ネットショップ担当者フォーラム

物流ロボットが働く次世代物流センターの中はどんな様子? 省人化や生産性向上を実現する「Xフロンティア」【現場レポート】 | 物流女子の旅

5 years 6ヶ月 ago
SGHDの次世代型大規模物流センター「Xフロンティア」では、自動棚搬送ロボット「EVE」や無人搬送ロボット「OTTO」、自動梱包機など最新技術が稼働。一般的に必要とされる人員の半分で物流業務を行っています【物流女子の旅:連載3回目】

SGホールディングス(SGHD)の次世代型大規模物流センター「Xフロンティア」5階にある中小EC事業者向け「シームレスECプラットフォーム」(SGHD傘下の佐川グローバルロジスティクスが運営、SGL)では、AI搭載の自動棚搬送ロボット「EVE」、無人搬送ロボット「OTTO」、商品サイズに合わせた箱を自動作成して梱包する自動梱包機など、最先端テクノロジーが稼働しています。

約2万1156平方メートル(約6400坪)という広大なフロアで稼働するスタッフは、通常100人以上必要なところわずか約50人。省人化や生産性向上を実現している「シームレスECプラットフォーム」を見学してきました。

ピッキングエリアまで商品棚を運ぶロボット「EVE」

倉庫内で広いスペースを占めているのが自動棚搬送ロボット「EVE」の稼働エリアです。「シームレスECプラットフォーム」では、「EVE」本体を46台、専用の棚を1328棚導入し、最大70万点の商品を保管。出荷頻度が比較的高い商品のピッキングに使用しています。

自動棚搬送ロボットEVE Xフロンティア ECプラットフォーム SGL 物流ロボット
自動棚搬送ロボット「EVE」(撮影:藤田遥)
自動棚搬送ロボットEVE QRコード Xフロンティア ECプラットフォーム SGL 物流ロボット
「EVE」が移動時に読み取っているQRコード。床に一定間隔で貼ってあります(撮影:藤田遥)

スタッフの経験値が問われず、ミスの防止にも

「EVE」は床に貼り付けたバーコードを本体下部にあるセンサーで読み取り、導線に沿って移動する仕組み。センター内での主な役目は、商品が入った棚を「ステーション」と呼ばれるピッキング作業場まで運ぶこと。

「EVE」が稼働しているようす

「EVE」がステーションに到着すると、スタッフは商品のピッキング作業を行います。その際、ステーション内のモニターにどれが対象商品か表示されるので、スタッフはその指示に従って棚から商品をピッキング。それらの商品に貼り付けられているバーコードを専用機械で読み取り、カゴに入れていきます。

自動棚搬送ロボットEVE ステーション Xフロンティア ECプラットフォーム SGL 物流ロボット
スタッフが商品のピッキングと、カゴへの移し替えを行う「ステーション」。カゴ下のランプが点灯するため、スタッフはどのカゴに商品を入れたら良いか一目で分かる(画像はSGL提供資料より編集部がキャプチャ)

カゴを収納する棚にはランプが付いており、スタッフが一目でどのカゴにピッキングした商品を入れればいいのかがわかるようになっています。

こうした自動化によるメリットを、SGLの堀尾大樹氏(EC Logi Tokyo 所長)は次のように言います。

商品棚やカゴの位置をモニターやランプで表示することで、作業に慣れていないスタッフでも一定の品質で作業ができますし、商品の取り間違いや入れ間違いなどのヒューマンエラーも防止できます。(堀尾氏)

自動棚搬送ロボットEVE 案内モニター ミス防止 Xフロンティア ECプラットフォーム SGL 物流ロボット
ステーション内のモニター。ピッキング対象商品の位置を表示する(撮影:藤田遥)

「EVE」でスタッフの移動時間を大幅に減し業務を効率化

堀尾所長によると、倉庫内作業の中で最も時間が割かれているのは、「倉庫内を人が移動する時間」。「EVE」の使用で、商品をピッキングするために倉庫内を歩き回る時間やスタッフの人数を削減でき、効率化・省人化につなげています。通常のオペレーションと比べて処理数は3~4倍になるとのことです。

ピッキングした荷物の運搬は「OTTO」にお任せ

ピッキングした商品は検品のために別エリアに運ぶ必要があります。そのときに活躍するのが自動搬送ロボット「OTTO」で、14台導入しています。

自動搬送ロボットOTTO Xフロンティア ECプラットフォーム SGL 物流ロボット
自動搬送ロボット「OTTO」(撮影:藤田遥)

エリア間の移動を効率化

商品の入ったカゴを専用の台車にセットし、ステーション内にある専用パネルで「OTTO」を呼ぶと、ステーションまで台車を取りに来てくれます。

台車を所定の位置に置いておくと「OTTO」が台車の下でスタンバイ。「OTTO」が来たことを確認し、パネルで指示を出すと検品作業エリアまで運びます。

「OTTO」が稼働しているようす

「OTTO」の最大走行速度は2.0m/s、平均走行速度は1.5m/s。約150mのエリア間搬送を行うため、人力より搬送能力が向上します。

周囲に注意を促しつつ、自動でルートを決めて移動

「EVE」は導線に沿って移動をしますが、「OTTO」は導線がなくても移動できます。「OTTO」内に組み込んだ倉庫マップや走行距離などから自動でルートを判断し、走行するのです。

障害物などへの衝突を回避する機能が備わっており、走行ルート上に閉まっているシャッターなどがあれば、それを避けて別ルートで走行します。荷物の搬送時も、照明と音を発することで周囲の作業スタッフに注意喚起を行うなど、安全性を考慮した設計になっています。

商品サイズを自動で判断! 自動梱包機

検品作業後の梱包は、イタリア製の自動梱包機を使用します。自動梱包機は商品の3辺を自動で計測。サイズに合わせた段ボールを自動で作成・梱包。1時間で800ケースも作成できるそうです。

自動梱包機稼働のようす

サイズに合わせて適切なサイズの箱を作るため、緩衝材が不要になるそうです。緩衝材が削減されれば、環境問題への配慮や、商品を受け取った人が緩衝材を処分する手間の軽減にもつながります

また、4種類までと数は限られていますが、納品書やチラシなども自動で投入できます。その他、配送伝票のバーコードを読み込むことで企業を判断し、外装に企業ロゴや文字などの印字も可能。

自動梱包機 梱包後 Xフロンティア ECプラットフォーム SGL 物流ロボット
自動梱包機によって梱包された内部。少し隙間を持たせているのは、商品がぶつかってしまった際の衝撃が直接商品に伝わらないようにするため(撮影:藤田遥)

全てロボットに頼らず、あえて“マンパワーによる余力”を残す

商品棚やエリア間の配送、梱包までロボットで行っていますが、あえて人の手で行う場所も確保しています。

「EVE」稼働エリア外に、人の手で商品をピッキングする商品の保管エリアを設置しています。季節要因などで、急に商品数が増えたときに備えて保管場所に余裕を持たせるためです。

壊れ物などの緩衝材が必要な商品などに対しては、人手による作業場を設けています。またそれぞれの作業場所にはトラブル予防のためのカメラを設置。商品が入っていないなどのクレームが来た場合、撮影映像から検証を行います

梱包所 手動 Xフロンティア ECプラットフォーム SGL
手作業で梱包するエリア。専用の台を設けています(撮影:藤田遥)

今後は自動倉庫「AUTOSTORE」も導入予定

2021年3月ごろには、「AUTOSTORE」を導入予定です。

「AUTOSTORE」とは、格子状に組まれた「グリッド」と呼ばれる支柱内に商品の入った専用のコンテナを収納し、その上を縦横無尽に動くロボットがコンテナをピッキングしてスタッフがいるワークスペースに運ぶシステムを導入した自動倉庫のこと。

自動倉庫AUTOSTORE Xフロンティア ECプラットフォーム SGL 物流ロボット
2021年3月ごろ導入予定の「AUTOSTORE」イメージ図(画像はSGL提供資料より編集部がキャプチャ)

通常の棚はある程度高さが決まっているため、商品の保管数が制限されます。しかし「AUTOSTORE」は床から天井近くまで商品を収められるなど、高い収納力が特長です。

保管効率が良いので、比較的保管期間の長い商品や出荷頻度が低い商品に使用予定です。

◇◇◇

最先端のテクノロジーが導入された「シームレスECプラットフォーム」はまさに圧巻。技術の進歩によって、人手不足など物流の課題解決や資材削減による環境問題への配慮、作業効率化で商品の受注から発送までのリードタイムを短縮するなど、さまざまな面に恩恵をもたらす仕組みになっていることを感じました。

藤田遥
公文 紫都
藤田遥, 公文 紫都

リピート客やファンを生む「良いお買い物体験」とは? SHOPLIST、ビタブリッド、サイクルスポットの責任者が鼎談【前編】

5 years 6ヶ月 ago
「良いお買い物体験」とは? 「SHOPLIST.com by CROOZ」のCROOZ SHOPLIST、自転車販売大手のサイクルスポット、スキンケア製品「ビタブリッドC」のビタブリッドジャパンの3社の責任者による鼎談【前編】
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ECサイトでの「顧客体験」「カスタマーエクスペリエンス」が継続客の創出、つまりリピート客や顧客のファン化につながると言われる昨今。小売・EC企業はどんなことに取り組めばいいのか? そもそも、「良いお買い物体験」とは何なのか? 今回、そんな解を求めて、ファッション通販サイト「SHOPLIST.com by CROOZ」を運営するCROOZ SHOPLIST、自転車販売大手のサイクルスポット、スキンケア製品「ビタブリッドC」などで知られるビタブリッドジャパンの3社の責任者による鼎談が実現。コロナ禍の状況の中、リモートでの開催となった本鼎談、小売・EC企業に求められる「良いお買い物体験」について語り合ってもらった(この企画は「Amazon Pay」によるスポンサードの下、鼎談が実現しました)。

CROOZ SHOPLISTから鼎談に参加したのは開発部の稲垣剛之氏。2011年7月にクルーズへ中途採用で入社。「CROOZblog」のメインエンジニア、ディレクターを経験し、「SHOPLIST.com by CROOZ」オープン直後から開発面の責任者を担当している。

CROOZ SHOPLIST 開発部 稲垣剛之氏
CROOZ SHOPLIST 開発部 稲垣剛之氏
CROOZ SHOPLISTはファッション通販サイト「SHOPLIST.com by CROOZ」の企画・運営会社。サービス開始後8年目となる2020年3月期における「SHOPLIST」事業の売上高は約245億円

サイクルスポットは関東圏に実店舗を108店展開。近年ECに力を入れている。参加した販促部 マーケティンググループ グループリーダー 小林礼武氏は、前職ではアメリカンスポーツの輸入販売を手がけるセレクションインターナショナルに従事。クリエイターからマーケターへ、そしてシステムの開発なども手がける。EC強化を進めるサイクルスポットへは2019年にEC責任者として入社した。

サイクルスポット 販促部 マーケティンググループ グループリーダー 小林礼武氏
サイクルスポット 販促部 マーケティンググループ グループリーダー 小林礼武氏
関東で100店舗以上を展開するサイクルスポットのEC責任者

スキンケア製品「ビタブリッドC」などで知られるビタブリッドジャパン。執行役員 西守穣氏は創業メンバーの1人で、主にフルフィルメントなどを管掌する。単品通販のEC専業企業として2014年に設立。2020年2月期のEC売上高は前期比31.0%増の85億3700万円と急成長している。

ビタブリッドジャパン 執行役員 西守穣氏
ビタブリッドジャパン 執行役員 西守穣氏
スキンケア製品「ビタブリッドC」などで知られるビタブリッドジャパンは2014年に設立。2020年2月期のEC売上高は前期比31.0%増の85億3700万円

取り扱う商品、ビジネスモデルも三者三様の3者による鼎談から、小売・EC企業に求められる「良いお買い物体験」の解を探っていく。

稲垣剛之氏(以下、稲垣):「SHOPLIST.com by CROOZ」はレディースからメンズ・キッズに至るまで10~40代をターゲットにさまざまなファッションブランドを購入できる通販サイト。現在950ブランド超を扱っています。ビジネスモデルはファッションブランドから商品を仕入れて、集客から決済、カスタマーサポート、物流業務を当社が担う直販モデルを採用しています。私はECサイトのプロダクト開発を担う部署を管掌しています。

小林礼武氏(以下、小林):「サイクルスポット」は関東圏に実店舗を108店展開している自転車屋が運営するECサイトで、私はその責任者をしています。他のECサイトとは大きく異なり、店頭受け取りが9割以上を占めるようなECビジネスを展開しており、個人宅に“発送しない”ケースが圧倒的に多いんです。

西守穣氏(以下、西守):スキンケア製品「ビタブリッドC」を中心に、単品通販というビジネスモデルで化粧品・サプリメントのECを展開しています。自社ECサイトで販売する割合は99.9%。一般的な総合ECモールでの売り上げはほぼゼロに等しい状況です。ビタブリッドジャパンのビジネスは単品通販なのでリピート購入が前提。ECサイトは回遊するような設計にはなっていないため、リピート顧客は「マイページ」で継続購入するユーザーがほぼ9割。私はシステムから物流フルフィルメント、お客さまセンター、CRMを管掌しています。

「良いお買い物」体験とは何ですか?

ECサイトにおけるお買い物の時短ニーズの増加、スマホシフト、ECと実店舗の買い物の横断など消費者のニーズが多様化している中、リピート購入やファン化につながる「良いお買い物体験」とはどんなことを指すのか? ECビジネスの責任者として考える「良いお買い物体験」とは――。

CROOZ SHOPLIST 開発部 稲垣剛之氏 サイクルスポット 販促部 マーケティンググループ グループリーダー 小林礼武氏 ビタブリッドジャパン 執行役員 西守穣氏
鼎談はオンラインで実施した

小林:「良いお買い物体験」をめざす方向として“感動体験”の提供があげられますが、それは「違う」と思っていますストレスフリーなお買い物の提供が、「良いお買い物体験」の実現をめざす時にやるべき最初のステップなのではないかと考えているんです。ただ、ストレスフリーなお買い物体験というワードが指す範囲は広い。「納得できる価格」「商品が探しにくくない」「自分で支払いたい手段で決済できた」「問い合わせしたらすぐに返答があった」――などなど、僕はお客さまがまったく嫌な思いをせずに商品を購入できるようにすることが、「良いお買い物体験」を実現するためのやるべき第1フェーズだと考えています

そして、第2フェーズの中にファン化ということが入ってくる。ファン化を促進するための取り組みとして、「同梱物の梱包」「お客さまに喜ばれるカスタマーチームの構築」などがあげられるでしょう。サイクルスポットは今、第1フェーズに取り組んでいる途中。「良いお買い物体験」を提供するための基礎、つまりストレスフリーなお買い物環境をまずは構築し、お客さまにストレスなくお買い物いただける環境を用意すること。それが「良いお買い物体験」を提供するためのベースになると思っているんです。

僕の私見ですが、お買い物体験に感動して商品を継続して購入するユーザーは1割も満たない9割以上のお客さまは、ストレスフリーな“普通の買い物”ができることを望んでいると思っているんです。その仮説に基づき、いまは土台作りを進めています。

小林氏が責任者を務めるサイクルスポットのECサイト
小林氏が責任者を務めるサイクルスポットのECサイト

稲垣:「SHOPLIST.com by CROOZ」が最初に力を入れたのは「商品力」「アイテム数」。お客さまがECサイトに訪問した際に、求めていた商品がなければそこで離脱してしまいます。感動体験も重要ですが、なによりも重要なのは、お客さまは「商品を買いに来ている」ので、商品ラインナップをまずは拡充すること。その課題を解決するにはどうすればいいか。「SHOPLIST.com by CROOZ」はたくさんのブランドに出店していただき、しっかり在庫を確保していくことに注力しました。第1フェーズとしてしっかりやらなければならないことでしたね。

第2フェーズは配送です。注文後、数時間後に手元に届くのが理想ではありますが、お客さまがほしいと思った時に適切なタイミングで商品を届けることが重要だと考えています。たとえば、注文から3日以内にはお手元に商品が届くような状態にするなど、お客さまのもとへ商品が届くまでの配送日数を社内でも重要指標として置いています

ストレスフリーという観点で言えば、ECサイトもアプリも利用者の方、全員が「使いやすい」と思う設計にするのは難しいと考えていますので、「使いやすい」ではなく、「ストレスがない」「使いにくくない」という点に重点を置いています。ECサイトが重くてお買い物に時間がかかることは致命傷ですし、アプリで言えば“落ちない”というのが「良いお買い物体験」の基盤として重要になります。

こうしたことに力を入れていった上で、ECの課題としてあげられている「商品の実物に触れることができない」を解決するための商品情報提供(クチコミやコーディネート情報など)、サイト内検索、レコメンド、決済などの充実が「良いお買い物体験」につながるのではないかなと思っています

稲垣氏が開発を担当している「SHOPLIST.com by CROOZ」
稲垣氏が開発を担当している「SHOPLIST.com by CROOZ」

西守:小林さん、稲垣さんがおっしゃっていることと、ビタブリッドジャパンが考えている根っこは一緒です。ただし、単品通販のモデルは基本的にサイトの使い勝手それ自体は「良いお買い物体験」に直接はつながっていないな、と感じています「良いお買い物体験」は“商品の良さ”が前提だと思います。単品通販の定期購入モデルでは、お客さまと長くお付き合いした結果であるLTV(顧客生涯価値)を最重要視していますが、残念ながらお客さまとの接点が失われる理由の99%が「解約」によるものです。では、なぜ解約するのか? WebサイトやCRM、顧客対応、梱包などがどんなに素晴らしくても、商品が良くなければ継続いただけません。効果を実感できなければ継続していただけません。「良いお買い物体験」と「商品の良さ」は切っても切り離せない関係だと思っています。逆を言えば、当社が成長できているのも「商品が良い」と思ってくださる方が、解約される方を上回っているからだと思います。

一般的な話として、私個人で「良いお買い物体験」って何だろうと考えましたが、2つの方向性があるのではないかと思いました。1つ目が、「買いやすい価格」「検索したときにほしい商品が上位に出る」「使っている決済手段がある」などのストレスなくお買い物できる環境を作ること。2つ目が、バルミューダ、バーミキュラなどに代表される、コアなファンが定着するような突き抜けた商品力を追求する方向性です。

どちらの方向性も「良いお買い物体験」を提供できることは間違いないです。ただ、バルミューダ、バーミキュラのような尖った商品を企画・開発することはなかなか難しい。ビタブリッドジャパンはストレスフリーで「良いお買い物体験」を実現していく方が現実的と思っています

また、売り上げが伸びると顧客数が増加、マイページへのログインリクエストが増えてECサイトのスピードが遅くなる時期がありました。私は、サイトのスピードが遅くなるのは、野球で言えば簡単なフライを取れないような、絶対にやってはいけないミスと同じことだと思っています

西守氏が執行役員を務めるビタブリッドジャパンのECサイト
西守氏が執行役員を務めるビタブリッドジャパンのECサイト

小林:いろんな業種によって、必要なファクターは異なるでしょう。共通しているのはファクターとなる基礎をいかに作っていくか。これが重要になると思いますね。

西守:商品という切り口で気になるのが「ライブコマース」。皆さんはどう思いますか? 「ライブコマース」は私たちが普段提供しているものと違う世界観があると感じていまして、中国では成長チャネルと言われていますが、日本ではあまり浸透していない。お買い物をエンターテイメントにしている新しい「良いお買い物体験」とは言われているものの、私はまだ着手する気持ちになれていないんです。

小林:個人的な意見ですが、日本人は衝動的に商品を買わない傾向が強いと感じています。また、「ライブコマース」に適したジャンル、適さないジャンルがはっきりわかれているのではないでしょうか

稲垣:プロモーション手法としては良いと思います。ただ、商品の魅力をきちんと伝えられるテレビショッピングのようなコンテンツ配信ができれば、継続的にお買い物をするサイクルができあがるのではないでしょうか。現在のところ、ライブコマースは瞬間的にユーザーを集めて購入してもらうといった手法になっているため、継続的な購入につながるかが疑問です。ですが、ブランドから商品を仕入れ、販売するというビジネスモデルのSHOPLISTでも、「ライブコマース」を利用し商品の魅力を伝えることは可能であると考えます。さらに、PB(プライベートブランド)のような、オリジナル商品であればその商品の製造から完成に至るまでの、より細部の魅力もお客さまに伝えることが可能になると思います

西守:新しい「良いお買い物体験」として位置付けられるほど成熟した販売手法として成り立っていないというイメージですよね、残念ながら今のところ。

「良いお買い物体験」を提供するために実践してきたこと

買い物カゴの改善、決済の拡充など、ECサイトを運営している企業は「良いお買い物体験」を提供するため、さまざまな改善に取り組んでいる。CROOZ SHOPLIST、サイクルスポット、ビタブリッドジャパンはどのようなことに注力してきたのか――。

小林:サイクルスポットは仕入れ商品を販売していますが、その取扱商品の質は間違いなく良い。事業規模は小さくないので価格競争には負けない体力があります。ただ、競合の大手流通傘下の自転車販売店などとの競争は避けられない部分がありますので、物流がカギを握っていると考えています。つまり、納期のスピード化が目先の改善点です。「SHOPLIST.com by CROOZ」さんでは注文から3日以内に商品を届けるとお話をしていましたが、自転車のリードタイムは約2週間。お客さまからのお問い合わせも「いつ手に入りますか?」というものが50%以上なんです。

ほかにも改善点はあります。UI(ユーザーインターフェイス)やサーバーも僕が着任するまでボロボロでした。顧客データの活用もそうですね。年間10万人のお客さまが店舗を利用していますが、その大半のデータを紙で管理している状態。これまで顧客DBをネットに活用したことがないんです。それをオンライン、オフラインでのマーケティングに生かしていかないといけないですね。

サイクルスポットでは在庫がある場合でも、商品の配送に10日前後を要している
サイクルスポットでは在庫がある場合でも、商品の配送に10日前後を要している

西守:ビタブリッドジャパンはまず商品ですね。サプリ商材で言えば、消費者への浸透度が高まってきている機能性表示食品への対応は喫緊の課題です。認証を取得しなければ勝負の土俵にあがれません。商品力を磨き、他社よりも優れているモノを提供できるようにすることが大きな課題です。

次にあげるのはマイページの改善です。最もアクセス数が多い「マイページ」の使いやすさは最重要事項なので、サイトスピードを含め日々改善を進めています。単品通販のビジネスモデルでは、LP(ランディングページ)を除くと「マイページ」が最もアクセスされるページなんです。むしろ、最初の1回以外、回遊してくれない方がほどんど! だからこそ、「マイページ」の使い勝手やクロスセル提案力を改善していくことが特に重要なのです。

また、改善というつながりで、エントリーフォームの最適化(EFO)の話を。EFOは、「良いお買い物体験」というよりも、「良いコンバージョン体験」のために日々の改善は避けられないところ。私は「効率の良いコンバージョン体験=良いお買い物体験」と捉えています。そのため、頻繁に他社のEFOはチェックするようにしています。まだ表には出せていませんが、新しい仕組みもいろいろと仕込んでいます。

「効率の良いコンバージョン体験=良いお買い物体験」と考えるビタブリッドジャパン。いかに効率的にお買い物できるか――という観点で、EFOに取り組んでいる
「効率の良いコンバージョン体験=良いお買い物体験」と考えるビタブリッドジャパン。いかに効率的にお買い物できるか――という観点で、EFOに取り組んでいる

ビタブリッドジャパンのビジネスモデルは単品通販の定期購入ですので、お客さまから「外箱の大きさに対して商品が小さいのでもっと箱を小さくしてほしい」「段ボールなどはゴミになるのでどうにかしてほしい」といったクレームが届きます。こうした要望にお応えするのも「良いお買い物体験」につながるところですね。

稲垣:商品の品ぞろえなどECビジネスを展開する上で当たり前のところに加え、「サイト内検索の精度」「レコメンド」「アイテム情報の提供」の3点は重点的に取り組んでいかなければならないポイントです。

「SHOPLIST.com by CROOZ」は80万点超の商品を扱っているので、消費者が探した商品をピンポイントで提案できるようにするサイト内検索の精度向上はとても重要になります。また、目的買いではなく、“なんとなく商品を探している”お客さまに対しては、膨大な商品点数の中から興味・関心の高そうな商品を提案し回遊性を高めるレコメンドの重要度も増しています。

また、「SHOPLIST.com by CROOZ」で扱っている商品は、他のファッションECサイトでも販売されているケースが多い。そのためには、「SHOPLIST.com by CROOZ」へ訪問、そして購入する意味を提供していかなければなりません。そのため、その商品がどんなモノなのか、どんな価値があるのかという情報提供はとても重要になってきます。一般的にファッションECで購入につながらないネガティブ要因は商品を手に取ることができないことです。サイズ、コーディネートなどの情報をしっかりと提供することにより、お客さまの不安を解消したいと思っています。

アパレルでは、週の着用回数が顧客満足度に直結します。「サイト内検索の精度」「レコメンド」「アイテム情報の提供」は強化しなければならないところ。リアルのお買い物体験にどれだけ近づけることができるか――テクノロジー、利便性の高い決済手段の拡充などがカギになってきます。

「SHOPLIST.com by CROOZ」では、人工知能(AI)技術を活用した画像解析レコメンド機能を導入している
「SHOPLIST.com by CROOZ」では、人工知能(AI)技術を活用した画像解析レコメンド機能を導入している
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今回の記事では「良いお買い物体験」に必要なことなどについて鼎談しました。後編は9月2日(水)公開予定です。次回もお楽しみに。

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瀧川 正実
瀧川 正実

三木谷浩史社長らが戦略を共有する「楽天オンラインEXPO 2020」は8/27開催 | 大手ECモールの業績&取り組み&戦略まとめ

5 years 6ヶ月 ago
ゲスト講演として、メディアアーティストの落合陽一氏、社会学者の古市憲寿氏の講演も用意している

楽天は8月27日、「楽天市場」出店者を対象にした「楽天オンラインEXPO 2020」を開催する。新型コロナウイルス感染症拡大を踏まえ、「楽天市場」出店者市場限定で行う。

2020年下半期の事業戦略共有、店舗同士のつながりの場を提供するとしている。

三木谷浩史代表取締役会長兼社長のオンライン講演、勉強会の開催、店舗運営に関する相談窓口を設ける。

ゲスト講演として、メディアアーティストの落合陽一氏、社会学者の古市憲寿氏の講演も用意している。

楽天は8月5~8日の日程でパシフィコ横浜にて楽天グループ主催イベント「Rakuten Optimism」の開催を予定していたが、新型コロナウイルス感染症の影響で中止。「楽天市場」に関するイベントを、「楽天オンラインEXPO 2020」として開催することにした。

瀧川 正実
瀧川 正実

アマゾン、メルカリ、ヤフー、楽天が立ち上げた「オンラインマーケットプレイス協議会」とは

5 years 6ヶ月 ago

アマゾンジャパン、メルカリ、ヤフー、楽天が8月24日に立ち上げた「オンラインマーケットプレイス協議会(Japan Online Marketplaces Consortium、JOMC)」。

オンラインマーケットプレイスを運営する事業者同士が連携し、消費者保護に関する自主的取組の促進、取り組みの改善につながる活動情報提供などを実施。消費者に安心・安全な取引環境の構築に貢献し、オンラインマーケットプレイスの健全な発展を促すことを活動の目的としている。

行政機関・消費者団体など協力しながら、次のような情報収集・情報提供や意見交換などを実施していく。

  • オンラインマーケットプレイス運営事業者による消費者保護に係る自主的取組などに関する情報の収集、提供
  • オンラインマーケットプレイスにおいて生じるトラブルなどの情報収集
  • 消費者にとって安全・安心な取引環境の構築における課題への対応策などの検討

EC関連の消費者トラブル相談などを行う一般社団法人ECネットワークが事務局を担う。

マーケットプレイスの規制強化に動き出す行政

ECモールなどのオンラインマーケットプレイスを巡っては、行政が規制強化に向けて動き出している。

政府は2月、大手オンラインモールやアプリストアなどを規制する「特定デジタルプラットフォームの透明性及び公正性の向上に関する法律案」を閣議決定。

消費者庁の「特定商取引法及び預託法の制度の在り方に関する検討委員会」が8月19日に公表した、特商法などの在り方などに関する報告書では、「消費者庁とデジタル・プラットフォーム企業が適切にコミュニケーションを図ることができるような定期的な情報提供及び意見交換の場を設定する必要がある」と指摘。

また、デジタル・プラットフォームを経由した取引などについて、ECモールにおける販売業者の特定商取引法の表示義務の履行の確保、法執行時の販売業者に対する追跡可能性の確保のため特商法の見直しを含めた所要の方策を検討すべきとまとめている。

瀧川 正実
瀧川 正実

Amazonが物流倉庫を拡充し2020年下期に4センターを新設。国内FCは計21拠点に

5 years 6ヶ月 ago

Amazonは2020年下半期、新たに国内4か所に物流拠点であるフルフィルメントセンター(FC)を開設する。これにより、日本国内のFCは合計21拠点となる。

物流拠点を拡大することで、商品の品ぞろえの強化、より迅速な配送を図っていく。新設する4つの物流拠点では、原則的にプラスチックを使用したパッケージや緩衝材の使用を廃止するなど、地球環境保護の取り組みを進めていく。

新設する4つの物流拠点の名称と開設時期は以下の通り。

  • アマゾン久喜FC:2020年8月26日、延べ床面積15万1501平方メートル
    アマゾン久喜FC:2020年8月26日、延べ床面積15万1501平方メートル
  • アマゾン府中FC:2020年10月7日、延べ床面積3万1157平方メートル
    アマゾン府中FC:2020年10月7日、延べ床面積3万1157平方メートル
  • アマゾン坂戸FC:2020年10月28日、延べ床面積7万7795平方メートル
    アマゾン坂戸FC:2020年10月28日、延べ床面積7万7795平方メートル
  • アマゾン上尾FC:2020年10月28日、延べ床面積9万1245平方メートル
    アマゾン上尾FC:2020年10月28日、延べ床面積9万1245平方メートル

坂戸FCと上尾FCでは、「Amazon Robotics(アマゾン ロボティクス)」と呼ばれる、商品棚を持ち上げて移動するロボットを導入。効率的な出荷を実現する。

Amazonの直販に加え、物流代行サービス「フルフィルメント by Amazon(FBA)」のサービス拡充につなげる。アマゾンジャパンのジェフ ハヤシダ社長は次のようにコメントしている。

日本でAmazonのサービスが開始して20周年を迎える2020年、20拠点以上のFCから日本全国の皆さまにサービスを提供できることを大変うれしく思います。今後もお客さまに、より快適なオンラインショッピング体験を提供するとともに、FCの所在する地元の皆さまや自治体との連携を深め、地域社会に根差したFCづくりを目指していきます。

石居 岳
石居 岳

アパレル通販の知見&ノウハウを物産品ECに活用――兵庫県の公式サイト運営を通じ地域活性化を実現する「ズーティー」の取り組み | 通販新聞ダイジェスト

5 years 6ヶ月 ago
レディースアパレルの販売を行うズーティーが兵庫県の物産品ECサイト「ひょうごマニア」を運営。地元・兵庫県の魅力ある逸品を産地直送で届ける。品ぞろえを強化するとともに、認知向上策に着手する

レディースアパレルのネット販売を手がけるズーティーは、昨年12月に開設した地元・兵庫県の魅力ある逸品を産地直送で届ける通販サイト「ひょうごマニア」の品ぞろえ強化を加速するとともに、認知向上策にも着手する考え。

EC運営経験を活かし、地元兵庫の魅力を発信

同社は、約20年前からファッション通販サイト「イーザッカマニアストアーズ」を運営し、さまざまな総合ECモールで賞を獲得するなど同サイトを人気店に育て上げた。

同社によると、神戸からファッションを発信する会社として、以前から地元にまつわる仕事ができたらいいと考えていたものの、日々の業務もあって具現化できずにいた。

そうした中、物産品のEC販売強化を目的とした兵庫県の地位活性化事業を知り、当該事業に応募。受託が決まり、“兵庫を旅するアンテナショップ”のコンセプトで同県公式の通販サイト「ひょうごマニア」を運営することになり、楽天市場内にオープンした。

ひょうごマニア ズーティー 兵庫県 物産品ECサイト 兵庫県の特産品
「ひょうごマニア」ECサイトトップページ

ズーティーにとって物産品のネット販売は未知の領域だが、ECに長く携わる会社として地域活性化に貢献できると判断した

同事業については専任者を置かず、まずは「イーザッカマニア」との兼務でデザインやシステムなどの担当者と同社の浅野かおり取締役の7人程度で運営するほか、社外の知人も手伝ってくれているという。

初年度は事業の黒字化よりも兵庫県の魅力の発信を優先したサイト運営に徹する考え。また、兵庫県物産協会が運営する物産品の通販サイトがすでにあるため、「ひょうごマニア」は“ズーティーらしさ”を出していく

服との違いは大きく、原材料の細かい表記や商品保管時の温度管理などが必要になる。現在はすべて産地直送だが、今後は自社で冷蔵・冷凍倉庫を借りる計画もあるようで、「食品のことをゼロから学んでいる」(浅野取締役)という。

「ひょうごマニア」の商品数は約120点で、農産物や加工食品、スイーツ、ジュース、酒類といった食料品を中心にアロマや石けん、スマホケースなどの雑貨も扱う。

ひょうごマニア ズーティー 兵庫県 物産品ECサイト 兵庫県の特産品
「ひょうごマニア」で扱っている商品
(「ひょうごマニア」サイトからキャプチャし追加)

作り手に照準を合わせ「行きたい」と思えるサイト構築

当初は、友人・知人の紹介で農家や加工業者などを回って販売する商品を発掘していたが、今は県や神戸市などが作成した県や市の認定食品や工芸品のリストも活用して効率的に作り手との接点を増やしている。

兵庫県には数多くの県産品があるため、まずは来年3月までに商品数を200点以上に拡充する。その際、兵庫県は食や言葉、風習が異なる5国(摂津、播磨、但馬、丹波、淡路)で成り立っていることから、地域のバランスを考慮して商品を増やす。

加えて、物産品のECであっても情報を厚くし、「美味しかったから次は行ってみたい」と思えるサイト構成を心がけており、商品はもちろん、作り手に照準を合わせ、商品と読み物がしっかりつながっているサイトを目指す

ひょうごマニア ズーティー 兵庫県 物産品ECサイト 兵庫県の特産品 たまねぎ農家
「ひょうごマニア」で取り扱っている「成井さんちの完熟たまねぎ」

サイト開設から半年強が経つが、意外にも兵庫県民や関西圏のユーザーが多いようで、商品の良さを知る兵庫県民が他県の人にプレゼントする需要もあると見ている。

今後は県のキャンペーンなどに合わせ、「イーザッカマニア」のメルマガをジャックして「ひょうごマニア」の告知をすることも計画しているという。

また、冷蔵・冷凍倉庫を借り、ズーティーが選定したギフトセットや体験セットなどを展開することも検討しているほか、例えば、玉ねぎの収穫体験や工芸品のワークショップなどユーザー参加型イベントの情報も発信し、「楽天トラベル」で宿泊とセットのプランを用意してもらうことも視野に、より深く兵庫県を知ってもらう機会を創出したい考え。

※記事内容は紙面掲載時の情報です。
※画像、サイトURLなどをネットショップ担当者フォーラム編集部が追加している場合もあります。
※見出しはネットショップ担当者フォーラム編集部が編集している場合もあります。

「通販新聞」について

「通販新聞」は、通信販売・ネット通販業界に関連する宅配(オフィス配)をメインとしたニュース情報紙です。物品からサービス商品全般にわたる通販実施企業の最新動向をもとに、各社のマーチャンダイジング、媒体戦略、フルフィルメント動向など、成長を続ける通販・EC業界の情報をわかりやすく伝え、ビジネスのヒントを提供しています。

このコーナーでは、通販新聞編集部の協力により、毎週発行している「通販新聞」からピックアップした通販・ECのニュースや記事などをお届けしていきます。

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通販新聞

ヤマト運輸が「荷物受け取り店」を募集中! 荷物を渡すだけで手数料収入。初期費用0円でクーポン配布も可能【ネッ担まとめ】 | ネットショップ担当者が 知っておくべきニュースのまとめ

5 years 6ヶ月 ago
ネットショップ担当者が読んでおくべき2020年8月17日〜23日のニュース
ネッ担まとめ

実店舗をお持ちの皆さんに朗報です。お店で荷物を渡すと手数料も入ってクーポン配布が可能というサービスをヤマト運輸が11月から開始するそうです。お客さんとの接点づくりに導入してみては?

店舗をお持ちの方は検討してみては?

ヤマト、スーパーやドラッグストアでもEC商品を受け取り可能に--割引クーポンも | CNET Japan
https://japan.cnet.com/article/35158258/

お荷物受け取り店パートナー募集中 | ヤマト運輸
http://www.kuronekoyamato.co.jp/ytc/campaign/uketoriten/

まとめると、

  • ヤマト運輸は英Doddle社と提携し、スーパーやドラッグストア、クリーニング店などで商品を受け取れるサービスを11月に開始すると発表した
  • 受け取り人がWebから荷物の受け取り場所を指定→ヤマト運輸が指定の受け取り店に納品→受け取り人が来店したら荷物を渡して完了
  • 受け取り店には荷物の取扱個数に応じてヤマト運輸から手数料が支払われる。受け取り人へシステムと連動したクーポン等の配布が可能。登録料、更新料、専用端末費用などは一切不要

コンビニ受け取りで良いのでは? と思いますが、気分的に何か買い物をしないといけない気もしますよね。このサービスが利用できるお店がドラッグストアとかスーパーなら、買い物ついでに行くこともできるでしょうし、喫茶店とか居酒屋なら利用したついでに受け取っても良いですよね。受け取り店には特にデメリットもなさそうなので導入したいサービスです。

Shopifyは今のところ代引きと定期購入に弱い

Shopifyの強みって何ですか? Shopifyエバンジェリストの井澤さんに聞いてみた | ECzine
https://eczine.jp/article/detail/8130

まとめると、

  • Shopifyの強みはSEO設定の容易さ、サーバースペックの高さ、機能拡張の行いやすさ
  • 弱みはカート以降にタグを入れられないこと、代引きの設定が少ない、定期購入の機能がアプリにしかないなど
  • Shopifyペイメントは、オープン後の取引金額が一定額を超えた後にID登録を行う手順のため、すぐにカード決済が使える

当社では、クライアントの皆さんにまず必ず実現したい項目を決めていただき、「あったらいいな」という機能はShopifyであればいつでも追加できるので、後回しにしてもらいます。システムの入れ替えはトラブルが起きやすいため、マストな項目だけしっかり実装し、最初はなるべく機能を詰め込みすぎないよう意識しています。運用がきれいに回った段階で、追加機能を実装するようにしていますね。

話題になっているので気なる人も多いはずのShopify。強みの部分よりも弱みをしっかり把握しておきましょう。基本的に英語圏のものなので日本語と日本の商習慣に弱いです。日本語はサイト内検索などですね。最初からゴテゴテと機能を追加するよりも小さく始めて、必要な機能を足していけば失敗しないはずです。

実はカートを使わない手もあります。ブログ機能もあるので会社サイトを作って問題ないですよ。月額3,000円くらいなのでお得かも。

関連記事

中小企業でもしっかり売れているAmazon

Amazon「2020年 中小企業インパクトレポート」を発表 | PR Times
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000001167.000004612.html

まとめると、

  • Amazon.co.jpに出品する日本の中小規模の販売事業社のうち、3,000社以上が年間売上高1,000万円を超えている。初めてAmazon.co.jpでの年間売上高が1億円を超えた販売事業者は500社以上
  • 販売事業者あたりの平均年間売上高は700万円超で前年同期の600万円超から増加
  • 「Amazonビジネス」における日本の中小規模販売事業者の年間売上高総額は500億円超

マーケットプレイスとしてのAmazonがどんどん伸びてますね。1億を超えた中小企業が500社以上というのも驚きです。Amazonは売れる場所なのでうまく使っていきたいですね。集計期間が2019年6月1日から2020年5月31日までなので、多少はコロナの影響が含まれている点に注意を。

EC全般

フューチャーショップ、2020年4月~6月の流通額が432億円。7業種で昨対比200%超 | futureshop
https://www.future-shop.jp/news/2020/08/17.html

キッズ・ベビー・マタニティ、食品、楽器・音響機材などが伸びています。楽器はちょっと意外。

月商600万円の個人も誕生──ネットで“サービス”を売る「MOSH」急成長の理由 | DIAMOND SIGNAL
https://signal.diamond.jp/articles/-/228

上記に関連して。楽器を購入したユーザーにこういったサービスでレッスンを売ることもできます。

「せっかくだから、全体に配信する?」 上司の鶴の一声で配信解除率だけが上がった話 | 安藤 健作 | note
https://note.com/kensakurx8/n/na7a340c536e8

狭いところに尖ったメールを送らないと効果は出にくいです。全配信は連絡や記事更新などが向いてます。

【速報】楽天ユニオン、公取委に独禁法違反で「楽天市場」の排除措置請求 「楽天ペイ」「違反点数制度」「アフィリエイト」が対象 | 日本ネット経済新聞
https://netkeizai.com/articles/detail/1507

落ち着いていたと思っていたら再び。「優越的地位の濫用に当たると主張している」とのこと。

消費者庁が定期購入の規制強化へ――特商法改正で誤認表示の厳罰化も影響は限定的? | ネットショップ担当者フォーラム
https://netshop.impress.co.jp/node/7929

第6回 特定商取引法及び預託法の制度の在り方に関する検討委員会(2020年8月19日) | 消費者庁
https://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_transaction/meeting_materials/review_meeting_001/021047.html

こちらは2つ合わせて。定期購入は厳しくなってきそうなので売り方を見直すタイミングかも。

おばあちゃんのネットショップをBASEで作ってみて分かったこと | Sandsanの放課後 | note
https://note.com/sand_gag/n/n865466418659

「すでにリアルでショップを持っている人、有名人の方、SNSでフォロワーがたくさんいる人に」向いているとのこと。

通販・EC市場は8.8兆円で8.2%増(JADMA調査)【2019年度】 | ネットショップ担当者フォーラム
https://netshop.impress.co.jp/node/7941

こちらの調査では伸び率は横ばい、経産省の調査では伸び率も増加傾向です。

百貨店が店舗の営業自粛でECサイトも休止した理由とECに注力できないそもそもの課題 | ネットショップ担当者フォーラム
https://netshop.impress.co.jp/node/7930

おごれる者久しからず……といった感じがしてしまいます。

今週の名言

「立ち位置」を明確にし、信念を持ち続けることによって、それに共感や賛同してくれる人たちがファンのような存在になるのです。

立ち位置を明確にしよう|離れていく人は追いかけなくていい | マーケティングコンサルタント藤村正宏ブログ
https://www.ex-ma.com/blog/archives/12872

立ち位置をコロコロ変えるとお客さんも定着しないですよね。正しいことをやっているのであればぶれずに発信し続けましょう。

森野 誠之
森野 誠之

ギグワーカー+置き配の新しい配送サービス、フェリシモとセイノーHDがスタート

5 years 6ヶ月 ago

フェリシモとセイノーホールディングス(セイノーHD)は8月19日、単発で短期の仕事に従事するギグワーカーを通じて通販・ECの荷物を置き配形式で配送する取り組みを始めた。

フェリシモ、セイノーHD子会社のココネット、ICTによる社会課題の解決に取り組む電警とのジョイントベンチャーであるLOCCO(ロッコ)を通じ、効率的な運用で低価格配送を実現するLCC(Low-cost carrier)宅配として提供する。

フェリシモとセイノーホールディングス(セイノーHD)は8月19日、単発で短期の仕事に従事するギグワーカーを通じて通販・ECの荷物を置き配形式で配送する取り組み「OCCO(オッコ)」をスタート
配送スキーム

サービス名称は置き配サービス「OCCO(オッコ)」。セイノーHDグループの持つ幹線輸送網、必要なときに必要な分だけ働くギグワーカーを中心とした柔軟なラストワンマイル配送パートナー網を組み合わせたLOCCOの「幹線+ギグワーク」を活用。2020年4月から首都圏でサービスを開始し、順次エリア拡大を進めている。

2019年末に行ったフェリシモ会員向け東京都内での実証実験では、利用者の利便性向上、物流コストが10%以上削減したという。

「OCCO」を全国展開するLCC宅配ネットワークを強化する施策として、リビングプロシードが2020年9月1日からセイノーHDグループへ参入する予定。リビングプロシードは40年以上にわたってフリーペーパー配布によるプロモーションを専業としている企業。約1万人の配布員ネットワークを「OCCO」と融合し、ラストワンマイルのオープン・パブリック・プラットフォーム(O.P.P.)構築をさらに加速していく。

O.P.P.はセイノーHDが標榜する物流プラットフォーム。ココネットなどの関連子会社を中心に、狭商圏の宅配シェアリングプラットフォーム「スパイダーデリバリー」、物流のDX(デジタルトランスフォーメーション)を推進するラストワンマイル統合管理ソリューション「Delivery Solution SaaS」を提供し、全国の食品宅配ニーズに対応できる体制を整備している。

石居 岳
石居 岳

マイナポイント内容把握は35.5%。利用意向は約30%で設定したいキャッシュレスは「PayPay」「楽天カード」「au PAY」

5 years 6ヶ月 ago

MMD研究所とコロプラが提供するインターネットリサーチサービス「スマートアンサー」による共同調査「マイナンバーカードとマイナポイントに関する調査」によると、マイナポイントの内容を把握している割合は35.5%で、設定した決済サービス上位は「PayPay」「楽天カード」「WAON」だった。

「マイナポイントを聞いたことはあるが内容を把握していない」または「聞いたことがない」という回答者に内容を説明した上での利用意向は29.9%。設定したいキャッシュレス決済は「PayPay」「楽天カード」「au PAY」が上位だった。調査対象はスマートフォンを所有する18歳~69歳の男女5,353人。期間は2020年7月21日~7月27日。

35.5%が「マイナポイントの内容を把握している」

調査対象者にマイナポイントについて聞いたところ、「内容を把握している」が35.5%、「聞いたことはあるが、内容を把握していない」が47.6%、「聞いたことがない/わからない」が16.9%だった。

マイナポイント マイナンバーカード 調査 MMD研究所 マイナポイントの認知度
マイナポイントの認知度(n=5,353)(出典:MMD研究所)

「内容を把握している」と回答した人にマイナポイントの申請状況を聞いたところ、「申し込んだ」は23.9%。「申し込んでいないが、今後申し込む予定がある」は46.3%、「申し込んでおらず、今後も申し込む予定もない」は29.8%。

マイナポイント マイナンバーカード 調査 MMD研究所 マイナポイント申請状況
マイナポイントの申し込み状況(n=1,900)(出典:MMD研究所)

設定した決済サービス上位は「PayPay」「楽天カード」「WAON」

「マイナポイントを申し込んだ」と回答した人にマイナポイントに設定した決済サービスを聞いたところ、最多は「PayPay」(20.3%)。次いで「楽天カード」(12.8%)、「WAON」(12.3%)だった。

マイナポイント マイナンバーカード 調査 MMD研究所 設定した決済サービス PayPay 楽天カード WAON
マイナポイントに設定した決済サービス(n=454)(出典:MMD研究所)

マイナポイントを申請した理由の1位は「5,000円のポイントバックが魅力的だから」(76.7%)。「マイナンバーカードを持っているから」(37.9%)、「マイキーIDを持っているから」(11.5%)と続いた。

マイナポイント マインナンバーカード 調査 MMD研究所 マイナポイントの申請理由
マイナポイントの申請をした理由(n=454/複数回答可)(出典:MMD研究所)

マイナポイント利用意向は29.9%、設定したいキャッシュレス決済は「PayPay」「楽天カード」

マイナポイントについて「聞いたことはあるが、内容は把握していない」「聞いたことがない/わからない」と回答した人に、マイナポイントについて説明した上で利用意向を聞いたところ、「利用したい」が29.9%、「利用したいと思わない」が29.7%、「わからない」が40.4%だった。

マイナポイント マイナンバーカード 調査 MMD研究所 マイナポイント利用意向
マイナポイントの利用意向(n=3,453)(出典:MMD研究所)

マイナポイント利用意向者に設定したいキャッシュレス決済サービスについて聞いたところ、「PayPay」(24.5%)が最も高く、「楽天カード」(14.5%)、「au PAY」(6.7%)と続いた。

マイナポイント マイナンバーカード 調査 MMD研究所 設定したいキャッシュレス決済 PayPay 楽天カード au PAY
マイナポイントに登録したいキャッシュレス決済(n=1,032)(出典:MMD研究所)

マイナンバーカードの所有率は27.7%

調査対象者に顔写真付きマイナンバーカードを所有しているか聞いたところ、「顔写真付きマイナンバーカードを持っている」は27.7%で、「現在、受け取りの申請をしている」が7.2%、「マイナンバーカードを持っていない」が59.6%、「わからない」が5.5%だった。

マイナポイント マイナンバーカード 調査 MMD研究所 マイナンバーカード所有率
顔写真付きのマイナンバーカードの所有率(n=5,353)(出典:MMD研究所)

マイナンバーカード所有者と「受け取り申請中」と回答した人に取得した時期を聞いたところ、マイナンバーカード所有者は「2015年ごろ」(12.3%)、申請中の人は「2020年7月」(45.9%)が最多となった。

マイナポイント マイナンバーカード 調査 MMD研究所 マイナンバーカード取得時期
マイナンバーカードを取得/申請した時期(n=388)(出典:MMD研究所)

作成理由1位、所有者は「身分証明書代わり」、申請中は「マイナポイントで買い物」

マイナンバーカード所有者と「受け取り申請中」と回答した人にマイナンバーカードを作った理由を聞いたところ、最多は「身分証明書として使えるから」(36.3%)。次いで「今後利用できる場面が増えると思ったから」(31.4%)、「マイナポイントで買い物したいから」(21.7%)だった。

マイナポイント マイナンバーカード 調査 MMD研究所 マイナンバーカード作成理由 身分証明書代わり マイナポイントで買い物
マイナンバーカードを作った理由(n=1,873/複数回答可)(出典:MMD研究所)

所有者別で申請理由を見ると、所有者の最多は「身分証明書として使えるから」(39.9%)で、申請中の人は「マイナポイントで買い物したいから」(59.3%)だった。

マイナポイント マイナンバーカード 調査 MMD研究所 所有者別マイナンバーカードを作った理由
マイナンバーカードを作った理由(所有者別、上位5項目抜粋)(複数回答可)(出典:MMD研究所)
調査実施概要
藤田遥
藤田遥

スマホEC時代の新しいカゴ落ち対策。入力スピードや離脱軽減に役立つフォームの「1画面1質問」形式、知ってますか?

5 years 6ヶ月 ago
フォームの入力支援だけでは不十分!? 多くのEC事業者が頭を悩ませる「カゴ落ち(カート離脱)」問題に新提案。

ECサイトのカゴ落ち対策はEC実施企業が抱える永遠の課題です。スマートフォンで買い物をする消費者が増え、EFO(エントリーフォーム最適化)に苦心する事業者は少なくないでしょう。スマホで買い物をするユーザーにストレスなく個人情報を入力してもらうためにどうすればいいのでしょうか? 1画面に多数の入力フォームを掲載する一般的なエントリーフォームではなく、1問1答形式の入力フォームが最近、注目を集めています。

消費者の26%がカートのフォーム入力でつまずいている

ECサイトにおいて、消費者が商品をカート(買い物かご)に入れた後、決済せずにサイトから離脱することを「カゴ落ち(カート離脱)」と言います。

実店舗であれば、消費者が買い物かごに入れた商品を、決済しないということは少ないですが、ECサイトにおけるカゴ落ち率は、なんと平均69.57%にものぼることがわかっています。

米国のECサイトのカゴ落ち率(2006年〜2018年)
ECサイトのカゴ落ち率(2006年〜2018年)
https://www.codeinwp.com/blog/shopping-cart-abandonment-rate-stats/#stats
をもとに編集部で作成

カゴ落ち率を下げることは、ECサイトの売上アップと直結します。では、消費者がカゴ落ちする理由は何なのでしょうか?

Baymard Institute(ベイマード・インスティテュート)の調査によると、消費者の55%が、配送料、消費税、手数料といった追加コストの高さをカゴ落ちの理由にあげています

追加コストが高すぎる
サイトがアカウント作成を要求した
チェックアウトのプロセスが長すぎる/複雑すぎる
前もって注文の合計額を確認できなかった
クレジットカード情報を提供するまでの信頼感がなかった
Webサイトでエラーやクラッシュが発生した
配達までに時間がかかりすぎた
返金方針に納得がいかなかった
決済方法の種類が少なかった
クレジットカード決済が却下された
「カゴ落ちの理由」(n=4,584/米国の成人を対象に2018年に調査)
※グラフはBaymard Instituteのデータを元に編集部で作成

この中で注目すべきは「チェックアウトプロセスが長すぎた/複雑すぎた」という理由が3番目に多いこと。つまり、カートステップの問題が26%を占めているという点です。

1位の「追加コストが高すぎた」という点を改善するには、全体の利益構造含めたサービス内容の見直しが必要ですが、カートステップの問題であればすぐにでも改善可能です。その手法としてよく知られているのが「EFO(エントリーフォーム最適化)」です。EFOのツールは数多く存在しますが、メインの機能は「入力支援」です。

  • 漢字の名前を入力すると、ふりがなが自動で入力される
  • 郵便番号を入力すると住所が自動で入力される
  • 半角/全角が項目によって自動で変換される

上記のようなフォームの入力を支援する機能を追加することにより、カゴ落ちを防止が期待できます。

スマホでのフォーム入力に最適化した「1画面1質問」形式

ですが、こうした入力支援だけでは「チェックアウトプロセスが長すぎた/複雑すぎた」という離脱理由の解決には不十分です。

最近ECサイトで導入され始めているのが、「1画面1質問」形式にデザインが変わるEFOツールです。ここ数年、スマートフォン利用者がPC利用者を上回るECサイトが増えている中で、「1画面1質問」はスマートフォンでの入力に最適化したものです。

「1画面1質問」のフォームのイメージ
「1画面1質問」のフォームのイメージ

「1画面1質問」とは、その文字の通り入力項目が1画面に1項目表示され、その入力が完了したら「次へ」ボタンをタップし、次の項目が表示される形式です。画面に表示される情報を少なくシンプルにすることで、その情報の入力のみに集中でき、フォームが「長すぎる」「複雑すぎる」といったストレスの緩和が期待できます。

一般的なフォーム(左)と「1画面1質問」形式の比較イメージ
一般的なフォーム(左)と「1画面1質問」形式(右)の比較イメージ

画面下には全設問数と現在の項目番号を示すプログレスバーが表示されているので、進捗状況を確認できます。また、エラーが発生すると次ページに進めないため、「すべて入力した後にエラー箇所に戻って入力し直す」といった従来型のフォームによくあるイライラもありません。

「1画面1質問」の導入でCVR123%改善した事例も

実際に「1画面1質問」のEFOを導入した企業で、入力支援のみのEFOツールを利用していた時と比較して、入力完了率が123%改善されました。

導入前 従来の入力フォーム導入後 CVR123%
「1画面1質問」の導入事例

特筆すべきは、入力項目数が同じで、画面数が増えているにも関わらず、入力開始から完了までの入力時間が110%も改善されたことです。消費者がサクサクを入力できていることが、数字からもわかります。

◇◇◇

昨今の社会情勢から、初めてECを利用するシニア層も増えている中、カゴ落ち対策は急務になっています。こうした対話型入力フォームは最近、さまざまな企業がEFOツールとしてリリースしています。「対話型入力フォーム 」「対話型フォーム」といったキーワードで検索し、ぜひチェックしてみてください。

株式会社エフカフェ
株式会社エフカフェ

200万円以下の無人店舗が登場! 最新テクノロジーで「店舗KPI」を見える化する「AI STORE LAB」探訪記

5 years 6ヶ月 ago
企業向けのセキュリティソリューション「SECURE」を提供するセキュアは、アイスタイルグループとのコラボにより、次世代型無人店舗「AI STORE LAB」の実証実験を開始している。顔認証による入店、AIカメラによる来店客のデータ取得など、最新テクノロジーを活用しながらも、驚きの低価格を実現。その全容は?

無人店舗への初期投資は200万円以下(※一部設備をのぞく)――。AIカメラやセンサーなどを搭載した次世代無人店舗を低コストで構築したのは企業向けセキュリティソリューション「SECURE」を提供するセキュア。2020年7月、アイスタイルグループのコスメ商品「@cosme nippon(アットコスメニッポン)」とコラボし、次世代型無人店舗「AI STORE LAB」の実証実験を開始した。

「AI STORE LAB」は、セキュアが開発・提供する最新技術を導入した最新型の無人店舗。店内に計50台設置したAIカメラやセンサーなどで多角的なデータを取得し「店舗KPIの見える化」を実現。什器、セキュリティゲートなどは除くものの、低コストで「AI STORE LAB」の運営を実現できた理由は? サービス概要と合わせて、同事業の責任者である平本洋輔氏(取締役・事業開発部長)に話を聞いた。

顔認証で入店。キャッシャー不要の無人店舗

「AI STORE LAB」は、キャッシャーを不要とする無人店舗。入店や決済は顔認証で行う。

利用イメージとしては「Amazon GO」に近いが、Amazon GOが入店時にスマホアプリを利用するのに対し、「AI STORE LAB」は事前に登録した顔情報により認証が行われるため、スマートフォンを携帯していなくても買い物できるところに違いがある。

AI STORE LAB利用の流れ
「AI STORE LAB」利用の流れ

初回来店時に、店頭の外に設置された端末を利用し、登録サイト(セキュアが開発した専用アプリと連携)から、顔やクレジットカードなどの「個人情報」を登録すれば、次回以降は顔認証でセキュリティゲートを通過できる。

客は商品を棚から取るだけで、商品棚に搭載されたセンサーが自動で商品を識別。店内のAIカメラで撮影した顧客情報とひも付け、専用アプリ内の「カート」に入れる。退店時にゲートモニターに決済画面が表示され、内容に問題がなければ、あとは顔認証で決済が終了するという流れだ。

AI STORE LAB
退店時。顧客情報と商品情報が自動でひも付けられている。問題がなければ「お支払い」を押せば、顔認証により決済が完了しゲートが開く

「店舗KPIを見える化」する最新技術を導入

店内には、入店・退店時に使用する顔認証システムのほか、従来難しいとされてきた「店舗KPIを見える化」するための最新技術がいくつも導入されている。

1. AIカメラ

天井と商品棚にAIカメラを設置。来店客の導線、顧客情報(手に取った商品情報とのひも付け、1歳単位の年齢、性別、感情など)を把握。店内の混雑状況を把握し、「密」と判断した場合には、セキュリティゲートを開かないようにするなどの連携も。

天井に設置されたAIカメラ

2. AI商品棚(ヒートマップ搭載)

リアルタイムに在庫数を把握し、棚に置かれた商品数が一定数を下回った場合、店内スタッフの携帯端末に商品補充のアラートが行く。

店内入って左側に2つの商品棚を設置。写真にはないが、右側には美容部員が接客にあたれるスペースを用意。商品補充などの業務を効率化することで、「接客」にさらに時間を割けるという

また来店客が手に取ったが購入されなかった商品、商品配置の変化によって生じた売り上げへの影響などは、顧客情報とともにリアルタイムに分析され、専用のダッシュボードから確認できる。大量持ち去りがあった場合の万引き検知も行う。

AI STORE LAB
ダッシュボード。商品配置の変化によって生じた売り上げへの影響など、さまざまな分析に役立てられる

3. 商品連動サイネージ

各商品棚にはカメラ付きモニターが設置されており、来店客が棚から商品を手にすると、モニターに関連する情報、口コミが表示される。

AI STORE LAB
手にした商品の情報が表示されているようす

第一弾でコラボしている「@cosme nippon」との取り組みでは、実際に「@cosme」上に投稿された口コミを表示させることで、購入の後押しをする。

AI STORE LAB
手にした商品に関連する「@cosme」上の口コミ情報

精度は8-9割。残り1-2割の課題は?

無人店舗を展開する場合、利用企業が一番気になるポイントは「精度」だろう。棚から取っていない商品がカートに入っていた、購入したはずの商品がカートに入っていない。これらのミスが多発するようでは、無人店舗としての価値が軽減するからだ。

「AI STORE LAB」の事業責任者・平本洋輔氏(取締役・事業開発部長)は、「精度は、8~9割程度」という。

1~2割程度のミスが起きるのは、「1つの商品に対し複数人の手が重なるなどのシチュエーション」(平本氏)だという。

こうした課題解決策として、店頭スタッフもしくは来店客自らが棚のタッチモニターで商品の追加(+)や削除(-)ができるほか、退店時にJANコードでの追加、セキュリティーゲートに設置されたタッチモニターから商品の追加(+)や削除(-)などを行い、「修正」できるようにしている。

また、来店客が商品を手に持っているかどうかも、リアルタイムに管理モニターに表示されるので、不具合を検知した場合には、その場で修正できる運用にしているという。

セキュアの平本洋輔氏
セキュアの平本洋輔氏(取締役・事業開発部長)

初期費用200万円以下はなぜ実現?

「AI STORE LAB」は、ショールームという位置づけで、セキュアが提供する複数のソリューションを体験してもらう場としている。そのため企業は、店内のすべてのソリューションをトータルで導入することも、「顔認証システム」「AI商品棚」「スマホアプリ」など部分的に導入することもできる。

トータルで導入した場合でも、今回の実験店舗と同様の内容、規模感であれば、初期費用は200万円以下で収まるという(※什器、セキュリティゲートなどを除く)。低価格化の理由について、平本氏は次のように説明する。

商品棚に使用しているセンサーは既製品だったり、スペックの低いPCでもパフォーマンスが落ちないような開発設計をしたりと「モノ」にかけているコストが低いのが一つ。また、システムの構築をローカル(処理が軽いもの)、クラウド(処理が重いもの)で分けることで最適化を図っている。今後は軽量化に向けてさらに改善していく予定だ。(平本氏)

小売業界が抱える「IT化への遅れ」と「デジタル人材不足」という2つの課題

コスト重視の姿勢を貫く理由として、平本氏は「小売り出身」という自身のバックグラウンドと、そこで感じた「デジタル人材不足」の2つの課題をあげる。

小売業界にはIT化への遅れと、対応できるデジタル人材不足という課題がある。人がいなければ新しい取り組みはできないし、最新技術を導入してもどう効果測定していいか分からず、結局有効活用されない。加えて現在のコロナ禍では、万引きやロス率が増えるなどの問題も生じており、そうしたトラブルにも、当社が提供しているような最新テクノロジーが一役買う可能性があるが、前述した理由により導入ハードルは高い。(平本氏)

そこで、「実際に体験してもらうことで、『これは使える』。しかも低コストならうちでも導入できる」と、まずは体験できる場を用意することで、敷居を下げようと試みた。データの可視化により、業務効率の改善、売上向上、人件費の削減、ロス率の低減などさまざまなメリットも感じてもらいやすい。

「AI STORE LAB」
オンラインでリアルタイムに購入情報を確認できる

半年単位で企業と実証実験を行う予定

「AI STORE LAB」は、東京・西新宿の新宿住友ビル地下1階にある。セキュアでは同スペースを2年間契約しており、契約期間内に半年単位で複数の企業と実証実験を行う予定だ。その間に、AI活用のカギとなるさまざまなデータを収集しながら、さらなる改善を続けていく。

公文 紫都
公文 紫都

イオンが倉庫型でネットスーパーを本格稼働へ、新会社「イオンネクスト」を設立

5 years 6ヶ月 ago

イオンは8月19日、次世代ネットスーパーの運営を予定する子会社のイオンネクストを通じて、千葉市緑区誉田町に顧客フィルメントセンターの建設予定用地の取得に関する予約契約をエム・ケーと締結したと発表した。

誉田町に建設する顧客フィルメントセンターの建築面積は2万7500平方メートル。まずは千葉県と首都圏を対象に、生鮮食品を含む暮らしの必需品を販売する。今後、数年内に同様の施設を他の地域で建設する方針。

イオンは、次世代ネットスーパーの運営を予定する子会社のイオンネクストを通じて、千葉市緑区誉田町に顧客フィルメントセンターの建設予定用地の取得に関する予約契約をエム・ケーと締結
建設を予定している顧客フィルメントセンターのイメージ

イオンは英国のネットスーパー企業OcadoSolutionsと日本国内における独占パートナーシップ契約を2019年11月に締結し、同12月にイオンネクストを設立。2023年に最先端AI(人工知能)、ロボティクス機能を導入した顧客フィルメントセンターとネットスーパー事業の本格稼働をめざす。

顧客フィルメントセンターは、センター内で約5万品目の商品を扱うことができ、ロボットとAIによる24時間稼働や効率的なピックアップによる安定的な供給力を持つのが特長。

OcadoSolutionsのソリューションを活用し、顧客フィルメントセンター内のロボットは50点の商品に関する配送までの業務を約6分間で処理。最先端AIアルゴリズムを用いて最適な配送ルートを特定するという。

イオンは英国のネットスーパー企業OcadoSolutionsと日本国内における独占パートナーシップ契約を2019年11月に締結し、同12月にイオンネクストを設立。2023年に最先端AI(人工知能)、ロボティクス機能を導入した顧客フィルメントセンターとネットスーパー事業の本格稼働をめざす
顧客フィルメントセンターでは稼働するOacdo社のロボット

Oacdoの拠点は英国。最先端テクノロジーを活用したネットスーパーを運営している。店舗を持たず、オンラインで食料品などの注文を受け、顧客に配送するビジネスモデル。

最先端の顧客フィルメントセンターを動かすために必要なロボット工学やAI、ECのソフトウエア、配送ルーティング技術などに投資を継続。こうしたフルフィルメントソリューションは、世界最大級の食料品販売の小売業者にも提供している。

イオンが手がようとしているネットスーパー事業は「倉庫型」と言われるビジネスモデル。「倉庫型」は初期投資の負担が大きい先行投資型で、住友商事の子会社が運営するネットスーパー事業「サミットネット―パー」が2014年、サービス開始約5年でネットスーパー事業から撤退した。

ネットスーパーを手がける企業の多くは、店舗から商品を出荷する店舗型ネットスーパー事業を展開している。

石居 岳
石居 岳

通販・EC市場は8.8兆円で8.2%増(JADMA調査)【2019年度】

5 years 6ヶ月 ago

公益社団法人日本通信販売協会(JADMA)がまとめた「2019年度通販市場売上高調査」によると、2019年度(2019年4月-2020年3月)における国内の通販・EC市場は、前年度比8.2%増の8兆8500億円だった。金額ベースでは前年度と比べて6700億円増えた。

マイナス成長を記録した1998年度以降、21年連続で増加傾向が続く。直近10年の平均成長率は7.5%。市場規模は10年で約2倍に拡大した。

公益社団法人日本通信販売協会(JADMA)がまとめた「2019年度通販市場売上高調査」によると、2019年度(2019年4月-2020年3月)における国内の通販・EC市場は、前年度比8.2%増の8兆8500億円
JADMA調査の通販・EC市場の推移

2019年度は前年度と同様、BtoBやモール系が堅調だったほか、商材では家電系や趣味・嗜好系が伸長したという。

「2019年度通販市場売上高調査」では、JADMA会員428社(調査時点)の売上高を調査したほか、各種調査から推計できる有力非会員企業375社の売り上げを加えて算出している。

経産省調査では2019年の物販EC市場は10兆円

経済産業省が7月22日に発表した「令和元年度内外一体の経済成長戦略構築にかかる国際経済調査事業(電子商取引に関する市場調査)」によると、物販系ECは前年比8.09%増の10兆515億円。物販分野を対象としたEC化率は6.76%で同0.54ポイント増。

BtoC-EC市場規模および各分野の構成比率「令和元年度内外一体の経済成長戦略構築にかかる国際経済調査事業(電子商取引に関する市場調査)
BtoC-EC市場規模および各分野の構成比率

ホテル予約などサービス分野、デジタル分野を含めた全体のEC市場は前年比7.65%増の19兆3609億円に拡大している。

BtoC-ECの市場規模および物販系EC化率の経年推移(単位:億円)「令和元年度内外一体の経済成長戦略構築にかかる国際経済調査事業(電子商取引に関する市場調査)
BtoC-ECの市場規模および物販系EC化率の経年推移(単位:億円)
瀧川 正実
瀧川 正実

「東京都家賃等支援給付金」受付開始/百貨店がECに注力できない理由【ネッ担アクセスランキング】 | 週間人気記事ランキング

5 years 6ヶ月 ago
2020年8月14日~20日にアクセス数の多かった記事のランキングを発表! 見逃している人気記事はありませんか?
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    2020/8/17
  2. 百貨店が店舗の営業自粛でECサイトも休止した理由とECに注力できないそもそもの課題

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    2020/8/19
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    2020年10~11月に「楽天市場」「Amazon.co.jp」に出店。2021年2月以降、自社ECサイトを開設。withコロナ時代への対応として、従来事業の枠を超えて新たな販売チャネルの拡大に取り組む必要があると判断した

    2020/8/17
  4. ファッションEC「ZOZOTOWN」が始めたライブコマースの仕組みと内容とは?

    「Yahoo!ショッピング」が展開しているライブコマース機能「ショッピングLIVE」を活用。ZOZOのスタッフや著名人を起用したライブコマースを30分内の尺で展開し、「ZOZOTOWN」で販売する商品を紹介している

    2020/8/18
  5. コロナ対策の長期化とSNSネイティブ世代の成人で、これからの10年、ECを取り巻く状況は激変する

    『2025年、人は「買い物」をしなくなる 次の10年を変えるデジタルシェルフの衝撃 次の10年を変えるデジタルシェルフの衝撃』(望月智之 著/クロスメディア・パブリッシング 刊)ダイジェスト・序章

    2020/8/17
  6. 消費者庁が定期購入の規制強化へ――特商法改正で誤認表示の厳罰化も影響は限定的?

    消費者庁は、「初回無料」などとうたい複数回の継続を要件とするいわゆる「定期縛り」を規制するため、定期購入の新ルールを設ける。消費者の誤認を招く表示や解約を妨げる行為を厳罰化する

    2020/8/19
  7. 搬送ロボット、自動梱包機器など最新テクノロジーを駆使したSGホールディングスの次世代型物流センター「Xフロンティア」とは

    SGホールディングス(SGHD)の次世代型大規模物流センター「Xフロンティア」内、「シームレスECプラットフォーム」では自動搬送ロボット「EVE」や「OTTO」、自動梱包機など最先端のテクノロジーを駆使した設備が稼働している

    2020/8/17
  8. 新型コロナ下のEC利用状況調査、利用デバイス、新規客、購買単価や決済手段の変化は?

    SaaS型ECサイト構築プラットフォーム「futureshop」のフューチャーショップが、「futureshop」シリーズの利用状況からコロナ禍における消費者のEC利用状況に関する調査結果を発表

    2020/8/18
  9. Webからチャットで問い合わせするのは50代が最多。多様化が進むネット経由の問い合わせ動向【ネッ担まとめ】

    ネットショップ担当者が読んでおくべき2020年8月3日〜16日のニュース

    2020/8/18
  10. ECにInstagramマーケを採用する企業が増加――ニューバランスジャパン、SHIPS、ABCマート、ライトオン、コーセー、吉野家など

    デジタル施策におけるビジュアル活用支援を手がけるvisumoによると、Instagramの写真や動画をECサイトで活用し商品訴求力を高めるビジュアルマーケティングツール「visumo social curator(ビジュモソーシャルキュレーター)」を導入した企業が200社を突破した

    2020/8/19

    ※期間内のPV数によるランキングです。一部のまとめ記事や殿堂入り記事はランキング集計から除外されています。

    内山 美枝子

    同じ価格なら「ECモールで買う」は76%、モール利用の場合「売主を意識する」は63%

    5 years 6ヶ月 ago

    消費者庁がまとめたデジタル・プラットフォーム利用者の意識・行動調査によると、ある商品を買いたいとき、自社ECサイトと買い物系プラットフォーム上のECモールにおいて同じ売主が同じ価格で販売している場合、ユーザーの76.6%は「ECモールで買い物をする」という結果となった。

    消費者庁が実施した「デジタル・プラットフォーム利用者の意識・行動調査」
    同じ売主で同じ価格で販売していた場合に購入する場所について(画像は消費者庁が公表した資料からキャプチャ)

    自社ECサイトよりもECモールで買い物をする理由は、「ポイント・特典がつく・たまる」が37.9%、「信頼性が高い、安心、安全、確実」が24.6%。一方、自社ECサイトを選択したユーザーは、「信頼性が高い、安心、安全、確実」と回答した人が37.2%だった。

    消費者庁が実施した「デジタル・プラットフォーム利用者の意識・行動調査」
    自社ECサイトよりもECモールで買い物をする理由(画像は消費者庁が公表した資料からキャプチャ)

    オンラインで商品を購入するとき、最初からECモールやフリマサイト、直販サイトの商品ページに直接アクセルするのか、または検索サイトで検索した結果に基づき商品ページにアクセルするのかを聞いた。結果は最初からオンライン・ショッピングモールや直販サイトにアクセスするユーザーが68.1%を占めた。

    消費者庁が実施した「デジタル・プラットフォーム利用者の意識・行動調査」
    オンラインで商品を購入する際の検索行動について(画像は消費者庁が公表した資料からキャプチャ)

    ECモールで不特定のブランド・メーカーの商品を選択・購入する際に、他のECモールやECサイトの商品と比較するかを聞いたところ、「比較している」(36.9%)「どちらかというと比較している」(38.2%)を合わせて、75.1%のユーザーが他の商品と比較している。

    消費者庁が実施した「デジタル・プラットフォーム利用者の意識・行動調査」
    購入する場での比較について(画像は消費者庁が公表した資料からキャプチャ)

    ECモールを利用する際、売主がどこの会社かを意識しているか聞いた結果では、「意識している」との回答が63.6%。何に信用を置いて買い物をしているか聞いたところ、最も多かったのは「商品・サービス」で39.8%、「売り場を提供するECモール」は34.5%、「個々の出品者」は15.7%、「何にも信用していない」が8.7%。

    消費者庁が実施した「デジタル・プラットフォーム利用者の意識・行動調査」
    ECモールを利用する際の売主に対する意識について(画像は消費者庁が公表した資料からキャプチャ)
    消費者庁が実施した「デジタル・プラットフォーム利用者の意識・行動調査」
    ECモールを利用する際、何に信用を置いて買い物をするかについて(画像は消費者庁が公表した資料からキャプチャ)

    「売り場を提供するECモール」と回答した人に、なぜ信用を置いているのか聞いたところ、「名前が知られていて安心だから」が64.4%。「何かあったらトラブル対応してくれそうだから」が57.1%、「利用するのに慣れているから」が50.1%。

    消費者庁が実施した「デジタル・プラットフォーム利用者の意識・行動調査」
    ECモールを信頼する理由(画像は消費者庁が公表した資料からキャプチャ)

    通販サイトでカウントダウン表示(何分以内に購入しなければならない)、現在の在庫状況や閲覧状況(あと何個しかありません。今何人の人がこのページを見ています)などの表示があった場合、意識するかを聞いたところ、「意識している」の8.5%、「どちらかというと意識している」の32.0%を合わせて、40.5%の人が通販サイトのカウントダウン表示を意識していることがわかった。

    「どちらともいえない」は27.0%、「どちらかというと意識していない」は16.6%で、「意識していない」と答えた人は15.9%だった。

    消費者庁が実施した「デジタル・プラットフォーム利用者の意識・行動調査」
    カウントダウン表示についての意識(画像は消費者庁が公表した資料からキャプチャ)

    表示内容を信用しているか聞いたところ、最も多かったのは「どちらともいえない」の35.9%。「どちらかというと信用している」は26.2%、「どちらかというと信用していない」が19.2%、「信用していない」が13.0%。「信用している」と回答したのは最も低い5.6%にとどまった。

    消費者庁が実施した「デジタル・プラットフォーム利用者の意識・行動調査」
    カウントダウン表示への信用について(画像は消費者庁が公表した資料からキャプチャ)

    調査概要

    • 調査地域:全国
    • 調査対象:18歳以上のデジタル・プラットフォームを利用したことがある消費者
    • 回収数:3072人(国内8地域区分(人口比)×性(均等)×年代(均等)×PC利用者/スマホ利用者(均等))割り付け
    • 調査方法:インターネットモニター調査
    • 調査期間:2020年3月10日~3月16日
    石居 岳
    石居 岳

    上新電機が物流業務を大型倉庫へ移転する理由――ECの業務処理能力アップ&OtoOビジネスを推進

    5 years 6ヶ月 ago

    上新電機は、三井倉庫ロジスティクスと共同で「物流センター開設プロジェクト」を設置し、物流網の再構築に着手した。上新電機のリアル店舗とEC販売の相乗効果で、顧客により魅力ある買い物の機会の提供と商品の安定供給をめざすための取り組み。

    昨今、消費者のライフスタイルの変化により、EC利用の需要が高まっている。EC需要の高まりを踏まえ、ECにかかる業務処理能力を大幅に向上させた物流体制を構築する。

    阪急阪神不動産と三菱地所が共同で開発する大型物流施設「ロジスタ・ロジクロス茨木彩都(A棟)」(倉庫面は積約11万5999平方メートル)の全フロアを三井倉庫ロジスティクスが賃借。上新電機の新設大型ロジスティクスセンターとして、2021年夏ごろから稼働を始め、2022年春ごろの本格稼働を予定している。

    上新電機は、三井倉庫ロジスティクスと共同で「物流センター開設プロジェクト」を設置し、物流網の再構築に着手。「ロジスタ・ロジクロス茨木彩都(A棟)」に入居する
    「ロジスタ・ロジクロス茨木彩都(A棟)」の外観イメージ

    次世代物流を見据えたサステナブルな物流設計を計画する。IoT、AGV(無人搬送車)、物流業務補助システム、AI(人工知能)などを活用した最新鋭の物流業務プロセスを導入し、複数倉庫の一拠点化やリアル店舗とEC販売の相互補完、販売チャネルを考慮したシームレスな在庫一元管理を実現。ビジネスの複雑性を軽減するITシステムを構築し、リアル店舗とEC販売の連携を進める。

    最新鋭のマテハン機器を導入し、ロボティクスを含む倉庫業務運営の合理化、業務処理自動化率の向上による労働者人口の減少リスクを低減。災害リスクへの備えも施し、免震構造による倒壊リスク、湾岸エリアから内陸エリアへの移設による津波リスクなどの軽減を図る。

    大型ロジスティクスセンターは、名神高速道路の「茨木IC」まで約2.5km、新名神高速道路の「茨木千提寺IC」まで約6.5km、名神高速道路・中国自動車道・近畿自動車道の結節点「吹田JCT」まで約5.2km、国道171号線など主要幹線道路にも近く、幅広い地域をカバーできる立地となっている。

    上新電機は楽天と「楽天市場」「楽天ポイントカード」の連携強化を通じてO2Oビジネスをスタート。211店舗の実店舗で、「楽天市場」と「楽天ポイントカード」を活用したポイント付与キャンペーン施策を定期的に実施している。1億人以上の会員基盤を抱える楽天会員を活用し、オンラインとオフラインの店舗へ送客を図っている。

    2020年3月期連結業績によると、EC売上高は前期比4.8%増の571億3400万円。連結売上高に占めるネット販売の構成比を示すEC化率は13.8%だった。2020年3月期の決算短信では、3年間分のチャネル別売上構成を公表。2018年3月期のEC売上は574億4300億円でEC化率は14.7%、2019年3月期は同545億4100万円で同13.5%。

    石居 岳
    石居 岳

    デジタル広告の状況から見えるコロナ禍のデジタルマーケティングの変化とは? クリック数は過去最高もCPCは最安値を更新 | 海外のEC事情・戦略・マーケティング情報ウォッチ

    5 years 6ヶ月 ago
    マーケティング会社Merkleが発表した最新の「デジタルマーケティングレポート」によると、有料検索広告のクリック数とインプレッション数が増加した一方、クリックあたりのコストは大幅に減少しています

    新型コロナウイルス拡大の影響を全面的に受けた2020年第2四半期(4-6月期)、新型コロナウイルスがデジタルマーケティングに与えた衝撃的な影響が、Merkle社の「デジタルマーケティングレポート」で示されています。

    店舗を利用していた消費者がオンラインに移動したため、広告クリック数とサイトへの流入はほぼどの企業も増加しましたが、小売事業者の苦戦が続き、広告をアップグレードしたがらなかったため、クリックあたりのコストは大幅に減少しました。

    CPCは最安値を更新も、クリック数は過去最高

    Markle社のリサーチ部門 副社長のマーク・バラード氏は言います。

    オフラインで存在感を示しているブランドは、オンラインが好調だったとしても、3月下旬から4月にかけて売り上げが減少していました。ですから、オンライン広告によって、オフラインでの売り上げも促進することが求められています。オフラインでの販売が大幅に減少している場合は、CPC(クリック単価)を以前のように高くすることはできません。(バラード氏)

    クリック数は増加する一方で、コストは減少し続けている

    アメリカにおいて、Google、Yahoo!、Bingなどを含むすべての検索エンジンの有料検索広告への支出額を見ると、第2四半期は前年同期比8.9%増でしたが、第1四半期から3ポイント減少しました。しかし、Merkle社が発表したデジタル広告レポートによると、クリック数は38.0%増と過去5年で最高の伸びを記録しているのです。

    CPC、または各広告主がPPC(ペイパークリック、クリック課金型広告の総称)で1クリックに支払った実際の価格は、第2四半期に21.1%減少しています。

    Markel社が調査した、Google、Yahooなどの検索エンジン内、全ての有料検索広告を含む全米における有料検索広告支出、クリック数、CPCの伸び率
    Merkle社が調査した、Google、Yahooなどの検索エンジン内、全ての有料検索広告を含む全米における有料検索広告支出、クリック数、CPCの伸び率(「Cost-per-click falls across the board for digital marketingより編集部が作成)

    バラード氏によると、米国政府の景気刺激策と失業給付金の延長によって、4月下旬から5月までの間に消費者の購買行動が促進、最終的に小売売上高は6月に増加したそうです。しかし、新型コロナウイルスの不確実性により、CPCは下がり続けています

    すぐに何かが起こらない限り、来月は失業給付の延長はないかもしれません。もし、需要がないのであれば、CPCが元の水準に戻るとは思えません。今のところ、私にとってそれが最大の疑問符です。(バラード氏)

    Googleの検索広告成長率は過去最悪の数字

    GoogleのCPCでさえ、第1四半期(1~3月期)の前年同期比2.2%減から第2四半期は同21.9%減となっています。しかし、クリック数は同39.0%増、広告費は同8.6%増と伸びました。Google検索広告への支出額は、Merkle社がデジタルマーケティングレポート発表し始めてから8年間で、最も低い成長率を記録した第1四半期から、さらに3ポイント近く減少しているのです。

    全米におけるGoogle検索広告への支出額、クリック数、CPCの伸び率
    全米におけるGoogle検索広告への支出額、クリック数、CPCの伸び率(「Cost-per-click falls across the board for digital marketingより編集部が作成)

    第2四半期における小売業のクリック数と広告費は健全な伸び

    業種別で見てみると、小売と消費財は広告費とクリック数の伸びが健全でしたが、第2四半期の広告費は過去2番目の大きな減少になりました。

    小売業は広告費が前年同期比11.0%増、クリック数が同41.9%増となりましたが、第2四半期のCPCは21.8%減。一方、旅行業界は広告費が同47.4%減、クリック数が同34.2%減、CPCは同20.1%減となりました。

    小売業、B2Bビジネス、旅行業のGoogleへの広告費、クリック数、CPCの前年同期比
    小売業、B2Bビジネス、旅行業のGoogleへの広告費、クリック数、CPCの前年同期比(「Cost-per-click falls across the board for digital marketingより編集部が作成)

    Googleショッピングのプロダクトリスティング広告(PLA)は、過去1年間減少を続けており、第2四半期は前年同期比6.7%増と低い成長率でした。2020年初め、Googleは有料広告の代わりに、ショッピング検索広告に無料で商品リストをフィーチャーすることを決定した為、この低成長はおそらく続くでしょう。

    自然検索は回復し始める

    すべての業界でGoogle検索からの自然流入が増加し、2019年第1四半期に始まった5四半期連続の落ち込みは、2020年第2四半期に前年同期比32.9%増と跳ね上がりました。モバイルも前年同期比34.9%増と回復しています。

    長い間減少傾向だったGoogleからの自然流入が増加

    Googleからの自然流入 全体とモバイルにおける自然流入の伸び率
    全体とモバイルにおける自然流入の伸び率(「Cost-per-click falls across the board for digital marketingより編集部が作成)

    業界別では、旅行業界は第2四半期のGoogleからの自然流入数が前年同期比50.5%減となり、大きな打撃を受けています。小売・消費財は同四半期に42.5%増となりましたが、その多くは消費者が必需品を検索した結果です。小売業界内をカテゴリー別で見ると、第2四半期には必需品の検索数が69.5%増、その他の非必需品が41.2%増、アパレルは前年同期比1.5%減となりました。

    Googleからの自然流入
    Googleからの自然流入数の伸び率(「Cost-per-click falls across the board for digital marketingより編集部が作成)
    小売業のカテゴリー別Googleからの自然流入数の伸び率(「Cost-per-click falls across the board for digital marketingより編集部が作成)

    Amazonは、第2四半期にGoogleのテキスト広告を再開

    Amazonはオンライン注文の需要が増えたため、必要不可欠なアイテムの需要を満たすことを優先しましたが、第2四半期の初めに物流トラブルに見舞われました。結果として、CPCが41%減少したとMerkle社はレポート内で言及しています。Amazonのスポンサー広告への出稿は、前年同期比22%増でしたが、前四半期の67%増からは減少しています。

    クリック数は上昇するも、広告収入の成長率が鈍化したAmazonスポンサー広告

    Amazonスポンサー広告の前年同期比較(「Cost-per-click falls across the board for digital marketingより編集部が作成)

    2020年第1四半期の末、Amazonは3月から6月第2週までの12週間、Googleのテキスト広告を停止しました。新型コロナウイルスの影響でさらに多くの消費者がオンラインショッピングに転向したことで、注文頻度増加による負荷が高まったことを受けて、Amazonは初めてこのような決定をしました。その後、インプレッションを以前の約4分の1に抑え、6月にGoogleでのテキスト広告の支出を再開しました。

    Googleテキスト広告内におけるAmazonのインプレッションの週ごとのシェア
    Googleテキスト広告内におけるAmazonのインプレッションの週ごとのシェア(「Cost-per-click falls across the board for digital marketingより編集部が作成)

    Facebook広告を上回るパフォーマンスを続けるInstagram

    Instagramは、広告出稿額、インプレッション数、1000インプレッションあたりのコスト(CPM)の点で、Facebookを上回る結果が続いています。Facebookは、Instagramの広告費を除いた場合、前四半期の19%増に対して、第2四半期は前年同期比4.2%増に鈍化。それに対して、Instagramの広告費は30.4%の伸びでした。

    ソーシャルメディアのCPCと同様のコストパーインプレッション(CPI、1回表示あたりの広告のコスト)は、第2四半期にFacebookで16.7%、Instagramで10.4%と前年同期比で減少しました。

    FacebookとInstagramの広告収入、前年同期比較
    FacebookとInstagramの広告収入、前年同期比較(「Cost-per-click falls across the board for digital marketingより編集部が作成)

    この記事は今西由加さんが翻訳。世界最大級のEC専門メディア『Digital Commerce 360』(旧『Internet RETAILER』)の記事をネットショップ担当者フォーラムが、天井秀和さん白川久美さん中島郁さんの協力を得て、日本向けに編集したものです。

    Digital Commerce 360
    Digital Commerce 360

    ECにInstagramマーケを採用する企業が増加――ニューバランスジャパン、SHIPS、ABCマート、ライトオン、コーセー、吉野家など

    5 years 6ヶ月 ago

    Instagram(インスタグラム)の写真や動画をECサイトで活用する企業が増えている。

    ecbeingの子会社で、デジタル施策におけるビジュアル活用支援を手がけるvisumoによると、Instagramの写真や動画をECサイトで活用し商品訴求力を高めるビジュアルマーケティングツール「visumo social curator(ビジュモソーシャルキュレーター)」を導入した企業が200社を突破。ファッション、コスメ、食品、インテリアといった業種を中心に大手・有名企業が導入しているという。

    Instagram(インスタグラム)の写真や動画をECサイトで活用する企業が増えている
    「visumo social curator」導入企業の一部

    「visumo social curator」はInstagram上の写真や動画、IGTV(最大10~60分の動画をフィードやストーリーに投稿できる機能)を活用し、ECサイトやブランドサイトなどでコンテンツを展開できるサービス。

    最も導入されている業種は、ファッション・アパレル系企業で35%を占める。ニューバランスジャパン、SHIPS、ABCマート、ライトオンなど80社以上が導入。

    化粧品・コスメの導入割合は20%となり、コーセーやハウスオブローゼ、ザ・ボディショップなどが採用している。

    2020年3月以降に急増しているのが、コロナウイルスの影響で巣ごもり需要が高まった食品系EC事業者。吉野家、久原本家、富澤商店、鈴廣かまぼこなどが導入したという。

    「visumo social curator」を使うジャンルの内訳
    「visumo social curator」を使うジャンルの内訳

    「visumo social curator」は、インスタグラムの写真や動画をECサイトのコンテンツに活用できる「social curator」と、ECサイトに活用して動画制作が行える「video maker」の2つのラインアップで構成している。

    「social curator」はInstagram上の写真検索や投稿者への利用許諾、直感的なCMS機能、クリエイティブを分析する機能などを備え、次世代のクラウド型ビジュアルマーケティングツールとして機能拡張を進めている。

    Instagram(インスタグラム)の活用事例、ニューバランスジャパン
    ニューバランスジャパンの活用例

     

    瀧川 正実
    瀧川 正実

    ジーユーがコスメのネット通販、コスメブランド「#4me by GU」をECサイトや大型店などで展開

    5 years 6ヶ月 ago

    ファーストリテイリング傘下のジーユーはコスメブランドを立ち上げ、ネット通販や大型店などの販売を始める。

    新たに立ち上げるコスメブランドは「#4me by GU(フォーミーバイジーユー)」。「YOUR FREEDOM 自分を新しくする自由を。」をブランドメッセージに、「ファッションに合う」という要素を取り入れたコスメブランドとして展開する。

    発売は9月4日。国内のジーユー大型店、超大型店、ECサイトで販売する。

    まずは、リップスティック、クリームアイシャドウ、リップグロス、マルチパレットの4型を展開。服だけではなく、メイクも含めたトータルファッションを提案していく。

    ファーストリテイリング傘下のジーユーはコスメブランド「#4me by GU(フォーミーバイジーユー)」を立ち上げ、ネット通販や大型店などの販売を始める
    「#4me by GU」で展開する商品

    商品開発は、「お客さまのお悩みやニーズに耳を傾け、商品を開発している」(ジーユー)。「毎日マスクをしていて唇の乾燥が気になる」という女性客の声に応えるため、リップスティックには保湿成分を配合した。

    「プチプラコスメはカラーが強くて使いにくかったり、品質も少し心配」という声には、水分率53%を配合したアイシャドウを開発するなど、「#4me by GU」は潜在ニーズとファッションを意識した新しいコスメブランドに仕上げたとしている。

    品質にもこだわったという。投入する製品は日本製で「国内工場での厳しい品質基準に基づいた高品質な商品を手に取りやすい価格で提供する」(ジーユー)。

    一方で「手に取りやすい価格を実現した」という販売価格は、リップスティックとクリームアイシャドウが590円(税別)、リップグロスは790円(税別)、マルチパレット1490円(税別)。

    瀧川 正実
    瀧川 正実

    消費者庁が定期購入の規制強化へ――特商法改正で誤認表示の厳罰化も影響は限定的? | 通販新聞ダイジェスト

    5 years 6ヶ月 ago
    消費者庁は、「初回無料」などとうたい複数回の継続を要件とするいわゆる「定期縛り」を規制するため、定期購入の新ルールを設ける。消費者の誤認を招く表示や解約を妨げる行為を厳罰化する

    消費者庁が定期購入の新ルールを定める。「初回無料」などとうたい、複数回の継続を要件とする、いわゆる“定期縛り”の規制を強化。誤認を招く表示や解約を妨げる行為を厳罰化する。来年の通常国会で、新たな条文を盛り込んだ特定商取引法の改正を目指す。ただ、定期購入を行う複数の企業は、規制に「影響はない」としており、限定的な影響にとどまりそうだ。

    法改正で解約トラブル防止へ

    7月28日に行われた「特定商取引法及び預託法の制度の在り方に関する検討委員会」で骨子案が示された。

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    「特定商取引法及び預託法の制度の在り方に関する検討委員会」での公表資料の一部(消費者庁の公表資料をネッ担編集部がキャプチャし追加)

    「顧客の意に反して契約の申込みをさせようとする行為」は、2016年の法改正に合わせ、ガイドラインを整備。以降、執行を強化している。ただ、以降も定期購入トラブルは高水準で推移。定期購入の相談件数は昨年、約4万4000件と前年から倍増した。

    骨子案では、「顧客の意に反して契約の申込みをさせようとする行為」を、法改正により独立した禁止行為として規定する。現在、通販関連で直罰規定があるのは、「誇大広告の禁止」(第12条、100万円以下の罰金)だけだが、同行為も新たに罰則(罰金、懲役等)を設ける。ガイドラインの見直しも行い、表示ルールの解釈も明確にする。

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    骨子案で示された「定期購入規制」の主な方向性

    民間委託で違反のおそれのあるサイト検索を行うモニタリング事業による監視も強化。今年度は、これ以外のモニタリングを含め8000万円ほど予算計上するが、次年度以降、予算要求を増やし、法執行を強化する。

    「いつでも解約」などと表示しつつ、実質的に解約を不当に妨害する行為も禁止する。定期購入トラブルでは、こうした表示を行いつつ、電話による解約手続きに限定したり、電話受付を実質的に拒否することで解約を妨害する行為がある。法改正でこうした行為について新たに条文を設け、行政処分の対象にする。

    悪質業者の排除に向けた取り組み

    電話勧誘販売では、同様の規定がある。

    消費者庁は今年1月、定期購入トラブルをめぐりRarahira(ララヒラ)に対し、6カ月の業務停止命令と指示処分を下した。同社は、健康食品等の通販を行うが、「電話勧誘行為」で処分されている。「いつでも解約できる」と勧誘しつつ、電話がつながりにくい状況を放置して解約を困難にしていたとして、処分された。通販にも同様の規定を設ける。

    このほか、「解約権」など民事ルールも検討する。対象範囲は、定期購入契約の表示に限定し、通販全体を対象にはしない考え。違反表示で誤認した消費者が事業者を対象にした民事訴訟や交渉でトラブル解決を図りやすくする。

    定期購入規制に複数の通販企業は、「影響はない」とする。聞き取りを行った企業の多くは、受注と解約の窓口が同じ。「一時的につながりにくくなる状況はあるが、応答率は99%を目指している」、「解約は電話、ファックス、ウェブでも即座に受け付けている」としている。

    定期契約の要件に関する表示も「新規獲得しづらい面はあるが、弁護士2人がチェックするなど厳しいぐらいの体制を敷いている」。”定期縛り”をめぐる一連の規制強化を受け、「今後、定期縛りは止める方向にある」と話す企業もいる。

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    定期購入規制に関する通販企業の主な意見

    消費者庁も今回の法改正に「真っ当な事業者に影響はでないようする」(取引対策課)としており、影響は悪質業者の排除に向けた限定的なものにとどまりそうだ。

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