アスクルは7月4日、連結子会社であるアスマル(本社東京都、木村美代子社長)とネットプライスドットコムとの資本・業務提携を解消したと発表した。アスマルの消費者向けECのノウハウや人材は今後、ヤフーと共同で運営するECサイト「ヤスクル(仮称)」に集中させる。BtoC事業を方向転換し、早期の売上拡大を図っていく考え。
アスマルは09年11月に設立したアスクルとネットプライスドットコムの合弁会社。ネットプライスのECサイトにおける販売力とアスクルの商品力をあわせて、一般消費者向け市場の開拓を目的としていた。
開始初年度(11年5月期)の売り上げ目標は65億円で、3年後には590億円に拡大させる計画だった。しかし、PR不足などが影響し、11年5月期の売上高は約23億円にとどまっていた。今期は事業立て直しのため、サイトのコンセプトを「女性向け生活提案ECサイト」に変更し、サイトで訴求する商品も女性向け商品に絞って展開してきた。
アスクルは一般消費者向けのEC拡大に再び挑戦するため、今年5月にヤフーと提携。アスクルの岩田彰一郎社長は「新サイトとアスマルはコンセプトが異なるため併存可能
」と話していた。しかし、新事業の立ち上げ・拡大に経営資源を集中することが必要と判断し、提携を解消することにした。
アスクルは資本・業務提携の解消によりネットプライスが持つアスマルの株式(20%)を取得した。今年中にアスクル本体に吸収合併する予定。
アスマルの取締役に就任していたネットプライスドットコムの佐藤輝英社長は取締役を辞任。元ネットプライス社長で、現在アスマルの副社長専任の田島和修氏は吸収合併後、ネットプライスに戻る予定となっている。
アスマルの事業ノウハウは、ヤフーとの新事業に融合していく考えで、内容については決定次第開示するとしている。
・アスマル
→ http://www.asmaru.com/
・アスクル株式会社のプレスリリース
→ http://ir.askul.co.jp/repository/IRRL/PDF/1J0000221100.pdf
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