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ADVERTISING WEEK NY レポート」 からご覧ください。
デジタルインテリジェンスNY 榮枝から レポートです。
ニューヨークの広告フェスティバル「アドバタイジング・ウィーク」が来年は東京へ
ニューヨークの「アドバタイジングウィーク(AW)」が今年で12年目の開催、ロンドンが3年目の開催だったが、来年2016年に東京での開催の目処がたったようだ。
主催者であるStillwell Partners社のCEOとこの2年ずっと「ぜひ東京で開催しよう」と話をしていたが、ぐっと現実味がでてきた。先週末行われたアドバタイジング・ウィーク(AW)の会場で「来年は東京で会おう」という言葉が登場している(写真)。
「カンヌ」をはじめ、クリオ、D&AD、それからスパイクアジア等、「広告&マーケティング」業界においてのインターナショナルな賞やフェスティバルは必ず日本の外(海外)で行われ、日本でのフェスティバルは存在していない※。(※アドテック・インターナショナルの開催はあるが、あの趣旨ではインターナショナル・フェスティバルとは呼ばないだろう。)
研修ツアーの名の下に日本の業界精鋭達がこぞって「視察」に行く姿は、1980年代のまんまである事が業界として悩ましかった。スパイクアジアはカンヌの主催者が傘下に収めたために日本での注目度が高まったが、あれとてシンガポールの媒体社が創設したローカルなフェスティバルだった。端的に言えば日本の業界発信力は人口530万人のシンガポールに負けているという事だ。
ぞろぞろ海外に行かずとも「学ぶ」事は普段の業務の延長でこなせば良いと考えるし、むしろ世界に先駆けて発信できる内容を日本で築いたり、あるいは世界の英知を招聘するパワーが日本に欲しいところ、と常々考えている。
AWは、エージェンシーの参加はもちろん、広告主(マーケター)企業、パブリッシャー&メディア企業、アドテク企業、業界協会、と一丸なって参加し、盛り上げる「マーケティング総括」なフェスティバル。クリエイティブに偏ってる訳でもなく、テクノロジーに偏る事もなく、フォーカスは「マーケティング本論」である所が非常に共感が湧く。賛同企業も年々増え、開催規模も12年間連続で大きく成長している。毎年膨らむプログラムのページ数は去年300ページの大台に乗り、今年は316ページ。この冊子の情報量は小さい画面のモバイルのイベントアプリだけでは、とうてい追い切れない。
今年のAW傾向だが、「プログラマティック」「モバイル」「ビデオ」「ローカル(ロケーション)」「IoT」「ニューロサイエンス」等の定番テーマは健在。あえてビジネスの行間を読むとすれば「テックやデータは当然として横において、コンテント(コンテンツ)はすでに押さえた」という自信のセッションのあちこちで見れた。
業界を牽引するWPPマーチンソレルはこの2年、自社の「データ・インベストメント」を強調していたが、今年はスポーツ、モデル、音楽のコンテンツホルダーをゲストに招聘するパネルディスカッションを開催した。ゲスト企業は何らかのエクイティー関係を持っている企業だ。ちなみにIPGのマイケル・ロスCEOもテーマは「コンテント」。この「コンテント」の傾向をどう解釈するかはMAD MANレポートを継続ご覧いただきたい。
下記リンクはマーチンソレルのセッション。AWは開催模様を後日ビデオ公開している。
http://www.advertisingweek.com/replay/#date=2015-09-30~video-id=277~venue=1
話はAWの日本開催に戻る。ニューヨークで始まったフェスティバルがロンドンに飛び火し、主催者は3番目の開催地として候補地を探していた。あやうく北京開催、あるいはシンガポール、と世界のコンベンション、カンファレンスの拡散傾向と同じ順序に収まるところだった。この東京開催となる「逆転劇」は5大ホールディングエージェンシーの一角、電通さん(&イージス)のご助力があると聞く。上位のオムニコム、IPGは米国発信、WPPとピュブリシスはヨーロッパ発信、5番目のホールディング企業電通さんの本拠地は東京(&ロンドン)。この世界地図においてAWが突然「北京」「シンガポール」開催となるのは許せない、が私のAW東京開催応援の気持ちだった。
今年もおそらく、80人ー100人程の日本からの出張者がAWのためにニューヨークに来られてたのではないか。今週はその出張レポートが花盛りになるだろう。「視察」の是非はさておき、自己投資として14時間の飛行機に乗り、ニューヨークという「アウェー」に来る意味は大いにある。普段の仕事との「異次元」が感じられ、フレッシュな感覚で情報を摂取できるからだ。この「ま逆」の感触を米国やヨーロッパの業界人に日本(東京)で味わってもらう日が来年やっと来るのだ。みなさんAW東京でお会いしましょう。