祝福する、褒める、共感するの3つに共通するポイントとは?
今日は、人間の特性とソーシャルなメディアの勘所について
2010年10月19日 12:00
今日は、人間の特性とソーシャルなメディアの勘所について。「祝福する」「褒める」「共感する」の3つについて、共通する要素とは何でしょうか? それが、ソーシャルメディアと関係してくるのです。
結論から言うと、「祝福すること」「褒めること」「共感すること」、人間は、自分では自分に対してこの3つはできません。すべて他人にしてもらわないと、うれしくないものなのです。
何か自分に良いこと、すばらしいことがあったときに、自分で自分を祝ったり、自分で自分を褒めたりしても、本当にうれしいものではありません。また、自分で自分に共感するというのもおかしな話ですよね。
ところが、他人に祝ったり褒めたり共感したりしてもらうと、人間というのは不思議とうれしくなってモチベーションが上がるもので、さらに、それをしてくれた相手に対する親近感が増すものです。
旧来のWebサイトというのは「情報」(つまり左脳の領域)を中心に展開していましたが、昨今のWebで重要度が増しているソーシャルメディアというのは、こうした「感情」(つまり右脳の領域)を中心に展開しているものだといえるかもしれません(特に「共感」の部分)。
自分がしている行動、ふと思ったこと、考えた意見、そうしたことをソーシャルメディア上に書くと、だれかが「いいね」と言ったりRTしてくれたりします。これは、共感を表明していたり、場合によっては褒めていたりする反応でしょう。
プライベートなことで何か良いことがあればそれに対してだれかが祝福してくれるのも、ソーシャルメディアならではですね。
もちろんソーシャルメディアというのはそうした右脳に訴えるだけの場ではありません。「即時性が高い」「場ではなく人が発信している」「公式感がさほど高くない」といった特性に合わせて、左脳的な情報を伝達することもできます。
とはいえ、オンラインで人が集まる場所の呼び名が「フォーラム」「掲示板」から「コミュニティ」になり、そして「ファンページ」へと変わっていったことを考えると、やはりソーシャルメディアは、より右脳的な部分が強くなってきているのではないかと思います。
ソーシャルメディアの使い方、そこへの関わり方を考えるときに、既存のWebサイトのように「情報」を中心にした展開だけではうまくいかないのかもしれません。「祝福する」「褒める」「共感する」といった右脳的な部分を中心にした展開を考えてみるといいかもしれませんね。
こうした考え方が、自社サイトとソーシャルメディアの使い分け方のヒントになるのではないかと思うのですが、いかがでしょうか。
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この記事の筆者
安田 英久(やすだ・ひでひさ)
株式会社インプレス
Web担当者Forum 編集統括(初代編集長)
プログラミングやサーバー、データベースなどの技術系翻訳書や雑誌『インターネットマガジン』などの編集や出版営業を経て、Webサイト 「Web担当者Forum」初代編集長。ビジネスにおけるWebサイトの企画・構築・運用と、オンラインマーケティングの2軸をテーマにメディアを展開いる。現在は編集統括として媒体に携わる。
個人としては、技術とマーケティングの融合によるインターネットのビジネス活用の新しい姿と、ブログ/CGM時代におけるメディアのあるべき姿を模索し続けている。趣味は素人プログラミングと上方落語と南インドカレー。
- Twitter:@Hidehisa
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