことは、小売業の収益性を高める上で非常に重要です。すべての小売事業者にとって新しい顧客は必要ですが、飽和した市場で新しい顧客を獲得するには創造力が欠かせません

ブランドは毎日、さまざまなマーケティングチャネルを使って顧客にアピールするための新しい方法を試しています。しかし、インバウンドマーケティング&セールスのソフトウェアを提供する「Hubspot」によると消費者の71%はソーシャルネットワーク上のスポンサー広告をもう信用していないそうです。

  • 81%が企業からのアドバイスよりも友人や家族のアドバイスを信頼している
  • 55%が以前と同じように購入先の企業を信用しなくなった
  • 65%が企業のプレスリリースを信用していない
  • 69%が広告を信用しておらず、71%がソーシャルネットワーク上のスポンサー広告を信用していない

つまり、興味喚起できていなければ、お金を無駄にしていることになります。

消費者の目を引く1つの方法は、テクノロジーを取り入れることです。顧客獲得にテクノロジーを取り入れることが、重要なマーケティングトレンドになっており、多くのブランドが最新技術を使い始めています。2021年に役立つ、クリエイティブな顧客獲得と囲い込み戦略を紹介します。

動画マーケティング:ブレンダーD2C「Blendtec」の事例

動画マーケティングは、ここ数年で増加傾向にあります。コンピュータネットワーク機器開発の「Cisco」によると、2022年までに、オンライン動画は消費者のインターネットトラフィックの82%以上を占めるそうです。

動画を適切に利用して新規顧客や売り上げを獲得している企業の1つが、ブレンダーを製造するD2Cブランド「Blendtec」です。このブランドの動画マーケティング戦略は、基本的でありながらも大変クリエイティブです。「Will it Blend?」の動画シリーズを通して、彼らのミキサーがどれほど効果的かを消費者に知らせています。

ブレンダーを製造するD2Cブランド「Blendtec」のサイトトップページ
ブレンダーを製造するD2Cブランド「Blendtec」のサイトトップページ(画像:サイトよりキャプチャ)

クルマの鍵や携帯電話など丈夫なモノも混ざるかどうか? つまり、ブレンダーがそれらを破壊できるかどうかも実験しています。Blendtecは2006年からこの動画施策を行っていますが、このマーケティング戦略は今でも効果的です。彼らのアプローチはシンプルで、商品に関するストーリーを伝えることでエンゲージメントを高める、というものです。動画は、より良いストーリーを伝えるのに役立ちます。

「Will it Blend?」の動画シリーズ。クルマのカギを使った実演動画

消費者のトレンドを鑑みると、動画マーケティングの重要性は、今後数年間でより重要になるでしょう。動画コンテンツは魅力的で消費しやすく、より多くの顧客を引き付けることができます。

紹介プログラム:グループ注文の「Ritual」のサービス例

紹介プログラムはコストを低く抑えられ、質の高い顧客につなげるための、ベストな顧客獲得戦略の1つです。消費者は、多くの企業が使用しているスポンサー広告に辟易しています。研究によると、消費者の92%は知人・友人からの紹介を信頼しています。興味深いことに、企業の新しい取引の65%は紹介によるものです。

特に2021年は、より多くのブランドが有料広告にお金をつぎ込むようになるため、どの企業も顧客獲得により真剣に取り組む必要があります。

「Ritual」は、ユーザーが友人や同僚のためにグループ注文をすることができる紹介プログラムです。ユーザーは、アプリを使って注文をするたびにポイントを獲得できます。これらのポイントは、地元のレストランで1ドルランチなどに交換可能です。そして紹介するたびに、ユーザーは1000ポイントを獲得できます。

「RItual」のサービス内容
「RItual」のサービス内容(画像:サイトからキャプチャ)

「Ritual」のプログラムを魅力的にしているのは、顧客の利便性に配慮していることです。オフィスやコワーキングスペースにいる人にとっては特に、グループ注文機能が大変便利です。

顧客の定着化:シニア向けD2Cブランド「Because Market」の事例

既存顧客を維持することが、ビジネスの要です。顧客の定着化は、ビジネスにより多くのお金と安定をもたらします。現代の消費者はとても洗練されているので、企業はクリエイティブでなければなりません。

「Because Market」は、尿漏れやその他特殊なニーズを持つ高齢者の支援に焦点を当てたD2Cブランドです。「Because Market」の特筆すべきポイントは、顧客が購入プロセスで直面するストレスを軽減したことです。

「Because Market」のサイトトップページ
「Because Market」のサイトトップページ(画像:サイトよりキャプチャ)

彼らは、最も繊細な顧客のニーズもキャッチするため、機械学習アルゴリズムに人的サポートを加えた、“ソーシャルでインテリジェントな”カスタマーサービスを構築しました。通常、小売事業者は繊細で重要な情報を、日常的なカスタマーサービス業務の中で忘れてしまいます。「Because Market」はデータから読み取れる、それらの貴重な顧客ニーズを基にして商品を設計しているのです。

顧客は、自宅にいながらにして商品を選ぶことができます。そして、「Because Market」が膨大な数の商品を、目立たないように届けてくれます。少額の手数料は発生しますが、顧客は複数の商品やサイズを試してみて、最適なモノを選ぶことができます。

このシンプルな戦略により、「Because Market」は2017年の創業以来、20万人の顧客に8,000万点以上の商品を販売しています。

データに基づいたロイヤルティプログラム:スターバックスの事例

ロイヤリティプログラムは、顧客維持のための最も確実な方法の1つです。研究によると、強力なロイヤルティプログラムを導入している企業は競合他社の2.5倍のスピードで収益を伸ばし、株主に100%から400%の高いリターンをもたらしていることがわかっています。

ロイヤルティプログラムをさらに効果的にするためには、データを活用する必要があります。消費者データを利用することで、顧客にパーソナライズされた体験を提供することができるのです。

「STARBUCKS」のリワードプログラムは、売り上げの40%を占めていると言われていますが、その仕組みは以下の通りです。顧客は、1ドルごとに2つの星を獲得。25ポイントに到達すると、お好みの特典を受け取ることができます。

「STARBUCKS」のリワードプログラム案内ページ
「STARBUCKS」のリワードプログラム案内ページ(画像:サイトよりキャプチャ)

「STARBUCKS」は、顧客の誕生日にはパーソナライズされたメッセージを送り、購入したばかりの商品と似たような商品もおススメします。また、モバイルアプリを使って簡単に特典を交換できるようにしています。

◇   ◇   ◇

2021年以降は既成概念にとらわれず、顧客を第一に考えて戦略を展開するブランドには、良い結果が待っていることでしょう。ご存じの通り、顧客を引き付けることと、顧客に定着してもらうための施策は別物です。

1つの戦略だけでは十分ではありません。現代の消費者は、自分たちのペインポイントを解決するための完成された商品、優れたショッピング体験、そして使い続けるためのインセンティブを求めています。簡単ではありませんが、それらに取り組めばEC業界で勝つことは可能です。

この記事は今西由加さんが翻訳。世界最大級のEC専門メディア『Digital Commerce 360』(旧『Internet RETAILER』)の記事をネットショップ担当者フォーラムが、天井秀和さん白川久美さん中島郁さんの協力を得て、日本向けに編集したものです。

Digital Commerce 360
Digital Commerce 360

「カラーミーショップ」で簡単にライブコマースが行える「ライコマ for カラーミーショップ」提供開始

5 years 2ヶ月 ago

月額制ネットショップ作成サービス「カラーミーショップ」のGMOペパボとThe Unit、Liver Bankの3社は、2月17日から「カラミーショップ」利用店舗用アプリケーションプラットフォーム「カラーミーショップ アプリストア」にて、ライブコマースパッケージ「ライコマ for カラーミーショップ」の提供を開始した。

「ライコマ for カラーミーショップ」とは

The UnitとLiver Bankが共同で提供するライブコマースパッケージ「ライコマ」を「カラーミーショップ」利用店舗向けに提供するアプリ。

The Unitがツールの提供と企画・配信などを行い、Liver Bankが運営する育成型ライバープロダクション「pino live」に登録しているライバーやインフルエンサー、タレントなどをキャスティングする。

ライブコマースに必要な機能をパッケージ化しているため、ライブ配信に詳しくない、企画経験がない店舗でも簡単にライブコマースを行うことができ、集客力や売り上げ向上を図ることができるという。

GMOペパボ カラーミーショップ ライブコマース ライコマ for カラーミーショップ The Unit Liver Bank
「ライコマ for カラーミーショップ」の提供を開始

同アプリ導入で利用できる主な内容は下記の通り。

  • 運用中のカートとの連携
  • ライブコマース配信画面上でカートへの商品追加
  • リアルタイムでのチャット機能
  • 配信画面へのポップアップや通知の表示
  • いいね投稿機能
  • 視聴者の行動データ収集

利用金額は月額3万3000円(税込)で、「視聴人数×平均視聴時間(分)×1.5円」の従量課金が発生。また、動画内容の企画提案、インフルエンサーやタレントのキャステイング、PR・広告戦略を利用する場合は別途料金が発生する。

藤田遥
藤田遥

特定のECサイトで買い物すると最大15%の現金を還元する「C」とは? レシート買取サービスのWEDが手がける新サービス

5 years 2ヶ月 ago

レシート買取アプリ「ONE」を提供するWEDは2月17日から、特定のECサイトで買い物すると購入額の最大15%を現金で還元する買い物サービス「C」(シー)を開始した。

「C」と提携する買い物サイトで商品を購入した場合、購入商品価格に対して最低で2%、最大で15%を現金で還元する。

「ファッション」「お出かけ」「ギフト」「グルメ」「家具/家電」の5つのカテゴリーで31のブランドと提携(2021年2月10日時点)。「宅麺」「紀文」「cake.jp」「小僧寿し」「ANAP」「L'OCCITANE」「アルペン」「スーパースポーツゼビオ」「Combi」などが「C」に参加している。

レシート買取アプリ「ONE」を提供するWEDは2月17日から、特定のECサイトで買い物すると購入額の最大15%を現金で還元する買い物サービス「C」(シー)を開始
「C」(シー)のサービス内容

消費者は「C」に電話番号を登録、「C」経由で提携サイトに移動し商品を購入すると、現金を還元するアフィリエイトの仕組みを採用している。自動的にサービス上でポイントではなく、現金を還元する。サービスの利用や出金などにかかる手数料は無料。会員制サービスだが、会員費用などは発生しない。

サービス利用で現金がたまっていく仕組みは、WEDが提供するレシート買い取りアプリ「ONE」の系譜を継ぐものになる。「ONE」は2018年6月にサービスを開始。アプリ上のカメラでレシートを撮影すると、それをWEDが最大10円で買い取っている。

レシート以外の画像買い取り、「ONE」上の残高を使って商品の引き換えチケットと交換できる「ONE TICKET」などの機能を追加。2020年11月にはアプリインストール数が100万件を突破した。

レシート買取アプリ「ONE」を提供するWEDは2月17日から、特定のECサイトで買い物すると購入額の最大15%を現金で還元する買い物サービス「C」(シー)を開始
100万DLを超えた「ONE」

2020年12月には、ECアプリでの買い物時に発行される領収書データを買い取るサービスもスタート。ショッピングアプリ、デリバリーアプリで注文した領収書や購入明細画面のスクリーンショットを、1枚につき最大10円で買い取っている。対象は、ショッピングアプリが「Amazon」「楽天」「ZOZOTOWN」。デリバリーアプリが「Uber Eats」「出前館」「Wolt」「Chompy」「menu」。

石居 岳
石居 岳

デジタルシフトで買い物行動はどう変わる? 6つのトレンド予測と音声コマースが加速させる非接触購買の未来 | 顧客時間が見たCES & NRFレポート2021

5 years 2ヶ月 ago
顧客時間のスタッフそれぞれの視点で紹介する2021年の「CES & NRFレポート」。第1回は、チーフプランナー 風間公太氏による考察

この1年で我々を取り巻く生活環境は、デジタルへと大きくシフトした。そのことは当然ながら、顧客と企業がつながる「場」にも変化をもたらしている。緩やかに進んできた業種を問わないデジタルトランスフォーメーション(DX)、デジタルシフトはこの流れを急激かつ不可逆的に推し進めることになった。コロナ禍がもたらした環境変化が次の時代のビジネスやお客さまとのつながりに、どのような変革をもたらすだろうか。オンラインで行われた世界最大のテクノロジー展示会「CES」のセッションから、「環境変化が買い物行動に何をもたらしているのか」を有識者たちからの指針と合わせて考察する。

コロナ影響が顕著なDigital Health領域の拡大

2021年のCESを俯瞰する上で重要なキーワードが、主催団体であるConsumer Technology Association (CTA)が発表した6つのトレンドだ。

Consumer Technology Association (CTA)が発表した6つのトレンド
Consumer Technology Association (CTA)が発表した6つのトレンド(画像:「CES 2021 Tech-Trends Briefing」よりキャプチャ)

最初に「Digital Health」が並んでいることが2021年を象徴している。体調管理関連のヘルステックだけでなく、メンタルヘルス領域も含めて多くの企業が出展。また関連セッションも多数用意された。その状況はコロナ禍の世相を映し出している。

自動運転技術などの「Vehicle Technology」、都市機能のDXともいえる「Smart Cities」などはCESではお馴染みのキーワード。しかし、例年のような無人運転の技術向上のアピールよりも、電気自動車の活用や物流への配慮など、SDGs文脈とも言える環境への対応を、ゼネラルモーターズ(General Motors)などの企業が伝えていたことが印象的だった。

ここからは、筆者が所属する顧客時間の専門領域の1つとも呼べる、小売りや顧客行動の観点でCESを紐解いていきたい。

買物意識変化の理解と、迫られるリアル店舗の環境変化対応

アリババグループのトニー・シャン氏(Tmall Globalの米国事業責任者)らが登壇したセッション「Retail Trends: The New Shopper(リテールトレンド:消費行動の新潮流)」では、リアル店舗における健康関連のテナント需要の拡大、モノづくりの過程でこれまで以上にサスティナビリティの取り組みが欠かせない潮流になることなどに言及。また、環境や買い物行動の変化の視点で6つのトレンド予想が示された。

「Retail Trends: The New Shopper」の冒頭で紹介された2021年の6トレンド
「Retail Trends: The New Shopper」の冒頭で紹介された2021年の6トレンド(画像:「Retail Trends: The New Shopper」よりキャプチャ)

上記の日本語訳は以下の通り。

  1. 消費者のコスト意識が変化する
  2. 新しい技術が店舗やモールを“再構築”する
  3. 体験に寄り添ったオンラインフォーマットが小売業の成功のカギを握る
  4. 良いビジネスを生み出すのは、良い行いに他ならない
  5. 小売事業者は顧客との新たな取引方法を模索する
  6. 不確実性の高い世界では、柔軟でしなやかな臨機応変型のサプライチェーンが重要な資産となる

コロナウイルスは、顧客の買物行動にも大きな影響をもたらしている。2020年に顧客時間が三井住友カードと共同実施した買物行動/意識変化の調査(三井住友カードが保有するキャッシュレスデータの分析や顧客インタビューなどを組み合わせた調査)からも、買い物に対する価値観の変化やオンラインシフトといった傾向は、世代を問わず如実に表れた。前述の6大トレンドは、このような変化が世界規模での事象であることを示している。

セッション「Retail Trends: The New Shopper」のようす
セッション「Retail Trends: The New Shopper」のようす
(画像:「Retail Trends: The New Shopper」よりキャプチャ)

リアル店舗を有する小売業からは、カーブサイドピックアップ(車中受け取り)や、BOPIS(Buy Online Pick up In Store/オンラインで購入し、店頭で受け取る)への迅速な対応がコロナ前後のビジネスの明暗を分けたと繰り返し強調されたことも、2021年を象徴していた。

小売りの新たな活路となる「Contactless Shopping」

続いて、「Contactless Shopping(非接触購買)」をテーマにした「Retail's New Look – Shopper's Little Helpers(リテールの新しい姿―買い物客の“お手伝いさん”)」のセッション内容を紹介する。

セッション「Retail's New Look–Shopper's Little Helpers」のようす
セッション「Retail's New Look–Shopper's Little Helpers」のようす(画像:「Retail's New Look–Shopper's Little Helpers」よりキャプチャ)

現在、小売業にとっての「Contactless」は、決済の“非接触”に留まらず、店舗内でのスタッフと顧客、顧客同士の非接触など、物理的な人と人との接近・接触までも考慮せざるを得ない状況になっている。

こういった状況下で、決済関連のContactlessサービスも進化を遂げている。セッションに登壇したOV Loop, Inc.のウィル・グレイリンCEOは、自社プロダクトの「OV Loop」を紹介。専用のモバイルアプリやBluetooth内蔵デバイスに、クレジットカードや銀行口座をひも付けることで、非接触決済を安全・迅速に実現するテクノロジーとなっている。

「OV Loop」
「OV Loop」(画像:CES2021「Retail's New Look–Shopper's Little Helpers」セッションよりキャプチャ)

グレイリン氏は、顧客が複数のクレジットカードを持ち歩く必要が無い利便性の高さ、非接触であることからスキミング被害を受けにくい安全性について説明。特に、物理カードでのやり取りが多い小売りや飲食店でのクレジットカード決済の現場でニーズがあると語った。

また、決済大手VISAとも共同で、人と人の非接触を考慮したサービスを提供。同サービスは、決済ターミナル端末を使わず、スマホとスマホ、スマホとクレジットカード、KIOSK端末とクレジットカードなどの組み合わせで非接触決済を実現するというものだ。

音声コマース市場、2022年までに40億ドルへ

小売りの未来が垣間見えるContactless Shopping関連の展示やセッションのなかで、筆者がもっとも注目したのが、Voice Commerce(音声コマース)関連のサービスだ。

音声コマースに関するセッション「The Future of Contactless Shopping」のようす
音声コマースに関するセッション「The Future of Contactless Shopping」のようす(画像:「The Future of Contactless Shopping」よりキャプチャ)

「Alexa」や「OK Google」と呼びかけて始めるVoice Commerceは、日本国内ではまだ普及しているとは言い難いが、AIスピーカーが出始めた当初と比較すれば珍しい光景ではなくなりつつある。対してVoice Commerceの市場が拡大しているアメリカでは、「2022年には40億ドルまでに拡大する」と、音声インターフェイスを提供する「Jetson AI」のCEOで、セッション「The Future of Contactless Shopping」(非接触購買の未来)に登壇したピーター・ペン氏が予測を示した。

セッションに登壇した「Jetson AI」は、ブランドの規模感にかかわらず、会話インターフェースを通してサービスや商品を売ることができる「voice- first」マーケットプレイスを提供
セッションに登壇した「Jetson AI」は、ブランドの規模感にかかわらず、会話インターフェースを通してサービスや商品を売ることができる「voice- first」マーケットプレイスを提供(画像:「The Future of Contactless Shopping」よりキャプチャ)

ここ最近話題の音声版Twitterとも呼ばれる「Clubhouse」の盛り上がり方も、Contactlessな買い物体験である声×EC、声×オンラインの親和性の高さを予言するような出来事と言えるかもしれない。

音声コマース成長のカギは、ライブコマースにあり?

ここで改めてリアル店舗での購買行動を想像してみよう。リアル店舗で接客を受け、購買の気持ちが定まった際に、顧客が「これ買います」と意思を言葉で伝えること。これは、店舗における購買行動の中で“自然な行為”だ。

この“購買行動中の自然な行為”であることが、Voice Commerce普及の鍵となる。「これ買います」を、いかにオンラインの購買行動に組み込めるか。筆者はインスタライブに代表される、ライブコマースとの相性の良さの可能性を感じている。

インスタライブは、顧客と企業がリアルタイムで双方向のやり取りを行える場だ。しかし現在のインスタグラムの仕様では、インスタライブで気になった商品を顧客が購入するには、一度インスタグラムを離れ、Webブラウザ(ECサイト)やアプリで購買の操作をしなければならない。

購買までの導線を最適化するようなインスタグラムの仕様変更にも期待したいが、ここにVoice Commerceの機能を導入し、顧客による「これ買います」のような一言でECサイトのカートボタンが押下されたらどうだろうか。ライブコマースが有する“高い熱量”を保った状態で、顧客を購買に導くことができるかもしれない

このようにContactlessなテクノロジーは、感染拡大に配慮した安心・安全を提供するだけでなく、オンラインでの購買体験を向上させる一面も存在する。原始的かつ身近な「音声」の活用は、デジタルを媒介しながらも顧客との関係性に温もりや手触りを与え、顧客との対話を深める新たな活路になるかもしれない。

◇   ◇  ◇

「最先端技術の祭典」と称され、「未来への先見の明」を体感する場であったCES。2021年は、世界が未曾有の事態と対峙する中、機能性や効率性を追求する“乾いたテクノロジー競争の場”では無く、半強制的な環境変化を強いられている状況下でCESが何を示唆してくれるかは、筆者の参加モチベーションでもあった。そして、Voice Commerceに代表される、“望まずして分断された”企業と顧客との繋がりを補うような体温を感じられるテクノロジー活用の兆しと出合えたことは、CES 2021からの大きな学びであったと言える。

※文中の翻訳は、ネットショップ担当者フォーラム編集部 公文紫都によるものです。

風間公太
風間公太

無計画なカスタマイズはダメ! Shopifyのプロが語る失敗しないカスタマイズ【ネッ担まとめ】 | ネットショップ担当者が 知っておくべきニュースのまとめ

5 years 2ヶ月 ago
ネットショップ担当者が読んでおくべき2021年2月15日〜21日のニュース
ネッ担まとめ

IT全般に言えますが、無計画なカスタマイズは将来の負債になる可能性があります。Shopifyも同じ。簡単にカスタマイズできるからこそ慎重に。

Shopifyのカスタマイズは簡単だけど将来的に足を引っ張ることも

Shopifyテーマのカスタマイズについて 基本的な話 ~ マニアックな話【Shopify エキスパート2社対談 】 | ECのミカタ
https://ecnomikata.com/column/29291/

まとめると、

  • Shopifyでカスタマイズが必要な理由は「何を伝えたいのか」というデザイン面と、「どう行動してほしいのか」という体験面のどちらかを改善したいとき
  • Shopifyはデザインとシステムがきちんと分かれているところが使いやすい。プログラマーであるCEOが作りたいと考えたことが反映されているので、カートシステムの理想的な形がエンジニア視点でも盛り込まれている
  • カスタマイズは容易だが、コードが肥大化して読み込み速度が遅くなる可能性がある。直接コード編集は肥大化を避けられるが専門スキルが必要

有料テーマで構築したものの、その段階で自分たちで手に負えなくなり、構築会社に依頼するということもあると思います。カスタマイズの内容によっては有料テーマをベースにゴリゴリいじるよりも、オリジナルで作り直す方が良かったりもします。
─non-standard world CMO兼アートディレクター 佐藤昭太氏

そのあたりは昔から思う事があります。有料テーマで作成するとURLもそこに依存するので、URL構造が有料テーマに依存することになるじゃないですか?これを別テーマに変えようとするとURLも変わるので、インデックスも変わるんですよね。
─コマースメディア 代表 井澤孝宏氏

何でも自由にカスタマイズできそうなShopify。しかし、何も考えずにカスタマイズしてしまうと後になって痛い目に遭うこともあるようです。基本的には無料のテーマも問題ないので、そこから自分たちのやりたいことに合わせて専門業者を探すのが良さそうです。Shopify自体も進化しますし、アプリも進化していきますので、その変化を追いかける必要もあります。作っただけで終わりではないことを覚えておきましょう。

関連記事

3大モールも成長していますがShopifyはそれ以上の成長率

【Zホールディングス2020年4-12月期】ショッピング取扱高は54%増の約1.1兆円、eコマース取扱高は28%増の2.4兆円 | ネットショップ担当者フォーラム
https://netshop.impress.co.jp/node/8450

楽天の国内EC流通総額は約4.5兆円で、伸び率は約20%増【2020年度の実績まとめ】 | ネットショップ担当者フォーラム
https://netshop.impress.co.jp/node/8458

Amazonの2020年売上は3860億ドルで37%増、日本円で41兆円。直販ECは4割増の1973億ドル、第三者販売は5割増の804億円 | ネットショップ担当者フォーラム
https://netshop.impress.co.jp/node/8420

Shopify、2020年売上高は驚異の「86%増」。ECシェアは米国2位“巨人”アマゾンの4分の1規模に | Business Insider Japan
https://www.businessinsider.jp/post-229914

Strong Consistent GMV Growth

Shopifyの流通取引総額(GMV)。2016年〜2020年通期の推移(左)、右が2020年10月〜12月期(右)

出所:Shopify Investor Deck Q4-2020
https://www.businessinsider.jp/post-229914より編集部でキャプチャ

流通取引総額(GMV)は、2020年通期が前年比「96%増」の1196億ドル(約12兆5600億円)。10~12月だけで見ても、前年同期比「99%増」の411億ドル(約4兆3200億円)。同じ10~12月の楽天の国内EC取扱高は約1兆4100億円、比べると規模感が分かる。

こちらは記事タイトルだけででも状況がわかると思います。既存の巨大モールは20%~40%ほど伸びている中で、Shopifyは売上高が86%増で取扱高が99%増。ECの市場シェアはAmazonに次いで2位で8.6%となっています。関連記事にあるようにAmazonも自社ECサイト構築サービスを買収していますので、AmazonとShopifyの競争はますます激化しそうです。

関連記事
  • Amazon、自社ECサイト支援のSelzを買収と報道 ブランドのオムニ化やマーケティングまで支援する狙いか | 日本ネット経済新聞|新聞×ウェブでEC&流通のデジタル化をリード
    https://netkeizai.com/articles/detail/3039

巨大モールへの規制は強まる流れ

マゾンの敗訴確定<景表法処分取消訴訟>「場の提供者」の表示責任で初判断 | 通販新聞社
https://www.tsuhanshimbun.com/products/article_detail.php?product_id=5662

まとめると、

  • 東京高裁は不当な二重価格表示を行った責任はアマゾンにあるとの一審判決を支持した。アマゾンは訴えを取り下げ、判決は確定。2月10日、自社サイトのほか、日刊紙2紙にお詫び社告を掲載した
  • 販売する「クリアホルダー(1000枚入り)」で「参考価格9720円(90%オフ)」など、5商品で実際の販売価格と比較して安いかのように表示。サイトで表示した「参考価格」は、製造業者が社内管理上、便宜的に定めたものであるなど根拠のないものだった
  • 判決は「アマゾンが価格を決め、安さを強調して顧客誘引するために参考価格、割引額、割引率の表示によって大幅に割引された商品と消費者が誤認するならば、不当な表示をした事業者に該当する」と結論づけた

 アマゾンの表示責任を認める判決にある公正取引委員会OBは、「シンプルに考えれば当然の結果。システム構築といってもそのシステムを使い、販売しているのは自分。消費者からしたら当然アマゾンが売っていると見る。売り値をよその事業者に入力させるほうが無責任。責任を持って確認しないといけない」と感想をもらす。

 別の公取OBは、「責任はゼロではなく、プラットフォーマー規制と同じで自律性を持ちなさいということ。チェックの仕組みを作らないと、二重価格表示に限らず、景表法の優良誤認、薬機法、PL法などでも規制の対象になりうる」と指摘する。

こちらでもお伝えしたように巨大ITモールに対する規制はどんどん強まっています。楽天では過去に二重価格問題があって、今ではガイドラインで決められていますので、違反点数を課せられてしまう可能性があります。とはいえ、そもそも消費者が勘違いしやすいような価格表示すること自体が問題なので、売れるからといって悪徳手法を使うのは絶対にやめましょう。

関連記事

EC全般

【ニュース】Google、価格表示の正確性を欠いた広告主のGoogle Merchant Centerアカウント停止措置を開始へ | Unyoo.jp
https://unyoo.jp/2021/02/gmc_price_enforcement/

こちらも二重価格というか価格を誤認させるようなことはダメ、ということですね。

コロナ禍でECは「天下一武道会」、勝ち目は「人間味あるデジタル」にあり ハイフィットの吉村さんに聞く | ECzine
https://eczine.jp/article/detail/8791

「天下一武道会」はものすごく納得。知らないところから競合というか強豪がやってくる時代です。

「レディー・カガ」「旅館で音楽フェス」などのアイデア、ファンやアイドルとのつながりを生かした体験+物販のECサイト「かいねや加賀」のスゴイ取り組み | ネットショップ担当者フォーラム
https://netshop.impress.co.jp/node/8412

地域全体でどういったマーケティングをするのか?がスタートです。ECはその一部。

ECのエキスパート7人に聞く!2021年最新ECトレンド | Printful
https://www.printful.com/blog/jp/ec-trends-2021-according-to-experts/

最後にある「共通する7つの重要なキーワード」を見ておきましょう。

【社長インタビュー】流通額2.8倍、1100億円突破の「STAFF START」。デジタル×販売員の力でめざす「カリスマ店員新時代」とは | ネットショップ担当者フォーラム
https://netshop.impress.co.jp/node/8408

上記に関連して。ライブコマースとオンライン接客は2021年のトレンドですね。

チャージバックを未然に防ごうーー不正利用の疑いがある注文のお知らせ表示を開始しました | BASE U
https://baseu.jp/19299

BASEも利用者が増えて安心・安全の部分に力を入れるようになってきました。

今週の名言

効果的な子育て支援施策を打てば、子育て世代の移住件数や出生率は当然、増加する。

そうして人口が増えると、街がにぎわい活性化し、税収も増えていく。税収が増えればその財源で、より手厚い行政サービスができ、街への愛着が高まる。

こうした好循環を意識した施策展開を続けると、街はどんどん豊かになってくるわけです。

市民のわがままを政策に生かすには、「きれいごとと本音」の両立が必要だった──明石市長 泉房穂×サイボウズ 青野慶久 | サイボウズ式
https://cybozushiki.cybozu.co.jp/articles/m005932.html

ネットショップが儲かるようになるのもこのサイクル。魅力的な商品やサービスがあってお客さんが増えればファンも増えて自然と成長します。

森野 誠之
森野 誠之

【読者プレゼント】『Slackデジタルシフト 10の最新事例に学ぶ、激動の時代を乗り越えるワークスタイル変革』を5名様にプレゼント!

5 years 2ヶ月 ago

ビジネス用コラボレーションツール「Slack」を活用した企業のデジタルシフトの手法や事例を紹介する書籍『Slackデジタルシフト 10の最新事例に学ぶ、激動の時代を乗り越えるワークスタイル変革(できるビジネス)』がインプレスから発売されました。

『EC通販で勝つBPO活用術 ─最強のバックヤードが最高の顧客体験を生み出す』表紙
この本をAmazonで購入

本書では、Slackを導入している10の企業・団体の事例を掲載。さまざまな業種や規模、課題を持つ組織が、どのようにSlackを取り入れ、組織の働き方を変えているかを紹介します。

これらの事例はすべて2020年8~9月に取材しており、新型コロナウイルスによる緊急事態宣言以降の、まさにコロナ禍を踏まえたワークスタイル変革事例から学ぶことができます。

事例として登場する企業・団体

  • NTTドコモ(通信)
  • マスヤグループ(製造)
  • リバネス(教育)
  • SOMPOシステムイノベーションズ(システム開発)
  • 近畿大学(大学)
  • アスクル(物流)
  • カクイチ(製造)
  • 三菱重工(製造)
  • Code for Japan(NPO)
  • コープさっぽろ(小売)
 

筆者プロフィール

長谷川 秀樹(はせがわ ひでき)氏
ロケスタ株式会社 代表取締役社長

長谷川 秀樹(はせがわ ひでき)氏
ロケスタ株式会社 代表取締役社長
1994年、アクセンチュア株式会社に入社後、国内外の小売業の業務改革、コスト削減、マーケティング支援などに従事。2008年、株式会社東急ハンズに入社後、情報システム部門、物流部門、通販事業の責任者として改革を実施。100%AWS化、自社開発にてコスト削減とスピーディーな開発体制を構築。
2013年、ハンズラボ株式会社を立ち上げ、代表取締役社長に就任(東急ハンズの執行役員と兼任)。初年度から任期中、売上、営業利益率とも2桁成長を達成。2018年、株式会社メルカリの執行役員CIOに就任。領収書レス、新しい電子契約の仕組みを考案。
2019年、ロケスタ株式会社を立ち上げ代表取締役社長に就任。「プロフェッショナルCIO/CDO」として、生活協同組合コープさっぽろCIOなど複数社のCIOに従事。

内容は「できるネット」で無料公開されています。

この『Slackデジタルシフト 10の最新事例に学ぶ、激動の時代を乗り越えるワークスタイル変革 (できるビジネス)』の書籍版を5名様にプレゼントします。

ご希望の方は下記のフォームにご記入の上、お申し込みください。締め切りは3月12日(金)です!

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  • メールアドレスには株式会社インプレスからのお知らせを送らせていただくことがあります。
  • 賞品の当選は発送をもって代えさせていただきます。抽選結果のお問い合わせにはお答えしかねます。
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内山 美枝子

アフィリエイト市場は3258億円の見込み(2020年度)、ITPによるクッキー制限、ヤフーの広告出稿厳格化など環境変化の1年

5 years 2ヶ月 ago

矢野経済研究所が発表した国内のアフィリエイト市場調査結果によると、2020年度の市場規模は前年度比5.2%増の3258億円に拡大する見通し。2019年度の国内アフィリエイト市場規模は同8.0%増の3098億6000万円だった。

アフィリエイト市場拡大の背景としては、広告主におけるアフィリエイト広告への予算シフトや、スマートフォン経由での商品やサービスの売上増によるEC分野の拡大があげられるという。

アフィリエイト市場について

市場環境の変化について

外部環境に関し、ITP(Intelligent Tracking Prevention、サイトトラッキングの抑止機能)によるクッキー制限、Googleアルゴリズムのアップデートによる検索順位変動、ヤフーの広告出稿のレギュレーションの強化によるアフィリエイトサイトの広告出稿の厳格化実施など、アフィリエイトサイトにとってネガティブと考えられるレギュレーションの変更があった。

Twitterなどのソーシャルメディア(SNS)に関してもレギュレーションの厳格化があり、アフィリエイトメディアに対してもネガティブなインパクトを与えている。

プラットフォーマーによるレギュレーションの厳格化に関し、景品表示法(景表法)や薬機法などの法規制を順守しないといった一部のアフィリエイトパートナーや代理店に対して大きな影響を与えているが、優良なアフィリエイトメディアにおいてはほとんど影響を受けていないという。

今後の市場について

アフィリエイト市場は今後も拡大を続け、2024年度の国内アフィリエイト市場規模は4951億円まで拡大すると予測している。

ナショナルクライアントのインターネット広告への出稿が増加。ダイレクトレスポンス系広告において、ECサイトなどでの広告出稿増加につながる可能性が高く、アフィリエイト市場においてもプラスに影響すると分析している。

さらに、広告主へのアフィリエイト提案による広告出稿効果が確実に出てきており、アフィリエイトへの評価が高まっていることも市場拡大の要因になるという。

また、EC化率の拡大やECにおける決済サービスの導入障壁が低くなっていくことも成長要因の1つ。加えて、VOD(ビデオ・オン・デマンド)など映像配信を中心に、サブスクリプション分野の拡大が進んでいることも寄与する。

また、キャッシュレス化の進展による金融分野の拡大のほか、新型コロナウイルスの影響によるEC取引の急拡大、インターネット利用ユーザーの増加、アフィリエイト市場への新規参入事業者の増加なども、市場成長の促進要因としてあげている

調査概要

  • 調査期間:2020年11月~2021年1月
  • 調査対象:アフィリエイトサービス事業者(ASP:アフィリエイトサービスプロバイダ)、業界有識者
  • 調査方法:当社専門研究員による直接面接取材およびアンケート調査併用
    ※本調査におけるアフィリエイト市場は、アフィリエイト広告の成果報酬額、手数料、諸費用(初期費用、月額費用、オプション費用等)などを合算し算出した
石居 岳
石居 岳

「PayPayモール」で商品画像“シンプル化”のルール。「テキスト要素20%以内」「枠線なし」「写真背景か単色白背景のみ」など | 大手ECモールの業績&取り組み&戦略まとめ

5 years 2ヶ月 ago
「PayPayモール」出店企業は、商品画像で「テキスト要素の占有率20%以内」「枠線なし」「画像背景は写真背景か単色白背景のみ」「アニメーションGIF」の使用が2021年4月20日から不可になる

ヤフーは「PayPayモール」の商品画像に関し、テキスト要素の占有率を20%以下などのルールを設けた「PayPayモール商品画像登録ガイドライン」の運用を始める。商品画像に関する主なルールは「テキスト要素の占有率20%以内」「枠線なし」「画像背景は写真背景か単色白背景のみ」など。運用スタートは4月20日(火)から。「PayPayモール商品画像登録ガイドライン」の主な商品画像に関するルールを解説する。

新たに設けられる商品画像に関するルール

「PayPayモール」出店企業は、商品画像に関して「テキスト要素の占有率20%以内」「枠線なし」「画像背景は写真背景か単色白背景のみ」「アニメーションGIFの使用不可」を4月20日から順守しなければならない。

4月19日(月)までを画像準備期間とし、4月20日から「PayPayモール商品画像登録ガイドライン」の運用を始める。6月に一部店舗へのヒアリング、アンケートを実施。2021年10月からガイドライン違反に関するペナルティーの運用を始める予定。

ガイドラインの対象について

「PayPayモール」の商品画像欄の「商品画像」が太陽。「商品詳細画像」「追加画像」は対象外。

ファッションカテゴリ以下の商品でバリエーション画像を掲載している場合、バリエーション画像も対象になる。

テキスト要素について

商品画像内に配置するテキスト要素占有率20%以下について、テキスト要素は、

  • ブランドロゴ、企業ロゴ、メーカーロゴ
  • 商品のスペック情報や特徴
  • 画像クレジット
  • 「No Image」の文字、イラスト
  • 商品が掲載されていない画像
  • 商品以外のイラスト

次の項目は、禁止表現として画像入力不可とする。

  • ストア名(ロゴ含む)
  • 商品名
  • 送料
  • 価格
  • ポイント
  • 値引き情報
  • 配送情報
  • 他社ECモールのランキング順位

画像表現について

枠線については、枠線なしの商品画像登録を求める。枠線は画像の4辺を囲む線のほか、L字、帯状などの要素を含む。

商品画像の背景は「写真背景」か「単色白背景のみ」の使用を求める。

写真背景の定義は「商品と一緒に撮影した背景」。単色白背景の定義は「カラーコード #FFFFFF(R255、G255、B255)」。

「販売商品と関連性のない物画像」「人物画像」「背景」の登録、商品画像と写真背景の合成、白以外の背景色ベタ塗り、グラフィック表現は禁止する。

また、商品画像のアニメーションGIFの登録も不可とする。

カテゴリ商品別ガイドラインについて

「PayPayモール」で扱うカテゴリ商品別の画像登録におけるガイドライン「カテゴリ商品別ガイドライン」も順守事項とする。

「カテゴリ商品別ガイドライン」について(出店者が提供)
◇◇◇

商品画像のシンプル化に関し、楽天は2018年に「テキスト要素20%以内」「枠線なし」「画像背景は写真背景または単色白背景のみ」への対応をスタートしている。Amazonが行っていた「シンプルな商品画像」が、「PayPayモール」にも波及した格好だ。

瀧川 正実
瀧川 正実

単品通販(D2C)を成功させる「ツーステップマーケティング」。5つのメリットとは?

5 years 2ヶ月 ago
「ワンステップマーケティング」と「ツーステップマーケティング」の違いを加藤公一レオが解説

単品通販(D2C)のビジネスモデルには大きく分けて「ワンステップマーケティング」と「ツーステップマーケティング」がある。売上100億円以上の単品通販(D2C)企業の多くが実施しているのは「ツーステップマーケティング」だ。単品通販(D2C)で売上高と利益を上げて成功するためには、「ツーステップマーケティング」の攻略が不可欠と言い換えても良い。

なぜ「ツーステップマーケティング」を実践している会社が成功しているのか? 「ツーステップマーケティング」の5つのメリットとともに、その秘密を明かしていこう。

「ツーステップマーケティング」とは?

「ワンステップマーケティング」は、新規のお客さまに対していきなり本商品の定期コース(サブスク)をオファーするビジネスモデルのこと。「ツーステップマーケティング」は、無料モニターや500円モニターを入口として、まずは見込客を集め、その後本商品の定期コース(サブスク)に引上げるという2段階のビジネスモデルである。

図:ワンステップマーケティングとツーステップマーケティングの違い
「ワンステップマーケティング」と「ツーステップマーケティング」の違い

「ツーステップマーケティング」は一見まどろっこしいが、売れるネット広告社が1,000回以上繰り返してきたA/Bテストの結果、「ワンステップマーケティング」よりも「ツーステップマーケティング」の方が、広告の費用対効果が良くなることがわかっている

加えて、一時期、記事型広告とともに即定期(サブスク)の「ワンステップマーケティング」が大流行したが、最近ではさまざまな規制や外部要因により崩壊寸前に追い込まれている。そう、これからは「ツーステップマーケティング」の時代なのだ。

私から見れば「ワンステップマーケティング」が崩壊し、「ツーステップマーケティング」が勝ち残るのは当然である。言ってみれば、「ワンステップマーケティング」は合コンで知り合った初対面の女性にその日のうちにプロポーズするようなもので、「ツーステップマーケティング」は合コンで知り合った女性をまずはデートに誘い、一度付き合ってから結婚を申し込むようなものである。

「ワンステップマーケティング」では商品の良さを必要以上に“盛って”伝える必要がある一方、「ツーステップマーケティング」の場合は、お客さまにとって経済的リスクがほとんどないため、商品の良さを必要以上に“盛る”必要がない。まずは見込客を集めてモニター商品を試してもらい、その見込客に本商品の定期コース(サブスク)を申し込んでもらう「ツーステップマーケティング」は、ビジネスモデルとしてはるかに合理的だし本質的なのである。

「ワンステップマーケティング」と「ツーステップマーケティング」の違いがわかったところで、ここからはより具体的に「ツーステップマーケティング」のメリットを見ていこう。

①「ツーステップマーケティング」は潜在層のニーズを顕在化させることができる

「ワンステップマーケティング」は、需要が顕在化している層しか商品を申し込まない。美容液であれば「そろそろ美容液使おうかな」と思っている人、青汁であれば「一度青汁を飲んでみたいな」と思っている人が、たまたま見つけて買ってくれるのである。広告戦略としてはリスティング広告やリターゲティング広告をコツコツ続けるくらいしかできない。

一方、「ツーステップマーケティング」は、潜在層のニーズを強引に顕在化させることができる。どういうことかと言うと、「そろそろ美容液使おうかな」などとは思っていなかった人も、無料モニターや500円モニターの広告を見ると「無料(または500円)だったら試してみようかな」という気持ちになりやすいからである。

図: 新規顧客獲得のためのファネル 既存顧客管理のためのファネル 認知興味・関心検討購入リピートアップセル・クロスセル ロイヤルカスタマー化
新規顧客の獲得と既存顧客の管理におけるファネルの違い

「試してみる」というのは、最高の認知であり最高のブランディングだ。「ツーステップマーケティング」は、お客さまのニーズが顕在化していなくても、モニター商品を入口として、「認知」から「興味・関心」「検討」「購入」まで一気通貫で持っていけるビジネスモデルなのである!

②「ツーステップマーケティング」はCPO効率が良い

「ワンステップマーケティング」よりも「ツーステップマーケティング」の方がCPO効率が良い。なぜなら、値段の高い本商品の定期コース(サブスク)に比べ、無料モニターや500円モニターの方が圧倒的に申し込みのハードルが低いため、「ツーステップマーケティング」の方がはるかに多くの見込客を集められるからだ。

初回のオファーを無料モニターや500円モニターにして、入口のハードルを下げてあげることで、ニーズが顕在化していない潜在層の見込客を獲得することができる。「ツーステップマーケティング」の場合、集められる見込客の数が圧倒的に多いため、本商品の定期コース(サブスク)への引上率が10%や15%ぐらいでも、最終的に「ワンステップマーケティング」よりもCPO効率が良いのだ。

図:ツーステップマーケティングとワンステップマーケティングのCPO

③「ツーステップマーケティング」で定期(サブスク)獲得件数が最大化する

件数ではどうかというと、定期(サブスク)獲得件数が最大化できるのもやはり「ツーステップマーケティング」である。なぜなら、入口のハードルが高い「ワンステップマーケティング」は合コンで出会ったその日に結婚を申し込むようなものなので成功率が低いが、まずはデートを申し込む「ツーステップマーケティング」であれば圧倒的に成功率が高いからだ。

「ワンステップマーケティング」に比べて「ツーステップマーケティング」はレスポンスが10倍くらいあるので、まずはモニター商品をフックに見込客を集め、その後定期(サブスク)に引上げる「ツーステップマーケティング」の方が定期コース(サブスク)の獲得件数が増えるのである。

図:サブスク(定期)獲得件数

④「ツーステップマーケティング」はLTVが高い

繰り返しになるが、「ワンステップマーケティング」は、合コンで出会った初対面の女性に対し、その日のうちに結婚を申し込むようなビジネスモデルである。仮に合コンで知り合っていきなり結婚したカップルがいたとしても、すぐに別れがやってくることは想像できるだろう。

対照的に、「ツーステップマーケティング」は、初対面の女性をまずはデートに誘い、一度付き合ってから結婚を申し込むようなビジネスモデルである。一度付き合ってお互いのことを知ってから結婚した方が、圧倒的に長続きする可能性が高い。単品通販(D2C)も恋愛や結婚と同じで、モニター商品を試して納得したうえで本商品の定期コース(サブスク)に申し込んでもらった方が継続回数が増え、LTVが上がるのである。

図:LTV

⑤「ツーステップマーケティング」は初回価格目的や転売のターゲットになりにくい

最近、単品通販(D2C)会社の方と会うと、初回価格目的や転売目的の不正注文に悩まされているケースがものすごく多い。個人情報を少しずつ変えて何度も初回割引価格で申し込むユーザーや、初回割引価格で手に入れた商品をフリマアプリなどで転売するユーザーが後を絶たないのである。最近では、転売が組織化してきていて、転売屋による利益の目減りは単品通販(D2C)会社にとって深刻な問題になっている。

特に「ワンステップマーケティング」は、誰でも見られる広告専用ランディングページで「初回半額」「初回78%OFF」といった大胆な初回割引をしていることが多いので、初回価格目的・転売目的のユーザーの目に留まりやすく、被害が大きくなりがちだ。

図:誰でも見られる広告専用ランディングページで本商品をオファー

一方、「ツーステップマーケティング」はその仕組み上、初回価格目的や転売目的などの不正注文の被害を受けにくい。初回価格目的や転売目的のユーザーが狙うのは、主に初回割引率が高い商品である。定価と初回割引価格の差が大きければ大きいほど、何度も同じ商品を申し込んだり、転売したりしたときのメリットが大きいからだ。

ところが「ツーステップマーケティング」の場合、入口は本商品ではなく無料モニターや500円モニターである。個人情報を少しずつ変えてこれらを何度も手に入れても、メリットはそれほど大きくないし、転売したとしても大した利益にならない。

図:誰でも見られる広告専用ランディングページで500円モニターをオファー

従って、「ツーステップマーケティング」よりも「ワンステップマーケティング」の商材の方が、初回価格目的や転売目的のユーザーに目を付けられやすいのである。

もちろん、「ツーステップマーケティング」でもアップセルや引上で本商品の定期コース(サブスク)をオファーするし、初回特別価格を設定することも多い。ただし「ツーステップマーケティング」では、初回特別価格での本商品のオファーはアップセル画面やフォローメールといった閉ざされた場所で行われるため、不正なユーザーの目に留まりにくい

図:フォローメールからアクセスできる引上専用ランディングページで本商品をオファー

つまり、不特定多数の目に触れる広告専用ランディングページでいきなり本商品の定期コース(サブスク)をオファーする「ワンステップマーケティング」に比べ、クローズドな場所で本商品の定期コース(サブスク)をオファーする「ツーステップマーケティング」の方が、不正注文のターゲットになりにくく、優良な見込客に自社の大切な商品を届けることができるのである。

◇◇◇

このように、「ツーステップマーケティング」のメリットは潜在層の獲得から転売対策まで多岐にわたる。あなたも多くの100億円企業が行っている「ツーステップマーケティング」を実行して、「勝ち組通販(D2C)」の仲間入りをしてほしい。

加藤 公一 レオ
加藤 公一 レオ

ecbeingが「LINEミニアプリ」開発・提供のSaaS型サービス、EC事業者の簡単なミニアプリ導入を支援

5 years 2ヶ月 ago

ecbeing(イーシービーイング)は2月18日、LINEアプリ上で使えるEC事業者向けのWebアプリケーション「ecbeing LINEミニアプリ SaaS Edition」の開発・提供を開始した。

「LINEミニアプリ」を企業や店舗が利用することで、消費者のライフスタイルにおけるさまざまなニーズに応えるサービスをLINE上で提供できるようにする。

LINEミニアプリについて
LINEミニアプリについて

「ecbeing LINEミニアプリ SaaS Edition」は、EC事業者が簡単にLINEミニアプリを導入、ECに関連したサービスをユーザーに提供することができる自動バージョンアップ機能を備えたSaaS型のサービス。ecbeingが提供するマイクロサービスの1つとして提供するため、自動的に機能が追加されていく。

マイクロサービスは、従来型のすべての機能を1カ所にまとめるシステムに対して、各サービスをそれぞれ独立して構成するもの。世の中の時流に合わせて常に新しい最適なサービスが利用できるようになる。

ecbeing(イーシービーイング)はLINEアプリ上で使えるEC事業者向けのWebアプリケーション「ecbeing LINEミニアプリ SaaS Edition」の開発・提供を開始
LINEミニアプリで実現できること

特徴的な機能は以下の通り。

  • 自動バージョンアップ
    ecbeingが提供するマイクロサービスの1つとして提供するため、自動的に機能が追加されていく
  • 簡単LINEミニアプリ追加
    ユーザーはLINEアプリトップから2タップで簡単にLINEミニアプリを追加、各LINEミニアプリのサービスを利用することが可能
  • LINE公式アカウントでの友だち登録
    ユーザーがLINEミニアプリを追加すると同時に、企業側は「LINE公式アカウントの友だち」の獲得やLINEユーザーIDの取得が可能
  • 会員登録機能
    LINEミニアプリからアクセスできる画面上から、ユーザーのメールアドレスや名前などのユーザー情報の取得が可能
  • ECサイト購入
    LINEミニアプリ上からECサイトにすぐにアクセス、購入が可能
  • ECキャンペーン
    ECで行うキャンペーンをLINE公式アカウント上でお知らせして集客し、メッセージをタップすることでLINEミニアプリ上からキャンペーンページを閲覧・キャンペーンに参加することが可能
  • LINEからの通知
    LINE公式アカウントを「友だち追加」したユーザーに向けて一括配信や、さまざまなセグメント配信が可能(別途ecbeingの提供するマイクロサービスの1つMessaging Serviceの契約が必要)
  • 店頭クーポン配布
    ECサイト構築パッケージ「ecbeing」管理画面で店舗、ECサイトで使えるクーポンを発行。店頭でLINEミニアプリを表示し、クーポンの利用も可能(別途ecbeingの提供するマイクロサービスの1つMessaging Serviceの契約が必要)
ecbeing(イーシービーイング)はLINEアプリ上で使えるEC事業者向けのWebアプリケーション「ecbeing LINEミニアプリ SaaS Edition」の開発・提供を開始
「ecbeing LINEミニアプリ SaaS Edition」の主な機能

 

石居 岳
石居 岳

楽天2020年度実績まとめ/4月スタートの消費税総額表示義務でやるべきこと【ネッ担アクセスランキング】 | 週間人気記事ランキング

5 years 2ヶ月 ago
2021年2月12日~18日にアクセス数の多かった記事のランキングを発表! 見逃している人気記事はありませんか?
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    ネットショップ担当者が読んでおくべき2021年2月7日〜14日のニュース

    2021/2/16
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    コロナ禍でより一層ソーシャルコマースに注目が集まっています。先行する中国での事例からソーシャルコマースの可能性を探っていきます

    2021/2/18
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    『EC通販で勝つBPO活用術』(高山隆司/佐藤俊幸 著 ダイヤモンド社 刊)ダイジェスト(第8回)

    2021/2/17
  8. 【川添隆氏が解説】オンライン接客の始め方と基礎知識。相談タイムあり(2/22 12時〜Clubhouseで生配信)

    ECエバンジェリストの川添隆さんがオンライン接客の始め方や基礎知識などを解説(2/22 12時〜Clubhouseで生配信)

    2021/2/16
  9. コロナ禍で世界の消費行動はどう変わった? 30の国・地域のECデータ&市場概況などをまとめた『海外ECハンドブック2020』とは

    世界のEC市場規模予測や地域別EC市場データ、越境EC市場規模およびEC利用者の推移、EC市場データランキング、各国のEC市場環境比較表などを掲載した海外進出・越境ECに必見の1冊

    2021/2/18

    ※期間内のPV数によるランキングです。一部のまとめ記事や殿堂入り記事はランキング集計から除外されています。

    内山 美枝子

    コロナ禍で世界の消費行動はどう変わった? 30の国・地域のECデータ&市場概況などをまとめた『海外ECハンドブック2020』とは

    5 years 2ヶ月 ago
    世界のEC市場規模予測や地域別EC市場データ、越境EC市場規模およびEC利用者の推移、EC市場データランキング、各国のEC市場環境比較表などを掲載した海外進出・越境ECに必見の1冊

    新型コロナウイルス感染症がグローバルで拡大する中、海外の消費者が日本製品を越境ECで購入する動きが増加、海外マーケットに目を向ける日本のメーカーやEC実施企業なども増えています。そんな企業の海外ビジネスに役立つ書籍として『海外ECハンドブック2020』(トランスコスモス:著、インプレス:刊、定価:2,500円+税)をインプレスが発行しました。各国・地域のデータを収集し、記事を執筆した著者のトランスコスモス 調査部の皆さんに話を聞きました。

    『海外ECハンドブック』について

    海外進出、越境ECによる海外市場の攻略で重要となるのが現地市場や消費動向などの調査。『海外ECハンドブック』は、アジア太平洋、北米、中南米、欧州、中東・アフリカなど、主要30の国・地域のECデータ、消費動向、法律の動きなどを1冊の書籍にまとめています。

    世界のEC市場規模予測や地域別EC市場データ、越境EC市場規模およびEC利用者の推移、EC市場データランキング、各国のEC市場環境比較表をはじめ、アジア太平洋、北米、中南米、欧州、中東・アフリカなど、主要30の国・地域について市場概況および消費者トレンドや有力事業者の動向、また規制関連の注目トピックスを掲載しています。

    海外ECハンドブック2020 各国のEC市場規模
    各国のEC市場規模(画像は『海外ECハンドブック2020』から)

    特徴は、各国の重要な法制度の動向、各国・地域のEC市場を定量データとしてまとめている点。データは各国・地域の政府が発表したもの、主要な調査会社や企業が公表しているものを用いています。

    海外ECハンドブック』は、グローバルECにおいて豊富な経験を持つトランスコスモスが、世界30の国と地域におけるECの現状と将来展望について、最新データを集約・整理した一冊
    『海外ECハンドブック2020』について
    • [巻頭特集]
      • 中国の最新買い物事情~トランスコスモスチャイナからの現地リポート~ ※最新の中国EC市場について解説しています。
    • [主要国のECの現状と将来展望]
      • 世界のEC市場規模予測
      • 地域別EC市場データ
      • 30の国・地域のEC市場ポテンシャル
      • 越境EC市場規模およびEC利用者の推移
      • アジア10都市EC利用動向調査
      • EC市場データランキング(TOP10)
      • 各国のEC市場環境比較表2019年
      • グローバルトピックス

    『海外ECハンドブック2020』を通じて感じる市場の変化

    ライブコマース、オンライングローサリー、SDGsなどコロナで変わるネット通販

    2019年のグローバルB2C-EC市場は前年比19%増。引き続き高い成長を見せ、約4兆1,272億ドル(約435兆円)に達しています。CAGR(年平均成長率)は11.8%で拡大し、2029年には約12兆2,565億ドル(約1,290兆円)規模になると推計しています。

    トランスコスモス 調査を行ったサービス推進総括デジタルテクノロジー推進本部 調査部 佐藤ひろこさん
    調査を行ったサービス推進総括デジタルテクノロジー推進本部 調査部 佐藤ひろこさん

    地域別では、アジア太平洋地域が引き続きグローバルEC市場をけん引。現在、グローバルシェアで約6割を占めているアジア太平洋地域は、今後10年で約7割にまで拡大すると見られています。中国市場の規模・成長率は引き続き世界最大となる見通しですが、成長著しいASEAN各国やインドにもグローバルな注目が集まります。

    『海外ECハンドブック2020』の大きなトピックは新型コロナウイルス感染症拡大への対応でしょう。30の国・地域の状況をまとめたページの前半部分では、コロナ禍での取り組みをまとめています

    地域別のEC市場規模
    地域別のEC市場規模(画像は『海外ECハンドブック2020』から)

    リモートでどのように商品を販売していくか、顧客体験をどのように向上させるのか、実店舗の小売企業がどのような非接触の取り組みをしているのか――。各国の取り組みを見ていくと、自社の取り組みに生かすヒントにもなるはずです。

    新型コロナウイルス感染症拡大によって、オンライングローサリー(オンラインでの食品や消費財の購入)が急増したことはグローバルでの共通点。特にロックダウンが厳しい国や地域は、生鮮食品などのオンライン購入が増えています。

    グローバルで注目が集まっているSDGs(Sustainable Development Goals、持続可能な開発目標)に近い事象では、欧米企業を中心としたゼロエミッションの取り組みです。たとえば、返品率の減少はCO2排出量の削減につながる一方、利益率の向上にも寄与しますゼロエミッションに取り組むことで、最終的には自社のビジネスにもつなげていく――。このような取り組みに注力する企業が増えてきたと感じています。

    アジア圏でも起きている変化

    中国や台湾、東南アジアといった国と地域の変化も注目しておきたいところです。

    台湾では2020年、当局が中国系企業への圧力を強めており、締め出しなどが始まっています。こうした動きがECにも影響していく可能性があります。法律や投資の面で変化が起きる可能性があります。

    トランスコスモス サービス推進総括デジタルテクノロジー推進本部 調査部 金山桜子さん
    サービス推進総括デジタルテクノロジー推進本部 調査部 金山桜子さん

    たとえば、勢力図の変化。現在、台湾ではシンガポールに拠点を置くECプラットフォーム「Shopee」が急速に拡大しています。また、「Shopee」は東南アジアでの利用者も急増しており、中国勢に変わって台湾や東南アジアで「Shopee」が台頭。越境ECを行う日本企業の出店戦略にも影響が出てくるでしょう。

    『海外ECハンドブック2020』では、30の国・地域における市場や消費行動の変化、主要プレイヤーの動向、経済環境などについてまとめていますので、特にコロナ禍の状況を把握する上でとても参考になる書籍だと思います。2019年に発行した「ECハンドブック2019」を合わせて読むと、定点調査から細かい変化、環境の変化などがより詳しく理解できるはずです。

    中国の市場や消費行動の変化についてまとめたページ。30の国・地域について詳しくまとめています(画像は『海外ECハンドブック2020』から)

    各国の変化を見比べること面白い傾向もわかります。

    たとえば米国と中国。オムニチャネルやO2Oといった施策は最先端ですが、アプローチが異なります。米国では「BOPIS」(Buy Online Pick-up In Store、店頭受け取りサービス)に代表されるような物流面、そして店頭在庫とECのデータ連係などデータからのアプローチ。一方、中国はアリババグループの「ニューリテール」に代表されるサプライチェーンの整備にまずは注力しました。中国ではアリババ、JDのようなプラットフォームがメーカー、小売、物流までのサプライチェーンを整備し、顧客体験の向上につなげています。

    『海外ECハンドブック2020』では各国の定量データ、法律の動向などだけではなく、こうした最先端の取り組み、その変化なども読み取ることができます

    『海外ECハンドブック2020』の活用方法について

    れから海外市場への参入、もしくは越境ECのスタートを検討している企業には、各市場のデータなどを集めたデータ集、世界30の国と地域のマーケット調査に役立つでしょう。

    参入済みもしくは越境ECを実施している企業は、新型コロナウイルス感染症拡大による市場の変化、ライブコマースや非接触販売などを把握するのに役立つと思います。

    瀧川 正実
    瀧川 正実

    ワークマン、吉野家、バロックジャパンなど300社超が行うインスタグラム活用したUGC施策とは

    5 years 2ヶ月 ago

    ecbeingの子会社で、デジタル施策におけるビジュアル活用支援を手がけるvisumoによると、Instagram(インスタグラム)の写真や動画をECサイトで活用する企業が増えている。

    Instagramの写真や動画をECサイトで活用し商品訴求力を高めるビジュアルマーケティングツール「visumo social curator(ビジュモソーシャルキュレーター)」を導入した企業が、このほど300社を突破した。

    Instagram(インスタグラム)の写真や動画をECサイトで活用する企業が増えている 「visumo social curator」導入企業
    「visumo social curator」を使ってInstagramのコンテンツをECサイトなどに活用する企業が増えている

    「visumo social curator」は、インスタグラム上の写真・動画・IGTVをECサイトやブランドサイト、オウンドメディアに活用し、さまざまなコンテンツマーケティングを展開できるソリューション。

    ワークマン、吉野家、バロックジャパンリミテッドなど、導入実績は国内300社を突破。デジタルトランスフォーメーション(DX)推進施策の一翼としてInstagramを活用したスタッフ投稿、動画などをUGC(User-generated-content)マーケティング、ECサイトやオウンドメディアにおけるコンテンツマーケティングを推進する目的でサービスが活用されているという。

    「visumo social curator」導入企業の業種内訳は、「ファッション」で約36%。続いて「インテリア・雑貨」が20%。「食品・ギフト」が17%、「美容・コスメ」が16%。

    「visumo social curator」導入企業の内訳は、「ファッション」で約36%。続いて「インテリア・雑貨」が20%。「食品・ギフト」が17%、「美容・コスメ」が16%
    「visumo social curator」導入企業の業種内訳

    バロックジャパンリミテッドの活用例

    ECサイト「SHEL'TTER WEBSTORE」では、「visumo social curator」を動画コマースプラットフォームとして活用し、インスタライブを使った動画コマースを配信。コンテンツ化した写真や動画には販売商品をひも付け、インスタライブ動画や接客動画を見ながら、商品を購入できるようにしている。

    バロックジャパンリミテッドのUGCマーケティング
    バロックジャパンリミテッドの活用イメージ

    ジョンマスターオーガニックグループの活用例

    オーガニック由来の成分を使用したライフスタイルコスメブランド「ジョンマスターオーガニック公式オンラインストア」では、製品の使い方やケア方法を発信する動画コンテンツ「meet up! CHANNEL」のプラットフォームに「visumo social curator」を採用。LIVE配信や過去のアーカイブ動画を発信している。

    動画の内容はスタッフによるジョンマスターオーガニック製品の使い方から、美容に精通した特別ゲストによるスタイリング提案など、ユーザー以外も楽しめるコンテンツとなっている。

    ジョンマスターオーガニックグループのUGCマーケティング
    ジョンマスターオーガニックグループの活用イメージ

    ワークマンの活用例

    「ワークマン公式オンラインストア」はユーザー投稿を活用したコンテンツ「workmanフォト」を展開。「#ワークマン」「#ワークマン女子」「#ワークマンプラス」など自社ブランドに関連したInstagramの投稿写真を活用し、コンテンツマーケティングを実施している。

    ワークマンのUGCマーケティング
    ワークマンの活用イメージ

    吉野屋の活用例

    吉野屋は、中心顧客が「男性」というイメージが強いが、「家庭で吉野家を楽しんでいる」ファミリーが増加しているという。Instagramを中心としたSNS上では、「家庭で吉野家を楽しんでいる」写真が多数投稿されおり、顧客層のさらなる拡大のためにUGCを活用している。

    吉野屋のUGCマーケティング
    吉野屋の活用イメージ
    ◇◇◇

    「visumo social curator」は、インスタグラムの写真や動画をECサイトのコンテンツに活用できる「social curator」と、ECサイトに活用して動画制作が行える「video maker」の2つのラインアップで構成している。

    「social curator」はInstagram上の写真検索や投稿者への利用許諾、直感的なCMS機能、クリエイティブを分析する機能などを備え、次世代のクラウド型ビジュアルマーケティングツールとして機能拡張を進めている。

    石居 岳
    石居 岳

    「楽天市場」に「契約更新基準」を導入、年間売上30万円未満の店舗は「研修受講」もしくは「重要施策への参画」で出店継続

    5 years 2ヶ月 ago

    楽天は、「楽天市場」の顧客満足度向上、販売が低迷している出店者の売上拡大を目的に、出店継続の基準を定めた「契約更新基準」を新たに導入する。

    「楽天市場」での年間売上高が30万円未満の場合、「研修(Eラーニングコンテンツ)の受講完了」もしくは「楽天市場重要施策への参画」を契約更新基準にする予定。

    出店規約を改定し、2021年3月上旬に出店者などへ開示する。改定後の規約の適用開始は2021年6月頃の予定。その後、新基準に基づいた契約更新は2022年6月以降を予定している。

    「契約更新基準」概要

    「楽天市場」での年間売上高が30万円未満の出店者に対して設ける、「研修(Eラーニングコンテンツ)の受講完了」もしくは「楽天市場重要施策への参画」の更新基準は次の通り。

    Eラーニングコンテンツの受講完了

    売上アップのための商品ページの作成方法、イベント活用方法、ルール、サービス、重要施策についての理解を深めてもらうコンテンツを用意。受講完了で基準を満たしたものとする。

    「楽天市場重要施策」への参画

    1~3の施策うち1つ以上への参画することで、基準を満たしたものとする。

    • 1.「楽天NATIONS BASICプログラム」の修了
      「楽天NATIONS」は、楽天店を成功に導いた著名社長などが講師となり、新規店舗などに店舗運営の基礎、実践例などを伝える短期集中売上アッププログラム
    • 2.「楽天が提供する物流サービス」の導入
      楽天が提供する「楽天スーパーロジスティクス(RSL)」「集荷・持込サービス」「楽天特別運賃プログラム」などの導入
    • 3.「共通の送料込みライン」適用対象店舗(39ショップ)への変更
      「楽天市場」での買い物時にユーザーが3980円(税込)以上購入した場合の送料に関し、購入者負担を0円として事業者が送料全額を負担する「共通の送料込みライン」施策への変更
    ◇◇◇

    「楽天市場」はここ数年、「統一性と多様性の両立」を課題としてサービス向上に取り組んでいる。「多様性」は個性豊かな店舗の魅力を最大限引き出すこと、「統一性」は機能を統一することでユーザーの利便性を向上すること。

    「共通の送料込みライン」などは「統一性と多様性の両立」を実現するための取り組みの一環。楽天は出店者に対し、以下のようなメッセージを伝えている。

    コロナ禍となった2020年より、消費はオンラインへ大きくシフトし、「楽天市場」でも新たにお買い物をいただくユーザーを多く迎えております。ユーザーの期待に応え続けるため、楽天と一緒に真摯にユーザーと向き合っていただける店舗さまの売り上げをより伸ばしていきたいという考えから、契約更新における基準を新たに設けることといたします。

    (中略)「楽天市場」での売り上げを一緒に上げていくためのきっかけや機会を店舗さま」に提供できればと考えております。今後も「楽天市場」は「統一性と多様性の両立」を実現する取り組みを通じて、ユーザーのニーズにあわせたサービスへと成長し、店舗さま」の売上拡大を支援いたします。

    なお、「楽天市場」の出店プランは、月額固定費が割安となるがんばれ!プランが月額1万9500円、ランニングコストが割安となる月額5万円の「スタンダードプラン」などがある。

    「がんばれ!プラン」で出店している場合、月額出店料だけで年間23万4000円(税別)の固定費が発生。決済手数料を加えると損益がマイナスの出店者がほとんどと推測される。

    年間売上30万円未満の店舗に「研修受講」もしくは「重要施策への参画」を促す「契約更新基準」導入は、「楽天市場」内で販売が低迷している出店者の売上改善、スキルの習得、サービス向上、モチベーションアップなどにつなげる狙いがある。

    瀧川 正実
    瀧川 正実

    台湾発の越境ECサイト「Pinkoi」。ミッフィーコラボのポップアップストアを、日本先行で展開した理由と反響は? | SHOPCOUNTER magazine〜小売り・テクノロジー関連コンテンツを発信〜

    5 years 2ヶ月 ago
    台湾発の越境ECサイト「Pinkoi」が、日本先行でミッフィーコラボのポップアップを実施した理由とは?

    世界各国のデザインプロダクトをデザイナーから直接購入できる「Pinkoi(ピンコイ)」が、ミッフィーとのコラボイベントを実施。2020年11月12日から、オンライン特設サイトでの販売(12月25日まで)と併せ、同11月19日〜12月6日には都内でポップアップストアも展開した。世界に先駆け日本で先行して展開したというコラボイベントの概要、ポップアップストアを開設した理由について、日本支社ピンコイのPR安部めぐみ氏と、ポップアップストア企画担当のルル・チェン氏に聞いた。

    世界各国のデザイナーから商品を購入できる越境EC

    2011年8月に台湾で創業

    ――「Pinkoi」の概要を教えてください。

    安部めぐみ氏(以下、安部氏):2011年8月に台湾で創業した「Pinkoi」は、世界各国のデザイナーやブランドから直接商品を購入できるグローバルECサイトです。掲載されている商品数は、160万点以上(出店ショップ数は、1万8,000店以上)。20〜40代を中心に350万人以上の会員を抱え、これまでに1,050万点以上の販売実績があります。日本には2014年に進出し、2015年に支社を構えました。

    「Pinkoi」トップページ
    「Pinkoi」トップページ(画像:ピンコイ提供)

    特長は、デザイナーが自ら商品を世界中のお客さまに販売できるところにあります。世界93か国に発送可能なので、海外から閲覧しても商品内容がわかるように、サイト上には英語、日本語、中国語などに対応した「自動翻訳」ボタンをつけています。

    越境ECということもあり、海外のお客さまへの販売を不安に思うデザイナーも少なくありません。日本のように拠点がある地域では、どのようなページ設定をすると海外の人に理解していただきやすいのか。各地のトレンドや検索キーワードなど、グローバル展開しているからこそ提供できる情報に加え、効果的な撮影方法など、現地スタッフがデザイナーのネット販売に役立つ情報のシェアも行っています。

    ――手厚いサポートをされているんですね。出品には「審査」があるそうですが、どのような基準を設けているのでしょうか?

    安部氏:商品や画像のオリジナリティやデザイン性、生産体制などを審査しています。審査を通過するデザイナーは3割程度なので基準は厳しいですが、その分、クオリティを担保した素晴らしいショップが集まっています。

    ――文房具、ファッション、アクセサリー、グルメなどいろいろなカテゴリの商品を扱っていますが、最近ヒットした商品があれば教えてください。

    安部氏:スタッフが公式Twitterで紹介したところ、7.5万いいね!がついたのが、中国発の「カニ缶ポシェット ポーチ」です。カニ缶がそのままポシェット ポーチになったインパクトのあるデザインが受けました。このポーチのように、日本では「Pinkoi」以外では手に入らないユニークな商品がヒットすることが多いですね。国別では台湾が人気で、特に2020年は海外に行けなかったこともあり、コスメを中心に台湾発の商品の売れ行きが良かったです。

    Twitterで7.5万いいね! を獲得した「カニ缶ポシェット ポーチ」(Pinkoiで販売)
    Twitterで7.5万いいね! を獲得した「カニ缶ポシェット ポーチ」(画像:「Pinkoi」のサイトよりキャプチャ)

    ミッフィーファンが多い日本で先行展開

    コラボアイテム約180点をポップアップで展示販売

    ――「ミッフィー」とのコラボレーション企画を2020年11月からスタートしました。世界に先駆けて日本で先行展開とのことですが、日本で最初に実施した理由と、コラボイベントの概要について教えていただけますか?

    安部氏:2020年は、ミッフィー誕生65周年になります。その記念すべき年に、ミッフィーファンの多い日本で、「TRAVEL with miffy」をテーマにコラボ企画を行うことになりました。まず、「Pinkoi」のECサイト上で特設サイトを公開。その後、東京・渋谷でポップアップストアを展開しました。

    「ミッフィー」とコラボして実施したポップアップストア内観
    「ミッフィー」とコラボして実施したポップアップストア内観(画像:ピンコイ提供)

    実はミッフィーとのコラボ企画は、今回が2回目になります。初回は、台湾、香港、マカオのオンラインストアでの展開と、香港ではポップアップストアも展開しました。今回のポップアップストア企画も今後、台湾と香港でも行う予定です。

    ――今回はどのようなコラボ商品が生まれたのでしょうか?

    安部氏:「Pinkoi」に出店しているショップの中から総勢48組の、台湾、香港、タイ、中国、日本のデザイナーがコラボアイテム約180点を制作しました。商品はスマートフォンケースやタンブラー、マスク、ファッション雑貨など多岐にわたっています。

    ――ポップアップストアも展開されたということですが、反響はどうでしたか?

    ルル・チェン氏(以下、ルル氏):渋谷にある「hotel koe tokyo」の2階のポップアップスペースで展開したのですが、初日はお店の外まで行列ができるほど多くのお客さまに来ていただきました。コロナの影響を心配していたのですが、お客さまに喜んでいただけて良かったです。

    大人の方を意識したデザインアイテムも多かったので、若い世代の方だけでなく、小さい頃からミッフィーに慣れ親しんだ30代後半以上の方にも多く来場いただきました。

    「商品が完売する前に」と、先にオンラインストアで購入してから来場いただいた方もいれば、オンラインで購入商品の目星をつけてから、実際にポップアップストアで手に取り購入された方もいました。

    ――来場者を増やすために行った取り組みがあれば教えてください。

    ルル氏:まずオープン初日に、記者を招いたプレス発表会を実施しました。それから自社のSNSアカウントでの発信に加え、ミッフィー好きのインスタグラマー約10人にPRの協力をお願いし、ポップアップストアへ招待したり、遠方で来場が難しい方には商品を提供し写真投稿などで情報発信をしていただいたりしました。

    その他、8,000円以上ご購入の方にはミッフィートートバッグを、ポップアップストアからハッシュタグ「#pinkoixmiffy」を付けてご自身のSNSに投稿いただいた方にはミッフィーステッカーをノベルティとしてプレゼントする企画を展開。Pinkoi会員の方にはご購入金額に関わらず、ミッフィータオルハンカチをプレゼントしたので、これを機にPinkoiに新たに会員登録をする方も多くいらっしゃいました

    ポップアップストアではオンライン限定商品も展示していたので、その場でQRコードを読み込んで「Pinkoi」のサイトから購入される方も目立ちました。オンライン(EC)とオフライン(ポップアップストア)、双方で行き来いただけるようにとO2O(Online to Offline)施策を意識していたので、成果につながり良かったです。

    ――出店先として「hotel koe tokyo」を選んだ理由について教えてください。

    ルル氏:1階にカフェを併設するなど、「hotel koe tokyo」の「ライフスタイルを豊に彩りたい」というコンセプトに共感しました。公園通りに面したホテルなので、ポップアップストアでは窓際にミッフィーの装飾を施したことで、知らずに近くを通った方でも、「ミッフィーのポップアップストア?」と気づいてもらえたようです。

    「hotel koe tokyo」で実施したポップアップストア外観
    「hotel koe tokyo」で実施したポップアップストア外観(画像:ピンコイ提供)

    1階のカフェともコラボし、その場でPinkoiの会員になってもらえたらノベルティのミッフィーステッカーを配布するなどの施策も展開しました。

    ――最後に、今後の展望や目標があれば教えてください。

    ルル氏:「Pinkoi」はオンラインサービスなので、お客さまと直接お会いでき、商品を実際に手に取っていただけるオフラインのイベントも大切にしています。2020年はコロナにより計画していたものはほとんど中止になってしまいましたが、このミッフィーとのコラボ企画は実現できて良かったです。日本でもまたいろいろなイベントを企画していけたらと思っています。

    安部氏:「Pinkoi」は、創業者のピーター・イェンがシリコンバレーでエンジニアとして勤務していた頃、現地のハンドメイドマーケットに足を運び、そこでデザイナーの情熱に感銘を受けて立ち上げたサービスです。

    今はコロナ禍でいろいろな影響が出ているので、私たちは少しでも日本人デザイナーの力になれればと、“Pinkoi Stays with You”と題し、2020年4月1日から3か月間、日本国内の取引において販売時の成約手数料を下げる取り組みを行いました。その結果、支援施策実施前の3か月間と比較し、オーダー数163%増を記録し大きな反響をいただいたので2020年12月までこの支援策を延長しました。これからもデザイナーをリスペクトし、国際的に活躍できるようあらゆる形でサポートしていきたいと思っています。

    Illustrations Dick Bruna ©copyright Mercis bv,1953-2021www.miffy.com

    ※本稿は『SHOPCOUNTER magazine』の記事をネットショップ担当者フォーラム用に編集した記事です
    ※所属・役職はオリジナル記事公開当時のものです
    SHOPCOUNTER magazine 編集部
    SHOPCOUNTER magazine 編集部

    ルイ・ヴィトンも参入したソーシャルコマース。世界のトレンドと中国の先行事例に学ぶ小売業者が注目すべき理由 | 海外のEC事情・戦略・マーケティング情報ウォッチ

    5 years 2ヶ月 ago
    コロナ禍でより一層ソーシャルコマースに注目が集まっています。先行する中国での事例からソーシャルコマースの可能性を探っていきます

    ソーシャルメディアとECを統合した「ソーシャルコマース」は、ブランドにとって強力な武器になります。通常、消費者がECプラットフォーム上では探さないような商品を紹介できるからです。世界的なソーシャルコマースのトレンド、急成長している中国のソーシャルEC市場、中国から学べることについて紹介します。

    世界のソーシャルコマース市場は年平均31.4%で成長

    2020年初頭、世界的に新型コロナウイルス感染症が広がり、実店舗のビジネスに支障をきたす中、ソーシャルコマースが新たな突破口として注目を集めました。ソーシャルコマースは、小売マーケティングにおいて進化を遂げながら、ECとソーシャルメディアの良い部分を融合させています。

    Facebookが2020年に開始した「Instagram Shop」は、世界最大のソーシャルメディアにECを融合させることで、アマゾンの座を狙っています。新型コロナウイルス危機の中、世界のソーシャルコマース市場は、年平均成長率31.4%の急成長を見せると予想されています。

    消費者がオンラインショッピングを使い続け、ECと従来の小売事業者の両方がコロナ禍後の環境に迅速に適応する中で、ソーシャルコマースは2021年も成長を続けると考えられます。

    ソーシャルコマース(グローバル市場)に関する2020年と2027年予測
    ソーシャルコマース(グローバル市場)に関する2020年と2027年予測(画像:Research and Markets「Global Social Commerce Market to Reach $604.5 Billion by 2027」より編集部が作成)

    ソーシャルコマースが強力な武器になる理由

    ブランドは、なぜソーシャルコマースに関心を持つべきなのでしょうか? それは、ECとソーシャルメディアを統合することが強力な武器になるからです。消費者はソーシャルコンテンツを介してブランドを検索し、ECサイトでは探さないような商品に出会うことができます

    ソーシャルコマースは、商品検索、インフルエンサー、モバイルペイメントなど、さまざまなショッピングシーンに利用できます。

    中国で大人気のソーシャルメディア「WeChat」はミニプログラムと呼ばれるソーシャルコマースに大規模な投資を行っており、LVMHモエ・ヘネシー・ルイ・ヴィトン傘下の化粧品・香水専門店「Sephora」、「NIKE」、「GUCCI」、「ARMANI」など世界的なブランドが参加しています「WeChat」のミニプログラムは手軽に利用できるサブアプリで、ブランドはこれを活用することで、スピーディに市場にアプローチしたり、WeChat本体のプラットフォーム内でスムーズに販売したりすることができます。

    ソーシャルメディアは、ブランドや小売事業者がインタラクティブでシェアができ、共感しやすいキャンペーンを打ち出すための機能を提供、新商品の盛り上げを後押しします。たとえば、グループ購入、オンラインのミニゲーム、インタラクティブなコンテンツなどは、顧客体験を豊かにしてくれます。

    中国で盛り上がるソーシャルコマース、獲得コストの高騰を解決

    今日まで、中国はソーシャルコマースの発展で世界をリードしてきました。中国は世界最大のEC市場。また、世界で最も刺激的でエキゾチックで変化の早い市場でもあり、中国人消費者の購買行動はユニークです。デジタルマーケティングなどに関する市場調査を行う「eMarketer」は、ソーシャルコマースが中国の小売EC総売上の13%をけん引していると推定しています。

    2019年から2023年までのソーシャルコマース市場、ソーシャルコマースが中国EC市場に占める割合
    2019年から2023年までのソーシャルコマース市場、ソーシャルコマースが中国EC市場に占める割合(画像:eMarketer「In China, Social Commerce Makes Up 11.6% of Retail Ecommerce Sales」より編集部が作成)

    中国ではソーシャルコマースが活況を呈しており、中国のEC業界はこれを新たなスタンダードと捉えています。ECサイトの利用者は今、ブランドにソーシャルコマースを期待しています。興味深いことに、ソーシャルコマースは中国のデジタルコマースにおける主な課題であるユーザー獲得コストの高騰を解決しているのです。

    新規顧客獲得手段としてソーシャルコマースを採用する中国ブランド

    中国の巨大ECプラットフォーム「Alibaba」と「JD.com」で新規顧客を獲得するためのコストは、それぞれ812元(123米ドル)と176元(26米ドル)です。そのため、中国のブランドは新規顧客を獲得するためのより手頃な方法として、ソーシャルコマースを採用しています。

    急成長しているソーシャルコマース市場は、2021年末までに3,155億ドル近くに達すると予想されています。グループ購入と「WeChat」ベースのソーシャルコマースは、ソーシャルコマース市場全体の90%超。新型コロナウイルスの大流行により、ソーシャルコマースをショッピングの新しいスタンダードとして受け入れ、日常生活に取り入れる消費者が増えた証拠です。

    月間アクティブユーザー数12億人の「WeChat」

    「WeChat」の月間アクティブユーザー数は約12億人。ソーシャルコマースの主要なプラットフォームとなるなど、ミニプログラムは中国のEC業界を席巻しています。ブランドは、「WeChat」のミニプログラム内でストアを独自に開設し、デジタル広告、インフルエンサーマーケティング、その他のクリエイティブなソーシャルメディアマーケティングキャンペーンを通じてトラフィックを促進することができます。

    「WeChat」の新しいビジネスモデルは、幅広い「知人」グループ(「WeChat Moments」(WeChatのタイムライン)や「WeChat Ads」を通じたコミュニティ広告など)と、幅広いリーチ(公式アカウントの購読メッセージ、キャンペーンのプッシュ通知、1対1のカスタマーサービス、コンテンツマーケティングなど)を提供しています。よりターゲットを絞った関連性の高い、効果的なマーケティングを行うことで、「WeChat」はブランドの参入障壁を下げ、ブランドに特化したトラフィックを促進することができます。

    「WeChat」が2020年4月、新しいライブストリーミング機能を開始したのは画期的な出来事でした。「WeChat」はミニプログラムにライブストリーミングを統合することに重点を置いています。旧正月を前に、「BALENCIAGA」「LOEWE」「Cartier」などの高級ブランドが「WeChat」のミニプログラムをスタート。デジタルに精通した消費者をターゲットに「WeChat」広告を展開するケースが増えています

    35歳以下女性をターゲットに急成長中のソーシャルコマース「小紅書」

    中国におけるソーシャルコマースのもう1つの主要なベンチマークは小紅書(Little Red Book、通称「RED」)で、コンテンツ共有機能とコミュニティが特徴です。

    「Xiaohongshu」とも呼ばれる「RED」は、35歳以下の女性をターゲットにした中国最大かつ急成長中のソーシャルコマースアプリの1つ。特に1995年以降に生まれたZ世代に人気があります。

    このアプリは、ユーザーに商品の検索や購入、お薦め商品の共有、便利なレビューの提供などを促進するように設計されています。

    中国におけるソーシャルコマースのもう1つの主要なベンチマークは小紅書(Little Red Book、通称「RED」)
    「小紅書」のトップページ(画像:サイトよりキャプチャ)

    「RED」は、キーオピニオンリーダー(KOL)と呼ばれるインフルエンサーと、美容やスキンケア商品を詳しく紹介するブログ記事タイプのコンテンツを組み合わせることで、消費者との交流を構築しています。このアプローチにより、「RED」の主要ユーザー層は、都市部の若年層、すなわちミレニアル世代や一等地の都市に住むZ世代の消費者に偏っています

    ユーザーの中には、「RED」で直接商品を購入する人もいれば、リサーチだけしてから別のプラットフォームで購入する人もいます。いずれにしても、このソーシャルメディアプラットフォームでの存在感が、ブランドのカスタマージャーニーにおける重要なポイントになります。

    ルイ・ヴィトンが「小紅書」でライブストリームキャンペーンを展開

    「RED」は2020年3月、ソーシャルコマースへの参入を決定する前に、ECのライブストリーミング機能を正式に発表。「RED」で公式ストアを開設しているブランドは、自社商品のプロモーションのためにライブストリーミングキャンペーンを開始することができます。

    キャスターがライブストリームのセッションを主催すると、注目の商品が視聴者に表示され、新しい視聴者もライブストリームイベントに参加できます。視聴者は「買いに行く」をクリックするだけで、商品の詳細が表示され限定のクーポンを受け取れます。注目すべきは、ソーシャルコマースだと、商品の発見から購入までの時間が短縮されることです。

    コロナ禍時代のイノベーションを取り入れた「LOUIS VUITTON」は、高級ブランドとして初めて「RED」でライブストリーミングセッションを行いました。このライブストリームは視聴者の関心を集め、15万2,000回以上の再生回数を記録。多くのコメントが寄せられました。

    「LOUIS VUITTON」によるライブコマースのようす
    「LOUIS VUITTON」によるライブコマースのようす(画像:DigitalCommerce360「Social commerce is leading the future of ecommerce」よりキャプチャ)

    これらの印象的な結果を見ると、高級ブランドがソーシャルコマースやECに懐疑的な見方をしているという認識が変わるかもしれません。「LOUIS VUITTON」がライブストリームキャンペーンを開始した目的は、新型コロナウイルス危機中の制約で、モールが閉店し、家に帰る他なく暇を持て余している消費者に向けて、新しいタイプの購入体験を試すことにありました

    小売事業者がソーシャルコマースに注目すべき理由

    「WeChat」と「RED」は、「ソーシャル」な特性を生かしたソーシャルコマースが、小売事業者と消費者の関わり方を変えることで、従来のEC業界を近代化できることを示す好例です。

    将来的には、中国のソーシャルメディアの中で、ECはよりインタラクティブで広く使われるものになるでしょう。世界の小売事業者は、トラフィックの低迷、ユーザー獲得コストの高騰、アマゾンなどとの激しい競争のために苦戦を続ける中、エンドユーザーとつながる新しい方法を模索する必要があるのです。

    EC戦略にソーシャルな要素を取り入れることは、オンラインビジネスを活性化させるために必要なことでしょう。「WeChat」と「RED」が中国で行った方法は、小売事業者が成功したキャンペーンから何を学ぶことができるのか、実践的な例を示しています

    主なポイント

    1. グローバル・ソーシャルコマースは新たなトレンド

    中国ではすでにソーシャルコマースが普及しています。「WeChat」は10億人以上のデジタルに精通したユーザー層に向けて、ブランドが直接販売するミニプログラムのために、新しいライブストリーム機能を開始しました。「LOUIS VUITTON」は、ソーシャルコマースプラットフォームである「RED」でのライブストリームキャンペーンを開始し、コロナ禍の制約に合わせた新しい購入体験を試しています

    2. 効率的なオンラインでの商品発見

    ソーシャルコマースのコンテンツ共有機能は、ユーザーと商品をつなぐ中核的な役割を果たしており、ブランドは広告や割引プロモーションを通じてユーザーにアクセスすることができます。ソーシャルメディアプラットフォームである「WeChat」上でブランドの存在感を示すことは、カスタマージャーニーの重要なポイントとなります。

    3. ライブストリーミングコマース

    ライブストリーミングは販売チャネル以上のものであり、ブランドは顧客と深く、直接、リアルタイムでコミュニケーションをとることができます。ブランド担当者は、消費者が最適な商品を選ぶのを手助けしたり、謝礼金などを利用してライブストリームのリンクを友人やコミュニティで共有するように促したりすることで、ブランドのリーチを広げ、ユーザーの獲得コストを削減することができます。

    この記事は今西由加さんが翻訳。世界最大級のEC専門メディア『Digital Commerce 360』(旧『Internet RETAILER』)の記事をネットショップ担当者フォーラムが、天井秀和さん白川久美さん中島郁さんの協力を得て、日本向けに編集したものです。

    Digital Commerce 360
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    GunosyがD2C事業に参入、ティーペアリングの「YOU IN」を2021年春に開始

    5 years 2ヶ月 ago

    情報キュレーションアプリ「グノシー」のGunosyはD2C事業に参入する。サービス名称は「YOU IN」。気分やシーンに合わせてお茶を楽しく選べるペアリングティーを提供するという。

    昨今、日本茶を主軸にハーブやスパイスを混ぜ、さまざまな色のお茶を料理に合わせてペアリングする「ティーペアリング」が女性から人気を集めている。「YOU IN」はこうした新たな需要をD2C事業で開拓する。

    情報キュレーションアプリ「グノシー」のGunosyはD2C事業に参入 サービス名称は「YOU IN」
    「YOU IN」について(Gunosyの決算説明会資料からキャプチャ)

    「YOU IN」は2021年春にリリースする予定。メディア事業の顧客接点、マーケティング力、データ分析力を差異化要因として参入余地を探るとしている。

    Gunosyは女性向け情報アプリ「LUCRA(ルクラ)」を運営。ECモール「Qoo10」とのコラボレーションでコスメのプレゼントキャンペーンを行うなど、EC向け広告連携を実施。また、合わせてD2C事業とのシナジーについて仮説検証を行ってきた。

    旬な情報やトレンドへの関心が高い女性に向けた「LUCRA」と連携し、テストと位置付けて春先にリリースするとみられる。

    Gunosyは2020年、定款の第2条に「インターネットを利用した各種商品の販売及びEC(電子商取引)サイトの開設並びに運営」を追加。ECビジネスへの参入体制を整えた。

    情報キュレーションアプリ「グノシー」のGunosyはD2C事業に参入 サービス名称は「YOU IN」
    Gunosyは新たにECを定款に追加(Gunosyの定款からキャプチャ、赤枠は編集部が加工)

    日用品を数量限定でお買い得価格にて販売する「とくまろ商店」を、テストマーケティングとして2020年にスタートしたが、2021年1月末に閉店している。

    情報キュレーションアプリ「グノシー」のGunosyはD2C事業に参入 サービス名称は「YOU IN」
    「とくまろ商店」のECサイト(「とくまろ商店」のECサイトから編集部がキャプチャ)
    瀧川 正実
    瀧川 正実

    コロナ禍(10-12月)の自社EC利用はどうだった? 新規顧客は平均7割増、客単価は微増【フューチャーショップ調査】

    5 years 2ヶ月 ago

    SaaS型ECサイト構築プラットフォーム「futureshop」のフューチャーショップは、2020年10-12月の消費者による自社ECサイトの利用状況に関する調査結果を公表した。新たに自社ECサイトを利用した新規顧客は月平均72.53%増、客単価の月平均は4.31%増だった。

    「futureshop」シリーズを利用している約2700店舗を対象に、2019年と2020年10月~12月の期間中、各月の注文件数が100件以上の店舗の中から500店舗を無作為に抽出。導入店舗におけるECサイトの利用状況を調べた。

    注文件数の伸び

    2020年10-12月における月平均の注文件数は前年同期比57.32%増。10月はパソコン経由で前年同月比59.49%増、スマートフォン経由で同89.37増と高い伸び率を記録した。2019年10月の消費税増税による一時的な消費の冷え込みが影響したと推測される。

    SaaS型ECサイト構築プラットフォーム「futureshop」のフューチャーショップによるコロナ禍の自社ECサイトの利用調査 注文件数の変化
    注文件数の変化

    購入単価の変化

    7月~9月の調査と同様、パソコン経由はスマートフォンより2割程度、購入単価が高い。「月別に見ると、12月にスマートフォン経由の購買単価が昨年同月比でやや落ちたものの、期間中はほぼ一定の値を示した」(フューチャーショップ)

    SaaS型ECサイト構築プラットフォーム「futureshop」のフューチャーショップによるコロナ禍の自社ECサイトの利用調査 購入単価の変化
    購入単価の変化

    新規顧客利用状況

    新たに会員登録した顧客の利用を新規利用と見なし、各店舗、注文件数の平均増加率を月ごとに調べた。なお、会員機能を利用していない店舗は、調査対象から除外している。

    10-12月は月平均72.53%増と、継続してECの新規利用が増加した。2020年10月が他の月と比較して高い数字を示したのは、2019年10月は消費税増税による影響で買い控えが起こったためと推測される。

    SaaS型ECサイト構築プラットフォーム「futureshop」のフューチャーショップによるコロナ禍の自社ECサイトの利用調査 新規顧客利用状況(件数)
    新規顧客利用状況(件数)

    決済手段の変化

    決済手段では、利用された決済方法を「クレジットカード」「ID・QR決済(Amazon Pay、楽天ペイ(オンライン決済)、Apple Pay、PayPay)」「現金・その他決済(店頭払いや後払い、銀行振込やコンビニ払いなど)」の3つに分け、各月の総注文件数を1として集計した。

    緩やかながらも現金の利用率は減り、クレジットカードやID・QR決済にシフトしている。また、決済方法を3つとも提供している店舗に限定した調査結果では、2020年は現金から他の決済方法に移行しており、ID・QR決済の利用率が現金を超えたことが読み取れる。

    SaaS型ECサイト構築プラットフォーム「futureshop」のフューチャーショップによるコロナ禍の自社ECサイトの利用調査 決済手段の変化
    決済手段の変化
    SaaS型ECサイト構築プラットフォーム「futureshop」のフューチャーショップによるコロナ禍の自社ECサイトの利用調査 決済手段の変化
    決済手段の変化(3種類の決済手段を提供している店舗だけに限定)

    流通総額の伸び

    「futureshop」シリーズの2020年10月~12月における流通総額は前年同期比52.51%増の451億円だった。

    「キッチン・日用品雑貨・文具」が100.66%増だったほか、「インテリア・寝具・収納」が83.42%増となるなど、在宅時間が充実するアイテムが流通額を伸ばしている。

    また、季節商材として「スイーツ」もECでの売り上げを大きく伸ばした。外出に気を使う状況だったことが影響されたとみられる。

    SaaS型ECサイト構築プラットフォーム「futureshop」のフューチャーショップによるコロナ禍の自社ECサイトの利用調査 売り上げを伸ばした業種
    売り上げを伸ばした業種
    石居 岳
    石居 岳

    消費税の「総額表示義務」は2021年4月から。適用時期や事業者がやるべきことまとめ | E-Commerce Magazine Powered by futureshop

    5 years 2ヶ月 ago
    2021年4月1日から義務化される消費税における「総額表示義務」。実店舗だけでなくECサイトも対象です。適用開始までに事業者がやるべきことなどをまとめました

    2021年4月1日から義務化される、消費税における「総額表示」。 EC事業者のみなさん、ECサイトに記載されている商品価格を消費税込み表示にする準備はお済みでしょうか?

    本記事では、

    • 消費税の総額表示義務とは何か
    • いつから適用されるのか
    • 罰則はあるのか
    • EC事業者はどういった対策をとる必要があるのか

    といった内容で、くわしく紹介していきます。

    また、「具体的にどういった表示にする必要があるのか」についても解説するので、まだ総額表示に取り組んでいないEC事業者のみなさんは、ぜひ参考にしてください。

    4月1日が近づいてからバタバタしないように、今のうちから準備を進めておきましょう。

    消費税における総額表示義務とは?対象となる事業者は?

    消費税における「総額表示義務」とは、商品を販売したりサービスを提供したりする「消費税を納める義務がある事業者」に対して義務付けられたものです。

    値札やチラシなどにおいて、商品やサービスの価格を表示するときに、消費税額を含めた価格を記載しなければなりません(※消費税額には、地方消費税額も含める)。

    対象となるのは、一般消費者に対して商品の販売やサービスの提供を行う消費税課税事業者です。事業者間で取引をしている場合は、総額表示義務の対象から外れます。

    つまり、一般消費者に対して商品を販売しているEC事業者は対応する必要があり、企業に対して商品を販売しているEC事業者は対象とはなりません。

    消費税における「総額表示義務」を実施する理由

    財務省のページによると、消費税における「総額表示義務」を実施する目的は、消費者の利便性を上げるためです。税抜価格の表示だと、消費者は自身で計算をしない限り、会計時にならないと本来支払う金額が分かりません。

    また、税抜表示をしている事業者もいれば、税込表示をしている事業者もいるため、価格を比較しにくかったりわかりにくかったりといったデメリットもあります。

    総額表示を義務化することによって、消費者が商品やサービスの購入を検討する際、すべての価格が税込表示されている状態になります。値札やチラシを見ただけで、本来支払うべき価格が簡単にわかるようになり、比較や購入の判断がしやすくなるということです

    どういった媒体で総額表示をする必要があるのか

    総額表示をしなければならない媒体は、値札やチラシだけではありません。EC事業者においては、ECサイトの商品価格の表示を変更するだけでは、義務を果たせているとはいえない場合が多いでしょう。

    総額表示の対象となる媒体は、以下のとおりです。

    総額表示の対象

    • 商品に添付や貼付される値札、商品パッケージなど、商品本体における価格表示
    • 店内表示や商品陳列棚など、店頭における価格表示
    • ECサイトや商品カタログなどにおける価格表示
    • 新聞折り込み広告やダイレクトメールなどで配布するチラシにおける価格表示
    • 新聞・雑誌・テレビ・インターネットホームページ・ダイレクトメールなどの広告における価格表示
    • メニュー・ポスター・看板などにおける価格表示

    消費者に対して表示する価格であれば、総額表示する媒体は問いません

    「総額表示義務」でEC事業者が取るべき対応

    EC事業者は、ECサイトの表示価格を変更しておきましょう。また、ダイレクトメールやインターネットサイト、チラシなど、広告出稿をしているEC事業者は、広告媒体の総額表示にも対応しておく必要があります

    ECサイトのほかに実店舗を展開している事業者は、値札や陳列棚などの表示を忘れずに変更しておきましょう。

    総額表示の判断をする際にポイントとなるのが、「総額表示を行う対象は、購入を決めるための媒体」であることです。そのため、EC事業者は消費者が購入を決めるための「ECサイト」が税込表示になっていれば、消費者のもとに届く商品の値札が税抜表示になっていても問題ありません

    例外として、口頭での価格提示は、消費税における総額表示義務に該当しません。

    「総額表示義務」はいつから適用されるのか

    「総額表示義務」が適用されるのは、2021年4月1日からです。

    現在の表示価格を総額表示に変更するのは、簡単にできることではありません。商品数や該当の媒体数が多ければ多いほど、変更の手間と時間がかかるでしょう。

    そのため、ギリギリになってから対応を始めるのではなく、早い段階でコツコツと準備をしておくのが得策です。

    2021年3月31日までは「総額表示義務の特例」が適用される

    消費税率が10%に変更された、 2019年10月。消費税率を引き上げるとともに、価格の総額表示を義務化すると、レジの税率変更や表示価格の変更など、事業者は一気に対応に追われることになります。そういった事態を避けるために定められたのが、2021年3月31日まで適用される「総額表示義務の特例」です。

    2013年10月1日に施行された「消費税の円滑かつ適正な転嫁の確保のための消費税の転嫁を阻害する行為の是正等に関する特別措置法(消費税転嫁対策特別措置法)」の第10条により、2013年10月1日から2021年3月31日までの期間であれば「税込価格と誤認されないように対応していれば、表示する価格が税抜価格であっても問題ない」とされています。

    そのため、店舗やECサイトにおいて、以下のような表示をする事業者が多くいました。

    • 1,000円(税抜)
    • 1,000円(税別)
    • 1,000円(税抜価格)
    • 1,000円(税別価格)
    • 1,000円(本体価格)
    • 1,000円+税
    • 1,000円+消費税
    • ※表示価格は税抜です
    • ※価格はすべて税別価格です

    「総額表示義務」は以前から定められていたことであり、2021年3月31日で特例の適用期間が終わってしまいます。上記のような価格表示は認められなくなるため、事業者は今のうちから価格表示変更の対応を進めなければなりません。

    2021年4月1日以降、消費税を含んだ総額表示をしなかった場合の罰則は?

    「総額表示義務」を違反した際の罰則は、定められていません。そのため、価格を総額表示しなくても消費税法違反で処罰はされません。

    しかし、価格の総額表示は、消費税課税事業者に対して国が定めた義務です。早めに対応しておくようにしましょう。

    消費税における「総額表示義務」に対応した価格表示の表記方法とは?

    「総額表示義務」に対応するには、どういった価格表示にするべきなのでしょうか? 以下は「総額表示義務」に対応した表示例です。

    消費税 総額表示義務 表示例 価格表示
    「総額表示義務」に該当する表記例

    消費者が支払う価格の総額が表示されていれば、ほかに「税抜価格」「消費税額」が表示されていても問題ありません

    また「5,000円(税込5,500円)」という表示も、総額がしっかりと記載されているため、「総額表示義務」を果たしていることになります。

    また、国税庁のページによると、総額表示をして税込価格に1円未満の端数が発生しするときは、端数を「四捨五入」「切り捨て」「切り上げ」のいずれかの方法で処理することが可能です。

    ECサイトでは、デジタルデバイスの画面という限られたスペースで価格を表示する必要があります。そのため、価格表記のスペースが多くなると、ECサイトのデザインが煩雑になってしまいます。

    ECサイトの見やすさを重視して、消費者に快適に買い物をしてもらうためにも、なるべく短い表記で価格を提示すると良いでしょう

    来たる2021年4月1日、忘れずに総額表示に変更しましょう

    商品登録や受注管理、在庫管理、発送準備など、EC事業者のみなさんは、多忙な毎日を送っているのではないでしょうか? そうした中で消費税における総額表示義務の対応にまで手が回らないと感じる方もいるかもしれません。

    ただ、繰り返しになりますが、「総額表示義務」は消費税課税事業者に対して国が定めた義務です。対象となるEC事業者は、2021年4月1日までに忘れずに設定しておきましょう

    「総額表示義務の特例」が適用される2021年3月31日ギリギリに対応を始めるのではなく、期間に余裕をもって変更しておくことをおすすめします。

    この記事はフューチャーショップのオウンドメディア『E-Commerce Magazine』の記事を、ネットショップ担当者フォーラム用に再編集したものです。

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