ネットショップ担当者フォーラム

【スターバックスのDX事例】混んでいても問題なし、美味しいコーヒーをいつでも飲めるテイクアウトが作り出した「自由」 | DX経営図鑑(全8回)

5 years ago
喫茶店でカップを使って飲むものだった従来のコーヒー文化。Starbucksはテイクアウトモデルで、飲食体験に新たな「自由」を持ち込みました。
DX経営図鑑

この記事は、書籍『DX経営図鑑』の一部を特別にオンラインで公開しているものです。

Part 1「世界のDX事例と価値交換の仕組み
 》 DX Case 9「Starbucks 『ひとときのコーヒー体験』のための徹底的なペイン除去
 》 9「テイクアウトというコーヒービジネスの大転換」より

今でこそ、紙コップでコーヒーを飲むことは当たり前で、現代の日本ではコンビニエンスストアでもおいしいコーヒーが飲めます。しかし、以前のコーヒーは喫茶店でコーヒーカップを使って飲むものでした。これはすなわち、店の席数と回転数以上の売上を生み出すことができないということでもありました。

そうなれば、コーヒー1杯の価格は自然と高くなります。安価に提供し、かつ利益率を上げるにはコーヒーを薄くすることになり、さらに1度ドリップしたものを廃棄せずにしばらく使えば味も劣化します。つまり、おいしいコーヒーは高くなり、安いコーヒーはまずくなります。

Starbucksは、深煎で1杯1杯を丁寧に抽出したおいしいコーヒーを安価で提供するために、産直確保と自家焙煎で豆の原価を下げる努力をしました。

しかし、もう1つの課題である「回転率」は難題でした。店舗顧客の回転率を上げる常套手段は、落ち着かない場所をつくることです。例えば、内装を白系にして照明の光量を上げると人間は長時間くつろげないといわれ、この心理を利用すれば、顧客の回転率は上がります。しかし、落ち着かない店舗をつくるということは、Starbucksの「第3の場所」を提供するという経営哲学に逆行してしまいます。

Starbucksはこのジレンマを克服すべく、テイクアウトというサービスを積極的に提供することにします。多くのカフェオーナーが「紙コップでコーヒーを飲むなんて……」と眉をひそめたこのモデルは、若者には熱狂的に受け入れられ、大成功を収めることになりました。その後、店舗の席数とは関係なく「おいしいコーヒーだから飲む」消費者が、気持ちのよい接客と居心地のよいおしゃれな店舗(空間)での購買体験そのものを愛するようになっていきます。

サードウェーブと残り続けるテイクアウトモデル

現在、Blue Bottle Coffeeなどサードウェーブと呼ばれるコーヒーショップが世界中に広がっています。彼らの基本姿勢は多様な豆と焙煎、抽出によって豆の個性を引き出すこと、豆の仕入れがフェアトレードであることですが、これはアンチStarbucksともいえます。「深煎こそおいしいコーヒー」という潮流を作ったStarbucksに対して、「豆はそれぞれに個性があり、おいしい飲み方は多様にある」という挑戦と、Starbucksが大量買付によってコーヒー農家から搾取しているという疑惑へのアンチテーゼといえるのです。それでも彼らは、Starbucksが残した紙コップによるテイクアウトというモデルだけは踏襲しています。現代のコーヒービジネスにおいて、テイクアウトと売上の関係は切っても切れない強固なものなのです。

Starbucksが取り去るペイン
──レジ待ち時間の徹底排除

テイクアウトモデルによってコーヒービジネスに革命を起こしたStarbucksは、急速に店舗数を拡大していきます。2020年時点で店舗数は世界に32000あり、世界最大のコーヒーチェーンとなりました。その強みはあらゆる形態の店舗を出せることです。Starbucks Roasteryのようにまるで博物館のような大型旗艦店から、ドライブスルー専門店や街角のコーヒースタンドまで、Starbucksはさまざまな店舗形態を作り出しました。アメリカのBarnes & Nobleや日本の蔦屋書店といった大型書店とのコラボレーションも積極的に行っています。この柔軟な形態を保てるのは、まさにテイクアウトモデルのおかげです。そして何より、テイクアウトモデルによって「コーヒーを飲みたいのにお店に入れない」というカフェビジネスのペインの除去に成功しているのです。

万能型に思えるテイクアウトモデルですが、避けて通れないのが「レジ待ち」です。決済という行為が発生する以上、小売業にはレジ待ちが付きものです。回転率を重視する量販店においては、レジ待ちこそが売上の伸びを阻む最大の障害といえるでしょう。このため、多くの小売業はレジ待ちを短縮するためにさまざまな方策を講じてきました。

Starbucksは、「第3の場所」としての快適な顧客体験のために、ただ並んで待つという非生産的な時間を可能な限りゼロに近づける必要がありました。そこでStarbucksは、レジ待ちの時間短縮と購買体験の向上のために、ホスピタリティや技術の導入に力を入れます。今ではほとんどのカフェで使えるプリペイドカードやWi-Fi(無線LAN)、キャッシュレス化は、Starbucksが先駆けて導入してきたもので、StarbucksのDXは何段階もの積み重ねを経て、現在に至っているのです。

プリペイドカードからアプリへ

Starbucksの施策の1つであるギフトカードは、1990年頃に展開された「プリペイドカード」サービスが始まりでした。アメリカではクレジットカード決済が主流ですが、プリペイド型のギフトカードも広く使われています(図書券のような紙の金券はほとんど使われない)。プリペイド型はポイントをチャージすることも可能で、お祝いやお礼などのちょっとしたプレゼントに喜ばれます。現金決済よりもスムーズで便利なこともあり、Starbucksのギフトカードは非常にポピュラーになりました。

また、2008年にはMy Starbucksと呼ばれるオンラインコミュニティがスタートし、同時にポイントプログラムも開始されました。ギフトカードはStarbucksカードと名称を変え、ポイントプログラムと紐付いた会員証のような存在になりました。貯まったポイントを消費するためにStarbucksカードの利用率は増え、結果としてレジでの接客時間もさらに短縮できるようになりました。同年にはWi-Fiの無料提供も開始していますが、前年にiPhoneの第一世代がリリースされていたことは見逃せないでしょう。その後、Starbucksはスマートフォン時代の到来を睨んで、サービス環境の構築を始めます。

2009年、Starbucksはアプリに表示されるバーコードを利用したモバイル決済のテストを始め、2011年には全米の全店舗にモバイル決済を導入します。そして、このタイミングで会員機能をスマートフォンアプリに移行できるようにしました。

さらに2015年には、Order Ahead(事前オーダー)の試験運用をニューヨークなどで開始し、同年中に全国展開へ至りました。この段階でStarbucksは、店舗レジでの決済行為そのものを省略し、モバイルで事前オーダーをして受け取り、決済はモバイルで、という消費パターンを確立しました。

例えば、2016年頃のニューヨーク市内のStarbucksはいつも混雑していました。しかし、Starbucksの公式アプリをスマートフォンに入れておけば、購入者はあっという間に決済を完了させることができます。頻繁に訪れる店舗をお気に入りに登録しておけば、その店舗に近づくと、スマートフォン画面に「ようこそ〇〇店へ」と表示されます。それを指でスライドするだけで決済バーコードも表示されます。こうして、たとえスマートフォンのパスワードを解除しなくても、ワンタッチで決済できる状態が作り出されるようになりました。また、全ての店舗には無料Wi-Fiがあるので、回線が悪くて表示できないという心配もありません。事前オーダーを使えば自分の名前を告げるだけで商品の受け取りができるという、とても便利なスタイルがアメリカで主流になっていったのです。

Starbucksの施策の連鎖

Starbucksはあらゆる施策を、次の施策の土台にしていきました。ギフトカードはやがて会員カードやポイントプログラム制になり、その後、アプリ化されました。全店舗無料Wi-Fiという施策によって、ギフトカードもeギフトカードに変わりました。eギフトカードはアプリ内で送受信が可能なので、消費者は何枚もギフトカードを持ち運ぶ必要がなくなり、中途半端な残金も常にアプリにチャージすることができるようになりました。

こうしてStarbucksのDXは、「レジ待ち」というペインとの戦いによって進行してきたのです。

Starbucksがもたらすゲイン
──根源価値としての「味・場所・顧客体験」

Starbucksがもたらすゲインは「第3の場所」の提供です。レジ待ちというペインの除去は、テイクアウトの売上を伸ばすためだけでなく、Starbucksという快適空間で得られる体験にも最大限に生かされることになりました。

どんなにおいしいコーヒーや最高のホスピタリティを提供しても、レジ待ち行列という無意味な時間を過ごすことで、体験価値は半減してしまいます。たとえ、あまりおいしくないコーヒーでも待たずに買えるならと、近隣の競合店に行く顧客もいるでしょう。顧客にとっての価値とは、手に入れたいゲインと、手に入れるためのペインの差分であり、Starbucksはそのことをよく理解していました。

Starbucksの「第3の場所」は、時代とともに形を変えています。忙しいビジネスの合間なら素早くテイクアウトできることが重要ですし、買い物の合間のひとときなら、ゆったりした店内スペースや、屋外の広場に腰掛けて飲める場所があることも求められます。郊外での移動途中ならドライブスルーがよく、学生街なら大きなテーブルに電源も欲しくなります。こうしてStarbucksは、ゲインが何であるかを常に見誤らず、おいしいコーヒーと第3の場所という最終価値を提供するために、DXを進めてきたのです。

コロナ禍を乗り越えた強運と必然

奇しくも、Starbucksが積み上げてきたDXは、コロナ禍による小売業や飲食業への危機に大きなアドバンテージをもたらしています。

2020年のStarbucksの売上高は235億ドル、前年比11%のマイナスでした。アメリカの飲食業や小売業が軒並み30%〜50%減ともいわれるなかでは、大健闘といえるでしょう。純利益は74%マイナスと大幅に落ちましたが、それでも9.28億ドルの黒字です。そして、この禍中においても、世界で1000店舗以上を新たにオープンさせました。テイクアウト型に軸を置き、柔軟な店舗運営形態を維持できたこと、事前オーダーによってレジでの接触を最小限に抑えられたこと、そして2015年から始めていたデリバリーサービス(現在はUber Eatsと提携)が功を奏していると考えられます。

積極的にデジタルを取り入れ、価値提供プロセスの変革を柔軟に実行し続けるDXの積み上げが、Starbucksを救ったといえるのではないでしょうか。

  • 著者: 金澤 一央、DX Navigator 編集部
  • 発行: 株式会社アルク
  • ISBN: 978-4757436787
  • 価格: 2,310円(税込)

勝てるDXの本質
~次に生き残るのは、誰か?~

世界の伝統的企業やスタートアップがいち早く取り組んできたDXの数々。各事例をつぶさにレポートしてきた「DX Navigator」編集部の知見をまとめ、事例分析と価値提供のプロセスを可視化した一冊です。

本書は世界全32社のDX事例を収録。いずれも、顧客/ユーザー視点での「ペイン(苦痛)」と「ゲイン(利得)」を切り口に、顧客/ユーザーが最終的に得た「価値」について解き明かします。

Part 1では、従来の商習慣や価値提供の概念を新しい基準に転換させた「ゲームチェンジャー」である9社―Netflix、Walmart、Sephora、Macy’s、Freshippo、NIKE、Tesla、Uber、Starbucks―を取り上げます。

Part 2では、海外のスタートアップを中心に日本企業も加えた23社の事例を、業界別に紹介。多くの顧客/ユーザーから支持を得た、各社のエッジが効いた斬新なアイデアとその背景に鋭く迫ります。

日本の「DXブーム」には問題も潜んでいます。DXとは単なる技術導入やカイゼンを言い換えた言葉ではなく、「ユーザーが最終的に得る価値」を見つめ、新しい価値提供の仕組みを創り出すということ。これからも続く企業の変革、世の中の変革のなかで、次に生き残るのは誰か?

金澤一央+DX Navigator 編集部
金澤一央+DX Navigator 編集部

中小企業や個人事業者を支援する「月次支援金」/AmazonとGoogleの競争の間にいるのは【ネッ担アクセスランキング】 | 週間人気記事ランキング

5 years ago
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    「名誉権侵害の不法行為責任」とは? 刑事、民事における定義とは?(連載第19回)

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    2021/5/25

    ※期間内のPV数によるランキングです。一部のまとめ記事や殿堂入り記事はランキング集計から除外されています。

    内山 美枝子

    EC利用時の重視点は「価格」「送料」「品ぞろえ」が6割。店舗ではなく通販利用の理由は「価格が安い」がトップ

    5 years ago

    インターネットリサーチを手がける伊藤忠グループのマイボイスコムは5月27日、「オンラインショッピングの利用」に関する調査結果を公表した。

    直近1年間にオンラインショッピングを利用した人に対し、ショッピングサイト利用時の重視点は(複数回答)、「送料が安い・無料」「商品価格」「豊富な品揃え」が各60%台。

    「割引サービス、キャンペーンなどが充実している」「商品の説明がわかりやすい」「クチコミ・レビューが見られる/書き込める」は、女性で比率が高くなっているという。

    店頭ではなく、オンラインショッピングで購入する場面は(複数回答)、「価格が安い」が直近1年間利用者の62.6%、「たまったポイントで商品が買える」が45.3%、「クーポンやキャンペーンなどがある」が34.2%。

    「配送料が割安」「持ち帰りしにくいものを購入する」「店頭に欲しい商品がない」が各3割となっている。

    マイボイスコム 「オンラインショッピングの利用」に関する調査結果 オンラインショッピングで購入する場面
    オンラインショッピングで購入する場面

    直近1年間に携帯電話・スマートフォンでオンラインショッピング利用した人のうち、10回以上利用した人は4割弱で増加傾向。女性の30-40代では、20回以上の比率が高くなっている。

    マイボイスコム 「オンラインショッピングの利用」に関する調査結果 パソコンでオンラインショッピングを利用した頻度
    パソコンでオンラインショッピングを利用した頻度
    マイボイスコム 「オンラインショッピングの利用」に関する調査結果 携帯電話・スマートフォンでオンラインショッピングを利用した頻度
    携帯電話・スマートフォンでオンラインショッピングを利用した頻度

    直近1年以内の通信販売の申し込み手段を聞いたところ、パソコンの利用は減少傾向にあるが、スマホの利用は増加傾向となっている。直近の調査では、パソコンの利用は前年調査比2.0ポイント減の82.5%。スマホは同2.6ポイント増の40.2%となっている。

    マイボイスコム 「オンラインショッピングの利用」に関する調査結果 直近1年以内での通信販売の申し込み手段
    直近1年以内での通信販売の申し込み手段

    調査概要

    • 調査対象:「MyVoice」のアンケートモニター
    • 調査方法:インターネット調査(ネットリサーチ)
    • 調査時期:2021年4月1日~4月5日
    • 回答者数:1万62人
    • 調査機関:マイボイスコム
    石居 岳
    石居 岳

    三越伊勢丹の販売員がECサイトでコーディネート提案、通常販売と比べて売上単価は約1.4倍、CVRは約1.8倍

    5 years ago

    三越伊勢丹ホールディングスは4月27日から、ECサイト「三越伊勢丹オンラインストア」でスナップ機能サービスの提供を始めた。

    オンライン上で販売員によるコーディネート提案を中心に情報を発信。実店舗のように身長や着用サイズなどを参考できる買い物環境をオンラインで実現した。

    スナップ機能のサービスは、店頭などで販売員が自身のコーディネートや着用アイテムを撮影、コーディネート画像やスタッフが着用している商品画像などを投稿する。スナップごとに販売員の身長や着用サイズを記載する。

    三越伊勢丹ホールディングスは4月27日から、ECサイト「三越伊勢丹オンラインストア」でスナップ機能サービスの提供を始めた
    店頭での撮影風景(写真左)と掲載したスナップ

    実際に着用しているアイテムが欲しい際は、スナップコンテンツから商品購入ページへ進むとオンラインで購入できる。自社サービスである「マッチパレット」「骨格スタイル分析」「パーソナルカラー診断」をスナップ詳細に記載、一度サービスを受けると店頭に足を運ばなくても自身に適したアイテムをオンライン上で探すことができる。

    スナップ機能は、バニッシュ・スタンダードのDXアプリケーションサービス「STAFF START(スタッフスタート)」を採用している。

    三越伊勢丹ホールディングスは4月27日から、ECサイト「三越伊勢丹オンラインストア」でスナップ機能サービスの提供を始めた
    レディーススナップ詳細

    スナップ機能の登録スタッフ数は約300人(投稿人数約90人)。「三越伊勢丹オンラインストア」の全体CVR(コンバージョン率)に対して、スナップ経由のCVRは約1.8倍。スナップコンテンツ経由の1販売あたりの売上単価はオンラインストア内と比べて約1.4倍となっている。

    「STAFF START」は、スタッフのコーディネート写真やレビュー経由で商品が売れた場合、投稿したスタッフを評価するという仕組みを搭載している。

    石居 岳
    石居 岳

    【コロナ禍の通販・EC市場】2020年は17%増の13.7兆円、2021年は10%増の15兆円超と予測

    5 years ago

    総合マーケティングビジネスの富士経済が発表した通販・EC(e-コマース)の国内市場調査「通販・e-コマースビジネスの実態と今後 2021」によると、2021年の通販・EC市場の規模は前年比10.1%増の15兆1127億円、2022年は16兆4988億円(2021年比で9.1%増)にまで拡大するとしている。

    最も規模が大きいのはネット通販で全体の8割以上を占める。2021年はECのみで13兆3092億円で前年比11.5%増と予測。2022年には14兆6813億円まで拡大する。カタログ通販、テレビ通販は横ばい傾向が続く見通し。

    富士経済「通販・e-コマースビジネスの実態と今後 2021」 通販・EC市場規模
    通販・EC市場規模

    2020年は新型コロナウイルス感染症の感染拡大による外出自粛などから巣ごもり消費が常態化。市場規模は同17.7%増の13兆7243億円と推測している。

    商品カテゴリー別市場

    食品・産直品は、店舗主体の総合スーパー(GMS)や食品スーパー(SM)がネットスーパーの展開を強化。GMS、SMといった流通系企業による店頭の食品・産直品などを、自社物流網を活用して配送する店舗発送型のサービスを対象としたネットスーパー市場規模は2020年に約3000億円。2021年は3297億円を見込む。

    富士経済「通販・e-コマースビジネスの実態と今後 2021」 通販・EC市場規模 ネットスーパー市場
    ネットスーパー市場

    食品・産直品全体では、新型コロナウイルス感染症の拡大で店舗主体の購入から通販利用にシフトしたことで、2020年の市場規模は前年比19.4%増の2兆363億円に拡大した。2021年も高い伸びで市場が拡大すると見ている。

    家電製品・パソコンは、テレワークの普及でECにおいてもパソコン周辺機器の売り上げが大幅に増加。2020年の規模は同29.4%増の2兆5072億円。2021年移行も拡大傾向が続く。

    書籍・ソフトは、2020年に書店やCD、映像ソフト販売店が一時休業や時短営業で実店舗購入から需要がECへと流入。2020年の市場規模は同27.2%増の2兆1167億円。

    富士経済「通販・e-コマースビジネスの実態と今後 2021」 通販・EC市場規模 商品カテゴリー別市場
    商品カテゴリー別市場

    決済方法別市場

    通販・EC市場規模から、決済手段別の規模も調査している。

    2020年の決済方法別市場はクレジットカード決済が全体の8割以上を占める。富士経済は、「代金引換やコンビニ決済が一定の需要を取り込んでおり、高齢者層の利用が多くみられる」と分析する。

    富士経済「通販・e-コマースビジネスの実態と今後 2021」 通販・EC市場規模 決済方法別市場
    決済方法別市場

    今後はキャッシュレスで先行している電子マネー決済に続き、スマホ決済の需要が増加すると予測。安価な決済手数料や入金の早さ、キャッシュバック目的で活用するユーザーの大幅増加により、通販事業者の導入が進んでいる。「現時点でスマホ決済の比率はわずかであるが、高齢者のスマホ使用も急速に拡大していることから、今後主流になっていくことが期待される」(富士経済)

    瀧川 正実
    瀧川 正実

    商品レビューの誹謗中傷対策を考える。暴言はどこまで許されるのか? 弁護士に聞いてみた | 竹内謙礼の一筆啓上

    5 years ago
    「名誉権侵害の不法行為責任」とは? 刑事、民事における定義とは?(連載第19回)

    悪質なレビューはネットショップにとって死活問題である。良いレビューは売り上げにつながるが、悪いレビューを書きこまれると売り上げはピタリと止まる。モールによってはレビューの評価が検索順位に反映されるので、クチコミはダイレクトに売り上げに影響する。

    一方、クチコミのおかげで消費者が安心して買い物できるのも事実である。実物も見られず触ることもできない商品をネットで購入できるのは、レビューを参考にしているからと言える。

    毒にも薬にもなる「レビュー」

    ネットショップと消費者側が、レビューを介しておかしなパワーバランスに陥ることも多々ある。ネットショップの担当者はお客さまの評価に過度に怯え、レビューを盾に強気に出てくるお客さまもいる。

    中には必要以上に攻撃的なレビューもあり、無理難題を押しつけてくる消費者もごく少数だが存在している。

    以前、ネットショップの関係者にSNSを通じて「過去にお客さまからのレビューで傷ついたことはあるか」と尋ねたところ、さまざまな事例が集まった。

    金をもらえば何でもやる会社だ。

    この店の店主はナルシストだ。

    この店の人は○○の国の人だから全額返せ。

    詐欺みたいな会社だから潰して欲しい。

    ゴミクズみたいな会社です。

    表現の自由だと言われればそこまでだが、レビューを読むのは「人」であり、それを読んで傷つくのもまた「人」である。

    筆者を悩ませるあるレビュー

    ネットショップではないが、私自身もAmazonで自著のレビューで落ち込むことがある。筆者は本業のかたわら小説も執筆している。小説家として読者の率直な感想を受け入れる覚悟はしているが、度が過ぎるレビューは精神的にも堪えるし、2、3日は仕事が手につかなくなる。

    特に最近は、Amazonでの同一人物による執拗なレビューに悩まされている。

    上から目線

    本業で稼ぎましょう

    文才はない

    二流のお笑い

    本を出すたびに、同じ人物から厳しいレビューを書きこまれている。そこまで面白くないなら読まなければいいのに、私の本(なぜかビジネス書ではなく小説)が出るたびに、真っ先に★1つを付けて、辛辣な意見を書き込んでくる。

    今回もKADOKAWAから上梓した『深夜残業』という小説に、すぐに厳しい言葉が書きこまれた。内容は大したものではなが、見ず知らずの人物に不愉快なレビューを執拗に書き込まれるのは、やはり気分の良いものではない。いっそのことAmazonに内容開示の請求をして、このレビューの書き手を侮辱罪や名誉毀損で訴えようかとさえ思ったりもする。

    しかし、レビューに深く傷ついて訴えた事例は聞いたことがない。果たしてレビューの表現はどこまで許されるのか? 第一中央法律事務所の弁護士、久保陽奈先生にお話を伺ってみた。

    刑事裁判、民事裁判における誹謗中傷

    ──そもそも誹謗中傷した場合、どんな責任を問われるのでしょうか。

    久保陽奈弁護士(以下、久保): 刑事上は名誉毀損罪、侮辱罪、民事上では名誉権侵害による不法行為責任により損害賠償を求められることもあります。

    名誉毀損罪にあたるのは、「公然と」「事実を摘示して」「人の名誉を毀損」した場合です。ネット上は基本的に誰でも閲覧できる場なので、公然性の要件を満たすことになります。

    ──となると、悪質なレビューは名誉毀損で訴えることができそうですね。

    久保: そうとも限りません。表現が「事実の摘示」ではなく、「感想」や「意見・論評」の場合、名誉毀損罪の対象にはならないんです。

    ──つまり、訴えるのは難しいと。

    久保:「 価格が高い」「安い」「料理が美味しい」「まずい」「本が面白い」「つまらない」などは証拠をもって判断することが困難です。この場合、感想や意見、論評に該当すると解されます

    ──では、侮辱罪ではどうでしょうか?

    久保: 「公然と」「人を侮辱」した場合に成立します。事実を摘示せずに人の社会的評価を低下させる言動、例えば「バカ」「アホ」「ブス」「キモい」といった表現がなされた場合に問題となります。

    ──侮辱罪のほうが当てはまりそうですね。

    久保: しかし、侮辱罪も名誉毀損罪も、社会的評価が下がるといえるかどうか、すなわち、第三者の感覚が基準になります。言われた人が傷ついても、第三者から見て社会的評価が下がらない場合は、侮辱罪は成立しません

    ──では、民事はどうでしょうか。

    久保: 民事上は、名誉毀損罪と違って事実の摘示ではなく、意見、論評であっても、名誉権侵害の不法行為責任が認められるケースもあります

    ──ホントですか!

    久保: 最高裁は、「名誉毀損の不法行為は、問題とされる表現が、人の品性、徳行、名声、信用等の人格的価値について社会から受ける客観的評価を低下させるものであれば、これが事実を摘示するものであるか、又は意見ないし論評を表明するものであるかと問わず、成立し得るものである」と判示しました。

    名誉感情の侵害としての不法行為

    ──意見、論評でも、社会的評価を低下させるものであれば、民事で訴えることができるんですね。

    久保: はい。また民事上は、社会的評価ではなく名誉感情、つまり主観的名誉を侵害する場合に、名誉感情の侵害としての不法行為が認められる場合があります。単に「バカ」「アホ」と言うだけでは難しいですが、例えば、短時間に執拗に繰り返した場合は、社会通念上許される限度を超えると判断される可能性はあります

    ──判例などはあるのでしょうか?

    久保: 面前で「カスが、死ね」という発言について、「誰もが名誉感情を害されると言い得る強度の侮蔑表現」として、名誉感情侵害を認めたものがあります。

    ──口の悪い人なら言いそうな言葉ですね。

    久保: 一方、「容姿も性格も貧相」という記載は、「その容姿や性格を批判的にみている旨が読み取れるが、それ以上に具体的な事実、根拠等が示されることもない単なる意見にすぎない」として「社会通念上許容される限度を超えた侮辱であることが明白とまではいえない」とした判例もあります。

    ──「カスが、死ね」も「容姿も性格も貧相」も、両方とも酷い言葉だと思うんですが。

    久保: その表現がなされた状況も判断において考慮されるので、表現自体が相当辛辣といえる場合であっても、認められないケースもあります。

    「詐欺を行うような会社」は名誉毀損にあたるか?

    ──SNSで誹謗中傷した場合はどうなるのでしょうか?

    久保: 先ほど述べたとおり、ネット上は原則として公然性の要件を満たすので、名誉毀損罪、侮辱罪に該当するときは刑事事件で立件される可能性があります。名誉毀損罪の法定刑は3年以下の懲役または50万円以下の罰金。侮辱罪の法定刑は拘留または科料で、事実を摘示しない点で名誉毀損罪より軽い罰則になります。民事上の責任も問題になり得ます。

    ──Amazonや楽天などのネットショップのレビューは対象になるのでしょうか。

    久保: 誹謗中傷の対象が一般の人でも、ネットショップの運営者でも変わりません。

    ──でも、先生が先ほど言った通り、刑事上の罪に問われるかどうかは、本人が傷つくか傷つかないかよりも、第三者の判断のほうが基準になるんですよね。

    久保: 名誉毀損罪や侮辱罪は社会的評価を低下させる場合に成立するのでその通りです。どのような表現であればセーフといえるか、その線引きは実際には簡単に判断できるものではありません。

    ──例えば、「最悪です」「期待を裏切られた」「こんな詐欺を行うような会社」などのレビューはどうでしょうか。

    久保: 前後の文脈にもよりますが、いずれも、事実の摘示を伴わないときには、主観的感情に過ぎないので、名誉毀損罪の対象にはならないと考えられます。

    「詐欺を行うような会社」は、社会的評価を低下させる事実の摘示にあたりそうですが、民法や刑法上の詐欺に該当する具体的な事実ではなく、単に、例えばミスや不手際があったことにより「納得のいくサービスが行われず騙された気持ちだ」という意味で「詐欺」という表現を使った場合は、「そのような感想を持った人がいる」という意味にとどまり、社会的評価を低下させないとも考えられます。

    商品と作者は別

    ──本のレビューはどうでしょうか。

    久保: 何を書いても誹謗中傷にあたらないわけではありません。ただ、留意すべきは、商品や作品のレビューに関しては、商品や作品と作者は異なるものだと考えられることです。

    ──つまり、別人格ということですね。

    久保: 例えば「料理がまずい」「面白くない」といった投稿も、作った人ではなく商品や作品に対しての評価と解釈でき、また、投稿者の感想に過ぎないので、作者の社会的評価を下げるものとは言えないところもあります。

    ──本人に対しての誹謗中傷ではないですからね。

    久保: 裁判例ではある書籍に関して「なぜあんなに偉そうに吠えているのですか。なんか読んでてムカつく部分があるし、あまり参考にならない」という書き込みについて、書籍の内容や執筆姿勢に対する感想ないし批評の域を出ないものとして、名誉または名誉感情が侵害されたとは評価できないとしたものもあります(東京地裁平成28年10月12日判決)。

    ──本のレビューを訴えた著者がいたんですね! そっちのほうに驚きました。

    久保: レビューやクチコミは表現の自由の発現であり、一般消費者の利益にもなるので、公益性が認められやすいと言えます。また、厳しい内容でも感想の域を出ない場合には、読者は「そう思っている人がいる」と理解するので、よほど人身攻撃に及んでいるなどの場合でない限り、社会的評価を下げるとは判断されにくいかもしれません。

    ──レビューは少し特別なところがあるんですね。

    久保: 竹内さんの本のレビューの「文才がない」「上から目線」という言葉も、辛辣ではありますが、書籍を読んだ上での感想の域を出ていないので、作者の社会的評価を下げるとまで言えないとも考えられます。

    ──そう言われると、腹を立てている自分が恥ずかしくなってきました。

    久保: 1つの投稿に違法性が認められ得るかは、さまざまな事情を考慮し、複雑な思考の上に判断する必要があります。表現自体が同じでも、文脈や状況によって判断が異なることもあります。場合によっては企業の利益が損なわれるケースもあるので、個人で判断するのではなく、弁護士に相談することをおすすめします

    ◇◇◇

    ネットショップを運営する限り、厳しいレビューから逃れることはできない。そして、そのレビューで傷ついたとしても、司法に訴えることはどうやら難しそうである。

    しかし、第三者から見ても社会的評価を下げるような書き込には、弁護士のアドバイスを受けた上で、法的手段に出て毅然とした態度で臨むべきである。

    「レビューなんていちいち気にしていられない」と言って手を打たなければ、知らぬ間に消費者からの評価を下げてしまい、売り上げを落とす可能性もゼロではない。訴えないまでも、法的手段や担当者のメンタルのフォローなど、何かしらの対応策は講じておいたほうが良さそうである。

    そういうわけで、毎度、私の本に厳しいレビューを書くそこのあなた。面白くない小説かもしれませんが、懲りずに引き続き書かせていただきますので、次回もまた購入のほど、よろしくお願いします。

    【筆者からのお知らせ】

    ネット通販、人材教育、企画立案、キャッチコピーのつけ方等、斬新な切り口で「ナマのノウハウ」をメールマガジンでお届けしています!

    竹内 謙礼
    竹内 謙礼

    ライブコマースを「視聴したことがある」は12.7%、視聴後に商品を購入した人は5.8%

    5 years ago

    MMDLaboが運営するMMD研究所が発表した「ライブコマースに関する利用実態調査」によると、ライブコマースの利用経験は12.7%で、視聴後に商品を購入したことがある人の約半数が「ECで購入した」と回答した。

    予備調査は18歳~59歳の男女5000人、本調査はライブコマース視聴経験者または視聴検討者500人が対象。期間は2021年4月16日~4月18日。

    ライブコマースを「知っている」は43.2%、「見たことがある」は12.7%

    18歳~59歳の男女5000人を対象にライブコマースの利用状況を聞いたところ、「まったく知らない」が最多で56.8%。「言葉は聞いたことがあるが、利用方法や内容はよく知らない」が14.8%、「だいたいどんなものかわかるが、視聴したことはない」が12.9%で続いた。

    MMD研究所 調査 ライブコマース ライブコマースの認知・利用経験
    「ライブコマース」の認知・利用経験(n=5000)(出典:MMD研究所)

    ファネル分析で見ると、「認知」は43.2%、「内容理解」は28.4%、「利用経験」は12.7%。

    MMD研究所 調査 ライブコマース ライブコマースの認知~利用経験(ファネル分析)
    「ライブコマース」の認知~利用経験(ファネル分析)(n=5000)(出典:MMD研究所)

    視聴後、購入者の約半数が「ECサイトを利用」

    ライブコマースを視聴し、商品を購入したことがある人に、視聴後の商品購入方法にを聞いたところ、最多は「配信画面からすぐにアクセスできるECサイトで購入」(48.6%)。「他サイトとも比較し、価格が安いECサイトで購入」(47.6%)「実店舗で購入」(41.0%)と続いた。

    男女別でみると、男性のトップは「他サイトとも比較し、価格が安いECサイトで購入」(57.0%)で、女性のトップは「配信画面からすぐにアクセスできるECサイトで購入」(45.8%)だった。

    MMD研究所 調査 ライブコマース 視聴した商品の購入方法 男女別
    ライブコマースで視聴した商品の購入方法(男女別)(出典:MMD研究所)

    ライブコマースの利用意向、10代~30代は約3割近く

    ライブコマースを認知している人に、今後ライブコマースを利用したいか聞いたところ、「利用したい」が8.2%、「やや利用したい」が14.9%で、合わせて23.2%が「利用したい」と回答した。

    年代別でみると、「利用したい」「やや利用したい」を合わせた利用意向は、20代が最多で29.9%、次に10代が29.6%、30代が29.3%だった。

    MMD研究所 調査 ライブコマース 利用意向 年代別
    ライブコマースの利用意向(年代別)(出典:MMD研究所)

    視聴経験、「YouTubeのライブ配信」がトップ

    ライブコマース視聴経験者に、ライブコマースを実施しているサービスでの視聴や購入を聞いたところ、「視聴し、商品を購入したことがある」は「YouTubeのライブ配信」(25.7%)が最多で、次に「Instagramのライブ配信」(19.1%)「LINE LIVEのライブ配信」(14.3%)だった。

    「視聴し、商品を購入したことがある」と「視聴したが、商品を購入したことはない」を合わせた視聴経験は「YouTubeのライブ配信」が62.0%でトップ。「Instagramのライブ配信」が48.2%、「Twitterのライブ配信」が35.6%だった。

    MMD研究所 調査 ライブコマース 視聴・購入経験 サービス別
    ライブコマースの視聴・購入経験(サービス別)(n=413)(出典:MMD研究所)
    調査実施概要
    • 調査タイトル「ライブコマースに関する利用実態調査」
    • 調査方法:インターネット調査
    • 調査期間:2021年4月16日~4月18日
    • 調査対象:【予備調査】18歳~59歳の男女、【本調査】ライブコマース視聴経験者または視聴検討者
    • 有効回答:【予備調査】5000人、【本調査】500人
    • 設問数:【予備調査】4問、【本調査】6問
    藤田遥
    藤田遥

    【読者プレゼント】『ワークマン式「しない経営」―― 4000億円の空白市場を切り拓いた秘密』を10名様にプレゼント!

    5 years ago

    ワークマン専務取締役土屋哲雄氏の著書『ワークマン式「しない経営」――4000億円の空白市場を切り拓いた秘密』がダイヤモンド社から発売されています。

    『ワークマン式「しない経営」――4000億円の空白市場を切り拓いた秘密』表紙
    この本をAmazonで購入

    レディース商品を中心に扱う「#ワークマン女子」や新業態店舗「ワークマンプラス」でさらに注目が集まるワークマンは、「頑張らない経営」で10期連続最高益を達成しています。

    「しない経営」で最高益を達成できた理由、急成長のカギとなる「高機能・低価格という約4000億の空白市場」の開拓、社員全員が経営に参画する仕組みなどについて解説します。

    CONTENTS

    はじめに 4000億円の空白市場を切り拓いた秘密

    第1章 「しない会社」にやってきたジャングル・ファイター

    第2章 Eワークマン式「第2のブルーオーシャン市場」のつくり方

    第3章 「しない経営」が最強の理由

    第4章 データ活用ゼロの会社が「エクセル経営」で急成長した秘密

    第5章 なぜ「エクセル経営」で社員がぐんぐん成長するのか

    第6章 興味こそがやりきる経営のエンジンである

    第7章 「両利きの経営」はどうすれば実現できるのか(早稲田大学大学院・ビジネススクール入山章栄教授との対談)

    この『ワークマン式「しない経営」――4000億円の空白市場を切り拓いた秘密』を10名様にプレゼントします。ご希望の方は下記のフォームにご記入の上、お申し込みください。締め切りは6月9日(水)17時です!

    ワークマン式「しない経営」――4000億円の空白市場を切り拓いた秘密

    ワークマン式「しない経営」――4000億円の空白市場を切り拓いた秘密

    土屋哲雄 著
    ダイヤモンド社 刊
    価格 1,760円(税込)

    「しない経営」で10期連続最高益を達成したワークマン。急成長のカギとなる「高機能・低価格という約4000億の空白市場」を開拓した新ブランド「ワークマンプラス」、社員全員が経営に参画する仕組みなどについて解説した1冊。

    この本をAmazonで購入

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    高島屋の2023年度にEC売上500億円をめざすデジタル化&中期経営計画

    5 years ago

    高島屋は今期(2022年2月期)から、3か年の中期経営計画(中計)をスタートさせた。2020年度(2021年2月期)に前期比60.0%増の297億円だったEC売上高は、最終年度となる2023年度(2024年2月期)には500億円まで引き上げる計画だ。

    中計最終年度のEC売上高500億円達成に向けて2021年夏にECサイトを改修、スマホファーストの視点で利便性向上を図る。スマホでの使いやすさを実現するほか、パーソナライズによる商品提案や商品検索機能を充実する。

    百貨店ECとしての独自性や魅力化を追求していく。商品情報の拡充やレビュー機能を強化し、ライフスタイル提案型コンテンツを充実。サイト改修によって業務効率化にもつなげる。管理画面の操作性向上や領収書の自動発行、キャンセル機能なども搭載する。

    高島屋は今期(2022年2月期)から、3か年の中期経営計画(中計)をスタート EC売上
    ECビジネスについて(画像は高島屋のIR資料からキャプチャ)

    新型コロナウイルス感染拡大の影響により変容した消費行動や生活様式へも柔軟に対応する。短時間で買い物をしたいというニーズがある一方、心豊かにふれあいを求める顧客ニーズも存在。まずは、店頭での商品知識や接客技術を高め、高品質な販売サービスに磨きをかけていく。

    同時に、デジタル技術を活用したリモート接客やオンライン予約システムなど、安心して買い物や注文ができるツールを最大限活用し、顧客との関係を強固にする考え。

    3か年の中計の位置付けは、百貨店を中核とする街づくりによって、成長領域の拡大や持続的成長につなげていくこと。ブランドの価値の源泉である百貨店の再生が最重要課題と認識。コスト構造改革で創出した原資によって、品ぞろえや顧客との関係を再構築する。

    高島屋は今期(2022年2月期)から、3か年の中期経営計画(中計)をスタート EC売上
    3か年の中計の位置付け(画像はIR資料からキャプチャ)

    2021年2月期のEC売上高は、オンラインストアでの「巣ごもり消費」による食料品・リビング関連の商材や、中元・歳暮等のギフトが需要を伸ばし、売上高は前年を大きく上回った。2021年2月期決算説明会の質疑応答では、次のようにコメントしている。

    店頭での新しい接客の仕方や後方部門のリモートワークなど、この1年で定着しつつあるが、今後も加速させていかなければならないと考えている。また、ECの売上規模をさらに高めていくための、さまざまなインフラ投資なども進めていかなければならないと考えている。スピードが加速したというよりも、より加速させていかなければならないという認識だ。

    石居 岳
    石居 岳

    ECサイトとモール・基幹システム・各種ツール・ブログを連携する方法と注意点を解説 | ECビジネスに役立つ『ebisumart MEDIA』特選コラム

    5 years ago
    ECサイトと各種サービス(ショッピングモール、基幹システム、MA、WordPress)を連携させるために、エンジニアが必要なのか? 費用がどれくらなのか? 注意点は? 徹底解説します

    「ECサイトとAmazonや楽天市場の在庫情報を連携させたい!」

    「基幹システムとECシステムの連携は可能か?」

    「『WordPress(ワードプレス)』とECサイトを同じドメインで運用できるか?」

    など、EC事業者様の中には、サイトと各種サービスのシステム連携ができないか、模索している方もいらっしゃるのではないでしょうか。ECサイトと連携できるシステムやサービスは多種多様に存在しますが、目的は大きく分けて以下の4点だと筆者は感じます。

    • Amazonや楽天市場などのショッピングモールを連携させた【データの一元管理】
    • アプリや基幹システムを連携させた【オムニチャネルの実現】
    • MA・WEB接客・広告ツールと連携させた【マーケティング施策】
    • 「WordPress」と連携させた【SEO対策】

    また、これらの目的を達成するために、ECサイトと各サービスを連携させる方法は、大きく分けて3つあります。

    ① ASPサービスを使った連携
    ② API・SDKを利用した連携
    ③ ECシステムをカスタマイズした連携

    多くの場合は、①や②の方法を使って、システムを連携させます。なぜなら、③のECシステムをカスタマイズした連携は費用や工数がかかるのに対して、①と②の方法は比較的低価格で、容易に連携させることができるからです。

    しかし、①と②には、カスタマイズの領域に制限があるため、自社固有のシステム連携を実現させるには、③のECシステムをカスタマイズした連携が必要となります。

    本日はインターファクトリーでマーケティングを担当している筆者が、ECサイトのシステム連携について詳しく解説いたします。

    皆さんの目的に該当するシステム連携の解説を以下から選択して、読み進めてください。

    自社ECサイトとAmazon、楽天市場、Yahoo!ショッピングなどのショッピングモールを連携して、在庫管理・受発注業務を一元管理したい!

    ショッピングモール連携のイメージ

    Amazonや楽天市場などの大手ショッピングモール(以下、モール)に出店している事業者の皆さんは以下のような課題をお持ちでしょう。

    「各モールで、それぞれ受発注業務を行うのは大変」
    「複数のモールに出店しているため、在庫管理が難しい」
    「自社ECサイトも運営しているので、モールと並行して運用するのは煩雑である」

    さらに、Amazonや楽天市場に出店している事業者の多くは、販路拡大のために、Yahoo!ショッピングやラクマなどの他モールへも、複数出店しているケースが多く見られます。

    しかし、多くのモールを少ない人員で運営していくのは非常に労力がかかります。そのため、在庫管理において情報をリアルタイムに更新することができず、注文が入ったときに在庫がない!という「売り越し」が発生しやすいのです。それを防ぐために商品を余分に仕入れるなどの対策を講じますが、その場合、在庫維持のコストがかかるため、経営に無駄が生じ、結果として利益を圧迫していくことになってしまいます。

    そこで、このような課題を解決するために、複数のモールの連携や、自社ECサイトとモールの連携を実現する【モール連携ASPサービス】が存在しています。弊社インターファクトリーのパートナー企業ですと、以下の3社が有名です。

    モール連携を実現するモール連携ASPサービス

    • eシェルパモール2.0(株式会社スクロール360)
    • zaiko Robot(ハングリード株式会社)
    • ネクストエンジン(Hamee株式会社)

    料金体系やサービス内容は各社により異なりますが、ASPサービスということもあり、数万円からという比較的利用しやすい費用感でしょう。ショップ数や商品点数により費用が変わるので、各社のホームページを見て自社に合うものを検討してみましょう。

    モール連携ASPサービスを導入する前の3つの注意点

    注意点①利用しているECシステム(ショッピングカート)がモール連携ASPサービスに対応しているか?

    まず、自社ECシステムが、使いたいモール連携ASPサービスとの連携に対応しているか、という点です。

    大手・有名ASP-ECシステムを導入している事業者の皆さんは、大抵のサービスであれば連携させることができますが、システム会社に依頼して作成しているような独自開発のECシステムを利用している事業者の皆さまは、モール連携ASPサービスと連携させるために、追加の開発費用がかかる場合があります。

    まずは自社のECサイトが利用しているECシステムの公式サイトで確認するか、ECシステムベンダーに問い合わせをして、利用検討をしているモール連携ASPサービスの連携が可能か確認してみましょう。

    注意点②出店しているモールがモール連携ASPサービスに対応しているか?

    筆者が把握しているだけでも、モールは以下のように、多数存在しています。

    ◆有名モールの一覧

    • Amazonジャパン
    • 楽天市場
    • Yahoo!ショッピング
    • PayPayモール
    • ラクマ(旧:フリル)
    • ポンパレモール
    • Qoo10
    • LOHACO
    • au PAY マーケット(旧:Wowma!)

    自社が出店しているモールが、モール連携ASPサービスに対応しているかどうかは、各モールの公式サイトにて確認するか、問い合わせを行うなどして事前に確認しましょう。

    注意点③モールごとに調整が必要

    さて、モール連携ASPサービスを導入し、自社ECサイトと複数のモールの情報を一元管理することができたとします。ここで注意が必要なのは、各モールの方針や設定方法が異なる場合がある点です。

    例えば、AmazonのFBA(フルフィルメント by Amazon)を利用している事業者であれば、モール連携ASPサービスを利用すると、自社出荷に入れ替わったりする※ことがあります。

    また、各モールで注文が発生したとき、その情報がモール連携ASPサービスの管理画面に反映される時間は、モールによって異なり、厳密な即時反映でない場合があります。そのため、各モールのシステム連携時における特徴を把握して、設定を行わなければなりません。

    オムニチャネルを実現するためのシステム連携、アプリ連携とは?

    これまで実店舗事業がメインだった事業者の皆さんも、ECサイトを運営することが当たり前の時代になっていますが、実店舗とECサイトのデータを一元管理することでオムニチャネルを実現し、戦略的アプローチを行う日本企業は、まだまだ多くありません。なぜなら、それを実現させるためのシステム連携に多大な労力と費用がかかるからです。

    しかし、「コストがかかるから」という理由でオムニチャネルの推進を妨げては、競合他社に追い抜かれてしまいます。例えば、アパレル業界において、オムニチャネルを実現して顧客の囲い込みに成功しているブランドとそうではないブランドの二極化が進んでおり、オムニチャネルの実現は企業の生き残りをかけた重要施策となっているのです。

    オムニチャネルを実現させるためには、顧客が実店舗でもECサイト(またはアプリ)でも、シームレスかつ快適に購入体験ができるようにする必要があります。

    そのためには、

    • 顧客情報
    • 商品情報
    • 在庫情報
    • キャンペーン情報

    などの情報が実店舗とECサイトにおいて一元管理されていることが、顧客の囲い込みを目指すためには重要な手段なのです。

    最近では、コストを最小限に抑えながら、O2O(Online to Offline)を実現することができるクラウド型のアプリ作成ツールなどが提供されています。それらを利用すれば、エンジニアがいなくても、アプリを月額数万円で運用することができるため、クーポンやキャンペーン情報を発信する手段として活用することができます。

    しかし、オムニチャネルを実現するための開発費用は数千万円~数億円以上かかることは珍しくなく、また開発期間が数年に及ぶこともあります。また、様々な独自機能やシステム連携を行うためには、それらに対応できる以下のようなECシステムでなければいけません。

    • フルスクラッチのECシステム
    • パッケージのECシステム
    • カスタマイズが可能なクラウド型のECシステム

    現在上記以外のECシステムを利用しているのであれば、オムニチャネルを実現するためにECシステムのリニューアルが必要になるでしょう

    システム連携する前の3つの注意点

    注意点①リリースと同時にシステムが陳腐化しているケースがある

    オムニチャネルを実現するための開発期間が数年にわたることを考えると、リリース前にECシステムが陳腐化してしまう懸念があります。なぜならシステム開発とは、一般的に以下の流れで進められていくからです。

    例えば、①要件定義が行われた時点から2年後となると、システム開発が完了するときのセキュリティ要件では万全ではなかったり、時流に遅れた(例:スマホ対応・インスタグラムなどのSNS対応)ECサイトになってしまう可能性があります。

    特にパッケージのECシステムの場合、当初使用しているパッケージのECシステムを基にカスタマイズを行っているため、オムニチャネルの実現などを目的に数年をかけて追加カスタマイズをしても、それがリリースされる頃には、基盤部分が陳腐化している恐れがあるのです。

    このデメリットに対し、クラウド型のECシステムであれば、カスタマイズができる「拡張性」と、定期的にシステムを無料アップデートしてくれる「最新性」の両方のメリットを受けることができます。

    注意点②発注側に業務に詳しい担当者がいないとプロジェクトが進まない

    オムニチャネルを実現するためのサービス・システム連携は大変複雑です。システム面だけでなく、業務面においても「どのようなシステムを、どのように連携するべきか」を考えなくてはならず、知識や経験が必要となります。そのため、発注側である事業者においても業務に詳しい担当者が必要です。

    しかし、企業の中には、システム開発やEC事業に携わった当時の担当者が退職や部署異動しているケースも多く、オムニチャネルのためのシステム連携が進まないことがあります。この場合、外部コンサルティング会社などに依頼し、現状の業務フローを図式化したうえで、Tobeモデル(あるべき業務フロー)を提案してもらう必要があります。

    注意点③システム連携の際はプレゼン内容だけで業者選定を行ってはいけない!

    基幹システムや様々なサービスなどのシステム連携に伴い、新しいECシステムへフルリニューアルを行う場合は、数千万円~数億円という大規模な発注額になるため、複数のECシステムベンダーやコンサルティング会社を集めてコンペを行うことになるでしょう。大規模リニューアルで、企業内でも注目されるプロジェクトとなると、最終コンペには社長や役員も同席するときもあるかもしれませんが、ここに大きな注意点があります。

    それはECシステムベンダーの選考で最も重視しておきたいことは「技術力」という点です。

    例えば、抽象的なビジョンや概念を語るようなプレゼンは社長をはじめとする経営幹部への印象は良く、ハートをつかまれるでしょう。

    しかし、実際のシステム連携やシステムリニューアルにおいては、ECシステムベンダーの実績や経験、ノウハウこそが今後安定したシステムを作り出すためには重要なのです。

    コンペを通して、ECシステムベンダーを決める際には、経営幹部とブリーフィングを行い、「技術力」という点を再確認しておく必要があります。ここの判断を間違えてしまうと、実際の運営担当者が使いにくい、あるいは動かないシステムが完成し、場合によっては企業は数億円の被害を被るかもしれません。

    MA・WEB接客・広告ツールなどを使ったマーケティング施策

    売上拡大のために、ECサイトで利用できるマーケティング施策・サービスは数多く存在します。代表的なものだけでも、以下があります。

    ◆ECサイトと連携できるマーケティング施策一覧

    • MA(マーケティングオートメーション)ツール
    • チャットボット
    • レコメンドツール
    • カゴ落ち対策ツール
    • リマーケティング
    • SNS連携

    これらのツールを自社ECサイトと連携させることは非常に簡単です。なぜなら、導入したいマーケティングツール指定のタグをECサイトのページに挿入するだけで使用することができるからです。ECサイトの管理画面には、管理者がタグを自由に入力できる機能があることが多く、エンジニアすら不要※なのです。

    ※MAツールには専用のフォームを利用したり、フォームの改修が必要な場合があるので、それらの開発にはエンジニアが必要となります。

    MA・WEB接客・広告ツールなどを導入する前の3つの注意点

    注意点①連携はカンタンでも、ツールを使って成果を出すことは容易ではない

    筆者は今まで、多くの事業者で公式ホームページやECサイトを運営した経験があります。個人的な経験の範囲ですが、以下のツールを導入した経験があります。

    • MAツール
    • WEB接客ツール
    • WEB解析ツール
    • リマーケティング

    しかし、どのツールを導入しても目に見える成果を出すためには、大変な努力が必要でした。というのも、上記のようなツールを導入して効果を出すには、様々なケースを想定しながらデータを算出し、試行錯誤をしないと成果を出すことができないのです。筆者は通常業務やキャンペーン施策に追われ、これらのツールを使いこなせていませんでした

    ECサイトを運営する担当者は、受発注業務やセール・キャンペーン施策の準備、顧客対応などの日々の業務に追われながら、マーケティングツールを有効的に活用することは困難です。人員体制が整っている企業であれば可能ですが、少人数でECサイトを運営している企業では、ツールを利用する時間を捻出しづらい面があります。

    また、導入するだけのリマーケティング広告でも、効果を出すためには大人数のリスト(誤解のないように解説しますが、ここでいうリストとは個人情報が特定されていないクッキーデータのことです)を集める必要があり、自社ECサイトに設置したリマーケティングタグだけではリストがなかなか集まりません。

    このように、ECサイトとの連携がカンタンであっても、ツールを使いこなせなければ、成果を出しにくいのです。

    注意点②解約条件を事前に確認しておく

    筆者の経験からお伝えすると、WEBサイトやECサイトのマーケティングツールの多くは、導入後1年程度で解約することがほとんどです。多くのツールは、解約月の1か月前までに申し出れば解約できますが、外国のツールや、大手のツールの中には、契約期間が1年ごとに決められている場合があります。

    例えば、1月1日に契約した場合は、その年の12月1日から12月31日までに解約する旨をベンダーに告げないと、翌年の契約を更新しなくてはなりません。これは非常に無駄なことなので、事前に解約条件についてしっかり確認しておきましょう。

    注意点③無料のツールやトライアル版で十分な場合がある

    まず、WEB解析ツールですが、よほど高度なWEB解析手法を、担当者が熱意を持って行うという場合を除いては、Googleから無料で提供されているGoogle Analyticsで事足ります。WEB解析ツールを提供する会社の営業担当者は、導入を促すために、魅力的な事例や機能を紹介しますが、

    ✔ そのツールを使いこなせるか?
    ✔ そのツールを使う時間があるのか?
    ✔ そのツールで効果を生み出せるのか?

    というように、「そのツールが本当に必要かどうか」を熟考するべきでしょう。ただ、マーケティングにおいて、ノウハウやナレッジを蓄積するための基本は【トライアル・アンド・エラー】にありますので、いつでも解約ができるツールならば、試してから判断しても遅くはありません。

    もし、あなたがマネージャーで、部下から新しいツールを使いたいと相談された場合は、

    「現行のツールと何が違うのか?」
    「どのように売上向上に寄与できるのか?」

    を聞いて、納得がいけば導入してみましょう。

    「WordPress」と連携してSEOやコンテンツマーケティング施策を実践

    ECサイトとブログソフトウェアである「WordPress」を連携させたいという要望をしばしば耳にします。多くのECシステムには、

    ◆ECシステムに標準装備されているブログ機能

    • フリーページ
    • ブログ機能

    上記のようなブログ機能が、ECシステムに既に実装されてるにもかかわらず、なぜ「WordPress」をわざわざ連携させるのかというと、

    • SEOやコンテンツマーケティングにおいて、多くの企業が実績を上げている
    • 必要な機能やデザインが無料でカンタンに手に入る
    • 「WordPress」の経験はスキルセットの一つであり、経験者が多い

    このような理由があげられます。筆者はSEOの専門家ですが、極論を言えば【「WordPress」でも、ECシステムのブログ機能やフリーページでも、質の高いコンテンツを作ることができれば、SEOは成功する】と思っています。

    しかし、現在のSEOは「記事の文字の読みやすさ」というのも大きなカギとなっています。ECシステムに実装されているブログ機能とブログソフトウェアである「WordPress」の豊富なデザインを比べると、やはり【読みやすさ】という点で圧倒的な差が出てきてしまいます。これが、そのままSEO対策のクオリティの差につながってくるのです。

    以前、私のクライアントでブログコンテンツの質は高いが、文字が読みづらかったことがあったため、「WordPress」のテーマを変更するよう指導したところ、【SEOの順位が上がった】ということがありました。よく、「Googleのアルゴリズムはブラックボックスである」と言われているように、確証的なことは言えませんが、以下の3つが昨今のSEO対策におけるトレンドであると考えています。

    ✔ どんなコンテンツを書いているのか?
    ✔ 誰が書いているのか?
    ✔ 読みやすいか?

    残念ながらGoogleのアルゴリズムではブログに書かれている情報の真偽を見極めることはできませんが、その代わりに上記を判断することができるようになってきたため、トレンドの一つである「読みやすさ」を求めるのであれば、ECシステムのブログ機能よりも、「WordPress」を使うべきです。

    ECサイトと「WordPress」との2つの連携方法

    ECサイトと「WordPress」を連携させる方法は2つあります。

    ① ECシステムに「WordPress」の連携オプションが用意されている
    ② リバースプロキシというサーバーの設定を行い、ECシステムと「WordPress」を併存させる

    ①ECシステムに「WordPress」の連携オプションが用意されている

    有名ECシステムであれば、オプション機能として「WordPress」を提供しています。その場合、ECシステムベンダーにオプションを申し込めば、数万円の初期費用と月額費用の追加で導入可能です。

    ②リバースプロキシというサーバーの設定を行い、ECシステムと「WordPress」を併存させる

    「WordPress」のオプション機能が用意されていない場合でも、サーバーの設定で「リバースプロキシ」を行うことで、ECサイト配下の特定のディレクトリを「WordPress」にすることができます。設定自体は難しいものではありませんが、サーバーの設定変更作業が必要となるため、自社でできない場合は外部に依頼する必要があります。

    上記2つの方法以外にも、同じサーバーにECシステムと「WordPress」を併存させる方法などがありますが、汎用的な手段ではないので、ここでは解説いたしません。

    「WordPress」を導入する前の3つの注意点

    注意点①「WordPress」だからSEO順位が上がるということはない

    「WordPress」を利用するから、SEOが他のブログプラットフォームよりも有利ということはありません。ただし、ブログ読者にとって便利なプラグインや、読みやすいテンプレートの導入が無料でカンタンにできるというメリットがあるだけです。ブログプラットフォームだけでSEOは上手くいくものではありません。

    注意点②「WordPress」にはセキュリティリスクがある

    「WordPress」はOSS(オープンソースソフトウェア)です。つまり、プログラムがWEB上に無料で公開されており、誰でもこれをダウンロードしてカスタマイズすること、カスタマイズをしたものを再販することができます。このようなメリットがある一方で、プログラムが公開されているので、ハッキング被害に遭いやすいというデメリットがあります。

    なぜなら、「WordPress」利用者は世界中にいるため、ハッカーに非常に目を付けられやすいのです。現に私のクライアントでも、数名がハッキングに遭ったことがあり、「WordPress」がハッキングされるのは、全く珍しいことではありません。

    「WordPress」を運用する際は、「WordPress」や導入しているプラグインのバージョンを最新にするなどの、セキュリティ対策に注力する必要があります。

    注意点③ブログ運営は負担が高い!体制を決めるのが先!

    ECサイトの運営に加えて、SEO目的のブログを執筆するとなると、非常に負荷がかかります。例えば、ECサイトの運営担当者がブログの執筆担当も兼任する場合、平日は今まで通りEC業務に追われ、金曜日の定時以降をブログ執筆に充てるという状況にもなりかねません

    また、ブログを使ったSEOやコンテンツマーケティング施策は成果が出るまでに半年~1年はかかるでしょう。せっかく「WordPress」を導入しても、すぐに挫折しては、大きなロスです。「WordPress」を導入する前に、ブログを執筆できる【体制】と、成果が出るまで徹底的に書き続ける【根気】を準備しておくことを、お勧めします。

    ECサイトのシステム連携のまとめ

    本日は、自社ECサイトと各種サービスのシステム連携についての概要と、私の経験に基づいた注意点を解説しました。

    どの連携においても、利用するECサイトの拡張性が高く、カスタマイズしやすい方が、良いでしょう。また、フルスクラッチやパッケージのECシステムは、3~5年でシステムが陳腐化してしまいます。それを防ぐためにも、クラウド型のカスタマイズできるECシステムをお勧めします

    掲載記事のオリジナル版はこちら→ ECサイトとモール・基幹・MA・ブログの各連携を徹底解説(2020/12/8)

    この記事はインターファクトリーが運営するオウンドメディア『ebisumart MEDIA』の記事を、ネットショップ担当者フォーラム用に再編集したものです。

    ebisumart Media
    ebisumart Media

    ネット通販のスマホ活用&Webサイトの訪問回数は増加、一方で滞在時間は減少傾向【アドビ調査】

    5 years ago

    アドビは5月25日に発表した日本市場の2021年1~3月における日本の動向デジタル経済動向分析結果によると、日本の消費者は店舗での消費を避ける傾向にある一方で、消費行動はオンライン化が進行、スマートフォンの利用が増えWebサイトの滞在時間が短くなっていることが判明した。

    オンライン消費額は15%増

    日本の2021年1-3月期におけるオンライン消費額は前年同期比15%増で、50億ドル超(約5400億円)の消費額の増加となった。同期間に記録された米国の39%増、イギリスの66%増と比較すると、緩やかな増加という。

    アドビの調査 2021年1-3月期におけるオンライン消費額
    2021年1-3月期におけるオンライン消費額

    国内の消費者1000人以上を対象に実施したアドビの調査からは、日本の消費者のうち67%がパンデミックに入る2020年3月以前から定期的もしくは頻繁にオンラインで商品を購入。オンラインで買い物をしたことがなかった残りの回答者のうち80%が、2021年にオンラインで買い物をしたと答えている。

    スマホの利用&Webサイトの訪問回数が増加、滞在時間は減少傾向

    ECサイトへの訪問は前年同期比で19%増、オンラインでの注文額は同15%増。一方、ECサイトへの訪問から注文への転換率(コンバージョン)は同16%低下したという。

    アドビの調査 訪問あたりのページ数と滞在時間
    訪問あたりのページ数と滞在時間(分)

    アドビによると、過去3年間で日本の消費者がWebサイトに滞在する時間は短くなっており、1回の訪問で閲覧するページ数も減少傾向にある。こうした状況を踏まえ、アドビは次のように対策を提案する。

    企業は消費者の求める商品を優先的に表示させたり、購入プロセスを簡素化したりするなど、限られた応対機会のなかで購入に結び付けられるような措置を講じる必要があると言える。

    日本の2021年1-3月期における売上高の61%はスマートフォン経由での購入。イギリス、オーストラリア、フランス、米国を含む他国の結果と比べると、日本が最も高いという。

    年代別にスマホの利用傾向を分析すると、ミレニアル世代で65%、X世代(Gen X)で48%と、若年層が高い傾向にある。

    アドビの調査 スマホによるコマース売上高の割合
    スマホによるコマース売上高の割合

    店舗での消費は控える傾向に

    米国、イギリス、日本のうち、日本の消費者は2020年と比較すると店舗への訪問を避ける傾向が強くなっており、実店舗への訪問について「快適でなくなった」と回答した割合は3か国中で最も高い35%を記録した(米国23%、イギリス26%)。

    アドビの調査 実店舗への訪問について感じること
    実店舗への訪問について感じること(2020年と比較)

    家電製品の価格が高止まり、アパレルの価格は急降下

    日本では家電製品の価格が継続的に上昇。自宅で過ごす時間が増えた影響で、家電製品全体の需要が伸びている。

    アドビの調査 家電製品の価格動向
    家電製品の価格動向

    2度目の緊急事態宣言が発出された2021年1月~3月で再び価格が大幅に下落。外出自粛による需要の減少がアパレルの価格低下につながっている。日本の消費者が過去4週間にオンラインで購入した商品を見てみると、食料品(43%)、健康・美容用品(29%)、衣類(28%)、家電製品(20%)。この4つのカテゴリーがオンライン売上高を牽引しているという。

    アドビの調査 アパレル製品の価格動向
    アパレル製品の価格動向
    ◇◇◇

    また、新型コロナウィルス感染症が収束した後の消費行動について聞いたところ、半数以上(52%)がパンデミック以前の状況に戻ったとしても、オンラインと店舗での消費行動は変わらないと回答している。このことを踏まえ、アドビは次のようにコメントしている。

    企業は店舗からオンラインに移行している顧客、またその両方を併用する顧客のニーズを迅速に理解し、最適な顧客体験をリアルタイム提供していくことが求められる。

    分析・調査方法

    アドビの分析アプリケーション「Adobe Analytics」によって計測されるECなどのデジタル取引状況を活用したデジタル経済指標「Adobe Digital Economy Index(DEI)」を基に分析。DEIの測定に合わせて行った補完調査は、米国、英国、日本の3か国でそれぞれ18歳以上の消費者1000人を対象に2021年2月26日~2021年3月2日、2021年3月24日~2021年3月29日に実施した。

    瀧川 正実
    瀧川 正実

    グローバルでのECプラットフォーム統合を視野に入れたECシステムの刷新とビジネスの最適化。アメアスポーツジャパンの挑戦 | CX UPDATES Digest

    5 years ago
    ECを中心に据えたグローバル共通のマーケティング基盤の構築を構想しているアメアスポーツ。その最初の対象となった日本法人の取り組みとは。

    スポーツ用品・機器のブランドを傘下に持つアメアスポーツは、「ECを中心に据えたグローバル共通のマーケティング基盤」を構築する構想を立てています。最初に対象となった市場は日本。中でも、アメアスポーツが持つブランドの1つ「SALOMON ※」からプロジェクトが始まりました。本プロジェクトを主導したアメアスポーツジャパンの岡本真悟さまと、パートナーを務めた電通アイソバーの平博介に、一連の取り組みと成果について聞きました。

    ※ SALOMONは、スキー・スノーボードから夏のアウトドアまで、年間を通した山のアクティビティをサポートするスポーツブランドです。
     

    グローバルでECプラットフォームを統合する構想

    ――今回はアメアスポーツジャパンさんに、ECを中心に据えたマーケティング基盤構築のプロジェクトについてお話を伺います。まず貴社のご紹介と、岡本さんの担当領域を教えてください。

    アメアスポーツジャパン 岡本さま(以下、岡本):アメアスポーツは、「SALOMON」や「Wilson」をはじめとする7つのスポーツブランドを傘下に持ちます。当社はその日本法人として、国内での7ブランドの製造販売やお客様とのコミュニケーションを担っています。私はその中で、デジタルコマースのディレクター(統括部長)を担当しています。

    ――今回、ECプラットフォームである「Magento Commerce Cloud」を導入されていますが、それに至るプロジェクト全体の目的や構想の全体像をお聞かせください。

    岡本グローバルのアメアスポーツ全体で使用する共通のECプラットフォームを構築し、それを中心としたマーケティング基盤を整えるという、4年がかりの構想「Unified Digital Platform」があります。別の言い方をすると、「コマースエコシステム」の実現です。その布石として、まず日本のSALOMONブランドにおいて、ECの刷新やそれを中心に据えたビジネス全体の最適化を図ることになりました。その後、要件定義の内容やノウハウなどをアジア、ヨーロッパ、およびアメリカへと広げ、グローバルへの橋渡しをしていくという流れです。

    現在、各国で展開する7つのブランドが、それぞれ独自のデジタルマーケティング基盤を有しています。この状態だと、市場ごとの個別最適化はできても、ブランドや国を横断してオーダーや在庫、顧客情報、商品情報、ブランド素材などを管理することが困難です。また、日本では2016年から、SALOMON、ARC’TERYX、SUUNTOの3ブランドのECで「Magento1.9」を採用していましたが、我々の構想を実現するには機能的に不足が多く、それがペインポイントとなっていました。

    今回、グローバルでECプラットフォームを統合することを見据えて、まずは「Magento Commerce Cloud」(以下、Magento Commerce)へのアップグレードに踏み切りました。本国のスイスでもMagentoを採用していましたし、今後必要になるシステム連携の柔軟性などを鑑みても、Magento Commerceへの移行は必要な流れでした。

    ――グローバルでの「コマースエコシステム」の構築という大きな計画が、ベースにあったわけですね。電通アイソバーをパートナーに選定されたポイントをお聞かせください。

    岡本:売上向上だけを目的に、単発ブランドのEC基盤を構築するなら、他のパートナーさんでもできたかもしれません。今回はそうした“点”の動きではなく、Magento Commerce導入の先に、例えば顧客データと連携した魅力的な顧客体験(CX)の提供なども見据えた構築をしていきたいと考えていました。なので、CX向上に知見があり、運用も見通せるパートナーさんと組むのが理想でした。

    また、今回のテーマはグローバルでのEC基盤統合ですので、SALOMON本社があるフランスと日本を連携しながらプロジェクト推進できるパートナーにお願いしたいと考えていました。そこで、海外にもネットワークを持つ電通アイソバーさんに依頼することになりました。

     

    グローバル最適化とマーケット最適化の両立が肝

    ――電通アイソバーでは、今回のプロジェクトはどういった点がポイントだと捉えたのでしょうか?

    電通アイソバー 平博介(以下、平):今日、多くの企業が、市場や顧客の変化に対してスピーディー且つ柔軟に対応することをますます重要視しています。そのため、マーケティング基盤を整える上でも、オールインワンのパッケージシステムを導入するのではなく、1つ1つ最適なツールを選定して、それらを連携させるという方法をとる企業が増えています。また、これを本当の意味で実現するためには、組織やベンダーの垣根を取り払い、エンドユーザーのCXに寄り添った中立的なプロジェクトの推進も必要不可欠です。そこが、まさに我々電通アイソバーがCXデザインファームとしての強みを発揮できるポイントだと感じました。

    とくに今回のプロジェクトは規模が大きく、また広い視野が求められるプロジェクトでした。肝心なのは「グローバルでの最適化とマーケットでの最適化の両立」です。

    グローバルの観点で重要だったのは、先ほど岡本さんが話されたように、ブランドや国を越えた各種の情報管理を実現することです。オーダーや在庫管理、商品情報、売上といったすべての項目を集約して把握し、次なるインサイトを見出すなど、付加価値のある運用基盤にすることが求められました。
    一方、マーケットでの最適化とは、言い換えるとローカルの視点です。日本なら日本の市場や顧客ニーズに応じた商品・プロモーションを柔軟に行い、状況に応じてクイックな軌道修正ができることが重要だと考えました。

    今回のプロジェクトで重要なのはこの2つを両立させること、つまりグローバルブランドの世界観やプレゼンスを保ちつつ、日本向けにローカライズされた企画を実現するということです。

    ――なるほど。なかなか難しい部分だと思いますが、これを実現するために重要なことはどのようなことでしょうか?

    :まず、ECが持つべき機能の再定義が重要となります。本プロジェクトで目指していたECは、単にオンラインで商品を買うことができるシステムではありません。ECも顧客とのコミュニケーションの重要な接点と考えると、持たせる役割や考え方も変わってきます。それをふまえて、グローバルとローカルそれぞれで具体的にはどのような機能が必要なのかを1つずつ検討していきました。

    もうひとつは、マーケットの早い変化に対応できる仕組みです。これは、顧客の目に触れる部分であるフロント機能と、企業のオペレーションを問題なくこなすための基幹システムの分離をするという構築方法をとることで対応しています。

    ――SALOMONでのMagento Commerce導入は、大きな動きの中での、いわば試金石となる重要なプロジェクトになりますよね。優先順位とスコープを決めるにあたって、注視された部分をお聞かせください。

    岡本グローバルでの動きを見通す一方で、ローカルの視点も欠かせません。私は日本市場の売上最大化というミッションも担っているので、この先にグローバルに展開する共通仕様を考えながら、決済手段の最適化などローカルで必要となるポイントを織り交ぜていくことが必要でした。なので、そのバランスに配慮しましたね。

    ――グローバルを見据えたうえでのローカライズとは、具体的に何をどのように進めたのでしょうか。

    :例えば、Magento Commerceには、図のように「ホームページ」「PLP(商品一覧ページ)」「PDP(商品詳細ページ)」「ショッピングカート」「チェックアウト」といった形でテンプレートページが用意されています。この内容を元に、グローバルと日本でそれぞれ使う機能を満たしているか、また不足部分がないかなどを参照し、フィット&ギャップを図っていくイメージです。他の要件も細かく優先順位を定め、必要なローカライズを行いました。

     

    質の高いコンテンツをすばやく市場へ

    ――ではMagento Commerceの導入で、具体的にどういったことが可能になりましたか?

    岡本:主に3点あります。1つ目は、グローバルで統一された質の高い商品情報を、すばやく届けられるようになったことです。Magento1.9の時代は、市場ごとの最適化にとどまっていたので、同じ商品の情報でも国によって内容や見せ方にばらつきがありました。

    2つ目は、1つ目とも関連しますが、コンテンツ管理がしやすくなったことです。これまでは、各ブランドの本社で決定した情報を元に、日本向けの商品情報へと作り変えていました。今回を機に、本社からの情報を日本語訳するだけで、簡単にサイトに反映して顧客に届けられるようになりました。

    3つ目は、Magento Commerce外のシステムとのつなぎ込みです。ECには必要不可欠なオーダーマネジメントシステムはもちろん、ECで得たデータをマーケティングに活かすためのBIツールも連携し、活用に向けた整備が完了しました。その他、アクセス解析ツールや受注情報管理システム、CRM(顧客関係管理)ツールなど、デジタルマーケティングに必要なツール連携も整いました。

    ――ローカライズの観点では、決済システムにも配慮が必要そうですね。

    岡本:そうですね、ECの要になる部分だと思います。日本だとクレジットカード払いが6割ほどですが、コンビニ支払いや銀行ATM、ネットバンキングも使われています。日本ならではの手段として、カードに次いで代引きのニーズが高かったりするので、この要件を盛り込むのも不可欠でした。

    今後も日本独自で伸びるペイメントがあると思います。目下、取り組んでいるのはAmazon Payですね。将来的には、QRコード支払いなどへの拡大も検討しています。

     

    ブランド横断、さらにオン・オフ横断で生まれるシナジーに期待

    ――日本のSALOMONブランドへのMagento Commerce導入を経て、また今後のグローバルでのプラットフォーム統合を見据えて、ECビジネスとしての展望を伺えますか?

    岡本:今回アップグレードした自社サイト以外に、我々はマーケットプレイスや取引先様のECプラットフォームでも、顧客とのオンラインの接点を持っています。こうした場所との連動や役割分担を明確にして、どのチャネルから入ってこられた顧客にも、より深いブランド体験を提供したいと考えています。

    具体的には、外部チャネルから接触した方にも自社サイトに来ていただいて、今回のプロジェクトで充実させたコンテンツや、サイト限定のコレクションやイベント発信に触れていただけたらと思っています。自社サイトはショッピングの場であると同時に、我々のブランディングとオンラインマーケティングの場でもあるので、戦略的に付加価値を高めていきます。そのブランドのファン化を促進すると同時に、異なるブランドに接触していただくきっかけにもしたいですね。

    :今回のアップグレードで、グローバル連携とコンバージョンに至る導線の整備の両立を図りました。ブランドの世界観がよく伝わるコンテンツの充実や、見やすく選びやすいサイト体験そのものはCRMの観点でもプラスになりますよね。そうした部分を、今後さらに強めていかれるのですか?

    岡本:その通りですね。同時に、まだデジタル化が及んでいない領域もあるので、複数の観点で拡張を考えていきたいです。例えば、各地のスキー場に設置しているレンタル施設「サロモンステーション」の仕組みなどは、まだアナログです。こうした部分のCXも見直し、デジタル化を推進することで、よりオンラインとオフラインのシナジーが生まれると思っています。

    ――最後に、今回のプロジェクトの手応えなどをお聞かせください。

    岡本:今後グローバルに橋渡ししていくためのノウハウを、良い形で築くことができたと思っています。その部分では日本がグローバル全体に大きく貢献できたと手応えを感じています。お客様には、今回の刷新を通してより深いブランドの世界に触れていただき、また他のブランドもぜひ知っていただいて、スポーツライフの充実に我々が貢献できたら幸いです。

    :長期的な視点と広い視野が求められるプロジェクトに併走させていただき、我々の知見にもなりました。各ブランドの熱心なファンの方にも、ビギナーの方にも、新しい発見や楽しみをお届けできるサイトになっていくのではないかと思います。今後も、アメアスポーツさん全体の先進的な取り組みをご支援させていただけたら嬉しいです。

    岡本 真悟 おかもと しんご
    アメアスポーツジャパン デジタルコマースDirector
    国内大手EC企業に10年勤務後、外資系アパレル企業を経て2019年アメアスポーツ入社。現在は自社EC(SALOMON, ARC’TERYX, SUUNTO)、デジタルマーケティング、E-tail組織を統括。

     

    平 博介  Hiroyuki Taira
    プラットフォームコンサルティング部  シニアプロジェクトマネジャ-
    2014年に電通アイソバー(旧:電通レイザーフィッシュ)に参画後、アドビ社のCMS製品であるAdobe Experience Managerの導入や、コンテンツ制作の内製化支援を実施。現在は、Magentoを中心としたEコマース製品の導入や運用支援を担当。

     

    ○ライター : 高島 知子

    CX UPDATES

    緊急事態宣言やまん延防止措置で影響の中小企業20万円/月・個人事業者10万円/月(上限)を支援する「月次支援金」とは

    5 years ago
    6月から申請の受け付けを始める「月次支援金」は、中小企業は20万円/月(上限)、個人事業者は10万円/月(上限)を支援する制度。要件や条件などをまとめた

    2021年4月以降の「緊急事態措置」「まん延防止等重点措置」に伴う「飲食店の休業・時短営業」「外出自粛等」の影響で、売り上げが50%以上減少した中小法人などに上限20万円/月、個人事業主などに上限10万円/月を給付する「月次支援金」。経済産業省は4-5月分の申請を6月中下旬、6月分は7月1日から始める。給付条件などを解説する。

    「月次支援金」とは

    「緊急事態措置」「まん延防止等重点措置」に伴う「飲食店の休業・時短営業」「外出自粛等」の影響で、2021年の対象月の売り上げが2019年または2020年の基準月(2021年の対象月)の売り上げと比較して、50%以上減少した中小法人、個人事業者などに、事業の継続・立て直しのための支援金を給付する制度

    「月次支援金」の給付は2021年1月に発令された緊急事態宣言の影響緩和のための給付金制度「一時支援金」の仕組みを採用。事前確認や提出資料を簡略化し、申請者の利便性を高めるとしている。

    月次支援金の概要
    月次支援金の概要

    給付要件について

    • 2021年の対象月の「緊急事態措置」「まん延防止等重点措置」に伴う飲食店の休業・時短営業、外出自粛などの影響を受けていること(同措置が実施されている地域で休業または時短営業の要請を受け、休業または時短営業を実施している飲食店と直接・間接の取引がある、または、同措置が実施される地域における不要不急の外出・移動の自粛による直接的な影響を受けていること)
    • 2021年の月間売上が、2019年または2020年の同月比で50%以上減少していること

    飲食店の休業・時短営業の影響関係について

    1. 対象飲食店に対して商品・サービスを反復継続して販売・提供してきたが、対象飲食店が2021年の対象月に緊急事態措置などで休業・営業時間短縮。これにより、対象月に飲食店との直接取引からの事業収入が減少したことによる影響
    2. 対象飲食店に対して、商品・サービスを自らの販売・提供先を経由して反復継続して販売・提供してきたが、1の影響で対象月における自らの販売・提供先との取引からの事業収入が減少したことによる影響
    月次支援金 飲食店の休業・時短営業の影響
    飲食店の休業・時短営業の影響

    外出自粛などの影響関係について

    1. 緊急事態措置などを実施する都道府県の個人顧客に対して、商品・サービスを継続的に販売・提供してきた。しかし、対象月の対象措置によってその個人顧客が外出自粛などで、対象月に同個人顧客との取引からの事業収入が減少したことによる影響
    2. 1の影響を受けた事業者(以下「関連事業者」)に対して、商品・サービスを反復継続して販売・提供してきたが、1の影響で対象月に関連事業者との直接の取引からの事業収入が減少したことによる影響
    3. 関連事業者に対して、商品・サービスを販売・提供先を経由して反復継続した販売・提供してきたが、1の影響で対象月に自らの販売・提供先との取引からの事業収入が減少したことによる影響
    月次支援金 外出自粛等の影響
    外出自粛等の影響

    給付対象

    次の1または2の要件を満たす事業者は、業種や所在地を問わず給付対象となり得るという。

    1. 対象措置を実施する都道府県に所在する飲食店と直接・間接の取引があることによる影響を受け、2021年の月間売上が2019年または2020年の同月比で50%以上減少していること
    2. 対象措置を実施する都道府県に所在する個人顧客と直接的な取引があることによる影響を受け、2021年の月間売上が2019年または2020年の同月比で50%以上減少していること
    月次支援金 給付対象となり得る事業者の具体例
    給付対象となり得る事業者の具体例
    月次支援金 給付対象となり得る事業者の具体例
    給付対象となり得る事業者の具体例
    月次支援金 給付対象となり得ないケース
    給付対象となり得ないケース

    月次支援金の支給額と計算方法

    2021年の4月以降の対象月と、2019年または2020年の基準月と比べて月間売上が50%以上減少している中小企業や個人事業者で、1か月あたり、中小企業などの上限は20万円/月、個人事業者などは10万円/月。

    2021年4月以降の対象月の売り上げと、2020年または2019年の基準月の売り上げの差額分が給付額になる(上限がある)。

    申請の受け付けは、4月と5月分は6月中下旬から、6月分は7月1日から。

    なお、「緊急事態措置」「まん延防止等重点措置」が複数月にわたる場合、新たに対象措置が実施されて対象月が増えた場合などは、それぞれの月において売り上げが50%以上減少し、必要な給付要件を満たせば、申請を行うことができるとしている。

    月次支援金 給付額の計算方法(中小法人などの通常申請の場合)
    給付額の計算方法(中小法人などの通常申請の場合)
    月次支援金 給付額の計算方法(個人事業者等の通常申請の場合)
    給付額の計算方法(個人事業者などの通常申請の場合)

    事業活動に季節性があるケース(夏場の海水浴場など)における繁忙期、農産物の出荷時期以外など、通常事業収入を得られない時期を対象月として給付を申請する場合は給付対象外。売上計上基準の変更、顧客との取引時期の調整による対象月の売上減少、単に営業日数が少ないことによる対象月の売上50%以上減の場合は、給付要件を満たさないとしている。

    月次支援金申請に必要な書類

    • 本人確認書類/履歴事項全部証明書(中小法人などのみ)
    • 2019年対象月同月および2020年対象月同月をその期間に含む全ての確定申告書の控え
    • 2019年1月から2021年対象月までの各月の帳簿書類(売上台帳、請求書、領収書など)
    • 2019年1月以降の事業の取引を記録している通帳
    • 代表者または個人事業者など本人が自署した「宣誓・同意書」

    申請前に、登録確認機関で事前確認を受ける必要がある。

    月次支援金 手続きの概要
    手続きの概要

    3 申請者の利便性向上のために「一時支援金」の仕組みを用いるため、「一時支援金」受給者は、事前確認や提出資料を簡略化できる。

    また、2回目以降の「月次支援金」受給(たとえば、4月分を受給し、5月分を受給申請する場合)をする場合も、提出資料を簡略化できるとしている。

    月次支援金 「一時支援金」または「月次支援金」を受給した場合の申請の流れ
    「一時支援金」または「月次支援金」を受給した場合の申請の流れ

    手続きはオンラインで行う予定。また、オンラインでの申請が難しい場合は、事務局で申請サポート会場を設置するとしている。

    瀧川 正実
    瀧川 正実

    Visaが提言する3つの消費トレンド&ECビジネスの不正利用対策

    5 years ago

    Visaは、オンラインで実施した「Asia Pacific Visa Security Summit」で、アジア太平洋地域における消費者行動の変容に関する主なトレンドと、1500以上のパートナーやクライアントに対して商取引環境の変化に応じた強固な決済体験の必要性を解説した。

    新型コロナウィルス感染症拡大で、「健康や安全の観点から非接触決済のニーズの拡大」「オンデマンドのeコマース体験に関するサービスの質とスピードに対する期待の高まり」「eコマースと実店舗におけるショッピングの境界があいまいになっている」――この3点を、アジア太平洋地域における主なトレンドとして消費者行動の変容を説明した。

    非接触決済

    消費者は健康と安全を重視し、非接触決済やタッチ決済に注目するようになる。アジア太平洋地域では現在、Visaの対面取引の2件に1件が非接触決済。Visaは、非接触決済が現金決済に取って代わり、企業や消費者の一般的な決済方法になると考えている。

    オンデマンドのeコマース体験

    ショッピングの際、商品やサービスをいつでもどこでも手に入れられることが求められるようになる。スピーディーかつスムーズで便利なショッピング体験と決済体験が必要となる。

    eコマースと実店舗でのショッピングの境界線があいまいに

    Visaのデータによると、旅行を除き世界のeコマースに使われる決済情報は、対前年四半期比で20%以上増加。一方、インドとシンガポールにおけるeコマースの決済金額は、直近の3四半期比で平均30%以上増えている。消費者が実店舗でのショッピングを再開した後も、eコマースの成長は引き続き堅調で、この変化は継続すると予想する。

    ◇◇◇

    パンデミックが契機となった商取引トレンドの変化により、消費者は新しいショッピングや取引の手段へと移行。こうした変化に伴い、不正利用は従来の取引からデジタルコマースに移行。Visaはそれらに対処するため、決済業界が積極的な措置を講じるよう呼び掛けている。

    「2021 Asia Pacific Visa Security Summit」は、アジア太平洋地域最大の決済セキュリティーイベントの1つ。2021年5月18~21日に実施。消費者行動パターンの変化に対応した企業の体制作りなどについて議論が交わさた。

    石居 岳
    石居 岳

    若者がよく利用するSNSはLINEで約8割、FBは約20%。緊急事態宣言中の外出理由は「買い物をする」が7割

    5 years ago

    東京都が実施した若者(15歳以上から30歳代)へのオンラインアンケート調査によると、よく利用する「SNS・Webサイト」でLINEが約8割で最多となった。

    いくつかの選択肢を用意し回答者に選んでもらう選択回答形式で、「この中でよく利用するSNS・webサイトは何ですか」と質問、LINEが79.3%で最多だった。「YouTube」が64.1%、「Twitter」が55.8%、「Instagram」が49.6%で続いた。「Facebook」は20.8%だった。

    東京都が実施した若者(15歳以上から30歳代)へのオンラインアンケート調査
    よく利用するSNS・Webサイトについて

    緊急事態宣言中に「外出をする主な目的」について聞いたところ、最多は「買い物をする」で70.2%。「散歩や運動を行う」が40.8%で続いた。

    東京都が実施した若者(15歳以上から30歳代)へのオンラインアンケート調査
    外出をする主な目的について

    「緊急事態宣言期間中、通学・仕事以外で、平均して週何日ぐらい外出をする予定ですか」という設問では、「週1日」が最多で27.7%、「週0日(外出予定なし)」が25.2%で続いた。

    東京都が実施した若者(15歳以上から30歳代)へのオンラインアンケート調査
    通学・仕事以外での外出予定について

    東京都は、新型コロナウィルス感染症防止に関し、若い世代の外出自粛などについて効果的な呼びかけを行うために、意識や行動に関してオンラインアンケート調査を実施した。

    調査概要

    • 調査方法:インターネット調査
    • 調査対象:東京都に住所を有する10代(15歳以上)から30代、1300人
    • 実施期間:2021年5月17日(月)から5月18日(火)まで
    • 調査項目:通学・仕事以外で、外出する頻度・目的・理由、「路上飲み・公園飲み」の経験の有無、外出を控える気持ちになる呼び掛け方、新型コロナウイルスに対して思うことなど
    瀧川 正実
    瀧川 正実

    ECでのAmazonとGoogleの競争が激化。中心にいるのはShopify?【ネッ担まとめ】 | ネットショップ担当者が 知っておくべきニュースのまとめ

    5 years ago
    ネットショップ担当者が読んでおくべき2021年5月17日〜23日のニュース
    ネッ担まとめ

    Shopifyとの提携強化を発表したGoogle。しかし、そのShopifyとデータを中心とした新たなECの仕組みも動きつつあります。主役は誰なのでしょうか?

    GoogleはECの拡大に必死

    GoogleがShopifyとの提携を強化 ?コマーステックが行き着く未来とは | REWIRED
    https://rewired.cloud/2021/05/20/google-shopify-partnership/

    まとめると、

    • Googleは5月18日、「Google I/O」の中でShopifyとの提携強化を発表した。Shopifyの利用者がGoogleとのデータ統合をよりシームレスに行うことができ、検索等の各サービスを通じて消費者にリーチしやすくなる
    • Googleにとってマーチャントセンターは重要であり、ここに情報を集めるためにあらゆるアップデートが行われている。マーチャントセンター=シェアを拡大するためにも手数料は請求しないし、請求しなくてもやっていける
    • Googleレンズ」によって、あらゆる画像(スクリーンショット)がショッピングの入口になる
    • CivicScience社が2020年5月に行った調査によると、回答した2,200人の米国人の約半数(47%)がAmazonをショッピングのスタートページとしており、Googleは24%だった

    Facebookショップの手数料は5%(8ドル未満の場合は40セント)、eBay は10%(最大750ドル)、Amazon の小口セラーは1点あたり99セント(日本は1点あたり100円)+総額に対する販売手数料がかかりますので、他のプラットフォームでは利益を出すのが難しいマーチャントでも、Googleとなら生きていけるわけです。

    どちらにシェアをとってほしいか、販売者の側からはすでに答えは出ているといえます。ユーザーがどちらを選ぶかは別にして。

    GoogleのEC強化がより鮮明になってきました。すでに提携しているShopifyとより強固に提携すると発表するくらいですから。そして、Googleでのあらゆる検索行動と商品を結び付け、YouTubeと商品の接続も進んでいます。すでに広告収入で利益が出ているために他とは違い手数料を取らなくても良いのが強み。EC事業者の皆さんは御存じの通りで、わずかな手数料でもいろいろなサービスを利用するとその積み重ねはばかになりませんからね。

    とはいっても、日本の場合は価格の比較ならカカクコムが普及していますし、買うものが決まっていれば、Amazon、楽天市場、Yahoo!ショッピングのどこかでほぼ買えますので、そこにどうやってGoogleが食い込んでくるのかは見ものです。

    関連記事

    ECで重要なのはデータの持ち方

    App Unity とLINE業務提携の発表を終えて | kenko69 | note
    https://note.com/kenko69/n/n6d0d6964708b

    まとめると、

    • ECモールには「集客」「商品」「カート」「決済」「配送」といった一通りの機能がパッケージになっていた。しかし、各機能の複雑化が求められると共に、Shopifyに代表されるヘッドレスコマースの出現で分割化が進んでいる
    • 集客であればGoogle、Facebook、Instagram、LINE、などのように多数のプラットフォームがあり、それぞれが進化している。商品やカート、決済や発送も同様
    • 米国では分割したものをさまざまなコマースプラットフォーム、リテールプラットフォームに再び束ねる動きも始まっている

    ユーザーとの接点を生むプラットフォームは次々出現しますし、それに合わせた新しいプロモーション手法も生み出されます。それと同じスピードの進化がそれ以外の領域でも並行して起こる中で、コマースプラットフォームさんが自社だけ全てをアップデートしていくことはもはや不可能なのです。
    なので、コマースプラットフォームの事業者さんは、自社のコアコンピタンスにしっかりリソースを投下し、それ以外についてはアンバンドルされた各機能を提供する各社と協力体制を作りながら、総合的に価値を提供していく、という方向になっていくと考えます。

    ECに関わるジャンルで個別に進化と競争が始まっています。どこか1つの集客方法、どこか1つの決済方法だけではやっていけないのは実感されていますよね。であれば、根っこの商品データは自社でしっかり整備しておいて、その周辺はデータでつなげてしまえばいいのでは? というのが「ヘッドレスコマース」の考え方です。そして、今までは1つになっていたものをバラバラにするのが「アンバンドル」。そのバラバラにされたものが商品や決済を再び束ねる動きも出てきていて、それが「リバンドル」。もうわけがわからない世界です。

    EC事業者は何をすればいいのか ? それはデータの整備です。商品データ、顧客データ、販売データなどを自社でしっかりまとめておいて、いつでも取り出して加工できるようにしておくということです。データはAmazonやShopify、Google広告などにつなぎ込めば問題なく動く世の中が目の前に迫っています。

    現在使っているカートなどはデータを抜き出すことができるでしょうか。抜き出せなければ、他につなぎこむ込むこともできまず、使えないサービスが増えてきます。使えたとしても機能の半分も使えないでしょう。

    ちょっと先のECを考えるのであれば「データの持ち方」を整備しておくべきです。幸いなことにまだ時間はありますので、今のうちに考えておいてください。いざというときに焦って動くと、某メガバンクのような事態になってしまう可能性が高いです。ECを伸ばしたいのならデータの整備から。これを覚えておきましょう。

    関連記事
    • フィードフォースがハックルベリー社と業務提携 国内向けShopifyアプリ提供の企業アライアンス設立 | ECzine
      https://eczine.jp/news/detail/9163
    • イオングループのスポンサードスポーツユニフォーム制作サービス「Outfitter」。想定以上の売り上げを達成したECサイト構築の裏側 | ネットショップ担当者フォーラム
      https://netshop.impress.co.jp/node/8590

    EC全般

    変化が起こったこの1年、EC利用にはどう影響した?数字でよみ解くEコマース[2021年1月~3月 futureshopサービスまとめ] | futureshop
    https://www.future-shop.jp/magazine/infographic-2020ec-4

    期間中の注文件数は昨対比147.68%。ということは、4月~6月はもっと伸びているはずですね。

    モール透明性向上のための取組のご紹介 | Yahoo!ショッピング
    https://business-ec.yahoo.co.jp/shopping/digitalplatformer/

    「検索順位の決定の仕組みについて」などが書かれています。時間のある時に読んでおきましょう。

    事業者がキャッシュレスを導入しない理由は手数料が高いからだけではない | コムサポートオフィスブログ
    https://www.com-support-co.jp/blog/14978

    データの世界とは対照的な世界。ここに居続けるのであれば現金だけでもいいですが、拡大はしないですよね。

    楽天が独自の配送サービス「Rakuten EXPRESS」を終了へ。ラストワンマイルは日本郵便などへ移管、出店者への影響はなし | ネットショップ担当者フォーラム
    https://netshop.impress.co.jp/node/8729

    楽天だけで人口カバー率を上げるのはかなりのコストがかかるという判断のようです。

    自社ECはかっこつける場ではない 等身大で商売するショート動画の可能性とFirework活用を考える | ECzine
    https://eczine.jp/article/detail/9121

    「自社ECでは小手先のハックで売上を上げるという既存の固定観念からは脱却しましょう」。とのこと。

    ネットショップ動向調査~小規模/大規模ネットショップ~ 月商1000万円未満/1000万円以上のそれぞれのWeb担当者に聞いた。 月商1000万円以上のWeb担当者の約半数がカスタマージャーニーを重視していた! | Webly
    https://www.ecmarketing.co.jp/contents/archives/1397

    EC事業者のSNS利用実態調査レポート | デジタルシェルフ総研
    https://itsumo365.co.jp/lab/13156/

    このデータを見ると小手先のハックで売上を上げようとしている人が多そうです。

    通販番組で「街頭インタビュー」流す本当の理由 | 東洋経済オンライン
    https://toyokeizai.net/articles/-/424829

    通販もCMも結論から流しますよね。であればネットショップも情報の出し惜しみをしないこと。

    今週の名言

    私たちが大事にしているのは「事業規模に関係なく、品質で正しく評価をされること」

    カンブリア宮殿の放送を終えて。食べチョクのこれまでとこれからをまとめます。 | 秋元里奈@食べチョク代表 | note
    https://note.com/akirina/n/n115090cd9c6a

    大きな会社だから信頼できるのではなく、信頼できる会社だから大きくなれるということですね。

    森野 誠之
    森野 誠之

    エイベックスのEC売上は37%減の89億円(2021年3月期)、コロナ禍の影響が響く

    5 years ago

    エイベックスの2021年3月期におけるEC売上高は、前期比37.3%減の89億3200万円だった。

    新型コロナウィルス感染症拡大で、観客を動員するライヴやイベントの中止、延期、規模縮小による開催が相次ぎ、ライヴ・イベントの積極的な開催が困難となったことが影響した。それに伴い、音楽コンテンツの企画・制作・販売を行う「音楽パッケージ」が減収し、ECにも響いた。DVDやブルーレイなどの販売落ち込みが影響した。

    エイベックスの2021年3月期におけるEC売上高
    デジタル・プラットフォーム事業の売上高(画像はIR資料から編集部がキャプチャ)

    DVDやブルーレイなどを販売している「音楽パッケージ」事業の売上高は同20.4%減の205億8800万円。2021年3月期はライヴの公演数が前の期と比べて約8割減ったことに伴い、グッズなどの企画・制作・販売を行う「マーチャンダイジング」事業の売り上げが減少したこともECの減収に影響した。「マーチャンダイジング」事業の売上高は、同75.6%減の21億1800万円。

    エイベックスの2021年3月期におけるEC売上高
    音楽事業の売上高(画像はIR資料から編集部がキャプチャ)

    新しい取り組みとして「a-nation online 2020」などのオンラインによるライヴやイベント開催、オンラインによるアーティスト公式グッズの販路拡大など、デジタル技術の活用を強化した。

    なお、2021年3月期からセグメント分けを刷新。音楽事業に含まれているデジタル・プラットフォーム事業(EC/ファンクラブ/チケットサービス)をデジタル事業へ統合し、デジタル・プラットフォーム事業に再編している。

    石居 岳
    石居 岳

    ハワイのコーヒー農園見学やワークショップをオンラインで。UCCコーヒー、JTB、BeeCruiseが共同開催

    5 years ago

    BEENOSグループのBeeCruiseはUCC上島珈琲、JTBと共同でアジア向けオンラインツアー「UCCコーヒー×JTB×BeeCruise特別企画 UCCコーヒーの美味しさとその秘密を知る オンラインライブ中継見学ツアー (抽出実習付き)」を実施する。主な対象者はアジア圏の越境ECの代理購入サービス「Buyee(バイイー)」ユーザーで、初回は2021年7月3日(土)。

    コーヒーの淹れ方も学べるオンラインツアー

    オンラインツアーでは、ハワイにあるUCCコーヒー直営農園、神戸市にあるUCCコーヒー博物館からライブ中継を実施。案内はすべて英語で行う。ライブ中継ではないが、UCC六甲アイランド工場での品質検査や製品化までの加工工程などの映像も配信する。

    直営農園からは、コーヒー栽培やコーヒー焙煎のようすなどを参加者からの質疑応答を交えて配信する。場合によっては農園で働くスタッフとのコミュニケーションも行うという。

    BEENOS BeCruise JTB UCC上島珈琲 オンラインツアー アジア向け ツアー内容とタイムテーブル
    オンラインツアーの内容とタイムテーブル(説明会資料からキャプチャ)

    事前に「Buyee」(日本の通販商品・オークションの代理購入・代理入札サービス)に会員登録したツアー参加者には、ドリップコーヒーのギフトセット「チョコフルチーズに合うセット(6個入り)」を郵送する。

    BEENOS BeCruise JTB UCC上島珈琲 オンラインツアー アジア向け チョコフルチーズに合うセット
    「チョコフルチーズに合うセット(6個入り)」。チョコレートやフルーツ、チーズに合うドリップコーヒーとパーペードリッパーのセット(画像はUCCオンラインショップからキャプチャ)

    ツアー当日は届いたセットを使用し、自宅でプロの抽出方法やフードペアリングを学びながら、自分自身でコーヒーのドリップに挑戦するワークショップを行う。

    BEENOS BeCruise JTB UCC上島珈琲 オンラインツアー アジア向け ワークショップのデモンストレーション
    ワークショップのデモンストレーション

    ツアーの所要時間は150分でZoomを利用する。定員は20人で、費用は6000円。初回の7月以降、9月と11月に実施予定。

    「日本ロス消費」を取り込む

    近年、アジアのコーヒー需要に伴い、UCCコーヒー博物館への海外からの来館者が増加していたが、新型コロナの影響により2021年5月現在は来館できない状況になっている。一方で、在宅時間の増加により、コーヒーの愛飲者が増加していると予想する。

    BEENOS BeCruise JTB UCC上島珈琲 オンラインツアー アジア向け
    UCC上島珈琲が運営するコーヒー全般について学べる教育機関「UCC COFFEE ACADEMY(ユーシーシー コーヒー アカデミー)」では、2020年からライブセミナーやオンライン講座を実施しており、そこで得た経験を生かすという。

    コロナ禍でインバウンド需要が激減する一方、訪日できないことから「日本ロス消費」が発生、日本商品の購買はオンライン上の越境ECに移行しているという。2020年度の「Buyee」の流通総額は前年比22.3%増加と過去最高を記録した。

    今回のツアー実施に際し、BeeCruiseは次のようにコメントした。

    「カップから農園まで」を理念とするUCCコーヒーによる上質なコンテンツの提供と、JTB監修による充実したオンラインツアー体験、そしてBeeCruiseによる海外代理購入サービス「Buyee」を活用した一気通貫の販売サポート体制の構築により、拡大するオンラインツアー市場において、参加するだけではなく、参加者自身の行動を伴う体験を提供することで、その先の消費行動の喚起を図ります。

    藤田遥
    藤田遥

    【ナイキのDX事例】アスリートの孤独に寄り添うNIKE+、NIKE Run Club、NIKE Training Clubのアプリとデジタル戦略 | DX経営図鑑(全8回)

    5 years ago
    辛い運動トレーニングも、エンターテインメント性と科学的アドバイスで乗り越えられます。ユーザー目線が嬉しいNIKEのデジタル活用術とは。
    DX経営図鑑

    この記事は、書籍『DX経営図鑑』の一部を特別にオンラインで公開しているものです。

    Part 1「世界のDX事例と価値交換の仕組み
     》 DX Case 6「NIKE 稀代のマーケティング巧者が目論む、超高速の価値提供サイクル
     》 2「急激なデジタルシフト──NIKE+からのトリプルダブル戦略」より

    「マーケティングのNIKE」に突如テクノロジーの香りを添えることになったのは、NIKE+(ナイキプラス)です。

    NIKE+は2006年、AppleのiPodと連携して始まった活動量測定デバイスおよびソフトウェアサービスです。専用の小型センサーをシューズ内に埋め込み(内蔵ポケットのある専用シューズがある)、その走行データをiPodに送って表示させる仕組みです。

    やがてiPodの軽量化が進むと、トレーニング中に音楽を聴くことが容易になりました。NIKEはさらに、活動量を正確にデータ測定する機能を追加し、一般人のトレーニング行為にエンターテインメント性と科学的レビューを持ち込みました。

    さらにiPodがジャイロセンサー(角速度センサー)内蔵になると、シューズへのセンサーの埋め込みが必要なくなりました。2008年にはSport bandという腕輪型のNIKE製ウェアラブル・デバイスによって、iPodなしでも測定が可能となり(NIKEウェブサイトでデータ確認)、以後NIKE+はiPhoneやApple Watchを含めたさまざまなデバイスに対応していきます。最終的には、スマートフォン上のスポーツアプリでナンバーワンのシェアを獲得するに至りました。

    2倍のイノベーション、2倍のスピード、2倍の直販

    2018年、NIKE+は突然終了します。しかし、2019年にはランニングに特化したNRC(NIKE Run Club)と、ジムトレーニングに特化したNTC(NIKE Training Club)によって、そのコンセプトは継承されました。

    NIKE+の終了からNRCへの転換の背景にあるのが、「トリプルダブル」といわれるNIKEの戦略です。

    2017年、伝説的なCEOマーク・パーカーが打ち出したこの戦略は、“2X Innovation, 2X Speed and 2X Direct”という言葉が示す通り、「2倍のイノベーション、2倍のスピード、2倍の直販」を目標にしました。商品そのものに加え、NIKE+などの周辺サービスを含めたイノベーションと、それを世に先んじてリリースする市場投入スピードをさらに上乗せし、そのうえ「直販」による売上を2倍にするという戦略で、各方面に衝撃を与えました。

    また、NRCとNTC発表の同年にリリースされた「NIKE SNKRS(ナイキ・スニーカーズ:スニーカー専用の直販アプリ)」と「NIKE(NIKEブランド全般の直販アプリ)」は、NIKE直販の代名詞的な存在になります。これらアプリの誕生の背景には、Amazonによる小売流通業の大刷新と、世界的なスニーカーブームがありました。

    Amazonショックによる伝統的小売業の破壊によって、スポーツグッズ量販店であるSports Authorityなどは倒産に追い込まれました。これまでの強力な販路が衰退すると、2015年頃から、スポーツとアパレルの販売主導権がeコマース企業に移行し始めます。さらに、スニーカーブームによってレアモデルの偽物がオンラインで出回るようになります。

    NIKEとしては、新しい消費チャネルへの対応と、ブランド毀損へのディフェンス、そして利益率の確保を兼ね揃える意味で、前述の戦略の一部である“2X Direct”は最重要課題となったわけです。

    また、NIKEは2018年のブラックフライデー直前に、House of Innovation 000と呼ばれるフラッグシップショップ(旗艦店)をニューヨークに設置しました。NIKEアプリによる購買受け取り、予約受け取り、試着予約が可能で、店舗内の決済もNIKEアプリを使えばレジに並ぶことなく完結します。この旗艦店の001は上海に、002はパリにオープンしており、いずれ東京にも上陸することでしょう。

    NIKEが取り去るペイン
    ──2つの普遍的な苦痛の除去

    NIKEはスポーツメーカーとしては比較的新しく、斬新なマーケティング手法を展開してきたとはいえ、伝統的な製造工程と商流によって成長した、伝統的メーカーといえます。

    そのNIKEが大きくプロセス変革をしたのは、2006年のNIKE+から始まったデジタルシフトです。NIKE+はデータ測定をトレーニングに持ち込むことで、2つのペイン除去に貢献しています。

    1つは、測定や分析という難しくわずらわしい作業を個人レベルでも可能にしたことです。従来、科学的なトレーニングをするには、タイム計測の機材はもちろん、その履歴を細かく記録し、成長進捗を管理する必要がありました。NIKE+は本格的で科学的なトレーニングの実行プロセスを圧縮したことで、特別な機材を用意したり環境が整わなくても、個人で自主トレや毎日の健康管理ができるようにしたのです。

    もう1つは、NIKE SNKRSなどの直販アプリによって、メーカー直販という「入手手段の価値」を消費者に提供したことです。こだわりのない消費者は売られている商品の中から最善のものを選びますが、熱心なファンは欲しい商品をどうしても手に入れたいと考えます。その商品が量販店やAmazonで欠品すると、公式店舗や大型量販店がない地方在住者などは、人気商品が入手困難であるというペインに悩まされます。さらには、転売業者によって価格が高騰したり、二次流通による詐欺被害にあったりという新しいペインも生み出されるかもしれません。

    NIKE直販アプリは、人気商品の抽選予約販売や定番商品の公式販売を通じて、地理的に入手不利というペインをフェアな状態にしました。メーカー直販による正価流通を守ることで、転売や詐欺被害への回避ルートも提供しました。NIKEはデジタル販売施策を通じて、地域格差や暴利搾取という「不条理」のペイン除去に挑戦しています。

    NIKEが生み出すゲイン
    ──トレーニングとアイテム入手を楽しみに変える

    NIKE+は個人レベルでも科学的なデータトレーニングを可能にする世界を実現したわけですが、これによってあらゆるアスリートが得られる恩恵は、進捗が可視化できることの安心感、そして達成感でしょう。本来、アスリートの達成感とは公式試合の結果で得られるものです。しかし、試合でのパフォーマンスはほんの一瞬であり、アスリートが費やす時間のほとんどはトレーニングという「苦痛」です。トレーニング中のアスリートは、「この努力は本当に正しい方向に向かっているのか?」「自分は昨日より伸びているのか?」という不安と常に戦っています。専門的な施設や組織では、精密なトレーニングプログラムと進捗管理が提供されますが、個人レベルではそうもいきません。NIKE+によって進捗が可視化されることで、多くの草の根アスリートがもつ「自分の現在地への不安」は「自分の未来への伸びしろ」という価値に生まれ変わり、日々の修練に達成感を得られるようになりました。

    欲しいアイテムを入手できるフェアネス

    直販アプリによって、入手したいアイテムをいつでもどこでも買うことができるようになりました。例えば、地方の小さな町に住んでいたら、欲しいサッカースパイクを手に入れるために2時間かけて札幌のプロショップへ出向いたり、地元のスポーツ店に注文して納品まで2〜3ヵ月待ったりということもあるでしょう。

    本来、eコマースが提供していた「流通の地理的不利を消し去る」という価値は、Amazon型モールでの転売業者の出現やオークションサイトの浸透によって新しいペインに相殺されてしまいました。NIKEはそこに直販というルートを大々的に設け、「あのシューズで明日はもっとタイムを上げたい」というアスリートの思いに応えます。入手とトレーニング環境の公平性──「フェアネス」という当然のゲインを、デジタル直販とトレーニング支援アプリによって提案しているのです。

    デジタルの積極活用と、根源的なブランド力への回帰

    「アスリートの成功のためにNIKEは存在する」というのがブランドアイデンティティーであり、NIKEの約束です。NIKEが現代もなお、ナンバーワンでいられるのは、このアイデンティティーや「Just Do It(行動あるのみ)」というブランドスローガンからぶれることなく、デジタル戦略を立案し、実行しているからでしょう。

    一瞬の成果のために苦痛を伴う日々のトレーニングにいそしみ、1秒でもタイムが縮むなら少しでも高性能のシューズを手に入れたい。NIKE+はそのトレーニング効率をより向上させ、高性能アイテムを高速で市場に投入し、可能な限り公正な入手手段を提供しています。そのためには、NIKEブランドそのものが「勝つためにどうしても欲しい商品」であり続けなくてはなりません。NIKEの「トリプルダブル」戦略は、デジタル時代のマーケティング戦略の成功例として捉えられることが多いのですが、革新的な製品を高速で市場リリースし続けるという至上命令も課されているのです。すなわち、超高速で商品開発と市場提供を行いながら、常に「欲しいブランド」であり続けるからこそ、NIKEのデジタルマーケティングは成功しています。NIKEのDXの本質は、デジタルによる新しい価値提供とともに、これを生み出すための研究開発・生産・マーケティングの全てにおいて壮大な構造変革を行っていることなのです。

    コロナ禍直前の2020年1月、マーク・パーカーCEOは退任し、eBay出身でPayPal会長でもあるジョン・ドナホーが後任となることを発表しました。デザイナーからCEOに上り詰めたパーカーによる「クリエイティブのNIKE」は今後、ドナホーによる「デジタルのNIKE」にシフトするでしょう。NIKE+に始まったNIKEのDXはいわば第1章であり、今後のさらなる進展が見込まれます。

    • 著者: 金澤 一央、DX Navigator 編集部
    • 発行: 株式会社アルク
    • ISBN: 978-4757436787
    • 価格: 2,310円(税込)

    勝てるDXの本質
    ~次に生き残るのは、誰か?~

    世界の伝統的企業やスタートアップがいち早く取り組んできたDXの数々。各事例をつぶさにレポートしてきた「DX Navigator」編集部の知見をまとめ、事例分析と価値提供のプロセスを可視化した一冊です。

    本書は世界全32社のDX事例を収録。いずれも、顧客/ユーザー視点での「ペイン(苦痛)」と「ゲイン(利得)」を切り口に、顧客/ユーザーが最終的に得た「価値」について解き明かします。

    Part 1では、従来の商習慣や価値提供の概念を新しい基準に転換させた「ゲームチェンジャー」である9社―Netflix、Walmart、Sephora、Macy’s、Freshippo、NIKE、Tesla、Uber、Starbucks―を取り上げます。

    Part 2では、海外のスタートアップを中心に日本企業も加えた23社の事例を、業界別に紹介。多くの顧客/ユーザーから支持を得た、各社のエッジが効いた斬新なアイデアとその背景に鋭く迫ります。

    日本の「DXブーム」には問題も潜んでいます。DXとは単なる技術導入やカイゼンを言い換えた言葉ではなく、「ユーザーが最終的に得る価値」を見つめ、新しい価値提供の仕組みを創り出すということ。これからも続く企業の変革、世の中の変革のなかで、次に生き残るのは誰か?

    金澤一央+DX Navigator 編集部
    金澤一央+DX Navigator 編集部

    自社再生紙で紙媒体の社内報を発行、「紙の価値」「自然環境」の2視点を社内に啓発

    5 years ago

    DINOS CORPORATION(ディノス コーポレーション)は今年度、社内業務で排出されるコピー用紙など古紙を回収し、セイコーエプソンの製品である乾式オフィス製紙機「PaperLab」で再生したR100(古紙パルプ配合率100%)自社再生紙による紙媒体の社内報を発行する。

    カタログ通販企業として、従業員に対し社内古紙を社内報へとアップサイクルすることを通じ、紙の価値と自然環境の2つの視点を同時に伝えていく役割も担っている。

    DINOS CORPORATION(ディノス コーポレーション)は今年度、社内業務で排出されるコピー用紙など古紙を回収し、セイコーエプソンの製品である乾式オフィス製紙機「PaperLab」で再生したR100(古紙パルプ配合率100%)自社再生紙による紙媒体の社内報を発行
    DINOS CORPORATIONの社内報

    社内複数か所に専用ボックスを設置して古紙回収を促し、不要となった保存書類なども併せてA4サイズの古紙を回収。これら約1万3000枚から、独自技術ドライファイバーテクノロジーでオフィスでの紙循環を実現したセイコーエプソンの「PaperLab」を用いて、150g/平方メートルの厚みでA3サイズ3000枚を製紙、社内報用紙として使用する。

    「PaperLab」に回収したA4古紙を挿入、毎時216枚の150g/平方メートル・A3用紙が誕生する。同製品はオフィスでの紙循環を実現するだけでなく、製紙に際して大量に必要となる水もほとんど使わないなど、マルチな点で環境負荷軽減に貢献するという。

    古紙回収ボックスを社内複数か所に配置

    セイコーエプソンは今回の取り組みについて、「PaperLab」が提供できるアップサイクルの新たな企業事例創出のための実証実験と捉え、全面的に協力した。

    2021年に創業50周年を迎えるDINOS CORPORATIONの通販ブランド「ディノス」では、テレビ・ECに加え、顧客に対するコミュニケーションツールとしてカタログ等などの媒体を展開している。持続可能な社会の実現に貢献するため、2021年に策定した「サステナビリティビジョン2030」において、自然環境に対する取り組みの1つに「責任ある紙の使用」を掲げている。

    紙によって伝えていくことの価値を大切にする企業として、これまでの社内コミュニケーションではWebに加えて紙メディアも用いてきた。2021年3月、ディノス・セシールからの社名変更・新体制スタートを機に、社内古紙を再生したR100自社再生紙を使用。紙媒体の価値に環境保全視点も加えた社内報としてリニューアルすることにした。

    石居 岳
    石居 岳
    確認済み
    56 分 15 秒 ago
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