ネットショップ担当者フォーラム

「映えるパッケージ」「TV番組とのコラボ」「商品力」。化粧品・サプリメントのECベンチャー「pupu」に聞く成長のポイント | EC業界で活躍する女性の働き方に迫る“e-女”~Presented by売れるネット広告社~

5 years ago
売れるネット広告社の代表取締役社長の加藤公一レオ氏と、化粧品・健康食品通販のpupu株式会社 荒巻里恵氏との対談

売れるネット広告社の代表取締役社長CEOの加藤公一レオがEC業界で活躍する女性にフォーカスし、ネット通販(EC)に携わる経営者や担当者とさまざまなテーマについて対談する企画。10回目はpupu株式会社 荒巻里恵さんの登場です。

今回の“e-女”

pupu株式会社 荒巻里恵(あらまき りえ)さん
pupu株式会社 荒巻里恵(あらまき りえ)さん
福岡県出身。2016年に化粧品・健康食品通販のpupu株式会社に入社。以降、通販のお客さま対応から、新規獲得の広告プランニング、ECサイト・Web施策、商品開発、AND THE SOIL.店舗運営サポートまでさまざまな案件を担当。現在はコンタクトセンターの代表も兼任する。

「自分の仕事がなくなる」という危機感からWebの世界へ

加藤公一レオ氏(以下、加藤): まずは自己紹介をお願いします。

荒巻里恵氏(以下、荒巻): pupuに入社して6年目になります。もともとは事務の仕事をしていましたが、業務がどんどんWebに置き換わっていくなかで、「このままでは自分の仕事がなくなる」と危機感を抱き、Webの仕事に興味を持つようになりました。転職活動でpupuを紹介していただき、「面白そうだな」と感じて入社することになりました。

加藤: pupuはどんな会社なんですか?

荒巻: お客さまであっても社員であっても「個人を尊重する」ということを大切にしています。「お客さまと1対1でちゃんと向き合う」ということは創業時から続けていますし、時代が変わり、これまでの常識が通用しない場面も多々あるなか、会社として、新しく入ってきた若いメンバーの発想や感覚を大事にしようとしています。1人ひとりを大切にして、社員の「やりたい」という気持ちを応援する社風です。

平均年齢は28歳。私の知らないワードが出てくることもよくありますし、「そういうところに目を付けるんだ!」と発想の違いに驚くこともあります。

ププストア
ププストアより

テレビ番組とのコラボや路面店出店にも果敢に挑む

加藤: 御社ならではの施策や制度はありますか?

荒巻: 1つはRKB毎日放送の『オケハザマってなんですか?』というテレビ番組のスポンサーをしていて、それに関連する取り組みです。番組でpupuのCMが流れるほか、コラボ商品も作っています。これまでTシャツやピールオフパック、入浴剤、香水など5点ほどのコラボ商品を開発しました。コラボ商品を作る際は社内でのミーティングの模様など、商品開発の段階からテレビのコーナーで取り上げていただいています

加藤: なるほど! 面白いですね。

荒巻: オーガニックや無添加を大事にしているのもpupuの特徴で、生産者から直接仕入れるなど、原料にはとてもこだわっています。pupuは通販でオーガニックや無添加原料を使った商品を販売していますが、世の中全体でオーガニックや無添加の商品がどこでも手に入るかというと、まだまだ難しいところがあります。オーガニックや無添加に力を入れている企業は他にもありますが、なかなか世に広まっていないのが現状です。

そんな現状を知って、福岡市中央区に「AND THE SOIL.(アンドザソイル)」というオーガニックストアも出店しました。こだわりを持って作っている企業のオーガニック商品、無農薬や減農薬にこだわって作っている農家から卸を通さずに直接仕入れた新鮮な野菜を販売するなど、一般的なオーガニックスーパーにはない品ぞろえを心がけています。

福岡市中央区の「AND THE SOIL.(アンドザソイル)」

加藤: いいですね。メインは通販・D2Cでも、それ以外の新たな取り組みもどんどんしているんですね。

荒巻: はい。「面白い!」と思ったことにはどんどん挑戦する社風ですね。pupuが一貫してやっているのは、オーガニックや無添加など「身体にいいこと」「地球にいいこと」が大前提ですので、そこから派生する事業が広がっています。「コロナ禍で売り上げが下がってしまった小売店を支援したい」「買い物弱者の方を支援したい」など、社内では次の事業に関するいろいろな構想やアイデアが出ています。

加藤: なるほど。御社は社会貢献意識が高いんですね。

お悩み商材だからこそ映えるパッケージに

加藤:通販で一番の主力商品はどれですか?

荒巻: 一番売れているのはエストロゲンとよく似た働きをする成分「エクオール」配合サプリメントで、商品名は「クオリア」です。クオリアに配合している「エクオール」は、大豆由来のイソフラボンを特許技術製法で抽出した希少な原料を使っています。実は女性だけでなく、男性にも人気の商品です。

クオリア
クオリア

荒巻: 最近広告に力を入れているのは、「とてたま洗ひ肌」という八王子産の炭を使った、まつエクでも使用できるホットクレンジングです。ミネラルや天然成分をバランスよく含んだ霧島の名水、エイジングケアに欠かせないヒト幹細胞培養液エキスも配合し、クレンジング、洗顔の他にも温感マッサージ、毛穴ケア、美容パック、角質ケア、エイジングケア(年齢に応じたケア)、アンチポリューション、ブースター効果の9つの機能を備えています。

とてたま洗ひ肌
とてたま洗ひ肌

加藤: 御社の商品はパッケージが面白いですね。めちゃくちゃ映えますね!

荒巻: はい。pupuはダイエットサプリなどデリケートなお悩み商材を多く扱っているので、持ち歩いていても恥ずかしくない、お客さまが「可愛い!」と思えるパッケージに特徴があります。とはいえ見かけ倒しではなく、オーガニック原料を使うなど「本物」にこだわっています。

ププストアの商品ラインナップ

商圏の広さがECビジネスの醍醐味

加藤: EC業界に入ってみてどう感じていますか?

荒巻: とても面白いです。ECなら、福岡にいながら日本全国のお客さまを相手にすることができます。巷で売っていない商品や世の中にない商品を作って、それを本当に必要としている方に届けることもできます。

加藤: 通販なら北は北海道から南は沖縄まで、場合によっては海外にもビジネスを広げられますからね。

荒巻: pupuは台湾を拠点にして、東南アジアに進出しています。定期購入の文化がないので当初は苦戦しましたが、商品の良さを実感して定期で購入してくださるお客さまも増えてきました。現地では定期よりもまとめ買いが主流で、びっくりするくらいまとめ買いしてくださるお客さまもいらっしゃいます。

加藤: 24時間365日、絶えず広告効果が数値化される世界をどう思いますか?

荒巻: ちょっとした違いが結果を大きく左右することがあるので、A/Bテストの結果を見るのはすごく面白いです。 バナー1つをとっても、ただキレイに作ればいいというものではなく、つい押したくなるような人間心理をついたものにする必要があると感じています。日々闘いですね(笑)

ECは「攻めの広告と受け身の消費者」という構図になりがち

加藤: ECならではの難しさはありますか?

売れるネット広告社の代表取締役社長 加藤公一レオ氏
売れるネット広告社の代表取締役社長 加藤公一レオ氏

荒巻: 対面販売ではないECは、お客さまの真意を知るのが難しく、ともすれば「攻めの広告と受け身の消費者」という構図になりがちです。そうならないよう、「どの媒体に出稿するのが一番いいのか」「どんな打ち出し方をすればいいのか」など、お客さまが何を求めているのかを日々考えています。最近はSNSやLINEでコミュニケーションが取れるようになったことで、少しずつお客さまの心理やニーズがわかるようになってきましたが、やはり難しいですね。

加藤: 御社はコールセンターを自社で運営するようになり、お客さまとのコミュニケーションは取りやすくなったんじゃないですか。

荒巻: そうですね。コールセンターを外注していた頃は外注先に対する遠慮がありましたが、今はそれがなくなりましたし、お客さまとの会話の録音を聞けるようにもなりました。商品だけではなくサービス面でも、お客さまの求めるものが見えるようになってきています

加藤: お客さまを知ることは大事ですよね。pupuのクライアントの中には、社長も交えたお客さまとの大規模な交流会を定期的に開催している通販会社もあります。

荒巻: それはいいですね。pupuの場合はお悩み商材が多いので、お客さまとコミュニケーションが取りづらいという難しさがありますが、様子を見ながらコミュニケーションを取っていきたいと思います。

コロナ禍で社会のWeb化が5年早まった

加藤: コロナ禍で大変な業界も多いですが、通販業界は運が良かったですよね。pupuのクライアントの8割~9割はコロナ禍の影響がないと聞いていますし、むしろ売り上げが伸びた会社もあります。コロナ禍がなかったとしても、社会のネット通販化、テレワーク化、オンライン会議化の流れは出てきたと思いますが、コロナ禍によって5年間ぐらいは早まりました。

荒巻: そうですよね。「5年後10年後にはこうなるだろうな」と思っていたことが今年起こっています。

加藤: pupuのクライアントは9割以上が化粧品や健康食品ですが、この1年間はワイン、雑穀、肉、キムチなど食品会社からの引き合いが多かったです。コロナ禍の影響が少ない業界だからこそ、これまでネット通販に参入してこなかった業態の方々と一緒に業界を盛り上げていきたいなと思っています。

荒巻: 農家さんをはじめとする生産者がネット通販に参入するハードルも低くなってきたので、pupuも生産者を支援するECプラットフォームを作っていきたいと思っています。

加藤: 頒布会として毎月おすすめの野菜の詰め合わせを送るといいですね。消費者に「直接売る」というカルチャーや「定期コース」というカルチャーがなかったところにそのそれらを持ち込めば、新しい未来が開けると思います。

荒巻: はい。食品ロスも重大な課題だと思っているので、pupuが介在することによって、そういった社会課題にも対応していきたいです。

pupu株式会社 荒巻里恵(あらまき りえ)さん

「わかりやすいもの」「エッジがきいたものが売れる時代」

加藤: 2年ほど「売れるネット広告つくーる」を使っていますが、改善した数字はありますか?

荒巻: もちろんコンバージョン率も上がりましたが、アップセル率が全然違います。以前は3人に1人が3個まとめ買いをしてくれていたのが逆転しました。導入前に比べ、4倍以上のお客さまが1個買いから3個まとめ買いにアップセルするようになっています。

加藤: 御社はずっとワンステップマーケティングをやってきたんですか?

荒巻: はい。pupuはずっとワンステップだけでやってきました。リスティングが中心で、ランディングページを訪れる方は温度感が高いので、獲得につながっていました

加藤: リスティングは需要が顕在化していますからね。ただ、ワンステップマーケティングにはどうしても限界があります。合コンで知り合った女性にいきなり「僕と結婚してくれ」と言っても無理があるじゃないですか(笑)。世の中の7~8割の単品通販会社がやっているワンステップマーケティングは、恋愛に例えるとそういうことなんです。

だから、ワンステップマーケティングは需要が顕在しているお客さましか申し込みません。青汁なら「そろそろ青汁飲んでみようかな~」と思っている人しかターゲットにならないんです。いきなりプロポーズは無理でも、デートなら劇的にハードルが下がります。言ってみれば、合コンで出会った相手に「まずは僕とデートしてみませんか」とアプローチするのがツーステップマーケティングなんです。

デート(無料モニターや500円モニター)が入口であれば、「無料なら(500円なら)1度試してみようかな~」と、需要が顕在化していなかった層にも興味を持ってもらうことができます。無料モニターや500円モニターを入口としたツーステップマーケティングにすれば、いきなり定期をオファーするワンステップマーケティングに比べ、レスポンスは10倍くらいになります。

売れるネット広告社の代表取締役社長 加藤公一レオ氏

荒巻: 今ちょうど、ツーステップマーケティングを始める準備をしているところです。pupuの商品はLTVが高く、一度使っていただいたお客さまには良さをわかっていただけるので、まずは使ってもらう機会を増やすことが大事ですよね。

加藤: クレンジングは特にツーステップマーケティングが合うと思いますよ。女性の3分の1しか使っていない美容液に比べ、ほとんどの女性が使うクレンジングのほうが市場が大きいからです。

最近の傾向として「わかりやすいもの」「エッジがきいているもの」が売れるという特徴があります。クレンジングの場合は「肌に付けた瞬間あったく感じる」「手にのせるとトロトロになる」「シュワっとする」など、わかりやすい特徴のある商品が売れています。御社のクレンジングもそうですよね。

昔と違って今は「大手企業の商品だから売れる」という時代ではありません。健康食品は味を楽しむものではなく、即効性もないので、大手製薬会社が有利ですが、化粧品の場合、お客さまは使った瞬間すぐ「いいかも」と使用感の良さや効果を実感できます。そういう意味では、健康食品よりも化粧品の方が実力勝負ができ、ベンチャーや中小企業でも戦えるんです。

ワンステップマーケティングなら「完了画面でアップセル」

加藤: 御社のネット広告において、何か課題はありますか?

荒巻: せっかくランディングページを訪れてくれても離脱するお客さまは必ずいます。途中で離脱したお客さまに関しては情報がないので、広告で追いかけても刈り取りが不十分だと感じます。離脱させないようにする方法がいまひとつ見えていません。

加藤: そもそもツーステップマーケティングにするとレスポンスが10倍上がるので、それ自体が一種の離脱防止策になります。またワンステップマーケティングの場合は、アップセルは申込確認画面よりも申込完了画面でオファーした方がいいです。ツーステップマーケティングなら、ランディングページではモニター商品を訴求し、「確認画面でアップセル」で本商品の定期コースを訴求、「完了画面でアップセル」で3か月おまとめ定期を訴求するのがテッパンのノウハウです

ただし「確認画面でアップセル」をすることで、数%の離脱があります。ツーステップマーケティングの場合はそれでも構いませんが、ワンステップマーケティングの場合は、アップセルをオファーする前に注文を“確保”しておいて、申込完了画面でアップセルを仕掛ける方がいいです。申込完了画面までたどり着いた段階で、最低でも本商品1つは売れているわけですから、損がありません。

お客さま主導の「共感型」のネット社会になりつつある

加藤: pupuに入社してからの6年でEC業界の変化は感じますか?

荒巻: ものすごく変わったと思います。私が入社した6年前は、通販自体にまだまだ怪しさがありましたし、お客さまは情報に対して受け身で、通販会社から一方的に出される情報をもとに判断するしかありませんでしたが、SNSやインフルエンサーが台頭してきた今は、立場が逆転してきています。

私たち通販会社も、お客さまから情報を受けることが増えてきました。「お客さまと一緒にやっていく」という空気が醸成されていて、お客さま主導のネット社会になってきているなと感じています。「共感型」というか、いかに私たちの想いを受け止めて納得していただけるかということがますます重要になってきています。もちろん商品力が前提ではありますが、「いかにお客さまと向き合っているか」という会社としての姿勢もしっかり伝えていきたいです。

pupu株式会社 荒巻里恵(あらまき りえ)さん

加藤: 今は消費者がSNSで自分の思いをシェアするようになっていますが、今後企業や商品に対して、消費者がどのように変わっていくと思いますか?

荒巻: 最近出てきている、カスタマイズされた自分専用の商品へのニーズがますます増えていくと思います。今まであるもので我慢していた人たちが声を上げられる時代になりましたよね。

テクノロジーを駆使しつつパーソナルなコミュニケーションを実現したい

加藤: 今後チャレンジしたいことはありますか?

荒巻: 自社でコールセンターを運営して新たに気づいたことがあります。AI技術やシステム開発がすごいスピードで進んでいて、以前はなんとか工夫しながら人力でやってきたことが自動化されたり、クラウドを使ったシステム連携によってITソリューションサービスでお客さまとのコミュニケーション課題を解決できるようになったりしています。

以前はなかなかできなかったことも簡単にできるようになりつつあるので、テクノロジーを駆使しながら、パーソナルなコミュニケーションがとれる通販を実現したいです。

加藤: 通販の本質は商品を売ることではなく、それをきっかけに半永久的にお客さまとリレーションをとることだと思っています。その強みを生かしたいですよね。たくさんいるお客さま1人ひとりと細かくコミュニケーションを取ることはできないかもしれませんが、AIを使ったサポートはもちろん、メールや同梱物などでお客さまの人生が豊かになるような情報を発信していけたらいいですね。

荒巻: 本当にそう思います。

対談を終えて

ECだけでなくオーガニックストアの出店など、構想中も含めさまざまな事業を展開されているpupu。今回の対談で、「困っている人を助けたい」「お客さまやパートナーのお悩みを解消したい」という事業の根底にある想いが感じられました。商品の品質へのこだわりも強く、荒巻さん自身が、「商品力には自信があります!」と断言されていたのが印象的です。

目で見てわかるpupuの商品の特徴といえば、見るだけで心ときめく「映える」パッケージ。お悩み商材だから目立たないパッケージにするのではなく、あえて人に見せたくなるような可愛いパッケージにすることで、商品を手にしたお客さまもポジティブな気持ちで自身の悩みに向き合えるのではないでしょうか。

アクセサリー感覚で持ち歩きたくなるようなおしゃれなデザインと、「本物」にこだわった商品力。それらの掛け合わせは、pupuのブランド力をますます高めていくはずです。

売れるネット広告社の代表取締役社長の加藤公一レオ氏とpupu株式会社の荒巻里恵氏
※「確認画面でアップセル」は特許庁商標登録済み商標です。登録商標第5569381号

加藤公一レオからのお知らせ

日本で唯一のネット広告/ランディングページ特化型のクラウドサービス「売れるネット広告つくーる」は、登場した“e-女”が所属する企業さんも利用しています。

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売れるネット広告社は、「仮説ベース」ではなく「事実ベース」で、いかにクライアントの広告の費用対効果を上げていくか、いかに売り上げを上げていくかに特化し、“100%確実性”のある広告を追求してきました。無料セミナーでは、“最強の売れるノウハウ”、つまりは10社以上で広告の費用対効果が上がった成功の仕組みを大公開します。

加藤 公一 レオ
加藤 公一 レオ

パーソナライズサプリ&ダイエットプログラム「Waitless」をSpartyが開始。東京・表参道に専用ジムも開設

5 years ago

ヘアケアブランド「MEDULLA」、スキンケアブランド「HOTARU PERSONALIZED」などのSpartyは4月22日、サプリとダイエットプログラム(食事・運動サポート)に特化したパーソナライズサブスクリプションサービス「Waitless(ウェイトレス)」の提供を開始した。定期コースの価格は6,980円(税込)。

「Waitless」ユーザーであれば月4回まで月額6,380円(税込)で利用できる専用ジムも東京・表参道に開設し、オフラインでのダイエットサポートも行う。

9万通りの組み合わせの中からサプリを提供

Spartyのパーソナライズサービスは、用意した約20の質問にユーザーが回答するところからスタート。その回答を基に、栄養士・料理家・プロトレーナーなどの専門家と共同開発した食事レシピ、運動動画コンテンツからなるパーソナライズダイエットプログラム、独自開発した「Dual-smart Method」によるパーソナライズサプリメントを9万通りの組み合わせのなかから提供する。

「Waitless」ユーザーに提供されるサプリのイメージ
「Waitless」ユーザーに提供されるサプリのイメージ

サプリは、体内環境を整える「ベース」、ダイエットプログラムに合わせた最適な「パーソナライズド」の2種類をセットで送付。ユーザーがモチベーションを維持し続けられるよう、LINE上でオンラインカウンセリングを行う。

継続に重要というスタート後3週間は、ダイエットに適した行動習慣付けのためのアドバイスを送るなどのフォローアップを実施。フィードバック機能を設け、ユーザーがプログラムの実施状況やサプリの常飲状態などを入力すると、より適したプログラムとサプリを提案する。

毎月届く商品イメージ。「Waitless(ウェイトレス)」にかけ、ユーザー1人ひとりにパーソナライズされた詳細はレストランのメニューに見立てて作られているほか、雑誌のように外箱ごと室内に立てかけておけるスタイリッシュなデザインを採用
毎月届く商品イメージ。「Waitless(ウェイトレス)」にかけ、ユーザー1人ひとりにパーソナライズされたリーフレットはレストランのメニューに見立てて作られているほか、雑誌のように外箱ごと室内に立てかけておけるスタイリッシュなデザインを採用

セルフフィットネスジムをオープン

5月には、東京・表参道にユーザーが専用機器を使いながら自身でフィットネスやエステを行えるジム「Waitless THE PERSONAL SALON」をオープン。オフラインでのダイエットサポートも行う。

ジム内の個室。部屋の中には「MIRROR FIT.」、エステマシン、スキンケア用品の「HOTARU PERSONALIZED」などが置かれている
ジム内の個室。部屋の中には「MIRROR FIT.」、エステマシン、スキンケアブランドの「HOTARU PERSONALIZED」などが置かれている

セルフフィットネスには、IoTミラーデバイス「MIRROR FIT.」を導入した。

ジム運営、サービス内で提供する動画コンテンツの一部は、「MIRROR FIT.」の開発を手がけるミラーフィットの代表取締役社長で、「バチェロレッテ・ジャパン」シーズン1で注目を集めた実業家の黄皓氏がサポートしている。

ジムはオンライン予約制。ユーザーは個室に入り、「MIRROR FIT.」を利用してセルフでフィットネスを行う。ジムの利用料は月額6,380円。1フロア上には、パーソナルトレーナーの指導を受けながらトレーニングできるスペースも設けている。価格は月額2万7,500円。Waitless会員であれば1回50分、月4回まで利用可能となっている。

パーソナルトレーニングスペース
パーソナルトレーニングスペース
公文 紫都
公文 紫都

日本郵便がEMS(国際スピード郵便)に特別追加料金を6/1から導入【料金表あり】

5 years ago

日本郵便は6月1日から、EMS(国際スピード郵便)に特別追加料金を導入する。通常料金に、特別追加料金を加えた合計金額が当面の間、EMSの利用金額となる。

適用対象地帯はオセアニア、北中米、中近東、ヨーロッパ。フランス向けのクールEMSも特別追加料金を加える。

たとえば、オセアニア、北中米、中近東宛て1.0キログラムまでのEMSの場合、通常料金2900円に800円の特別追加料金を加算した3700円がEMSの合計金額となる。

日本郵便がEMS(国際スピード郵便)に特別追加料金 適用対象地帯はオセアニア、北中米、中近東、ヨーロッパ
オセアニア、北中米、中近東宛ての料金体系
日本郵便がEMS(国際スピード郵便)に特別追加料金 適用対象地帯はオセアニア、北中米、中近東、ヨーロッパ
ヨーロッパ宛ての料金体系
フランス宛ての保冷EMSの料金体系
フランス宛ての保冷EMSの料金体系

特別追加料金は、新型コロナウイルスの世界的な感染拡大の影響で航空輸送量の減少に伴い、輸送コストが高騰しているため。コストの割増分に相当するEMS特別追加料金は当面の間、オセアニア、北中米、中近東、ヨーロッパ向けで導入する。

瀧川 正実
瀧川 正実

良品計画の「無印良品」、子ども家具の月額定額サービスをスタート

5 years ago

「無印良品」を展開する良品計画は4月22日、子ども向け家具の月額定額サービスを開始した。

子ども向け家具は使用期間が短く、まだ利用できるのに処分しなければならない場合もある。無印良品は廃棄物削減の取り組みの一環として、月額定額サービスを日本国内の無印良品20店舗で始めた。

月額定額サービスは大きな初期費用を支払うことなく、手頃な月額定額料金で利用できる仕組み。月単位の契約で、利用期間に合わせて5パターンのプランを用意した。選んだプランの期間が満了した場合、「解約・返却」を選択できるようにする。希望する顧客は買い取り料金を支払うことで、そのまま利用することが可能。

「無印良品」を展開する良品計画は、子ども向け家具の月額定額サービスを開始
子ども向け家具の月額定額サービスについて

月額定額サービスの投入で、子どもの成長に伴う不要な家具の処分といった課題を解消、廃棄物の削減にもつなげる。

返却された家具は廃棄せず、循環させる方針。パーツ交換やメンテナンスを施し、改めて月額定額サービスに再利用することを予定している。利用期間が短い家具についても悩むことなく安心して利用できることを提案していく。

月額定額サービスに合わせて、2015年に発売した「ひのき材ベビーベッド」を刷新。オーク材を活用した「オーク材ベビーベッド」にリニューアルし、子ども向け家具の月額定額サービスに投入した。

加えて、子ども家具の定番として知られるハイチェア「トリップ トラップ」をストッケ社から仕入れ、国内の無印良品5店舗で販売。月額定額サービスの対応も始めた。

石居 岳
石居 岳

スーパー「ライフ」の戦略/オンワードのEC化率が23.9%に上昇【ネッ担アクセスランキング】 | 週間人気記事ランキング

5 years ago
2021年4月16日~22日にアクセス数の多かった記事のランキングを発表! 見逃している人気記事はありませんか?
  1. EC売上1000億円めざすライフコーポレーションのネットスーパー戦略

    ライフコーポレーションの2021年2月期EC売上高(ネットスーパー事業)は前期比76.1%増の53億円。2030年度に1000億円規模まで拡大する方針

    2021/4/19
  2. オンワードのEC売上は約416億円で26%増、EC化率は23.9%に上昇【2021年2月期】

    オンワード樫山の自社EC売上高は前期比35.4%増の264億6600万円、他社ECモールでの売上高は同4.7%減の18億9200万円

    2021/4/16
  3. Amazonのプライム会員はグローバルで2億人を突破

    2019年12月期の決算発表で12月末時点のプライム会員数が1億5000万人を突破したと公表しており、約1年で5000万人以上増加している

    2021/4/19
  4. ビックカメラの連結EC売上は24%増の803億円、EC化率は19.1%【2021年中間期】

    ビックカメラグループの中間期連結EC売上高は前年同期比24.1%増の803億円。EC化率は19.1%。EC事業は大きく伸びたが実店舗の低迷を補うには至っていない

    2021/4/20
  5. 2021年は「SEO」と「広告」を一緒に考える! いま、自社ECサイトでやるべきことは何?

    かつては別の担当者がそれぞれ運用するのが当然だった「SEO」と「広告」。今年は一緒に考えて見ましょう!【連載第1回】

    2021/4/21
  6. 社員50人の通販・EC会社が進める働き方改革。年24万円の自己投資支援、柔軟な労働時間などスタッフの「幸福度を最大化」する取り組み

    「ていねい通販」を運営する生活総合サービスは2020年11月1日から新制度「わくワーク」のトライアルをスタート。1日の所定労働時間を選択できる、フルフレックス、自己成長支援金を支給する「わくわくサポート」などの取り組みを行っている

    2021/4/19
  7. グルメをテーマにした店舗が順位を競う「楽天グルメバトル2021春」を実施

    「楽天市場」は、全国558のグルメをテーマにした「楽天市場」出店店舗が参加し、ユーザーの購入結果で9つの商品カテゴリーの各1位と総合1位を決定する「楽天グルメバトル2021春」を実施

    2021/4/20
  8. 1000億円の取扱高、ファッションEC市場のシェア3%をめざすロコンドの「長期ビジョン」

    ロコンドは、2030年度の取扱高1000億円、営業利益は100億円をめざす「2030年長期ビジョン」を発表

    2021/4/21
  9. テレビ通販最大手ショップチャンネルとC Channelが提携、生放送ノウハウ+ネットメディアでライブコマース事業

    生放送のテレビ通販といったノウハウを持つショップチャンネルと、メディア運営を軸にした顧客基盤を持つC Channelがタッグを組む

    2021/4/21
  10. 松山英樹選手のマスターズ優勝でネット通販にも波及効果、ゴルフ用品の購買が伸びる

    松山選手がマスターズで使用したいくつかのゴルフ用品を、ゴルフダイジェスト・オンラインの「GDOゴルフショップ」内の購買データで調査した

    2021/4/22

    ※期間内のPV数によるランキングです。一部のまとめ記事や殿堂入り記事はランキング集計から除外されています。

    内山 美枝子

    アスクルの「新しい働き方」改革。テレワーク中心の勤務形態へ移行、オフィスには完全個室などを新設

    5 years ago

    アスクルは「新しい働き方」の実現に向け、東京本社を全面リニューアルした。2020年6月からWith・Afterコロナ時代に向けて準備を進め、完全個室や吸音パネル搭載ブースなどを新設。勤務形態も従来は月4回を上限としていたテレワークの制限を撤廃し、テレワークを中心とした働き方に移行した。

    業務に応じて自由に選択できるブースを新設

    従来の固定席を廃止し、フリーアドレス制を導入。コールセンターなどユーザー対応業務以外のエリアはゾーン別にフリーアドレス制へと移行した。

    業務に集中したい時に使用できる「個人集中ブース(籠もれるスペース)」、社内外とオンラインミーティング時に使用できる完全個室の「テレカンポッド」、半個室で吸音パネルを搭載した「テレカンブース」、防疫対策を施した「ディスカッションスペース」などさまざまなブースを新設した。

    アスクル 本社リニューアル 新しい働き方 ブース新設 完全個室のテレカンポッド
    完全個室の「テレカンポッド」
    アスクル 本社リニューアル 新しい働き方 ブース新設 半個室で吸音パネルを搭載したテレカンブース
    半個室で吸音パネルを搭載した「テレカンブース」
    アスクル 本社リニューアル 新しい働き方 ブース新設 ディスカッションスペース
    防疫対策を施した「ディスカッションスペース」

    オフィス位置情報アプリで「密」を回避

    テレワーク推進とフリーアドレス制導入に伴い、リアルなコミュニケーションを促進するデジタルツールとして、オフィス位置情報アプリ「Beacapp Here(ビーキャップヒア)」を導入した。

    アスクルが貸与するスマートフォンを保持する従業員が対象。アプリをインストールしていれば、オフィス内に設置しているビーコン端末から発信されるBluetoothをスマートフォンが検知、従業員の位置情報をアプリ内のオフィスマップで可視化する。

    アスクル 本社リニューアル 新しい働き方 オフィス位置情報アプリ Beacapp Here オフィスマップ 密状況回避 コミュニケーション促進
    オフィスマップ例

    出社している従業員のリアルなコミュニケーション促進と、オフィスの「密」状況の回避やオフィス有効利用促進ツールとして役立っているという。

    緑溢れるエントランス

    リニューアルにあたり、エントランスのコンセプトを「豊かな自然溢れる地球の尊さを感じ、人の生命力が溢れる空間に」に刷新。そら植物園代表でプラントハンターの西畠清順氏が監修し、室内環境でも長く生き抜く原種の植物をエントランスに植えた。

    2020年12月に策定したアスクルのパーパス(存在意義)である「仕事場とくらしと地球の明日に『うれしい』を届け続ける。」を体現。来訪者や従業員がエントランスを通る度に「うれしい」を届けられる場所をめざしたという。

    アスクル 本社リニューアル 新しい働き方 エントランス
    本社エントランス
    アスクル 本社リニューアル 新しい働き方 エントランス アスクル坊や 四季に応じて変化する樹木
    コーポレートマークの「アスクル坊や」の傍らには、桜など季節の樹木を設置

    テレワーク制限やコアタイムを撤廃

    2020年2月17日から、従来は月4回を上限としていたテレワークの制限を撤廃、テレワークを中心とした働き方に移行した。2020年6月に実施した社内アンケートでは、新しい働き方に対し約8割が週3日以上のテレワークをベースとした働き方を希望した。また、生産性については約75%が「オフィスと同等」もしくは「上がった」と回答したという。

    こうした状況を受け、2021年1月21日から「出社は月最大6日以下」を継続、コアタイム撤廃など「働き方基本指針」を刷新した。

    「働き方基本方針」刷新に伴う変更事項

    • フレックスタイム勤務のコアタイム撤廃
    • 新しい働き方手当として、月額6000円を支給(年2回の賞与月にまとめて支給)
    • 通勤手当は1か月の通勤費支給を停止し、出社回数に応じた実費支給に変更

    リアルとオンライン、シームレスに集える仕事場に

    アスクルは2020年6月にオフィスリニューアルに向けた「未来ベースプロジェクト」を発足、新しいオフィスのコンセプトに「ASKUL CROSSING」を掲げた。リニューアルに際し、アスクルは次のようにコメントしている。

    アスクル 本社リニューアル 新しい働き方 リニューアル時に重視したポイント
    リニューアルに向けて重視した点 

    多様な働き方をする多様な人材が、情報を分かち合い刺激を受けながら働ける場所として、従業員同士のエンゲージメントを高め、一体感を感じられる「会うことの価値が感じられる新しい仕事場」をめざした。

    藤田遥
    藤田遥

    松山英樹選手のマスターズ優勝でネット通販にも波及効果、ゴルフ用品の購買が伸びる

    5 years ago

    ゴルフのメジャー大会「マスターズ」で松山英樹選手が日本人選手として初めて優勝したことにより、ゴルフダイジェスト・オンライン(GDO)のECサイト「GDOゴルフショップ」では、各アイテムのPV(ページビュー)、実売数が、マスターズの前週を大幅に上回ったという。

    松山選手がマスターズで使用したいくつかのゴルフ用品を、「GDOゴルフショップ」内の購買データで調査した。

    • クラブ:ZX5ドライバー
    • ボール:Z-STAR
    • ウェア:スリクソンゴルフ全般
    • 対象期間:4月5日~11日、4月12日~18日 ※月曜日~日曜日で比較

    PV数ではドライバー(651%)、ボール(329%)、ポロシャツ(304%)の順でマスターズの前週を大幅に上回った。実売数はドライバー(414%)、パンツ(406%)、ボール(366%)。

    ゴルフのメジャー大会「マスターズ」で松山英樹選手が日本人選手として初めて優勝 マスターズ週とその前週の各アイテムPV数
    マスターズ週とその前週の各アイテムPV数
    ゴルフのメジャー大会「マスターズ」で松山英樹選手が日本人選手として初めて優勝 マスターズ週とその前週の各アイテム購買数
    マスターズ週とその前週の各アイテム購買数

    松山選手が初日から好スコアで優勝争いを繰り広げたこともあり、優勝前からドライバーの人気スペックが市中でも品薄状態に、欠品も目立ち始めたという。結果として、早い者勝ちで完売となった用品もあり、実売数では在庫数の多いボールやウェアの購買が目立ったとしている。

    GDOの2020年12月期連結業績は、売上高が前期比1.7%減の336億9000万円。コア事業のゴルフ用品販売は同3%増。2020年3月中旬以降、新型コロナウイルス感染症拡大により政府や地方自治体の要請による外出自粛などで、ゴルフプレーの減少や実店舗の休業で一時的に業績は苦戦。しかし、ゴルフは「3密」を避けやすい屋外スポーツであることが認知されたこと、天候に恵まれたことなどから順調に需要が回復した。

    石居 岳
    石居 岳

    「Amazon」vs「Shopify」の戦いの行方。EC事業者が注視すべきポイントは? | 海外のEC事情・戦略・マーケティング情報ウォッチ

    5 years ago
    ECの2大プラットフォーム「Amazon」と「Shopify」間で起こっている水面下の戦いは、小売事業者にどのような影響を与える可能性があるでしょうか

    EC業界の2大プラットフォーム「Amazon」と「Shopify」は、ECエコシステムの中で異なる役割を担っています。しかし、将来的には直接の競合になるかもしれません。水面下で行われている現在の戦いは、小売事業者に大きな影響を与える可能性があります。

    Amazonが中小企業向けECプラットフォーム買収で直接対決?

    2020年末、AmazonがShopifyに対抗するサービスを開始するのではないか、もしくはShopifyを完全に買収するのではないか、という憶測がメディアを賑わせました。

    結局、AmazonはShopifyのライバルとも言えるオーストラリア発の「Selz.com」(中小企業をターゲットとしたECプラットフォーム)を買収しました。Shopifyと直接対決することになれば、「Selz.com」が貢献することになるでしょう

    「Selz.com」のトップページ(画像:サイトより編集部がキャプチャ)
    「Selz.com」のトップページ(画像:サイトより編集部がキャプチャ)

    そこで、AmazonとShopifyの戦いがEC事業者にとって重要な理由を説明すると同時に、小売事業者が目的に合った適切なECチャネルを選択する際に役立つ情報を解説します。

    AmazonとShopifyの競争

    小売事業者にとってのAmazonの強みは、巨大マーケットプレイスのおかげで、消費者に幅広くリーチできることです。一方のShopifyは、小売事業者がITやプラットフォーム開発に大きな投資をしなくても、独立したECサイトを迅速に構築できます。Shopifyは消費者にはあまり知られていませんが、小売事業者の自社ブランド育成に焦点を当てたサポートをしています。

    ニュースサイトの「Quartz」によると、「Selz.com」は2006年以降、小規模なスタートアップ企業から食品やアパレルの大手ブランドまで、世界中で100万以上の顧客基盤をひそかに築いてきました。

    Shopifyのトップページ
    Shopifyのトップページ(画像:サイトより編集部がキャプチャ)

    このような違いを見ると、AmazonとShopifyをゼロサムゲームのライバルと考えたくなります。ゼロサムゲームの考え方では、小売事業者はAmazonのマーケットプレイスで販売するか、Shopifyプラットフォーム上で独自のストアを運営するかのどちらかを選択することになりますが、実際のECエコシステムはそれよりも複雑です。

    異なるニーズを満たすAmazonとShopify

    AmazonとShopifyは今のところ、小売事業者の異なるニーズを満たしています。つまり、AmazonとShopifyはエコシステムの中で異なる役割を担っているのです。

    Shopifyの役割や満たすニーズ

    たとえば、リピーターを増やしたいと考えている事業者は、自社の価値や品質について魅力的なストーリーを語り、信頼を確立し、消費者とコミュニケーションをとる必要があります。この傾向は、ソーシャルメディアを多用する消費者向けのD2Cブランドに特に当てはまります。

    ShopifyでECサイトを構築している靴のD2Cブランド「Allbirds」
    ShopifyでECサイトを構築している靴のD2Cブランド「Allbirds」(画像:サイトより編集部がキャプチャ)

    同時に、顧客データを管理し顧客の好みや季節の変化、サイトダウンや天候不順などの不測の事態に合わせて、返品・返金ポリシーを柔軟に設定・調整する必要があります。

    ShopifyのようなECプラットフォームを活用して独立したオンラインストアを持つことは、このような小売事業者のニーズを満たすのに役立ちます

    独立したオンラインストアを持つことで、消費者が好む形で詳細なコンテンツを作成して共有したり、データに基づいてサイトを調整したり、顧客と直接コミュニケーションを取ったり、顧客データをマーケティングやサイトの改善に活用することができます。

    ブランドの規模や決済方法にもよりますが、潜在的なデメリットとしては、市場へのリーチが狭くなること、消費者が毎回支払い方法を設定・入力しなければならない場合はコンバージョンが下がる可能性があります。

    しかし、Shopifyは最近、「Shopアプリ」(消費者向け買い物アプリ)と「Shop Pay」(配送先やクレジットカード情報を再度入力することなく決済できるShopify提供の決済サービス)を追加し、加盟店の検索、店舗・ソーシャルメディア上での簡単なチェックアウトを実現しました。この動きにより、ShopifyはAmazonの縄張りに入ったことになります。

    「Shop Pay」ボタンイメージ
    「Shop Pay」のイメージ(画像:「Shopify ブログ」より編集部がキャプチャ)

    Amazonの役割や満たすニーズ

    ブランドが顧客基盤を拡大するためには、新規顧客を着実に獲得する必要があります。また、消費者が簡単に商品を見つけられる機能も必要です。Amazonは広大なリーチ(広告の到達率)を持ち、多くの商品検索の出発地点になっています。そのため、消費者に向けて他では商品を目にすることがないであろう商品を表示することができます。

    また、保存された支払い方法や「今すぐ購入」のオプションにより、迅速に注文を完了することができます。それらのメリットと引き換えに、小売事業者は、Amazonの手数料、固定された商品ページのフォーマット、返金・返品ルールを受け入れます。また、多くのAmazonユーザーがブランドとの関係を築くよりも、できるだけ安い価格を探すことに集中している、という事実を受け止めなければいけません。

    現状、多くの小売事業者は、AmazonとShopifyのどちらか一方ではなく、両方を利用しています。たとえば、アクセサリーデザイナー・ブランドの「Rebecca Minkoff」は、「Shopify Plus」(Shopifyの最上級プラン)を利用したWebストアで、3DやAR(拡張現実)を使った商品表示を行い、Amazonではできないような没入感のある体験を消費者に提供しています。

    同時に、「Rebecca Minkoff」はAmazonにも店舗を構えており、人気のバッグの多くは無料のプライム配送が利用できます。多くの小売事業者は、ECの世界では両方のプラットフォームにそれぞれ利用価値があると感じているようです。

    「Rebecca Minkoff」の公式サイト
    「Rebecca Minkoff」の公式サイト(画像:サイトより編集部がキャプチャ)

    Amazonの新たな動き

    Amazonは以前、独立したWebストアサービスを小売事業者に提供しようとしましたが、2015年に中止しました。現在、同じサービスに再挑戦する準備ができているのかもしれません。Amazonは2021年1月、オーストラリアのECプラットフォーム「Selz.com」を買収すると発表しました。

    「Selz」のサイトのなかでAmazonによる買収について言及しているページ
    「Selz」のサイト内でAmazonによる買収について言及しているページ(画像:サイトより編集部がキャプチャ)

    これまでのところ、Amazonは「Selz.com」をどのように活用するかを明らかにしていませんが、業界アナリスト達は「AmazonがWebストアサービスに再挑戦する可能性がある」と考えています。

    そうなれば、小売業界で「ダビデとゴリアテの戦い」(※編注:旧約聖書「第一サムエル記」第17章で出てくるエピソードで、強者の弱点を突けば弱者でも勝てるという教えで使われる)が繰り広げられることになるかもしれません。

    コロナ禍の影響で、Shopifyの売上高は2020年1-9月期で前年同期比82%増で伸長。ただ、ECプラットフォーム第2位でありながら、その規模はAmazonよりもずっと小さいのが現状です。Amazonの2020年売上高は3,860億ドルを突破し、Shopifyの売上高は29億ドルでした。

    AmazonがECプラットフォームの分野に再参入することで、小売事業者の選択肢が増えるのか、Shopifyが排除されるのかは未知数です。

    小売事業者にとって、潜在的なリスクは高いと言えるでしょう。一方で、AmazonがWebストア分野に進出することで、小売事業者の自由度が向上。コンテンツや商品情報が提供しやすくなると同時に、引き続きAmazonの市場リーチやテクノロジーの恩恵を受けることができます。

    AmazonがWebストア分野で競合を駆逐した場合、出店事業者はコンテンツフォーマットのオプション、顧客データ、ストアポリシー、および不正防止オプションのコントロールを維持できなくなる可能性があります。

    ◇   ◇   ◇

     EC事業者へのメッセージ

    AmazonとShopifyの競争は、その他のWebストアサービス、ひいてはそれらのサービスを利用する顧客に大きな影響を与える可能性があるため、EC事業者は両社の動きから目を離すことはできません。

    また、それぞれのプラットフォーム上でのチャンスを最大限に生かすために、自社ブランドが単独のWebサイトとマーケットプレイスの両方を持つべきかどうかを検討してみるのもよいでしょう。

    この記事は今西由加さんが翻訳。世界最大級のEC専門メディア『Digital Commerce 360』(旧『Internet RETAILER』)の記事をネットショップ担当者フォーラムが、天井秀和さん白川久美さん中島郁さんの協力を得て、日本向けに編集したものです。

    Digital Commerce 360
    Digital Commerce 360

    アフターコロナに求められる物流センターは「多拠点化機能」「感染症対策」「One to Oneマーケティング」が必須 | 『EC通販で勝つBPO活用術』ダイジェスト

    5 years ago
    『EC通販で勝つBPO活用術』(高山隆司/佐藤俊幸 著 ダイヤモンド社 刊)ダイジェスト(第12回)

    アフターコロナ時代に求められる物流センターの第3の条件は、「多拠点化に対応できる全国展開」だ。コロナ以降、BCP(Business Continuing Plan)の観点で1拠点だった物流センターを2拠点にしたいというニーズが高まっている

    物流センターで感染者が出て、業務がストップする事案も国内で起きている。もともと火事や地震といった災害の多い日本では、1か所の物流センターが止まったり能力が半減したりした場合、もう1つのセンターが機能していれば安心だ。

    「L-spark」の多拠点化対応機能とは

    スクロール360の「L-spark」は、ECショップから一括で出荷指示データをもらえば、複数拠点で在庫引当を行い、物流センターに近い顧客を選び、出荷指示データを分割する機能を持っている。これがないと、ECショップのほうで在庫引当と顧客住所を見ながらデータを分割しなければならない。

    なお、「L-spark」の多拠点化対応機能には3つのバージョンがある。多拠点化Ver.1.0では、ECショップのほうで2拠点に出荷指示データを振り分ける。多拠点化Ver.2.0では、ECショップの担当者が一括して出荷指示データを送れば、「L-spark」が自動的に2拠点の在庫と顧客の振り分けを行う。

    多拠点化Ver.3.0では、受注処理を360コンタクトセンターにアウトソーシングし、日々の出荷指示はコンタクトセンターからL-sparkに直接送られ、2拠点出荷が可能となっている。

    図
多拠点化ver.1.0 EC担当者が受注データを最適な2拠点に分割して送信する
多拠点化ver.2.0 EC担当者は受注データを分割せずにL-sparkに送信する
多拠点化ver.3.0 受注処理業務は360コンタクトセンターにBPO委託→EC担当者は受注〜出荷の業務から開放される
スクロール360
コンタクトセンター
コンタクトセンターが受注処理対応をし、L-sparkに出荷指示を行う
L-spark(物流管理システム)
L-sparkが顧客の住所と在庫データを確認し、最適なセンターにデータを送信する
物流センター
2か所の物流センターでデータ受信して出荷
    「L-spark」の多拠点化対応機能のバージョン

    北海道、関東、東海、関西と連携した物流展開が可能

    スクロール360の物流センターは、これまでは浜松市を中心としたエリアでの展開だったが、2019年開設のSLC関西、北海道千歳センターに続き、2020年5月に茨城県つくば市にSLCみらいがオープンした。関東圏で初めてのセンターであり、今後の全国展開の先鋒となるセンターだ。

    SLCみらいの外観
    SLCみらいの外観

    SLCみらいの竣工により、北海道、関東、東海、関西と連携した物流展開が可能となる。商品を分散して保管し、注文した顧客に一番近い物流センターから出荷することで、リードタイムと配送コストがより最適化できる

    BCPの観点からも、1か所のセンターが災害や感染症の影響を受けても、他の拠点から出荷することで事業継続が担保される。SLCみらいには「L-spark」はもちろん、SLC西浜松と同レベルのマテハン設備が装備されているほか、スタッフが快適な環境で働けるよう、テラスや休憩スペースが豊富に設けられている。

    センターの延べ床面積は9000坪。1階から5層構造で、最上階の5階から1階までベルトコンベアーが装備されている。5階で出荷準備が完了した商品は自動的に1階まで搬送され、方面別仕分け機により配送キャリア別、方面別に自動仕分けされる

    今後、入居するEC事業者に合わせさらに多くの自動化設備を導入することにより、月間110万件の出荷能力となるよう設計されている。今後も拡大するEC物流の未来を支えるセンターを目指している。

    感染症対策が可能な管理体制や労働環境

    アフターコロナ時代に求められる物流センターの第4の条件は、「適切な感染症対策が可能な管理体制や労働環境を整備していること」である。

    SLC浜松西では常時出社の600名のスタッフ用の駐車場を完備している。浜松市は車文化という特長を持っており、一家で4台の車を保有していることも珍しくない。車通勤のため、かなり遠くのエリアからでも出勤が可能だ。もう1つのメリットは、電車やバスに乗らないため、感染リスクが少ない

    上の写真は一度に600人が利用できる食堂だ。現在は感染症対策のため、11:30からはA棟とB棟、12:30からはC棟とD棟というように、2交代制で決められた座席で昼食をとるようにしている

    交代時のほか入館時、昼食の前後、休憩の前後に食堂の窓を開けて換気し、1日5回のアルコール消毒をしたうえ、マスク着用が全員に義務付けられている。実はコロナ以前から、冬場のインフルエンザ対策のため、毎年のマスク着用は常態化していて、そのため各自マスクの備蓄をしていた

    もう1つ重要なのは、作業場の全館冷暖房設備だ。作業環境を良くするため、スクロール360の出荷場はどこも冷暖房完備となっている。夏場でもマスク着用で熱中症にならない環境を整備しているのだ。

    SLC浜松の内部の様子 打ち合わせ風景
    SLC浜松の内部の様子 打ち合わせ風景

    ワン・トゥ・ワン・マーケティングに対応したコミュニケーション

    アフターコロナ時代に求められる物流センターの第5の条件は、「ワン・トゥ・ワン・マーケティングに対応したコミュニケーション」である。

    物流は顧客体験の最終ゲートである。インターネットというバーチャルな世界で商品を購入した顧客に、リアルな商品が届く場面を演出することが欠かせない。

    この点で、大きな効果を発揮するのが、オンデマンドプリンターの利用である。オンデマンドプリンターはバリアブルプリンターとも呼ばれ、一人ひとりの顧客に別々のメッセージをその場で印刷できる。「L-spark」はこのプリンターと連携する機能を備えている。

    オンデマンド・プリンターの外観
    オンデマンド・プリンターの外観

    事前にECショップから、複数の画像の印刷データを送ってもらい、オンデマンドプリンターにセットしておく。出荷指示データの中に印刷する画像のIDを紐づけておけば、顧客ごとに画像を出し分けることができる

    例えば、顧客の住んでいる都道府県毎に、そのエリアにある店舗のイベントを紹介する画像を出し分けて商品と同梱したり、災害のあったエリアだけにお見舞いのメッセージを入れたりといったOne to Oneマーケティングが可能となる。

    あるいは、顧客がオンラインサイトのカートに入れっぱなしにしている商品のデータから、「お買い忘れありませんか?」というメッセージとともに、入れっぱなしの商品画像と注文用QRコードを仕込むことも可能だ。このプリンターはたいへん高価だが、スクロール360の場合、複数のECショップが共有して使えるため利用可能となっている。

    ◇◇◇

    ここまで、アフターコロナ時代に求められる物流センターの条件を5つ説明してきた。

    アフターコロナ時代の物流センター 5つの条件
    1. 出荷量の波動に柔軟に対応できる人員規模があること
    2. 出荷増でも品質の落ちないシステムとマテハン機器を装備していること
    3. BCPの観点から多拠点化に対応できる全国展開を行っていること
    4. 適切な感染症対策が可能な管理体制や労働環境を整備していること
    5. ワン・トゥ・ワン・マーケティングに対応したコミュニケーションを提供できること

    従来の物流センターのイメージとは大きく異なることを理解していただけたのではないだろうか。

    この記事は『EC通販で勝つBPO活用術』(ダイヤモンド社刊)の一部を編集し、公開しているものです。

    EC通販で勝つBPO活用術 ─最強のバックヤードが最高の顧客体験を生み出す

    EC通販で勝つBPO活用術
    ─最強のバックヤードが最高の顧客体験を生み出す

    高山 隆司 /佐藤 俊幸 著
    ダイヤモンド社 刊
    価格 1,650円+税

    活況のEC・通販業界において、アフターコロナを勝ち抜くために必要なことは何か。ネット通販の事業戦略設計やプロモーション、フルフィルメントなど、ネット通販の実践から得たノウハウを紹介し、物流、受注といったフルフィルメントのアウトソーシングの活用の仕方や成功事例を解説する。デジタルトランスフォーメーション(DX)が加速する中、「BPO」(Business Process Outsourcing)を最大限有効活用したシステム構築に必携の1冊。

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    高山 隆司
    佐藤 俊幸
    高山 隆司, 佐藤 俊幸

    1000億円の取扱高、ファッションEC市場のシェア3%をめざすロコンドの「長期ビジョン」

    5 years ago

    靴とファッションの通販サイト「LOCONDO.jp」を運営しているロコンドは「2030年長期ビジョン」を発表、2030年度の取扱高1000億円をめざす方針を明らかにした。

    2020年度までの5年間における取扱高のCAGR(年平均成長率)は27%成長。2030年度までの取扱高CAGRは17%成長とした。営業利益は100億円をめざす。

    靴とファッションの通販サイト「LOCONDO.jp」の長期ビジョン
    取扱高の推移について(画像はIR資料からキャプチャ)

    ロコンドの試算によると、2020年の国内ファッション市場におけるEC化率は約15%。10年後(2030年度)には現在の米国水準である30%前後まで拡大すると見込む。

    靴とファッションの通販サイト「LOCONDO.jp」の長期ビジョン
    ファッション市場のEC化率(画像はIR資料からキャプチャ)

    EC化率が30%前後まで向上した場合、ファッションEC市場(衣料品、靴、バッグ)規模は3兆5000億円まで拡大すると予想。そのうちのシェア3%にあたる取扱高1000億円をめざすとしている。

    なお、2030年度のファッションEC市場規模は、2019年のファッション市場規模11兆8000億円を母数として算出。ファッション市場全体は今後、横ばい傾向が続くことを前提としている。

    靴とファッションの通販サイト「LOCONDO.jp」の長期ビジョン
    ファッションEC市場について(画像はIR資料からキャプチャ)

    ロコンドグループはEC事業のほか、ブランド公式ECの支援などを行う「プラットフォーム事業」や、店舗も含めて自社でブランド運営する「ブランド事業」がメイン事業。

    「試着できる通販=ロコンド」「最大級の婦人靴の品ぞろえ」といったEC事業のほか、プラットフォーム事業、ブランド事業、それぞれの競争優位性を改善し続け、取扱高を拡大するとしている。

    靴とファッションの通販サイト「LOCONDO.jp」の長期ビジョン
    ロコンドのビジネスモデル(画像はIR資料からキャプチャ)

    D2C事業が初年度で売上14.8億円など2021年2月期の業績

    2021年2月期の取扱高は前期比12.7%の205億6400万円。売上高は102億7500万円で同19.8%、営業利益は14億3800万円(前期は8300万円の営業赤字)だった。

    靴とファッションの通販サイト「LOCONDO.jp」の長期ビジョン
    取扱高の推移(画像はIR資料からキャプチャ)

    「主力とする靴については外出自粛などによりその需要自体が大きく減少」(ロコンド)したものの、Fashion walker(ファッションウォーカー)の完全子会社化、自社モールの強化、D2Cブランド商品の取り扱いなどが寄与した。

    D2Cブランド商品の取り扱いについては、YouTuberヒカルさんと組んだD2Cブランド「ReZARD」の販売などをスタート。D2Cブランド事業の取扱高が初年度で14億8000万円となり、取扱高の拡大をけん引した。

    営業黒字転換は広告費の抑制、広告のYouTubeシフトなどが要因。2020年2月期の広告関連費用は19億200万円だったが、2021年2月期は12億1600万円に抑制した。テレビCMはYouTubeへとシフトし、2020年2月期の6億6400万円から2021年2月期は1億1500万円に削減。YouTubeなどウェブ広告費用は厳格なROAS(広告費用対効果)管理で、前期比11.1%減の11億100万円にとどめた。

    靴とファッションの通販サイト「LOCONDO.jp」の長期ビジョン
    販管費について(画像はIR資料からキャプチャ)

     

    瀧川 正実
    瀧川 正実

    テレビ通販最大手ショップチャンネルとC Channelが提携、生放送ノウハウ+ネットメディアでライブコマース事業

    5 years ago

    テレビ通販最大手のジュピターショップチャンネルとC Channelは4月16日、業務提携契約を締結した。

    ジュピターショップチャンネルは共同で、C Channelが運営する動画メディア「C CHANNEL」とママ向け動画メディア「mamatas(ママタス)」において、インフルエンサーが商品をレビューし販売するライブ動画を制作・配信していく。

    生放送のテレビ通販といったノウハウを持つショップチャンネルと、メディア運営を軸にした顧客基盤を持つC Channelの業務提携は、今後の成長が見込まれる「ライブコマース」の成功事例となる可能性がある。

    業務提携の内容は、①ショップチャンネルのテレビ通販ノウハウを活用したSNS向けライブ通販動画をC Channelが運営する動画メディア内で配信② C Channelのインフルエンサーネットワークとショップチャンネルの商品調達・番組制作力を掛け合わせてビジネスシナジーを生み出す――の2点。

    テレビ通販最大手のジュピターショップチャンネルとC Channelは業務提携契約を締結
    ショップチャンネルとC Channelのそれぞれの役割

    4月末にテスト販売を開始。まずは年内の取り組みを実施した後、本格展開を予定している。

    ジュピターショップチャンネルの2019年度(2019年4月~2020年3月)売上高は前期比2.6%増の1634億円で、過去最高を更新。衛星放送を中心に生ライブ(一部録画放送あり)のショッピング専門チャンネル「ショップチャンネル」を、24時間放送で展開している。

    石居 岳
    石居 岳

    単品通販企業「サン・クラルテ製薬」のデジタルシフト事例。EC比率5割以上を支えるLTV向上施策とは

    5 years ago
    健康食品、化粧品、医薬部外品を通販・ECで販売するサン・クラルテ製薬。デジタル化「単品リピート通販」のデジタルシフト、重要視するKPI「LTV(顧客生涯価値)向上」を実現するための取り組みを解説
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    健康食品、化粧品、医薬部外品を通販・ECで販売するサン・クラルテ製薬。1992年に創業し、製品の企画から直販までを手がける「製薬会社」「通販会社」として業容を拡大してきた。いわゆる「単品リピート通販」の業態で、Web媒体、紙媒体、ラジオ、テレビなどクロスメディアで事業を展開する。近年は全社売上高に占めるEC割合が過半を突破、オンラインシフトが進んでいる。デジタル化が進む世の中の流れに対応した「単品リピート通販」のデジタルシフト、重要視するKPI「LTV(顧客生涯価値)向上」を実現するための取り組みなどを取材した。

    新聞・テレビなどのオフラインから、近年はオンラインシフトを進める

    販売する医薬部外品・化粧品・健康食品を各GMP規格に基づいた工場にて生産し、管理を徹底するサン・クラルテ製薬。「全てが自信を持ってお薦めできる商品になっている」(サン・クラルテ製薬の取締役本部長・新島恒亮氏)

    さまざまな販売チャネルを活用するサン・クラルテ製薬の利用顧客はオンライン、オフラインで顧客層が異なる。それぞれの中心顧客は、ネット通販が30-50歳代、テレビやラジオ、新聞などの媒体が60歳代以上となっている。

    耳の不快な音・音の聞き取りにくさなどで困っているユーザーが愛用する「美聴泉EX」、トイレの回数などに悩むユーザーが使う「ユラン・ケアEX」などは主に電波媒体、新聞広告などの紙媒体で訴求し、マウスウォッシュの「ゴッソトリノ」などはオンライン展開がメインだ。

    サン・クラルテ製薬のECサイト
    サン・クラルテ製薬のECサイト

    ラジオやテレビ、雑誌、新聞などの媒体で新規顧客を獲得し、リピート購入につなげるビジネスモデルを展開してきたサン・クラルテ製薬では、コンタクトセンターをアウトソースだけでなくインハウスでも運営し、受注や問い合わせなどの顧客対応を行い、LTV向上につなげている。

    一方で、近年は投下する広告費をオンラインにシフト。現在、全体の売上構成比率でECが占める割合が50%を超えている

    ECサイトでの人気商品となっている口臭対策マウスウォッシュ「ゴッソトリノ」
    ECサイトでの人気商品となっている口臭対策マウスウォッシュ「ゴッソトリノ」

    オンライン注文の増加で業務効率が悪化、専用カートの導入で課題解決

    オンライン経由の受注が増加するにつれ、ある課題が浮上してきた。それは、オフライン前提でシステム全体を設計したことによる業務効率の悪化だ。

    売り上げの過半を占めるようになってきたECサイトでは、受注や顧客などの情報は販売チャネル別で管理しており、基幹システムとの連携が満足にできていない状態だった。そのため、「オンラインでの獲得が増加し、社内業務の流れ、作業効率が悪化していった」(新島氏)

    そこで、2019年10月に定期購入・単品通販・リピート通販に特化したECサイト構築・運営のASPカート「楽楽リピート」を導入した。「楽楽リピート」は株式会社ネットショップ支援室が提供するカート・CRM・ステップメール・受注管理・顧客対応などを搭載のSaaS型ショッピングカートである。

    「楽楽リピート」について
    楽楽リピート」について

    EC市場が拡大する中で、定期購入・単品通販・リピート通販向けのショッピングカートはいくつもある。数ある単品リピート通販向けカートの中から「楽楽リピート」を選んだ理由は何なのか? 新島氏はこう言う。

    ECシステムの刷新に向けて、いくつかのシステムを比較検討した。最も重要視したのが、売り上げ規模に応じてかかる、また、クレジットカード以外の決済手段にかかる従量課金。他のECシステムを調べてみると、売上規模に応じた従量課金や、後払い決済などの決済手段にも従量課金(売上処理料)がかかっている。ワンステップ、ツーステップマーケティングを行う定期購入・単品通販・リピート通販のビジネスモデルにおける従量課金の部分は、無視できなかった。そこでクレジットカード以外では従量課金が発生しない「楽楽リピート」の導入を決めた。(新島氏)

    サン・クラルテ製薬の取締役本部長・新島恒亮氏
    サン・クラルテ製薬の取締役本部長・新島恒亮氏

    定期購入・単品通販では、無料モニターや500円モニターなどから定期購入につなげるツーステップマーケティングが主流となっている。割引価格でツーステップマーケティングを行った場合、決済手段の従量課金が「クレジットカードのみ」「クレジットカード+後払いなど」の違いが、ランニングコストに大きく影響する。新島氏は「業務効率の向上などに加え、従量課金の対象も大きな選定要因になった」と振り返る。

    なぜ「楽楽リピート」は、決済手段において処理料金の対象をクレジットカードのみとしているのか。ネットショップ支援室はグループ会社が通販事業を展開しており、その事業で培った「定期・単品通販でいかに売り上げを伸ばすか」というノウハウなどを「楽楽リピート」に搭載してきた。また、その環境を生かし受注管理システム「アシスト店長」、BtoBtoCカート「楽楽BBC」なども開発・提供している。

    こうしたことを踏まえ、ネットショップ支援室の山本皓一朗社長は次のように説明する。

    ネットショップ支援室はさまざまなEC支援サービスを提供しており、グループ会社では約40店舗以上のECサイトを運営している。事業者様のニーズや売上アップに効くノウハウを熟知しているため、クレジットカード以外の決済手段では従量課金を採用していない

    ネットショップ支援室の山本皓一朗社長
    ネットショップ支援室の山本皓一朗社長

    「Amazon Pay」の導入で、マイページで「Amazonアカウント」でのログインが可能に

    「楽楽リピート」を導入したサン・クラルテ製薬ではどのような成果が出たのだろうか。

    これまではカートシステムと基幹システムが別だったため、多数のCSVデータを加工し、基幹システムなどと連携する必要があったCSVデータの連携が減り、現場担当の業務効率化につながっている。また、受注データをセグメント処理し、CRM施策に生かすことができるようになった。(新島氏)

    「楽楽リピート」では2020年、受注・顧客関連情報が取得できるAPI機能「楽楽リピート API」の提供をスタートした。CRMシステム、基幹・販売管理システム、物流管理システムなどとのデータ連携をシームレスに行えるようにしている。

    「楽楽リピート」のAPI連携について
    「楽楽リピート」のAPI連携について

    また、定期購入・単品通販・リピート通販で重宝されているマイページ機能が使えるようになったのは大きなプラス要素。リピートユーザーは「マイページ」に訪問し、前回購入した商品や期間の確認、そこから以前買った商品を再度、購入するといったユーザー行動が多いからだ。

    従前はカートシステムと基幹システムとが別だったため、購入履歴などが確認できるマイページ機能は提供していなかった。

    こんなサン・クラルテ製薬の「マイページ」機能で1つ特筆すべき点がある。それは、「Amazonアカウント」でログインできる機能だ。

    サン・クラルテ製薬では、「楽楽リピート」導入に合わせてAmazonが提供するID決済サービス「Amazon Pay」を導入。これにより、お客さまは「マイページ」にて「Amazonアカウント」でログインできるようになった。

    「Amazonアカウント」でログインできるマイページ
    「Amazonアカウント」でログインできるマイページ

    定期購入・単品通販・リピート通販では、LP(ランディングページ)を除くと「マイページ」が最もアクセスされるページと言われており、「マイページ」の使い勝手が向上するとリピート率も伸びるとされる。

    「Amazonアカウント」を使い最短2ステップ(ボタンのクリックとパスワード入力)でマイページにログインできる簡便さは、サン・クラルテ製薬のECサイトの利便性向上、およびリピート率の向上につながっているようだ。

    「Amazon Pay」は必要不可欠、新規顧客の2割が利用

    定期購入・単品通販・リピート通販で重要視される「マイページ」に搭載した「Amazonアカウント」によるログイン機能はもともと、決済手段の拡充を通じた利便性およびリピート率の向上が目的だった。

    「Amazon Pay」は、「Amazonアカウント」に登録された情報を利用することで、購入時の配送先・クレジットカード情報の入力をすることなく、Amazon以外のECサイトでログインや決済を行えるサービスである。

    「Amazon Pay」の紹介動画

    「Amazon Pay」を導入したECサイトで、顧客は「Amazonアカウント」を使って簡単に商品を購入できるようになるため、カート離脱率の改善、コンバージョン率の向上、新規会員登録の促進につなげることができると期待されている

    リピート率向上を実現するために「Amazon Pay」を2020年5月に導入した。Amazonを使う顧客は多く、さまざまなECサイトを見たところどのサイトにも「Amazon Pay」が入っていたオンライン展開をさらに拡大するための利便性向上に「Amazon Pay」は必要不可欠だと感じた。(新島氏)

    「Amazon Pay」を自身でも使う新島氏は「顧客体験が最高」と評価する
    「Amazon Pay」を自身でも使う新島氏は「顧客体験が最高」と評価する

    こう導入の理由を語る新島氏によると、導入から数か月で新規購入者の2割が「Amazon Pay」を使って商品を購入している状況という。

    新島氏は「LTVと新規顧客の獲得効率は上がっている」と説明。また、顧客への利便性向上という効果以外にも、自社の業務効率アップという思わぬ効果も得られているという。

    「Amazon Pay」の導入で、「後払い決済」や「クレジットカード決済」の全体比率が減少。その結果、特に「後払い決済」の与信不可で発生していた顧客対応業務が従前と比べ「削減できている」(新島氏)のだ。

    サン・クラルテ製薬では、与信不可となった「後払い決済」選択顧客に対し、その旨と不可理由を連絡している。メールを開封しない顧客も一定数いるため、電話やメールでの対応が発生してしまう。こうした顧客への連絡、対応が削減できているという。

    また、「後払い決済」の場合は、請求書の印字や同梱作業が発生する。「後払い決済」を選択していたお客さまが「Amazon Pay」を利用するようになったことで、こうした作業負荷を軽減できている点も「Amazon Pay」の重要な効果だという。

    定期購入でも「手間を少なく」「わかりやすく」を実現する「Auto Pay」機能

    「Amazon Pay」には定期購入ビジネスを支援するうえで欠かせない重要な機能がある。「Auto Pay」と呼ばれる機能で、ECサイトに導入するとお客さまは初回の支払い手続き時に「以降の支払いをAmazon Payで行う」と設定できるようになる2回目以降は都度ECサイト上で支払いの手続きをすることなく、継続して商品やサービスを注文できるようにするものだ。

    「Amazon Pay」の「Auto Pay」機能を使えば、事業者は「自由に金額やタイミングを設定し、請求することが可能」「決済の頻度や金額などを個別にカスタマイズすることが可能」など、ビジネスモデルに柔軟に対応した決済方法をお客さまに提供することが可能となる。

    現在、忙しいお客さまが多くなってきた。そのため、「手間を少なく」「わかりやすく」買えるというECサイトが求められている。新規購入者やリピート購入するユーザーの中には、買い物手続きが面倒で止めてしまう人がいる。そういった理由で、商品の購入や継続を止めてほしくない。どんな商品も、継続利用していただくことが重要。求められていることを実現するために、私たちは商品を作り、定期購入コースを提供している。「Amazon Pay」を通じてたくさんのお客さまに当社の商品を使ってもらいたいと考えている。(新島氏)

    「Amazon Pay」の「Auto Pay」機能である定期支払いの確認画面
    「Amazon Pay」の「Auto Pay」機能である定期支払いの確認画面(赤枠内が定期支払い)

    不正注文によるブランドイメージ毀損(きそん)防止にも役立つAmazonのブランド効果

    健康食品、化粧品などの単品系通販が多くの被害に遭っている「不正注文」。不正注文された商品はフリマアプリなどで転売されているケースがあり、「ブランド毀損」などにつながってしまうこともある。

    サン・クラルテ製薬でも転売などを目的とした不正注文は悩みの種。フリマアプリなどで販売されているケースがあり、そうした販売は当社の製品保証の対象外になってしまう。最終的にだまされて購入するお客さまのことを考えると、不正注文は対策しなければならない問題だ。(新島氏)

    こうした課題は「Amazon Pay」で解決できる、と説明するのはネットショップ支援室の山本氏。「『Amazon Pay』はAmazonのアカウントを持っていなければ使用できず、その使用状況はAmazonがチェックしている。不正注文はクレジットカードに比べて圧倒的に低いのではないか」と指摘する。

    「Amazon Pay」では、Amazonがアカウントやカードの不正利用を24時間365日監視する世界水準の不正検知システムを採用。「Amazon Pay」は、お客さまと事業者の双方に「安心・安全」を提供している。

    自社ECサイトで手の込んだ不正注文を1件1件確認することは非現実的だが、「Amazon Pay」なら不正注文を検知できるため、不正注文対策の手間やコスト、時間などを大幅に削減できると同時に、ブランドイメージなどの維持といった観点でも役立てることができる

    「Amazon Pay」とシステム連携している「楽楽リピート」は、化粧品や健康食品のほか、食品、アパレルのなどの企業による利用が多い。利便性やLTVの向上を含めた効果のほか、ブランドイメージ維持や消費者保護のための不正注文対策という観点から考えると、「健康食品、化粧品などと『Amazon Pay』の親和性はとても高い」と山本社長は説明する。

    山本社長は「Amazon Pay」は不正注文対策に役立つと説明する
    山本社長は「Amazon Pay」は不正注文対策に役立つと説明する

    LTV向上を実感、「マーケティング面のアクセルを踏んでいきたい」

    ネットショップ支援室のグループ会社が手がけるEC事業部では、「Amazon Pay」を導入して4年が経過した。「Amazon Pay」導入後、お客さまの年間の平均買い物回数は、4回から7回に伸びているという。「『楽楽リピート』の導入企業さまを含めて、LTV向上につながっている企業が多い」(山本社長)

    サン・クラルテ製薬の新島氏も「まだ明確な数字が出ているわけではないが、LTVは伸びているはず。新規顧客の獲得効率の向上も踏まえ、CPA(1件のコンバージョンにかかるコスト)、CPO(1件あたりの顧客獲得にかかった広告コスト)も改善していくことができるだろう。『Amazon Pay』を使って、よりマーケティング面のアクセルを踏んでいきたい」と意気込む。

    2021年春、しばらく停止していたテレビ媒体を活用した広告を再開する予定である。そこで、新島氏は、あるテレビ通販企業が挑戦した「Amazon Pay」を使ったテレビショッピングの手法に興味を抱いた。

    それは、テレビショッピングの放映中、画面内に商品申し込み方法としてQRコードを表示してECサイトでの購入を案内、Amazonを利用していれば「Amazon Pay」を使い簡単に決済できる――という仕組みだ。

    テレビ通販番組の放映中、電話件数がコールセンターの席数を上回った場合、超過した入電は自動応答によって対応するケースが多く、自動応答によって販売ロスが発生するケースがある。席数を増やすことなく、QRコードを使った「Amazon Pay」決済ページへの誘導で販売機会の損失を防ぐことが可能になる

    新島氏は、クロスメディアでの事業展開と同時に、「新しい取り組みも含めたデジタル対応を進め、売り上げの拡大に取り組んでいきたい」と取材を締めくくった。

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    瀧川 正実
    瀧川 正実

    2021年は「SEO」と「広告」を一緒に考える! いま、自社ECサイトでやるべきことは何? | EC事業者のための「SEO」と「広告」の話

    5 years ago
    かつては別の担当者がそれぞれ運用するのが当然だった「SEO」と「広告」。今年は一緒に考えて見ましょう!【連載第1回】

    2015年にネットショップ担当者フォーラムで「ネットショップのためのSEO施策ゼミナール」を連載していた江沢真紀です。当時の記事を読み返してみると、SEOの本質はまったく変わっていないものの、やはり古い! そして、SEOだけでなくデジタルマーケティング自体がかなり変化しています。

    そこで今回の連載では、SEOだけでなく「SEO」×「広告」という双方の視点からネットショップを運営する担当者が知っておくべきことをお伝えします。

    なぜ「SEO」×「広告」なのか

    私たちはSEOと広告には共通する、変わらない本質があると思っています。それは「ユーザーに寄り添うこと」です。

    「検索をユーザーのニーズとしてとことん耳を傾け、Webサイトや商品やサービスの見せ方を改善する」「検索を味方に付けてビジネスを成長させる」という点において共通点が多いと考えています。

    SEOの出発点=「検索される言葉にはニーズや気持ちが詰まっている」
SEO
マーケティング環境
ターゲットユーザーを理解し、商品やサービスの見せ方全体を最適化し、売れる環境を整える。
広告
広告/プロモーション
ねらったキーワードやターゲティングの手法で、適切な広告を出すことにより、商品やサービスの販売・利用を促進する。

    他にも、

    • 多くのサイトでSEOと広告の両方が必要
    • SEOを補完するものとして広告を活用するケースもある
    • 広告を休んでSEOを強化するケースもある
    • よほどの大企業でない限り、同じ担当者が両方の業務を行っているケースが多い

    ……というように、SEOと広告のどちらの知識も必要な場面が多々あるだけでなく、SEOでマーケティングの環境整備を行い、広告でマーケティング活動を行うというような、協業し合う関係が今後ますます重要になると考えています。

    SEO
マーケティング環境整備
Webサイトやデータベースを整え、全体最適化を行う。
広告
効果的なマーケティング活動
整った環境下で自動化を見据えたマーケティングを行う。

    今回の連載では、SEO部分をアユダンテの江沢真紀が、広告部分は同じくアユダンテの河野芽久美が執筆。両方の視点からのコラムはなかなかないのかなと書き手としてもワクワクしています。

    サイトのタイプ別に施策を考える

    もう1つ、今回試みとして実施したいのは、SEOと広告の各施策をサイトのタイプ別に解説するということです。

    どちらも施策が多様化してきており、実はサイトのタイプ別にやるべき施策が結構違うことを実感しています。

    SEOに関してはインプレスの「いちばんやさしいシリーズ」で本を2冊出版しましたが(関連書籍を参照のこと)、どちらの本でもサイトの業種やタイプ別にフォーカスした章があります。

    本を読んだ方からも「もっとサイトの業種やタイプ別の解説が知りたいと」の声をいただいており、この連載では以下の分類のもと、どのような施策が有効なのかSEOと広告、両方の側面から解説していきます(分類は予定)。

    • 大規模ECサイト
    • 単品通販サイト
    • モール対策
    • BtoBサイト
    • メディア/ブログ(EC運営)
    • 海外/越境

    確かに同じECでも大規模な総合通販と単品型の通販では注力すべき施策のポイントが変わってきます。BtoBも独自のポイントがありますし、最近増えたECサイトが運営するコラムやブログ記事もどう活用すべきか悩んでいる方が多いでしょう。

    SEOと広告、“今”のトレンドを理解する

    タイプ別の解説に入る前に、次の回からまずはSEOと広告それぞれの最近のトレンドについてまとめてみたいと思います。

    ネットショップを運営されている皆さんは、最近のSEOと広告に関してどのように感じているでしょうか? 「SEOを業者に頼んでも全然順位が上がらない」「昔ほど流入が取れない」「SEOがだめだから広告を出稿しても投資対効果が見合わない」「広告費がどんどん高騰する」……など、いろいろな課題がありませんか?

    SEOも広告も変化してきています。SEOではGoogleの進化により、昔はよくあったクロールにおける問題、例えば「動的URLはNG」「JavaScriptが解析できない」といったものがほぼなくなっています。

    ユーザーの検索意図もかなり正確に読み取り、機械学習もアルゴリズムに取り入れられているため、ちょっとした内部施策や小手先の施策では昔のように順位が上がらないのです。

    また、2010年前半から急速に普及してきたスマホに対応する形で、Googleのターゲットは今や完全にスマホになっています。2021年4月現在、多くのサイトはMFI(モバイルファースト インデックス)に移行し、移行していないサイトも今後段階的に強制移行と言われています。これからはスマホページが存在するサイトはスマホサイトでSEOをやらなくてはいけないのです。

    「PC時代に有効だった施策は今も有効?」「今やらなくてはいけない重要な施策は何?」キャッチアップすべきことは結構あると思います。

    広告では昨今話題の「ITP問題」、つまりCookieの制限によりかなりの変化が起きています。Cookieに頼らない広告配信、そしてスマホと共に益々増える動画をうまく活用して集客していくこと、認知から獲得まで通した考え方と「指標」の捉え方も今後は重要になりそうです。

    次から2回に分けて以下のようなトレンドをお話してきたいと思います。

     SEOの5つのトレンド

    1. PCとまったく違うスマホ時代の検索行動
    2. おなじみ、スマホ時代の4つのモーメント
    3. MFIへ移行した後のこと
    4. いよいよ5月ランキング指標に!? 「Core Web Vitals」
    5. スマホ画面を理解していますか?

     広告の3つのトレンド

    1. Cookieに頼らない広告配信になる
    2. 動画利用が必須になる
    3. 獲得広告と認知広告の捉え方が変わる

    次回はSEOのトレンドについて解説します。

    これからの連載がネットショップ担当者フォーラムの読者の皆さまの少しでも参考になれば幸いです。

    関連書籍
    • 『いちばんやさしい新しいSEOの教本 第2版 人気講師が教える検索に強いサイトの作り方 [MFI対応]』
      安川 洋/江沢真紀/村山佑介:著、インプレス:刊 (2018年7月発売)
      https://book.impress.co.jp/books/1117101120
    • 『いちばんやさしいスマートフォンSEOの教本 人気講師が教える検索に強いスマホサイトの作り方』
      江沢真紀/コガン・ポリーナ/井上達也:著、インプレス:刊(2020年9月発売)
      https://book.impress.co.jp/books/1119101163
    江沢 真紀
    河野 芽久美
    江沢 真紀, 河野 芽久美

    グルメをテーマにした店舗が順位を競う「楽天グルメバトル2021春」を実施

    5 years ago

    楽天グループは、グルメをテーマにした全国558の「楽天市場」出店店舗の中から商品カテゴリー1位と総合1位を決定する「楽天グルメバトル2021春」を実施する。期間は4月19日(月)10時00分~4月30日(金)9時59分まで。

    「楽天グルメバトル2021春」とは

    全国558の参加店舗が、「米・雑穀」「麺類・パン」「惣菜」「肉類」「魚介類」「野菜・くだもの」「洋菓子」「和菓子・スナック・ナッツ」「その他(ドリンク・酒類を除く)」の9つのカテゴリーに1商品をエントリー。ユーザーが期間内に購入した商品の売り上げ金額と売り上げ個数によって、受賞店舗を決定する。

    5月24日(月)10時00分~6月1日(火)9時59分までの期間、各カテゴリーTOP5と総合TOP3の店舗を企画ページに掲載する。

    楽天 楽天市場 グルメショップ 楽天グルメバトル2021春 ショップ対抗
    「楽天グルメバトル2021春」9つの商品カテゴリー(画像は「楽天市場」サイトからキャプチャ)

    ユーザーは2種類のクーポンを利用できる。1人あたりの利用上限は5回で、1注文につき1回。

    参加店舗で使える最大200円オフクーポン

    • 利用期間:4月19日(月)10時00分~4月30日(金)9時59分
    • 先着1万3000回限定:4000円(税込)以上の購入で100円オフ
    • 先着1万回限定:8000円(税込)以上の購入で200円オフ

    受賞店舗で使える最大250円オフクーポン

    • 利用期間:5月24日(月)10時00分~6月1日(火)9時59分
    • 先着4500回限定:4500円(税込)以上の購入で100円オフ
    • 先着3000回限定:9000円(税込)以上の購入で250円オフ
    楽天 楽天市場 グルメショップ 楽天グルメバトル2021春 ショップ対抗 クーポン配布
    クーポンは「楽天グルメバトル2021春」企画ページから獲得できる(画像は「楽天市場」サイトからキャプチャ)
    藤田遥
    藤田遥

    ファンケル、coenも活用。顧客体験を高めるデジタル接客ツール「Repro」とは?【ECアプリ活用事例】

    5 years ago
    デジタル接客ツール「Repro」が、EC アプリ活用事業者から支持される理由を紹介
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    デジタル接客ツール「Repro(リプロ)」は、顧客の行動データや属性データから、最適なコミュニケーションを実現するカスタマーエンゲージメントプラットフォーム。「Repro」を使うことで顧客体験価値を向上させ、コンバージョン率やリピート率の向上、さらにはLTV の改善にもつながるという。「Repro」を導入するFANCL、coenなどの事例から、CVR、LTVが改善する理由を探る。

    ユーザーの目的や状況に合わせ、コミュニケーションを実現

    マーケティングツール「Repro」は、ネイティブアプリやウェブマーケティングの総合支援を行うRepro株式会社が提供するデジタル接客ツール。

    有料のマーケティングツールとしては、国内トップシェアを誇る(日本マーケティングリサーチ機構が2019年に実施した調査)。ツールの提供に併せ、アプリやウェブマーケティングの戦略企画、コンサルティング、開発・リリース、ユーザーの定着や収益化など、導入企業のフェーズごとに最適なソリューションを提供する。

    デジタル接客ツール「Repro」を導入することで、Web上やアプリ内でのユーザーの行動データや属性データ、あるいは店舗データなどをもとに、ユーザーの目的や状況に合わせたコミュニケーションを実現できる。

    利用企業は、スタートアップから大手企業までさまざま。Repro社では、ユーザー数やサービス規模に応じて費用を設定している。

    導入企業の業種は幅広いが、GMOペパボのハンドメイドマーケット「minne(ミンネ)」など、EC関連企業での導入が多い。

    EC以外では、紳士服の青山商事、寿司チェーンのあきんどスシロー、ネット証券のSBI証券、求人サービスのリブセンスなど、幅広い業界で導入が進んでいる。

    林一真氏(Repro株式会社 Solution Sales Div.Manager)

    安定したシステムで、数億規模のプッシュ通知にも対応

    「Repro」の機能面での強みは、ネイティブアプリ向けプッシュ通知機能の安定性だ。大規模ECサービスの場合、大掛かりなキャンペーン時、多くのユーザーにメッセージを一斉配信することがある。

    即時性が重要になるプッシュ通知だが、他社サービスのなかには、遅延や配信までの工数がかり、数十万や数百万通規模の大量配信がスムーズに行えないケースもある。

    一方、スマホアプリのツールベンダーとしてスタートしたRepro社は、大量配信を安定的に実施する能力に長けており、1日あたり合計数千万DAU(デイリーアクティブユーザー)に対応できるシステムを構築。そのため、1日に数億規模のプッシュ通知も可能だという。

    こうしたシステム面での安定性が評価され、数百万DAUという大規模アプリにも導入されている。

    「Repro」は管理画面で配信ボタンを押すだけで、すぐにプッシュ通知を配信することが可能。ユーザーへのリーチ力という点でメールの効果が頭打ちになりつつあるなか、より高いリーチが見込めるプッシュ通知を使うことで、顧客1人ひとりに最適なタイミングでコミュニケーションが図れる

    「Repro」のサービス紹介ページ
    「Repro」のサービス紹介ページ(画像:サイトよりキャプチャ)

    「マジックナンバー」を分析し、リテンションを支援

    ユーザーの行動ごとに継続率を調べる「リテンション分析」を搭載。たとえば分析の結果、「商品を5回閲覧したユーザーの90%は、1週間後にECサイトを再訪する」ことが判明した場合、継続に寄与する行動であるマジックナンバーは「商品閲覧5回」であると分かる。

    導入先であるダイエット記録アプリ「あすけん」のケースでは、マジックナンバーを分析した結果、最初に3、4回食事情報を登録してもうと、継続利用につながりやすいことが分かった。そこで、食事を記録していないユーザーをセグメントし、まずは写真1 枚であっても登録してもらうように推奨。

    その後、登録が完了したユーザーに対して「お疲れ様でした!」といったコミュニケーションを図り、リテンションマーケティングに役立てている。

    ファンケルのアクティブユーザー数、3倍に増加

    「Repro」導入企業の1 社であるファンケルの場合、ポイントカードなど店舗ユーザー向けの「FANCLメンバーズアプリ」と、スマホでの買い物のための「FANCLお買い物アプリ」の2種類のアプリで「Repro」を利用している。

    以前はキャンペーン情報などを、アプリを通じて一斉配信していたが、ユーザーの行動や属性に合わせたコミュニケーションを図る狙いから、それぞれのアプリに「Repro」を導入。導入後は、年代や性別などを掛け合わせたセグメント配信も可能になった。

    その結果、アクティブユーザー数は、導入前に比べて約3倍に増加。売上面への影響も大きいという。

    ファンケルは「Repro」を導入した決め手として、手厚いサポート体制をあげる。Repro社ではノウハウや実績を豊富に持つカスタマーサクセスチームが、導入前からサポートする体制を整えている。カスタマーサクセスは導入後も、企業が成果を出せるまで支援。必要な場合は、専門のマーケティングチームが分析から企画、運用まで担当するオプションサービスも用意している。

    EC業界の競争が激化する中で、いかに顧客と長期的な関係を構築できるかは重要なポイントだ。その意味で、アプリは顧客との貴重なタッチポイント。ファンケルは、「Repro」を通じてプッシュ通知やポップアップといったアプリ経由のコミュニケーションを最適化し、顧客体験価値の向上を図っている。それがコンバージョン率やリピート率の向上、ひいてはLTVの改善につながるためだ。

    カスタマーサクセスチームが成果改善まで手厚くサポートするRepro社の支援体制は、導入企業から高い評価を得ているという。多忙なEC担当者が、本来の業務に専念できるからだ。

    岩田健吾氏(Repro株式会社 Customer Success Manager)
    岩田健吾氏(Repro株式会社 Customer Success Manager)

    「coen」、ポップアップ表示でCV数1.2倍

    ファッションブランド「coen(コーエン)」はWebサイトの施策において、「Repro」を使うことで大幅な工数の削減につなげている。「coen」は、平均して1か月で商品を売り切るというタイムスパンで在庫を消化しているが、導入以前はサイト上にバナーを掲出したいと思っても、技術面や限られた掲載枠の確保が必要などの課題から、実施までに2〜3か月のリードタイムが必要だった。

    「coen」のECサイト
    「coen」のECサイト(画像:サイトよりキャプチャ)

    「Repro」のWeb版を活用することで、それを1 ~ 2週間に大幅短縮。また、個々のページごとに施策を実施できるようにもなり、スピード感を失うことなく成果を出せるようになった。

    その他、ランディングページ(LP)の直帰率が高いという課題があったが、「トップページへ戻る」ポップアップを表示することで、直帰率は前年比で10ポイント改善。また、以前からヘッダーに記載していた5000円以上で送料無料という通知を、改めてポップアップで表示したところ、CV数(カートへの商品追加数)が同123%改善した。

    LP閲覧率1.2~1.3倍へ

    ECにおいて、キャンペーン情報などを発信していても、ユーザーに届いていないことも多い。なぜなら、ユーザーは一度LPを見ても、忘れたり、興味を失ったりするからだ。そこでRepro社では、あるEC向けアプリで、興味を持ってもらった人に後追いでコミュニケーションする試みを実施した。

    まず、メールやプッシュ通知でキャンペーンを告知。そのキャンペーンのLPを見たユーザーに対してリマインドのメッセージを配信する。さらに、そこで離脱したユーザーをセグメントし、再び「あと3日で終了です」などとリマインド。このような施策を実行するだけで、キャンペーン時のLP閲覧率が1.2 ~ 1.3倍に改善したという。

    「Repro」のアプリ用、Web用機能
    「Repro」のアプリ用、Web用機能(画像:サイトからキャプチャ)

    Repro社は、「たとえお得なキャンペーンを心待ちにしているユーザーであっても、キャンペーンを見落としていたり、忘れてしまったりすることが多々ある。キャンペーンなどを告知する際に、一度の発信だけで終わるのはもったいない」と指摘する。

    少しでも興味を持った人には再度リマインドし、お得な情報であると伝えることが重要だ。その際、全ユーザーに同じキャンペーンをリマインドするのではなく、ユーザー行動に応じてセグメントし、適切にコミュニケーションすることがポイントになる。

    ※本稿は、ダウンロード資料「アプリを小売・ECビジネスに活用する方法は? ネイティブアプリ・ミニアプリの基礎から使い分けを解説」(2021年3月8日公開)に掲載された記事を再編集したものです。

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    ビックカメラの連結EC売上は24%増の803億円、EC化率は19.1%【2021年中間期】

    5 years ago

    ビックカメラが発表した2020年9月~2021年2月期(中間期)グループの連結EC売上高は、前年同期比24.1%増の803億円だった。EC化率は19.1%。上半期の連結売上高は、同3.5%減の4212億1100万円となっている。

    ビックカメラグループのEC売上高は、ビックカメラ、コジマ、ソフマップの各EC売上高と、楽天ビックへの卸売りを合計した金額。

    ビックカメラが発表した2020年9月~2021年2月期(中間期)グループの連結EC売上高
    ビックカメラグループのECについて(画像はIR資料からキャプチャ)

    ビックカメラ単体の上半期EC売上高は前年同期比40.5%増。四半期ベースでは2020年9-11月期(第1四半期)が同42.9%増、2020年12月-2021年2月期(第2四半期)が同38.3%。上期のEC売上高は公表していないが、前年同期比145億円の増収となっている。

    事業別による収益の可視化を進めており、上半期におけるEC事業の営業利益率は3.4%、実店舗の営業利益率は2.9%。なお、収益の可視化においては楽天ビックの卸売りは含んでいない。

    ビックカメラにおいては都心の昼間における人口減少、インバウンドの激減が重なり実店舗の販売が低迷。EC事業は大きく伸ばしたものの実店舗の低迷を補うには至っていない。

    ビックカメラが発表した2020年9月~2021年2月期(中間期)グループの連結EC売上高
    ビックカメラ単体について(画像はIR資料からキャプチャ)

    下半期は拡大するECニーズに対応するため、原点となるより使いやすいECサイトを志向。家電の設置や工事の対応上限を拡大し、白物家電をスピーディーに届けていく。

    ビックカメラの2020年8月期連結決算におけるグループの連結EC売上高は、前期比約37%増の1487億円。EC化率は17.5%で2019年8月期比で5.4ポイント増加した。連結売上高は8479億円で前期比5.2%減。

    石居 岳
    石居 岳

    越境ECはアフターコロナを見据えた準備を。コロナが終息したら行きたい国No.1は日本なのですから【ネッ担まとめ】 | ネットショップ担当者が 知っておくべきニュースのまとめ

    5 years ago
    ネットショップ担当者が読んでおくべき2021年4月12日〜18日のニュース
    ネッ担まとめ

    越境ECは時間がかかります。コロナが終息するのにも時間がかかります。であれば、来たるべきインバウンド需要に今のうちから備えましょう。

    越境ECは売れる場所を何とかして見つけること

    インバウンドのリピート顧客化に役立つ越境EC 今のうちに着手しアフターコロナの成果につなげよう | ECzine
    https://eczine.jp/article/detail/9015

    まとめると、

    • 越境ECでは海外で需要のないもの、売れないものを売れる商品にすることは困難。「価値のマトリクス」というフレームワークで自社や商品の現状を整理すると良い
    • 販売実績がない商品は、機能を訴求できる場合はそこを押す。嗜好品など生活必需品以外のものを売る場合は、情緒的価値を満たす必要があり、そこには共感が必要
    • 数字で成果が出ていない国でも物流規制などの障壁が存在している可能性がある。競合が成功を収めている国と類似した文化、消費者層が存在する国を見つけ出し、そこに進出するのも1つの方法
    https://eczine.jp/article/detail/9015より編集部でキャプチャ

    アフターコロナの世界では、再びインバウンド需要が高まると予測されますが、今のうちに越境ECに取り組み、空中戦の環境整備を行っておけば、越境ECで継続購入しているファンが来日して実店舗に来店する(空中戦→地上戦)、日本の実店舗に来店したインバウンド顧客に帰国後のリピート購入を促す(地上戦→空中戦)といった相互活用も実現できます。
    ─世界へボカン 代表取締役 徳田祐希氏

    コロナが終息したら行きたい国は日本!: 強みは「おいしいゴハン」 | nippon.com
    https://www.nippon.com/ja/japan-data/h00803/

    こちらの記事と合わせて読むとしっくりくる記事です。越境ECは国内のECと違って売れる場所を見つけるまでにとても時間がかかりますが、アフターコロナのインバウンド需要の準備と考えればちょうど良いくらいですよね。どこかのタイミングでコロナも終息して移動ができるようになるはずですから。背格好が似ている国、風習が似ている国など、チャンスはたくさんあるので先を見据えて取り組んでみましょう。

    ファンがいれば仕組みやマーケティング不要で売れてしまう例

    経験者ゼロの“鳥オタク”が始めたテーマパーク発のネット通販。「掛川花鳥園」のECビジネス挑戦記 | ネットショップ担当者フォーラム
    https://netshop.impress.co.jp/node/8607

    まとめると、

    • 掛川花鳥園では、以前から売店の商品を通販で販売してほしいという要望があり、個別対応していた。コロナで休園となり、在庫をなんとかするために通販を開始した
    • 「掛川花鳥園は大丈夫なのか?」という気持ちがファンの中にあり、「寄付などの代わりに商品を買って応援しよう」と購入してくれた人が多かった
    • オリジナル商品が多いのは、掛川花鳥園で飼育している鳥の既製品がメーカーにほとんどないからから。開発も鳥オタクの飼育員たちが行っている

    ECサイトだけで企業経営が成り立っているわけではありません。そのため、ECサイト一本で運営している企業と比べると、新しいことにチャレンジするハードル、もし上手くいかなくても次にその経験を生かすハードルが低いことが要因としてあります。

    また、商品の最終承認を行う総務部長がいるのですが、その人が「赤字にならなければ良いよ。やってみて」と言ってくれる環境なんです。少し変わった商品や売れるか微妙なラインの商品を出しやすい環境ではありますね。
    ─掛川花鳥園 運営管理部課長・学芸員 バード統括兼広報担当 北條龍哉氏

    自然発生的なECサイトの事例です。実はこういった要望って気付いていないだけで、皆さんの周りにも多いはず。コロナでダメージを受けたのであればECやSNSなどの接点を増やすべきですよね。うまくいったのはそもそも商品がユニークだし、飼育員の皆さんも接客がうまかったことが挙げられます。お客様のことを考えていると何をしても良い方向に回っていくんですね。ECが本業ではないので肩の力が抜けているのも良いですね。

    コロナが生み出した「おうち時間」で需要が生まれた例

    魚が売りづらかったECで突如取引が急増した理由 | ダイヤモンド・オンライン
    https://diamond.jp/articles/-/267958

    まとめると、

    • 2020年の豊洲市場の取扱高は約3586億円で前年比9.7%減。区分別に見ると鮮魚は8.6%減、加工品は2.8%減なのに対し、活魚類は32.9%減で大きな落ち込みとなっている
    • ECでは生産者が出品しやすいECプラットフォームでの売上が伸びている。ポケットマルシェでは2020年5月に水産品の販売個数が前年比で70倍、食べチョクでは2020年は年間を通じて、サイト全体の流通額が42倍だった
    • ECへの出品は「消費者の声を直接聞いて商品の改良に生かせる」「値段を自分で決められるのがいい」という声もある

    輸出できなくなったホタテをふるさと納税で15トンも出荷した北海道のメーカーもあります。新潟県の鮮魚店は、内食向けに魚介の炊き込みご飯キットを開発して新たな売り上げを開拓しました。また、大分県では、イカのイベントで行政職員が熱心に販促をした結果、前年売り上げを上回ったとの話もありました。

    コロナで短期的に影響を受けた漁業ですが、ECを利用した新たな動きがあったようです。ユーザーも家にいるので魚をさばく時間があって刺身でなくても売れますし、エンドユーザーと接することで漁業に関わる人たちの意識も変わっています。コロナが落ち着いたときにはまた別の動きが出てくるはずなので、その時の対応も考えておきたいですね。

    EC全般

    顧客体験の向上がCVRアップに直結する理由。調査データ&事例に学ぶCX改善のアプローチ | ネットショップ担当者フォーラム
    https://netshop.impress.co.jp/node/8625

    ユーザーの見る目が厳しくなればこうなりますよね。

    コロナ禍でネットショッピング利用が1年で約8pt増 品揃えや価格以外に口コミも判断材料/まねーぶ調査 | ECzine
    https://eczine.jp/news/detail/9073

    ユーザーがどんどん賢くなっていますし、選択肢も増えています。

    不便さや非合理性が、強烈なブランド体験を作る | ウェブ電通報
    https://dentsu-ho.com/articles/7723

    n=1というやつですね。外から見ると不便でもその「1」にはそうでもないのがポイント。

    それでもやっぱり今は有料リンクスパムをおすすめできない理由 | CyberAgent SEO Information
    https://ameblo.jp/ca-seo/entry-12668649936.html

    企業としてリンクを買うことは、私もまったくお勧めできません。

    電車通勤中にスマホでしていることランキング 「ゲーム」や「ニュース・天気のチェック」を抑えて1位になったのは? | ITmedia ビジネスオンライン
    https://www.itmedia.co.jp/business/articles/2104/11/news012.html

    1位はSNS。ECは少なめ。

    男女400人の新生活で必要な家電1位はPC、生活や仕事の必需品に | BCN+R
    https://www.bcnretail.com/market/detail/20210413_221280.html

    Zoomなどが当たり前になってきたので、PCがないと生活できない世の中になってきたのかもしれません。

    今週の名言

    「新しい売り方」というのは、

    案外、良い結果を生み出さないもなんです。

    儲からない人ほど忙しくなる理由 | 竹内謙礼の「ネット広告」
    https://e-iroha2.com/bokan-magazine/net-ad/moukaranai-b/

    新しいことを始めたら既存の取り組みがおろそかになって共倒れ……というのはよく聞く話です。足元を固めることから。

    森野 誠之
    森野 誠之

    消費者のニーズ、消費行動の変化に「スピーディー」「予算内」で対応できるECサイトを作る方法は?【資料を無料提供】

    5 years ago
    「やりたいことに柔軟対応できるシステム選び」「ECパッケージを採用するためのヒント」「低コストで早期の立ち上げをするためのポイント」など、実例を踏まえて解説。
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    消費者のニーズや行動の多様化、テクノロジーの進化などに対し、柔軟に対応できるECサイトを構築するにはどうすればいいのか? 今回、「スピーディー」に、限られた「予算内」で、変化対応できるカスタマイズ性の高いECサイトの構築・運用のヒントが得られる資料を紹介したい。

    多様化する顧客ニーズへの対応、提供サービス拡充などの肝となるのがECプラットフォーム。SaaS型のショッピングカートではやりたいことが実現できないが、自社開発ほどの大きな初期投資は難しい――。こんな悩みを抱えるEC事業者は少なくない。

    今回紹介する資料では、「やりたいことに柔軟対応できるシステム選び」「ECパッケージを採用するためのヒント」「低コストで早期の立ち上げをするためのポイント」などを、実例を踏まえて解説している。

    事例で取りあげているのは、個人・法人向けの宅配型収納サービスを展開するクラッシィ(サービス名は「Klassy」)。スマホからでも利用しやすいUI/UXの実現、都度課金と継続課金を組み合わせるといった機能面、拡張性などを踏まえ、物販向けECパッケージを役務でも利用できるようにカスタマイズ。物販とは異なる特殊な業務要件を実現できる体制を整備した。

    クラッシィは「やりたいこと」を実現するためにどのような視点でECパッケージを選び、リリースにこぎ着けたのか? 今後のECで求められる柔軟性、拡張を前提とした自由度の高いECビジネスを実現するためのヒントが学べる資料となっている。

    詳しい資料をダウンロードできます

     

    CONTENTS

    • コロナ禍で需要増。Klassyの宅配収納サービスとは?
    • 物販向けのEC構築パッケージをカスタマイズしてサイトを開設した理由、メリット
    • NSWが提供するEC構築・運用支援サービス概要
    無料でダウンロードできる資料(PDF)のご案内
    “やりたいことを実現する”ECサイトを作るには?
ユーザーのニーズ・行動に合わせた基盤作りの方法を事例で解説
    “やりたいことを実現する”ECサイトを作るには?
    ユーザーのニーズ・行動に合わせた基盤作りの方法を事例で解説

    今後のECで求められる柔軟性、拡張を前提とした自由度の高いECビジネスを実現するためのヒントを掲載。

    PDFのダウンロードはこちら 「Impress Business Library」(インプレス・ビジネスライブラリー)に移動します
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    ネットショップ担当者フォーラム編集部

    EC売上1000億円めざすライフコーポレーションのネットスーパー戦略

    5 years ago

    ライフコーポレーションはネットスーパー「ライフネットスーパー」を展開するEC事業の売上高を、2030年度に1000億円規模まで拡大する方針を掲げた。

    2021年2月期のEC売上高は前期比76.1%増の53億円。今期(2021年度)はEC売上高100億円をめざ計画だ。

    ネットスーパー「ライフネットスーパー」を展開するライフコーポレーションのEC事業
    EC売上について(画像はIR資料から編集部がキャプチャ)

    ライフコーポレーションは自社やAmazonで展開しているEC事業の強化を進めている。新型コロナウイルス感染症拡大により消費者の意識と社会が変化。その対応策の一環として、需要が高まるネットスーパーで構成するEC事業を強化し、消費者ニーズに対応している。

    「ライフネットスーパー」は店舗から商品を出荷する店舗型ネットスーパー事業で、東西合計61店舗(近畿圏33店舗、首都圏28店舗)で展開(2021年2月時点)。2021年3月にはネットスーパーのモバイルアプリ「ライフネットスーパーアプリ」の提供を開始している。

    ネットスーパー「ライフネットスーパー」を展開するライフコーポレーションのEC事業
    アプリについて(画像はIR資料から編集部がキャプチャ)

    Amazonを通じて実店舗で取り扱っている生鮮食品や惣菜を自宅などに届けるサービスは、東京、神奈川、大阪、兵庫、埼玉の一部エリアで展開している。

    ネットスーパー「ライフネットスーパー」を展開するライフコーポレーションのEC事業
    対象エリアを拡大中(画像はIR資料から編集部がキャプチャ)

    ネットスーパー事業の拡大には、「システム」「オペレーション」「配送」のそれぞれが高いレベルで実現される必要がある。2021年4月には、間口ホールディングス(HD)グループのスリーエスコーポレーション・間口ロジ関東と、ネットスーパー・来店宅配サービスにおける高い品質の配送網を構築を目的に、新会社「株式会社ライフホームデリバリー」を設立。

    物流会社として高い専門的知見やノウハウを持つ間口HDと、ラストワンマイルを担う新会社を設立で、高い品質のサービスを安定的に提供しながら事業の拡大を図っていく。

    石居 岳
    石居 岳

    社員50人の通販・EC会社が進める働き方改革。年24万円の自己投資支援、柔軟な労働時間などスタッフの「幸福度を最大化」する取り組み | ワークスタイルハンター藤田の【突撃!御社のNewな働き方】

    5 years ago
    「ていねい通販」を運営する生活総合サービスは2020年11月1日から新制度「わくワーク」のトライアルをスタート。1日の所定労働時間を選択できる、フルフレックス、自己成長支援金を支給する「わくわくサポート」などの取り組みを行っている

    健康食品や化粧品を販売する「ていねい通販」を運営する生活総合サービスは、「時代の変化に対応しながら、従業員の幸福度を最大化するための働き方」として、新制度「わくワーク」をスタートした。リモートワークやオフィスのリニューアルなど、多くの企業で進む「働き方改革」。「ていねい通販」が取り組む「従業員の幸福度を最大化する」とは。制度の内容や導入の経緯、企業の考え方などについて話を聞いた。

    「わくワーク」の導入で多様な働き方を推進したい

    「わくワーク」とは?

    「わくワーク」は働き方の多様化を推進するためにスタートした制度。「時間によって拘束されない、フレキシブルな働き方」の実現に向け、コアタイムなしのフルフレックスを導入している。

    フルフレックスだけでなく、労働時間については次のような特徴がある。

    • 1日の所定労働時間は7.5時間を基本とし、6~8時間で選択できる。また、毎月変更が可能。選択した労働時間×月間営業日数を月間労働時間に設定する
    • 設定した月間労働時間を満たすのであれば、働く場所は自宅・会社を問わない
    • 1日の労働時間の下限はなし、上限は10時間まで
    • 22時~5時は原則業務禁止。行う場合は事前に申請が必要
    • 1日6時間の労働に対し、1時間の休憩が必須だが、休憩時間の回数&時間の制限はなし

    また、リモートワーク環境強化のため、カスタマー業務を担当する社員もリモートワーク中心の体制に変更した。セキュリティ対策として社員にノートPCやモニター、Wi-Fiなどを会社から支給している。

    制度導入前は全社員が9時~17時30分、1日7.5時間で働いており、予定がある場合などは半休を取得する仕組みだった。時短勤務の制度もあったが、育児や介護などの理由がある場合のみに適用していた。

    生活総合サービスの戸田良輝氏(経理管理部 リーダー/ブランド企画部 リーダー)は制度開始に際し、「時間の制約があることが時代に合っていなかった。業務量や繁忙期・閑散期もある中で、すべてを7.5時間で区切るのは違うのではないかと考えた。フレキシブルに、時間によって拘束されない働き方を推進したい」と話す。

    所定労働時間は上司と相談して決める。育児や介護などで1日7.5時間を満たせない社員もいるため、所定時間6時間という制度を設置。育児による退職という道ではなく、長期にわたって働けるようにしている。

    ていねい通販 生活総合サービス 新しい働き方 わくワーク 働き方改革
    「ていねい通販」を運営する生活総合サービスが導入した「わくワーク」

    コロナ禍でのリモートワークはきっかけに過ぎない

    「わくワーク」導入に際し、戸田氏は「コロナ禍でのリモートワーク推進はきっかけに過ぎない」と言う。

    生活総合サービスでは、コロナ禍以前から若手社員の育児休暇取得やベテラン社員の介護休暇取得が増えているという。そういった社員たちが働きやすい環境にするためには、実態に合っていない社内制度を変更する必要があった。検討を重ね、多様化する働き方にフィットする制度として「わくワーク」はスタートした。

    「わくワーク」導入の一番の目的は、「社員1人ひとりがより幸せになってほしい」という思いが強かった。制度導入はリモートワーク推進のきっかけに過ぎない。まだ気を遣っている社員もいると思うので、より多様な使い方をしていけるよう、柔軟に対応し、社員全員で作っていきたい。(戸田氏)

    社内外問わず、全員が幸せになれることを意識する

    今後の施策として、生活総合サービスはオフィスの在り方を検討。また、「新しい時代の働きがい」について考え、より社員1人ひとりと向き合っていきたいという。

    戸田氏はこう言う。「会社として働き方をきちんとしていくことで、社員が会社を支えてくれて、それがお客さまの喜びにつながっている」

    「わくワーク」を他の企業にも知ってもらうことで、少しでも他企業の担当者が制度構築に向けて一歩踏み出せる参考になったら嬉しい。

    コロナ禍において、社会がより良くなっていくことをみんなが考えなければならない。「わくワーク」もただ自分たちだけが幸せになるのではない、ということを心がけて運用していきたい。(戸田氏)

    労働時間を自分で決める=メリハリのある時間管理

    1日の所定労働時間を6~8時間と幅を持たせるのは、「時間の管理、時間の意識を持ってもらうため」ため。コロナ禍でリモートワークが増えたことにより、仕事とプライベートの境目が曖昧になっている社員が増えているからだ。

    メリハリを付けることが時間管理にもなっていると考えている。より個人個人が幸福になって欲しいという思いから、社員の多様な働き方を望んでいる。(戸田氏)

    「わくわくサポート」で自己投資を推進

    自己投資支援制度として、「わくわくサポート」をあわせて実施。月2万円相当を1月と7月の年2回、各12万円を支給する制度だ。使い道を申告する必要はなく、自己成長につながる目的で社員が自由に使用できる。

    毎月ではなく、年2回に支給する理由は「月2万円ずつだと貯金に回りがちになってしまう。自己投資という経験をしてほしい。ある程度まとめて支給することで大きな投資に使ってもらいたい」と戸田氏は話す。

    また、光熱費などの手当として別途2000円を毎月支給しているという。

    「漠然とした不安」から「プライベートと仕事を両立」に変化

    生活総合サービスは「わくワーク」導入に際し、社員52人にアンケートを実施。導入前は3人に1人が「不安だった」と回答している。不安の理由は、「CS部門では『わくワーク』自体が利用できないのではないか」「会社が変化することへの漠然とした不安」があったのではないかと戸田氏は分析する。

    ていねい通販 生活総合サービス 新しい働き方 わくワーク 働き方改革 わくワーク導入前に感じていた気持ち
    「わくワーク」の導入前に感じていた気持ち(n=52)

    導入後に感じている気持ちについては、82.3%が「快適である」と回答。また、「わくワーク」導入で感じているメリットについては、67.3%が「働きやすさの向上&プライベートの充実」と回答している。「自分や家族のために時間が使えた」「自分自身をケアする時間が増えた」という理由があがったという。

    ていねい通販 生活総合サービス 新しい働き方 わくワーク 働き方改革 わくワーク導入後に感じている気持ち
    「わくワーク」の導入後に感じている気持ち(n=52)
    ていねい通販 生活総合サービス 新しい働き方 わくワーク 働き方改革 わくワークの導入でメリットに感じていること
    「わくワーク」の導入でメリットに感じていること(n=52)

    評価は「お互いの納得感」を大切にしている

    「わくワーク」の導入による評価制度について、戸田氏は「お互いの納得感が大切」だという。

    生活総合サービスでは、売り上げの目標やノルマを設定していない。また、戸田氏自身は「評価基準を明確にし、透明性を持たせても、完全に納得することは難しいのではないか」と考えているという。

    そのため、生活総合サービスでは、社員に対して将来の方向性を示した上で、「社員への期待に応じた、責任の範囲にある業務を任せること」を重視している。

    任せた業務範囲については稟議を通さなくても承認する。自分の仕事に対する市場からの反応を、手応えとして感じ続けられる状況を作っているという。

    期待に応じた責任の範囲をすり合わせ、社員に任せることで、「最終フィードバックに対する本人の納得感が増すのではないか」と考えているからだ。

    「上手くいったことでも、やりたくないことをやった、言われたことをやっただけでは不満があるケースもある」と戸田氏は分析する。

    人に言われて行った業務において、売り上げのが増減があったとしても、市場からのフィードバックをきちんと受け止めないだろう。

    しかし、完全に自分が任せてもらったことで売り上げが下がった場合、他の社員に「気にするな」と言われても、市場のフィードバックを受け続ける限りは「頑張ろう、改善しよう」と思えるのが人だと思っている。(戸田氏)

    ていねい通販 生活総合サービス 新しい働き方 わくワーク 働き方改革 戸田良輝氏 経理管理部 リーダー/ブランド企画部リーダー
    生活総合サービスの戸田良輝氏(経理管理部 リーダー/ブランド企画部 リーダー)

    生活総合サービスでは、「4年目までに1人前になって欲しい」という目安はあるが、年次による目標設定などは行っていない。その理由は、社員数が50人ほどで、年次で目標を決める社員数ではないこと、また、社員1人ひとりと向き合うことを大切にしているためだ。そのため、新卒採用の際も人数を多くしすぎないことを意識しているという。

    業務中はZoomに常時接続でコミュニケーション

    コミュニケーションツールは主にZoomを使用。業務時間中は常時Zoomに接続しており、社員の様子がわかるようにしている

    その中で、Zoomのブレイクアウトルーム機能を使い、チームごとに分割。50種類以上のブレイクアウトルームを作成し、1人で集中したいときは専用のルームに移るなどの取り組みを行っている。

    リモートワーク開始当初は「オンラインでやっていけるのか」という不安があったが、以前から積極的にコミュニケーションを取っていたため、スムーズに移行できたという。

    関係性が強い企業ほど、オンラインとの相性が良いのかもしれない。時間と場所の制約がかからない効率制と、強い関係性のかけ算で費用対効果が良くなっている。(戸田氏)

    コミュニケーションのコツは「リアクションだけで参加できる」こと

    昼食時もZoomを接続している。雑談をはじめ、社員が企画した動画コンテンツを配信するなど、オンラインでも日ごろから積極的にコミュニケーションを行っている。

    オンラインでのコミュニケーションのコツについて、戸田氏は「リアクションだけで参加できる状態を作ること」と説明。突然「話をしよう」と話題を振るのではなく、「面白い」という一言の反応でもできるコミュニケーション用のコンテンツを準備するのがコツだという。

    ていねい通販 生活総合サービス 新しい働き方 わくワーク 働き方改革 Zoomを活用したコミュニケーションの様子
    Zoomを活用したコミュニケーションのようす(画像提供:生活総合サービス)

    偶発的なコミュニケーションや新人研修が課題

    チーム内のコミュニケーションは問題なく行えているが、一方でチーム間や偶発的なコミュニケーションが生まれにくいことが課題になっている。

    また、「新入社員が他の社員とゼロから関係性を構築していく難しさも、今後課題になるのではないか」と戸田氏は懸念する。最初は出社をしてもらい、リモートワークになった際はランダムでブレイクアウトルームを作り、コミュニケーションを取ってもらうなど、方法を検討しているという。

    オープンな環境が助け合いの文化を生む

    生活総合サービスでは、全社員が所属するZoomを設定、全員の労働時間をオープンにしており「誰がどれだけ働いたか」がわかる環境を構築している

    オープンにすることに対し、戸田氏は当初きちんと運用できるか懸念していたが、「残業時間に限らず、ありとあらゆる情報を、接続したら見られる状態にしておくことが大事だ」ということを実感した。

    残業時間がわかることで、営業時間に合わせる必要があるCS(カスタマーサービス)部を中心に、「自分も使えて、相手も使えるようにしてあげよう」という助け合いの文化が生まれたという。

    チーム内で残業時間が多い人をケアしようという発想が生まれている。社員全員がバランス良く働くことを望んでいるので、オープンにすることでプラスに働くことが多いのではないか。(戸田氏)

    オープンにすることで、経営側の判断に対する社員の納得感が増すことにもつながっている。チームのリソースの足りなさを踏まえて人事異動を行っているが、各チームの状況が見えない状態だと、社員達は「またあそこに人が行くんだ」と思いがちになる。しかし、普段から労働時間などが見えることで、「あのチームには人が必要だ」と考えるようになったという。

    「信じ抜く」ことをテーマにガイドラインを作成

    社員を信じることで使いやすい制度に

    「わくワーク」のガイドライン作成のテーマは「信じ抜くこと」だと戸田氏は語る。社員を疑うことで制度を細部まで決めてしまい、働き方の自由度が下がると、制度の使い勝手が悪くなると考えたからだ

    打刻は出勤と退勤時に行い、その間はどのように休憩を取っても良く、休憩時間は後で各自が申請する運用にした。中抜けの度に打刻や申請を行うと、使い勝手が悪く、管理が煩雑になるからだ。

    周囲に迷惑をかけないようにするため、休憩時間が1時間を超える場合は、スケジュールに明記することをルールとして設けている。

    管理者側が考えた制度だが、社員も内容についてきちんと考えてくれている。社員を信じたことに対して「会社に応えていこう」という返報性の法則が働いている。

    社員の「こうなっていこう」という働き方の多様化に対する考えから生まれた制度なので、以前より集中力が高くなったと感じる。(戸田氏)

    信頼は「約束と実行」によって叶えられる

    生活総合サービスは「社員を信じること」を大切にしているが、企業と社員の信頼関係を構築するための大きな施策は行っていないという。

    それは、同社が「信頼は約束と実行によって叶えられる」と考えており、「社員に対して、会社がいかに方向性を示し、実際にそれを推進・実行できているかということの連続だと思っている」と戸田氏は語る。

    また、「パフォーマンスで行ったことや表面的なことは社員に見抜かれる」といい、有言実行のため、理念や目標などはきちんと社員に伝えることが重要だと言う。

    自分や家族をまず大事にして、次に仲間、ビジネスパートナー、最後にお客さまへ届くということを常日頃から伝えている。

    社員達は、「ビジネスパートナーが疲弊してまでお客さまのサービスを上げることは良くない」と理解しており、「家族をないがしろにしてまで仕事をすることは駄目」だと伝えている。

    「ていねい通販」は「1日でも長いお付き合い」というテーマで、「売り上げを1円でも高く」「お客さまを1人でも多く」ではなく、「どうしたら1日でも長くお客さまと付き合っていけるか」ということを1番大事にしている。(戸田氏)

    藤田遥
    藤田遥
    確認済み
    1 時間 8 分 ago
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