ECの決済手段に「ビットコイン」など暗号通貨を導入するメリット+注意すべきポイントを解説 | 海外のEC事情・戦略・マーケティング情報ウォッチ | ネットショップ担当者フォーラム

ネットショップ担当者フォーラム - 2024年12月26日(木) 07:00
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暗号通貨の利用者急増に伴い、決済手段に暗号通貨を取り入れる事業者が増えています。どのようなメリットを得られるのか、取り入れない場合にどのようなリスクが生じるかを詳しく解説します

通貨のような機能を持つデジタル資産、暗号通貨の普及が急速に拡大しています。2024年には6億人以上が暗号通貨を所有し、それに伴い暗号通貨を決済に取り入れる事業者も増加。従来の決済手段よりも購入フローが迅速化、セキュリティや利便性の向上につながるため、暗号通貨の導入が進んでいるのです。事業者が決済手段に暗号通貨を導入するメリット、注意すべきポイントを解説します。

ますますユーザー増加が見込まれる暗号通貨の概況 グローバルで6億人以上が暗号通貨を所有

暗号通貨の普及は急速に進んでおり、2024年には6億人以上の消費者が暗号通貨を所有。それに伴い、暗号通貨を決済手段として採用する事業者が増えています。

暗号通貨を用いた決済に対応していない事業者は、暗号通貨での決済を可能にしている競合他社に顧客を奪われるリスクがあります。

「ビットコイン」など暗号通貨を所持する人が増えている(画像は編集部が追加)「ビットコイン」など暗号通貨を所持する人が増えている(画像は編集部が追加)

暗号通貨の所有者が急増し、暗号通貨を使いたい思うユーザーが増えるのは当然のこと。そのため、決済手段の1つとして暗号通貨を取り入れる事業者が増えています。

2024年半ばまでに、暗号通貨などのデジタル通貨が日常的な決済手段に組み込まれるようになり、暗号通貨を取り入れる事業者の数は今後、着実に増加していくと推定されています。

仮想通貨を使えることが顧客維持率に貢献

暗号通貨の浸透が進んでいる状況は、事業者にとって何を意味するのでしょうか。

時代の流れに取り残されず、一歩先を行くには、暗号通貨の導入を後回しにせず、今すぐ取り入れることが必要です。決済手段の1つとして暗号通貨を採用する企業は、成長し続けている暗号通貨市場に参画できるだけでなく、暗号通貨の流通がさらに拡大が見込まれる今後のために準備することができるのです。

2023年から2030年までの暗号通貨の年間平均成長率(CAGR)は、約12.5%増と予測されており、金融業界で最も急速に成長しているトレンドの1つ。もし、暗号通貨の採用を考えていない場合、暗号通貨を使いたい顧客はより利便性の高い競合他社に流れることになり、利益が停滞したり縮小したりする可能性があるでしょう。

決済手段に暗号通貨を追加することで、暗号通貨を利用する人にシームレスな決済経験を提供することができるため、顧客の維持率を高めると同時に、時代の潮流を捉えた先進的なブランドとしての地位を確立できます。

決済手段に暗号通貨を取り入れるメリット

暗号通貨を決済手段に導入することで、競合企業に対する競争力の維持や新規顧客の獲得だけでなく、さまざまなメリットが得られます。

決済手数料の削減

従来のクレジットカード決済に比べ、暗号通貨の取引手数料は大幅に削減されるため、企業は決済手数料としてかかるコストを最大80%圧縮できます。手数料の削減によるコスト効率の向上は、取引量の多い事業者や利益率が低い事業者にとって大きなインパクトをもたらすでしょう。

キャッシュフローの改善

暗号通貨の支払いは数分、あるいは数秒で取引が完了することが多いため、クレジットカード決済や銀行振込でたびたび見られる決済遅延と比較し、事業者は資金の流動性が高くなります。特に事業運営において資金を迅速にやり繰りする必要がする事業者にとって、キャッシュフローの改善につながります。

セキュリティ強化

暗号通貨の基盤であるブロックチェーン技術はセキュリティ面の安全性が高く、ネット上の取引の詐欺やチャージバックのリスクを軽減するのに役立ちます。

ブロックチェーン技術により、オンライン上の複数の場所で同じデータを保存し、管理する「分散型台帳」にデータが記録されるため、透明性が確保されやすく、第三者による改ざんや偽造がほぼ不可能となります。このため、不正利用によるECサイトの売り上げの取り消し、つまりチャージバックの発生を防ぐことにつながります。事業者の損失を避けたり、トラブルや不正請求を処理する負担を軽減することに寄与します。

仮想通貨がブロックチェーン技術で運用されているイメージ(画像は編集部が追加)仮想通貨がブロックチェーン技術で運用されているイメージ(画像は編集部が追加)
グローバルな顧客基盤の構築

自社ブランドをグローバルに展開する際、通常、企業は国境を越えて商品を販売する際の手数料や為替問題、国際的な銀行システムによる遅延といった懸念が生じますが、暗号通貨なら、世界中どこからのアクセスでもすぐに顧客からの決済を受け入れることができます。

これは、従来の銀行システムの信頼性に疑問を持っていたり、アクセス率がまだ高くない新興市場への進出をめざす企業にとって特に有益です。

暗号通貨による決済を可能にすることのメリットは、手数料の低減、決済のスピードアップ、セキュリティの強化、アクセス性の高さによりグローバルな顧客基盤を構築しやすいことなどがあげられます。

暗号通貨の導入前後でたとえ顧客数が変わらない場合としても、それ以外のメリットが数多くあるため、事業者にとって魅力的な選択肢となります。

暗号通貨決済のリスクを軽減する手法

暗号通貨での決済を受け入れるには一定のリスクが伴いますが、ブロックチェーンベースの暗号通貨決済処理業者のような信頼できるプロバイダーと提携することで、リスクを大幅に軽減することができます。CoinsPaidを例に解説します。

  1. 価格変動……自動フィアット(法定通貨)コンバージョンにより、企業は暗号通貨による支払いを米ドルやユーロなどの従来の通貨に即座に変換。価格変動を回避できます。
  2. 不可逆トランザクション……安全なトランザクションプロセスと高度なサポートにより、一般的な暗号通貨トランザクションと比較して、エラーや顧客からの返金要求への対応を容易にします。
  3. コンプライアンス……強力な規制対策と不正取引の監視により、暗号通貨を取り扱う事業者のコンプライアンスを確保。さまざまな法的要件を満たせるようにします。
  4. 詐欺とサイバー犯罪……ハッキングや盗難から保護するために、暗号化や詐欺防止システムなどの高度なセキュリティプロトコルを採用しているため、取引の安全性を確保しています。

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この記事は今西由加さんが翻訳。世界最大級のEC専門メディア『Digital Commerce 360』(旧『Internet RETAILER』)の記事をネットショップ担当者フォーラムが、天井秀和さん白川久美さん中島郁さんの協力を得て、日本向けに編集したものです。

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