ネットショップ担当者フォーラム

青山商事がAmazonアカウントで会員ログインと支払いを可能に、ECサイトに「Amazon Pay」を実装

5 years 1ヶ月 ago

青山商事は3月19日、ECサイト「洋服の青山オンラインストア」にAmazonのID決済サービス「Amazon Pay」を導入した。

Amazonアカウントを使い「洋服の青山オンラインストア」での会員登録、会員ログイン、そして支払いができるようになる。

青山商事がECサイトにAmazon Payを導入
ログイン・新規会員登録の画面(画像は編集部がECサイトからキャプチャ)

「Amazon Pay」は、Amazonアカウントに登録された配送先住所やお支払い情報を使うことで、Amazon以外のECサイトで簡単にログイン・決済ができるID決済サービス。

既存会員は、「洋服の青山オンラインストア」で商品を購入する際、ECサイトの会員登録情報とAmazonの会員ID情報を連携すると、支払い時に「Amazon Pay」で決済できるようになる。また、2つの情報連携で、次回購入からAmazonアカウントでECサイトへログインすることも可能。

新規については、ゲスト購入のほか、Amazonアカウントで会員登録することができる。

「Amazon Pay」が導入されたECサイトでは、Amazonアカウントを利用すれば、購入時に配送先・クレジットカード情報の入力をすることなく、決済を行うことが可能。買い物カゴに商品を入れてから、最短2クリックで決済することが可能になるため、消費者の「独自ドメインのECサイトでの情報入力の不安」「情報入力のめんどくささ」「入力ミス」などの解消が期待できる。

導入企業はすでに1万社を突破しており、ジャンルを問わずにさまざまなECサイトが「Amazon Pay」を決済手段として導入している。

瀧川 正実
瀧川 正実

コロナ禍でアジア10都市の消費行動はどう変わった? ライブコマースの認知・利用&購買行動の変化【トランスコスモス調査】

5 years 1ヶ月 ago

トランスコスモスが実施した、アジアにおけるオンラインショッピング利用の現状と変化を探る自主調査「アジア10都市オンラインショッピング利用調査2021」によると、東京の消費者がライブコマースで商品購入した割合は5.9%にとどまった。

ライブコマースで購入した経験があると答えた消費者は、ハノイ(62.5%)、バンコク(60.6%)、ムンバイ(52.5%)で半数を超えた。東京はわずか5.9%。アジア都市との差が顕著となっている。

トランスコスモスが実施したアジアにおけるオンラインショッピング利用の現状と変化を探る自主調査「アジア10都市オンラインショッピング利用調査2021」、ライブコマースの認知・利用経験
ライブコマースの認知・利用経験(数字は%)

ライブコマースを利用して感じることについて(10都市平均)、「画像やテキストでは分かりにくい説明を聞くことができる」(65.2%)、「買い物をするとき、不明点や疑問点をすぐに確認できる」(57.3%)、「商品の使い方について実演してくれる」(50.9%)といったライブ映像の特性が評価されていた。

利用しない理由は「配信のタイミングがあわないことが多い」(41.4%)が10都市平均で最多。一方、「買い物はじっくり行いたい」「テレビショッピングみたいで嫌い」など、買い物スタイルの好みに起因する理由も上位にあがっている。

トランスコスモスが実施したアジアにおけるオンラインショッピング利用の現状と変化を探る自主調査「アジア10都市オンラインショッピング利用調査2021」
ライブコマースの利用感や使わない理由

新型コロナウイルスによる購買行動の変化について、全体平均の上位には「実店舗での買い物回数が減った」(56.5%)、「オンラインで購入する頻度や金額が増えた」(49.8%)、「自炊やオンラインデリバリーを利用して在宅で食事をとることが増えた」(41.7%)などがあがった。

トランスコスモスが実施したアジアにおけるオンラインショッピング利用の現状と変化を探る自主調査「アジア10都市オンラインショッピング利用調査2021」。新型コロナウイルスによる購買行動の変化
新型コロナウイルスによる購買行動の変化(数字は%)

オンライン購入で増えたジャンルは「日用品・トイレタリー」が10都市平均50.4%で最も多い。クアラルンプール、ハノイ、マニラ、バンコクでは「フードデリバリー」が最も高かった。

「アジア10都市オンラインショッピング利用調査2021」は今回で4回目。時系列推移がわかる基本設問に加え、新型コロナウイルスによるショッピング行動や意識の変化についても分析した。

調査の概要

  • 調査手法:グローバルパネルを利用したオンライン調査、現地語によるアンケート
  • 調査地域:日本(東京)、中国(上海)、台湾(台北)、インドネシア(ジャカルタ)、シンガポール(シンガポール)、タイ(バンコク)、マレーシア(クアラルンプール)、ベトナム(ハノイ)、フィリピン(マニラ)、インド(ムンバイ)
  • 調査対象者:10歳から49歳の男女、直近1年以内のオンラインショッピング利用(購入)経験者
  • 回収サンプル:320×10都市、計3200サンプル
  • 調査実施期間:2020年12月~2021年1月
石居 岳
石居 岳

「雇用調整助成金」特例措置は4月末まで/「ZOZOTOWN」が大幅リニューアル【ネッ担アクセスランキング】 | 週間人気記事ランキング

5 years 1ヶ月 ago
2021年3月19日~25日にアクセス数の多かった記事のランキングを発表! 見逃している人気記事はありませんか?
  1. 1日1人あたり上限1.5万円の助成額など「雇用調整助成金」特例措置は4月末まで。5~6月は1.35万円、7月以降はさらに縮減方針

    7月以降は、雇用情勢が大きく悪化しない限り、「雇用調整助成金」の原則的な措置、特例措置をさらに縮減するとしている

    2021/3/23
  2. 「ZOZOTOWN」のリニューアル、ラグジュアリー&コスメ専用モールのオープンなど戦略・サービス概要まとめ

    大幅なリニューアルを実施した「ZOZOTOWN」。戦略やラグジュアリー&コスメへの参入などの概要を解説

    2021/3/19
  3. EC事業者は“消費者のための”知財管理を。北の達人・木下社長が語る「模倣品が生まれる背景と憤り」「競合との戦い方」

    北の達人コーポレーション 代表取締役社長 木下勝寿氏インタビュー【後編】(連載第18回)

    2021/3/24
  4. コロナ禍で示された「実店舗での顧客体験の重要性」。Lowe's(ロウズ)とコストコに学ぶリアル店舗のDXとデジタル活用の事例

    伴大二郎氏(オプト エグゼクティブ・スペシャリスト パートナー 兼 オムニチャネルイノベーションセンターセンター長、顧客時間 プロジェクトマネージャー)による2021年のNRF考察

    2021/3/22
  5. アフターコロナは異業種参入が当たり前。「顧客体験の区分」で競合が生まれる時代へ【ネッ担まとめ】

    ネットショップ担当者が読んでおくべき2021年3月15日〜21日のニュース

    2021/3/23
  6. ECサイト構築・運営で起きた5つの失敗事例に学ぶ担当者が事前に把握すべきこと

    ECの代表的な失敗事例、①デザインのこだわった失敗②SEOが弱くなった失敗③業者任せで失敗④開発費用を抑え過ぎて失敗⑤業者選定で失敗――の5例を解説

    2021/3/24
  7. ネット通販の配送で最も利用しているのは「ヤマト運輸」、重視するのは「配送料金」【カラーミーショップ調査】

    月額制ネットショップ作成サービス「カラーミーショップ」は、「カラーミーショップ」利用事業者に対し「配送会社の利用状況に関するアンケート」を実施。最も利用されている配送会社は「ヤマト運輸」

    2021/3/24
  8. 「予期せぬ商品に出会える」。アダストリアがECサイト「.st」で始めたショートビデオ接客とは?

    ショートビデオ接客はFANATICが提供するオンライン接客ツール「ザッピング」を導入して、実現。「予期せぬ商品に出会う」という店頭のような買い物体験を提供する

    2021/3/22
  9. ECサイト構築・制作・運用支援の“ECのプロ集団”、「メルカート」を提供するecbeingグループ「エートゥジェイ」とは?

    「メルカート」が選ばれる理由、ecbeingグループの強みとは? エートゥジェイの飯澤満育代表取締役社長へのインタビュー

    2021/3/23
  10. オルビスが店頭スタッフの知見をECサイトに活用、美容部員が商品を紹介する「Style Share」をスタート

    オルビスは、バニッシュ・スタンダードが提供する「STAFF START(スタッフスタート)」を導入。実店舗のビューティーアドバイザーがECサイト上でお気に入り商品を紹介する「Style Share(スタッフ シェア)」を始めた

    2021/3/23

    ※期間内のPV数によるランキングです。一部のまとめ記事や殿堂入り記事はランキング集計から除外されています。

    内山 美枝子

    ジャパネットたかたグループの連結売上は2405億円で過去最高【2020年12月期】

    5 years 1ヶ月 ago

    ジャパネットたかたの持ち株会社であるジャパネットホールディングスの2020年12月期連結売上高は、前期比15.8%増の2405億円で過去最高を更新した。コロナ禍で通販・EC需要が拡大。巣ごもり消費などで生活家電など通販事業が伸びた。

    2012年12月期に2期連続の減収。2013年12月期にV字回復を成し遂げ、それ以降右肩上がりの成長を続けている。

    ジャパネットたかたなどを傘下に抱えるジャパネットホールディングスの売上高推移
    ジャパネットホールディングスの売上高推移(画像はジャパネットHDのサイトからキャプチャ)

    2020年は広告企画、映像・グラフィック制作、キャスティングやイベントの企画・運営を担う「ジャパネットコミュニケーションデザイン」を設立。さらに、グループ内業務の請負やスタッフへの教育、グループ内外への人材派遣を担う「ジャパネットリージョナルスタッフィング」も設立した。

    スポーツ・地域創生事業を担う「リージョナルクリエーション長崎」が、稲佐山公園・ロープウェーの指定管理を開始。長崎初のプロバスケットボールクラブ「長崎ヴェルカ」を立ち上げ、Bリーグへの参入をめざしている。

    東京拠点から一部の機能を福岡に移転する「JAPANET@FUKUOKA」プロジェクトも始動。 2021年のBS開局をめざし、BS局の放送業務や番組制作などを担う「ジャパネットブロードキャスティング」を設立した。

    ウィズコロナに対応した働き方への対応も進める。2021年には、東京のオフィスに置く経営戦略の部門や新規事業担当部門、媒体制作部門など5割程度の部門を福岡に移転。コロナ禍を機に変わる働き方を踏まえ、社員に負荷のかからないオフィスの在り方の見直しを進めており、福岡の新拠点設置もその一環。

    コロナ対応では2020年、コールセンター業務の見直しなども図ってきた。ジャパネットHDは新型コロナウイルス感染拡大を防止するため、

    • 座席数は3分1程度に減らし、感覚を空け普段は開けないドアや窓も開放
    • 電話を自宅で受け付けできる仕組みを導入。選抜したコミュニケーターのみで対応
    • 外出自粛の影響で宿泊者が減少しているホテルに対し、コールセンターとしての活用を提案。1室1人の環境で電話を受け付ける「ホテル受注」を実施

    などの対策を行っていた。

    石居 岳
    石居 岳

    千趣会が本業の通販事業に経営資源を集中、ブライダル事業を売却

    5 years 1ヶ月 ago

    千趣会は、ブライダル事業を手がける持分法適用関連会社のワタベウェディング、連結子会社でブライダル事業を展開するディアーズ・ブレインの株式を、それぞれ売却すると発表した。本業の通信販売事業に経営資源を集中する。

    千趣会は3月19日、ワタベウェディングの完全子会社化をめざすホテル事業などの興和にワタベウェディングの一部株式を無償譲渡し、無償譲渡しない株式はスクイーズアウト(金銭交付などで少数株主を強制的に排除する手法)手続きで売却すると発表した。

    ブライダル市場は少子化に伴う婚姻組数の減少、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴う婚礼の延期やキャンセルなどで厳しい状況に陥っている。こうした状況下、ワタベウェディングは2020年12月期、債務超過に陥った。

    千趣会 ブライダル事業におけるコロナ禍の影響
    ブライダル事業におけるコロナ禍の影響(画像は千趣会のIR資料からキャプチャ)

    ワタベウェディングは2020年11月頃から、増資の引き受けに関する新たなスポンサーを検討し、興和による提案が最善の策と判断。興和の完全子会社化に向けて千趣会もワタベウェディングの株式を手放すことにした。株式無償譲渡の実行日は6月23日の予定。

    連結子会社であるディアーズ・ブレインの株式もベンチャーキャピタル(VC)に譲渡する。ただ、VCが出資するディアーズ・ブレインHDへ5%を出資して業務提携契約を締結。「結婚」というライフイベントでの価値提供、その前後の生活において商品提案の機会を得るため、通信販売事業を中心にブライダル事業との連携を追求する。株式譲渡日は3月31日の予定。株式譲渡価額は開示していない。

    千趣会の2020年12月期におけるブライダル事業の業績は、売上高が前期比59.4%減の84億円、営業損失は37億2800万円(前期は9億7100万円の営業利益)だった。

    千趣会の2020年12月期におけるセグメント業績
    千趣会の2020年12月期のセグメント別業績(画像は千趣会のIR資料からキャプチャ)

    千趣会はグループの再成長に向け、顧客との「つながり方」や「提案方法」を時代に合った形に進化。顧客・取引先をパートナーとする「共創」をベースとした「生活総合提案型企業として独自のビジネスモデルを構築する方針を策定した。

    その方針のもと、通信販売事業を「生活総合提案型企業」のコア事業と位置付け、経営資源を集中的に投下することにした。

    千趣会の今後の方向性
    千趣会の今後の方向性(画像は千趣会のIR資料からキャプチャ)

     

    石居 岳
    石居 岳

    Amazonが始めた「スポンサーブランド動画広告」とは? CVRとCTRは静止画広告を大きく上回ったアマゾンの新広告を解説 | 海外のEC事情・戦略・マーケティング情報ウォッチ

    5 years 1ヶ月 ago
    2020年に導入されたAmazonの「スポンサーブランド動画広告」が、オンラインマーケターにとって大きな意味を持つワケとは?

    Amazonの「スポンサーブランド動画広告」は、「Prime Day」をきっかけにブレイクし、ホリデーシーズン以降も静かに人気を集め続けています。なぜか誰もこのトレンドを話題にしませんが、この小さなコマーシャル動画広告は今後数か月、数年の間にますます重要になっていくでしょう。Amazonの「スポンサーブランド動画広告」の概要と効果について見ていきます。

    静止画の30%以上のCVRをもたらすスポンサーブランド動画広告

    2020年から始まったAmazonの「スポンサーブランド動画広告」は、スポンサーブランド広告の動画広告を検索結果に組み込むというものです。この広告は瞬く間に人気を博しましたが、その理由は見た目がかっこいいからではありません。驚くほど成果の高い広告だからです。

    Amazonのスポンサーブランド動画広告
    スポンサーブランド動画広告に関するページを用意している(画像は「Amazon Advertising」内のページより編集部がキャプチャ)

    マーケティング会社の「Tinuiti」が2020年12月に行った調査では、4月の段階で「スポンサーブランド動画広告」を展開した広告主は従来の18倍にのぼったことがわかりました。

    「スポンサーブランド動画広告」は第4四半期(2020年10-12月)において、従来の静止画広告よりも440%以上高いクリック率を生み出すと同時に、静止画よりも30%以上高いコンバージョン率をもたらしました。

    このような結果は、マーケターにとって感涙ものでしょう。この数字を見てもピンとこない方は、スーパーボウルでバドワイザーのTVCMを見た後、5人に1人がソファから離れ、6本入りパックを買うためにお店に直行すると想像してみてください。もちろん、ECサイトでの買い物と、テレビの画面を受動的に見るのとは大きく異なりますが、どちらがより効果的で測定可能であるかを強調するためにこの例えをあげてみました。

    「Prime Day」では、スポンサードブランド全体の売り上げが600%近く増加しました。そのうち動画広告は5分の1に過ぎず、残りは通常の広告でした。しかし、売上増加を支えた原動力は動画広告だったのです。

    Amazonの「スポンサーブランド動画広告」
    「スポンサーブランド動画広告」の表示イメージ

    動画広告の効果。ブランド認知から購入まで

    動画広告が通常の広告よりも効果的であることは、目新しい話ではありません。視聴者は、動画を見たときにはメッセージの95%を覚えるのに対し、文字で読んだときには10%しか覚えていません

    興味深いのは、商品を売ろうとする動画が表示される時、ほとんどの場合は、消費者が見ようとしているものを邪魔しているという事実です。一方のAmazonでは、消費者は買い物以外のことを求めていないので、10秒から30秒程度のミニ動画CMが、カスタマーエクスペリエンスを向上させるのです。

    もう1つの興味深い点は、ファネル上部にいる消費者の認知度を高めるこれらの動画は、購入率増加においても効率的であるとわかったことです。「ブランド認知から始まって、購入にもつながるマーケティング」という状況になっています。

    スポンサーブランド広告は、ブランドロゴ、カスタム見出し、および複数の商品を掲載するクリック課金制の広告
    スポンサーブランド広告は、ブランドロゴ、カスタム見出し、および複数の商品を掲載するクリック課金制の広告。関連性の高い商品検索結果ページに表示される(画像:広告内容紹介ページよりキャプチャ)

    また、販売者が自ら制作した動画コンテンツを掲載することで、Amazonがカスタマーエクスペリエンスを向上させていることも非常に面白い点です。考えてみれば、この方法は論理的です。なぜならブランドは自社商品を一番知っていますし、自社コンテンツの効果をすぐに測ることができるからです。

    ◇   ◇   ◇

    いまだにAmazonをダイレクトレスポンスマーケティングのチャネルと考えている広告主は、考え直したほうがいいかもしれません。ここ数年Amazonは、ブランドが消費者とより密接な関係を築けるような環境づくりに力を注いできました。

    新しい動画広告の成功は、ますますAmazonがマーケターにとってブランド構築と物販の両方ができる場所になっていることを示しています。もはや、ブランド構築、物販のどちらか一方だけではないのです。

    この記事は今西由加さんが翻訳。世界最大級のEC専門メディア『Digital Commerce 360』(旧『Internet RETAILER』)の記事をネットショップ担当者フォーラムが、天井秀和さん白川久美さん中島郁さんの協力を得て、日本向けに編集したものです。

    Digital Commerce 360
    Digital Commerce 360

    コメ兵を卒業する藤原義昭氏に聞く「転職理由」「EC・小売業の振り返り」「DX推進の成功ポイント」など【インタビュー】

    5 years 1ヶ月 ago
    2021年3月末での退職を発表したコメ兵ホールディングス執行役員の藤原義昭氏に、転職理由からDX推進を成功させるための心得などを聞きました

    コメ兵のECサイトを2000年に立ち上げ、近年はOMO(Online Merges with Offline)・デジタルトランスフォーメーション(DX)推進に注力、イベント登壇などで自社の取り組みを業界関係者に共有するなど、EC業界の第一線で活躍してきたコメ兵ホールディングスの藤原義昭氏(執行役員マーケティング統括部長)。コメ兵グループのデジタル改革をけん引してきた藤原氏が、2021年3月末にコメ兵を卒業します。築き上げたポジションを手放してでも転職する理由、小売業がDX推進を成功させるための心得などについてお話を聞きました。

    「自分がいたら後任が育たない」。コロナ前から検討していたコメ兵卒業の道

    ――2021年3月11日にご自身のFacebookで、20年以上勤めたコメ兵の卒業を発表しました。いつから退職を考えていたのでしょうか?

    退職したかったというよりも、ここ2年くらい、下の世代にバトンタッチしたいという思いがずっとあったんですよね。

    ――コロナ前からですよね。

    そうですね、コロナ前から思っていました。具体的に退職を考えたのは、2020年の10~11月くらいです。

    ――なぜ「バトンタッチ」と考えたのでしょうか?

    上に私みたいな人が居続けると、「会社のなかでイノベーションが起きにくいのでは?」という悩みがずっとあったんです。私が外部からいろいろな仕事を持ってきたり、アイデアを出したりすることで会社に貢献してきましたが、それはあくまで「個」の力に過ぎない。働く人全体の意識を高め、「集団」の力を強めなければ、会社は成長しなくなります

    ――会社の成長を思うのであれば、外に出た方がいい。それが、藤原さんが出した答えだったんですね。

    はい。現場で対話しながら後任を育てることもできますが、やっぱり各自がリスクをとって経験しないと成長しない部分もありますからね。

    藤原義昭氏
    藤原義昭氏
    1974年7月24日愛知県名古屋市生まれ、46歳。1999年、株式会社コメ兵に入社。2000年に自社ECを立ち上げ、物流からささげ業務まですべてを構築し、全社マーケティングを行いながらオムニチャネルを推進。現在は、リアル店舗とEC双方をつなげるOMOを推進しながらスピーディな事業推進を行っている。マーケティング部門は、システム、マーケティング、EC、WEB事業、CtoCといった各関連部門を傘下におさめている。2021年3月末でコメ兵を退社予定

    ――時間をかけて築き上げたポジションです。手放すことなく、安定を選ぶ道もあったと思います。

    今の会社ではそれなりに地位もありました。極端な話、業務時間内に「Netflix」を観続けていても、多分誰にも怒られないと思うんですよね(笑)。でも、それは私からすると“気持ちが悪い”。

    ――それで“挑戦”を選ぶことにしたんですね。業務の引き継ぎなどはもう終わったのでしょうか?

    今回の退職にあたり、ほとんど引き継ぎを行っていないんです。3年くらいかけて取り組もうと計画していたECサイトのリニューアル、コンタクトセンターの拡張、新規ビジネスの立ち上げといったことが、コロナ禍によって1年以内で完成させないといけない状況になりました。同時に、グループのホールディングス化への移行もありました。

    ホールディングス化に向けて、事業会社(コメ兵)と持ち株会社(コメ兵HD)、関係スタッフの役割を明確にするための準備をしていたので、私が担当している業務の引き継ぎは、2020年末にはすべて終了していたんです。結果的に、スムーズな退職に向けた準備ができました。

    コメ兵の「OMO戦略」イメージ図
    藤原氏が残した功績の1つであるコメ兵の「OMO戦略」イメージ図

    ――Facebookでの「退職報告」、すごい数の反応が来ていましたね。

    温かく送り出してもらえるのは、本当に有難いですね。会社のなかでもいろいろと声をかけてくれる人がいて、感謝しかありません。

    小売業では“異例”のマーケ部門設置

    ――在籍していた20年強を振り返って、特に印象に残っている仕事はありますか?

    ECサイトを立ち上げ、マーケティング領域に入り、全社のデジタルマーケティングを管轄できたことは、どれも印象に残っていますね。

    ECサイトをオープンしたのは、2000年。当時ジュエリー部門に在籍していたので、ジュエリーのECを立ち上げました。その事業が軌道に乗り、時計など他のカテゴリを扱う事業部でも同様にECサイトが立ち上がり、全体で数十億円程度の売上規模になりました。

    それらのECサイトを集約して、オムニチャネルに乗り出したのが10年後の2010年。コメ兵で扱う商品は、中古品という商材であることからすべて「1点もの」です。物流倉庫に商品を保管するのではなく、全国各店で販売している商品をECサイトに掲載、オンラインで売れたら各店から出荷するという体制を整えました。このような販売手法なので、「オムニチャネルにならざるを得なかった」とも言えます。

    ――マーケティング部門を立ち上げた時期や、経緯についても教えてください。

    マーケティング部門を立ち上げたのは、そこから5年後の2015年でした。EC専業の会社は、マーケティングが主戦場なのでマーケティング部門を備えているところが多いと思いますが、リアル店舗をメインにしている小売業で「マーケティング部門」を持っている企業は、実は少ないんですね。

    コメ兵のECサイト
    コメ兵のECサイト(画像:サイトよりキャプチャ)

    ――それはどうしてでしょうか?

    リアル店舗は、プロダクトアウトという考え方が強いからです。つまり、品ぞろえでどれだけ集客できるかを重視しています。こうしたプロダクトアウトの考え方からコメ兵は、KPIを「お客さま1人あたりのLTV(顧客生涯価値)をどれだけ増やすか」というEC的な考え方に変えることにしました

    方針転換を実現するには、お客さま1人ひとり対して、店頭やECでどういうコミュニケーションをするのか、どういったアプローチをするのか、つまりマーケティングを起点に販売戦略を考え直す必要があったんです。マーケティングという大きな枠組みのなかに、ECや広告販促を取り込み、目標を「LTV向上」にする――。これは会社としても大きな転換点になりました。

    • 従来のコメ兵の考え方
      どんな商品を、何点、どの店舗に並べるのか=プロダクトアウト重視

    • 2015年以降のコメ兵の考え方
      1人の顧客が年間いくら、何回購入しているのか=LTV重視

      コメ兵は高額なブランド品を扱っています。日用品などとは違い、ECだけで即決するにはハードルが高いので、“売り場”をECに限るのは効率的ではありません。コメ兵には全国にリアル店舗があり、このアセット(資産)をどう使うかで戦い方が変わってきます。

      ECサイトで商品を閲覧したとしても、最終的にコンバージョン(CV)が発生する場所が店頭だとLTVが上がることは、それまでのデータからわかっていました。2010年からの10年間は、ECだけで売るのではなく、ECを“見てもらう場”にする。まずは、店頭のお客さまをどれだけECに集客できるか、そして来店していただきCVにつなげるかにこだわりました。

      コメ兵の2020年3月期「EC関与売上高」について
      コメ兵の2020年3月期「EC関与売上高」について。コメ兵では、自社ECサイトやECモール経由の売り上げに加え、実店舗の業績に対するECの貢献度を表す指標として「EC関与売上高」を導入している。これは、顧客がEC経由で商品を店舗に取り寄せ、その商品を店舗で購入した場合の売上貢献が大きいため(画像は決算説明会資料からキャプチャ)

      ――2020年、コロナ禍になりました。

      2010年からの10年間でデジタル施策で、ECや店舗への集客はある程度できるようになりました。ですが、コロナ禍によって物理的に店舗へ足を運ぶのが難しくなった。コメ兵では、対策として店頭スタッフにスマホを支給し、来店客とLINEを通じた「個のつながり」を持つ取り組みを始めたんです。これが興味深い結果を出しています。

      ――詳しく教えてください。

      LINE接客は、デジタル(広告やSNSなど)で集客し、デジタル(LINE)でつながり、個人でCRMを行うという仕組みです。既存の会員基盤を使ったCRMでも成果は出ていますが、それ以上にCVRが高いのが、「個(LINE)」でつながっているお客さま。LINEで担当スタッフと親しくなったお客さまのなかには、スタッフへの信頼から、「100万円のバーキンが入荷しました!」という一言だけで購入が発生するケースも出てきています。

      ――それはすごいことですね。

      これまでリアルで行っていた接客がLINEに置き換わったんですよね。この取り組みはすごく興味深いので、良かったらまた別の機会に取材してみてください!

      ――はい、そうします!

      コメ兵では査定においてもLINEを活用している
      査定でもLINEを活用している(画像:サイトからキャプチャ)

      DXはトップダウンでしか実現できない

      ――小売業の「DX推進成功事例」として紹介されることも多いコメ兵ですが、立役者でもある藤原さんが考える「DX推進を成功させるための秘訣」とはなんでしょうか?

      経営者としっかり話をし、できれば“教育”することです。DXは絶対にボトムアップでは実現されず、トップダウンが必須だからです。DX推進が急務だとしても、ボトムから会社全体を巻き込もうとすると時間がかかります。

      特にこのコロナ禍においてデジタル化に遅れることは、すなわち「死」を意味するので、スピーディーにDXを推進するためには、徹底的に経営者の理解を得る必要があります。お金も相当かかりますから。

      ――経営陣を巻き込むコツはありますか?

      とにかく話をすることですね。私の場合は海外の先進的な事例を紹介するなどして、常々「世の中、業界、個人はこの先こうなりますよ」と仮説をずっと話し続けてきました。それは会議に限らず、あらゆる場面においてです。

      実はここが大事で、DX担当者の責務は、業界の動向や最新情報を「インプット」し、それを自社に合った形で「解釈」し、それを会社に「伝える」ことです。こうして、経営者に「理解されている」=「提案が通る状態」にしておきます。正しく理解されなければ、会議で議案が通らないということもありますからね。あとは「デジタルに慣れる」環境作りも大切です

      ――「デジタルに慣れる環境作り」とはどういうことでしょうか?

      デジタルネイティブ以外の世代にも理解してもらいやすいよう、まずは社内のなかで「デジタルを使わないと仕事ができない」環境を作ってしまうことです。コメ兵では2018年に「デジタル改革」を起こし、業務において、電話、ファックス、コピーを使わない方針に切り替えました。すべての連絡はチャットで行い、対外的な業務で必要な人を除いて「PowerPoint」「Word」「Excel」の利用も禁止しました。

      Googleのグループウェア「Google Workplace(※導入当時の名称は、『G Suite』)」を導入したので、ドキュメント作成には、クラウドサービスの「Googleドキュメント」や「Googleスプレッドシート」を活用しています。

      ――「PowerPoint」「Excel」などの利用禁止とは、徹底していますね。デジタル改革を起こしたことで、社内にどのような変化が起こりましたか?

      クラウドベースで進むので、圧倒的に会議の進行が速くなりました。お客さまに対するデジタル施策でも、店頭スタッフがデジタル活用に慣れてきているため、施策開始までのスピードが速くなったという実感があります。

      ――コロナ禍の前からデジタル化に向けた準備をしてきたことで、環境変化にも迅速に対応できたんですね。最後に、これまで共に戦ってきた社内外の仲間にエールがあればお願いします!

      チャレンジを忘れてしまうと、個人も会社もダメになりますチャレンジ、そしてスピードが重要です。私もこれまでそうやって仕事に取り組んできました。これからもそうするつもりです。100%をめざすことはありません。60%をめざして、共にどんどん進んでいきましょう!

      ――ありがとうございました! 新天地でも頑張ってください!

      公文 紫都
      公文 紫都

      物流を制する者がアフターコロナを制する。ニューノーマル時代に求められる物流センター 5つの条件 | 『EC通販で勝つBPO活用術』ダイジェスト

      5 years 1ヶ月 ago
      『EC通販で勝つBPO活用術』(高山隆司/佐藤俊幸 著 ダイヤモンド社 刊)ダイジェスト(第10回)

      新型コロナの感染が急速に拡大する中、人の動きが止まり、店舗が閉まった。そのため、EC通販には大きな追い風が吹いた。ECに買い物客が殺到したのである。しかし、せっかく注文が増えたにもかかわらず、物流キャパをオーバーして発送が遅れ、チャンスを逃したり、出荷キャパオーバーで注文客を何日も待たせ、レビューが炎上したECショップも少なくない。

      一方で、大量の注文に対してもコロナ以前と変わらず、日々のオペレーションを悠然とこなし、乗り切ったECショップもある。実際、スクロール360が物流を受託しているECショップの中には、前年同月対比10倍もの売上アップを記録したショップがあるが出荷遅れもなく、コロナ特需を取りこむことができた。

      その差はどこにあったのか。物流アウトソーシングを適切に活用できたかどうか、である。EC通販業界では「物流を制する者がアフターコロナを制する」と言っても過言ではない。今回はアフターコロナでの物流アウトソーシングのやり方やEC物流事業者を選ぶポイントなどを解説していく。

      コロナ禍、ある手芸・生地店に起きたこと

      2020年1月、それまで続けてきた自社物流を諦め、スクロール360の物流センターに移転してきたECショップがある。さまざまな手芸用品を販売しているショップで、生地の量り売りが人気のショップだ。

      それまでは自社ビルの中に在庫を置き、社員が出荷作業を行っていたのだが、フロアが2階層に分かれ、トラックが停車するバースもないなど、たいへん苦労をしていたという。そこで、スクロール360の物流センターに物流業務を丸ごとアウトソーシングしたのである。

      アウトソーシングして2か月後の2020年3月、注文が爆発した。新型コロナウイルスの感染が拡大する中、手作りマスク用の生地注文が殺到したのだ。最高で1日1,200枚の生地をカットして出荷した。 生地の仕入れも強化し、パレット積みの生地が大量に入荷した。移転当初の500坪をはるかにオーバーし、物流センターの保管ラックを拡張した。

      もし、2020年1月に物流移転を決断していなかったらどうなっていただろうか? 自社の倉庫で自社の社員が行う出荷は、融通が利いたり商品在庫をすぐに確認できたりといったメリットもあるが、①出荷量の波動に対応できない、②出荷場の拡張性を担保できないという、2つの決定的な弱点がある。今回の“コロナ特需”のように、前年同月比10倍の出荷となると、自社社員では対応不可能だ。

      「受注増」というと出荷の人員だけを気にする人がいるが、入荷増も同時に起こる。出荷にばかり気を取られていると、入荷検収前の商品が山積みとなり「商品が倉庫に届いているのに欠品」といった現象が起こる

      物流においてはある意味、「スペースは力」だ。ゆとりのスペースがあるのとないのでは、需要の大きな波動が来たときに致命的な差が出る。そのため、スペースの拡張性は重要なポイントなのだ。

      写真 手作りマスクのイメージ

      アフターコロナに物流センターに求められるもの

      アフターコロナ時代に、物流アウトソーシングの重要性は高まる一方である。しかし、ただアウトソーシングすれば良いというものではない。求められる物流センターの条件を5つ、挙げておきたい。

      アフターコロナ時代の物流センターの条件
      1. 出荷量の波動に柔軟に対応できる人員規模があること
      2. 出荷増でも品質の落ちないシステムとマテハン機器を装備していること
      3. BCPの観点から多拠点化に対応できる全国展開を行っていること
      4. 適切な感染症対策が可能な管理体制や労働環境を整備していること
      5. ワン・トゥ・ワン・マーケティングに対応したコミュニケーションを提供できること

      条件① 出荷量の波動に柔軟に対応できる人員規模

      第1の条件は、出荷量の波動に柔軟に対応できる人員規模があることだ。平均的なEC物流では、1人が1日に出荷できる件数は50件だ。商品の大きさやオーダー点数によって変動するが、1日1,000件の出荷なら20人いれば定時で出荷が完了する。

      しかし、そこに6倍、6,000件の受注が来たとしたらどうだろう。普通に考えれば人員も6倍の120人確保しなければならない。しかし、100人を追加採用するのも大変だが、将来特需が終われば、今度は100人超の雇用維持の問題が出てくる

      スタッフ数の多い物流センターほど、こうした出荷量の波動に柔軟に対応できる。例えば、スクロール360のメインの物流拠点であるスクロール・ロジスティクス・センター浜松西(SLC浜松西)には、契約のある社員が1,000名おり、600名が常時出社している。スクロール360が受託しているECショップは20社あり、これらのスタッフが土日を含めシフトを組んで毎日、約2万件の出荷を行っている。

      あるショップの出荷量が急増した場合、その出荷場に要員をシフトする。物流を代行しているショップが多いため、出荷が増えているショップもあれば、落ち込んでいるショップもあり、全体で調整すれば100名単位のシフトも可能だ。ただし、そのためには各ECショップから前月末に翌月の出荷予測件数をもらい、日々の必要スタッフ数の予測を立てている。

      写真 スクロール・ロジスティクス・センター浜松西の外観
      スクロール・ロジスティクス・センター浜松西の外観

      重要なのは「MH(Man Hour)」という考え方

      必要なスタッフを予測するには、ECショップ別に「MH」の指数を持っておく必要がある。「MH」とは「Man Hour」を意味し、例えば、Aというショップは1人で1時間に10件の出荷ができる。140件の出荷予測であれば、14MHが必要だ。1日7時間労働だとすると2名×7時間で14MHとなる。翌日の出荷予測数が140件ならば、2名の要員をアサインすれば良い。

      このように20社のECショップの出荷に必要なMHを事前に予測し、日々のシフトを組んでいるのである。ショップ別にスタッフは固定しているが、出荷量の波動によって配置はフレキシブルに見直す。午前と午後でも必要なMHを確かめながらシフトを動かす。

      なお、出荷量の波動に柔軟に対応する上で、もう1つ重要な要素は、物流を引き受けるショップの組み合わせである。すべてがモール出店メインのショップだと、モールがセールなどを実施したとき、全部のショップの出荷が増え、さすがの大規模物流センターもパンクしてしまう。

      しかし、スクロール360のクライアントであるショップは、モール出店系が50%、リピート通販系が50%とバランスがとれており、波動の調整がしやすい

      なお、SLC浜松西の隣の敷地には佐川急便 浜松営業所が建っている。スクロールのセンターが竣工した翌年に移転してきた。配送キャリアのセンターとの距離も重要なポイントだ。近くにあれば集荷時間にゆとりができる。昨今の物流クライシスで集荷時間を早められたECショップはたくさんあるが、隣という立地のお蔭で、スクロール360の集荷時間はギリギリでも間に合うようになっている。

      ◇◇◇

      次回は第2の条件「出荷増でも品質の落ちないシステムとマテハン機器」について、詳しく解説する。

      この記事は『EC通販で勝つBPO活用術』(ダイヤモンド社刊)の一部を編集し、公開しているものです。

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      佐藤 俊幸
      高山 隆司, 佐藤 俊幸

      ネット通販の配送で最も利用しているのは「ヤマト運輸」、重視するのは「配送料金」【カラーミーショップ調査】

      5 years 1ヶ月 ago

      月額制ネットショップ作成サービス「カラーミーショップ」を提供するGMOペパボは、発送作業の経験がある「カラーミーショップ」利用事業者に対して「配送会社の利用状況に関するアンケート」を実施した結果、最も利用されている配送会社は「ヤマト運輸」だった。

      6割以上が「ヤマト運輸」を利用

      利用している配送業者を聞いたところ、最多は「ヤマト運輸」(64%)で、「日本郵便」(51%)、「佐川急便」(29%)が続いた。GMOペパボが2015年に行った調査結果と比較すると、1位と2位が入れ替わっている。

      GMOペパボ カラーミーショップ 物流 利用している配送会社 配送会社の利用状況に関するアンケート
      利用している配送会社(n=641/複数回答可)(出典:カラーミーショップ)

      複数の配送会社を利用している事業者に対し、その理由を聞いたところ、「商品や配送料金によって使い分けているため」(78%)が最多。次に「購入者に配送業者を選択してもらうため」(12%)だった。

      GMOペパボ カラーミーショップ 物流 複数の配送会社を利用している理由 配送会社の利用状況に関するアンケート
      複数の配送会社を利用している理由(n=301)(出典:カラーミーショップ)

      配送業者を選ぶポイントは「配送料金」

      配送業者を選ぶポイントについて聞いたところ、1位は「配送料金」(74%)で、「運送会社への信頼度」(60%)、「追跡サービス」(36%)と続いた。

      GMOペパボ カラーミーショップ 物流 配送会社を選ぶポイント 配送会社の利用状況に関するアンケート
      配送会社を選ぶポイント(n=640/複数回答可)(出典:カラーミーショップ)

      困っていることの1位は「梱包作業の大変さ」

      配送について困っていることがあるか聞いたところ、55%が「ある」と回答。その内容については「梱包作業が大変」(37%)が最多だった。次いで「配送中の商品破損や紛失」(28%)、「伝票記入が大変」(27%)だった。

      GMOペパボ カラーミーショップ 物流 配送で困っていることの有無 配送会社の利用状況に関するアンケート
      配送について困っていることの有無(n=641)(出典:カラーミーショップ)
      GMOペパボ カラーミーショップ 物流 配送で困っている点 配送会社の利用状況に関するアンケート
      配送で困っている点(n=350/複数回答可)(出典:カラーミーショップ)

      配送で困っている点・工夫してることは?

      配送で困っている点について、調査対象者から次のような意見があがった。

      • 繁忙期は伝票作成に時間がかかる、梱包した商品の置き場に困る、発送作業が追いつかないことがある
      • お客さまによる住所の記載不足や記載間違いによって、運送会社から行先不明の連絡を受けた
      • 送料無料のショップが増えているので、いくら以上で無料にするか悩んでいる
      • 代引きの受取拒否が一番つらい。配送料が損失になる
        ※アンケート調査結果から編集部が一部抜粋

      また、配送について次のような工夫を行っているという。

      • 最小の配送料金で送るために箱を複数パターン用意し、商品によって使い分けしている
      • 梱包袋にドライバーの方へのお礼シールを付けることで、丁寧な対応になったと感じる
      • 単価の高いアクセサリーのため、両面白の段ボールを使用している。緩衝材の代わりにB級品のチュールレースを使い、ダンボールを開けたときから特別感のある仕様にしている
      • 商品の在庫、梱包、発送を外部委託している
        ※アンケート調査結果から編集部が一部抜粋

      「配送料の定期的な見直し」「トラブル対応の確認」がポイント

      調査対象者に対し、配送に関して過去の自分にアドバイスしたいことを聞いたところ、次のようなコメントがあった。

      • 定期的に配送料金の確認・見直し・交渉を行う
      • 事故・トラブル時の対応について確認する
      • 想像よりも破損が起こることを想像して梱包する
      • ○○円以上送料無料にすると利益率は低くなるのでやめておく
        ※アンケート調査結果から編集部が一部抜粋

      各配送業者で利用している配送方法は?

      「ヤマト運輸」「日本郵便」「佐川急便」で、それぞれ利用している配送方法について聞いた結果、「ヤマト運輸」では「宅急便」、「日本郵便」は「ゆうパック」、「佐川急便」は「飛脚宅配便」が最多だった。

      GMOペパボ カラーミーショップ 物流 ヤマト運輸 配送会社の利用状況に関するアンケート
      「ヤマト運輸」を利用する際の配送方法(n=411/複数回答可)(出典:カラーミーショップ)
      GMOペパボ カラーミーショップ 物流 日本郵便 配送会社の利用状況に関するアンケート
      「日本郵便」を利用する際の配送方法(n=330/複数回答可)(出典:カラーミーショップ)
      GMOペパボ カラーミーショップ 物流 佐川急便 配送会社の利用状況に関するアンケート
      「佐川急便」を利用する際の配送方法(n=190/複数回答可)(出典:カラーミーショップ)
      調査実施概要
      • 調査テーマ「配送会社に関する調査」
      • 調査対象:一定額以上の売り上げがあるカラーミーショップユーザー
      • 調査方法:カラーミーショップ契約者へのメール配信
      • 調査期間:2021年2月11日~2021年2月21日
      • 調査対象:カラーミーショップを利用中のユーザー
      • 有効回答:641名
        ※調査レポートの結果は四捨五入で端数処理を行っており、合計しても100%にならない場合がある
      藤田遥
      藤田遥

      肌色計測ツールの「ZOZOGLASS」で何ができる? ZOZOのコスメEC参入と戦略まとめ

      5 years 1ヶ月 ago
      ZOZOが2021年3月18日に開設したコスメ専門モール「ZOZOCOSME」。「ZOZOGLASS」など計測ツールを活用し、ECでのコスメ購入ハードルを下げるといった狙いなどがある

      ZOZOが新たに始めたコスメ専門モール「ZOZOCOSME」。国内外500以上のブランドを取り扱い、最新テクノロジーの導入などによりECでのコスメ購入のハードルを下げる取り組みに注目が集まる。「ZOZOCOSME」の詳細、ZOZOが今後どのような展開を検討しているのか解説する。

      3つの「ZOZOCOSME」の強み

      「ZOZOCOSMEには3つの強みがある」と話すのは、オンラインでZOZOCOSMEの発表を行った、ZOZOの取締役兼COO伊藤正裕氏だ。伊藤氏が紹介した3つの強みは以下の通り。

      1. ZOZO会員待望のコスメ商材
      2. コスメに特化したモール作り
      3. 厳選されたブランドラインナップ

      「ZOZOTOWN」をアクティブに利用する女性会員は533万人。アンケート調査の結果、ファッションに次いで、コスメに対する関心が高いことがわかった。また、以前から「コスメの取り扱いはないのか?」という問い合わせが多く寄せられていたという。

      さらに、「ZOZOが成長できた要因の1つ」として、伊藤氏は「細部に神が宿る」という表現を使いながら、「ZOZOTOWN」での「洋服の買いやすさ」「検索のしやすさ」を強調した。

      (ファッションと同様に)コスメを買うときも使いやすいように、考えて作り込んでいる。(伊藤氏)

      加えて、伊藤氏は「ブランドラインナップが今ひとつだったら意味が無い」と説明。厳選した500ブランドが出店していると話し、ブランド数は今後も増える予定だ。

      コスメを買いやすくする「ZOZOGLASS」

      「ZOZOTOWN」でコスメ商材を買いやすくするために開発したのがフェイスカラー計測ツール「ZOZOGLASS」だ。

      ZOZOMATなど他の計測ツールでも使用されているマーカーをZOZOGLASSのフレームに採用
      ZOZOMATなど他の計測ツールでも使用されているマーカーをフレームに採用

      「ZOZOGLASS」は「ZOZOTOWN」アプリと併せて利用する。アプリを立ち上げ、「ZOZOGLASS」をかけた状態で指示にあわせて顔を細かく上下左右に傾け、ぐるりと1周計測。その後、「ZOZOGLASS」を外して同様の手順で計測する。

      ZOZOGLASSのイメージ動画

      「ZOZOGLASS」をかけた状態でキャリブレーションを行い、(「ZOZOGLASS」のフレームに印刷された)カラーチップの変化を読み取る。その変化から環境色や環境光を割り出し、(2回目の「ZOZOGLASS」を外した状態での撮影結果から、それらの環境要因を取り除くことで)正しい肌の色を計測し表示している。(伊藤氏)

      こうした計測方法でヘモグロビン量とメラニン量を測定、この2つの測定結果から肌色を導き出す。フェースパーツ別の色測定に加え、パーソナルカラーの診断も行う。

      パーソナルカラーは、「ZOZOTOWN」で洋服を買うときにも参考になる情報だ。(伊藤氏)

      パーソナルカラーのイメージ
      パーソナルカラーのイメージ

      計測から購入までスムーズな導線

      現在、「ZOZOGLASS」はファンデーションのみの対応。測定結果から、「ZOZOTOWN」で販売しているファンデーションがユーザーの肌色に合う順番で表示する

      また1つのファンデーションのなかにも複数の色味があることから、その中で最も適した色が一目でわかるよう、一番肌色に近いカラーに「You」と書かれたアイコンがつく。この「You」を基準色とし、「もう少し暗い色がいい」「明るい色がいい」などユーザーが自由に選択できるようになっているという。

      ZOZOCOSME内でZOZOGLASSの計測からオススメファンデーションから表示されるまで
      計測からオススメファンデーションが表示されるまで。「You」のアイコンは一番右の画像内にある

      検索にこだわる。メンズコスメニーズ開拓も

      「ZOZOCOSME」の全体を通した基本思想は、「ECでもコスメを買いやすいように」。そのため、「視覚的に分かる」「欲しい商品が絞り込める」といった検索性に特にこだわっている。

      たとえば、商品名からだけではどんな色が含まれているのかイメージが湧きにくいアイシャドウパレットは、商品写真の下に展開カラーで作成された丸形アイコンを用意している。

      ZOZOCOSMEでは、含まれている色が一目で分かるように各商品画像下に色展開を表示
      含まれている色が一目でわかるよう、各商品画像下に色展開を表示

      さらに、各商品の在庫数を表示することで「買い時を逃さないで欲しい時に買える」(ZOZO EC事業本部 新井淳子氏)ようにした。大カテゴリのなかから好みや用途に合わせて商品を絞り込むこともできる。

      コスメモール内は、「MEN」「WOMEN」「KIDS」とタブでわけている。従来、店頭でのコスメ購入に心理的抵抗があった男性のハードルを下げる狙いもあるという。実際、「クマ隠し用にコンシーラーが欲しいが店頭だと購入しにくいので、ECで買えるのはありがたい」といった声が寄せられているという。

      ZOZOCOSMEではメンズコスメへの導線も作っている
      メンズコスメ商品への導線も作っている

      カテゴリ拡充、ARメイク機能、フェイスタイプ診断展開を検討

      今後の展開について伊藤氏は、まず「ZOZOGLASS」対応範囲の拡充をあげた。リップ、チーク、マスカラのレコメンドを展開予定だ。

      続いて、ARメイク機能。「『ZOZOGLASS』を使ったARメイクを考えている。色補正をし、より現実に近い肌色でARメイクができる」(伊藤氏)構想を掲げているという。

      そして、「フェイスタイプ診断」も検討する。現在提供している「パーソナルカラーの拡張にあたるサービス」(伊藤氏)で、ユーザーの顔タイプを診断し、似合う色をレコメンドする機能。「ファッション全体にまで広げたい」と伊藤氏は意気込む。ただ、「先になる可能性がある」(伊藤氏)といい、現時点ではサービスローンチの時期などの詳細は不明だ。

      「一度でも(『ZOZOGLASS』で)計測すれば、追加提案が増えていく」(伊藤氏)。「ZOZOGLASS」を起点にパーソナライズ戦略を強化していく考えを示した。

      公文 紫都
      公文 紫都

      ECサイト構築・運営で起きた5つの失敗事例に学ぶ担当者が事前に把握すべきこと | ECビジネスに役立つ『ebisumart MEDIA』特選コラム

      5 years 1ヶ月 ago
      ECの代表的な失敗事例、①デザインのこだわった失敗②SEOが弱くなった失敗③業者任せで失敗④開発費用を抑え過ぎて失敗⑤業者選定で失敗――の5例を解説

      これからECサイトの構築や運営を考えているEC担当者であれば、「ECサイトで失敗した事例を事前に把握して、必ずEC事業を成功させたい!」と考えると思います。

      確かに、失敗事例を事前に把握しておくことは、ECサイトの構築や運営経験がない担当者であれば、必ず役に立ちます。なぜならEC担当者に必要なこととは、ECサイトの構築をベンダー任せにせずに「情報を集めて、主体的に行動すること」だからです。失敗事例を事前に知ることでベンダー選定や打ち合わせでの「自分の行動」を変えることができ、ECサイトの構築や運営で失敗せずに済む可能性が高くなるからです。

      本日はインターファクトリーでWEBマーケティングを担当している筆者の経験も踏まえて、5つの失敗事例を解説いたします。

      失敗事例 ①凝ったデザインのECサイトを作った

      デザイン力のある知り合いのベンダーに、ECサイトのリニューアルを依頼した。その結果、凝ったデザインのトップページになったり、商品画像がグラフィカルに動いたり、印象に残るようなカッコいいECサイトになったが、ECサイトの売上は激減した。

      ECサイトをリニューアル(あるいは新規構築)するときに、上司や経営者が気にするのは「デザイン面」であることが多いと思います。しかし、あまりに見た目のデザインに凝り過ぎると使い勝手が悪く、ECサイトの売上が下がることがあるのです。

      こういった失敗は筆者自身も過去に経験があり、ECやインターネット業界ではよくある失敗事例と言えるでしょう。ユーザーがECサイトに求めているのは「カッコよさ」よりも、下記のような、

      ◆ユーザーがECサイトに求めているもの

      「ECサイトの使いやすさ」
      「情報の分かりやすさ」
      「明確で安心な決済完了までのステップや信頼性」

      といった要素であり、デザインにこだわり過ぎたECサイトへリニューアルした結果、購入率(CV率)が大幅に下がり、ECサイトの売上が下がるケースが多いのです。そのため、ECサイト作成を承認する立場の上司や経営陣には、見た目のデザインだけに凝り過ぎると売上が下がることもあるということを事前に伝えておく必要があります。

      「ECサイトの使いやすさ」とは具体的に言えば

      • トップページを見て「何を売っている会社」なのか明確に分かるか?
      • 購入ボタンの視認性の高さ(パッと見て、購入ボタンを認識できるか?)
      • PC、スマートフォン、タブレット、それぞれのデバイスに最適なデザインになっているか?
      • ユーザーはそのECサイトで安心してクレジットカードの番号を入力することができるか?
      • 商品の写真は十分にあるか? 写真が拡大できるか?
      • 他のユーザーのレビューが掲載されているか? レビュー数は十分か? 役に立つレビューはあるか?

      こういった要素となります。これらの要素を入れずに、凝ったデザインのECサイトを作ったからといって、売上が伸びるとは限らないということを覚えておきましょう。

      失敗事例② リニューアル前のECサイトと全く違うURL構造でECサイトをリニューアルした

      ECサイトのSEO状況を把握せずに、ECサイトをフルリニューアルした結果、アクセス数が激減した。アクセス解析ツールで分析すると、リニューアル前のECサイトでSEOの強かったページURLが新しいECサイトでは消えており、そのページURLへの自然流入数が激減していた。

      ECサイトをリニューアルする際は、現在運営しているECサイトのSEO状況を把握してからリニューアルに取り組まないと、大変なことになります。特に

      自然流入数が多い商品ページのURLを把握すること

      が最も大切です。なぜなら、自然流入数が多いページを調べると、実は特定のSEOキーワードで上位のケースであることが多く、リニューアルの際は、そういった強みを継承しなくては、売上低下につながってしまうからです。

      そして、その自然流入数が多いページURLを把握し、SEOキーワードが判明した場合は、リニューアル後のサイトでも、その商品ページのURLを必ず利用するか、それが新しいECサイトでは不可能であれば、しっかり

      商品ページの301リダイレクトの設定

      を行わなくてはなりません。

      リダイレクトを設定することで、古いURLにアクセスしたユーザーを、強制的に新しいURLに飛ばすことができます。リダイレクトの手法はいくつかありますが、「301」とは恒久的にURLを変更することを意味します。

      Googleは301リダイレクトであれば、SEOの評価を新しいページに引き継ぐと発表しています。詳しくは下記のページをご覧ください。

      ただ、リダイレクトを正しく設定するだけでは、SEOの引き継ぎとしては不十分です。なぜなら、検索エンジンの評価を新しいURLで引き継げたとしても、新しいサイトの商品ページが

      「文字が既存ECサイトより見にくくなった」
      「情報が既存ECサイトよりも不足している」

      と、ユーザーが感じるとSEOの順位は保てないからです。既存ECサイトの商品ページでSEOの強いページがあるのなら、競合サイトと比較してなぜSEOが強いのか、現在の強みを把握する必要があります。

      例えば、分析の結果「商品の説明文が細かくて丁寧」であることが強みならば、新しいECサイトの商品ページでもその強みを失わない、あるいはより強化することが必要なのです。

      失敗事例③ ベンダーにECサイト構築を丸投げした

      ECベンダーに、ECサイトで実現したいことだけを伝えて、開発に着手してもらったが、出来上がったECサイトは運用業務と相性が良くなかった。追加改修を重ねることでどうにかリリースできたが、結果として開発費用が当初の予定より膨大にかかってしまった。

      システム連携が必要なECサイトを構築する場合や、BtoBでの複雑な業務フローをECサイトで実現する場合は、どんなに優れたベンダーであっても、丸投げで成功させることは困難です。

      初期費用が数千万円もかかるような、大規模ECサイト構築の場合は、発注側にも責任者を置いて、ベンダーとともに開発していく体制にしないと、業務フローや現場スタッフの意向に沿わないシステムが出来上がってしまいます。

      そうならないためにも、発注前には、現場スタッフにヒアリングを行った上で、現状の業務フローチャートを分析・作成することが重要です。その上で「ToBeモデル(理想である業務フローチャート)」を自分たちで作成できる、もしくはコンサルティング会社の力を借りて作成する、くらいの業務理解が必要となります。

      こういった分析を行わずにベンダーにECサイトの構築を丸投げした場合、改修を加えないと使いにくいシステムが出来上がり、最悪リリースできないことも実際にあるのです。

      筆者が過去に聞いた事例では、1億円をかけて作ったBtoBのECサイトが、2年間放置された後に現場スタッフに利用されずに廃止されたという話もありました。

      失敗事例④ コスト削減に注力し、開発費用を抑えてECサイトを構築した

      ECベンダーからカスタマイズやシステム連携の提案を受けたが、費用がかかるため、なるべく低コストでECサイトをリリースした。しかし、注文数が多く、スタッフの労力や負担が大きいECサイトになってしまった。

      ECサイトは少人数で運用していることが多いため、1日あたりの注文数が100件を超えるような注文数の多い事業者では、受注処理にかけられる手間・作業を極小化する必要があります。

      しかし、ECサイトのカスタマイズ費用やシステム連携費用が高いからといって、最小限の形でECサイトを構築すると、労力が増え、ミスが発生しやすい業務フローになりやすく、人件費などを考えると、中長期的にはかえってコストがかかるケースがあります。例えば、ECシステム以外に他の社内システムを使っているケースでは

      • ECサイトの受注データを基幹システムに取り込む
      • 倉庫側へ出荷指示をするためにWMSにデータを渡す

      これらの作業は、日次で必要なものですが、双方異なるシステムであるため、手作業でデータを変換した後でアップロードするような運用になることが多いのです。ECサイトとシステム連携して自動化することで効率化できますが、手作業となると非常に大変な作業であり、ヒューマンエラーも発生しやすくなります。

      例えば、ECサイトの受注データを、基幹システムやWMSに取り込む用のデータに自動変換し、そのデータファイルをシステム連携により、WMS側に自動でアップロードする連携などです。もしも、基幹システムやWMS側に自動で取り込む機能がない場合には、それらのシステムに、ファイルアップロードで取り込むためのファイルレイアウトが出力できる機能だけでもカスタマイズできれば、スタッフの労力も軽減され、ヒューマンエラーも少なくなります。

      注文数が多いECサイトを構築する場合は、事前に運用後のスタッフの人件費や業務効率化を視野に入れて、カスタマイズやシステム連携により自動化もある程度検討する必要があるのです。

      失敗事例⑤ ECベンダーをプレゼン力だけで選定してしまった!

      ECベンダーを選定するために、ベンダー3社を呼んでコンペを実施した。その際、圧倒的にプレゼン力の高い「ベンダーA社」に選定したが、発注するとベンダーA社は技術力が低い会社であることが分かり、ECサイトリリース後も障害が多発して、不安定なECシステムとなってしまった。

      EC業界に詳しくなければ、発注側の事業者がECベンダーに技術力があるかどうかを見極めることは、非常に難しいことです。また、EC業界に限りませんが、大きなコンペの際は「エース級の営業がプレゼンする」ケースが多々あります、それは、仕事を取りに行く企業として当たり前の行為ではあるのですが、発注側には注意が必要です。

      なぜならコンペに参加する発注側の役員や、決定権を持つ部門長が、プレゼン力に満足して発注してしまうケースが多々あるからです。

      そしてプレゼンが上手い会社は「大きなビジョン」を持ち出したり、「過去の成功事例を誇張」してアピールします。しかし、発注後はプレゼンした社員がプロジェクトに関わらなかったり、あるいはベンダーの技術力が低い企業で、障害が多く不安定なECシステムになることもあるのです。

      ビジョンも実績も大切な要素です。しかし、数千万円規模のECシステムを発注する際に最も大切なポイントは、開発を行うベンダーの技術力や経験です。この要素が満足の行くレベルに達していなくては、ECサイト運営に多大な影響を及ぼします。

      では、技術力のあるベンダーを見極めるためにはどういったポイントがあるのでしょうか?一番良いのは、そのベンダーを利用したことがある人に評判を聞くことですが、そういった人がいない場合は、筆者自身が過去に利用していた、5つのチェックポイントを参考にしてみてください。

      ◆技術力のあるベンダーを見極めるための5つのチェックポイント

      ①自社開発したECシステムであるか?
      ②開発を担当するエンジニアのほとんどが外注ではないか?
      ③打ち合わせの際、ベンダーの営業に同行しているSEの業務理解が早いか?
      ④ベンダーはエンジニアを大切にしているか?転職サイトの口コミはどうか?
      ⑤情報漏えいなどを起こしていないか?

      まず、自社開発であるかどうかは、大事な要素です。なぜなら、海外のオープンソースを利用してECシステムを販売する企業もありますが、複雑な開発や大規模システムを依頼する場合は、自分たちでゼロからECシステムを作っている会社の方が、技術力も当然高くなるからです。

      また、外注状況や担当SEなどは、打ち合わせの際にチェックしてみましょう。そして、担当者の言葉を裏付けするために、インターネットを使って、その会社の評判を調べてみるべきです。また、過去に情報漏えいなどを起こしていないか、その際の対応や対策なども確認しておくと良いでしょう。下記サイトのような、サイバーセキュリティに関する情報ポータルサイトで調べることができます。

      ECサイトの失敗事例のまとめ「大切なのはEC担当者の主体性」

      本日はECサイトの代表的な失敗事例を5つにまとめてみましたが、どの失敗にも共通しているのがECサイトの構築を「ベンダー任せ」にしている点です。

      確かにECサイトを構築するとなると、ITリテラシーも必要で、専門知識がないと打ち合わせの話にもついていけませんが、たとえ専門外であっても、主体的に仕事に取り組む姿勢が大切です。

      ECサイトのデザインにしても、SEOにしても、ベンダー選定にしても、今の時代はインターネットである程度の情報が公表されており、自分で情報収集することが可能なのです。それを怠り、担当者がベンダーに全て任せたり、状況を把握していないと失敗につながることになります。

      また、ECサイト構築においては、自社と同じ業界のECサイト構築事例があるかどうかも大切な要素です。なぜなら同じ業界を経験しているのなら、業務理解が早いため、質の高いECサイトを構築できる可能性が高いからです。

      掲載記事のオリジナル版はこちら→ EC担当者が事前に把握すべきECサイト5つの失敗事例 | ebisumart Media(2020/12/25)

      この記事はインターファクトリーが運営するオウンドメディア『ebisumart MEDIA』の記事を、ネットショップ担当者フォーラム用に再編集したものです。

      ebisumart Media
      ebisumart Media

      EC事業者は“消費者のための”知財管理を。北の達人・木下社長が語る「模倣品が生まれる背景と憤り」「競合との戦い方」 | 竹内謙礼の一筆啓上

      5 years 1ヶ月 ago
      北の達人コーポレーション 代表取締役社長 木下勝寿氏インタビュー【後編】(連載第18回)

      北の達人コーポレーションが、品質誤認表示や不正競争防止などを巡って、はぐくみプラスを相手取った訴訟。不正競争防止法について理解してほしいという思いから、北の達人コーポレーションの木下勝寿社長へ行ったインタビューの後半では、模倣行為との戦い方、裁判を行う際に気をつけること、EC事業者へのメッセージなどをお伝えする(前半はこちら)。

      ECには「争える法律」がたくさんある

      ──競合品、模倣品で泣き寝入りしている企業は多いです。この手の裁判は一般企業でも勝つことができるのでしょうか?

      木下: 本当に相手が悪ければ、かなりの確率で勝てると思います。競合品、模倣品を争う裁判は、通常「知的財産法」(知財法)で争われます。さらにその知財法は、特許法、実用新案法、意匠法、著作権法、不正競争防止法などで構成されているので、このどれかで裁判に持ち込めば勝てると思います。

      知的財産法
発明
考察
意匠
商標
著作物
営業秘密
特許法
実用新案法
意匠法
商標法
著作権法
不正競争防止法
      知的財産および知的財産法の種類
      「知的財産法入門」(特許庁)を元に編集部で作成

      ──でも、特許権とか著作権は小さな会社だと持っていないケースの方が多いです。

      木下: 権利を持っていないからといって諦める必要はありません。典型的な不正な行為に対しては「不正競争防止法」が有効です。もし、相手に特許権や著作権で逃げられても、最後は不正競争防止法で訴えれば、かなりの高い確率で裁判には勝てると思います。

      先述した「はぐくみオリゴ」はオリゴ糖が純度100%と言いながらも、当社で分析した結果、純度は50%程度しかなかった事例などは、品質誤認表示として不正競争防止法に抵触することが裁判でも認められました。

      ──つまり、競合の会社がありもしないことを「ある」と言って、自社の商品の売り上げに影響を与えた時点で、もうそれは不正競争と見なされてしまうんですね。

      木下: 直接の影響がなくても不正競争防止法で訴えることは可能です。今回とは別の件になるのですが、はぐくみプラスは「はぐくみオリゴ」を販売する際、ネット広告で「コロナ禍のウイルスにいい」という類のアピールをして販売していたんですね。

      ──絶対にやってはいけない領域にまで踏み込みましたね(笑)。

      木下: その件で当社は品質誤認表示ということで、直接的な影響はありませんが、はぐくみプラスに対して別途品質誤認表示の差止めを求める仮処分命令の申立てを起こしました。

      参考

      ──そんなデタラメな表記を野放しにしていたら、市場そのものが信頼を失いますからね。

      木下: 他にも薬機法、景表法等の規制に反した広告であれば、不正競争防止法上の品質誤認表示と同視させることが可能になります。相手が明らかに不正な行為をしていることが証明できるのであれば、一般企業でも競合品、模倣品の裁判は勝てると思います。

      弁護士に全力で戦ってもらうために

      ──仮にネットショップを運営している会社が模倣品を見つけた場合、どのように対応すればいいのでしょうか?

      木下: まずは弁護士と相談して、知財法の特許法、実用新案法、意匠法、著作権法、不正競争防止法のどれで戦うかを決める必要があります。

      ──弁護士はどのように選定すればいいのでしょうか。

      木下: 企業法務や知財に詳しい弁護士に依頼することをお勧めします。当社は日本でもトップクラスの知財弁護士に依頼しました。「下町ロケット」のモデルとなった法律事務所です。

      ──強い弁護士についてもらえれば、ひと安心ですね。

      木下: だけど丸投げするだけではダメです。弁護士は戦略を立てるのと裁判で戦うのが仕事ですが、その弁護士が戦えるだけの資料はこちらが用意しなくてはいけません。つまり、弁護士が戦えるだけの“武器”を、依頼した企業側が渡さなければ、どんなに優秀な弁護士でも実力を発揮できないからです。

      ──弁護士も法律や裁判の戦い方には精通していても、業界の事情やビジネスモデルの詳細まで完全に精通しているわけではありませんからね。

      木下: 一緒になって作戦を立てて、弁護士の戦い方を理解した上で「こんなデータがあります」「そのデータならこういう戦い方があります」と、意見を出し合って戦略を密に練っていく必要があります。弁護士に頼んだから一安心するのではなく、そこからが本番だと思って、裁判にしっかり向き合っていかなければいけません。

      弁護士にデータを託して戦ってもらう

      もしも訴えられる側になったら

      ──うっかり模倣してしまって、それを相手の企業から指摘された場合はどのように対応すればいいのでしょうか。

      木下: 本当に模倣や不正行為をしたのであれば、すぐに謝るべきです。今回の件からもおわかりの通り、訴えてきた相手から逃げ切ることは絶対にできません。裁判を起こされて負けでもしたら、それこそ大変なことになります。

      ──倒産してしまう可能性もあるということでしょうか。

      木下: 知的財産に関する裁判の手順は一旦勝ち負けを決めて、その後に損害賠償額を決める二段階方式で行われます。つまり、損害賠償額を決定する段階になると、負けた側は「利益全額」を起点にして、「競合していない部分」を自ら証明し、賠償額を減額していかなければいけないんです。

      ──それって大変なことではないですか? 負けた側が競合していない部分を証明しようと思っても、すでに裁判では負けているわけですから防戦一方になりますよ。

      木下: だから裁判に持ち込まれないほうが良いんです。不正競争防止法は本当に不正をしていれば負ける可能性の方が高いですから。弁護士が「負ける確率は10%しかありません」といっても、「じゃあ、裁判に臨もう」とは思わないことです。会社が潰れる確率が10%もあるんだったら、経営者として裁判は回避するべきです。

      なぜ模倣や不正はなくならないのか

      ──なぜ、模倣や嘘の表記はEコマースの業界からなくならないんでしょうか。

      木下: 私がEコマースを始めた20年ぐらい前は、市場も小さくて、どの経営者もお客さまのことだけを見て商売をしていました。しかし、市場が大きくなるにつれて、「あの商品は儲かる」「あの売り方が儲かる」と、競合ばかりを見る人が増えて、いつの間にか見ている方向がお客さまではなくライバルの会社ばかりになってしまいました

      同業者ばかりをみて商売をしていると、出し抜こうとする人が必ず出てきて、模倣したり、嘘をついたりするネットショップは増えていく流れにはなってしまうんだと思います。

      競合ばかりを見て顧客を無視するイメージ

      ──視野が狭くなると、競合を潰しに行くことしか考えられなくなりますからね。

      木下: 新商品で10億円の売り上げを作ったとしても、それが競合から奪った10億円だったら、日本のGDPは変わりません。当社はお客さまをしっかり見て、新しい価値を生み出した上で新しい10億円の市場を作りたいと思っているんです。そういう商売のほうが、日本が元気になるし、面白いじゃないですか。

      ──そっちのほうが意義のあるビジネスになりますよね。

      木下: Eコマース業界はまだまだ伸びる業界です。狭いシェアをお互いで取りあっているような小さなマーケットではありません。私たちネットショップ運営者一人一人がビジネスの正しいモラルをしっかり持ち、お客さまを長期的に守っていかなければいけない時代なんだと思いますよ。

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      竹内 謙礼
      竹内 謙礼

      1日1人あたり上限1.5万円の助成額など「雇用調整助成金」特例措置は4月末まで。5~6月は1.35万円、7月以降はさらに縮減方針

      5 years 1ヶ月 ago

      緊急事態宣言の解除に伴い、新型コロナウイルスの感染拡大の影響で売り上げが減少した事業者が休業手当を支給して従業員を休ませた場合、中小企業の従業員の休業および教育訓練に対する助成率10/10、大企業は3/4、1日1人あたりの上限助成額1万5000円などの「雇用調整助成金」特例措置は4月までとなる。

      「雇用調整助成金」特例措置について、厚生労働省は3月に緊急事態宣言が解除された場合、現状の特例措置は4月までとする方針を示していた。

      業況が厳しい大企業、および緊急事態宣言対象地域で知事の要請を受けて営業時間の短縮へ協力する大手飲食店などへの助成率を最大10/10とする取り組みも4月末までとなる。

      新型コロナウイルスの感染拡大の影響で売り上げが減少した事業者が休業手当を支給して従業員を休ませた場合、中小企業の従業員の休業および教育訓練に対する助成率10/10、大企業は3/4、1日1人あたりの上限助成額1万5000円などの「雇用調整助成金」特例措置
      雇用調整助成金(新型コロナウイルス感染症の影響に伴う特例)について(厚労省の公表資料からキャプチャ)

      特例措置は今後、段階的な縮小フェーズに入る。1人1日あたりの助成額1万5000円の上限を、5~6月の2か月間の措置として1万3500円まで減らす。助成率は9/10に縮減する。

      ただ、感染が拡大している地域(まん延防止等重点措置対象地域の知事による基本的対処方針に沿った要請)、生産指標(売り上げなど)が直近3か月の月平均と前年または前々年の同期と比べ3割以上減少した全国の事業所については、「雇用調整助成金」の特例を措置する。措置案の助成率は最大10/10で、1人1日あたりの上限額は1万5000円。対象は中小企業、大企業。

      なお、7月以降は、雇用情勢が大きく悪化しない限り、原則的な措置、特例措置をさらに縮減するとしている。

      新型コロナウイルスの感染拡大の影響で売り上げが減少した事業者が休業手当を支給して従業員を休ませた場合、政府がその費用の一部を助成する「雇用調整助成金」の特例措置について、3月に緊急事態宣言が解除された場合の方針
      「雇用調整助成金」特例措置の今後などについて(厚労省の公表資料からキャプチャ)
      瀧川 正実
      瀧川 正実

      オルビスが店頭スタッフの知見をECサイトに活用、美容部員が商品を紹介する「Style Share」をスタート

      5 years 1ヶ月 ago

      オルビスは3月18日、実店舗のビューティーアドバイザーがECサイト上でお気に入り商品を紹介する「Style Share(スタッフ シェア)」を始めた。

      店舗に所属するスタッフによる商品レコメンドのほか、商品を使用したスキンケアやメイクアップの提案を行う。

      「スキンケア」や「メイクアップ」など商品カテゴリー、年代や肌質、肌色などから絞り込むことができる。全国のビューティーアドバイザーの投稿を、消費者の商品選びに役立てる。

      消費者は同じ悩みや特徴を持つスタッフからのレコメンド商品を見つけることが可能。ECサイトでの顧客体験価値の向上につなげる。

      オルビスは実店舗のビューティーアドバイザーがECサイト上でお気に入り商品を紹介する「Style Share(スタッフ シェア)」を始めた
      「Style Share」のイメージ

      バニッシュ・スタンダードが提供する「STAFF START(スタッフスタート)」を導入して、サービスの提供を始めた。

      「STAFF START」は、店舗などに所属するスタッフが自社ECサイトやSNS上でのオンライン接客を可能にするソリューション。スタッフの投稿を通じて達成された売上高は可視化され、スタッフ個人や所属する店舗の実績として評価に利用されている。2020年の「STAFF START」で作成されたコンテンツを経由した流通金額は前年比約2.75倍の約1104億円、導入ブランド数は1200となっている。

      石居 岳
      石居 岳

      ECサイト構築・制作・運用支援の“ECのプロ集団”、「メルカート」を提供するecbeingグループ「エートゥジェイ」とは?

      5 years 1ヶ月 ago
      「メルカート」が選ばれる理由、ecbeingグループの強みとは? エートゥジェイの飯澤満育代表取締役社長へのインタビュー
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      「ECを本格的に始めたい」「EC事業を強化するのでリプレイスなどを考えている」といった時に重要になるのがECプラットフォーム。数あるサービスのなかから何を選べばいいのか?

      ecbeing傘下のエートゥジェイ(AtoJ)が提供するクラウドECプラットフォーム「メルカート」は、大手・中堅など1300社超の導入実績がある「ecbeing」の成功実績と運用ノウハウを凝縮。サイト構築といった立ち上げから、サイト制作、運用まで幅広く導入企業をサポートする。数あるECプラットフォームから「メルカート」が選ばれる理由、ecbeingグループならではの強みなどをエートゥジェイの飯澤満育代表取締役社長に聞いた。写真◎吉田 浩章

      ECサイト運営を軌道に乗せるためのセオリー

      ECの顧客基盤やトラフィック数が少ない段階では、「時間と費用をかけてサイトを構築するよりもスピードを重視し、まずは何よりオープンさせること。そして、日々の運用のなかで、PDCAの循環を軌道に乗せることが最優先事項になります」と飯澤社長は言う。

      なぜなら、規模が小さいうちから機能やデザインにこだわるとコスト過多になり、集客などECサイト運用に回すための資金が枯渇してしまう恐れがあるからだ。

      数々のECサイトを構築・運用支援を手がけてきた飯澤社長は、新規でECサイトを立ち上げる場合は、まずは小さくスタートし、自社の強みを探りながら進めていくことが、成果を生み出すと指摘する。

      まずはベーシックな形から始めて、EC運用の“イロハ”を習熟することが大切です。その過程で、“自社の勝負所”が見えてきたら一気にアクセルを踏んで、事業を拡大していきましょう。勝負できるポイントは、ギフトなのか、ポイントなのか、もしくはプロモーションの仕方なのか。小さく始めて、大きく伸ばす。この2段階で進めることが、EC運営をいち早く軌道に乗せるセオリーだと考えています。(飯澤社長)

      エートゥジェイの飯澤満育代表取締役社長
      エートゥジェイの飯澤満育代表取締役社長

      「ECのプロフェッショナル集団」が開発から運用までをサポート

      エートゥジェイの「メルカート」は、12年連続で業界シェアナンバーワン(※)を誇るECサイト構築パッケージ「ecbeing」の成功実績をベースに開発したクラウドECプラットフォーム。

      ※『富士マーケティング・レポート 2019年 ECソリューション市場占有率』(富士キメラ総研)

      「メルカート」の主な特徴
      「メルカート」の主な特徴

      ECパッケージまでの自由度は必要ないものの、ある程度の柔軟性を維持しながら、低コストでのECサイト運営を実現したいといったニーズを抱える事業者向けとなる。事業規模が拡大し、ユーザーニーズに合わせた自由度を実装したい場合は、「ecbeing」へのスムーズな乗り換え環境も用意している。

      豊富なフロント機能を標準搭載するメルカート
      豊富なフロント機能を標準搭載

      過去実績に基づいた「勝ちパターン」のテンプレートを6種類用意。“売れるノウハウ”が凝縮されたデザインテンプレートを利用してECサイトをオープンできる。業種や商材ごとに適したデザインを選べる仕組みとし、色の掛け合わせやバナーの配置などでECサイトのオリジナリティーも担保する。

      豊富なバックオフィス機能も標準搭載しているメルカート
      豊富なバックオフィス機能も標準搭載している

      クラウドで提供しているため、多様化が進む決済手段やマーケティング機能など、市場トレンドや導入企業の声を反映したバージョンアップが随時無償かつ自動で行われる。導入企業側の負担は一切ないまま、トレンドをキャッチアップした最新機能が追加される製品開発力は強みの1つだ。

      優れたカートシステムを提供している企業はたくさんありますが、エートゥジェイは単なるデベロッパーではありません。EC事業者としてIPOしたソフトクリエイトグループ(ソフトクリエイトホールディングスが持株会社)の一員として、ECに特化したサービスを提供する“ECのプロフェッショナル集団”です。

      ECを熟知した私たちが開発したシステムに加え、1300社を超える支援実績で培った運用ノウハウを提供しているので、多くの導入企業がスピード感を持ってEC事業を軌道に乗せられます。(飯澤社長)

      特にコロナ禍において、実店舗での販売不振などからオンラインに活路を見出しECサイトの開設に踏み切るケースが増えている。「メルカート」は強力なサポートを含めて、数あるECシステムのなかでも圧倒的な速さでスタートを切れることが、事業者に選ばれる理由の1つという。

      ノウハウが集約された管理画面も好評だ。

      ecbeingグループのノウハウが集約されたメルカートの管理画面
      グループのノウハウが集約された管理画面。BI機能、分析・集計機能、RFM分析分析、ABC分析、かご落ち分析、ABテスト分析、キャンペーン集計などの機能を標準搭載している

      EC初心者の方でも、迷い無くEC運用ができるよう管理画面を設計しています。また、「メルカート」を導入いただく段階からエートゥジェイの担当者がEC運用の“イロハ”をお伝えしているので、成果を出しやすいのが特徴です。(飯澤社長)

      メルカートの開発を手がけるエートゥジェイは、導入企業のパートナーという立場を重視し、マーケティング、プロモーション、分析、CRMなど多岐にわたる運用支援をオプションで提供。段階を踏んだ着実かつ迅速な成長に貢献している。

      こうした手厚い運用支援により、ECに新規参入する事業者や、ECの売り上げが伸び悩んでいる事業者がメルカートに乗り換えるケースが増えているという。

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      「規模拡大で自由度を高めたい!」に低コスト&柔軟に対応できるグループ体制

      顧客基盤や事業規模の拡大で、必ずといっていいほど浮上するのがカスタマイズ需要。ASP型のカートを卒業し、ワンランク上のプラットフォームやパッケージなどに移行するケースが多い。自由度や柔軟性を高めるためにパッケージへ移行する際、「ecbeing」への乗り換えを検討する事業者も多く、「メルカート」導入から数か月での移行事例も少なくないという。

      「メルカート」から「ecbeing」への移行は、同じグループだからこそ、費用や時間、また移行作業に関わるあらゆるストレスといった、「コスト」全般を大幅に削減できる強みがある。一般的に、ECを始めるときのカート導入コストより、事業拡大後のカート乗り換えコストの方が比にならないほど大きい。移行時には、費用面だけでなく、顧客管理情報などの膨大なデータを移管するための時間と手間がかかるからだ。

      「メルカート」は、「ecbeing」を開発・運営するecbeingのグループ内サービス
      「メルカート」は、「ecbeing」を開発・運営するecbeingのグループ内サービス

      この点、「メルカート」と「ecbeing」はバックオフィス機能が同じ仕様のため、データの移管がシームレスに行える。また、「メルカート」を利用している段階から、乗り換えられる側(メルカート)の担当者と、乗り換え先(ecbeing)の担当者を交えてパッケージの要件定義が進められるため、スイッチング期間は、他社システムからの移行に比べて少なくとも半年以上は圧縮できるという。

      カートの乗り換えと同時に、新しいベンダーや担当者との取引開始といった、心理的ハードルが下げられる点も評価されている。このほか、「ecbeing」のスタンダードな管理画面を「メルカート」が踏襲しているため、EC運用の現場担当者は移行直後からスムーズに操作でき、教育コストもほとんどかからない。

      私たちは、「メルカート」から「ecbeing」への移行は喜ばしいことと捉えています。なぜなら、メルカートを導入した企業のEC事業が成長した証とも言えるからです。「メルカート」を卒業するときには顧客基盤も月次売上も大きくなっているので、スムーズな移行は売り上げにも直結する重要なポイントになります。(飯澤社長)

      エートゥジェイの飯澤満育代表取締役社長
      青山一丁目のオフィスで取材に応じる飯澤社長。AtoJという社名の由来は、米国留学中に出会った友人との起業にあるという。「America to Japan」。社名に込めた想いを胸に日本のEC業界を盛り上げる

      EC新規参入から事業拡大後までグループをあげて伴走

      EC業界は、ノウハウに習熟した人材の確保が慢性的に難しい状況にある。エートゥジェイではEC運用に精通したスタッフが、導入企業の運用支援にあたるオプションを用意。企業の成長を強く支えている。

      エートゥジェイが提供しているオプションサービスは、プロモーションから分析・改善、バナーなどの制作物、CRMなど。グループのリソースを生かした幅広い範囲の支援を行っている。最大の特徴は、一般的によく見られる「バナー1本の納品につき●万円」といった受託型の支援ではなく、時間単位で支援サービスを購入できる準委任型としていることだ。

      導入から間もないEC事業者には、受託する作業をピンポイントで聞くよりも前に「何が必要で、どの順序で着手すべきか」を分析し、成長に向けたマイルストーンの設定から始める。また、「レポートは作成できるがデータの見方が分からない」「急遽レポートが必要になったが人的リソースが足りない」といった細かな課題にも対応する。

      エートゥジェイが提供しているオプションサービス
      「作っただけでは終わらない」。構築から運用まで幅広く導入企業をサポートする

      こうした状況を鑑みれば、新規でECに参入した企業や、まだ事業規模が小さな企業にとっては、作業単位ではなく、全作業1セットの支援サービスとして時間単位で購入できるメルカートの支援体制は望ましい。その時々で優先度の高いタスクから着実に取り掛かれるため早い成長が実現できる上、予算内で個社ごとに適した柔軟な対応を行えるからだ。

      導入企業の2~3割が全般的な運用支援を依頼しているが、自社のリソースや成長段階に合わせて、プロモーションやCRMといったパーツごとに運用支援を依頼するケースもあるという。

      ECをゼロから立ち上げる新規参入事業者や、ECの伸び悩みで「メルカート」に乗り換えられた事業者を、着実にステップアップさせる支援には自信があります。EC事業が拡大してからもグループを挙げて伴走する体制は万全なので、どのような悩みを抱える事業者でも、まずは相談いただきたいです。(飯澤社長)

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      朝比美帆
      朝比美帆

      アフターコロナは異業種参入が当たり前。「顧客体験の区分」で競合が生まれる時代へ【ネッ担まとめ】 | ネットショップ担当者が 知っておくべきニュースのまとめ

      5 years 1ヶ月 ago
      ネットショップ担当者が読んでおくべき2021年3月15日〜21日のニュース
      ネッ担まとめ

      自分たちが競合だと思っている企業も、ユーザーから見たら競合ではない場合もあります。ユーザーが欲する体験を基準に考えると意外なところが競合で、いつの間にかシェアを取られているかも。

      「業界の区分」から「顧客体験の区分」で戦う時代へ

      「ウォルマート」「ルルレモン」の事例にみるリテール競争の変化と顧客体験の重要性 | ネットショップ担当者フォーラム
      https://netshop.impress.co.jp/node/8477

      まとめると、

      • 全米小売業協会(NRF)主催のリテール展示会「NRF Retail's Big Show」は、「実現した過去のお披露目ショー」だったが、「不透明な未来への視座を各社に鋭く問う場」に変わった
      • 先にデジタルシフトしたのは企業ではなく顧客。パンデミック以前から変革に取り組んでいた企業と、対応で精一杯だった企業の差が浮き彫りとなった
      • 両者とも購入後にサービスと接点を配置することによって、顧客の使用時間における行動を把握しようとしている。使用時間の把握がパーソナライズの精度を高め、次の商品選択における提案権を手にすることになるため

      ルルレモンと「Peloton」は、出自のプロダクトだけを見れば、ヨガウエアとSmart Bikeであり全くの異業種と言える。しかし彼らが提供している「顧客体験」という視点から見れば、明らかな競合と言えるだろう。

      ここからわかるのは、新たな顧客接点の創造は新たなサービス開発を促し、プロダクトに基づく業界区分を無意味化するということだ。顧客とのつながりを強固にしたリテール業界の先駆者は、リテールを超えた新しいビジネスモデルを手に入れ、業界を超えた新しい競争が生まれているのだ。

      コロナの影響でリテールに大きな変化が起こっています。業界の区分が意味をなさなくなり、顧客体験の区分で競争が生まれます。これからは「異業種からの参入」は何の驚きもなくお隣にいる競合ということですね。さらに大きな変化としては購入後のデータを取ろうとしていること。これが取れると実際にどのように利用しようとしているのかがわかるので、商品とサービスの開発の参考になります。となると、サブスク的なつながりも必要になってきますよね。

      「どんなにデータマイニングやデータ活用が優れていても、顧客にとってそれが快適なことであり信頼を得られなければ何の意味もない」。ウォルマートCOOのジェイニー・ホワイトサイド氏の言葉を忘れないようにしましょう。

      ECサイトは見た目ではなくてコミュニケーション重視で

      創業73年・広島の老舗「鍋メーカー」がECサイト構築に活用したのは「フリーランス」の力 | THE21オンライン
      https://shuchi.php.co.jp/the21/detail/8424

      まとめると、

      • 広島市に本社を置く関西軽金属工業は楽天市場に出店していたが赤字が続き数年で撤退。その後、Shopifyを使い自社ECサイトの構築に挑戦
      • 広島でECサイトを構築してくれる業者が見つからず、かといって大手に依頼する予算もないためにフリーランスの方を探して依頼
      • 実演販売の購入者は高齢者が多く、ECサイトとの相性はよくなさそうだが、実際はスマホで問い合わせがきている

      当社のフライパンは高級品なので、テフロン加工を塗り直して使い続けるお客様が多くいらっしゃいます。コロナ禍によって、当社の担当者が直接商品をお預りして塗り直すことはできなくなりましたが、ECサイトで『塗り替えサービス』のチケットを買っていただいて、商品は宅急便でお送りいただいたり、同じ商品を安くECサイトで購入していただいて取り替えたり、といったことができるようになりました。

      ユーザーとコミュニケーションを取るために自社ECを構築した事例です。ECサイトを作るだけなら簡単に作れる時代ですが、それでは売れないですし意味がないですよね。コミュニケーションを重視したからこそ、引用文にあるような塗り替えのニーズもしっかりとらえることができたんでしょうね。

      結果を出すヒントは隣の部署にあるかも?

      EC戦国時代に突入? 勝ち残るためのキーワードは「領域横断最適」 | ECzine
      https://eczine.jp/article/detail/8814

      まとめると、

      • ネットイヤーグループではセミナー参加者へ担当領域について質問したところ、「複数領域を見ている」の回答は35%。65%のは担当者は単領域のみに尽力し、個別最適化に奔走している
      • リソースの有効活用のためには「領域横断最適」が必要。最初に領域ごとの施策やタスクを洗い出リスト化し、工数や効果を踏まえて優先順位を付ける
      • リスティング広告とSEOから着手すると結果が出やすい。SEO側で得た記事コンテンツの読了率やECサイト内の回遊傾向などを、リスティング広告のTDや表示オプションに反映させることで、相乗効果にも期待できる

      ウェブマーケティングという言葉は、聞こえは良いかもしれないが、派手な施策や拡散力でウルトラC的に認知や売上が向上するのはごく少数。もっとも本質的で大切なことは、「基本に沿って地道にやっていくこと」である。領域横断最適は決して華々しい施策ではないが、非常に本質的な打ち手であり、EC戦国時代を生き抜くための武器になるであろう。

      Webマーケティングを何もしていなければ伸びしろがあるので大きな結果が出ることもありますが、ある程度やっているとそんなことはないですよね。となると、効率化してやるべきことにフォーカスする必要が出てきて、そのためには領域を横断してみていかないといけないということですね。部分最適の総和が全体最適にならないことを覚えておきましょう。

      EC全般

      日本郵政、「楽天への1500億円出資」にみる焦り | 東洋経済オンライン
      https://toyokeizai.net/articles/-/417354

      楽天グループ、2423億円増資に潜む「見過ごせない問題点」:磯山友幸の「滅びる企業 生き残る企業」 | ITmedia
      https://www.itmedia.co.jp/business/articles/2103/18/news047.html

      楽天にとって日本郵政との提携は相当ありがたい話 | ASCII.jp
      https://ascii.jp/elem/000/004/047/4047561/?rss

      先週のまとめの続報です。不安視する声もありますが、強力な提携であることには変わりないですね。

      洋服の青山 抗菌加工のスーツやシャツなど60万点を用意 調査を基に販売強化:過去最大規模 | ITmedia
      https://www.itmedia.co.jp/business/articles/2103/17/news118.html

      「空間除菌」という「キャッチコピー」の罪 雑貨なのにコロナ禍「効果ありそう」と誤解、誇大広告の問題も | withnews
      https://withnews.jp/article/f0210318005qq000000000000000W0bx10701qq000022726A

      コロナの影響で「抗菌」「抗ウィルス」などの商品もたくさん出てきていますが、怪しい商法には要注意です。

      世界のファッションEC市場規模ランキング | boutiquestar
      https://boutiquestar.jp/feclab/world-fashion-ec-market-size-ranking/

      海外向けは英語が基本というデータが出ています。

      通販・EC実施企業は必見! 新たな販路になる政府の景気刺激策「グリーン住宅ポイント制度」とは?「交換商品事業者」の要件は? | ネットショップ担当者フォーラム
      https://netshop.impress.co.jp/node/8541

      対象商品はテレワーク家電、エアコンなど幅広いのでチェックしておきましょう。

      【ZOZOCOSME】オープン記念スペシャル企画! | ZOZOTOWN
      https://zozo.jp/zozocosme/

      「ZOZOTOWN」のリニューアル、ラグジュアリー&コスメ専用モールのオープンなど戦略・サービス概要まとめ | ネットショップ担当者フォーラム
      https://netshop.impress.co.jp/node/8546

      「533万人いる女性のアクティブ会員」が興味があること1位がファッション、2位がコスメ。なるほど。

      セールスフォース・ドットコム、「Eコマース最新事情」(第1版)を公開 | セールスフォース・ドットコム
      https://www.salesforce.com/jp/company/news-press/press-releases/2021/03/210316/

      パフォーマンスが高い企業と低い企業の調査結果が参考になります。

      今週の名言

      まずはやってみる! これが大事です。

      高木三四郎氏に聞く、サイバーエージェントグループ入りしたことで感じた変化【後編】 | 起業・創業・資金調達の創業手帳
      https://sogyotecho.jp/takagisansiro-interview2/

      やってみてうまくいかなければ原因を研究していけばいいですよね。やる前に失敗することを考えていると何もできないです。

      森野 誠之
      森野 誠之

      「予期せぬ商品に出会える」。アダストリアがECサイト「.st」で始めたショートビデオ接客とは?

      5 years 1ヶ月 ago

      アダストリアは3月19日、グループ公式のECサイト「.st(ドットエスティ)」で、商品やイベントなどを短尺動画で紹介するショートビデオ接客を開始した。

      コーディネートや着こなしテクニック、イベントなど、さまざまな情報をショップスタッフが自ら撮影・編集・投稿する短尺動画でわかりやすく伝える。

      短尺動画の特性に合わせた連続再生も可能。「予期せぬ商品に出会う」という店頭のような買い物体験を提供する。

      アダストリアはこれまで、ショップスタッフがスタイリングを投稿する「STAFF BORD(スタッフボード)」、SNSのライブ配信によるオンライン接客などで顧客接点を増やしてきた。ショートビデオ接客を顧客との新たなコミュニケーションの場にし、人と人のつながりを感じるプラットフォームとして提供していく。

      アダストリアはグループ公式のECサイト「.st(ドットエスティ)」で、商品やイベントなどを短尺動画で紹介するショートビデオ接客を開始
      ショートビデオ接客のイメージ

      ショートビデオ接客はFANATICが提供するオンライン接客ツール「ザッピング」を導入して、実現した。「ザッピング」は、FANATICとJolly Geneが共同運営するサービスで、Webサイトや通販サイト上にショートビデオを掲載できるツール。

      短尺動画ごとの成果や投稿した販売員1人ひとりの成果も可視化できるため、正確な評価や隠れた才能の発掘にも利用することが可能。投稿した短尺動画をそのままインスタグラムに投稿することもできる。

      導入はHTMLタグを埋め込むだけ。初期費用は33万円(税込)、月額5万5000円(税込)から利用できる。

      石居 岳
      石居 岳

      こんなにあるBtoB-ECの効果。日常業務、経営面でどんなメリットがある?

      5 years 1ヶ月 ago
      『BtoB-EC市場の現状と販売チャネルEC化の手引き2020 ─今後デジタル化が進むBtoBとECがもたらす変革』(インプレス総合研究所)ダイジェスト⑤

      前回はBtoB-ECの業態を販売手法、販路、目的などで分類した。今回はBtoB-ECの導入によってもたらされる具体的な効果について確認する。

      BtoB-ECのメリット①
      業務効率化や負担軽減

      聞き間違いや読み間違いなどの受注ミスが減る

      至極当然のことではあるが、人同士が主に「声」でコミュニケーションする際は、聞き違いや勘違いが発生しやすい。これは企業間の取引においても変わらず、たとえば電話で「いち(1)」と「しち(7)」を聞き間違えて発送すべき商品を誤るなど、深刻なミスが発生する可能性がある。

      また文字ベースのFAXだからといってミスが発生しないとも限らない。FAXの送信画質は必ずしも完璧とはいえず、小さな文字などの場合は、書き手のクセなどによって「1」「7」「9」の判別ができず、結局電話で確認するといった手間が発生しがちだった。

      BtoB-ECでは、原理的にこうしたトラブルを回避できる。当然、操作ミスの可能性は捨てきれないが、注文の最終確認画面を出したり、あるいは注文の控えをメール送信したりするなど、ミス抑制に関する様々な作業を極めて効率的に行える。また電子的なデータが各ステップで残るため、万一トラブルが発生した場合の責任所在を後から確認することも容易になる。

      ファックスや口頭でのやりとりで発生しがちな間違いのでの読み間違いのイメージ

      問い合わせ対応業務を削減できる

      ビジネスの現場では、具体的な受注手続き以外にも、販売側・購入側の間ではコミュニケーションの手間が多々発生する。見積書の発行はその一例であろう。特にBtoB取引の場合、客先によって販売価格の条件が逐一異なるケースが多く、見積書の作成には想定以上の手間がかかりがちである。また、購入側も、社内承認の都合上、見積書を省略できないケースが往々にしてある。

      BtoB-ECシステムの大半では見積書作成機能が標準的に組み込まれている。販売側にとっては、人手を割くことなく見積書を発行でき、また購入側も見積書をいつでも入手できるようになる。加えて、数量や商品などの条件を変えて合計額を複数パターンで確認する、なども容易にできるようになる。

      またシステムの設計にもよるが、基幹システムや在庫管理システムとBtoB-ECを連携させれば、在庫確認や出荷状況の連絡・確認の問い合わせも削減できる

      その他、時期によって価格が変動する商品などでは、販売側が価格表を定期的に顧客に配布したり、価格に関する問い合わせに対応したりしているため、BtoB-ECサイトで価格情報を提供することで、これらの問い合わせ対応業務についても大幅削減が期待される。

      BtoB-ECのメリット②
      営業体制の強化と売上・利益拡大

      受注機会を拡大できる

      従来の対面営業や電話での受発注の場合、販売側、購入側ともに都合の良い時間帯でなければ、取引をすることができない。また、FAXやメールでは当然ながらリアルタイムのコミュニケーションは不可能で、在庫の有無や納期などをその場で確認することができない。

      それに対してBtoB-ECでは、受注担当者を常駐させることなく注文を受け付けることができる。加えて、いわゆる9時~17時といった営業時間以外でも24時間365日体制でシステムを稼働させられる。たとえば深夜営業を行う飲食店が、営業終了後の深夜26時を過ぎてから在庫状況を鑑みて材料を注文できるようになるなど、購入側の企業にとっても自社の都合が良い時間に在庫の有無や納期も見ながら注文することができる。

      またBtoB-ECシステムの多くは、PCのほかにスマートフォンからも利用できる。PCを設置できない小規模店舗や現場からも、従業員がスマートフォンから発注を行うことも可能だ。つまり、注文に関する時間や場所の制約が小さくなり、それが受注機会の拡大へとつながる

      商圏の拡大、新規顧客開拓

      通常、営業担当者を軸とした販売網を構築する企業などの場合、ある1つの営業拠点から物理的に足を運べる範囲でしか営業活動を行えない。典型的なルートセールスの場合、受注、納品、料金の回収を営業担当者が担っているケースもあり、特に物流面を担う場合には商圏が限定されることがある。たとえば東京都千代田区に営業所がある場合、その担当範囲はどんなに広くても首都圏内が限界であろう。

      だがBtoB-ECでは、こうした制限は緩和される。購入側にECサイトの利用を促し、配送会社などを利用することで、全国どこの場所の企業からも受注が可能になる。経済的な問題から営業拠点を新設できない企業にとっても、極めて魅力的な要素であろう。また、インターネットを活用して広く取引の門戸を開けられるのが最大のメリットである。集客方法次第だが、それまでまったく縁のなかった企業にも自社の存在をアピールし、取引へとつなげることができる

      小口取引を仕組み化できる

      その販売実務を営業担当者に依存している企業も多い。日々の顧客サポートから受注業務、さらには配送までの煩雑な業務を1人の担当者が引き受けるケースも少なくない。このような場合、営業事務に要する時間が多くなれば、営業活動に割く時間が限定され、取引先の拡大に向けた業務も限定されてしまうだろう。

      そこで、注文数量の少ない取引先や、消耗品などの単純なリピート商品はBtoB-ECサイトで対応する。そうすることで、営業担当者に時間の余裕ができ、その時間を注文数量の大きい企業や、人が対応しなければならない業務、あるいは顧客に対するより丁寧な営業活動などに時間を割くことができるようになる。

      顧客接点を強化できる

      企業が商品を販売する際、その成否を担うのは従来であれば、営業担当者のサポート力、カタログのわかりやすさなどが大きな要因となる。そこへさらにBtoB-ECを並行的に用意することで、顧客接点を増加させることができる。

      紙カタログに比べてWebサイトは検索性が高く、また関連製品のレコメンド機能なども組み込める。季節と連動した特集や新商品の案内、お得なキャンペーン情報、限定販売など様々な施策を実施することも可能である。

      人力とはまた別の角度から“売り込みの多様化”が推し進められることにより、BtoB-ECを新たに開始した企業の中には、それまでのアナログ的受注が主軸の時代と比較して、購入頻度・購入単価ともに上昇したという声も多い。営業担当人員が限られ、さらに増員も難しい状態で顧客との接触回数を増やしたい場合、BtoB-ECは有力な候補となってくる。

      利益率が向上する

      業務フローを再構築し、BtoB-ECを導入することによって受注ミスや問い合わせ対応業務等が軽減されれば、結果としてそれは人的コストの削減へとつながる。受注あたりの処理コストが下がることにより、利益率の向上につながる。

      ●BtoB-ECについてもっと知りたい方はコチラへ
      調査報告書の詳細や購入に関するご案内は「インプレス総合研究所」へダイジェスト版PDFのダウンロードは「Impress Business Library」へ

      BtoB-ECのその他のメリット

      新規事業立ち上げの気運を醸成できる

      企業が新規事業の立ち上げに取り組む場合、予算やリソースが十分には確保されていない場合も多い。従来の業務フローで事業設計を行うと高コスト構造になりがちであるが、受発注業務をEC化することでコストを削減し、新規事業に取り組むことも可能である。

      「働き方改革」を実現できる

      ここまで紹介してきたBtoB-ECのメリットは、総じて「働き方改革」の実現に直結する。人手を十分にかけ、綿密なダブルチェックを行いながら、紙の注文書に記載された内容を業務システムに転記入力するなどの対応は、従来であればごく一般的な考え方であったが、先進ITツールの登場により、これらを代替することが十分に可能となった。コストはもちろん、今後は人手不足も相まって、ITツール導入の必要性は高まっていく。

      働き方改革関連法の制定により、今後は1従業員あたりの労働時間制限がより厳格化される。違反した社名の公表など罰則規定も設定されており、「時短」の必要性はますます高まっていくだろう。その処方箋として、BtoB-ECをはじめとした各種ITツールの活用は大いに期待される。

      森田 秀一
      森田 秀一

      コロナ禍で示された「実店舗での顧客体験の重要性」。Lowe's(ロウズ)とコストコに学ぶリアル店舗のDXとデジタル活用の事例 | 顧客時間が見たCES & NRFレポート2021

      5 years 1ヶ月 ago
      伴大二郎氏(オプト エグゼクティブ・スペシャリスト パートナー 兼 オムニチャネルイノベーションセンターセンター長、顧客時間 プロジェクトマネージャー)による2021年のNRF考察

      2021年のNRF(全米小売業協会主催のリテール展示会「NRF Retail's Big Show」)では、コロナ禍により余儀なくされた迅速な対応、そこで何とか成果を出した米リテール企業の事例が多かった。NRF全体で焦点になっていたのは、ここ数年で小売り事業者が何をやってきたか、今何をするべきなのか――。NRFのセッションから、印象に残ったホームセンターチェーン「Lowe's(ロウズ)」、コストコの取り組みを紹介する。

      コロナ禍で見えてきた“正しいDX”の形

      印象深かったのはホームセンターチェーン「Lowe's(ロウズ)」のMarvin Ellison(マーヴィン・エリソン)代表取締役社長が、「The power of vision to reshape retail and the consumer experience(小売業と消費者体験を再構築するビジョンの力)」をテーマに語った内容だ。ロウズの2020年第3四半期(8-10月)の既存店売上高は、前年同期比で30%増だった。

      National Retail Federationのマシュー・シェイ代表取締役社長と、ロウズのマーヴィン・エリソン代表取締役社長
      左:National Retail Federationのマシュー・シェイ代表取締役社長、右:ロウズのマーヴィン・エリソン代表取締役社長(画像:セッション動画よりキャプチャ)

      コロナ禍の「STAY HOME」で、ホームセンターの多くで業績は好調だったことを踏まえるとそこまで驚くべき数字ではない。だが、ロウズは群を抜いている。第2四半期(5-7月期)の既存店売上高は前年同期比34.2%増という大幅増収。参考までに、最大手である「Home Depot(ホーム・デポ)」の2020年第2四半期(5-7月)の売上高は、前年同期比23.4%増加だった。

      ロウズはなぜ最大手を抑えて高い増収率を達成したのか? そもそもロウズは、ホーム・デポに比べるとかなりデジタル化に遅れており、10年以上前から使用しているPOSや基幹システムの改修(クラウド化)が、何とか2019年に間に合ったような企業だ。その点では多くの小売り業と変わらないが、ロウズは2019年のシステム改修が間に合わなければコロナ禍で求められた“変革”に対応できず、パニックを引き起こしていただろう。

      筆者は日頃、企業のDX(デジタルトランスフォーメーション)の推進をサポートする立場として、①企業利益②顧客体験(経験価値)③従業員体験(経験価値)――のバランスが重要だと感じている。エリソンCEOが語った内容は、「DX推進の好例」といえる興味深い内容だった。

      伴大二郎氏が作成した、①企業利益、②顧客体験(経験価値)、③従業員体験(経験価値)のバランス関係を示した図
      ①企業利益②顧客体験(経験価値)③従業員体験(経験価値)――のバランス関係を示した図(筆者作成)

      最も効果的なテクノロジーは、「気づかれないくらい」簡単なもの

      ロウズのデジタル化の内容は、顧客が必要な商品を見つけるのに役立つ店舗ナビゲーションや、オンライン注文&店舗引き取り(BOPIS、Buy Online, Pick Up In Store)、カーブサイドピップアップ(車中受け取り)、使い勝手の良いロッカーピックアップ、そして24時間チャット対応のカスタマーセンターなど、特別新しいものではない。しかし、「それらが全て直感的にできる」ことに重きを置いている。

      ロウズが展開する受け取りオプション
      ロウズが展開する受け取りオプション(画像:サイトよりキャプチャ)

      エリソンCEOが次のように語っている通り、どのサービスにおいても、UI(ユーザインタフェース)へのこだわりが強く感じられる。

      最も効果的なテクノロジーは、顧客が「これは本当に簡単だった」と感じるくらい、誰にも気付かれないものだ。(エリソンCEO)

      また、スタッフへのスマートフォン支給によって、従来は「作業:60%、サービス:40%」に費やされていた時間が「作業:48%、サービス:52%」と、顧客へ向き合う時間に費やせるようになったことも売り上げに影響を与えた要因という。

      DX=ECシフトではない。DXとは、企業利益をしっかりと得た上で、顧客経験価値(CX)を高め、LTV(生涯顧客価値)を向上し、スイッチングコスト(競合へ流出する際にかかる経済的+心理的コスト)を上げることである。

      そして、従業員経験価値(EX)により、自社に対する誇りや帰属意識を高めるとともに、顧客体験の提供価値を上げる仕組み化にデジタルを活用することである。これらをつなぎ止めるために、企業の存在意義を表す「パーパス(目的)」がDX推進においては重要となる。

      顧客満足度/NPSで1位の「コストコ」

      参加したセッションのなかで最も興味深かったのが、ニューヨークに拠点を構える分析会社Verint System社のエリック・ヘッド(Eric Head)副社長による「How retailers win on CX now(今、小売り事業者が顧客体験で勝つには)」だ。

      NRFで行われたセッション「How retailers win on CX now」のもよう
      セッション「How retailers win on CX now」のもよう(画像:動画からキャプチャ)

      ヘッド氏は、2020年の小売りTOP25社に関する独自調査結果を発表。顧客満足度/NPSで1位になったのはコストコ。2位はApple、3位はAmazon、Walmartは13位だったと明かした。

      Verint System社による小売企業上位25社の調査結果
      Verint System社による上位25社の調査結果(画像:セッション動画よりキャプチャ)

      コストコは、2020年度(2020年8月期)の売上高は前年9.2%増、オンライン売上高は49.5%増と数字面でも好調だ。コロナ禍で既存会員によるLTVの向上が大きかったという。一方、新規会員獲得による年会費の伸びはわずかだった。

      ご存じの方は多いと思うが、コストコは年会費60ドル(約6,350円)、もしくは120ドル(約1万2,700円)を支払って利用する会員制の大型スーパーマーケット。郊外を中心に展開する巨大な倉庫型店舗で、安価な商品を販売している。日本の年会費は4,400円、もしくは9,000円。プライベートブランドの「KIRKLAND signature(カークランド・シグネチャー)」も品質の高さとリーズナブルな価格で人気がある。

      コストコのプライベートブランド「KIRKLAND signature(カークランド・シグネチャー)」
      コストコのプライベートブランド「KIRKLAND signature(カークランド・シグネチャー)」(画像:サイトよりキャプチャ)

      コストコは利益の多くを商品販売からではなく、年会費であげているのが特徴だ。広告費をほとんど使わずに、収益を商品調達や従業員の給料を上げることに使うと宣言している。

      コストコはロウズと同様、アプリに電子会員証機能とECやオムニチャネル決済機能を搭載。サービス面では、BOPISやカーブサイドピックアップ、配送オプションも各種扱いデジタル連携に余念がない。だが、「デジタルエクスペリエンス」に関する顧客満足度の調査では5位だった。

      小売り事業者上位25社のなかで、コストコの各種順位を示した図
      コストコの各種順位を示した図(画像:セッション動画よりキャプチャ)

      他社の投資状況や機能を踏まえると5位という順位は納得できる部分もあるが、顧客に「デジタルエクスペリエンス」と感じさせない秀逸な顧客体験の設計が結果に影響しているのかもしれない。ちなみに、コストコは価格やフルフィルメントでも2位だったが、サービスでは1位の評価を得ている。

      コロナ禍で大きな役割を果たす実店舗

      TOP25社の顧客行動を「RESEARCH(購入前調査)」「PURCHASE(購入場所/決済)」「FULFILLMENT(物流/受け渡し)」の観点からも解説していた。

      ここから見えてきたものは、新型コロナの影響を受けた2020年であっても、依然として実店舗の役割は大きいということだ。

      セッション中に紹介された「RESEARCH(調査)」「PURCHASE(決済)」「FULFILLMENT(物流/受け渡し)」の観点から見た顧客行動(画像:セッション動画よりキャプチャ)

      「購入前のリサーチ」に関しては、デジタル活用が43%であるのに対し、実店舗が46%。「購入場所」については実店舗が52%と半数を突破。40%だったECの内訳を見てみると、宅配は47%、カーブサイドピックアップが23%、BOPISが20%となっている。

      つまり、カーブサイドピックアップやBOPISといった店舗まで取りに来る行動も合わせると、約70%が購買行動において店舗を活用していることになる。

      コストコの話に戻すと、利用者の多くは郊外に住み、「STAY HOME」に気をつけながらも、車で通勤・通学(送り迎え)をしている家庭と想定される。普段から車で外出する機会の多い人々は、時間指定ができても家にいる必要がある宅配よりも、安全かつ手間なく、外出ついでに受け取れるカーブサイドピックアップのニーズが高いのは納得できる。

      さらに、コストコ会員はガソリン代金が割安になるなど、生活習慣のなかに無駄なく、そして無理なく寄り添っている。オムニチャネルが特別な体験ではなく、当たり前の日常として活用されていると認識させられる。

      まずは、顧客行動におけるRESEARCH(購入前調査)、PURCHASE(購入場所・決済)、FULFILLMENT(物流・受け渡し)のなかで、デジタルが行うべき役割を定義。顧客がそれらを無理なく繰り返し活用できるよう、DXによって仕組み化されていくことが望ましいだろう。

      日本でも郊外を中心にカーブサイドピックアップが普及?

      ウォルマートが2020年9月から始めた有料会員サービス「Walmart+」。年間98ドル(月額12.95ドル)で、即日宅配サービス(一部商品、店舗を除く)やガソリン割引(1ガロン=約3.8リットルあたり最大5セント)、セルフレジチェックアウトの「スキャン&ゴー」が利用できる。

      「Walmart+」は、スマホアプリを軸としたデジタル会員との「つながり」を創出することで、RESEARCH(購入前調査)、PURCHASE(購入場所・決済)、FULFILLMENT(物流/受け渡し)を最適化。リカーリングの仕組み(CRM)をポイントなどの特典だけでなく、体験の差別化によって進化させている。「Walmart+」は企業間競争で不可欠な要素となっていくと思われる。

      「Walmart+」を利用することでどの程度のコストセーブができるかについて
      「Walmart+」を利用することでどの程度のコストセーブができるかについて(画像:Walmartサイトよりキャプチャ)

      日本におけるカーブサイドピックアップは、まだ実施店舗も利用者も少ないのが現状だ。しかし、日本でも車による通勤者が多い今郊外を中心に、「帰宅途中に荷物を引き取れる」といった利便性が浸透すれば、今後サービスが広がってくる可能性がある。また、少子高齢化が進む日本では、郊外、地方のデジタル化こそが経済を強くすると思うと、これからが楽しみである。

      新型コロナと向き合い顧客の変化を読み取る

      新型コロナがに収束したとしても、消費者の行動は“以前通り”には戻らないほどに購買体験は進化するだろう。

      ドイツに本社を構えるソフトウェア会社「SAP」のセッション「Create a new retail world through experiences your customers value produced by SAP(顧客体験価値を通して新しい小売りの世界を創造する。Produced by SAP)」に登壇したメラニー・ノローニャ氏(エコノミストインテリジェンスユニット シニアエディター)は、コロナ禍による制限が緩和されても、新しいオンラインショッピング行動は続く可能性が高いとの調査結果を紹介した。

      ある程度は実店舗に戻るものの、約60%はオンラインショッピングの習慣を維持。若い世代に限らず、ベビーブーマー(一般的に1946年~1964年生まれ)でも同様で、約55%がオンラインショッピングを続けると言う。

      NRFのセッションに登壇したSAPのエコノミストインテリジェンスユニット シニアエディターのメラニー・ノローニャ氏
      セッションに登壇したSAPのエコノミストインテリジェンスユニット シニアエディターのメラニー・ノローニャ氏(画像:セッション動画よりキャプチャ)

      ノローニャ氏によると、2020年のコロナ禍でオンラインショッピングに最も移行したのはベビーブーマーで、オンライン比率が25%から37%へと12ポイント移行。全体のオンライン支出のシェアは39%から47%と8ポイント増えたので、ベビーブーマーのオンライン利用が急激に進んだことがわかる。

      コロナ禍によって従来の習慣から移行を余儀なくされた人々は、デジタルにシフト。結果的により快適で安全なショッピング体験にたどり着いた。今後も積極的に、デジタルを活用したショッピング体験をしていくことだろう。

      また、購買プロセスにも変化が起きている。2021年のCES(コンシューマー・エレクトロニクス・ショー)で語られた話(※)だが、コロナ禍による「STAY HOME」の影響で、家電の売れ行きが好調、その購買決定権の多くを女性が持っているとの調査結果を発表した。

      (※)消費者や小売店のパネル調査を行うNPD GroupのKaryn Schoenbart (カリン・シェーンバート)CEOが登壇したセッション「When CSR Aligns with Consumer Values(CSRと消費者の価値観が一致するとき)」より

      シェーンバートCEOは、テクノロジー製品の導入に対して積極的な女性をターゲットとした場合、企業側にどのような変化が求められるかを紹介。「より簡単で直感的なUIが好まれる」ことはもちろん、84%が「より企業やブランドに対して社会的責任を求める」と言う。購買決定権や選定プロセスの変化は、これからのマーケティング活動にも大きく影響することだろう。

      ◇   ◇   ◇

      NRFやCESで総じて伝えられていたことは、新型コロナによってデジタル化もサスティナビリティも急速に進んだ。だがそれは、決して“ビフォアコロナ”には戻らないということだ。この逆境を乗り越え進化した企業のみが、「より良い日常=Better Normal」の時代に必要な企業となっていくと考えられる。

      伴大二郎
      伴大二郎

      「楽天市場」出店者のインフルエンサーマーケティングを支援。人選から「Instagram」投稿の依頼を支援するマーケツール

      5 years 1ヶ月 ago

      楽天は「楽天市場」出店者向けに、「Instagram」上のインフルエンサーと連携したマーケティング施策を行うための「MIHA Casting for Instagrammer」の提供を始めた。

      「MIHA Casting for Instagrammer」は約5500人のインフルエンサーから適切な人材を選定し、自社の商品などに関する「Instagram」への投稿を依頼するまでをワンストップで行うことができる「楽天市場」出店者けマーケティングツール。利用料は月額5万円(税別)。依頼が成約した場合には、別途インフルエンサーに対する報酬が必要となる。

      楽天は「楽天市場」出店者向けに、「Instagram」上のインフルエンサーと連携したマーケティング施策を行うための「MIHA Casting for Instagrammer」の提供を始めた
      出店者向けマーケツール「MIHA Casting for Instagrammer」

      楽天グループの動画クリエータープロダクションであるMIHAが企画し、デジタル・キャスティングプラットフォームを提供するBIJIN&Co.が開発した。

      「楽天市場」の出店店舗は「MIHA Casting for Instagrammer」を通じて、「年齢」「ジャンル」などの条件で自社のマーケティング戦略に適したインフルエンサーを検索、店舗や商品の魅力を訴求する投稿を依頼することができる。

      「MIHA Casting for Instagrammer」に登録されているインフルエンサーに対して募集を行い、応募者のなかから適したインフルエンサーを選定することも可能。

      投稿内容には「PR」の表記を必ず明示するほか、消費者の誤解を招く表現になっていないかなどの観点から、BIJIN&Co.が投稿内容の審査を事前に行う。

      「MIHA CASTING for Instagrammer」のサービス紹介動画

      インフルエンサーを通じて商品の魅力を訴求する「インフルエンサーマーケティング」は、消費者の観点を取り入れた情報発信による訴求力の高さなどから、商品の認知獲得や販売促進に効果的なマーケティング手法として注目されている。

      楽天は、「MIHA Casting for Instagrammer」の提供を通じて手軽にインフルエンサーマーケティングを実施できる環境を提供。また、「楽天市場」で販売している商品について、インフルエンサー視点での情報発信を増やすことで、より多くのユーザーと商品との出会いの創出をめざす。

      石居 岳
      石居 岳
      確認済み
      28 分 33 秒 ago
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