DMP導入企業向けに他社データを統合しやすくするデータ流通サービスをアドビが提供開始

データの収集、分析、売買までのタスクを1つのツールで完結
清住真由子(Web担編集部) 2018/7/19 14:00

アドビ システムズが同社のDMPであるAdobe Audience Managerを通してデータの売買が可能となる「Audience Marketplace」を日本国内で提供開始することを、7月18日(水)に発表した。

Audience MarketplaceはAdobe Analytics Cloudのデータ管理プラットフォーム(DMP)であるAudience Managerにおいてデータマーケットプレイスとして提供される。

セカンド/サードパーティデータの統合が可能に

同サービスではAdobe Analyticsとの連動により、データ収集・分析・広告配信・データ売買の決済までを1つのツール内で完結できる。

これにより、Adobe Audience Managerのユーザー企業は、個別契約の手間をかけることなく、自社が所有するファーストパーティデータ(オンラインの行動情報やオフラインの属性情報)を、セカンドパーティデータやサードパーティデータ(※下記図を参照)との統合が可能になる。

Adobe 企業を取り巻くデータの区分け
ファースト / セカンド / サードデータの区分例

また、データセキュリティの施策として個人情報データの不保持、オフラインデータのセグメント情報のフラグ化、GDPRへの準拠をしているという。

他社の企業情報・属性・年収・家族構成などのデータを利用可能に

Audience Managerは今回の国内でのサービス展開にあたり、KDDI株式会社のB2Bマーケティング部門で先行利用されており、インテージやディーアンドエムなど7社がデータプロバイダ―として参画している。

Audience Marketplaceのデータプロバイダ―参画企業

なお、それぞれのデータプロバイダーは以下のデータを提供している。

  • 株式会社インティメート・マージャー

    推計情報(デモグラフィック属性、興味関心、地域・商圏情報、web閲覧履歴)

  • 株式会社インテージ

    モニター属性情報(性別、年齢、職業、居住地、未既婚、子供有無、年収 等)

  • 株式会社Geolocation Technology(どこどこJP)

    企業/組織関連情報(組織名、上場区分、資本金区分、従業員数区分、業種分類 等)

  • 株式会社ディーアンドエム(クロス・マーケティンググループ)

    モニター属性情報(性別、年齢、職業、居住地、未既婚、子供有無、年収 等)

  • デジタル・アドバタイジング・コンソーシアム株式会社

    推定情報(デモグラフィック属性情報、 興味関心・嗜好性)

  • 株式会社マクロミル

    モニター属性情報(性別、年齢、職業、居住地、未既婚、子供有無、年収 等)

  • 株式会社ランドスケイプ

    企業/組織関連情報(組織名、上場区分、資本金区分、従業員数区分、業種分類、企業系列 等)

今後は日本ではまだ数多くはないデータプロバイダ企業の参画数を増やし、顧客が欲しいデータをより多く提供できるようにするという。

Audience Marketplaceへの登録は無料、データの売買を行う場合はデータプロバイダが掲示する価格にて取引が可能となる。

KDDI森本氏「ABMの実施がさらに効率的に」

同日に開催されたAdobe Audience Marketplaceの説明会でアドビ システムズのAudience Manager プロダクトマネージャのクナール・チョプラ氏、プロダクト エバンジェリストの安西敬介氏が登壇した。

クナール・チョプラ氏(アドビ システムズ Adobe Audience Manager プロダクトマネージャ)
安西敬介氏(アドビ システムズ グローバルサービス統括本部 プロダクトエバンジェリスト兼シニアコンサルタント)

プロダクトマネージャのクナール・チョプラ氏は「Audience Marketplaceはマーケットチャネル全体においてマーケターによるオーディエンスの管理、活性化、収益化の方法を再定義する」とし、「Marketplaceはツールの導入を売り上げ目的としているわけではなく、お客様に満足してもらう事を目的としている」と締めくくった。

同サービスを先行利用したKDDI株式会社ソリューションマーケティング部の森本祐吏氏は「Audience Managerの活用によってターゲット企業のセグメント設定が可能となり、従来は困難であったターゲット企業ごとの広告施策、パーソナライズやwebサイト分析が可能となりました。今回のAudience Marketplaceの提供開始により、デジタルにおけるアカウントベースドマーケティングの実施がさらに効率的になることを期待しています」とコメントしている。

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