ネットショップ担当者フォーラム

サブスクリプション(定額制)で音楽を聴く人が増えた理由は何か | 『2025年、人は「買い物」をしなくなる』ダイジェスト

5 years 3ヶ月 ago
『2025年、人は「買い物」をしなくなる 次の10年を変えるデジタルシェルフの衝撃 次の10年を変えるデジタルシェルフの衝撃』(望月智之 著/クロスメディア・パブリッシング 刊)ダイジェスト(第5回)

近年、さまざまな業界で採用され始めている「サブスクリプション」。このサブスクリプションのビジネスモデルも、ある意味で「買い物プロセスの省略」から生まれたサービスといえる。サブスクリプションとは、製品やサービスを定額で一定期間使用(利用)できるビジネスモデルのことだ。日本語では「定額制」や、略称の「サブスク」などと呼ばれることもある。

日本でこの言葉を一般消費者に広めたのは、音楽配信サービスだろう。2016年に日本市場に参入してきた「Spotify(スポティファイ)」、サイバーエージェントとエイベックスが手掛ける「AWA(アワ)」、ほかにも「Amazon Music Unlimited」や「Apple Music」、「LINE MUSIC」など、さまざまなサービスが展開されている。それぞれ聴けるアーティストや曲数などの差はあるが、「定額で音楽が聴き放題になる」という点では共通している。

音楽のサブスクのイメージ

音楽のサブスクが始まる以前は、CDショップやレンタルショップといった店舗が、消費者と音楽を結ぶ存在だった。しかし、そうした店舗での購入やレンタルは、われわれにとって不便と感じられることも多かったのだ。

CDを買うのにも、借りるのにも、まず店舗に行かないといけない。店舗でCDを見つけたら、それをレジに持って行き精算をする。買い物が終わってからも面倒なプロセスが多い。CDプレーヤーにCDをセットする。CDラックの整頓をする。レンタルであれば、店舗への返却も絶対に忘れてはいけない。

CDとサブスクの間の過渡期ともいうべき時期には、1曲単位でパソコンやスマートフォンにダウンロードする音楽配信も始まった。CDを買ったり借りたりするのと比べてプロセスは大幅に省略されたが、曲ごとに決済するプロセスはまだ残っていた。サブスクは、定額制にすることでそのプロセスを排除し、

たくさん音楽を聴きたい。

音楽をかけっぱなしにしておきたい。

曲ごとにいちいち決済するのが面倒くさい。

といった人たちを取り込むことに成功した。アカウントを作成し、クレジットカード情報などを登録しておくだけで、あとはいつでも、いろいろなデバイスから音楽を再生することができる

1990年代に日本の音楽CD市場は黄金期を迎え、その後、「CDが売れない時代」へと突入した。一部の人たちからは、「日本のアーティストがいい曲をつくらなくなったからだ」と批判する声が上がることもあるが、いわゆるCD不況は日本だけでなく世界中で起こっていることであり、原因は別のところにあったと考えたほうが自然だろう。

その原因こそ、先ほどからたびたび触れている「買い物のわずらわしさ」なのだ。

サブスクは、「買い物のストレス」から音楽ファンを解放した。買い物のわずらしさのために音楽を聴かなくなっていた人たちを、音楽に振り向かせたという功績も大きい。

アーティスト側からは当初、サブスクのサービスに楽曲を提供することに拒否反応もあった。自分がつくった曲は、「聴き放題」で聴かれるよりも、「曲を買った人」に聴いてもらいたい。アーティストでなくても、その気持ちは十分理解できるところだ。現にサブスクのサービスが始まったばかりの頃は、人気アーティストの楽曲が少なく、利用者としてはがっかりすることも多かった。

しかし、サブスクが浸透する流れの中で、大物アーティストらも続々とサブスクでの配信を解禁しているのだ。時代の流れには抗えないのだろう。

世の中のあらゆるものが「サブスク化」される

音楽以外のサブスクでは、「Netflix」や「Hulu(フールー)」、「Amazon Prime」などの動画配信サービスが活況を呈している。これも先ほどの音楽CDと同様、ユーザーは毎月定額料金を払うことにより、動画配信会社が提供する映画やドラマなどの映像作品を制限なく楽しめるようになっている。

最近は、こうした動画配信会社がオリジナル作品の制作も手掛けているが、その予算も年々膨らんでいる。オリジナル作品というと、低予算のものをイメージする人も多いかもしれないが、大物俳優が起用されたり、スケールの大きなSF作品がつくられたりもしているのだ。

「Netflix」はオリジナル作品の制作にとりわけ積極的で、2019年のオリジナル番組予算は実に150億ドル(約1.6兆円)にまで拡大しているのだ。同社の攻勢は既存の映画業界関係者たちも無視できなくなっており、スティーブン・スピルバーグ監督が「Netflixの作品をアカデミー賞から除外すべきだ」と意見表明するほどだ。

サブスクリプションサービスのイメージ

この“サブスクブーム”は、音楽や映画のコンテンツ配信のみならず、ほかの商品・サービスにも広がっている。

雑誌や漫画のサブスク。自動車やバイクのサブスク。洋服・子ども服・クリーニング・家具のサブスク。ウォーターサーバーやコーヒーサーバーのサブスクなどを利用している企業も多い。ラーメン屋や居酒屋などの飲食店まで、最近は定額食べ放題・飲み放題というサービスも始めている。いまや、探せばどんなジャンルでもサブスクサービスに当たるほどなのだ。

サブスクのメリットは、「好きなものをどれだけ使っても料金は一定である」という点だ。中には買い取り形式のものや、回数制限のあるサービスもあるが、1回ごとに商品の値札を見て、財布と相談する必要はない

サブスクが省略している買い物プロセスとしては、店舗への移動・決済・商品の包装・受け渡しなどが挙げられる。また、「選ぶ」についても、長い時間をかけて検討することはあまりない。いろいろなものを実際に使ったり、食べたり、試したりすることができ、また多くの場合は解約も簡単なので、たとえ商品選びに失敗しても、それほど痛手ではないだろう。

今、われわれが「わずらわしい」と感じることをいくつも省略しているサブスクリプションサービスは、ますます広がっていくものと考えられる。

サブスクで利用メリットが大きいものの「ある共通点」とは?

サブスクのメリットは、商品やサービスの価格が高いものほど感じやすいといえる。

たとえば自動車。今の若い人たちにとって、車は手の届きにくい高額商品の筆頭だ。地方に住んでいて、「車がないと暮らせない」という人以外、自動車を買う若者は少なくなっている。

そんな中、トヨタや中古車販売のガリバーなどは、サブスクで自動車を貸し出すサービスを開始している。新車価格で500万円ほどの車種が月々10万円以下で、200万円弱の車種なら4万円程度で乗れるだけでなく、税金や保険料も節約できるので、購入に比べて大幅に費用が圧縮される。

もちろん、これでも「高い」と感じる人もいるだろうし、「ずっと乗るなら買ったほうが安い」という意見もあるだろう。

ただ、「まとまったお金が貯まるまで時間がかかる」「子どもの成長に合わせて車を乗り換えていきたい」「買えば高額な新車に乗ってプライベートを楽しみたい」といった人には、経済的なメリットの大きいサービスなのである。

ファッションのサブスクのイメージ

女性の場合、ファッションにいちばんお金をかけているという人も多い。ただ、平均的な給与では、好きな服を好きなだけ買うということは叶わない。ブランド品も特別な買い物だろう。

そこでサブスクの出番である。定額で洋服が借り放題になるサブスクは、すでにいくつかある。自分では買い揃えられないほど多くの洋服を着ることができ、家で洗濯をしたり、服をクリーニングに出したりする必要もないのだ。月々1万円程度の利用料なら、毎月の洋服代より安く済むかもしれない。

シャネルやグッチ、エルメスなど、ブランド品のバッグを貸し出すサービスも現れた。「ラクサス」というサブスクのサービスでは、月額6800円でブランドバッグが使い放題になる。この金額で好きなブランドのバッグを使い回せるのは、ブランド好きな人にはかなりお得かもしれない。ラクサスがサービスを開始したのは2015年だが、会員数はすでに30万人を超えているというから、いかにこのサービスが浸透しているのかがわかる。あなたの職場にユーザーがいてもおかしくないだろう。

勘のいい人は、すでにお気づきかもしれない。

サブスクとレンタルが、とてもよく似ているということに。

自動車のサブスクは、毎月決まった料金を払えば、自分の好みの車に乗ることができる。ただしこれは、呼び方を変えればカーリースやレンタカーと変わらない。契約内容で細かな違いはあれど、その車は結局「自分の所有物」ではないのだ。

サブスクの中には、返却の必要のないもの(買い取り形式のサブスク、飲食のサブスクなど)もあるが、サブスクの存在理由の1つは、「所有するにはお金がかかるものを、手頃な価格で借りられること」なので、「サブスクといえば借りるもの」と認識する人も増えている。

実際、サブスクとレンタルの境界線はあいまいになってきている。サブスクを利用するかどうかの選択は、「所有するか、所有せずに借りるか」と同義になりつつあるということなのだ。

そして今、その「所有」の概念が大きく変わりつつある。

この記事は『2025年、人は「買い物」をしなくなる 次の10年を変えるデジタルシェルフの衝撃』(望月智之 著/クロスメディア・パブリッシング 刊)の一部を特別に公開しているものです。

2025年、人は「買い物」をしなくなる

2025年、人は「買い物」をしなくなる
次の10年を変えるデジタルシェルフの衝撃

望月智之 著
クロスメディア・パブリッシング 刊
価格 1,480円+税

デジタル先進国である米国、中国を定期的に訪れ、最前線の情報を収集している筆者が、近い未来の消費行動や求められるECのあり方を予測する。

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望月 智之
望月 智之

法人営業・取引のDX化で業績向上をめざす!業務の効率化を実現する成功方法とは

5 years 3ヶ月 ago
コロナ禍以降、法人営業の現場でも求められている「ニューノーマル」。オンライン商談ツールやBtoBサイトの利用で非対面営業を進めようとしても、客先の利用が進まないなど課題も多い。営業現場のデジタル化促進と業績向上につなげるポイントを解説する
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コロナ禍以降、多くの企業の法人営業部門が非対面営業を推し進めている。オンラインツールを活用した営業が増えているものの、営業担当者と客先とのコミュニケーション不足、オフライン作業から脱却できない営業プロセスなど、さまざまな場面で課題が見えてきている。サイト構築やデジタルマーケティング事業などを展開し、約20年間で1300サイト超の支援実績を持つecbeingの富永成幸氏(Eビジネス営業本部/常務執行役員)が、法人営業のデジタル化を推進し、業績向上につなげるポイントについて解説する。(写真◎Lab)

コロナ禍以降、求められる法人営業の変革

コロナ禍における「ニューノーマル」によって、生活様式だけでなく、企業の働き方や事業にも急速な変化が求められた。業務の中でも、特に企業を悩ませているのが法人営業だ。従来は直接訪問することが一般的だったが、非対面営業へとシフトチェンジしなければならないなど、BtoBの購買・営業行為の変革は多くの企業にとって急務の課題となっている。

ecbeing Webセールス・オフィス 法人営業 DX化 働き方変革 新型コロナが法人営業にもたらした影響
新型コロナが法人営業にもたらした影響

しかし、製造業では実に6割以上が「購買・営業活動のオンライン化に関心がある」と回答したほどオンライン化が進んでおらず、日々発生する購買・受注業務でFAXを使用しているために出社せざるを得ない「FAX社員」がいまだに多く存在しているのが現状だ。

進まないオンライン化で売り手・買い手双方の業務に影響

販促や引き合い獲得、在庫・納期の問い合わせなど、オンライン化が進まないことによって、売り手と買い手、双方の業務に影響が生じている。

ecbeing Webセールス・オフィス 法人営業 DX化 働き方変革 オンラインシフトへの関心
製造業では6割以上がオンラインシフトに関心を持っている(n=1014)(調査実施:アペルザ)

「ニューノーマル」における企業のあるべき姿とは

「ニューノーマル」の中、企業のあるべき姿として以下が特に求められている。

  • ビジネス環境の急激な変化
  • 業務プロセスの弾力性(人と人との業務が柔軟につながる)

これらを実現するために、各社とも「業務をデジタル基盤にのせる」という考え方が加速化している。企業間の営業・購買手法も変化し、以前にも増してインターネットを利用した業務がますます増えていくと予測されているため、営業スタイルもコロナ禍の急場しのぎに限らず、対面やオフライン主軸の従来型営業から変化を続けていく可能性が十分に考えられるという

ecbeing Webセールス・オフィス 法人営業 DX化 働き方変革 Eビジネス営業本部 常務執行役員 富永成幸氏
ecbeing Eビジネス営業本部/常務執行役員の富永成幸氏

BtoB向けECサイトのDX化

営業現場のDX化を促進させる3つの要因

客先に直接出向き対面で商談をしていた営業現場でデジタルトランスフォーメーション(DX)化が急速に進みつつあるが、コロナ以前から3つの大きな変化が生じていた。

  1. 購買行動の変化
    ⇒消費生活の中でも、インターネットを通じた購買行動が当たり前になっている。
  2. 労働人口の減少
    ⇒少子化に伴い人材が不足し、働き方改革によって一層の作業効率化が求められている。
  3. 間接資材のネット販売の台頭
    ⇒豊富な品ぞろえと潤沢な在庫を保有し、短納期が可能な間接資材通販大手が台頭している。

そこにコロナ禍が拍車をかけるように、営業現場のDX化を一気に推し進めようとする動きが活発化しているものの、以下の通り、多岐にわたって従来型営業活動の阻害要因が発生しているのも事実だ。

DX化の阻害要因となる従来型営業活動

  • 既存顧客のフォロー
  • 見込み顧客の発掘
  • 商談機会の創出
  • クロージング、契約
  • アップセル、クロスセル
  • 顧客のロイヤル化

オンライン商談ツールの活用で見えた課題

コロナ禍以降、オンライン会議ツールやウェビナー、ECなどの活用は急拡大した。営業現場においても営業担当者が直接客先を訪問する必要がないよう、オンライン商談システムの活用も主流となりつつあるが、その課題も見え始めている。

ecbeing Webセールス・オフィス 法人営業 DX化 働き方変革 オンライン商談ツールの課題
オンライン商談ツールの課題

BtoBサイトの構築だけでは営業のデジタル化にはならない

営業担当者が出張や客先訪問をできない状況下でも営業活動をストップさせないために、BtoBサイトを構築しようとする企業の動きも見られる。しかし、単にBtoBサイトを構築するだけでは従来のリアル営業がそのままデジタルの営業活動にシフトチェンジするわけではないため、クライアント側の利用が促進しにくいといったさまざまな課題が伴いがちだ。

こうした課題を解決するために、富永氏は「現行のBtoB向けECサイトのDX化」を提唱している。

ecbeingは2020年5月、営業に特化したウェブツール「WEBセールス・オフィス」の提供を開始した。客先への商品紹介や問い合わせ対応といった営業活動に、個々の営業担当者がECサイトを身近に活用できるツールとなっている。

営業プロセスでは受注に至るまでのあらゆる段階で、訪問やオフラインによるやり取りが必要となるシーンが多かったが、「WEBセールス・オフィス」は、リード獲得とアポイントから先のプロセスは完全にデジタルシフトできるツールとなっている。

ecbeing Webセールス・オフィス 法人営業 DX化 アポイントから売り上げアップ支援までワンストップで実施
「WEBセールス・オフィス」は、得意先のアポイントから受注完了、売り上げアップ支援までワンストップで行う

法人営業のデジタルシフトとDX化のポイント

「WEBセールス・オフィス」が導入企業から評価されている機能の事例を交え、法人営業のデジタルシフトとDX化のポイントについて解説する。

客先が慣れなければ利用は進まない

時間とコストをかけてBtoBのECサイトを構築しても、営業先の企業がサイトの使い方に慣れないことで利用が進まなかったり、サイト経由の注文が入らないといったケースや、結局従来通りのFAXや電話によって注文が送られてくるケースが散見されるという。

自社だけでなく客先のデジタルシフトも促進するためには、営業担当者が顧客と同じ画面を閲覧し、リモートでコミュニケーションを取りながら操作指導や代理注文をする仕組みが有効だという。

ecbeing Webセールス・オフィス 法人営業 DX化 取引先と同じ画面を閲覧
取引先と同じWeb画面を見ながらオンライン商談を行えることが特徴

営業先の企業や担当者がネットの利用に対して抵抗感を持っていても、2度、3度と同じ目線で操作説明をすると大半のクライアントは操作に慣れてくるもの。法人営業がデジタルシフトするきっかけは、まず営業先の企業が利用に慣れてくれることだ。(富永氏)

ecbeing Webセールス・オフィス 法人営業 DX化 働き方変革 Eビジネス営業本部 常務執行役員 富永成幸氏

各営業担当者から客先ごとに最適な提案

企業の本部主導で運用するBtoBサイトだけでは、営業担当者とクライアントとのコミュニケーション不足につながりかねない。従来型の営業でクライアントごとに最適な提案をしていたように、オンライン商談でも営業担当者からクライアントに対して販売したい商品の情報を直接配信して販促活動ができたり、それぞれに合った最適なコンテンツを提供していくことが重要だ。

その際、「WEBセールス・オフィス」のように、各営業担当者と、担当しているクライアントをダイレクトにつなぎ商談できる仕組みが有効となる。

デジタル営業の安全性と利便性を高めるための機能

企業の本部主導のBtoBサイトではなく、営業担当者ごとに各クライアントに対して営業活動が可能となる「WEBセールス・オフィス」では、安全性、利便性、営業先からの信頼性をより高めるために、以下の機能を備えている。

① セキュリティー対策

営業担当者が持ち歩くPCやモバイル端末から各クライアントへの営業活動が可能となるため、ワンタイムパスワードでログインする機能を搭載し、堅固なセキュリティー対策を実施。

② 名刺に代わる機能

名刺交換や直接対面をしていなくても誰が担当しているかわかるように、営業担当者の顔写真やプロフィールを確認できる画面を用意。

③ 営業活動の状況確認

リモートワークが進む中でも企業側が営業担当者の稼働管理ができるよう、各営業担当者の稼働状況やオンライン商談による注文数、注文金額をリアルタイムで把握できる管理画面を用意。

④ バーチャル応接室

クライアント側から過去の見積もり履歴や注文履歴が閲覧できるほか、営業担当者が提供してきたコンテンツやトピックス、イベント情報、商品セールス情報などが共有でき、実際の応接室のようにサイト上でコミュニケーションをとりながら営業活動ができる機能を構築。

法人営業のデジタル化が業績アップにつながる秘訣3つ

富永氏によると、法人営業のデジタル化が業績向上につながるポイントは、以下の3つにまとめられるという。

  1. 営業部門のOMOを実現し、売り手と買い手の生産性向上・業務効率化を目的とする
  2. 新サービス・商材のアピールなど、リアル展示会に代わる営業部門のデジタルプラットフォームとして活用する
  3. 「商品をサイトで売る」という概念ではなく、営業部門が主体的に活動する場となるようなサイトを構築する

日本企業は特に足で稼ぐ営業が多かったため、コロナ禍以降、「BtoBの販売・営業をどのように進めるべきか」という相談が増えているという。

単にBtoBのECサイトを構築するのではなく、デジタル化する上でもこれまでのリアル営業で蓄積したノウハウを十分に生かしていかなければならない。DX時代の法人営業は、モノを売るだけの営業から無形の価値を提供する顧客サービス事業へと転換していくことで、顧客とのエンゲージメントがより強固になるとしている。

将来的に営業職はなくなると言われているが、そうは思わない。営業担当者をどう伸ばし、どう生かすか、リアル営業をどうデジタルシフトするかが企業にとっての最大の課題だ。(富永氏)

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門谷美帆
門谷美帆

「つばめグリル」がネット通販、コロナ禍で進む飲食店のECビジネス

5 years 3ヶ月 ago

洋食レストラン「つばめグリル」を展開する、つばめは通販事業をスタートした。

冷凍食材のECサイト「フレッシュつばめ便」を1月16日に開設。新型コロナウイルス感染症拡大、ニューノーマルに対応した新たな販路として展開する。

洋食レストラン「つばめグリル」を展開する、つばめは通販事業をスタート
「つばめグリル」のTOPページ(画像は編集部がキャプチャ)

レストランでご提供しているつばめグリルこだわりの味を、出来立てのまま日本全国のご家庭にお届けしたいという想いから、試行錯誤の結果「フレッシュつばめ便」が生まれました。

EC事業スタートの背景をこう説明する「フレッシュつばめ便」では、「つばめ風ハンブルグステーキ」「ロールキャベツ」「自家製ソーセージ」「ニシンの酢漬け」などをセット販売。「つばめ風ハンブルグステーキ&北海道産かぼちゃのポタージュスープセット」が2人前で税込3200円など。

調理した料理を即冷凍し、賞味期限を90日間とすることで通販を実現。レストランと同様、全行程を自社内で行っているという。

ECサイトは「shopify」で運営している。

コロナ禍で進む飲食店のEC参入&EC強化

コロナ禍で飲食店のECビジネスへの参入が相次いでいる。

すかいらーくホールディングスは2020年、「楽天市場」「Amazon.co.jp」に出店。2021年にも自社ECサイトを立ち上げる。

withコロナ時代への対応として、従来事業の枠を超えて新たな販売チャネルの拡大に取り組む必要があると判断。新型コロナウイルス感染症拡大に伴うイエナカ消費の増加に対応する。

持ち帰り寿司店「小僧寿し」を展開する小僧寿しは7月、食品などをネットで販売するECサイト「小僧寿しEC店」をオープン。全国の名産品、こだわりの逸品、酒類などを販売している。

「俺のイタリアン」「俺のフレンチ」などの飲食店を展開している「俺の」は4月、俺のシリーズの公式ECサイト「俺のEC」を開設。「クロワッサン食パン」の販売数が、ECサイトオープンから4か月で1万本を突破している。

幸楽苑ホールディングスは2020年10月、ヤフーが運営する「PayPayモール」に「幸楽苑公式ショップ」を新規出店。「楽天市場」には2018年9月に出店しており、販路を拡大した。

 

瀧川 正実
瀧川 正実

【1/15開催の無料ウェビナー】2021年のEコマースはどうなる? ECの専門家らが今年のEC業界などを大予測

5 years 3ヶ月 ago

一般社団法人ジャパンEコマースコンサルタント協会(JECCICA)は1月15日(金)18時から、「JECCICAオンラインディスカッション 2021年Eコマース大予測はどうなってしまうのか?」をテーマにした参加費無料のウェビナーを開催する。

JECCICAオンラインディスカッション 2021年Eコマース大予測はどうなってしまうのか?

JECCICAでは毎年1月、業界の動向を予測するセミナーを実施している。今回はオンラインで開催する。登壇者は次の通り。

  • ISSUN 宮松利博社長(EC支援企業の社長)
  • ECコンサルカンパニー 江藤政親社長(20年もEC支援を手がける支援会社社長)
  • JECCICA 川連一豊代表理事(50名以上のECコンサルタントを輩出した協会のトップ)
  • team145 石郷学社長(元ECのミカタ編集長)
  • 大和総研 アジアコンサルティング部長 チーフコンサルタント 本谷知彦氏(経産省の「電子商取引実態調査」を担当)
一般社団法人ジャパンEコマースコンサルタント協会(JECCICA)は1月15日(金)18時から、「JECCICAオンラインディスカッション 2021年Eコマース大予測はどうなってしまうのか?」をテーマにした参加費無料のウェビナーを開催
JECCICA主催セミナーの登壇者

2021年の自社ECからECモール、ECオムニチャネル、デジタル戦略など幅広いテーマでディスカッション。2021年を戦い抜くためのヒントを伝える。

開催概要

  • 開催時刻:2021年1月15日(金)18時から90分
  • 主催:JECCICAジャパンeコマースコンサルタント協会
  • 参加者:JECCICA理事講師 ECショップ参加の大予測ディスカッション
  • 会場:Zoom + Facebook Liveで配信
  • ウェビナーURLhttps://us02web.zoom.us/j/82788403309
    ※Facebookイベントページでも閲覧できる(質問あり。承認後、閲覧が可能)
    https://www.facebook.com/groups/jeccicaevent
瀧川 正実
瀧川 正実

ユニクロの2021年9-11月期EC売上は48%増の367億円、ジーユー事業のECは約4割増

5 years 3ヶ月 ago

ファーストリテイリングが1月14日に発表した2020年9-11月期(第1四半期)の連結業績によると、国内ユニクロ事業におけるEC売上高は前年同期比48.3%増の367億円だった。

連結売上高は同0.6%減の6197億円。国内ユニクロ事業は同8.9%増の2538億円だった。国内ユニクロ事業に占めるEC売上高の割合は14.5%となっている。

国内ユニクロ事業は、在宅需要にマッチした商品や秋冬コア商品の販売が好調も推移。ECスタート20周年キャンペーンが奏功し、店舗、ECともに計画を上回る増収となった。EC関連の物流費は売上高増加に伴い金額ベースでは増加したものの、1件あたりの物流費は継低下しているという。

ファーストリテイリングが1月14日に発表した2020年9-11月期(第1四半期)の連結業績によると、国内ユニクロ事業におけるEC売上高は前年同期比48.3%増の367億円
国内ユニクロ事業の既存店前年同月比(画像はIR資料から編集部がキャプチャ)

ジーユー事業のEC売上高は前年同期比約4割の増収。店舗受け取りなど店舗とECのサービスを融合したO2O(Online to Offline)が好調だったことや、アプリを通じた情報発信を強化したことが奏功した。

海外ユニクロ事業のEC売上高は計画通りに推移し増収を確保。中国のダブルイレブン(W11)の売り上げはアパレルジャンルで5年連続1位、値引き販売も大幅に抑制し、利益率が大きく改善したという。

ファーストリテイリングが発表した2020年8月期(通期)連結決算では、国内ユニクロ事業のEC売上高は1000億円を突破、前期比29.3%増の1076億円だった。

ファーストリテイリングが10月15日に発表した2020年8月期連結決算によると、国内ユニクロ事業のEC売上高が1000億円を突破、前期比29.3%増の1076億円となった
国内ユニクロ事業のEC売上高推移(画像はIR資料から編集部が作成)

ジーユー事業は通期EC売上高を公表していないものの、EC売上構成比を公表しており、それによると約9%。ジーユー事業の売上高は2460億円だったため、EC売上構成比から算出したEC売上は約221億円となる。

石居 岳
石居 岳

「Shopify」を日本マーケットで使うには集客が弱い!集客面で押さえておくべき「できること」「できないこと」 | 「Shopify」でECサイトを構築・運営塾

5 years 3ヶ月 ago
「Shopify」は万能ではなく、自社ECサイト特有の課題である「集客」は自ら解決していかなければなりません。「Shopify」を使った「集客」で、“できること”“できないこと”を解説します

ECビジネスに関わって10年強になりますが、自社ECサイトの構築・運営でECプラットフォーム「Shopify」を導入する企業が増えていることが、ここ数年の大きなトピックではないでしょうか。ただ、「Shopify」は万能ではなく、自社ECサイト特有の課題である「集客」は自ら解決していかなければなりません。自社ECサイト運営の肝であり根幹でもある「集客」を、「Shopify」導入企業はどのように解決すればいいのか? 「Shopify」を使った「集客」で、“できること”“できないこと”を解説します。

押さえておくべき「Shopify」集客に関する2つのポイント

「集客」はショッピングカートの構築以上に、自社ECサイトの肝であり根幹となります。「売上≒集客」でもあり、集客の課題を放置すると、売り上げにつながらないという弊害が出てきます。新規で自社ECサイトを立ち上げても売り上げが伸びない、そして放置……。こうした企業は少なくありません。

ただ、「課題は認識している」のに「知識・情報がないだけ」という状況もわかります。「Shopify」で「集客試作を始めるにあたっての基礎知識」「Shopifyでの集客」においての得意/不得意」についてそれぞれ説明していきます。

「Shopify」が集客施策として苦手なこと(カート移行を検討している方が知っておくべきこと)

「Shopify」が苦手としているのは次の3点。

  1. 日本ならではの集客方法
  2. 代理店向けの機能がない
  3. タグの埋め込みが面倒

以上です。では、1つひとつ解説します。

1. 日本ならではの集客方法

世界最大のECプラットフォーム(カート)なので、機能やアプリ(「Shopify」内で提供されている専用アプリケーション)を使い海外向けに展開するには、これ以上適したプラットフォームはないでしょう。

ただ、日本というマーケットに目を向けたときはどうでしょうか。「Shopify」は標準的な機能以外はアプリマーケットで機能を提供するという方式を採用しています。

海外でも当たり前のGoogle広告、FacebookやInstagram広告といった媒体連携、海外Amazon出品などの機能は豊富な連携アプリが用意されています。ですが、日本特有の「LINE活用」、日本のASP(アフィリエイトプロバイダー)を活用したアフィリエイト施策などと連携できる機能はありません

それを補完するアプリも2020年夏までは皆無でした(2020年秋にバリューコマース、ファンコミュニケーションと連携できるアプリがリリースされました)。

こういった、日本マーケットに適した販売施策というのは、「Shopify」が苦手としているところになります

2. 代理店向けの機能がない

広告代理店という文化は日本特有のもの。日本では代理店に集客施策をアウトソーシングするケースは少なくないですよね。ただ、「Shopify」では集客に使う機能に代理店が求めている機能があまりありません実際に手を動かす事業者向けの機能が大半を占めているんです。

具体的には、代理店向け管理画面、代理店権限の機能などです。こういった環境から、日本特有の広告代理店を経由した集客施策を行いにくいという状況があります

3. タグの埋め込みが面倒

多くのショッピングカートも同様ですが、集客に必要なタグを埋め込むにはプログラミング知識が必要です。もちろん、外注にはお金がかかります。

自社で解決するにはプログラミングの教育・勉強、もしくはその道に長けているスタッフの採用などが必要となります。

  • デザインテンプレートの変更
  • 決済完了画面へのタグを追加

を、自社内で行えれば可能ですが、タグの内容 (購入点数・金額を計算など) をプログラミングで解決しなくてはなりません。お金に関わるか所ですので、ここは重要なところ。難易度が高いため、プログラミング知識を有している専門家に任すべきでしょう。ここも悩ましい問題となっています。

「Shopify」が集客施策として得意なこと、ならではのこと

1. 海外でもメジャーな集客方法は得意

Google広告、Facebook広告、Instagram連携など海外の主要集客プレーヤーとの連携は得意としており、連携もスムーズです。専用アプリをインストールして設定するだけです。Tiktokとも連携を発表しています

私がおススメするアプリは、

  • FacebookカタログやInstagram連携の「Shopnow
  • Instagram表示はInstafeed
「Shopify」のアプリストアで提供されているFacebokに関するアプリ

2. SNSや既存顧客基盤との相性は抜群

SNSですでに多くのファンを抱えていたり、既存顧客を実店舗などで抱えている企業が商品を展開するには、「Shopify」は最適でしょう。「Allbirds」「PepsiCo(ペプシコ)」などさまざまなD2Cビジネスで活用されているのがその証左になります。

「自社ECなのでブランドイメージを伝えやすい」「メジャーなSNSが海外企業なので連携がスムーズ」といったことが要因としてあげられます。

「Allbirds」の日本サイトも「Shopify」を使っています(編集部がキャプチャ)

3. 友達紹介・キャンペーンなど販促アプリ

販促ツールは充実しています。以下の和製アプリ、海外アプリはおススメです。

まとめ

シンプルな解説ですが、「Shopify」でのショップ運営を考えたときに上記の点は、集客面で押さえておくべき基本となります。

「Shopifyが苦手」とするところは、アプリで解決していきましょう。もちろん、日本のマーケットに適した集客アプリはまだまだ少ないのが現状です。こうした課題は、私の会社(ハックルベリー)を含めて、「Shopify」向けアプリがどんどんリリースしていきます。

基本を押さえながら、アプリマーケットで増えていくだろう集客アプリをチェック、活用して、「Shopify」で構築・運用している自社ECサイトの拡大につなげていきましょう。

安藤 祐輔
安藤 祐輔

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    2021/1/13
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    モール依存の状況から、自社ECサイト売上を約5年で全EC売上の約5割に引き上げたベガコーポレーション。取り組んだブランド構築、SNSを自社ECサイトの資産として生かす独自のUGCマーケティングなどを解説

    2021/1/13
  3. 緊急事態宣言で消費支出、通販・EC利用はどう変わる?[2020年の振り返り]

    1回目の「緊急事態宣言」による消費支出、ネット通販利用の変化などを振り返る

    2021/1/8
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    出向者は約6か月間、物流センター内の庫内業務に従事する。空港業務の需要が回復するまで期間を定め、物流業務に従事してもらう。コロナ禍における雇用維持、アスクルロジスト従業員の学び・成長の機会にもつなげる

    2021/1/13
  5. 「b8ta」日本上陸から5か月。日本市場における「体験型店舗」の可能性とは?

    米国発の体験型店舗「b8ta」が東京に2店舗オープンしてから5か月が経過。日本でも体験型店舗は受け入れられるだろうか? 日本市場における体験型店舗の可能性を探る

    2021/1/12
  6. 高齢者層のネットショッピング利用率が3割を突破。緊急事態宣言でECシフトがさらに進みそう【ネッ担まとめ】

    ネットショップ担当者が読んでおくべき2021年1月4日〜10日のニュース

    2021/1/13
  7. 【2021年トレンド予測】小売業界「サステナビリティ」「オンラインとオフラインの融合」「期待値超え」など4つのポイント

    「サステナビリティ(持続可能性)の大きな飛躍」「ファストファッションに衰退の兆し」「オンラインとオフラインの融合」「期待を超えることで得られるチャンス」の4ポイントをあげている

    2021/1/12
  8. 「また買いたい」と購入客が感じるカスタマーサポートを「Zendesk」で。やずや、I-neの事例に学ぶ最新CRM

    スマートフォンの台頭により、カスタマーサポートが担う役割と顧客が求める対応は年々変化している。ファン化やブランディングを左右する顧客とのコミュニケーションの品質をいかに高め、効率化を図るべきか? カスタマーサポート領域に特化したツール「Zendesk(ゼンデスク)」を国内展開するエクレクトの辻本真大氏が解説する

    2021/1/12
  9. アスクルが1都3県の法人向けに月額制サブスクリプション型の家具レンタルサービス

    レンタル期間中に使用しなくなった場合、別の従業員宅やオフィスへの移設、1年継続利用した商品は返却あるいは追加料金なしで提供することも可能

    2021/1/8
  10. ABCクッキングスタジオが量子コンピュータでECサイトのメルマガ配信業務を最適化した事例

    属人化している業務をMAで効率化することは可能なのか? D-Wave Systems製の量子コンピューターを活用したABC Cooking Studioの取り組み。

    2021/1/13

    ※期間内のPV数によるランキングです。一部のまとめ記事や殿堂入り記事はランキング集計から除外されています。

    内山 美枝子

    ジョンマスターオーガニックグループが動画コマースに「visumo social curator」導入

    5 years 3ヶ月 ago

    オーガニック化粧品ブランドの製造・販売を手がけるジョンマスターオーガニックグループはECサイト「ジョンマスターオーガニック公式オンラインストア」に、Instagramの写真や動画をECサイトに活用できるソリューション「visumo social curator」を導入した。

    製品の使い方やケア方法を発信する動画コンテンツ「meet up! CHANNEL」を開設。Instagramのライブ配信、過去のアーカイブ動画を発信していく。

    スタッフによるジョンマスターオーガニック製品の使い方から、美容に精通した特別ゲストによるスタイリング提案といったコンテンツを展開している。

    オーガニック化粧品ブランドの製造・販売を手がけるジョンマスターオーガニックグループはECサイト「ジョンマスターオーガニック公式オンラインストア」に、Instagramの写真や動画をECサイトに活用できるソリューション「visumo social curator」を導入
    「meet up! CHANNEL」について

    動画の一覧ページから動画をタップ(クリック)すると、モーダル画面が立ち上がり、動画ストリーミング再生と動画で紹介している商品を表示。商品を購入する場合は掲載している商品画像をクリックすると、ECサイトで購入手続きに進むことができる仕組み。

    「visumo social curator」は、ecbeingの子会社であるvisumoが提供するInstagramの写真や動画をECサイトに活用するソリューション。

    「visumo social curator」を導入すると、Instagram上に投稿されているフィード写真、フィード動画、IGTVを取り込み、ECサイト内にギャラリーコンテンツを作成することが可能になる。Instagram上のコンテンツだけでなく、動画ファイルをアップロードしてコンテンツ化することもできる。

    オーガニック化粧品ブランドの製造・販売を手がけるジョンマスターオーガニックグループはECサイト「ジョンマスターオーガニック公式オンラインストア」に、Instagramの写真や動画をECサイトに活用できるソリューション「visumo social curator」を導入
    モーダル画面が立ち上がり、動画ストリーミング再生と動画で紹介している商品を表示

    コンテンツ化した写真や動画には販売商品を紐づけることが可能で、インスタライブ動画や接客動画を見ながら、商品を購入することができるようになる。

    瀧川 正実
    瀧川 正実

    「note」のショッピング活用が増加中、BASEはnoteとEC連携などで資本業務提携

    5 years 3ヶ月 ago

    BASEは1月12日、メディアプラットフォーム「note(ノート)」を運営するnoteへ出資し、資本業務提携を締結したと発表した。

    noteとの資本業務提携は、「note」を利用するクリエイター、「BASE」加盟店のファン形成・集客・販路の拡大など、両社の顧客に提供する価値の最大化を図るのが目的。

    累計130万ショップを超える「BASE」加盟店、会員登録数260万人以上を抱える「note」クリエイターをつなぎ、「だれでもD2Cビジネスがしやすい環境を促進してく」(note)としている。

    まずは「note」を活用して商品やブランドの背景にあるストーリーや作り手の思いを発信。発信情報に共感したファンが「BASE」で開設したECサイトで商品を購入する流れをスムーズにする機能開発を共同で進める。

    今後実施を予定している連携は次の通り。

    • 「BASE」で開設したECサイトと「note」、相互への導線設置
    • 「BASE」加盟店が管理画面から「note」に記事を投稿できる機能の設置
    • 「note」のショッピングカテゴリーの記事が集まるメディアの活性化
    BASEは、メディアプラットフォーム「note(ノート)」を運営するnoteへ出資し、資本業務提携を締結
    「BASE」と「note」が予定する連携内容

    「note」のEC関連機能に関しては、記事上でECの商品を表示できる機能「note for shopping」を2018年9月にスタート。「BASE」は初期パートナーとして参加した。ほかには、フューチャーショップのSaaS型ECサイト構築プラットフォーム「futureshop」、GMOペパボの「カラーミーショップ」、「shopify」などが「note for shopping」に対応している。

    クリエイターがECサイトで販売している商品を「note」上で一覧表示できる「ストア」について、BASEは2020年3月に連携をスタートした。

    noteによると、ブランド運営や商品販売を行う「note」利用者が増加。ECサイトの商品を埋め込んだ2020年の「note」記事数は、前年比310%にのぼるという。

     

    石居 岳
    石居 岳

    LINEの企業向け新サービス4選&2年弱で20万本を売ったD2Cブランド「アイラシード」に学ぶLINE広告活用

    5 years 3ヶ月 ago
    「LINE SMB DAY」(2020年10月15日開催)で紹介されたLINEの新サービス情報と、同イベントに登壇したまつ毛美容液のD2Cブランド「eyelaceed(アイラシード)」の「LINE広告」活用事例を紹介
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    月間利用者数8,600万人(2020年9月末時点)のユーザーを抱えるLINEが提供する法人向けサービス「LINE公式アカウント」「LINE広告」の活用は、新規顧客の獲得やリピート顧客の育成など、小売業者やEC事業者にとって欠かせないものとなっている。

    本記事では、LINEが2020年末から2021年にかけて提供を開始する新サービス情報紹介のほか、オンラインイベント「LINE SMB DAY」に登壇したまつ毛美容液のD2Cブランド「eyelaceed(アイラシード)」のLINE広告活用事例を取りあげる。

    LINEが新たに提供開始する4つの新サービス

    LINEが中堅・中小企業のマーケティング担当者、パートナー企業や代理店などを対象に行ったオンラインイベント「LINE SMB DAY」(2020年10月15日に開催)。冒頭のKeynoteでは、LINE 執行役員 広告ビジネス事業担当の池端由基氏と、広告事業本部 マーケットグロース事業部の川代宣雄氏が登壇し、新サービスの紹介やLINEの法人向けサービスの現況を伝えた。

    LINEは2020年9月末時点で月間利用者数8,600万人(2020年9月末時点)を誇るコミュニケーションアプリだ。川代氏によると、LINE上で企業・店舗が自社の情報を届けることができる「LINE公式アカウント」のアクティブアカウント数は、24万件(2020年9月時点)にものぼる。

    LINE 広告事業本部 マーケットグロース事業部 川代宣雄氏
    LINE 広告事業本部 マーケットグロース事業部 川代宣雄氏

    LINE公式アカウントのアクティブアカウント数24万のうち、活用が最も進んでいる業種は飲食店・レストランで18%、続いてショッピング・小売店が16%を占める

    さまざまな業種で活用が増加中 アクティブアカウント数24万アカウント
    2020年9月時点でLINE公式アカウントのアクティブアカウント数は24万アカウント。ショッピング・小売店の利用率は16%にのぼる

    このようにビジネスシーンでの活用が進んでいるLINEでは、4つの新たなサービスを提供していく(一部はスタート済)。

    LINEから直接予約ができる「LINEで予約」が11月16日に開始

    LINE公式アカウントから飲食店のオンライン予約が行える「LINEで予約」を、11月16日にリリースした。ファーストパートナーは、有料加盟店数4万9,469店(2020年9月時点)を抱えるぐるなびだ。

    「LINEで予約」は、LINE公式アカウントのプロフィールから即時予約やLINEのトークを通じた有人対応ならびに自動応答での応答予約ができるサービス。ぐるなび加盟飲食店のなかで、席のみ指定のオンライン予約に対応している店舗を対象に、「LINEで予約」の利用が可能になる。

    LINEで予約
    LINE公式アカウントから予約ができる「LINEで予約」

    店舗の検索ができる「LINEプレイス」が2021年3月以降にリリース予定

    「LINEで予約」を促進するためのメディアサービスが、2021年3月以降に提供開始予定の「LINEプレイス」である。

    「LINEプレイス」は、さまざまなジャンルやシチュエーションにあった店舗を探すことができる新しいメディアサービス。池端氏は「LINEの中でお店を検索し、そのままユーザー同士がお気に入りのお店をコレクションやシェアをしたり、そして簡単に予約できるようにする」と展望を述べた。まずは飲食店の情報を充実し、その後、美容サロンなどへ領域を広げていく。

    LINEプレイス
    LINEで店舗探しができるメディアサービス「LINEプレイス」

    販促ソリューション「LINE POP Media」(2020年9月からトライアル提供開始)

    「LINE POP Media」は、 LINE Beaconを使うことで店内でLINEを使うユーザーに情報を配信できる 、メーカーや小売店向けの販促ソリューション。その場でユーザーにおすすめ商品の情報やクーポンを配信することができるようになる。

    その特徴は、店外でもLINEユーザーと接点を持てるようになること。「たとえば、店内にいるユーザーが通知に気付かなくても、帰宅後にLINEを開くことで、次回の来店につながるきっかけを残すことができるようになる」と池端氏は説明する。

    LINE POP Media
    店内でユーザーに情報を配信できる「LINE POP Media」

    誰でもかんたんに応募できるキャンペーンプラットフォーム「LINEで応募」

    企業が実施するキャンペーンに対し、ユーザーがLINEを通じて手軽に応募ができるキャンペーンプラットフォーム「LINEで応募」も2020年11月から提供されている。レシート撮影やシリアル番号の入力など、さまざまな応募形式を受け付けることができ、 決済システム「LINE Pay」との連動も予定している。

    LINEで応募
    「LINEで応募」の活用イメージ

    LINEは、LINEのプラットフォーム上でコミュニケーションが完結するサービスを今後も提供していく考えだ。

    LINE 執行役員 広告ビジネス事業担当 池端由基氏
    LINE 執行役員 広告ビジネス事業担当 池端由基氏

    2年足らずで「アイラシード」を20万本売ったスリーズとは

    「LINE SMB DAY」のSession6では、まつ毛美容液「アイラシード」のD2C事業などをてがけるスリーズが登壇。「販売本数20万本!D2Cブランド『アイラシード』の顧客獲得」をテーマにLINE広告を活用した取り組みについて講演した。

    スリーズは、PR事業を展開するベクトルグループのD2CビジネスカンパニーDirect Tech社と、EC基幹システム「EC Force」を提供するSUPER STUDIOとのジョイント・ベンチャー。両社のノウハウを組み合わせ、プロダクトアウトを通じた市場調査を行うことを事業の目的としている。マーケティングリサーチなどで得た調査結果を基に立ち上げたのが、D2C事業だ。

    アイラシード
    D2C事業の主力商品である「アイラシード」

    マーケティング戦略は、「3つの“S”がベースとなっている」と話すのは、スリーズ プロデューサーの天野渉氏。

    • Simple→ シンプルに物事を考え、ターゲットのいる場所に届ける
    • Smart → 効率よく届ける
    • Sensational→ 刺激を喚起するように届ける

    “ほしいを生み出す刺激”を創出するために、ターゲティングできるオンラインメディアを中心に広告を出稿してきた。KPI(重要業績評価指標)を設定し、費用対効果の検証を行い、PDCAをしっかり回していけるメディアを選んで新規顧客の獲得を進めることを、マーケティング戦略としている。(天野氏)

    これまでキュレーションアプリ内のネイティブ広告、SNS広告を主に活用していたが、運用を積み重ねていくにつれて課題が浮き彫りになっていった。

    キュレーションアプリ内のネイティブ広告は長期間出稿すると、新規ユーザーへのアプローチが難しくなる印象を受けた。また、出稿していたSNS広告は審査結果のフィードバックが不明瞭なため、クリエイティブの試行錯誤やアカウント停止による再登録といったオペレーションコストが非常に高くなっていった。(天野氏)

    スリーズ プロデューサー 天野 渉氏
    スリーズ プロデューサー 天野 渉氏 写真◎吉田浩章

    LINE広告運用3か月目でCPA許容ラインをクリアし、4か月目以降に獲得数急増

    キュレーションアプリ内のネイティブ広告、SNS広告で課題があがっていた時に着手したのが、LINEのアプリ内やファミリーサービスに広告を配信できる「LINE広告」。「CPC(クリック単価)が安く、コストパフォーマンスが良いという噂を同業他社や広告代理店から聞きつけ、競合他社に先行してトライしたいと思った」と天野氏は当時を振り返る。

    さらにLINEは、8,600万人(2020年9月末時点)もの月間利用者数を抱える。天野氏はこの圧倒的なユーザー数に加え、膨大なユーザーを抱えているからこその「厳正な広告審査基準」を評価。ブランド棄損の可能性が少ないと考え、継続的な成長を実現するための新規顧客の獲得という観点から「注力すべきプラットフォーム」だと感じたと話す。

    SNSの利用者数の比較
    SNSの利用者数の比較

    実は2020年4月以前、スリーズはLINE広告出稿に向けて独自で準備を進めていたが、LINE広告の審査において否認された経緯がある。そこで、LINEと中小企業領域における戦略パートナーとして認定されているソウルドアウトと連携し、ブランドサイト、各種コンテンツの再精査を実施。審査を通過し、無事運用にこぎ着けた。

    こうした審査基準に天野氏は信頼を寄せているが、他の企業からもLINE広告の審査は評価が高いという。LINE 広告事業本部 マーケットグロース事業部 坪内裕朗氏はこう話す。

    LINEではユーザーを第一に考え、ユーザーが誤解を招く表現、不快に思う表現は厳しく審査をしている。出稿する企業がブランド毀損をせずに自然な形で訴求ができるようにする広告基準には評価を頂いている。

    LINE 広告事業本部 マーケットグロース事業部 坪内裕朗氏
    LINE 広告事業本部 マーケットグロース事業部 坪内裕朗氏 写真◎吉田浩章

    成果を伸ばすためのLINE広告運用

    スリーズが採用した広告運用指標

    スリーズではLINE広告の運用においてCPA(顧客獲得単価)を目標にしている。運用指標として「CTR(クリック率)」「遷移率(中間LPから本サイトのLPへの誘導率)」の向上を掲げる

    スリーズが設定したLINE広告の運用指標
    スリーズが設定したLINE広告の運用指標

    CTRは、LINE ユーザーに興味を持ってもらえたか、受け入れられたかを測るための指標として設定。「ユーザーに興味を持って受け入れてもらえるクリエイティブを出稿し、クリックにつなげたい」と天野氏は説明する。

    また、ユーザーがLINE広告をクリックすると中間的なLPに移動し、そのLPから本LPにユーザーを誘導する仕組みを採用。中間LPから本LPの導線が悪化する背景に「商品特性などが理解されていない」「誤解を生んでいる」といった理由があるのではないかと仮説を立て、遷移率の向上を目標値に据えている。

    LPでは、商品特性を理解してもらうことが重要と考えている。そのため、商品への誤解を生まないように改善へつなげるための数値として、遷移率を重視している。(天野氏)

    スリーズの天野氏(写真右)と坪内の坪内氏
    スリーズの天野氏(写真右)とLINEの坪内氏 写真◎吉田浩章

    成果につながったLINE広告の自動最適化配信機能

    すぐに効果が出たわけではない。LINE広告の配信開始から2か月目までは、設定したCPA許容ラインを上回る獲得単価で推移していた。それでも、3か月目に許容内までCPAは改善し、4か月目となる7月は前月比5.7倍となる新規顧客を獲得したという。

     

    LINE広告スタート後の実績
    LINE広告スタート後の実績

    数か月で成果が出たのは、自動最適化配信を活用したこともあげられる。自動最適化配信は、LINE 広告で獲得したデータから、最適な入札金額を自動的に決定する機能。機械学習が膨大なデータからさまざまな予測値を導き出す仕組みで、コンバージョン数が増えるごとに機械学習の精度が向上する。機械学習の完了の目安は40コンバージョン(※)。

    ※LINE社として推奨しているコンバージョン数

    LINEの自動最適化配信
    自動最適化配信について

    自動最適化配信を行うことで、CPAが従来の半分以下まで下がったといったケースも数多く出ている。現在、LINE広告では8割以上が自動最適化配信を利用しているという。

    LINE広告の運用は自動入札
    LINE広告の運用は自動入札が8割を超えている

    天野氏はLINE広告の運用ポイントを、次のように解説した。

    膨大なユーザーを抱えるLINEでの広告配信は、外部環境や競合の出稿状況にも影響される。1つひとつの具体的なクリエイティブの反省を行うのではなく、PDCAを最適・最速で回して効率の良いクリエイティブを発見していくことが重要になる。当社は大まかなトレンドを捉えながらLINE広告を運用することに重きを置いた。

    新規顧客の獲得やリピート顧客の育成にLINE広告とLINE公式アカウントを併用

    天野氏はLINE活用の今後の展望を3つあげる。

    LINE活用のロードマップ

    1つ目は、他ブランドへの横展開。スリーズは主に「アイラシード」の広告配信をLINE広告で行っているが、今後は蓄積したデータを他ブランドでも展開し、新規顧客の獲得を進めようと考えている。

    2つ目は、新規獲得を目的としたLINE公式アカウントの利活用だ。LINE経由で商品を購入したユーザーをリピート顧客に育成するためのCRMとしての活用以外にも、トラッキング規制やデータプライバシーに関する対策として、LINE公式アカウントの有効活用ができないかと考えているという。

    3つ目が、LINE公式アカウントで得たデータをLINE広告に活用できる「クロスターゲティング」機能だ。横断した広告プロモーションやキャンペーンを実施することで、効果的で最適なコミュニケーションの実現が可能となるという。

    LINE公式アカウント LINE広告 LINEセールスプロモーソン LINEチラシ LINEポイントAD
    LINEのさまざまな広告メニューのデータが連係されるようになる

    LINE公式アカウントを使うことで、蓄積したデータをLINE広告へと結びつけ、より精度の高い広告配信ができるようになる。購入確度の高いユーザーへ優先的に情報を届けるなどの運用をしていきたい。(天野氏)

    なお、LINE広告のサービスについては、以下のページ内で詳しく紹介している。

    ▼LINE広告について

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    吉野 巨人
    吉野 巨人

    アマゾンで成功しているニッチブランドのM&Aが活発化。買収企業が語るAmazon内で売上を伸ばす秘訣と成長分野とは | 海外のEC事情・戦略・マーケティング情報ウォッチ

    5 years 3ヶ月 ago
    Amazonでの販売に成功している小規模ブランドを買収しようと、資金が潤沢にある企業が続々と名乗りを上げています。なぜ、Amazon出品事業者の企業買収が活発化しているのでしょうか

    資金が潤沢にある米国の企業は今、Amazonでの販売に成功している小規模ブランドの買収に注力しています。目的は、ブランドにリソースをつぎ込み売り上げと利益を増加させることです。買収対象となり得る起業家達は、魅力的な価格でビジネスを売却することができます。

    Amazon.comで成功した小規模ブランドが「売り手市場」に?

    Amazonでの販売に成功している小規模ブランドが突然、“大人気商品”となっています。

    近年、Amazonで成功しているニッチなビジネスを買収するために、資金調達する企業が登場しています。こうした買収会社は、より大きな資金と技術的なリソースを買収先に提供しブランドをサポート、さらなる売り上げと利益を生み出すことを目的としています。企業のM&Aに関するアドバイスを行う英国のコンサルティング会社Hahnbeck社は、そのような買収会社31社を特定しました。

    民間企業への投資情報を提供するCrunchbase社によると、2018年以降に設立された以下の7社は、いずれも10億ドル以上の資金を調達しているそうです。

    企業名創業年本社所在地調達資金額(百万ドル)
    Thrasio2018年マサチューセッツ州ウォルポール396.5
    Heyday2020年サンフランシスコ175.0
    Perch2019年ボストン133.8
    SellerX2020年ベルリン118.0
    Boosted Commerce2020年ロサンゼルス87.0
    Heroes2020年ロンドン65.0
    Razor Group GmbH2020年ベルリン34.8
    合計1010.1

    Amazonのブランドを買収している企業リスト(資金を公表している企業のみ。グラフは『Digital Commerce 360』の「Why now is a great time for Amazon sellers to sell their business」より編集部が作成)

    Amazon商品のポートフォリオ構築を競い合う買収会社

    Amazonで蜂蜜ポットとディスペンサーを販売するHunnibi社には、4社から買収のオファーを受け取りました。創業者の若いカナダ人3人は2019年、自社の企業価値について調査しスタート。買収を希望する企業が多かったため、強気に出ました。

    Crunchbase社によると、Hunnibi社は2020年5月、Amazonで事業展開する企業の買収を手がけるPerch社へと事業を売却しました。Perch社は、1億3,380万ドルの資金調達を行った後、過去1年間に20のAmazonブランドを買収しています。

    Hunnibi社のサイトトップページ
    Hunnibi社のサイトトップページ(画像:サイトよりキャプチャ)

    買収会社がお互いに競い合ったことでHunnibi社は良い交渉ができたと、Hunnibiの創業者の1人(匿名を希望)が語りました。

    今は売り手市場です。誰が最も多くAmazonブランドを買い占め、Amazon商品のポートフォリオを構築できるかを競っているのです。価格はまだ高騰し、競争が落ち着くまで上昇し続けるでしょう。競争のおかげでまともなオファーがもらえます。(Hunnibi創業者)

    彼は、Perch社が支払った金額を明らかにしませんでしたが、彼と彼のパートナーは、売却価格の70%を前払いで受け取り、残りの金額は2021年、Hunnibiが手がけるブランドのパフォーマンスに基づいて支払われるそうです。

    買収会社がAmazonで成功しているブランドに支払う金額

    「買収会社は通常、Amazonブランドに対して、EBITDA(税引前の当期営業利益に減価償却費を加えて計算した値)の2.5倍から4.5倍を支払っている」。複数のAmazon出品事業者にアドバイスを行うHahnbeck社の創業者であるタリーセン・ハリウッド氏はこうは話します。

    年間の「EBITDA」が100万ドルのような大きなブランドは、高めの価格帯で倍率が高くなりますが、小規模な企業はそれほど高くなりません。ハリウッド氏によると「買収会社は通常、最低でも年間20万ドルの利益を求めている」そうです。

    また、ハリウッド氏は「買収会社が求めているAmazonブランドは、一般的に売上高は1,000万ドル未満で、大規模小売業者や小売事業を買収するプライベート・エクイティ・ファームにアピールするには小さすぎるブランドだ」と言います。

    Amazonで伸びているブランドを求める買収会社は通常、年間収益は少なくとも75万ドル以上の企業を探しており、年間売上高が200万ドル以上の企業を好みます。(ハリウッド氏)

    Hunnibi社の共同創業者と同様、ハリウッド氏も「ブランドの入札合戦が、買収会社が支払う『EBITDA』の数字を押し上げている」と言います。

    全体の価格帯が上がっています。以前は2倍(「EBITDA」の2倍)だった会社が、今では2.5倍になっているかもしれません。(ハリウッド氏)

    また、ハリウッド氏は「売り手はより有利な条件を得ることができる」とも言います。たとえば、Amazonで売れている商品だけを売却するのではなく、過去に販売した商品の欠陥で訴訟を起こされる可能性があるリスクを背負うために、会社全体を買収するよう要求することもできます

    Amazonは、北米を代表するオンライン小売事業者のランキング「北米EC事業 トップ1000社データベース 2020年版」(『Digital Commerce 360』発行)で1位、世界を代表するマーケットプレイスショッピングサイトのランキング「オンラインマーケットプレイストップ100社」(『Digital Commerce 360』発行)では3位にランクインしています。

    Amazonブランドを100近く買収するユニコーン企業「Thrasio」

    資金調達を公開している買収会社の中で、ボストン郊外のウォルポールに拠点を置くThrasio社は2018年の創業以来、3億9,650万ドルと圧倒的に多くの資金を調達しています。

    Thrasio社のサイトトップページ
    Thrasio社のサイトトップページ(画像:サイトよりキャプチャ)

    Thrasio社は2020年12月上旬までに90のAmazonブランドを買収しており、「2020年末までに100社近くの企業をポートフォリオに加える」。カルロス・キャッシュマン氏と同社を共同創業したジョシュア・シルバースタイン氏はこう述べています。ジョシュア氏によると、買収したブランドの売上高は年間5億ドルに達し、Thrasio社は2020年に1億ドルの利益を計上しました。

    さらに、「Thrasio社は買収したブランドを成長させている」とシルバースタイン氏は説明。Thrasio社が購入したブランドの「EBITDA」は買収以降、平均156%増加しているそうです。

    2021年には、Amazonでの売上高が13億ドルになるとThrasioは予測。いくつかのブランドについては、「Shopify」で構築したECサイトからの追加売上も見込んでいます。また、Thrasio社は買収したブランドの新商品の展開も計画しており、2021年には250~500点の新商品を発売する予定です。

    さらに、グローバルに事業を拡大。「英国、ドイツ、日本にはM&A(合併・買収)チームがあります」とシルバースタイン氏は言います。

    Thrashio社は買収したブランドの売り上げをどう伸ばしているか

    シルバースタイン氏がキャッシュマン氏と一緒にThrasio社を設立した理由は、Amazonで販売している企業のデータを調査した結果、多くの小規模な販売者は最初の1~2品で大きな利益を上げていたものの、商品数が増えるにつれて利益率が低下していたことを発見したからです。

    販売者にその理由を聞いてみたところ、Amazonは信じられないほど複雑な場所だと言われました。上手く使いこなす必要がある機能がたくさんあります。1つの商品を管理しているうちは良いのですが、1人か2人でより多くの商品を管理するようになると、複雑になって、スムーズな運営が難しくなってきます。(シルバースタイン氏)

    Thrasio社やAmazonのブランドを買収している他の企業は、多くのリソースを持つ企業の方が、小規模なブランドよりも複雑なAmazonの管理をうまく行えると考えています。

    シルバースタイン氏によると、従業員600人を擁するThrasio社は、さまざまな方法で買収した企業のパフォーマンスを向上させているそうです。より良いサプライヤーを見つけ、アジアからの出荷をフルコンテナに集約して輸送コストを削減、商品写真や説明文などのクリエイティブを改善していると言います。

    より良い写真と、より洗練されたコピーは、コンバージョンを向上させます。Amazonの「A9アルゴリズム」(Amazon内の検索アルゴリズム)はコンバージョン率を重視しているため、Amazonの検索結果で上位にランクインするためには、写真やコピーが非常に重要だとシルバースタイン氏は話します。

    Amazonのミッションは、顧客にとって素晴らしい結果を提供することなので、そのアルゴリズムは理にかなっています。Amazonは、人々が商品を見たときに購入する可能性が高い商品を見つけて、検索ページのトップに掲載したいと考えています。アルゴリズムの80%はコンバージョン率で、残りは販売速度です。(シルバースタイン氏)

    言い換えれば、売れる商品がAmazonの検索結果の上位に来るということです。そして、Amazonのマーケティングに特化した75人の従業員を擁するThrasio社は、ほんの一握りのスタッフでビジネスを運営する典型的なAmazonの起業家よりも、より効果的に売り上げを伸ばすことができるとシルバースタイン氏は話します。

    買収会社にとって最も魅力的なAmazonブランドは?

    家電製品やファッションなど、トレンドが常に変化するカテゴリーで新商品を開発することは、Thrasio社のような買収会社が得意とすることではありません。

    「私たちは優れた商品を手に入れて、それをスケールアップしていくのです。半年ごとに新しいBluetoothヘッドホンを販売するのではありません」とPerch社のCEO兼創業者のクリス・ベル氏は言います。

    Crunchbase社によると、1億3,380万ドルを調達し、20のAmazonブランドを買収してきたPerch社は、家庭用品、おもちゃ、ゲーム、医療機器などのカテゴリーに注力しています

    これらは安定したカテゴリーです。15年後も人々が買うものは変わらないと予想しています。ブランドをうまく管理すれば、15年後も市場のリーダーであり続けることができるのです。(ベル氏)

    買収会社は、良いレビューが多い商品も探していると言います。Amazonは近年、偽レビューの温床となっているさまざまなスキームを取り締まっているため、良いレビューには特に価値があります。つまり、正当に良いレビューを蓄積しているブランドは、Amazonの検索結果の上位に表示されるということです。

    「1万件のレビューを持つ商品をAmazonの検索結果の1位、2位、3位から追い出すことは、ほぼ不可能です」と、Eコマースに特化したデジタルマーケティングエージェンシーBlue Wheel Media社のトレバー・ジョージCEOは言います。

    シルバースタイン氏によると、Thrasio社はウエイトリフティング用の備品を販売するDark Iron社を買収した後、レビューの力を実感したそうです。その商品は727日間のうち717日間、検索結果でトップの座を保持していました。

    1万件以上のレビューを獲得するDark Iron社のAmazon販売ページ
    1万件以上のレビューを獲得するDark Iron社のAmazon販売ページ(画像:Amazon商品ページよりキャプチャ)

    「レビューは本当に長期的なメリットです」とシルバースタイン氏は言います。彼は、Amazonの顧客がレビューの高い商品には数ドル多く支払うことにも注目しています。Thrasio社が人気のDark Iron社の商品価格を数ドル上げるテストを行ったところ、売り上げは落ち込まなかったそうです。

    他の買収会社も同様です。Amazonで販売する事業者の買収を手がけるRecombrands社の共同創業者兼COOであるジェームス・スタイン氏は、「我々の理想的な候補者は、5つ星のレビューの多く持ち、そのカテゴリーのリーダーの1つになっているブランドです」と語ります(Recombrands社は金額を明らかにしていませんが、2021年の早い時期に資金調達の発表を予定しているとスタイン氏は述べています)。

    買収会社は、Amazonの「フルフィルメント by Amazon」を利用して商品を倉庫に保管し、注文を処理している販売事業者に好意的だとハリウッド氏は言います。そのような販売事業者はコスト構造が明確で、従業員の数も少ないからというのが理由です。

    在庫を自分たちで処理している販売者は、Amazonを利用している販売事業者に比べて、ビジネスに不確定要素が多いのです。(ハリウッド氏)

    Amazonの先を見据えるThrasio社

    買収会社の多くは、今後大きな成長が見込まれるAmazonの小規模ブランドに焦点を当てています。「Amazonに焦点を当て、そこに集中して最適化しなければなりません」と、スタイン氏は言います。

    しかし、Thrasio社はすでにAmazonだけでなく、大手スーパーマーケットチェーンの「Walmart」やディスカウントチェーンの「Target」、InstagramやTikTokなどのソーシャルメディアサイトでのブランド獲得の機会を模索しているとシルバースタイン氏は述べています。また、「Shopify」でECサイトを運営するブランドは、消費者データを収集して売り上げを増やすために大切だと考えています。

    シルバースタイン氏によると、Amazonでの販売事業者は消費者がAmazonで何を買ったかを知るだけで、同時に購入する可能性のある商品や、閲覧した可能性のある商品を知ることはできないそうです。さらに、Amazonは顧客のメールアドレスを提供しないため、販売者はフォローアップマーケティングを行うことができません。

    ブランドのWebサイトでは、消費者が購入前に何を見ているかを確認したり、異なるオーディエンスがどのように閲覧しているかを分析したりすることができるとシルバースタイン氏は説明。また、小売事業者はAmazonではできない方法で商品をバンドリングしたり、リマーケティングのために購入者のメールアドレスを取得したりすることもできます。

    消費者に寄り添い、何を求めているのかを理解し、コミュニケーションをとることがAmazonではできません。最高の結果を得るためには、実際に消費者と対話し、関係性を築くことが大切です。(シルバースタイン氏)

    ブランドへの販売戦略アドバイス

    Amazonのブランドを買収しようとする企業の出現は、今までよりも大きな競争に直面しているマーケットプレイスの小規模販売者にとっては良いタイミングだと、デジタルマーケティングソリューションを提供するBlue Wheel Mediaのジョージ氏(「Warner Brothers」「Dreamworks」「NBC/Universal」などのブランドからライセンスを受けたアパレルを製造するTrevco社のCEOでもある)は言います。

    世界の家庭用品の多くを生産している中国の工場と同様、現在はAmazonのようなマーケットプレイスで直接販売する大規模な消費財メーカーが増えているとジョージ氏は指摘。「一気通貫したビジネスで、本当の差別化ポイントを持っていない限り、これらのメーカーに対抗するのは難しい」とジョージ氏は話します。

    大手企業との競争に疲れたブランドにとって、売り切るチャンスは十分にあります。ジョージ氏によると、買収会社が好むカテゴリーのブランドの中には、買収を検討している企業から1~2週間ごとにメールを受け取っているケースもあるそうです。

    しかし、「交渉に入る前に、Amazonの販売事業者は財務記録を整理しておくべきだ」と、Amazonでの販売を支援するソフトウェアを提供するFlowster.app社の創業者であるトレント・ディルスミド氏はアドバイスしています。

    大枠について合意した後、買い手は通常、ビジネスに関するより多くの情報を買収確定の前に要求するため、「それが売り手のストレスになる可能性がある」と過去にビジネスを売却した経験があるトレント氏は言います。

    事前に準備していない場合は、買い手候補から要求される情報を準備するために、本来ならビジネスを成長させるために費やすべき時間を、ペーパーワークに使うことになります。そうなると、ビジネス自体がうまくいかなくなる可能性があり、それを察知した買い手はオファーを下げてしまうかもしれません。(トレント氏)

    続けてトレント氏は次のように述べました。

    そんな事態を避けるためには、本当に良い会計事務所を見つけて帳簿を整理してください。財務記録が整っていて、プロセスが文書化されていれば、デューデリジェンスのプロセスは、大きな問題にはならないでしょう。ビジネスを軌道に乗せたまま、求めていた幸せなイグジットを実現できます。(トレント氏)

    この記事は今西由加さんが翻訳。世界最大級のEC専門メディア『Digital Commerce 360』(旧『Internet RETAILER』)の記事をネットショップ担当者フォーラムが、天井秀和さん白川久美さん中島郁さんの協力を得て、日本向けに編集したものです。

    Digital Commerce 360
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    アスクルが航空業界の従業員を物流センターで出向受け入れへ。業界の枠を超えて雇用を維持する取り組みとは

    5 years 3ヶ月 ago

    アスクルの100%子会社で物流業務を手がけるASKUL LOGIS(アスクルロジスト)は、新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受けている航空業界の従業員を、出向者として受け入れる。

    全国の空港で航空機地上支援業務(グランドハンドリング業務)を幅広く担うスイスポートジャパンから段階的に出向者を受け入れる計画で、1月の受け入れは55人を予定している。

    出向者は約6か月間、物流センター内の庫内業務に従事する。主な業務は、ピッキング、商品補充、梱包、検品など。空港業務の需要が回復するまで期間を定め、物流業務に従事してもらうことで、コロナ禍における雇用維持につなげる。

    スイスポートジャパンは旅客業務、オペレーション業務、ランプ業務、貨物業務、整備補助業務など、航空機の離発着を支援する空港グランドハンドリング業務を手がける企業。「高い業務レベルを有する」(アスクル)というスイスポートジャパンからの出向を受け入れることで、アスクルロジスト従業員の学び・成長の機会にもつなげる。

    アスクルロジストは、アスクルが展開するBtoB通販、EC事業の商品出荷・配送業務を担っており、全国11か所で主要拠点となる物流センターを運営。1月から、大阪物流センター、関西物流センター、大阪EC物流センター、名古屋センター、福岡物流センターで受け入れる。

    新型コロナの影響下でもアスクルの業績は好調。2020年5月期の売上高は初めて4000億円を突破。2020年6-11月期(第2四半期累計)の売上高は前年同期比3.4%で好調を維持している。

    雇用シェア(在籍型出向制度)で雇用維持を図る取り組みを政府が後押し

    アスクルがスイスポートジャパンの従業員を出向として受け入れる取り組みは、雇用シェア(在籍型出向制度)と呼ばれており、コロナ禍における雇用維持の観点から政府も後押しをしようとしている。

    政府が新たに創設しようとしている雇用維持のための制度は、新型コロナウイルス感染症拡大の影響で事業活動が一時的に縮小している事業者が、出向で労働者の雇用を維持する場合、出向元と出向先の双方の事業者に運営経費を助成する「産業雇用安定助成金」(仮称)。

    2020年12月15日に閣議決定された令和2年度第3次補正予算案に盛り込んでおり、2021年1月に始まる通常国会での予算案承認、厚生労働省令の改正などを経て確定する見込み。

    新型コロナウイルス感染症拡大の影響で事業活動が一時的に縮小している事業者が、出向で労働者の雇用を維持する場合、出向元と出向先の双方の事業者に運営経費を助成する「産業雇用安定助成金」(仮称)
    「産業雇用安定助成金」(仮称)について(画像は厚労省が公表した資料からキャプチャ)

    「産業雇用安定助成金」は、出向する労働者に関する一部経費について、出向元事業者と出向先事業者が共同事業主として支給申請を行い、それぞれの事業者へ助成金を支給する制度。申請手続きは出向元事業者が行う。

    たとえば、コロナの影響で輸出が減少した中小企業メーカーが、従業員を百貨店・総合スーパーへ出向。受け入れ企業は、出向者の生産工程管理の技術を自社の社員へ承継するなどのケースを想定している。

    助成金の対象となる「出向」

    • 対象:雇用調整を目的とする出向(新型コロナウイルス感染症の影響により事業活動の一時的な縮小を余儀なくされた事業者が、雇用の維持を図ることを目的に行う出向)
    • 前提:出向期間終了後は元の事業所に戻って働くこと
    • 要件:出向元と出向先が、親子・グループ関係にないなど、資本的、経済的・組織的関連性などからみて独立性が認められること。出向元で代わりに労働者を雇い入れる、出向先で別の人を出向させたり離職させる、出向元と出向先で労働者を交換するなど、玉突き雇用・出向を行っていないこと

    助成率・助成額

    出向運営経費

    出向元事業者および出向先事業者が負担する賃金、教育訓練、労務管理に関する調整経費など、出向中に要する経費の一部を助成

    新型コロナウイルス感染症拡大の影響で事業活動が一時的に縮小している事業者が、出向で労働者の雇用を維持する場合、出向元と出向先の双方の事業者に運営経費を助成する「産業雇用安定助成金」(仮称)
    助成率と助成額について(画像は厚労省が公表した資料からキャプチャ)

    出向初期経費

    就業規則や出向契約書の整備費用、出向元事業者が出向に際して行う教育訓練、出向先事業者が出向者を受け入れるために用意する機器や備品など、出向に要する初期経費の一部を助成

    新型コロナウイルス感染症拡大の影響で事業活動が一時的に縮小している事業者が、出向で労働者の雇用を維持する場合、出向元と出向先の双方の事業者に運営経費を助成する「産業雇用安定助成金」(仮称)
    出向初期についての助成額について(画像は厚労省が公表した資料からキャプチャ)

    助成対象となる経費

    • 出向開始日が2021年1月1日以降の場合
      出向開始日以降の出向運営経費、出向初期経費が助成対象となる
    • 出向開始日が2021年1月1日より前の場合
      1月以降の出向運営経費のみ助成対象となる
    新型コロナウイルス感染症拡大の影響で事業活動が一時的に縮小している事業者が、出向で労働者の雇用を維持する場合、出向元と出向先の双方の事業者に運営経費を助成する「産業雇用安定助成金」(仮称)
    受給までの流れ(画像は厚労省が公表した資料からキャプチャ)

    助成額比較例(イメージ)

    新型コロナウイルス感染症拡大の影響で事業活動が一時的に縮小している事業者が、出向で労働者の雇用を維持する場合、出向元と出向先の双方の事業者に運営経費を助成する「産業雇用安定助成金」(仮称)
    助成額のイメージ。賃金は、出向期間中の賃金日額と出向元での直近の賃金日額のいずれか低い方の額9000円。出向期間中の出向運営経費は、出向元賃金負担が3600円、出向先賃金負担が5400円。出向先で教育訓練、労務管理に関する調整経費など3000円。
    ◇◇◇

    政府は2021年2月までの延長を決めた現行の「雇用調整助成金」特例措置を、3月から縮減する方針。「雇用調整助成金」でも雇用調整を目的とする出向に関する助成があるものの、助成対象は出向元の事業者のみ。また、従業員を休業させた場合よりも低い金額となっている。

    こうしたことを踏まえ、政府は出向元と出向先の双方の企業に助成金を支給する「産業雇用安定助成金」の創設を決めた。

    瀧川 正実
    瀧川 正実

    大雪・荒天の影響で荷受け停止や配送遅延が発生中。日本郵便、ヤマト運輸、佐川急便の配送状況まとめ【1月12日時点】

    5 years 3ヶ月 ago

    大雪などの影響により大手配送キャリアで、ネット通販の荷物などの配送遅延、荷受け停止などが発生している。

    ヤマト運輸

    1月12日14:00現在、大雪や時化(しけ)による交通規制やフェリー欠航などにより、北陸地方の一部地域で、全国からの荷物の荷受けを停止。また、全国の広い範囲で荷物の配達に遅れが発生しているという。

    天候の回復や交通規制が解除され次第、順次荷受けの再開や配達していく。荷受けの停止や配達遅れが生じている地域の詳細については、ホームページの「お荷物の集配および宅急便センターの営業状況について」を随時更新する。

    佐川急便

    1月12日19:00現在、天候不良のため富山・石川の全域で集荷・配達を中止。新潟・福井の一部でも集荷・配達を中止している。

    このほか、北海道・東北で配達が1日以上遅れているほか、中国地方と大分でも半日から1日の配達遅延が発生している。

    日本郵便

    1月12日15:00現在、高速道路・一般道の通行止め、船舶便・航空便の欠航などにより、日本海側の広い範囲の地域で引き受け、郵便物・ゆうパックなどの配達に遅れが発生している。特に北陸地方および九州地方を引受または配達となる郵便物・ゆうパックについて、大幅な遅延を見込んでいる。

    富山・石川・福井の全域、新潟の糸魚川市・上越市・妙高市では、ゆうパック・ゆうパケット・ゆうメールの引き受けを停止。東北および北陸、九州の全域で郵便物やゆうパックの配達遅延が発生しているほか、中国地方の一部でも郵便物やゆうパックが配達遅延となっている。

    石居 岳
    石居 岳

    高齢者層のネットショッピング利用率が3割を突破。緊急事態宣言でECシフトがさらに進みそう【ネッ担まとめ】 | ネットショップ担当者が 知っておくべきニュースのまとめ

    5 years 3ヶ月 ago
    ネットショップ担当者が読んでおくべき2021年1月4日〜10日のニュース
    ネッ担まとめ

    コロナの影響はまだまだ続きそうです。そうなるとネットショップの利用も継続的に伸びていきますよね。人口の多い地域の高齢者世帯でも伸びているようですので、この層向けの商品を考えても良さそうです。

    1都3県で日本の人口の約3割。影響は大きくなりそう

    緊急事態宣言で消費支出、通販・EC利用はどう変わる?[2020年の振り返り] | ネットショップ担当者フォーラム
    https://netshop.impress.co.jp/node/8338

    まとめると、

    • 総務省の家計調査によると、ECを利用した2人以上の世帯の割合が、2020年5月に初めて5割を超えた
    • 55歳〜64歳の世帯のEC利用が6割近くまで拡大し、65歳以上の高齢者層も6月には31.2%となった
    • 2019年6月~8月と2020年の同時期を比較すると、全世代で消費行動のデジタルシフトが起こっている
    総務省統計局の調査 ネットショッピング利用世帯の割合の推移
    ネットショッピング利用世帯の割合の推移(世帯主の年齢階級別、2人以上の世帯、2017年1月~2020年6月)
    http://www.stat.go.jp/info/today/162.htmlから編集部でキャプチャ

    今や高齢世帯主世帯でも3割の世帯がネットショッピングを利用するようになり、ネットショッピングが当たり前の時代になりつつある。(総務省の「新型コロナウイルス感染症で変わるネットショッピング-家計消費状況調査の結果から-」から引用)

    全世代でネットショッピングを利用する世帯が増えていて、65歳以上の高齢者層もこの流れに乗っているところがポイントです。以前、高齢者のネットトラブルが増えたという記事を紹介しましたが、高齢者が利用することを想定したサポートはもちろん、サービスや商品も考えないといけないですね。ここは人口も多いので狙い目かもしれません。

    緊急事態宣言の対象となる1都3県の総人口は約3500万人。日本の人口の約3割を占める。全国を対象とした前回の緊急事態宣言から対象地域は限定されているが、消費に大きな影響を与えることが想定される。

    もう1つ気にしておかないといけないのはこちら。名古屋にいる私には関係なさそうでも、人口の3割に影響すると聞くと自分ごとになってきます。他の都道府県もどのような動きになるのかわかりませんので、昨年の4月~6月頃のイメージを持っていた方が良いでしょう。

    そして、この流れはしばらく続きそうなのでコロナ禍の対応をしていきましょう。

    関連記事
    • アスクルが1都3県の法人向けに月額制サブスクリプション型の家具レンタルサービス | ネットショップ担当者フォーラム
      https://netshop.impress.co.jp/node/8337

    ジャンルを問わず、全体的にECが伸びています

    EC・通販自主調査 Part1 | エルテックス
    https://www.eltex.co.jp/lab/research/20201218

    EC・通販自主調査 Part2 | エルテックス
    https://www.eltex.co.jp/lab/research/20201225

    まとめると、

    • EC・通販でよく買う商品は過去4年で比較しても大きな変化はなく、全体的に底上げされている。購入が増えたものは「健康食品・サプリメント・薬」で、関心が高まったのは「食料品・飲料・お酒」
    • 知っている・使ったことがある決済方法はクレジットカード、代引、コンビニ決済。今後使いたいのは○○Pay
    • ○○Payを使いたい理由は「ポイントが貯まる」「簡単に使えそう」など

    通販で購入する商品では、ここ数年のトレンドがある程度反映される結果となり、「家具・キッチン用品」が▲10.8ポイントと大きく低下したものの、その他の商品では極端に大きな変動はありませんでした。

    他社調査で、通販やECの売上が拡大しているとの報告や、お取り寄せ食材などに人気が高まっているとのマスコミ報道もありますが、通販では全般的な商品で購買が底上げされているのかもしれません。
    https://www.eltex.co.jp/lab/research/20201218

    通販で購入する商品のジャンル(単一回答、2016年〜2020年)
    https://www.eltex.co.jp/lab/research/20201218から編集部でキャプチャ

    メディアには特徴的なデータだけが切り出されることが多いですよね。紹介した記事は2016年から継続的に調査しているので傾向がわかりやすいですし、調査項目も変わっていませんので変化も把握できます。特定のジャンルだけを見てしまうとその商品を扱いたくなりますが、全体的に通販の利用が増えているので間違えないようにしましょう。

    ○○Payを使いたい理由はポイントと利便性。カード番号の入力が面倒ですし、ポイントの二重取りができれば嬉しいですもんね。

    売れるパターンを公開。でも売れすぎには要注意

    半年で月商100倍!大化けオンラインショップを作りました | 美研
    https://www.bikenq.jp/archives/21009

    まとめると、

    • 情報はお客さんが欲しがっているものを出す。撒き餌のように情報をばら撒く→ログ解析で分析→反応がある情報を見つけたら、さらにそれを掘り下げる……を繰り返す
    • SNSの反応を見ながらオリジナル商品を開発した。ゼロから商品を作るのではなく、既存の商品をネットで売りやすいように改良した
    • オリジナル商品がテレビで取り上げられ一気に売り上げが伸びたが、クレーム対応など事務処理も増えた

    お客さんとなってくれそうな人に向けて情報を流します。時間をかけず、反応を期待せず、諦めないことです。

    少しでも反応があったら、その記事を基点にさらに展開していきます。

    オリジナル商品を作ることは重要ですが、最初に商品をつくると失敗します。あくまでネットで反応があるようなジャンルのものを、お金をかけずに作るのです。

    実体験に基づいた記事なのでとても参考になりますね。失敗パターンは最初から商品を開発して、それを売るために広告費をかけること。成功パターンは情報を発信して反応が良いものを広げ、そこから既存商品を改良し、広告で一気に拡散です。

    これは過去に紹介したD2Cの記事と同じ流れです。答えがわかっていることなので、この通りにやってみることをおすすめします。

    EC全般

    【2021年ECトレンド予測①】奥谷孝司さん、川添隆さん、藤原義昭さん、村山らむねさんが見るEC業界 | ネットショップ担当者フォーラム
    https://netshop.impress.co.jp/node/8314

    【2021年ECトレンド予測②】石田麻琴さん、川連一豊さん、北山浩さん、小橋重信さん、逸見光次郎さんが見るEC業界 | ネットショップ担当者フォーラム
    https://netshop.impress.co.jp/node/8315

    【2021年ECトレンド予測③】粟飯原理咲さん、安住祐一さん、市橋邦弘さん、河野貴伸さん、森野誠之さんが見るEC業界 | ネットショップ担当者フォーラム
    https://netshop.impress.co.jp/node/8316

    今年の予測を3つまとめて。個人的には逸見さんの予測が気になります。ECをやる上での苦労を乗り越えられるかがポイントになりそう。

    物流倉庫で押さえるべき基本の「き」 保管のフロー改善でEC化率上昇と売上増に対応すべし | ECzine
    https://eczine.jp/article/detail/8568

    ECを始めたばかりの人はここの壁にぶつかるはず。物流が整っていないと売り上げは伸びません。

    2021年ヒット予想 「ネットスーパー」「ワイヤレス充電器」「ふるさと納税」など | BCN+R
    https://www.bcnretail.com/market/detail/20210103_205944.html

    住んでいる地域によっても変わるでしょうが、ふるさと納税は確実に伸びそう。

    出前館、LINE出身社長が挑む「売上1.7倍増」戦略 | 東洋経済オンライン
    https://toyokeizai.net/articles/-/401262?

    出前館は「手数料競争には乗らない」--藤井社長に聞く2021年のフードデリバリー戦略 | CNET Japan
    https://japan.cnet.com/article/35164502/

    Digital restaurant marketplace sales have more than doubled in 2020 | Insider Intelligence Trends, Forecasts & Statistics
    https://www.emarketer.com/content/digital-restaurant-marketplace-sales-have-more-than-doubled-2020?ecid=NL1001

    緊急事態宣言が出ると人気になるのがこのあたり。アメリカの予測ではワクチンが広がると伸び率は下がるけど、それでも年で16%は伸びるようです。

    PayPayユーザー数が3,500万人を突破 2021年は金融プラットフォームへ | ECzine
    https://eczine.jp/news/detail/8720

    ミニアプリも増えてきますし、ECサイトでの決済も増えてくるでしょうから導入はお早めに。

    しまむらのネット通販、店舗受取が9割で「ECから店舗への送客に効果」 | ネットショップ担当者フォーラム
    https://netshop.impress.co.jp/node/8328

    店舗受け取りは送料無料です。商品単価から考えるとこうなるのはわかります。

    ECビジネスとサスティナビリティの成功例。商品パッケージでCO2削減&追加料金を払っても選ぶ「サステナブル配送」とは | ネットショップ担当者フォーラム
    https://netshop.impress.co.jp/node/8323

    サステナブルに興味がある人だけに興味を持ってもらえれば良いですよね。将来的に当たり前になってくる可能性もあります。

    今週の名言

    会社はお前が死ぬまで面倒はみない。会社のためでなく、自分のために会社に貢献しろ。自分を高く評価してくれるところがお前の働くべき会社だから。転職に罪悪感を持つな

    プロスポーツ界での移籍と転職 | 左伴繁雄/Shatyoo | note
    https://note.com/hidari1026/n/n3276766846cc

    辞めることを促しているような言葉に見えますが、プロ意識が芽生えて良い組織になっていくはずです。

    森野 誠之
    森野 誠之

    ABCクッキングスタジオが量子コンピュータでECサイトのメルマガ配信業務を最適化した事例 | 電通デジタル 特選コラム

    5 years 3ヶ月 ago
    属人化している業務をMAで効率化することは可能なのか? D-Wave Systems製の量子コンピューターを活用したABC Cooking Studioの取り組み。
    ABCクッキングスタジオ、次世代テクノロジー「量子コンピューター」の導入で、メルマガ配信の最適化を実現

    生活者を取り巻く環境のデジタル化が進んでいく中で、革新的なマーケティングを遂行していくためには、マーケターによるテクノロジーの理解が必要不可欠です。

    テクノロジーによって、どのような新しい顧客接点を生むことが可能なのか。既存業務をどのように変革させることができるのか。デジタル化された業務を具体的にイメージできるようなテクノロジー理解がマーケターにとってますます重要となっていくはずです。

    電通デジタル デジタルコンサルティング事業部は、5年先、10年先を見据え、どのようにすれば次世代テクノロジーをスムーズにマーケティング業務に導入・活用できるかについて、研究開発を行っています。

    本コラムでは、電通デジタルが、次世代テクノロジーの一つである量子コンピューター活用に強みを持つblueqat株式会社(以下、blueqat社)と協力し、株式会社ABC Cooking Studio(以下、ABC社)にて量子コンピューター(D-Wave Systems製マシン)を導入、メルマガ配信業務を効率化した活用事例を紹介します。量子コンピューターの導入を例に、先端テクノロジーがどのように業務活用可能となるのか解説していきます。

    次世代テクノロジーとしての量子コンピューター

    量子コンピューターは、量子力学を応用し、デジタルデータの原理を拡張した次世代のコンピューターです。粒子としてのビットと波を任意に切り替えて計算することで、従来型コンピューターを大きく上回る高速な処理が可能となります。

    2019年には、Google のAI量子チームが開発している量子コンピューターが、最新のスーパーコンピューターを使っても1万年かかる処理を、約200秒で終えたとする論文が発表されました[1]

    膨大な処理を高速で行える量子コンピューターへの期待は各方面で高まっていますが、まだハードウェアやプログラミングに関する課題も多く、一般的に実用化されるまでには至っていません。量子コンピューターが発展途上であり、次世代と言われるゆえんです。

    と、ここまで一部技術的な解説をしましたが、マーケターの方がこのような説明を聞いたとしても、具体的なマーケティング業務への活用イメージを考えることはなかなか難しいのではないでしょうか。

    実際、次世代テクノロジーとして発展途上である量子コンピューターは、ビジネスへの活用という面では明確な答えは出ていません。マーケティング業務へどのように活用できるのか、まだまだイメージしにくい現状があります。

    電通デジタルでは、クライアント企業のご協力のもと、量子コンピューターのマーケティング活用の実証実験を行い、業務とテクノロジー双方の理解の溝を埋めることで、発展途上である先端テクノロジーを用いたとしても業務変革が可能であることを検証したいと考えました。

    量子コンピューターを活用したMA導入事例

    今回、共同での実証実験にご協力いただいたABC社は、料理教室の全国展開および調理用雑貨などの販売を主な事業としている企業です。

    ABC社では、ECサイト「ABC Cooking MARKET」を展開しており、オリジナル手作りキットやキッチンアイテムを販売しています。

    ABC Cooking MARKET

    サイト会員に対しては、メルマガを通じた販売促進施策を実施していますが、毎週4回配信されるメルマガの作成を手作業で実施しているため、業務量の多さに頭を悩ませています。またメルマガ本文作成についても、担当しているマーケターの知識と経験則により試行錯誤しながら決定しており、業務が属人化しているため、業務量に合わせた増員も容易にできないなどの課題を抱えていました。

    そういった課題に対し、ECサイト担当者は以前よりメルマガ配信業務へのMA(Marketing Automation)ツール活用を考えていましたが、マーケターの知識と経験をテクノロジーに置き換えた場合、メルマガの施策効果に悪影響が出ないか、不安の声がありました。またテクノロジーを理解するのが難しいということも、不安要素の一つとなっていました。しかし、現実にマーケターがこなせる業務量は限界を迎えており、早急な対応が必要となっていました。

    これに対し電通デジタルは、ABC社の課題を解決するため、メルマガ配信業務へのMA導入をスピーディーに進め、その効果を見極める実証実験の提案を行いました。

    導入するテクノロジーとして、今回はあえて実験的に、より理解の難しい先端テクノロジーである量子コンピューターを選択。マーケターが先端テクノロジーを自分ゴトとして理解し、マーケティング業務の質の向上に寄与できるようになるかどうかを検証ポイントの一つとしました。

    今回導入したのは、カナダのD-Wave Systems, Inc.(以下、D-Wave社)の量子コンピューターです。メルマガ配信業務を量子コンピューターによって高度化するためのアーキテクチャーは、下図のように、AWS(Amazon Web Services)上のデータ蓄積基盤を仲介した構成としました。

    • 行動データとコンテンツデータをAWSに収集する
    • メルマガ本文の最適化に必要な計算処理部分を、AWSから量子コンピューターに問い合わせる
    • 量子コンピューターが計算した結果をAWS上に戻す
    • AWSから計算結果をメールシステムにフィードバックし、メルマガを配信する

     

    このように構築した仕組みを用い、メルマガ本文の最適化を実施。2019年12月から翌年1月にかけて実証実験として運用を行いました。結果として、今までマーケターの経験則をテクノロジーに置き換えたとしても、問題なく業務オペレーションを回すことができ、「メルマガからECサイトへの誘導率」「ECサイトでの商品売上額」は、前月比、前年比で見ても遜色のない成果を出すことができました。

    それまでは、マーケターの知識と経験に基づき毎日時間をかけて悩み意思決定していた業務が、量子コンピューターが瞬時に最適化をかけてくれることにより、業務が効率化され、さらに付加価値の高い業務へ移行できる時間が確保できる結果となりました。

    今回の検証効果は業務効率化だけではありません。マーケターが先端テクノロジーを自分ゴトとして理解できたことで、思考と発想が促され、今後のテクノロジー応用の可能性を大きく拡げることができました。

    例えば、メルマガ本文だけでなく、メールタイトルなどの文案自動生成、配信時刻・配信本数の最適化、商品在庫数の最適化など、メルマガ業務のつながりだけでなく、商品企画段階にもテクノロジーからのフィードバックができるのではないか、といったアイデアが多数出されました。

    量子コンピューターであれば、従来型コンピューターでは解けないような、変数が多く演算処理が膨大になるような複雑な課題を処理することが可能となるはずです。今回のメルマガ最適化のように特定の領域へのテクノロジー応用だけでなく、他のさまざまな領域へも応用したいという考えも生まれてきています

    量子コンピューターでどんなことが実現できるのか

    今回の実証実験は、量子コンピューター向けのソフトウェア開発キットの提供や機械学習を用いたソリューションに強いblueqat社と協力し、実施しました。次世代テクノロジーである量子コンピューターを用いて、現段階では発展途上であるテクノロジーであっても、既存の業務変革やデジタルトランスフォーメーション(DX)に活用できるということを証明できました。

    量子コンピューターには、従来型コンピューターでできなかったことの実現が期待されているのと同時に、誰も考えつかないような未知への活用法への期待も高まっています。電通デジタルではblueqat社と共同で、他の分野への次世代テクノロジーの活用や社会課題の解決を目指しています。

    日々業務をこなすことに忙しいマーケターが、次々と生まれ進化していくテクノロジーをウォッチし続けることは非常に難しい現状があります。そのようなマーケターとテクノロジーの間に存在する溝を埋め、マーケティングのデジタル化を推進していくことがわれわれ電通デジタルのミッションでもあります。

    電通デジタルでは、量子コンピューターに限らず、マーケターが先端テクノロジーを使いこなし業務を変革していくお手伝いを数多く実施しています。本コラムや本実証実験のような事例が、そのようなマーケターのお役に立つことができれば幸いです

    出典
    1. ^ "Quantum supremacy using a programmable superconducting processor".Nature.(2019年10月23日)2020年9月21日閲覧。

    ※所属・役職はオリジナル記事公開当時のものです

    この記事のオリジナル版はこちら

    電通デジタル
    電通デジタル

    モール依存から自社EC売上比率5割のカギは「ブランディング」。家具EC「LOWYA」の自社ECシフト&SNS活用などの大改革事例

    5 years 3ヶ月 ago
    モール依存の状況から、自社ECサイト売上を約5年で全EC売上の約5割に引き上げたベガコーポレーション。取り組んだブランド構築、SNSを自社ECサイトの資産として生かす独自のUGCマーケティングなどを解説
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    モール依存の状態から約5年で自社ECが全EC売上の約5割に――。家具・インテリアブランド「LOWYA(ロウヤ)」を運営するベガコーポレーションがここ数年、注力してきたのが、自社ECサイトの強化、「LOWYA」ブランドの確立と浸透である。物流クライシスなどの影響によって2019年3月期の営業損益は赤字に転落。約5年の期間を要した自社EC強化の成果が出始めた1年後の2020年3月期、見事に黒字転換した。

    自社ECシフトによって筋肉質な収益体制が築いた「LOWYA」が取り組んだブランド構築、ブランド価値を高めるために活用するSNSをフローコンテンツではなく自社ECサイトの資産として生かす独自のUGCマーケティングなどの施策に迫る。写真:吉田浩章

    モール内の競争激化と価格競争を経て、自社ECサイトを再構築

    家具の商品企画から販売を一気通貫で行うD2C型の家具ECを手がけるベガコーポレーション。2004年に創業、ドロップシッピングでの家具販売をスタートし、2006年に「LOWYA」を立ち上げた。その後、ビジネスモデルを徐々に、家具の製造小売り(SPA)へと移行していった。

    家具の商品企画から販売を一気通貫で行うD2C型の家具ECを手がけるベガコーポレーション
    ベガコーポレーションのビジネスモデル(画像はIR資料からキャプチャ)

    主戦場は「楽天市場」「Yahoo!ショッピング」などのECモール。トレンド性の高い商品を低価格で販売する「LOWYA」のビジネスモデルは消費者から高い支持を得た。「楽天市場」の「ショップ・オブ・ザ・イヤー2015(インテリア・寝具・収納ジャンル)」、「Yahoo!ショッピング」では「ベスト・ストア・アワード2014(家具・インテリア部門)」を受賞するなど、ECモール内で「LOWYA」の知名度を高めていった。

    「LOWYA」のポジションについて
    「LOWYA」のポジションについて(画像はIR資料からキャプチャ)

    そして、2016年6月には東証マザーズへ株式を上場。2017年3月期には売上高100億円を突破、営業利益は8億2800万円という過去最高業績をたたき出す。

    好調に業績を伸ばしているように見えるベガコーポレーションだが、ECサイト運営を取り巻く環境は厳しさを増していた。2000年後半からのECモールへの新規参入企業の増加、そして2010年代に入ってからの価格競争2017年ころからの物流クライシスだ

    送料値上げ要請が本格化した2018年3月期。ベガコーポレーションの売上高は前期比18.4%増の129億7700万円だったものの、営業利益は同32.2%減の5億6100万円に。そして翌年の2019年3月期。売上高は2.7%増の133億2200万円、営業損益は2億9600万円の赤字に転落した。

    モール内の競争激化と価格競争、送料を含む物流コスト上昇の波が、利益率の高い製造小売り型家具ECであるベガコーポレーションの利益をむしばんでいったのだ。

    こうした状況に手をこまねいていたわけではない。物流クライシスの影響が直撃する2年ほど前の2015年、価格競争、競合との競争激化から脱却するための「LOWYA」ブランド構築に着手していた。サービスの見直し、テストプロモーションを経て、ブランディング施策が花開いたのは営業赤字に陥った翌年の2020年3月期。前期の約3億円の営業赤字から、1年での黒字転換を果たすことになる。

    ベガコーポレーション 営業利益の推移
    営業利益の推移(画像はIR資料からキャプチャ)

    自社ECの施策を白紙、その後大躍進を遂げたブランド構築

    「LOWYA」のブランド構築の立役者、執行役員マーケティング統括部統括部長の京谷謙吾氏はこう振り返る。

    ECモールの新規店舗が増え、価格競争にはまってしまった。経営課題は利益率の改善。原価率を落とすには限界がある。理想的な販売価格で商品を提供するには、ブランド構築をやらなければならなかった

    京谷氏は金融、広告代理店を経て、ブランド構築をめざすためのブランディング統括部の立ち上げ期にベガコーポレーションへ入社。自社ECサイト、「LOWYA」ブランド構築の責任者として任務にあたった。

    ベガコーポレーション 執行役員マーケティング統括部統括部長の京谷謙吾氏
    異業種からEC企業へ転職。その知見をECビジネスに生かしたという執行役員マーケティング統括部統括部長の京谷謙吾氏

    ブランドや自社ECサイトの構築で参考にした事例などの1つが「無印良品」。西友のPB(プライベートブランド)としてスタートした「無印良品」は、西友の店舗のない地域に路面店を作り、ブランド価値を向上。合理的な価格で良質な製品を提供するブランドとして、確固たるブランドを築きあげた。

    ドラスティックにブランド作り、自社ECサイト構築を進めると失敗する。売り上げの構成比の多くを占めるECモール売上を下げることなくコントロールし、旗艦店(自社ECサイト)の比率を伸ばしていくことを心がけた

    京谷氏がブランド、自社ECサイト構築に着手した2015年。当時の自社ECサイトにおけるユニークユーザー(UU)数は月15万UU、月商は2000万円程度。まず手を付けたのが、どんな施策がどのような成果をあげているのか、という売上要因のチェックと見直しだった。

    ネット広告、アフィリエイト広告の運用を一旦ストップ。「半年間の見直し期間がほしいと上層部へ交渉し、広告費やこれまでの施策をいったん白紙に戻した」(京谷氏)。同時に、ディレクトリ構造といった基礎的なSEO対策の改善、統一したブランド体験ができるようにするための空間作りといったコンテンツ施策などに着手した

    実店舗において、ブランドイメージを最初に感じてもらうのは門構えや内装。しかし、ECで門構えを意識しているところは少ない。ECサイトの場合、検索ワードに応じた入り口が数多くあるどこから入っても同じブランドの体験ができるような空間作りを心がけ、コンテンツを拡充していった。(京谷氏)

    自社ECサイトの売り上げはほぼ横ばいが続くこと約半年。SEO対策の改善とECサイトのコンテンツ拡充効果が表れ出したのが7か月目以降のことである。アクセス数が急増し、アフィリエイトやネット広告に頼らなくても自社EC売上が急増した

    SEO対策、コンテンツ拡充で重要視したのが「1人あたりのPV数」。現在のCVRはモール店で2~3%、自社ECサイトは1%程度。京谷氏は「CVRはGoogleの検索アルゴリズムの評価対象となっているが、あえてその数値は優先順位の1番にしなかった」と説明。続けて、「その代わりに1人あたりのPV数を伸ばすようにしたいろいろなページを見てもらえるということは、Googleの検索アルゴリズムから“良質なサイト”として評価されやすい」と、その理由を京谷氏は話す。そして、こう付け加える。

    CVRの向上を優先順位の1番にしないサイト構成にすると、訪問者はいろいろなページや商品を見る。つまりブランド体験をしてくれるファン度が上がり、購入のきっかけが増え、そしてアクティブ率が伸びる。それが今日の成果につながっている。私は広告代理店を経て、ベガコーポレーションへ入社した。ECビジネスからスタートしていない。私がECサイトに感じていることは、“モノを売ることにフォーカスし過ぎてしまっている”こと大事にしたのは、実店舗で言えば、ウィンドウショッピングの感覚、つまり体験価値だ。(京谷氏)

    「ECサイトではモノを売るだけではなくブランド体験などを重視した方が良い」と話す京谷氏
    「ECサイトではモノを売るだけではなくブランド体験などを重視した方が良い」と話す京谷氏

    一般的に、自社ECサイトで商品を購入する消費者は、ECモールの利用者よりも顧客ロイヤリティが高いとされる。それは「LOWYA」も同様。顧客ロイヤリティの高い自社ECサイトの集客数を伸ばせば、自社EC売上は自然と増えていく――。こうしたサイクルを作りあげ、ブランドと自社ECサイトの構築に着手してから5年後の2020年3月期。売上高は前期比1.9%増の135億700万円、営業損益は1億1600万円へと黒字転換した。

    ベガコーポレーション 自社ECサイトの四半期ベースの売上高とアクセス数の推移
    自社ECサイトの四半期ベースの売上高とアクセス数の推移(画像はIR資料からキャプチャ)
    ベガコーポレーションの売上高推移
    ベガコーポレーションの売上高推移(画像はIR資料からキャプチャ)

    もちろん、物流コスト上昇に対し、タリフやコスト構造の見直しなどを行ってきたことも営業黒字への転換につながったが、それは一過性ではない。中長期にわたって適正利益を確保できる体制の整備(自社ECサイトとブランディングの構築)が大きな成果をあげたと言えるだろう。

    価格競争に巻き込まれずに合理的な売価での販売、ロイヤリティの高い消費者が増えるという土台作りの成果がコロナ禍での決算で顕著に表れた。

    このように全社でさまざまなことに取り組んだ数年間。その結果、2020年4~9月期(中間期)の売上高は前年同期比48.0%増の98億8300万円、自社ECサイトの売上高構成比率は49.5%まで拡大。特筆すべきは営業利益である。なんと前年同期比同約40倍となる11億5800万円を計上したのだ。

    ベガコーポレーション 旗艦店(自社ECサイト)売上の比率は2020年7~9月期(第2四半期)には49.5%まで拡大した
    旗艦店(自社ECサイト)売上の比率は2020年7~9月期(第2四半期)には49.5%まで拡大した(画像はIR資料からキャプチャ)

    Instagramのユーザー投稿を自社ECに活用、ブランド価値を高める

    「LOWYA」のブランド戦略を進める上で欠かせないのがSNS活用。最も強化しているのがInstagramだ。

    ベガコーポレーション 「LOWYA」のInstagram
    「LOWYA」のInstagram

    まず、ベガコーポレーションのSNS活用の目的から説明していきたい。新規・リピートアクセス促進とファンの獲得を目的としているが、最も重要視しているのが「フリークエンシー(frequency)」、つまりユーザーとの接触頻度である。

    SNSは大きな売り上げに直結しにくい側面があるが、一方で、ユーザーとの接触頻度が増え、それがやがてファン化につながっていくという効果がある。そのため、費用対効果(費用対効果)としてSNS経由の売り上げだけを求めるような考えは改めた方がいいのでないかと考えている。「LOWYA」が、SNSのKPIで重要視したのはフリークエンシー。しかし、フリークエンシーをROIとして数値化することは難しかった。

    SNSなどの役割について ベガコーポレーション
    SNSなどの役割について(画像はIR資料からキャプチャ)

    こう話す京谷氏は、どのようにSNSへの積極的な投資を実現したのだろうか?

    ブランド戦略を進める「LOWYA」では、商品画像の撮影に多額の撮影コストを投じているが、その投資は商品画像というECサイト上の資産となるその理論をSNSへの投資にも活用しようと考えた。それがUGC(User-generated-content)の活用である

    UGCはユーザー生成コンテンツと言われ、商品レビューがその代表例。ベガコーポレーションではInstagramのコラボレーション企画、ユーザーが「#LOWYA」と投稿したコンテンツを自社ECサイトにも活用。「そのコンテンツ経由の売り上げをROIとして数値で示し、投資の改修計画を立ててSNSへの投資を実現した」(京谷氏)と言う。

    ベガコーポレーション Instagramで「#LOWYA」をつけて投稿された画像を紹介するページを設けている
    Instagramで「#LOWYA」をつけて投稿された画像を紹介するページを設けている

    一般的に、SNSの画像やテキストはフローコンテンツとなり、どんどん新しいコンテンツを投稿していかなければ、ユーザーとの接触頻度は増えない。京谷氏はそのフローコンテンツをECサイトに活用。SNSのコンテンツをECサイト上のストックコンテンツとして活用することで、商品購入につなげる導線作りへと応用した

    SNSへの投資回収計画を立てる場合、UGCの活用が落とし所になるだろう。SNS上のコンテンツをサイト内に活用することで、投資の回収計画を立てることができる。また、ECサイト内でUGCコンテンツ使うことは、ユーザーの安心感にもつながっていく。(京谷氏)

    ベガコーポレーション 「#LOWYA」がつけられた画像を活用したギャラリーページ
    「#LOWYA」がつけられた画像を活用したギャラリーページ
    ベガコーポレーションのUGC活用
    画像をクリックすると「#LOWYA」をつけたユーザー投稿コンテンツに加え、商品価格などの情報を掲載したモーダル画面が表示される

    ただ、Instagram上のコンテンツをECサイトに掲載する場合、ユーザーに二次利用の許可をとる必要がある。SNSを通じて投稿者にメッセージを送り、利用目的などを説明して許可を取ることが一般的だが、大量の画像を使用したい場合は手間と時間がかかるのが実情だ。

    この申請作業をシステム上で管理し、申請機能を使ってユーザーの二次利用の許可を得た後にECサイトへコンテンツを活用できるようにする「visumo(ビジュモ)」をベガコーポレーションは導入。ユーザーへの申請作業を軽減すると同時に、Instagram上の画像とECサイトの商品詳細ページとを関連付けしてECサイトに写真を掲載できるようにした

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    ECサイトに掲載した写真素材から、投稿者であるインスタグラマーのユーザーページに移動することができるため、第三者の情報発信源として透明性を高めることができるようにしている。

    ベガコーポレーションのUGC活用
    たとえば商品詳細ページ下。レコメンドのように「みんなの投稿写真から探す」から、ユーザー投稿画像から商品を探すことができる

    こうしたUGCの導入は、商品の購入率アップに直結すると言われており、ベガコーポレーションでも「商品購入につながっている」(京谷氏)。だが、それ以上に感じているのが「説得力」「価値の向上」といった派生効果だという

    UGCには説得力があり、それがユーザーから見た商品の価値、サイト価値が大幅にあがる。そして、安心感の提供ができている。これまではレビューがその役割を担ってきたが、「LOWYA」ではユーザーのInstagram投稿コンテンツがその役割を担う。(京谷氏)

    ベガコーポレーション 京谷氏は「UGCはECサイトのカリスマ店員」と話す
    京谷氏は「UGCはECサイトのカリスマ店員」と話す

    ブランド構築には安心感などの価値提供は欠かせない要素。ベガコーポレーションではUGCを活用したユーザー投稿の画像を通じて、サイトの安心感、価値の向上につなげている。

    Instagramでのインフルエンサー企画などを検討している企業は増えているものの、「費用対効果はどうなの?」といった上層部の声で、投資に踏み切れない企業も少なくない。ベガコーポレーションはInstagramのコンテンツを自社ECに活用、それを資産として運用し、商品購入につなげることで投資回収につなげている。そして、UGCを通じて消費者に新たな価値を提供しているのだ。

    SNS投資、ブランド構築、自社ECサイトの運営に悩む企業にとって参考にすべき点が多い事例と言えるだろう。

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    吉野 巨人
    吉野 巨人

    【2021年トレンド予測】小売業界「サステナビリティ」「オンラインとオフラインの融合」「期待値超え」など4つのポイント

    5 years 3ヶ月 ago

    デジタルトランスフォーメーション(DX)支援などを手がけるCI&Tは1月8日、小売業界における2021年のトレンド予測を発表。「サステナビリティ(持続可能性)の大きな飛躍」「ファストファッションに衰退の兆し」「オンラインとオフラインの融合」「期待を超えることで得られるチャンス」の4ポイントをあげている。

    サステナビリティ(持続可能性)の大きな飛躍

    多くの小売企業が二酸化炭素排出量の削減に投資しているが、この取り組みは2021年も引き続き活発化する。

    コロナ感染拡大が実店舗にもたらした課題、流行しているファストファッションは、小売企業がサプライチェーンや流通モデルのサステナビリティを再評価するきっかけとなっている。しかし、サステナビリティを重視しながら十分な利益率を維持するには、企業はあらゆる角度から環境破壊の要因削減に取り組まなければならない。

    ファストファッションに衰退の兆し

    サステナビリティへの関心の向上、不況による支出控えが重なり、消費者がブランドとの関係を再考するようになっている。

    緊急事態宣言などの影響で、多くの人が衣類の仕分けを行い、本当に必要としているモノとその理由を見直すようになっている。2021年、消費者はより慎重に購入を決めるようになり、汎用性の高い高品質な商品への購買意欲が増えていくことが予想される。

    オンラインとオフラインの融合

    2021年は小売企業がオンラインとオフラインの融合を採用し、買い物客の注目を集めようとしていることから、オンライン注文と実店舗受け取りへのニーズが、これまで以上に押し上げられることが予想される。

    米国では現在、店頭注文とアプリ注文が特に人気となっている。その結果、小売企業はオンライン&オフライン購入やECの利用顧客のために、付加価値をプラットフォームに付け、より多くの体験を生み出すことが期待されている。

    各社のWebサイトは、ゲーム要素やライブストリームなど、よりインタラクティブなコンテンツを取り入れることで、エンゲージメントが促進されるだろう。

    期待を超えることで得られるチャンス

    コロナウイルス感染拡大、米大統領選挙、イギリスのEU離脱など多くの人々がさまざまな我慢を強いられている。2021年は、これをチャンスとできる年となる。

    消費者が小売企業に対して寛容になりつつある一方、高品質かつ素早いサービスを提供できるブランドは、これまでになく高い評価を得ることになる。注文日当日に荷物を届けるなど、消費者の手間を省いた一貫したショッピング体験を約束できるブランドが勝者となるだろう。

    小売企業は、デジタルや機械学習などによるサポート機能をより充実させ、顧客サービスをパーソナライズし、配送方法をよりクリエイティブなものにすることが期待される。

    石居 岳
    石居 岳

    「b8ta」日本上陸から5か月。日本市場における「体験型店舗」の可能性とは?

    5 years 3ヶ月 ago

    全米23店舗、ドバイに1店舗を展開してきた体験型店舗「b8ta」が日本に上陸してから5か月が経過した。日本では、東京・有楽町、新宿に1店舗ずつを構える。オープン初日は両店舗とも1,000人を超える来店客で賑わったが、現状はどうなのだろうか。「b8ta」のような販売を主目的にしないショールーミング形式の体験型店舗は、日本でも広がる可能性はあるだろうか。「ネットショップ担当者フォーラム2020秋」(2020年11月9日)に登壇したb8ta Japanカントリーマネージャーの北川卓司氏の講演スライドを交えながら、体験型店舗の可能性を探っていく。

    RaaSモデルのパイオニア企業

    「b8ta」は、有名テクノロジー企業の製品から、スタートアップ企業で誕生したばかりのβ(ベータ)テスト中の製品、D2Cブランドのコスメやファッションなど最先端の商品が並ぶ体験型店舗。特徴は「店頭での販売を主目的にしない」ところにある。

    「b8ta」のビジネスモデルは、「Retail as a Service (RaaS)」と呼ばれ、①店頭での発見と製品体験を提供する“場所”②製品説明やデモを行う“接客“③来店客の“行動データ”の提供――の3つから構成される

    出品企業は、月額費用の中で「b8ta」が提供する陳列・接客・配送・リアルタイムデータなどの「RaaS」サービスを受けられる
    ブランドは月額の出品費用(30万円~)を支払うことで、「b8ta」が提供する陳列・接客・配送・リアルタイムデータなどの「RaaS」サービスを受けられる(画像:b8ta Japan提供)

    出品企業は、ダッシュボードから消費者のさまざまなマーケティングデータを閲覧することが可能。そのデータは、出品商品の入れ替え(最低契約期間6か月の場合は、最大3回まで入れ替え可能)、商品横に置いたタブレット内の商品紹介ページに手を加えたりといった「マーケティングデータ」として役立てている。

    区画イメージ。右は商品横に置かれたタブレットのイメージ図
    区画イメージ。右は商品横に置かれたタブレットのイメージ図(画像:b8ta Japan提供)

    店内には複数のAI(人工知能)搭載カメラを設置し、これらをベースに来店者の行動データ(定量データ)を取得。店頭の販売員が接客時に取得した会話データ(定性データ)も出品企業にフィードバックする。従来ECサイトが行ってきた、「データを元にPDCAをまわす」行為を、実店舗でもできるところが「b8ta」の強みだ。

    「b8ta」のダッシュボードでは、来店者の年齢性別分布や、指定期間における来場者の男女比率などのデモグラも確認できる
    上記に加え、来店者の年齢性別分布や、指定期間における来場者の男女比率などのデモグラも確認できる(画像:b8ta Japan提供)

    花王の「第二の皮膚」が体験できる最新美容機器が登場

    東京・有楽町店は、ガラス張りの外観が目を引く路面店。店内面積は約256平方メートル(80坪)。出品商品を展示できる通常の区画に加え、ブランドが自社で壁面装飾や什器などを設置し、「ブランド独自の世界観」を演出できる中規模の区画に仕切られた半個室のスペース「エクスペリエンスルーム」を3箇所用意している。

    2020年11月時点、ネスレグループの「NESPRESSO」がエクスペリエンスルームを活用

    有楽町店はビジネス街というエリアの特性から、来店客の男女比率では男性が過半数を超え、平均年齢は30代後半~50代となっている。平日は最新ガジェットを好むビジネスパーソンが多い一方、オープン以来多くのマスメディアで紹介されたこともあり、休日になるとファミリー層の来店も目立つ。

    2020年12月現在、有楽町店の出品で注目を集めるのが、2019年11月に発売された花王の「エスト バイオミメシス ヴェール」だ。

    「b8ta」有楽町店に出品されている、花王の「エスト バイオミメシス ヴェール」
    有楽町店に出品されている、花王の「エスト バイオミメシス ヴェール」

    花王の独自技術「第二の皮膚」を商品化した「エスト バイオミメシス ヴェール」を、就寝前に利用すると、寝ている間中、肌の潤湿を整えるというものだ。

    花王が開発した糸状の「第二の皮膚」を肌に噴射して使用する
    花王が開発した糸状の「第二の皮膚」を肌に噴射して使用する

    花王が「b8ta」に期待するのは、認知と商品体験機会の創造だ。最新ガジェットが複数置かれた店舗に製品を置くことで、最新美容機器に関心がある女性客への認知が期待でき、実際に手にとって体験してもらえる

    有楽町店の近くには、花王の直営店舗「BEAUTY BASE by Kao」がある。一度「b8ta」で体験した客が、その場で購入を検討するだけではなく、その後ショールームを来訪し、より専門性の高いスタッフからより効果的な使い方について指導を受け、具体的に検討、購入(もしくはレンタル)するなど、認知・体験できる場所を広げ、購入への導線を作っていくことが理想だ。

    また接客をしていく中で、「なぜ購入(もしくはレンタル)や、ショールーム来訪が検討されなかったか」「なぜ購入に至ったか」「ギフト用か、自身用か」などの定性的なデータ共有も期待するポイント。店頭では、30~40代の女性を中心に興味を示しているという。

    「店の中心にあると試しにくい」声をヒントに、コスメの設置場所を変更

    マルイ新宿店の1階に入居する東京・新宿店。店舗面積は約122平方メートル(40坪)で、出品商品を展示できる通常の区画に加え、エクスペリエンスルームを1か所設けている。有楽町店とは対照的に、マルイへの入居のため来店客の男女比は、女性が過半数を超え、平均年齢は20代後半~30代となっている。

    2020年12月時点では、ロート製薬のD2Cコスメ「SKIO」、美容関連品、フェムテック製品(妊娠・出産など女性が抱えるさまざまな課題解決を試みるテクノロジー製品)が多く置かれているのが特徴だ。

    ロート製薬のD2Cコスメブランド「SKIO」

    新宿店は店内の中心にコスメを置く設計だったが、商品は手には取るものの、蓋を開けるなどの具体的なアクションをしていく客が少ないことに気づいたという。

    そこで、「店の中心にあると、スタッフや他の客の目を気にして試しにくい」という来店客の声をヒントに、設置場所を壁際にするなど配置換えを実施。その結果、手に取り試す客が増えたのだという。

    客の声をヒントに、柔軟にレイアウト変えができるところも「b8ta」の特徴といえるだろう。

    b8ta新宿店では、日本では珍しい「CBD(カンナビジオール)炭酸飲料」が出品されている
    リラックス効果が高いなどの理由から、米国では大ヒットとなっている「CBD(カンナビジオール)」。大麻草成分の一種で、自然療法として利用されている。新宿店では日本では珍しい「CBD炭酸飲料」が出品されている

    米国のクラファンサービス利用も、日本人の支援者が7割

    「ネットショップ担当者フォーラム2020秋」では、b8ta Japanカントリーマネージャーの北川卓司氏が、「b8ta」活用による国内の成功事例としてAIペット型ロボット「MOFLIN」を紹介した。

    b8ta出品により反響が大きかったAIペット型ロボット「MOFLIN」イメージ動画

    AIペット型ロボット「MOFLIN」は、米国のクラウドファンディングサービス「Kickstarter」に出品していたことから、国内ユーザーへの認知拡大、実際に触ってもらえる体験の場の提供、試した客の声などのデータ収集を目的に有楽町店に出品した。

    b8ta Japanカントリーマネージャーの北川氏によると、「Kickstarter」に出品したロボット製品は、通常7-8割が欧米からの支援者になることが多いが、「MOFLIN」の場合は、日本の「b8ta」に出品したことで複数のメディアに露出。その後の「b8ta」来店につながる相乗効果により、約1,400名の支援者のうち、日本からの支援者が7割になったという。

    クラウドファンディング掲載期間中、「MOFLIN」は日本円にして6,400万円以上の資金調達に成功。掲載期間終了後も「b8ta」への出品を続けていることから、認知拡大が続いており、2020年11月時点で約600人が申し込みの予約をしているという。

    「マスク」で性別判断が難しくなったコロナ禍、AIカメラを入れ替え

    コロナ禍での興味深い動きとしては、AIカメラの入れ替えだ。有楽町店では入店時にAIカメラで来店客の年齢や性別を判定し、その後、それらの客が店内を回る際の行動データとひも付けているが、コロナ禍で大半がマスクを着用していることから、性別の判断が難しくなったという。

    そのため、マスクを着用していても性別の判定が可能なAIカメラへと切り替えたという。

    b8ta有楽町店で新たに導入されたAIカメラ
    有楽町店で新たに導入したAIカメラ(左)

    米国ではクルマ(MINI最初のEV、MINI SE)が「b8ta」に出品するといった事例も出てきている。日本でも電動バイクなどの出品が目立つが、今後どのような商品が出品されるのか。また「MOFLIN」に続く成功事例が誕生するか、体験型店舗の可能性に引き続き注目したい。

    米国のb8taに出品されたMINI SE
    米国の「b8ta」に出品した「MINI SE」(画像:b8ta Japan提供)
    公文 紫都
    公文 紫都

    「また買いたい」と購入客が感じるカスタマーサポートを「Zendesk」で。やずや、I-neの事例に学ぶ最新CRM

    5 years 3ヶ月 ago
    スマートフォンの台頭により、カスタマーサポートが担う役割と顧客が求める対応は年々変化している。ファン化やブランディングを左右する顧客とのコミュニケーションの品質をいかに高め、効率化を図るべきか? カスタマーサポート領域に特化したツール「Zendesk(ゼンデスク)」を国内展開するエクレクトの辻本真大氏が解説する
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    消費者が企業に求めるコミュニケーションの期待値は、手段と品質の両面で高まっている。その中で、顧客が好意的に思う企業のコミュニケーションのポイントと、業務効率化にもつながる有効な改善策とは――。2007年にデンマークで生まれ、全世界16万社超、国内3000社超の導入実績を持つカスタマーサポート業務特化型ツール「Zendesk」の公認マスターパートナーであるエクレクトの辻本真大氏(代表取締役)が、やずやとI-neの事例を交えて紹介する。(写真◎Lab)

    顧客とのコミュニケーションがファン化と離反を左右する

    「カスタマーサポート」というと、一昔前まではクレームを受け入れる場所やコストセンターという印象が持たれがちだったが、カスタマーサポートの担う役割は年々変化しているという。エクレクトの代表取締役 辻本真大氏は、「顧客とのコミュニケーションの良し悪しは競争優位に影響する、企業の根幹とも言える部分」と強調する。

    その背景にあるのは、顧客が企業とのコミュニケーションに求める期待値が急速に高まっていることが挙げられる。スマートフォンの台頭により、電話、メール、SNSの投稿などあらゆるコミュニケーションが時間や場所を問わずできるようになった。このため、顧客は「自分が望む形のコミュニケーションをしたい」と企業にも求めるようになっているようだ。

    求めるコミュニケーション手段が多様化

    トランスコスモスが毎年実施している「消費者と企業のコミュニケーション実態調査2019」によると、昨今の消費者はチャットやメッセージングアプリなどを利用したい一方で、企業側の実装が追い付いていないと感じている傾向にあることがわかった。

    エクレクト Zendesk コミュニケーションチャネル利用の傾向について
    国内コミュニケーションチャネル利用の傾向について(出典:トランスコスモス「消費者と企業のコミュニケーション実態調査2019」)

    また、「好きなときに好きなコミュニケーション手段で問題解決できるとしたら、その企業・ブランドへの購入・利用意欲が高まるか」という質問に対しては、77%の消費者が「とても高まる/高まる」と回答していることから、コミュニケーションチャネルを十分に用意しておくことの重要性が確認できる

    エクレクト Zendesk 好きなときに好きなコミュニケーション手段 問題解決 企業・ブランドへの購入・利用意欲が高まるか
    好きなときに好きなコミュニケーション手段で問題解決できるとしたら、その企業・ブランドへの購入・利用意欲が高まるか(n=3097)(出典:トランスコスモス「消費者と企業のコミュニケーション実態調査2019」)

    たらい回しや聞き直しのない対応に企業の魅力を感じる

    チャネルの用意だけでなく、コミュニケーションの質も重要だ。企業が顧客と良いコミュニケーションをとれれば、実際に購入頻度の増加や他者への推奨をしたという消費者の割合が増え、逆に悪いコミュニケーションをとってしまうと、購入頻度の減少や他社への乗り換えなどにつながったという結果も出ている。コミュニケーションの質は、顧客の「ファン化」を左右する上、口コミの内容次第で企業ブランディングの向上や低下にも影響しかねない

    また、好意的に思う企業やブランドに対して、改善のための意見やアイデアを伝えたり指摘をするという消費者も少なくないことから、製品・サービスの改善を進めていく上でもこうした顧客を増やしていかなければならないという。

    エクレクト Zendesk コミュニケーションで消費者行動が変わる
    コミュニケーションで消費者行動が変わる

    消費者が魅力を感じる企業のコミュニケーション対応について聞いたアンケート結果では、先述の通り、コミュニケーション手段の多さと回答した人は8割を超えた。注目すべきは、それに次いで「前回とは異なるコミュニケーション手段で問い合わせしても、それまでの問い合わせ内容が引き継がれている」と回答した人が8割近くいることだ。

    例えば、最初に電話で問い合わせた後にメールで問い合わせても、しっかりと話の続きができるような状態を消費者は求めていると言える。

    エクレクト Zendesk 魅力を感じる企業のコミュニケーション対応
    魅力を感じる企業のコミュニケーション対応(n=3097)(出典:トランスコスモス「消費者と企業のコミュニケーション実態調査2019」)

    たらい回しにしたり、同じことを聞き直したりしない企業に対して、多くの消費者は「自分のことをわかってくれている」と思っている。これが、魅力を感じる企業の対応として、1つの大きな要因となっている。(辻本氏)

    エクレクト Zendesk 代表取締役 辻本真大氏
    エクレクト 代表取締役 辻本真大氏

    チャネルごとの問い合わせ情報を一元管理する「Zendesk」

    コミュニケーション手段が多様化し、1人の顧客がさまざまな手段で企業に問い合わせができるようになった中、その時々で都合の良い手段から問い合わせても、前回とつながった回答が得られるようにするためには人の手だけでは限界があり、オペレーターのスキルに頼った属人化が懸念される。顧客対応のスキルやノウハウが高いオペレーターとコミュニケーションがとれなかった場合には、顧客の離反にもつながりかねない。

    顧客対応の品質を一律化し、良いコミュニケーションをとるための仕組み作りに「Zendesk」が役立っているという。

    「Zendesk」ではあらゆるチャネルで顧客とシームレスにコミュニケーションをとるための各種サービスを提供しており、チャネルごとの問い合わせ情報を蓄積し、一元管理できるようになっている。また、レポーティングや分析をする機能によって得た結果を顧客対応の施策に活用する企業や、最適なFAQサイトを構築する機能によって、人の手が必要な問い合わせの件数を大幅に減少させている企業の事例も増えているという。

    エクレクト Zendesk Zendeskの全体像
    「Zendesk」の全体像

    「Zendesk」の持つ3つの特徴

    「Zendesk」は以下の大きな3つの特徴を持ち、顧客とのコミュニケーションを重視する幅広い規模の企業で導入が進んでいるという。

    1. 統合的なコミュニケーション基盤」を素早く構築できる
    2. 顧客の自己解決を促すFAQサイトや、個々の従業員が持つ知識やノウハウなどを企業内で共有するためのナレッジ管理サイトを簡単に構築できる
    3. あらゆる製品とつなぐことができ、自社に必要な機能をアプリケーションでアドオンできる「拡張プラットフォーム基盤」となっている
    エクレクト Zendesk 特徴 コミュニケーション基盤 ナレッジ・マネジメント 拡張プラットフォーム基盤
    「Zendesk」の特徴

    やずやとI-neの導入事例を紹介

    やずやと、ボタニカルライフスタイルブランド「BOTANIST(ボタニスト)」などのブランドを展開するI-ne(アイエヌイー)における「Zendesk」の導入事例を紹介する。

    アナログ手段による問い合わせが多いやずや

    やずやの顧客層は中高年の比率が高いため、問い合わせや「お客さまの声」は手紙やFAXなどアナログな手段から多く寄せられている。従来から顧客対応に力を入れており、オンプレミスの仕組みで業務を回していたが、将来性や拡張性を考えた上で「Zendesk」の導入を決めたという。

    やずやは寄せられた問い合わせや「お客さまの声」に対して、製品・サービスをどのように改善したのかまですべて管理しているため、「Zendesk」の導入の際は特にレポーティングにこだわり、オリジナルで取得したい指標をレポート用のCSVで出力できるようにした。さらに、手紙やFAXで寄せられた声を登録し、回答やお礼の返信用の文章をWordファイルで生成するアプリケーションを組み込んで、サービス改善と生産性の向上を図っている。

    多くのブランドを展開するI-ne

    I-neは従来、メール管理システムやFAQ管理システムなど、チャネルや用途ごとに別々のシステムを利用していた。システムごとに分けられていた情報を一元管理して業務の均一化と効率化を図るため、「Zendesk」を導入したという。

    I-neは多くのブランドを展開し、ECサイトを運営しているが、どの店舗からどのチャネルで問い合わせが来ても「Zendesk」に集約されるため、対応の効率化が図れるようになった。また、利用している受注管理システムとAPI連携し、問い合わせが来た際はその顧客の注文情報や顧客情報など、問い合わせ対応に必要な情報をすぐに参照できるようにして、漏れのない対応ができる仕組みにしている。

    やずやとI-neの事例のように、独自の取り組みや強みに対しては、「Zendesk」の基本機能にほかの仕組みをアドオンしたり連携したりして、自社の業務によりフィットさせることが重要だ。「Zendesk」に限らず、自社に合ったツールの組み合わせをしていくことが成功の秘訣だと考えている。(辻本氏)

    エクレクト Zendesk 代表取締役 辻本真大氏

    ルーチンワークを自動化し、人の手による業務を省力化

    「Zendesk」は、自動化や半自動化できることはツールの機能でまかない、人は「人が対応すべきことだけに集中しよう」という考えを主眼に置いて開発されている。やずややI-neをはじめ、導入各社はルーチンワークをいかに減らせるかということも重視しており、人の手が掛かっていた業務を省力化できたことで、ほかの業務に集中できる余力が生まれているという。

    エクレクト Zendesk ルーチンワークを自動化 業務効率化
    ルーチンワークを自動化することで業務効率化につながる

    まとめ ~顧客の期待に応えるカスタマーサポートのポイント~

    コミュニケーション手段が多様化し、年々高まる消費者の期待に応えていくためのカスタマーサポートのポイントを以下にまとめる。

    ① カスタマーサポートは「顧客とのコミュニケーション」

    「カスタマーサポート」は単純にクレームの受け入れ口や問い合わせ先という位置付けではなく、顧客とのコミュニケーションを担う重要なポジションである。

    ② コミュニケーションで顧客はファンになり、消費行動が変わる

    コミュニケーションの良し悪しが顧客のファン化、もしくは離反につながり、その後の消費行動にも大きな影響を与える。顧客満足度の高いコミュニケーションをとることによって、競争優位性を見出すことができる。

    ③ コミュニケーションの一環としてFAQサイトがあり、社内FAQ整備も重要な要素

    FAQサイトは顧客とのコミュニケーションの一環であり、軽視できないチャネルの1つと捉えるべき。また、社内に蓄積したナレッジは社内FAQとして整備しておくと、オペレーターの対応が均一化でき、属人化の防止につながる。

    ④ 「レガシーシステムから乗り換え」「統合」「拡張性」「将来性」

    サービス品質や業務内容をより良くしていくために、自社で利用している既存システムだけに固執するのではなく、システムの乗り換えも視野に入れた改善施策が重要だということが、やずやとI-neの事例から学べる。システムの乗り換えを検討する際は、「統合(=複数のシステムを統合して効率化を図る)」、「拡張性(=自社に必要な機能を組み込んで独自性や強みを伸ばす)」、「将来性(=自社のビジョンと共鳴できるシステム)」を念頭に置くことがポイントだ。

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    門谷美帆
    門谷美帆

    緊急事態宣言で消費支出、通販・EC利用はどう変わる?[2020年の振り返り]

    5 years 3ヶ月 ago
    1回目の「緊急事態宣言」による消費支出、ネット通販利用の変化などを振り返る

    新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受け政府は1月7日、東京都、千葉県、埼玉県を対象に「緊急事態宣言」を発令した。首都圏への「緊急事態宣言」で消費はどうなるのか。1回目の「緊急事態宣言」による消費支出、ネット通販利用の変化などを振り返る。

    消費全体は落ち込みが続く

    総務省の家計調査によると、2人以上の世帯の消費支出は前年同月比で、4月度は11.1%のマイナス、5月度は16.2%のマイナスとなった。外出控えの反動で6月度の消費支出は大幅に改善されたが、その後の消費の回復は鈍い。

    総務省の家計調査によると、2人以上の世帯の消費支出は前年同月比で2ケタ減
    総務省統計局が調査した消費支出(画像は「ITナビゲーター2021年版」からキャプチャ)

    2019年の消費増税の反動があるものの、プラスに転じたのは10月度。それまで消費支出はマイナスが続いた。

    緊急事態宣言が解除された5月。家計調査での支出項目を見ると、家具・家事用品を除いたすべてのジャンルで消費支出はマイナスに。食料、交通・通信、教養娯楽、衣服および履物は8月までマイナスが続いた。

    野村総合研究所(NRI)が実施した新型コロナウイルス感染症拡大前と比較した購入金額の変化に関する調査によると、巣ごもり消費は好調。一方、外出を伴う海外旅行などのサービス消費が縮小した。

    野村総合研究所調査 新型コロナウイルス感染症拡大前と比較した購入金額の変化
    新型コロナウイルス感染症拡大前と比較した購入金額の変化(画像は「ITナビゲーター2021年版」からキャプチャ)

    リアルの小売市場は商材、業態の特性で明暗がわかれた。自宅で過ごす時間が増えたためDIY関連用品需要が増加したホームセンター、内食需要を取り込んだスーパーなどは売り上げが拡大。一方、嗜好(しこう)品中心の百貨店やショッピングセンターなどは消費の引き締めといった影響が直撃した

    野村総合研究所調査 2020年の小売企業各社の既存店売上
    2020年の小売企業各社の既存店売上(画像は「ITナビゲーター2021年版」からキャプチャ)

    ECの利用世帯、利用金額が緊急事態宣言後に急上昇

    小売全体の中で需要が一気に増加したのが物販EC。総務省の家計調査(2人以上の世帯)によると、ネットショッピング利用世帯の割合は4月以降に急上昇し、5月には50.5%を記録。調査をスタートした2002年以降、初めてネットショッピング利用世帯が5割を超えた。緊急事態宣言解除後の6月も50.8%、10月も5割を維持し50.9%となっている。

    総務省統計局の調査 ネットショッピング利用世帯の割合の推移
    ネットショッピング利用世帯の割合の推移(2人以上の世帯、2017年1月~2020年6月。画像は総務省統計局の「統計Today No.162」からキャプチャ)

    ネットショッピング利用世帯は増えたが、どのような年齢の世帯での利用が増えたのか。世帯主の年齢階級別にネットショッピング利用世帯の割合の推移を見てみる。

    34歳まで、35~44歳の世帯は7割超45-54歳の世帯では60%後半で推移。55-64歳の世帯も6割近い割合まで拡大している。また、65歳以上の高齢者層の世帯の利用も増加。5月には3割を突破し、6月には31.2%となった。

    総務省統計局の調査 ネットショッピング利用世帯の割合の推移
    ネットショッピング利用世帯の割合の推移(世帯主の年齢階級別、2人以上の世帯、2017年1月~2020年6月。画像は総務省統計局の「統計Today No.162」からキャプチャ)

    今や高齢世帯主世帯でも3割の世帯がネットショッピングを利用するようになり、ネットショッピングが当たり前の時代になりつつある。(総務省の「新型コロナウイルス感染症で変わるネットショッピング-家計消費状況調査の結果から-」から引用)

    ネットショッピングの利用のほか、支出額(1世帯当たり1か月間のネットショッピングの支出総額)も伸びた。増加傾向を毎年続けてきたが、新型コロナで一気に急増。緊急事態宣言発出後の4月は1万4622円、5月は1万5873円、1万7252円となっている。その後も高い割合で推移しており、10月は1万7876円だった。

    総務省統計局の調査 ネットショッピングの支出額の推移
    ネットショッピングの支出額の推移(2人以上の世帯、2017年1月~2020年6月。画像は総務省統計局の「統計Today No.162」からキャプチャ)

    総務省の調査では、品目別のネットショッピング利用の支出額も調査している。旅行関係費とチケットの支出はコロナの影響で激減。一方、家電、婦人用衣類、健康食品、化粧品など幅広い品目で支出額が伸びている状況だ。

    総務省統計局の調査
    家電、婦人用衣類、健康食品、化粧品、旅行関係費、チケットのネットショッピングの支出額の推移(2人以上の世帯。画像は総務省統計局の「統計Today No.162」からキャプチャし、各グラフのキャプションを編集部が加工)

    こうした状況を踏まえ、物販やサービス、コンテンツ系を含めた広義のEC市場について、2020年度のBtoC-EC市場は2019年度比2.6%増の20兆円になると、野村総合研究所は「ITナビゲーター2021年版」で予測している。

    野村総合研究所(NRI)が発表したICT(情報通信技術)やメディアに関する市場調査レポート「ITナビゲーター2021年版」 BtoC EC(消費者向けEC) オムニチャネルコマース市場
    BtoC-EC市場とオムニチャネルコマース市場の推移(画像は「ITナビゲーター2021年版」からキャプチャ)

    物販分野ではオンラインシフトが拡大したものの、旅行、航空券、リアルイベントのチケットなどサービス系の消費支出が縮小したため微増になるというのがその要因だ。

    NRIがまとめたEC市場における拡大・縮小カテゴリ
    NRIがまとめたEC市場における拡大・縮小カテゴリ(画像は「ITナビゲーター2021年版」からキャプチャ)

    民間調査、EC利用1人あたりの金額が増加

    ジェーシービー(JCB)とナウキャストによる、現金も含むすべての消費動向を捉えた国内消費指数「JCB消費NOW」でも、総務省調査と同様の傾向が出ている。

    コロナ感染拡大前(1月後半)と現在(8月後半)の消費動向の比較によると、「燃料小売業」「交通」「宿泊」「娯楽」「旅行」など外出の自粛に伴って消費が押し下げられた業種は、消費者の人数・1人あたりの消費金額の双方とも減少した。

    「コンテンツ配信」「機械器具小売業(家電)」「EC」「電気・ガス・水道」など外出自粛やリモートワークの広がりで消費が押し上げられた業種は、消費人数も消費金額も増加した。

    デジタル消費の「EC」や「コンテンツ配信」はコロナ前に比べて大きく消費が伸びたものの、その伸び方は違いがある。「EC」は1人あたりの消費額が増加、「コンテンツ配信」は利用人数が増えている

    コロナ感染拡大前(1月後半)と現在(8月後半)の消費動向の比較
    コロナ感染拡大前(1月後半)と現在(8月後半)の消費動向の変化

    また、新型コロナウイルス感染拡大後の2020年6月~8月と2019年6月~8月の「EC」を年齢別に比較すると、全世代で消費行動のデジタルシフトが起きている。

    コロナ前のEC前年比(年齢別)
    コロナ前のEC前年比(年齢別)
    コロナ禍である6~8月のEC前年比(年齢別)
    コロナ禍である6~8月のEC前年比(年齢別)

    ミクロ業種で見ると、ECは右上(消費者の人数も金額も増加したことを示す)に集中。特に家電を含む「EC(機械器具)」は、1人あたりの消費金額が大きく増加している

    ミクロ業種でのコロナ感染拡大前(1月後半)と現在(8月後半)の消費動向の比較
    ミクロ業種でのコロナ感染拡大前(1月後半)と現在(8月後半)の消費動向の変化
    ◇◇◇

    緊急事態宣言の対象となる1都3県の総人口は約3500万人。日本の人口の約3割を占める。全国を対象とした前回の緊急事態宣言から対象地域は限定されているが、消費に大きな影響を与えることが想定される。

    瀧川 正実
    瀧川 正実
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    12 分 44 秒 ago
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