越境EC支援のワサビは、米国のドナルド・トランプ大統領が発表した新たな相互関税に関する事業者の意見やアンケート結果を公表した。
調査対象はワサビが提供しているEC一元管理システム「WASABI SWITCH」を利用している13社。調査期間は2025年4月3日から4月8日。
相互関税が導入された場合の感想について、海外販売(越境EC)を展開している事業者からは、次のような声があがった。
- 価格調整やお客さまへの説明が必要となり手間が増える
- 関税支払い拒否が増えることが懸念される
- 将来のビジネス環境に不安を感じる
- 現状を見守るしかない
- ピンチをチャンスと捉え、次の戦略を考える
相互関税とは、貿易相手国が特定品目に課している関税率が、自国で同じ品目に課す関税率よりも高い場合、その不均衡を是正するために相手国と同等の関税率を課す仕組み。トランプ米大統領は4月2日、日本からアメリカへの輸出品に対して約24%の相互関税を適用すると発表した。
海外販売における関税とは、輸入品に課される税金であり、主に国内産業を保護する目的で導入されている。日本から海外へ商品を輸出する場合、一般的に関税は商品を購入したバイヤーが支払う。
そのため、商品を購入するバイヤーは、日本から商品を購入し配送業者へ関税を支払う際に、従来よりも高い関税が課されるケースが増える可能性がある。その結果、日本の商品を輸入するよりもアメリカ国内で同様の商品を購入する選択肢が増えることが懸念される。

関税の仕組み
こうした状況下で日本のEC販売業者がアメリカのEC事業者と競争するには、商品の差別化やオリジナリティの強化がこれまで以上に重要になると予測される。
相互関税がスタートした場合、EC事業者は対応策を次のようにあげている。
- アメリカ以外の市場にチャレンジしていく
- 現在はそのまま運営を続けるが、売れる越境ECの比重を変更していく
- 製品の原産国や輸出入時の分類によって異なるため、今後の動向を注視していく
- 特に変える予定はない
現在、日本から輸出される800ドル以下の商品についてはデミニミスルールが適用されているため、関税支払いが免除されている。一方で、トランプ大統領の中国へのデミニミスルール停止措置に関する大統領令に署名。米東部時間5月2日午前0時01分からデミニミスルールは適用されなくなる。事業者は市場情報をいち早く収集し、柔軟な対策を講じる必要がある。
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オリジナル記事:トランプ関税で越境ECに与える影響は? 「日本商品を輸入するよりも米国内で同様の商品を購入する選択肢が増えることが懸念」
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