ネットショップ担当者フォーラム

MA(Marketing Automation)を使いこなすための4段階と、超えなければならない4つの壁 商品使用体験のCRM | 『EC通販で勝つBPO活用術』ダイジェスト

5 years 1ヶ月 ago
『EC通販で勝つBPO活用術』(高山隆司/佐藤俊幸 著 ダイヤモンド社 刊)ダイジェスト(第6回)

MA(Marketing Automation)はマーケティングを自動化するツールだ。例えば顧客情報、商品情報、媒体情報、受注情報を取り込んで、Google広告の検索連動型広告から40日前に自社商品を買った顧客に、「そろそろ使い切りましたか? 2回目の購入割引クーポンを特別プレゼント」といったメールを自動で送信するのである。

多くのカートシステムにもステップメール機能やレコメンドメール機能が付属しているが、MAの最大の特徴は「粒度の細かさ」と「接触方法の多様性」だ。

MAでは、顧客の属性と行動を掛け合わせ、分析粒度を細かくしていくことができる。例えば、40日前に買った顧客のうち、クーポンプレゼントメールをクリックして、かつ、2回目の購入をしていない人」に「クーポンの有効期限が残り5日であることを伝えるDM(オフラインのはがき)を送るといったことも簡単にできる

MAをメールの発射台で終わらせない

MAの活用には次の4段階がある。

第1段階【効率化】
手動で実施していた顧客抽出とメール送信業務を自動化する
   ↓
第2段階【細分化】
属性と行動によるより細かなセグメントで顧客にアプローチする
   ↓
第3段階【多様化】
メール、LINE、DM、商品同梱物、電話などの手段で接触する
   ↓
第4段階【高速化】
複雑な条件・手段のシナリオの結果を素早く分析し、すぐ修正する

第1段階の【効率化】では、それまで担当者が手を動かして行っていた業務をMAにより自動化することで、よりマーケティングの企画などに時間を充てられるようになる。

第2段階の【細分化】では、複数のAND・OR条件で最適な顧客を抽出し、無駄打ちを減らすことで、それぞれの顧客に最も響く内容を訴求できる

第3段階の【多様化】では、メルマガでのみ実施していた顧客との接触を多様化する。MAから社内の電話営業部署に対象顧客のリストをメールで通知し、電話販売につなげることもできる。

第4段階の【高速化】では、複雑に絡み合っているシナリオをわかりやすい指標で素早く分析し、どこに手を加えればより成果が伸びるかを見つけて改善していく

多くの場合、第1段階から第2段階で何をすればいいかわからなくなってしまい、MAをもて余してしまうケースが多い。顧客がどんな体験をしたいのか、顧客にどんな体験をしてほしいのか明確になっていないためだ。また、社内リソースが足りず、せっかくMAを導入したのに使いこなせていないというケースもとても多い。

MAを使いこなすための4つの壁

MAを使いこなすには、4つの壁を超えていかなければならない。

第1の壁「データ連携の壁」

通販基幹システム、ECカートシステムに入っている商品情報、顧客情報、受注情報などをMAにどう入れるか。テーブル構造が異なるデータをマッピングし、クレジングや名寄せを行い、受け渡さなければならない。

例えば、基幹システムでは顧客のメールアドレスを「mail」という項目名で持っているが、MAでは「mailaddress」という項目名だった場合、「mail」と「mailaddress」を紐付ける。住所の都道府県名に「東京都」と「東京」という表記が異なるデータがある場合、すべて「東京都」に修正する。

顧客の氏名が基幹システムでは「姓」「名」の2つの項目に分かれているが、MAでは「姓名」を1つの項目として扱う場合、MAにデータを入れる前に修正する。これらの準備によって、綺麗になったデータをCSVアップロードやSFTP連携、API連携等でデータ連携する。この準備に数か月かかることもある

第2の壁「企画の壁」

MAにデータを入れただけでは何も見えてこない。そこで、MAを分析ツールとして使う。カスタマージャーニーマップに基づいて設定されたKPI(例えば「初回購入から2回目購入への3か月以内引き上げ率」)のデータをMAから抽出する。

そのデータの裏にある顧客の心理や行動を関連部門の担当者がそれぞれの視点から考え、どんなタイミングで、どんな方法で、どんな内容で、顧客にアプローチすればいいか企画を出していく。企画は手元のドキュメントやスプレッドシートに書き出し、共有すると良いだろう。

第3の壁「設定の壁」

企画がまとまったら実装へと進む。企画においてねらいを付けた顧客セグメントを抽出し、そのセグメントに対して、ステップメール送信、メール内リンククリックによるシナリオ分岐などを設定する。メール文章などのクリエイティブ(コンテンツ)作成も必要だ。

第4の壁「改善の壁」

設定したシナリオが無事に動き始めたら、定期的に結果を分析する。例えば、3回目のメール開封率が低いのであれば、3回目のメール件名や送信タイミングを改善する。メールの送信タイミングは、その顧客が初回商品を購入した時間帯に送ると良いだろう。

これらの壁をひとつずつ乗り越えていくのは苦難の道だ。マーケティング担当者には他の業務もどんどん差し込まれてくるし、毎年実施している全体向け送料無料キャンペーンなども準備しなければならない。当月の広告運用でCPOが上昇すれば、その対策も取らなければならない。

MAの4つの壁を乗り越えようとしたものの、他の業務に忙殺され、気付いたら2つ目の壁の段階で半年経ってしまっていた」などというのがMAを導入した企業のリアルな実態だ。

MAツールを導入するとき、いきなり専任の担当者を付けることは、予算や人員確保の面で簡単ではないだろう。当初は外注で、コンサルタントや運用担当者を手配することをお勧めする。

顧客体験の満足度を知る「NPS」

ここまで、商品と顧客の出会いから順に、顧客体験を解説してきた。それぞれのマーケティング施策の効果は売上や利益として数値化されるが、それだけでは本当に顧客体験が最高のものになっているのかどうかは分からない。

そこで有効なのが、NPS(Net Promoter Score)を活用したブランド調査である。NPSとは、フレッド・ライクヘルドが提唱した顧客ロイヤルティを測る指標である。

ある商品の顧客に対して、「親しい友人や家族にこの商品を勧めたいか?(「勧めたくない」0点から「勧めたい」10点の間のいずれかの数字で回答)」とアンケートを取り、0点から6点は批判者、7点から8点は中立者、9点から10点は推奨者と評価する。批判者、中立者、推奨者の割合を出して、推奨者から批判者を引いた数値がNPSだ。

NPSの例
NPSの例

上のように、批判者48%、中立者36%、推奨者16%となった場合、NPSはマイナス32となる。推奨者と評価する点数の幅が狭いため、NPSはマイナス値になることが多い。企業を対象とした場合、NPSが12ポイント改善すると、その企業の成長率は倍増すると言われている

NPSは単純に自社の数値を時系列で計測するだけでなく、競合他社と比較することもお勧めだ。「自社はマイナス32なのに、A社はマイナス40、B社はマイナス10」という場合、A社が自社より低い理由、B社がA社や自社より大幅に高い理由を探っていくのである。

ただし、アンケート母体を「自社商品を購入した顧客」に絞ると、そもそも自社に対してロイヤリティが高い顧客層であるため、市場では本当は他社の方が人気なのに、NPSでは自社の評価が一番高いという結果になることがあり、注意が必要だ。調査目的に沿ったアンケート母体の設定やアンケート内容にすることが重要である。

NPSの目的を「自社商品を購入した顧客満足度を1年前と比較し、事業軌道修正の気づきを得る」とするのであれば、次のような点に注意するとよい。

  • 毎年同じ時期に実施する
  • 期間内の購入顧客の中から、できるだけランダムにアンケート母体を抽出する
  • 数値だけでなく「その点数にした理由は?」といった定性コメントももらう
  • 競合他社の数値はそのまま受け入れるのではなく、自社顧客を母体としたものであり、市場顧客が母体となっているものではないことを意識して参考情報として見る

もっと広く考えて、NPSの目的を「市場での好意度を測る」ことにしたいのであれば、次のようなやり方が良い。

  • 母体は自社顧客ではなく、アンケート会社や別の方法を使って集める
  • 「◯◯ジャンルで思い浮かぶ商品はどれか」という認知度を測る質問もする
  • 自社に寄りすぎた質問や回答選択肢の並び順にしないように注意する

NPSの結果を踏まえ、半年や1年おきにカスタマージャーニーマップを作り直すと、「気がついたら顧客のニーズが変わってしまっていた」といった事態を防ぎ、顧客体験をより良いものに昇華していくことができる

売上や利益と並べて、NPSを事業に対する評価指標にすることも良いだろう。NPSが競合より高いにも関わらず、売上が競合より低いのであれば、売上に伸びしろがあるということだ。

売上が伸びていても、NPSが下落傾向にあったら黄信号である。近いうちに売上も落ちていく可能性がある。一部の顧客にひっぱられた売上なのか、一時的な売上増加なのか、売りっぱなしにしてしまっているなど顧客体験に課題がないか、深く分析する必要がある。

1つ1つの業務はBPOできる

EC通販では日々、やらなければならない業務は膨大にある。売れ行きが伸びるにつれ、人手も時間も不足しがちになる。こうした問題の有力な解決策が、BPO(Business Process Outsourcing)だ。さまざまな業務のうち、社内で回し切ることができない部分を外部のプロに任せ、しっかり回し切るのである。

EC通販の根幹は「顧客を知ること」と「それに合った商品力」だ。この2つの機能は自社でしっかり持ってほしい。それ以外はコントローラーとしての機能を社内に持っておけば、1つ1つの業務についてはBPOできる

ちなみに、スクロールグループでは、グループ各社がそれぞれEC通販に関わる次のような業務を専門的に担い、しかも相互に連携して一貫したサービスを提供している。

  • グループインタビュー
  • カスタマージャーニーマップの作成支援
  • 商品開発支援
  • マーケティング
  • 受注、決済
  • 物流
  • コールセンター
  • CRM(MA含む)
  • 顧客満足度調査

EC通販企業が顧客体験を最高のものにするため、活用してみていただきたい。

この記事は『EC通販で勝つBPO活用術』(ダイヤモンド社刊)の一部を編集し、公開しているものです。

EC通販で勝つBPO活用術 ─最強のバックヤードが最高の顧客体験を生み出す

EC通販で勝つBPO活用術
─最強のバックヤードが最高の顧客体験を生み出す

高山 隆司 /佐藤 俊幸 著
ダイヤモンド社 刊
価格 1,650円+税

活況のEC・通販業界において、アフターコロナを勝ち抜くために必要なことは何か。ネット通販の事業戦略設計やプロモーション、フルフィルメントなど、ネット通販の実践から得たノウハウを紹介し、物流、受注といったフルフィルメントのアウトソーシングの活用の仕方や成功事例を解説する。デジタルトランスフォーメーション(DX)が加速する中、「BPO」(Business Process Outsourcing)を最大限有効活用したシステム構築に必携の1冊。

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高山 隆司
佐藤 俊幸
高山 隆司, 佐藤 俊幸

ユニクロとジーユーがライブコマースをスタート、ECサイトとアプリで展開

5 years 1ヶ月 ago

ファーストリテイリング傘下のユニクロ、ジーユーがECサイト内とアプリでライブコマースをスタートした。名称はユニクロが「UNIQLO LIVE STATION」、ジーユーが「GU LIVE STATION」。

「UNIQLO LIVE STATION」は「ユニクロオンラインストア」「ユニクロアプリ」「StyleHint」(ファストリ運営の着こなしアプリ)で、「GU LIVE STATION」は「ジーユーアプリ」「ジーユーオンラインストア」「STYLE STUDIOページ」「StyleHint」で配信している。

ファーストリテイリング傘下のユニクロ、ジーユーがECサイト内とアプリでライブコマースをスタート。ライブコマースの名称は、ユニクロが「UNIQLO LIVE STATION」。ジーユーが「GU LIVE STATION」
ユニクロのライブコマース「UNIQLO LIVE STATION」(画像はECサイトからキャプチャ)

ライブコマースは、自宅のパソコンやスマートフォンでライブ動画を閲覧しながら、リアルタイムで製品を購入できるショッピング方法。ライブ中には視聴者からのコメントや質問にもリアルタイムで対応する。

著名人がコーディネートのポイントなどをライブで解説し、視聴者の質問などに答えながらユニクロの商品を紹介。消費者はライブ配信動画を見ながら、気になった商品をそのままECサイトやアプリ内で直接購入できるようにしている。

「UNIQLO LIVE STATION」は2020年12月23日に、「GU LIVE STATION」は12月25日にスタート。「UNIQLO LIVE STATION」は2回目のライブ配信を1月21日(木)19時から行う。

1回目の「UNIQLO LIVE STATION」には、スタイリストの福田麻琴さんとファッションモデルの五明祐子さんが登場。2回目のライブ配信には、メンズファッションバイヤーなどのMBさん、スタイリストの山本あきこさんが出演する。

ファーストリテイリング傘下のユニクロ、ジーユーがECサイト内とアプリでライブコマースをスタート。ライブコマースの名称は、ユニクロが「UNIQLO LIVE STATION」。ジーユーが「GU LIVE STATION」
ECサイトでは画像左にライブ動画、右に商品を掲載している(画像はアーカイブ動画からキャプチャ)

17 Media Japanが提供するライブコマースシステム「HandsUP」を導入し、ECサイト内などでのライブコマースを実現した。「HandsUP」はファンケル、ウィゴーなどが導入し、ライブコマースを行っている。

瀧川 正実
瀧川 正実

テレワークの在宅勤務手当、通信費、電気料金は課税・非課税? 国税庁が指針を公表

5 years 1ヶ月 ago

国税庁は「在宅勤務に係る費用負担等に関するFAQ(源泉所得税関係)」を公開。在宅勤務(テレワーク)に関する在宅勤務手当、通信費、電気料金などについて「通常必要な費用を精算する方法」による支給は非課税とする指針を発表した。

在宅勤務手当

在宅勤務に通常必要な費用の実費相当額を精算する実費精算の場合、企業が従業員に対して支給する一定の金銭については非課税とする。

ただ、毎月5000円といった一定額の支給(従業員が在宅勤務に通常必要な費用として使用しなかった場合でも、その金銭を企業に返還する必要がないもの)の場合は、給与として課税する必要がある。

通信費

業務目的の通話料(基本使用料を除く)については非課税。業務のための通話を頻繁に行う従業員の基本料金、また、インターネット接続に関する通信料については、以下の算式((基本料金や通信料など)×(1か月の在宅勤務日数)/(該当月の日数)×1/2)によって算出した金額を非課税とする。

国税庁は「在宅勤務に係る費用負担等に関するFAQ(源泉所得税関係)」を公開。在宅勤務(テレワーク)に関する在宅勤務手当、通信費、電気料金などについて「通常必要な費用を精算する方法」による支給は非課税とする指針を発表
1か月のネット接続の通信料および通話の基本料金のうち、在宅で働いた日数に応じて半額を非課税とする(画像は国税庁公表の資料からキャプチャ)

電気料金

在宅勤務した日数、業務のために使用した部分を合理的に計算して算出((1か月の基本料金や電気料金など)×(業務に使用した部屋の床面積)/(自宅の床面積)×(1か月の在宅勤務日数)/(月の日数)×1/2)した金額が非課税となる。

国税庁は「在宅勤務に係る費用負担等に関するFAQ(源泉所得税関係)」を公開。在宅勤務(テレワーク)に関する在宅勤務手当、通信費、電気料金などについて「通常必要な費用を精算する方法」による支給は非課税とする指針を発表
電気料金は、在宅勤務した日数と業務のために使用した部分を合理的に計算して算出した額を非課税とする(画像は国税庁公表の資料からキャプチャ)

「在宅勤務に係る費用負担等に関するFAQ(源泉所得税関係)」は、在宅勤務を実施している企業に向け、2020年12月1日現在の法令に基づいて作成した源泉所得税関係の質疑事例。

瀧川 正実
瀧川 正実

新しいシェアリングデリバリーの実証実験、商業施設に入居する飲食店のランチボックスをオフィスビルに集約配送

5 years 1ヶ月 ago

三井不動産、NECソリューションイノベータ、エニキャリの3社は、商業施設に入居する飲食店のランチボックスを集約し配送する取り組みの実証実験を1月19日から開始する。

実証実験の名称は「COREDOシェアステデリバリー」。三井不動産グループが運営・管理する商業施設「COREDO 日本橋」「COREDO 室町」に入居する飲食店のランチボックスを、日本橋室町エリアを中心とした三井不動産グループ運営・管理のオフィスビルに集約配送する。

「COREDOシェアステデリバリー」は、「COREDO 日本橋」と「COREDO 室町」に入居する飲食店のランチボックスメニューを、NECソリューションイノベータが開発するデジタルサイネージシステムとスマートフォン配信の仕組みを通じてオフィスワーカーに提供。「COREDOシェアステデリバリー」のLINE公式アカウントを通じて注文を取りまとめ、オフィスに集約配送する。

三井不動産、NECソリューションイノベータ、エニキャリの3社は、商業施設に入居する飲食店のランチボックスを集約し配送する取り組みの実証実験を1月19日から開始
「COREDOシェアステデリバリー」の仕組み

オフィスワーカーは「COREDOシェアステデリバリー」のLINE公式アカウントで注文・支払いを完結することが可能。実証実験は2021年1月19日~3月31日まで。配達料は100円(注文者負担)。

飲食店は注文情報に基づき、ランチボックスを所定の場所まで持ち込む。ランチボックスはエニキャリがピックアップして、オフィスごとに設けた所定の場所へ集約配送する。「LINE」を通じた配送通知を基に、注文者は所定の場所でランチボックスを受け取る。

エニキャリは、店舗から消費者へのクイックデリバリー(短時間配達)を必要なときだけ利用でき、利用した分だけ料金が発生するオープン型配達インフラ「DeaaS(Delivery as a Service=デリバリー・アズ・ア・サービス)モデル」を提唱しているシェアリングデリバリー「anyCarry(エニキャリ)」を手掛ける企業。

この取り組みは、新型コロナウイルス感染症拡大で厳しい状況にある飲食店の支援、在宅ワーク推奨となっているものの出社が必要となったオフィスワーカーへの安心・安全・快適なランチ提供を行うのが目的。ランチボックス購入時の対面接触機会の削減などを検証し、将来の本格展開をめざす。

石居 岳
石居 岳

EC事業者が知っておくべきInstagramのインサイト&コマース関連機能の基礎&見込み客を集める広告活用法

5 years 1ヶ月 ago
withコロナ時代の今、Eコマースビジネスに与える影響が大きくなっているInstagram。国内利用者のインサイト情報、Eコマース事業者が押さえるべきInstagramのビジネス活用法を解説

Instagramは利用者ごとの興味・関心に合わせてコンテンツを表示するため、「商品が顧客を見つける」という発見型コマースを実現することができます。さらに購買までの行動をシームレスに引き起こし、Eコマース事業者のビジネス成長に貢献できるプラットフォームになっています。

Instagramのプラットフォームとしての強みについてこう話すFacebook Japanの丸山祐子氏(コマース事業部 Industry Manager)。withコロナ時代の今、InstagramがEコマースビジネスに与える影響も大きくなっている。国内利用者のインサイト情報を踏まえ、Eコマース事業者が押さえるべき、Instagramのビジネス活用法について丸山氏が解説する。

Facebook Japanの丸山祐子氏(コマース事業部 Industry Manager)
Facebook Japanの丸山祐子氏(コマース事業部 Industry Manager)

日本の月間アクティブアカウント数は3300万

Instagramのグローバルでの月間アクティブアカウント数は10億超。日本の月間アクティブアカウント数は2019年3月に3300万まで拡大している。利用者属性は「男性:43%」「女性:57%」で、男性の利用者も半数近い

Instagramの月間アクティブアカウント数推移
Instagramの月間アクティブアカウント数推移

ビジネスからの情報発信にも好意的で、積極的につながる利用者が多く、「Instagram上で何らかのビジネスをフォローしている利用者の割合」は90%にのぼる。

利用者は興味関心とつながるためにInstagramを訪れており、好きなブランドや商品との出会いを楽しんでいます。(丸山氏)

Instagram利用者はビジネスとつながるケースが圧倒的に高い
Instagram利用者はビジネスとつながるケースが圧倒的に高い

Facebookが委託した外部調査「Project Instagram」によると、国内利用者の83%がInstagram上で「新しい商品やサービスを発見する」と答え、81%が「商品やサービスを検索」すると回答。80%の利用者が「商品やサービスを購入するか決める」のにInstagramを使っているという。

Instagramが購買行動に与える影響は大きい
Instagramが購買行動に与える影響は大きい

米国では2020年、新型コロナウイルス感染症拡大により、2か月間で米国小売業におけるEコマース比率が27.0%に拡大。「これまでの10年に匹敵するぐらい、一気にデジタル化が進んだ」(丸山氏)

2009年は5.6%だったEコマース比率は、10年後にあたる2019年に16.0%。2020年には27.0%台に一気に突入した
2009年は5.6%だったEコマース比率は、10年後にあたる2019年に16.0%。2020年には27.0%台に一気に突入した

日本でも買い物をECサイトで行う利用者は拡大。「従来実店舗で購入していたものをオンラインで購入した」と回答した国内消費者は1.6倍も増えた。18~34歳の生活者のソーシャルメディアでの購入率は、35歳以上と比較して2.1倍も高いといった調査結果(Kantar Profilesの「Industry Micro-Shifts Monthly Tracker」(Facebookの委託によるオンライン調査))もある。こうしたことを踏まえ、丸山氏は次のように話す。

顧客とのタッチポイントがデジタル化していく中で、Instagramでのコミュニケーションの重要性が高まっています。(丸山氏)

ショッピングにおけるソーシャルメディアの役割
ショッピングにおけるソーシャルメディアの役割

Instagramが実現している発見型コマースとは?

Eコマースを活用する際、これが欲しいというモノがあってECサイトを訪問して購入するのが一般的でしょう。しかし、それでは購入者がすでに知っている商品しか見つけることができません。Instagramは、利用者ごとの興味・関心に合わせてコンテンツを表示する仕組みなので、「商品が顧客を見つける」という発見型コマースを実現できるのです。(丸山氏)

一般的なコマースと発見型コマース instagram
一般的なコマースと発見型コマース(画像右)

このように、丸山氏が強調するキーワードは“発見”。利用者の興味・関心に合わせてコンテンツを表示するアルゴリズムを通じて、利用者とビジネス側をマッチングするのが、Instagramが実現する「発見型コマース」という。

丸山氏によると、Instagram利用者は興味・関心にまつわるコンテンツを見たいという状態でInstagramを訪れる。その利用者に対して、興味・関心に合わせたコンテンツをパーソナライズして表示するため、「認知から興味・関心を喚起するのではなく、興味と認知を同時に引き起こすことができるのです」(丸山氏)

Instagram 「発見型コマース」の特徴
「発見型コマース」の特徴

Instagramは、利用者の興味・関心を先回りして適したコンテンツを配信、発見から意欲、購買までの行動をシームレスに引き起こす仕組みとなっている――。これがInstagramの強みと丸山氏は説明する。

Instagram内での利用者の閲覧内容、アクション、Facebookピクセル(利用者がWebサイトで行っているアクションを把握する機能)、SDK(Software Development Kit)、カスタマーデータファイルなど、オフプラットフォームでのデータなども加味し、利用者ごとに表示すべき内容を機械学習します。このような機械学習から利用者にとって親和性の高い内容をパーソナライズして表示することで、ビジネス側から見ると購入可能性の高い人にターゲティングしてリーチできるという利点があります。その後、利用者がWebサイトへ遷移して商品を購入した場合、さらにその情報を元に最適化が行われていくというのが発見型コマースの仕組みです。(丸山氏)

Instagram 「発見型コマース」の仕組み
「発見型コマース」の仕組み

Instagramでは「発見型コマース」の強化を進めるため、さまざまな機能を拡充している。

FacebookやInstagramなどでカスタマイズ可能なオンラインショップを無料で公開できる「ショップ機能」利用者に合わせて商品やブランドの投稿を表示する「Instagramショップ」などの機能がその代表例となる。

現在、米国ではInstagram内で決済まで可能なチェックアウト機能、ライブショッピング機能、プロダクトのローンチスタンプから商品が購入できる機能などをテストしている。よりエンターテインメント性の高いショッピング体験、スムーズな購入体験を提供するために機能強化を進めていくという

コマース関連機能を強化しているInstagram
コマース関連機能を強化しているInstagram

シームレスな買い物体験を実現する「ショッピング機能」

Instagramが2018年に国内で導入したショッピング機能は、投稿に写っている商品に値段などのタグを付け、アプリ内で商品詳細ページを表示、さらに外部のECサイトに送客することを可能にした。この機能によって、「商品が気になった利用者はタグをタップして商品詳細を閲覧、そこからECサイトにシームレスに遷移して購入までできるようになりました」(丸山氏)

丸山氏によると、このようなショッピングタグが付いている投稿から商品詳細を見る日本の利用者の割合は、グローバルに比べて3倍も高いという。

また、ショッピングタグが付いている投稿などから商品詳細を見た2020年の国内利用者の割合は、前年比で65%も増えており、Instagram上で商品やブランドとの出会いを楽しみ、ショッピングを体験している利用者がすでに多くいることが見てとれる。

通常のフィード投稿とショッピング機能を利用した投稿
通常のフィード投稿とショッピング機能を利用した投稿

無料でオンラインショップを開設できる「ショップ機能」

InstagramやFacebookなどでオンラインショップを無料で公開できる機能「Facebookショップ」を国内導入したのは2020年6月。FacebookやInstagramなどのファミリーアプリ上で単一のショップを開設し、ブランドイメージに適した雰囲気などへのカスタマイズができるのが特徴だ。

従前の「Facebookページショップ」「Instagramショッピング機能」では、プラットフォームごとにユーザーインターフェイス(UI)が異なるため、事業者は別々に運用する必要があり、利用者から見たブランドイメージも統一しにくいといった課題があった。

しかし、この機能の実装で、事業者は「コマースマネージャ」でショップを一括管理することが可能になったため、運用上の負担を軽減できるようになる。

Instagaram Facebook プラットフォームに関わらず、一元管理できる
プラットフォームに関わらず、一元管理できる

また、テーマに合わせて商品を分類して表示することができる「コレクション」を使って商品をわかりやすく表示したり、UIの色を変更するなどのカスタマイズもできるため、事業者の世界観をより表現しやすくなった。

ショップは全画面で表示されるため、没入感が高く、より多面的にブランドの世界観を表現しやすくなりました。(丸山氏)

Instagram コレクションでテーマに合わせて自社の商品をまとめることができるようになった
コレクションでテーマに合わせて自社の商品をまとめることができるようになった

ショップ機能を利用する方法

Facebookページショップ、Instagramショッピング機能をすでに利用している事業者は、自動的に新しいショップ機能へ移管される。該当する事業者はアプリ内通知・メールでお知らせが届くという。

ただ、Facebookページショップ、Instagramショッピング機能を利用していない場合は、申請利用を行ってから移行を待ってほしいとしている。

Instagramのショップ機能を利用する方法
ショップ機能を利用する方法

「Instagramショップ」で利用者と商品の出会いを促進

Instagramにおけるショッピング体験をさらに充実させるため7月にリリースされた新機能「Instagramショップ」は、ショッピングタグを使っている投稿やブランド、「ショップ機能」で作った「コレクション」が、利用者ごとにパーソナライズされて表示される。

当初は発見タブからアクセスできる機能だったが、10月にはアプリ画面のデザインを一部変更し、Instagramショップ専用のタブを設置。利用者が自分の好みに合ったブランド、商品をウィンドーショッピングのように閲覧することを可能にする。丸山氏は、「ビジネスにとっては新たな顧客にリーチできる場所が増えた」と言う。

7月末にリリースされたInstagramショップ
7月末にリリースされたInstagramショップ

アプローチできるオーディエンスを広げる方法

InstagramなどSNSをビジネスに活用する場合、フォロワー集めに傾注してしまうケースがある。だが、フォロワーだけへのアプローチには限界があり、商圏が狭まってしまう。そこで、丸山氏が勧めるのが広告を活用し、ターゲットとなるオーディエンスを広げる方法だ。

たとえば、F1層をターゲットとするビジネスの場合、10万人のフォロワーを獲得しても、それは人口の約1%程度。インフルエンサーを活用しても、その人が持つフォロワーのうち、F1層がどれだけいるのかによって限定的なリーチになってしまう懸念もあります。こうした課題を解決するのが広告の活用です。本来ターゲットとする利用者へ確実にリーチすることが可能になります。(丸山氏)

Instagramは本来ターゲットとしたい利用者へアプローチできる
Instagramは本来ターゲットとしたい利用者へアプローチできる

InstagramではFacebook社が保有するビッグデータを活用。利用者のアクションデータ、クリック率やコンバージョン率などのアクションデータから、利用者ごとに最適な広告をパーソナライズして配信している。そのため、「Instagram内外での利用者の情報の量や質を上げていくことが、見込み客への広告配信の精度向上につながります」(丸山氏)

Instagram広告の配信の仕組み
Instagram広告の配信の仕組み

Eコマース事業者が広告を出稿する場合、新商品ローンチやセール期間など、一定期間のキャンペーンを通じてリーチやブランド認知を目的としたもの、もしくは売り上げや購入意欲の醸成を狙うために恒常的に広告を掲載する場合に大別される。丸山氏は、これら異なる目的の広告を使い分けることが重要だと強調する。

Instagram広告の使い分けについて
Instagram広告の使い分けについて

広告メディアとしてのInstagramも変化を続けている。順調にコミュニティが拡大したことによりインプレッションの量が爆発的に伸び、結果として2020年のCPM(インプレッション単価)は2017年と比べると4割も減少している。圧倒的な在庫増によって、「非常に安価に広告の掲載が可能となっています」(丸山氏)

これから広告を始める、注力するといった事業者に向けて丸山氏が強調するのが、「KPIに合わせた正しいキャンペーン設定をする」ということ。

Instagram広告は、リーチ、ブランド認知度、動画再生数など目的に合わせて配信を行うことが可能。たとえば、「動画再生数」や「長時間の動画再生」の最適化を目的とした場合、同じ金額を投じてもリーチできるオーディエンスが小さくなります。リーチの最大化を目的とする場合は、リーチ目的を選択することで、CPMやリーチ単価を抑えることができます。(丸山氏)

広告の目的によって配信結果が変わる
広告の目的によって配信結果が変わる

現在、新型コロナウイルス感染症拡大によって急速に拡大するEコマース市場。こうした状況を踏まえ、丸山氏は「Instagramは今後もコマース関連機能の拡充に注力し、さらに進化を続けていきます。それらの機能に加えて広告を活用することで、自社のビジネス成長にInstagramを役立てていただきたい」と呼びかけた。

吉野 巨人
吉野 巨人

「うちの商品は美味しいから」じゃ売れない。食品ECはどうすれば成功するのか?【ネッ担まとめ】 | ネットショップ担当者が 知っておくべきニュースのまとめ

5 years 1ヶ月 ago
ネットショップ担当者が読んでおくべき2021年1月11日〜17日のニュース
ネッ担まとめ

お店で提供するのと違い、通販では食べるユーザーの気持ちも違いますよね。これから食品ECを始めるなら、まずはネット通販の勉強をすることが必要です。

食品ECの肝は送料。箱にこだわって常温配送できる商品開発を

緊急事態宣言で困った飲食店へネット通販を新たな収益源に 食品EC成功の秘訣をコマースメディアに聞く | ECzine
https://eczine.jp/article/detail/8695

まとめると、

  • 商品に自信があるからECでも売れると思ったら間違い。「ECで売れるものは何か」を考えるところから始める必要がある
  • 食品ECが他ジャンルに比べて難しいのは利益を残すこと。常温配送ができない場合が多く、価格が上げづらいことにくわえ、日本は「送料無料」の概念が強いため
  • 食品ECのメリットはリピーターが増えていくこと。リピーターが増えていくとしっかり利益が残る。売上だけを見たアドバイスやコンサルティングには注意

知り合いの飲食店の方に話を聞いてみると、消費者としてECで購入した経験がないという人もいます。でも、リアルなお店を始める際には、競合店など参考になるお店は絶対に食べにいっているはず。これをネットでもやっていただくと、世界が変わると思います。他のお店の商品を買ってみましょう。実際に買ってみると、リピートしたくなる商品がどういうものかわかるはず。システムや集客の話はその後です。
─コマースメディア株式会社 ECコンサルタント マネージャ  石田直也氏

2度目の緊急事態宣言で困っている飲食店の皆さんはネットを活用しようとされていますよね。しかし、食品のECはそう簡単ではありません。ECに慣れていないために思わぬところ費用が掛かったりトラブルになったりします。また、送料無料に慣れたユーザーが多いのでここをどうするのか考えないといけません。売上だけを見ずに利益までちゃんと考えてから始めましょう。

フードデリバリー業界がじわっと激戦に

出前館と千葉市が連携、市内の送料無料に 緊急事態宣言受け外出自粛促す | ITmedia NEWS
https://www.itmedia.co.jp/news/articles/2101/08/news106.html

出前館が3万円プレゼント、自転車の車両準備をサポートする「個人業務委託応援キャンペーン」 | BCN+R
https://www.bcnretail.com/market/detail/20210114_208954.html

「ウーバーイーツ」外国人配達員の不法残留、相次ぎ発覚 「日本が好きで、残っていたかった」 | ハフポスト
https://www.huffingtonpost.jp/entry/story_jp_5ffbb59ec5b691806c4a48c9

「配達ゼロでも時給1150円」北欧系デリバリーが配達員に気前よくカネを払う理由 「最悪の環境」で生き残るための秘策 | PRESIDENT Online
https://president.jp/articles/-/41899

まとめると、

  • 出前館は1月8日、千葉県千葉市と連携し、期間限定で商品の配送料を無料にする取り組みを開始した。「個人業務委託応援キャンペーン」で3万円プレゼントも
  • Uber EATSでは外国人配達員の不法残留が相次いで発覚しており、在留資格のチェック強化に乗り出した
  • フィンランド発祥のフードデリバリー「ウォルト」は、配達員が事前に稼働時間を登録すれば最低報酬を得られる「最低賃金保証制度」を導入している

「大きな費用をかけたマーケティングを行わなくても、口コミや紹介で来てくれる人が多い。ウォルトで働くことに満足度が高いからだ。報酬も大事だが、加えて柔軟に働ける選択肢があることが重要で、フェアな報酬体系とのバランスを取っている。北欧の企業として、サステナブルな経営をしていきたい」
https://president.jp/articles/-/41899?page=3

食品ECに関連してフードデリバリー業界の動きをまとめておきます。出前館は勢いに乗ってどんどん広げていきたいようですが、配達員の確保に苦しんでいるようにも見えます。Uber EATSは以前からあったよう配送員のトラブルも多く、飲食店と配達員のトラブルも発生しているようです。第三勢力として出てきたのは「ウォルト」。北欧らしくサステナブルの考えで配達員にも手厚いです。

まだまだ拡大期のフードデリバリー業界なので、トラブルがありながらも広げていくのか、着実にファンを増やして足場を固めていくのか。各社の動きが気になりますね。

海外製なので苦手なこともあります

「Shopify」を日本マーケットで使うには集客が弱い!集客面で押さえておくべき「できること」「できないこと」 | ネットショップ担当者フォーラム
https://netshop.impress.co.jp/node/8335

まとめると、

  • Shopifyの弱点は、日本ならではの集客方法に弱い、代理店向けの機能がない、タグの埋め込みが面倒……の3つ
  • 反対に得意なのはGoogleやSNSとの連携、SNSを使った集客、販促アプリ
  • おすすめの販促アプリは友達紹介マーケティングの「Letters」、買い合わせ商品販促の「Frequently Bought Together」など

私もちょっとだけShopifyを使ったことがあります。記事と同じく、日本の商習慣に合っていないところが多いけど、売れるための機能はたくさんあるといった感じです。自分たちが今までやっていたことをそのままやろうとすると大変なので、Shopifyが得意なところで売っていくのはどうするかを考えた方が良いでしょう。そのうちに日本向けの便利なアプリが出てくるはずです。

EC全般

「b8ta」日本上陸から5か月。日本市場における「体験型店舗」の可能性とは? | ネットショップ担当者フォーラム
https://netshop.impress.co.jp/node/8318

コロナが完全に逆風になってしまったb8ta。店頭の販売員が接客時に取得した会話データがフィードバックされるなど便利なサービスがあります。

BASE、noteと資本業務提携 BASE管理画面からnoteへの記事投稿など相互導線設置へ | ECzine
https://eczine.jp/news/detail/8740

お手軽なECとメディア化サービスがくっつきました。人が集まれば物が売れるということでしょう。

モール依存から自社EC売上比率5割のカギは「ブランディング」。家具EC「LOWYA」の自社ECシフト&SNS活用などの大改革事例 | ネットショップ担当者フォーラム
https://netshop.impress.co.jp/node/8303

「理想的な販売価格で商品を提供するには、ブランド構築をやらなければならなかった」。まさにこれ。

【業界最安へ】ヤフー、「PayPayフリマ」の販売手数料を10%から5%に値下げ | 日本ネット経済新聞
https://netkeizai.com/articles/detail/2740

ヤフーお得意の値下げが始まりまって体力勝負です。

「Google 無料リスティング」に表示されない「拡張リスティングの不承認」問題について | EC Booster ラボ
https://lab.ecbooster.jp/google-free-product-listings-disapproved/

ここまで気にしている人は少ないかも? GoogleはECに力を入れているので流れに追いついておきましょう。

【2021年最新版】ECサイト構築ショッピングカートASPの比較 | Mobile First Marketing Labo
https://www.aiship.jp/knowhow/archives/32863

ECを始めたい人にわかりやすいポジションマップが載っています。

今週の名言

すてきだなと思う言葉にたくさん触れてくださいね!

言葉選びの勉強法 | アパレル販売員・高山のブログ
https://shopstaff-misuzutakayama.hatenablog.com/entry/2021/01/13/220859

何気ない会話を気にすることで「すてきな言葉」に気づけるようになります。気になったものはメモしておけば接客時や商品説明文に使えるようになってきます。

森野 誠之
森野 誠之

アリババが中国市場への参入検討企業などに向けた「天猫国際」攻略のグローバルウェビナー【1/19~21開催】

5 years 1ヶ月 ago

アリババは1月19日から21日の3日間、中国EC市場に参入を検討しているメーカーや小売事業者などに向けたグローバルウェビナー「2021 Tmall Global New Seller Summit」を開催する。

「2021 Tmall Global New Seller Summit」はこちら

「2021 Tmall Global New Seller Summit」では3日間、「Tmall Global(天猫国際)」を通じて7億人以上の中国人消費者にアプローチするための方法、ソリューションなどを紹介する。

1月19日には、「天猫国際事業部」社長、プラットフォームやマーケティング、海外事業、アジア事業といった責任者のセッション用意。日本時間午前11時~午前12時30分(日本時間)にライブ配信する。

1月19日に配信するライブセッションの内容は次の通り。

  1. キーノート-天猫国際輸入戦略方針
    (天猫輸出入事業群 事業責任者 刘鹏氏)
  2. 中国で勝ち抜く! 2つの核心要素について
    (天猫国際ゼネラルマネージャー 刘一曼氏)
  3. 中国市場への参入方法
    (天猫輸出入事業群  海外マーケット責任者 董臻贞氏)
  4. 中国でのブランド構築・ファン獲得について
    (天猫国際マーケティング ゼネラルマネージャー  陈赐靓氏)
  5. 高い需要の日本ブランドと輸入商品の展示場としての天猫国際
    (天猫輸出入事業群  アジアマーケット責任者  趙 戈氏)

1月19日~21日終日(午前10時~午後7時)には、日本地域専用のカテゴリーブースを用意。事業開発担当が「天猫国際」への参加方法について相談を受ける。

イベント概要

瀧川 正実
瀧川 正実

無印良品が家具専門の月額定額制サブスクリプションEC

5 years 1ヶ月 ago

「無印良品」を展開する良品計画は1月15日から、ベッド、デスク、チェア、収納用品など、「無印良品」の家具を月額定額制で利用できるサブスクリプションサービスを日本国内182店舗で開始した。

「無印良品」のベッド、デスク、チェア、収納家具など、シンプルで汎用性が高く、パーツ交換やメンテナンスができる商品を選定。大きな初期費用を支払うことなく、手頃な月額定額料金で利用できるようにした。

「無印良品」を展開する良品計画は、ベッド、デスク、チェア、収納用品など、「無印良品」の家具を月額定額制で利用できるサブスクリプションサービスを日本国内182店舗で開始
「無印良品」のサブスクECについて

年単位の契約で、1年・2年・3年・4年のプランを用意。選択したプランの期間が満了した際、「解約・返却」「契約延長」を選択するか、希望する顧客は買い取り料金を払えば、そのまま利用できる。

契約終了後に返却された家具は廃棄せず、パーツ交換やメンテナンスを施し、月額定額サービスに再利用、中古品として販売することなどを予定。循環させてゴミを減らす活動につなげていく。

利用料金はラウンドチェア(ラウンドチェア・オーク材)の場合、4年契約時の月額定額料金は300円(税込)。一般販売価格は1万4900円。

「無印良品」を展開する良品計画は、ベッド、デスク、チェア、収納用品など、「無印良品」の家具を月額定額制で利用できるサブスクリプションサービスを日本国内182店舗で開始
サブスクECで展開する商品

良品計画は2020年7月から約3か月間、「無印良品」と「IDÉE」の家具・インテリア用品を6種のセットで利用できる月額定額サービスを期間限定で実施。その結果、「セットではなく単品でのサービスが欲しい」という意見を受け、必要なモノを必要な「量」と「期間」、購入ではなく「利用」できる月額定額サービスを、家具単品を対象に新たに開始した。

案内店舗は2020年の7店舗から182店舗へ拡大。「買ってもよし、借りてもよし」という選択肢を用意することで、1人ひとりの顧客の暮らしに適した家具の選び方を提案していく。

石居 岳
石居 岳

データドリブンで洋服を作るD2Cブランド「seven dot」。データを生かす重要性を学んだコロナ禍のクラファン活用

5 years 1ヶ月 ago
オリジナルD2Cファッションブランド「seven dot」は、新商品発売に合わせクラウドファンディングを実施。コロナの影響を受け発売時期がずれ込んだが、目標金額を達成し終了した。見えてきた次の一手とは?

プロトタイプ開発支援サービス「protoTyper」を通じて企業のDX(デジタルトランスフォーメーション)を支援するGood Thingsは、得意としている「データ分析」をファッション領域でも生かし、オリジナルD2Cファッションブランド「seven dot」を展開している。

2020年10月14日から2か月間、クラウドファンディングを利用した新商品のプロモーションを展開。コロナ禍での取り組みとあり、発売時期がずれ込むなどのトラブルに見舞われたが、支援金15万円を集め目標金額をクリアした。新興D2Cブランドの挑戦と、クラウドファンディングの実施で見えてきたこととは。

「数字」を生かした洋服作り

「seven dot」は、運営元のGood Thingsが企業のDX支援などで培ってきたデジタルマーケティングの知見を生かし、データに基づいた商品開発を行うファッションブランド。自社で所有するあらゆるマーケティングデータから、消費者が必要とするサイズ、機能性を分析している。

また、SNSから収集したデータやトレンドから、商品ごとにPRに適したインフルエンサーを選定。他にも、商品構成、試作、価格設定まで、ビジネスに関わるすべての部分においてデータドリブンで行っている

GoodTnigs seven dot D2C アパレル データドリブン kimawashi1週間コーデ
「seven dot」内コンテンツの1つ「KIMAWASHI1週間コーデ」。ブランドは、「7日間に彩りをプラスする」をコンセプトにし、オンオフ問わずあらゆるシーンで着用できる洋服を作っている(画像は「seven dot」よりキャプチャ)

商品作りにおいては、他社商品の分析やユーザーの意見を生かし、着丈や身幅など商品の主要部分のサイズを決める。その後、各商品のデザインに合わせて着丈など部分的に長さを変更。こうすることでサンプル作成の回数を減らし、コスト削減につなげられるのだという。

「サンプルはなくてはならない物だが、複数作ればそれだけ環境に負荷がかかる。可能な限り回数を減らすことで、サスティナブルにもつながる」と、Good Thingsの寶諸江理奈代表は話す。

顧客が返品を希望する際には必ず返品理由を確認、それらの“生の声”も商品開発に生かす。

以前販売したトップスで、「中にニットを着られる」というコーディネート提案を行った。しかしユーザーからは「商品単体では着られるが、中にニットを着ると腕周りがきつくなる」という声があった。(寶諸氏)

「洋服作りの際は、単品だけでなく、他の商品との組み合わせも意識することが必要だと学ぶ良い機会になった」と寶諸氏は振り返る。

インフルエンサーとのコラボ商品で認知拡大を狙う

ブランド認知を広げるため、「seven dot」はインフルエンサーとのコラボレーションに注力している。ここでもコラボを希望するインフルエンサーが、日頃自身のSNSで紹介している商品の価格帯やファンの傾向などを分析。インフルエンサーのファンに人気がありそうな商品、良い反応が得られそうな商品作りのヒントにしているという。

人気ブロガーのYOKO氏とコラボしオールインワンを作った際には、「seven dot」のInstagramでアンケートを実施。ストーリー機能を活用し、自身のファンに「コラボ商品で欲しい色」について質問した。その結果、当初はキャメルのみ販売予定だったが、ブラックの人気が高かったことを受け、2色とも商品化に至ったという。

GoodTnigs seven dot D2C アパレル データドリブン インフルエンサーコラボ ブロガーYOKO氏
人気ブロガーYOKO氏とのコラボ商品(画像は「seven dot」ECサイトよりキャプチャ)

インフルエンサーとコラボする強みは、自社の施策による認知拡大や商品購入だけではないと寶諸氏は言う。たとえば、SNS用の写真撮影や拡散。インフルエンサーとコラボすることで、インフルエンサー自身がモデルとなり撮影、それらの写真はすぐにSNSを通じてファンに提供される。またインフルエンサーの協力を得ることで、自社だけでは固定しがちなアイデア面でも、外部の新たな視点を取り入れることができるという。

クラウドファンディングで、「透けにくい」Tシャツを販売

D2Cブランドとして、顧客との直接的な接点作りを強化するために取り組んだ直近の施策は、クラウドファンディングだ。「下に着ている服が透けてしまう」という既製品の課題を解決するために開発した白いTシャツ「SHIRO」を2020年10月14日から2か月間、クラウドファンディングサービス「Makuake」で展開した。「SHIRO」は、厚手の生地を使用することで、黒インナーでも透けにくいという商品だ。

GoodTnigs seven dot D2C アパレル データドリブン クラウドファンディング SHIRO 透けにくい白Tシャツ
クラウドファンディングで展開した商品「SHIRO」(画像は「Makuake」よりキャプチャ)

「商品が良ければ売れるわけじゃない」と痛感

2020年10月からクラウドファンディングをスタートしたが、新型コロナウイルス感染症拡大により、さまざまな課題とも向き合った。

たとえば掲載時期。掲載したTシャツは夏向け商材。そのため、クラウドファンディングのLPでは写真素材、テキスト素材とも夏向けで構成していた。だが、クラウドファンディングでのスタートは、10月にずれ込んだ。課題解決型の商品であることから顧客ニーズは高いと踏んだが、季節要因が影響し初動が伸び悩んだ。

「クラウドファンディングを実際する際は、事前準備が重要。掲載が遅れたことで、既存ユーザーを巻き込む準備が足りないままでのスタートとなってしまった」(寶諸氏)。

最終的に支援金額は15万円を超え、予定していた目標金額を上回ったが、「良い商品であれば時期に左右されず売れるわけではないと思った」と寶諸氏は話す。

その上で、「戦略的に広告やPRを展開することで新規ユーザーが付いてくる」ことも改めて感じたという。

また今回は韓国企業に製造を依頼したことから、「海外企業とのやりとりに関しても学んだ点がある」と寶諸氏。その1つがスケジュール感だ。今回は、コロナの影響により航空便が減ってしまい、サンプルのやりとりに非常に時間がかかった。得た気づきを次回以降の商品開発に生かしていく考えだ。

「共創協業」マインドを持つ企業とコラボしていきたい

今後の取り組みについて寶諸氏は、「他企業とのコラボを積極的に行っていきたい」と話す。その際、重視しているのが「ブランドの世界観が近いこと」と「共創協業」のマインドを持っていること。世界観が近い他社とタッグを組み、両社が保有するデータを共有できれば、商品開発はもちろん、共に成長を目指していけるのではという思いがある。

D2Cのビジネスモデルを取り入れる新興企業が増えているが、1つひとつの会社・ブランドの規模はまだそこまで大きくはない。小規模の企業では取り組める施策に限りがあるので、自社だけで取り組むのではなくできれば協業していきたい。協業することで、自社だけでは気づけなかったことに気づく良い機会になる。また、そこで得た経験やノウハウを積み重ねることで、企業のDX支援など、当社の他の事業にも生かせるはずだ。(寶諸氏)

GoodTnigs seven dot D2C アパレル データドリブン 他企業コラボ ルームシューズ Bina
すでに他企業コラボは取り組みが始まっている。ルームシューズブランド「Bina」とのコラボで誕生した商品は、2020年12月25日より発売開始(画像は「seven dot」の商品ページよりキャプチャ)
公文 紫都
藤田遥
公文 紫都, 藤田遥

サブスクリプション(定額制)で音楽を聴く人が増えた理由は何か | 『2025年、人は「買い物」をしなくなる』ダイジェスト

5 years 1ヶ月 ago
『2025年、人は「買い物」をしなくなる 次の10年を変えるデジタルシェルフの衝撃 次の10年を変えるデジタルシェルフの衝撃』(望月智之 著/クロスメディア・パブリッシング 刊)ダイジェスト(第5回)

近年、さまざまな業界で採用され始めている「サブスクリプション」。このサブスクリプションのビジネスモデルも、ある意味で「買い物プロセスの省略」から生まれたサービスといえる。サブスクリプションとは、製品やサービスを定額で一定期間使用(利用)できるビジネスモデルのことだ。日本語では「定額制」や、略称の「サブスク」などと呼ばれることもある。

日本でこの言葉を一般消費者に広めたのは、音楽配信サービスだろう。2016年に日本市場に参入してきた「Spotify(スポティファイ)」、サイバーエージェントとエイベックスが手掛ける「AWA(アワ)」、ほかにも「Amazon Music Unlimited」や「Apple Music」、「LINE MUSIC」など、さまざまなサービスが展開されている。それぞれ聴けるアーティストや曲数などの差はあるが、「定額で音楽が聴き放題になる」という点では共通している。

音楽のサブスクのイメージ

音楽のサブスクが始まる以前は、CDショップやレンタルショップといった店舗が、消費者と音楽を結ぶ存在だった。しかし、そうした店舗での購入やレンタルは、われわれにとって不便と感じられることも多かったのだ。

CDを買うのにも、借りるのにも、まず店舗に行かないといけない。店舗でCDを見つけたら、それをレジに持って行き精算をする。買い物が終わってからも面倒なプロセスが多い。CDプレーヤーにCDをセットする。CDラックの整頓をする。レンタルであれば、店舗への返却も絶対に忘れてはいけない。

CDとサブスクの間の過渡期ともいうべき時期には、1曲単位でパソコンやスマートフォンにダウンロードする音楽配信も始まった。CDを買ったり借りたりするのと比べてプロセスは大幅に省略されたが、曲ごとに決済するプロセスはまだ残っていた。サブスクは、定額制にすることでそのプロセスを排除し、

たくさん音楽を聴きたい。

音楽をかけっぱなしにしておきたい。

曲ごとにいちいち決済するのが面倒くさい。

といった人たちを取り込むことに成功した。アカウントを作成し、クレジットカード情報などを登録しておくだけで、あとはいつでも、いろいろなデバイスから音楽を再生することができる

1990年代に日本の音楽CD市場は黄金期を迎え、その後、「CDが売れない時代」へと突入した。一部の人たちからは、「日本のアーティストがいい曲をつくらなくなったからだ」と批判する声が上がることもあるが、いわゆるCD不況は日本だけでなく世界中で起こっていることであり、原因は別のところにあったと考えたほうが自然だろう。

その原因こそ、先ほどからたびたび触れている「買い物のわずらわしさ」なのだ。

サブスクは、「買い物のストレス」から音楽ファンを解放した。買い物のわずらしさのために音楽を聴かなくなっていた人たちを、音楽に振り向かせたという功績も大きい。

アーティスト側からは当初、サブスクのサービスに楽曲を提供することに拒否反応もあった。自分がつくった曲は、「聴き放題」で聴かれるよりも、「曲を買った人」に聴いてもらいたい。アーティストでなくても、その気持ちは十分理解できるところだ。現にサブスクのサービスが始まったばかりの頃は、人気アーティストの楽曲が少なく、利用者としてはがっかりすることも多かった。

しかし、サブスクが浸透する流れの中で、大物アーティストらも続々とサブスクでの配信を解禁しているのだ。時代の流れには抗えないのだろう。

世の中のあらゆるものが「サブスク化」される

音楽以外のサブスクでは、「Netflix」や「Hulu(フールー)」、「Amazon Prime」などの動画配信サービスが活況を呈している。これも先ほどの音楽CDと同様、ユーザーは毎月定額料金を払うことにより、動画配信会社が提供する映画やドラマなどの映像作品を制限なく楽しめるようになっている。

最近は、こうした動画配信会社がオリジナル作品の制作も手掛けているが、その予算も年々膨らんでいる。オリジナル作品というと、低予算のものをイメージする人も多いかもしれないが、大物俳優が起用されたり、スケールの大きなSF作品がつくられたりもしているのだ。

「Netflix」はオリジナル作品の制作にとりわけ積極的で、2019年のオリジナル番組予算は実に150億ドル(約1.6兆円)にまで拡大しているのだ。同社の攻勢は既存の映画業界関係者たちも無視できなくなっており、スティーブン・スピルバーグ監督が「Netflixの作品をアカデミー賞から除外すべきだ」と意見表明するほどだ。

サブスクリプションサービスのイメージ

この“サブスクブーム”は、音楽や映画のコンテンツ配信のみならず、ほかの商品・サービスにも広がっている。

雑誌や漫画のサブスク。自動車やバイクのサブスク。洋服・子ども服・クリーニング・家具のサブスク。ウォーターサーバーやコーヒーサーバーのサブスクなどを利用している企業も多い。ラーメン屋や居酒屋などの飲食店まで、最近は定額食べ放題・飲み放題というサービスも始めている。いまや、探せばどんなジャンルでもサブスクサービスに当たるほどなのだ。

サブスクのメリットは、「好きなものをどれだけ使っても料金は一定である」という点だ。中には買い取り形式のものや、回数制限のあるサービスもあるが、1回ごとに商品の値札を見て、財布と相談する必要はない

サブスクが省略している買い物プロセスとしては、店舗への移動・決済・商品の包装・受け渡しなどが挙げられる。また、「選ぶ」についても、長い時間をかけて検討することはあまりない。いろいろなものを実際に使ったり、食べたり、試したりすることができ、また多くの場合は解約も簡単なので、たとえ商品選びに失敗しても、それほど痛手ではないだろう。

今、われわれが「わずらわしい」と感じることをいくつも省略しているサブスクリプションサービスは、ますます広がっていくものと考えられる。

サブスクで利用メリットが大きいものの「ある共通点」とは?

サブスクのメリットは、商品やサービスの価格が高いものほど感じやすいといえる。

たとえば自動車。今の若い人たちにとって、車は手の届きにくい高額商品の筆頭だ。地方に住んでいて、「車がないと暮らせない」という人以外、自動車を買う若者は少なくなっている。

そんな中、トヨタや中古車販売のガリバーなどは、サブスクで自動車を貸し出すサービスを開始している。新車価格で500万円ほどの車種が月々10万円以下で、200万円弱の車種なら4万円程度で乗れるだけでなく、税金や保険料も節約できるので、購入に比べて大幅に費用が圧縮される。

もちろん、これでも「高い」と感じる人もいるだろうし、「ずっと乗るなら買ったほうが安い」という意見もあるだろう。

ただ、「まとまったお金が貯まるまで時間がかかる」「子どもの成長に合わせて車を乗り換えていきたい」「買えば高額な新車に乗ってプライベートを楽しみたい」といった人には、経済的なメリットの大きいサービスなのである。

ファッションのサブスクのイメージ

女性の場合、ファッションにいちばんお金をかけているという人も多い。ただ、平均的な給与では、好きな服を好きなだけ買うということは叶わない。ブランド品も特別な買い物だろう。

そこでサブスクの出番である。定額で洋服が借り放題になるサブスクは、すでにいくつかある。自分では買い揃えられないほど多くの洋服を着ることができ、家で洗濯をしたり、服をクリーニングに出したりする必要もないのだ。月々1万円程度の利用料なら、毎月の洋服代より安く済むかもしれない。

シャネルやグッチ、エルメスなど、ブランド品のバッグを貸し出すサービスも現れた。「ラクサス」というサブスクのサービスでは、月額6800円でブランドバッグが使い放題になる。この金額で好きなブランドのバッグを使い回せるのは、ブランド好きな人にはかなりお得かもしれない。ラクサスがサービスを開始したのは2015年だが、会員数はすでに30万人を超えているというから、いかにこのサービスが浸透しているのかがわかる。あなたの職場にユーザーがいてもおかしくないだろう。

勘のいい人は、すでにお気づきかもしれない。

サブスクとレンタルが、とてもよく似ているということに。

自動車のサブスクは、毎月決まった料金を払えば、自分の好みの車に乗ることができる。ただしこれは、呼び方を変えればカーリースやレンタカーと変わらない。契約内容で細かな違いはあれど、その車は結局「自分の所有物」ではないのだ。

サブスクの中には、返却の必要のないもの(買い取り形式のサブスク、飲食のサブスクなど)もあるが、サブスクの存在理由の1つは、「所有するにはお金がかかるものを、手頃な価格で借りられること」なので、「サブスクといえば借りるもの」と認識する人も増えている。

実際、サブスクとレンタルの境界線はあいまいになってきている。サブスクを利用するかどうかの選択は、「所有するか、所有せずに借りるか」と同義になりつつあるということなのだ。

そして今、その「所有」の概念が大きく変わりつつある。

この記事は『2025年、人は「買い物」をしなくなる 次の10年を変えるデジタルシェルフの衝撃』(望月智之 著/クロスメディア・パブリッシング 刊)の一部を特別に公開しているものです。

2025年、人は「買い物」をしなくなる

2025年、人は「買い物」をしなくなる
次の10年を変えるデジタルシェルフの衝撃

望月智之 著
クロスメディア・パブリッシング 刊
価格 1,480円+税

デジタル先進国である米国、中国を定期的に訪れ、最前線の情報を収集している筆者が、近い未来の消費行動や求められるECのあり方を予測する。

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望月 智之
望月 智之

法人営業・取引のDX化で業績向上をめざす!業務の効率化を実現する成功方法とは

5 years 1ヶ月 ago
コロナ禍以降、法人営業の現場でも求められている「ニューノーマル」。オンライン商談ツールやBtoBサイトの利用で非対面営業を進めようとしても、客先の利用が進まないなど課題も多い。営業現場のデジタル化促進と業績向上につなげるポイントを解説する
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コロナ禍以降、多くの企業の法人営業部門が非対面営業を推し進めている。オンラインツールを活用した営業が増えているものの、営業担当者と客先とのコミュニケーション不足、オフライン作業から脱却できない営業プロセスなど、さまざまな場面で課題が見えてきている。サイト構築やデジタルマーケティング事業などを展開し、約20年間で1300サイト超の支援実績を持つecbeingの富永成幸氏(Eビジネス営業本部/常務執行役員)が、法人営業のデジタル化を推進し、業績向上につなげるポイントについて解説する。(写真◎Lab)

コロナ禍以降、求められる法人営業の変革

コロナ禍における「ニューノーマル」によって、生活様式だけでなく、企業の働き方や事業にも急速な変化が求められた。業務の中でも、特に企業を悩ませているのが法人営業だ。従来は直接訪問することが一般的だったが、非対面営業へとシフトチェンジしなければならないなど、BtoBの購買・営業行為の変革は多くの企業にとって急務の課題となっている。

ecbeing Webセールス・オフィス 法人営業 DX化 働き方変革 新型コロナが法人営業にもたらした影響
新型コロナが法人営業にもたらした影響

しかし、製造業では実に6割以上が「購買・営業活動のオンライン化に関心がある」と回答したほどオンライン化が進んでおらず、日々発生する購買・受注業務でFAXを使用しているために出社せざるを得ない「FAX社員」がいまだに多く存在しているのが現状だ。

進まないオンライン化で売り手・買い手双方の業務に影響

販促や引き合い獲得、在庫・納期の問い合わせなど、オンライン化が進まないことによって、売り手と買い手、双方の業務に影響が生じている。

ecbeing Webセールス・オフィス 法人営業 DX化 働き方変革 オンラインシフトへの関心
製造業では6割以上がオンラインシフトに関心を持っている(n=1014)(調査実施:アペルザ)

「ニューノーマル」における企業のあるべき姿とは

「ニューノーマル」の中、企業のあるべき姿として以下が特に求められている。

  • ビジネス環境の急激な変化
  • 業務プロセスの弾力性(人と人との業務が柔軟につながる)

これらを実現するために、各社とも「業務をデジタル基盤にのせる」という考え方が加速化している。企業間の営業・購買手法も変化し、以前にも増してインターネットを利用した業務がますます増えていくと予測されているため、営業スタイルもコロナ禍の急場しのぎに限らず、対面やオフライン主軸の従来型営業から変化を続けていく可能性が十分に考えられるという

ecbeing Webセールス・オフィス 法人営業 DX化 働き方変革 Eビジネス営業本部 常務執行役員 富永成幸氏
ecbeing Eビジネス営業本部/常務執行役員の富永成幸氏

BtoB向けECサイトのDX化

営業現場のDX化を促進させる3つの要因

客先に直接出向き対面で商談をしていた営業現場でデジタルトランスフォーメーション(DX)化が急速に進みつつあるが、コロナ以前から3つの大きな変化が生じていた。

  1. 購買行動の変化
    ⇒消費生活の中でも、インターネットを通じた購買行動が当たり前になっている。
  2. 労働人口の減少
    ⇒少子化に伴い人材が不足し、働き方改革によって一層の作業効率化が求められている。
  3. 間接資材のネット販売の台頭
    ⇒豊富な品ぞろえと潤沢な在庫を保有し、短納期が可能な間接資材通販大手が台頭している。

そこにコロナ禍が拍車をかけるように、営業現場のDX化を一気に推し進めようとする動きが活発化しているものの、以下の通り、多岐にわたって従来型営業活動の阻害要因が発生しているのも事実だ。

DX化の阻害要因となる従来型営業活動

  • 既存顧客のフォロー
  • 見込み顧客の発掘
  • 商談機会の創出
  • クロージング、契約
  • アップセル、クロスセル
  • 顧客のロイヤル化

オンライン商談ツールの活用で見えた課題

コロナ禍以降、オンライン会議ツールやウェビナー、ECなどの活用は急拡大した。営業現場においても営業担当者が直接客先を訪問する必要がないよう、オンライン商談システムの活用も主流となりつつあるが、その課題も見え始めている。

ecbeing Webセールス・オフィス 法人営業 DX化 働き方変革 オンライン商談ツールの課題
オンライン商談ツールの課題

BtoBサイトの構築だけでは営業のデジタル化にはならない

営業担当者が出張や客先訪問をできない状況下でも営業活動をストップさせないために、BtoBサイトを構築しようとする企業の動きも見られる。しかし、単にBtoBサイトを構築するだけでは従来のリアル営業がそのままデジタルの営業活動にシフトチェンジするわけではないため、クライアント側の利用が促進しにくいといったさまざまな課題が伴いがちだ。

こうした課題を解決するために、富永氏は「現行のBtoB向けECサイトのDX化」を提唱している。

ecbeingは2020年5月、営業に特化したウェブツール「WEBセールス・オフィス」の提供を開始した。客先への商品紹介や問い合わせ対応といった営業活動に、個々の営業担当者がECサイトを身近に活用できるツールとなっている。

営業プロセスでは受注に至るまでのあらゆる段階で、訪問やオフラインによるやり取りが必要となるシーンが多かったが、「WEBセールス・オフィス」は、リード獲得とアポイントから先のプロセスは完全にデジタルシフトできるツールとなっている。

ecbeing Webセールス・オフィス 法人営業 DX化 アポイントから売り上げアップ支援までワンストップで実施
「WEBセールス・オフィス」は、得意先のアポイントから受注完了、売り上げアップ支援までワンストップで行う

法人営業のデジタルシフトとDX化のポイント

「WEBセールス・オフィス」が導入企業から評価されている機能の事例を交え、法人営業のデジタルシフトとDX化のポイントについて解説する。

客先が慣れなければ利用は進まない

時間とコストをかけてBtoBのECサイトを構築しても、営業先の企業がサイトの使い方に慣れないことで利用が進まなかったり、サイト経由の注文が入らないといったケースや、結局従来通りのFAXや電話によって注文が送られてくるケースが散見されるという。

自社だけでなく客先のデジタルシフトも促進するためには、営業担当者が顧客と同じ画面を閲覧し、リモートでコミュニケーションを取りながら操作指導や代理注文をする仕組みが有効だという。

ecbeing Webセールス・オフィス 法人営業 DX化 取引先と同じ画面を閲覧
取引先と同じWeb画面を見ながらオンライン商談を行えることが特徴

営業先の企業や担当者がネットの利用に対して抵抗感を持っていても、2度、3度と同じ目線で操作説明をすると大半のクライアントは操作に慣れてくるもの。法人営業がデジタルシフトするきっかけは、まず営業先の企業が利用に慣れてくれることだ。(富永氏)

ecbeing Webセールス・オフィス 法人営業 DX化 働き方変革 Eビジネス営業本部 常務執行役員 富永成幸氏

各営業担当者から客先ごとに最適な提案

企業の本部主導で運用するBtoBサイトだけでは、営業担当者とクライアントとのコミュニケーション不足につながりかねない。従来型の営業でクライアントごとに最適な提案をしていたように、オンライン商談でも営業担当者からクライアントに対して販売したい商品の情報を直接配信して販促活動ができたり、それぞれに合った最適なコンテンツを提供していくことが重要だ。

その際、「WEBセールス・オフィス」のように、各営業担当者と、担当しているクライアントをダイレクトにつなぎ商談できる仕組みが有効となる。

デジタル営業の安全性と利便性を高めるための機能

企業の本部主導のBtoBサイトではなく、営業担当者ごとに各クライアントに対して営業活動が可能となる「WEBセールス・オフィス」では、安全性、利便性、営業先からの信頼性をより高めるために、以下の機能を備えている。

① セキュリティー対策

営業担当者が持ち歩くPCやモバイル端末から各クライアントへの営業活動が可能となるため、ワンタイムパスワードでログインする機能を搭載し、堅固なセキュリティー対策を実施。

② 名刺に代わる機能

名刺交換や直接対面をしていなくても誰が担当しているかわかるように、営業担当者の顔写真やプロフィールを確認できる画面を用意。

③ 営業活動の状況確認

リモートワークが進む中でも企業側が営業担当者の稼働管理ができるよう、各営業担当者の稼働状況やオンライン商談による注文数、注文金額をリアルタイムで把握できる管理画面を用意。

④ バーチャル応接室

クライアント側から過去の見積もり履歴や注文履歴が閲覧できるほか、営業担当者が提供してきたコンテンツやトピックス、イベント情報、商品セールス情報などが共有でき、実際の応接室のようにサイト上でコミュニケーションをとりながら営業活動ができる機能を構築。

法人営業のデジタル化が業績アップにつながる秘訣3つ

富永氏によると、法人営業のデジタル化が業績向上につながるポイントは、以下の3つにまとめられるという。

  1. 営業部門のOMOを実現し、売り手と買い手の生産性向上・業務効率化を目的とする
  2. 新サービス・商材のアピールなど、リアル展示会に代わる営業部門のデジタルプラットフォームとして活用する
  3. 「商品をサイトで売る」という概念ではなく、営業部門が主体的に活動する場となるようなサイトを構築する

日本企業は特に足で稼ぐ営業が多かったため、コロナ禍以降、「BtoBの販売・営業をどのように進めるべきか」という相談が増えているという。

単にBtoBのECサイトを構築するのではなく、デジタル化する上でもこれまでのリアル営業で蓄積したノウハウを十分に生かしていかなければならない。DX時代の法人営業は、モノを売るだけの営業から無形の価値を提供する顧客サービス事業へと転換していくことで、顧客とのエンゲージメントがより強固になるとしている。

将来的に営業職はなくなると言われているが、そうは思わない。営業担当者をどう伸ばし、どう生かすか、リアル営業をどうデジタルシフトするかが企業にとっての最大の課題だ。(富永氏)

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門谷美帆
門谷美帆

「つばめグリル」がネット通販、コロナ禍で進む飲食店のECビジネス

5 years 1ヶ月 ago

洋食レストラン「つばめグリル」を展開する、つばめは通販事業をスタートした。

冷凍食材のECサイト「フレッシュつばめ便」を1月16日に開設。新型コロナウイルス感染症拡大、ニューノーマルに対応した新たな販路として展開する。

洋食レストラン「つばめグリル」を展開する、つばめは通販事業をスタート
「つばめグリル」のTOPページ(画像は編集部がキャプチャ)

レストランでご提供しているつばめグリルこだわりの味を、出来立てのまま日本全国のご家庭にお届けしたいという想いから、試行錯誤の結果「フレッシュつばめ便」が生まれました。

EC事業スタートの背景をこう説明する「フレッシュつばめ便」では、「つばめ風ハンブルグステーキ」「ロールキャベツ」「自家製ソーセージ」「ニシンの酢漬け」などをセット販売。「つばめ風ハンブルグステーキ&北海道産かぼちゃのポタージュスープセット」が2人前で税込3200円など。

調理した料理を即冷凍し、賞味期限を90日間とすることで通販を実現。レストランと同様、全行程を自社内で行っているという。

ECサイトは「shopify」で運営している。

コロナ禍で進む飲食店のEC参入&EC強化

コロナ禍で飲食店のECビジネスへの参入が相次いでいる。

すかいらーくホールディングスは2020年、「楽天市場」「Amazon.co.jp」に出店。2021年にも自社ECサイトを立ち上げる。

withコロナ時代への対応として、従来事業の枠を超えて新たな販売チャネルの拡大に取り組む必要があると判断。新型コロナウイルス感染症拡大に伴うイエナカ消費の増加に対応する。

持ち帰り寿司店「小僧寿し」を展開する小僧寿しは7月、食品などをネットで販売するECサイト「小僧寿しEC店」をオープン。全国の名産品、こだわりの逸品、酒類などを販売している。

「俺のイタリアン」「俺のフレンチ」などの飲食店を展開している「俺の」は4月、俺のシリーズの公式ECサイト「俺のEC」を開設。「クロワッサン食パン」の販売数が、ECサイトオープンから4か月で1万本を突破している。

幸楽苑ホールディングスは2020年10月、ヤフーが運営する「PayPayモール」に「幸楽苑公式ショップ」を新規出店。「楽天市場」には2018年9月に出店しており、販路を拡大した。

 

瀧川 正実
瀧川 正実

【1/15開催の無料ウェビナー】2021年のEコマースはどうなる? ECの専門家らが今年のEC業界などを大予測

5 years 1ヶ月 ago

一般社団法人ジャパンEコマースコンサルタント協会(JECCICA)は1月15日(金)18時から、「JECCICAオンラインディスカッション 2021年Eコマース大予測はどうなってしまうのか?」をテーマにした参加費無料のウェビナーを開催する。

JECCICAオンラインディスカッション 2021年Eコマース大予測はどうなってしまうのか?

JECCICAでは毎年1月、業界の動向を予測するセミナーを実施している。今回はオンラインで開催する。登壇者は次の通り。

  • ISSUN 宮松利博社長(EC支援企業の社長)
  • ECコンサルカンパニー 江藤政親社長(20年もEC支援を手がける支援会社社長)
  • JECCICA 川連一豊代表理事(50名以上のECコンサルタントを輩出した協会のトップ)
  • team145 石郷学社長(元ECのミカタ編集長)
  • 大和総研 アジアコンサルティング部長 チーフコンサルタント 本谷知彦氏(経産省の「電子商取引実態調査」を担当)
一般社団法人ジャパンEコマースコンサルタント協会(JECCICA)は1月15日(金)18時から、「JECCICAオンラインディスカッション 2021年Eコマース大予測はどうなってしまうのか?」をテーマにした参加費無料のウェビナーを開催
JECCICA主催セミナーの登壇者

2021年の自社ECからECモール、ECオムニチャネル、デジタル戦略など幅広いテーマでディスカッション。2021年を戦い抜くためのヒントを伝える。

開催概要

  • 開催時刻:2021年1月15日(金)18時から90分
  • 主催:JECCICAジャパンeコマースコンサルタント協会
  • 参加者:JECCICA理事講師 ECショップ参加の大予測ディスカッション
  • 会場:Zoom + Facebook Liveで配信
  • ウェビナーURLhttps://us02web.zoom.us/j/82788403309
    ※Facebookイベントページでも閲覧できる(質問あり。承認後、閲覧が可能)
    https://www.facebook.com/groups/jeccicaevent
瀧川 正実
瀧川 正実

ユニクロの2021年9-11月期EC売上は48%増の367億円、ジーユー事業のECは約4割増

5 years 1ヶ月 ago

ファーストリテイリングが1月14日に発表した2020年9-11月期(第1四半期)の連結業績によると、国内ユニクロ事業におけるEC売上高は前年同期比48.3%増の367億円だった。

連結売上高は同0.6%減の6197億円。国内ユニクロ事業は同8.9%増の2538億円だった。国内ユニクロ事業に占めるEC売上高の割合は14.5%となっている。

国内ユニクロ事業は、在宅需要にマッチした商品や秋冬コア商品の販売が好調も推移。ECスタート20周年キャンペーンが奏功し、店舗、ECともに計画を上回る増収となった。EC関連の物流費は売上高増加に伴い金額ベースでは増加したものの、1件あたりの物流費は継低下しているという。

ファーストリテイリングが1月14日に発表した2020年9-11月期(第1四半期)の連結業績によると、国内ユニクロ事業におけるEC売上高は前年同期比48.3%増の367億円
国内ユニクロ事業の既存店前年同月比(画像はIR資料から編集部がキャプチャ)

ジーユー事業のEC売上高は前年同期比約4割の増収。店舗受け取りなど店舗とECのサービスを融合したO2O(Online to Offline)が好調だったことや、アプリを通じた情報発信を強化したことが奏功した。

海外ユニクロ事業のEC売上高は計画通りに推移し増収を確保。中国のダブルイレブン(W11)の売り上げはアパレルジャンルで5年連続1位、値引き販売も大幅に抑制し、利益率が大きく改善したという。

ファーストリテイリングが発表した2020年8月期(通期)連結決算では、国内ユニクロ事業のEC売上高は1000億円を突破、前期比29.3%増の1076億円だった。

ファーストリテイリングが10月15日に発表した2020年8月期連結決算によると、国内ユニクロ事業のEC売上高が1000億円を突破、前期比29.3%増の1076億円となった
国内ユニクロ事業のEC売上高推移(画像はIR資料から編集部が作成)

ジーユー事業は通期EC売上高を公表していないものの、EC売上構成比を公表しており、それによると約9%。ジーユー事業の売上高は2460億円だったため、EC売上構成比から算出したEC売上は約221億円となる。

石居 岳
石居 岳

「Shopify」を日本マーケットで使うには集客が弱い!集客面で押さえておくべき「できること」「できないこと」 | 「Shopify」でECサイトを構築・運営塾

5 years 1ヶ月 ago
「Shopify」は万能ではなく、自社ECサイト特有の課題である「集客」は自ら解決していかなければなりません。「Shopify」を使った「集客」で、“できること”“できないこと”を解説します

ECビジネスに関わって10年強になりますが、自社ECサイトの構築・運営でECプラットフォーム「Shopify」を導入する企業が増えていることが、ここ数年の大きなトピックではないでしょうか。ただ、「Shopify」は万能ではなく、自社ECサイト特有の課題である「集客」は自ら解決していかなければなりません。自社ECサイト運営の肝であり根幹でもある「集客」を、「Shopify」導入企業はどのように解決すればいいのか? 「Shopify」を使った「集客」で、“できること”“できないこと”を解説します。

押さえておくべき「Shopify」集客に関する2つのポイント

「集客」はショッピングカートの構築以上に、自社ECサイトの肝であり根幹となります。「売上≒集客」でもあり、集客の課題を放置すると、売り上げにつながらないという弊害が出てきます。新規で自社ECサイトを立ち上げても売り上げが伸びない、そして放置……。こうした企業は少なくありません。

ただ、「課題は認識している」のに「知識・情報がないだけ」という状況もわかります。「Shopify」で「集客試作を始めるにあたっての基礎知識」「Shopifyでの集客」においての得意/不得意」についてそれぞれ説明していきます。

「Shopify」が集客施策として苦手なこと(カート移行を検討している方が知っておくべきこと)

「Shopify」が苦手としているのは次の3点。

  1. 日本ならではの集客方法
  2. 代理店向けの機能がない
  3. タグの埋め込みが面倒

以上です。では、1つひとつ解説します。

1. 日本ならではの集客方法

世界最大のECプラットフォーム(カート)なので、機能やアプリ(「Shopify」内で提供されている専用アプリケーション)を使い海外向けに展開するには、これ以上適したプラットフォームはないでしょう。

ただ、日本というマーケットに目を向けたときはどうでしょうか。「Shopify」は標準的な機能以外はアプリマーケットで機能を提供するという方式を採用しています。

海外でも当たり前のGoogle広告、FacebookやInstagram広告といった媒体連携、海外Amazon出品などの機能は豊富な連携アプリが用意されています。ですが、日本特有の「LINE活用」、日本のASP(アフィリエイトプロバイダー)を活用したアフィリエイト施策などと連携できる機能はありません

それを補完するアプリも2020年夏までは皆無でした(2020年秋にバリューコマース、ファンコミュニケーションと連携できるアプリがリリースされました)。

こういった、日本マーケットに適した販売施策というのは、「Shopify」が苦手としているところになります

2. 代理店向けの機能がない

広告代理店という文化は日本特有のもの。日本では代理店に集客施策をアウトソーシングするケースは少なくないですよね。ただ、「Shopify」では集客に使う機能に代理店が求めている機能があまりありません実際に手を動かす事業者向けの機能が大半を占めているんです。

具体的には、代理店向け管理画面、代理店権限の機能などです。こういった環境から、日本特有の広告代理店を経由した集客施策を行いにくいという状況があります

3. タグの埋め込みが面倒

多くのショッピングカートも同様ですが、集客に必要なタグを埋め込むにはプログラミング知識が必要です。もちろん、外注にはお金がかかります。

自社で解決するにはプログラミングの教育・勉強、もしくはその道に長けているスタッフの採用などが必要となります。

  • デザインテンプレートの変更
  • 決済完了画面へのタグを追加

を、自社内で行えれば可能ですが、タグの内容 (購入点数・金額を計算など) をプログラミングで解決しなくてはなりません。お金に関わるか所ですので、ここは重要なところ。難易度が高いため、プログラミング知識を有している専門家に任すべきでしょう。ここも悩ましい問題となっています。

「Shopify」が集客施策として得意なこと、ならではのこと

1. 海外でもメジャーな集客方法は得意

Google広告、Facebook広告、Instagram連携など海外の主要集客プレーヤーとの連携は得意としており、連携もスムーズです。専用アプリをインストールして設定するだけです。Tiktokとも連携を発表しています

私がおススメするアプリは、

  • FacebookカタログやInstagram連携の「Shopnow
  • Instagram表示はInstafeed
「Shopify」のアプリストアで提供されているFacebokに関するアプリ

2. SNSや既存顧客基盤との相性は抜群

SNSですでに多くのファンを抱えていたり、既存顧客を実店舗などで抱えている企業が商品を展開するには、「Shopify」は最適でしょう。「Allbirds」「PepsiCo(ペプシコ)」などさまざまなD2Cビジネスで活用されているのがその証左になります。

「自社ECなのでブランドイメージを伝えやすい」「メジャーなSNSが海外企業なので連携がスムーズ」といったことが要因としてあげられます。

「Allbirds」の日本サイトも「Shopify」を使っています(編集部がキャプチャ)

3. 友達紹介・キャンペーンなど販促アプリ

販促ツールは充実しています。以下の和製アプリ、海外アプリはおススメです。

まとめ

シンプルな解説ですが、「Shopify」でのショップ運営を考えたときに上記の点は、集客面で押さえておくべき基本となります。

「Shopifyが苦手」とするところは、アプリで解決していきましょう。もちろん、日本のマーケットに適した集客アプリはまだまだ少ないのが現状です。こうした課題は、私の会社(ハックルベリー)を含めて、「Shopify」向けアプリがどんどんリリースしていきます。

基本を押さえながら、アプリマーケットで増えていくだろう集客アプリをチェック、活用して、「Shopify」で構築・運用している自社ECサイトの拡大につなげていきましょう。

安藤 祐輔
安藤 祐輔

配送キャリアの大雪・荒天対応/家具EC「LOWYA」の自社ECシフト事例【ネッ担アクセスランキング】 | 週間人気記事ランキング

5 years 1ヶ月 ago
2021年1月8日~14日にアクセス数の多かった記事のランキングを発表! 見逃している人気記事はありませんか?
  1. 大雪・荒天の影響で荷受け停止や配送遅延が発生中。日本郵便、ヤマト運輸、佐川急便の配送状況まとめ【1月12日時点】

    日本郵便、ヤマト運輸、佐川急便では、大雪などの影響で、配送遅延、荷受け停止などが発生している。EC企業は、ECサイトなどで配送遅延の可能性などを通知することが必要となりそうだ

    2021/1/13
  2. モール依存から自社EC売上比率5割のカギは「ブランディング」。家具EC「LOWYA」の自社ECシフト&SNS活用などの大改革事例

    モール依存の状況から、自社ECサイト売上を約5年で全EC売上の約5割に引き上げたベガコーポレーション。取り組んだブランド構築、SNSを自社ECサイトの資産として生かす独自のUGCマーケティングなどを解説

    2021/1/13
  3. 緊急事態宣言で消費支出、通販・EC利用はどう変わる?[2020年の振り返り]

    1回目の「緊急事態宣言」による消費支出、ネット通販利用の変化などを振り返る

    2021/1/8
  4. アスクルが航空業界の従業員を物流センターで出向受け入れへ。業界の枠を超えて雇用を維持する取り組みとは

    出向者は約6か月間、物流センター内の庫内業務に従事する。空港業務の需要が回復するまで期間を定め、物流業務に従事してもらう。コロナ禍における雇用維持、アスクルロジスト従業員の学び・成長の機会にもつなげる

    2021/1/13
  5. 「b8ta」日本上陸から5か月。日本市場における「体験型店舗」の可能性とは?

    米国発の体験型店舗「b8ta」が東京に2店舗オープンしてから5か月が経過。日本でも体験型店舗は受け入れられるだろうか? 日本市場における体験型店舗の可能性を探る

    2021/1/12
  6. 高齢者層のネットショッピング利用率が3割を突破。緊急事態宣言でECシフトがさらに進みそう【ネッ担まとめ】

    ネットショップ担当者が読んでおくべき2021年1月4日〜10日のニュース

    2021/1/13
  7. 【2021年トレンド予測】小売業界「サステナビリティ」「オンラインとオフラインの融合」「期待値超え」など4つのポイント

    「サステナビリティ(持続可能性)の大きな飛躍」「ファストファッションに衰退の兆し」「オンラインとオフラインの融合」「期待を超えることで得られるチャンス」の4ポイントをあげている

    2021/1/12
  8. 「また買いたい」と購入客が感じるカスタマーサポートを「Zendesk」で。やずや、I-neの事例に学ぶ最新CRM

    スマートフォンの台頭により、カスタマーサポートが担う役割と顧客が求める対応は年々変化している。ファン化やブランディングを左右する顧客とのコミュニケーションの品質をいかに高め、効率化を図るべきか? カスタマーサポート領域に特化したツール「Zendesk(ゼンデスク)」を国内展開するエクレクトの辻本真大氏が解説する

    2021/1/12
  9. アスクルが1都3県の法人向けに月額制サブスクリプション型の家具レンタルサービス

    レンタル期間中に使用しなくなった場合、別の従業員宅やオフィスへの移設、1年継続利用した商品は返却あるいは追加料金なしで提供することも可能

    2021/1/8
  10. ABCクッキングスタジオが量子コンピュータでECサイトのメルマガ配信業務を最適化した事例

    属人化している業務をMAで効率化することは可能なのか? D-Wave Systems製の量子コンピューターを活用したABC Cooking Studioの取り組み。

    2021/1/13

    ※期間内のPV数によるランキングです。一部のまとめ記事や殿堂入り記事はランキング集計から除外されています。

    内山 美枝子

    ジョンマスターオーガニックグループが動画コマースに「visumo social curator」導入

    5 years 1ヶ月 ago

    オーガニック化粧品ブランドの製造・販売を手がけるジョンマスターオーガニックグループはECサイト「ジョンマスターオーガニック公式オンラインストア」に、Instagramの写真や動画をECサイトに活用できるソリューション「visumo social curator」を導入した。

    製品の使い方やケア方法を発信する動画コンテンツ「meet up! CHANNEL」を開設。Instagramのライブ配信、過去のアーカイブ動画を発信していく。

    スタッフによるジョンマスターオーガニック製品の使い方から、美容に精通した特別ゲストによるスタイリング提案といったコンテンツを展開している。

    オーガニック化粧品ブランドの製造・販売を手がけるジョンマスターオーガニックグループはECサイト「ジョンマスターオーガニック公式オンラインストア」に、Instagramの写真や動画をECサイトに活用できるソリューション「visumo social curator」を導入
    「meet up! CHANNEL」について

    動画の一覧ページから動画をタップ(クリック)すると、モーダル画面が立ち上がり、動画ストリーミング再生と動画で紹介している商品を表示。商品を購入する場合は掲載している商品画像をクリックすると、ECサイトで購入手続きに進むことができる仕組み。

    「visumo social curator」は、ecbeingの子会社であるvisumoが提供するInstagramの写真や動画をECサイトに活用するソリューション。

    「visumo social curator」を導入すると、Instagram上に投稿されているフィード写真、フィード動画、IGTVを取り込み、ECサイト内にギャラリーコンテンツを作成することが可能になる。Instagram上のコンテンツだけでなく、動画ファイルをアップロードしてコンテンツ化することもできる。

    オーガニック化粧品ブランドの製造・販売を手がけるジョンマスターオーガニックグループはECサイト「ジョンマスターオーガニック公式オンラインストア」に、Instagramの写真や動画をECサイトに活用できるソリューション「visumo social curator」を導入
    モーダル画面が立ち上がり、動画ストリーミング再生と動画で紹介している商品を表示

    コンテンツ化した写真や動画には販売商品を紐づけることが可能で、インスタライブ動画や接客動画を見ながら、商品を購入することができるようになる。

    瀧川 正実
    瀧川 正実

    「note」のショッピング活用が増加中、BASEはnoteとEC連携などで資本業務提携

    5 years 1ヶ月 ago

    BASEは1月12日、メディアプラットフォーム「note(ノート)」を運営するnoteへ出資し、資本業務提携を締結したと発表した。

    noteとの資本業務提携は、「note」を利用するクリエイター、「BASE」加盟店のファン形成・集客・販路の拡大など、両社の顧客に提供する価値の最大化を図るのが目的。

    累計130万ショップを超える「BASE」加盟店、会員登録数260万人以上を抱える「note」クリエイターをつなぎ、「だれでもD2Cビジネスがしやすい環境を促進してく」(note)としている。

    まずは「note」を活用して商品やブランドの背景にあるストーリーや作り手の思いを発信。発信情報に共感したファンが「BASE」で開設したECサイトで商品を購入する流れをスムーズにする機能開発を共同で進める。

    今後実施を予定している連携は次の通り。

    • 「BASE」で開設したECサイトと「note」、相互への導線設置
    • 「BASE」加盟店が管理画面から「note」に記事を投稿できる機能の設置
    • 「note」のショッピングカテゴリーの記事が集まるメディアの活性化
    BASEは、メディアプラットフォーム「note(ノート)」を運営するnoteへ出資し、資本業務提携を締結
    「BASE」と「note」が予定する連携内容

    「note」のEC関連機能に関しては、記事上でECの商品を表示できる機能「note for shopping」を2018年9月にスタート。「BASE」は初期パートナーとして参加した。ほかには、フューチャーショップのSaaS型ECサイト構築プラットフォーム「futureshop」、GMOペパボの「カラーミーショップ」、「shopify」などが「note for shopping」に対応している。

    クリエイターがECサイトで販売している商品を「note」上で一覧表示できる「ストア」について、BASEは2020年3月に連携をスタートした。

    noteによると、ブランド運営や商品販売を行う「note」利用者が増加。ECサイトの商品を埋め込んだ2020年の「note」記事数は、前年比310%にのぼるという。

     

    石居 岳
    石居 岳

    LINEの企業向け新サービス4選&2年弱で20万本を売ったD2Cブランド「アイラシード」に学ぶLINE広告活用

    5 years 1ヶ月 ago
    「LINE SMB DAY」(2020年10月15日開催)で紹介されたLINEの新サービス情報と、同イベントに登壇したまつ毛美容液のD2Cブランド「eyelaceed(アイラシード)」の「LINE広告」活用事例を紹介
    [AD]

    月間利用者数8,600万人(2020年9月末時点)のユーザーを抱えるLINEが提供する法人向けサービス「LINE公式アカウント」「LINE広告」の活用は、新規顧客の獲得やリピート顧客の育成など、小売業者やEC事業者にとって欠かせないものとなっている。

    本記事では、LINEが2020年末から2021年にかけて提供を開始する新サービス情報紹介のほか、オンラインイベント「LINE SMB DAY」に登壇したまつ毛美容液のD2Cブランド「eyelaceed(アイラシード)」のLINE広告活用事例を取りあげる。

    LINEが新たに提供開始する4つの新サービス

    LINEが中堅・中小企業のマーケティング担当者、パートナー企業や代理店などを対象に行ったオンラインイベント「LINE SMB DAY」(2020年10月15日に開催)。冒頭のKeynoteでは、LINE 執行役員 広告ビジネス事業担当の池端由基氏と、広告事業本部 マーケットグロース事業部の川代宣雄氏が登壇し、新サービスの紹介やLINEの法人向けサービスの現況を伝えた。

    LINEは2020年9月末時点で月間利用者数8,600万人(2020年9月末時点)を誇るコミュニケーションアプリだ。川代氏によると、LINE上で企業・店舗が自社の情報を届けることができる「LINE公式アカウント」のアクティブアカウント数は、24万件(2020年9月時点)にものぼる。

    LINE 広告事業本部 マーケットグロース事業部 川代宣雄氏
    LINE 広告事業本部 マーケットグロース事業部 川代宣雄氏

    LINE公式アカウントのアクティブアカウント数24万のうち、活用が最も進んでいる業種は飲食店・レストランで18%、続いてショッピング・小売店が16%を占める

    さまざまな業種で活用が増加中 アクティブアカウント数24万アカウント
    2020年9月時点でLINE公式アカウントのアクティブアカウント数は24万アカウント。ショッピング・小売店の利用率は16%にのぼる

    このようにビジネスシーンでの活用が進んでいるLINEでは、4つの新たなサービスを提供していく(一部はスタート済)。

    LINEから直接予約ができる「LINEで予約」が11月16日に開始

    LINE公式アカウントから飲食店のオンライン予約が行える「LINEで予約」を、11月16日にリリースした。ファーストパートナーは、有料加盟店数4万9,469店(2020年9月時点)を抱えるぐるなびだ。

    「LINEで予約」は、LINE公式アカウントのプロフィールから即時予約やLINEのトークを通じた有人対応ならびに自動応答での応答予約ができるサービス。ぐるなび加盟飲食店のなかで、席のみ指定のオンライン予約に対応している店舗を対象に、「LINEで予約」の利用が可能になる。

    LINEで予約
    LINE公式アカウントから予約ができる「LINEで予約」

    店舗の検索ができる「LINEプレイス」が2021年3月以降にリリース予定

    「LINEで予約」を促進するためのメディアサービスが、2021年3月以降に提供開始予定の「LINEプレイス」である。

    「LINEプレイス」は、さまざまなジャンルやシチュエーションにあった店舗を探すことができる新しいメディアサービス。池端氏は「LINEの中でお店を検索し、そのままユーザー同士がお気に入りのお店をコレクションやシェアをしたり、そして簡単に予約できるようにする」と展望を述べた。まずは飲食店の情報を充実し、その後、美容サロンなどへ領域を広げていく。

    LINEプレイス
    LINEで店舗探しができるメディアサービス「LINEプレイス」

    販促ソリューション「LINE POP Media」(2020年9月からトライアル提供開始)

    「LINE POP Media」は、 LINE Beaconを使うことで店内でLINEを使うユーザーに情報を配信できる 、メーカーや小売店向けの販促ソリューション。その場でユーザーにおすすめ商品の情報やクーポンを配信することができるようになる。

    その特徴は、店外でもLINEユーザーと接点を持てるようになること。「たとえば、店内にいるユーザーが通知に気付かなくても、帰宅後にLINEを開くことで、次回の来店につながるきっかけを残すことができるようになる」と池端氏は説明する。

    LINE POP Media
    店内でユーザーに情報を配信できる「LINE POP Media」

    誰でもかんたんに応募できるキャンペーンプラットフォーム「LINEで応募」

    企業が実施するキャンペーンに対し、ユーザーがLINEを通じて手軽に応募ができるキャンペーンプラットフォーム「LINEで応募」も2020年11月から提供されている。レシート撮影やシリアル番号の入力など、さまざまな応募形式を受け付けることができ、 決済システム「LINE Pay」との連動も予定している。

    LINEで応募
    「LINEで応募」の活用イメージ

    LINEは、LINEのプラットフォーム上でコミュニケーションが完結するサービスを今後も提供していく考えだ。

    LINE 執行役員 広告ビジネス事業担当 池端由基氏
    LINE 執行役員 広告ビジネス事業担当 池端由基氏

    2年足らずで「アイラシード」を20万本売ったスリーズとは

    「LINE SMB DAY」のSession6では、まつ毛美容液「アイラシード」のD2C事業などをてがけるスリーズが登壇。「販売本数20万本!D2Cブランド『アイラシード』の顧客獲得」をテーマにLINE広告を活用した取り組みについて講演した。

    スリーズは、PR事業を展開するベクトルグループのD2CビジネスカンパニーDirect Tech社と、EC基幹システム「EC Force」を提供するSUPER STUDIOとのジョイント・ベンチャー。両社のノウハウを組み合わせ、プロダクトアウトを通じた市場調査を行うことを事業の目的としている。マーケティングリサーチなどで得た調査結果を基に立ち上げたのが、D2C事業だ。

    アイラシード
    D2C事業の主力商品である「アイラシード」

    マーケティング戦略は、「3つの“S”がベースとなっている」と話すのは、スリーズ プロデューサーの天野渉氏。

    • Simple→ シンプルに物事を考え、ターゲットのいる場所に届ける
    • Smart → 効率よく届ける
    • Sensational→ 刺激を喚起するように届ける

    “ほしいを生み出す刺激”を創出するために、ターゲティングできるオンラインメディアを中心に広告を出稿してきた。KPI(重要業績評価指標)を設定し、費用対効果の検証を行い、PDCAをしっかり回していけるメディアを選んで新規顧客の獲得を進めることを、マーケティング戦略としている。(天野氏)

    これまでキュレーションアプリ内のネイティブ広告、SNS広告を主に活用していたが、運用を積み重ねていくにつれて課題が浮き彫りになっていった。

    キュレーションアプリ内のネイティブ広告は長期間出稿すると、新規ユーザーへのアプローチが難しくなる印象を受けた。また、出稿していたSNS広告は審査結果のフィードバックが不明瞭なため、クリエイティブの試行錯誤やアカウント停止による再登録といったオペレーションコストが非常に高くなっていった。(天野氏)

    スリーズ プロデューサー 天野 渉氏
    スリーズ プロデューサー 天野 渉氏 写真◎吉田浩章

    LINE広告運用3か月目でCPA許容ラインをクリアし、4か月目以降に獲得数急増

    キュレーションアプリ内のネイティブ広告、SNS広告で課題があがっていた時に着手したのが、LINEのアプリ内やファミリーサービスに広告を配信できる「LINE広告」。「CPC(クリック単価)が安く、コストパフォーマンスが良いという噂を同業他社や広告代理店から聞きつけ、競合他社に先行してトライしたいと思った」と天野氏は当時を振り返る。

    さらにLINEは、8,600万人(2020年9月末時点)もの月間利用者数を抱える。天野氏はこの圧倒的なユーザー数に加え、膨大なユーザーを抱えているからこその「厳正な広告審査基準」を評価。ブランド棄損の可能性が少ないと考え、継続的な成長を実現するための新規顧客の獲得という観点から「注力すべきプラットフォーム」だと感じたと話す。

    SNSの利用者数の比較
    SNSの利用者数の比較

    実は2020年4月以前、スリーズはLINE広告出稿に向けて独自で準備を進めていたが、LINE広告の審査において否認された経緯がある。そこで、LINEと中小企業領域における戦略パートナーとして認定されているソウルドアウトと連携し、ブランドサイト、各種コンテンツの再精査を実施。審査を通過し、無事運用にこぎ着けた。

    こうした審査基準に天野氏は信頼を寄せているが、他の企業からもLINE広告の審査は評価が高いという。LINE 広告事業本部 マーケットグロース事業部 坪内裕朗氏はこう話す。

    LINEではユーザーを第一に考え、ユーザーが誤解を招く表現、不快に思う表現は厳しく審査をしている。出稿する企業がブランド毀損をせずに自然な形で訴求ができるようにする広告基準には評価を頂いている。

    LINE 広告事業本部 マーケットグロース事業部 坪内裕朗氏
    LINE 広告事業本部 マーケットグロース事業部 坪内裕朗氏 写真◎吉田浩章

    成果を伸ばすためのLINE広告運用

    スリーズが採用した広告運用指標

    スリーズではLINE広告の運用においてCPA(顧客獲得単価)を目標にしている。運用指標として「CTR(クリック率)」「遷移率(中間LPから本サイトのLPへの誘導率)」の向上を掲げる

    スリーズが設定したLINE広告の運用指標
    スリーズが設定したLINE広告の運用指標

    CTRは、LINE ユーザーに興味を持ってもらえたか、受け入れられたかを測るための指標として設定。「ユーザーに興味を持って受け入れてもらえるクリエイティブを出稿し、クリックにつなげたい」と天野氏は説明する。

    また、ユーザーがLINE広告をクリックすると中間的なLPに移動し、そのLPから本LPにユーザーを誘導する仕組みを採用。中間LPから本LPの導線が悪化する背景に「商品特性などが理解されていない」「誤解を生んでいる」といった理由があるのではないかと仮説を立て、遷移率の向上を目標値に据えている。

    LPでは、商品特性を理解してもらうことが重要と考えている。そのため、商品への誤解を生まないように改善へつなげるための数値として、遷移率を重視している。(天野氏)

    スリーズの天野氏(写真右)と坪内の坪内氏
    スリーズの天野氏(写真右)とLINEの坪内氏 写真◎吉田浩章

    成果につながったLINE広告の自動最適化配信機能

    すぐに効果が出たわけではない。LINE広告の配信開始から2か月目までは、設定したCPA許容ラインを上回る獲得単価で推移していた。それでも、3か月目に許容内までCPAは改善し、4か月目となる7月は前月比5.7倍となる新規顧客を獲得したという。

     

    LINE広告スタート後の実績
    LINE広告スタート後の実績

    数か月で成果が出たのは、自動最適化配信を活用したこともあげられる。自動最適化配信は、LINE 広告で獲得したデータから、最適な入札金額を自動的に決定する機能。機械学習が膨大なデータからさまざまな予測値を導き出す仕組みで、コンバージョン数が増えるごとに機械学習の精度が向上する。機械学習の完了の目安は40コンバージョン(※)。

    ※LINE社として推奨しているコンバージョン数

    LINEの自動最適化配信
    自動最適化配信について

    自動最適化配信を行うことで、CPAが従来の半分以下まで下がったといったケースも数多く出ている。現在、LINE広告では8割以上が自動最適化配信を利用しているという。

    LINE広告の運用は自動入札
    LINE広告の運用は自動入札が8割を超えている

    天野氏はLINE広告の運用ポイントを、次のように解説した。

    膨大なユーザーを抱えるLINEでの広告配信は、外部環境や競合の出稿状況にも影響される。1つひとつの具体的なクリエイティブの反省を行うのではなく、PDCAを最適・最速で回して効率の良いクリエイティブを発見していくことが重要になる。当社は大まかなトレンドを捉えながらLINE広告を運用することに重きを置いた。

    新規顧客の獲得やリピート顧客の育成にLINE広告とLINE公式アカウントを併用

    天野氏はLINE活用の今後の展望を3つあげる。

    LINE活用のロードマップ

    1つ目は、他ブランドへの横展開。スリーズは主に「アイラシード」の広告配信をLINE広告で行っているが、今後は蓄積したデータを他ブランドでも展開し、新規顧客の獲得を進めようと考えている。

    2つ目は、新規獲得を目的としたLINE公式アカウントの利活用だ。LINE経由で商品を購入したユーザーをリピート顧客に育成するためのCRMとしての活用以外にも、トラッキング規制やデータプライバシーに関する対策として、LINE公式アカウントの有効活用ができないかと考えているという。

    3つ目が、LINE公式アカウントで得たデータをLINE広告に活用できる「クロスターゲティング」機能だ。横断した広告プロモーションやキャンペーンを実施することで、効果的で最適なコミュニケーションの実現が可能となるという。

    LINE公式アカウント LINE広告 LINEセールスプロモーソン LINEチラシ LINEポイントAD
    LINEのさまざまな広告メニューのデータが連係されるようになる

    LINE公式アカウントを使うことで、蓄積したデータをLINE広告へと結びつけ、より精度の高い広告配信ができるようになる。購入確度の高いユーザーへ優先的に情報を届けるなどの運用をしていきたい。(天野氏)

    なお、LINE広告のサービスについては、以下のページ内で詳しく紹介している。

    ▼LINE広告について

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    吉野 巨人
    吉野 巨人

    アマゾンで成功しているニッチブランドのM&Aが活発化。買収企業が語るAmazon内で売上を伸ばす秘訣と成長分野とは | 海外のEC事情・戦略・マーケティング情報ウォッチ

    5 years 1ヶ月 ago
    Amazonでの販売に成功している小規模ブランドを買収しようと、資金が潤沢にある企業が続々と名乗りを上げています。なぜ、Amazon出品事業者の企業買収が活発化しているのでしょうか

    資金が潤沢にある米国の企業は今、Amazonでの販売に成功している小規模ブランドの買収に注力しています。目的は、ブランドにリソースをつぎ込み売り上げと利益を増加させることです。買収対象となり得る起業家達は、魅力的な価格でビジネスを売却することができます。

    Amazon.comで成功した小規模ブランドが「売り手市場」に?

    Amazonでの販売に成功している小規模ブランドが突然、“大人気商品”となっています。

    近年、Amazonで成功しているニッチなビジネスを買収するために、資金調達する企業が登場しています。こうした買収会社は、より大きな資金と技術的なリソースを買収先に提供しブランドをサポート、さらなる売り上げと利益を生み出すことを目的としています。企業のM&Aに関するアドバイスを行う英国のコンサルティング会社Hahnbeck社は、そのような買収会社31社を特定しました。

    民間企業への投資情報を提供するCrunchbase社によると、2018年以降に設立された以下の7社は、いずれも10億ドル以上の資金を調達しているそうです。

    企業名創業年本社所在地調達資金額(百万ドル)
    Thrasio2018年マサチューセッツ州ウォルポール396.5
    Heyday2020年サンフランシスコ175.0
    Perch2019年ボストン133.8
    SellerX2020年ベルリン118.0
    Boosted Commerce2020年ロサンゼルス87.0
    Heroes2020年ロンドン65.0
    Razor Group GmbH2020年ベルリン34.8
    合計1010.1

    Amazonのブランドを買収している企業リスト(資金を公表している企業のみ。グラフは『Digital Commerce 360』の「Why now is a great time for Amazon sellers to sell their business」より編集部が作成)

    Amazon商品のポートフォリオ構築を競い合う買収会社

    Amazonで蜂蜜ポットとディスペンサーを販売するHunnibi社には、4社から買収のオファーを受け取りました。創業者の若いカナダ人3人は2019年、自社の企業価値について調査しスタート。買収を希望する企業が多かったため、強気に出ました。

    Crunchbase社によると、Hunnibi社は2020年5月、Amazonで事業展開する企業の買収を手がけるPerch社へと事業を売却しました。Perch社は、1億3,380万ドルの資金調達を行った後、過去1年間に20のAmazonブランドを買収しています。

    Hunnibi社のサイトトップページ
    Hunnibi社のサイトトップページ(画像:サイトよりキャプチャ)

    買収会社がお互いに競い合ったことでHunnibi社は良い交渉ができたと、Hunnibiの創業者の1人(匿名を希望)が語りました。

    今は売り手市場です。誰が最も多くAmazonブランドを買い占め、Amazon商品のポートフォリオを構築できるかを競っているのです。価格はまだ高騰し、競争が落ち着くまで上昇し続けるでしょう。競争のおかげでまともなオファーがもらえます。(Hunnibi創業者)

    彼は、Perch社が支払った金額を明らかにしませんでしたが、彼と彼のパートナーは、売却価格の70%を前払いで受け取り、残りの金額は2021年、Hunnibiが手がけるブランドのパフォーマンスに基づいて支払われるそうです。

    買収会社がAmazonで成功しているブランドに支払う金額

    「買収会社は通常、Amazonブランドに対して、EBITDA(税引前の当期営業利益に減価償却費を加えて計算した値)の2.5倍から4.5倍を支払っている」。複数のAmazon出品事業者にアドバイスを行うHahnbeck社の創業者であるタリーセン・ハリウッド氏はこうは話します。

    年間の「EBITDA」が100万ドルのような大きなブランドは、高めの価格帯で倍率が高くなりますが、小規模な企業はそれほど高くなりません。ハリウッド氏によると「買収会社は通常、最低でも年間20万ドルの利益を求めている」そうです。

    また、ハリウッド氏は「買収会社が求めているAmazonブランドは、一般的に売上高は1,000万ドル未満で、大規模小売業者や小売事業を買収するプライベート・エクイティ・ファームにアピールするには小さすぎるブランドだ」と言います。

    Amazonで伸びているブランドを求める買収会社は通常、年間収益は少なくとも75万ドル以上の企業を探しており、年間売上高が200万ドル以上の企業を好みます。(ハリウッド氏)

    Hunnibi社の共同創業者と同様、ハリウッド氏も「ブランドの入札合戦が、買収会社が支払う『EBITDA』の数字を押し上げている」と言います。

    全体の価格帯が上がっています。以前は2倍(「EBITDA」の2倍)だった会社が、今では2.5倍になっているかもしれません。(ハリウッド氏)

    また、ハリウッド氏は「売り手はより有利な条件を得ることができる」とも言います。たとえば、Amazonで売れている商品だけを売却するのではなく、過去に販売した商品の欠陥で訴訟を起こされる可能性があるリスクを背負うために、会社全体を買収するよう要求することもできます

    Amazonは、北米を代表するオンライン小売事業者のランキング「北米EC事業 トップ1000社データベース 2020年版」(『Digital Commerce 360』発行)で1位、世界を代表するマーケットプレイスショッピングサイトのランキング「オンラインマーケットプレイストップ100社」(『Digital Commerce 360』発行)では3位にランクインしています。

    Amazonブランドを100近く買収するユニコーン企業「Thrasio」

    資金調達を公開している買収会社の中で、ボストン郊外のウォルポールに拠点を置くThrasio社は2018年の創業以来、3億9,650万ドルと圧倒的に多くの資金を調達しています。

    Thrasio社のサイトトップページ
    Thrasio社のサイトトップページ(画像:サイトよりキャプチャ)

    Thrasio社は2020年12月上旬までに90のAmazonブランドを買収しており、「2020年末までに100社近くの企業をポートフォリオに加える」。カルロス・キャッシュマン氏と同社を共同創業したジョシュア・シルバースタイン氏はこう述べています。ジョシュア氏によると、買収したブランドの売上高は年間5億ドルに達し、Thrasio社は2020年に1億ドルの利益を計上しました。

    さらに、「Thrasio社は買収したブランドを成長させている」とシルバースタイン氏は説明。Thrasio社が購入したブランドの「EBITDA」は買収以降、平均156%増加しているそうです。

    2021年には、Amazonでの売上高が13億ドルになるとThrasioは予測。いくつかのブランドについては、「Shopify」で構築したECサイトからの追加売上も見込んでいます。また、Thrasio社は買収したブランドの新商品の展開も計画しており、2021年には250~500点の新商品を発売する予定です。

    さらに、グローバルに事業を拡大。「英国、ドイツ、日本にはM&A(合併・買収)チームがあります」とシルバースタイン氏は言います。

    Thrashio社は買収したブランドの売り上げをどう伸ばしているか

    シルバースタイン氏がキャッシュマン氏と一緒にThrasio社を設立した理由は、Amazonで販売している企業のデータを調査した結果、多くの小規模な販売者は最初の1~2品で大きな利益を上げていたものの、商品数が増えるにつれて利益率が低下していたことを発見したからです。

    販売者にその理由を聞いてみたところ、Amazonは信じられないほど複雑な場所だと言われました。上手く使いこなす必要がある機能がたくさんあります。1つの商品を管理しているうちは良いのですが、1人か2人でより多くの商品を管理するようになると、複雑になって、スムーズな運営が難しくなってきます。(シルバースタイン氏)

    Thrasio社やAmazonのブランドを買収している他の企業は、多くのリソースを持つ企業の方が、小規模なブランドよりも複雑なAmazonの管理をうまく行えると考えています。

    シルバースタイン氏によると、従業員600人を擁するThrasio社は、さまざまな方法で買収した企業のパフォーマンスを向上させているそうです。より良いサプライヤーを見つけ、アジアからの出荷をフルコンテナに集約して輸送コストを削減、商品写真や説明文などのクリエイティブを改善していると言います。

    より良い写真と、より洗練されたコピーは、コンバージョンを向上させます。Amazonの「A9アルゴリズム」(Amazon内の検索アルゴリズム)はコンバージョン率を重視しているため、Amazonの検索結果で上位にランクインするためには、写真やコピーが非常に重要だとシルバースタイン氏は話します。

    Amazonのミッションは、顧客にとって素晴らしい結果を提供することなので、そのアルゴリズムは理にかなっています。Amazonは、人々が商品を見たときに購入する可能性が高い商品を見つけて、検索ページのトップに掲載したいと考えています。アルゴリズムの80%はコンバージョン率で、残りは販売速度です。(シルバースタイン氏)

    言い換えれば、売れる商品がAmazonの検索結果の上位に来るということです。そして、Amazonのマーケティングに特化した75人の従業員を擁するThrasio社は、ほんの一握りのスタッフでビジネスを運営する典型的なAmazonの起業家よりも、より効果的に売り上げを伸ばすことができるとシルバースタイン氏は話します。

    買収会社にとって最も魅力的なAmazonブランドは?

    家電製品やファッションなど、トレンドが常に変化するカテゴリーで新商品を開発することは、Thrasio社のような買収会社が得意とすることではありません。

    「私たちは優れた商品を手に入れて、それをスケールアップしていくのです。半年ごとに新しいBluetoothヘッドホンを販売するのではありません」とPerch社のCEO兼創業者のクリス・ベル氏は言います。

    Crunchbase社によると、1億3,380万ドルを調達し、20のAmazonブランドを買収してきたPerch社は、家庭用品、おもちゃ、ゲーム、医療機器などのカテゴリーに注力しています

    これらは安定したカテゴリーです。15年後も人々が買うものは変わらないと予想しています。ブランドをうまく管理すれば、15年後も市場のリーダーであり続けることができるのです。(ベル氏)

    買収会社は、良いレビューが多い商品も探していると言います。Amazonは近年、偽レビューの温床となっているさまざまなスキームを取り締まっているため、良いレビューには特に価値があります。つまり、正当に良いレビューを蓄積しているブランドは、Amazonの検索結果の上位に表示されるということです。

    「1万件のレビューを持つ商品をAmazonの検索結果の1位、2位、3位から追い出すことは、ほぼ不可能です」と、Eコマースに特化したデジタルマーケティングエージェンシーBlue Wheel Media社のトレバー・ジョージCEOは言います。

    シルバースタイン氏によると、Thrasio社はウエイトリフティング用の備品を販売するDark Iron社を買収した後、レビューの力を実感したそうです。その商品は727日間のうち717日間、検索結果でトップの座を保持していました。

    1万件以上のレビューを獲得するDark Iron社のAmazon販売ページ
    1万件以上のレビューを獲得するDark Iron社のAmazon販売ページ(画像:Amazon商品ページよりキャプチャ)

    「レビューは本当に長期的なメリットです」とシルバースタイン氏は言います。彼は、Amazonの顧客がレビューの高い商品には数ドル多く支払うことにも注目しています。Thrasio社が人気のDark Iron社の商品価格を数ドル上げるテストを行ったところ、売り上げは落ち込まなかったそうです。

    他の買収会社も同様です。Amazonで販売する事業者の買収を手がけるRecombrands社の共同創業者兼COOであるジェームス・スタイン氏は、「我々の理想的な候補者は、5つ星のレビューの多く持ち、そのカテゴリーのリーダーの1つになっているブランドです」と語ります(Recombrands社は金額を明らかにしていませんが、2021年の早い時期に資金調達の発表を予定しているとスタイン氏は述べています)。

    買収会社は、Amazonの「フルフィルメント by Amazon」を利用して商品を倉庫に保管し、注文を処理している販売事業者に好意的だとハリウッド氏は言います。そのような販売事業者はコスト構造が明確で、従業員の数も少ないからというのが理由です。

    在庫を自分たちで処理している販売者は、Amazonを利用している販売事業者に比べて、ビジネスに不確定要素が多いのです。(ハリウッド氏)

    Amazonの先を見据えるThrasio社

    買収会社の多くは、今後大きな成長が見込まれるAmazonの小規模ブランドに焦点を当てています。「Amazonに焦点を当て、そこに集中して最適化しなければなりません」と、スタイン氏は言います。

    しかし、Thrasio社はすでにAmazonだけでなく、大手スーパーマーケットチェーンの「Walmart」やディスカウントチェーンの「Target」、InstagramやTikTokなどのソーシャルメディアサイトでのブランド獲得の機会を模索しているとシルバースタイン氏は述べています。また、「Shopify」でECサイトを運営するブランドは、消費者データを収集して売り上げを増やすために大切だと考えています。

    シルバースタイン氏によると、Amazonでの販売事業者は消費者がAmazonで何を買ったかを知るだけで、同時に購入する可能性のある商品や、閲覧した可能性のある商品を知ることはできないそうです。さらに、Amazonは顧客のメールアドレスを提供しないため、販売者はフォローアップマーケティングを行うことができません。

    ブランドのWebサイトでは、消費者が購入前に何を見ているかを確認したり、異なるオーディエンスがどのように閲覧しているかを分析したりすることができるとシルバースタイン氏は説明。また、小売事業者はAmazonではできない方法で商品をバンドリングしたり、リマーケティングのために購入者のメールアドレスを取得したりすることもできます。

    消費者に寄り添い、何を求めているのかを理解し、コミュニケーションをとることがAmazonではできません。最高の結果を得るためには、実際に消費者と対話し、関係性を築くことが大切です。(シルバースタイン氏)

    ブランドへの販売戦略アドバイス

    Amazonのブランドを買収しようとする企業の出現は、今までよりも大きな競争に直面しているマーケットプレイスの小規模販売者にとっては良いタイミングだと、デジタルマーケティングソリューションを提供するBlue Wheel Mediaのジョージ氏(「Warner Brothers」「Dreamworks」「NBC/Universal」などのブランドからライセンスを受けたアパレルを製造するTrevco社のCEOでもある)は言います。

    世界の家庭用品の多くを生産している中国の工場と同様、現在はAmazonのようなマーケットプレイスで直接販売する大規模な消費財メーカーが増えているとジョージ氏は指摘。「一気通貫したビジネスで、本当の差別化ポイントを持っていない限り、これらのメーカーに対抗するのは難しい」とジョージ氏は話します。

    大手企業との競争に疲れたブランドにとって、売り切るチャンスは十分にあります。ジョージ氏によると、買収会社が好むカテゴリーのブランドの中には、買収を検討している企業から1~2週間ごとにメールを受け取っているケースもあるそうです。

    しかし、「交渉に入る前に、Amazonの販売事業者は財務記録を整理しておくべきだ」と、Amazonでの販売を支援するソフトウェアを提供するFlowster.app社の創業者であるトレント・ディルスミド氏はアドバイスしています。

    大枠について合意した後、買い手は通常、ビジネスに関するより多くの情報を買収確定の前に要求するため、「それが売り手のストレスになる可能性がある」と過去にビジネスを売却した経験があるトレント氏は言います。

    事前に準備していない場合は、買い手候補から要求される情報を準備するために、本来ならビジネスを成長させるために費やすべき時間を、ペーパーワークに使うことになります。そうなると、ビジネス自体がうまくいかなくなる可能性があり、それを察知した買い手はオファーを下げてしまうかもしれません。(トレント氏)

    続けてトレント氏は次のように述べました。

    そんな事態を避けるためには、本当に良い会計事務所を見つけて帳簿を整理してください。財務記録が整っていて、プロセスが文書化されていれば、デューデリジェンスのプロセスは、大きな問題にはならないでしょう。ビジネスを軌道に乗せたまま、求めていた幸せなイグジットを実現できます。(トレント氏)

    この記事は今西由加さんが翻訳。世界最大級のEC専門メディア『Digital Commerce 360』(旧『Internet RETAILER』)の記事をネットショップ担当者フォーラムが、天井秀和さん白川久美さん中島郁さんの協力を得て、日本向けに編集したものです。

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