アドビ システムズが同社のDMPであるAdobe Audience Managerを通してデータの売買が可能となる「Audience Marketplace」を日本国内で提供開始することを、7月18日(水)に発表した。
Audience MarketplaceはAdobe Analytics Cloudのデータ管理プラットフォーム(DMP)であるAudience Managerにおいてデータマーケットプレイスとして提供される。
セカンド/サードパーティデータの統合が可能に
同サービスではAdobe Analyticsとの連動により、データ収集・分析・広告配信・データ売買の決済までを1つのツール内で完結できる。
これにより、Adobe Audience Managerのユーザー企業は、個別契約の手間をかけることなく、自社が所有するファーストパーティデータ(オンラインの行動情報やオフラインの属性情報)を、セカンドパーティデータやサードパーティデータ(※下記図を参照)との統合が可能になる。
また、データセキュリティの施策として個人情報データの不保持、オフラインデータのセグメント情報のフラグ化、GDPRへの準拠をしているという。
他社の企業情報・属性・年収・家族構成などのデータを利用可能に
Audience Managerは今回の国内でのサービス展開にあたり、KDDI株式会社のB2Bマーケティング部門で先行利用されており、インテージやディーアンドエムなど7社がデータプロバイダ―として参画している。
なお、それぞれのデータプロバイダーは以下のデータを提供している。
株式会社インティメート・マージャー
推計情報(デモグラフィック属性、興味関心、地域・商圏情報、web閲覧履歴)
株式会社インテージ
モニター属性情報(性別、年齢、職業、居住地、未既婚、子供有無、年収 等)
株式会社Geolocation Technology(どこどこJP)
企業/組織関連情報(組織名、上場区分、資本金区分、従業員数区分、業種分類 等)
株式会社ディーアンドエム(クロス・マーケティンググループ)
モニター属性情報(性別、年齢、職業、居住地、未既婚、子供有無、年収 等)
デジタル・アドバタイジング・コンソーシアム株式会社
推定情報(デモグラフィック属性情報、 興味関心・嗜好性)
株式会社マクロミル
モニター属性情報(性別、年齢、職業、居住地、未既婚、子供有無、年収 等)
株式会社ランドスケイプ
企業/組織関連情報(組織名、上場区分、資本金区分、従業員数区分、業種分類、企業系列 等)
今後は日本ではまだ数多くはないデータプロバイダ企業の参画数を増やし、顧客が欲しいデータをより多く提供できるようにするという。
Audience Marketplaceへの登録は無料、データの売買を行う場合はデータプロバイダが掲示する価格にて取引が可能となる。
KDDI森本氏「ABMの実施がさらに効率的に」
同日に開催されたAdobe Audience Marketplaceの説明会でアドビ システムズのAudience Manager プロダクトマネージャのクナール・チョプラ氏、プロダクト エバンジェリストの安西敬介氏が登壇した。
プロダクトマネージャのクナール・チョプラ氏は「Audience Marketplaceはマーケットチャネル全体においてマーケターによるオーディエンスの管理、活性化、収益化の方法を再定義する」とし、「Marketplaceはツールの導入を売り上げ目的としているわけではなく、お客様に満足してもらう事を目的としている」と締めくくった。
同サービスを先行利用したKDDI株式会社ソリューションマーケティング部の森本祐吏氏は「Audience Managerの活用によってターゲット企業のセグメント設定が可能となり、従来は困難であったターゲット企業ごとの広告施策、パーソナライズやwebサイト分析が可能となりました。今回のAudience Marketplaceの提供開始により、デジタルにおけるアカウントベースドマーケティングの実施がさらに効率的になることを期待しています」とコメントしている。
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